(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】トルクおよび/または力伝達マシンパーツ間での取り付け用の測定システム
(51)【国際特許分類】
G01L 3/14 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
G01L3/14 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021553787
(86)(22)【出願日】2020-02-25
(85)【翻訳文提出日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 AT2020060051
(87)【国際公開番号】W WO2020181306
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507116592
【氏名又は名称】ピエツォクリスト・アドヴァンスト・ゼンゾリクス・ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】シュリッカー,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヒルシュラー,ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ドライジープナー,フランツ
(72)【発明者】
【氏名】ゲルストル,エリック
(57)【要約】
本発明は、トルクおよび/または力伝達マシンパーツ間での取り付けに適した実質的に平行なカバー表面(2)を備える平坦な測定素子レセプタクル(1)と、少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)と、を備える測定システムに関し、前記測定素子(10)は、前記測定素子レセプタクル(1)の貫通開口部(3)に配置される。本発明に依れば、前記少なくとも一つの測定素子(10)は前記貫通開口部(3)に所定の遊びをもって機械的に固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクおよび/または力伝達マシンパーツ間での取り付けに適した実質的に平行なカバー表面(2)を備える平坦な測定素子レセプタクル(1)と、少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)と、を備える測定システムであつて、
前記圧電測定素子(10,20)は、前記測定素子レセプタクル(1)の貫通開口部(3)に配置されるものにおいて、
前記少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)は前記貫通開口部(3)に所定の遊びをもって機械的に固定されることを特徴とする測定システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)は、その周面(11)に、前記貫通開口部(3)の周壁(4)上の対応の構造において、前記カバー表面(2)に平行および/または前記カバー表面(2)に垂直な少なくとも1つの空間方向において遊びをもって係合する構造を有している請求項1の測定システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)の周面(11)に少なくとも一つのバネ部材(6)を受け入れる環状溝(13)が形成され、ここで、前記バネ部材(6)は、前記貫通開口部(3)の周壁(4)の環状溝(5)に係入する請求項1又は2の測定システム。
【請求項4】
前記バネ部材(6)は、片側が開放された環状バネとして構成されている請求項3に記載の測定システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)上に、前記貫通開口部(3)の環状溝(5)に係合する周部ウェブ(14)が形成され、ここで、前記環状溝(5)は、一方においては、ベース部(7)によって、他方においては、当該ベース部(7)に挿入可能な前記測定素子レセプタクル(1)のカバー(8)によって、画定されている請求項1又は2の測定システム。
【請求項6】
前記少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)は、前記測定素子レセプタクル(1)の面平行な前記カバー表面(2)に対して垂直な方向から見て、貫通開口部(15)を備える円形に閉じられている或いは円形環状構成である請求項1~5の何れか一項に記載の測定システム。
【請求項7】
前記測定素子レセプタクル(1)の少なくとも一つの前記貫通開口部(3)は、長穴(23)として構成されている請求項1~6の何れか一項に記載の測定システム。
【請求項8】
複数の圧電測定素子(10,20)が、環状測定素子レセプタクル(1)において、好ましくは、周方向で等間隔で配置されている請求項1~7の何れか一項に記載の測定システム。
【請求項9】
複数の圧電測定素子(10,20)が、力測定プレートの所定位置に配置されている請求項1~7の何れか一項に記載の測定システム。
【請求項10】
