(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】エンジンを制御するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
F02D 45/00 20060101AFI20220720BHJP
F02B 71/00 20060101ALI20220720BHJP
F02B 77/08 20060101ALI20220720BHJP
F02D 41/34 20060101ALI20220720BHJP
F02P 5/145 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
F02D45/00 360Z
F02B71/00
F02B77/08 A
F02D41/34
F02P5/145 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577405
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 IB2020000742
(87)【国際公開番号】W WO2020260957
(87)【国際公開日】2020-12-30
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521565305
【氏名又は名称】アクエリアス・エンジンズ・セントラル・ユーロプ・スプウカ・ス・オグラニチョノン・オドポヴィエジャルノシチョン
【氏名又は名称原語表記】Aquarius Engines Central Europe SP. Z O.O.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ヤーコビー,シャウル
【テーマコード(参考)】
3G022
3G301
3G384
【Fターム(参考)】
3G022CA01
3G022DA10
3G022GA00
3G301JA08
3G301MA18
3G301PA01Z
3G301PA07Z
3G301PE00Z
3G301PE03Z
3G301PE08Z
3G384AA00
3G384AA02
3G384BA18
3G384BA24
3G384BA52
3G384CA01
3G384CA23
3G384DA04
3G384ED04
3G384FA00Z
3G384FA01Z
3G384FA08Z
3G384FA28Z
3G384FA81Z
(57)【要約】
システムは、エンジンのピストンに関するパラメータを判定するに用いられ得る。パラメータは、ピストンの位置、速度などであってもよい。このピストンの位置、速度は、シリンダの基準点において、判定され得る。システムは、判定されたパラメータに基づいて制御され得る。エンジンは、線形レシプロエンジン、対向ピストンエンジンなどであってもよい。システムは、エンジンに接続されているベースに設けられている第1センサ、及びベースに設けられている第2センサを含んでもよい。第1センサは、第1センサの領域にあるピストンと繋がる構成要素に応じて、信号を発するように構成され得る。第2センサは、第2センサと関わるピストンと繋がる構成要素に応じて、信号を発するように構成され得る。システムは、エンジンの運動を電力に変換するように構成されているエネルギー変換器を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン内のピストンの位置を判定するためのシステムであって、
第1出力又は第2出力を判定するように構成されている第1センサを備えており、
前記第1出力は、シリンダの第1領域内にある前記ピストンに対応しており、
前記第2出力は、前記シリンダの第2領域内にある前記ピストンに対応しており、
前記システムは、前記ピストンが前記シリンダ内の基準点に達するとき、前記エンジンのパラメータを判定するように構成されているコントローラを備えており、
前記コントローラは、前記基準点を決めると共に、前記第1センサの前記第1出力と前記第2出力との間の変化量に基づいて、前記ピストンの移動方向を判定するように構成されていることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記パラメータは、前記ピストンの前記位置を含むことを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記システムは、第2センサを備えており、
前記第2センサは、前記第2センサによって検出されるインクリメントの数に基づいて、前記ピストンによる移動距離を判定するように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記パラメータに基づいて、前記システムの動作を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記システムの前記動作は、前記システムに含まれるエネルギー変換器に与えられる荷重を含むことを特徴とする、請求項4のシステム。
【請求項6】
前記システムの前記動作は、燃料噴射タイミングを決めることを含むことを特徴とする、請求項4のシステム。
【請求項7】
前記第1センサは、前記基準点に配置されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項8】
前記基準点は、前記シリンダの中間点であることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項9】
前記第2センサは、前記ピストンによる前記移動距離を判定するように構成されており、
前記移動距離は、前記インクリメントの数に対応する予め決められた大きさであることを特徴とする、請求項3のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記ピストンの前記位置は、第1の方向において、前記第2センサによって判定される前記ピストンによる前記移動距離の大きさで第1位置から離れている位置であることを判定するように構成されており、
前記第1センサは前記第1位置に配置されていることを特徴とする、請求項3のシステム。
【請求項11】
前記パラメータは、前記ピストンの速度を含むことを特徴とする、請求項3のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、時間周期における前記第2センサによって検出されるインクリメントの第1の数に基づいて、前記ピストンの速度を判定するように構成されていることを特徴とする、請求項10のシステム。
【請求項13】
前記時間周期は、前記ピストンが前記基準点に達するとき、開始することを特徴とする、請求項12のシステム。
【請求項14】
前記時間周期は、前記ピストンが前記基準点に達するとき、終了することを特徴とする、請求項12のシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記第1センサと前記第2センサの出力に基づいて、前記エンジンを制御するように構成されていることを特徴とする、請求項3のシステム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記ピストンの前記位置が予め決められた位置であると判定されるとき、燃料を前記シリンダに向けて噴射するように燃料噴射器を作動するように構成されていることを特徴とする、請求項15のシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記ピストンの前記位置が予め決められた燃焼位置であると判定されるとき、前記シリンダ内のイグニッションを生じるように構成されていることを特徴とする、請求項16のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記シリンダ内の位置として、前記基準点を決めるように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、前記ピストンが第1位置に達した後、前記ピストンが予め決められた時間周期で移動する位置として、前記基準点を決めるように構成されており、
前記第1センサは前記第1位置に配置されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項20】
前記コントローラは、予め決められた距離の大きさで第1位置から離れている位置として、前記基準点を決めるように構成されており、
前記第1センサは前記第1位置に配置されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項21】
エンジンの状態を判定するためのシステムであって、
前記エンジンの構成要素が前記エンジン内の第1固定位置に達するとき、第1精度により、前記エンジンの前記状態に関連しているパラメータを判定するように構成されている第1センサと、
第2精度により、前記エンジンの前記状態に関連しているパラメータを判定するように構成されている第2センサとを備えており、
前記第2精度は、前記第1精度より高精度であり、
前記システムは、前記エンジンの前記状態を判定するように構成されている電子制御ユニットを備えており、
前記電子制御ユニットは、
前記第1センサの出力が第1の値であるとき、前記エンジンのピストンが前記エンジンの第1領域にあること、及び前記第1センサの出力が第2の値であるとき、前記ピストンが前記エンジンの第2領域にあることを判定すると共に、
前記ピストンが前記エンジン内の基準点に達するとき、前記第2センサの出力に基づいて、前記ピストンのパラメータを判定するように構成されており、
前記基準点は変動することを特徴とする、システム。
【請求項22】
線形レシプロエンジン内のピストンの位置を判定するためのシステムであって、
前記線形レシプロエンジンと接続するように構成されているベースに設けられている第1センサと、
前記ベースに設けられている第2センサとを備えており、
前記第1センサは、前記第1センサの領域にある前記ピストンと繋がる構成要素に応じて、信号を発するように構成されており、
前記第2センサは、前記第2センサの領域にある前記ピストンと繋がる構成要素に応じて、信号を発するように構成されており、
前記ベースは、前記線形レシプロエンジンの線形往復運動を有効な動作に変換するように構成されているエネルギー変換器を含むことを特徴とする、システム。
【請求項23】
前記第1センサは、前記第1センサの位置とオーバーラップする前記ピストンと繋がるラックの位置に応じて、フラグを設定するように構成されていることを特徴とする、請求項22のシステム。
【請求項24】
前記第2センサは、前記第2センサの前記領域を通過する前記ラックによって回転するホイールの歯に応じて、カウンタをインクリメントするように構成されていることを特徴とする、請求項23のシステム。
【請求項25】
前記エネルギー変換器は、前記線形レシプロエンジンの線形往復運動を電力に変換するように構成されていることを特徴とする、請求項22のシステム。
【請求項26】
前記エネルギー変換器は、前記第1センサ及び前記第2センサの出力に基づいて、可変抵抗を設定するように構成されていることを特徴とする、請求項22のシステム。
【請求項27】
前記エネルギー変換器は、前記第1センサ及び前記第2センサの出力に基づいて、前記線形レシプロエンジンを動作させるための出力を生じるように構成されていることを特徴とする、請求項22のシステム。
【請求項28】
前記第1センサ及び前記第2センサの出力に基づいて、前記シリンダ内において、スパークを作動させるための信号を送信するように構成されている電子制御ユニットを備えることを特徴とする、請求項22のシステム。
【請求項29】
前記ラックは、
第1の側において、ノッチを含んでおり、
第2の側において、歯付き部を含むことを特徴とする、請求項23のシステム。
【請求項30】
線形レシプロエンジンを制御するための方法であって、
第1センサによって、第1出力又は第2出力を判定するステップを備えており、
前記第1出力は、シリンダの第1領域にある前記線形レシプロエンジンのピストンに対応しており、
前記第2出力は、前記シリンダの第2領域にある前記ピストンに対応しており、
前記方法は、
前記第1センサの前記第1出力と前記第2出力との間の変化量に基づいて、前記ピストンの移動方向を判定するステップと、
前記第1センサの前記第1出力と前記第2出力との間の変化量に基づいて、燃料を前記シリンダの前記第1領域又は前記第2領域に向けて噴射するステップとを備えることを特徴とする、方法。
【請求項31】
前記方法は、
第2センサによって検出されるインクリメントの第1の数に基づいて、前記ピストンによる移動距離を判定するステップと、
前記シリンダ内の基準点を決めるステップと、
前記移動距離の大きさで基準点から離れている位置として、前記シリンダ内の前記ピストンの位置を判定するステップとを備えており、
前記基準点は、前記シリンダを前記第1領域と前記第2領域に分けており、
