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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】耐水圧試験を行うためのアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/26 20060101AFI20220720BHJP
   F16L 55/105 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
G01M3/26 D
F16L55/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021576060
(86)(22)【出願日】2020-06-16
(85)【翻訳文提出日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2020066574
(87)【国際公開番号】W WO2020254298
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】1906744
(32)【優先日】2019-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507030070
【氏名又は名称】エレクトリシテ ド フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】フレノー,コラリー
(72)【発明者】
【氏名】ウッセイ,ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】バランゲル,ルドルフ
(72)【発明者】
【氏名】タブティン,アクセル
(72)【発明者】
【氏名】ソリアーノ,ローラン
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ,アントワーヌ
【テーマコード(参考)】
2G067
3H025
【Fターム(参考)】
2G067AA02
2G067AA11
2G067BB34
2G067CC02
2G067DD02
3H025DA02
3H025DB12
3H025DC02
3H025DD01
(57)【要約】
本発明は、平行な台座(102)を備える少なくとも弁(1)を含む耐水圧試験アセンブリに関する。それは、平行なプレート(20、21)を有する遮断部材(2)であって、平行なプレートは、それらの分離を規制するために接続手段によって接続されているため、この分離が、遮断部材(2)を前記弁(1)に導入できるようにするのに十分となる第1の位置から、前記分離が大きくなる第2の位置に移ることができ、この分離はそれらを前記平行な台座(102)にしっかり適用できるようにする、遮断部材(2)と、前記遮断部材(2)を前記弁(1)に挿入するための装置(3)であって、前記弁(1)に導入されるように構成された少なくとも「U」字状のツールを含み、その平行なアームはガイドを形成し、そのベースは前記遮断部材(2)を保持するためのサポートを形成する、装置(3)と、「ダミーステム」(4)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行な台座(102)を備える弁(1)を少なくとも含む水力施設の耐水圧試験、すなわち耐圧試験を行うためのアセンブリであって、前記弁の本体は、その作動ステムが予めはがされ、その平行なゲート及び弁帽(11)は前記作動ステムを支持するため、前記平行な台座(102)にアクセスするための開口(11)が解放され、当該アセンブリは、
平行なプレート(20、21)を備える遮断部材(2)であって、プレートのうちの一方(21)は開口を有し、他方(20)は中実であり、これらのプレート(20、21)は接続手段(22~26)によって接続されているため、それらの相互の分離を制限でき、この分離が、前記開口(111)を介して前記遮断部材(2)を前記弁(1)に導入できるようにするのに十分なものとなる第1のいわゆる「引っ込め」位置から、前記分離が、前記第1の位置における前記プレート(20、21)の分離よりも大きくなる、第2のいわゆる拡張位置に移ることができ、前記分離は、前記平行な台座(102)に対してそれらをしっかり適用することを可能にする、遮断部材と、
