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特表2022-533872通信方法、装置、コンピュータプログラム、及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】通信方法、装置、コンピュータプログラム、及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20220720BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20220720BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20220720BHJP
   H04W 72/10 20090101ALI20220720BHJP
【FI】
H04W72/12 150
H04W28/06 110
H04W84/12
H04W72/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530181
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(85)【翻訳文提出日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2020117063
(87)【国際公開番号】W WO2021057777
(87)【国際公開日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】201910936481.X
(32)【優先日】2019-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514187420
【氏名又は名称】テンセント・テクノロジー・(シェンジェン)・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ズオ,シン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,ジアンボ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,ダン
(72)【発明者】
【氏名】ニン,ビンフイ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067CC04
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE22
5K067GG01
(57)【要約】
本願の実施例は、通信方法、装置、コンピュータ読み取り可能な媒体、及び電子機器を提供する。該通信方法は、第1メッセージフレームを生成するステップであって、前記第1メッセージフレームには、アクセス装置のグループ指示情報が含まれ、前記グループ指示情報、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの情報を指示するものである、ステップと、前記グループ指示情報により指示される装置グループがデータ伝送を行うことをトリガするように、前記第1メッセージフレームを送信するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器が実行する通信方法であって、
第1メッセージフレームを生成するステップであり、前記第1メッセージフレームには、アクセス装置のグループ指示情報が含まれ、前記グループ指示情報は、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの情報を指示するものである、ステップと、
前記グループ指示情報により指示される装置グループがデータ伝送を行うことをトリガするように、前記第1メッセージフレームを送信するステップと、
を含む、通信方法。
【請求項2】
前記グループ指示情報には、第1フィールド、および、少なくとも1つの第2フィールドが含まれ、
前記第1フィールドは、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの数を指示するものであり、かつ、前記数は、前記第2フィールドの数と同じであり、
前記第2フィールドは、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの識別情報を指示するものである、
請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記グループ指示情報に含まれる各第2フィールドの前記グループ指示情報における並び順は、前記各第2フィールドにより指示される装置グループのチャネルアクセス順を示す、
請求項2に記載の通信方法。
【請求項4】
前記通信方法は、さらに、
前記第1メッセージフレームを送信する前に、
第2メッセージフレームを生成するステップであり、前記第2メッセージフレームには、装置グループの識別情報、および、前記装置グループにおける各装置のリソース割当情報が含まれる、ステップと、
前記第2メッセージフレームを、前記装置グループにおける各装置に送信するステップと、
を含む、請求項2に記載の通信方法。
【請求項5】
前記通信方法は、さらに、
前記装置グループに含まれる各装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成するステップ、を含む、
請求項4に記載の通信方法。
【請求項6】
前記装置グループに含まれる各装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成する前記ステップは、
前記装置グループに1つの装置が含まれる場合、前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成するステップと、
前記装置グループに少なくとも2つの装置が含まれる場合、前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成するか、又は、前記少なくとも2つの装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成する、ステップと、
を含む、
請求項5に記載の通信方法。
【請求項7】
前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成するステップは、
前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子の一部のビットの値を、前記装置グループの識別情報の各ビットの値とするステップ、又は、
前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子の一部のビットの値を、前記装置グループの識別情報の一部のビットの値とするステップ、又は、
前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子の一部のビットの値と設定値とを演算した値に基づいて、前記装置グループの識別情報の各ビットの値を設定するステップ、
を含む、
請求項6に記載の通信方法。
【請求項8】
前記少なくとも2つの装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成するステップは、
前記少なくとも2つの装置の関連識別子における一部のビットを連結することにより、前記装置グループの識別情報における各ビットを取得するステップ、
を含む、
請求項6に記載の通信方法。
【請求項9】
前記第1メッセージフレームは、トリガフレームであり、
前記グループ指示情報は、前記トリガフレームにおける装置情報フィールドを使用する、
請求項1に記載の通信方法。
【請求項10】
