(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】歯科用加工機械
(51)【国際特許分類】
A61C 3/00 20060101AFI20220720BHJP
A61C 1/08 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
A61C3/00
A61C1/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570193
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(85)【翻訳文提出日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 DE2020000114
(87)【国際公開番号】W WO2020239158
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】202019002338.0
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520142066
【氏名又は名称】アイメス-アイコア ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スターク、クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ、セバスチャン
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA01
4C052DD01
4C052LL08
(57)【要約】
本発明は、第1及び第2の歯科用加工ユニットと、可動式歯科対象物キャリアとを有する歯科用加工機械に関し、第1の歯科用加工ユニットは、第1のハウジングと第1の加工ヘッドとを有し、第1のハウジングは、第1の加工空間を形成し、第1の加工ヘッドは、第1の加工空間に配置され、第1の加工ゾーンは、第1の加工ヘッドに割り当てられており、第2の歯科用加工ユニットは、第2のハウジングと第2の加工ヘッドとを有し、第2のハウジングは、第2の加工空間を形成し、第2の加工ヘッドは、第2の加工空間に配置され、第2の加工ゾーンは、第2の加工ヘッドに割り当てられており、可動式歯科対象物キャリアは、歯科対象物を受け取るように、且つ、X軸方向に直線的に歯科対象物を移動するように設計され、可動式歯科対象物キャリアは、第1の加工ゾーン、第2の加工ゾーン、及び2つの加工ゾーンの間の中間ゾーンの上で延びており、可動式歯科対象物キャリアは、第1の加工ゾーンのX軸方向の第1の加工動作、第2の加工ゾーンのX軸方向の第2の加工動作、及び、それらの加工ゾーンの間の中間ゾーンにおける搬送動作を実行するように設計されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の歯科用加工ユニット(2)と、第2の歯科用加工ユニット(3)と、可動式歯科対象物キャリア(4)とを備える、歯科用加工機械(1)であって、
前記第1の歯科用加工ユニット(2)は、第1のハウジング(5)と第1の加工ヘッド(6)とを備え、
前記第1のハウジング(5)は、第1の加工空間(7)を収容しており、
前記第1の加工ヘッド(6)は、前記第1の加工空間(7)に配置され、
第1の加工ゾーン(8)は、前記第1の加工ヘッド(6)に割り当てられ、
前記第2の歯科用加工ユニット(3)は、第2のハウジング(9)と第2の加工ヘッド(10)とを備え、
前記第2のハウジング(9)は、前記第2の加工空間(11)を収容しており、
前記前記第2の加工ヘッド(10)は、前記第2の加工空間(11)に配置され、
第2の加工ゾーン(12)は、前記第2の加工ヘッド(10)に割り当てられ、
前記可動式歯科対象物キャリア(4)は、歯科対象物(13)を受け取るように、且つ、それをX軸方向に直線的に移動するように設計され、
前記可動式歯科対象物キャリア(4)は、前記第1の加工ゾーン(8)、前記第2加工ゾーン(12)、及び前記2つの加工ゾーン(8、12)の間の中間ゾーン(14)の上で延びており、前記可動式歯科対象物キャリア(4)は、前記第1の加工ゾーン(8)の前記X軸方向の第1の加工動作と、前記第2の加工ゾーン(12)の前記X軸方向の第2の加工動作と、前記加工ゾーン(8、13)の間の前記中間ゾーン(14)における搬送動作とを実行するように設計されている、歯科用加工機械(1)。