前記弁(1)の内部に前記遮断部材(2)を挿入し且つ支持するための装置(3)であって、該装置は、概して「U」字状であり且つ前記弁(1)内に導入されるように構成された、「内側ツール」と呼ばれるツールを含み、該U字状のツールの平行なアーム(310)は、前記遮断部材の導入及び取り外しのためのガイドを形成する一方で、そのベース(311)は、前記遮断部材(2)を、その平行なプレート(20、21)が前記平行な台座(102)に対して適用されることを考慮して保持するためのサポートを形成する、装置と、
「ダミーステム」(4)、すなわち、前記支持弁帽(11)を戻した後に、前記弁(1)を液密的に閉じるように構成されたシーリング機材である、「ダミーステム」(4)と、
を含む、アセンブリ。
【請求項2】
前記平行なプレート(20、21)は取り外し可能であり、交換可能である、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記遮断部材(2)の前記プレート(20、21)を接続する前記接続手段(22~26)は、前記プレート(20、21)を前記第2の位置に移動させるように構成されたバネ(22)を少なくとも一方に含み、該バネ(22)の作用に対して、前記プレート(20、21)に前記第1の位置を占有させるために必要に応じて制御可能なジャッキを少なくとも他方に含む、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記遮断部材(2)の前記プレート(20、21)を接続する前記接続手段(22~26)は、前記プレート(20、21)を前記第1の位置に移動させるように構成されたバネ(22)を少なくとも一方に含み、該バネ(22)の作用に対して、前記プレート(20、21)に前記第2の位置を占有させるために必要に応じて制御可能なジャッキを少なくとも他方に含む、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記遮断部材の前記プレート(20、21)を接続する前記接続手段(22~26)は、一方が第1のプレート(20)にヒンジ連結され、他方が第2のプレート(21)にヒンジ連結された一組の連接棒(26)を含む、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記連接棒(26)のそれぞれは、摺動ピボットリンク(25)を介して前記プレート(21)のうちの一方にヒンジ連結されている、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記挿入及び支持装置(3)は、前記弁帽(11)のシール平面(112)、前記開口(111)の周囲に位置して、前記「内側ツール」(31)のセンタリングを可能にするように構成された、「外側ツール」(30)と呼ばれるツールも含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記挿入及び支持装置(3)は、前記「内側ツール」(31)のアーム(310)から続く、前記「外側ツール」(30)上に位置するように構成された一対の外側ガイド延長部(32)も含む、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記「ダミーステム」(4)はグランド又はオートクレーブ型である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記「ダミーステム」(4)は通気管路を備える、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記「ダミーステム」(4)は計装手段を備える、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行な台座を備えた弁を少なくとも含む水力施設の耐水圧試験、すなわち、耐圧試験を行う分野に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の産業施設は、しばしば加圧された流体、液体又は気体が通るパイプ(配管)に連結された容量(capacities)(タンク、容器、交換器等)を含む。
【0003】
これらの施設の信頼できる安全な運転を保証するために、そのようなシステムの保守は耐圧試験を定期的に行う必要があり、加圧された装置を管理する規則は耐水圧試験を定期的に行うことをさらに義務付けている。
【0004】
