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特表2022-533740メチル基及びトリフルオロメチル基を含む二置換スルファミド系選択的BCL-2阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-25
(54)【発明の名称】メチル基及びトリフルオロメチル基を含む二置換スルファミド系選択的BCL-2阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 471/04 20060101AFI20220715BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20220715BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220715BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
C07D471/04 104Z
C07D471/04 CSP
A61K31/496
A61P35/00
A61K31/5377
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569212
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2021-12-07
(86)【国際出願番号】 CN2020091741
(87)【国際公開番号】W WO2020238785
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】201910439955.X
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910933552.0
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516089784
【氏名又は名称】チア タイ ティエンチン ファーマシューティカル グループ カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Chia Tai Tianqing Pharmaceutical Group Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.369 Yuzhou South Rd.,Lianyungang,Jiangsu 222062 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,フェイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ヤンロン
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ホンジアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,シーチュエン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シャンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ジエンチン
(72)【発明者】
【氏名】フェン,ウェイウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ビン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジーナン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ユービン
(72)【発明者】
【氏名】タン,シュージン
(72)【発明者】
【氏名】ニエ,チュエンドン
【テーマコード(参考)】
4C065
4C086
【Fターム(参考)】
4C065AA04
4C065BB04
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH01
4C065JJ03
4C065KK01
4C065LL01
4C065PP02
4C065PP03
4C065PP04
4C065PP07
4C065PP13
4C065PP15
4C065PP16
4C065QQ05
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC41
(57)【要約】
メチル基及びトリフルオロメチル基を含む二置換スルファミド系選択的BCL-2阻害剤であって、具体的には式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩、その製造方法及び当該化合物を含む医薬組成物を開示する。抗アポトーシスタンパク質BCL-2関連疾患、例えば、がんを治療するための、当該化合物及び当該化合物を含む医薬組成物の用途をさらに開示する。
【化1】
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】
なる式Iの化合物であって、
式中、
はC1-6アルキル基から選ばれ、
はR、-C1-6アルキレン-Rから選ばれ、
は5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により、3-6員のヘテロシクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、-COR、-SO、所望によりハロゲンによって置換されたC1-6アルキル基から選ばれる1つ又は2つの基によって置換され、
、Rはそれぞれ独立してH、3-6員のヘテロシクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基は所望によりハロゲン、-CN、-N(C1-6アルキル)基、-NHC1-6アルキル基、又は-OC1-6アルキル基によって置換される式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
構造部分
【化2】
は、
【化3】
から選ばれ、好ましくは、構造部分
【化4】
は、
【化5】
から選ばれる請求項1に記載の式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
はC1-4アルキル基から選ばれ、好ましくは、Rはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基から選ばれ、より好ましくは、Rはメチル基から選ばれる請求項1又は2に記載の式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
はR、-(CH-Rから選ばれ、nは1、2、3、4から選ばれる請求項1-3のいずれか1項に記載の式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
nは1、2、3から選ばれる請求項4に記載の式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
は5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により1つ又は2つの基によって置換され、置換位置は環上のN原子であり、好ましくは、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により、3-6員のヘテロシクロアルキル基、-COR、-SO、所望によりハロゲンによって置換されたC1-6アルキル基から選ばれる1つ又は2つの基によって置換される請求項1-5のいずれか1項に記載の式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項7】
、Rはそれぞれ独立してH、3-6員のヘテロシクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-4アルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基は所望によりハロゲン、-CN、-N(C1-4アルキル)基、-NHC1-4アルキル基、又は-OC1-4アルキル基によって置換され、好ましくは、R、Rはそれぞれ独立してH、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、オキセタニル基から選ばれ、前記メチル基又はエチル基は所望によりフッ素、-CN、-OCH、又は-N(CHによって置換され、より好ましくは、R、Rはそれぞれ独立してH、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、-CHOCH、-CHCN、-CHN(CH、シクロプロピル基、シクロブチル基、オキセタニル基から選ばれる請求項1-6のいずれか1項に記載の式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項8】
は5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により-C(O)H、-COCH、-COCH(CH、-COC(CH、-COCF、-COCHCN、-COCHOCH、-COCHN(CH、-SOCH、-SOCHCH、-SOCF、-SO、メチル基、エチル基、-CF、-CHCHF、-C、テトラヒドロピラン、オキセタン、-SO-シクロプロパン、-CO-シクロプロパン、-CO-オキセタン、-SO-オキセタン、-SO-シクロブタンによって置換され、好ましくは、Rはテトラヒドロピラン、ピペリジン、モルホリン、ジオキサンから選ばれ、前記テトラヒドロピラン、ピペリジン、モルホリン又はジオキサンは所望により-COCH、-COCH(CH、-COCHOCH、-SOCH、メチル基、エチル基、又は-CHCHFによって置換される請求項1-6のいずれか1項に記載の式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項9】
は、
【化6】
から選ばれる請求項8に記載の式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項10】
【化7】
なる式IIの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩から選ばれ、
式中、Rには請求項1の定義が適用される請求項1に記載の式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項11】
【化8】
なる化合物、その立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩、又は、
【化9】
なる化合物、その立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩であって、式中、Rは独立して、
【化10】
なる基である化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項12】
【化11】
なる化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、又は、
【化12】
なる化合物もしくは薬学的に許容されるその塩から選ばれ、式中、Rは独立して、
【化13】
なる基である請求項11に記載の化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項13】
請求項1-12のいずれか1項に記載の化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩を含み、所望により薬学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項14】
抗アポトーシスタンパク質BCL-2関連疾患を予防又は治療する薬物を製造するための、請求項1-12のいずれか1項に記載の化合物、その立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩、又は請求項13に記載の医薬組成物の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は2019年5月24日に中国国家知識産権局へ提出された中国特許出願第201910439955.X号の優先権、及び2019年9月29日に中国国家知識産権局へ提出された中国特許出願第201910933552.0号の優先権を主張し、前記特許の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は抗アポトーシスタンパク質BCL-2を選択的に阻害する化合物、その製造方法、当該化合物を含む医薬組成物、及び抗アポトーシスタンパク質BCL-2関連疾患、例えば、がんを治療するためのその用途に関する。
【背景技術】
【0003】
BCL-2タンパク質は、BCL-2ファミリー(ファミリーメンバーはBCL-2、BCL-XLなどを含む)、BAXファミリー及びBH3-onlyファミリーの3つのファミリーに分けられ、このうちBCL-2ファミリーは抗アポトーシスの役割を果たし、他の2つのファミリーのメンバーはアポトーシスを促進する役割を果たす。
【0004】
抗アポトーシスBCL-2ファミリータンパク質は様々な疾患に関係し、治療薬物の標的として有望であろうと研究が進んでいる。介入療法に用いるものとしては、例えば、BCL-2ファミリータンパク質のBCL-2及びBCL-XLなどを含む。BCL-2ファミリータンパク質阻害剤については最近、WO2012071374、WO2010138588、WO2010065865に報告されている。標的タンパク質に対する高結合阻害剤が開示されているが、化合物の結合親和性は考慮すべき多くのパラメータの1つに過ぎない。特定のタンパク質に対し他のタンパク質より先に結合し、つまり特定のタンパク質に選択性がある化合物を得ることが目標である。このような選択性とは、一般的に化合物が特定のタンパク質に高い結合親和性があり、他のメンバーには結合親和性が低いことである。
【0005】
これまでに開示されたBCL-2阻害剤は、抗アポトーシスBCL-XLタンパク質及び抗アポトーシスBCL-2タンパク質に選択性が高くないため、大きな副作用が生じる恐れが大きく、抗アポトーシスBCL-XLタンパク質を阻害して、血小板減少症などの副作用が生じることが特徴である。
【0006】
本願は一連の化合物を含み、当該化合物は抗アポトーシスBCL-2タンパク質と抗アポトーシスBCL-XLタンパク質に高い選択性を示すとともに、抗アポトーシスBCL-2タンパク質阻害活性についてその性能が認められる。また、肝ミクロソーム代謝安定性が高く、薬物動態パラメータが改善されているため、関連医薬品の開発が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際出願第WO2012071374号
【特許文献2】国際出願第WO2010138588号
【特許文献3】国際出願第WO2010065865号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(4th Ed).Hoboken,New Jersey:John Wiley&Sons,Inc.
