(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】ストリップの湿気検出装置
(51)【国際特許分類】
G01N 19/10 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
G01N19/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569398
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(85)【翻訳文提出日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 IB2020053659
(87)【国際公開番号】W WO2020234661
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2019/054265
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515214729
【氏名又は名称】アルセロールミタル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バンサル,アクシャイ
(72)【発明者】
【氏名】グリフェ,ジェラール
(72)【発明者】
【氏名】ヤネチェク,ブラジスラフ
(57)【要約】
本発明は、平坦なストリップ、特にベア金属ストリップ又は被覆金属ストリップの表面上の湿気の存在を検出するための方法に関し、前記表面によって偏向された空気流を生成する衝突空気流を前記表面上に吹き付けるステップであって、前記衝突空気流は飽和されていない、ステップと、前記偏向された空気流の少なくとも一部の湿気含有量を測定するステップと、前記衝突空気流と前記偏向された空気流との湿気含有量を比較するステップと、前記偏向された空気流の前記湿気含有量が前記衝突空気流の前記湿気含有量よりも多い場合、前記ベア金属ストリップ又は前記被覆金属ストリップの前記表面上の湿気の存在が検出されるステップと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属地金ストリップ(3)又は被覆金属ストリップ(3)の表面(2)上の湿気の存在を検出するための方法であって、
前記表面(3)によって偏向された空気流(4)を生成する衝突空気流(1)を前記表面(3)上に吹き付けるステップであって、前記衝突空気流(1)は飽和されていない、ステップと、
前記偏向された空気流(4)の少なくとも一部の湿気含有量を測定するステップと、
前記衝突空気流(1)の湿気含有量と前記偏向された空気流(4)の湿気含有量とを比較するステップと、
前記偏向された空気流(4)の前記湿気含有量が前記衝突空気流(1)の前記湿気含有量よりも高い場合、前記金属地金ストリップ(3)又は前記被覆金属ストリップ(3)の前記表面上の湿気の存在が検出されるステップと、
を備える方法。
【請求項2】
前記衝突空気流(1)は、10000ppm未満の水の制御された湿気含有量を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記衝突空気流(1)は、20~60m・s
-1の間に含まれる速度を有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属又は被覆金属(3)は、所定の速度で連続的に移動され、前記衝突空気流(1)は、前記金属速度の少なくとも2倍の速度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記金属又は被覆金属(3)は、所定の速度で連続的に移動され、前記衝突空気流(1)は、前記金属速度の少なくとも4倍の速度を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記衝突空気流(1)は、送風手段(6)によって生成され、前記衝突空気流は、速度Viで前記送風手段(6)を出て、前記送風手段は、
1.10
-4s
-1<D/Vi<5.10
-3s
-1
であるような前記金属ストリップから距離Dに位置決めされる、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記衝突空気流(1)は、送風手段によって生成され、前記送風手段は、ストリップ幅にわたって移動される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