本文の残りの部分では、「耐圧」とは、そのような圧力によって生じる、産業施設のコンポーネントの変形、該コンポーネントの機械的接続の完全性の喪失及びそれらの気密性の喪失につながり得る機械的応力に耐える能力を意味する。
【0005】
タンク、容器又はその他の種類の容量の耐圧試験又は耐水圧試験を行うためには、試験又は耐「バブル」、すなわち、その技術的評価の観点から容量の加圧を可能にする閉回路を作り出すために、施設の構成を変更する必要がある。
【0006】
この閉回路を作るためには、容器の入口/出口のそれぞれを、特に、それらがパイプに連結されている場合に、遮断して容器の内容量を隔離する必要がある。
【0007】
機器及び配管内に存在する空気を排出し、耐水圧試験の間の圧力の安定化を保証するために、通気ポイント、すなわち通気口が設けられている。
【0008】
充填及び圧力の増大を管理するためにテストポンプが用いられ、圧力計の存在により、試験圧力に到達することを保証できる。特定の場では、例えば、脱塩水を用いて常温で試験又は検査が行われる。
【0009】
耐水圧試験バブルを作り出すために、容器又はパイプの隔離に適した遮断部材を用いて、施設上に存在するボルト止めされたアセンブリに依拠することができる。しかしながら、いわゆる危険な流体(有毒、引火性、爆発性等)又は高温の流体(例えば、蒸気)を用いる産業では、解体後にボルト止めされたプラグ(ブラインドホール、ソリッドフランジ)を取り付けることを可能にし、それらを遮断することを可能にするフランジは容量及び配管から除外されている。
【0010】
そのため、一般に、パイプを切断し、パイプの切断部のレベルで遮断部材を溶接することが必要である。
【0011】
残念ながら、このような配管を遮断する技術には多くの欠点がある。
【0012】
まず、このような解決策は複雑な実施を含み、長時間の作業を生み出し、希少な特定の人的資源(溶接工、コントローラ等)及び相当な材料のロジスティック要件(ガントリ、足場、エアロック、遅延除去システム等)を必要とする。
【0013】
作業は、重要な実施上の不測の事態(不備、欠陥のある作業等)のリスクも含む。加えて、作業には、特有の技術的特性を考慮すると、高価で調達リードタイムが長い交換部品(適合状態に戻されるべき溶接された遮断装置、配管要素等)の供給が必要となる。溶接された遮断装置は切断されるため寿命が限られ、これは定期的な新規調達を必要とする。
【0014】
最後に、特定の施設でこの解決策の実施には、通常、特定の管理、例えばガンマ線を用いるような種類の非破壊的管理、さらに、必要に応じて、有効な規制によって定義された行政一式文書の確立を介した完全な管理を実施する必要がある。これらの管理は、とりわけ、溶接固有のリスク、放射線学的リスクを有しており、その結果、拡大された特定のマーキングオフされた区域に実施され、ガンマショットの近傍で進行中の活動を停止させることになる。
【0015】
溶接された遮断部材の使用に関連するこれらの欠点を回避するための1つの解決策は、機械又は膨張式の遮断装置を用い、それらを配管内に配置して配管を遮断することである。構成に応じて、いくつかの種類の遮断部材が用いられ得る。
【0016】
そのため、特許文献1に記載の機械式の遮断部材が知られている。これらの、寸法の大きい遮断部材は配管の内部で組み立てられるため、配管へのアクセスは、寸法が配管の直径よりも小さいオリフィスを介して行われるにもかかわらず、それらの設置が可能となる。これらの遮断部材は、耐水圧試験の間にそれらの気密性をチェックし且つ制御する目的で、測定値の伝達の役割を果たす計装を可能にするために、近傍でのアクセスを必要とする。
【0017】
特許文献2に記載されているもの等の膨張式の遮断部材も知られている。これらの遮断部材は、耐水圧試験の間に供給を可能にし、パイプ内でのそれらの抵抗を保証するために、また、必要に応じて、それらの膨張圧を調節するために近傍でのアクセスを必要とする。これらの用途は、対象となる産業施設の構成により技術的な限界がある。
【0018】
また、特許文献3のもの等の機械式の遮断部材もある。これらの遮断部材には、配置する前に遮断すべき配管を切断する必要があるという欠点がある。溶接作業に関連する欠点は低減されるが、設備が適合状態に戻されたときにそれらが残るため、欠点は解消されない。
【0019】
さらに、これらの機械式又は膨張式の遮断部材は、それらが配管の切断を必要とするかどうかにかかわらず、設置するために十分な寸法の直線長を必要とするという欠点を有する。加えて、前記長さは表面欠陥があってはならないこと、アクセス可能であること及びそれらの環境は遮断部材の取扱いを可能であることが要求されるが、いつもこうであるとは限らない。