【発明の概要】
【0009】
本願の第1態様は、式Iの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩に関し、
【化1】
式中、
はC1-6アルキル基から選ばれ、
はR、-C1-6アルキレン-Rから選ばれ、
は5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により、3-6員のヘテロシクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、-COR、-SO、所望によりハロゲンによって置換されたC1-6アルキル基から選ばれる1つ又は2つの基によって置換され、
、Rはそれぞれ独立してH、3-6員のヘテロシクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-6アルキル基から選ばれ、前記C1-6アルキル基は所望によりハロゲン、-CN、-N(C1-6アルキル)基、-NHC1-6アルキル基、又は-OC1-6アルキル基によって置換される。
【0010】
いくつかの実施形態において、構造部分
【化2】
は、
【化3】
から選ばれる。いくつかの実施形態において、構造部分
【化4】
は、
【化5】
から選ばれる。いくつかの実施形態において、構造部分
【化6】
は、
【化7】
から選ばれる。
【0011】
いくつかの実施形態において、構造部分
【化8】
は、
【化9】
から選ばれる。いくつかの実施形態において、構造部分
【化10】
は、
【化11】
から選ばれる。
【0012】
いくつかの実施形態において、RはC1-4アルキル基から選ばれる。いくつかの実施形態において、Rはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基から選ばれる。いくつかの実施形態において、Rはメチル基、エチル基から選ばれる。いくつかの実施形態において、Rはメチル基から選ばれる。
【0013】
いくつかの実施形態において、RはR、-(CH-Rから選ばれ、式中、nは1、2、3、4から選ばれ、又はnは1、2、3から選ばれ、又はnは1、2から選ばれる。
【0014】
いくつかの実施形態において、Rは-(CH-Rから選ばれ、nは1、2から選ばれる。いくつかの実施形態において、Rは-CHから選ばれる。
【0015】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により1つ又は2つの基によって置換される。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基においてヘテロ原子は酸素、窒素から選ばれ、好ましくはヘテロ原子の数量は1つ又は2つである。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基においてヘテロ原子は酸素から選ばれ、好ましくはヘテロ原子の数量は1つ又は2つである。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基においてヘテロ原子は窒素から選ばれ、好ましくはヘテロ原子の数量は1つ又は2つである。
【0019】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により1つ又は2つの基によって置換され、置換位置は環上のN原子である。
【0020】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により、3-6員のヘテロシクロアルキル基、-COR、-SO、所望によりハロゲンによって置換されたC1-6アルキル基から選ばれる1つ又は2つの基によって置換される。
【0021】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により、-COR、-SO、所望によりハロゲンによって置換されたC1-6アルキル基から選ばれる1つ又は2つの基によって置換される。
【0022】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により3-6員のヘテロシクロアルキル基によって置換される。
【0023】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により-CORによって置換される。
【0024】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により-SOによって置換される。
【0025】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望によりC1-6アルキル基によって置換され、前記C1-6アルキル基は所望によりハロゲンによって置換される。いくつかの実施形態において、前記C1-6アルキル基は所望によりフッ素によって置換される。いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望によりC1-3アルキル基によって置換され、前記C1-3アルキル基は所望によりフッ素によって置換される。いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望によりメチル基、エチル基、フッ素によって置換されたメチル基、又はフッ素によって置換されたエチル基によって置換される。いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、又は1つもしくは5つのフッ素によって置換されたエチル基によって置換される。
【0026】
いくつかの実施形態において、R、Rはそれぞれ独立してH、3-6員のヘテロシクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-4アルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基は所望によりハロゲン、-CN、-N(C1-4アルキル)基、-NHC1-4アルキル基、又は-OC1-4アルキル基によって置換される。いくつかの実施形態において、RはH、3-6員のヘテロシクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-4アルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基は所望によりハロゲン、-CN、-N(C1-4アルキル)基、又は-OC1-4アルキル基によって置換される。いくつかの実施形態において、Rは3-6員のヘテロシクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C1-4アルキル基から選ばれ、前記C1-4アルキル基は所望によりハロゲンによって置換される。
【0027】
いくつかの実施形態において、R、Rはそれぞれ独立してH、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、オキセタニル基から選ばれ、前記メチル基又はエチル基は所望によりフッ素、-CN、-OCH、又は-N(CHによって置換される。いくつかの実施形態において、RはH、メチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、シクロプロピル基、オキセタニル基から選ばれ、前記メチル基は所望によりフッ素、-CN、-OCH、又は-N(CHによって置換される。いくつかの実施形態において、Rはメチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、オキセタニル基から選ばれ、前記メチル基又はエチル基は所望によりフッ素によって置換される。
【0028】
いくつかの実施形態において、R、Rはそれぞれ独立してH、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、-CHOCH、-CHCN、-CHN(CH、シクロプロピル基、シクロブチル基、オキセタニル基から選ばれる。いくつかの実施形態において、RはH、メチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、トリフルオロメチル基、-CHOCH、-CHCN、-CHN(CH、シクロプロピル基、オキセタニル基から選ばれる。いくつかの実施形態において、Rはメチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、オキセタニル基から選ばれる。
【0029】
いくつかの実施形態において、R、Rはそれぞれ独立して、所望により-OC1-4アルキル基によって置換されたC1-4アルキル基から選ばれる。
【0030】
いくつかの実施形態において、R、Rはそれぞれ独立してメチル基、イソプロピル基、-CHOCHから選ばれる。
【0031】
いくつかの実施形態において、Rは所望により-OC1-4アルキル基によって置換されたC1-4アルキル基から選ばれる。いくつかの実施形態において、Rはメチル基、イソプロピル基、-CHOCHから選ばれる。
【0032】
いくつかの実施形態において、RはC1-4アルキル基から選ばれる。いくつかの実施形態において、Rはメチル基から選ばれる。
【0033】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により-C(O)H、-COCH、-COCH(CH、-COC(CH、-COCF、-COCHCN、-COCHOCH、-COCHN(CH、-SOCH、-SOCHCH、-SOCF、-SO、メチル基、エチル基、-CF、-CHCHF、-C、テトラヒドロピラン、オキセタン、-SO-シクロプロパン、-CO-シクロプロパン、-CO-オキセタン、-SO-オキセタン、-SO-シクロブタンによって置換される。
【0034】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により-COCH、-COCH(CH、-COCHOCH、-SOCH、メチル基、エチル基、-CHCHFによって置換される。
【0035】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により-C(O)H、-COC(CH、-COCF、-COCHCN、-COCHN(CH、-SOCHCH、-SOCF、-SO、-CF、-C、テトラヒドロピラン、オキセタン、-SO-シクロプロパン、-CO-シクロプロパン、-CO-オキセタン、-SO-オキセタン、-SO-シクロブタンによって置換される。
【0036】
いくつかの実施形態において、Rはテトラヒドロピラン、ピペリジン、モルホリン、ジオキサンから選ばれ、前記テトラヒドロピラン、ピペリジン、モルホリン又はジオキサンは所望により-COCH、-COCH(CH、-COCHOCH、-SOCH、メチル基、エチル基、又は-CHCHFによって置換される。
【0037】
いくつかの実施形態において、Rは5-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれ、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は所望により-COCH、-COCH(CH、-COCHOCH、-SOCHによって置換される。
【0038】
いくつかの実施形態において、Rはテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、モルホリンから選ばれ、前記モルホリンは所望により-COCH、-COCH(CH、-COCHOCH、-SOCHによって置換される。
【0039】
いくつかの実施形態において、Rはテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、モルホリンから選ばれる。
【0040】
いくつかの実施形態において、Rはテトラヒドロピラン、ジオキサンから選ばれる。
【0041】
いくつかの実施形態において、Rはピペリジン、モルホリンから選ばれ、前記ピペリジン又はモルホリンは所望により-COCH、-COCH(CH、-COCHOCH、-SOCH、メチル基、エチル基、又は-CHCHFによって置換される。
【0042】
いくつかの実施形態において、Rは、
【化12】
から選ばれる。
【0043】
いくつかの実施形態において、Rは、
【化13】
から選ばれる。
【0044】
いくつかの実施形態において、Rは、
【化14】
から選ばれる。
【0045】
いくつかの実施形態において、Rは、
【化15】
から選ばれる。
【0046】
いくつかの実施形態において、Rは、
【化16】
から選ばれる。
【0047】
いくつかの実施形態において、Rは、
【化17】
から選ばれる。
【0048】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基においてヘテロ原子はN、Oから選ばれ、ヘテロ原子の数量は1、2から選ばれる。