【請求項2】
前記2つの歯科用加工ユニット(2,3)のそれぞれが、
- 形状切断、
- ビーム切断、
- 積層造形、
- 硬化、
- マーキング
のグループの中から少なくとも1つの技術を用いて前記歯科対象物を加工するように設計され、前記第1の歯科用加工ユニット(2)及び前記第2の歯科用加工ユニット(3)は、互いに異なる技術を有することを特徴とする、請求項1に記載の歯科用加工機械。
【請求項3】
前記可動式歯科対象物キャリア(4)は、少なくとも1つのさらなる移動軸を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯科用加工機械。
【請求項4】
前記歯科用加工機械は、3つ以上の歯科用加工ユニットを有することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の歯科用加工機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科対象物を加工するための歯科用加工機械に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な技術を使用して歯科対象物を加工できる様々な歯科用加工機械は、従来技術から既に知られている。従来技術によれば、異なる処理工程のために特別な歯科用加工機械が提供され、ブランクは、異なる歯科用加工機械で適切な順序で処理の対象となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、高速且つ効率的な加工を提供し、高い加工精度を提供する歯科対象物のための加工機械を開示することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1に記載の特徴によって解決される。好ましい展開は、従属請求項から生じる。
【0005】
本発明によれば、本発明による歯科用加工機械は、その基本的な部品として、少なくとも第1の歯科用加工ユニットと第2の歯科用加工ユニットとを有する。
【0006】
本発明によれば、第1の歯科用加工ユニットは、第1のハウジングと第1の加工ヘッドとを有する。
【0007】
第1のハウジングは、本発明による第1の加工空間を形成する。第1の加工空間は、好ましくは、第1のハウジングによって完全に取り囲まれている。このようにして、一方で、内部の部品を外部のダメージから守り、他方で、外部環境を、加工の副産物による汚染、又は怪我の危険性から守っている。したがって、高いレベルの労働安全性が同時に達成される。
第1のハウジングは、メンテナンス又は取付け作業へのアクセスを提供する、取り外し可能又は開放可能な部品を有することが好ましい。
【0008】
本発明によれば、第1の加工ヘッドは、第1の加工空間に配置されている。好ましくは、第1の加工ヘッドは、歯科用加工機械の制御ユニットによって制御されている。
【0009】
本発明によれば、第1の加工ゾーンは、第1の加工ヘッドに割り当てられている。第1の加工ゾーンは、第1の加工ヘッドが、歯科対象物に作用してそれを加工することができる領域である。加工ゾーンの空間的な配置は、加工ヘッドの位置と、加工ヘッド及び歯科対象物の移動軸とによって規定される。
【0010】
本願の意味においては、歯科対象物とは、歯科用補綴部品、及び歯科用補綴部品の一部又は予備加工段階であると理解される。したがって、歯科対象物は、特に、クラウン、ブリッジ、テレスコープ、バー構造、アバットメント、一次歯科クラウン、二次歯科クラウン、治療用スプリント、及び、テンプレートや義歯用模型などの歯科用補綴物を製造又は使用するのに役立つ補助的な構造物である。
【0011】
本発明によれば、歯科用加工機械は、少なくとも第2の歯科用加工ユニットをさらに備え、第2の歯科用加工ユニットは、第2のハウジングと第2の加工ヘッドとを備える。第2の歯科用加工ユニットは、基本的に、第1の歯科用加工ユニットと同じように構成されている。
【0012】
第2の加工ヘッドは、好ましくは、第1の加工ヘッドとは異なる処理技術で開発される。以下では、処理技術を略して技術とも呼ぶ。しかしながら、両方の加工ヘッドは、同じ技術を用いて開発することも可能である。例えば、形状又は粗さに関して異なる特性を持つ2つのフライス工具を組み合わせた2つの加工ヘッドを有することも可能である。
【0013】
本発明によれば、第2のハウジングは、第2の加工ヘッドが配置された第2の加工空間を形成する。
【0014】
