(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】コールドプレートのための除霜システム及びコールドプレートを除霜する方法
(51)【国際特許分類】
F25D 21/08 20060101AFI20220720BHJP
F25D 3/00 20060101ALI20220720BHJP
F25D 16/00 20060101ALI20220720BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
F25D21/08 A
F25D3/00 C
F25D16/00
F25D11/00 101F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569161
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 US2020033583
(87)【国際公開番号】W WO2020236807
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ステイプルトン,ジョセフ イー
(72)【発明者】
【氏名】トリパティ,アトゥール
(72)【発明者】
【氏名】ヌーリ,プラビーン クマール
(72)【発明者】
【氏名】ハートニー,ジョン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ブタニ,グルミート シン
【テーマコード(参考)】
3L044
3L045
3L046
【Fターム(参考)】
3L044AA01
3L044BA02
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3L046JA09
3L046JA15
3L046MA02
3L046MA03
3L046MA04
(57)【要約】
腐敗しやすい製品を貯蔵するための内部容積を画定するキャビネットを含む冷却器。コールドプレートがキャビネット内に配設され、コールドプレートは、キャビネット内の熱を吸収するように構成されている。冷却器は、コールドプレートの表面上の霜の存在を検出するように構成されたセンサと、コールドプレート上の霜を少なくとも部分的に溶融させるように構成されたコールドプレートの表面に付着された加熱要素と、センサによって霜の存在が判定されるときに、加熱要素を選択的に作動化及び非作動化するように構成された制御ユニットと、を含む、除霜システムを更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却器であって、
腐敗しやすい製品を貯蔵するための内部容積を画定するキャビネットと、
前記キャビネット内に配設されたコールドプレートであって、前記コールドプレートが、前記キャビネット内の熱を吸収するように構成されている、コールドプレートと、
除霜システムであって、
前記コールドプレートの表面上の霜の存在を検出するように構成されたセンサと、
前記コールドプレート上の霜を少なくとも部分的に溶融するように構成された前記コールドプレートの前記表面に付着された加熱要素と、
前記霜の存在が前記センサによって検出されるとき、前記加熱要素を選択的に作動化及び非作動化するように構成された制御ユニットと、を備える、除霜システムと、を備える、冷却器。
【請求項2】
前記加熱要素が、箔加熱要素を備える、請求項1に記載の冷却器。
【請求項3】
前記加熱要素が、接着剤によって前記コールドプレートの前記表面に付着されている、請求項1に記載の冷却器。
【請求項4】
前記加熱要素が、前記コールドプレートの前記表面上に配置された複数の加熱要素のうちの1つである、請求項1に記載の冷却器。
【請求項5】
前記コールドプレートが、相変化材料を含む、請求項1に記載の冷却器。
【請求項6】
前記相変化材料が、共晶溶液を含む、請求項5に記載の冷却器。
【請求項7】
前記制御ユニットが、所定の時間量の間、前記加熱要素を作動化するように構成されている、請求項1に記載の冷却器。
【請求項8】
前記制御ユニットが、所定の間隔で前記所定の時間量の間、前記加熱要素を作動化するように構成されている、請求項7に記載の冷却器。
【請求項9】
前記センサが、前記コールドプレートの表面の温度を検出するように構成された温度センサである、請求項1に記載の冷却器。
【請求項10】
前記温度センサが、サーミスタ又は熱電対である、請求項9に記載の冷却器。
【請求項11】
冷却器のコールドプレートを除霜するための方法であって、
前記冷却器の前記コールドプレートの表面上の霜の存在をセンサによって判定することと、
前記加熱要素が前記霜を少なくとも部分的に溶融するように、前記霜の存在が前記センサによって検出されるとき、前記コールドプレートの前記表面上に配設された加熱要素を作動化することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記加熱要素を作動化することが、箔加熱要素を作動化することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コールドプレートの前記表面の温度が、二次センサによって判定される所定の温度最大値に達するとき、前記加熱要素を非作動化することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記冷却器が、前記コールドプレートの上に空気を循環させるように構成されたファンを備え、
前記加熱要素を作動化する前に、前記ファンを非作動化すること、を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記加熱要素を非作動化した後に、前記ファンを再作動化すること、を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記加熱要素を非作動化した後に、所定の滞留時間が経過した後に前記ファンを再作動化することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記センサが温度センサであり、前記加熱要素が、前記温度センサによって判定される前記コールドプレート内の流体の温度が所定の温度最小値以下であるときに作動化される、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記センサが、前記コールドプレート上の霜の量を判定するように構成された霜センサであり、前記加熱要素が、前記霜センサによって判定される前記コールドプレート上の前記霜の量が所定量以上であるときに作動化される、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
