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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】気管切開用拡張器
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20220720BHJP
   A61M 16/04 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
A61B17/02
A61M16/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568262
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(85)【翻訳文提出日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 IB2020054638
(87)【国際公開番号】W WO2020230103
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】62/848,310
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516045573
【氏名又は名称】テレフレックス、ライフ、サイエンシーズ、アンリミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】TELEFLEX LIFE SCIENCES UNLIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】モホン エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】フェーン ジョアン
(72)【発明者】
【氏名】タイ カハル
(72)【発明者】
【氏名】レイノルズ ギャヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ライアン ケイティ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160AA12
4C160DD32
4C160MM22
(57)【要約】
気管切開拡張器は、遠位部分、ハンドル部分、内腔、及び近位部分を含むことができる。遠位部分は、遠位開口部まで延びる曲線を有し、気管切開を拡張するように構成することができる。ハンドル部分は、遠位部分の近位にあり、ユーザによって把持されるように構成することができる。内腔は、ガイドワイヤを受け入れるように構成することができる。近位部分は、ハンドル部分の近位にあり、内腔と連通する近位開口部を有することができる。近位部分は、ハンドル部分の長手方向軸から少なくとも30度の角度でガイドワイヤを偏位させるように構成することができる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気管切開用拡張器であって、
遠位開口部まで延びる曲線を有し、気管切開部を拡張するように構成された遠位部分と、
前記遠位部分の近位にあり、ユーザによって把持されるように構成されたハンドル部分と、
ガイドワイヤを受け入れるように構成された内腔と、
前記ハンドル部分の近位にあり、前記内腔と連通する近位開口部を有する近位部分と、
を備え、
前記近位部分は、前記ハンドル部分の長手方向軸から少なくとも30度の角度で前記ガイドワイヤを偏位させるように構成されている、気管切開用拡張器。
【請求項2】
前記角度は、前記ハンドル部分の長手方向軸から少なくとも45度である、請求項1に記載の気管切開拡張器。
【請求項3】
前記ハンドル部分が実質的に直線状である、請求項1又は2に記載の気管切開用拡張器。
【請求項4】
前記ハンドル部分がテクスチャ化されている、請求項1~3の何れか1項に記載の気管切開用拡張器。
【請求項5】
前記ハンドル部分がテクスチャ化されたスリーブを含む、請求項4に記載の気管切開用拡張器。
【請求項6】
前記遠位部分は、前記遠位部分の長さに沿って減少する壁厚を有する、請求項1~5の何れか1項に記載の気管切開拡張器。