【0020】
設置が許される場合、入口/出口のレベルで容器に関連し、耐水圧試験又は検査の間に加圧に耐える寸法を有する配管部材に依拠することができる。しかしながら、水圧試験又は耐性試験の前に各配管部材の正しい動作を単純に検証するだけでは、これらに必要な完全な気密性を保証することはできない。何故なら、とりわけ、弁は、2012年5月1日付のNF E29-311-1、NF EN 12266-1等の、例えば、ND(呼び径)の弁の場合、そのような設置に要求される品質の350mmに相当する10.5mm/sの漏れ量に耐える設計基準に従った「漏出(leakiness)」係数で設計されているからである。
【0021】
平行な台座を備える弁の場合、内部介入、すなわち、ゲート/台座のスパンを制御する専門知識を可能にするための内部要素(すなわち、ステム及びゲート)を取り除いて、必要であれば、それらの床敷きを入れることにより、状況が改善され得るが、水圧防護試験の検証に必要な漏れ止めを系統的に保証するものではない。
【0022】
別の欠点はこれらの作業の期間であり、配管工事に不慣れな作業者にとって、多くの場合他の作業よりも優先する必要とする。加えて、不測の事態が発生した場合、介入には調達のリードタイムが重要な交換部品の供給が必要になり得る。さらに別の欠点は、予防的メンテナンスプログラムの対象とならない弁の作業の多重化である。
【0023】
それが決定的な場合、耐水圧試験の上流側の弁のゲート間試験(IGTと訳される)を実施は、試験条件下での気密性を保証することを可能にする。
【0024】
この試験では、台座上のゲートの上流/下流側の漏れ気密性を確認するために弁のゲート間空間及び上部空間に水が充填され、試験前に加圧される。
【0025】
この試験が決定的でない場合、ゲートの代わりに工具を取り付けることにより、弁の気密性が保証することができる。次いで、適切な遮断工具を設置することができるように弁の弁帽、ステム及びゲートが分解される。
【0026】
これを満たす工具は市場にはほとんど存在しない。
【0027】
業界で用いられる解決策の1つは、ナット/ロックナットシステムのおかげで位置が調整可能な1つ又はいくつかのネジを備えた平行プレートを備える遮断部材を設置することである。
【0028】
残念ながら、この解決法には多くの欠点がある。
【0029】
先ず、工具の取り扱いが困難であり且つ危険である。工具が重く、弁の本体内に手を入れる必要があり、調整は手動である。
【0030】
次に、既存の遮断部材は、技術及び弁寸法に特有であり、台座間の距離が小さい弁に適した工具が存在しないことを知りながら、遭遇した各新たな弁のために設計及び計算ノートの再構成を必要とする。
【0031】
加えて、既設の遮断部材では、機器及び容量の上部に含まれる空気を排出することができない。
【0032】
そのため、これらの工具は非常に一般的でなく、ほとんどの場合、ゲート間試験が不完全な場合には、弁の上流に溶接された遮断装置を設置することが、耐水圧試験を安全なものにするために好ましい。これらの溶接された装置の前述の欠点が再度遭遇する。
【0033】
平行な台座を有する弁の異なる既存の構造のうちの一部は、遭遇する問題の一部に対応でき得る。
【0034】
そのため、第1のプレートが中実で、第2のプレートが開口した平行な台座の弁構造が知られている。バネは2つのプレートをパイプの台座に押し付ける。この点に関しては、例えば、特許文献4、特許文献5及び特許文献6を参照してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0035】
【特許文献1】フランス国特許第2989146号明細書
【特許文献2】フランス国特許第2989146号明細書
【特許文献3】国際公開第2000/03172号
【特許文献4】中国実用新案第205908770号明細書
【特許文献5】中国特許出願公開第106090273号明細書
【特許文献6】中国実用新案第202691105号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0036】
これらの文献に記載されている装置の全てでは、遮断はステムによって作動される設置された装置によって実現され、ステムは取り外すことができない。
【0037】