金属ストリップ(3)又は被覆金属ストリップ(3)の表面上の湿気の存在を検出するための装置であって、
二重壁(7)及び中央部分(8)を備える中空体(6h)であって、前記二重壁及び中央部は、金属ストリップ又は被覆金属ストリップ(3)の前記表面(2)に面する少なくとも1つの開口(9)を備える、中空体(6h)と、
二重壁(7)内にガスを吹き込む少なくとも一つの手段であって、前記吹込みガスが前記表面(9)に面する前記少なくとも1つの開口によって前記二重壁(7)から出るように構成された、手段と、
前記中空体(6h)及び前記二重壁(7)の外側に包含される、少なくとも湿気測定手段(5)と、
を備え、
金属ストリップ又は被覆金属ストリップ(3)の前記表面(2)に面する(9)前記少なくとも1つの開口は、前記中空体(6h)と金属ストリップ又は被覆金属ストリップ(3)の前記表面(2)との間に連続吹込みガスカーテン(12)を生成し、前記吹込みガスの少なくとも一部を金属ストリップ又は被覆金属ストリップの表面上に前記絶対湿気測定手段(5)の少なくとも1つに向かって偏向させるように構成される、装置。
【請求項9】
好ましくは、前記装置は、金属ストリップ又は被覆金属ストリップの前記表面に面する1つの開口(9)を備え、前記開口(9)は、4個~10個の区画(16a、16b、16c、16d)に分割される。
【請求項10】
前記二重壁(7)は、前記中空体(6h)の内側から前記少なくとも4個~10個の区画(16a、16b、16c、16d)まで金属ストリップ又は被覆金属ストリップの前記表面に対して垂直に前記吹込みガスを案内するように構成されたガス案内手段(15)を備える、請求項8又は9に記載の装置。
【請求項11】
前記中空体(6h)は、2mmより小さい粗度を有する材料で作られている、請求項8~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記中空体(6h)は、撥水性材料で作られている、請求項8~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は、前記金属ストリップを搬送する手段を備える、請求項8~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記中空体は、内径、外径及び長さを有する中空円筒である、請求項8~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記中空円筒の長さは、前記ストリップ面に対して垂直である、請求項8~14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリップ、詳細には金属地金又は被覆金属ストリップの表面上の湿気の存在を検出することを可能にする方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、冶金では、洗浄された、すすぎがされた、又は被覆金属ストリップなどの金属製品は、湿気を含むか又は湿っている可能性がある。その外層の湿気は、水冷などの液体を伴う工程の後に存在することが多い。湿気の存在は、金属ストリップ上のコーティングの劣化をもたらし、及び/又は金属地金ストリップの特性を低下させる可能性があり、両方の場合において、製品は通常、評価を下げられる。被覆ストリップの場合、製品の劣化は、ストリップの搬送中に発生する可能性があり、前記被覆上にマークを残す輸送ロールによって生成される場合がある。その結果、金属ストリップの表面上の湿気の存在を検出することは、製品の良好な品質を確保するために本質的であり、ストリップの乾燥などのいくつかの工程を制御することを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、ストリップ、詳細にはベア又は被覆金属ストリップの表面上の湿気の存在を検出することを可能にする解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、請求項1に記載の方法を提供することによって達成される。本方法はまた、請求項2~7のいずれかの特徴を含むことができる。この目的は、請求項8~15に記載の装置を提供することによっても達成される。
【0005】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0006】
本発明を説明するために、特に以下の図を参照して、非限定的な例の様々な実施形態及び試行を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態の使用中における空気流を示す。