【請求項7】
前記遠位部分上に前記気管切開拡張器のサイズを示す指標を更に備える、請求項1~6の何れか1項に記載の気管切開拡張器。
【請求項8】
前記近位開口部が、前記長手方向軸から前記角度にて配置されている、請求項1~7の何れか1項に記載の気管切開拡張器。
【請求項9】
前記近位部分は、前記長手方向軸から前記角度への屈曲部を有する、請求項8に記載の気管切開拡張器。
【請求項10】
前記近位部分は、前記ハンドル部分の長手方向軸と長手方向に位置合わせされている、請求項1~8の何れか1項に記載の気管切開拡張器。
【請求項11】
前記近位部分は、前記近位開口部において周壁にベベルを有し、前記周壁が、下側部分よりも上側部分で近位方向に更に延びるようになっている、請求項1~10の何れか1項に記載の気管切開拡張器。
【請求項12】
前記ベベルが湾曲している、請求項11に記載の気管切開拡張器。
【請求項13】
前記近位部分は、前記近位開口部の遠位で且つ前記近位開口部と連通する孔を備え、前記孔は、前記ガイドワイヤを受け入れるように構成されている、請求項1~12の何れか1項に記載の気管切開拡張器。
【請求項14】
前記近位部分は、前記近位開口部と前記孔とを接続するスロットを備え、前記スロットは、前記近位開口部及び前記孔よりも小さい幅を有する、請求項13に記載の気管切開用拡張器。
【請求項15】
前記近位部分は、前記ハンドル部分に対して前記長手方向軸の周りに回転可能である、請求項1~14の何れか1項に記載の気管切開拡張器。
【請求項16】
前記近位部分は、前記ハンドル部分から取り外し可能である、請求項1~15の何れか1項に記載の気管切開拡張器。
【請求項17】
前記近位部分が、近位部分をハンドル部分に着脱可能に固定するために前記ハンドル部分内に受け入れられた管状セグメントを有するインサートを含む、請求項16に記載の気管切開拡張器。
【請求項18】
気管切開拡張器であって、
遠位開口部まで延びる曲線を有し、気管切開を拡張するように構成された遠位部分と、
前記遠位部分の近位にあり、ユーザによって把持されるように構成されたハンドル部分と、
ガイドワイヤを受け入れるように構成された内腔と、
前記ハンドル部分の近位にあり、前記内腔と連通する近位開口部を有する近位部分であって、前記近位部分がベベルを有する近位部分と、
を備える、気管切開拡張器。
【請求項19】
前記ベベルは、前記近位開口部にて円周壁にあり、前記円周壁が、下側部分よりも上側部分にて近位方向に更に延びている、請求項18に記載の気管切開拡張器。
【請求項20】
前記近位部分が、前記ハンドル部分の長手方向軸と長手方向に位置合わせされている、請求項18又は19に記載の気管切開拡張器。
【請求項21】
前記近位部分は、前記近位開口部の遠位で且つ前記近位開口部と連通する孔を備え、前記孔は、前記ガイドワイヤを受け入れるように構成されており、前記近位部分は、前記近位開口部と前記孔とを接続するスロットを備え、前記スロットは、前記近位開口部及び前記孔よりも小さい幅を有する、請求項18~20の何れか1項に記載の気管切開拡張器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本特許出願は、2019年5月15日に出願された米国仮特許出願第62/848,310号に対する優先権を主張するものであり、その開示内容全体は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、拡張器に関し、より詳細には、ガイドワイヤの挟み込みを低減又は防止するように構成された経皮的気管切開用拡張器に関する。
【背景技術】
【0003】
経皮的気管切開術は、中空の針を皮膚に通して気管に挿入し、開口部内でガイドワイヤを針に沿って挿入することによって形成することができる。次いで、針を引き抜き、ガイドワイヤを介して気管切開用拡張器を通して、気管切開チューブを挿入するための開口部を拡張する。本発明は、従来技術の気管切開拡張器に関する1又は2以上の問題点を解決する。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一態様は、遠位部分、ハンドル部分、内腔、及び近位部分を含む気管切開用拡張器に向けられる。遠位部分は、遠位開口部まで延びる曲線を有し、気管切開部を拡張するように構成することができる。ハンドル部分は、遠位部分の近位にあり、ユーザによって把持されるように構成することができる。内腔は、ガイドワイヤを受け入れるように構成することができる。近位部分は、ハンドル部分の近位にあり、内腔と連通する近位開口部を有することができる。近位部分は、ハンドル部分の長手方向軸から少なくとも30度の角度でガイドワイヤを偏位させるように構成することができる。
