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特表2022-533849特に製薬産業におけるボトルを充填する装置のための搬送方法及び搬送システム
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  • 特表-特に製薬産業におけるボトルを充填する装置のための搬送方法及び搬送システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-26
(54)【発明の名称】特に製薬産業におけるボトルを充填する装置のための搬送方法及び搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/86 20060101AFI20220719BHJP
【FI】
B65G47/86 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569501
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 IB2020054892
(87)【国際公開番号】W WO2020240381
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】102019000007193
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】アンドレーア グリマンディ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ テストーニ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ フェデリーチ
【テーマコード(参考)】
3F072
【Fターム(参考)】
3F072AA08
3F072KC01
3F072KC06
3F072KC16
3F072KE11
(57)【要約】
具体的には製薬産業における製品用の、非円形断面を有するボトル(1)を充填する装置のための搬送方法及び搬送システム(7)であって、下記のもの、すなわち、複数のボトル(1)を懸吊位置で保持するように構成された複数の保持部材(8)と、複数の保持部材(8)を処理経路に沿って移動させるための移動手段と、ガイド手段(10)であって、ガイド手段が処理経路に対して平行に配置されており、ボトル(1)が所定の配向に従って配置されているときにだけボトル(1)が移動するのを許し、そして強制的にボトル(1)が所定の配向を成し維持するようにする、ガイド手段(10)と、が設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
具体的には製薬産業用の、非円形断面を有するボトル(1)を充填する装置のための搬送方法であって、それぞれのボトル(1)の断面が主軸線(X)に沿ったより大きいサイズと、前記主軸線に対して垂直な二次軸線(Y)に沿った、前記より大きいサイズに比べてより小さなサイズとを有しており、前記搬送方法が、
前記ボトル(1)を懸吊位置で保持するように構成された複数の対応する保持部材(8)によって複数のボトル(1)と係合し、
前記ボトル(1)を懸吊位置で保持する前記複数の保持部材(8)を、ハンドリング手段によって処理経路に沿って移動させる
工程を含んでおり、
前記搬送方法は、前記搬送方法が、さらに、
前記処理経路に対して平行に配置されたガイド手段(10)によって、前記ボトル(1)が所定の配向に従って配置されているときにだけ、前記ボトル(1)の移動を可能とし、
前記処理経路に対して平行に配置されたガイド手段(10)によって、強制的に前記ボトル(1)が前記所定の配向を成し維持するようにする、
工程を含むことを特徴とする、搬送方法。
【請求項2】
前記保持部材(8)が、前記ボトル(1)を保持して、前記処理経路に対して垂直に配置された前記ボトルの長手方向軸線(Z)を中心として前記ボトル(1)が回転するのを可能にするように配置されている、請求項1に記載の搬送方法。
【請求項3】
それぞれの保持部材(8)がプライヤを含み、前記プライヤが対応するボトル(1)の円筒形状を有する首(4)を把持するように構成されている、請求項2に記載の搬送方法。
【請求項4】
前記処理経路の中央線からの前記ガイド手段(10)の距離が、前記のより小さなサイズの半分以上であり、且つ前記のより大きいサイズの半分未満である、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の搬送方法。
【請求項5】
