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特表2022-534108全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器、方法及び製造された全粒子巻きタバコ/濾過棒
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器、方法及び製造された全粒子巻きタバコ/濾過棒
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/18 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
A24C5/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570375
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2019127356
(87)【国際公開番号】W WO2021127828
(87)【国際公開日】2021-07-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507308153
【氏名又は名称】チャイナ タバコ フーナン インダストリアル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 勇
(72)【発明者】
【氏名】陳 潜
(72)【発明者】
【氏名】李 克
(72)【発明者】
【氏名】范 紅梅
(72)【発明者】
【氏名】喩 賽波
(72)【発明者】
【氏名】王 詩太
(72)【発明者】
【氏名】譚 超
(72)【発明者】
【氏名】譚 海風
(72)【発明者】
【氏名】劉 ▲チー▼
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CB02
4B144CB12
4B144CB16
4B144CB33
4B144CB35
4B144CG01
4B144CL07
4B144CM04
(57)【要約】
全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器、方法及び製造された全粒子巻きタバコ/濾過棒であって、機器は、メッシュ搬送ベルト(11)に沿って順に設けられる材料供給装置(3)、予備成形装置(4)、硬化成形装置(9)、冷却/乾燥アセンブリ(10)を備え、メッシュ搬送ベルト(11)は、材料供給装置(3)の材料供給口を通過し、予備成形装置(4)の予備成形キャビティ、硬化成形装置(9)の成形キャビティ(91)、冷却/乾燥アセンブリ(10)の冷却/乾燥キャビティ(101)を貫通する。負圧を利用して粒子状材料をメッシュ搬送ベルト(11)に吸着し、メッシュ搬送ベルト(11)に伴って予備成形装置(4)を通過し、全粒子巻きタバコ/濾過棒ブランクとして予備成形させ、全粒子巻きタバコ/濾過棒ブランクはメッシュ搬送ベルト(11)に伴って移動して成形キャビティ(91)に入って加熱加湿処理を行い、連続固体多孔質物質を形成し、連続固体多孔質物質が冷却/乾燥キャビティ(101)に導入されて負圧の作用下で乾燥、冷却処理を行い、接着が堅固で、柔らかく通気して水分含有量が適切な全粒子巻きタバコ/濾過棒を得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器であって、支持フレーム(2)に取り付けられたメッシュ搬送ベルト(11)を備え、前記支持フレームには、メッシュ搬送ベルトの搬送方向に沿って材料供給装置(3)、予備成形キャビティ付きの予備成形装置(4)、成形キャビティ付きの硬化成形装置(9)、冷却/乾燥キャビティ付きの冷却/乾燥アセンブリ(10)が順に設けられ、
前記メッシュ搬送ベルトは、一体に接続された上層搬送ベルト及び下層搬送ベルトを備え、前記上層搬送ベルトは、前記材料供給装置の材料供給口を通過し、前記予備成形装置の予備成形キャビティ、前記硬化成形装置の成形キャビティ、前記冷却/乾燥アセンブリの冷却/乾燥キャビティを貫通し、
前記予備成形キャビティの側壁に負圧を提供するための複数の第1貫通孔があり、
前記硬化成形装置の成形キャビティの側壁に含水熱空気及び/又は飽和水蒸気を提供するための複数の第2貫通孔が設けられ、
前記冷却/乾燥アセンブリの冷却/乾燥キャビティの側壁には、負圧を提供して余分な水分を排出するための複数の第3貫通孔が設けられ、
前記予備成形キャビティ、前記成形キャビティ、前記冷却/乾燥キャビティの中心位置は同じ水平直線にあり、
