(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-26
(54)【発明の名称】改善された操作性を有する医療用プローブ
(51)【国際特許分類】
A61M 25/00 20060101AFI20220719BHJP
A61M 25/092 20060101ALI20220719BHJP
【FI】
A61M25/00 632
A61M25/092 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569448
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(85)【翻訳文提出日】2021-12-20
(86)【国際出願番号】 IB2020053935
(87)【国際公開番号】W WO2020234667
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アルガウィ・イェフダ
(72)【発明者】
【氏名】ゴバリ・アサフ
(72)【発明者】
【氏名】シットニツキー・イリヤ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267BB02
4C267BB07
4C267BB11
4C267BB31
4C267BB38
4C267BB39
4C267BB47
4C267BB52
4C267CC07
4C267CC15
4C267GG24
4C267HH17
(57)【要約】
医療用プローブは、患者の身体の腔に挿入するためのシャフトと、遠位端部アセンブリと、を含む。遠位端部アセンブリは、シャフトの遠位端部に連結され、中空管を含み、中空管は、(i)中空管の長手方向軸線に沿った第1の区分に配置され、第1の局所曲率半径(LROC)によって第1の区分の屈曲を制限する第1のサイズを有する、第1の開口部と、(ii)中空管の長手方向軸線に沿った第2の異なる区分に配置され、第2の異なるLROCによって第2の区分の屈曲を制限する第2の異なるサイズを有する、第2の開口部と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブであって、
患者の身体の腔に挿入するためのシャフトと、
遠位端部アセンブリであって、前記シャフトの遠位端部に連結され、中空管を備え、前記中空管が、
(i)前記中空管の長手方向軸線に沿った第1の区分に配置され、第1の局所曲率半径(LROC)により前記第1の区分の屈曲を制限する第1のサイズを有する、第1の開口部と、
(ii)前記中空管の前記長手方向軸線に沿った第2の異なる区分に配置され、第2の異なるLROCにより前記第2の区分の屈曲を制限する第2の異なるサイズを有する、第2の開口部と、を有する、遠位端部アセンブリと、を備える、医療用プローブ。
【請求項2】
前記第1の開口部が、第1の開口角度を有する第1のスリットを備え、前記第2の開口部が、前記第1の開口角度とは異なる第2の開口角度を有する第2のスリットを備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記第1の区分が前記第2の区分の遠位にあり、前記第1の開口部が前記第2の開口部よりも大きく、前記第1のLROCが前記第2のLROCよりも小さい、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
少なくとも前記第1の区分が第1の突出部を備え、少なくとも前記第1の開口部が第1の嵌入部を備え、前記第1の嵌入部が、前記第1の突出部の上にぴったりと嵌合するサイズ及び形状である、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記シャフトの近位端部に取り付けられ、前記第1の区分を前記第1のLROCまで、また前記第2の区分を前記第2のLROCまで屈曲させるように構成された制御ハンドルを備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
第1の端部で前記制御ハンドルに連結され、第2の端部で前記遠位端部アセンブリの選択された区分に連結されるプルワイヤを備え、前記制御ハンドルが、前記プルワイヤの前記第1の端部を引くことによって、前記第1の区分及び前記第2の区分の少なくとも一方を屈曲させるように構成されている、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記プルワイヤが、ニッケルとチタンとの合金を含む、請求項6に記載の医療用プローブ。
【請求項8】
前記制御ハンドルが、前記長手方向軸線に対して前記第1の区分及び前記第2の区分のうちの一方を屈曲させ、同時に、前記第1の区分及び前記第2の区分うちの他方を前記シャフトと同じ高さに維持するように構成されている、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項9】
前記腔が、耳鼻咽喉(ENT)副鼻腔を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
医療用プローブを製造するための方法であって、
患者の身体の腔に挿入するためのシャフトを提供することと、
前記シャフトの遠位端部に、中空管を備える遠位端部アセンブリを連結することであって、前記中空管が、