【0049】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基はジオキサニル基、モルホリニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジニル基、テトラヒドロフリル基から選ばれる。
【0050】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基は6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれる。
【0051】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基はジオキサニル基、モルホリニル基、テトラヒドロピラニル基、ピペリジニル基から選ばれる。
【0052】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基はジオキサニル基から選ばれる。
【0053】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基はモルホリニル基から選ばれる。
【0054】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基はテトラヒドロピラニル基から選ばれる。
【0055】
いくつかの実施形態において、前記5-6員のヘテロシクロアルキル基はテトラヒドロフランから選ばれる。
【0056】
いくつかの実施形態において、前記3-6員のヘテロシクロアルキル基においてヘテロ原子はN、Oから選ばれ、ヘテロ原子の数量は1、2から選ばれる。いくつかの実施形態において、前記3-6員のヘテロシクロアルキル基においてヘテロ原子はOから選ばれ、ヘテロ原子の数量は1又は2である。いくつかの実施形態において、前記3-6員のヘテロシクロアルキル基は4-6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれる。いくつかの実施形態において、前記3-6員のヘテロシクロアルキル基は4員のヘテロシクロアルキル基、6員のヘテロシクロアルキル基から選ばれる。
【0057】
いくつかの実施形態において、前記3-6員のヘテロシクロアルキル基はオキセタニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基から選ばれる。
【0058】
いくつかの実施形態において、前記C3-6シクロアルキル基はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基から選ばれる。いくつかの実施形態において、前記C3-6シクロアルキル基はC3-4シクロアルキル基から選ばれる。
【0059】
本願の第2態様は、式IIの化合物、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩に関し、
【化18】
式中、Rには式Iの化合物の定義が適用される。
【0060】
本願は、
【化19】
なる化合物、その立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩、又は、
【化20】
なる化合物、その立体異性体もしくは薬学的に許容されるその塩に関し、式中、Rは独立して、
【化21】
なる基である。
【0061】
本願は、
【化22】
なる化合物もしくは薬学的に許容されるその塩、又は、
【化23】
なる化合物もしくは薬学的に許容されるその塩に関し、式中、Rは独立して、
【化24】
なる基である。
【0062】
本願の第3態様は、本願に記載の式Iもしくは式II、その立体異性体又は薬学的に許容されるその塩を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態において、本願の医薬組成物は薬学的に許容される賦形剤をさらに含む。
【0063】
本願の第4態様は、哺乳類の抗アポトーシスタンパク質BCL-2関連疾患の治療方法として、当該治療を必要とする哺乳類、好ましくはヒトに治療有効量の式Iもしくは式II、その立体異性体、薬学的に許容されるその塩、又はその医薬組成物を投与することを含む方法を開示する。
【0064】
本願の第5態様は、抗アポトーシスタンパク質BCL-2関連疾患を予防又は治療する薬物を製造するための、本願の式Iもしくは式II、その立体異性体、薬学的に許容されるその塩、又はその医薬組成物の用途を開示する。
【0065】
本願の第6態様は、抗アポトーシスタンパク質BCL-2関連疾患を予防又は治療するための、本願の式Iもしくは式II、その立体異性体、薬学的に許容されるその塩、又はその医薬組成物の用途を開示する。
【0066】
本願の第7態様は、抗アポトーシスタンパク質BCL-2関連疾患を予防又は治療するための、本願の式Iもしくは式II、その立体異性体、薬学的に許容されるその塩、又はその医薬組成物を開示する。
【0067】
前記抗アポトーシスタンパク質BCL-2関連疾患はがんから選ばれる。前記がんは急性リンパ性白血病から選ばれる。
【発明の効果】
【0068】
本願の化合物はRS4;11細胞に良好な増殖阻害効果を有し、良好な選択性を有する。ヒト急性リンパ性白血病RS4;11のマウス腫瘍移植モデルには明らかな腫瘍増殖阻害効果が認められ、担がんマウスに良好な忍容性がある。
【0069】
「用語とその定義」
特に説明がなければ、本願で使用される下記の用語は、以下記載の意味を有する。特定の用語は、特に定義されなければ、確定しない又は不明瞭なものではなく、本分野の通常の意味で理解される。本明細書で商品名が記載された場合は、対応する製品又はその有効成分を指す。
【0070】
用語「置換された」とは、特定の原子の原子価が正常であり、且つ置換後の化合物が安定的なものであれば、当該原子上の任意の1つ以上の水素原子が置換基によって置換されることである。置換基が酸素(=O)である場合は、2つの水素原子が置換される。酸素置換はアリール基に起こらない。
【0071】
用語「所望により」又は類する表現は、続いて記載される事項又は状況は生じる可能性はあるが、必ずしも生じるとは限らないことであり、当該表現には前記事項又は状況が生じる場合及び前記事項又は状況が生じない場合が含まれる。例えば、エチル基が「所望により」ハロゲンによって置換されるとは、エチル基は置換されなくてもよいし(-CHCH)、単置換されてもよいし(例えば、-CHCHF)、多置換されてもよいし(例えば、-CHFCHF、-CHCHFなど)又は完全に置換されてもよい(例えば、-CFCF又は-C)。当業者が理解したように、1つ以上の置換基を含む基には、空間的に存在し得ない且つ/もしくは合成できないような置換又は置換形態が認められない。
【0072】
本明細書で「Cm-n」とは、当該部分は示される範囲の整数の炭素原子を備えることである。例えば「C1-6」の場合は、対象基が1つの炭素原子、2つの炭素原子、3つの炭素原子、4つの炭素原子、5つの炭素原子又は6つの炭素原子を備える。
【0073】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。
【0074】
用語「アルキル基」とはC2n+1を一般式とする炭化水素基である。当該アルキル基は直鎖でもよいし分岐鎖でもよい。例えば、用語「C1-6アルキル基」とは1つから6つの炭素原子を有するアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2-メチルペンチル基など)である。同様に、アルコキシ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルスルホニル基及びアルキルチオ基のアルキル基部分(アルキル)に前記定義が適用される。もう一例として用語「C1-4アルキル基」とは1つから4つの炭素原子を有するアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基)である。
【0075】
用語「アルキレン基」とは、アルキル基の任意の位置から1つの水素を除いて形成された二価基である。例えば、用語「C0-6アルキレン基」又は「C1-6アルキレン基」の非限定的な例はメチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、ジメチルメチレン基、1,3-プロピレン基などを含み、これらに限定されない。Cは化学結合を表す。
【0076】
用語「シクロアルキル基」とは完全に飽和で単環、架橋環又はスピロ環の形で存在する炭素環をいう。特に指定がなければ、当該炭素環は一般に3~10員環である。シクロアルキル基の非限定的な例はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基(ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基)、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンタニル基などを含み、これらに限定されない。
【0077】
用語「ヘテロシクロアルキル基」とは、単環、架橋環又はスピロ環の形で存在する完全飽和の環状官能基をいう。特に指定がなければ、当該ヘテロ環は一般に、硫黄、酸素、窒素から独立して選ばれる1つから3つ(好ましくは1つ又は2つ)のヘテロ原子を有する3から7員環である。3員のヘテロシクロアルキル基の例はオキシラニル基、チイラニル基、アジリジニル基を含み、これらに限定されず、4員のヘテロシクロアルキル基の非限定的な例はアゼチジニル基、オキセタニル基、チエタニル基を含み、これらに限定されず、5員のヘテロシクロアルキル基の例はテトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、ピロリジニル基、イソオキサゾリジニル基、オキサゾリジニル基、イソチアゾリジニル基、チアゾリジニル基、イミダゾリジニル基、テトラヒドロピラゾリル基を含み、これらに限定されず、6員のヘテロシクロアルキル基の例はピペリジニル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロチオピラニル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、1,4-チオキサニル基、1,4-ジオキソラン基、チオモルホリニル基、1,3-ジチエニル基、1,4-ジチエニル基を含み、これらに限定されず、7員のヘテロシクロアルキル基の例はアゼパニル基、オキセパン基、チエパン基を含み、これらに限定されない。5つ又は6つの環原子を備える単環式ヘテロシクロアルキル基が好ましい。
【0078】
用語「治療」とは、疾患又は前記疾患に関連する1つ以上の症状を予防、改善又は解消するために、本願に記載の化合物又は製剤を投与することであり、下記の事項を含む。
(i)哺乳動物における疾患又は病的状態の出現を予防し、特に当該哺乳動物が当該病的状態になりやすいが、当該病的状態と診断されない時である。
(ii)疾患又は病的状態を阻害し、即ちその進行を阻害することである。
(iii)疾患又は病的状態を緩和し、即ち当該疾患又は病的状態を軽減させることである。
【0079】
用語「治療有効量」とは、(i)特定の疾患、症状又は障害を治療又は予防し、(ii)特定の疾患、病的状態又は障害の1種以上の症状を軽減、改善又は解消し、又は(iii)本明細書に記載の特定の疾患、病的状態又は障害の1種以上の症状の発生を予防又は遅延させるための、本願の化合物の用量である。本願の化合物の「治療有効量」は当該化合物そのもの、適用する病的状態とその重症度、投与形態及び治療対象哺乳動物の年齢によって変わるが、当業者がその知識や本開示の内容に基づいて決めてもよい。
【0080】
用語「薬学的に許容される」とは、ヒト及び動物の組織に接触して使用されるのに適し、毒性又は刺激性を持たず、アレルギー反応やその他の問題、合併症を引き起こさないと医学的に判断され、利益とリスクが釣り合う化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対して使用される。
【0081】
薬学的に許容される塩の例としては、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基と形成した塩、無機酸と形成した塩、有機酸と形成した塩、塩基性又は酸性のアミノ酸と形成した塩などが挙げられる。
【0082】
用語「医薬組成物」とは1種以上の本願の化合物又はその塩と薬学的に許容される賦形剤からなる混合物である。医薬組成物は本願の化合物を生体に投与しやすいために製造されたものである。
【0083】
用語「薬学的に許容される賦形剤」とは生体に明らかな刺激はなく、当該活性化合物の生物学的活性及び特性を損なわない賦形剤である。適切な賦形剤、例えば、炭水化物、ワックス、水溶性及び/又は水溶性ポリマー、親水性又は疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などは当業者に知られる事項である。