前記移動距離は、前記第2センサがインクリメントの前記第1の数を検出するとき、判定されることを特徴とする、請求項30の方法。
【請求項32】
前記方法は、
時間周期における第2センサによって検出されるインクリメントの数に基づいて、前記ピストンの速度を判定するステップと、
前記ピストンの速度に基づいて、前記ピストンと接続している揺動質量のエネルギーを判定するステップと、
前記揺動質量の判定された前記エネルギーに基づいて、前記線形レシプロエンジンの線形往復運動を電力に変換するように構成されているエネルギー変換器の荷重を決めるステップと、
前記荷重を、前記ピストンが、自然発火が前記シリンダ内で起こる位置における停止に向けて減速するような値に設定するステップとを備えることを特徴とする、請求項30の方法。
【請求項33】
前記方法は、
第2センサによって検出されるインクリメントの数に基づいて、前記ピストンによる移動距離、又は前記ピストンの速度を判定するステップを備えることを特徴とする、請求項30の方法。
【請求項34】
前記方法は、
前記第1センサの出力における変化量に基づいて、前記ピストンが前記シリンダの中間点にあることを判定するステップを備えることを特徴とする、請求項30の方法。
【請求項35】
前記第2センサは、前記第2センサの領域を通過するラックによって回転するホイールの歯に応じて、前記インクリメントを判定するように構成されていることを特徴とする、請求項33の方法。
【請求項36】
前記方法は、
時間周期における第2センサによって検出されるインクリメントの数に基づいて、前記ピストンの速度を判定するステップと、
前記ピストンの速度が、前記シリンダの端部において、予め決められた位置に達するには不十分であることを判定することに応じて、前記シリンダ内において、スパークを生じるための信号を送信するステップとを備えることを特徴とする、請求項30の方法。
【請求項37】
前記方法は、
エンジン始動モードにおいて、前記第1センサの出力に基づいて、前記ピストンを、前記第1領域と前記第2領域の対向する方向に移動させるため、エネルギー変換器から出力を生じるステップを備えることを特徴とする、請求項30の方法。
【請求項38】
前記方法は、
時間周期における第2センサによって検出されるインクリメントの数に基づいて、前記ピストンの速度を判定するステップと、
エンジン始動モードにおいて、前記ピストンが、前記ピストンの速度に基づいて、最大量の圧縮と所定量の空気導入を生じる前記シリンダ内の位置を判定するステップと、
前記ピストンが前記第2センサの出力に基づいて前記位置に達することを判定することに応じて、前記シリンダ内において、スパークを生じるための信号を送信するステップとを備えることを特徴とする、請求項30の方法。
【請求項39】
前記方法は、
発電モードにおいて、前記第2センサの出力に基づいて、エネルギー変換器内の可変抵抗をインクリメントするステップを備えることを特徴とする、請求項33の方法。
【請求項40】
前記方法は、
前記発電モードにおいて、前記ピストンの速度が、自然発火が前記シリンダ内で起こる前記位置に達するには不十分であることを判定することに応じて、前記可変抵抗をデクリメントするステップを備えることを特徴とする、請求項39の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃エンジンの分野に関しており、特に、線形経路内で往復するフリーピストンを有する内燃エンジンの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃エンジンが知られている。一部のエンジンの構造は、例えば、単一又は複数のシリンダピストンのエンジン、対向ピストンエンジン、及びロータリエンジンを含む。最も一般的なピストンエンジンは、2ストロークエンジンと4ストロークエンジンである。これらの種類のエンジンは、相対的に多くの部品を含んでおり、適切な機能のため、例えば、潤滑システム、冷却システム、吸排気弁制御システムなどの多くの補助システムを必要とする。
【0003】
エンジンは、一回のストロークにおいて、エンジンがどれほど進行しているかなどのエンジンの動作状態に基づいて、制御され得る。エンジンを制御することは、エンジンを含むシステムにおいて、ピストン又は他の構成要素を位置決めすることを含んでもよい。エンジンは、動作状態に関する種々のパラメータを判定するように構成されているセンサを備えてもよい。センサから得られる情報は、動作状態を確認して、エンジンを制御するために用いられ得る。例えば、エンジンのシリンダ内のイグニッションは、ピストンが特定の位置にあることが判定されるとき、引き起こされ得る。また、センサ出力に応じて、補助システムの動作パラメータを調整するような他の動作が行われ得る。
【0004】
フリーピストンエンジンは、フリーピストンエンジンがクランクシャフトによって拘束されており、一部の態様の形状を単純化し得るため、発電源として有効であってもよい。また、フリーピストンエンジンは、イグニッションタイミングにおける改善された順応性を許容し得ると共に、エネルギー変換装置と繋がることにより、電力を生じることによく適している。
【0005】
一方、フリーピストンエンジンはクランクシャフトによって拘束されていないため、シリンダ内のピストンの位置は、所定の時間で判定することが難しい。例えば、フリーピストンエンジンは、クランク角センサを欠き得る。適切なイグニッションタイミングは、ピストンの位置が未知であるため、判定することが難しい。したがって、吸入、圧縮、燃焼、又は排出の段階が正確に分からない。例えば、ピストンと接続しているピストンロッドの位置を光学的に観察することによって、ピストンの位置を判定するように構成されているセンサは、複雑性、高コスト、パッケージングの制限に起因する制約に直面し得る。また、磁性を用いて物体の位置を判定するように構成されているセンサは、大きな磁場を生じるため、強力な磁石を必要とし得る。さらに、センサの精度は、外部磁場又は電場の影響によって、妨げられ得る。移動システムのパラメータを判定するための光学エンコーダ又は磁気エンコーダが知られている。一方、これらのエンコーダは、エンジンに取り付けられるとき、上述のような欠点を有する。
【0006】
また、一部の場合において、エンジンの揺動質量のエネルギーは、ピストンが方向を変えるとき、消費され得る。例えば、フリーピストンエンジンにおいて、燃焼は、ピストンが、ストロークの間、一方向に移動する運動エネルギーのすべてを消費し得る前に、シリンダ内で起こり得る。ピストンが方向を変える前に、移動するピストンのすべての運動エネルギーを得ることが有利である。エンジンを制御するためのシステムと方法における種々の改善が望まれている。
【発明の概要】
【0007】
一部の実施形態は、線形レシプロエンジン又は対向ピストンエンジンのような内燃エンジンに関連し得る。エンジン内のピストンの位置を判定するためのシステムは、ピストンがシリンダの第1領域又は第2領域内にあることを判定するように構成されているセンサ、検出されるインクリメントの数に基づいて、ピストンによる移動距離を判定するように構成されているセンサ、及びピストンがシリンダ内の基準点に達するとき、センサ出力に基づいて、エンジン内のピストンの位置を判定するように構成されているコントローラを含んでもよい。システムは、基準点の位置を判定し得る。基準点は、シリンダの中間点、又はリアルタイムで判定され得る別の位置であってもよい。
【0008】
一部の実施形態において、線形レシプロエンジン又は対向ピストンエンジンのようなエンジンを制御するための方法が提供され得る。方法は、第1センサによって、線形レシプロエンジンのピストンがシリンダの第1の半分又は第2の半分にあることを判定するステップ、第2センサによって検出されるインクリメントの数に基づいて、ピストンによる移動距離を判定するステップ、及び時間周期において、検出されるインクリメントの数に基づいて、ピストンの速度を判定するステップを含んでもよい。エンジンを制御することは、ピストンをシリンダ内の特定の位置に移動することを含んでもよい。
【0009】
本発明の代表的な利点と効果は、添付図面と併せて、以下の説明から明らかになる。所定の実施形態は、図と実施例によって、説明される。本明細書の実施例は、本開示の代表的な態様である。上述の概要と以下の詳細な説明の両方が、代表的且つ説明的であり、本発明を制限しようとしないことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によれば、発電システムの斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態によれば、発電システムの概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態によれば、フリーピストンエンジンの斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態によれば、シリンダの右側における第1端点のピストンを有する
図3のエンジンの斜視部分断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態によれば、別の実施形態のエンジンの斜視部分断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態によれば、
図1の発電システムの斜視部分断面図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明の実施形態によれば、
図1の発電システムのベースの詳細図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明の実施形態によれば、
図1の発電システムのベースの詳細図である。
【
図7C】
図7Cは、本発明の実施形態によれば、センサの代表的な構造の図である。
【
図7D】
図7Dは、本発明の実施形態によれば、センサの代表的な構造の図である。
【
図7E】
図7Eは、本発明の実施形態によれば、センサの代表的な構造の図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の実施形態によれば、シリンダ内の異なる位置におけるピストンを有する
図1の発電システムの概略断面図である。
【
図8B】
図8Bは、本発明の実施形態によれば、シリンダ内の異なる位置におけるピストンを有する
図1の発電システムの概略断面図である。
【
図8C】
図8Cは、本発明の実施形態によれば、シリンダ内の異なる位置におけるピストンを有する
図1の発電システムの概略断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態によれば、第1動作モードにおける発電システムの動作状態を示す表である。
【
図10A】
図10Aは、本発明の実施形態によれば、第1動作モードで動作する発電システムのラックを示す概略図である。
【
図10B】
図10Bは、本発明の実施形態によれば、第1動作モードで動作する発電システムのラックを示す概略図である。
【
図10C】
図10Cは、本発明の実施形態によれば、第1動作モードにおける発電システムの動作態様を示す表である。
【
図10D】
図10Dは、本発明の実施形態によれば、第1動作モードを示すフローチャートである。
【
図10E】
図10Eは、本発明の実施形態によれば、第1動作モードを示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、本発明の実施形態によれば、第2動作モードにおける発電システムの動作状態を示す表である。
【
図12A】
図12Aは、本発明の実施形態によれば、第2動作モードで動作する発電システムの概略図である。
【
図12B】
図12Bは、本発明の実施形態によれば、第2動作モードで動作する発電システムの概略図である。
【
図12C】
図12Cは、本発明の実施形態によれば、第2動作モードで動作する発電システムの概略図である。
【
図12D】
図12Dは、本発明の実施形態によれば、第2動作モードで動作する発電システムの概略図である。
【
図12E】
図12Eは、本発明の実施形態によれば、第2動作モードにおける発電システムの動作態様を示す表である。
【
図12F】
図12Fは、本発明の実施形態によれば、第2動作モードを示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態によれば、第3動作モードにおける発電システムの動作状態を示す表である。
【
図14A】
図14Aは、本発明の実施形態によれば、第3動作モードで動作する発電システムの概略図である。
【
図14B】
図14Bは、本発明の実施形態によれば、第3動作モードで動作する発電システムの概略図である。
【
図14C】
図14Cは、本発明の実施形態によれば、第3動作モードで動作する発電システムの概略図である。
【
図14D】
図14Dは、本発明の実施形態によれば、第3動作モードで動作する発電システムの概略図である。
【
図14E】
図14Eは、本発明の実施形態によれば、第3動作モードにおける発電システムの動作態様を示す表である。