前記測定素子レセプタクル(1)は、ベース部(7)と当該ベース部(7)に挿入可能なカバー(8)とを含み、ここで、前記圧電測定素子(10,20)の電気接触用の凹部(9)が、前記個々の圧電測定素子(10,20)の位置から始まって前記ベース部(7)に形成されている請求項8又は9の測定システム。
【請求項11】
前記測定素子レセプタクル(1)は、スチール、アルミニウム、アルミニウム合金又はプラスチックから成る請求項1~10の何れか一項に記載の測定システム。
【請求項12】
平行な力導入境界表面(12)と周部表面(11)とを備え、前記力導入境界表面(12)間に配置された圧電測定素子ディスク(19)を有する圧電測定素子(10,20)であって、前記圧電測定素子(10,20)の前記周部表面(11)が、前記圧電測定素子(10,20)が測定素子レセプタクル(1)に遊びを持って機械的に固定可能な構造を有することを特徴とする測定素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクおよび/または力伝達マシンパーツ間での取り付けに適した実質的に平行なカバー表面を備える平坦な測定素子レセプタクルと、少なくとも一つの圧電測定素子と、を備える測定システムに関し、前記測定素子は、前記測定素子レセプタクルの貫通開口部に配置される。更に、本発明は、平行な力導入境界面と周部面とを備える測定素子と、前記境界面間に配置された圧電測定素子ディスクを有する測定素子に関する。
【背景技術】
【0002】
圧電センサ又は複数の測定素子を備える測定システムの測定タスクは、二つのマシンパーツ間のモーメントと横力の測定である。前記マシンパーツの各々は、例えば測定されるポイントにフランジを有しうる。前記測定システムは、その測定システムの全体の高さを埋め合わせるための、例えばシャフトアセンブリにおける追加的な機械的調節を理想的に無くすることができるように、全体的な低い高さで可能な限り平坦に設計される必要がある。前記システムの個々の測定素子は、その組付けが容易になり、それらの互いに対する位置がその後の評価のために既知となるように、測定タスクのための位置において固定されなければならない。前記測定素子は、例えば隣接するフランジのクランプネジを介して、前記二つのマシンパーツ間に機械的にクランプされる。
【0003】
この点に関して、平坦な薄ディスク状の力センサが、特許文献1(欧州登録特許第0 459 068号明細書)から知られており、その取り付け高さは、通常の標準化されたワッシャの高さに対応しており、これによって、それは、そのためにはワッシャとの交換が必要な、ボルト力の動的な力測定のために使用可能となっている。これによって、取り付け環境の機械的処理無く取り付けが可能とされる。取り付けられた圧電ワッシャを破壊しないためには、総ボルト力の一部の力のみを測定し、破壊のリスクを排除する径を有する測定素子が使用される。既存のギャップバネ層の影響を抑制するために、前記測定素子は、高い機械的プリテンションでセンサホルダ内に溶接される。その後、前記表面を研磨し、場合によっては、ラッピングする。その後、前記測定素子の表面を、それらの力測定コンポーネントを増加させるために蒸着層によってコーティングしなければならない。測定素子レセプタクルに測定素子を溶接によって接続することによって測定素子に外乱変数が導入されることが大きな欠点である。更に、測定素子への溶接に適した材料はわずかしかないため、前記測定素子又はセンサホルダに対する材料の選択が限定される。
【0004】
又、マシンパーツに対して作用する力とトルクを測定するための装置が特許文献2(独国特許発明第43 40 670号明細書)から知られている。圧電圧力測定素子が、二つのマシンパーツ間に配置された中間プレートの対応の貫通穴に配置されている。前記測定素子は、軟質で恒久的弾性を有するキャスティングコンパウンドの中間プレートの対応のそれらよりも大きなボア内に配置されている。高さの差を埋め合わせるために、前記測定素子の上と下とに面平行なアダプタディスクが追加的に提供されている。キャスティングコンパウンドが塗布され、アダプタワッシャが取り付けられた後に、前記中間プレートのその両面全体を研磨する必要があることで測定装置の製造に時間がかかることが欠点である。更に、前記キャスティングコンパウンドによって測定素子に対して外乱変数が導入される可能性も除外することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州登録特許第0 459 068号明細書
【特許文献2】独国特許発明第43 40 670号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、測定素子レセプタクル内に保持された上述したタイプの少なくとも一つの測定素子を備える平坦な測定システムを、前記測定素子が所定位置に保持されるように構成し、異なる熱膨張によって引き起こされる外乱変数の導入と、隣接するマシンパーツの凹凸および位置の公差が大幅に回避されるように改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に依れば、これは、前記少なくとも一つの測定素子を、前記測定素子レセプタクルの貫通開口部に所定の遊びをもって機械的に固定することによって達成される。
【0008】
