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特表2022-533929操作手段の少なくとも1つの切換手段の切換を実施する方法及び操作手段の少なくとも1つの切換手段のための駆動システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】操作手段の少なくとも1つの切換手段の切換を実施する方法及び操作手段の少なくとも1つの切換手段のための駆動システム
(51)【国際特許分類】
   H01F 29/04 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
H01F29/04 502K
H01F29/04 501Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566322
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2020061286
(87)【国際公開番号】W WO2020229125
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019112718.1
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035459
【氏名又は名称】マシイネンフアブリーク・ラインハウゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ツァール・エドゥアルト
(72)【発明者】
【氏名】イクスマイアー・クラウス
(72)【発明者】
【氏名】ディットマン・ベンヤミン
(57)【要約】
操作手段20の切換を実施する方法を開示している。この操作手段20は、負荷時タップ切換器であるとすることができる少なくとも一つの第一の切換手段17及び/又は複式切換スイッチ18であるとすることができる少なくとも一つの第二の切換手段18を有する。更に、本発明は、操作手段20の少なくとも第一と第二の切換手段17,18のための駆動システム3を開示している。第一の切換手段17の各々と第二の切換手段18の各々に対して、駆動シャフト16を介して第一の切換手段17と第二の切換手段18の各々と接続された専用のモーター12,13が割り当てられている。第一のモーター12と各第二のモーター13にそれぞれ割り当てられたフィードバックシステム6,7により、第一の切換手段17と第二の切換手段18の各々に関して、少なくとも一つのパラメータを特定することができる。これらの特定されたパラメータは、第一の切換手段17と第二の切換手段18に関するロック条件を決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの操作手段(20)の切換手段(17,18)の切換を実施する方法において、
制御ユニット(10)が切換信号を受信する工程と、
この制御ユニット(10)を用いて、この切換信号に基づき、切換のために、少なくとも1つの切換手段(17,18)を選定する工程と、
少なくとも1つのパラメータに基づき、この選定された切換手段(17,18)に関するロック条件を検査する工程と、
この対応するロック条件が満たされた場合に、この切換手段(17,18)のモーター(12,13)を用いて、この選定された少なくとも1つの切換手段(17,18)を用いた切換を実施する工程と、を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記の制御ユニット(10)において、選定された切換手段(17,18)に関する複数のパラメータが評価され、それにより、選定された切換手段(17,18)が、それに対応するロック条件に基づき必要に応じて制御される、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記の制御ユニット(10)が、第一の切換手段(17)の第一のモーター(12)及び/又は少なくとも1つの第二の切換手段(18)の第二のモーター(13)に割り当てられたフィードバックシステム(6,7)から前記のパラメータを照会する方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法において、
前記のフィードバックシステム(6,7)が、第一のモーター(12)のための駆動シャフト(16)又は第二のモーター(13)のための駆動シャフト(16)に割り当てられている方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法において、