【
図14F】
図14Fは、本発明の実施形態によれば、第1動作モードを示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態によれば、可変抵抗を用いる発電システムの概略図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施形態によれば、発電システムのセンサの情報処理を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態によれば、動作の自然発火モードで用いられ得るシリンダ容積の一部を示す発電システムの部分断面図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態によれば、アクチュエータの代替構造を示す図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態によれば、アクチュエータの詳細図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施形態によれば、エンジンを含む発電システムの別の実施形態の図である。
【
図21】
図21は、本発明の実施形態によれば、チューブの断面図とチューブの内容物を有する
図20のエンジンの図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施形態によれば、
図21のチューブとチューブの内容物を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
代表的な実施形態について詳細に説明する。添付図面において、実施例を示す。以下の説明は、添付図面に言及する。異なる図面における同じ符号は、他を示さない限り、同一又は類似の要素を示す。以下の代表的な実施形態の記載に説明されている実施は、本発明に従うすべての実施を示さない。代わりに、これらの実施は、請求項に記載され得るような本発明に関する態様に従うシステム、装置、及び方法の単なる実施例である。図内の要素の相対的寸法は、明確化のため、誇張され得る。
【0012】
エンジンの動作は、吸気、燃料の追加、空気と燃料の混合物の燃焼、及び燃焼生成物の排出のような種々の動作を含んでもよい。エンジン性能は、燃料を噴射するタイミング、イグニッションを引き起こすタイミングなどのような動作パラメータを制御することによって調整され得る。エンジンの一部の動作を制御するための前提条件として、エンジンの状態を確認することが有用であってもよい。例えば、イグニッションを引き起こす最適な位置は、エンジン内のピストンの位置に関連し得る。燃焼チャンバに向けて噴射するための燃料の最適な量は、所定の位置で測定されるピストンの速度に関連し得る。種々の動作は、エンジンの状態に応じ得る。このエンジンの状態は、ピストンの位置、速度、又は他のパラメータに関連し得る。いずれかの所定の時間にピストンの位置を確認することは、エンジンを制御するために有効であってもよい。
【0013】
所定のエンジンは、エンジンの運動を有効な動作に変換するためのエネルギー変換器と接続している往復マスを有してもよい。エネルギー変換器は、エンジンによって生じるエネルギーを動作に変換するように構成されているいずれかの装置を含んでもよい。エネルギー変換器は、発電機を含んでもよい。エネルギー変換器は、圧縮機を含んでもよい。発電機は、往復マスの機械的運動の力を、特定の電圧における電流出力のような電力に変換するように構成され得る。発電機は、空気ポンプに電力を供給するように構成され得る。ある構成において、ピストンは、一端において、ピストンロッドによって、アクチュエータと接続し得る。電力は、ピストンとピストンロッドの往復移動から生じ得る。発電機は、ピストンの往復移動に抵抗して、往復移動を電気的エネルギーに変換することによって、エネルギーを取り出すように構成され得る。
【0014】
センサは、エンジン又は発電機の種々の態様をモニタするために設けられ得る。センサは、他の構成要素に対するセンサの位置のような構成要素の物理的状態を検出し得る。エンジン内のピストンはシリンダで囲まれ得るため、シリンダ内のピストンの位置はリアルタイムで正確に判定できないという懸念がある。エンジンの所望の動作パラメータを判定することは、ピストンの位置に応じ得る。センサは、ピストンの位置を判定することを助けるように設けられ得る。センサ出力に基づいて、エンジンは、例えば、ピストンをシリンダ内の特定の位置に向けて移動することによって、制御され得る。
【0015】
センサ出力のようなデータを収集して分析し得るコントローラが設けられ得る。コントローラは、エンジンの動作を制御するように用いられ得る。また、コントローラは、エンジンと接続している発電機の動作を制御し得る。コントローラは、動作モードにおいて、エンジン又は発電機を動作するように構成され得る。この動作モードは、複数の異なる動作モードの内の1つであってもよい。例えば、コントローラは、電子制御ユニットを含んで、エンジンを始動するための制御ルーチン(例えば、「スタータ」モード)を実施するようにプログラムされ得る。
【0016】
動作モードは、以下の代表的なモードを含んでもよい。第1のモードは、同定を含んでもよい。第1のモードは、エンジンと発電機を含むシステム内のピストンの位置を特定し得る。第1のモードは、センサ出力に基づいて、ピストンの位置、ピストンの速度、又は他のパラメータを判定するために有効であってもよい。第1のモードは、システムが動作中であり、且つ動作の他のモードのための基礎として用いられ得るとき、エンジンシステム内で常に動作し得る。例えば、以下に記載するように、第2のモードは、第1のモードから収集された情報に基づき得る。
【0017】
第1のモードはまた、位置決めを含んでもよい。第1のモードは、発電機をパワー供給部として使用して、ピストンをシリンダ内の所望の位置に配置するように移動させ得る。ピストンを位置決めすることは、ピストンの位置を正確に判定するための助けになり得る。例えば、ピストンは、シリンダの反対側に向かう方向に移動し得る。シリンダの中間点のような所定の位置を横断するとき、ピストンは予め決められた距離の大きさでさらに移動し得る。この段階の後、シリンダの中間点に対するピストンの位置が分かり得る。
【0018】
第2モードは、エンジンの始動を含んでもよい。発電機は、パワー供給部として使用されて、ピストンが圧縮ストロークを開始し得る。発電機は、ピストンをシリンダの反対側に向けて移動させ得る。シリンダの中間点のような所定の位置に達するとき、燃料はシリンダの燃焼チャンバに向けて噴射され得る。また、空気が燃焼チャンバに供給され得る。発電機は、燃焼チャンバ内の圧縮を生じるように、ピストンを移動させ得る。発電機によって達成され得る最大圧縮点であると判定される位置のようなストロークの終了点に達するとき、イグニッションは引き起こされる。例えば、スパークはコントローラによって引き起こされ得る。燃焼チャンバ内でイグニッションが起こるとき、ピストンは、シリンダ内の反対方向に移動し得る。第2モードは、ピストンがそれぞれの繰り返しにより速く移動すると共に、繰り返し用いられ得る。ピストンは、それぞれのストロークにより、さらなる距離を移動して、シリンダ内でより大きな圧縮ができる。第2のモードにおいて、発電機は、イグニッションが起こるとき、シリンダ内の燃焼によって生じる運動に対して動作しないように、すぐに止まり得る。一部の場合において、発電機は、燃焼によってのみ、さらなるストロークにおけるピストンの運動が生じるように、止まり得る。
【0019】
第3モードは、エンジンの機械的運動に抵抗するように、発電機を動作することを含んでもよい。発電機は、ピストンの運動によって、電力を取り出し得る。第3モードは、インクリメントにおいて、行われ得る。例えば、発電機は、一組の抵抗により、ピストンの運動に抵抗するように構成され得る。ピストンが速度又は加速度を増加し続けるとき、発電機は抵抗をインクリメントし得る。ピストンが減速し始めるとき、発電機は抵抗をデクリメントし得る。インクリメント又はデクリメントは、ストロークごとに、又は他のレベルの精度により起こる。フィードバックループが、ピストンの速度、加速度、又は他のパラメータに応じて、抵抗を調整するように設けられ得る。パラメータは、第1モードに関して上述したセンサから判定され得る。パラメータは、揺動質量のエネルギーに関する量を含んでもよい。
【0020】
また、第3モードにおいて、エンジンの動作パラメータに対する調整が用いられ得る。例えば、ピストンが減速し始めるとき、追加の燃料が噴射され得る。一部の実施形態において、圧縮の量は修正され得る。
【0021】
第1から第3モードは、混ぜられ得る、又は変更され得る。第1から第3モードの変形例は、アシストモード、可変抵抗動作モード、又は自然発火モードを含んでもよい。例えば、アシストモードにおいて、ピストンが最適な圧縮の位置に達するために十分なエネルギーを欠いている(例えば、ピストンが、シリンダの中間点を横断するとき、予め決められた量よりも小さい運動量を有する)ことが判定されるとき、スパークのタイミングは、不着火又は他の異常動作に遭遇することなく、エンジンが動作し続けるように早められ得る。スパークタイミングは、位置が動力抽出に対して最適であることに関わらず、ピストンが速度ゼロに達することが判定されるピストンの位置に対応するように調整され得る。
【0022】
自然発火モードにおいて、予混合圧縮着火(HCCI)などが用いられ得る。自然発火モードにより、イグニッションが、バックアップとしてのみ、引き起こされることが決められ得るとき、ピストンは燃焼を生じ得る。自然発火モードに入ることは、他のセンサ、例えば温度センサからの入力に応じ得る。例えば、自然発火モードに入ることは、低温始動の状況において、禁じられ得る。
【0023】
自然発火モードは、フリーピストンエンジンがシリンダ内の燃焼位置を順応させることによく適しているため、有効であってもよい。最適な燃焼位置は、例えば、ピストンのエネルギー、噴射される燃料量、空気吸入量、及び大気質などに応じて、ストロークごとに変わり得る。また、エンジンに可変燃焼位置を与えることは、種々の種類の燃料と共に、高価なセンサを必要とすることなく、エンジンの使用ができるために有効であってもよい。
【0024】
一部のモードは共に用いられ得る。例えば、可変抵抗の動作は、アシストモードと共に用いられ得る。発電による滑らかなエンジンの動作を重視し得る。一部のモードは、スタータ又は発電機として、エネルギー変換器を用い得る。例えば、あるモードにおいて、エネルギー変換器は、ピストンの速度に従って、抵抗を調整するように構成されており、抵抗を無効にする、又は抵抗を補助力に変化させ得る。上述のモードと他のモードは、以下に詳細に記載される。
【0025】
エンジンの状態をモニタするように構成されているセンサを含む発電システムは、エンジンに取り付けられているアクチュエータと関わる相対的に単純なセンサを提供することによって、可能となり、安価な構造ができる。また、高帯域幅が得られる。センサ出力は基本的信号に基づき得る。また、センサは、例えば、シングルビットチャンネルの出力により構成され得る。センサは、ピストンがシリンダの北方又は南方の領域にあることを検出するように構成され得る。センサは、事象に応じてフラグを設定するように構成され得る。所定の事象は、センサの検出範囲内にある構成要素に対応し得る。フラグは、出力数値であってもよい。センサは、例えば、ピストンがシリンダの第1の側(例えば、北側)にあるとき、1を出力して、その他の場合、0を出力し得る。0の出力値は、ピストンがシリンダの第2の側(例えば、南側)にある時間に対応し得る。1の出力値は、構成要素がセンサの近くにある状況に対応し得る。0の出力値は、構成要素がセンサから隙間を空けている状況に対応し得る。また、事象は、センサの傍を通過する構成要素に対応し得る。例えば、センサは、トリガディスクのような車輪の歯がセンサの傍を通過することが判定されるとき、1を出力し得る。センサは、事象を検出するとき、カウンタをインクリメントする計数回路と接続し得る。回路は、トリガディスクの歯の数をカウントし得る。ピストンが移動する距離は、カウントされる歯の数に基づいて、判定され得る。ピストンの速度は、所定の間隔に渡ってカウントされる歯の数に基づいて、判定され得る。
【0026】
センサが、エンジンに機械的に直接繋がる構成要素を測定し得るため、高い精度が得られてもよい。例えば、ラックは、エンジン内のピストンにより移動するピストンロッドに取り付けられ得る。また、ラックは、ギア及びトリガディスクを含む他の構成要素と関わる。第1センサは、ラックが第1センサとオーバーラップすることを検出することによって、ピストンの北方又は南方の位置を判定し得る。第2センサは、トリガディスクの歯の数を検出することによって、ピストンが移動する距離を判定し得る。このトリガディスクは、予め決められた距離に対応し得る。発電システムは、高い信頼性と耐久性により、得られてもよい。システムは、安定しており、小型であり、安価であり、熱と汚染に抵抗し得る。
【0027】