前記フロート取り付けによって、隣接するマシンパーツの凹凸及び位置公差が埋め合わせられる。このような測定システムの前記単数または複数の測定素子は、前記測定素子レセプタクルに対して、溶接や弾性キャスティングコンパウンドによる接着接続によって接続されるのではなく、前記貫通開口部にフローティング的に取り付けられ(すなわち、すべての空間方向において十分な遊びをもって位置固定される)、これにより、測定素子に外乱的な保持力が散在することが出来なくなる。小さなコンポーネント間の違いは、測定素子と測定素子レセプタクルとの間の既存のクリアランスによって埋め合わせることができる。
【0009】
測定素子との溶接がないので、測定素子レセプタクル用として、スチール、アルミニウム、様々なアルミ合金、或いは、プラスチックといった様々な材料を使用することが可能である。
【0010】
圧電測定素子は、必ずしも隣接マシンパーツと同じ材料から形成される必要はない。熱膨張率の違いによる悪影響を低減するためには、前記測定素子レセプタクルを、隣接マシンパーツと同じ材料から製造することが有利である。
【0011】
本発明に依れば、前記少なくとも一つの測定素子は、その周面に、前記貫通開口部の周壁上の対応の構造において、異なる複数の可変実施例(embodiment variants)が使用される場合には、前記カバー表面に対して平行な、および/または、前記測定素子レセプタクルのカバー表面に対して垂直な、少なくとも一つの空間方向において、遊びをもって係合する構造、を有している。
【0012】
本発明の第1の可変実施例によれば、前記少なくとも一つの測定素子の周面に少なくとも一つのバネ部材を受け入れる環状溝が形成され、ここで、前記バネ部材は、前記貫通開口部の前記周壁の環状溝に係入する。これによって、前記測定システムの製造が大幅に単純化される。特定の測定状況に適合された測定素子レセプタクル、例えばシャフトアセンブリのフランジに適合された、薄い環状の測定素子レセプタクルを、3Dプリンティング又はCNCミリングによって作るだけでよく、その後、個々の測定素子を、環状穴にクリップ止めすることができる。
【0013】
本発明の別の有利な可変例において、前記少なくとも一つの測定素子上に、前記貫通開口部の環状溝に係合する周部ウェブが形成され、ここで、前記環状溝は、一方においては、ベース部によって、他方においては、当該ベース部内に挿入可能な前記測定素子レセプタクルのカバーによって、画定されている。前記測定システムを組み付ける時、個々の測定素子は、前記貫通開口部に対してわずかな遊びをもって前記測定素子レセプタクルに挿入され、前記カバーが固定された後で、ケーブル配線が、前記ベース部に挿入され、遊びとをもって機械的に固定される。
【0014】
本発明の特に有利な可変実施例によれば、前記測定素子レセプタクルの少なくとも一つの貫通開口部を長穴として構成することができる。測定素子レセプタクルにおける長穴と円形貫通開口部との組み合わせによって、前記フロート取り付けにも関わらず、高い位置決め精度を達成することが可能となる。
【0015】
このように、本発明による測定素子は、当該測定素子の周表面が、それによって、この測定素子を、測定素子レセプタクルにおいて遊びをもって機械的に固定することが可能となる、構造を有することを特徴とする。
【0016】
以下、例示的実施例を参照して本発明についてより詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】環状測定素子レセプタクルに配置された複数の測定素子を備える本発明による測定システムを示す平面図である。
【
図2】測定システムのひとつの測定素子の領域を拡大した詳細な分解図である。
【
図3】
図1のIII-III線に沿った取り付け位置にある測定素子を示した断面図である。
【
図4】
図3の断面図の測定素子の可変実施例を示した図である。
【
図5】カバー無しで、測定素子レセプタクルのベース部を三次元的に示した図である。
【
図6】本発明による測定システムの可変実施例の詳細を示した分解図である。
【
図7】前記測定素子レセプタクルの貫通開口部(長穴)の詳細を示した図である。
【
図8】測定素子が挿入された状態の
図7の貫通開口部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
複数の可変実施例において機能が同じ部材には、同じ参照符号が付されている。
【0019】
図1-3に図示されている本発明による測定システムの第1実施例は、面平行カバー表面2を備える薄く平坦な測定素子レセプタクル1を有し、これは環状であって、トルクおよび/または力伝達マシンパーツ(図外)間に取り付けることができる。図示の例においては、6個の測定素子10が、所望の測定ポイントにおいて前記測定素子レセプタクル1の対応の貫通開口部3に周方向で均等間隔で配置されており、これらは、前記測定素子レセプタクル1に、フローティング状に取り付けられている、すなわち、所定の遊びをもって、機械的に固定されている。
【0020】
この目的のために、前記環状測定素子10のそれぞれは、その外周面11に、前記貫通開口部3の周壁4上の対応の構造において前記測定素子レセプタクル1の前記カバー表面2に対して平行および/または垂直な少なくとも一つの空間方向において遊びをもって係合する構造を有している。
