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特表2022-534010燃焼器および熱交換器として機能する管状反応器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】燃焼器および熱交換器として機能する管状反応器
(51)【国際特許分類】
   F02G 1/055 20060101AFI20220720BHJP
   F23D 14/14 20060101ALI20220720BHJP
   F28D 7/16 20060101ALI20220720BHJP
   F25B 9/14 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
F02G1/055 B
F23D14/14 D
F28D7/16 D
F25B9/14 520A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569156
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 IB2020054910
(87)【国際公開番号】W WO2020234849
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】62/851,288
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516137580
【氏名又は名称】サーモリフト,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホーフバウアー,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ガディラジュ,シッダールタ
(72)【発明者】
【氏名】ジャドハブ,アクシャイ
(72)【発明者】
【氏名】アンブリコ,タイラー
【テーマコード(参考)】
3K017
3L103
【Fターム(参考)】
3K017BB08
3K017BE09
3L103AA35
3L103CC27
3L103CC29
3L103DD06
(57)【要約】
燃焼器および熱交換器として機能する管状反応器が開示される。そのような反応器は、燃焼器の周りに配置された熱交換器を有する燃焼器を有するシステムに取って代わる。複合的なシステムは、燃料と空気の混合物用の入口、およびその表面に画定された、燃料と空気の混合物がディフューザを出て行く複数の孔を有するディフューザと、複数の管とを含む。各管の長さに沿った第1の直線部分は、ディフューザから所定の距離だけ変位された管の第1の部分の中心線と互いに平行である。隣接する管の直線部分の中心線は、所定のギャップだけ互いから変位されている。燃料および空気は、管を通って移動するガスへの効果的な熱伝達のために管の第1の部分の近傍で燃焼する。そのような管状反応器は、熱圧縮ヒートポンプ内で採用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状反応器であって、
燃料と空気の混合物のための入口、およびその表面に画定された、前記燃料と空気の混合物がディフューザを出ていく複数の孔を有するディフューザと、
複数の管であって、
各管の長さに沿った第1の部分は直線状であり、
前記管の各々の前記第1の部分の中心線は、前記ディフューザの外面から第1の所定の変位量だけ変位されており、
各管の前記第1の部分の前記中心線は、各隣接する管の前記第1の部分の前記中心線から所定のギャップだけ離間されている
複数の管とを備える管状反応器。
【請求項2】
前記管の各々の前記第1の部分は、前記管の他のすべての第1の部分と互いに平行であり、
前記管の各々の長さに沿った第2の部分は、U字形であり、
各管の長さに沿った第3の部分は直線状であり、
前記第3の部分の中心線は、前記ディフューザの外面から第2の所定の変位量だけ変位されており、
各管の前記第1の部分および前記第3の部分は、前記管の前記第2の部分を介して流体結合され、
前記管の前記第1の部分は、第1のチャンバと流体的に結合され、
前記管の前記第3の部分は、第2のチャンバと流体的に結合される、請求項1に記載の管状反応器。
【請求項3】
前記複数の管は第1の複数の管であり、