本発明は、内燃エンジンに関する。本発明が、フリーピストンエンジンの実施例を提供する一方、本発明の態様は、広義で、フリーピストンエンジンに限定されないことに注目すべきである。むしろ、本明細書に記載の原理が他の内燃エンジン又は他の発電システムに適用され得ることが考えられる。例えば、パワーシステムは、対向ピストンの構成により、用いられ得る。パワーシステムはまた、片面ピストンの構成により、用いられ得る。
【0028】
本明細書に用いられるように、特に記載されない限り、「又は」という用語は、実行できない場合を除いて、すべての考えられる組み合わせを包含する。例えば、構成要素がA又はBを含むことが記載されているとき、他に特に記載されない、又は実行できない場合がない限り、構成要素は、A、B、又はAとBを含んでもよい。第2の実施例として、構成要素がA、B、又はCを含むことが記載されているとき、他に特に記載されない、又は実行できない場合がない限り、構成要素は、A、B、C、AとB、AとC、BとC、又はAとBとCを含んでもよい。
【0029】
本発明に記載の内燃エンジンは、エンジンブロックを含んでもよい。「エンジンブロック」、また同義的に用いられる「シリンダブロック」という用語は、ピストンを収容する少なくとも1つのシリンダを含む統合された構造を含んでもよい。フリーピストンエンジンブロックの場合において、エンジンブロックは単一のシリンダを含んでもよい。シリンダは、2つの燃焼チャンバがある両面であってもよい。燃焼チャンバの一方は、ピストンのいずれかの側に設けられている。一部の実施形態において、エンジンブロックは複数のシリンダを含んでもよい。一部の実施形態において、2つの対向する燃焼チャンバは、例えば、2つの燃焼チャンバの間に設けられている共通の移動物体を備えてもよい。
【0030】
本発明によれば、シリンダは、エンジンブロックにおいて、少なくとも1つの燃焼チャンバを定め得る。本発明に記載の一部の内燃エンジンにおいて、燃焼チャンバは、エンジンブロック内のシリンダの単一の側に配置され得る。本発明に記載の一部の内燃エンジンにおいて、内燃エンジンは、2つの燃焼チャンバを含んでもよい。燃焼チャンバの一方は、エンジンブロック内のシリンダのいずれかの側に設けられている。
【0031】
本発明の実施形態はまた、シリンダ内にピストンを含んでもよい。フリーピストンエンジンにおいて用いられる本発明の一部の実施形態によれば、ピストンは、両側の2つの面を含んでもよい。一部の実施形態において、ピストンは、シリンダ内に「スライドできるように取り付けられている」とみなされ得る。これは、ピストンが、シリンダの一方の側から他方の側に向けて、シリンダ内の複数の位置を通ってスライドし得ることを示す。本発明が一部のピストンの実施例を記載する一方、本発明は、広義で、特定のピストンの構成又は構造に限定されない。
【0032】
図1は、パワーシステム1を示す。パワーシステム1は、エンジン10、エネルギー変換器20、及びベース30を含む。エンジン10は、線形方向に往復するように構成されている揺動質量を含むフリーピストンエンジンであってもよい。エンジン10は、ベース30と繋がり得る。ベース30は、エンジン10によって生じる機械的運動をエネルギー変換器20に入力する、又はエネルギー変換器20からエンジン10に入力するように構成されているアクチュエータを含んでもよい。エネルギー変換器20は、発電機を含み、バッテリのようなエネルギー蓄積装置と接続されていてもよい。エネルギー変換器20は、第1バンク20Aと第2バンク20Bを含んでもよい。第1バンク20Aと第2バンク20Bは、エンジン10の側に配置されて、それぞれ、発電機を含んでもよい。第1バンク20Aと第2バンク20Bは、それぞれ、放熱のために用いられ得る冷却フィンを含んでもよい。
【0033】
図2は、パワーシステム1の概略図である。パワーシステム1は、コントローラ90を含んでもよい。
図1に示さない一方、コントローラ90は、エンジン10、エネルギー変換器20、及びベース30を形成するパワーシステム1の構造の一部であってもよいことが好ましい。
図2において、実線で示すように、エンジン10、ベース30、及びエネルギー変換器20は、互いに機械的に繋がることによって、接続され得る。破線で示すように、電気的接続が他の構成要素に設けられ得る。パワーシステム1はセンサを含んでもよい。例えば、
図2は、センサ110、センサ120、センサ130、センサ140、及びセンサ150を含む複数のセンサを示す。
【0034】
コントローラ90は、コンピュータ、又は電子制御ユニット(ECU)などを含んでもよい。例えば、コントローラ90は、CPUに基づくマイクロプロセッサとして構成されているECU、処理プログラムを保存するためのROM、データが一時的に保存され得るRAM、及び入出力ポートのような通信ポートを含んでもよい。コントローラ90は、分離したECUを含んでもよい。それぞれのECUは、種々のシステムの構成要素のための専用の制御ユニットとして設けられ得る。例えば、エンジンECUは、電力管理ECUから分離して設けられ得る。一部の実施形態において、コントローラ90は、種々のシステムの構成要素を制御する機能を統合する単一のECUであってもよい。コントローラ90は、センサ110~150のような構成要素から、例えば入力ポートによって入力を受け取り得る。コントローラ90は、エンジン10又はエネルギー変換器20のような構成要素に対する指示を出力し得る。コントローラ90は、スパークがエンジン10内で生じるように、スパークプラグに向けて指示を出し得る。コントローラ90は、空気吸入を調整し得る。例えば、コントローラ90は、スロットル開放角度を制御し得る。
【0035】
センサ110は、エンジン10の温度を判定するように構成され得る温度センサを含んでもよい。センサ110は、例えば、エンジン10の冷却システムと接続され得る。センサ110は、エンジン10のシリンダ周りの冷却ジャケット内を流れる冷却材の温度を判定し得る。冷却材は、例えば、(
図3に示す)流体ポート5を通して流れ得る。センサ120は、マニホールド絶対圧力(MAP)センサ、又は空気流量(MAF)センサなどのような流量センサを含み得る。センサ120は、エンジン10に向けて流れる気体の量を判定し得る。センサ120は、エンジン10の空気吸入システムと接続され得る。この空気吸入システムは、例えば、吸入チャンバ32と接続され得る。
【0036】
センサ130は、第1位置センサを含んでもよい。センサ140は、第2位置センサを含んでもよい。第1位置センサと第2位置センサは、ベース30に配置されて、エンジン10と繋がる構成要素の位置を判定するように構成され得る。センサ130とセンサ140は、エンジンの構成要素の位置情報を直接又は間接的に得るために用いられ得る。センサ130とセンサ140は、異なる精度により、位置情報を判定するように構成され得る。例えば、センサ130は、エンジン10内のピストンの位置を、シリンダの第1領域又は第2領域のいずれかとして判定するように構成され得る。第1領域と第2領域は、それぞれ、シリンダの半分であってもよい。センサ130の出力の転移点は、シリンダの中間点に対応し得る。一方、センサ140は、相対的に良い精度により、例えば、ピストンの移動の単位距離を決めることによって、ピストンの位置を判定するように構成され得る。センサ140は、ピストンが動作するインクリメントの数をカウントし得る。インクリメントは、それぞれ、予め決められた距離に対応し得る。予め決められた距離は、シリンダの長さの半分より小さくてもよい。したがって、センサ140の精度は、センサ130の精度より良い。センサ140は、センサ130の出力に基づいて、ピストンがシリンダの中間点のような所定の位置を通過する単位距離を決め得る。例えば、センサ140は、ピストンの移動によって移動するギアの歯の数をカウントし得る。ピストンが時間間隔内で移動する正確な距離は、判定され、時間間隔内でカウントされる歯の数に対応し得る。センサ130とセンサ140は、それぞれ、近接センサを含んでもよい。
【0037】
センサ150は、エネルギー変換器20の動作状態をモニタするように構成され得る。センサ150は、電流計又は電圧計を含んでもよい。また、他のセンサは、抵抗のレベルのような発電機の他のパラメータをモニタするために設けられ得る。エネルギー変換器20は、温度センサを備えてもよい。
【0038】
パワーシステム1は、他のセンサを含んでもよい。例えば、燃料計、燃料圧力計、冷却材圧力計などが設けられ得る。センサは、排出の流れを分析するように設けられ得る。
【0039】
センサは、コントローラ90と接続され得る。コントローラ90は、無線又は有線接続によって、構成要素と繋がり得る。
【0040】
図3は、本発明に記載のエンジン10の代表的な実施形態を示す。エンジン10は、フリーピストンエンジンであってもよい。フリーピストンエンジンは、内燃エンジンの1つの実施例である。エンジン10は、エンジンブロック8を含む。少なくとも1つの燃焼チャンバを形成するシリンダ12は、エンジンブロック8に含まれて、長手方向の中心軸Aを有してもよい。
図4は、エンジン10の内部を示す。エンジン10は、シリンダ12に取り付けられている両面ピストン50を含む。ピストン50は、軸Aに沿ってスライドするように構成され得る。ピストン50は、シリンダの第1端部からシリンダの反対側の第2端部に向かう第1ストローク、及びシリンダの第2端部からシリンダの第1端部に向かう第2ストロークで移動するように構成され得る。
図4は、
図3のエンジンの斜視部分断面図を示す断面図である。ピストン50は、ピストンロッド40に取り付けられている。ピストンロッド40は、第1ピストンロッド部42と第2ピストンロッド部43を含んでもよい。ピストンロッド42,43は、ピストン50の径方向中心周りにセンタリングされて、軸Aと合わせられ得る。ピストンキット56は、ピストン50とピストンロッド40を含んでもよい。空気は、吸入チャンバ32の吸気口29を通してエンジン10に供給されて、ピストンロッド40内の通路を通してシリンダ12内の燃焼チャンバに向けて伝達され得る。空気は、エンジン10の第1の側の領域65、及びエンジン10の第2の側の領域67に伝達し得る。それぞれの領域65,67は、前室を含んでもよい。ピストンロッド40は、スライド作動弁の役割を果たし得る。排出ガスは、排出ポート18を通してシリンダ12から排出され得る。フリーピストンエンジンの実施例のさらなる詳細は、米国特許出願16/207479号から得られる。この米国特許出願16/207479号は、本明細書の一部を構成するものとして援用される。一部の実施形態において、スロットルは、吸入チャンバ32に取り付けられ得る。
【0041】
図5は、本発明に従うフリーピストンエンジンの別の実施形態の斜視断面図を示す。
図5に示すように、エンジン10Aは、インテークマニホールド35を含んでもよい。インテークマニホールド35は、それぞれの側面穴33を通じてエンジン10Aの分離した前室と接続され得る。
図4に示す側面穴33が密閉されているエンジン10と対照的に、
図5に示すエンジン10Aは、側面穴33を通じてインテークマニホールド35に伝達するために開き得る。エンジン10Aは、一端において、閉じられ得る。例えば、エンジン10Aは、
図4に示す吸入チャンバ32を有する代わりに、(
図5に図示しない)エンジン10Aの一方の側におけるピストンロッド部42を囲むチャンバを有してもよい。
【0042】
図6は、本発明の実施形態に係るベース30の内部を示す部分断面図である。
図6は、
図1に示す平面A-Aから見る断面に対応し得る。
図6に示すように、ベース30は、アクチュエータ300を含んでもよい。
【0043】
アクチュエータ300は、エンジン10の線形往復運動を、エネルギー変換器20に入力される機械的運動に変換し得る。アクチュエータ300はまた、エネルギー変換器20の電気的エネルギーから生じる運動を、エンジン10に入力される機械的運動に変換し得る。アクチュエータ300は、ラックとギアを有するエネルギー伝達機構を含んでもよい。アクチュエータ300は、エンジン10と繋がるボディの運動の方向を逆転して、該ボディをエネルギー変換器20の発電機に直接繋げ得る。
【0044】
アクチュエータ300は、ラック310を含む。ラック310は、ピストンロッド40のピストンロッド部43と繋がる。ラック310は、ピストンロッド40の一端を塞ぐプラグによって、ピストンロッド部43と接続され得る。ベース30は、密閉することにより、エンジン10の気体がベース30に入らないように、エンジン10から遮断され得る。ラック310は、ギア321,322と繋がる。ラック310は、対向する側に配置されている歯を有する両面ラックであってもよい。ギア321,322は、ラック310のいずれかの側に配置され得る。アクチュエータ300は、エンジン10の軸Aに平行な平面周りの二次元の鏡映対称性を有してもよい。例えば、アクチュエータ300の対称性の平面は、軸Aと合わせられ得る。アクチュエータ300により、ベース30はバランスを取り得る。
【0045】
