(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット
(51)【国際特許分類】
B62L 3/04 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
B62L3/04 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021569046
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 IL2020050548
(87)【国際公開番号】W WO2020234876
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521506526
【氏名又は名称】アンブロシア インベストメンツ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャフィル,ラム
(57)【要約】
典型的にリアブレーキペダルへの即座の到達を妨げる様々な乗車姿勢のいずれかで乗車するときに、足がフットレスト上に留まっているライダーに対して、絶え間ない即座の到達可能性を提供するように機能する、人間工学的な自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットであって、
リアブレーキ油圧マスターシリンダーと連通するリアブレーキレバーと、
該リアブレーキレバーに接続したステッププレートと、
1つのフットレストと、
前記リアブレーキレバーと作用可能に連通する下方ステッププレートであって、前記ステッププレートよりも低い面において前記ステッププレートの後ろの位置に配置され、当該位置は、乗り手の足が前記1つのフットレスト上に留まっているときに前記ステッププレートと前記下方ステッププレートとの両方への同時の足の到達をもたらすような位置であるものである、前記下方ステッププレートとを備える、自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項2】
前記ステッププレートと、前記下方ステッププレートとを接続するステッププレート延長部をさらに備える、請求項1記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項3】
前記ステッププレートは、前記ステッププレート延長部の回転を促す適合したステッププレートであって、該適合したステッププレートの範囲内の該ステッププレート延長部の回転を促す適合したステッププレートとして実装される、請求項2記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項4】
前記ステッププレート延長部は、水平に対して10°~70°の角度を形成するように前記適合したステッププレートに解放可能に取り付けられる、請求項3記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項5】
前記ステッププレート延長部は、水平に対して20°~50°の角度を形成するように前記適合したステッププレートに解放可能に取り付けられる、請求項3記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項6】
前記ステッププレート延長部を展開位置へと付勢するように構成されたばね構成をさらに備える、請求項3記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項7】
前記ばね構成は、コイルねじりばねを含む、請求項6記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項8】
前記ステッププレート延長部を非展開位置に解放可能に固定するように構成された回り止め機構をさらに備える、請求項7記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項9】
前記ばね構成は、圧縮ばねを含む、請求項6記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項10】
前記下方ステッププレートは、前記ステッププレート延長部の接続構成に応じて、前記ステッププレート延長部の範囲内の複数の長手方向の位置のうちのいずれか1つにおいて固定可能である、請求項2記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項11】
前記下方ステッププレートは、前記ステッププレート延長部の接続構成に応じて、複数の方向のうちのいずれか1つにおいて固定可能である、請求項10記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項12】