前記第1メッセージフレームには、トリガタイプフィールドが、さらに、含まれ、
前記トリガタイプフィールドは、前記第1メッセージフレームのタイプを指示するものであり、
前記第1メッセージフレームがトリガフレームである場合、前記トリガタイプフィールドとして、前記トリガフレームにおける共通情報フィールドを使用する、
請求項1に記載の通信方法。
【請求項11】
前記グループ指示情報には、少なくとも1つの第3フィールドが、さらに、含まれ、
前記第3フィールドの値は、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う少なくとも1つの装置の情報を指示するものである、
請求項2~10のいずれか一項に記載の通信方法。
【請求項12】
前記第3フィールドにより指示される少なくとも1つの装置、および、前記第3フィールドの直前の第2フィールドにより指示される装置グループにおける装置は、データ伝送時に同じチャネルアクセス順を有する、
請求項11に記載の通信方法。
【請求項13】
前記第3フィールドには、少なくとも1つの装置情報フィールドが含まれ、
各前記装置情報フィールドそれぞれは、1つの装置のリソース割当情報を指示するものであり、
各前記装置情報フィールドそれぞれには、所定のビットが含まれ、
前記所定のビットの値は、次のフィールドが前記装置情報フィールドであるか否かを示す、
請求項11に記載の通信方法。
【請求項14】
第1メッセージフレームを生成する生成ユニットであり、
前記第1メッセージフレームには、アクセス装置のグループ指示情報が含まれ、
前記グループ指示情報は、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの情報を指示するものである、
生成ユニットと、
前記第1メッセージフレームを送信する送信ユニットであり、
前記グループ指示情報により指示される装置グループがデータ伝送を行うことをトリガする、
送信ユニットと、
を含む、通信装置。
【請求項15】
複数の命令を含むコンピュータプログラムであって、
前記命令がプロセッサによって実行されると、コンピュータに、請求項1~13のいずれか一項に記載の通信方法を実施させる、
コンピュータプログラム。
【請求項16】
電子機器であって、
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶する記憶装置と、
を備え、
前記1つ又は複数のプログラムが、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、請求項1~13のいずれか一項に記載の通信方法を、前記1つ又は複数のプロセッサに実現させる、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年9月29日に中国知的財産権局に提出された、出願番号が201910936481.Xであり、発明の名称が「通信方法、装置、コンピュータ読み取り可能な媒体、及び電子機器」である中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その内容の全てが参照によって本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、コンピュータ及び通信技術の分野に関し、具体的には、通信方法、装置、コンピュータ読み取り可能な媒体、及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
インターネット技術の発展につれて、例えば、リアルタイムアプリケーション(RTA:Real Time Application)のような多くのサービス及びアプリケーションは、無線アクセスネットワーク(例えば、無線ローカルエリアネットワーク)のスループット及び遅延などの様々な面で、ますます高い要求を出している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例は、通信方法、装置、コンピュータ読み取り可能な媒体、及び電子機器を提供する。
【0005】
本願の他の特性及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになり、又は、部分的に本願の実践によって習得される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例の一態様によれば、電子機器が実行する通信方法が提供される。この方法は、第1メッセージフレームを生成するステップであり、前記第1メッセージフレームには、アクセス装置のグループ指示情報が含まれ、前記グループ指示情報が、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの情報を指示するものである、ステップと、前記グループ指示情報により指示される装置グループがデータ伝送を行うことをトリガするように、前記第1メッセージフレームを送信するステップと、を含む。
【0007】
本願の実施例の一態様によれば、通信装置が提供される。この通信装置は、第1メッセージフレームを生成し、前記第1メッセージフレームには、アクセス装置のグループ指示情報が含まれ、前記グループ指示情報が、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの情報を指示するものである生成ユニットと、前記グループ指示情報により指示される装置グループがデータ伝送を行うことをトリガするように、前記第1メッセージフレームを送信する送信ユニットと、を含む。
【0008】
本願の実施例の一態様によれば、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な媒体が提供される。このコンピュータプログラムが、プロセッサによって実行されると、上記の実施例に記載の通信方法を実現させる。
【0009】
本願の実施例の一態様によれば、電子機器が提供される。この電子機器は、1つ又は複数のプロセッサと、1つ又は複数のプログラムを記憶し、前記1つ又は複数のプログラムが、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されると、上記の実施例に記載の通信方法を前記1つ又は複数のプロセッサに実現させる記憶装置と、を備える。
【0010】
以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、単なる例示的かつ解釈的なものであり、本願を制限するものではないことが理解されるべきである。
【0011】
ここでの図面は、明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本願に合致する実施例を示しており、明細書とともに本願の原理を解釈する。明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例を示しているに過ぎないものであり、当業者であれば、創造的な労働をすることなく、これらの図面から他の図面を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本願の実施例の構成を適用可能な、例示的システムアーキテクチャの模式図を示す。
図2】本願の一実施例による、通信方法のフローチャートを示す。
図3】本願の一実施例による、通信方法のフローチャートを示す。
図4】本願の一実施例による、トリガフレームの構成の模式図を示す。
図5】本願の一実施例による、トリガフレームの構成の模式図を示す。
図6】本願の一実施例による、データやり取りのフローチャートを示す。
図7】本願の一実施例による、グループ情報を送信するためのエレメントの構成の模式図を示す。
図8】本願の一実施例による、ユーザ情報フィールドの構成の模式図を示す。
図9】本願の一実施例による、トリガフレームの構成の模式図を示す。