コールドプレートを除霜するための方法であって、
センサによって前記コールドプレートの表面上の霜の存在を判定することと、
前記センサによって前記霜の存在が検出されたときに前記霜を少なくとも部分的に溶融させるために、前記コールドプレートの前記表面上に配設された加熱要素を所定の時間量の間作動化することと、
前記所定の時間量が経過すると、前記加熱要素を非作動化することと、を含む、方法。
【請求項20】
所定の間隔で前記所定の時間量の間、前記加熱要素を作動化することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載の実施形態は、概して、コールドプレートを除霜するためのシステムに関する。具体的には、本明細書に記載の実施形態は、コールドプレートの表面に適用された加熱要素によって、相変化材料を含有するコールドプレートを除霜するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
他の様々な製品の中でも、食品、飲料、化粧品、及び医薬品などの腐敗しやすい製品は、多くの場合、中でも、冷蔵庫、冷却器、又は輸送用容器などの冷蔵又は温度制御されたコンパートメント内に貯蔵及び輸送されることが多い。腐敗しやすい製品は、腐敗しやすい製品の腐敗を防止し、製品が品質管理要件を満たすことを確実にするために、特定の温度又は温度範囲で維持されなければならない。
【0003】
出荷又は輸送中に冷却器の温度を所望の貯蔵温度に維持するために、相変化材料(PCM)コールドプレートが、機械的冷蔵システムの代替として熱を吸収するために一般的に使用される。例えば、PCMコールドプレートは、コンパートメントのドアが開放されるときなど、コンパートメントに入る可能性のある熱を吸収するために、冷蔵又は温度調節されたコンパートメント内に位置付けられ得る。PCMコールドプレートは、PCMが凍結され、固体であるように、使用前に冷却されるか、又は「チャージ(charge)」され得る。動作中、PCMは、一定の温度を維持しながら熱を吸収することができる。このようにして、PCMコールドプレートは、冷蔵庫又は冷却器の内部容積を所望の貯蔵温度に維持するのに役立つ。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態は、腐敗しやすい製品を貯蔵するための内部容積を画定するキャビネットと、キャビネット内に配設されたコールドプレートであって、コールドプレートは、キャビネット内の熱を吸収するように構成されている、コールドプレートと、コールドプレートの表面上の霜の存在を検出するように構成されたセンサを含む除霜システムと、コールドプレート上の霜を少なくとも部分的に溶融させるように構成されたコールドプレートの表面に付着された加熱要素と、霜の存在がセンサによって検出されるとき、加熱要素を選択的に作動化及び非作動化するように構成された制御ユニットと、を含む、冷却器に関する。
【0005】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれかにおいて、加熱要素は、箔加熱要素を含み得る。いくつかの実施形態では、加熱要素は、接着剤によってコールドプレートの表面に付着され得る。いくつかの実施形態では、加熱要素は、コールドプレートの表面上に配置された複数の加熱要素のうちの1つであり得る。
【0006】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれかにおいて、コールドプレートは、相変化材料を含み得る。いくつかの実施形態では、相変化材料は、共晶溶液を含み得る。
【0007】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれかにおいて、制御ユニットは、所定の時間量の間、加熱要素を作動化するように構成され得る。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、所定の間隔で所定の時間量の間、加熱要素を作動化するように構成され得る。
【0008】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれかにおいて、センサは、コールドプレートの表面の温度を検出するように構成された温度センサであり得る。いくつかの実施形態では、温度センサは、サーミスタ又は熱電対であり得る。
【0009】
いくつかの実施形態は、冷却器内のコールドプレートの表面上の霜の存在をセンサによって判定することと、加熱要素が霜を少なくとも部分的に溶融するように、霜の存在がセンサによって検出されるとき、コールドプレートの表面上に配設された加熱要素を作動化することと、を含む、冷却器のコールドプレートを除霜するための方法に関する。
【0010】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれかにおいて、加熱要素を作動化することは、箔加熱要素を作動化することを含み得る。
【0011】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれかにおいて、コールドプレートを除霜するための方法は、コールドプレートの表面の温度が、二次センサによって判定される所定の温度最大値に達するとき、加熱要素を非作動化することを含み得る。
【0012】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれかにおいて、冷却器は、コールドプレートの上に空気を循環させるように構成されたファンを含み得、本方法は、加熱要素を作動化する前に、ファンを非作動化することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、加熱要素を非作動化した後に、ファンを再作動化することを更に含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、加熱要素を非作動化した後に、所定の滞留時間が経過した後にファンを再作動化することを更に含み得る。