前記予備成形キャビティ、前記成形キャビティ及び前記冷却乾燥キャビティの横断面形状が同じであり、前記予備成形キャビティの材料吐出口の横断面積が前記成形キャビティの横断面積より僅かに大きく、前記成形キャビティの横断面積が前記冷却乾燥キャビティの横断面積より僅かに大きいことを特徴とする全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器。
【請求項2】
前記予備成形装置は、相対的に係合された第1押圧板(5)と第1底板(6)を備え、第1押圧板(5)と第1底板(6)との係合部位に前記予備成形キャビティが設けられ、予備成形キャビティの横断面積が材料の進行方向に向かって徐々に収縮する状態を呈する、ことを特徴とする請求項1に記載の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器。
【請求項3】
前記第1底板と第1押圧板との対向面に、それぞれ、材料の進行方向に向かって先細り状態を呈するU字状溝が設けられ、前記第1押圧板と第1底板のU字状溝はちょうど対応し、前記予備成形キャビティを共同で構成し、前記第1底板の長さは前記第1下押圧板の長さより大きく、前記材料供給口の下方に延在する、ことを特徴とする請求項2に記載の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器。
【請求項4】
前記硬化成形装置は、相対的に一体に接合された第2押圧板と第2底板を備え、第2押圧板と第2底板の対向面にそれぞれ溝が設けられ、第2押圧板と第2底板の溝がちょうど対応し、前記成形キャビティを共同で構成し、
前記冷却/乾燥アセンブリは、相対的に一体に接合された第3押圧板と第3底板を備え、第3押圧板と第3底板の対向面にそれぞれ溝が設けられ、第3押圧板と第3底板の溝がちょうど対応し、前記冷却乾燥キャビティを共同で構成する、ことを特徴とする請求項1に記載の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器。
【請求項5】
前記第2押圧板と第2底板内には、いずれも外部水蒸気/湿熱空気に触れている第1ガスキャビティと前記第2貫通孔が設けられ、前記第1ガスキャビティと前記成形キャビティは均一に分布される前記第2貫通孔を介して連通する、ことを特徴とする請求項4に記載の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器。
【請求項6】
前記冷却/乾燥キャビティの横断面積は前記成形キャビティの横断面積の85~95%である、ことを特徴とする請求項1に記載の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器。
【請求項7】
前記第3押圧板と第3底板内には、いずれも負圧装置に接続された第2ガスキャビティと前記第3貫通孔が設けられ、前記第2ガスキャビティと前記冷却/乾燥キャビティは均一に分布される前記第3を介して連通する、ことを特徴とする請求項4に記載の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器。
【請求項8】
前記冷却/乾燥アセンブリは、同じ構造の1~10組のモジュール化アセンブリによって直列接続して構成される、ことを特徴とする請求項1に記載の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造方法であって、
材料供給装置(3)によって表面に接着剤を有する粒子状材料を、第1底板(6)に位置するメッシュ搬送ベルトに連続的に定量的に導入し、第1底板(6)のU字状溝及びその第1貫通孔によって提供された負圧によってメッシュ搬送ベルトに吸着されるステップと、
粒子状材料が負圧の作用下で、メッシュ搬送ベルトに伴って先細り状態を呈する予備成形装置(4)の予備成形キャビティを通過することで、粒子状材料にメッシュ搬送ベルトと共に予備成形キャビティにおいて、その横断面積が前記硬化成形装置の成形キャビティの横断面積より僅かに大きい状態まで収縮させ、即ち全粒子巻きタバコ/濾過棒ブランクとして予備成形させ、前記全粒子巻きタバコ/濾過棒ブランク及びメッシュ搬送ベルトが予備成形装置(4)の材料吐出口を介して硬化成形装置の成形キャビティ内に入るステップと、
成形キャビティ内に全粒子巻きタバコ/濾過棒ブランクを加熱及び/又は加湿処理し、材料粒子表面の接着剤を活性化させ、材料中の粒子を互いに接着させ、連続固体多孔質物質を形成するステップと、