図10】本願の一実施例による、データやり取りのフローチャートを示す。
図11】本願の一実施例による、トリガフレームの構成の模式図を示す。
図12】本願の一実施例による、データやり取りのフローチャートを示す。
図13】本願の一実施例による、通信装置のブロック図を示す。
図14】本願の実施例を実現することに好適な電子機器のコンピュータシステムの構成の模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、例示的な実施形態をより全面的に説明する。ただし、例示的な実施形態は、様々な形式で実施可能であり、ここで述べられる例に限定されるものと理解されるべきではない。逆に、これらの実施形態を提供することによって、本願は、より全面的かつ完全になり、例示的な実施形態の構想を当業者に全面的に伝える。
【0014】
また、説明される特徴、構成、又は特性は、任意の適切な形で1つ又は複数の実施例に組み込まれてもよい。以下の説明では、多くの具体的な詳細事項を提供することにより、本願の実施例が十分に理解される。ただし、当業者は、詳細事項の1つ又は複数を特定することなく、本願の構成を実践することができ、又は、他の方法、構成要素、装置、ステップなどを採用することができると意識する。他の場合には、本願の各態様をあいまいにしないように、公知の方法、装置、実現、又は操作を詳しく示したり、説明したりすることはしない。
【0015】
図面に示されるブロック図は、単なる機能エンティティであり、必ずしも物理的に独立しているエンティティに対応しているとは限らない。即ち、ソフトウェアの形で、これらの機能エンティティを実現し、または、1つ又は複数のハードウェアモジュール又は集積回路において、これらの機能エンティティを実現し、或いは、異なるネットワーク及び/又はプロセッサ装置及び/又はマイクロコントローラ装置において、これらの機能エンティティを実現することができる。
【0016】
図面に示されるフローチャートは、単なる例示的な説明であり、必ずしも全ての内容及び操作/ステップを含むわけではなく、また、必ずしも説明された順序で実行するわけでもない。例えば、一部の操作/ステップは、さらに、分割することができるが、一部の操作/ステップは、併合するか、又は、部分的に併合することができるため、実際の実行順序は、実際の状況に応じて変化する場合がある。
【0017】
現行の規格IEEE802.11axは、多くのシナリオでRTAの低遅延、低ジッタの要求を満たすことができず、大量のRTAサービスがある場合には、シグナリングオーバーヘッドが大きく、さらに、システムの通信効率に影響を与える。
【0018】
これに鑑み、本願の実施例は、通信方法、装置、コンピュータ読み取り可能な媒体、及び電子機器を提供する。本願のいくつかの実施例で提供される構成では、アクセス装置のグループ指示情報が含まれる第1メッセージフレームを生成し、該グループ指示情報が、第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの情報を指示するものである。このように、第1メッセージフレームを送信した後に、グループ指示情報により指示される装置グループがデータ伝送を行うことをトリガする。これにより、1つの第1メッセージフレームは、1つ又は複数の装置グループがデータ伝送を行うことをトリガすることができ、シグナリングオーバーヘッドが低減され、さらに、システムの通信効率を高めることができ、同時に、RTAサービスの要求を満たすこともできる。
【0019】
図1は、本願の実施例の構成を適用可能な、例示的システムアーキテクチャの模式図を示す。
【0020】
図1に示すように、システムアーキテクチャは、アクセスポイント(Access Point、APと略称する)101、ステーション(non-AP、即ち、Station、STAと略称する)102、ステーション103、及び、ステーション104を含んでよい。ここで、アクセスポイント101、ステーション102、ステーション103、及び、ステーション104は、無線ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LANと略称する)を構成する。ステーションは、スマートフォン、タブレットパソコン、携帯型コンピュータ、デスクトップコンピュータなどであってもよい。
【0021】
図1に示されるアクセスポイント及びステーションの数は、単なる例示的なものであることが、理解されるべきである。実現時のニーズに応じて、任意の数のアクセスポイント及びステーションが含まれてよい。
【0022】
本願の一実施例において、アクセスポイント101は、第1メッセージフレームを生成することができ、該第1メッセージフレームは、トリガフレーム(即ち、Trigger Frame)であってよく、該第1メッセージフレームには、アクセス装置のグループ指示情報が含まれ、該グループ指示情報が、第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの情報を指示するものである。例えば、ステーション102、ステーション103、及び、ステーション104が、1つの装置グループに属する場合、アクセスポイント101が生成した第1メッセージフレームには、ステーション102、ステーション103、及び、ステーション104の属するグループに対する指示情報が含まれてよく、さらに、アクセスポイント101は、第1メッセージフレームを送信した後で、ステーション102、ステーション103、及び、ステーション104がデータ伝送を行うことをトリガすることができる。ここから分かるように、本願の実施例の構成では、1つの第1メッセージフレームを送信することにより、複数の装置が、データ伝送を行うことをトリガすることができ、シグナリングオーバーヘッドが低減され、さらに、システムの通信効率を高めることができる。
【0023】
説明すべきものとして、本願の実施例で提供される通信方法は、一般的に、アクセスポイント101により実行される。これに応じて、本願の実施例で提供される通信装置は、一般的に、アクセスポイント101に設置される。
【0024】
以下、本願の実施例の構成の具体的な実現について詳しく説明する。
【0025】
図2は、本願の一実施例による通信方法のフローチャートを示す。該通信方法は、アクセスポイントにより実行されてよく、該アクセスポイントは、図1に示されるアクセスポイント101であってもよい。図2に示すように、該通信方法は、少なくともステップS210~ステップS220を含み、詳細な説明は、以下のとおりである。
【0026】
ステップS210においては、第1メッセージフレームを生成し、前記第1メッセージフレームには、アクセス装置のグループ指示情報が含まれ、前記グループ指示情報が、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの情報を指示するものである。
【0027】
本願の一実施例において、第1メッセージフレームは、トリガフレームであってよく、アクセス装置は、ステーション装置であってもよい。1つの装置グループには、1つ又は複数のアクセス装置が含まれてもよい。
【0028】
本願の一実施例において、グループ指示情報には、第1フィールドと、少なくとも1つの第2フィールドとが含まれてよい。ここで、第1フィールドは、第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの数を指示するものであり、該数は、第2フィールドの数と同じであり、第2フィールドは、第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの識別情報を指示するものである。例えば、第1フィールドにより指示される装置グループの数が3である場合、グループ指示情報には、対応する1つの装置グループの識別情報をそれぞれ指示する3つの第2フィールドが含まれてもよい。