前記管状反応器は、第2の複数の管の各々の長さの第1の直線部分を互いに平行に有する第2の複数の管をさらに備え、
前記第2の複数の管の、これらの管の各々の前記第1の部分の中心線は、前記ディフューザの外面から第2の所定の変位量だけ変位されており、
前記第2の所定の変位量は、前記第1の所定の変位量よりも大きい、請求項1に記載の管状反応器。
【請求項4】
前記所定のギャップは消炎距離に基づいている、請求項1に記載の管状反応器。
【請求項5】
前記管の前記第1の直線部分および前記第2の直線部分の大部分が反射シリンダの内側に配設された反射シリンダをさらに備える、請求項2に記載の管状反応器。
【請求項6】
前記管の前記第1の部分と前記第3の部分との間に配設された点火器をさらに備える、請求項2に記載の管状反応器。
【請求項7】
前記複数の管の前記第2の部分上に載置される被覆部分と、滑らかな内面およびノッチ付きの外面を有する円筒形部分とを有するキャップをさらに備え、
前記キャップの前記環状部は、内径を有する内縁と、外径を有する外縁とを有し、
前記キャップの前記円筒形部分は、前記環状部分の前記内縁において前記環状部に結合し、
前記ノッチ付きの外面のノッチの数は、前記複数の管の数に等しく、
前記複数の管の前記第1の部分の各々は、前記ノッチ付きの外面上のノッチと係合する、請求項2に記載の管状反応器。
【請求項8】
前記キャップの前記被覆部分は、内部に画定された切り欠きを有し、それによって点火器の設置に対応する、請求項7に記載の管状反応器。
【請求項9】
リングが、前記ディフューザから最も遠い、前記第2の複数の管の前記第3の部分の表面に当接する状態で、前記第2の複数の管の前記第3の部分の上を摺動する、請求項2に記載の管状反応器。
【請求項10】
前記第1の部分に流体結合された前記複数の管の長さに沿った第4の部分と、
前記複数の管の隣接する第4の部分の間のギャップに詰められた耐火材料とをさらに備える、請求項2に記載の管状反応器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヒートポンプ、熱機関、または他の熱力学的装置において使用することができる管状反応器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱力学的装置の一例である圧縮膨張ヒートポンプ200を図1に示す。ヒートポンプ200は、高温熱交換器202と、高温ディスプレーサ206が中で往復移動するシリンダ204と、冷温ディスプレーサ210が中で往復移動するシリンダ208とを有する。メカトロニクスセクション220におけるメカトロニクスアクチュエータは、高温ディスプレーサ206および冷温ディスプレーサ210に結合され、移動の端部間でディスプレーサを駆動する。ヘリウムなどの低分子量ガスが、シリンダ204および208内ならびに高温熱交換器202の管の内部に収容される。ドーム278、シリンダ壁280、およびディスプレーサ206の上面によって区切られた高温チャンバ276が存在する。また、温暖-高温チャンバも存在するが、これは、ディスプレーサ206が図1の下方位置に示されているため、図1では見ることができない。温暖-高温チャンバは、メカトロニクスセクションとディスプレーサ206との間に位置する。冷温ディスプレーサ210の下の冷温チャンバ280を図1に見ることができるが、ディスプレーサ210がその上方位置に示されているため、冷温-温暖チャンバは見ることができない。ディスプレーサ206,210が往復移動させられるとき、作動ガスが、冷温チャンバ280、高温チャンバ276、温暖-高温チャンバおよび温暖-冷温チャンバ間を移動する。作動ガスは、シリンダ204および208の外側に位置する環状空間内に配置された蓄熱器および/または熱交換器を通って移動することによって様々なチャンバに到達する。高温ディスプレーサ206が高温熱交換器202に向かって上方に移動するとき、作動ガスは、高温熱交換器202の管から蓄熱器230内に流入し、蓄熱器230から温暖-高温熱交換器240内へと流れ、温暖-高温熱交換器から温暖-高温チャンバ内に流れる。高温ディスプレーサ206が他の方向に移動するとき、流れは上記のものと反対になる。
【0003】