前記ガイド手段(10)が、前記処理経路の単一の側に配置された少なくとも1つのガイド本体を含む、請求項1から4のうちいずれか1項に記載の搬送方法。
【請求項6】
前記ガイド手段(10)が前記処理経路の一方の側に配置された少なくとも1つの第1ガイド本体(12,18)と、前記処理経路の他方の側に配置された少なくとも1つの第2ガイド本体(12)とを含むことにより、前記第1ガイド本体(12,18)と前記第2ガイド本体(12)との間に前記ボトル(1)の通過用のチャネル(14)が画定されている、請求項1から5のうちいずれか1項に記載の搬送方法。
【請求項7】
前記ガイド手段(10)が、前記処理経路に対して前面において、前記処理経路に沿って徐々に増大する断面(19)を有している、請求項1から6のうちいずれか1項に記載の搬送方法。
【請求項8】
前記ガイド手段(10)が少なくとも1つのアイドルローラ(12)を含み、前記アイドルローラが前記処理経路に対して垂直な回転軸線を中心として自由に回転する、請求項1から7のうちいずれか1項に記載の搬送方法。
【請求項9】
前記ガイド手段(10)が複数のアイドルローラ(12)を含み、前記アイドルローラが前記処理経路の他方の側で互いに並んで配置されている、請求項8に記載の搬送方法。
【請求項10】
前記ガイド手段(10)が前記処理経路の一方の側に互いに並んで配置された第1の複数(11)のアイドルローラ(12)と、前記処理経路の他方の側に互いに並んで配置された第2の複数(13)のアイドルローラ(12)とを含むことにより、前記第1の複数(11)のアイドルローラ(12)と前記第2の複数(13)のアイドルローラ(12)との間に、ボトル(1)用の通過チャネル(14)が画定される、請求項9に記載の搬送方法。
【請求項11】
前記ガイド手段(10)が前記処理経路の一方の側に互いに並んで配置された複数(11)のアイドルローラ(12)と、前記処理経路の他方の側に配置された固定されたサイドボード(18)とを含むことにより、前記複数(11)のアイドルローラ(12)と、前記固定されたサイドボードとの間に、前記ボトルの通過用のチャネルが画定される、請求項1から9のうちいずれか1項に記載の搬送方法。
【請求項12】
前記ガイド手段(10)が、前記処理経路に沿って配置された固定されたサイドボード(18)を含む、請求項1から7のうちいずれか1項に記載の搬送方法。
【請求項13】
前記ガイド手段(10)が前記処理経路の一方の側に配置された第1の固定されたサイドボードと、前記処理経路の他方の側に配置された第2の固定されたサイドボードとを含むことにより、前記第1の固定されたサイドボードと、前記第2の固定されたサイドボードとの間に、前記ボトル(1)の通過用のチャネル(14)が画定される、請求項12に記載の搬送方法。
【請求項14】
具体的には製薬産業用の、非円形断面を有するボトル(1)を充填する装置のための搬送システム(7)であって、それぞれのボトル(1)の断面が主軸線(X)に沿ったより大きいサイズと、前記主軸線に対して垂直な二次軸線(Y)に沿った、前記より大きいサイズに比べてより小さなサイズとを有しており、前記搬送システム(7)が、
複数のボトル(1)を懸吊位置で保持するように構成された複数の対応する保持部材(8)と、
前記複数のボトル(1)を懸吊位置で保持する前記複数の保持部材(8)を処理経路に沿って移動させるための移動手段と
を含み、
それぞれの保持部材(8)がプライヤを含み、前記プライヤが対応するボトル(1)の円筒形状を有する首(4)を把持するように構成されており、
前記搬送システム(7)は、前記搬送システム(7)がガイド手段(10)を含み、前記ガイド手段が前記処理経路に対して平行に配置されており、前記ボトル(1)が所定の配向に従って配置されているときにだけ前記ボトル(1)の移動を可能とし、強制的に前記ボトル(1)が前記所定の配向を成し維持するようにする、
ことを特徴とする、搬送システム。
【請求項15】
前記ガイド手段(10)が前記処理経路の一方の側に互いに並んで配置された第1の複数(11)のアイドルローラ(12)と、前記処理経路の他方の側に互いに並んで配置された第2の複数(13)のアイドルローラ(12)とを含むことにより、前記第1の複数(11)のアイドルローラ(12)と前記第2の複数(13)のアイドルローラ(12)との間に、ボトル(1)用の通過チャネル(14)が画定される、請求項14に記載の搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年5月24日付に出願された伊国特許出願第102019000007193号の優先権を主張するものであり、その開示の全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、非円形断面を有するボトル(すなわち瓶、小瓶、フラスコ、又は他のタイプの容器)を充填する装置のための搬送方法及び搬送システムに関する。