前記の操作手段(20)に割り当てられた動力部(11)が、切換手段(17,18)を操作するために、制御ユニット(10)によって制御されて、この動力部(11)が、特定されたロック条件に応じて、第一のモーター(12)により駆動シャフト(16)を介して第一の切換手段(17)を操作する方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法において、
3つの操作手段(20)が配備されて、これらの操作手段(20)の各々に、1つの動力部(11)が割り当てられており、これらの動力部(11)が、中央制御ユニット(10)によって制御されて、これらの3つの操作手段(20)の第一の切換手段(17)が第一の切換手段グループ(30)に纏められ、これらの3つの操作手段(20)の少なくとも2つの第二の切換手段(18)が第二の切換手段グループ(40)と第三の切換手段グループ(50)に纏められる方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法において、
前記の操作手段が変圧器(20)であり、第一の切換手段が負荷時タップ切換器(17)であり、第二の切換手段が複式切換スイッチ(18)である方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法において、
前記の変圧器(20)に対して、3つの負荷時タップ切換器が第一の切換手段として割り当てられており、切換を実施するために、変圧器(20)に割り当てられた動力部(11)が、制御ユニット(10)によって、3つの負荷時タップ切換器の中の1つを操作するために制御され、この動力部(11)が、切換の実施に応じて、駆動シャフト(16)を介して各負荷時タップ切換器(17)の第一のモーター(12)を操作する方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法において、
前記の変圧器(20)に対して、第一の切換手段として負荷時タップ切換器(17)が割り当てられ、第二と第三の切換手段として、それぞれ複式切換スイッチ(18)が割り当てられており、切換を実施するために、変圧器(20)に割り当てられた動力部(11)が、制御ユニット(10)によって、負荷時タップ切換器(17)と2つの複式切換スイッチ(18)の中の少なくとも1つを操作するために制御され、この動力部(11)が、切換の実施に応じて、駆動シャフト(16)を介して負荷時タップ切換器(17)と接続された第一のモーター(12)と、駆動シャフト(16)を介して2つの複式切換スイッチ(18)の各々と接続された第二のモーター(13)とを操作する方法。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか1項に記載の方法において、
前記の少なくとも1つの負荷時タップ切換器(17)の切換及び/又は少なくとも1つの複式切換スイッチ(18)の切換のためにフィードバックシステム(6,7)によって特定されるパラメータが、各負荷時タップ切換器(17)と複式切換スイッチ(18)の状態又は位置である方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、
前記の切換に必要な負荷時タップ切換器(17)と複式切換スイッチ(18)のフィードバックシステム(6,7)の特定されるパラメータは、負荷時タップ切換器(17)及び/又は複式切換スイッチ(18)が作動されるか否かを表す方法。
【請求項12】
操作手段(20)の少なくとも1つの切換手段(17,18)のための駆動システム(3)において、
駆動シャフト(16)を介して操作手段の第一の切換手段(17)と機械的に連結された第一のモーター(12)と、
少なくとも1つの特定された、制御ユニット(10)において評価されるパラメータに対応するロック条件を満たす第一の切換手段(17)を第一のモーター(12)によって操作するために、動力部(11)と通信接続されている制御ユニット(10)と、を有することを特徴とする駆動システム。
【請求項13】
請求項12に記載の駆動システムにおいて、
この駆動システムが、操作手段(20)の2つの切換手段(17,18)に対して配備されており、
少なくとも1つの第二の切換手段(17,18)と、
駆動シャフト(16)を介して第二の切換手段(18)と機械的に連結された第二のモーター(13)と、
を有し、
前記の制御ユニット(10)が、少なくとも1つの特定された、制御ユニット(10)において評価されるパラメータに対応するロック条件を満たす第二の切換手段(18)を第二のモーター(13)によって操作するために、動力部(11)と通信接続されている、駆動システム。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の駆動システムにおいて、