【0005】
幾つかの実施形態では、角度は、ハンドル部分の長手方向軸から少なくとも45度とすることができる。幾つかの実施形態では、ハンドル部分は、実質的に直線状とすることができる。幾つかの実施形態では、ハンドル部分は、テクスチャ化することができる。幾つかの実施形態では、ハンドル部分は、テクスチャ化されたスリーブを含むことができる。幾つかの実施形態では、遠位部分は、遠位部分の長さに沿って減少する壁厚を有することができる。幾つかの実施形態では、気管切開拡張器は更に、遠位部分上に気管切開拡張器のサイズの指標を含むことができる。幾つかの実施形態では、近位開口部は、長手方向軸からの角度にて配置することができる。幾つかの実施形態では、近位部分は、長手方向軸から角度まで延びる屈曲部を有することができる。幾つかの実施形態では、近位部分は、ハンドル部分の長手方向軸と長手方向に位置合わせすることができる。幾つかの実施形態では、近位部分は、近位開口部にて周壁にベベルを有することができ、周壁が下側部分よりも上側部分で近位方向に更に延びるようになる。幾つかの実施形態では、ベベルは湾曲することができる。幾つかの実施形態では、近位部分は、近位開口部の遠位で近位開口部と連通する孔を有することができ、孔は、ガイドワイヤを受け入れるように構成されている。幾つかの実施形態では、近位部分は、近位開口部と孔とを接続するスロットを有することができ、スロットは、近位開口部及び孔よりも小さい幅を有することができる。幾つかの実施形態では、近位部分は、ハンドル部分に対して長手方向軸の周りに回転可能とすることができる。幾つかの実施形態では、近位部分は、ハンドル部分から取り外し可能とすることができる。幾つかの実施形態では、近位部分は、近位部分をハンドル部分に着脱可能に固定するためにハンドル部分内に受け入れられた管状セグメントを有するインサートを含むことができる。
【0006】
本発明の別の態様は、遠位部分、ハンドル部分、内腔、及び近位部分を含む気管切開拡張器に向けられる。遠位部分は、遠位開口部まで延びる曲線を有し、気管切開部を拡張するように構成することができる。ハンドル部分は、遠位部分の近位にあり、ユーザによって把持されるように構成することができる。内腔は、ガイドワイヤを受け入れるように構成することができる。近位部分は、ハンドル部分の近位にあり、内腔と連通する近位開口部を有することができる。近位部分は、ベベルを有することができる。
【0007】
幾つかの実施形態では、ベベルは、近位開口部にて円周壁にあることができ、円周壁が下側部分よりも上側部分で近位方向に更に延びるようになっている。幾つかの実施形態では、近位部分は、ハンドル部分の長手方向軸と長手方向に位置合わせすることができる。幾つかの実施形態では、近位部分は、近位開口部の遠位で且つ近位開口部と連通する孔を更に含むことができ、孔は、ガイドワイヤを受け入れるように構成されている。幾つかの実施形態では、近位部分は、近位開口部と孔とを接続するスロットを含むことができ、スロットは、近位開口部及び孔よりも小さい幅を有することができる。
【0008】
本発明が容易に理解されるようにするために、本発明の態様は、添付図面において例示として示されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】気管切開部への気管切開拡張器の経皮的な挿入を示す図である。
図1B】気管切開部への気管切開拡張器の経皮的な挿入を示す図である。
図2A】本発明による気管切開拡張器の第1の例示的な実施形態を示す図である。
図2B】本発明による気管切開拡張器の第1の例示的な実施形態を示す図である。
図2C】本発明による気管切開拡張器の第1の例示的な実施形態を示す図である。
図3A】本発明による気管切開用拡張器の第2の例示的な実施形態を示す図である。