【0084】
用語「含む(comprise)」及び類する用語、例えば、英語の表現comprises又はcomprisingは、「…を含み、それに限定されない」というふうに、開放的で非排他的な表現と理解される。
【0085】
本願の化合物及び中間体は異なる互変異性体の形で存在してもよく、このような形態が全て本願の範囲に含まれる。用語「互変異性体」又は「互変異性形態」とは低エネルギー障壁によって一方から他方に変換でき、異なるエネルギーを持つ構造異性体である。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体ともいう)にはプロトン転移による相互変換、例えば、ケトン-エノール異性化、イミン-エナミン異性化が含まれる。プロトン互変異性体の一例はイミダゾールであり、プロトンが2つの環上窒素原子間に転移できる。原子価互変異性体にはいくつかの結合電子の組み替えによる相互変換を含む。
【0086】
本願には、本明細書に記載の化合物と同じで、なおかつ1つ以上の原子は原子量又は質量数が自然的に存在する通常の原子量又は質量数と異なる原子によって置換された、即ち同位体によって標識された本願の化合物をさらに含む。本願の化合物に結合できる同位体の例としては水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、ヨウ素、塩素の同位体が挙げられ、例えば、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、123I、125I、36Clなどである。
【0087】
特定の同位体(例えば、H、14C)によって標識された本願の化合物は化合物及び/又は基質の組織分布分析に用いられる。同位体重水素(H)、炭素-14(14C)は用意しやすく検出できるため特に好ましい。陽電子放出性同位体、例えば15O、13N、11C、18Fは陽電子放出断層撮影(PET)研究で基質占有率を測定するために用いられる。一般には、同位体によって標識された本願の化合物は、次に開示される技術案及び/又は実施例に類似する手順によって、同位体標識試薬で同位体に標識されていない試薬を置換して調製される。
【0088】
また、原子量又は質量数が大きい同位体(例えば、重水素H)で置換することでより高い代謝安定性が得られるため、例えば、インビボ半減期の延長又は用量の低減など治療上利点があり、場合によってはこれが好ましい選択になる。ただし、重水素置換は一部置換であってもよいし完全置換であってもよく、一部置換とは少なくとも1つの水素が少なくとも1つの重水素に置換されることである。
【0089】
本願の化合物は、例えば、1つ以上の立体異性体があるなど、非対称のものであってもよい。特に説明がなければ、エナンチオマー、ジアステレオマーをはじめ全ての立体異性体が含まれる。本願で非対称炭素原子を有する化合物は光学的に純粋な形態又はラセミ形として分離できる。光学的に純粋な形態はラセミ混合物から分離されてもよいし、又は不斉原材料もしくは不斉試薬を使用して合成されてもよい。
【0090】
本願の医薬組成物は本願の化合物と薬学的に許容される適切な賦形剤を組み合わせて製造されてもよく、例えば、固体、半固体、液体剤又は気体の製剤として製造されてもよく、例えば、錠剤、丸薬、カプセル、パウダー、顆粒、軟膏、エマルジョン、懸濁剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル剤、ミクロスフェア、エアロゾルなどである。
【0091】
本願の化合物、薬学的に許容されるその塩又はその医薬組成物の典型的な投与経路には、経口、経直腸、局所、吸入、非経口、舌下、膣内、鼻腔内、眼内、腹腔内、筋肉内、皮下、静脈内を含み、これらに限定されない。
【0092】
本願の医薬組成物は、本技術分野で周知の手法、例えば、混合、溶解、造粒、糖衣錠法、粉砕、乳化、凍結乾燥などの通常の方法で製造されてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は経口投与用である。経口投与用の場合は、活性化合物と本技術分野で周知の薬学的に許容される賦形剤を混合して、医薬組成物を製造できる。このような賦形剤によって本願の化合物は、患者に経口投与する錠剤、丸薬、糖衣コーティング剤、カプセル、液体剤、ゲル剤、シロップ、懸濁剤などとして製剤化される。
【0094】
経口用固体組成物は混合、充填、打錠など通常の手法で製造されてもよい。例えば、活性化合物と固体賦形剤を混合し、所望により混合物を粉砕するように製造する。必要ならば、他の適切な賦形剤を加え、前記混合物を顆粒に加工すれば、錠剤又は糖衣コーティング剤のコアを得る。適切な賦形剤は、バインダー、希釈剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、甘味料、矯味剤などを含み、これに限定されない。
【0095】
医薬組成物は非経口投与、例えば、適切な単位用量の滅菌液剤、懸濁液剤又は凍結乾燥製品にも適する。
【0096】
本明細書に記載の式I又は式IIの化合物の全ての投与形態において、1日の投与量は0.01から200mg/kg体重であり、単独で又は複数回に分けて投与する。
【0097】
本願の化合物は、当業者に知られる様々な合成方法であって、下記の各実施形態、他の化学合成方法と組み合わせた実施形態及び当業者に知られる同等な実施形態を含み、好ましい実施形態は本願の実施例を含み、これに限定されない前記合成方法で合成できる。本願に記載の各実施形態の化学反応は適切な溶媒において行われ、前記溶媒は本願に係る化学的変化及び使用する試薬と原料に適する。本願の化合物を得るために、場合によって当業者が既存の実施形態を踏まえて合成手順又は反応プロセスを選択し又は変更する必要がある。
【0098】
本分野では合成経路を設定する際に考慮すべき要因の1つが反応性官能基(例えば、本願ではヒドロキシ基)の適切な保護基の選択である。これに関しては、例えば、Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(4th Ed).Hoboken,New Jersey:John Wiley&Sons,Inc.を参照する。
【0099】
いくつかの実施形態において、本願の式I又は式IIの化合物は有機合成分野の業者が下記の経路で合成することができる。
経路1:
【化25】
【0100】
前記経路において、R、R
【化26】
の定義は上述したのと同じで、Xは脱離基から選ばれ、好ましくはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれ、Rはアミノ保護基から選ばれ、好ましくはBoc又はCbz(ベンジルオキシカルボニル基)である。
【発明を実施するための形態】
【0101】
略語:DMF=N,N-ジメチルホルムアミド、Boc=tert-ブトキシカルボニル基、NaOAc=酢酸ナトリウム、tBu=tert-ブチル基、TBS=tert-ブチルジメチルシリル基。
【0102】
次に本発明の一層の説明としていくつかの実施例を示し、本願の範囲は実施例に限定されない。本願で使用される試薬はいずれも市販品で、精製しなくても使用できる。
【0103】
実施例1:4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化27】
【0104】
1)化合物1-bの合成
0℃で、DMF(173.7g)とジクロロメタン(460mL)の混合溶液に塩化ホスホリル(200mL)を滴加し、滴加完了後、温度を20℃に上げて1時間攪拌して、0℃に冷却し、3,3-ジメチルシクロヘキサノン(1-a)(200g)を滴加し、滴加完了後、加熱して一晩還流させた。攪拌しながら反応液を、NaOAc(86.7g)、NaCl(80g)、水(1.2L)及びジクロロメタン(600mL)を含む溶液に滴加し、室温で20分間攪拌して分液し、水相はジクロロメタン(500mL)で抽出し、有機相を合わせ、KPO(40g)とNaCl(90g)の水(1L)溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過そして濃縮して、化合物1-b(249g)を得た。
【0105】
2)化合物1-cの合成
化合物1-b(1.69g)、[1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(0.4g)、KPO(8.30g)及び1,2-ジメトキシエタン(30mL)を混合して10分間攪拌し、さらに2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニルボロン酸(2.0g)を加え、Nで保護して、85℃で8時間反応させたら、完全に反応した。(NaHCOを5質量%、L-システインを2質量%含む)15mLの水溶液及び25mLの酢酸エチルを反応液に加えて30分間攪拌し、濾過して分液し、水相は酢酸エチル60mL×2で抽出し、有機相を合わせ、有機相を得てNaClの飽和水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過そして濃縮し、カラムクロマトグラフィーを行って化合物1-c(2.3g)を得た。
【0106】
3)化合物1-eの合成
2-[(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ]-4-ブロモ安息香酸tert-ブチル(化合物1-d)(77.8g)、Boc-ピペラジン(55.8g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(9g)、[(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]ジtert-ブチルホスフィン(5.2g)、ナトリウムtert-ブトキシド(96.1g)、トルエン(800mL)、テトラヒドロフラン(300mL)を混合して攪拌し、窒素で保護して、60℃に加熱して24時間反応させた。L-システイン(100g)及びNaHCO(150g)を含む水溶液(1.5L)で反応液を2回洗浄し(750mL×2)、NaClの飽和水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過そして濃縮して、化合物1-e(40g)を得た。
ESI-MS:m/z=495.4[M+H]
【0107】
4)化合物1-fの合成
化合物1-e(40g)、800mLのテトラヒドロフラン、270mLのエタノール及び15mLの水を混合して攪拌し、固体KOH(45.3g)を加え、温度を80℃に上げ攪拌して8時間還流させたら、完全に反応した。500mLの水を加えて攪拌し、希塩酸でpHを5~6に調整して、濾過し、水(1L)で2回パルプ化し(500mL×2)、乾燥して化合物1-f(35g)を得た。
【0108】
5)化合物1-gの合成
3-ニトロ-4-クロロベンゼンスルファミド(100g)、4-アミノメチルテトラヒドロピラン(58g)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(135g)をアセトニトリル(1L)に溶解し、85℃に加熱して8時間反応させると、室温で冷却し、一晩静置し、濾過して、化合物1-g(112g)を得た。
【0109】
6)化合物1-hの合成
化合物1-f(35g)及びジクロロメタン(100mL)を混合して室温で攪拌し、4-ジメチルアミノピリジン(38.5g)及び1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(65.8g)を加え、攪拌して溶解し、3-ニトロ-4-[[(テトラヒドロピラン-4-イル)メチル]アミノ]ベンゼンスルファミド(化合物1-g)(25.2g)を加え、室温で3時間反応させた。5質量%の塩酸、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液、塩化ナトリウムの飽和水溶液をこの順に使用して洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過そして濃縮し、ジクロロメタン(200mL)を加えて室温で2時間攪拌し、濾過そして乾燥して、化合物1-h(40g)を得た。
【0110】
7)化合物1-iの合成
化合物1-hを500mLのイソプロパノールに加えて攪拌し、50mLの濃HClを加え、温度を65℃に上げて8時間攪拌したら、完全に反応した。濾過し、フィルターケーキを300mLの水に溶解し、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を滴加してpHを6~7に調整し、濾過そして乾燥し、固体を得て200mLの酢酸エチルでパルプ化し、濾過そしてドライングして化合物1-i(27g)を得た。
【0111】
8)化合物1-1の合成