(i)前記中空管の長手方向軸線に沿った第1の区分に配置され、第1の局所曲率半径(LROC)により前記第1の区分の屈曲を制限する第1のサイズを有する、第1の開口部と、
(ii)前記中空管の前記長手方向軸線に沿った第2の異なる区分に配置され、第2の異なるLROCにより前記第2の区分の屈曲を制限する第2の異なるサイズを有する、第2の開口部と、を有する、ことと、を含む、方法。
【請求項11】
前記第1の開口部が、第1の開口角度を有する第1のスリットを備え、前記第2の開口部が、前記第1の開口角度とは異なる第2の開口角度を有する第2のスリットを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の区分が前記第2の区分の遠位にあり、前記第1の開口部が前記第2の開口部よりも大きく、前記第1のLROCが前記第2のLROCよりも小さい、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも前記第1の区分が第1の突出部を備え、少なくとも前記第1の開口部が第1の嵌入部を備え、前記第1の嵌入部が、前記第1の突出部の上にぴったりと嵌合するサイズ及び形状である、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の区分を前記第1のLROCまで屈曲させるために、及び前記第2の区分を前記第2のLROCまで屈曲させるために、前記シャフトの近位端部において制御ハンドルを取り付けることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
プルワイヤを、第1の端部で前記制御ハンドルに、第2の端部で前記遠位端部アセンブリの選択された区分に連結し、前記プルワイヤの前記第1の端部を引くことによって、前記第1の区分及び前記第2の区分のうちの少なくとも一方を屈曲させるようにすること、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記プルワイヤが、ニッケルとチタンとの合金を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記腔が、耳鼻咽喉(ENT)副鼻腔を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
レーザ切断技術を使用して、前記第1の開口部及び前記第2の開口部のうちの少なくとも一方を形成することを含む、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、低侵襲医療用装置に関し、特に、改善された操作性を有する医療用プローブのための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
種々の種類の医療用プローブは、患者の体内のプローブ操作性を改善することを意図する機械的設計を有する。
【0003】
例えば、米国特許出願公開第2017/0112669号は、ハンドルと、ハンドルの孔と、ハンドルの作動レバーと、ハウジング管と、ハンドル及びハウジング管の内部孔内部に配置された光ファイバーと、を含み得る、操縦可能なレーザプローブを記載している。ハウジング管は、第1の剛性を有する第1のハウジング管部分と、第2の剛性を有する第2のハウジング管部分と、を有してもよい。第2の剛性は、第1の剛性より大きくてもよい。
【0004】
米国特許出願公開第2011/0152880号は、低侵襲外科的処置を行うための器具を記載している。器具は、細長い本体と、細長い本体内に又は細長い本体に沿って配置された支持部材と、を含む。支持部材は、細長い本体の操縦、関節運動、及び角度回転運動を支持するように構成され、捻転制御を提供し、細長い本体の遠位部分の精密かつ正確な配置を支持し、これにより、複合的な外科的処置を、器具を使用して実施することができる。
【0005】
米国特許出願公開第2014/0135736号は、近位部分及び遠位部分を有する外側部材と、外側部材から遠位方向に延在している細長いカラム部材と、外側部材と同軸に位置付けられ、カラム部材に取り付けられた内側部材と、を含む、偏向可能なカテーテルを記載している。内側部材は、外側部材の遠位方向に延在し、遠位先端部分を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載された本発明の一実施形態は、患者の身体の腔に挿入するためのシャフトと、遠位端部アセンブリと、を含むプローブを提供する。遠位端部アセンブリは、シャフトの遠位端部に連結され、中空管を含み、中空管は、(i)中空管の長手方向軸線に沿った第1の区分に配置され、第1の局所曲率半径(LROC)によって第1の区分の屈曲を制限する第1のサイズを有する、第1の開口部と、(ii)中空管の長手方向軸線に沿った第2の異なる区分に配置され、第2の異なるLROCによって第2の区分の屈曲を制限する第2の異なるサイズを有する、第2の開口部と、を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、第1の開口部は、第1の開口角度を有する第1のスリットを含み、第2の開口部は、第1の開口角度とは異なる第2の開口角度を有する第2のスリットを含む。その他の実施形態では、第1の区分は第2の区分の遠位にあり、第1の開口部は第2の開口部よりも大きく、第1のLROCは第2のLROCよりも小さい。更にその他の実施形態では、少なくとも第1の区分は第1の突出部を含み、少なくとも第1の開口部は第1の嵌入部を含み、第1の嵌入部は、第1の突出部の上にぴったりと嵌合するサイズ及び形状である。