前記の少なくとも1つの第一の切換手段(17)の少なくとも1つのパラメータと少なくとも1つの第二の切換手段(18)の少なくとも1つのパラメータを特定するために、前記の第一のモーター(12)の各々と第二のモーター(13)の各々に対して、それぞれ1つのフィードバックシステム(6,7)が割り当てられている駆動システム。
【請求項15】
請求項14に記載の駆動システムにおいて、
前記のフィードバックシステム(6,7)が、第一のモーター(12)のための駆動シャフト(16)と第二のモーター(13)のための駆動シャフト(16)に割り当てられている駆動システム。
【請求項16】
請求項12~15のいずれか1項に記載の駆動システムにおいて、
3つの操作手段(20)がそれぞれ1つの駆動システムを備え、各駆動システムには、動力ユニット(11)が割り当てられており、これらの動力ユニット(11)が、それぞれバス(19)を介して中央制御ユニット(10)と接続されており、これらの駆動システムの第一の切換手段(17)が第一の切換手段グループ(30)に纏められ、これらの駆動システムの少なくとも2つの第二の切換手段(18)が第二の切換手段グループ(40)又は第三の切換手段グループ(50)に纏められる駆動システム。
【請求項17】
請求項12に記載の駆動システム(3)において、
前記の操作手段が変圧器(20)であり、第一の切換手段が負荷時タップ切換器(17)であり、第二の切換手段が複式切換スイッチである駆動システム。
【請求項18】
請求項17に記載の駆動システム(3)において、
前記の変圧器(20)に対して、3つの負荷時タップ切換器(17)が割り当てられている駆動システム。
【請求項19】
請求項17に記載の駆動システム(3)において、
前記の変圧器(20)に対して、単一の負荷時タップ切換器(17)と2つの複式切換スイッチ(18)が割り当てられている駆動システム。
【請求項20】
請求項12~19のいずれか1項に記載の駆動システム(3)において、
前記の制御ユニット(10)及び/又は動力ユニット(11)がメモリ(5)を有する駆動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作手段の少なくとも1つの切換手段の切換を実施する方法に関する。
【0002】
更に、本発明は、操作手段の少なくとも1つの切換手段のための駆動システムに関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、タップ付変圧器の巻線タップの間を切り換えるモーター駆動部を備えた負荷時タップ切換器を開示している。そのモーター駆動部を用いて、駆動シャフトを駆動している。そのモーター駆動部の回転運動は、2つの切換可能な連結機器を介して、セレクターに割り当てられた第一の駆動シャフトと負荷切換開閉器に割り当てられた第二の駆動シャフトに提供される。それらのセレクターと負荷切換開閉器は、モーター駆動部の回転運動の導入に関係無く、互いに切換可能な形で構成されている。
【0004】
エネルギー伝達網とエネルギー分配網における電圧制御は、異なる形式の切換器を変圧器に組み込むことを必要とする。変圧器の操作時には、異なる因子が、そのため切換器も一定の役割を果たす。そのように、例えば、2つの負荷時タップ切換器を組み込んだ変圧器では、その2つの操作を調和させることが重要である。それは、共通のモーターによって駆動される、2つの負荷時タップ切換器の間の固いロッドを用いて行われている。そのロッドの誤った連結は、操作中に故障を引き起こす可能性があり、それは、極端な場合、重大な経済上の結果をもたらす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許公開第102014110732号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のことから、本発明の課題は、切換手段と操作手段の安全性と信頼性を向上させる、操作手段の少なくとも1つの切換手段の切換を実施する方法を提示することである。
【0007】
別の課題は、切換手段と操作手段の安全性と信頼性を向上させる、少なくとも1つの切換手段の駆動システムのための改善された方式を提示することである。
【0008】
別の課題は、切換プロセス時の切換手段と操作手段の安全性と信頼性を向上させる、操作手段の少なくとも1つの切換手段のための駆動システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本課題は、請求項1の特徴を有する、操作手段の切換手段の切換を実施する方法によって解決される。