【0013】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれかにおいて、センサは温度センサであり得、加熱要素は、温度センサによって判定されるコールドプレートの出口における流体の温度が所定の温度最小値以下であるときに作動化され得る。
【0014】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれかにおいて、センサは、コールドプレート上の霜の量を判定するように構成された霜センサであり得、加熱要素は、霜センサによって判定されるコールドプレート上の霜の量が所定の量以上であるときに作動化され得る。
【0015】
いくつかの実施形態は、センサによってコールドプレートの表面上の霜の存在を判定することと、センサによって霜の存在が検出されたときに霜を少なくとも部分的に溶融させるために、コールドプレートの表面上に配設された加熱要素を所定の時間量の間作動化することと、所定の時間量が経過すると、加熱要素を非作動化することと、を含む、コールドプレートを除霜するための方法に関する。
【0016】
本明細書で論じられている様々な実施形態のいずれかにおいて、本方法は、所定の間隔で所定の時間量の間、加熱要素を作動化することを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を形成する添付図面は、本開示を示し、この説明と共に、本開示の原理を更に説明し、当業者が本開示を作成及び使用することを可能にする。
【0018】
【
図1】一実施形態による、除霜システムを備えたコールドプレートを有する冷却器の斜視図を示す。
【0019】
【
図2】一実施形態による、コールドプレートの構成要素の図を示す。
【0020】
【
図3】一実施形態による、除霜システムの構成要素の概略図を示す。
【0021】
【0022】
【
図5】一実施形態による、箔加熱要素の分解図を示す。
【0023】
【
図6】一実施形態による、コールドプレートを除霜するための方法のフロー図を示す。
【0024】
【
図7】一実施形態による、コールドプレートを除霜するための方法のフロー図を示す。
【0025】
【
図8】実施形態が実装され得る例示的なコンピュータシステムの概略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ここで、添付の図面に示される代表的な実施形態を詳細に参照する。以下の説明は、複数の実施形態を1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことを理解されたい。それに対して、本発明は、特許請求の範囲によって定義される実施形態の趣旨及び範囲の範囲内に含まれ得る代替物、変形物、及び均等物を包含することを意図している。
【0027】
相変化材料(PCM)コールドプレートは、冷却器、冷蔵庫、輸送容器などのような、冷蔵又は温度調節されたコンパートメントを所望の温度に維持するのを助けるために、熱を吸収するために使用することができる。PCMコールドプレートは、専用冷却ユニットを有する冷蔵コンパートメントで使用されてもよく、又は専用の冷却ユニットを欠くコンパートメント内で冷却を提供するために使用されてもよい。PCMコールドプレートは、コンパートメント内で所望の貯蔵温度を維持するのに役立ち得るが、PCMコールドプレートは、霜及び氷の蓄積を受けやすい。コンパートメントに入る空気中の湿度又は水分は、コンパートメントへのアクセスを提供するドアを開けるか、コンパートメント内に流れ出た空気によって、コールドプレートの表面上で凝結して、コールドプレート上に霜又は氷を形成することを引き起こし得る。霜が蓄積すると、コンパートメントからの熱を吸収するコールドプレートの能力が阻害される。したがって、コールドプレートが最適に機能し、コンパートメントを所望の温度に維持することを確実にするために、コールドプレートから霜又は氷を定期的に取り除く必要がある。
【0028】
コールドプレートからの霜及び氷を取り除くことは、時間がかかり、不便であり得る。コールドプレートを冷却器で使用する場合、冷却器は通常オフラインになり、コールドプレートは、コールドプレートの表面から霜又は氷をかき取ることによってなど、手動できれいにされる。冷却器がオフラインでコールドプレートから霜又は氷がかき取られるとき、冷却器の内部容積は温度が上昇し得、そのため、製品は内部に貯蔵することができない。結果として、コールドプレートから霜を除去する間、冷却器から製品を取り除き、製品を別の冷蔵領域に移動させることが必要となり得る。コールドプレートから霜が取り除かれると、冷却器の冷却ユニットが冷却器を所望の貯蔵温度に戻す間に追加の中断時間が必要となり得、その後、製品を手動で冷却器内に戻す必要がある。
【0029】
冷却器の冷蔵又は冷却ユニットは専用の除霜ユニットを有し得るが、このような除霜ユニットは、コールドプレートが使用されるときに望ましくない。コールドプレートは、熱を吸収するように構成されており、その結果、コールドプレートは、冷却器の除霜ユニットによる冷却器の加熱を相殺し得、除霜プロセスがより長い時間を取ることを引き起こす。更に、冷却器を除霜することは、冷却器の内部容積全体を温度上昇させ、これは、冷却器が腐敗しやすい製品を貯蔵するために使用されるときに望ましくない。温度が上昇することは、腐敗しやすい製品の腐敗をもたらし得、食品安全貯蔵要件及び/又は品質管理慣行と矛盾する可能性がある。したがって、コールドプレート又は冷却器のオフラインを取ることなく、かつ冷却器の内部容積の温度を著しく上昇させることなく、コールドプレートを除霜することが望ましい。
【0030】
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、コールドプレートの表面上の霜又は氷を少なくとも部分的に溶融するように構成されたコールドプレートのための除霜システムに関する。このようにして、除霜システムは、コールドプレートから霜を除去してコールドプレートが最適に機能することを保証するのに役立つ。いくつかの実施形態では、コールドプレートのための除霜システムは、コールドプレートが位置付けられた冷却器の内部容積の温度を著しく上昇させることなく、コールドプレートの表面上の霜又は氷を少なくとも部分的に溶融するように構成され、その結果、内部容積内に貯蔵された腐敗しやすい製品は、所望の貯蔵温度に留まる。
【0031】