形成された連続固体多孔質物質を、メッシュ搬送ベルトを介して冷却/乾燥アセンブリの冷却/乾燥キャビティに導入して冷却・乾燥処理し、連続固体多孔質物質に負圧を印加することによって、接着が堅固で水分含有量が適切な全粒子巻きタバコ/濾過棒を得るステップと、を含む、ことを特徴とする全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の製造方法で製造される全粒子巻きタバコ/濾過棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻きタバコ/巻きタバコ濾過棒の製造機器に関し、特に全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器、方法及び製造された全粒子巻きタバコ/濾過棒に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の巻きタバコはいずれも刻みタバコで製造され、全粒子巻きタバコ/濾過棒はシートタバコ粒子で製造される。全粒子巻きタバコは、刻みタバコ型巻きタバコに比べてその独特なところがあるが、従来のタバコ巻き上げ機又は成形機はいずれも全粒子型巻きタバコ/濾過棒を製造することができない。巻きタバコ濾過棒は巻きタバコの製造における重要な補助材料であり、近年、濾過棒粒子添加剤は研究ホットスポットの1つであり、一般的に粒子添加剤はアセテート繊維トウに均一に添加されて粒子複合濾過棒を製造し、又は集中的に緩く充填されることで三元複合濾過棒を製造する方式で応用され、これは濾過棒の製造及び使用コストを大幅に増加させる。研究者は濾過棒粒子添加剤を全粒子ロッド全体に製造することを提案するが、どのように全粒子ロッドの連続化製造を実現するかは常に良好に解決されない。
【0003】
どのようにシートタバコ粒子又は濾過棒粒子添加剤を連続的に成形して全粒子のタバコロッド又は粒子濾過棒に製造し、巻きタバコ/濾過棒の製造に用いるかは、巻きタバコ/巻きタバコ濾過棒の製造機器企業が直面する重要な課題になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全粒子巻きタバコ/巻きタバコ濾過棒をバッチで連続的に製造するために、本発明は全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器、方法及び製造された全粒子巻きタバコ/濾過棒を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、支持フレームに取り付けられたメッシュ搬送ベルトを備え、前記支持フレームには、メッシュ搬送ベルトの搬送方向に沿って材料供給装置、予備成形キャビティ付きの予備成形装置、成形キャビティ付きの硬化成形装置、冷却/乾燥キャビティ付きの冷却/乾燥アセンブリが順に設けられ、
前記メッシュ搬送ベルトは、一体に接続された上層搬送ベルト及び下層搬送ベルトを備え、前記上層搬送ベルトは、前記材料供給装置の材料供給口を通過し、前記予備成形装置の予備成形キャビティ、前記硬化成形装置の成形キャビティ、前記冷却/乾燥アセンブリの冷却/乾燥キャビティを貫通し、
前記予備成形キャビティの側壁には、粒子状材料を吸着するように負圧を提供するための複数の第1貫通孔があり、
前記硬化成形装置の成形キャビティの側壁には、材料に加熱加湿処理を行うように含水熱空気及び/又は飽和水蒸気を提供するための複数の第2貫通孔が設けられ、
前記冷却/乾燥アセンブリの冷却/乾燥キャビティの側壁には、負圧で余分な水分をさらに排出するように負圧を提供するための複数の第3貫通孔が設けられ、
前記予備成形キャビティ、前記成形キャビティ、前記冷却/乾燥キャビティの中心位置は同じ水平直線にあり、
前記予備成形キャビティ、前記成形キャビティ及び前記冷却乾燥キャビティの横断面形状が同じであり、前記予備成形キャビティの材料吐出口の横断面積が前記成形キャビティの横断面積より僅かに大きく、前記成形キャビティの横断面積が前記冷却乾燥キャビティの横断面積より僅かに大きい全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器を提供する。
【0006】
本発明は、使用時に、前記粒子状材料は材料供給装置によってメッシュ搬送ベルトに供給され、負圧の作用下で搬送ベルトに吸着され、予備成形装置によって予備成形された後に硬化成形装置の成形キャビティに入り、さらに成形キャビティ内で粒子状材料を加熱し加湿した後にそれを緊密に堆積させて接着成形させ、次に冷却/乾燥アセンブリの冷却/乾燥キャビティに入り、また負圧の作用下で、さらに収縮し、余分な水分を迅速に排出し、冷却し、降温し、即ち包み紙なしの全粒子巻きタバコ/濾過棒を得る。