【0010】
別の課題は、請求項12の特徴を有する、操作手段の少なくとも1つの切換手段のための駆動システムによって解決される。
【0011】
本発明による操作手段に割り当てられた少なくとも1つの切換手段の切換を実施する方法は、制御ユニット又は制御装置が切換信号を受信することを特徴とする。この制御ユニットを用いて、切換のために、切換手段の中の少なくとも1つが選定される。これは、切換信号に基づき実行される。制御ユニットが、少なくとも1つのパラメータをフィードバックシステムから照会する。フィードバックシステムは、各切換手段のモーターに割り当てることができる。切換は、選定された切換手段により、駆動シャフトを介して各切換手段と接続されたモーターを用いて実施される。この場合、切換は、選定された切換手段に関する相応のロック条件が満たされた場合に初めて行われる。
【0012】
切換信号は、例えば、電圧制御部、手動入力又はそれ以外の任意の手法により生成することができる。この場合、電圧制御部は、網内の電圧変動を監視する。必要に応じて、信号が制御ユニットに与えられ、その結果、切換手段の操作によって、電圧が相応に適合される。
【0013】
本発明による方法は、例えば、変圧器などの操作手段において、切換手段が作動され、又は切り換えられて、切換が実施される前に、制御ユニット又は制御装置におけるロック条件を検査するとの考えに基づいている。この検査のために、パラメータが照会される。このロック条件が、照会されたパラメータによって満たされた場合に、切換が行われる。
【0014】
本発明による方法の第一の考え得る実施構成では、変圧器に対して、負荷時タップ切換器が第一の切換手段として割り当てられ、複式切換スイッチが第二の切換手段として割り当てられる。切換を実施するために、変圧器に割り当てられた動力部が、制御ユニットによって、負荷時タップ切換器を操作する、又は負荷時タップ切換器と複式切換スイッチを操作するために制御される。切換の実施に応じて、駆動シャフトを介して負荷時タップ切換器と接続された第一のモーター及び/又は駆動シャフトを介して複式切換スイッチと接続された第二のモーターが作動される。
【0015】
本発明による方法の別の考え得る実施構成では、変圧器に対して、3つの負荷時タップ切換器が第一の切換手段として割り当てられる。切換を実施するために、変圧器に割り当てられた動力部が、制御ユニットによって、3つの負荷時タップ切換器の中の1つを操作するために制御される。この動力部は、切換の実施に応じて、駆動シャフトを介して負荷時タップ切換器と接続された、各負荷時タップ切換器の第一のモーターを操作する。
【0016】
本発明による方法の別の考え得る実施構成では、変圧器に対して、1つの負荷時タップ切換器を第一の切換手段として割り当て、2つの複式切換スイッチを第二の切換手段として割り当てることができる。切換を実施するために、変圧器に割り当てられた動力部が、制御ユニットによって、負荷時タップ切換器と2つの複式切換スイッチの中の少なくとも1つを操作するために制御される。この動力部は、切換の実施に応じて、駆動シャフトを介して負荷時タップ切換器と接続された第一のモーターと駆動シャフトを介して2つの複式切換スイッチの各々と接続された第二のモーターを操作する。
【0017】
本発明による方法では、フィードバックシステムによって特定された、少なくとも1つの負荷時タップ切換器の切換及び/又は少なくとも1つの複式切換スイッチの切換に関するパラメータが、各負荷時タップ切換器と各複式切換スイッチの状態又は位置に関して利用可能である。更に、フィードバックシステムによって特定された、切換に必要な負荷時タップ切換器と複式切換スイッチのパラメータは、負荷時タップ切換器及び/又は複式切換スイッチが作動されるか否かを表すことができる。
【0018】
本発明による方法では、制御ユニットにおいて、少なくとも1つの負荷時タップ切換器と少なくとも1つの複式切換スイッチの照会されたパラメータが評価されて、統合される。この評価結果に基づき、この少なくとも1つの負荷時タップ切換器及び/又はこの少なくとも1つの複式切換スイッチを必要に応じて制御することができる。本発明による方法の別の実施形態では、3つの変圧器が配備される。3つの変圧器の各々に対して、1つの動力ユニットが割り当てられる。これらの動力ユニットは、中央制御ユニットによって制御され、3つの変圧器の各々の負荷時タップ切換器が第一の切換手段グループに纏められ、3つの変圧器の各々の第一の複式切換スイッチが第二の切換手段グループに纏められ、3つの変圧器の各々の第二の複式切換スイッチが第三の切換手段グループに纏められる。
【0019】