図3B】本発明による気管切開用拡張器の第2の例示的な実施形態を示す図である。
図3C】本発明による気管切開用拡張器の第2の例示的な実施形態を示す図である。
図4A】本発明による気管切開用拡張器の第3の例示的な実施形態を示す図である。
図4B】本発明による気管切開用拡張器の第3の例示的な実施形態を示す図である。
図4C】本発明による気管切開用拡張器の第3の例示的な実施形態を示す図である。
図5A】本発明による気管切開拡張器の第4の例示的な実施形態を示す図である。
図5B】本発明による気管切開拡張器の第4の例示的な実施形態を示す図である。
図5C】本発明による気管切開拡張器の第4の例示的な実施形態を示す図である。
図6A】本発明による気管切開用拡張器の第5の例示的な実施形態を示す図である。
図6B】本発明による気管切開用拡張器の第5の例示的な実施形態を示す図である。
図6C】本発明による気管切開用拡張器の第5の例示的な実施形態を示す図である。
図6D】本発明による気管切開用拡張器の第5の例示的な実施形態を示す図である。
【0010】
図面及び以下の詳細な説明において、同一又は類似の要素を指すのに同じ参照番号を使用する場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1A~1Bは、ガイドワイヤ20を介して気管切開部30に挿入された気管切開部拡張器10を示している。気管切開拡張器10の遠位端(図示せず)は、気管切開チューブ(図示せず)の挿入のために気管切開部30を拡張するように構成される。気管切開拡張器10がガイドワイヤ20を介して気管切開部30に挿入されるときに、気管切開拡張器10のハンドル部分12は、ユーザによって把持される。気管切開拡張器10がガイドワイヤ20上を進むと、ガイドワイヤ20は、ハンドル部分12の近位端部にて近位開口部14を通って出る。近位開口部14は、ハンドル部分12の長手方向軸に沿って配置されており、ユーザが気管切開拡張器10を気管切開部30に押し込むときに、ユーザの手のひらが近位開口部14を覆う及び/又はハンドル部分12の近位端部にガイドワイヤ20を挟み込む傾向があるようになる。このガイドワイヤ20の偶発的挟み込みは、気管切開用拡張器10を進めるときに更に気管内へのガイドワイヤ20の望ましくない押し込みをすること、及び/又は気管切開用拡張器10を取り外すときにガイドワイヤ20を気管から引き抜くことを含む、多くの複雑な問題を引き起こす可能性がある。本開示は、これらの問題のうちの1又は2以上、及び/又は気管切開用拡張器及び/又は拡張器全般に関連する他の問題を軽減及び/又は克服することを目的とする。
【0012】
本開示は、ユーザの手からの干渉を低減又は防止するために、ハンドル部分の長手方向軸から離れてガイドワイヤをシールド及び/又は偏位するように構成された気管切開用拡張器に向けられている。幾つかの実施形態では、気管切開用拡張器は、ガイドワイヤをハンドル部分の長手方向軸から少なくとも30度偏位させることができ、ハンドル部分は、把持を容易にするために実質的に直線状である。幾つかの実施形態では、気管支拡張器は、ガイドワイヤをハンドル部分の長手方向軸から少なくとも45度偏位させることができる。ガイドワイヤの偏位は、ハンドル部分と近位開口部との間の気管切開用拡張器の近位部分での屈曲部によって引き起こすことができる。屈曲部は、鋭いベベル及び/又は湾曲部を含むことができる。幾つかの実施形態では、近位部分は、近位開口部の面にて面取りすることができ、これにより、近位部分の周壁が、下部よりも上部にて近位方向に更に延び、上方から把持したときにガイドワイヤを効果的にシールドする。幾つかの実施形態では、近位部分は、追加的又は代替的に、底部の底面を貫通して近位開口部と連通する孔を含むことができる。この孔は、狭いスロット付きの近位開口部に接続することができ、ユーザがハンドルを上方から把持したときに挟み込みの可能性を低減又は防止するために、ガイドワイヤが孔に受け入ることができるようになる。幾つかの実施形態では、近位部分は、ハンドル部分の長手方向軸の周りで回転可能及び/又はハンドル部分から着脱可能とすることができる。このように、気管切開拡張器の様々な実施形態は、気管切開拡張器の近位端部に対するユーザの手によるガイドワイヤの挟み込みを低減又は防止するために、ガイドワイヤをシールド及び/又は偏位することができる。
