(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】ケラチン繊維のストランドのためのホイルならびに関連するキットおよび照明プロセス
(51)【国際特許分類】
A45D 19/00 20060101AFI20220715BHJP
A45D 19/02 20060101ALI20220715BHJP
A61K 8/96 20060101ALI20220715BHJP
A61Q 5/06 20060101ALN20220715BHJP
【FI】
A45D19/00 B
A45D19/02 B
A61K8/96
A61Q5/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569182
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(85)【翻訳文提出日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 EP2020063994
(87)【国際公開番号】W WO2020234311
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク・ウッドランド
(72)【発明者】
【氏名】ギャバン・ヴィック
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス・オソラン
【テーマコード(参考)】
3B040
4C083
【Fターム(参考)】
3B040AE00
4C083BB60
(57)【要約】
本発明は、第1のシート(20)および第2のシートを含むケラチン繊維のストランド(12)のためのホイル(14)に関し、第1のシート(20)は関節、特にヒンジによって第2のシートに接続され、第1のシート(20)は、ストランドを照らすための閉構成と開構成との間で第2のシートに対して移動可能である。第1のシート(20)は、UV可視光に対して実質的に少なくとも部分的に透明であり、第2のシート(22)は、UV可視光に対して実質的に少なくとも部分的に不透明である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケラチン繊維のストランド(12)のためのキット(10)であって、
第1のシート(20)および第2のシート(22)を含むケラチン繊維のストランド(12)のための少なくとも1つのホイル(14)であって、前記第1のシート(20)は、前記ストランド(12)を照らすための閉構成と開構成との間で前記第2のシート(22)に対して移動可能であり、前記第1のシート(20)は、UV可視光に対して実質的に少なくとも部分的に透明であり、前記第2のシート(22)は、前記UV可視光に対して実質的に少なくとも部分的に不透明である、少なくとも1つのホイル(14)と、
ケラチン繊維の少なくとも1つのストランド(12)を照らすためのデバイス(16)であって、照明デバイス(16)は、有利には、照明空洞(104)を画定する第1の分岐(100)および第2の分岐(102)を含む、デバイス(16)とを含み、
前記照明デバイス(16)は、前記ストランドを照らすことができる照明システム(108)を含む、キット(10)。
【請求項2】
前記第1のシート(20)は、350nmから500nmまで、好ましくは280nmから700nmまでの波長範囲において75%より高い透過率を有する、請求項1に記載のキット(10)。
【請求項3】
前記第2のシート(22)は、350nmから500nmまで、好ましくは280nmから700nmまでの波長範囲において5%未満の透過率を有する、請求項1または2に記載のキット(10)。
【請求項4】
前記ホイル(14)は、前記第1のシート(20)または前記第2のシート(22)のうちの少なくとも1つの上に配置された光学スケール(26)をさらに有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のキット(10)。
【請求項5】
前記第1のシート(20)および前記第2のシート(22)はそれぞれ、少なくとも1つの第1の面(30、31)と、前記第1の面(30、31)に対向する第2の面(32、33)とを含み、前記第1のシート(20)の前記第1の面(30)は、前記閉構成において前記第2のシート(22)の前記第1の面(31)と少なくとも部分的に接触しており、前記光学スケール(26)は、前記第2のシート(22)の前記第2の面(33)上に配置される、請求項4に記載のキット(10)。
【請求項6】
前記光学スケール(26)は、反復して配置され、有利には一定であるすき間(52)によって互いに離隔された複数の同一のパターンを(50)含む、請求項4または5に記載のキット(10)。
【請求項7】
前記光学スケール(26)は、スクリーン印刷によって取得される、請求項4から6のいずれか一項に記載のキット(10)。
【請求項8】
前記第1のシート(20)は、関節(24)、特にヒンジによって前記第2のシート(22)に接続される、請求項1から7のいずれか一項に記載のキット(10)。
【請求項9】
前記ホイル(14)は、前記第1のシート(20)または前記第2のシート(22)のうちの少なくとも1つの上に配置された光学スケール(26)を有し、前記光学スケール(26)は、前記第1のシート(20)または前記第2のシート(22)の第1の縁部(34、35)と第2の縁部(36、37)との間で前記関節(24)に沿って配置される、請求項8に記載のキット(10)。
【請求項10】
前記第1のシートまたは前記第2のシート(20、22)のうちの少なくとも1つは、前記関節(24)に対向する自由縁部(38、39)を有し、前記ホイル(14)は、前記自由縁部(38、39)に沿って配置されたシール手段(28)をさらに含み、前記シール手段(28)は、前記閉構成において前記ホイル(14)をシールすることができる、請求項8または9に記載のキット(10)。
【請求項11】
前記ホイル(14)は、前記第1のシート(20)と前記第2のシート(22)との間の関節を有しない、請求項1から7のいずれか一項に記載のキット(10)。
【請求項12】