冷温ディスプレーサ210の移動に関して、作動流体は、冷温ディスプレーサ210の下方の(メカトロニクスセクション220から離れる)シリンダ208内の空間と冷温熱交換器260との間、冷温熱交換器260と冷温蓄熱器270との間、冷温蓄熱器270と温暖-冷温熱交換器250との間、および冷暖-冷温熱交換器250と温暖-冷温チャンバとの間を移動する。
【0004】
熱交換器240,250、260を通過する流体の一つは作動流体である。本例における他の流体は、液体冷却剤である。温暖-高温熱交換器240に関して、冷却剤は、入口242を通って温暖-高温熱交換器240の通路に到達し、出口244を通って出て行く。同様に、温暖-冷温熱交換器250の通路は、入口252および出口254に結合されており、冷温熱交換器260の通路は、入口262および出口264に結合されている。
【0005】
空気および燃料は、送風機270を介してヒートポンプ200に提供される。予混合された空気および燃料は、ヒートポンプ200を出ていく排気ガスによって予熱するために熱交換器を通って送られる。これは、ここでは説明されないかなり複雑な経路である。しかしながら、空気および燃料は、入口274を通ってワイヤメッシュディフューザ/燃焼器272に提供される。ワイヤメッシュディフューザ/燃焼器272は、燃焼器272の内部への燃焼のブローバックを防止する開口部を外面に有する。ディフューザ/燃焼器272は、ディフューザ/燃焼器272の外面付近で燃料が酸化する燃焼ホルダとして機能する。ディフューザ/燃焼器272は、非常に高温になり、高温熱交換器202の管に対して放射する。管は、U字形であり、U字形の脚部の一方の側面がよりディフューザ/燃焼器272に近く、放射の形状係数がより良好である。管の表面積は、管を通って流れるヘリウムへの熱伝達をもたらすのに不適切であるが、これは、ディフューザ/燃焼器272に面する管の内側脚部の一方の表面が、管の溶融温度または軟化温度に起因して空気および燃料を燃焼させることができる量に限界を設定するためである。また、放射が制限されている他の管表面は、ヘリウムへの効果的な熱伝達を促進するのに十分に高温ではない。
【0006】
熱伝達のために、図1の燃焼システムよりも均一に管の表面積を使用する燃焼システムを有することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術における少なくとも1つの問題を克服するために、燃料と空気の混合物用の入口、およびその表面に画定された、燃料と空気の混合物がディフューザを出ていく複数の孔を有するディフューザと、複数の管とを有する管状反応器が開示される。各管の長さに沿った第1の部分は直線状である。各管の第1の部分の中心線は、ディフューザの外面から第1の所定の変位量だけ変位されている。各管の第1の部分の中心線は、各隣接する管の第1の部分の中心線から所定のギャップだけ離間されている。各管の長さに沿った第2の部分はU字形である。U字形部分は、U字形の長さにわたって湾曲することができる、あるいは直線部分をそれらの間に有する2つの湾曲部分を有することができる。
【0008】
各管の第1の部分は、管の他のすべての第1の部分と互いに平行である。各管の長さに沿った第3の部分は直線状であり、第3の部分の中心線は、ディフューザの外面から第2の所定の変位量だけ変位されている。各管の第1の部分および第3の部分は、管の第2の部分を介して流体結合される。管の第1の部分は、第1のチャンバと流体結合される。管の第3の部分は、第2のチャンバと流体結合される。いくつかの実施形態では、第1のチャンバは、ヒートポンプにおける高温チャンバであり、第2のチャンバは、その中に配設された蓄熱器を有する。
【0009】
複数の管は、第1の複数の管である。管状反応器は、第2の複数の管の各々の長さの第1の直線部分を互いに平行に有する第2の複数の管をさらに含む。第2の複数の管の、これらの管の各々の第1の部分の中心線は、ディフューザの外面から第2の所定の変位量だけ変位されている。第2の所定の変位量は、第1の所定の変位量よりも大きい。
【0010】
いくつかの実施形態では、所定のギャップは、消炎距離に基づいている。
【0011】
管状反応器は、管の第1の部分および第2の部分の大部分が反射シリンダの内側に配設された反射シリンダを含む。
【0012】