本明細書に記載のいくつかの実施形態において、コールドプレート200は、冷却器100の内壁112に沿ってなど、冷却器100の内部容積110内で熱を吸収するために冷却器100内に位置付けられる。除霜システム300は、コールドプレート200の表面205から霜又は氷を除去する(すなわち、除霜する)ために、コールドプレート200と結合され得る。除霜システム300は、コールドプレート200の表面205上の霜の存在を検出するためのセンサ330(
図3参照)、コールドプレート200上の霜を溶融するためにコールドプレート200の表面205上に位置付けられた加熱要素310、及びセンサ330によって霜が検出されたときに加熱要素310を自動的に作動化するように構成された制御ユニット350を含み得る。
【0032】
本明細書に記載されるように、「冷却器」という用語は、製品を貯蔵するための内部容積を有する任意の容器、器、又はコンパートメントを指し得る。「冷却器」は、製品の腐敗、悪化、又は品質低下を防ぐために、特定の温度又は温度範囲に腐敗しやすい製品を維持しながら、生鮮食品又は飲料製品を貯蔵するための冷蔵陳列ケース又は冷蔵庫などの冷蔵コンパートメント、温度調節された又は断熱されたコンパートメント、又は食品や飲料などの腐敗しやすい製品を輸送するための輸送容器を指し得る。したがって、冷却器は、専用の冷却ユニット又は冷蔵ユニットを有してもよく、又は冷却器は専用の冷却ユニットを欠いていてもよい。
【0033】
本明細書に記載のいくつかの実施形態では、冷却器100は、例えば
図1に示されるように、食品又は飲料などの腐敗しやすい製品を貯蔵するための内部容積110を画定する。冷却器100は、キャビネットの形態であってもよい。冷却器100は、長方形角柱として示されているが、冷却器100は、様々な形状及び構成のいずれかを有してもよく、例えば、冷却器は、1つ以上の湾曲した又は丸みのある壁を含んでもよい。冷却器100は、冷却器100の内部容積110が冷却器100の外部から見えるように、ガラスなどの透明材料から構成された透明な部分108を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、冷却器100は、内部容積110内に腐敗しやすい製品を貯蔵及び整理するための1つ以上の棚を含んでもよい。
【0034】
コールドプレート200は、冷却器100内の熱を吸収するために冷却器100内に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、コールドプレート200は、冷却器100の後壁112上など、冷却器100の壁上又は壁に沿って冷却器100の内部容積110内に位置付けられてもよい。いくつかの実施形態では、冷却器100は、2つ以上のコールドプレート200を含んでもよく、コールドプレート200は、同じ壁上に、又は冷却器100の異なる壁上に位置付けられてもよい。冷却器100のサイズ及びコールドプレート200のサイズに応じて、2つ以上のコールドプレート200を使用することができる。1つを超えるコールドプレート200が使用されてもよいことが理解されるが、簡潔にするために本明細書では、単一のコールドプレート200を参照する。
【0035】
コールドプレート200は、
図2に示されるように、冷却剤又は冷媒などの流体を循環させるための1つ以上の管又はチャネル220を含み得る。管又はチャネル220は、ジャケット210内に位置付けられ得る。管又はチャネル220は、ジャケット210内の管又はチャネル220の長さを最大化し、熱伝達を最大化するように、ジャケット210内に蛇行パターンで配置され得る。更に、管又はチャネル220は、単一の平面内に配置されてもよい。管又はチャネル220は、部分的に露出されてもよく、又はジャケット210によって完全に囲い込み又はカプセル化されてもよい。ジャケット210は、熱伝達を促進するために高い熱伝導率を有する材料から構成され得る。いくつかの実施形態では、ジャケット210は、他の好適な材料の中でも、銅、アルミニウム、鋼、又はこれらの組み合わせなどの金属から構成され得る。コールドプレート200は、板状の構成を有し得、これにより、コールドプレート200は概ね平面であり、コールドプレート200の厚さを大幅に超える長さ及び/又は幅を有する長方形構成を有し得る。
【0036】
コールドプレート200は、相変化材料(PCM)900を更に含有し得る。ジャケット210は、PCM900がジャケット210内の管220を取り囲むように、PCM900を含有し、貯蔵することができる。PCMは、材料が液体から固体、又は固体から液体に転移する相変化温度において、材料が一定又はほぼ一定の温度で熱を吸収するように、高い融解潜熱を有する材料である。共晶溶液など、様々なPCMのいずれかを、コールドプレート200内で使用し得る。PCMは、冷却器を特定の温度に維持するための所望の融点(例えば、相変化温度)を有するように選択され得る。いくつかの実施形態では、PCMの融点は32°F未満であり得る。当業者は、選択される特定のPCMが、他の考慮事項の中でもとりわけ、所望の動作温度又は冷却器の動作温度の範囲に依存し得ることを理解するであろう。
【0037】
コールドプレート200が使用されているとき、冷却器100を所望の温度に維持するために、PCMは冷却器100内の熱を吸収する。しかしながら、吸収された熱を除去するために、PCMは定期的に冷却又は「チャージ」されなければならない。コールドプレート200のPCMをチャージするために、コールドプレート200は、例えば
図2に示されるように、熱交換器230と連通して配置され得る。流体、例えば冷媒は、PCMを冷却するために、コールドプレート200を通って循環されて、PCMから熱を吸収し得る。コールドプレート200は、流体の循環を促進するためにポンプ240を更に含み得る。いくつかの実施形態では、コールドプレート200は、流体温度が27°Fなどの所定の温度最大値に達するとき、流体の循環を自動的に開始するように構成された熱スイッチ250を更に含み得る。所定の温度最大値に達すると、流体を冷却するために、流体は、コールドプレート200から熱交換器230に循環される。流体の温度が、例えば20°Fなどの、所定の動作温度に達するとき、コールドプレート200は、熱交換器230への流体の循環を停止し得、PCMはチャージされ、使用できる状態になる。いくつかの実施形態では、コールドプレート200は、冷却器100が位置する車両(例えば、トラック又はセミトレーラ)の冷却ユニット160など、冷却ユニット160(