【0029】
本願の一実施例において、グループ指示情報に含まれる各第2フィールドの前記グループ指示情報での並び順は、各第2フィールドにより指示される装置グループのチャネルアクセス順を示す。例えば、グループ指示情報に3つの第2フィールドが含まれ、これらの3つの第2フィールドが、順に並んでおり、かつ、装置グループ1、装置グループ2、及び、装置グループ3をそれぞれ指示する場合に、これらの3つの装置グループのチャネルアクセス順は、装置グループ1、装置グループ2、そして、装置グループ3の順である。
【0030】
本願の一実施例において、装置グループにおける各装置のリソース割当情報は、第1メッセージフレームの前に各装置に通知されてよい。具体的には、図3に示すように、本願の実施例の通信方法は、以下のステップS310及びステップS320を含んでよい。
【0031】
ステップS310においては、第1メッセージフレームを送信する前に、第2メッセージフレームを生成し、前記第2メッセージフレームには、装置グループの識別情報と、前記装置グループにおける各装置のリソース割当情報とが含まれる。
【0032】
本願の一実施例において、装置のリソース割当情報は、帯域幅リソース情報、送信電力情報、上り送信の変調符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)、前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)チャネル符号化、などを含む。
【0033】
本願の一実施例において、装置グループに含まれる各装置の関連識別子(Association Identifier、AIDと略称する)に基づいて、装置グループの識別情報を生成してよい。
【0034】
具体的には、装置グループに1つの装置が含まれる場合、装置グループにおける1つの装置の関連識別子に基づいて、装置グループの識別情報を生成してよい。例えば、装置グループにおける1つの装置の関連識別子の一部のビットの値を、装置グループの識別情報の各ビットの値としてもよく、例えば、関連識別子の下位12ビットを装置グループの識別情報とする。又は、装置グループにおける1つの装置の関連識別子の一部のビットの値を、装置グループの識別情報の一部のビットの値としてよく、例えば、関連識別子の下位8ビットを装置グループの識別情報の下位8ビットとし、装置グループの識別情報の上位4ビットをアクセスポイント自身が定義する。又は、装置グループにおける1つの装置の関連識別子の一部のビットの値と設定値とを演算した値に基づいて、装置グループの識別情報の各ビットの値を設定してよく、例えば、関連識別子の下位11ビットと2046とを加算することにより、装置グループの識別情報を取得する。
【0035】
具体的には、装置グループに少なくとも2つの装置が含まれる場合、上記のように、装置グループにおける1つの装置の関連識別子に基づいて、装置グループの識別情報を生成してよく、少なくとも2つの装置の関連識別子に基づいて、装置グループの識別情報を生成してもよい。例えば、少なくとも2つの装置の関連識別子における一部のビットを連結することにより、装置グループの識別情報における各ビットを取得してよい。例えば、装置グループにおける3つの装置の関連識別子に基づいて、装置グループの識別情報を生成する場合、これらの3つの装置の関連識別子のそれぞれにおける下位4ビットを連結することにより、装置グループの識別情報を取得してもよい。
【0036】
引き続き図3を参照すると、ステップS320においては、前記第2メッセージフレームを、前記装置グループにおける各装置に送信する。
【0037】
図3に示される実施例の構成によれば、装置グループ情報と、装置グループにおける各装置のリソース割当情報とを各装置に予め通知することができる。これにより、各装置は、第1メッセージフレームを受信した後に、割当られたリソースに基づいてデータ伝送を行うことができる。
【0038】
上記した実施例の構成に基づいて、本願の一実施例においては、グループ指示情報に、少なくとも1つの第3フィールドがさらに含まれてよく、該第3フィールドの値は、第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う少なくとも1つの装置の情報を指示するものである。該実施例の構成によれば、第1メッセージフレームは、装置グループをトリガすることに加えて、少なくとも1つの装置がデータ伝送を行うことをトリガすることもできる。
【0039】
本願の一実施例において、第3フィールドにより指示される少なくとも1つの装置と、第3フィールドの直前の第2フィールドにより指示される装置グループにおける装置とは、データ伝送時に同じチャネルアクセス順を有する。例えば、第3フィールドにより指示される装置が装置4であり、第3フィールドの直前の第2フィールドにより指示される装置グループに装置1、装置2、及び、装置3が含まれる場合、装置4と、装置1、装置2、及び装置3とは、同じチャネルアクセス順を有する。
【0040】
本願のいくつかの実施例においては、上記の構成に基づいて、第3フィールドに、少なくとも1つの装置情報フィールドが含まれ、各装置情報フィールドそれぞれは、1つの装置のリソース割当情報を指示するものであり、各装置情報フィールドそれぞれには、所定のビットが含まれ、該所定のビットの値は、次のフィールドが装置情報フィールドであるか否かを示す。例えば、装置情報フィールドがUser Infoであると、該所定のビットは、User InfoフィールドにおけるB39ビットであってよく、B39=1の場合には、次のフィールドもUser Infoであることを指示し、B39=0の場合には、次のフィールドがUser Infoではないことを指示する。
【0041】
引き続き図2を参照すると、ステップS220においては、前記グループ指示情報により指示される装置グループが、データ伝送を行うことをトリガするように、前記第1メッセージフレームを送信する。
【0042】
本願の一実施例において、第1メッセージフレームがトリガフレームである場合に、グループ指示情報は、トリガフレームにおける装置情報フィールド(即ち、User Infoフィールド)を使用してよい。
【0043】
本願のいくつかの実施例において、第1メッセージフレームには、トリガタイプフィールドがさらに含まれてよく、該トリガタイプフィールドは、第1メッセージフレームのタイプを指示するものである。ここで、第1メッセージフレームがトリガフレームである場合に、該トリガタイプフィールドとしては、トリガフレームにおける共通情報フィールド(即ち、Common Infoフィールド)を使用してよい。
【0044】
以下、図4図12を参照しながら、上記した第1メッセージフレームがトリガフレームである場合を例として、本願の実施例における構成を詳しく説明する。
【0045】
図4に示すように、802.11axにおけるトリガフレームは、プレゼンテーションプロトコルデータユニット(PPDU:Presentation Protocol Data Unit、物理層プロトコルデータユニットである)であってよい。PPDUは、媒体アクセス制御層プロトコルデータユニット(MPDU:Media Access Control Protocol Data Unit)を基に、物理層フレームヘッダ(PHY Header)及びPE(フレーム拡張)フィールドを追加したデータフレームである。MPDUには、MAC層フレームヘッダ(MAC Header)、フレームボディ(Frame Body)、及び、フレームチェックシーケンス(Frame Check Sequence、FCSと略称する)が含まれる。ここで、MAC層フレームヘッダには、フレーム制御フィールド(Frame Control、FCと略称する)、長さフィールド(即ち、Duration)、受信機アドレスフィールド(Receiver Address、RAと略称する)、送信機アドレスフィールド(Transmitter Address、TAと略称する)が含まれ、フレームボディには、共通情報フィールド(即ち、Common Info)、ユーザ情報リスト(即ち、User Info List)、パディングフィールド(即ち、Padding)が含まれる。