ここで述べた本発明による方法の全ての実施構成において、制御ユニットによって、存在する負荷時タップ切換器と複式切換スイッチが検査される。この検査の結果から、負荷時タップ切換器又は複式切換スイッチが如何なる位置に在るのかが得られる。それにより、検査すべきロック条件に関するパラメータは、フィードバックシステムを用いて特定される、負荷時タップ切換器及び/又は複式切換スイッチの位置である。
【0020】
フィードバックシステムは、エンコーダ、マルチターンロータリーエンコーダ、シングルターンロータリーエンコーダ、レゾルバー、切換器、マイクロスイッチ、センサー、接点などであるとすることができる。フィードバックシステムのこの列挙した考え得る実施形態が全てではないことは、当業者には自明である。
【0021】
このフィードバックシステムは、ロック条件の検査に必要なパラメータを決定する役割を果たす。このパラメータは、フィードバックシステムに依存する。実施形態に応じて、このパラメータは、値、値の範囲、簡単な信号などである。
【0022】
制御ユニットによって照会されるフィードバックシステムは、必要に応じて、温度コントローラ、保護スイッチ又はそれと同等の物を割り当てられるか、又はそのような物として構成することもできる。それにより、フィードバックシステムに照会する如何なる任意のパラメータも、ロック条件のために使用することができる。そのように、例えば、温度計のパラメータとしての所定の温度は、ロック条件を満たすのかに関して使用することができる。更に、動力切換器のスタータスによるパラメータを使用することができる。この場合、フィードバックシステムは、動力切換器が開かれているのか、閉じられているのか、又は正に開閉されようとしているのかとのパラメータを出力するエンコーダである。ロック条件に対応して、動力切換器のステータスに基づき、操作すべき切換手段を操作できるのか/操作してもよいのかが検査される。本発明による変圧器の少なくとも1つの負荷時タップ切換器及び/又は少なくとも1つの複式切換スイッチのための駆動システムは、駆動シャフトを介して、この少なくとも1つの負荷時タップ切換器と接続された第一のモーターを特徴とする。第二のモーターが、それぞれ駆動シャフトを介して、この少なくとも1つの複式切換スイッチと接続されている。フィードバックシステムが、それぞれこの少なくとも1つの負荷時タップ切換器及び/又はこの少なくとも1つの複式切換スイッチの少なくとも1つのパラメータを特定するために、第一のモーターの各々及び第二のモーターの各々に割り当てられている。動力ユニットと通信接続された制御ユニットは、第一のモーターにより負荷時タップ切換器を操作するとともに、第二のモーターにより複式切換スイッチを操作することができる。負荷時タップ切換器又は複式切換スイッチの操作は、この特定された少なくとも1つのパラメータによって決定されたロック条件が満たされた場合にのみ行われる。第二の切換手段における第二のフィードバックシステムのパラメータに代わって、別のフィードバックシステム、例えば、保護接点又は温度計によって、パラメータを特定することもできる。
【0023】
この駆動システムの考え得る実施形態では、この変圧器に対して、単一の負荷時タップ切換器と単一の複式切換スイッチが割り当てられる。
【0024】
この駆動システムの考え得る別の実施形態では、この変圧器に対して、3つの負荷時タップ切換器が割り当てられる。例えば、駆動シャフトの位置に関する値に割り当てられた所定の切換位置又は切換手段の位置をメモリに保存することができる。
【0025】
この駆動システムの更に別の実施形態では、この変圧器に対して、単一の負荷時タップ切換器と2つの複式切換スイッチが割り当てられる。
【0026】
この駆動システムの別の実施形態では、この駆動システムに対して、複数の変圧器が割り当てられる。変圧器の各々に対して、1つの動力ユニットが割り当てられて、この動力部が、単一の中央制御ユニットと通信接続されている。複数の変圧器の負荷時タップ切換器が第一の切換手段グループに纏められる。複数の変圧器の第一の複式切換スイッチが第二の切換手段グループに纏められる。複数の変圧器の第二の複式切換スイッチが第三の切換手段グループに纏められる。各モーターには、単一の動力部を割り当てることができる。1つの動力部が、全てのモーターを駆動することもできる。
【0027】
これらの制御ユニット及び/又は動力ユニットは、メモリを有する。このメモリには、例えば、駆動シャフトの位置に関する値に割り当てられた所定の切換位置又は切換手段の位置を保存することができる。
【0028】