【
図6】2つの工程パラメータの関数における様々な流線の等高線を表す。
【
図7】本発明の一実施形態の使用中におけるガスカーテンを示す。
【
図8】空気案内手段を備える本発明の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、金属地金ストリップ又は被覆金属ストリップの表面上の湿気の存在を検出するための方法に関し、
A-前記表面によって偏向された空気流を生成する衝突空気流を前記表面上に吹き付けるステップであって、前記衝突空気流は飽和されていない、吹き付けるステップと、
B-前記偏向された空気流の少なくとも一部の湿気含有量を測定するステップと、
C-前記衝突空気流と前記偏向された空気流との湿気含有量を比較するステップと、
D-前記偏向された空気流の前記湿気含有量が前記衝突空気流の前記湿気含有量よりも多い場合、前記金属地金ストリップ又は前記被覆金属ストリップの前記表面上での湿気の存在が検出されるステップと、
を備える。
【0009】
第1のステップでは、
図1に示すように、衝突空気流1が金属地金又は被覆金属ストリップ3の表面2に吹き付けられ、偏向された空気流4を生成する。前記衝突空気流1は飽和されていないので、衝突空気流は、より多くの水を吸収することができる。前記表面が湿っている場合、金属ストリップ表面2に到達する衝突空気流1は、前記表面上に存在する湿気の少なくとも一部を吸い上げる。
【0010】
湿気の吸い上げは、多くの要因に依存する。衝突する空気は、いくらかの湿潤層が前記表面上に存在する場合、及び前記衝突する空気が湿気で飽和されていない場合にのみ、前記表面から湿気を吸収することができる。さらに、衝突する空気の湿気含有量が少ないほど、より良好な湿気を空気が吸収することができる。いかなる理論にも束縛されるものではないが、明らかに、衝突する空気の温度が高いほど、より多く湿気を吸収することができる。明らかに、それが、当業者が、検出される/検出されることを目的とされる湿気閾値の関数として、衝突空気流1の湿気含有量及び温度を調整することができる理由である。
【0011】
第2のステップでは、前記偏向された空気流4の少なくとも一部の湿気含有量が測定される。測定は、好ましくは、前記偏向された空気流4の測定された湿気含有量が、前記表面に接触した直後の前記偏向された空気流の湿気含有量に近いように行われる。言い換えれば、偏向された空気流4は、その湿気含有量が測定されるまで、表面からの偏向の間にいかなる湿気含有量も交換すべきではない。前記偏向された空気流4のみが湿気測定手段5によって測定されることも本質的である。そうでない場合、測定値が歪む可能性がある。
【0012】
第3のステップでは、前記衝突空気流1の湿気含有量が、前記偏向された空気流4の測定された湿気含有量と比較される。
【0013】
第4のステップでは、表面の湿気の有無を確認することができる。前記偏向された空気流4の湿気含有量が前記衝突空気流1よりも高い場合、湿気がストリップ表面2上に存在する。この評価方法はより低い閾値を有するので、湿気の存在のみを確立することができる。下方閾値は、この方法及び関連する装置によって検出されることができる最小湿気含有量に対応する。前述のように、それは当業者に知られているいくつかの要因に依存する。
【0014】
したがって、本発明は、金属地金又は被覆金属ストリップの表面上の湿気の存在を定性的に検出することを可能にする。
【0015】
好ましくは、前記衝突空気流1は、10000ppm未満の水の制御された湿気含有量を有する。より好ましくは、前記衝突空気流は、8000ppm未満の水の制御された湿気含有量を有する。さらにより好ましくは、前記衝突空気流は、4000ppm未満の水の制御された湿気含有量を有する。
【0016】
好ましくは、前記衝突空気流1は、20~60m・s
-1の間に含まれる速度を有する。そのような空気流速度は、最適な衝突空気流を有することを可能にする。空気流速度が20m・s
-1よりも低い場合、
図5に示すように、空気流は表面にほとんど接触しない。空気流速度が60m・s
-1よりも高い場合、衝突空気流1は拭き取り現象を受ける可能性があり、すなわち、
図4に示すように、衝突空気流1はその管の先端によって偏向される。さらに、衝突空気の輝きが高すぎる場合、ジェットは空気から剪断流下で発生してストリップに衝突し、必要な噴水効果を生成するのに十分な時間がない。したがって、空気流速度が20~60m・s