【0003】
本発明は、以下の開示が、その一般性を失うことなく明示的に参照する、製薬産業における製品用のボトルを充填する装置に有利に適用される。
【背景技術】
【0004】
医薬品用のボトルを充填する既知の装置は、例えば一連のボトルを、空ボトル用の秤量ステーションを通して、予め定めた量の液状又は粉末状製品が各ボトルに供給される充填ステーションを通して、充填済みのボトル用の秤量ステーションを通して、各ボトルにそれぞれの蓋を設ける蓋付けステーションを通して、最後滴に少なくとも1つのラベルがそれぞれのボトルに貼付されるラベル付けステーションを通して移動させる、搬送システムを備えている。
【0005】
上記のような充填装置において、1つの処理ステーションから次の処理ステーションへのボトルの移行のうちのいくつか、並びにいくつかの処理ステーションに沿ったボトルのハンドリングは、保持部材(典型的にはプライヤ又はフォーク)によって行われる。保持部材は、ボトルの首を把持することによりボトルを懸吊状態で運び、そして保持部材、ひいてはボトルを移動させるように構成されたハンドリング手段(典型的にはコンベアに取り付けられている)に接続されている。
【0006】
こうして形成された移動システムの部材において、真の支持体を有しないボトルは、動作(特に動作がステップ動作であり、ひいてはボトルを連続的に交互に加速・減速する場合)によって発生する振動に起因して供給中に回転及び/又は傾斜を被ることがある。このことは、具体的には充填装置が非円形断面、例えば細長い断面(すなわち、主形成軸線(main development axis)に沿ったより大きいサイズと、主形成軸線に対して直交する二次形成軸線(secondary development axis)に沿ったより小さなサイズとを有する非対称的な断面)を有するボトルを処理する場合に、そして充填装置の少なくとも1つの処理ステーションがボトルの特定の配向を必要とする場合に、問題となり得る。例えば、蓋付けステーション及びラベル付けステーションが非円形断面を有するボトルのために使用される場合、ボトルが同じ所定の配向でステーションに到着することを必要とする。実際に、このようにしてのみ、蓋付けはボトル内に取り込まれた空気を最適に除去した後で実施され、そしてラベルはボトルの側壁のより広い部分に貼付される。したがって、例えば蓋付けステーション又はラベル付けステーションに入るときの動作によって発生する振動に起因して、ボトルが意図せずに回転させられると、蓋付けステーションの場合には、蓋をつける前のボトルから空気を駆逐する作業が損なわれ、そしてラベル付けステーションの場合には、ラベルの正しくない位置決めを伴い、ボトルを最悪な場合には使用不能にし、ひいては廃棄しなければならなくなる。
【0007】
特許文献1には、エアジェットの加圧下で懸吊された状態でボトルを輸送するための搬送システムが記載されている。
【0008】
特許文献2には、非円形断面を有するボトルを支持する円形ディスクを、均一な配向を与えることによって運ぶ搬送システムが記載されている。
【0009】
特許文献3には、非円形断面を有する容器を、均一な配向を与えることによって運ぶ搬送システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2010072858号
【特許文献2】英国特許第2126185号明細書
【特許文献3】米国特許第2198594号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上述の欠点がないように輸送中のボトルの正しい配向を保証し、そして実施が容易且つ低廉である、具体的には製薬産業の製品用のボトルを充填する装置におけるボトル搬送方法及びシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によれば、添付の請求項で主張されたものに基づく、具体的には製薬産業の製品用のボトルを充填する装置におけるボトル搬送方法及びボトル搬送システムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
クレームには、本明細書の不可欠な部分を形成する本発明の実施態様が記載されている。
【0014】
添付の図面を参照しながら本発明を以下に説明する。図面は実施態様のいくつかの非限定的な例を示している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、特に製薬産業の製品用のボトルを示す概略図である。