【0008】
一実施形態では、医療用プローブは、シャフトの近位端部に取り付けられ、第1の区分を第1のLROCまで、また第2の区分を第2のLROCまで屈曲させるように構成された制御ハンドルを含む。別の実施形態では、医療用プローブはプルワイヤを含むが、これは、第1の端部で制御ハンドルに連結され、第2の端部で遠位端部アセンブリの選択された区分に連結され、制御ハンドルは、プルワイヤの第1の端部を引くことによって、第1の区分及び第2の区分の少なくとも一方を屈曲させるように構成されている。更に別の実施形態では、プルワイヤは、ニッケルとチタンとの合金を含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、制御ハンドルは、長手方向軸線に対して第1の区分及び第2の区分のうちの一方を屈曲させ、同時に、第1の区分及び第2の区分のうちの他方がシャフトと同じ高さに維持するように構成されている。その他の実施形態では、腔は、耳鼻咽喉(ENT)副鼻腔を含む。
【0010】
本発明の実施形態による医療用プローブを製造するための方法であって、患者の身体の腔に挿入するためのシャフトを提供することを含む方法が、更に提示される。中空管を含む遠位端部アセンブリは、シャフトの遠位端部に連結されている。中空管は、(i)中空管の長手方向軸線に沿った第1の区分に配置され、第1の局所曲率半径(LROC)によって第1の区分の屈曲を制限する第1のサイズを有する、第1の開口部と、(ii)中空管の長手方向軸線に沿った第2の異なる区分に位置し、第2の異なるLROCによって第2の区分の屈曲を制限する第2の異なるサイズを有する、第2の開口部と、を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、本方法は、レーザ切断技術を使用して第1の開口部及び第2の開口部のうちの少なくとも一方を形成することを含む。
【0012】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による、ENTシステムを使用した耳鼻咽喉(ENT)処置の概略描写図である。
【
図2A】本発明の実施形態による、操縦可能な遠位端部アセンブリを有する医療用プローブの概略描写図である。
【
図2B】本発明の実施形態による、操縦可能な遠位端部アセンブリを有する医療用プローブの概略描写図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
概論
種々の医療処置は、患者の器官内への医療用プローブの挿入を必要とする。患者の耳鼻咽喉(ENT)系の副鼻腔など、分岐しているヒト器官内で所望の位置及び正確な配向にプローブを操縦することは、典型的には困難である。更に、例えば患者の鼻孔の内部表面によって印加される外力は、挿入プロセスを複雑にする場合がある。
【0015】
以下に記載される本発明の実施形態は、可撓性の遠位端部アセンブリを使用することによって改善された操作性を有する、医療用プローブを提供する。
【0016】
いくつかの実施形態では、医療用プローブは、患者のENT系の副鼻腔などの、患者の身体の腔に挿入するためのシャフトを備え、遠位端部アセンブリは、シャフトの遠位端部に連結されている。遠位端部アセンブリは、少なくとも2つの開口部を有する中空管を備え、これらの開口部のそれぞれは、中空管に沿って異なる区分に配置されている。開口部は、管に屈曲能力を提供する。管に沿った所与の場所における最大屈曲能力は、その位置における局所曲率半径(LROC)によって特定される。
【0017】
いくつかの実施形態では、中空管の第1の最遠位区分に配置される第1の開口部は、既定のLROCにより最遠位区分の屈曲能力を制限する所与のサイズを有する。いくつかの実施形態では、第1の区分の近位で、第2の区分において中空管に沿って配置される第2の開口部は、所与のサイズよりも小さいサイズを有し、第1の区分の既定のLROCよりも大きいLROCをもたらす。いくつかの実施形態では、中空管は、管の長手方向軸線に沿って形成された複数の(例えば、10個の)開口部を備えてもよく、開口部のサイズは、管の遠位端部に近接して増加する。したがって、開口部に対応するLROCは、管の遠位端部に近接して減少する。
【0018】
いくつかの実施形態では、遠位端部アセンブリは、シャフトの近位端部に取り付けられた制御ハンドルを備える。遠位端部アセンブリは、管の長手方向ルーメンを通って延びるプルワイヤを更に備え、中空管の最遠位区分及び制御ハンドルに連結されている。いくつかの実施形態では、ENT処置を実施する際に、医師は、プルワイヤを引く又は後退させることによって、遠位端部アセンブリの1つ以上の区分を、所望のそれぞれのLROCまで屈曲させてもよい。
【0019】
開示される技術は、ENT、気管支鏡検査、又は神経学的処置などの種々の分岐している器官における医療用プローブの挿入及び操作性を改善する。