【0046】
本願の一実施例において、図5には、本願の実施例におけるトリガフレームが示されている。ここで、トリガフレームにおける「トリガタイプ」フィールドの値を設定することにより、該トリガフレームが、装置グループを指示するためのトリガフレームであることを示すことができる。例えば、「トリガタイプ」フィールドの値として、8(802.11axにおけるトリガフレームの「トリガタイプ」フィールドの予約値)を設定してよい。また、オリジナルトリガフレームにおけるUser Infoフィールドをグループ指示フィールドとして使用してもよい。
【0047】
本願の一実施例において、グループ指示フィールドには、「グループ数」フィールド及び「グループID」フィールドが含まれる。ここで、「グループ数」フィールドは、4ビットであってよく、「グループID」フィールドは、12ビットであってもよい。
【0048】
本願の一実施例において、「グループ数」フィールドは、後続のグループアクセスの合計回数、即ち、「グループID」フィールドの数を示す。0、8~15は、「グループ数」フィールドの予約値であり、「グループ数」フィールドの値は、1~7である場合、即ち、本願の実施例に言及されたトリガフレームがトリガするグループアクセスの回数を示す。「グループID」フィールドは、予め定義されたグループ番号を指示するものであり、APにより割り当てられる。「グループ数」フィールドの値は、「グループID」フィールドの数に等しくすべきである。図5に示される実施例においては、トリガフレームがグループアクセスを1回トリガすることを示し、該グループIDはグループ3である。具体的なデータやり取りのフローについては、図6に示すように、APがトリガフレーム(該トリガフレームにより指示されるグループ数は1であり、グループIDは3である)を送信した後で、トリガフレームにより指示されるグループ3におけるSTA1、STA2、及びSTA3は、PPDUを送信し、続いて、APは、グループ3における各STAから送信されたPPDUを受信した後で、マルチステーション返信を行う。
【0049】
本願の一実施例において、トリガフレーム(「トリガタイプ」フィールドの値は8であってよい)によりトリガされる装置グループは、上りデータを送信する際に、予め格納された、グループIDに対応する設定に従って送信すべきである。ここで、これらの設定は、装置グループにおける各ステーションの帯域幅リソース割当、送信電力指示、上り送信MCS、FECチャネル符号化、などを含む。これらの設定は、トリガフレームの前に、各参与ステーションに送信すべきであり、ステーションは、受信した後で、グループID及び対応する設定情報を格納すべきである。本願の一実施例において、新たなエレメントによって、これらの設定を送信してもよい。図7に示すように、この新たなエレメントには、エレメントIDフィールド(即ち、Element ID)、長さフィールド(即ち、Length)、拡張フィールド(即ち、Element ID Extension)、グループIDフィールド、及び、ユーザ情報リストフィールド(即ち、User Info List)が含まれてよい。また、一実施例において、エレメントIDフィールドは、8ビットであってもよく、長さフィールドは、8ビットであってもよく、拡張フィールドは、8ビットであってもよく、グループIDフィールドは、12ビットであってもよく、ユーザ情報リストフィールドは、マルチバイトであってもよい。
【0050】
本願の一実施例において、エレメントIDフィールドの値は、255であってよく、拡張フィールドの値は、61又は他の任意の使用されていない正当な値(0~255の間にある)であってもよく、長さフィールドは、フィールド全体のバイト数を指示し、グループIDフィールドは、装置グループのIDを指示し、ユーザ情報リストフィールドには、1つ又は複数のUser Infoフィールドが含まれる。ここで、User Infoフィールドの構成は、図8に示すように、関連識別子フィールド(即ち、AID)、リソース割当フィールド(RU Allocation:Resource Unit Allocation)、上りFEC符号化タイプフィールド(UL FEC Coding Type)、上り変調符号化方式フィールド(UL MCS)、上りデュアルキャリア変調フィールド(UL Dual Carrier Modulation、UL DCMと略称する)、空間ストリーム割当/ランダムアクセス-リソースユニット情報フィールド(SS Allocation/RA-RU Information:spatial stream Allocation/Random Access-Resource Unit Information)、上りターゲットRSSIフィールド(UL Target Received Signal Strength Indication、UL Target RSSIと略称する)、予約フィールド、及び、トリガフレームに依存するユーザ情報フィールド(即ち、Trigger Dependent User Info)を含んでよい。ここで、関連識別子フィールドは、12ビットを占めることができ、リソース割当フィールドは、8ビットを占めることができ、上りFEC符号化タイプは、1ビットを占めることができ、上り変調符号化方式フィールドは、4ビットを占めることができ、上りデュアルキャリア変調フィールドは、1ビットを占めることができ、空間ストリーム割当/ランダムアクセス-リソースユニット情報フィールドは、6ビットを占めることができ、上りターゲットRSSIフィールドは、7ビットを占めることができ、予約フィールドは、1ビットを占めることができ、トリガフレームに依存するユーザ情報フィールドの長さは変化可能である。
【0051】
本願の一実施例において、装置グループに含まれる各ステーションの帯域幅リソース割当、送信電力指示などのリソース割当情報は、他のフォーマットでステーションに通知されてよい。
【0052】
本願の一実施例において、グループIDの設定は、User InfoフィールドにおけるAIDサブフィールドの設定に従ってよい。具体的には、以下の原則に従って設定してもよい。
【0053】
(1)グループIDフィールドの8ビットの設定について、グループにおける1つ又は複数のステーションのAIDと関連付けたものに2046を加算することにより取得してよい。例えば、
グループ2に1つのステーション2(そのAIDが2である)のみがある場合、グループIDの12ビットは、該ステーションのAIDの下位11ビットに2046を加算したものである。ここで、グループ2に対応するグループIDは、十進法で2+2046=2048であり、
グループ3に複数のステーションが含まれる場合、そのうちの1つのステーション、例えばステーション3(AIDは3である)を選択してもよく、グループIDの12ビットは、該ステーションのAID=3の下位11ビットに2046を加算したものである。ここで、グループ3に対応するグループIDは、十進法で3+2046=2049である。
【0054】
グループに、例えば、ステーション1、ステーション2、及び、ステーション3のような複数のステーションが含まれる場合、グループIDは、複数の参与ステーションのAIDを連結して形成してよい。例えば、グループIDの下位4ビットをステーション1のAIDの下位4ビットとし、グループIDの中位4ビットをステーション2のAIDの下位4ビットとし、グループIDの上位4ビットをステーション3のAIDの下位4ビットとし、さらに、2046を加算することにより、最終的なグループIDを取得する。