装置は、所定の弁内に位置し、別の寸法及び設計の別のものに変位させることはできない。それは直径又はバルクの調整ができない。
【0038】
装置は、弁の本体内の一方向(単一のスパンの存在)のみで動作するため、動作時に圧力が逆方向に加えられるHPT(耐水圧試験)の場合には、液密性を確保することができない。
【0039】
本発明の目的はこれらの問題に対する解決策を提供することである。
【0040】
すなわち、耐水圧試験、すなわち、平行な台座を有する少なくとも弁を含む水力設備の耐圧試験を行うことを可能にする要素のアセンブリであって、必要に応じて導入、取り外し、配置することができ、設計が簡素で、初期対応者によることを含む実施が容易なアセンブリを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0041】
そのため、本発明は、平行な台座を備える弁を少なくとも含む水力施設の耐水圧試験、すなわち耐圧試験を行うためのアセンブリに本質的に関する。前記弁の本体は、その作動ステムが予めはがされ、その平行なゲート及び弁帽は前記作動ステムを支持するため、前記平行な台座にアクセスするための開口が解放され、当該アセンブリは、
-平行なプレートを備える遮断部材であって、プレートのうちの一方は開口を有し、他方は中実であり、これらのプレートは接続手段によって接続されているため、それらの相互の分離を制限でき、この分離が、前記開口を介して前記遮断部材を前記弁に導入できるようにするのに十分なものとなる第1のいわゆる「引っ込め」位置から、前記分離が、前記第1の位置における前記プレートの分離よりも大きくなる、第2のいわゆる拡張位置に移ることができ、前記分離は、前記平行な台座に対してそれらをしっかり適用することを可能にする、遮断部材と、
-前記弁の内部に前記遮断部材を挿入し且つ支持するための装置であって、該装置は、概して「U」字状であり且つ前記弁内に導入されるように構成された、「内側ツール」と呼ばれるツールを含み、該U字状のツールの平行なアームは、前記遮断部材の導入及び取り外しのためのガイドを形成する一方で、そのベースは、前記遮断部材を、その平行なプレートが前記平行な台座に対して適用されることを考慮して保持するためのサポートを形成する、装置と、
-「ダミーステム」、すなわち、前記支持弁帽を戻した後に、前記弁を液密的に閉じるように構成されたシーリング機材である、「ダミーステム」と、
を含む。
【0042】
本発明の他の非限定の有利な特徴の単独で又はその少なくとも2つの任意の組み合わせによれば、
-前記平行なプレートは取り外し可能であり、交換可能であり;
前記遮断部材の前記プレートを接続する前記接続手段は、前記プレートを前記第2の位置に移動させるように構成されたバネを少なくとも一方に含み、該バネの作用に対して、前記プレートに前記第1の位置を占有させるために必要に応じて制御可能なジャッキを少なくとも他方に含み;
-前記遮断部材の前記プレートを接続する前記接続手段は、前記プレートを前記第1の位置に移動させるように構成されたバネを少なくとも一方に含み、該バネの作用に対して、前記プレートに前記第2の位置を占有させるために必要に応じて制御可能なジャッキを少なくとも他方に含み;
-前記遮断部材の前記プレートを接続する前記接続手段は、一方が第1のプレートにヒンジ連結され、他方が第2のプレートにヒンジ連結された一組の連接棒を含み;
-前記連接棒のそれぞれは、摺動ピボットリンクを介して前記プレートのうちの一方にヒンジ連結され;
-前記挿入及び支持装置は、前記弁帽のシール平面、前記開口の周囲に位置して、前記「内側ツール」のセンタリングを可能にするように構成された、「外側ツール」と呼ばれるツールも含み;
-前記挿入及び支持装置は、前記「内側ツール」のアームから続く、前記「外側ツール」上に位置するように構成された一対の外側ガイド延長部も含み;
-前記「ダミーステム」はグランド又はオートクレーブ型であり;
-前記「ダミーステム」は通気管路を備え;
-前記「ダミーステム」は計装手段を備える。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の他の特徴及び利点は以下の詳細な説明を読むことによって明らかになる。詳細な説明では添付図面を参照する。
図1図1は、制限された耐水圧試験(耐圧試験)を行うことが提案されている、既知の平行な台座の弁構造の垂直断面に沿った概略図である。
図2図2は、本発明に係るアセンブリの一部を形成する、平行なプレートを備える遮断部材の概略前面図である。