前記リアブレーキレバーと前記下方ステッププレートとを接続するブレーキレバー延長部をさらに備える、請求項1記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項13】
前記下方ステッププレートは、前記ブレーキレバー延長部の接続構成に応じて、前記ブレーキレバー延長部の範囲内の複数の位置のうちのいずれか1つにおいて固定可能である、請求項12記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項14】
前記下方ステッププレートは、前記ブレーキレバー延長部の接続構成に応じて、複数の方向のうちのいずれか1つにおいて固定可能である、請求項12記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項15】
自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットであって、
リアブレーキ油圧マスターシリンダーと連通するリアブレーキレバーと、
該リアブレーキレバーに接続したステッププレートと、
下方ステッププレートと、
ステッププレート延長部であって、前記ステッププレートと、フットレスト上に留まっている下向きに傾斜する乗り手の足に到達可能である位置に配置された前記下方ステッププレートとを接続するステッププレート延長部であり、
前記ステッププレートは、前記ステッププレート延長部の回転を促す適合したステッププレートであって、該適合したステッププレートの範囲内の該ステッププレート延長部の回転を促す適合したステッププレートとして実装されるものである、前記ステッププレート延長部と、
前記ステッププレート延長部の最大展開角度を規定するように構成された制限ボルトとを備える、自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項16】
自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットであって、
リアマスターブレーキシリンダーと連通する自動二輪車のリアブレーキレバーと、
前記自動二輪車のリアブレーキレバーに取り付けられたステッププレートと、
前記自動二輪車のリアブレーキレバーに一体的に接続された一体的レバー延長部と、
1つのフットレストと、
前記一体的レバー延長部に取り付けられた下方ステッププレートであって、前記ステッププレートよりも低い面において前記ステッププレートの後ろの位置に配置され、当該位置は、乗り手の足が前記1つのフットレスト上に留まっているときに前記ステッププレートと前記下方ステッププレートとの両方への同時の足の到達をもたらすような位置であるものである、前記下方ステッププレートとを備える、自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項17】
前記下方ステッププレートは、前記一体的レバー延長部の接続構成に応じて、前記一体的レバー延長部の範囲内の複数の位置のうちのいずれか1つにおいて固定可能である、請求項16記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【請求項18】
前記下方ステッププレートは、前記一体的レバー延長部の接続構成に応じて、複数の方向のうちのいずれか1つにおいて固定可能である、請求項16記載の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車におけるリアブレーキ操作に関し、より詳細には全ての乗車姿勢でのリアブレーキ操作への到達を増強することに関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車での乗車姿勢の多くにおいて、乗り手は、自身の足をフットレストから持ち上げて右側フットペダルでリアブレーキを作動させなければならない。例えば、アタック姿勢ではシートの前近傍に、又は通常の乗車姿勢ではシートの中央にも位置する乗り手は、自身の足をある方向でフットレスト上に置くように強いられるが、当該方向では、意図した自然な範囲の足首の動きが、ステッププレートへの即座で容易な到達を妨げるものである。したがって、乗り手は、フットレストから自身の足を持ち上げて、該足をステッププレートの上に保持して即座の到達を確実にするようにさらに強いられる。
【0003】
こうした動作上の自由度の欠如は、通常乗り手が磨り減らせた保護靴が悪化させることがよくある。現在のリアブレーキ構成は、ステッププレート(ブレーキペダル)への絶え間ない到達のために乗り手にフットレストから足を離すようにさせることによって乗り手の不快感と疲労を引き起こすのみならず、それにより事故を助長してもいる。現在の構成はまた、ブレーキ操作時間の増大に加えて、ステッププレートに「当たっている」ときのブレーキのかけすぎを乗り手に助長するが、その一方でステッププレートとの絶え間ない接触が、適切なブレーキ操作具合のより精密な測定を容易にする。