前記ホイル(14)は、前記第1のシート(20)または前記第2のシート(22)のうちの少なくとも1つの上に配置された光学スケール(26)を有し、前記照明デバイス(16)は、前記光学スケール(26)に対する前記照明デバイス(16)の運動を測定することができる光学システム(109)を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のキット(10)。
【請求項13】
前記光学システム(109)は光センサ(120)を含み、前記光学システム(109)は、前記光センサ(120)によって測定される前記光学スケール(26)に対する前記照明デバイス(16)の前記運動の関数として、前記照明システム(108)によって生成される照明を制御することができる、請求項12に記載のキット(10)。
【請求項14】
ケラチン繊維の前記ストランド(12)上に塗布され得る、ケラチン繊維に対する少なくとも1つの化粧品組成物をさらに含む、請求項1から13のいずれか一項に記載のキット(10)。
【請求項15】
ケラチン繊維の少なくとも1つのストランド(12)を処置するための方法であって、以下の、
請求項1から14のいずれか一項に記載のキットの前記ホイル(14)の前記第1のシート(20)と前記第2のシート(22)との間にストランド(12)を挿入するステップであって、前記ホイル(14)は前記開構成にある、ステップと、
前記ホイル(14)を閉じるステップであって、前記ストランド(12)は前記第1のシート(20)および前記第2のシート(22)の間にある、ステップと、
前記第1のシート(20)が照明デバイス(16)の照明システム(108)に対向して位置するように、前記ホイル(14)を前記閉構成に配置するステップと、
前記ストランド(12)を照らすために前記照明システム(108)を起動するステップと、
前記ホイル(14)に対する前記照明デバイス(16)の相対運動を実行するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記照明デバイス(16)は、前記ホイル(14)の前記第1のシート(20)または前記第2のシート(22)のうちの少なくとも1つの上に配置された光学スケール(26)に対する前記照明デバイス(16)の運動を測定するように配置された光センサ(120)を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記光センサ(120)は、前記光学スケール(26)に対する前記照明デバイス(16)の前記運動を測定し、前記光センサ(120)は、有利には、前記運動の関数として前記照明システム(108)を制御する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ホイル(14)を閉じる前に、少なくとも1つの化粧品組成物を前記ストランド(12)の上に塗布するステップを含む、請求項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記化粧品組成物は、少なくとも1つの化学的酸化剤を含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記化粧品組成物は、少なくとも1つの光架橋性化合物を含有する、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記照明システムに対向して前記閉構成において前記ホイル(14)を配置する前に、前記閉構成において前記ホイル(14)をシールするステップを含む、請求項15から20のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1のシートおよび第2のシートを含むケラチン繊維のストランドのためのホイルに関し、第1のシートは、ストランドを照らすための閉構成と開構成との間で第2のシートに対して移動可能である。
【背景技術】
【0002】
ホイルは、特に、毛髪の処置のために使用されるように設計されている。処置は、特に、照明の下で毛髪の変色をもたらすこと、または毛髪にボリューム効果を与えるために洗髪に耐える被覆を毛髪に付着させることを狙いとする。
【0003】
特許文献1、特許文献2、および特許文献3は、光架橋性化合物を含む、毛髪に塗布可能な化粧用被覆組成物について記載している。
【0004】
被覆組成物を毛髪に塗布した後、発光ダイオード(LED)による照明デバイスが、ポリマーを架橋するために毛髪のストランドの上を進み、その結果、被覆が取得される。
【0005】
一般に、放射光は、ジュール/cm2程度のエネルギー線量において、UV可視領域内にある。
【0006】
他の場合、特許文献4におけるように、毛髪を変色させるために光酸化を実行しなければならないとき、化学的酸化剤を含む組成物によって処理される毛髪は、発光ダイオードによる光の適用を受ける。照明デバイスは、一般に、より高い出力において、たとえば約100ジュール/cm2程度において使用される。
【0007】
照明ステップの前に、化粧品組成物が塗布されている毛髪のストランドは、一般に、残りの毛髪から分離されてホイルの内側に包含される。ホイルは、被覆または漂白組成物を毛髪のストランド上に保持するとともに、毛髪と照明デバイスとの間の直接接触を防止する。
【0008】
前述の照明デバイスは、光をデバイス内に閉じ込めることを確保しながら、毛髪のストランドへの効果的な放射を提供するために非常に効果的である。
【0009】
しかしながら、前述の照明デバイスは、使用が複雑であり、一般に、そのようなデバイスを取り扱うために訓練された専門家の存在を必要とする。不正確な取り扱いは、所望の処置ゾーンの外への光の分散を引き起こし、それが、悪化した処置、および/または処置されない毛髪の変質、およびユーザに対するリスクをもたらすという危険にさらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2017/108767号
【特許文献2】国際公開第2004/054527号
【特許文献3】国際公開第2007/04872号
【特許文献4】国際公開第2015/165949号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それゆえ、本発明の1つの目的は、光の分散のリスクを大幅に制限するかまたはさらには防止しながら、ストランドの照明を必要とする処置を実行することを可能にする、ケラチン繊維のストランドのためのホイルを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