ここで、添付図面に基づき、本発明とその利点を実施例によって詳しく説明し、それによって、本発明を図示された実施例に限定するものではない。幾つかの形状が簡略化されて図示されるとともに、別の形状が図解を改善するために別の構成要素と比較して拡大されて図示されているので、図面における大きさの比率は、常に実際の大きさの比率に一致するとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の1つの実施構成による変圧器における少なくとも1つの切換手段のための駆動システムの模式図
図2】本発明の別の実施構成による変圧器における少なくとも1つの切換手段のための駆動システムの別の実施構成の模式図
図3】変圧器における少なくとも1つの切換手段のための駆動システムの更に別の実施構成の模式図
図4】複数の変圧器のための駆動システムの1つの実施構成の模式図
図5】本発明による駆動システムを用いて変圧器における少なくとも1つの切換手段の切換を実施する方法のフロー図
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の同じ構成要素又は同様に作用する構成要素に対しては、同じ符号を使用している。更に、見易くするために、各図面の記述に必要な符号だけを個々の図面に表示している。
【0031】
図1は、エネルギーを伝達するために用いられる変圧器20を図示している。これは、負荷時タップ切換器として構成された第一の切換手段17と、複式切換スイッチとして構成された第二の切換手段18とを有する。この負荷時タップ切換器17は、第一のモーター12を用いて作動される。第一のモーター12は、負荷時タップ切換器17と接続された駆動シャフト16を有する。更に、第一のモーター12には、負荷時タップ切換器17の位置又はタップ位置を決定できる第一のフィードバックシステム6が割り当てられている。複式切換スイッチ18は、第二のモーター13によって作動される。この第二のモーター13も、駆動シャフト16を介して、複式切換スイッチ18と接続されている。第二のモーター13の専用のフィードバックシステム7は、複式切換スイッチ18の位置又はタップ位置を決定するが可能である。制御ユニット10が、第一及び第二のモーター12,13と接続され、そのため、負荷時タップ切換器17と複式切換スイッチ18のフィードバックシステム6,7とも接続されている。この制御ユニット10は、負荷時タップ切換器17と複式切換スイッチ18を操作するための信号を受信する。更に、制御ユニット10において、各フィードバックシステム6,7の異なる値が評価されて、統合される。これらの制御ユニット10、モーター12,13及びフィードバックシステム6,7は、変圧器20の負荷時タップ切換器17と複式切換スイッチ18のための駆動システム3を構成する。
【0032】
本発明による制御装置2は、操作中に切換信号を受信する制御ユニット10を有する。例えば、網内の電圧が低下した場合、例えば、変圧器20の負荷時タップ切換器17を操作することによって、それを適合させなければならない。変圧器20の(図示されていない)巻線を相応に接続する部分を備えた複式切換スイッチ18を使用することによって、変圧器20の制御範囲又は機能範囲が拡大される。電圧を変更しなければならないとの信号の受信後に、先ずは、負荷時タップ切換器17又は複式切換スイッチ18を操作しなければならないのか、又は両方を順番に操作しなければならないのかが決定される。負荷時タップ切換器17を操作しなければならないことが決定された後、複式切換スイッチ18と負荷時タップ切換器17の間で定義されたロック条件が検査される。例えば、複式切換スイッチ18が作動される時には、負荷時タップ切換器17の操作が許されない。この検査は、複式切換スイッチ18の第二のモーター13の第二のフィードバックシステム7が制御ユニット10にその時々のステータスを通報するか、パラメータを伝える形で行われる。この場合、第二のフィードバックシステム7によって、複式切換スイッチ18の位置又は状態が決定されて、伝えられる。更に、第二のフィードバックシステム7は、複式切換スイッチ18がその時に作動されるか否かを通報する。特定されたパラメータがロック条件を満たす場合に、負荷時タップ切換器17の操作が行われる。ロック条件が満たされない場合、負荷時タップ切換器17は作動されない。それに代わって、ロック条件が満たされるまで、負荷時タップ切換器17の切換又は操作を待機させることができる、即ち、複式切換スイッチ18が所定の位置に留まる、又は最早動かないようにする。
【0033】
この制御装置2は、メモリ5を備えた制御ユニット10と、メモリ5を備えた少なくとも1つの動力部11とを有する。このメモリ5には、例えば、負荷時タップ切換器17と複式切換スイッチ18の切換位置の対応関係を保存することができる。同様に、メモリ5に、個々の駆動シャフト16の位置に関する値を保存することができる。
【0034】