管状反応器はまた、管の第1の部分と第3の部分との間に配設された点火器を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、管状反応器はまた、管の第1の部分に接着された、所定の閾値よりも高い溶融温度を有する材料のメッシュを含む。他の実施形態では、多孔質媒体が管の第1の部分に接着され、この場合、多孔質媒体は所定の閾値よりも高い溶融温度を有する。所定のギャップは、複数の管における管の数、管の断面積、管を通る所望の流量、および管を通る許容可能な圧力降下に少なくとも基づいている。
【0014】
実質的に円筒形のディフューザを有する管状反応器が開示される。ディフューザは、燃料および空気のための入口と、その円筒状の表面に画定された複数の出口孔と、ディフューザ中心線とを有する。管状反応器はまた、第1の複数の管および第2の複数の管を有する。第1の複数の各管の第1の直線部分の中心線は、第1の直径の第1の円と交差する。第1の複数の各管の第1の直線部分の中心線は、第1の円上に均等に配置される。第2の複数の管の各管の第1の直線部分の中心線は、第2の直径の第2の円と交差する。第2の複数の管の各管の第2の直線部分の中心線は、第2の円上に均等に配置される。第1の複数の管および第2の複数の管の各管の第2の直線部分の中心線は、第3の直径の第3の円と交差する。第2の直線部分は、第3の円上に均等に配置される。ディフューザ中心線、第1の円の中心線、第2の円の中心線、および第3の中心線は同軸である。各管は、第1の直線部分を第2の直線部分に結合するU字形部分を有する。
【0015】
第1の複数の管の各管の第1の直線部分は、第1の複数の管の、これらの管の隣接する第1の直線部分から第1の所定のギャップだけずらされている。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1の複数の管の、これらの管の第1の部分の外面上に触媒材料が設けられる。
【0017】
管状反応器は、いくつかの実施形態では、シリンダの円筒の内面上に反射面を有する反射シリンダを有する。反射シリンダは、第3の円の直径よりも大きい直径を有する。反射シリンダの中心線は、ディフューザと同軸である。
【0018】
管状反応器は、第1の複数の管の第1直線部分の中心線と第2の直線部分の中心線との間に配設された点火器を有する。
【0019】
第1の複数の管および第2の複数の管の第1の直線部分は、第1の複数の管および第2の複数の管の各々の第1の移行部分を介して第1のチャンバに流体結合され、第1の複数の管および第2の複数の管の第2の直線部分は、第1の複数の管および第2の複数の管の各々の第2の移行部分を介して第2のチャンバに流体結合される。
【0020】
いくつかの実施形態では、メッシュまたは多孔質媒体が、第1の複数の管の第1の直線部分に接着される。
【0021】
シリンダと、シリンダ内に配設されたディスプレーサと、ディスプレーサを往復移動させるアクチュエータと、シリンダ、ディスプレーサ、およびオリフィスが内部に画定されたドームによって区切られた高温チャンバとを有する熱力学的デバイスも開示される。デバイスは、燃料と空気の混合物のための入口、および燃料と空気の混合物がディフューザを出るための複数の孔を有するディフューザと、蓄熱器チャンバと、点火器と、複数の管とを有する。各管の長さに沿った第1の直線部分は、ディフューザの外面から所定の変位量だけ変位された中心線を有する。各管の直線部分の中心線は、各隣接する管の直線部分の中心線から所定の距離だけ変位されている。点火器は、複数の管の直線部分よりもディフューザから遠くに変位されている。管は、第1の端部において高温チャンバに流体結合され、第2の端部において蓄熱器チャンバに流体結合される。管内のガスは、ディスプレーサがドームに向かって移動するとき、高温チャンバから管内に移動し、管から蓄熱器チャンバ内に移動し、管内のガスは、ディスプレーサがドームから離れて移動するとき、蓄熱器チャンバから管内に移動し、管から高温チャンバ内に移動する。
【0022】
いくつかの用途では、管の第1の直線部分の外面は、多孔質媒体、およびそれに接着されたメッシュのうちの一方を有する。
【0023】
他の用途では、複数の管の第1の直線部分は互いに平行であり、複数の管の隣接する第1の直線部分の間の距離は所定のギャップである。
【0024】