図3参照)と連通して配置され得る。冷却ユニット160は、凝縮器、圧縮機、及び膨張弁を含み得、コールドプレート200は、冷却ユニット160の蒸発器として機能し得る。いくつかの実施形態では、冷却ユニット160は、冷却器100内及びコールドプレート200の表面205の上に空気を循環させるためのファン165を更に含んでもよい。したがって、冷却ユニット160は、コールドプレート200の管220を通して冷媒を循環させて、コールドプレート200のPCM900をチャージし得る。
【0038】
除霜システム300は、コールドプレート200から霜又は氷を除去するために使用される。いくつかの実施形態では、除霜システム300は、冷却器100内のコールドプレート200の内部に面する表面などの、コールドプレート200の表面205から霜又は氷を除去するように構成される。いくつかの実施形態では、除霜システム300は、例えば
図3に示されるように、加熱要素310を選択的に作動化及び非作動化するための制御ユニット350と連通する加熱要素310を含み得る。いくつかの実施形態では、加熱要素310は、コールドプレート200の表面205上に配置される。いくつかの実施形態では、複数の加熱要素310が、コールドプレート200の表面205上に配置される(
図1を参照)。当業者であれば、例えば、加熱要素310のサイズ及び電力、並びにコールドプレート200のサイズを含む様々な要因に応じて、コールドプレート200の表面205上で氷又は霜を溶融するための好適な数の加熱要素310を容易に選択することができる。
【0039】
加熱要素310は、コールドプレート200の表面205上の様々な位置のいずれかに配置され得る。加熱要素310は、表面205上の1つ以上の行及び/又は列に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、加熱要素310は、格子パターンで配置されてもよい。いくつかの実施形態では、加熱要素310は、高密度の管220を有するコールドプレート200の部分、又はコールドプレート200内への管220の入口にあるコールドプレート200の部分などの、霜形成を最も受けやすい場所で、コールドプレート200上に位置付けられてもよい。熱交換器230からコールドプレート200に戻される流体は、流体がコールドプレート200を通って循環する際に熱を吸収し、コールドプレート200の出口に向かって流れる際に流体の温度を上昇させるため、最低温度であり得る。結果として、霜は、管220及びその中の流体が最初にコールドプレート200に入るコールドプレート200の部分で形成される可能性が最も高くなり得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、加熱要素310は、例えば、
図4及び
図5に示されるように、箔加熱要素である。箔加熱要素310は、アルミニウムシートなどの金属シート312、314の上又は間に位置付けられた、ニクロムワイヤなどの加熱ワイヤ316を含み得る。しかしながら、他の実施形態では、異なる材料からなる異なるタイプの加熱ワイヤ316、及び異なるタイプの金属シート312、314が使用されてもよい。加熱ワイヤ316は、単一の平面内に配置されてもよく、箔加熱要素310の加熱ワイヤ316の量を最大化するように蛇行パターンを有してもよい。箔加熱要素310は、箔加熱要素310が細長い平坦なストリップ又はプレートであるように、概ね平面的な構成を有してもよい。このようにして、加熱要素310の平面的なプロファイルは、冷却器100内で多くのスペースを消費せず、したがって、冷却器100内の貯蔵スペースの量を減少させず、棚などのような冷却器100の他の構成要素の調整又は再構成を必要としない。いくつかの実施形態では、加熱要素310は、約12cm~約80cmの長さ、約12cm~約80cmの幅、及び約1mm以下の厚さを有する正方形又は長方形の構成を有し得る。しかしながら、代替の実施形態では、箔加熱要素310は、とりわけ円形の円盤形状又は三角形の形状など、様々な代替形状のいずれかを有してもよい。
【0041】
各加熱要素310は、冷却器100の内部容積110全体を加熱及びその温度を上昇させることなく、コールドプレート200の表面205上に蓄積された霜又は氷を少なくとも部分的に溶融するように局所的な熱を提供するように構成されている。加熱要素310が作動化されるとき、冷却器100の内部容積110の温度は、5°F度以下、3°F度以下、又は1°F度以下だけ増加し得る。加熱要素310は、低電力加熱要素310であってもよく、12V加熱要素であってもよい。このようにして、加熱要素310は、冷却器100の内部容積110及びその中の腐敗しやすい製品を加熱することなく、コールドプレート200の表面205上の霜を溶融するように構成される。いくつかの実施形態では、加熱要素310は、霜又は氷を完全に融解するのではなく、表面205上の霜又は氷を部分的にのみ溶融するように構成されている。このようにして、部分的に溶融した氷は、重力の力の下でコールドプレートの表面に沿って滑り得、冷却器100の内部容積110の加熱を最小限に抑えながら、霜及び氷の表面205を取り除く。
【0042】
加熱要素310は、様々な固定方法のいずれかを介して、コールドプレート200の表面205に付着され得る。いくつかの実施形態では、加熱要素310は、感圧接着剤などの接着剤を介して、コールドプレート200に付着される。加熱要素310は、その表面上に接着剤を含んでもよく、又は接着剤が加熱要素310の表面に塗布されてもよく、かつ加熱要素310は、接着剤を有する加熱要素310の表面をコールドプレート200の表面205と対向係合して配置することによって、コールドプレート200の表面205に取り付けられ得る。このようにして、加熱要素310は、様々な表面のいずれかに容易かつ迅速に設置することができる。接着剤は、約0°F~40°Fの温度など、低温での使用のために選択され得る。高分子系接着剤、例えばポリエステル接着剤など、様々なタイプの接着剤のいずれかが使用され得る。いくつかの実施形態では、加熱要素310は、コールドプレート200と一体的に形成され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、除霜システム300は、コールドプレート200の表面205上の霜などの、コールドプレート200上の霜の存在を検出するように構成されたセンサ330を更に含み得る。様々なタイプのセンサのいずれかが、コールドプレート200の表面上の霜の存在を検出するために使用され得る。いくつかの実施形態では、センサ330は、他の好適な温度センサの中でもサーミスタ又は熱電対などの、管220を介してコールドプレート200を出る流体の温度を判定するための温度センサである。コールドプレート200を出る流体の温度を測定するために、温度センサ330は、例えば