【0013】
図2A~2Cは、気管切開拡張器100の第1の例示的な実施形態を示す。気管切開拡張器100は、遠位部分102、ハンドル部分104、近位部分106、及び貫通して延びる内腔を含むことができる。
【0014】
遠位部分102は、ハンドル部分104から内腔の遠位開口部を有する遠位先端110まで延びる連続的曲線を含むことができる。連続的曲線は、気管切開拡張器100が挿入中に気管を通過し、遠位先端110が気管後壁をクリアすることを可能にする。遠位部分102は、挿入を容易にするために、連続的曲線に沿って遠位先端110までテーパーを付けることができる。例えば、遠位部分102は、遠位先端110への連続曲線に沿って徐々に減少する壁厚を介してテーパーを付けることができる。遠位部分102は、気管切開部への挿入の際の摩擦を低減し、潤滑ゼリーの必要性を排除するために親水性コーティングを有することができる。また、遠位部分102は、遠位部分102の断面サイズ及び深さの指標112を含むことができる。例えば、図2Cに示されているように、指標112は、直径(例えば、38フレンチ)と、気管切開部を拡張するための遠位部分102の挿入の適切な深さを示す少なくとも部分的に円周廻りの線と、を含むことができる。
【0015】
ハンドル部分104は、実質的に直線状であり、遠位部分102と一体的に形成された細長い直線状シャフトを含むことができる。ハンドル部分104は、遠位部分102の近位にあって、ユーザによって把持されるように構成することができる。ハンドル部分104は、ユーザのグリップ及び操作性を向上させるためにテクスチャ化することができる。例えば、ハンドル部分104は、シャフト上にテクスチャ付きゴムスリーブ114を含むことができる。テクスチャ化された表面上のグリップは、ハンドル部分104及び/又はスリーブ114の長さに沿って、複数の隆起した単語及び/又はロゴ(LOGO)(例えば、製造者及び/又は販売者の)をエンボス加工することによって強化することができる。スリーブ114は、相対的な滑りを防止するために、シャフトの外面上の細長い凹部に受け入れることができる。
【0016】
近位部分106は、ハンドル部分104の長手方向軸から少なくとも30~45度の角度でガイドワイヤ20を偏位させるように構成することができる。近位部分106は、ハンドル部分104及び/又は遠位部分102の細長い直線状シャフトに一体化することができる。近位部分106は、ハンドル部分104の長手方向軸から少なくとも30~45度の角度で近位部分106の近位開口部118の長手方向軸を配置するベベル116を含むことができる。偏位したガイドワイヤ20は、前進したときに気管切開拡張器100の近位開口部118から外に通過することができる。近位部分106は、外面と、ハンドル部分104の長手方向軸から少なくとも30~45度の角度で配置された長手方向軸を有する内腔とを備えて、円形断面を有することができる。近位部分106と近位開口部118との相対角度により、ユーザがハンドル部分104を把持するときに、指及び/又は手のひらによるガイドワイヤ20の挟み込みが低減又は防止される。
【0017】
図3A~3Cは、気管切開拡張器200の第2の例示的な実施形態を示す。気管切開拡張器200は、遠位部分202、ハンドル部分204、近位部分206、及び貫通して延びる内腔を含むことができる。
【0018】
遠位部分202は、ハンドル部分204から、内腔の遠位開口部を有する遠位先端210まで延びる連続的曲線を含むことができる。連続的曲線は、気管切開拡張器200が挿入中に気管を通過すること、及び遠位先端210が気管後壁をクリアすることを可能にすることができる。遠位部分202は、挿入を容易にするために、連続的曲線に沿って遠位先端210までテーパーを付けることができる。例えば、遠位部分202は、遠位先端210まで連続曲線に沿って徐々に減少する壁厚を介してテーパーを付けることができる。遠位部分202は、気管切開への挿入の際の摩擦を低減し、潤滑ゼリーの必要性を排除するために親水性コーティングを有することができる。また、遠位部分202は、遠位部分202の断面サイズ及び深さの指標212を含むことができる。例えば、図3Cに示されているように、指標212は、直径(例えば、38フレンチ)と、気管切開を拡張するための遠位部分202の挿入の適切な深さを示す少なくとも部分的に円周廻りの線と、を含むことができる。