【0055】
(2)グループIDフィールドにおいて、一部のビットを、グループに参与する1つ又は複数のステーションのAIDと関連付けたものとし、残りのビットをAP自身が定義するようにしてよい。例えば、グループIDの12ビットのうちの下位8ビットは、ステーション3のAIDの下位8ビットであってもよく、グループIDにおける上位4ビットは、AP自身による定義で割り当ててもよく、例えば、異なるRTAサービスに応じて区分を割り当てる。
【0056】
説明すべきものとして、グループIDの値は、2046~4095の間にあり、かつ、2046及び4095を含まない。
【0057】
本願の一実施例において、図9に示すように、トリガフレームは、複数の装置グループのアクセスをトリガすることができる。この時、グループ数フィールドにより指示される値は3であり、グループ指示フィールドには、3つのグループIDフィールドが含まれる。これらの3つのグループIDフィールドは、例えば、それぞれ、グループ3、グループ2、及び、グループ4を指示するものであってよい。図9に示すように、グループ3、グループ2、及び、グループ4をそれぞれ指示するグループIDフィールドのグループ指示フィールドでの並び順に基づいて、チャネルアクセス順がグループ3、グループ2、及び、グループ4の順であることを決定することができる。ここで、グループ3における各ステーションから送信されたデータフレームは、トリガフレームに基づくPPDUであり、グループ2における各ステーションは、グループ3における各ステーションからの送信が完了した後に、データ伝送過程を開始し、グループ4における各ステーションは、グループ2における各ステーションからの送信が完了した後に、データ伝送過程を開始する。具体的なデータやり取りのフローについて、図10に示すように、APがトリガフレーム(該トリガフレームにより指示されるグループ数は3である)を送信してから、短フレーム間隔(SIFS:Short interframe space)が経過した後で、トリガフレームにより指示されるグループ3におけるSTA1、STA2、及び、STA3が、先にPPDUを送信し、グループ3における各ステーションからの送信が完了してから、SIFSが経過した後で、グループ2におけるSTA2がPPDUを送信し、グループ2における各ステーションからの送信が完了してから、SIFSが経過した後で、グループ4におけるSTA4がPPDUを送信する。最後に、APは、各グループにおけるSTAから送信されたPPDUを受信した後、マルチステーション返信を行う。
【0058】
図9に示す実施例において、トリガフレームは、複数の装置グループのアクセスをトリガすることができるため、アクセスポイントは、トリガフレームの前に、グループID=3、2、4の設定情報を、トリガされるSTAに送信すべきである。ここで、グループID=3の場合、設定情報のエレメント(Element)におけるユーザ情報リストには、3つのユーザ情報フィールドが含まれ、グループID=2又は4の場合、いずれも、設定情報のElementにおけるユーザ情報リストには、1つのユーザ情報フィールドのみが含まれる。
【0059】
本願の一実施例において、トリガフレームは、グループ情報を指示することに加えて、データ伝送を行うステーションの情報を指示することもできる。具体的には、図11に示すように、トリガフレームの「トリガタイプ」フィールドの値は、9に設定してよい(上記の実施例における8と区別して、802.11axにおけるトリガフレームの「トリガタイプ」フィールドの予約値である)。ここで、グループ指示フィールドには、「グループ数」及び指示される「グループID」フィールドに加えて、「ユーザ情報リスト(User Info List)」フィールドが含まれてもよい。「グループ数」フィールド及び「グループID」フィールドの定義及び関連説明は、上記の実施例の構成を参照されたい。ここで、「ユーザ情報リスト(User Info List)」フィールドは、グループIDにおける使用されていない帯域幅を使用して、他のステーションが、トリガフレームに基づくPPDU(即ち、TB PPDU)を送信することをトリガすることができる。
【0060】
本願の一実施例において、「ユーザ情報リスト(User Info List)」フィールドには、1つ又は複数の「User Info」フィールドが含まれる。該User InfoにおけるB39予約ビットを利用して、次のフィールドがUser Infoであるか否かを指示することができる。例えば、B39=1の場合、次のフィールドもUser Infoであることを指示し、B39=0の場合、次のフィールドがUser Infoではないことを指示する。
【0061】
本願の一実施例において、「グループ指示」フィールドに含まれる「ユーザ情報リスト(User Info List)」フィールドに対応するSTAは、直前のグループIDに対応するSTAと共にPPDUを送信することができる。具体的には、図12に示すように、APがトリガフレーム(該トリガフレームはグループ情報を指示する)を送信してから、SIFSが経過した後で、トリガフレームにより指示されるグループ3におけるSTA1、STA2、及び、STA3、並びに、「グループ指示」フィールドにおけるグループID=3の直後のユーザ情報リストフィールドにより指示されるSTA4及びSTA5が、先にPPDUを送信し、STA1、STA2、STA3、STA4、及び、STA5からの送信が完了してから、SIFSが経過した後で、グループ2におけるSTA2、及び、「グループ指示」フィールドにおけるグループID=2の直後のユーザ情報リストフィールドにより指示されるSTA4が、PPDUを送信し、STA2及びSTA4からの送信が完了してから、SIFSが経過した後で、グループ4におけるSTA4が、PPDUを送信する。最後に、APは、各グループにおけるSTAから送信されたPPDUを受信した後で、マルチステーション返信を行う。
【0062】
本願の上記の実施例の構成では、グループ指示情報によって、静的な上りデータフレーム送信のスケジューリングを実現することができ、シグナリングオーバーヘッドが低減され、具体的には、トリガフレームにおけるcommon info及びuser infoフィールドの指示情報を静的化して、グループ情報として固定し、さらに、新たなトリガフレームにグループ指示情報のみを付し、トリガされるステーションの指示、及び、関連する帯域幅リソース割当、送信電力指示、などを完成することができる。また、1つのトリガフレームは、複数回のTB PPDUの送信をトリガすることができ、シグナリングオーバーヘッドがさらに低減されるとともに、RTAサービスの要求がより満たされる。
【0063】
以下に、本願の装置の実施例を説明する。この装置は、本願の上記の実施例における通信方法を実行するために用いられてよい。本願の装置の実施例に開示されていない詳細事項については、本願の上記の通信方法の実施例を参照されたい。
【0064】
図13は、本願の一実施例による通信装置のブロック図を示しており、該通信装置は、アクセスポイント装置内に設置されてよい。
【0065】
図13に示すように、本願の一実施例による通信装置1300は、生成ユニット1302と、送信ユニット1304と、を含む。
【0066】
ここで、生成ユニット1302は、第1メッセージフレームを生成し、前記第1メッセージフレームには、アクセス装置のグループ指示情報が含まれ、前記グループ指示情報が、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの情報を指示するものである。送信ユニット1304は、前記グループ指示情報により指示される装置グループがデータ伝送を行うことをトリガするように、前記第1メッセージフレームを送信する。
【0067】