アクチュエータ300の一方の側において、ギア321はラック331と接続され得る。ラック331は、ロッド351によって、エネルギー変換器20の第1バンク20Aと繋がる。ラック331はまた、ラック331の移動と共に回転し得るギア341と繋がる。一部の実施形態において、ギア341は、トリガホイールと繋がり得る。ギア341は、センサ140によって検出されるように構成されている構成要素の一部を形成し得る。
【0046】
アクチュエータ300の構成要素は、検出のために用いられ得る。例えば、(
図6に示さない)センサ130は、ベース30に取り付けられ得る。また、センサ130は、ベース30に設けられている穴131を通して、ラック310の接近を検出するように構成され得る。センサ130は、ラック310がセンサ130とオーバーラップするとき、第1信号を出力すると共に、ラック310がセンサ130とオーバーラップしないとき、第2信号を出力するように構成され得る。一部の実施形態において、センサ130は、磁場を変更することに応じて信号を出力するように構成され得る。この磁場は、センサ130内の電流を含んでもよい。一部の実施形態において、センサ130は、電磁石コイルを有する円筒形状の誘導センサを含んでもよい。センサ130は、穴131に収まり、ラック310に対向するように構成されているセンサ面を有してもよい。ラック310のような金属の物体がセンサ面の近くに移動するとき、出力信号がセンサ内に生じ得る。センサ130は、ラック310がオーバーラップする位置にあるとき、ギャップがセンサ130のセンサ面とラック310との間に設けられるように配置され得る。一部の実施形態において、ギャップは1mm以下であってもよい。
【0047】
図6に示すように、ロッド351は、エネルギー変換器20の第1バンク20Aの長手方向の中心軸と合わせられ得る。第1バンク20Aを通るロッド351のスライド運動により、電気的エネルギーが生じ得る。エネルギー変換器20は、固定子コイルを含んでもよい。第1バンク20Aを含むエネルギー変換器20は、発電用装置の磁気極性アレイを含んでもよい。エネルギー変換器の実施例は、米国特許9995212号に示す。この米国特許9995212号は、本明細書の一部を構成するものとして援用される。
【0048】
上述と同様に、アクチュエータ300の別の側において、ギア322は、ラック332と接続している。ラック332は、ロッド352によって、エネルギー変換器20の第2バンク20Bと繋がる。ラック332はまた、ラック332の移動と共に回転し得るギア342と繋がる。一部の実施形態において、ギア342は、トリガホイールと繋がり得る。ギア342は、センサ140によって検出されるように構成されている構成要素の一部を形成し得る。
【0049】
アクチュエータ300が左側と右側を含むと共に、鏡映対称性を有してもよいため、パワーシステム1は、軸Aに対する左側と右側に対してバランスを取り得る。エネルギー変換器20は、第1バンク20Aと第2バンク20Bを含んで、さらにバランスを取り得る。アクチュエータ300により作用する横力は、打ち消され得る。また、ピストン50は、軸Aと合わせられるピストンロッド40を有しており、例えば、ピストンが、クランクシャフトを回転することによって、拘束されるとき、生じるような横力がピストン50に作用することを防ぎ得る。
【0050】
ベース30は、支持固定具360のような他の構造に取り付けられ得る。パワーシステム1は、例えば固定具360によって、他の構成要素に取り付けられ得る。一部の実施形態において、エンジン10、エネルギー変換器20、及びベース30を含むパワーシステム1の全体構造は、筐体によって収容されてもよい。構成要素10,20,30は、発電ユニットとして、共にパッケージされ得る。
【0051】
図7Aは、
図6に示す位置と異なる横方向の位置における、本発明の実施形態のベース30の内部を示す部分断面図である。
図7Aは、
図1に示す平面B-Bから見る断面に対応し得る。
図7Aは、ブレース350の部分的に透過した図、及びベース30の内部の詳細な図を示す。
【0052】
センサ140は、ベース30に取り付けられ得る。また、センサ140は、アクチュエータ300の構成要素の接近を検出するように構成され得る。
図7Aにおいて、センサ140のトリガディスク145を示す。トリガディスク145は、(
図6に示す)アクチュエータ300のギア341と繋がる。また、トリガディスク145は、ギア341と共に回転し得る。トリガディスク145は、シャフト144によって、ギア341と繋がり得る。一部の実施形態において、トリガディスク145は、ギア341と一体になり得る。例えば、トリガディスク145は、段付き構造を備えてもよい。この段付き構造において、トリガディスク145の第1段部は、ラック331とかみ合っており、トリガディスク145の第2段部は、センサ140によって検出されるように構成されている歯を含む。センサ140は、ベース30に設けられている穴141を通して、トリガディスク145を検出するように構成され得る。センサ140は、トリガディスク145の歯がセンサ140に近づくとき、第1信号を出力すると共に、トリガディスク145の歯がセンサ140に近づかないとき、第2信号を出力するように構成され得る。一部の実施形態において、センサ140は、誘導センサを含んでもよい。一部の実施形態において、センサ140は、ホール効果センサを含んでもよい。センサ140は、穴141に収まり、トリガディスク145に対向するように構成されているセンサ面を有してもよい。トリガディスク145の歯のような金属の物体がセンサ面の近くに移動するとき、出力信号がセンサ内に生じ得る。
【0053】
センサ130は、ベース30に取り付けられ得る。また、センサ130は、アクチュエータ300の構成要素の接近を検出するように構成され得る。
図7Cは、センサ130の構造の実施例を示す。センサ130は、ボディ132を含んでもよい。ボディ132は、細長い円筒形状部材であってもよい。ボディ132は、締結部材と関わるように構成され、例えば、ナットがねじ山に取り付けられ得るように、ねじ山を含んでもよい。センサ130は、ベース30の穴131に収まり得る。ボディ132は、穴131に挿入され得る。また、ベース30の壁部を挟むナットは締結される。これにより、センサ130をベース30に固定する。センサ130は、コイル134を含んでもよい。コイル134は、ボディ132の内側に含まれ得る。センサ130は、物体200に対向するように構成されているセンサ面133を有してもよい。物体200は、センサ130に含まれる電気回路に影響を与え得る金属の物体であってもよい。センサ130とセンサ140は、磁気電気変換器を含んでもよい。磁気電気変換器において、起電力は、検出される磁場のレベルに従って変化し得る。磁気電気変換器は指向性があってもよい。
【0054】
図7Dに示すように、電気回路はセンサ130に含まれ得る。回路は、振動子136、及び電圧調整器137などのような種々の電気的な構成要素を含んでもよい。センサ130は、トリガ138と出力器139を含んでもよい。出力器139は、例えば、外部荷重と接続し得る。センサ130は、領域135がセンサ130から生じるように動作され得る。この領域135は、電磁場であってもよい。センサ130は、物体200が領域135と関わり、センサ130に含まれる回路が出力信号を生じるように構成され得る。物体200は、金属から形成され得る。センサ面133の領域における物体200の運動は、センサ130内のインダクタンスに悪影響を及ぼし得る。
図7Cと
図7Dに示すセンサは、誘導センサの実施例を示す。
【0055】
図7Eを参照して、ホール効果センサの代表的な構成を示す。センサは、永久磁石151、検出要素152、及び出力ポート153を含んでもよい。ホイール155が設けられ得る。また、ホイール155は、回転するように構成され得る。検出要素152は、ホイール155と関わるように構成され得る。ホイール155は、歯156と窪み157を含んでもよい。センサは、歯156の1つが検出要素152に近づくとき、出力信号が生じるように構成され得る。センサは、歯が検出要素152に近づくとき、第1出力信号が生じて、窪みが検出要素152に近づくとき、第2出力信号が生じるように構成され得る。出力信号は、出力ポート153によって、送信され得る。センサは、最小のギャップGが検出要素152の面と歯156との間にあるように構成され得る。センサ140は、
図7Eに示すセンサと類似又は同一の構造を有するホール効果センサを含んでもよい。
【0056】
センサ130,140は、同じ種類又は異なる種類のセンサとして設けられ得る。一部の実施形態において、センサ130は、誘導センサを含んでもよい。一部の実施形態において、センサ130は、ホール効果センサを含んでもよい。
図7Aに戻り、センサ130は、ラック310に対向するように、穴131に収まり得る。センサ130は、磁場の変化に反応するように構成されている誘導センサを含んでもよい。誘導センサは、ラック310とセンサ130のオーバーラップの状態が変化するとき、信号を出力するように構成され得る。例えば、誘導センサは、ラック310が、センサ130とオーバーラップしない状態から、センサ130とオーバーラップする状態に遷移するとき、信号を出力するように構成され得る。誘導センサは、ラック310が、センサ130とオーバーラップする状態から、センサ130とオーバーラップしない状態に遷移するときも、信号を出力し得る。ホール効果センサは、静的な磁場を検出し得る。したがって、一部の実施形態において、ホール効果センサは、ラック310が、所定の時間に、センサ130とオーバーラップするか否かを検出するために用いられ得る。一部の実施形態において、パッケージングを向上するため、センサ130は、誘導センサを含んでもよい一方、センサ140は、ホール効果センサを含んでもよい。センサ130を誘導センサとして設けることは、反応性を向上し得る。
【0057】
図7Bは、センサ140の構造を示す本発明の実施形態の詳細図である。
図7Bにおいて、ブレース350は図示しない。センサ140は、ベース30の穴141を通して、トリガディスク145と繋がり得る。センサ140は、ホール効果センサを含んでもよい。センサ140は、トリガディスク145の歯がセンサ140のセンサ面を通過するとき、トリガディスク145の歯の接近を検出するように構成され得る。歯146がホール効果センサに近づくとき、センサ140の出力は1でもよい。窪み147がホール効果センサに近づくとき、センサ140の出力は0でもよい。
【0058】
一部の実施形態において、センサ140の面とトリガディスク145の歯との間の最小のギャップは、例えば、1mm以下に設定され得る。
【0059】
センサ140は、エンジン10と繋がるギアの角運動を測定するように構成され得る。(
図7Bに示さない)ギア341の角運動は、トリガディスク145の角運動に対応し得る。トリガディスク145は、歯のカウントが改善されるように、ギア341より大きくてもよい。例えば、ホール効果センサの信号対雑音比(SNR)は、相対的に大きな物体(例えば、トリガホイールの歯)が検出されるように構成されているとき、改善され得る。
【0060】
トリガディスクを用いるホール効果センサの代替が、用いられ得る。例えば、角度位置センサはセンサ140に用いられ得る。
【0061】
回路は、センサ130若しくはセンサ140と接続され得る、又はセンサ130若しくはセンサ140に含まれ得る。回路は、信号調整電子機器を含んでもよい。回路は、センサ130又はセンサ140の信号を処理するように構成され得る。回路は、センサ130又はセンサ140からの出力に基づいて、エンジン位置の出力信号を判定するように構成され得る。
【0062】
一部の実施形態において、コントローラは、センサ130又はセンサ140の出力を処理するように設けられ得る。例えば、
図2に示すコントローラ90は、センサ130又はセンサ140の出力に基づいて、エンジン10のピストンの位置を判定するように構成され得る。コントローラ90は、予め決められたサンプリング周波数でセンサ130又はセンサ140をサンプリングするように構成され得る。予め決められたサンプリング周波数は、例えば、100MHz以上であってもよい。センサ140の出力が、1から0に、又は0から1に変わるとき、例えば、
図4に示すようなピストン50が、少なくとも所定の量を移動することが判定され得る。所定の量は、実験によって予め決められ得る。一部の実施形態において、所定の量は、エンジン10とアクチュエータ300の構成要素の物理的性質(例えば、寸法)に基づいて、確定的に決められ得る。コントローラ90は、データ点の間に挿入するように構成され得る。1つの歯に関して、予め決められた移動距離があってもよい。コントローラ90は、ピストン50が、歯の長さの半分のような予め決められた移動距離よりも小さい距離を移動することを判定するように構成され得る。
【0063】