2つのハウジングは、互いに構造的に接続されている。同様に、特別な実施例では、第1のハウジングは、その第1の加工空間に第2のハウジングを受容することができ、その逆もまた可能である。
この設計により、例えば、冷却用潤滑油又は研削液などの液体作動媒体を共同で受け入れ、排出することができ、よりシンプルな構造形態が可能になる。
【0015】
本発明によれば、第2の加工ゾーンは、第2の加工ヘッドに割り当てられている。第2の加工ゾーンは、第2の加工ヘッドが、歯科対象物に作用してそれを加工することができる領域である。つまり、2つの加工ゾーンは、それぞれの加工空間に配置されている。
【0016】
さらに、歯科用加工機械は、可動式歯科対象物キャリアを有する。可動式歯科対象物キャリアは、歯科対象物を乗せて、X軸方向に直線的に移動するように設計されている。
可動式歯科対象物キャリアは、X軸に配置された固定式リニア・ガイド(例えば、レール)と、固定式リニア・ガイド上で直線的に移動することができるキャリア(例えば、キャリッジ)とを備え、加工されるべき歯科対象物を固定するための手段を有する。好ましくは、X軸は直線状であり、可動式歯科対象物キャリアは、並進式歯科対象物キャリアとして設計されている。
【0017】
歯科対象物は、ラッチ装置又はクランプ装置によって受け取られ、この装置は、可動式歯科対象物キャリアにおいて歯科対象物を可逆的に固定する。
【0018】
本発明によれば、可動式歯科対象物キャリアは、その固定式リニア・ガイドとともに、第1の加工ゾーン、2つの加工ゾーンの間の中間ゾーン、及び第2の加工ゾーンの上で延びている。
【0019】
開示された設計では、可動式歯科対象物キャリアは、X軸に沿って延びている。
【0020】
本発明による歯科用加工機械の意味では、X軸は、少なくとも第1及び第2の加工ゾーン、及び少なくとも1つの中間ゾーンの上で延びるあらゆる可能な移動軸として理解されるべきである。したがって、本発明による歯科用加工機械の意味でのX軸は、特に、それがY軸又はZ軸とも言える場合でも存在する。特に、X軸は、空間内で特定の向きになるようには規定されていない。さらに、X軸は、必ずしも幾何学的にまっすぐである必要はない。実際、X軸は、部分的に若しくは完全に湾曲しているか、又は曲線を描いていてもよい。いずれにせよ、可動式歯科対象物キャリアは、X軸上の経路に沿って移動する。
【0021】
第1及び第2の加工ゾーンの上で延びていることで、固定式リニア・ガイドは、第1及び第2の加工空間の両方を同時に横切る。各ハウジングは、好ましくは、ワークピース・キャリアに保持された歯科用対象物を一方の加工空間から他方に搬送することができる開口部を有する。
【0022】
X軸上には、2つの加工ゾーンの間に配置された中間ゾーンもある。この中間ゾーンは、割り当てられた加工ゾーンが互いに直接隣接しないように、2つの加工空間が構造的に分離されていることから生じるものである。この中間ゾーンでは、歯科対象物を加工することはできない。
【0023】
本発明によれば、可動式歯科対象物キャリアは、第1の加工ゾーンのX軸方向の第1の加工動作と、第2の加工ゾーンのX軸方向の第2の加工動作とを実行する。さらに、可動式歯科対象物キャリアは、加工ゾーンの間の中間ゾーン内での搬送動作を実行するように設計されている。
【0024】
加工動作によって、それぞれのX軸の各加工ユニットの加工ヘッドに対する歯科対象物の正確な位置決めが達成される。
【0025】
さらに、加工ヘッドに対する歯科対象物の位置決めは、好ましくは、さらなる移動軸で実行され、設計に応じて、加工ヘッドによって、又は可動式歯科対象物キャリアに配置された付加装置によって行うことができる。これらの軸は、並進移動軸又は回転移動軸であってもよい。好ましくは、加工ヘッドは、可動式歯科対象物キャリア上の歯科対象物に対して直線的に前後に移動することによって、Z軸方向の少なくとも1つの並進移動軸を実行する。
【0026】
したがって、本発明による歯科用加工機械は、第1に、2つの歯科用加工ユニットのX軸方向の加工動作が、可動式歯科対象物キャリアによって、すなわち、1つの同じ構成手段によって提供されることを特徴としている。そのために、各歯科用加工ユニットの各座標系において、それぞれのX軸位置は制御ユニットによって処理され、可動式歯科対象物キャリアの可動式キャリアの移動がトリガされる。
【0027】