【0004】
したがって、短い応答時間であらゆる乗車姿勢において快適で容易なリアブレーキ操作への到達の提供が要望されている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の教示によれば、自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットであって、リアブレーキ油圧マスターシリンダーと連通する適合したリアブレーキレバーと、該適合したリアブレーキレバーに接続したステッププレートであって、フットレスト上に留まっている下向きに傾斜する乗り手の足に到達可能である位置に配置された当該ステッププレートとを含む、自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットを提供する。
【0006】
本発明のさらなる特徴によれば、適合したリアブレーキレバーを受容するための接続構成を有する適合したステッププレートもまた提供する。
【0007】
本発明のさらなる特徴によれば、適合したリアブレーキレバーは、ステッププレート延長部として実装される。
【0008】
本発明のさらなる特徴によれば、ステッププレート延長部は、水平に対して10°~70°の角度を形成するように、適合したステッププレートに解放可能に取り付けられる。
【0009】
本発明のさらなる特徴によれば、ステッププレート延長部は、水平に対して20°~50°の角度を形成するように、適合したステッププレートに解放可能に取り付けられる。
【0010】
本発明のさらなる特徴によれば、ステッププレート延長部を展開位置へと付勢するように構成されたばね構成もまた提供する。
【0011】
本発明のさらなる特徴によれば、ばね構成は、ステッププレート延長部を展開位置へと付勢するように構成されたコイルねじりばね構成を含む。
【0012】
本発明のさらなる特徴によれば、ステッププレート延長部を非展開位置に解放可能に固定するように構成された回り止め機構もまた提供する。
【0013】
本発明のさらなる特徴によれば、ばね構成は、ステッププレート延長部を展開状態又は非展開状態のいずれかへと付勢するように構成された圧縮ばね構成を含む。
【0014】
本発明のさらなる特徴によれば、レバー延長部に取り付けられた下方ステッププレートであって、ステッププレート延長部の範囲内の複数の長手方向の位置のうちのいずれか1つにおいて固定可能である当該下方ステッププレートもまた提供する。
【0015】
本発明のさらなる特徴によれば、下方ステッププレートは、複数の方向のうちのいずれか1つにおいて固定可能である。
【0016】
本発明のさらなる特徴によれば、ステッププレート延長部の最大展開角度を規定するように構成された制限ボルトもまた提供する。
【0017】
本発明のさらなる特徴によれば、適合したリアブレーキレバーは、ブレーキレバー延長部として実装される。
【0018】
本発明のさらなる特徴によれば、ブレーキレバー延長部に取り付けられた下方ステッププレートであって、ブレーキレバー延長部の範囲内の複数の位置のうちのいずれか1つにおいて固定可能である下方ステッププレートもまた提供する。
【0019】
本発明のさらなる特徴によれば、下方ステッププレートは、複数の方向のうちのいずれか1つにおいて固定されるように機能する。
【0020】
本発明の教示によれば、自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットであって、リアマスターブレーキシリンダーと連通する、自動二輪車のリアブレーキレバーと、該自動二輪車のリアブレーキレバーに取り付けられたステッププレートと、
【0021】
自動二輪車のリアブレーキレバーに一体的に接続したレバー延長部と、該レバー延長部に取り付けられた下方ステッププレートであって、フットレスト上に留まっている下向きに傾斜する乗り手の足に到達可能である位置に配置された当該下方ステッププレートとを含む、自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットもまた提供する。
【0022】
本発明のさらなる特徴によれば、下方ステッププレートは、レバー延長部内の複数の位置のうちのいずれか1つにおいて固定可能である。
【0023】
本発明のさらなる特徴によれば、下方ステッププレートは、複数の方向のうちのいずれか1つにおいて固定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明としてみなされる主題は、特に、明細書の結論の部分において示し、明瞭に主張している。本発明は、以下の添付の図面を考慮して最良に理解される:
【0025】
【
図1】
図1Aは、自然な/アタックの位置にある膝及び足の姿勢の概略図である。
【0026】
図1Bは、