図7Bに示すように、センサ140は、円筒部142を含んでおり、トリガディスク145に対向するように構成されている面143を有してもよい。円筒部142は、ベース30の穴141に収まり得る。面143は、センサ140のセンサ面を構成する。トリガディスク145の歯は、インボリュートギアのようなギアの歯と異なってもよい。代わりに、例えば、尖った歯は、別のギアとかみ合うように構成されている。トリガディスク145の歯は、相対的に広く、実質的に平坦な面を有してもよい。トリガディスク145の歯は、センサ140が、トリガディスク145の歯が面143に隣接するときを容易に検出し得るように構成され得る。
【0064】
図8A~8Cを参照して、異なる段階における、エンジン10の移動部品、アクチュエータ300、及びエネルギー変換器20を示す。
図8Aは、ピストン50が第1位置にあるとき、パワーシステム1の位置を示す図である。
図8Aに示す位置において、エンジン10は、第1燃焼位置にあってもよい。この位置は、エンジン10の第1ストロークの開始点に対応し得る。第1ストロークにおいて、ピストン50は、
図8Aにおける下方向に対応し得る第1の方向に移動し得る。第1のストロークが開始するとき、エネルギー変換器20が第1の発電ストロークの開始にあってもよい。エネルギー変換器20の発電ストロークは、固定子212を通して、移動物体211の運動に対応し得る。第1の発電ストロークの開始は、固定子212の一端における移動物体211の位置に対応し得る。また、第1の発電ストロークの終了は、固定子212の反対側の端部における移動物体211の位置に対応し得る。
【0065】
図8Bは、ピストン50が第2位置にあるとき、パワーシステム1の位置を示す図である。この位置において、ピストン50は、シリンダの中間点にあってもよい。
図8Bに示す位置は、エンジン10の第1ストロークの中間点に対応し得る。この位置はまた、第1の発電ストロークの中間点に対応し得る。
【0066】
図8Cは、ピストン50が第3位置にあるとき、パワーシステム1の位置を示す図である。この位置において、エンジン10は、第2燃焼位置にあってもよい。
図8Cに示す位置は、エンジン10の第1ストロークの終了点に対応し得る。このエンジン10の第1ストロークの終了点は、エンジン10の第2ストロークの開始点に対応し得る。この位置はまた、第1の発電ストロークの終了点、及び第2の発電ストロークの開始点に対応し得る。
【0067】
図8Cに示す位置に達した後、エンジン10は、反対方向に往復し得る。エンジン10の第2ストロークにおいて、ピストン50は第2方向に移動し得る。この第2方向は、
図8A~8Cにおける上方向に対応し得る。第2ストロークにおいて、エンジン10の移動部品、アクチュエータ300、及びエネルギー変換器20は、
図8A~8Cと逆の順序で移動し得る。パワーシステム1は、往復前後運動するエンジン10と共に動作し得る。一部の実施形態において、電気的エネルギーが、それぞれのストロークにより、エネルギー変換器20内に生じ得る。燃料の化学的エネルギーは、エンジン10内で機械的エネルギーに変換され得る。一部の実施形態において、エネルギー変換器20は、パワー供給部として用いられて、アクチュエータ300とエンジン10を移動し得る。
【0068】
アクチュエータ300において、ギア321,322は、予め決められた範囲内でのみ回転するように構成され得る。したがって、歯は、ギア321又はギア322の外周の周りにおいて、部分的にのみ設けられ得る。予め決められた範囲は、エンジン10のシリンダ12内のピストンの最大移動の終了点に対応し得る。終了点は、エンジンヘッドとピストン50の近位面との間の隙間の容積を起因として決められ得る。一部の実施形態において、ギア321,322は、ギア321,322の外周全体の周りに設けられている歯を含んでもよい。ギアの外周の周りにおいて、歯を部分的にのみ設けることは、パッケージングに有用であってもよい。例えば、ラック310とピストンロッド部43の構成要素は、歯がギア321,322の周りに完全に設けられていないとき、共に近くに配置され得る。
【0069】
パワーシステム1は、複数の動作モードにおいて、動作するように構成され得る。本明細書に用いられるように、「第1モード」という用語は、「第1動作モード」を含んでもよい、又は「第1動作モード」に及んでもよい。
【0070】
図9を参照すると、
図9は、第1モードのシステムの動作状態を示す表である。第1モードは、パワーシステム1を動作する動作モードであってもよい。第1モードは、エンジン位置同定モードに対応し得る。
図9は、第1モードのパラメータを示し得る。パラメータは、パワーシステム1の種々の態様を示し得る。「噴射」のようなパラメータは、エンジン10に与えられる燃料噴射を示し得る。「噴射」は、エンジン10のスパークプラグが点火するように、エンジン10のシリンダ内にイグニッションを生じることを示し得る。パワーシステム1が第1モードで動作するとき、他のパラメータが設定され得る。第1モードにおいて、噴射とイグニッションのパラメータの設定は、
図9のXマークによって示すように、オフ状態に設定され得る。オフ状態は、第1動作モードにおいて、噴射又はイグニッションができないことを示し得る。すなわち、エンジン10は、燃料を噴射すること、又はスパークプラグを点火することを禁じられ得る。また、エネルギー変換器20は、「エネルギー供給」モードに設定され得る。エネルギー供給モードにおいて、エネルギー変換器20は、電気的エネルギーを機械的運動に変換するように構成され得る。例えば、エネルギー変換器20は、モータとして動作するように構成され得る。エネルギー変換器20は、原動機になるように構成され得る。
【0071】
パワーシステム1が動作モードにあるとき、エンジン10とエネルギー変換器20は、所定の方法で動作するように構成され得る。コントローラ90のような制御装置は、エンジン10又はエネルギー変換器20に向けて指示を送信するように構成され得る。コントローラ90は、エンジン10の状態を示す情報を受け取り得る。例えば、コントローラ90は、センサ130,140から出力を受け取り得る。コントローラ90は、エンジン10内のピストン50の位置を判定し得る。パワーシステム1は、予め決められた満足している条件に応じて、所定の機能を行うように構成され得る。条件は、ピストン50の位置に関連し得る。条件は、センサ130又はセンサ140の出力に基づき得る。パワーシステム1は、エネルギー変換器20が、所定の方法で、センサ130又はセンサ140から特定の出力を受け取るとき、パワーシステム1の構成要素を移動するように構成され得る。本明細書に用いられるように、「センサ130からの出力」、「センサ140からの出力」、又は「センサ出力」のような用語は、パワーシステム1に接続されているそれぞれのセンサ又は回路の電気的信号の出力に対応し得る。
【0072】
図10Aは、エンジン10が最初に第1位置、例えば「A位置」にある状態の第1動作モードでパワーシステム1を動作する概略図である。A位置は、アクチュエータ300のラック310がセンサ130とオーバーラップしない状態に対応し得る。この状態において、センサ130の出力は0であってもよい。
【0073】
パワーシステム1は、第1動作モードにおいて満足している第1の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第1の条件は、センサ130のような第1センサの出力に基づき得る。第1の条件は、ラック310とセンサ130がオーバーラップしないことであってもよい。したがって、第1の条件は、センサ130の出力が0であることであってもよい。作動は、アクチュエータ300が、ラック310を第1の方向に移動させるように移動することであってもよい。アクチュエータ300の作動により、ピストン50は、シリンダ12の反対側に向けて移動する。例えば、ピストン50は、シリンダ12の北側にある。また、エネルギー変換器20は、予め決められた方向において、力をアクチュエータ300に入力し得る。予め決められた方向は、
図10Aに示すように、ラック310が下降する傾向がある方向であってもよい。エネルギー変換器20からの入力により、ピストン50はシリンダ12内を南側に向けて下降する。本明細書に用いられるように、「北側」は、図示するような上側に対応し得る。「南側」は、図の下側に対応し得る。「第1の方向」は、北側から南側に向かうピストンの移動に対応し得る。「第2の方向」は、南側から北側に向かうピストンの移動に対応し得る。第1の方向は、上方から下方に向かってもよい。第2の方向は、下方から上方に向かってもよい。
図10Aに示すように、ラック310は、満足している第1の条件に応じて、下方の移動1010を受けてもよい。
【0074】
図10Bは、エンジン10が最初に第2位置、例えば「B位置」にある状態の第1動作モードにおいて、パワーシステム1を動作する概略図である。B位置は、アクチュエータ300のラック310がセンサ130とオーバーラップする状態に対応し得る。この状態において、センサ130の出力は1であってもよい。
【0075】
パワーシステム1は、第1動作モードにおいて満足している第2の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第2の条件は、ラック310とセンサ130がオーバーラップすることであってもよい。したがって、第2の条件は、センサ130の出力が1であることであってもよい。作動は、アクチュエータ300が、ラック310を第2の方向に移動させるように移動することであってもよい。アクチュエータ300の作動により、ピストン50は、シリンダ12の反対側に向けて移動する。例えば、ピストン50は、シリンダ12の南側にあってもよい。また、エネルギー変換器20は、予め決められた方向において、力をアクチュエータ300に入力し得る。
図10Bに示すように、予め決められた方向は、ラック310が上昇する傾向がある方向であってもよい。エネルギー変換器20からの入力により、ピストン50はシリンダ12内を北側に向けて上昇し得る。
図10Bに示すように、ラック310は、満足している第2の条件に応じて、上方の移動1011を受けてもよい。
【0076】
図10Cは、第1動作モードに係るパワーシステム1の動作を示す表である。
図10Cの表は、コントローラ90が実行するようにプログラムされている制御ルーチンを示し得る。
図10Cに示すように、エネルギー変換器の「1」の状態は、エネルギー変換器をパワー供給モードに設定することに対応し得る。噴射の0の状態は、燃料噴射が禁じられることを示し得る。(例えば、燃料噴射器が燃料を噴射できない。)イグニッションの0状態は、イグニッションが禁じられることを示し得る。(例えば、スパークプラグが点火できない。)一部の実施形態において、エネルギー変換器の「2」の状態は、エネルギー変換器を発電モード(例えば、機械的エネルギーの抽出による電力の発生)に設定することに対応し得る。一部の実施形態において、エネルギー変換器の「0」の状態は、エネルギー変換器を、パワー供給と発電のどちらも行われないオフ状態に設定することに対応し得る。
【0077】
パワーシステム1は、満足している条件に応じて、作動を行うように構成され得る。
図10Cに示すように、エンジン10の初期A位置に対応する第1の条件があってもよい。エンジン10の初期B位置に対応する第2の条件があってもよい。第1及び第2の条件は、センサ130のような第1センサの出力に基づき得る。第1の条件が満足されている(例えば、センサ130の出力が0である)とき、指示が、ピストン50を、センサ130の出力が0である位置から、センサ130の出力が1である位置に向けて移動するために出され得る。例えば、エネルギー変換器20は、ラック310が、
図10Aに関して上述した移動1010を受けるように、力をアクチュエータ300に入力し得る。
【0078】
一部の実施形態において、パワーシステム1は、ピストン50を、センサ130の出力が0である位置から、センサ130の出力が1である位置に向けて、予め決められた追加の距離を加えて移動するための指示を出すように構成され得る。予め決められた追加の距離は、例えば、X個のインクリメントとして設定され得る。X個のインクリメントは、トリガディスク145の歯の数に対応し得る。例えば、第1動作モードにおいて、コントローラ90は、ピストン50を、シリンダ12の一方の側から、センサ130の出力が変化する位置(例えば、シリンダ12の中間点)に向けて、トリガディスク145の4個の歯に対応する距離を加えて移動するように構成され得る。ピストン50が、センサ140の出力に基づいて、予め決められた追加の距離を移動することが判定され得る。コントローラ90は、別の条件が満足されるまで、力をアクチュエータ300に入力するため、エネルギー変換器20を作動するように構成され得る。エネルギー変換器20は、別の条件が満足されるまで、アクチュエータ300とピストン50を移動し続け得る。別の条件は、トリガディスク145のX個のインクリメントが検出されることであってもよい。X個のインクリメントがセンサ140によって検出されるとき、ピストン50が既知の位置にあること、及びエネルギー変換器20が力をアクチュエータ300に入力することを中止し得ることが判定され得る。
図10Cに従う処理を行う結果として、エンジン内のピストンの位置は、正確に特定され得る。