図3図3は、第1の位置における先行する図の遮断部材の図である。
図4図4は、別の位置における図2の遮断部材の図である。
図5図5は、先に図示した平行なプレートを備える遮断部材の代替案の前面図である。
図6図6は、図5の遮断部材の概略前面図である。
図7図7は、第1の位置における、先の図の遮断部材の図である。
図8図8は、別の位置における、図6の遮断部材の図である。
図9図9は、図2図4の遮断部材が試験のためにどのように弁構造内に配置されるかを説明することを意図する第1の図である。
図10図10は、図2図4の遮断部材が試験のためにどのように弁構造内に配置されるかを説明することを意図する第2の図である。
図11図11は、図5図8の遮断部材が試験のためにどのように弁構造内に配置されるかを説明することを意図する第1の図である。
図12図12は、図5図8の遮断部材が試験のためにどのように弁構造内に配置されるかを説明することを意図する第2の図である。
図13図13は、本発明に係るアセンブリの一部を形成する、平行プレートを備える遮断部材を挿入及び支持するための装置の斜視図を示す第1の図である。
図14図14は、先の図の装置を示す第2の図であり、前記遮断部材は、弁構造内に下げられる前に、図3及び図7のその初期位置にある。
図15図15は、図13の装置を示す第3の図であり、前記遮断部材はその最終位置にある。
図16図16は、本発明に係るアセンブリの一部を形成する「ダミーステム」の第1の実施形態の概略図である。
図17図17は、本発明に係るアセンブリの一部を形成する「ダミーステム」の第2の実施形態の概略図である。
図18図18は、本発明に係るアセンブリの第1の代替案による、耐水圧試験の間の図1の弁構造を示す概略図である。
図19図19は、本発明に係るアセンブリの第2の代替案による、耐水圧試験の間の図1の弁構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明の目的は、本願の導入部分で引用した欠点のうちの少なくとも1つを解決することを可能にする、平行な台座を備える弁のための遮断装置を提案することである。
【0045】
とりわけ、本発明の目的は、平行な台座を備える、全ての寸法及び全ての製造業者の弁に好適な遮断装置を提案することにより、とりわけ原子力発電所の設備及び容量の耐水圧試験のためのあらゆる種類のニーズに対応することを可能である。
【0046】
本発明に係るアセンブリの構成要素の詳細な説明に入る前に、添付の図1を参照する。図1には、耐水圧試験(耐圧試験)を行うことが提案される、平行な台座を備える弁1の既知の構造を示す。
【0047】
この弁1は、上部開口111を有する弁帽(bonnet)11によって取り付けられた本体10を含む。この弁帽11は内部空間110を定義する。参照符号112は後者のシール平面を示す。
【0048】
本体10は、上述の空間110と正確に連続して位置する垂直方向の上方空間100を定義する。空間100はその下部を介して、弁1を通る流体の通過の場所である水平方向101の下部空間と連通する。
【0049】
参照符号102は平行な2つの台座を示し、平行な2つの台座は通常時に弁のゲートを支える。最後に、参照符号103は2つの台座102間の距離を示す。
【0050】
前述したように、本発明に係るアセンブリは、平行なプレートを備える遮断部材を含む。
【0051】
その第1の実施形態を図2図4に示す。
【0052】
この遮断部材2は同じ形状の2つの平行なプレート20及び21を含み、第1のプレート20は中実であるのに対して第2のプレート21は開口を有する。一般的な円盤状のこれらのプレートは、それらの外面(すなわち、他のプレートと反対方向を向く)には表示されていない外周シールが設けられる。これらのプレートは解体可能で且つ交換可能であるように設けられることが好ましい。
【0053】
これらのプレートは接続手段によって接続されており、相互の分離を調節することが可能である。
【0054】
この場合、我々は、少なくとも一方が他方に隣接して配置された、すなわち並列に配置された螺旋状バネ22及びジャッキ23をここで扱う。
【0055】
バネ22の両端はプレート20、21に面する面に固定されている。ジャッキの本体230はプレート20に固定されている一方で、そのステム231の自由端はプレート21に固定されている。明らかに、逆の取り付けも想定され得る。
【0056】