【0020】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、ENTシステム20を使用した耳鼻咽喉(ENT)処置の概略描写図である。いくつかの実施形態では、ENTシステム20は、本明細書においてはENTモジュール28と称する医療用プローブを含むが、これは、(例えば、患者22の1つ以上の副鼻腔48の感染症を治療するなどだが、これらに限定されない)ENT処置を実行するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施形態では、ENTモジュール28は、医師24が患者22の鼻26に挿入する、遠位端部に連結されたシャフト38を備える。モジュール28は、シャフト38の近位端部に連結され、患者22の頭部41でシャフト38の遠位端部を操縦する上で医師24を支援するように構成されている、手持型機器30を更に備える(
図2A及び
図2Bに詳細に示される)。
【0022】
一実施形態において、システム20は、頭部41の1つ以上の位置センサの位置を追跡するように構成された磁気位置追跡システムを更に備える。本磁気位置追跡システムは、磁場発生器44及び複数の位置センサ(図示せず)を備える。位置センサは、磁場発生器44によって生成された外部磁場の検出に応答して位置信号を生成し、それによって、以下に記載されるように、プロセッサ34は各センサの位置の推定が可能となる(以下に詳細に記載される)。
【0023】
本位置検出方法は、種々の医療用途において、例えば、Biosense Webster Inc.(Irvine,Calif.)により製造されているCARTO(商標)システムにおいて実施されており、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号及び同第2004/0068178(A1)号に詳細に記載されており、これらの開示は全て、参照により本明細書に組み込まれている。
【0024】
システム20は位置特定パッド40を更に備え、位置特定パッド40は、フレーム46上に固定された磁場発生器44を備える。
図1に示す例示的な構成では、パッド40は、5つの磁場発生器44を備えるが、代替的に、その他の好適な任意の数の発生器44を備えてもよい。パッド40は、発生器44が頭部41の外部の固定された既知の位置に位置決めされるように、患者22の頭部41の下に配置されている枕部(図示せず)を更に備える。
【0025】
いくつかの実施形態では、システム20はコンソール33を備え、コンソール33は、メモリ49と、頭部41周囲の空間内の既定の作業体積内に磁場を発生させるために、ケーブル37を介し、好適な信号を用いて磁場発生器44を駆動するよう構成された駆動回路42と、を備える。
【0026】
いくつかの実施形態では、コンソール33はプロセッサ34を備え、プロセッサ34は、典型的には、ケーブル32を介して複数の磁気センサ(図示せず)が連結されているツール28からの信号を受信し、かつ本明細書に記載されたシステム20のその他の構成要素を制御するための、好適な20フロントエンド及びインタフェース回路を有する汎用コンピュータである。
【0027】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、各位置センサの位置を推定するよう構成されている。センサの推定位置に基づいて、プロセッサ34は、磁気位置追跡システムの座標系においてENTツール28の遠位端部(以下の
図2A及び
図2Bに示す)の位置、配向及び操縦曲率半径を導出するように構成されている。
【0028】
本発明及び特許請求の範囲の文脈において、用語「屈曲」「操縦」は互換的に使用され、
図2A及び
図2Bに詳細に記載されるように、ENTツール28の1つ以上の区分の偏向を意味する。
【0029】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、外部のCTシステム(図示せず)を用いて取得した、頭部41の各セグメント化二次元(2D)スライスを描写するコンピュータ断層撮影(CT)画像などの、1つ以上の解剖学的画像を、インタフェース(図示せず)を介して受信するように構成されている。用語「セグメント化」とは、CTシステムでの組織のそれぞれの減衰を測定することによって、各スライス内で識別される種々の種類の組織を表示することを指す。
【0030】
コンソール33は、コンソールの操作を制御するための入力装置39と、ユーザディスプレイ36とを更に備え、ユーザディスプレイ36は、プロセッサ34から受信したデータ(例えば、画像)を表示するように、及び/又は、入力装置39を用いてユーザ(例えば、医師24)によって挿入された入力を表示するように、構成されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、CT画像の中から1つ又はモード(mode)のスライスを選択し(例えば画像35)、その選択したスライスをユーザディスプレイ36に表示するよう構成されている。
図1の例では、画像35は患者22の1つ以上の副鼻腔48の前断面図を示す。
【0032】
図1は、簡潔性および明瞭性のために、本開示の技術に関する要素のみを示す。システム20は、典型的には、開示される技術には直接関連せず、したがって、
図1及び対応する説明から意図的に省略されている、追加のモジュール及び要素を備える。
【0033】