【0021】
図1-3に図示されている例においては、各測定素子10の周面11に環状溝13が形成され、これは、少なくとも一つのバネ部材6を受け入れ、ここで、このバネ部材6は、前記貫通開口部3の前記周壁4の環状溝5に係合する。
【0022】
前記測定素子10を、前記測定素子レセプタクル1に取り付ける時、例えば片側が開放された環状バネとして構成される、前記バネ部材6を、先ず、前記測定素子レセプタクル1の前記環状溝5に挿入し、前記測定素子10が前記貫通開口部3とスナップ係合可能となるように補助手段(例えばマンドレル)によって押し広げ、その後、前記環状バネが、測定素子10の前記環状溝13に係合する(
図3を参照)。
【0023】
前記測定素子レセプタクル1の環状溝5の深さは、前記測定素子10が取り付けられる時に、前記環状バネ6の全体を収納するのに十分なものである。更に、前記環状溝5の幅は、前記環状バネ6の幅よりもわずかに大きく、これによって、測定素子レセプタクル1の前記カバー表面2に対して垂直な方向において、0.01mmないし0.5mmの遊びを設定することが可能である。
【0024】
更に、前記測定素子10の外径は、前記貫通開口部3の直径よりもわずかに小さく、これによって、測定素子レセプタクル1の前記カバー表面2に対して平行なすべての方向において、0.01mmないし0.5mmの遊びを設定することが可能である。
【0025】
前記測定素子10の力導入境界表面12は、前記測定素子レセプタクル1の前記面平行カバー表面2よりも、わずかに、例えば>0.01mm突出しており、これによって、測定素子レセプタクル1による摂動フォースシャント(disturbing force shunt)無しで、測定素子10との直接的な摩擦接触が確保される。
【0026】
図1-3の円形測定素子10は、それらによって、隣接するマシンパーツ、例えばシャフトアセンブリのフランジ、をネジ止めすることが可能な(図外)ネジ又は固定手段を収納可能な中央貫通開口部15を有している。
【0027】
図3の断面図において、前記測定素子10は、例えば2mmないし6mmの、全体として高さの低い、その二つのハウジング半部分17,18が二つの測定素子ディスク19を収納する、非対称円形リングセンサとして図示されている。但し、その他の円形リングセンサ、更には、貫通穴を持たない円形測定素子20も使用可能である(
図6を参照)。
【0028】
更に、前記測定素子10は、二つ以上の測定素子ディスク19と、好ましくは一つの接続ケーブルにまとめられる複数の信号出力部、とを備えることも可能であり、これにより、同じ測定場所において一つの測定素子10によって、異なる測定値(例えば圧力又は力測定とトルク測定)を同時に行うことが可能である。一つの測定位置において複数の測定タスクを実行するために、二つの測定素子10を、一つの貫通開口部3に、互いに上下に配置することも可能である。
【0029】
前記測定素子レセプタクル1は、ベース部7と、このベース部7に挿入可能なカバー8とを有し、前記ベース部7には、測定素子10の電気接点16のために、個々の測定素子10から始まって、複数の凹部9が配置されている。前記測定素子10の個々の信号線がひとまとめにされて、前記円形測定素子レセプタクル1の外周にコネクタ部材21を形成する。
【0030】
図4の実施例に図示の測定システムでは、測定素子10に周部ウェブ14が形成され、これが測定素子レセプタクル1の前記貫通開口部3の環状溝5に係合し、ここで、前記環状溝5は一方ではベース部7によって、そして他方では、このベース部7に挿入可能な測定素子レセプタクル1のカバー8によって画定されている。前記測定素子10の力導入境界表面12も、この可変例では測定素子レセプタクル1の前記面平行カバー表面2を超えてわずかに突出し、これによって、測定素子レセプタクル1を通る摂動フォースシャント無しで、測定素子10との直接的な摩擦接続での測定を行うことが可能とされている。
【0031】
前記環状溝5の幅は、前記周部ウェブ14の幅よりもわずかに大きく、これにより、測定素子レセプタクル1のカバー表面2に対して垂直な方向に、0.01mmないし0.5mmの範囲の遊びを設定することが可能である。
【0032】
更に、本発明のこの可変例においても、前記測定素子10(中央貫通開口部15有り)または20(貫通開口部無し)の直径は、前記貫通開口部3の直径よりもわずかに小さい。更に、前記周部ウェブ14は、前記周部溝5の溝ベースから一定の距離を維持し、これによって、前記測定素子レセプタクル1のカバー表面2に対して平行なすべての方向において、0.01mmないし0.5mmの範囲の遊びを設定することが可能である。
【0033】
図5においては、前記2パート式測定素子レセプタクル1のベース部7が、カバー8無しで、更に測定素子10も無しで図示されており、ここでは、前記貫通開口部3と凹部9とに加えて、測定システムの位置を固定するための位置決めピンのための開口部22も設けられている。
【0034】
前記測定素子レセプタクル1に遊びをもって挿入された測定素子10又は20は、測定素子レセプタクル1の面平行カバー表面2に対して垂直な方向から見て、円形に閉じられている(