図1Aの自然な又はアタックの位置での乗車によって必然的に生じる、ブレーキペダルへの到達を可能にさせる持続できない足の姿勢の概略図である。
【0027】
【
図2】
図2は、ウィリー操作中の足の姿勢の概略図である。
【0028】
【
図3】
図3は、2名乗車の際の足の姿勢の概略図である。
【0029】
【
図4】
図4は、ステッププレート延長部として実装された、枢動可能に取り付けられたリアブレーキアダプターユニットの概略斜視側面図である。
【0030】
【
図5】
図5Aは、ある実施形態による、
図4のステッププレート延長部の上方ステッププレートへの接続構成の概略斜視側面図である。
【0031】
図5Bは、ある実施形態による、それによりステッププレート延長部を乗り手の要望を手助けするように構成することが可能であるような角度の範囲を示す、
図4の接続構成の概略側面図である。
【0032】
【
図6-1】
図6A~6Bは、ねじりばねの実施形態による、それぞれ展開状態及び非展開状態での格納自在なステッププレート延長部の概略斜視断面側面図である。
【0033】
【
図6-2】
図6C~6Dは、ねじりばねの実施形態による、乗り手の要望に従って展開角度を規定するように機能する制限ボルトを示す、ステッププレート延長部の概略断面斜視断面側面図である。
【0034】
【
図7】
図7A~7Bは、圧縮ばねの実施形態による、それぞれ展開状態及び非展開状態での格納自在なステッププレート延長部の概略斜視側面図である。
【0035】
【
図8】
図8は、第2の実施形態による、ブレーキレバー延長部として実装される、自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットの斜視側面図である。
【0036】
【
図9】
図9は、ある実施形態による、自動二輪車のフレームと既存のブレーキ作動ハードウェアとの接続を示す、
図9の自動二輪車のブレーキレバー延長部の分解斜視図である。
【0037】
【
図10】
図10は、実施形態による、展開状態での
図10のブレーキレバー延長部の斜視後方図である。
【0038】
【
図11】
図11は、ある実施形態による、自動二輪車のブレーキレバーと一体的に実装したリアブレーキアダプターユニットの斜視側面図である。
【0039】
【
図12】
図12は、ある実施形態による、ブレーキ適応ユニットにより可能になった、ブレーキペダルに絶え間なく到達する足の姿勢を強調して示す図である。
【0040】
明確化のため、各図に示した構成要素は、縮尺通りに描かれていないことがあり、また参照符号は、別の図において対応する又は類似の構成要素を指し示すために繰り返すことがあるということが理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の詳細な説明において、本発明の理解を促すために特定の詳細を記載するが、これは、本発明がこれら特定の詳細なしに実施されてもよいということを当業者により理解されたい。さらに、周知の方法、手順及び構成要素については、本発明を強調するために省略していない。
【0042】
本発明は、全ての乗車姿勢での乗り手に対して、リアブレーキペダルへの到達を容易にする、人間工学的な自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットである。
【0043】
ここで図面を参照して、
図1A~1Bは、自然な/アタックの姿勢での乗り手を描いている。図示するように、詳細100及び105では、乗り手はフットレスト120上に足を乗せている間、水平に対して20°~30°の下向きの角度でリアブレーキのステッププレート130の下側に足を位置させることを強いられている。こうした足の姿勢からステッププレート130を踏むことは、不可能でないにしても生理学的に困難な課題であるが、これは足のステッププレート130への到達が、20°の背屈制限を容易に超え得るからである。さらに
図1Bの詳細140に示すように、乗り手がステッププレート130の上への不可能な足の姿勢を想定しなければならないような地点への足首の動きは、厚手の保護靴110により妨げられる。これらブレーキ操作時の妨害はまた、上記に記載したように、乗り手がシートの中央である通常の乗車位置に座っている場合にもまた存在するということを理解されたい。
【0044】
図2は、ウィリー操作中の足の姿勢の概略図である。詳細200に示すように、当該操作中の足の位置は、ステッププレート130の下側の位置が当然にとられる。リアブレーキ制御が即座にないということは、自動二輪車が後方へはじき飛ばされること、及び傷害や生命の危険すらも引き起こす非常に高い危険性が存在することを意味する。
【0045】
図3は、2人乗車であって、前方の乗り手がシート前方寄りの位置に座っており、詳細300に示すように、それによって完全なリアブレーキ制御の助けにならない足の姿勢がとられることになる、2人乗車の文脈を示す。