図2図2及び図3は、本発明の第1実施態様に基づいて形成された搬送システムの一部、及びそれぞれ後続のボトルアプローチ工程中及びボトル通過工程中に搬送システムの部分を理想的な状態で通過するボトルを示す概略図であって、ボトルが、正しく配向された状態で搬送システムの入口に到達する様子を示す図である。
図3図2及び図3は、本発明の第1実施態様に基づいて形成された搬送システムの一部、及びそれぞれ後続のボトルアプローチ工程中及びボトル通過工程中に搬送システムの部分を理想的な状態で通過するボトルを示す概略図であって、ボトルが、正しく配向された状態で搬送システムの入口に到達する様子を示す図である。
図4図4及び図5は、第2の考えられ得る概要を表す、図2及び図3と同様の概略図であって、ボトルが、正しい配向とは異なる配向に従って配向された状態で、搬送システムの入口に到達する様子を示す図である。
図5図4及び図5は、第2の考えられ得る概要を表す、図2及び図3と同様の概略図であって、ボトルが、正しい配向とは異なる配向に従って配向された状態で、搬送システムの入口に到達する様子を示す図である。
図6図6及び図7は、本発明の第2実施態様に基づいて形成された搬送システムの一部、及びそれぞれ後続のボトルアプローチ工程中及びボトル通過工程中に搬送システムの部分を通過するボトルを示す概略図であって、ボトルが、正しい配向以外の別の配向に従って配向された状態で搬送システムの入口に到達する別の考えられ得る概要を表す図である。
図7図6及び図7は、本発明の第2実施態様に基づいて形成された搬送システムの一部、及びそれぞれ後続のボトルアプローチ工程中及びボトル通過工程中に搬送システムの部分を通過するボトルを示す概略図であって、ボトルが、正しい配向以外の別の配向に従って配向された状態で搬送システムの入口に到達する別の考えられ得る概要を表す図である。
図8図8は、図6及び図7に概略的に示された実施態様に基づいて形成された本発明の搬送システムの一部を示す斜視図である。
図9図9は、図8の搬送システムの部分を、明確にするためにボトルを省いた状態で示す斜視図である。
図10図10は、図2図5に概略的に示された実施態様に基づいて形成された本発明の搬送システムの一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付の図面において、符号1は、製薬産業の製品2(典型的には液状又は粉末状形態)を含有するために知られているタイプの、例えば単回使用のための(すなわち一回だけ使用し、次いで交換するディスポーザブルの)ボトル(瓶、小瓶、フラスコ)を全体として示している。ボトル1は、ボトル1の首4に付けられた蓋3によって閉じられており、ボトル1はまた、ボトル1の外面に接着されたラベル6を備えている。添付の図面に示されたボトル1は、非円形断面、具体的には細長い断面を有している。換言すれば、ボトル1の断面は、主軸線Xに沿ったより大きいサイズと、前記のより大きいサイズよりも小さな、主軸線Xに対して垂直な二次軸線Yに沿った、より小さなサイズとを有している(図2~7に明示されている)。添付の図面に示された実施態様では、ボトル1の横断面は、より大きい側壁が平坦化された(すなわちフラットな)ほぼ楕円形状である。
【0017】
図2~7に示されているように、上述のタイプの製薬産業の製品2用のボトル1を充填する装置が概ね、少なくともその処理経路のいくつかの部分上に搬送システム7を含む。搬送システムは典型的にはプライヤ又はフォークによって形成された複数の保持部材8を含む。保持部材は、図2~7の矢印によって表された処理経路(すなわち1つ処理ステーションから別の処理ステーションへの、又は所与の処理ステーション内部の)に沿って移動しながら、ボトル1を懸吊位置で保持するべくボトル1の首4を把持するように構成されている。具体的には、保持部材8はコンベア9上にカンチレバー式に取り付けられている。コンベア9は図8及び9において直線状であり、そして図10においては回転型(すなわちカルーセル)であり、そしてコンベアは処理経路に沿って、コンベアに取り付けられた保持部材8、ひいてはボトル1を移動させるように、既知のタイプの操作手段(図示せず)によって動作時に操作することができる。
【0018】