図6を参照)か、もしくは、貫通開口部15を備える円形環状(
図2を参照)に見える。
【0035】
図6は、閉じられた力導入境界表面12を有し、カバー8の挿入後に、遊びをもって前記測定部材20を位置保持するカラー又は周部ウェブ14を備える測定素子20を有する本発明の可変実施例を図示している。その取り付け状況が
図4の断面図に図示されている。
【0036】
図7及び8に概略図示される本発明の可変実施例においては、前記測定素子レセプタクル1の少なくとも一つの貫通開口部3は、長穴23として構成されている。従って、本変形例においては、この長穴23の長径Dの方向において数ミリの範囲の増大された遊びが利用可能となる。測定素子レセプタクル1の個々又はすべての測定素子10に対して、これによって前記長穴23の長さとアラインメントによって規定される個々の、又は全部の測定素子10の非対称位置公差を提供することが可能である。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクおよび/または力伝達マシンパーツ間での取り付けに適した実質的に平行なカバー表面(2)を備える平坦な測定素子レセプタクル(1)と、少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)と、を備える測定システムであつて、
前記圧電測定素子(10,20)は、前記測定素子レセプタクル(1)の貫通開口部(3)に配置されるものにおいて、
前記少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)は
、前記少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)が、その周面(11)に、前記貫通開口部(3)の周壁(4)上の対応の構造において、前記カバー表面(2)に平行および/または前記カバー表面(2)に垂直な少なくとも1つの空間方向において遊びをもって係合する構造を有しているように、前記貫通開口部(3)に所定の遊びをもって機械的に固定されることを特徴とする測定システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)の周面(11)に少なくとも一つのバネ部材(6)を受け入れる環状溝(13)が形成され、ここで、前記バネ部材(6)は、前記貫通開口部(3)の周壁(4)の環状溝(5)に係入する請求項
1の測定システム。
【請求項3】
前記バネ部材(6)は、片側が開放された環状バネとして構成されている請求項
2に記載の測定システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)上に、前記貫通開口部(3)の環状溝(5)に係合する周部ウェブ(14)が形成され、ここで、前記環状溝(5)は、一方においては、ベース部(7)によって、他方においては、当該ベース部(7)に挿入可能な前記測定素子レセプタクル(1)のカバー(8)によって、画定されている請求項
1の測定システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つの圧電測定素子(10,20)は、前記測定素子レセプタクル(1)の面平行な前記カバー表面(2)に対して垂直な方向から見て、貫通開口部(15)を備える円形に閉じられている或いは円形環状構成である請求項1~
4の何れか一項に記載の測定システム。
【請求項6】
前記測定素子レセプタクル(1)の少なくとも一つの前記貫通開口部(3)は、長穴(23)として構成されている請求項1~
5の何れか一項に記載の測定システム。
【請求項7】
複数の圧電測定素子(10,20)が、環状測定素子レセプタクル(1)において、好ましくは、周方向で等間隔で配置されている請求項1~
6の何れか一項に記載の測定システム。
【請求項8】
複数の圧電測定素子(10,20)が、力測定プレートの所定位置に配置されている請求項1~
6の何れか一項に記載の測定システム。
【請求項9】
前記測定素子レセプタクル(1)は、ベース部(7)と当該ベース部(7)に挿入可能なカバー(8)とを含み、ここで、前記圧電測定素子(10,20)の電気接触用の凹部(9)が、前記個々の圧電測定素子(10,20)の位置から始まって前記ベース部(7)に形成されている請求項
7又は8の測定システム。
【請求項10】
前記測定素子レセプタクル(1)は、スチール、アルミニウム、アルミニウム合金又はプラスチックから成る請求項1~
9の何れか一項に記載の測定システム。
【請求項11】
平行な力導入境界表面(12)と周部表面(11)とを備え、前記力導入境界表面(12)間に配置された圧電測定素子ディスク(19)を有する圧電測定素子(10,20)であって、前記圧電測定素子(10,20)の前記周部表面(11)
は、前記圧電測定素子(10,20)の前記周部表面(11)に、貫通開口部(3)の周壁(4)上の対応の構造において、カバー表面(2)に平行および/または前記カバー表面(2)に垂直な少なくとも1つの空間方向において遊びをもって係合する構造を有しているように、前記圧電測定素子(10,20)が測定素子レセプタクル(1)
の前記貫通開口部(3)に遊びを持って機械的に固定可能な構造を有することを特徴とする測定素子。
【国際調査報告】