【0019】
ハンドル部分204は、実質的に直線であり、遠位部分202と一体的に形成された細長い直線状シャフトを含むことができる。ハンドル部分204は、遠位部分202の近位にあって、ユーザによって把持されるように構成することができる。ハンドル部分204は、ユーザのグリップ及び操作性を向上させるためにテクスチャ化することができる。例えば、ハンドル部分204は、シャフト上にテクスチャ付きゴムスリーブ214を含むことができる。テクスチャ化された表面上のグリップは、ハンドル部分204及び/又はスリーブ214の長さに沿って、複数の隆起した単語及び/又はロゴ(LOGO)(例えば、製造者及び/又は販売者の)をエンボス加工することによって強化することができる。スリーブ214は、相対的な滑りを防止するために、シャフトの外面上の細長い凹部に受け入れることができる。
【0020】
近位部分206は、ハンドル部分204の長手方向軸から少なくとも30~45度の角度でガイドワイヤ20を偏位させるように構成することができる。近位部分206は、ハンドル部分204及び/又は遠位部分202の細長い直線状シャフトに一体化することができる。近位部分206は、ハンドル部分204の長手方向軸から少なくとも30~45度の角度で近位開口部218の長手方向軸を配置する曲線217を含むことができる。偏位したガイドワイヤ20は、前進したときに気管切開拡張器200の近位開口部218から外に通過することができる。近位部分206は、ハンドル部分204の長手方向軸から少なくとも30~45度の角度に湾曲する外面を有する円形断面を有することができる。近位部分206と近位開口部218の相対角度に起因して、ユーザがハンドル部分204を把持するときに、指及び/又は手のひらによるガイドワイヤ20の挟み込みが低減又は防止される。
【0021】
図4A~4Cは、気管切開拡張器300の第3の例示的な実施形態を示す。気管切開拡張器300は、遠位部分302、ハンドル部分304、近位部分306、及び貫通して延びる内腔を含むことができる。
【0022】
遠位部分302は、ハンドル部分304から、内腔の遠位開口部を有する遠位先端310まで延びる連続的曲線を含むことができる。連続的曲線は、気管切開拡張器300が挿入中に気管を通過すること、及び遠位先端310が気管後壁をクリアすることを可能にすることができる。遠位部分302は、挿入を容易にするために、連続的曲線に沿って遠位先端310までテーパーを付けることができる。例えば、遠位部分302は、遠位先端310まで連続曲線に沿って徐々に減少する壁厚を介してテーパーを付けることができる。遠位部分302は、気管切開への挿入の際の摩擦を低減し、潤滑ゼリーの必要性を排除するために、親水性コーティングを有することができる。また、遠位部分302は、遠位部分302の断面サイズ及び深さの指標312を含むことができる。例えば、図4Cに示されているように、指標312は、直径(例えば、38フレンチ)と、気管切開を拡張するための遠位部分302の挿入の適切な深さを示す少なくとも部分的に円周廻りの線と、を含むことができる。
【0023】
ハンドル部分304は、実質的に直線であり、遠位部分302と一体的に形成された細長い直線状シャフトを含むことができる。ハンドル部分304は、遠位部分302の近位にあって、ユーザによって把持されるように構成することができる。ハンドル部分304は、ユーザのグリップ及び操作性を向上させるためにテクスチャ化することができる。例えば、ハンドル部分304は、シャフト上にテクスチャ付きゴムスリーブ314を含むことができる。テクスチャ化された表面上のグリップは、ハンドル部分304及び/又はスリーブ314の長さに沿って、複数の隆起した単語及び/又はロゴ(LOGO)(例えば、製造者及び/又は販売者の)をエンボス加工することによって強化することができる。スリーブ314は、相対的な滑りを防止するために、シャフトの外面上の細長い凹部に受け入れることができる。
【0024】