プロセッサ34は、システムによって使用される機能を実行するように、かつソフトウェアによって処理される、又は別様に使用されるデータをメモリ49に格納するように、プログラムされてもよい。本ソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でプロセッサにダウンロードされてもよい、又は光学的、磁気的、若しくは電子的メモリ媒体など、非一時的な有形媒体上に提供されてもよい。あるいは、プロセッサ34の機能の一部又は全ては、専用の構成要素又はプログラマブルデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0034】
単一の管から作製された操縦可能な遠位端部アセンブリ
図2は、本発明の一実施形態による、直線姿勢にある操縦可能な遠位端部アセンブリ134を有するENTモジュール28の概略描写図である。
【0035】
ここで、挿入
図80を参照する。いくつかの実施形態では、遠位端部アセンブリ134は、シャフト38の遠位端部に連結された中空管66を備え、典型的には、ニッケルとチタンとの好適な合金、例えば、nitinol(商標)又は高い再現性を有する超弾性体nitinol(商標)などではあるがこれらに限定されない、任意の好適な材料の単一片から作製される。
【0036】
いくつかの実施形態では、管66は、鼻26を通って副鼻腔48又は患者22の頭部41の任意のその他の器官に快適に挿入されるようなサイズ及び形状である。管66はまた、sinuplastyバルーン(sinuplasty balloon)、外科用ツール、吸引若しくは潅注ツール、又は任意のその他の好適なツールなどの医療用器具を、以下に詳細に記載される管66のルーメン140を通してその後に挿入することを可能にするようなサイズ及び形状である。
【0037】
いくつかの実施形態では、遠位端部アセンブリ134の管66は、開口部77A、77B、77C及び77Dなどの複数の開口部を有するが、これらの開口部はそれぞれの区分において形成され、本明細書においては遠位端部アセンブリ134のリブとも称される。
【0038】
図2Aの例では、開口部77Aは、遠位端部アセンブリ134の最遠位に位置付けられ、全ての開口部77A~77Dの中から最大のサイズを有する。以下の
図2Bに示すように、開口部のサイズは、遠位端部アセンブリ134のそれぞれの区分の曲率限界を決定する。
【0039】
いくつかの実施形態では、開口部77A~77Dのそれぞれはスリットを有するが、スリットは、レーザ切断、又は任意のその他の好適な技術を使用することによって、管66の円周の区分上に形成されてもよい。スリットのそれぞれは、以下の
図2Bに示されるように、スリットの幅に応じて変化する開口角度を有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、開口部77Aは、管66の突出部88Aの上にぴったりと嵌合するサイズ及び形状である嵌入部99Aを備える。遠位端部アセンブリ134が、本明細書においては非屈曲状態とも称される直線姿勢にある場合、突出部88A及び嵌入部99Aは、典型的には互いに係合解除されており、開口部77Aは、例えば長手方向軸線50に沿って最大サイズを有することに留意されたい。
【0041】
いくつかの実施形態では、開口部77B,77C及び77Dは、管66のそれぞれの突出部88B、88C及び88Dの上にぴったりと嵌合するサイズ及び形状である、それぞれの嵌入部99B、99C及び99Dを備える。開口部77Dは、長手方向軸線50に沿って最も近位にあり、開口部77A~77Dの中から最小のサイズを有することに留意されたい。このような実施形態では、開口部77A~77Dのサイズは、管66の遠位端部に近接して徐々に増加する。例えば、嵌入部99Aは、全ての嵌入部99B~99Dの中から最大であり、嵌入部99Bは嵌入部99Cよりも大きいが、これは嵌入部99Dよりも大きい。
【0042】
同様に、突出部88Aは、突出部88A~88Dの中から最大のサイズを有し、突出部88B~88Dのサイズは、突出部88Dが突出部88A~88Dの中から最小のサイズを有するように、長手方向軸線50に沿って管66の近位端部に向かって減少する。
【0043】
図2Aの例示的な構成では、管66は10個の開口部を有するが、その他の構成では、管66は任意の好適な数の開口部、例えば、任意の好適なサイズの形状を有する3個~20個の開口部を有してもよい。開口部は、類似の形状及び異なるサイズ、若しくは異なる形状、又は上記の任意の好適な組み合わせを有してもよいことに留意されたい。
【0044】
代替的な実施形態では、開口部のサイズは、近位端部から遠位端部まで徐々に増加してもよい。例えば、開口部77D、嵌入部99D及び突出部88Dは、それぞれ、開口部77C、嵌入部99C及び突出部88Cよりも大きくてもよい。同様に、開口部77C、嵌入部99C及び突出部88Cは、それぞれ、開口部77A、嵌入部99A及び突出部88Aよりも大きくてもよい。
【0045】
その他の実施形態では、開口部のサイズは、長手方向軸線50に沿って変化してもよい。例えば、開口部77A、嵌入部99A及び突出部88Aは、それぞれ、開口部77B、嵌入部99B及び突出部88Bよりも大きくてもよいが、開口部77C、嵌入部99C及び突出部88Cのサイズよりも小さくてもよい。更にその他の実施形態では、管66の開口部、突出部、及び嵌入部のサイズは、長手方向軸線50に沿う任意のその他の好適な配分を有してもよい。
【0046】
再度、
図2Aの概略図を参照する。いくつかの実施形態では、ENTモジュール28は、上記の