図2に示されるように、コールドプレート200の出口に隣接する管220の一部分内又はその上などの、コールドプレート200の管220の一部分上に位置付けられ得る。除霜システム300の制御ユニット350は、温度センサによって検出されるコールドプレート200を出る流体の温度が、所定の温度最小値以下であるとき、加熱要素310を作動化するように構成され得る。コールドプレート200上に霜及び氷が蓄積すると、コールドプレート200の管220内の流体への熱の伝達が抑制され、これは、コールドプレート200の管220内の流体がコールドプレート200を通過するときに低温のままになることを引き起こし得る。したがって、所定の温度最小値以下の流体の温度は、コールドプレート200上での霜の蓄積に起因して、熱が流体に伝達されていないことを示し得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、センサ330は、コールドプレート200の表面205上に蓄積された霜の量を判定するための霜センサであり得る。いくつかの実施形態では、霜センサは、光学センサであってもよい。霜センサが光学センサである場合、霜センサは、表面205上の霜の蓄積による光の散乱に起因して、コールドプレートの表面205上の光の反射率の変化を検出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、コールドプレート200に霜がない場合、コールドプレート200は、32°Fなどの低温にある可能性があり、霜が存在する場合、表面205の温度は、例えば34°Fに上昇している可能性があるというように、霜センサは、コールドプレート200の表面205の温度を検出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、霜センサは、氷がセンサの2つの点の間に形作られたときに、測定された信号の変化を検出するための容量性測定デバイスであってもよい。このようにして、コールドプレート200の表面205上に位置付けられた霜センサは、表面205に垂直な方向において測定された、コールドプレート200の表面205上に蓄積された霜の厚さを判定し得る。しかしながら、代替の実施形態では、表面上に蓄積された霜の量を判定するための他のタイプの霜センサが使用されてもよい。いくつかの実施形態では、霜センサが、例えば、表面205上の少なくとも約2mmの霜など、所定の量以上の霜の存在を検出すると、制御ユニット350は、加熱要素310を作動化させて、少なくとも部分的に霜を溶融させ得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、除霜システム300は、コールドプレート200の表面205の温度を判定するように構成された二次センサ380を更に含む。二次センサ380は、例えば赤外線センサであってもよい。コールドプレート200の表面205の温度が所定の温度最大に達する場合、加熱要素310は制御ユニット350によって非作動化される。更に、冷却器100内の腐敗しやすい製品の温度が、二次センサ380によって判定されるような例えば約37°Fなどの、温度最大値よりも高いオーバーライド温度に到達する場合、加熱要素310は、制御ユニット350によって自動的に非作動化され得る。これは、加熱要素310が熱くなりすぎることを防ぎ、腐敗を引き起こすか、又は腐敗しやすい製品の貯蔵寿命若しくは品質を低減させ得る冷却器100内に貯蔵された腐敗しやすい製品を加熱することを防ぐ。いくつかの実施形態では、二次センサ380は、コールドプレート200に隣接する冷却器100の内壁上など、コールドプレート200の表面205に隣接する冷却器100内に位置付けられ、それにより、二次センサ380は、コールドプレート200の表面205の温度を測定するように位置付けられる。
【0046】
いくつかの実施形態では、除霜システム300は、電池など、様々なタイプの電源のいずれかを含み得、又は制御ユニット350、センサ330、380、及び加熱要素310の各々に電気エネルギーを供給するために電源に接続されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、除霜システム300は、冷却器100の電源又は除霜システム300が設置される冷却器100の冷却ユニット160によって電力供給されるように構成されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、コールドプレートを除霜するための方法600が、例えば
図6に示されている。除霜システムは、コールドプレートの表面上の霜又は氷の存在を検出する(610)。コールドプレート上の霜又は氷の存在は、本明細書に記載されるようなセンサによって検出され得る。霜又は氷の存在がセンサによって検出されるとき、除霜システムの制御ユニットは加熱要素を作動化させ得る(620)。加熱要素が作動化されると、除霜システムは再び、霜の存在を検出して(630)、霜が加熱要素によって溶融されたか、又は少なくとも部分的に溶融したかどうかを判定し得る。センサは、霜の存在を継続的に検出してもよく、又は定期的にチェックしてもよい。センサが、霜が溶融している、又は少なくとも部分的に溶融していることを検出すると(温度センサによって判定されるコールドプレートを出る流体の温度上昇よって、又は霜センサによって検出されるコールドプレートの表面上の減少した霜の量によってなど)、除霜システムは加熱要素を非作動化する(640)。いくつかの実施形態では、加熱要素は、霜を検出するステップ630なしに非作動化され得る。そのような実施形態では、加熱要素は、代わりに所定の時間量、例えば、5分間、10分間、15分間などの間作動化され得、所定の時間量が満了すると、加熱要素は、除霜システムの制御ユニットによって自動的に非作動化される。他の実施形態では、加熱要素を作動すると(620)、加熱要素はその後、二次センサ380によって検出されたコールドプレートの表面の温度が、所定の温度最大値以上であるときに自動的に非作動化され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、除霜システム300は、
図3に示されるように、冷却器100の冷却ユニット160と連通している。このような実施形態では、コールドプレートを除霜するための方法700は、