その目的に対して、本発明は、第1のシートおよび第2のシートを含むケラチン繊維のストランドのためのホイルに関し、第1のシートは関節、特にヒンジによって第2のシートに接続され、第1のシートはストランドを照らすための閉構成と開構成との間で第2のシートに対して移動可能であり、第1のシートはUV可視光に対して実質的に少なくとも部分的に透明であること、および第2のシートはUV可視光に対して実質的に少なくとも部分的に不透明であることを特徴とする。
【0013】
一変形形態によれば、第1のシートは光に対して実質的に透明であり、好ましくは、第1のシートは350nmから500nmまで、好ましくは280nmから700nmまでの波長領域において75%より高い透過率を有する。一変形形態によれば、第2のシートは光に対して実質的に不透明であり、好ましくは、第2のシートは350nmから500nmまで、好ましくは280nmから700nmまでの波長範囲において5%未満の透過率を有する。
【0014】
ケラチン繊維は、同じく、低減された光のロスの下で最大の照明を受ける。ホイルの下に配置される体表面は、さらに保護される。
【0015】
一変形形態によれば、第1のシートおよび第2のシートはそれぞれ、少なくとも第1の面と、第1の面に対向する第2の面とを含み、第1のシートの第1の面は、閉構成において第2のシートの第1の面と少なくとも部分的に接触している。
【0016】
一変形形態によれば、ホイルは、第1または第2のシートの少なくとも1つの上に配置された光学スケールを有する。
【0017】
光学スケールは、ケラチン繊維のストランドが受ける照明を制御し、その結果、露出過度を回避することを可能にする。
【0018】
一変形形態によれば、光学スケールは、第2のシートの第2の面の上に配置される。
【0019】
一変形形態によれば、光学スケールは、第1または第2のシートの第1の縁部と第2の縁部との間の関節に沿って配置される。
【0020】
好適なセンサによる光学スケールの読みが、より容易になる。
【0021】
一変形形態によれば、光学スケールは、反復して配置され、有利には一定であるすき間によって互いに離隔された複数の同一のパターンを含む。
【0022】
したがって、ホイルに沿った照明デバイスの運動は、光センサを使用して即時にかつ容易に測定可能である。
【0023】
一変形形態によれば、光学スケールは、スクリーン印刷によって取得される。
【0024】
スクリーン印刷は、強力な色と良好な不透明度を保証し、光学スケールの読みを容易にする。
【0025】
一変形形態によれば、第1のシートまたは第2のシートの少なくとも1つは、2つのシートの間の関節に対向する自由縁部を有し、ホイルは、自由縁部に沿って配置されたシール手段をさらに含み、シール手段は、閉構成においてホイルをシールすることができる。たとえば、シール手段は、接着剤またはベルクロ(登録商標)システムのストリップを使用して作ることができる。
【0026】
したがって、ケラチン繊維のストランドは、照明によるストランドの処置の間、ホイルのシートの間に保持される。
【0027】
2つのシートの間の関節は、粘着性、溶接性、接着性、ステープル止め、ベルコデバイス、または縫製であり得る。それは、ホイルの実質的に長手方向組立線に沿って実行される。
【0028】
本発明は、同じく、ケラチン繊維のストランドのためのキットに関し、そのキットは、
- 前述のタイプの少なくとも1つのホイルと、
- ケラチン繊維の少なくとも1つのストランドを照らすためのデバイスとを含み、照明デバイスは、有利には、照明空洞を画定する第1の分岐および第2の分岐を含み、照明デバイスは、ストランドを照らすことができる照明システムを含む。
【0029】
一変形形態によれば、照明デバイスは、光学スケールが存在する場合に光学スケールに対する照明デバイスの運動を測定することができる光学システムを含む。
【0030】
一変形形態によれば、光学システムは、光学スケールが存在する場合に光学スケールに対する照明デバイスの運動を測定することができる光センサを含み、光学システムは、センサによって測定される光学スケールに対する照明デバイスの運動の関数として照明システムによって生成される照明を制御することができる。
【0031】
一変形形態によれば、キットは、ケラチン繊維のストランド上に塗布することができる、ケラチン繊維のための化粧品組成物をさらに含む。
【0032】
本発明はまた、ケラチン繊維の少なくとも1つのストランドの処置のための方法に関し、その方法は、以下の
- 前述のタイプのホイルの第1のシートと第2のシートとの間にストランドを挿入するステップであって、ホイルは開構成にある、ステップと、
- ホイルを閉じるステップであって、ストランドは第1のシートと第2のシートとの間にある、ステップと、
- 第1のシートが照明デバイスの照明システムと対向して位置するように、ホイルを閉構成に配置するステップと、
- ストランドを照らすために照明システムを起動するステップと、
- ホイルに対する照明デバイスの相対運動を実行するステップとを含む。
【0033】
一変形形態によれば、照明デバイスは、ホイルの第1のシートまたは第2のシートの少なくとも1つの上に配置された光学スケールに対する照明デバイスの運動を測定するように配置された光センサを有する。
【0034】
一変形形態によれば、光センサは、光学スケールに対する照明デバイスの運動を測定し、センサは、有利には、前記運動の関数として照明システムを制御する。
【0035】
一変形形態によれば、方法は、ホイルを閉じる前に、またはストランドをホイルに挿入する前に、少なくとも1つの化粧品組成物をストランド上に塗布するためのステップを含む。
【0036】
本方法の一変形形態では、ストランドは、少なくとも1つの化粧品組成物を用いてあらかじめ処置される。
【0037】
一変形形態によれば、化粧品組成物は、少なくとも1つの化学的酸化剤を含む。
【0038】
好ましくは、化学的酸化剤は、過酸化水素単独であるか、または少なくとも1つの過酸基塩、および特に少なくとも1つの過硫酸塩との組合せである。
【0039】
好ましくは、少なくとも1つの化学的酸化剤を含む組成物は、少なくとも1つのアルカリ剤を含む。アルカリ剤は、鉱物または有機物であり得る。