-1の間に含まれる場合、湿気吸収はより効率的である。より好ましくは、前記衝突空気流は、30~50m・s
-1の間に含まれる速度を有する。
【0017】
好ましくは、前記金属地金又は被覆金属3は、所定の速度で連続的に移動され、前記衝突空気流1は、前記金属速度の少なくとも2倍の速度を有する。そのような範囲は、ストリップの移動によるジェット掃引を防止するので、前記衝突空気流の湿気吸収を増加させることを可能にする。衝突空気流1の速度が前記地金又は被覆金属のうちの一方の少なくとも0.25倍に等しくない場合、前記表面上の湿気の衝突空気流1の吸収は最適ではない。
図6には、金属ストリップ速度V
STRIP、及び衝突空気流速度V
JETの関数として金属表面上の衝突空気流を示すいくつかの流線の等高線がプロットされている。図の上部から現れ、「x/e」軸上に-0.5~0.5の間に含まれる流線は、衝突空気流を表し、金属ストリップ表面は「y/c」=0線に沿って表される。R
SJ=V
STRIP/V
JETである。R
SJが0及び0.25の場合、衝突空気流はストリップ表面に接触し、乱流を生成せず、一方、Rsjが0.5の場合、乱流が現れ始めることは、注目に値する。したがって、前記衝突空気流が前記金属速度の少なくとも2倍の速度を有する場合、湿気吸収はより効率的である。例えば、衝突空気流の速度は40m・s
-1であり、ストリップ速度は20m.s
-1未満である。
【0018】
より好ましくは、前記ベア金属地金又は被覆金属3は、所定の速度で連続的に移動され、前記衝突空気流1は、前記金属速度の少なくとも4倍の速度を有する。
【0019】
好ましくは、前記衝突空気流1は、送風手段6によって生成され、前記衝突空気流は、速度Viで前記送風手段を出て、前記送風手段は、1.10-4s-1<D/Vi<5.10-3s-1となるように前記金属ストリップから距離Dに位置決めされる。明らかに、前記送風手段が前記金属ストリップから位置決めされる距離が長いほど、空気偏向を確実にするために衝突空気流速度はより速くなければならない。例えば、衝突空気流速度は50m.s-1、距離Dは20mmとすることができる。当然ながら、送風手段の最小距離は、ストリップ振動によって制限される。すなわちストリップは送風手段に接触すべきではない。
【0020】
好ましくは、前記衝突空気流1は、送風手段によって生成され、前記送風手段は、ストリップ幅にわたって移動される。それは、ストリップ幅にわたって規定値を検出することを可能にする。さらに、いくつかの送風手段を使用して、ストリップ幅及び長さにわたっていくつかのスポットにおける湿気の存在を検出することができる。
【0021】
本発明はまた、金属ストリップ3又は被覆金属ストリップ3の表面上の湿気の存在を検出するための装置に関し、
二重壁7及び中央部分8を備える中空体6hであって、前記二重壁及び中央部は、金属ストリップ又は被覆金属ストリップ3の前記表面2に面する少なくとも1つの開口9を備える中空体6hと、
二重壁7にガスを吹き込む手段であって、前記吹込みガスが前記表面9に面する前記少なくとも1つの開口によって前記二重壁7を出るように構成された手段と、
前記中空体6h及び前記二重壁7の外側に包含される少なくとも湿気測定手段5と、
を備え、
金属ストリップ又は被覆金属ストリップ3の前記表面2に面する前記少なくとも1つの開口9は、前記中空体6hと金属ストリップ又は被覆金属ストリップ3の前記表面2との間に連続吹込みガスカーテン12を生成し、前記吹込みガスの少なくとも一部を金属ストリップ又は被覆金属ストリップの表面上に前記絶対湿気測定手段5の少なくとも1つに向かって偏向させるように構成される。
【0022】
図2及び
図3に示すように、前記装置は、ガスが前記中央部分8の周りを自由に流れることができる二重壁7を備える。ガスは、ガス吹込み手段10によって二重壁7内に吹き込まれ、金属ストリップ面9に面する少なくとも1つの開口によって前記二重壁7から出る。本発明は前記表面9上にガスを吹き込むことを目的とするので、二重壁7内への吹込みガスの入口11は、好ましくは、開口9を通るガスの出口が緩和されるように構成される。言い換えれば、吹込みガスの入口から二重壁に入ってその出口まで、吹込みガスは常に前記開口9に向かって流れるべきである。この原理は、二重壁内の乱流を低減し、したがってスロット出口でより均一な流れプロファイルを有することを目的とする。好ましくは、吹込みガスは、大気圧より高い圧力を有し、これは開口9を通る自然な出口につながる。中空体6の中央部8の機能は、測定手段5に向かう偏向空気流4の湿気含有量のみを測定するように湿気含有量測定デバイスを周囲空気から隔離することである。