図2は、1つの変圧器20に割り当てられた3つの同じ負荷時タップ切換器17のための前述した駆動システム3を図示している。この場合も、各負荷時タップ切換器17は、専用の第一のモーター12と専用の第一のフィードバックシステム6を有する。切換信号の受信後に、先ずは、3つの負荷時タップ切換器17の中のどれを操作すべきであるのが決定される。負荷時タップ切換器17を操作する順番を選定することも考えられる。この場合も、ロック条件が検査される。これは、各第一のフィードバックシステム6が伝えて来たパラメータに基づき行われる。この場合も、操作すべきでない負荷時タップ切換器17が如何なる位置に在るのか、又はそれが作動されるか否かが検査される。特定されたパラメータがロック条件を満たす場合に、選定された負荷時タップ切換器17を操作することができる。
【0035】
図3は、ここで述べている駆動システム3の別の実施構成を図示している。この場合、1つの負荷時タップ切換器17と、第二の切換手段18としての2つの複式切換スイッチ18とが配備されている。これらの負荷時タップ切換器17と2つの複式切換スイッチ18が、それぞれ専用の第一のモーター又は専用の第二のモーター13によって作動される。モーター12及び13の各々には、それぞれ第一のフィードバックシステム6又は第二のフィードバックシステム7が割り振られている。この場合も、制御ユニット10において、フィードバックシステム6又は7のパラメータを照会することによって、異なるロック条件を検査することができる。そのように、この実施形態では、第一の複式切換スイッチ18が安全な位置に在るとともに、負荷時タップ切換器17が(図示されていない)中間位置に在る場合にのみ、第二の複式切換スイッチ18の操作が可能である。複式切換スイッチ18の所定の第一の位置又は第二の位置が安全な位置として定義される。
【0036】
図4は、ここで述べている駆動システム3の別の実施構成を図示している。この場合、3つの変圧器20が図示されている。ここで述べる実施構成では、それは、縦方向制御と横方向制御を備えた位相調整器である。変圧器20の各々は、1つの負荷時タップ切換器(第一の切換手段)17と2つの複式切換スイッチ(第二の切換手段)18を有する。この変圧器20の装備は、図3の実施構成の装備と一致する。切換信号の受信後に、先ずは、負荷時タップ切換器17及び/又は複式切換スイッチ18の何れを操作しなければならないのかが検査される。そのために、切換手段グループ30,40,50を形成することができる。そのように、第一の切換手段グループ30が、各変圧器20における負荷時タップ切換器17から構成される。第二の切換手段グループ40が、第一の複式切換スイッチ18である。第三の切換手段グループ50が、それぞれ第二の複式切換スイッチ18である。そして、操作の前に、所定の切換手段グループ30,40,50がロック条件を満たすのかが検査される。この場合、例えば、個々の第一の複式切換スイッチ18の各々が如何なる位置に在るのか、並びに、その中の1つが動いているのかが検査される。ロック条件の検査は、各フィードバックシステム6及び7のパラメータに基づき行われる。ロック条件の中の1つは、第一の切換手段グループ30の負荷時タップ切換器17が上記の(図示されていない)中間位置に在る時にのみ、切換手段グループ40,50の中の1つを操作できることである。各変圧器20の各駆動システム3に割り当てられた動力部11は、バス19により単一の中央制御ユニット10と接続されている。この中央制御ユニット10を用いて、3つの変圧器20の各々に関する各負荷時タップ切換器17又は複式切換スイッチ18の操作が調和され、制御される。図1~3に図示されている通り、動力部11は、負荷時タップ切換器17又は複式切換スイッチ18に割り当てられたモーター12又は13に介入するか、又はそれを操作する。
【0037】
図5は、本発明による方法のフローを図示している。この場合、制御装置2は、負荷時タップ切換器17及び/又は複式切換スイッチ18を操作するための切換信号を受信する。この切換信号は、例えば、保守作業時に手動入力によって生成することができる。それに代わって、切換信号は、例えば、変圧器20における電圧が低下又は上昇した場合に、電圧を制御する装置によって与えることができる。切換信号の受信後に、制御ユニット10が少なくとも1つのパラメータを照会する。図1の例では、照会するパラメータは、第一のモーター12に付属するフィードバックシステム6が決定する、複式切換スイッチ18、即ち、第二の切換手段18の位置である。制御ユニット10において、この少なくとも1つのパラメータが満たすか、又は満たさないことができる少なくとも1つのロック条件がメモリ5に保存されている。