【0046】
図4は、ある実施形態による、ステッププレート延長部420、調節可能な下方ステッププレート430、及び適合したステッププレート415として実装される適合したリアブレーキレバーを含む人間工学的な自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット400の概略斜視側面図である。図示するように、適合したステッププレート415は、リボルトジョイント(revolt joint)450において車体フレーム(図示せず)に枢動可能に取り付け可能であるブレーキレバー410の遠位端と連動する。レバー410は、押し棒445を介して油圧マスターシリンダー440に連結する。
【0047】
運転においては、下方ステッププレート430に加えられた足の圧力Aが、レバー410を回転Bに回転させ、そしてあたかも圧力が上方ステッププレート415に加えられたかのように、シリンダー440内へと押し棒445を動かし、それによって様々な乗車姿勢において見られる2つの可能性のある足位置からのリアブレーキ操作性能を有利に提供する。
【0048】
図5A~5Bは、ある実施形態による、適合したステッププレート415とのステッププレート延長部420の接続構成の概略斜視側面図である。図示するように、ステッププレート延長部420はボルト447を介して適合したプレート415に取り付けられて、
図5Bに示すように水平に対して10°~70°の任意の選択された角度でボルト445により固定されて、乗り手の要望を手助けする。ある実施形態においては、ステッププレート延長部420は、ブレーキレバー410に直接接続可能であるということを理解されたい。
【0049】
下方ステッププレート430は、平行溝425を介してステッププレート延長部420に回転可能かつ摺動可能に取り付けられ、またボルト427を介して所望の方向で溝425内に所望の高さで固定される。
【0050】
他の接続構成は、ボルトの445、427の機能性を提供することを意味し、また溝440及び425もまた本発明の範囲内に含まれるということを理解されたい。
【0051】
図6A~6Bは、ねじりばねの実施形態による、それぞれ展開状態及び非展開状態でのステッププレート延長部420の格納自在な実施形態の概略斜視断面側面図である。
【0052】
図示するように、ステッププレート延長部420は、必要であればステッププレート延長部420を格納し、また展開位置へとはね返るように機能するばね構成が取り付けられている。ばね構成640は、さらに述べることとなるとおり、ばねコイルが上方ステッププレート415本体内に係止されており、制限ボルト470によって規定される展開角度へとステッププレート延長部420を動かすように付勢されている。ステッププレート延長部420は、ある実施形態において、筒内に配置された係止球615を動かす埋め込みプランジャーばね620であって、球615が上方プレート415の本体内に配置された対応する球形の受容部610内に固定されるように当該係止球615を動かす埋め込みプランジャーばね620を含めた回り止め機構を含む。
【0053】
上記に記載したように、ステッププレート延長部420は、展開角度で持続的に固定されずに、障害物との又は深いバンクの際の道路との衝撃に応答可能なようにステッププレート延長部420をブレーキレバー410へ向けて上方に回転させることと、展開角度へとはね返ることとが有利にできるようになる。許容限界角度への上方への回転が達成されると、係止球615は球形の受容部610によって捕捉されることにより、乗り手が球形の受容部610からプランジャー係止球615を解放するのに十分下方へとステッププレート430を押すことによって回り止めを解除するまで、実質的に水平の非展開位置に延長部420を解放可能に固定する。解放されると、ねじりばね640が、ステッププレート延長部420を展開角度へと動かす。
【0054】
別の変形の実施形態においては、ねじりばね構成640のコイル部が、ステッププレート延長部420内に固定されている。さらに、ある変形の実施形態においては、プランジャー係止球615の付勢ばねが、上方ステッププレート430本体内に配置され、受容部610がステッププレート延長部420内に配置される。他のタイプの回り止め機構が、本発明の範囲内に含まれることを理解されたい。
【0055】
図6C~6Dは、展開角度を規定する展開角度制限ボルト470を有するステッププレート延長部420の概略斜視断面側面図である。図示するように、制限ボルト470は、ねじ山を備えた筒465内に配置され、回転方向に応じて筒465内を前進又は後退する。上方ペダル415本体に対する制限部470の隣接点が、ステッププレート延長部420の展開角度を規定する。
【0056】
別の実施形態においては、展開角度の制限部470は、ねじ山のない予め規定された区画内を前進するように構成されている。別の実施形態においては、制限部470は、適合した上方ステッププレート415本体内に収納され、ステッププレート延長部420に隣接して最大展開角度を規定する。