いくつかの用途では、管が変形するか、さもなければわずかに移動し、管の間のギャップがゆがむようになることが懸念される。管は、所望のギャップを超えてディフューザ上へのフラッシュバックが発生するのに十分に移動することができることが可能である。必要に応じて管を保持するために、管状反応器はまた、複数の管の第2の部分に載置される被覆部分と、滑らかな内面およびノッチ付きの外面を有する円筒形部分とを有するキャップを含む。キャップの環状部分は、内径を有する内縁と、外径を有する外縁とを有する。キャップの円筒形部分は、環状部分の内縁において環状部分に結合する。ノッチ付きの外面のノッチの数は、複数の管の数に等しい。複数の管の第1の部分の各々は、ノッチ付きの外面上のノッチと係合する。
【0025】
キャップの被覆部分は、内部に画定された切り欠きを有し、それによって点火器の設置に対応する。
【0026】
いくつかの実施形態では、管の調整をさらに制御するために、リングが、ディフューザから最も遠い、第2の複数の管の第3の部分の表面に当接する状態で、第2の複数の管の第3の部分の上を摺動する。
【0027】
いくつかの実施形態では、管状反応器は、第1の部分に流体結合された複数の管の長さに沿った第4の部分を含む。その第4の部分が、用途の他の態様に対応するために特定の方向に角度を付けられる、または曲げられる場合、ギャップは、所定のギャップよりも大きくなる場合がある。そのような実施形態では、複数の管の隣接する第4の部分の間のギャップに耐火材料が詰められる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】組み合わされた燃料ディフューザと燃焼器とを有する圧縮膨張ヒートポンプの断面図である。
図2】分離された燃料拡散要素と、燃焼要素とを有する圧縮膨張ヒートポンプの断面図である。
図3】本開示の一実施形態による燃焼および熱交換器システムの断面図である。
図4】燃焼/熱交換器システムの単一の管の図である。
図5】熱交換器管のいくつかを取り囲む多孔質媒体を有する燃焼および熱交換器システムの断面図である。
図6】熱交換器管のいくつかの隣にメッシュを有する燃焼および熱交換器システムの一部の図である。
図7】熱交換器管のいくつかの隣にメッシュを有する燃焼および熱交換器システムの一部の図である。
図8】管のU字形部分の上に配置されたキャップの図である。
図9】管のU字形部分の上に配置された図8のキャップの断面図である。
図10】管状反応器のアセンブリの一実施形態を示す図である。
図11】管状反応器の代替のキャップを示す図である。
図12】管の長さに沿った一断面において隣接する管の間のギャップに充填された絶縁材料を示す、管状反応器内からの図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
当業者が理解するように、図のいずれか1つを参照して図示および説明された実施形態の様々な特徴は、1つまたは複数の他の図に示された特徴と組み合わせて、明示的に図示または説明されていない代替の実施形態を生み出す可能性がある。図示の特徴の組み合わせは、典型的な用途の代表的な実施形態を提供する。しかしながら、本開示の教示と一致する特徴の様々な組み合わせおよび修正が、特定の用途または実装形態にとって望ましい場合がある。当業者は、明示的に記載または図示されているか否かにかかわらず、同様の用途または実装形態を認識し得る。
【0030】
図2には、代替的な燃焼および熱交換システムが示されている。ヒートポンプ140の上部は、シリンダ88内に配設されたディスプレーサ90を有する。ディスプレーサ90は、ディスプレーサ90にシリンダ88内で往復運動するように指令する、図1に記載のシステムと同様のメカトロニクスシステム(図2には図示せず)に結合されている。高温チャンバ84内のヘリウムまたは水素などの作動ガスの体積が、ディスプレーサ90の移動の結果として変化する。作動ガスが高温チャンバ84から押し出されるとき、作動ガスは、ドーム96内を通過するオリフィス94内に押し込まれる。オリフィス94は管に結合され、その各々は、第1のコネクタセクション142を有し、これは第1の直線部分150に結合され、これはU字形部分158に結合され、これは第2の直線部分154に結合され、これは第2のコネクタセクション144に結合される。第2のコネクタセクション144は、ハウジング86とシリンダ88との間に位置する蓄熱器92に流体結合する。ハウジング86とシリンダ88との間の空間は環状である。蓄熱器92は環状である。
【0031】