本願のいくつかの実施例においては、上記した構成に基づいて、前記グループ指示情報に、第1フィールドと、少なくとも1つの第2フィールドとが含まれる。前記第1フィールドは、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの数を指示するものであり、前記数は、前記第2フィールドの数と同じである。前記第2フィールドは、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う装置グループの識別情報を指示するものである。
【0068】
本願のいくつかの実施例において、上記の構成に基づいて、前記グループ指示情報に含まれる各第2フィールドの前記グループ指示情報での並び順は、前記各第2フィールドにより指示される装置グループのチャネルアクセス順を示す。
【0069】
本願のいくつかの実施例において、上記の構成に基づいて、生成ユニット1302は、さらに、第2メッセージフレームを生成し、前記第2メッセージフレームには、装置グループの識別情報と、前記装置グループにおける各装置のリソース割当情報とが含まれる。送信ユニット1304は、さらに、前記第1メッセージフレームを送信する前に、前記第2メッセージフレームを、前記装置グループにおける各装置に送信する。
【0070】
本願のいくつかの実施例において、上記した構成に基づいて、生成ユニット1302は、さらに、前記装置グループに含まれる各装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成する。
【0071】
本願のいくつかの実施例において、上記した構成に基づき、生成ユニット1302は、前記装置グループに1つ又は複数の装置が含まれる場合には、前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成し、前記装置グループに少なくとも2つの装置が含まれる場合には、前記少なくとも2つの装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成する、ように構成されている。
【0072】
本願のいくつかの実施例において、上記した構成に基づき、生成ユニット1302は、前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成する過程が、前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子の一部のビットの値を、前記装置グループの識別情報の各ビットの値とするステップ、又は、前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子の一部のビットの値を、前記装置グループの識別情報の一部のビットの値とするステップ、又は、前記装置グループにおける1つの装置の関連識別子の一部のビットの値と設定値とを演算した値に基づいて、前記装置グループの識別情報の各ビットの値を設定するステップ、を含むように構成されている。
【0073】
本願のいくつかの実施例において、上記の構成に基づき、生成ユニット1302は、前記少なくとも2つの装置の関連識別子に基づいて、前記装置グループの識別情報を生成する過程が、前記少なくとも2つの装置の関連識別子における一部のビットを連結することにより、前記装置グループの識別情報における各ビットを取得するステップを含むように構成されている。
【0074】
本願のいくつかの実施例において、上記の構成に基づき、前記第1メッセージフレームは、トリガフレームであり、前記グループ指示情報は、前記トリガフレームにおける装置情報フィールドを使用する。
【0075】
本願のいくつかの実施例において、上記の構成に基づき、前記第1メッセージフレームには、トリガタイプフィールドがさらに含まれ、前記トリガタイプフィールドは、前記第1メッセージフレームのタイプを指示するものである。前記第1メッセージフレームがトリガフレームである場合、前記トリガタイプフィールドとしては、前記トリガフレームにおける共通情報フィールドを使用する。
【0076】
本願のいくつかの実施例において、上記の構成に基づき、前記グループ指示情報には、少なくとも1つの第3フィールドがさらに含まれ、前記第3フィールドの値は、前記第1メッセージフレームの送信後にデータ伝送を行う少なくとも1つの装置の情報を指示するものである。
【0077】
本願のいくつかの実施例において、上記の構成に基づき、前記第3フィールドにより指示される少なくとも1つの装置と、前記第3フィールドの直前の第2フィールドにより指示される装置グループにおける装置とは、データ伝送時に同じチャネルアクセス順を有する。
【0078】
本願のいくつかの実施例において、上記の構成に基づき、前記第3フィールドには、少なくとも1つの装置情報フィールドが含まれ、各前記装置情報フィールドそれぞれは、1つの装置のリソース割当情報を指示するものである。各前記装置情報フィールドそれぞれには、所定のビットが含まれ、前記所定のビットの値は、次のフィールドが前記装置情報フィールドであるか否かを示す。
【0079】
図14は、本願の実施例を実現することに好適な電子機器のコンピュータシステムの構成の模式図を示す。
【0080】
説明すべきものとして、図14に示される電子機器のコンピュータシステム1400は、単なる一例であり、本願の実施例の機能及び使用範囲について、何ら制限をもたらすものではない。
【0081】
図14に示すように、コンピュータシステム1400は、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)1401を含み、CPU1401は、読み出し専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)1402に記憶されたプログラム、又は、記憶部1408からランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)1403にロードされたプログラムに基づいて、各種の適当な動作及び処理、例えば、上記実施例における方法を実行することができる。RAM1403には、システム動作に必要な各種のプログラム及びデータが、さらに、含まれる。CPU1401、ROM1402、及びRAM1403は、バス1404を介して互いに接続されている。入力/出力(I/O:Input/Output)インタフェース1405も、また、バス1404に接続されている。
【0082】
I/Oインタフェース1405には、キーボード、マウスなどを含む入力部1406と、例えば、ブラウン管(CRT:Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)など、及び、スピーカーなどを含む出力部1407と、ハードディスクなどを含む記憶部1408と、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)カード、モデムなどのネットワークインタフェースカードを含む通信部1409と、が接続される。通信部1409は、インターネットのようなネットワークを介して、通信処理を実行する。ドライバー1410も、また、必要に応じて、I/Oインタフェース1405に接続される。例えば、磁気ディスク、光ディスク、磁気光学ディスク、半導体メモリなどの取り外し可能な媒体1411は、必要に応じて、ドライバー1410に取り付けられる。これにより、取り外し可能な媒体1411から読み取られたコンピュータプログラムが、必要に応じて、記憶部1408にインストールされる。
【0083】