【0079】
図10Dは、第1動作モードに従う制御ルーチンを示すフローチャートである。
図10Dは、第1動作モードに係るパワーシステム1の動作の別の図であってもよい。制御ルーチンは連続的に実行され得る。
図10Dの制御ルーチンの処理を終了した後、次の処理が実行され得る。一部の実施形態において、処理は、始まりに戻り、繰り返し得る。
【0080】
図10Dにおいて、制御ルーチンは、ステップS101のときに開始する。ステップS102において、判定は、第1センサの出力に基づいて行われ得る。第1センサの出力は、第1位置センサの出力(例えば、生の検出信号)又は関連回路の出力(例えば、イベントフラグの検出信号)を示し得る。第1位置センサはセンサ130を含んでもよい。ステップS102において、第1センサの出力が0であることが判定されるとき、ルーチンはステップS103に向けて進み得る。第1センサの0の出力は、センサ130とオーバーラップしないラック310に対応し得る。一方、ステップS102において、第1センサの出力が1であることが判定されるとき、ルーチンはステップS104に向けて進み得る。第1センサの1の出力は、センサ130とオーバーラップするラック310に対応し得る。
【0081】
ステップS103において、パワーシステムは、ピストンが第1の方向に移動するように作動され得る。ステップS103は、ピストン50が第1の方向に移動するように、エネルギー変換器20がアクチュエータ300を移動させることを含んでもよい。第1の方向は、例えば、
図8A~8Cにおける下方向に対応し得る。ステップS104において、パワーシステムは、ピストンが第2の方向に移動するように作動され得る。第2の方向は、第1の方向と逆であってもよい。第2の方向は、例えば、
図8A~8Cにおける上方向に対応し得る。ステップS103又はステップS104の後、ルーチンは、処理が終了するステップS105に向けて進み得る。
【0082】
図10Eは、第1動作モードに従う制御ルーチンを示す別のフローチャートである。
図10Eの制御ルーチンは、
図10Dの制御ルーチンと類似する一方、追加の判定ステップを含むことによって修正され得る。
図10Eの制御ルーチンにおいて、処理は、ピストン50が、エネルギー変換器20によって開始される移動を停止する前に、少なくとも第2センサ(例えば、センサ140)のX個のインクリメントに対応する距離を移動するまで、待機し得る。
図10Eの制御ルーチンに示すように、処理は、それぞれのループにおいて、「ピストンを移動する」ステップに向けて戻り続け得る。「ピストンを移動する」ステップにおいて、エネルギー変換器20は、パワー供給部として作動することによって、エネルギーをアクチュエータ300に向けて入力し得る。一部の実施形態において、ピストン50が、シリンダの中間点を横断した後、センサ140のX個のインクリメントに対応する距離を移動する条件を満足した後のみ、処理が終了し得る。エネルギー変換器20は、ピストンを徐々に移動させるように構成され得る。エネルギー変換器20は、ピストン50が所望の位置にあるまで、パワーシステム1がセンサの状態を確認し続け得るように、エネルギーの小さなパルスを徐々に入力し得る。
【0083】
図10Eにおいて、制御ルーチンは、ステップS201のときに開始する。ステップS202において、判定は、第1センサの出力に基づいて行われ得る。ルーチンは、ステップS202のときに行われる判定に基づいて、ステップS203又はステップS206に向けて進み得る。
【0084】
ステップS203において、パワーシステムは、ピストンが第1の方向に移動するように作動し得る。ステップS203は、ピストン50が第1の方向に移動するように、エネルギー変換器20がアクチュエータ300を移動させることを含んでもよい。第1の方向は、例えば、
図8A~8Cにおける下方向に対応し得る。一方、ステップS206において、パワーシステムは、ピストンが第2の方向に移動するように作動され得る。第2の方向は、例えば、
図8A~8Cにおける上方向に対応し得る。
【0085】
ステップS203から続けて、ステップS204において、判定が、第1センサの出力に基づいて行われ得る。第1センサの出力がまだ0であるかが判定され得る。また、第1センサの出力がまだ0であるとき、ルーチンが戻り、ステップS203を繰り返し得る。ステップS204において、第1センサの出力が1であることが判定され得る。ステップS204において、第1センサの出力が、例えば、0から1に変化したことが判定され得る。第1センサの出力信号の変更は、シリンダ12内の予め決められた位置に達するピストン50に対応し得る。予め決められた位置は、シリンダ12の中間点であってもよい。ステップS204において、第1センサの出力が1であることを判定した後、ルーチンはステップS205に向けて進み得る。
【0086】
ステップS205において、判定は、第2センサの出力に基づいて行われ得る。第2センサの出力は、第2位置センサの直接の出力(例えば、生の検出信号)又は関連回路の出力(例えば、計数回路によって判定されるカウント)を示し得る。第2位置センサはセンサ140を含んでもよい。ステップS205において、第2センサの出力が値Xより小さいことが判定されるとき、ルーチンが戻り、ステップS203を繰り返し得る。Xよりも小さい第2センサの出力は、少なくともトリガディスク145のX個の歯に対応する距離を移動しないピストン50に対応し得る。一方、ステップS202において、第2センサの出力がX以上であることが判定されるとき、ルーチンはステップS209に向けて進み得る。第2センサのX以上の出力は、ピストン50と、少なくとも既知の量を移動するラック310とに対応し得る。
【0087】
ステップS206~S208は、運動の方向が異なることを除いて、ステップS203~S205と類似してもよい。また、センサ出力は、対応して、逆転し得る。第2センサの出力は、移動の絶対値に基づき得る。例えば、センサ140は、移動の方向に関わらず、センサ140を通過するトリガディスク145の歯の数のようなインクリメントの数をカウントするように構成され得る。
【0088】
ステップS205又はステップS208の後、ルーチンは、処理が終了し得るステップS209に向けて進み得る。
【0089】
図11を参照すると、
図11は、第2モードのための条件を動作するシステムを示す表である。第2モードは、パワーシステム1を動作する動作モードであってもよい。第2モードは、エンジン始動モードに対応し得る。
図11は、第2モードのパラメータを示し得る。第2モードにおいて、パラメータは、チェックマークによって示すように、エンジン10に対する燃料の噴射ができるように設定され得る。パラメータは、エンジン10のスパークプラグが点火できることによって、イグニッションができるように設定され得る。エネルギー変換器20の設定が、「エネルギー供給」モードに設定され得る。例えば、エネルギー変換器20は、モータとして動作するように構成され得る。エネルギー変換器20は、原動機になるように構成され得る。
【0090】
図12Aは、第2動作モードにおいて、パワーシステム1を動作する概略図である。第1動作モードと同様に、エンジンは、最初に第1位置又は第2位置にあってもよい。
図12Aに示す位置は、第2動作モードにおけるA位置であってもよい。第2動作モードにおけるA位置は、アクチュエータ300のラック310がセンサ130とオーバーラップする状態に対応し得る。この状態において、センサ130の出力は1であってもよい。
【0091】
第2動作モードにおいて、パワーシステム1は、満足している第1の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第1の条件は、ラック310とセンサ130がオーバーラップすることであってもよい。したがって、第1の条件は、センサ130の出力が1であることであってもよい。作動は、アクチュエータ300が、ラック310を第2の方向に移動させるように移動することであってもよい。上述のように、第2の方向は、図に示すような上方向に対応し得る。アクチュエータ300の作動により、ピストン50は、シリンダ12の反対側に向けて移動する。例えば、ピストン50は、シリンダ12の南側にあってもよい。また、エネルギー変換器20は、予め決められた方向において、力をアクチュエータ300に入力し得る。
図12Aに示すように、予め決められた方向は、ラック310が上昇する傾向がある方向であってもよい。エネルギー変換器20からの入力により、ピストン50はシリンダ12内を北側に向けて上昇し得る。
【0092】
第1燃焼チャンバ71は、シリンダ12の北側において、形成され得る。燃焼チャンバ71は、ピストン50の位置によって決められる容積を有してもよい。ピストン50がシリンダ12内を上昇するとき、燃焼チャンバ71の容積は減少し得る。燃焼チャンバは、ピストン50のいずれかの側における行程容積を含む可変領域に対応し得る。また、燃焼チャンバは、ピストンがシリンダの一端からシリンダの反対端に向けて移動するとき、圧縮され得る。行程容積は、シリンダ12内の少なくとも一部の往復運動の間、ピストン50によって変動した容積として形成され得る。シリンダの全容量は、隙間の容積を足した行程容積に等しくてもよい。
【0093】
第2動作モードは、エンジン10を始動する処理を含んでもよい。第2動作モードに係るエンジン10を始動することは、エンジン10内の圧縮とイグニッションの段階を開始することを含んでもよい。パワーシステム1は、吸入の段階を進めるため、ピストン50をシリンダ12の反対側に向けて移動するように構成され得る。ピストン50がシリンダ12の南側にある少なくとも一部の時間に対して、ピストンロッド部42の開口部44は、燃焼チャンバ71に向けて曝され得る。吸気口29を通してエンジン10に向けて供給される空気は、燃焼チャンバ71に伝達され得る。空気は、吸気口29からピストンロッド部42の開口部45を通して移動し得る。空気は、ピストンロッド部42内の経路を通して開口部44に向けて移動し得る。空気は、開口部44から燃焼チャンバ71に向けて供給され得る。空気がエンジン10に向けて供給されるとき、空気は、ピストン50のストロークの異なる段階における(
図4に示す)領域65,67に伝達され得る。
【0094】
例えば、
図12Aにおける第2動作モードの始めにおいて、ピストン50がシリンダ12の領域にあることが判定され得る。ピストン50は、シリンダ12の半分、例えば北側又は南側のいずれかにあることを判定され得る。ピストン50がシリンダ12の一方の側にあるような満足している条件に応じて、第2動作モードは始まり得る。また、作動は、ピストン50をシリンダ12の反対側に向けて移動するように引き起こされ得る。ピストン50とピストンロッド40の運動により、少なくとも一部の空気がシリンダ12内に引き込まれることが保証される。バルブは、ピストン50が一方の側又は他のシリンダの中間点にあるときのみ、空気がエンジン10のそれぞれの燃焼チャンバに向けて伝達されるように構成され得る。エンジン10は、スライド作動弁を備えてもよい。スライド作動弁は、ピストン50、ピストンロッド40,シリンダ12の境界を示すエンジンヘッドによって構成され得る。一部の実施形態において、ピストン50がシリンダ12の南側にあるとき、空気は第1燃焼チャンバに向けて流れる。ピストン50がシリンダ12の北側にあるとき、空気は第2燃焼チャンバに向けて流れる。少なくとも一部の空気吸入が起こり、一部の空気が燃焼チャンバにあるとき、圧縮が起こり得る。
【0095】
ピストン50が、排出口18が覆われるような位置に向けて移動するとき、圧縮の段階が始まり得る。燃焼チャンバが外部に対して密閉されるとき、圧縮は始まり得る。したがって、燃焼チャンバ内の気体は、ピストン50が燃焼チャンバの容量を減少するように移動するとき、圧縮され得る。
【0096】
図12Bは、燃焼チャンバ71の圧縮段階が開始し得る状態の第2動作モードにおいて、パワーシステム1を動作する概略図である。ピストン50は、シリンダ12の中間点であってもよい。また、排出口18は、ピストン50によって完全に覆われ得る。破線1200は、シリンダ12の中間点を示し得る。ピストン50は、ピストン50の軸方向の中心が破線1200と一致するように、破線1200と合わせられ得る。この位置において、ピストンロッド部42の開口部44は、シリンダ12の外側であってもよい。
図12Bに示す位置は、アクチュエータ300のラック310が、センサ130とオーバーラップする状態から、センサ130とオーバーラップしない状態に遷移する状態に対応し得る。この状態において、センサ130の出力は、1から0に変化し得る。
【0097】
上述のように、パワーシステム1は、第2動作モードにおいて、満足している第1の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第1の条件は、ラック310とセンサ130がオーバーラップすることである。作動は、アクチュエータ300が、ラック310を上昇させるように移動することであってもよい。ラック310を移動して、ピストン50を上昇する作動により、圧縮の段階が燃焼チャンバ71内で始まり得る。次に、別の作動が、満足している他の条件に応じて、行われ得る。