この実施形態では、バネ22は、プレート20及び21の間の相互の分離を増やすために、当然広がる傾向があることが想定される。これらの条件下で、図3に示すように、プレート20及び21の間の空間を最小限に調整するために、ジャッキ23を制御して、バネ22に対するそのステム231の収縮を制御する必要がある。
【0057】
ジャッキ23に空気が優先的に供給されるが、空気網が利用できない場合には水が供給されてもよい。図3では、遮断部材2は引っ込められた位置で示され、ジャッキのケージ内には圧縮空気が存在する一方で、図4では、遮断部材は伸長位置にあり、空気入口が切断されている。
【0058】
反対に、ここに図示されない代替案では、バネは、2つのプレートを互いに接近させるために設けられてもよく、ジャッキはプレートを互いから離すために必要に応じて制御される。
【0059】
遮断部材2の第2の実施形態を図5図8に示す。
【0060】
これらの図では、図2図4のものと同じ参照符号で示される部分は同一の部分である。
【0061】
プレート20、21間の分離を調節するのを可能にする手段は、ここでは専ら機械的である。
【0062】
そのため、中実プレート20は、2つの摺動ピボット25が配置された螺旋ネジ24に連結されている。さらに、これらのピボット25のそれぞれには連接棒26がヒンジ止めされている。これらの連接棒の両端は実質的に隣接しており、プレート21上でその部分のためにヒンジ止めされている。
【0063】
これらの条件下で、とりわけ図7及び図8に示すように、螺旋ネジ24を一方向又は他方向に作動させることにより、プレート20及び21の間の分離を調整することが可能となる。
【0064】
どのような実施形態を考慮するにせよ、遮断部材2は、プレート20及び21の間の分離が最小限となる「引っ込められた」位置を採用でき、遮断するために弁構造への導入を可能にするのに有利である。
【0065】
これは、添付の図9及び図11に示されているものである。図9及び図11は、弁1のその弁帽11を剥がした後に、空間100を介して遮断部材2に導入でき、次に、台座102に面する垂直方向の下降移動に従ってそれを変位させることができることを示す。
【0066】
それらは、ゲート間の空間が限られている弁の本体内に配置できるような寸法で配置される。
【0067】
一度適所に配置されると、遮断部材2は、プレート20、21が弁1の台座102に当たり、耐水圧試験に必要な完全な液密性が得られるまでプレート20及び21の間の距離が増やされるように制御され得る(図10、12参照)。一度適所に配置されると、使用上の制御や調整を必要とすることなく液密性が保証される。
【0068】
明らかに、プレート20及び21を備えるシールは弁1の台座102を保護することを可能にし、中実プレート20のシールは対応するシートを抱えるように設計されているため、全ての状況において液密性を保証する。このシールは、潜在的な表面不均一を吸収することを可能にする。
【0069】
本明細書で上述したように、本発明に係るアセンブリは、弁1の内部で前記遮断部材2を挿入し、支持するための装置をさらに含む。
【0070】
この装置3の可能な実施形態を説明するために、図13図15をより具体的に参照する。
【0071】
本明細書で説明する実施形態では、装置3は、弁1の弁帽11のシール面112に当接する一方で、空間100への全体的なアクセスを可能にすることを意図する「外部ツール」30を含む。プラットフォームとして適格可能なこのツールは、耐水圧試験を行うために弁を閉じる前に取り外すべき仕事を有する。
【0072】
挿入装置3は、上述したように「内側ツール」31も含む。
【0073】
添付の図面から明らかに分かるように、このツール31は概して「U」字状を有し、弁1内に導入されるように構成され、この「U」字状のツールの平行アーム310は、遮断部材2の導入及び取り外しのためのガイドを形成する一方で、そのベース311は、その平行プレート20、21を弁の平行な台座102に適用することを鑑みて、前記遮断部材2を保持するための支持体を形成する。図示していないが、遮断部材のセンタリングを実現するために、少なくとも1つのウェッジが遮断部材とツール31との間に配置されている。
【0074】
明らかに、ツール31は、それを外部ツール30と一体化させることを可能にする固定手段を備える。
【0075】
最後に、装置3は、「内側ツール」31のアーム310の続きで「外側ツール」30上に配置されるように構成された一対の外側ガイド延長部32を含む。
