(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-26
(54)【発明の名称】固定用突起部を有するロックプラグおよびオイルレベルゲージ
(51)【国際特許分類】
F01M 11/12 20060101AFI20220719BHJP
F02B 77/00 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
F01M11/12 A
F02B77/00 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566131
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(85)【翻訳文提出日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 EP2020000084
(87)【国際公開番号】W WO2020239247
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】102019003809.6
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592007771
【氏名又は名称】ドイツ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100092277
【氏名又は名称】越場 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100155446
【氏名又は名称】越場 洋
(72)【発明者】
【氏名】クロスターベルク,ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】ウェルナ-,トマス
【テーマコード(参考)】
3G015
【Fターム(参考)】
3G015BL02
3G015BL05
3G015CA06
3G015DA04
3G015EA11
(57)【要約】
本発明は、クランクケース(5)と、それに回転自在に取り付けられたクランクシャフトと、このクランクシャフトに支持された少なくとも1つの連結ロッドと、この連結ロッドに支持され、燃焼室を形成するシリンダーヘッドで覆われたシリンダー内を移動するピストンと、シリンダヘッド上のガス交換弁と、このガス交換弁を作動するカムシャフトと、燃焼室に燃料を送り、注入するインジェクションポンプ素子と、密封プラグ(1)とを有する燃焼エンジン、特にディーゼル燃焼エンジンに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クランクケース(5)と、それに回転自在に取り付けられたクランクシャフトと、このクランクシャフトに支持された少なくとも1つの連結ロッドと、この連結ロッドに支持され、燃焼室を形成するシリンダー内を移動するピストンと、シリンダーを覆うシリンダーヘッドと、シリンダヘッド上のガス交換弁と、このガス交換弁を作動するカムシャフトと、燃焼室に燃料を送り、注入するインジェクションポンプ素子と、密封プラグ(1)とを有する燃焼エンジン、特にディーゼル燃焼エンジン。
【請求項2】
オイルレベルゲージ(8)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の燃焼エンジン。
【請求項3】
オイルレベルゲージ(8)とプラグ(1)とが一つのコンポーネントを形成することを特徴とする請求項1または2に記載の燃焼エンジン。
【請求項4】
密封プラグ(1)がセンタリングノーズ(2)によってロックされる請求項1~3のいずれか一項に記載の燃焼エンジン。
【請求項5】
密封プラグ(1)がOリング(6)を有することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の燃焼エンジン。
【請求項6】
Oリング(6)がセンタリングノーズ(2)、膨出部(3)およびエンドピース(4)の上側にあることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の燃焼エンジン。
【請求項7】
膨出部(3)が、組み立てられた状態でクランクケース(5)の内部に寸法(-x)で突き出ることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の燃焼エンジン。
【請求項8】
組み立てられた状態で、エンドピース(4)がクランクケース(5)の密封プラグ通路(9)の内部に寸法(+x)だけ突き出ることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の燃焼エンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クランクケースを有し、このクランクケース中にクランクシャフトが回転自在に取付けられ、クランクシャフトには少なくとも1つのピストンを支持した連結ロッドが取付けられ、ピストンは燃焼室を形成するシリンダー中を移動し、シリンダーはシリンダーヘッドで覆われ、シリンダーヘッドにはガス交換弁が配置され、ガス交換弁はカムシャフトによって駆動され、カムシャフトはギアボックスを介してクランクシャフト上に配置されたホイール駆動ギアに連結され、燃料は噴射ポンプ要素を介して燃焼室へ送られ、注入され、さらに、固定用ノーズ(鼻部)によってロックされる密封プラグおよびオイルレベルゲージとを有する燃焼エンジンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な意味で、孔を閉じるための要素(Elemente zum Verschlie・en einer Bohrung)としては多数のものが公知である。
現在使われている構造を比較した場合、孔を密封する方法は下記の4つの大きなクラス(設計原則)に分けることができる。
【0003】
a. ロックネジを用いた密封、
b. 押圧蓋またはプラグによる密封、
c. ねじ込み蓋による密封、
d. 固定ストッパーによる密封。
【0004】
密封具を媒体に対してシールする方法には以下のものがある:
a)ロックネジを締付けた時に押し付けられるシールリングによるシール、
b)ロックネジのネジ山上のシーラントによるシール、
c)蓋またはストッパーをネジのウォールに押し付けることによるシール(多くの場合、追加のシーラントを使用)、
d)Oリング、シーリングペーパーまたは板金ビーズシールを使用した密封蓋よるシール(蓋は閉じられる孔の近くで別のネジ穴を用いて締めつけられる)。
【0005】
本発明の用途である「オイルレベルゲージ」の密封の場合には上記4つの設計原則の全てに欠点がある。すなわち、本発明用途に必要な要件は取り外し可能性(Demontierbarkeit)と可能であれば再利用性(M・glichkeit)とである。さらに、ボア(孔)の表面を破損してはならない。例えばエンジンの左側からロックプラグを取り外し、オイルレベルゲージをエンジンの右側に取り付け、外したプラグでエンジンの右側に開いている開口部を閉じることができなければならない。上記の設計原則を本発明の密封で使用した場合には以下の問題がある:
【0006】
a)では、オイルレベルゲージのOリングがシステムのネジ領域に来るため、ネジのネジ山を付けることは不可能である。従って、オイルレベルゲージをアダプトさせる(合わせる)必要がある。さらに、クランクケースのオイルベアリングダンバの材料に合わせる必要がある(=工具の変更)。さらに、ボアに追加のネジ山を付けるため加工コストが増加する。
【0007】
b)では、押圧蓋またはプラグを取り外すのが難しく、破壊することもある。さらに、ストッパーを外す際にシール面を破損する可能性がある。
【0008】
c)では、蓋がネジを有するため、クランクケースに追加のネジ山を付ける必要がある。これによって工具調整およびクランクケースの加工にコストが増する。
【0009】
d)では、クランクケースに挿入するロックプラグのノーズ上に溝または類似物を付ける必要がある。これは高価なものになる。
【0010】
上記の変形物は大型になり、高価になるという欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、適正なコストで、再利用可能で、確実にシール(密封)可能な燃焼エンジンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記目的は、新しい密封形態を使用した本発明の解決方法によって解決できる。
【0013】
本発明の解決方法はクランクケースの変更を必要とせず、コストも増加せず、非破壊的なものである。本発明の解決方法ではオイルレベルゲージのOリングシール表面が損傷されにことはなく、さらに、再利用可能である。
【0014】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。本発明の更に有利な実施形態は添付の図面から明かである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】密封プラグをクランクケースに取付けた時の図。
【
図2】センタリングノーズを有する密封プラグの図。
【
図3】センタリングノーズによってクランクケースに固定されたオイルレベルゲージの図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[
図1]は密封プラグ1が密封プラグ通路9に取り付けられた状態を示している。密封プラグ通路9はクランクケース5に設けられている。密封プラグ1には、密封プラグ1を密封プラグ通路9に対してシールするために使用されるOリング6が取り付けられている。密封プラグ1には、クランクケース5の内側に向かってOリング6の内側方向にセンタリングノーズ(Zentrier-Nasen)2と、膨出部(Verdickung)3と、エンドピース(Endstuck)4とが配置されている。
【0017】
[
図2]はセンタリングノーズ2を有する密封プラグ1が示されている。密封プラグ1はOリング6を有し、センタリングノーズ2の方向に向かってOリング6の下方に膨出部3とエンドピース4とが位置している。
【0018】
本発明の新規な解決策の特長は密封プラグ1の端部にある2つのファスナー(Fixiernasen)2にある。[
図1]~[
図3]に示すように、クランクケース5のボアすなわち密封プラグ通路9中に密封プラグ1を挿入した時には、最終取付け位置に到達する直前まで、最初に各センタリングノーズ2が圧縮され(押し潰され)、その後に再び拡張する。センタリングノーズ2上の膨出部3は力を加えないと分解不可能(kraftfreie Demontage、取り外し不可能)な状態で密封プラグ1をロックする。密封プラグ1を取付けるのに必要な力は、センタリングノーズ2の構造から、その硬さ(stiffness)および膨出部3の幾何学形状を調整することによって調節できる。膨出部3は[
図1]に示すようにセンタリングノーズ2が負(-x)の鋳造オフセット(negativen Gussveratz)の場合には膨出部3はボア中に残らないような状態で位置決めされ、締付け力(クランプ効果)は生じないが、正(x)の鋳造オフセット(positiven Gussversatz)の場合にはセンタリングノーズのエンドピースがボア壁面から完全に出て、ボアの後ろで分自身をくさび止めし、密封プラグ1は取り出すことはできなくなる。取り出しは非破壊的にできる。
【0019】
密封プラグ1にはシーリングのためのOリング6が嵌められる。
【0020】
上記の固定原則は[
図3]に示すオイルレベルゲージ8に適用できる。オイルレベルゲージ8はストッパー本体1の他にグリップ部分7とオイルレベルゲージ8とをさらに有する。[
図3]は密封プラグ通路9に取り付けられた密封プラグ1を示す。密封プラグ通路9はクランクケース5に形成されている。密封プラグ通路9をシールするために密封プラグ1上にOリング6が配置されている。密封プラグ1は、クランクケース5の内側に向かって下方に配置されたOリング6、センタリングノーズ2、膨出部3およびエンドピース4を有する。
【符号の説明】
【0021】
1 密封プラグ
2 センタリングノーズ
3 膨出部
4 エンドピース
5 クランクケース
6 Oリング
7 グリップ部分
8 オイルレベルゲージ
9 密封プラグ通路
【国際調査報告】