【0040】
一変形形態によれば、化粧品組成物は、少なくとも1つの光架橋性化合物、さらにより好ましくは、光二量化可能な化合物を含む。
【0041】
好ましくは、光架橋性化合物はポリマーである。さらにより好ましくは、光架橋性ポリマーは、疎水性または非疎水性のPVA-SBQである。
【0042】
化学的酸化剤および/または光架橋性化合物を含む化粧品組成物は、同じく、溶剤、シリコーン処理されてもされなくてもよい脂肪体、シリコーン処理されてもされなくてもよいアニオンの、カチオンの、非イオンのまたは両性の界面活性剤、非光架橋性ポリマー、ならびに特に、アニオンの、カチオンの、非イオンのまたは両性の処理、定着または濃化ポリマー、合成または天然の水溶性着色剤、顔料、薬剤分解ジスルフィド結合、酸化剤、およびフケ防止剤、脱毛防止剤の中から選択された少なくとも1つの化合物を含むことができる。
【0043】
発明的方法において毛髪に塗布される組成物は、少なくとも2つの組成物を使用する間の混合に起因することができる。これは、特に、漂白の場合であり、毛髪に塗布される化粧品組成物は、好ましくは、2つの組成物を使用するときの混合に起因し、2つの組成物のうちの1つは過酸化水素または過酸化水素前駆体を含み、第2の組成物は少なくとも1つのアルカリ剤を含む。さらにより好ましくは、第1の組成物は水性であって過酸化水素を含み、第2の組成物は無水である。
【0044】
ケラチン繊維は、好ましくは、人の毛髪またはエクステンションである。
【0045】
一変形形態によれば、方法は、照明デバイスの第1および第2の分岐の間にホイルを挿入する前に、閉構成においてホイルをシールするステップを含む。
【0046】
一変形形態によれば、方法は、照明システムに対向して閉構成においてホイルを配置する前に、閉構成においてホイルをシールするステップを含む。
【0047】
単に一例として提供された、添付の図面に関する以下の説明を読むと、本発明はより良く理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】毛髪のストランドを照らす間の本発明によるキットであって、照明デバイスと、毛髪のストランドがその内側に挿入されるホイルとを含む、キットの4分の3斜視の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明によるケラチン繊維のストランドのためのキット10を
図1に示す。
【0050】
キット10は、たとえば、化粧品組成物によって以前に処理されているケラチン繊維の少なくとも1つのストランド12を照らすように設計される。好ましくは、ケラチン繊維は毛髪である。
【0051】
一変形形態では、化粧品組成物は、キット10によってストランド12の照明による処置の間に架橋する少なくとも1つの光架橋性ポリマーを含む。
【0052】
一変形形態では、キット10は、ストランド12を漂白するためにケラチン繊維のストランド12を照らすように設計され、ストランド12は、少なくとも1つの酸化剤を含有する組成物によってあらかじめ処置され得る。
【0053】
図1を参照すると、キット10は、ホイル14と、ケラチン繊維の少なくとも1つのストランド12に対する照明デバイス16とを含む。有利には、キット10は、ケラチン繊維のストランド12上に塗布することができる、ケラチン繊維のための化粧品も含む。
【0054】
図2~
図4を参照すると、ホイル14は、第1のシート20および第2のシート22を含み、第1のシート20は、関節24または組立手段24によって第2のシート22に接続され、組立手段24は、たとえば、粘着性、溶接性、接着性、ステープル止め、ベルコデバイス、または縫製である。関節24は、組立線に沿って行われる。たとえば、関節24はヒンジである。
【0055】
特定の一実施形態によれば、ホイル14は、第1または第2のシート20、22の少なくとも1つの上に配置された光学スケール26をさらに有する。
【0056】
有利には、ホイル14は、ホイル14を閉構成においてシールすることができるシール手段28も含む。
【0057】
第1および第2のシート20、22は、化粧品を毛髪のストランド上に塗布するために適切な任意の形状および任意の寸法を取ることができる。
図1から
図4に示す例では、第1および第2のシート20、22は長方形である。
【0058】
図2~
図4では、第1のシートおよび第2のシート20、22は、それぞれの第1の面30、31および第2の面32、33をそれぞれ有し、第2の面32、33は、対応する第1の面30、31に対向する。
図2~
図4に示す例では、第1の面30、31は、照明デバイス16によってストランド12を照らしている間に、毛髪のストランド12と接触していることが意図されている。
【0059】
一変形形態では、第1のシート20は、第1の縁部34と第2の縁部36との間を、実質的に縦軸A-A'に沿って延び、自由縁部38と関節24との間を、実質的に縦軸A-A'に垂直の第1の横軸に沿って延びる。
【0060】
第2のシート22は、実質的に第1の縁部35と第2の縁部37との間で縦軸A-A'に沿って延び、実質的に自由縁部39と関節24との間で縦軸A-A'に垂直の第2の横軸に沿って延びる。
【0061】
好ましくは、関節24は、実質的に縦軸A-A'と平行に延びる。
【0062】
図1~
図4では、第1のシート20および第2のシート22は、同じ縦寸法および横寸法を有する。
【0063】
第1のシート20および第2のシート22はそれぞれ、100mmと600mmとの間、好ましくは、120mmと450mmとの間の長さlを有し、長さlは、第1のそれぞれの縁部34、35と第2のそれぞれの縁部36、37との間で測定される。
【0064】
第1のシート20および第2のシート22はそれぞれ、60mmと200mmとの間、好ましくは、80mmと150mmとの間の幅Lを有し、幅Lは、それぞれの自由縁部38、39と関節24との間で測定される。
【0065】
別の変形形態では、関節24は、2つのシートの最小の共通寸法に沿っている。
【0066】
一変形形態では、第1のシート20は、第2のシート22とは異なる長さおよび/または幅を有する。
【0067】
第1のシート20は、10μmと100μmとの間、好ましくは、15μmと50μmとの間の厚さeを有し、厚さは、第1の面30と第2の面32との間で測定される。