【0076】
遮断部材2を弁1内に設置するために、前記遮断部材は延長部32(図14参照)の間に配置され、内側ツール31のベースへと徐々に下降することにより、遮断部材をその最終位置に摺動させることができる。一度配置されると、遮断部材2は液密性を得るために広げられる。自動ロックシステムは、遮断部材2と内側ツール31との一体化を可能にする。内側ツール31は耐水圧試験の間に弁内に留まり、外側ツール30及び外側延長部32は取り外される。耐水圧試験の終了後に、それは遮断部材2と共に取り出される。耐水圧試験の実施に支障のないように提供される。
【0077】
一度遮断部材が配置されると、弁帽のレベルで液密性を確実にし、必要に応じて回路のベントを確実にするために、弁1の弁帽11を再配置し、弁1の元のステムを置き換えるために「ダミーステム」を設ける必要がある。
【0078】
そのため、本発明のアセンブリはそのような「ダミーステム」を含み、「ダミーステム」の2つの代替的な実施形態を図16及び図17に概略的に示す。
【0079】
好ましくは、このダミーステムは全ての平行な台座弁技術に適しているため、異なる弁帽の寸法及び試験圧力の範囲に適合する。通気機能が提供され、この機能を必要としないメンテナンス型の要件のために必要に応じてブロックされ得る。圧力、温度又は他の測定種類の計測もこのダミーステムを介して想定され得る。
【0080】
図16で提示する実施形態では、ダミーステム4はグランド型である。
【0081】
ダミーステム4は、
通気管路を形成し、ツールの通気機能を果たすことを可能にする中空ステム40と、
耐水圧試験の間にダミーステムの密閉を可能にするために圧縮される、スチールワッシャ及びラバーシール(好ましくはEPDM(エチレンプロピレンジアンモノマー)42と、
前述のワッシャ及びシールを適所で維持できるようにするためのフォロワ41及び支持ワッシャ43と、
で構成される。
【0082】
図17に示す実施形態では、ダミーステム4はオートクレーブ型である。
【0083】
このダミーステムは、
中空状のねじ込みステム44に設置される通気弁と、
クランプワッシャ45と、
例えば、オートクレーブ効果により作動するテフロン(登録商標)製のシーリングコーン46と、
を含む。
【0084】
コーンは、わずかな締め付けで設置され、大気圧での充填時の気密性を保証し、弁の本体内での圧力の増加はコーンに対して大きな力を加えることができるため、試験圧力での気密性を保証する。
【0085】
遮断装置2及びそのダミーステム4は、非常に広い試験圧力範囲(最大250bar)のための寸法を有し、少なくともフランスの原子力発電所の設備及び容量のニーズをカバーすることができる。
【0086】
耐水圧試験の間の遮断部材2及びダミーステム4の据え付けを可視化するために図18及び図19を参照する。
【0087】
このアセンブリは、原子力発電所の従来の島(island)の交換器及び容量の耐水圧試験のために設計されている。しかしながら、任意の業種(化学、石油化学、ガス等)における保守作業、試験、トライアル又は耐水圧試験に関わらず、遮断する必要のある、平行な台座を備える全ての弁に対して用いられ得る。
【0088】
フランスの原子力発電所の交換器及び容量の耐水圧試験の特定の場合、以下の利点が強調される。
【0089】
ツールの設置が簡素であり、耐水圧試験の文脈内で必要とされる基本的な技能以外の特別な技能を必要としない。特別な訓練を受ける必要はなく、作業のための操作マニュアルが提供される。
【0090】
作業者は、完全に安全な状態でツールを単独で設置でき、活動に動員された資源を最適化することが可能になる。大きな寸法の弁の場合、挿入装置は、弁の構成(垂直又は傾斜)にかかわらず、同じ利点でツールを設置できることを可能にする。
【0091】
ダミーステムは、パイプ内に閉じ込められた空気を排出することを可能にするため、気泡内の圧力安定性を保証する。
【0092】
このツールの使用は、弁の内部作業又は溶接された遮断装置の設置である現在実施されている解決策に対して経済的節約をもたらす。
【0093】
このツールの使用により、溶接作業の実施に関する活動の計画を減らすことができ、装置のコンプライアンスへの復帰が早くなる。
【0094】
耐圧試験の間にどのような種類のエネルギー源も必要とせず、その実施は自律的なものとなる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】