化合物1-c(2.0g)及び化合物1-i(4.9g)を20mLのメタノールに溶解して攪拌し、水素化ホウ素ナトリウム(5.72g)を加えて6時間攪拌したら、完全に反応した。25mLの塩化アンモニウムの飽和水溶液を加えてクエンチし、40mLの酢酸エチルで2回抽出し、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、無水NaSOで乾燥そして濾過し、濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィーを行って化合物1-1(120mg)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ 11.80~11.58(m,2H),8.67~8.55(m,2H),8.05(d,J=2.6Hz,1H),7.83(dd,J=9.3,2.4Hz,1H),7.59~7.48(m,5H),7.16(dd,J=24.3,8.7Hz,2H),6.74(dd,J=9.0,2.4Hz,1H),6.40(dd,J=3.3,1.9Hz,1H),6.28(d,J=2.4Hz,1H),3.86(dd,J=11.2,4.2Hz,2H),3.62(d,J=13.2Hz,1H),3.38~3.19(m,7H),2.34~2.25(m,1H),2.23(s,1H),2.17(s,4H),2.08(s,1H),1.90(t,J=14.5Hz,4H),1.62(dd,J=13.1,3.6Hz,2H),1.56~1.40(m,J=6.4Hz,3H),1.33~1.20(m,3H),0.97(d,J=3.1Hz,6H)。
13C NMR(126MHz,DMSO)δ 163.97,158.95,158.66,158.21,154.01,147.90,146.83,145.91,145.28,140.86,136.63,135.62,134.30,132.57,130.06,129.46,128.33,127.26,124.77,123.25,122.73,120.32,118.43,115.56,114.17,109.71,103.48,100.44,67.08,58.52,48.41,45.88,44.35,44.30,34.69,34.32,30.62,29.05,29.01,27.49,24.69,19.09。
ESI-MS:m/z=916.4[M+H]
【0112】
実施例2:(R)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化28】
【0113】
1)化合物2-dの合成
化合物1-c(103g)、1-Boc-ピペラジン(73.28g)をアセトニトリル(1000mL)に溶解して攪拌し、0℃に冷却し、ゆっくりとトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(227g)を加え、室温で5時間攪拌した。完全に反応したら、水(1L)及び酢酸エチル(300mL)を加えて抽出し、有機相を集め、無水NaSOで乾燥し、濾過そして濃縮して、化合物2-d(150g)を得た。
【0114】
2)化合物2-eの合成
化合物2-d(150g)、イソプロパノール(830mL)、塩酸(濃度36~38%、125mL)を混合して65℃に加熱し、3時間反応させた。冷却して固体が析出すると濾過し、乾燥して、化合物2-e(80g)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)11.70(1H,brs),7.64(1H,s),7.55(1H,d,J=8.0Hz),7.27(1H,d,J=8.0Hz),3.53~3.40(8H,m),3.14~3.03(2H,m),2.79~2.65(2H,m),2.20(3H,s),1.99(1H,d,J=18.0Hz),1.88(1H,d,J=18.0Hz),1.50(2H,m),0.99(3H,s),0.98(3H,s)
ESI-MS:m/z=367.4[M+H]
【0115】
3)化合物2-gの合成
NaH(21.1g)をTHF(100mL)に溶解して-20℃に冷却して10分間攪拌し、2-[(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ]-4-ブロモ安息香酸tert-ブチル(化合物1-d、128.3g)を200mLのTHFに溶解し、ゆっくりと反応液に滴加し、滴加する過程で内部温度を0℃以下にコントロールし、滴加完了後に30分間攪拌し、反応液にTBSCl(64.7g)のTHF(200mL)溶液を滴加し、滴加する過程で内部温度を約-10℃にコントロールし、滴加完了後に30分間反応させ、完全に反応したら500mLの炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機相を集め、無水NaSOで乾燥し、濾過して濃縮し、カラムクロマトグラフィーを行って化合物2-f(150g)を得た。
ESI-MS:m/z=503.1[M+H]
【0116】
化合物2-e(80g)、2-[(1-tert-ブチルジメチルシリルピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル)オキシ]-4-ブロモ安息香酸tert-ブチル(化合物2-f、109.7g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.7g)、[(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル]ジtert-ブチルホスフィン(1.6g)、ナトリウムtert-ブトキシド(187.4g)、トルエン(800mL)を混合して攪拌し、窒素で保護して、100℃に加熱して24時間反応させた。反応終了後、水(1L)及び酢酸エチル(300mL)を加えて抽出し、有機相を集め、無水NaSOで乾燥し、濾過そして濃縮して、化合物2-g(182.6g)を得た。
ESI-MS:m/z=789.6[M+H]
【0117】
4)化合物2-hの合成
化合物2-g(182.6g)とトルエン(1.8L)とトリフルオロ酢酸(107mL)の混合物を45℃に加熱して5時間反応させた。反応液を濃縮して、1.5Lの酢酸エチルを加え、NaHCOの飽和水溶液、塩化ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過そして濃縮し、1Lのトルエン及び200mLの酢酸エチルを加え、加熱して清澄化させた後、冷却して固体が析出すると濾過し、乾燥して、化合物2-h(75.2g)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d),δ H:12.2(brs,1H),11.64(s,1H),7.97(d,J=2.45Hz,1H),7.74(d,J=9.0Hz,1H),7.53(s,1H),7.46(m,2H),7.38(d,J=2.2Hz,1H),7.09(d,J=8.0Hz,1H),6.71(dd,J=9.3,1.9Hz,1H),6.35(m,1H),6.33(d,J=1.5Hz,1H),3.10(brs,4H),2.24(m,3H),2.16(s,3H),2.08(m,2H),1.83(m,2H),1.42(t,2H),0.94(s,6H),0.83(s,3H)。
ESI-MS:m/z=619.5[M+H]
【0118】
5)化合物2-kの合成
3-ニトロ-4-クロロベンゼンスルファミド(0.64g)、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩(0.5g)及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.58g)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、85℃に加熱して6.5時間反応させると、室温で冷却し、一晩静置し、濾過して、化合物2-k(0.65g)を得た。
ESI-MS:m/z=316.2[M-H]
【0119】
6)化合物2-1の合成
化合物2-h(0.3g)、ジクロロメタン(5mL)を混合して室温で攪拌し、4-ジメチルアミノピリジン(0.05g)及び1-エチル-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.07g)を加え、攪拌して溶解し、化合物2-k(0.15g)、トリエチルアミン(0.12g)を加え、室温で3時間反応させた。5質量%塩酸、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液、塩化ナトリウムの飽和水溶液をこの順に使用して洗浄し、無水NaSOで乾燥し、濾過そして濃縮し、カラムクロマトグラフィーによる分離及び精製を行って、化合物2-1(0.12g)を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ H:11.73(s,2H),8.61(1H,brs),8.57(1H,brs),8.05(1H,s),7.82(1H,d,J=9.0),7.59(1H,s),7.49~7.55(4H,m),7.17(1H,d,J=8.0),7.12(1H,d,J=9.5),6.73(1H,d,J=9.0),6.40(1H,s),6.28(1H,s),3.61~3.81(8H,m),3.19~3.51(7H,m),3.02(3H,m),2.61(1H,m),2.30(1H,m),2.16(4H,s),1.87~1.93(2H,m),1.49(2H,s),0.96(6H,s)。
ESI-MS:m/z=918.8[M+H]
【0120】
実施例3:(S)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(1,4-ジオキサン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化29】
【0121】
1)化合物3-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(S)-2-(アミノメチル)-1,4-ジオキサン塩酸塩を用いて、化合物3-k(4.70)を得た。
ESI-MS:m/z=316.1[M-H]
【0122】
2)化合物3-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物3-kを用いて、化合物3-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d),δ H:11.72(s,1H),11.68(m,1H),8.60(t,J=5.4Hz,1H),8.57(d,J=2.3Hz,1H),8.04(d,J=2.6Hz,1H),7.83(dd,J=9.2,2.0Hz,1H),7.58(brs,1H),7.54(d,J=2.5Hz,1H),7.51(m,3H),7.17(d,J=8.0Hz,1H),7.11(d,J=9.4Hz,1H),6.73(dd,J=9.0,2.0Hz,1H),6.40(m,1H),6.27(d,J=1.9Hz,1H),3.79(m,4H),3.64(m,4H),3.49(m,2H),3.41(m,1H),3.29(m,4H),3.02(brs,2H),2.91(brs,1H),2.64(m,1H),2.29(m,1H),2.18(m,1H),2.16(s,3H),1.91(m,2H),1.49(m,2H),0.97(s,3H),0.96(s,3H)。
ESI-MS:m/z=918.8[M+H]
【0123】
実施例4:4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(S)-(4-メトキシアセチルモルホリン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化30】
【0124】
1)化合物4-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(S)-2-(アミノメチル)-4-メトキシアセチルモルホリン塩酸塩を用いて、化合物4-k(0.39g)を得た。
ESI-MS:m/z=387.1[M-H]
【0125】
2)化合物4-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物4-kを用いて、化合物4-1を得た。
ESI-MS:m/z=989.7[M+H]
【0126】
実施例5:4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルメチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化31】
【0127】
1)化合物5-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに2-アミノメチルテトラヒドロピランを用いて、化合物5-k(1.92g)を得た。
ESI-MS:m/z=316.0[M+H]
【0128】