【0068】
図2~
図4では、第1のシート20は、UV可視光に対して実質的に少なくとも部分的に透明であり、好ましくは、完全に透明である。「光に対して実質的に透明」は、第1のシート20が、350nmから500nmまでの、好ましくは、280nmから700nmまでの波長範囲において75%より高い透過率を有することを意味し、透過率は、多色光源および分光計を介して、または単色源および光子計数器を介して測定される。この透過率の値は、大気温度(23℃±5℃)および大気圧(約1013hPa)において決定される。
【0069】
好ましくは、第1のシート20の第2の面32は、テクスチャを加えられる。「テクスチャを加えられる」は、前記面32が粗さを有して、完全に滑らかではないことを意味する。粗さは、面32への入射光の多重反射を可能にして、第1のシート20による光の均一拡散をもたらす。
【0070】
たとえば、第1のシート20の第2の面32は、主方向に沿って延びる複数の溝を有し、その結果、第1のシートの第2の面32は、ケバ立った外観を有する。前記主方向は、たとえば、第1の横軸に平行である。
【0071】
一変形形態では、第1のシート20の第2の面32は、少なくとも2つの方向に沿って延びる複数の溝を有し、その結果、第2の面32は、擦り傷状の外観を有する。前記粗さは、照明デバイス16が第1のシート20の第2の面32の上を滑動することを可能にしながら、第1のシート20を通る光の拡散を促進する。
【0072】
第1のシート20は、プラスチック材料から作られる。このプラスチック材料は、好ましくは、耐熱性であって、少なくとも150℃まで適切な耐性(resistance)を有する。これは、材料の機械的および光学的特性が、少なくとも150℃までの温度において損なわれないことを意味する。さらにより好ましくは、この材料は、ポリエチレンテレフタレート(頭字語PETで示される)である。
【0073】
第2のシート22は、10μmから100μmまで、好ましくは、15μmから50μmまでの厚さe'を有し、厚さは、第1の面31と第2の面33との間で測定される。
【0074】
一変形形態では、第2のシート22の第2の面33は粗い。前記粗さは、照明デバイス16が第2のシート22の第2の面33の上を滑動することを可能にする。
【0075】
第2のシート22は、UV可視光に対して実質的に少なくとも部分的に不透明であり、好ましくは、完全に不透明である。好ましくは、第2のシート22は、350nmから500nmまでの、好ましくは、280nmから700nmまでの波長範囲において5%未満の透過率を有し、透過率は、多色光源および分光計を介して、または単色源および光子計数器を介して測定される。この透過率の値は、大気温度(23℃±5℃)および大気圧(約1013hPa)において決定される。
【0076】
第2のシート22は、不透明プラスチック(不透明ポリカーボネート、不透明ポリエチレン、不透明ポリプロピレンなど)、アルミニウムなどの金属、および紙から成るグループから選択された材料から作られる。
【0077】
シート20、22は、透過率条件が配慮される限り、異なる材料のいくつかの層から構成され得る。
【0078】
したがって、特定の一実施形態によれば、第2のシート22は、柔軟性を維持しながら、より良好な剛性を確保するプラスチック被膜でカバーされた、アルミニウムまたは紙のシートである。同じく好ましくは、第1のシート20および第2のシート22の少なくとも1つは、化粧品がシート20、22に浸透するかまたはそれを通過することなく、塗布された化粧品をシート20、22上に保持することができる少なくとも1つの液密層を含む。
【0079】
有利には、第1のシート20および第2のシート22の各々は、化粧品がシート20、22に浸透するかまたはそれを通過することなく、シート20、22上に配置され、塗布された化粧品をシート20、22上に保持することができる、少なくとも1つの液密層を含む。
【0080】
それゆえ、製品が第1のシート20を通過することなく、シート20、22の露出した表面、この例では各シート20、22のそれぞれの第1の面30、31の上に設置されたストランド12の上に製品を塗布することができる。
【0081】
好ましくは、第1のシート20および第2のシート22の各々は、一般的に、150℃より高い高温に耐えることができる。「耐えることができる」は、シート20、22の機械的および光学的特性が損なわれないことを意味する。
【0082】
好ましくは、第1のシート20および/または第2のシート22がプラスチック材料から作られているとき、前記第1および/または第2のシート20、22は、80℃より高いガラス転移温度を有する。
【0083】
第1のシート20および第2のシート22の各々は、好ましくは、ストランド12の上に塗布され得る化粧品に耐えることができる。たとえば、第1のシート20および第2のシート22の各々は、漂白製品、たとえば過酸化水素などの酸化製品(oxidizing product)を含む製品に耐えることができる。
【0084】
第1のシート20および第2のシート22の各々は、好ましくは、照明デバイス16の通路に適合する引き裂き強度を有する。
【0085】
第1および第2のシート20、22は、関節24を使用して毛髪のストランド12上で容易に折り畳むことができるように、良好な柔軟性を有する。好ましくは、第1のシート20は、ホイル14の取り扱いを容易にするために、第2のシート22の柔軟性と実質的に同一の柔軟性を有する。
【0086】
図1~
図4では、関節24は直線であり、第1のシート20と第2のシート22との間で、好ましくはシート20、22の全長にわたって縦軸A-A'に沿って延びる。
【0087】
第1のシート20は、ストランド12を照らすための閉構成と開構成との間で関節24周りに、第2のシート22に対して移動可能である。
【0088】
開構成では、シート20、22は、単に、関節24において互いに接触している。第1の2つの面30、31は、互いに部分的に離れて位置し、ケラチン繊維の少なくとも1つのストランド12を受けるように設計された受けエリア40を画定する。開構成では、第1の2つの面30、31の間で取られる受けエリア40の体積は、ストランド12をシート20、22の間に容易に挿入することを可能にするのに十分なほど大きい。