図1に示す手持型機器30に連結され、シャフト38の近位端部に取り付けられる制御ハンドル128を備える。制御ハンドル128は、ENTモジュール28の長手方向軸線50に対して遠位端部アセンブリ134を屈曲及び真っ直ぐにするように構成されている。
【0047】
ここで、シャフト38の断面
図BBを横切る挿入
図70を参照する。いくつかの実施形態では、シャフト38は中空であり、管ルーメン140を画定するように成形される。ENTモジュール28は、nitinol(商標)又はその他の好適な材料などの、ニッケルとチタンとの好適な合金から作製される、又はそれを含むプルワイヤ130を備えるが、これは、管ルーメン140を通って近位方向-遠位方向に通過する。
【0048】
いくつかの実施形態では、プルワイヤ130は、例えば、開口部77Aに対して遠位の中空管66の最遠位部分などの選択された区分に連結された、リング又は任意のその他の要素に接続されてもよい。下記の
図2Bに記載されるように、プルワイヤ130は、管66の遠位部分の構成を調整することを容易にする。その他の実施形態では、ENTモジュール28は、プルワイヤ130の代わりに、又はそれに加えて、リボン(図示せず)を含んでもよい。リボンは、nitinol(商標)、又は任意のその他の好適な材料を含んでもよい。ENTツールにおける前述のリボンの構成は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2017/0325841号に詳細に記載されている。
【0049】
図2Aに示すように、管66の非屈曲状態では、開口部のそれぞれ及び開口部の間の部分は、管66の周囲において軸線50に沿ってその隣接部と一般に同じ高さになる。
【0050】
ここで、長手方向軸線50に沿った制御ハンドル128の断面
図AAである挿入
図60を参照する。上記のように、制御ハンドル128は、シャフト38の近位端部に取り付けられている。いくつかの実施形態では、制御ハンドル128は、曲げることが可能又は回転可能であり、プルワイヤ130を制御するように構成されている。下記の
図2Bに記載されるように、制御ハンドル128を一方向に曲げることにより、プルワイヤ130が引かれ、これにより、遠位端部アセンブリ134の屈曲を引き起こす。反対に、制御ハンドル128を反対方向に曲げることによって、プルワイヤ130が押され、これにより、
図2Aに示すように、遠位端部アセンブリ134の管66が非屈曲になり、真っ直ぐになる。例えば、プルワイヤ130の近位端部は、摺動要素142に結合されてもよいが、これは、最近位端位置と最遠位端位置との間で摺動するように構成されている。制御ハンドル128を曲げることにより、摺動要素142を近位方向又は遠位方向に摺動させて、これにより管66を屈曲又は非屈曲させる。いくつかの実施形態では、制御ハンドル128の内側表面は雌ネジ144を形成するように成形されてもよく、制御ハンドル128はまた、雌ネジ144と係合する相補的な雄ネジ146を備えてもよい。一実施形態では、医師24(又はENTモジュール28の任意のその他の操作者)が、制御ハンドル130を曲げる場合に、摺動要素142に連結された雄ネジ146が、摺動要素を軸線50に沿って近位方向又は遠位方向に移動させて、上記のように管66の状態を制御する。
【0051】
遠位端部アセンブリ134のこの特定の構成は、本発明の実施形態によって対処される特定の問題を例示するため、及びこのような医療用プローブ(例えば、ENTモジュール28)の性能を向上させる際のこれらの実施形態の適用を実証するため、例として示される。しかしながら、本発明の実施形態は、この特定の種類の例示的なENTモジュールの構成に限定されるものではなく、本明細書に記載された原理は、その他の種類の医療用プローブにも同様に適用されてもよい。
【0052】
遠位端部アセンブリの局所曲率半径の制御
図2Bは、本発明の一実施形態による、操縦位置にある遠位端部アセンブリ134を有するENTモジュール28の概略描写図である。
【0053】
ここで、制御ハンドル128の長手方向断面を示す挿入
図90を参照する。上記の
図2Aに記載されるように、医師24が制御ハンドル128を曲げる場合、
図2Aの全体図に示されるように、プルワイヤ130は、軸線50に沿ってENTモジュール28の近位端部に向かって引かれ、管66が操縦される。いくつかの実施形態では、制御ハンドル128は、前述の曲げに続いて、リボンを定位置に保持し、これにより、管66の構成を維持するように更に構成されている。例えば、ネジ146とのネジ144の係合は、
図2Bに示すように、摺動要素が摺動するのを防止し得る。
【0054】
その他の実施形態では、制御ハンドル128は、前述のプルワイヤ若しくはリボンの望ましくない摺動を防止するための任意のその他の好適な機構、又はENTツールの遠位端部アセンブリを操縦するのに好適な任意のその他の機構を備えてもよい。
【0055】
ここで、完全な操縦位置にある遠位端部アセンブリ134を示す挿入
図100を参照する。いくつかの実施形態では、プルワイヤ130が軸線50に沿って近位方向に引かれる場合、管66は屈曲しており、管66の突出部は、そのそれぞれの嵌入部内に挿入される。例えば、突出部88A、88B、88C及び88Dは、それぞれ嵌入部99A、99B,99C及び99Dに挿入される。
【0056】
上記の