第2に、歯科用加工機械は、ハンドリング技術によって通常実行されるように、単なる搬送動作が可動式歯科対象物キャリアによってさらに提供されることを特徴としている。したがって、歯科対象物キャリアは、2つの加工ゾーンの間で歯科対象物を前後に移動するように、追加設計されている。
【0028】
本発明の利点の1つは、加工技術が変更されても、歯科対象物が可動式歯科対象物キャリアに固定されたままであることである。つまり、このシステムでは、可動式歯科対象物キャリアの位置を一度規定する必要があるだけで、歯科用加工機械のために統一された座標系にこの位置を移すことができる。この位置は、すべてのプロセスを通して認識されている。この結果、再構成のために時間を費やす必要がないことが利点となる。
【0029】
別の利点は、歯科対象物が、1つの同じクランプにおいて、両方の歯科用加工ユニットによって加工できることである。したがって、最終的には完全に回避することができない歯科対象物キャリアに対する歯科対象物の位置の公差は、両方の歯科用加工ユニットでの加工の間は同じであるため、歯科用加工ユニットにおいて互いに対して特に高い加工精度が達成できる。
【0030】
さらに、この態様によって、セットアップ及び調整作業が不要となり、時間節約の面でも有利である。
【0031】
両方の加工ユニットに必要なのは1つの可動式歯科対象物キャリアだけであるため、コスト低減という利点もある。固定式リニア・ガイド(通常はリニア・ガイド・レール)だけは、それに応じて長く設計する必要がある。
【0032】
さらに、歯科対象物をある歯科用加工ステーションから別の歯科用加工ステーションに移すために、従来技術で使用されるような別々のハンドリング装置が不要であるという利点がある。さらに、このように、搬送動作をはるかに速く行うことができ、時間を節約することができる。
【0033】
別の利点は、歯科対象物が異なる保持ユニットに移送されるときに生じる機械エラー及び人的エラーを完全に防ぐことができることである。
【0034】
有利な展開によれば、2つの歯科用加工ユニットは、互いに異なる技術に基づいており、形状切断、ビーム切断、積層造形、又は歯科対象物のマーキングが可能である。
【0035】
本発明によれば、各歯科用加工ユニットは、言及された技術のうちの1つを用いて、歯科対象物を加工するように設計されている。
【0036】
歯科用加工ユニットが異なる技術に基づいている場合、歯科対象物は、有利には、歯科対象物キャリアに対する歯科対象物の位置の公差が悪影響を及ぼすことなく、異なる処理技術を受けることができる。
【0037】
例えば、積層プロセス(additive processes)(例えば、複合材を用いた3Dプリント)は、硬化工程(例えば、紫外線照射及び/又は熱処理)と組み合わせることができる。
【0038】
ここで、特に有利なのは、歯科用加工機械によるセットアップ又は調整の措置を取らずに、加工ユニットの迅速且つ複数回の交換さえも実行することができることである。このように、歯科対象物のより速くより効率的な加工が可能になる。
形状切断方法は、特に、穿孔、フライス加工、及び研削を含む。例えば、両方の歯科用加工ユニットでフライス加工を行うことができるが、そのために異なるフライス工具を使用することもできる。したがって、従来技術では別の方法で一般的な工具交換を、特定の用途では避けることができる。
流体媒体(粒子を含む気体、液体)又は電磁ビーム(特にレーザ)を用いて歯科対象物を分離処理することを提供する方法は、すべて、ビーム切断方法とみなされる。これらの方法(例えば、ウォータ・ジェット、サンド・ジェット又はレーザ切断方法)は、従来技術からそのように知られている。
歯科対象物をマークするのに役立つ方法はすべて、マーキング方法とみなされる。マーキングは、スタンプ、ブランド、又は刻印などの実際の物理的なマーキングのほか、デジタル・マーキングとしても実現することができる。デジタル・マーキングでは、例えば、歯科対象物の光学的な測定が実行され、この測定から得られたデータは、さらなる処理又は確認の目的で使用される。
【0039】
有利な展開によれば、可動式歯科対象物キャリアは、少なくとも1つのさらなる移動軸を有する。
【0040】
この軸は、並進移動軸及び回転移動軸の両方であり得る。したがって、特に、この有利な展開は、装置を備えており、この装置を用いて、歯科対象物が可動式キャリア、特にキャリッジ上で、例えば枢動可能に又はY軸方向に移動することができる。
【0041】