【0089】
ストランド12を照らすための閉構成では、ストランド12を取り巻くシート20、22は、関節24においておよびそれらのそれぞれの第1の面30、31の少なくとも一部において、互いに接触している。その結果、第1の面30、31は、互いに対向して位置し、第1のシート20の第1の横軸は、第2のシート22の第2の横軸に実質的に平行である。第1の2つの面30、31の間で取られる受けエリア40の体積は、最小である。
【0090】
図1~
図4では、光学スケール26は、第2のシート22の第2の面33の上に配置される。
【0091】
光学スケール26は、第2のシート22の第1の縁部35と第2の縁部37との間で縦軸A-A'に沿って延びる。
【0092】
図2および
図4では、光学スケール26は関節24に沿って延びる。「関節24に沿って」は、光学スケール26が、10mm未満、好ましくは5mm未満の距離dだけ、関節24から離れて延びることを意味する。
【0093】
好ましくは、光学スケール26の位置は、光学スケール26に向き合う印刷ゾーン44を使用して第2のシート22の第1の面31の上に示される。この表示は、照明デバイス16の光センサによる読み取りの中断を回避するために、毛髪がこのレベルに位置してはいけないことを、ホイル14のユーザに知らせる。
【0094】
光学スケール26は、繰り返して配置され、互いにすき間52だけ離隔された複数のパターン50を含む。
【0095】
パターン50は、第2のシート22の第2の面33の色とは異なる色を有する。
【0096】
図2および
図4では、パターン50は同一である。各パターン50は長方形を有する。一変形形態では、パターン50は円形または楕円形を有する。
【0097】
各パターン50は、3mmと40mmとの間の長さlmを有し、長さlmは、第2の横軸に沿って測定される。各パターン50は、0.1mmと3mmとの間の幅Lmを有し、幅Lmは、縦軸A-A'に沿って測定される。
【0098】
好ましくは、2つの隣接するパターン50の間のすき間52は一定であり、0.1mmと3mmとの間の幅Liを有し、幅Liは、縦軸A-A'に沿って測定される。
【0099】
たとえば、光学スケール26は、スクリーン印刷によって取得される。パターン50は、第2のシート22の第2の面33上にインクを堆積させることによって作られる。
【0100】
シール手段28は、第1および/または第2のシート20、22の自由縁部38、39に沿って配置される。たとえば、シール手段28は、自由縁部38、39に沿って配置された接着剤またはベルクロ(登録商標)システムである。
【0101】
図3では、第1および第2のシート20、22の各々は、それぞれの自由縁部38、39に沿って走るストリップの形態の粘着ゾーン60を、その第1のそれぞれの面30、31上に有する。粘着ゾーン60は、自由縁部38、39の全長にわたって延び、1mmと10mmとの間の幅L
aを有する。一変形形態では、第1および第2のシート20、22のうちの1つだけが、粘着ゾーン60を、その第1のそれぞれの面30、31上に有する。
【0102】
シール手段28は、ホイル14が閉じた照明構成にあるとき、ストランド12のケラチン繊維がホイル14から横方向に離れるのを防止する。
【0103】
有利には、シール手段28は永続的ではなく、ホイル14は、第1のシート20と第2のシート22とをはがすことによって、閉構成から開構成に移行することができる。
【0104】
本発明による毛髪12をロックするための照明デバイス16が、
図1に示されている。デバイス16は、ここではクランプであり、たとえば、毛髪を漂白するために化粧品組成物によって随意にあらかじめ処理されたストランド12をたとえば照らすために、毛髪のストランド12を照らすように設計される。
【0105】
図1を参照すると、照明デバイス16は第1の分岐100と第2の分岐102とを含み、分岐100、102は、ホイル14を照明デバイス16内に導くための開位置と、
図1に見られる第1の分岐100と第2の分岐102との間の照明空洞104内にホイル14を閉じ込めるための閉位置との間で互いに対して移動可能に搭載される。
【0106】
デバイス16は、第1の分岐100と第2の分岐102とを間接接合するためのアセンブリ106と、照明空洞104内でストランド12を照らすためのシステム108とをさらに含む。
【0107】
特定の一実施形態によれば、デバイス16は、光学スケール26に対して照明デバイス16の運動を測定することができる光学システム109をさらに含む。
【0108】
第1の分岐100は縦軸X-X'に沿って延び、照明空洞104の第1の側を画定する第1の内面を有する。第2の分岐102は縦軸Y-Y'に沿って延び、照明空洞104の第2の側を画定する第2の内面を有する。
【0109】
この例では、第1の分岐100および第2の分岐102は、関節アセンブリ106によって開位置と閉位置との間で互いに対して順番に移動可能に搭載される。回転は、各分岐100、102の縦軸X-X'、Y-Y'に直角の軸Z-Z'周りに行われる。
【0110】
照明デバイス16の開位置では、第1の分岐100は、第2の分岐102から部分的に移動して離れる。第1の内面と第2の内面との間で取られる分岐100、102の間の中間領域の体積は最大であり、分岐100、102の間にホイル14を容易に導くことを可能にする。
【0111】
図1で認識可能な照明デバイス16の閉位置では、第1の分岐100および第2の分岐102は、それらの縦軸X-X'およびY-Y'を実質的に互いに平行に設置するために、互いにより近づける。
【0112】
その結果、第1の内面および第2の内面は、互いに向き合って設置される。その結果、第1の内面と第2の内面との間で取られる分岐100、102の間の中間領域の体積は最小である。
【0113】
照明システム108は、少なくとも1つの光源110を含み、好ましくは、その、または各々の光源110の動作の少なくとも1つのコントローラ112を含む。
【0114】
光源110は、内面上で、第1および第2の分岐100、102のうちの1つの上に搭載される。
図1では、光源110は、第1の分岐114の上に搭載される。
【0115】
たとえば、光源110は、少なくとも1つの発光ダイオードによって、好ましくは、発光ダイオードのグループによって形成される。
【0116】