【0007】
好ましくは、前記予備成形装置は、相対的に係合された第1押圧板と第1底板を備え、粒子状材料を予備押出成形しやすくするために、第1押圧板と第1底板との係合部位に前記予備成形キャビティが設けられ、予備成形キャビティの横断面積が材料の進行方向に向かって徐々に収縮する状態を呈する。
【0008】
好ましくは、前記第1底板と第1押圧板との対向面に、それぞれ、材料の進行方向に向かって先細り状態を呈するU字状溝が設けられ、前記第1押圧板と第1底板のU字状溝はちょうど対応し、前記予備成形キャビティを共同で構成し、前記第1底板の長さは前記第1下押圧板の長さより大きく、前記材料供給口の下方に延在する。このように、粒子状材料は材料供給口を介してメッシュ搬送ベルト上に落下する時、粒子状材料は、第1貫通孔による負圧の作用下でメッシュ搬送ベルトに吸着され、口径が先細り状態を呈するU字状溝によって粗成形される。
【0009】
好ましくは、成形された包み紙なしの全粒子巻きタバコ/濾過棒に対して切断及び仕分けを行うことを容易にするように、前記冷却/乾燥アセンブリの出力端に切断・仕分け装置が設けられる。
【0010】
好ましくは、成形された全粒子巻きタバコ/濾過棒に紙包み、切断及び仕分けを行うことを容易にするように、前記冷却/乾燥アセンブリの出力端に紙包み装置、切断・仕分け装置が順に設けられ、前記冷却乾燥キャビティと前記紙包み装置との中心位置が同じ水平直線にある。
前記紙包み装置、切断・仕分け装置は従来のタバコ巻き上げ機及び/又は濾過棒成形機の汎用包み紙及び切断ユニットであってもよく、実際の必要に応じて対応する改造を行うこともできる。
【0011】
好ましくは、前記成形キャビティの横断面形状は、全粒子巻きタバコ/濾過棒の断面形状によって決定され、円形、楕円形、菱形、四角形などのうちのいずれか1種であってもよく、上記の図形において任意の中空パターンを有してもよい。
【0012】
好ましくは、前記予備成形装置は、成形タバコガン前底板と成形タバコガン前押圧板で共に構成され、両者の対応する面に設けられたU字状溝が組み合わされて漸進的変化する予備成形キャビティを形成し、前底板のU字状溝壁に負圧装置に接続された複数の負圧吸着孔が設けられ、その長さが前押圧板の長さよりも大きい。布テープは、ガイドローラを介して負圧吸着孔付きの成形タバコガンの前底板のU字状溝に導入され、負圧の作用下で粒子及び布テープがU字状溝壁に緊密に吸着され、溝型に伴って徐々に収縮し、布テープは粒子状材料を包んで徐々に収縮して予備成形キャビティに入り、所望の形状に予備成形された後に硬化成形装置に入る。
【0013】
好ましくは、前記硬化成形装置は、相対的に一体に接合された押圧板第2押圧板と底板第2底板を備え、押圧板第2押圧板と底板第2底板の対向面にそれぞれ溝が設けられ、押圧板第2押圧板と底板第2底板の溝がちょうど対応し、前記成形キャビティを共同で構成し、
前記冷却/乾燥アセンブリは、相対的に一体に接合された押圧板第3押圧板と底板第3底板を備え、押圧板第3押圧板と底板第3底板の対向面にそれぞれ溝が設けられ、押圧板第3押圧板と底板第3底板の溝がちょうど対応し、前記冷却乾燥キャビティを共同で構成する。
【0014】
好ましくは、前記第2押圧板と第2底板内には、いずれも外部水蒸気/湿熱空気に触れている第1ガスキャビティと前記第2貫通孔が設けられ、前記第1ガスキャビティと前記成形キャビティは、均一に分布される前記第2貫通孔を介して連通する。前記第2貫通孔の孔径が0.3~0.8mm、孔ピッチが5~10mmである。第2貫通孔は含水熱空気及び/又は飽和水蒸気を提供し、粒子表面を湿潤させて予備接着成形するために用いられる。
【0015】
好ましくは、前記第2押圧板と第2底板に電力調整可能なマイクロ波発生装置が内蔵され、粒子に対するマイクロ波加熱処理又は硬化成形を迅速に実現するために用いられる。
【0016】
好ましくは、前記第2押圧板と第2底板に電気加熱管が内蔵され、粒子を直接加熱するか、又は含水熱空気及び/又は飽和水蒸気を補助加熱するために用いられる。
【0017】
好ましくは、前記冷却/乾燥キャビティの横断面積は、前記成形キャビティの横断面積の85~95%である。
【0018】
好ましくは、前記第3押圧板と第3底板内には、いずれも負圧装置に接続された第2ガスキャビティが設けられ、前記第2ガスキャビティと前記冷却/乾燥キャビティは均一に分布される前記第3貫通孔を介して連通する。前記第3貫通孔の孔径が0.5~2mm、孔ピッチが2~8mmである。前記第3貫通孔は、予備接着成形された全粒子巻きタバコ/濾過棒中の余分な水分を迅速に排出し、その温度を低下させるように、負圧を提供するために用いられる。