本発明の対象である搬送システム7はさらに、図2~7に概略的に示されているように処理経路に対して平行に配置されたガイド手段10を含む。ガイド手段10は、ボトル1が所定の配向に従って配置されているときにだけ、すなわち添付の図面を参照すると、ボトルの二次形成軸線Yが処理経路に対してほぼ垂直方向であり、ひいてはその主形成軸線Xが処理経路に対して平行である状態でボトル1が配向されているときにだけ、それぞれのボトル1が処理経路に沿って移動できるように配置されている。ガイド手段10はさらに、所定の配向に対して異なって配向された状態で搬送システム7の入口に到達するボトル1に作用することにより、そのボトルを前記所定の配向を成すように誘導するべく構成されている。
【0019】
具体的には、図2~5及び図10に示された第1実施態様によれば、図示されたガイド手段10は処理経路の一方の側に沿って互いに並んで配置された複数11のアイドルローラ12と、処理経路の他方の側に沿って互いに並んで配置されたさらなる複数13のアイドルローラ12とを含むことにより、ボトル1用の通過チャネル14を画定し、この通過チャネルに沿って、上記所定の配向に従って配向されている場合にのみボトル1は移動することができる。通過チャネル14の幅は実際には、それぞれのボトル1のより小さなサイズにほぼ等しい(通常の許容差を考慮に入れる)。換言すれば、図2~5に示されているように、複数11及び13のアイドルローラ12を、ボトル1のより小さなサイズに少なくとも等しく、且ついずれの場合にもボトル1のより大きいサイズよりも十分に小さい距離だけ互いに離隔して配置することにより、主形成軸線Xが処理経路に対して平行に配向されていないボトル1が、通過チャネル14を通過するのを不可能にする。
【0020】
さらに、アイドルローラ12は、所定の配向以外の配向に従って配向されたボトル1が通過チャネル14の入口に到達する場合、前記ボトル1がアイドルローラ12のうちの少なくとも1つと必ず接触し、このボトルが所定の配向を成すまでアイドルローラ12自体によって確実に押されるように配置され成形される。前記との関連において、処理経路に対して前部に配置された(すなわち処理経路の上流側に、すなわち通過チャネル14の入口区分に配置された)アイドルローラ12は、外側へ向かって傾斜した(すなわちフレア状に広がった)通過チャネル14の誘引区分(invitation section)を(アイドルローラの外壁によって)画定するように成形されているので、所定の配向とは異なる配向(図4参照)に従って配向された状態でこの入口区分に到達したボトル1も、この傾斜した誘引区分、すなわち前述のアイドルローラ12のうちの1つローラの外壁と接触する。この外壁はボトル1にプッシュ作用を伝達することにより、ボトル1自体が、保持部材8の作用によって並進運動において拘束され、所定の配向に基づいてそれ自体を配向するまで、その長手方向軸線Z(図1に示されている)を中心として回転するように誘導する。
【0021】
前記との関連において、本発明の好ましい実施態様によれば、保持部材8はボトル1の首4を把持するように配置されていることにより、ボトル1を安全に保持し、すなわちボトル1の並進運動を防止すると同時に、ボトル1がボトルの長手方向軸線Zを中心として回転できるようにする。このようにすると、所定の配向とは異なる配向に従って配向された状態で通過チャネル14の入口に到達するボトル1は、(適宜にアイドルローラ12によって促進されて)所定の配向を成すまでボトルの軸線Zを中心として回転することができる。
【0022】
さらに、通過チャネル14に入るボトル1を真直ぐにする(すなわち所定の配向に従って配向する)機能に関して搬送システム7の効率をさらに改善するために、所定の配向とは異なるように配向された状態で通過チャネル14に到達するボトル1が、通過チャネル14の両側でプッシュ作用を確実に受けるように、複数11及び13のアイドルローラ12を配置することができる。換言すれば、真直ぐにしなければならない(すなわち所定の配向に従って配向しなければならない)それぞれのボトル1が先ず通過チャネル14の一方の側に配置されたアイドルローラ12の外壁と接触し、これにより上述のようにボトル1に第1プッシュを加えてその配向を正しくし、そして次いで通過チャネル14の他方の側に配置されたアイドルローラ12の外壁と接触し、これにより第1プッシュとは反対方向に向けられた第2プッシュを加えることによって、ボトル1が真直ぐになる(すなわちボトルが所定の配向に従って配置される)ことを(たとえ第1プッシュが十分でなかったとしても)確実にするように、アイドルローラ12(すなわち、少なくとも処理経路に対して前部に配置されたアイドルローラ12)が配置されている。これに関して、図10に示されているように、アイドルローラ12は例えば互いにオフセットされた状態で通過チャネル14の2つの対向する側に配置されていてもよい。
【0023】