好ましくは、光源110によって生成される照明は、280ナノメートルから700ナノメートルまで、好ましくは、350nmから500nmまでの波長の範囲内で生成される。
【0117】
有利には、光源110は、0.5ジュール/cm2から5000ジュール/cm2までの光パワーを生じる(develop)することができる。
【0118】
ストランド12上の化粧品組成物のこれらの光架橋性および/または処置の動作を実行するために、光パワーは、好ましくは、0.5ジュール/cm2から20ジュール/cm2までである。
【0119】
ストランド12の漂白動作の間、好ましくは、光パワーは、1ジュール/cm2から5000ジュール/cm2まで、好ましくは、50ジュール/cm2から2000ジュール/cm2まで、より良くは100ジュール/cm2から2000ジュール/cm2まで、さらにより良くは200ジュール/cm2から1000ジュール/cm2までである。
【0120】
光学システム109は、光学スケール26に対する照明デバイス16の運動を測定すること、および光学スケール26に対する照明デバイス16の運動の関数として照明システム108によって生成される照明を制御することが可能である。
【0121】
一実施形態によれば、光学システム109は光センサ120を含む。
【0122】
光センサ120は、第1および第2の分岐100、102のうちの1つの上に配置される。
図1では、光センサ120は、第2の分岐102の上に搭載される。
【0123】
たとえば、光センサ120は、CCD(電荷結合デバイス)タイプのセンサ、またはCMOS(相補型金属酸化物半導体)センサである。有利には、光センサ120は、時間を測定することができる時間システムに関連付けられる。
【0124】
制御モジュール122は、照明システム108によって生成される照明のレベルを制御するように構成され得る。
【0125】
たとえば、光センサ120によって測定されるデータの関数として、制御モジュール122は、照明命令を照明システム108に、特にコントローラ112に送信するように構成され、命令は、照明のレベルの維持、増加もしくは減少、またはさらには、照明の排除である。
【0126】
たとえば、光センサ120によって測定された運動が、規定された時間の間に最小指定値より低いとき、制御モジュール122は、照明システム108に命令を送信し、それにより、ストランド12の照明のレベルは、ストランド12が露出過度になるのを防止するために減少されるかまたは排除される。
【0127】
反対に、光センサ120によって測定された運動が、規定された時間の間に最大指定値より高いとき、制御モジュール122は、照明システム108に命令を送信し、それにより、ストランド12の照明のレベルは、ストランド12が露出不足になるのを防止するために増加される。
【0128】
最小指定値および最大指定値は、たとえば、照明デバイス16の分岐100、102のうちの1つの上に配置された調整デバイスから、ユーザによって潜在的に調整可能である。たとえば、これらの値は、毛髪のタイプまたは選択された処置(被覆または漂白)の関数として調整可能である。
【0129】
図1の例では、光学システム109は、メモリ124と、前記メモリ124に関連付けられるプロセッサ126とを含む。
【0130】
制御モジュール122は、プロセッサ126によって実行可能なソフトウェア、またはソフトウェア構成要素を実装することができる。その結果、光学システム109のメモリ124は、照明命令を確立するためのソフトウェアと、少なくとも1つの照明命令を照明システム108に、特にコントローラ112に送信するためのソフトウェアとを記憶することができる。その結果、プロセッサ126は、ソフトウェアを確立することおよびソフトウェアを送信することの各々を実行することができる。
【0131】
ケラチン繊維のストランド12に対するキット10の動作について、次に説明する。
【0132】
最初に、ユーザは、ホイル14を開位置に設置して、照明を受けることを意図される毛髪のストランド12を把持する。
【0133】
光架橋処置の場合、ストランド12は、照明の前に、少なくとも1つの光架橋性化合物を含有する化粧品組成物で被覆されている。
【0134】
漂白処置の場合、ストランド12は、照明の前に、たとえば、少なくとも1つの酸化性化合物を含有する化粧品組成物で被覆されている。
【0135】
次いで、ユーザは、第1の面30、31に向き合うホイル14の第1のシート20と第2のシート22との間にストランド12を挿入する。
【0136】
次いで、ユーザは、第1のシート20と第2のシート22とを互いにより接近させることによって、ホイル14をその閉じた照明位置に移行させる。
【0137】
ホイル14がシール手段28を含むとき、シール手段28は、照明デバイス16が通過する間に、ストランド12のケラチン繊維が受けエリア40から離れるのを防止するために実装される。
【0138】
次いで、ユーザは、照明デバイス16を開位置に設置し、照明空洞104内の第1の分岐100と第2の分岐102との間にホイル14を挿入し、それにより、第1のシート20は光源に対向して位置する。
【0139】
光学スケール26は、それが存在する場合、光学システム109に対向して設置され、それにより、光学システム109は、光学スケール26に対する照明デバイス16の運動を測定することができる。
【0140】
次いで、ユーザは、第1の分岐100と第2の分岐102とを互いにより接近させることによって、照明デバイス16をその閉位置に移行させる。この手法の間、第1の分岐100の内面は、照明空洞104を閉じるために第2の分岐102の内面に向き合って設置される。
【0141】
次いで、ユーザは光源110を起動させる。コントローラ112は、光源110を制御して、ストランド12上に所望の照明を当てる。
【0142】
次いで、ユーザは、選択された長さにわたってストランド12を処置するために、照明デバイス16をホイル14に沿って移動させる。
【0143】
光学システム109は、それが存在するとき、光センサ120を使用して、光学スケール26に対する照明デバイス16の運動を測定する。
【0144】
次いで、制御モジュール122は、照明システム108によって生成される照明のレベルを制御する。
【0145】