【0019】
好ましくは、前記冷却/乾燥アセンブリは、構造が同じであるモジュール化アセンブリであり、一般的に1~10組に設けられてもよく、除湿乾燥の必要に応じて増加するか又は減少してもよい。
【0020】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、前記全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器を利用する全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造方法をさらに提供し、該方法は、
材料供給装置によって表面に接着剤を有する粒子状材料を、第1底板に位置するメッシュ搬送ベルトに連続的に定量的に導入し、第1底板のU字状溝及びその第1貫通孔によって提供された負圧によってメッシュ搬送ベルトに吸着するステップと、
粒子状材料が、負圧の作用下で、メッシュ搬送ベルトに伴って先細り状態を呈する予備成形装置の予備成形キャビティを通過することで、粒子状材料にメッシュ搬送ベルトと共に予備成形キャビティにおいて、その横断面積が前記硬化成形装置の成形キャビティの横断面積より僅かに大きい状態まで収縮させ、即ち全粒子巻きタバコ/濾過棒ブランクとして予備成形させ、前記全粒子巻きタバコ/濾過棒ブランク及びメッシュ搬送ベルトが予備成形装置の材料吐出口を介して硬化成形装置の成形キャビティ内に入るステップと、
成形キャビティ内に全粒子巻きタバコ/濾過棒ブランクを加熱及び/又は加湿処理し、材料粒子表面の接着剤を活性化させ、材料中の粒子を互いに接着させ、連続固体多孔質物質を形成するステップと、
形成された連続固体多孔質物質を、メッシュ搬送ベルトを介して冷却/乾燥アセンブリの冷却/乾燥キャビティに導入して冷却・乾燥処理し、連続固体多孔質物質に負圧を印加することによって、接着が堅固で水分含有量が適切な全粒子巻きタバコ/濾過棒を得るステップと、を含む。
【0021】
好ましくは、前記全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造方法は、巻きタバコ紙及び/又は成形紙を包み、径方向に切断して全粒子タバコロッド/濾過棒製品を取得するステップをさらに含む。
【0022】
好ましくは、前記材料の粒子表面に複数の接着剤接着点が設けられる。
【0023】
好ましくは、前記材料の粒子の粒径は、10~60メッシュであり、より好ましくは14~40メッシュである。
【0024】
好ましくは、前記材料の粒子の前記硬化成形装置における加熱温度は60~120℃で、加湿量は粒子の質量の10~25%である。
【0025】
好ましくは、前記全粒子巻きタバコ/濾過棒の含水率が8~12%であり、密度が0.4~1.0g/ml、より好ましくは0.5~0.8g/mlである。
【0026】
上記技術的問題を解決するために、本発明は、さらに前記製造方法で製造される全粒子巻きタバコ/濾過棒を提供する。
【0027】
従来の技術と比較して、本発明の利点は以下のとおりである。
1、従来の巻きタバコ機器と濾過棒成形機はいずれも粒子状材料の成形連続化を実現できず、本発明による機器は初めて全粒子タバコ/濾過棒の連続化製造成形を実現する。
2、本発明の全粒子タバコ/濾過棒は、より多くの機能および含意を付与し、消費者により良い経験を提供できる新たな形の巻きタバコ及び濾過棒を提供する。
【0028】
本発明の実施例又は従来の技術における技術案をより明確に説明するために、以下に実施例又は従来の技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に説明する図面は本発明のいくつかの実施例であり、当業者にとって、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施例1の全体斜視構造概略図である。
図2】本発明の硬化成形装置の平面構造概略図である。
図3】本発明の硬化成形装置の断面構造概略図である。
図4】本発明の加熱アセンブリが配置された硬化成形装置の断面構造概略図である。
図5】本発明の冷却/乾燥アセンブリの断面構造概略図である。
図6】本発明の実施例2の全体構造概略図である。
図7】本発明の実施例3の全体構造概略図である。