【0057】
図7A~7Bは、圧縮ばねの実施形態による、それぞれ展開状態及び非展開状態での格納自在なステッププレート延長部420のばね構成の変形の実施形態の概略断面斜視側面図である。
【0058】
図示するように、ステッププレート延長部420は、面730と隣接する状態へとプランジャー715を付勢するように構成された圧縮ばね710が取り付けられている。プランジャー715は、上面720と隣接しているとき、ステッププレート延長部420は非展開位置に解放可能に固定されており、一方で下面725と隣接しているとき、プランジャー715は、プランジャー715が受容部730内に解放可能に固定されるまで下方に動かされるが、これはステッププレート延長部420の展開位置がとられる場所である。
【0059】
この変形の実施形態においては、ステッププレート延長部420は、展開角度で持続的に固定されずに、走行中の障害物との衝撃に応答可能なようにステッププレート延長部420が上方に回転することと、展開角度へとはね返ることとが有利にできるようになる。上方への回転が、水平に対して10°~15°の許容限界角度を達成するとき、プランジャー715は、面725と隣接の角度を通過して動き、そして下方ステッププレート430を下方に押すことによって乗り手がプランジャーの係合を解放するまで、実質的に水平の非展開位置がとられることとなる。
【0060】
ある実施形態においては、ばね構成は、1又は複数の引張ばね、板ばね、双安定ばね(bistable spring)又は当該機能性をもたらす他の付勢要素を実装するということを理解されたい。
【0061】
図8は、ステッププレート430を伴う、ブラケット810に枢動可能に取り付けられるブレーキレバー延長部820として実装される適合したリアブレーキレバーを含む、自動二輪車のリアブレーキアダプターユニット400の第2の実施形態の斜視側面図である。ブラケット810の自動二輪車フレーム860への取り付け、フットレスト120のブラケット810への取り付け、及び下方ステッププレート430のブレーキレバー延長部820への取り付けを、
図9の拡大図に示している。また
図9には、押し棒445であって、当該棒445が、対応するステッププレートに圧力が加えられると自動二輪車レバー410又はブレーキレバー延長部820のいずれかによって有利に動かされ得るように、枢動可能に取り付けられたブレーキレバー延長部820の押し棒445との境界を示している。
【0062】
図10は、運転中の自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットのブレーキレバー延長部の実施形態の斜視背面図である。図示するように、圧力Aが下方ステッププレート430に加えられて、矢印Cで示すように、回転軸取り付け部850を中心にブレーキレバー延長部820が、回転軸取り付け部450を中心にレバー410が回転する。
【0063】
ある実施形態においては、ブレーキレバー延長部820は、2つのレバー要素825及び820として実装され、これらは、乗り手の要望に応じて選択された角度で解放可能に連動する。
【0064】
図11は、ある実施形態による、一体的なレバー延長部422として実装される適合されたリアブレーキレバーを含むリアブレーキアダプターユニット400の斜視側面図である。
【0065】
図示するように、一体的なレバー延長部422は、ブレーキレバー410から直接延在して、そして上記に示すように乗車姿勢がステッププレート415の使用の助けにならない場合に、ブレーキへの到達をもたらす。この実施形態もまた、調節可能な下方ステッププレート430を採用する。ある変形の実施形態においては、適合したステッププレート415は、取り付けされることなく実装される。
【0066】
図12は、上記した様々な乗車姿勢によって必然的に生じるような上方ステッププレート130の上に足110を保持することに付随する危険性及び不快感を有利に打ち消すように、該足110をフットレスト120上に留める一方で、ステッププレート430との絶え間ない接触を維持するブレーキ適応ユニット400を利用する乗り手の概略図である。
【0067】
自動二輪車のリアブレーキアダプターユニットは、アルミニウム、金属合金、高分子材料、又は自動二輪車のブレーキレバーの構築に採用されるような組み合わせから構築される。例えば機械加工、鋳造、鍛造、又は印刷のような公知の構築方法は全て、好適な構築方法である。
【0068】
別個の実施形態として記載された各特徴の組み合わせから形成された実施形態もまた、本発明の範囲内であるということを認識されたい。
【0069】
本発明の特定の特徴について本明細書において説明及び記載してきたが、変形、置換及び均等物が、本発明の範囲内に含まれる。
【国際調査報告】