管の中心には、予混合された燃料および空気が供給されるディフューザ68がある。ディフューザ68は、外面に複数の小孔を有する円筒である。ディフューザは、燃料および空気を管の第1の直線部分150に均一に分配させる。
【0032】
図2の断面は、3-3によって示されるように、図3に示されている。図3の断面は、図2の断面だけでなく、(図2の)ヒートポンプ140全体を通っている。ディフューザ68は、中心(49における燃焼器の中心)にある。ディフューザ68の表面からの変位距離60には、第1の複数の管50の第1の直線部分がある。第1の直線部分50は、互いに平行であり、中心線から中心線まで距離58だけ互いから変位されている。ギャップ59は、縁部間の距離である。ギャップ59は、フラッシュバックを回避するために所定のギャップより小さいか、それと等しい。ディフューザ68からの空気および燃料は、第1の直線部分50に向かって進む。ディフューザ68と第1の直線部分50との間で燃焼が生じないことが好ましく、代わりに、空気による燃料の酸化は、第1の直線部分50の近くで生じることが望ましい。そのため、ギャップ59は所定のギャップよりも小さいため、ディフューザ68から遠く離れた直線部分50の側からディフューザ68に向かって燃料や空気の酸化物の燃焼が伝播することはない。
【0033】
第2の複数の管52の第1の直線部分が図3に示されている。図2を参照すると、第2の複数の管の第1の直線部分152は、U字形部分158を介して第2の複数の管の第2の直線部分154に結合される。第2の複数の管は、第1の複数の管(部分150,154および158を含む)よりもディフューザ68から遠くに変位されている。ここで図3を参照すると、第2の複数の管52の第1の直線部分が断面で見られる。第2の複数の管54の第1の直線部分は、互いに平行である。第2の複数の管の中心線は、変位距離62によってディフューザ68の外面から変位されている。第1の複数の管54の第2の直線部分および第2の複数の管56の第2の直線部分は、ディフューザ68から同じ距離に散在している。図3には、点火器70も示されている。点火器70の先端は、第2の複数の管52の第1の直線部分と、第1の複数の管54および第2の複数の管56の第2の直線部分との間に位置決めされる。点火器70のこのような位置は、非限定的な一例である。
【0034】
いくつかの実施形態では、内面上で反射するリング72が設けられる。反射面は、管50、52、54、および56からの放射エネルギーをそれらの同一の管上に反射させて、システムからの熱損失を低減させる。
【0035】
図2を参照すると、管のいくつかは、U字形部分158を有する残りの管よりも下方のU字形部分168を有する。図2の実施形態では、点火器(図示せず)は、上部から挿入され、U字形部分158のレベルの下に延びる。燃料の酸化は、第1の直線部分150と第2の直線部分154との間の空間内で起こり、その多くは第1の直線部分150および152の隣で起こり、このことは、高温の酸化ガスから管の直線部分およびU字形部分への熱伝達を他の場所での酸化よりも効果的にする。すなわち、管部分に近接して発生する酸化は、例えば中央に配置されたバーナーにおける酸化よりも効果的である。
【0036】
第1の複数の管のうちの単一の管が図4に示されている。第1のコネクタセクション142は、第1の直線部分150に流体結合され、これはU字形部分158に流体結合され、これは第2の直線部分154に流体結合され、これは第2のコネクタセクション144に結合される。
【0037】
燃焼ゾーンから、例えば固体表面への熱伝達が、火炎が伝播しないようなものである場合、燃焼は消炎される。消炎距離は、例えば、火炎をその中に伝播させることを許容しない2つのプレートを互いから変位させることができる最大距離を決定することによって決定することができる。本実施例では、管は、火炎の伝播を防止するギャップをそれらの間に有する。消炎距離は、燃料の種類および空気との混合物濃度に依存する。(酸化剤が空気でない場合、消炎距離も酸化剤の組成に依存する。)特定の範囲の混合物濃度および/または燃料タイプが想定されるいくつかの実施形態では、隣接する管の間のギャップは、実際に予想される最も厳しい条件に対して選択される。
【0038】