近位部分306は、ハンドル部分304の長手方向軸から少なくとも30~45度の角度でガイドワイヤ20を偏位させるように構成することができる。近位部分306は、ハンドル部分304及び/又は遠位部分302の細長い直線状シャフトに一体化することができる。近位部分306は、内腔の近位開口部318を含むことができ、この内腔を介して、偏位したガイドワイヤ20は、前進したときに気管切開拡張器300から外に通過することができる。近位開口部318は、ベベル320を含むことができ、近位部分306の周壁が下側部分324よりも上側部分322にて近位方向に更に延びるようにし、上方から把持したときにガイドワイヤ20を効果的にシールドすることができる。近位部分306は、ハンドル部分304の長手方向軸と長手方向に位置合わせすることができ、ベベル320は、長手方向軸から約45度に配置することができる。下側部分324は、近位開口部318の遠位で且つ近位開口部318及び内腔と両方とも連通する、スロット326及び孔328を有することができる。スロット326は、近位開口部318及び/又は孔328よりも狭くすることができる。ガイドワイヤ20は、近位開口部318から孔328を通ってスロット326内に下方に偏位して、ハンドル部分304を上方から把持したときに挟み込みを低減又は防止することができる。
【0025】
図5A~5Cは、気管切開拡張器400の第4の例示的な実施形態を示す。気管切開拡張器400は、遠位部分402、ハンドル部分404、近位部分406、及び貫通して延びる内腔を含むことができる。
【0026】
遠位部分402は、ハンドル部分404から、内腔の遠位開口部を有する遠位先端410まで延びる連続的曲線を含むことができる。連続的曲線は、気管切開拡張器400が挿入中に気管を通過すること、及び遠位先端410が気管後壁をクリアすることを可能にすることができる。遠位部分402は、挿入を容易にするために、連続的曲線に沿って遠位先端410までテーパーを付けることができる。例えば、遠位部分402は、遠位先端410まで連続曲線に沿って徐々に減少する壁厚を介してテーパーを付けることができる。遠位部分402は、気管切開への挿入の際の摩擦を低減し、潤滑ゼリーの必要性を排除するために親水性コーティングを有することができる。また、遠位部分402は、遠位部分402の断面サイズ及び深さの指標412を含むことができる。例えば、図5Cに示されているように、指標412は、直径(例えば、38フレンチ)と、気管切開を拡張するための遠位部分402の挿入の適切な深さを示す少なくとも部分的に円周廻りの線と、を含むことができる。
【0027】
ハンドル部分404は、実質的に直線であり、遠位部分402と一体的に形成された細長い直線状のシャフトを含むことができる。ハンドル部分404は、遠位部分402の近位にあって、ユーザによって把持されるように構成することができる。ハンドル部分404は、ユーザのグリップ及び操作性を向上させるためにテクスチャ化することができる。例えば、ハンドル部分404は、シャフト上にテクスチャ付きゴムスリーブ414を含むことができる。テクスチャ化された表面上のグリップは、ハンドル部分404及び/又はスリーブ414の長さに沿って、複数の隆起した単語及び/又はロゴ(LOGO)(例えば、製造者及び/又は販売者の)をエンボス加工することによって強化することができる。スリーブ414は、相対的な滑りを防止するために、シャフトの外面上の細長い凹部に受け入れることができる。
【0028】
近位部分406は、ハンドル部分404及び/又は遠位部分402の細長い線形シャフトに一体化することができる。近位部分406は、ハンドル部分404の長手方向軸と長手方向に位置合わせすることができる。近位部分406は、内腔の近位開口部418を含むことができ、この内腔を介してガイドワイヤ20は、前進したときに気管切開拡張器400から外に通過することができる。近位開口部418は、ベベル420を含むことができ、近位部分406の周壁が下側部分424よりも上側部分422で近位方向に更に延びるようにし、上方から把持したときにガイドワイヤ20を効果的にシールドすることができる。ベベル420は、湾曲することができる。
【0029】
図6A~6Dは、気管切開拡張器500の第5の例示的な実施形態を示す。気管切開拡張器500は、遠位部分502、ハンドル部分504、近位部分506、及び貫通して延びる内腔を含むことができる。
【0030】