図7に示されるように、1つ以上のセンサを介して、コールドプレートの表面上の霜又は氷の存在を検出すること(710)を含み得る。霜又は氷の存在を検出すると、除霜システムは、コールドプレートを通って循環する冷媒を停止させるようにコールドプレートを非作動化するように、及び/又はコールドプレートの表面の上で空気を循環させるファンを非作動化する(720)ように構成され得る。このようにして、加熱要素がその後作動化されるとき、ファンは、加熱要素によって供給される熱を冷却器の内部容積全体にわたって循環させず、これは、冷却器内の温度の上昇をもたらし得る。コールドプレート及び/又はファンが非作動化されると、除霜システムの制御ユニットは、霜又は氷を溶融させるように加熱要素を作動させ得る(730)。加熱要素を作動化させて、センサは再び霜の存在を検出し得る(740)。センサが、霜又は氷が溶融又は部分的に溶融したことを検出すると、加熱要素は非作動化される(750)。方法600に関して上述したように、加熱要素は、所定の時間量の間動作し、所定の時間量が満了すると自動的に非作動化してもよく、又は、二次センサが、コールドプレートの表面の温度が所定の温度最大値以上であると判定するまで動作してもよい。加熱要素が非作動化されると、コールドプレート及び/又はファンは再作動化され得る(760)。いくつかの実施形態では、コールドプレート及び/又はファンは、再作動化の前に、他の期間の中でも、1分間、2分間、5分間、10分間、又は15分間など、所定の滞留時間の間、加熱要素を非作動化した後に非作動化されたままであってもよい。このようにして、加熱要素は、加熱要素からの残留熱の循環を回避するために冷却する時間を有してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、コールドプレートを除霜する方法は、加熱要素310を作動化させてコールドプレート200上の霜又は氷を少なくとも部分的に溶融させる前に、冷却ユニット160及びコールドプレート200を作動化させて冷却器100の内部容積及びその中の腐敗しやすい製品を冷却することを含み得る。冷却ユニット160は、コールドプレート200の温度が、約22°Fの温度など、所定の温度に達するまで、又は二次センサ380によって判定される腐敗しやすい製品の温度が、約34°Fなど、所定の貯蔵温度に達するまで動作し得る。所定の貯蔵温度は、貯蔵されている特定の腐敗しやすい製品に依存し得ることが理解される。所定の貯蔵温度に達すると、冷却ユニット160は、冷却ユニット160を通る流体、例えば冷媒の流れを停止するように非作動化され得、加熱要素310は、コールドプレート200上の霜を少なくとも部分的に溶融させるために作動化される。加熱要素310を作動化する前に冷却ユニット160を作動化させて冷却器100の内部容積110を冷却することは、腐敗しやすい製品が所望の貯蔵温度の範囲内に維持され、加熱要素310の作動時に過熱されないことを確実にするのに役立つ。
【0050】
図8は、実施形態又はその一部がコンピュータ可読コードとして実装され得る、例示的なコンピュータシステム800を例示する。本明細書において論じられる制御ユニット350は、本明細書において論じられるプロセスを実装するためのコンピュータシステム800の構成要素の全て又はいくつかを有するコンピュータシステムであってもよい。
【0051】
プログラマブルロジックが使用される場合、このようなロジックは、市販の処理プラットフォーム又は特定の目的のデバイス上で実行することができる。当業者であれば、開示された主題の実施形態が、マルチコアマルチプロセッサシステム、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータ、分散された機能とリンク又はクラスタ化されたコンピュータ、並びに、仮想的に任意のデバイスに埋め込まれ得る普及型又は小型コンピュータを含む、様々なコンピュータシステム構成により実践され得ることを理解することができる。
【0052】
例えば、少なくとも1つのプロセッサデバイス及びメモリは、上記された実施形態を実装するために使用されてもよい。プロセッサデバイスは、単一のプロセッサ、複数のプロセッサ、又はこれらの組み合わせでもよい。プロセッサデバイスは、1つ以上のプロセッサ「コア」を有してもよい。
【0053】
本発明の様々な実施形態は、この例示的なコンピュータシステム800に関して実装され得る。この説明を読めば、他のコンピュータシステム及び/又はコンピュータアーキテクチャを用いて、本発明の1つ以上が実施できる方法が当業者には明らかになるであろう。動作は連続的なプロセスとして記載され得るが、動作の一部は、実際に、平行して、同時に、かつ/又は分散環境において実施されてもよく、シングル又はマルチプロセッサマシンによるアクセスに対してローカルに又はリモートに記憶されたプログラムコードにより実施されてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、動作順序は、開示された主題の趣旨を逸脱することなく、再調整されてもよい。
【0054】
プロセッサデバイス804は、特殊目的又は汎用プロセッサデバイスであってもよい。当業者に理解されるように、プロセッサデバイス804はまた、マルチコア/マルチプロセッサシステムにおける単一のプロセッサであってもよく、かかるシステムは、単独で動作するか、又はクラスタ若しくはサーバファームにおいて動作するコンピュータデバイスのクラスタで動作する。プロセッサデバイス804は、通信インフラストラクチャ806、例えば、バス、メッセージキュー、ネットワーク、又はマルチコアメッセージ受渡しスキームに接続される。
【0055】
コンピュータシステム800はまた、メインメモリ808、例えば、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)を含み、二次メモリ810も含んでもよい。二次メモリ810は、例えば、ハードディスクドライブ812又は取り外し可能な記憶ドライブ814を含んでもよい。取り外し可能な記憶ドライブ814は、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含んでもよい。取り外し可能な記憶ドライブ814は、周知の様式で、取り外し可能な記憶ユニット818に対して読み出し及び/又は書き込みを行う。取り外し可能な記憶ユニット818は、フロッピーディスク、磁気テープ、光ディスク、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)ドライブなどを含んでもよく、これらは、取り外し可能な記憶ドライブ814によって読み出し及び書き込みされる。当業者によって理解されるように、取り外し可能な記憶ユニット818は、コンピュータソフトウェア及び/又はデータを記憶したコンピュータ使用可能記憶媒体を含む。