ロック条件の検査時に、それを満たした場合、負荷時タップ切換器17の切換が、それに割り当てられた第一のモーター12を用いて行われる。検査時にロック条件を満たさない場合、例えば、負荷時タップ切換器17の切換を中止することができる、即ち、切換も行われない。更に、エラー通報を生成することができる。しかし、ロック条件を満たさないにも関わらず、緊急事態である場合には、切換を実施することもできる。そして、制御ユニット10は、パラメータがロック条件を満たすまで待って、その後切換を実施することができる。それに代わって、開始前に切換を事前に中止することができる。図1の例を出発点として、負荷時タップ切換器17を操作する前に、先ずは、複式切換スイッチ18が如何なる状態(位置)に在るのか、それが正に動こうと、謂わば作動されるか否か、又はその両方が検査される。この例では、ロック条件によると、複式切換スイッチ18が作動される、又は、例えば、好適でない/許されない状態(位置)に在る場合には、負荷時タップ切換器17の作動が許されない。ロック条件の検査に必要なパラメータは、複式切換スイッチ18の第二のモーター13の第二のフィードバックシステム7によって出力される。この場合、フィードバックシステム6又は7は、例えば、第二のモーター13と複式切換スイッチ18の間に配置された駆動シャフト16と直接的又は間接的に接続されたマルチターンロータリーエンコーダとして構成されている。そして、このマルチターンロータリーエンコーダは、駆動シャフト16の位置に基づき、複式切換スイッチ18の位置などのパラメータを決定する。負荷時タップ切換器17の第一のフィードバックシステム6は同様に構成されている。
【0038】
駆動システム3の実施形態に応じて、異なるパラメータを異なるロック条件と組み合わせることができる。そのように、図3の実施構成のように、負荷時タップ切換器17を操作する前に、2つの複式切換スイッチ18の位置(状態)が検査される。それに代わって、第二の複式切換スイッチ18を操作する前に、ロック条件、即ち、負荷時タップ切換器17と第一の複式切換スイッチ18のパラメータが検査される。この場合も、マルチターンロータリーエンコーダとして構成された各フィードバックシステム6及び7にパラメータを照会する。
【0039】
照会すべきパラメータは、任意に決定するか、又は任意の形式にすることができる。これらのパラメータは、変圧器20の簡単な安全スイッチ、それどころか顧客特有の解除ボタンであるとすることができる、各負荷時タップ切換器17及び各複式切換スイッチ18のモーター12及び13におけるフィードバックシステム6及び7によって決定することができる。更に、このフィードバックシステム6及び7は、切換を計数するか、又は時間を停止してからロック条件に関して照会すべきパラメータを提供する、制御ユニット10の一部であるとすることができる。
【0040】
これらのフィードバックシステム6及び7は、各モーター12又は13と負荷時タップ切換器17又は複式切換スイッチ18の間に配置された駆動シャフト16と直接的又は間接的に接続されている。この駆動シャフト16の位置から、負荷時タップ切換器17又は複式切換スイッチ18に関する、例えば、タップ位置、動きなどのパラメータが決定される。
【0041】
これらのロック条件は、如何なる状態を満たさなければならないのかを、それにより、切換が「ロック」されないのか、即ち、禁止されないのかを定義する。これらの条件は、負荷時タップ切換器17又は複式切換スイッチ18の状態又は位置、その時々のステータス及び運動状態によって形成又は定義されたパラメータと関連付けられている。
【0042】
これらのロック条件は、1つ又は任意の多数のフィードバックシステム6,7の1つ又は複数のパラメータを利用することができる。
【0043】
例えば、負荷時タップ切換器17又は複式切換スイッチ18の運動状態、負荷時タップ切換器17又は複式切換スイッチ18の位置又は状態、負荷時タップ切換器17又は複式切換スイッチ18の位置範囲又は状態範囲、温度、顧客特有の切換信号、安全機器及びそれと同等の物がパラメータに属する。
【符号の説明】
【0044】
2 制御装置
3 駆動システム
5 メモリ
6 第一のフィードバックシステム
7 第二のフィードバックシステム
10 制御ユニット
11 動力部
12 第一のモーター
13 第二のモーター
16 駆動シャフト
17 負荷時タップ切換器、第一の切換手段
18 複式切換スイッチ、第二の切換手段
19 バス
20 変圧器
30 第一の切換手段グループ
40 第二の切換手段グループ
50 第三の切換手段グループ
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】