2)化合物5-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物5-kを用いて、化合物5-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d6),δ H:11.74(s,2H),8.64(t,J=5.1Hz,1H),8.56(d,J=2.0Hz,1H),8.04(d,J=2.5Hz,1H),7.81(dd,J=9.2,1.6Hz,1H),7.59(s,1H),7.55(d,J=2.2Hz,1H),7.51(m,3H),7.17(d,J=7.9Hz,1H),7.11(d,J=9.4Hz,1H),6.73(d,J=8.8Hz,1H),6.40(m,1H),6.27(s,1H)3.92(d,J=10.9Hz,1H),3.75(m,1H),3.67(m,1H),3.58(m,2H),3.48(m,1H),3.32(m,5H),3.01(m,2H),2.90(brs,1H),2.61(m,1H),2.29(m,1H),2.16(s,3H),1.91(m,2H),2.08(s,1H),1.80(m,1H)1.64(d,J=12.4Hz,1H),1.48(m,5H),1.28(m,1H),0.96(s,6H)。
ESI-MS:m/z=916.7[M+H]
【0129】
実施例6:(S)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロフラン-3-イル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化32】
【0130】
1)化合物6-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(S)-3-アミノテトラヒドロフラン塩酸塩を用いて、化合物6-k(1.72g)を得た。
【0131】
2)化合物6-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物6-kを用いて、化合物6-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ H:11.79(1H,s),11.74(1H,s),8.56(1H,brs),8.32(1H,d,J=6.0),8.03(1H,s),7.85(1H,d,J=9.0),7.59(1H,s),7.50~7.53(4H,m),7.17(1H,d,J=8.0),7.12(1H,d,J=9.0),6.73(1H,d,J=8.5),6.39(1H,s),6.29(1H,s),3.86~3.94(3H,m),3.45~3.79(5H,m),3.24(3H,m),3.02(3H,m),2.61(1H,m),2.33(2H,m),2.16(4H,s),1.87~1.99(3H,m),1.35(2H,s),0.96(6H,s)。
ESI-MS:m/z=888.6[M+H]
【0132】
実施例7:(R)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロフラン-3-イル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化33】
【0133】
1)化合物7-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(R)-3-アミノテトラヒドロフラン塩酸塩を用いて、化合物7-k(1.65g)を得た。
【0134】
2)化合物7-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物7-kを用いて、化合物7-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ H:11.79(1H,s),11.74(1H,s),8.57(1H,brs),8.32(1H,d,J=5.0),8.03(1H,s),7.85(1H,d,J=9.0),7.59(1H,s),7.50~7.52(4H,m),7.17(1H,d,J=7.0),7.12(1H,d,J=8.5),6.74(1H,d,J=8.5),6.39(1H,s),6.29(1H,s),3.48~3.93(8H,m),3.24(3H,m),3.02(3H,m),2.61(1H,m),2.33(2H,m),2.16(4H,s),1.91~1.96(3H,m),1.50(2H,s),0.96(6H,s)。
ESI-MS:m/z=888.6[M+H]
【0135】
実施例8:4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[((テトラヒドロフラン-3-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化34】
【0136】
1)化合物8-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりにテトラヒドロフラン-3-メチルアミンを用いて、化合物8-k(1.20g)を得た
【0137】
2)化合物8-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物8-kを用いて、化合物8-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ H:11.74(2H,m),8.67(1H,brs),8.57(1H,brs),8.05(1H,s),7.79(1H,d,J=9.0),7.40~7.64(5H,m),7.17(1H,d,J=8.0),7.11(1H,d,J=9.5),6.73(1H,d,J=9.0),6.40(1H,s),6.27(1H,s),3.50~3.79(7H,m),3.19~3.38(5H,m),2.92(3H,m),2.58(2H,m),2.30(1H,m),2.16(4H,s),1.93(3H,m),1.64(1H,m),1.50(2H,s),0.97(6H,s)。
ESI-MS:m/z=902.7[M+H]
【0138】
実施例9:(R)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[((テトラヒドロフラン-3-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化35】
【0139】
1)化合物9-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(3R)-テトラヒドロフラン-3-メチルアミンを用いて、化合物9-k(1.10g)を得た
【0140】
2)化合物9-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物9-kを用いて、化合物9-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ H:11.74(2H,m),8.68(1H,brs),8.57(1H,brs),8.05(1H,s),7.81(1H,d,J=9.0),7.49~7.59(5H,m),7.17(1H,d,J=7.5),7.11(1H,d,J=9.5),6.73(1H,d,J=8.5),6.40(1H,s),6.27(1H,s),3.61~3.79(6H,m),3.51(1H,m),3.09~3.26(5H,m),2.91(3H,m),2.58(2H,m),2.29(1H,m),2.16(4H,s),1.93(3H,m),1.64(1H,m),1.49(2H,s),0.96(6H,s)。
ESI-MS:m/z=902.7[M+H]
【0141】
実施例10:(S)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[((テトラヒドロフラン-3-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化36】
【0142】
1)化合物10-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(3S)-テトラヒドロフラン-3-メチルアミン(0.64g)を用いて、化合物10-k(1.39g)を得た。
【0143】
2)化合物10-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物10-kを用いて、化合物10-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ H:11.75(2H,s),8.68(1H,brs),8.57(1H,brs),8.05(1H,s),7.81(1H,d,J=9.0),7.50~7.59(5H,m),7.17(1H,d,J=8.0),7.12(1H,d,J=9.5),6.73(1H,d,J=9.0),6.40(1H,s),6.27(1H,s),3.50~3.82(7H,m),3.23~3.38(5H,m),2.92(3H,m),2.58(2H,m),2.30(1H,m),2.16(4H,s),1.93(3H,m),1.64(1H,m),1.49(2H,s),0.96(6H,s)。
ESI-MS:m/z=902.7[M+H]
【0144】
実施例11:(S)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化37】
【0145】
1)化合物11-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(S)-2-テトラヒドロフルフリルアミンを用いて、化合物11-k(1.35g)を得た。
【0146】
2)化合物11-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物11-kを用いて、化合物11-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)11.74(2H,s),8.63(1H,m),8.57(1H,s),8.05(1H,s),7.81(1H,d,J=9.0Hz),7.59(1H,s),7.55~7.50(4H,m),7.17(1H,d,J=8.0Hz),7.14(1H,d,J=9.0Hz),6.74(1H,d,J=9.0Hz),6.40(1H,s),6.28(1H,s),4.10(1H,m),3.82~3.61(5H,m),3.54(1H,m),3.41~3.24(4H,m),3.00~2.87(3H,m),2.61(1H,m),2.28(1H,m),2.16(4H,m),2.03~1.84(4H,m),1.62(1H,m),1.49(2H,m),1.23(1H,m),0.96(6H,s)
ESI-MS:m/z=902.7[M+H]
【0147】
実施例12:(R)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[((テトラヒドロフラン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化38】
【0148】
1)化合物12-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(R)-2-テトラヒドロフルフリルアミンを用いて、化合物12-k(1.38g)を得た。
【0149】
2)化合物12-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物12-kを用いて、化合物12-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)11.74(2H,s),8.63(1H,m),8.56(1H,m),8.04(1H,m),7.81(1H,d,J=9.0Hz),7.59(1H,s),7.54~7.50(4H,m),7.17(1H,d,J=8.0Hz),7.14(1H,d,J=9.0Hz),6.73(1H,d,J=9.0Hz),6.40(1H,s),6.28(1H,s),3.85~3.52(7H,m),3.41~3.23(4H,m),3.00~2.91(3H,m),2.61(1H,m),2.28(1H,m),2.16(4H,m),2.08(1H,m),2.01~1.84(3H,m),1.63(1H,m),1.49(2H,m),1.23(1H,m),0.96(6H,s)。
ESI-MS:m/z=902.7[M+H]
【0150】
実施例13:4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロピラン-4-イル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化39】
【0151】
1)化合物13-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに4-アミノテトラヒドロピランを用いて、化合物13-k(1.70g)を得た。
【0152】