図8】本発明の実施例4の全体構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に具体的な好ましい実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0031】
説明を容易にするために、各部材の相対的な位置関係は、例えば、上、下、左、右等の説明はいずれも明細書の図面の設定方向に基づいて説明され、本特許の構造を限定するものではない。
【0032】
実施例1
図1に示すように、本発明の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器の実施例1は、支持フレーム2に取り付けられたメッシュ搬送ベルト11を備え、メッシュ搬送ベルト11の上方に、材料供給装置3、予備成形装置4、硬化成形装置9、冷却/乾燥アセンブリ10(冷却/乾燥アセンブリはモジュール化アセンブリであり、必要に応じて1~10組設けることでき、本実施例では2組設けられる)、駆動輪8が順に取り付けられる。
【0033】
メッシュ搬送ベルト11は、一体に接続された上層搬送ベルト及び下層搬送ベルトを備え、メッシュ搬送ベルトの両端は、ガイドローラ1及び駆動輪12に水平に巻回されて支持され、上層搬送ベルトは材料供給装置3の材料供給口を通過し、予備成形装置4、硬化成形装置8、冷却/乾燥アセンブリ10を順に貫通する。
【0034】
材料供給装置3の底部に材料供給口が設けられる。材料は材料供給口によってメッシュ搬送ベルト11に搬送される。材料供給装置3は市販の高精度定量材料供給装置であり、定体積材料供給装置、定質量材料供給装置、定流量材料供給装置、スクリュー式材料供給装置又は管式材料供給装置又は類似装置及びその組み合わせであってもよい。好ましくは、材料供給装置3は液体の定量的かつ均一な添加を行い、及び/又は予備加熱処理を行うことができる。
【0035】
予備成形装置4は、相対的に一体に係合された第1押圧板5と第1底板6を備え、第1底板6の長さが第1押圧板5より大きく、第1底板6が材料供給装置3の材料供給口の下方に延在し、負圧を提供して粒子状材料をメッシュ搬送ベルト11に吸着するように、第1底板6に負圧装置に接続された複数の第1貫通孔が設けられる。第1押圧板5の底部にU字状溝が設けられ、第1底板6の頂部にU字状溝が設けられ、第1押圧板5と第1底板6が相対的に係合された後、第1押圧板5のU字状溝と第1底板6のU字状溝が相対的に組み合わせられて予備成形キャビティを形成し、予備成形キャビティの直径が材料の進行方向に向かって先細り状態を呈し、メッシュ搬送ベルト11が粒子状材料を運んで予備成形キャビティを通過する時、メッシュ搬送ベルト11は予備成形キャビティの先細りに応じて徐々に収縮して粒子状材料を包む。
【0036】
図2図3に示すように、硬化成形装置9は、対向して合体した第2押圧板94と第2底板95を備え、第2押圧板94と第2底板95との接合箇所に成形キャビティ91が設けられる。成形キャビティ91の横断面形状は、全粒子タバコ/濾過棒の断面形状によって決定され、円形、楕円形、菱形、四角形などのうちのいずれか1種であってもよく、又は前記図形において任意の中空パターンを有することができる。
【0037】
第2押圧板94と第2底板95にはいずれも、外部水蒸気/湿熱空気に触れている第1ガスキャビティ93と第2貫通孔92が設けられ、第1ガスキャビティ93は第2貫通孔92を介して成形キャビティ91に連通する。第2貫通孔92の孔径は0.3~0.8mmであり、孔ピッチは5~10mmである。第2貫通孔92は、粒子表面を湿潤させて、さらに予備的に接着して成形させるように、含水熱空気及び/又は飽和水蒸気を提供するために用いられる。
【0038】
図4に示すように、本発明の硬化成形装置9の第2押圧板94と第2底板95内に加熱アセンブリ96が設けられてもよく、加熱アセンブリ96は、好ましくは電力調整可能なマイクロ波発生装置又は電気加熱管であり、粒子状材料を直接加熱するか、又は含水熱空気及び/又は飽和水蒸気を補助加熱し、同時に硬化成形を迅速に実現するために用いられる。
【0039】
図5に示すように、冷却/乾燥アセンブリ10の構造はほぼ硬化成形装置9の構造と同じであり、同様に、対向して合体した第3押圧板103と第3底板104を備え、第3押圧板103と第3底板104との接合箇所に冷却/乾燥キャビティ101が設けられる。第3押圧板103と第3底板104内にそれぞれ負圧装置に接続された第2ガスキャビティ105及び大量の均一に分布される第3貫通孔102が設けられ、第2ガスキャビティ105と冷却乾燥キャビティ101は第3貫通孔102を介して連通する。第3貫通孔102の孔径が0.5~2mmで、孔ピッチが2~8mmである。第3貫通孔102は、予備接着成形された全粒子巻きタバコ/濾過棒中の余分な水分を迅速に排出し、その温度を低下させるように、負圧を提供するために用いられる。