図10を具体的に参照すると、保持部材8はカルーセル型コンベア9によってカンチレバー式に保持されている。複数11のアイドルローラ12はアーチ状ビーム15によって保持されている。アーチ状ビーム15は直径がコンベア9よりも小さく、保持部材8に対して内側に配置されており、そしてコンベア9に取り付けられたフレーム16によって保持されている。他の複数13のアイドルローラ12は、複数のアーチ状ビーム17によって保持されている。アーチ状ビーム17は、保持部材8に対して外側に配置されており、コンベア9よりも大きい直径を有して周囲に沿って形成されている。詳細には、アイドルローラ12は、通過チャネル14の内側へ向かって突出するようにビーム15及び17によって保持されることにより、通過チャネル14を通過するボトル1がアイドルローラ12と接触し、動作中に前記アイドルローラ12によって案内され、この動作において滑落するか又はビーム15及び17にぶつからないことを確実にする。
【0024】
図6~9を具体的に参照すると、ガイド手段10は処理経路の一方の側に沿って互いに並んで配置された複数のアイドルローラ12と、処理経路の他方の側に配置された固定されたサイドボード18とを含むことにより、アイドルローラ12と、固定されたサイドボード18との間に、ボトル1用の通過チャネル14が画定されている。通過チャネルに沿ってボトル1は、上記所定の配向に従って配向される場合にのみ移動することができる。この場合にも、通過チャネル14の幅は実際には、それぞれのボトル1のより小さなサイズにほぼ等しい(通常の許容差を考慮に入れる)。換言すれば、複数のアイドルローラ12と、固定されたサイドボード18とを、ボトル1のより小さなサイズに少なくとも等しく、且ついずれの場合にもボトル1のより大きいサイズよりも十分に小さい距離だけ互いに離隔することにより、主形成軸線Xが処理経路(すなわち複数のアイドルローラ12及び固定されたサイドボード18)に対して平行に配向されていないボトル1が、通過チャネル14を通過するのを不可能にする。さらに、第1実施態様に関して上述したものと同様に、アイドルローラ12は、所定の配向以外の配向に従って配向されたボトル1が通過チャネル14の入口に到達する場合、前記ボトル1がアイドルローラ12のうちの少なくとも1つと接触し、このボトル1が所定の配向を成すまでアイドルローラ12によって確実にプッシュされるように配置され成形される。この関連において、処理経路に対して前部に配置されたアイドルローラ12は、外側へ向かって傾斜した(すなわちフレア状に広がった)通過チャネル14の誘引区分を画定するように成形されているので、所定の配向とは異なる配向(図6参照)に基づいて配向された状態で前記区分に到達したボトル1は、アイドルローラ12の外壁と接触する。この外壁はボトル1にプッシュ作用を伝達することにより、ボトル1自体が、保持部材8の作用によって並進運動において拘束され、所定の配向に従って配向されるまで、その長手方向軸線Zを中心として回転するように、誘導する。さらに、固定されたサイドボード18は、処理経路の前(すなわち処理経路の上流側、又は処理経路の入口区分)に、処理経路に沿って徐々に増大する横方向部分19を提供するように成形されることにより、処理経路に対して前部に配置されたアイドルローラ12と一緒に、通過チャネル14の上記傾斜した(すなわちフレア状に広がった)誘引区分を画定する。
【0025】
前記との関連において、この事例でも、好ましくは保持部材8はボトル1の首4を把持するように配置されていることにより、ボトル1を安全に保持し、すなわちボトル1の並進運動を防止すると同時に、ボトル1がボトルの長手方向軸線Zを中心として回転できるようにする。このようにすると、所定の配向とは異なる配向に従って配向された状態で通過チャネル14の入口に到達するボトル1は、所定の配向を成すまでボトルの軸線Zを中心として回転することができる。
【0026】
さらに、図8及び図9に示された実施態様を具体的に参照すると、保持部材8は真直ぐな処理経路に沿ってカンチレバー式に保持されており、アイドルローラ12は、フレーム16に取り付けられた、処理経路に対して平行なビーム17によって保持されており、そして保持部材8に対して外側に互いに前後に配置されている。そして固定されたサイドボード18は、処理経路に対して平行であり、そしてフレーム16に取り付けられ、そして保持部材8に対して内側に配置されている。この事例においても、アイドルローラ12は、通過チャネル14の内側へ向かって突出するようにビーム17に取り付けられることにより、通過チャネル14を通過するボトル1が一方の側に位置するアイドルローラ12と、そして他方の側に固定されたサイドボード18と確実に接触する。