特に、本願の実施例によれば、上記のフローチャートを参照して説明される過程は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現されてよい。例えば、本願の実施例は、コンピュータ読み取り可能な媒体に搭載されたコンピュータプログラムが含まれる、コンピュータプログラム製品を含み、該コンピュータプログラムには、フローチャートに示される方法を実行するためのコンピュータプログラムが含まれる。このような実施例において、該コンピュータプログラムは、通信部1409によって、ネットワークからダウンロード及びインストールされ、かつ/あるいは、取り外し可能な媒体1411からインストールされてもよい。該コンピュータプログラムが中央処理装置(CPU)1401によって実行されると、本願のシステムで限定された各種の機能が実行される。
【0084】
説明すべきものとして、本願の実施例に示されるコンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ読み取り可能な信号媒体又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、あるいは、上記の両者の任意の組み合わせであってよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば、電気、磁気、光、電磁気、赤外線、又は半導体のシステム、装置、又は、デバイス、あるいは、上記の任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体のより具体的な例は、1つ又は複数の導線を有する電気接続、ポータブルコンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM:Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM:Compact Disc Read-Only Memory)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、あるいは、上記の任意の適切な組み合わせを含んでよいが、これらに限定されない。本願では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プログラムを含み、又は、記憶した任意の有形の媒体であってよく、該プログラムは、命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用されるか、あるいは、これらと組み合わせて使用されてもよい。一方、本願では、コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、ベースバンドで、又は、キャリアの一部として、伝搬されるデータ信号を含んでよく、該データ信号には、コンピュータ読み取り可能なコンピュータプログラムが搭載される。このような伝搬されるデータ信号は、電磁気信号、光信号、又は、上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない様々な形態をとることができる。コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってよく、該コンピュータ読み取り可能な媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用されるか、あるいは、これらと組み合わせて使用されるためのプログラムを送信、伝搬、又は伝送することができる。コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれるコンピュータプログラムは、無線、有線など、又は、上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない任意の適切な媒体で伝送されてもよい。
【0085】
図面中のフローチャート及びブロック図は、本願の各種の実施例によるシステム、方法、及び、コンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能、及び、動作を図示している。ここで、フローチャート又はブロック図における各ブロックは、モジュール、プログラムセグメント、又は、コードの一部を表すことができ、上記モジュール、プログラムセグメント、又は、コードの一部には、所定の論理機能を実現するための1つ又は複数の実行可能命令が含まれる。別の注意すべきものとして、代替としてのいくつかの実現では、ブロックに記載された機能は、図面に記載された順序とは異なる順序で行われてよい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、基本的に並行して実行される場合があり、関連する機能によっては、逆の順序で実行される場合もある。別の注意すべきものとして、ブロック図又はフローチャートにおける各ブロック、及び、ブロック図又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は動作を実行するための専用のハードウェアに基づくシステムで実現されてよく、あるいは、専用ハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせで実現されてもよい。
【0086】
本願の実施例の説明に係るユニットは、ソフトウェアの形で実現されてよく、ハードウェアの形で実現されてもよく、説明されたユニットは、プロセッサに設置されてもよい。ここで、これらのユニットの名称は、ある場合には該ユニット自体を限定するものではない。
【0087】
別の態様として、本願では、コンピュータ読み取り可能な媒体も提供されており、該コンピュータ読み取り可能な媒体は、上記実施例で説明された電子機器に含まれるものであってよいし、該電子機器に組み込まれることなく単独で存在するものであってもよい。上記コンピュータ読み取り可能な媒体には、1つ又は複数のプログラムが搭載され、上記1つ又は複数のプログラムは、該電子機器によって実行されると、該電子機器に、上記実施例に記載の方法を実現させる。
【0088】
注意すべきものとして、上記の詳細な説明では、動作を実行するための機器の若干のモジュール又はユニットが言及されているが、このような分割は強制的ではない。実際には、本願の実施形態によれば、上記した2つ以上のモジュール又はユニットの特徴及び機能は、1つのモジュール又はユニットに具体化されてよい。逆に、上記した1つのモジュール又はユニットの特徴及び機能は、複数のモジュール又はユニットによって具体化されるように、さらに分割されてもよい。
【0089】
上記の実施形態の説明によれば、当業者にとって容易に理解されるように、ここで説明された例示的な実施形態は、ソフトウェアによって実現されてよいし、ソフトウェアと必要なハードウェアとの組み合わせによって実現されてもよい。このため、本願の実施形態による構成は、ソフトウェア製品の形で具現されてもよい。該ソフトウェア製品は、不揮発性記憶媒体(CD-ROM、Uディスク、モバイルハードディスク、などであってよい)又はネットワークに記憶されてもよく、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、タッチ端末、又はネットワーク機器、などであってよい)に、本願の実施形態による方法を実行させる若干の命令を含む。
【0090】
当業者は、明細書を考慮して、ここで開示された実施形態を実施した後に、本願の他の実施形態を容易に想到し得る。本願は、本願の任意の変形、用途、又は適応的な変更が包括されることを趣旨とする。これらの変形、用途、又は適応的な変更は、本願の一般的な原理に従い、本願に開示されていない本技術分野における技術常識又は慣用の技術的手段を含む。
【0091】
理解すべきものとして、本願は、上記で説明されて図面に示された精確な構成に限定されるものではなく、その範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更が可能である。本願の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】