【0040】
本発明は、使用時に、メッシュ搬送ベルト11は駆動輪8によって駆動されてガイドローラ1の周りを周回する。粒子状材料は材料供給装置3によって第1底板3上に位置するメッシュ搬送ベルト11上に均一に落下し、第1底板3のU字状溝は粒子状材料を予備的に集めて、同時に負圧によって材料をメッシュ搬送ベルト11に吸着する。メッシュ搬送ベルト11は、第1底板6のU字状溝の段階的収縮に伴って粒子状材料を予備的に包み、次に予備成形キャビティに入り、メッシュ搬送ベルト11はさらに、予備成形キャビティ内で収縮した粒子状材料を、成形キャビティ91の横断面積と等しくなるまで包んで成形した後、硬化成形装置9の成形キャビティ91に入る。硬化成形装置9の成形キャビティ91内に材料に対して加熱加湿処理を行うことによって、粒子状材料の表面の接着剤が相互作用して接着を形成し、その後に冷却/乾燥アセンブリに入って冷却し、乾燥し、除湿した後、メッシュ搬送ベルト11によって持ち出された後、包み紙なしの全粒子巻きタバコ/濾過棒7を形成する。
【0041】
実施例2
図6に示すように、本発明の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器の実施例2はほぼ実施例1と同じであり、冷却/乾燥アセンブリの出力端に切断・仕分け装置12を設置するだけである。切断・仕分け装置12は、製造して成形された包み紙なしの全粒子巻きタバコ/濾過棒7を切断し仕分けして箱詰めする。前記切断・仕分け装置12は、従来のタバコ巻き上げ機及び/又は濾過棒成形機の汎用切断ユニットであってもよく、実際の必要に応じて対応する改造を行うこともできる。
【0042】
実施例3
図7に示すように、本発明の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器の実施例3は実施例1とほぼ同じであり、冷却/乾燥アセンブリ10の出力端に紙包み装置13、切断・仕分け装置12が順に接続され、本実施例において、紙包み装置13は好ましくは従来の濾過棒成形機15であり、製造して成形された包み紙なしの全粒子巻きタバコ/濾過棒7と成形紙151を一定の方式で一緒に成形機のタバコガン152に供給して成形し、その後に切断・仕分け装置13によって切断して箱に仕分けし、外部包み紙の全粒子巻きタバコ/濾過棒153を形成する。
【0043】
実施例4
図8に示すように、本発明の全粒子巻きタバコ/濾過棒の製造機器の実施例4はほぼ実施例1と同じであり、冷却/乾燥アセンブリ10の出力端に従来のタバコ巻き上げ機16を接続して整合当接を行い、製造して成形された紙無しの全粒子巻きタバコ/濾過棒7と巻きタバコ紙161を一定の方式で一緒にタバコ巻き上げ機のタバコガン162に供給して成形し、その後に切断された後の材料セグメントを濾過棒163に当接させ、チップペーパー164によって接続を完了し、外部包み紙の全粒子巻きタバコ/濾過棒を形成する。
【0044】
以上は本願の好ましい実施例のみであり、本願に対していかなる形の制限を行うものではなく、本願は好ましい実施例で以上のように開示されているが、本願を制限するものではなく、当業者であれば、本願の技術案を逸脱しない範囲内で、上記開示された技術内容を利用して多少の変動又は修飾を行うことはいずれも等価実施例に相当し、いずれも技術案の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0045】
1、ガイドローラ
2、支持フレーム
3、材料供給装置
4、予備成形装置
5、第1押圧板
6、第1底板
7、包み紙なしの全粒子巻きタバコ/濾過棒
8、駆動輪
9、硬化成形装置
91、成形キャビティ
92、第2貫通孔
93、第1ガスキャビティ
94、第2押圧板
95、第2底板
96、加熱アセンブリ
10、冷却/乾燥アセンブリ
101、冷却/乾燥キャビティ
102、第3貫通孔
103、第3押圧板
104、第3底板
105、第2ガスキャビティ
11、メッシュ搬送ベルト
12、切断・仕分け装置
13、紙包み装置
15、濾過棒成形機
151、成形紙
152、成形機のタバコガン
153、外部包み紙の全粒子巻きタバコ/濾過棒
16、タバコ巻き上げ機
161、巻きタバコ紙
162、タバコ巻き上げ機のタバコガン
163、濾過棒
164、チップペーパー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】