【0023】
図7に示すように、前記少なくとも1つの開口は、前記中空体6と前記表面2との間に連続ガスカーテン12を生成するように構成される。このガスカーテンは、吹込みガスによって作られる。2つの理由により、偏向されたガスの一部のみが中空体6の中央部8に入る。第1に、そのような連続ガスカーテンは、周囲空気がその表面側から前記中央部8に入るのを防止する。ガスは、偏向されたガス4と大気圧との間の圧力差に起因して、中央部8の他方の側14によって入ることを防止している。偏向されたガスは、より高い圧力を有するため、当然、ストリップ面側から他方側へ中央部8を通って引き出される。したがって、偏向されていない空気が前記中央部8に入ることが防止される。
【0024】
図2及び
図3に示すように、前記中央部8は、少なくとも1つの湿気含有量測定手段5を備える。前述の現象のおかげで、偏向された空気のみが湿気含有量測定手段5と接触するため、偏向された空気4の湿気含有量のみが前記測定手段5によって測定される。
【0025】
好ましくは、
図8に示すように、前記装置は、金属ストリップ又は被覆金属ストリップの前記表面に面する1つの開口を備え、前記開口は、2個~20個の部分に分割される。
【0026】
好ましくは、前記装置は、金属ストリップ又は被覆金属ストリップの前記表面に面する1つの開口9を備え、前記開口9は、4個~10個の区画に分割(16a、16b、16c、16d)される。
【0027】
好ましくは、前記二重壁7は、前記中空体6hの内側から前記少なくとも4~10区画(16a、16b、16c、16d)まで、金属ストリップ又は被覆金属ストリップの前記表面に対して垂直に前記吹込みガスを案内するように構成されたガス案内手段15を備える。
図8に示すように、フィンなどの案内手段15が二重壁7の内側に配置される。それらは、前記表面2に面する前記1つの開口9から二重壁内のどこかまで延在する。好ましくは、前記案内手段は、
図7に表されるように、前記区画開口から二重壁生成区画(16a、16b、16c、16d)の半分の高さまで優先的に延在する。それらは、吹込み流1の任意の半径方向成分を低減及び/又は抑制することによって、表面2に垂直な出口衝突流を生成することを目的としている。ガス案内手段が長いほど、ヘッドロスによって衝突空気流速度がより減少する。ガス案内手段15は、反射ガス流の割合及びガスカーテン12の有効性を高めるために使用される。
図8は、衝突ガス1が前記表面2に面する1つの開口9を出た後の衝突ガス1の速度ベクトルの2つの数値モデリングを示す。第1のケースでは、フィンは配置されておらず、第2のケースでは、8個のフィンが配置されている。第2のケースでは、前記中央部8の内部で吸収されて流れる湿気含有量が増加するため、湿気含有量測定値を改善する前記中央部8の内部で衝突流の大部分が偏向されていることが観察されることができる。
【0028】
好ましくは、前記中空体6hは、2mmより小さい粗度を有する材料で作られる。いかなる理論にも束縛されるものではないが、粗度が2mmより高い場合、衝突ジェットは側方に偏向され、
図2に示すように、前記表面2上の偏向された空気の一部を減少させる。より好ましくは、前記中空体は、1mmより小さい粗度を有する材料で作られる。さらにより好ましくは、前記中空体は、500μmより小さい粗度を有する材料で作られる。
【0029】
好ましくは、前記中空体6hは、撥水性材料で作られる。このような材料は、より小さい湿気含有量が偏向されたガス4から中空体6に、又はその逆に伝達されるため、偏向されたガス4の測定された湿気含有量の信頼性を向上させる中空体による湿気吸収を低減することを可能にする。
【0030】
好ましくは、前記装置は、前記金属ストリップ3を搬送する手段を備える。金属ストリップを搬送することにより、ストリップに沿って湿気含有量のいくつかの測定点を有することが可能になる。ストリップ搬送は、ロールを介して達成することができる。
【0031】
好ましくは、前記中空体は、内径、外径及び長さを有する中空円筒である。
図6に示されるように、中空円筒を使用することは、カーテンが前記中央部8の周りで均質であることにより、カーテンがより効率的であるため、有利である。さらに、エッジがないため、中空体内の空気循環が向上する。
【0032】
好ましくは、前記中空円筒の長さは、前記ストリップ表面に対して垂直である。カーテンが前記中央部8の周りで均質であるため、カーテンがより効率的であるため有利である。
【国際調査報告】