光センサ120によって測定された運動が、規定された時間の間に最大指定値と最小指定値との間にあるとき、制御モジュール122、特にプロセッサ126は、照明のレベルを維持する命令をコントローラ112に送る。
【0146】
光センサ120によって測定された運動が最大指定値より大きいとき、すなわち、ユーザが照明デバイス16をホイル14上であまりに速く進めるとき、制御モジュール122、特にプロセッサ126は、照明のレベルを高める命令をコントローラ112に送信する。その結果、前記コントローラ112は、光源110の照明の電力を増加させる。それゆえ、所望の照明を取得するために、照明デバイス16をホイル14に沿って数回進めることを実行する必要はない。
【0147】
光センサ120によって測定された運動が最小指定値より小さいとき、すなわち、ユーザが照明デバイス16をホイル14上であまりにゆっくりと進めるとき、制御モジュール122、特にプロセッサ126は、照明のレベルを下げる命令をコントローラ112に送信する。その結果、前記コントローラ112は、ストランド12が露出過度になるのを回避するために、光源110の照明の電力を減少させる。
【0148】
このようにして、ストランド12の正規の照明レベルは、照明デバイス16がホイル14上を進む間、ストランド12に対する照明デバイス16の進行速度とは関係なく維持される。
【0149】
次いで、ユーザは、ストランド14を除去するために照明デバイス16を再び開く。
【0150】
随意に、ユーザは、分岐100と分岐102との間に別のホイル14を設置するか、または異なるストランド12を有する同じホイル14を使用する。
【0151】
本発明によるキット10は、このようにして、使用が容易である。
【0152】
たとえば、照明デバイス16をあまりに速くまたはあまりに遅く進めることによって、誤って使用される場合でも、ストランド12が受ける照明のレベルは、ストランド12に沿って一定であり、ケラチン繊維の最適な処置が確保される。
【0153】
本発明によるホイル14は、光が所望の処置ゾーンの外に漏れ、それが、悪化した処置、および/または処置されない毛髪の変質、および/またはユーザに対する危険をもたらす可能性があるというリスクを制限する。
【0154】
ホイル14が光学スケール26を有するとき、本発明によるホイル14は、それが照明デバイス16とともに使用されるとき、ストランド12のケラチン繊維が照明の間に露出過度になり、それがケラチン繊維を変質させるというリスクを制限するか、または反対に、ケラチン繊維が不十分な技術的結果によって露出不足になり、それが次に、照明デバイス16の数回の進行を潜在的に必要とするリスクを、ストランド12が受ける合計の照明が制御されないというリスクとともに制限する。
【0155】
一変形形態では、シート20、22はそれぞれ、長方形でない形状、たとえば、円、卵型または楕円輪郭の形状を、それらが製品を毛髪のストランド上に人間工学的に塗布することを可能にする寸法を有する限り、有する。
【0156】
一変形形態では、光学スケールのパターンは、すべてが同一であるとは限らない。たとえば、パターンは、第1の縁部35と第2の縁部37との間で増加する長さを有する。これは、照明デバイス16が、縦軸A-A'に沿ったホイル14に対するそのロケーションを知ること、および随意に、たとえばストランド12に沿って日陰効果を生成するために、このロケーションの関数としてストランドの照明のレベルを適応させることを可能にする。
【0157】
図示しない一変形形態では、ホイル14は、第1のシート20と第2のシート22との間に関節を有しない。上記で説明したように、関節を含むホイル14に対する唯一の差について、以下で詳細に説明する。
【0158】
この変形形態では、第1のシート20は、実質的に第1の縁部と第2の縁部との間で第1の縦軸に沿って延び、実質的に第1の自由縁部と第2の自由縁部との間で第1の縦軸に垂直な第1の横軸に沿って延びる。第2のシート22は、実質的に第1の縁部と第2の縁部との間で第2の縦軸A-A'に沿って延び、実質的に第1の自由縁部と第2の自由縁部との間で第2の縦軸に垂直な第2の横軸に沿って延びる。
【0159】
その結果、第1のシート20および第2のシート22の幅は、第1のそれぞれの自由縁部と第2のそれぞれの自由縁部との間で測定される。
【0160】
第1のシート20は、ストランド12を照らすための閉構成と開構成との間で第2のシート22に対して移動可能である。
【0161】
開構成では、第1の2つの面30、31は、互いに離隔されて位置し、ケラチン繊維の少なくとも1つのストランド12を受けるように設計された受けエリア40を画定する。開構成では、第1の2つの面30、31の間で取られる受けエリア40の体積は、ストランド12をシート20、22の間に容易に挿入することを可能にするのに十分なほど大きい。
【0162】
ストランド12を照らすための閉構成では、ストランド12を取り巻くシート20、22は、それらのそれぞれの第1の面30、31の少なくとも一部において、互いに接触している。その結果、第1の面30、31は、互いに向き合って位置する。その結果、第1のシート20の第1の縦軸は、第2のシート22の第2の縦軸に実質的に平行であり、第1のシート20の第1の横軸は、第2のシート22の第2の横軸に実質的に平行である。第1の2つの面30、31の間で取られる受けエリア40の体積は、最小である。
【0163】
この実施形態では、光学スケール26は、自由縁部に沿って延びる。「自由縁に沿って」は、光学スケール26が、10mm未満、好ましくは5mm未満の距離dだけ、前記自由縁部から延びることを意味する。
【符号の説明】
【0164】
10 キット
12 ストランド
14 ホイル
16 照明デバイス
20 第1のシート
22 第2のシート
24 関節
26 光学スケール
28 シール手段
30 第1の面
31 第1の面
32 第2の面
33 第2の面
34 第1の縁部
35 第1の縁部
36 第2の縁部
37 第2の縁部
38 自由縁部
39 自由縁部
40 受けエリア
44 印刷ゾーン
50 パターン
52 すき間
60 接着ゾーン
100 第1の分岐
102 第2の分岐
104 照明空洞
106 アセンブリ
108 照明システム
109 光学システム
110 光源
112 コントローラ
120 光センサ
122 制御モジュール
124 メモリ
126 プロセッサ
【国際調査報告】