2)化合物13-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物13-kを用いて、化合物13-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ H:11.74(2H,s),8.57(1H,brs),8.26(1H,d,J=7.0),8.04(1H,s),7.82(1H,d,J=9.0),7.59(1H,s),7.49~7.54(4H,m),7.20(1H,d,J=9.5),7.17(1H,d,J=8.0),6.73(1H,d,J=8.5),6.40(1H,s),6.27(1H,s),3.88(3H,m),3.45~3.74(5H,m),3.23(3H,m),3.02(3H,m),2.61(1H,m),2.30(1H,m),2.16(4H,s),1.75~1.96(4H,m),1.61(2H,m),1.49(2H,s),0.96(6H,s)。
ESI-MS:m/z=902.7[M+H]
【0153】
実施例14:(S)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(テトラヒドロピラン-3-イル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化40】
【0154】
1)化合物14-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(S)-3-アミノテトラヒドロピラン塩酸塩を用いて、化合物14-k(1.08g)を得た。
【0155】
2)化合物14-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物14-kを用いて、化合物14-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)δ H:11.74(2H,s),8.58(1H,brs),8.53(1H,d,J=7.5),8.05(1H,s),7.83(1H,d,J=9.5),7.49~7.59(5H,m),7.17(1H,d,J=8.5),6.73(1H,d,J=8.5),6.40(1H,s),6.26(1H,s),3.77~3.86(3H,m),3.55~3.63(2H,m),2.90~3.24(7H,m),2.59(1H,m),2.26(1H,m),2.16(3H,s),2.08(3H,s),1.86~1.96(3H,m),1.75(2H,m),1.53(3H,m),0.96(6H,s)。
ESI-MS:m/z=902.7[M+H]
【0156】
実施例15:(R)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[((テトラヒドロピラン-3-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化41】
【0157】
1)化合物15-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(R)-3-アミノメチルテトラヒドロピラン塩酸塩を用いて、化合物15-k(0.36g)を得た。
【0158】
2)化合物15-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物15-kを用いて、化合物15-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)11.75(2H,s),8.61(1H,m),8.57(1H,s),8.05(1H,s),7.81(1H,d,J=9.0Hz),7.59(1H,s),7.55~7.49(4H,m),7.17(1H,d,J=8.0Hz),7.10(1H,d,J=9.0Hz),6.73(1H,d,J=9.0Hz),6.40(1H,s),6.27(1H,s),3.87~3.60(5H,m),3.52~3.16(7H,m),3.01~2.91(2H,m),2.62(1H,m),2.28(1H,m),2.16(3H,s),2.13(1H,m),2.03~1.81(4H,m),1.61(1H,m),1.49(3H,m),1.33~1.24(2H,m),0.96(6H,s)
ESI-MS:m/z=916.7[M+H]
【0159】
実施例16:(S)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[((テトラヒドロピラン-3-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化42】
【0160】
1)化合物16-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(S)-3-アミノメチルテトラヒドロピラン塩酸塩を用いて、化合物16-k(0.39g)を得た。
【0161】
2)化合物16-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物16-kを用いて、化合物16-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)11.75~11.72(2H,s),8.62(1H,m),8.57(1H,s),8.05(1H,m),7.81(1H,d,J=9.0Hz),7.59(1H,s),7.55~7.49(4H,m),7.17(1H,d,J=8.0Hz),7.10(1H,d,J=9.0Hz),6.73(1H,d,J=9.0Hz),6.40(1H,s),6.27(1H,s),3.80~3.60(4H,m),3.37~3.16(6H,m),3.01~2.91(2H,m),2.61(1H,m),2.28(1H,m),2.16(4H,m),2.03~1.81(4H,m),1.61(1H,m),1.49~1.46(3H,m),1.35~1.23(4H,m),0.96(6H,s)
ESI-MS:m/z=916.7[M+H]
【0162】
実施例17:4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(2-(テトラヒドロピラン-3-イル)エチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化43】
【0163】
1)化合物17-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに2-(テトラヒドロ-2H-ピラン-3-イル)エチルアミンを用いて、化合物17-k(1.06g)を得た。
【0164】
2)化合物17-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物17-kを用いて、化合物17-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)11.75~11.73(2H,s),8.59~8.56(2H,m),8.04(1H,s),7.81(1H,d,J=9.0Hz),7.59(1H,s),7.55~7.49(4H,m),7.17(1H,d,J=8.0Hz),7.07(1H,d,J=9.0Hz),6.73(1H,d,J=9.0Hz),6.40(1H,s),6.30(1H,s),3.85~3.60(4H,m),3.40~3.23(6H,m),3.04~2.91(4H,m),2.61(1H,m),2.28(1H,m),2.16(3H,s),2.13(1H,m),1.96~1.84(3H,m),1.60~1.38(7H,m),1.23~1.09(2H,m),0.96(6H,s)
ESI-MS:m/z=930.7[M+H]
【0165】
実施例18:(S)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(4-アセチルモルホリン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化44】
【0166】
1)化合物18-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(S)-2-アミノメチル-4-アセチルモルホリンを用いて、化合物18-k(0.89g)を得た。
ESI-MS:m/z=359.0[M+H]
【0167】
2)化合物18-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物18-kを用いて、化合物18-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)11.72(2H,s),8.64(1H,m)8.57(1H,t,J=3.0Hz),8.04(1H,d,J=3.0Hz),7.84(1H,m),7.59(1H,s),7.55(1H,d,J=2.5Hz),7.53~7.52(2H,m),7.50(1H,d,J=8.0Hz),7.18~7.24(2H,m),6.73(1H,dd,J=9.0,2.0Hz),6.40(1H,dd,J=3.0,2.0Hz),6.28(1H,d,J=2.0Hz),4.32(1H,d,J=13.0Hz),4.14(1H,d,J=13.0Hz),3.91~3.84(2H,m),3.73~3.60(6H,m),3.52~3.36(3H,m),3.26~2.99(2H,m),3.01(1H,m),2.92(1H,m),2.71(1H,m),2.55(1H,m),2.51(3H,m),2.29(1H,m),2.16(3H,m),2.13(1H,m),1.92(2H,m),1.50(2H,m),0.97(3H,s),0.96(3H,s)
ESI-MS:m/z=959.7[M+H]
【0168】
実施例19:(R)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[((4-アセチルモルホリン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化45】
【0169】
1)化合物19-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(R)-2-アミノメチル-4-アセチルモルホリンを用いて、化合物19-k(0.89g)を得た。
ESI-MS:m/z=359.0[M+H]
【0170】
2)化合物19-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物19-kを用いて、化合物19-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)11.72(2H,s),8.64(1H,m)8.57(1H,t,J=3.0Hz),8.04(1H,d,J=3.0Hz),7.84(1H,m),7.59(1H,s),7.55(1H,d,J=2.5Hz),7.53~7.52(2H,m),7.50(1H,d,J=8.0Hz),7.18~7.24(2H,m),6.73(1H,dd,J=9.0,2.0Hz),6.40(1H,dd,J=3.0,2.0Hz),6.28(1H,d,J=2.0Hz),4.32(1H,d,J=13.0Hz),4.14(1H,d,J=13.0Hz),3.91~3.84(2H,m),3.73~3.60(6H,m),3.52~3.36(3H,m),3.26~2.99(2H,m),3.01(1H,m),2.92(1H,m),2.71(1H,m),2.55(1H,m),2.51(3H,m),2.29(1H,m),2.16(3H,m),2.13(1H,m),1.92(2H,m),1.50(2H,m),0.97(3H,s),0.96(3H,s)
ESI-MS:m/z=959.7[M+H]
【0171】
実施例20:(S)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(4-イソブチリルモルホリン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化46】
【0172】
1)化合物20-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(S)-2-アミノメチル-4-イソブチリルモルホリンを用いて、化合物20-k(0.82g)を得た。
ESI-MS:m/z=387.0[M+H]
【0173】
2)化合物20-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物20-kを用いて、化合物20-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)11.71~11.65(2H,s),8.65(1H,t,J=5.0Hz),8.57(1H,s),8.04(1H,d,J=2.5Hz),7.83(1H,m),7.58(1H,s),7.55~7.49(4H,m),7.17(2H,m),6.73(1H,dd,J=9.0,2.0Hz),6.39(1H,dd,J=3.0,2.0Hz),6.27(1H,s),4.35(1H,d,J=13.0Hz),4.18(1H,d,J=13.0Hz),3.99(1H,d,J=13.0Hz),3.81(1H,m),3.74(1H,m),3.62~3.60(4H,m),3.47(1H,m),3.26~3.16(4H,m),3.02(2H,m),2.87(2H,m),2.68(1H,m),2.56(1H,m),2.29(1H,m),2.18(1H,m),2.16(3H,m),1.92(2H,m),1.50(2H,m),1.01~0.96(12H,m)