可動式歯科対象物キャリアが少なくとも1つのさらなる移動軸を有する場合、より複雑な歯科対象物は、比較的小さな加工ゾーンで加工することができる。多くの技術では、加工ヘッドに対応する自由度の移動手段を有する加工ヘッドを備え付けるよりも、いくつかの移動軸を用いて剛性の高い加工ヘッドの下に歯科対象物を配置するほうが便利である。ここで、特に有利なことは、少なくとも1つのさらなる移動軸のための精密機構は、可動式歯科対象物キャリア上に一度だけ設ける必要があり、それにもかかわらず、両方の歯科用加工ユニットでの移動に使用できることである。したがって、さらなる費用が節約できる。さらに、少なくとも1つのさらなる移動軸は、両方の歯科用加工ユニットの共有の座標系に含めることもできるため、この少なくとも1つのさらなる移動軸における個別の較正の手間を省くことができる。
【0042】
次の有利な展開によれば、歯科用加工機械は、3つ以上の歯科用加工ユニットを有する。
【0043】
歯科用加工機械が3つ以上の歯科用加工ユニットを備える場合、歯科対象物は、さらなる処理工程の対象となり得る。例えば、前述の3D方式による機械的研磨が考えられる。
そのため、複雑さの度合いにもよるが、1つの歯科用加工機械において1つのクランプのみで全加工プロセスを自動的に行うことは、特に有利である。
【0044】
本発明は、例示的な実施例として、以下の図面に基づいて、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】第2の加工ゾーンの位置にある歯科用加工機械を示す図である。
【
図2】第1の加工ゾーンの位置にある歯科用加工機械を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、第2の加工ゾーン12で行われる加工プロセスの位置にある歯科用加工機械1を示している。
【0047】
歯科用加工機械1は、第1の歯科用加工ユニット2、第2の歯科用加工ユニット3、及び可動式歯科対象物キャリア4を有する。
【0048】
第1の歯科用加工ユニット2は、第1のハウジング5と、第1の加工ヘッド6と、第1の加工空間7と、第1の加工ゾーン8とを有する。
【0049】
第2の歯科用加工ユニット3は、第2のハウジング9と、第2の加工ヘッド10と、第2の加工空間11と、第2の加工ゾーン12とを有する。
【0050】
第1のハウジング5は、第1の加工空間7を取り囲んでいる。第1の加工ゾーン8は、第1の加工ヘッド6の下方に位置している。
本例示的実施例では、さらに、第1のハウジング5は、外側ハウジングとして、特別な変形例として設計されているのに加えて、第2の歯科用加工ユニット3を完全に収容している。第2のハウジング9は、第1の加工空間7と、第2の加工ヘッド10及び第2の加工ゾーン12が位置する第2の加工空間11とを隔てている。第2のハウジング9は、可動式歯科対象物キャリア4が、2つの加工ゾーン8、12の間で歯科対象物13を直線的に移動することができるような開口部を用いて設計されている。この目的のために、可動式歯科対象物キャリア4は、ガイド・レール及びキャリッジを用いてX軸に沿って移動する。
【0051】
可動式歯科対象物キャリア4のX軸方向の移動は、
図2にさらに示されている。この図では、可動式歯科対象物キャリア4は、第1の歯科用加工ユニット2の第1の加工ゾーン8に歯科対象物13を配置している。
【0052】
図3は、第1の加工ヘッド6及び第1の加工空間7を有する第1のハウジング5、並びに、第2の加工ヘッド10及び第2の加工空間11を有する第2のハウジング9の配置を示す概略図である。可動式歯科対象物キャリア4は、歯科対象物13を搬送し、固定式リニア・ガイドとしてリニア・レール15と、可動式キャリアとして直線可動式キャリッジ16とを有する。
さらに、
図3は、第1の加工ゾーン8、中間ゾーン14、及び第2の加工ゾーン12の基本的な配置を示しており、これに沿って、直線可動式キャリッジ16はX軸方向に移動する。第1の加工ゾーン8では、第1の加工動作が実行され、第2の加工ゾーン12では、第2の加工動作が実行され、中間ゾーン14では、搬送動作が実行される。
【符号の説明】
【0053】
1 歯科用加工機械
2 第1の歯科用加工ユニット
3 第2の歯科用加工ユニット
4 可動式歯科対象物キャリア
5 第1のハウジング
6 第1の加工ヘッド
7 第1の加工空間
8 第1の加工ゾーン
9 第2のハウジング
10 第2の加工ヘッド
11 第2の加工空間
12 第2の加工ゾーン
13 歯科対象物
14 中間ゾーン
15 リニア・レール
16 直線可動式キャリッジ
【国際調査報告】