管状反応器が採用される他の装置のヒートポンプシステムを設計する際の性能目標に応じて、管を通るヘリウムまたは他の低分子量ガスの流量が決定される。流体流量、最大のギャップ、および管を通る圧力降下が過剰ではないという追加の考慮事項、および管の典型的な壁の厚さに基づいて、管の数を決定することができる。図3の実施形態では、ヘリウムを流すのに十分な流れ断面積を提供するために2列の管が使用される。他の例では、管の1つのリングで十分である可能性もある。さらに他の例では、管の3つ以上のリングが使用される。
【0039】
図3の各管に対して、第1のコネクタセクション142および第2のコネクタセクション144を収容するために、ドーム96内に2つのオリフィスが形成される。ドーム96内のオリフィスの高い濃度は、ドームを脆弱にする。図3において、第1のコネクタセクション142および第2のコネクタセクション144は、ドーム96内のオリフィスが互いに近接して配置される場合よりも脆弱化しないように曲げられている。
【0040】
代替の実施形態が図5に示される。ディフューザ68は、ディフューザ68の外面からの変位距離284に配置された管290のリングを有する。多孔質媒体280が、管290の外面上に配置される。多孔質媒体280のために、隣接する管290間のギャップ286は、そのような多孔質媒体を持たない管50のギャップ58(図3)よりもはるかに大きくすることができる。ディフューザ68に向かう火炎伝播は、多孔質媒体280によって防止される、すなわち、多孔質媒体におけるギャップは、火炎を消炎するのに必要なギャップよりもはるかに小さい。代わりに、ギャップ286は、低い圧力降下で管290の中を通る十分な流れを提供し、かつ管290が通過するドームの強度を維持することに基づいて決定される。(管290は、図4に示すものと同様にドーム96内を通過する。)
【0041】
図5では、火炎の抑制(消炎)は多孔質媒体280によって実現されるため、管290は、管50が消炎に使用され、したがって互いに近接して離間されなければならない図3の管50よりも実質的に直径が大きい。
【0042】
当然ながら、管290は、全部の管の第1の直線部分の断面図である。第1の直線部分290は、互いに平行である。第1の直線部分290は、U字形部分を介して第2の直線部分292に流体的に結合されており、U字形部分は図5の断面には示されていない。
【0043】
図5の実施形態と同様の実施形態が図6に示されており、ここでは、ギャップ286は消炎距離に基づいていない。代わりに、メッシュ282が、ディフューザ68の外面から変位された複数の管の第1の直線部分290に接着されている。メッシュ282のメッシュサイズは、燃焼がディフューザ68に向かって伝播するのを防ぐように選択される。
【0044】
実際に代替の燃料および混合物濃度を支持するために、図5の一実施形態は、管50、52、54および56による燃焼の一部を示す。管50を取り囲むように多孔質媒体280が設けられている。多孔質媒体280は、燃料および空気が燃焼のために管50のリングの内側から外側に通過することを可能にするランダムにサイズが決められた開口部を有する。しかしながら、多孔質媒体280の孔径は、隣接する管50間のギャップよりも著しく小さい。
【0045】
図6の代替例では、メッシュ282が管50に適用される。メッシュ282は、管50の外縁上に示されている。あるいは、メッシュは、管50の内縁上に適用することもできる。図7では、3つの管50の一部が、管50の表面上にメッシュを有して示されている。メッシュ開口部は、隣接する管50間のギャップよりも小さい。図5図7の実施形態は、燃料/酸化剤条件の変動に対してより強固である。
【0046】
上述したように、図2の管150を越える空間からディフューザ68に向かうフラッシュバックを防止することが望ましい。図3に見られるように、一貫したギャップ59が、そのようなフラッシュバックを防止する。いくつかの用途では、暖機、冷却、および出力の動作範囲による温度変動が管をわずかにたわませる可能性がある。フラッシュバックを防止するために許容され得るよりも大きくなるようなたわみを回避するために、隣接する管の間の適切なギャップを維持するために固定具が適用される。そのようなキャップ300が図8に示されている。キャップ300は、管のU字形部分の上に置かれる被覆部分302を有する。被覆部分302は、外縁310と内縁312とを有する環状である。内縁312は、円筒形部分304に結合する。円筒形部分304の内面は、実質的に平滑である。円筒形部分304の外面306は、中に形成された複数のノッチを有する。第1の複数の管の第1の直線部分150は、一実施形態では、わずかな締まり嵌めでノッチに嵌まる。第1の直線部分150には、それぞれノッチが設けられている。また、図8には、点火器(図示せず)の挿入に対応するための被覆部分302の切り欠き314も示されている。