ESI-MS:m/z=987.8[M+H]
【0174】
実施例21:(R)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(4-イソブチリルモルホリン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化47】
【0175】
1)化合物21-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(R)-2-アミノメチル-4-イソブチリルモルホリンを用いて、化合物21-k(0.87g)を得た。
ESI-MS:m/z=387.0[M+H]
【0176】
2)化合物21-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物21-kを用いて、化合物21-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d),δ H:11.74(brs,2H),8.67(brs,1H),8.57(s,1H),8.05(s,1H),7.83(m,1H),7.59(s,1H),7.52(m,4H),7.16(m,2H),6.73(d,J=8.5Hz,1H),6.40(s,1H),6.27(s,1H),3.90(d,J=10.7Hz,1H),3.79(m,2H),3.63(m,4H),3.47(m,2H),3.38(m,1H),3.27(m,3H),3.16(m,1H),3.02(m,2H),2.87(m,2H),2.60(m,2H),2.30(m,1H),2.16(s,3H),2.13(m,1H),1.91(m,2H),1.49(brs,2H),0.99(m,6H),0.96(m,6H)。
ESI-MS:m/z=987.8[M+H]
【0177】
実施例22:(S)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(4-(メタンスルホニル)モルホリン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化48】
【0178】
1)化合物22-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(S)-2-アミノメチル-4-(メタンスルホニル)モルホリンを用いて、化合物22-k(0.68g)を得た。
ESI-MS:m/z=395.0[M+H]
【0179】
2)化合物22-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物22-kを用いて、化合物22-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d)11.71(2H,s),8.64(1H,t,J=6.0Hz),8.57(1H,d,J=8.5Hz),8.05(1H,d,J=3.0Hz),7.83(1H,dd,J=9.0,2.0Hz),7.58(1H,s),7.55(1H,d,J=2.5Hz),7.54~7.49(3H,m),7.18(1H,s),7.16(1H,d,J=2.0Hz),6.73(1H,dd,J=9.0,2.0Hz),6.40(1H,dd,J=3.0,2.0Hz),6.27(1H,d,J=2.0Hz),4.85(2H,m),3.98(1H,d,J=11.0Hz),3.80~3.74(2H,m),3.67~3.55(5H,m),3.49(1H,m),3.56(1H,d,J=11.0Hz),3.31~3.19(3H,m),3.02(2H,m),2.92(3H,s),2.85(1H,m),2.67(1H,m),2.28(1H,m),2.18(1H,m),2.16(3H,m),1.92(2H,m),1.50(2H,m),0.97(3H,s),0.96(3H,s)
ESI-MS:m/z=995.8[M+H]
【0180】
実施例23:(R)-4-(4-{[2-(2-メチル-4-トリフルオロメチルフェニル)-4,4-ジメチルシクロヘキサ-1-エニル]メチル}-ピペラジン-1-イル)-N-({3-ニトロ-4-[(4-(メタンスルホニル)モルホリン-2-イル)メチル)アミノ]フェニル}スルホニル)-2-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イルオキシ)-ベンズアミド
【化49】
【0181】
1)化合物23-kの合成
実施例2のステップ5)の化合物2-kの合成手順を参照し、(R)-(1,4-ジオキサン)-2-メチルアミン塩酸塩の代わりに(R)-2-アミノメチル-4-(メタンスルホニル)モルホリンを用いて、化合物23-k(0.65g)を得た。
ESI-MS:m/z=395.0[M+H]
【0182】
2)化合物23-1の合成
実施例2のステップ6)の化合物2-1の合成手順を参照し、化合物2-kの代わりに化合物23-kを用いて、化合物23-1を得た。
H NMR(500MHz,DMSO-d),δ H:11.74(s,2H),8.66(t,J=5.4Hz,1H),8.57(d,J=1.8Hz,1H),8.04(d,J=2.2Hz,1H),7.84(d,J=9.1Hz,1H),7.59(s,1H),7.55(d,J=2.0Hz,1H),7.51(m,3H),7.17(d,J=8.8Hz,2H),6.73(d,J=8.7Hz,1H),6.40(s,1H),6.27(s,1H),3.98(d,1H),3.78(m,2H),3.65(m,3H),3.57(m,3H),3.49(m,1H),3.35(m,1H),3.26(m,3H),3.00(m,2H),2.93(s,3H),2.85(m,1H),2.61(m,1H),2.69(t,J=10.9Hz,1H),2.28(m,1H),2.18(m,1H),2.16(s,3H),1.91(m,2H),1.49(m,2H),0.96(s,3H)。
ESI-MS:m/z=995.8[M+H]
【0183】
実施例1の合成手順を参照し、下表に示すものを出発原料として、次の化合物を合成する。
【化50】
【0184】
試験例1:本発明の化合物のヒト急性リンパ性白血病RS4;11細胞増殖阻害効果
指数増殖期で状態が良好なRS4;11細胞(ATCC提供)を用い、細胞を遠心分離管に集め、低速ベンチトップ遠心分離機において1500回転/分で3分間遠心分離し、上清を捨て、ピペットで5mLの完全培地(RPMI基本培地+10%FBS)を加えて細胞を再懸濁させた。セルカウンターでカウントし、完全培地で希釈し、細胞密度を2×10個/mLに調整し、さらに等量のRPMI基本培地を加えて血清濃度を5%に調整し、細胞密度が1×10個/mLで播種した。マルチチャンネルピペットを用いて96ウェルプレートに100μL/ウェルで接種し、37℃とCO5%の飽和湿度細胞インキュベータに入れて培養した。24時間培養した後、ノリットルサンプラーを用いて化合物を添加し、各濃度は2回繰り返し測定し、化合物を加えない細胞を陰性対照とし、72時間後にCCK-8を10μL/ウェルで加え、4時間後にEnvisionマイクロプレートリーダーにおいて450nmでの吸光度を検出して、阻害率を算出した。
阻害率(%)=(陰性対照群の平均値-実験群の平均値)/(陰性対照群の平均値-ブランク群の平均値)×100%。
化合物濃度の対数を横軸、阻害率を縦軸として4パラメータ分析で用量効果曲線を当てはめ、IC50を算出した(表1参照)。
【表1】
【0185】
試験例2:インビトロタンパク質結合阻害活性
2.1 BCL-2/BAK結合阻害活性スクリーニング
キット(名称:BCL-2/BAK(BH3)BINDING ASSAY KITS、カタログ番号:63ADK000CB01PEG、cisbio提供)内の希釈バッファーで500nMのTag1-BCL-2タンパク質原液を5nMに希釈し、同時に20μMのTag2-BAKタンパク質原液を120nMに希釈し、まず各ウェルに5μLのTag1-BCL-2タンパク質希釈液を加え、次にノリットルサンプラーを使用してDMSOに溶解した被験化合物をウェルに加え、化合物の最終濃度は200nM-0.0488nMであり、4倍勾配で、7つの濃度とし、同時にブランク対照ウェル(酵素不含)及び陰性対照ウェル(酵素を含有し、溶媒DMSOを加えた)を設け、2回繰り返し測定し、最後に各ウェルに5μLのTag2-BAKタンパク質希釈液を加えて遠心分離により均一に混合させ、25℃で15分間インキュベートした。キット内の検出バッファーで100×の抗Tag1-Eu3+を1×の使用濃度に希釈し、同時に100×の抗Tag2-XL665を1×の使用濃度に希釈した。抗Tag1-Eu3+と抗Tag2-XL665を1:1で均一に混合し、各ウェルに5μLの混合液を加え、25℃で2時間以上反応させた。PE Envision多目的マイクロプレートリーダーにおいて結果を読み取り(励起620nm、発光665nm)、4パラメータで当てはめ、IC50を算出した(結果は表2記載)。
【0186】
2.2 BCL-XL/BAK結合阻害活性スクリーニング
キット(名称:BCL-XL/BAK(BH3)BINDING ASSAY KITS、カタログ番号:63ADK000CB04PEG、cisbio提供)内の希釈バッファーで300nMのTag1-BCL-XLタンパク質原液を2nMに希釈し、同時に10μMのTag2-BAKタンパク質原液を80nMに希釈し、まず各ウェルに5μLのTag1-BCL-XLタンパク質希釈液を加え、次にノリットルサンプラーを使用してDMSOに溶解した異なる被験化合物を各ウェルに加え、化合物の最終濃度は2000nM-0.488nMであり、4倍勾配で、7つの濃度とし、同時にブランク対照ウェル(酵素不含)及び陰性対照ウェル(酵素を含有し、溶媒DMSOを加えた)を設け、2回繰り返し測定し、最後に各ウェルに5μLのTag2-BAKタンパク質希釈液を加えて遠心分離により均一に混合させて、25℃で15分間インキュベートした。キット内の検出バッファーで100×の抗Tag1-Eu3+を1×の使用濃度に希釈し、同時に100×の抗Tag2-XL665を1×の使用濃度に希釈した。抗Tag1-Eu3+と抗Tag2-XL665を1:1で均一に混合し、各ウェルに5μLの混合液を加え、25℃で2時間以上反応させた。PE Envision多目的マイクロプレートリーダーにおいて結果を読み取り(励起620nm、発光665nm)、4パラメータで当てはめ、IC50を算出した(結果は表2記載)。
【表2】
【0187】
試験例3:ヒト急性リンパ性白血病RS4;11のマウス腫瘍皮下移植モデルにおける被験物の薬力学的評価
SPF雌NOD/SCIDマウス(上海霊暢生物科技有限公司提供)の右腋窩の皮下に1×10個のRS4;11細胞(ATCC提供)を接種した。腫瘍の平均体積が約180mmになると、腫瘍のサイズによってビヒクル(Vehicle、溶媒)、化合物1-1(25mg/kg)、化合物3-1(25mg/kg)の3群に分けた。群分けを実施した当日はd0日とした。d1日に1回胃内投与し、投与体積は10mL/kgであり、その後、休薬し観察した。
【0188】
腫瘍体積の計算式は腫瘍体積(mm)=1/2×(a×b)であり、式中、aは長径、bは短径を表す。
【0189】
相対腫瘍増殖率T/C%は、特定の時間での、対照群に対する治療群の相対腫瘍体積又は腫瘍重量のパーセンテージである。計算式はT/C%=TRTV/CRTV×100%であり、式中、TRTVは治療群の平均RTV、CRTVは溶媒対照群の平均RTVである。相対腫瘍体積はRTV=TV/TVであり、式中、TVは群分け時の動物の腫瘍体積、TVは治療後の当該動物の腫瘍体積である。
【0190】
相対腫瘍阻害率TGI(%)の計算式はTGI%=(1-T/C)×100%である。式中、Tは治療群の、Cは対照群の特定の時間での相対腫瘍体積(RTV)又は腫瘍重量(TW)である。
【0191】
体重変化率(weight change rate、WCR)(%)の計算式はWCR=(Wt-Wt)/Wt×100%であり、式中、Wtは群分け時(d0日)の動物の体重、Wtは各回に測定した動物の体重である。
【0192】
実験結果は全てmean±SD(平均値±標準偏差)で記録した。T検定により対照群に対する治療群の相対腫瘍体積の有意差を判定した。p<0.05の場合は有意差があり、p<0.01の場合は高度に有意差がある。
【0193】
結果を表3に示す。
【表3】
【国際調査報告】