遠位部分502は、ハンドル部分504から、内腔の遠位開口部を有する遠位先端510まで延びる連続的曲線を含むことができる。連続的曲線は、気管切開拡張器500が挿入中に気管を通過すること、及び遠位先端510が後気管壁をクリアすることを可能にすることができる。遠位部分502は、挿入を容易にするために、連続的曲線に沿って遠位先端510までテーパーを付けることができる。例えば、遠位部分502は、遠位先端510まで連続曲線に沿って徐々に減少する壁厚を介してテーパーを付けることができる。遠位部分502は、気管切開への挿入の際の摩擦を低減し、潤滑ゼリーの必要性を排除するために親水性コーティングを有することができる。また、遠位部分502は、遠位部分502の断面サイズ及び深さの指標512を含むことができる。例えば、図6Dに示されているように、指標512は、直径(例えば、38フレンチ)と、気管切開を拡張するための遠位部分502の挿入の適切な深さを示す少なくとも部分的に円周廻りの線と、を含むことができる。
【0031】
ハンドル部分504は、実質的に直線であり、遠位部分502と一体的に形成された細長い直線状のシャフトを含むことができる。ハンドル部分504は、遠位部分502の近位にあって、ユーザによって把持されるように構成することができる。ハンドル部分504は、ユーザのグリップ及び操作性を向上させるためにテクスチャ化することができる。例えば、ハンドル部分504は、シャフト上にテクスチャ付きゴムスリーブ514を含むことができる。テクスチャ化された表面上のグリップは、ハンドル部分504及び/又はスリーブ514の長さに沿って、複数の隆起した単語及び/又はロゴ(LOGO)(例えば、製造者及び/又は販売者の)をエンボス加工することによって強化することができる。スリーブ514は、相対的な滑りを防止するために、シャフトの外面上の細長い凹部に受け入れることができる。
【0032】
近位部分506は、ハンドル部分504の長手方向軸から少なくとも30~45度の角度でガイドワイヤ20を偏位させるように構成することができる。近位部分506は、ハンドル部分504の細長い直線状シャフトから着脱可能とすることができる。例えば、近位部分506は、ハンドル部分504のシャフト内に摩擦を有して受け入れられる遠位管状延長部530(図6Cに示すように)を含むことができる。遠位管状延長部530は、ハンドル部分504から一様に延びる管状部分532よりも小さい直径を有することができる。近位部分506は、ハンドル部分504の長手方向軸に対して少なくとも30~45度の角度で管状部分532から延びる角度付き軸外延長部534を更に含むことができる。角度付き延長部534は、内腔の近位開口部518を含むことができ、これを介して偏位されたガイドワイヤ20は、前進したときに気管切開拡張器500から外に通過する。図6Bに示されているように、近位部分506は、近位部分506の長手方向軸の廻りに回転して、角度付き延長部534及び近位開口部518を何れかの半径方向に配置することができる。近位部分506の回転により、例えば、ユーザの所望の把持及び/又はユーザが右利きであるか又は左利きであるかに応じて、ガイドワイヤ20の再配向が可能になる。従って、近位部分506は、ハンドル部分504を把持したときにガイドワイヤ20の挟み込みを低減又は防止することができる。
【0033】
本発明の多くの特徴及び利点は、詳細な説明から明らかであり、従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲内にあるこのような本発明の特徴及び利点を全て包含するものとする。更に、数多くの変更形態及び変形形態が当業者には容易に想起されることになるので、本発明を図示し説明した正確な構造及び動作に限定することは望ましくなく、従って、全ての適切な変更形態及び等価物は、本発明に用いることができ、本発明の範囲内にある。
【符号の説明】
【0034】
20 ガイドワイヤ
100 気管切開拡張器
102 遠位部分
104 ハンドル部分
106 近位部分
110 遠位先端
112 指標
114 スリーブ
116 ベベル
118 近位開口部
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
【国際調査報告】