図2Aに記載されるように、管66の開口部、突出部、及び嵌入部は、異なるサイズを有してもよく、例えば、管66の遠位端部に近接して徐々に増加してもよい。挿入
図100に示される例では、開口部77A、突出部88A及び嵌入部99Aは最大であり、開口部77D、突出部88D及び嵌入部99Dは、管66の全ての開口部、突出部、及び嵌入部の中から最小である。
【0057】
上記の
図2Aに記載されるように、開口部77A~77Dのそれぞれはスリットを有し、管66の円周の区分上に形成されている。スリットのサイズ(例えば、幅)は、医師24が管66を屈曲させている場合に開口角度を決定する。
図2Bの例では、開口部77Aのスリットは開口部77Cのスリットよりも大きく、したがって開口部77Aの開口角度は開口部77Cの開口角度よりも大きい。上記の
図2Aに示される非屈曲状態では、医師24は管66を屈曲しておらず、したがって管66の区分は互いに同じ高さを維持することに留意されたい。
【0058】
いくつかの実施形態では、開口部のスリットの寸法、並びに突出部及び嵌入部の寸法は、それぞれの区分の屈曲を制限する。管66に沿った所与の場所における最大屈曲能力は、その位置における局所曲率半径(LROC)によって規定されてもよい。
【0059】
このような実施形態では、より大きい開口部、突出部、及び嵌入部は、より小さいLROCによって測定される屈曲の量を増加させることができる。例えば、開口部77A、突出部88A及び嵌入部99Aは、開口部77C、突出部88C及び嵌入部99Cよりも大きい。挿入
図100に示すように、開口部77AのLROCであるRAは、開口部77CのLROCであるRCよりも小さい。用語「局所」は、管66の外側表面をそれぞれの開口部の位置で屈曲させることによって形成される円弧を意味する。
【0060】
この外形は、管66の残りの開口部、嵌入部及びLROCのサイズを指し、これらは開口部77Aと77Dとの間の上記範囲内である。上記の寸法は、例として提供され、その他の実施形態では、開口部、嵌入部、突出部、及びLROCは、任意のその他の好適な寸法を有してもよいことに留意されたい。
【0061】
上記のLROCは、各区分における管66の最大屈曲時におけるLROCを示す。いくつかの実施形態では、医師24は、より小さい曲げ角度を制御ハンドル128に適用することによって、管66により小さい屈曲を適用してもよい。このような実施形態では、突出部の一部のみがそれぞれの嵌入部に挿入されてもよく、LROCは、挿入
図100に示される完全に操縦されたLROCと比較して、より大きくてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、医師24が患者22の頭部41のENTモジュール28を移動させた場合、管66の少なくとも1つの区分は完全に操縦されてもよく、別の区分は、部分的に操縦される又は操縦されなくてもよい。例えば、医師24は、(上記の
図1に示すように)副鼻腔48の小孔に遠位端部アセンブリ134を位置づけ、続いて、管66の第3の最遠位部分のみを操縦してもよい。
【0063】
本例示的実施形態では、副鼻腔48の小孔は、(上記の
図2Aに示すように)実質的にシャフト38と同じ高さの開口部77C及び77Dの区分を固定してもよく、医師24は、挿入
図100に示されるRA LROCを得るために、(例えば、突出部88Bの一部のみが嵌入部99Bのそれぞれの部分に挿入されることによって)完全に操縦された開口部77Bの区分及び開口部77Aの区分を部分的に操縦してもよい(例えば、突出部88Aは嵌入部99Aに完全に挿入される)。その他の例示的実施形態では、医師24は、例えば、上記の
図1に示す画像35内の遠位端部アセンブリ134の追跡位置に基づいて、遠位端部アセンブリ134を頭部41内の所望の位置へと操作するように、管66の任意のその他の1つ以上の区分を部分的又は完全に操縦してもよい。追加的に又は代替的に、医師24は、患者の頭部41における所望の位置に到達させるための操作性を改善するために、例えば、手持型機器30を回転させることによって、長手方向軸線50の周囲でENTモジュール28を回転させてもよい。
【0064】
本明細書に記載された実施形態は主に、患者の耳鼻咽喉(ENT)内で行われる低侵襲処置を使用した医療用プローブに対処するが、本明細書に記載された方法及びシステムはまた、気管支鏡検査又は神経学的処置などであるがこれらに限定されない、その他の用途でも使用し得る。
【0065】
したがって、上記の実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、上記の明細書に具体的に示し、かつ説明したものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上記の明細書に記載された種々の特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形形態及び修正例を含むものである。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の不可欠な部分と見なすものとする。
【0066】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブであって、
患者の身体の腔に挿入するためのシャフトと、