【0027】
図示されていないさらなる実施態様によれば、ガイド手段10は、処理経路の一方の側に配置された第1の固定されたサイドボードと、処理経路の他方の側に配置された第2の固定されたサイドボードとを含むことにより、本発明の上述の実施態様に関連して上述したものと同様に、ボトル1用の通過チャネル14を画定する。例えば、2つの固定されたサイドボードは、通過チャネル14をボトル1が移動する際の摩擦を最小化するのに十分に平滑な材料から形成することもできる。これらの固定されたサイドボードは、処理経路の前(すなわち処理経路の上流側、又は処理経路の入口区分)に、処理経路に沿って徐々に増大する断面を与えるように成形することにより、通過チャネル14の傾斜した(すなわちフレア状に広がった)入口区分を画定することもできる。この入口区分は、所定の配向とは異なる配向を成した状態で通過チャネル14に到達するボトル1が、確実に強制的に正しい配向にさせられるように成形されている。
【0028】
図示されていないさらなる実施態様によれば、ガイド手段10は、専ら処理経路の一方の側に配置されたガイド本体だけを含んでもよく、そして前記単独のガイド本体は、上記実施態様のアイドルローラ12と同様に作用する一連のアイドルローラ12によって、又は上記実施態様の固定されたサイドボードと同様に作用する固定されたサイドボードによって形成することができる。
【0029】
さらに、本発明の別の実施態様によれば、保持部材8は、上記のようなガイド手段10によってボトルが移動するときに長手方向軸線Zを中心としたボトル1の回転を可能とし、これにより保持部材8がガイド手段10によって形成された通過チャネル14を横切るときにボトル1を真直ぐにする(すなわち所定の配向に基づいて配置する)ことと可能にするような弛緩した形態と、保持部材8が通過チャネル14の外側に位置するときには保持部材8に対するボトル1のいかなる運動も阻止される、緊密な形態とを成すように、配置することができる。
【0030】
本明細書中に記載された実施態様は、本発明の範囲を逸脱することなしに互いに組み合わせることができる。
【0031】
言うまでもなく、ボトル1は上述の細長い断面とは異なる非円形断面を有することができ、例えばボトルは方形断面、又は丸み付けられたエッジを有する方形断面、又は非円形断面を有する任意の他の形状を有することができる。
【0032】
また言うまでもなく、本発明の対象である搬送システム7は、ボトル1及び/又は小瓶及び/又はフラスコ及び/又は例えば化粧品、食品、クリーニング製品などのための容器を搬送するために使用することができる。
【0033】
さらに、上記アイドルローラ12の代わりに任意の他の回転部材、例えば適宜に成形されたコンベアベルト、アイドルシリンダ、ホイールなどを使用できることも明らかである。
【0034】
上記搬送システム7は数多くの利点を有している。
【0035】
先ず、上記搬送システム7は、ボトル1が真直ぐにされ(すなわち所定の配向に基づいて配置され)、そして正しく配向されるのを可能にし、結果として、ボトル1の所定の配向を必要とするプロセスの最適な実施を確実にするとともに、そして正しくない処理のリスクを低減し、ひいては廃棄物(すなわち欠陥のあるボトル1)を最小化し、これには時間及び生産性コストに関する明らかな利点が伴う。
【0036】
さらに、処理経路に対して少なくとも前部に位置するガイド手段10の形態により、本発明の搬送システム7は、搬送システム7の入口に正しくない配向で到達するボトル1が押され、そして通過チャネル14の少なくとも最初の部分に沿って前進している間に、生産サイクルの遅延を招く装置の停止が生じることなく、確実に正しく配向されるようにする。
【0037】
さらに、本発明の搬送システム7は、ボトル1のより高度に制御された輸送を行うことを可能にする。このことは同じ輸送速度で、ボトル1のより大きい安定性を確保し、そして同時に、充填装置から伝わる振動によってボトル1に及ぼされる影響が、確実に著しく低くなるようにする。それというのも、前記振動は、ボトル1の移動中に、ボトル1を横方向に保持するガイドシステム10によって少なくとも部分的に吸収されるからである。
【0038】
最後に、上記搬送システム7は実施が比較的容易且つ低廉である。それというのも、既知の搬送システムと比較して、搬送システム7は付加的な要素が僅かであり、これらの要素は既知の搬送システムに容易に取り付けることができ、そして構造的に単純であり、入手するのが容易であり、且つ低廉であるからである。
図1
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【国際調査報告】