【0047】
管状反応器の一部が図9に断面で示されており、そこでは、キャップ302のノッチが第1の複数の管の第1の直線部分320と係合している。第1の複数の管は、直線部分320と、直線部分320´´と、320を320´´と流体結合するU字形部分320´とを含む。第1の部分320はノッチ308の長さの大部分にわたってノッチ308と係合しているため、ノッチ308の一部しか図9には見ることができない。より短い管が図9の左側に示されている。管は、第1の直線部分330と、第2の直線部分330´´と、直線部分330および330´´を互いに結合するU字形部分330´とを有する。330,330´および330´´を含む管よりもさらに中心線336から変位された別の管は、U字形部分332´に流体結合された第1の直線部分332を有する。U字形部分332´に流体結合する第2の直線部分は、第2の直線部分330´´の背後にあるのでほとんど見ることができない。点火器の切り欠きは、図9の図ではキャップ300内では見ることはできない。しかしながら、それはU字形部分330´および332´の上方に位置する。
【0048】
ここで図10を参照すると、管の上部にキャップ300を有する管の図が示されている。切欠314の近傍には、点火器326が配置されている。管をバンド328の形態でその所望の位置に保持するのに役立つ追加の機構が図10に示されている。
【0049】
いくつかの用途では、キャップ300は、示されるように点火器326の配置を可能にする、すなわちより短い管の近くに点火器を配置することを可能にする。また、キャップ300は、用途によっては所望のギャップを超える、複数の管のU字形部分におけるギャップを覆う。そのような状況では、キャップ300がフラッシュバックを防止することができる。
【0050】
図11を次に参照すると、代替のキャップ400が示されている。被覆部402は、外側端部404および内側縁部406を有する。キャップの円筒形部分410は、ノッチ付きの部分を有する。ノッチは、管状反応器の管と係合するように配置されている。被覆部402は、図8のキャップ300よりも密接に管の周りを包むように湾曲している。被覆部402はまた、点火器(図示せず)用の切り欠き408を含む。
【0051】
図2の実施形態において、より具体的には図4において、部分142および144は、管状反応器が中に設置される装置の他の機構を考慮するために曲げられている。いくつかの状況では、この屈曲部に起因する隣接する管の間のギャップは、フラッシュバックを回避するために所望のギャップよりも大きい。そのようなフラッシュバックを防止するために、断熱材350が管の部分142および144に対して配置され、断熱材は管の底部にもある。断熱材は、ガラス繊維、セラミック繊維、または任意の適切な材料などの耐熱材料である。リング354は、絶縁材350および352を定位置に保持するために定位置に置かれる。
【0052】
最良の形態を特定の実施形態に関して詳細に説明してきたが、当業者は、以下の特許請求の範囲内の様々な代替の設計および実施形態を認識するであろう。当業者が認識しているように、様々な実施形態は、1つまたは複数の所望の特性に関して利点を提供する、または他の実施形態よりも好ましいものとして説明されている場合があるが、所望のシステム属性を達成するために1つまたは複数の特性は譲歩する場合があり、所望のシステム属性は、特定の用途および実装形態に依存する。これらの属性には、コスト、強度、耐久性、ライフサイクルコスト、市場性、外観、包装、サイズ、保守性、重量、製造性、組み立て易さなどが含まれるが、これらに限定されない。1つまたは複数の特性に関して他の実施形態または従来技術の実装形態よりも望ましくないことを特徴とする本明細書に記載される実施形態は、本開示の範囲外ではなく、特定の用途について望ましい場合がある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】