遠位端部アセンブリであって、前記シャフトの遠位端部に連結され、中空管を備え、前記中空管が、
(i)前記中空管の長手方向軸線に沿った第1の区分に配置され、第1の局所曲率半径(LROC)により前記第1の区分の屈曲を制限する第1のサイズを有する、第1の開口部と、
(ii)前記中空管の前記長手方向軸線に沿った第2の異なる区分に配置され、第2の異なるLROCにより前記第2の区分の屈曲を制限する第2の異なるサイズを有する、第2の開口部と、を有する、遠位端部アセンブリと、を備える、医療用プローブ。
(2) 前記第1の開口部が、第1の開口角度を有する第1のスリットを備え、前記第2の開口部が、前記第1の開口角度とは異なる第2の開口角度を有する第2のスリットを備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記第1の区分が前記第2の区分の遠位にあり、前記第1の開口部が前記第2の開口部よりも大きく、前記第1のLROCが前記第2のLROCよりも小さい、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(4) 少なくとも前記第1の区分が第1の突出部を備え、少なくとも前記第1の開口部が第1の嵌入部を備え、前記第1の嵌入部が、前記第1の突出部の上にぴったりと嵌合するサイズ及び形状である、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(5) 前記シャフトの近位端部に取り付けられ、前記第1の区分を前記第1のLROCまで、また前記第2の区分を前記第2のLROCまで屈曲させるように構成された制御ハンドルを備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0067】
(6) 第1の端部で前記制御ハンドルに連結され、第2の端部で前記遠位端部アセンブリの選択された区分に連結されるプルワイヤを備え、前記制御ハンドルが、前記プルワイヤの前記第1の端部を引くことによって、前記第1の区分及び前記第2の区分の少なくとも一方を屈曲させるように構成されている、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(7) 前記プルワイヤが、ニッケルとチタンとの合金を含む、実施態様6に記載の医療用プローブ。
(8) 前記制御ハンドルが、前記長手方向軸線に対して前記第1の区分及び前記第2の区分のうちの一方を屈曲させ、同時に、前記第1の区分及び前記第2の区分うちの他方を前記シャフトと同じ高さに維持するように構成されている、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(9) 前記腔が、耳鼻咽喉(ENT)副鼻腔を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(10) 医療用プローブを製造するための方法であって、
患者の身体の腔に挿入するためのシャフトを提供することと、
前記シャフトの遠位端部に、中空管を備える遠位端部アセンブリを連結することであって、前記中空管が、
(i)前記中空管の長手方向軸線に沿った第1の区分に配置され、第1の局所曲率半径(LROC)により前記第1の区分の屈曲を制限する第1のサイズを有する、第1の開口部と、
(ii)前記中空管の前記長手方向軸線に沿った第2の異なる区分に配置され、第2の異なるLROCにより前記第2の区分の屈曲を制限する第2の異なるサイズを有する、第2の開口部と、を有する、ことと、を含む、方法。
【0068】
(11) 前記第1の開口部が、第1の開口角度を有する第1のスリットを備え、前記第2の開口部が、前記第1の開口角度とは異なる第2の開口角度を有する第2のスリットを備える、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記第1の区分が前記第2の区分の遠位にあり、前記第1の開口部が前記第2の開口部よりも大きく、前記第1のLROCが前記第2のLROCよりも小さい、実施態様10に記載の方法。
(13) 少なくとも前記第1の区分が第1の突出部を備え、少なくとも前記第1の開口部が第1の嵌入部を備え、前記第1の嵌入部が、前記第1の突出部の上にぴったりと嵌合するサイズ及び形状である、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記第1の区分を前記第1のLROCまで屈曲させるために、及び前記第2の区分を前記第2のLROCまで屈曲させるために、前記シャフトの近位端部において制御ハンドルを取り付けることを含む、実施態様10に記載の方法。
(15) プルワイヤを、第1の端部で前記制御ハンドルに、第2の端部で前記遠位端部アセンブリの選択された区分に連結し、前記プルワイヤの前記第1の端部を引くことによって、前記第1の区分及び前記第2の区分のうちの少なくとも一方を屈曲させるようにすること、を含む、実施態様14に記載の方法。
【0069】
(16) 前記プルワイヤが、ニッケルとチタンとの合金を含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記腔が、耳鼻咽喉(ENT)副鼻腔を含む、実施態様10に記載の方法。
(18) レーザ切断技術を使用して、前記第1の開口部及び前記第2の開口部のうちの少なくとも一方を形成することを含む、実施態様10に記載の方法。
【国際調査報告】