【0056】
コンピュータシステム800は(任意選択的に)、表示ユニット830に表示するためのグラフィック、テキスト、及び他のデータを通信インフラストラクチャ806から(又は、図示されていないフレームバッファから)転送する表示インターフェース802(キーボード、マウスなどのような入力及び出力デバイスを含むことができる)を含む。
【0057】
代替的な実装形態では、二次メモリ810は、コンピュータプログラム又は他の命令がコンピュータシステム800にロードされることを可能にするための他の同様の手段を含んでもよい。かかる手段は、例えば、取り外し可能な記憶ユニット822及びインターフェース820を含んでもよい。かかる手段の実施例は、プログラムカートリッジ及びカートリッジインターフェース(ビデオゲームデバイスに見られるようなものなど)、取り外し可能なメモリチップ(EPROM又はPROMなど)及び関連するソケット、並びに、ソフトウェア及びデータを取り外し可能な記憶ユニット822からコンピュータシステム800に伝送することができる他の取り外し可能な記憶ユニット822及びインターフェース820を含んでもよい。
【0058】
コンピュータシステム800はまた、通信インターフェース824を含んでもよい。通信インターフェース824は、ソフトウェア及びデータがコンピュータシステム800と外部デバイスとの間で伝送されることを可能にする。通信インターフェース824は、モデム、ネットワークインターフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、PCMCIAスロット、及びカードなどを含み得る。通信インターフェース824を介して伝送されるソフトウェア及びデータは、信号の形態であってもよく、これは、電子的、電磁気的、光学的、又は通信インターフェース824により受信されることができる他の信号であってもよい。これらの信号は、通信経路826を介して通信インターフェース824に提供されてもよい。通信経路826は、信号を搬送し、ワイヤ若しくはケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、又は他の通信チャネルを使用して実装されてもよい。
【0059】
本明細書では、「コンピュータプログラム媒体」又は「コンピュータ使用可能媒体」という用語は、一般には、取り外し可能な記憶ユニット818、取り外し可能な記憶ユニット822、及びハードディスクドライブ812内にインストールされたハードディスクなどの媒体を指すために使用される。コンピュータプログラム媒体及びコンピュータ使用可能媒体はまた、メインメモリ808及び二次メモリ810などのメモリを指すこともあり、これは、メモリ半導体(例えば、DRAMなど)であり得る。
【0060】
コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)は、メインメモリ808及び/又は二次メモリ810内に記憶される。コンピュータプログラムはまた、通信インターフェース824を介して受信され得る。かかるコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム800が、本明細書において論じられる実施形態を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサデバイス804が、本明細書において論じられる実施形態の処理を実行することを可能にする。したがって、かかるコンピュータプログラムは、コンピュータシステム800の制御装置を表す。実施形態がソフトウェアを使用して実行される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品内に記憶され、取り外し可能な記憶ドライブ814、インターフェース820、及びハードディスクドライブ812、又は通信インターフェース824を使用してコンピュータシステム800にロードされ得る。
【0061】
本発明の実施形態はまた、任意のコンピュータ使用可能媒体上に記憶されたソフトウェアを含むコンピュータプログラム製品を対象とするものであり得る。このようなソフトウェアは、1つ以上のデータ処理デバイスにおいて実行されると、データ処理デバイスに、本明細書で記載されたように動作させる。本発明の実施形態は、コンピュータ使用可能又は読み取り可能媒体を採用してもよい。コンピュータ使用可能媒体の例としては、一次記憶デバイス(例えば、任意のタイプのランダムアクセスメモリ)、二次記憶デバイス(例えば、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD ROM、ZIPディスク、テープ、磁気記憶デバイス、及び光学記憶デバイス、MEMS、ナノ技術記憶デバイスなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0062】
「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要及び要約の項は、本発明者(ら)によって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0063】
特定の機能の実施及びそれらの関係を例示する機能的ビルディングブロックの助けにより、本発明を上で説明してきた。これらの機能的ビルディングブロックの境界は、説明の便宜上、本明細書において任意に定義されている。特定の機能及びこれらの関係が適切に行われる限り、代替の境界を定義することができる。
【0064】
特定実施形態の前述の説明により、本発明の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、本明細書の教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0065】
本発明の幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記特許請求の範囲及びこれらの等価物に従ってのみ定義されるべきである。
【国際調査報告】