【0098】
パワーシステム1は、第2動作モードにおいて満足している第2の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第2の条件は、第1センサの出力に基づき得る。第2の条件は、ラック310とセンサ130が、オーバーラップしている状態からオーバーラップしていない状態に変化する、又はオーバーラップしていない状態からオーバーラップしている状態に変化することであってもよい。第2の条件は、センサ130の出力が変化することであってもよい。センサ130の出力は、ピストン50がシリンダ12内の予め決められた位置に達することを示すように、1から0に、又は0から1に変化し得る。この予め決められた位置は、シリンダの中間点であってもよい。満足している第2の条件に応じる作動は、アクチュエータ300が、ラック310が第2の方向に移動し続けるように、移動し続けることであってもよい。作動は、力をアクチュエータ300に向けて供給するため、エネルギー変換器20を動作し続けることであってもよい。一部の実施形態において、作動は、ピストン50が移動し続けられることであってもよい。ピストン50は、エネルギー変換器20から外部に供給されるエネルギー又は内側で生じる燃焼のような、事前の運動の運動量を有してもよい。ピストン50が移動し続けられることにより、エネルギー変換器20における抵抗のレベルを減少することを備えてもよい。
【0099】
パワーシステム1は、第2動作モードにおいて満足している第3の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第3の条件は、センサ140のような第2センサの出力に基づき得る。第3の条件は、ピストン50が、ラック310とセンサ130がオーバーラップしている状態からオーバーラップしていない状態に変化する位置を越えて、所定の距離を移動する、例えば、シリンダの中間点を越えて所定の距離を移動することであってもよい。ピストン50が移動する距離は、
図12Cに示す距離dに対応し得る。距離dは、破線1200からピストン50の軸方向の中心に向けて測定され得る。
【0100】
図12Cは、第2動作モードにおいて、パワーシステム1を動作し続ける概略図である。
図12Cに示す位置において、ピストン50は破線1200から距離dを移動する。第2動作モードにおいて、距離dが予め決められた値に等しくなるとき、燃料噴射が起こり得る。予め決められた値は、トリガディスク145の歯の予め決められた数に対応し得る。トリガディスク145の歯の予め決められた数は、予め設定され得る値Y1に対応し得る。
図12Cに示すように、燃料1210は、燃焼チャンバ71内のシリンダ12に向けて噴射され得る。コントローラ90により、(
図3に示す)燃料噴射器34の1つは予め決められた量の燃料を噴射し得る。燃料の量は、シリンダ12に向けて流れる空気の量と圧縮率に基づいて判定され得る。この圧縮率は、例えば、センサからの出力に基づいて決まり得る。
【0101】
第3の条件は、第1センサからの出力と第2センサからの出力の両方に基づき得る。第3の条件は、センサ130の出力が変化する位置の後、センサ140の出力が少なくとも値Y1になるように判定されることであってもよい。例えば、第3の条件は、ピストン50がシリンダ12の中間点を横断することを示す、センサ130の出力が1から0に遷移した後、センサ140が、所定の距離を移動するピストン50に対応し得るトリガディスク145のY1個のインクリメントを検出することであってもよい。
【0102】
ピストン50は、燃焼チャンバ71に含まれる空気が、燃料が燃焼チャンバ71に追加できるように圧縮されるために十分な距離を移動することが判定され得る。燃料は、燃料空気混合物を形成するように、最適な混合ができるための位置において、燃焼チャンバ71に追加され得る。
【0103】
一部の実施形態において、第3の条件は、センサ出力又は持続時間に基づき得る。パワーシステム1は、燃料噴射のタイミングを判定するように構成され得る。燃料噴射のタイミングは、基準点に関連し得る。例えば、パワーシステム1は、ピストン50が、センサ130の出力が1から0に変化する位置に達した後、予め決められた時間に、燃料をシリンダ12の燃焼チャンバ71内に噴射するように構成され得る。燃料噴射のタイミングは、ピストンの速度、エンジンの速度(例えば、rpm又はHzのような揺動質量の往復の比率)などのような他の要因に基づき得る。
【0104】
図12Dは、第2動作モードにおいて、パワーシステム1を動作し続ける概略図である。
図12Dに示す位置において、ピストン50は、
図12Cに比べて、破線1200をさらに通過する。ピストン50は、燃焼チャンバ71における燃焼の段階が始まる燃焼位置まで移動し続ける。距離dが値Y2のような予め決められた値以上になるとき、イグニッションが起こり得る。値Y2は値Y1より大きくてもよい。距離dが値Y2以上になるとき、スパーク1220が燃焼チャンバ71のシリンダ12内で開始され得る。コントローラ90により、(
図3に示す)スパークプラグ38の1つが点火し得る。したがって、(燃焼の段階とも呼称される)膨張の段階が開始し得る。膨張の段階に入るとき、ピストン50の運動の方向が変化し得る。ピストン50の運動の方向は逆転し得る。
図12Dに示す位置は、燃焼チャンバ71内の圧縮の段階の終了に対応し得る。
【0105】
一部の実施形態において、シリンダ12内のスパークの開始を判定することは、センサ出力又は持続時間に基づき得る。パワーシステム1は、イグニッションのタイミングを判定するように構成され得る。イグニッションのタイミングは、基準点に関連し得る。パワーシステム1は、ピストン50が、センサ130の出力が1から0に変化する位置に達した後、予め決められた時間に、燃焼チャンバ71内にイグニッションを引き起こすように構成され得る。イグニッションのタイミングは、燃料噴射のタイミングより遅れ得る。
【0106】
反対の方向を含む、上述と異なる方向において、第2動作モードにおける動作が起こり得ることが分かる。例えば、シリンダ12の南側から北側に向かうストロークで移動するピストン50の代わりに、ピストン50は北側から南側に移動し得る。例えば、
図12Aに示すように、第2モードにおける「A位置」は、ピストン50の初期位置がシリンダ12の南側にある状況を示し得る。A位置は、センサ130の1のセンサ出力(例えば、センサ130とオーバーラップするラック310)に対応し得る。第2モードにおける「B位置」は、ピストン50の初期位置がシリンダ12の北側にある状況を示し得る。B位置は、センサ130の0のセンサ出力(例えば、センサ130とオーバーラップしないラック310)に対応し得る。動作パラメータは、ピストン50の初期位置に基づいて決められ得る。例えば、異なる値が、噴射又は燃焼を開始するタイミングを判定するために用いられ得る。ピストン50がA位置で始動するとき、噴射を判定するために用いられる距離dの値は値Y1であってもよい。また、燃焼を判定するために用いられる距離dの値は値Y2であってもよい。ピストン50がB位置で始動するとき、噴射を判定するために用いられる距離dの値は値Y3であってもよい。また、燃焼を判定するために用いられる距離dの値は値Y4であってもよい。一部の実施形態において、シリンダ12は、破線1200に対して対称であってもよい。例えば、破線1200から第1エンジンヘッドに向かう、シリンダ12の一方の側の境界を示す距離は、破線1200から反対側のエンジンヘッドに向かう、シリンダ12の他方の側の境界を示す距離と等しくてもよい。例えば、
図2と
図3に示すような、エンジン10は、シリンダ12のいずれかの側における燃料噴射器34とスパークプラグ38のような類似の構成要素を含んでもよい。センサ出力の絶対値は、判定に用いられ得る。したがって、一部の実施形態において、値Y1と値Y3は等しくてもよい。また、値Y2と値Y4は等しくてもよい。
【0107】
図12A~12Dと比べて、動力システム1の運動が逆転しているとき、空気吸入は、異なるエンジン10の構成要素を通して起こり得ることが分かる。例えば、動力システム1は、吸入の段階を進めるため、ピストン50をシリンダ12の北側からシリンダ12の反対側(例えば、南側)に向けて移動するように構成され得る。ピストン50がシリンダ12の北側にある少なくとも一部の時間に対して、ピストンロッド部43の開口部48は、(
図12Cに示す)第2燃焼チャンバ73に向けて曝され得る。吸気口29を通してエンジン10に向けて供給される空気は、燃焼チャンバ73に伝達され得る。空気は、ピストンロッド部42の開口部45を通して吸気口29から移動し得る。空気は、ピストン50とピストンロッド部43を通して延びるピストンロッド部42内の経路を通して開口部48に向けて移動し得る。空気は、開口部48から燃焼チャンバ73に向けて供給され得る。
【0108】
パワーシステム1は、第2動作モードにおいて満足している第4の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第4の条件は、第2センサの出力に基づき得る。作動は、燃焼チャンバ71のような燃焼チャンバ内のイグニッションを開始することであってもよい。第4の条件は、第3の条件が満足した後の時間に基づき得る。第4の条件は、第3の条件が満足した後の位置に対する第2センサの出力に基づき得る。一部の実施形態において、第4の条件は、第1センサからの出力と第2センサからの出力の両方に基づき得る。
【0109】
図12Dに示す位置において、ピストン50が破線1200から移動する距離dは、
図12Cにおける距離dより大きい。第2動作モードにおいて、距離dが予め決められた値に等しくなるとき、イグニッションが起こり得る。予め決められた値は、トリガディスク145の歯の予め決められた数に対応し得る。トリガディスク145の歯の予め決められた数は、予め設定され得る値Y2に対応し得る。一部の実施形態において、イグニッションは、第3の条件又は第2の条件が満足された後、予め決められた時間間隔に基づいて引き起こされ得る。
図12Dに示すように、スパーク1220は、燃焼チャンバ71のシリンダ12内で開始し得る。コントローラ90により、(
図3に示す)スパークプラグ28は点火し得る。
【0110】
第4の条件は、第1センサからの出力と第2センサからの出力の両方に基づき得る。第4の条件は、センサ130の出力が変化する位置の後、センサ140の出力が少なくとも値Y2になるように判定されることであってもよい。例えば、第4の条件は、ピストン50がシリンダ12の中間点を横断することを示す、センサ130の出力が1から0に遷移した後、センサ140が、所定の距離を移動するピストン50に対応し得るトリガディスク145のY2個のインクリメントを検出することであってもよい。
【0111】
ピストン50が、燃焼チャンバ71の圧縮率が燃焼に対して適切である位置に移動することが判定され得る。位置は、エンジン10を始動するための最適な条件を考慮して判定され得る。第3の条件と第4の条件は、最適な始動条件を考慮して判定され得る。例えば、条件は、始動を容易にするように、濃度が大きい空気と燃料の混合物により、エンジン10が動作するように設定され得る。
【0112】
図12Eは、第2動作モードに係るパワーシステム1の動作を示す表である。
図12Eの表は、コントローラ90が実行するようにプログラムされている制御ルーチンを示し得る。
図12Eに示すように、エネルギー変換器の「1」の状態は、エネルギー変換器をパワー供給モードに設定することに対応し得る。噴射の1の状態は、燃料噴射ができることを示し得る。(例えば、燃料噴射器が燃料を噴射するための動作ができる。)イグニッションの1の状態は、イグニッションができることを示し得る。(例えば、スパークプラグが点火できる。)
【0113】
パワーシステム1は、第2モードにおいて満足している条件に応じて、作動を行うように構成され得る。
図12Eに示すように、エンジン10の初期A位置に対応する第1の条件があってもよい。エンジン10の初期B位置に対応する第2の条件があってもよい。第1及び第2の条件は、第1センサの出力に基づき得る。この第1センサは、センサ130であってもよい。第1の条件が満足されている(例えば、センサ130の出力が0である)とき、指示が、ピストン50を、センサ130の出力が0である位置から、センサ130の出力が1である位置に向けて移動するために出され得る。例えば、エネルギー変換器20は、ラック310が、ピストン50がシリンダ12の南側から北側に向けて移動する傾向がある移動を受けるように、力をアクチュエータ300に入力し得る。
【0114】
パワーシステム1は、第2センサからの出力に基づいて、噴射とイグニッションのような作動を行うように構成され得る。
図12Eに示すように、第2センサの出力は、「Y」として判定され得る。値Yが、上述のY1,Y2,Y3,Y4のような所定の値に達するとき、所定の作動が行われ得る。
図12Eに従う処理を行う結果として、エンジンは、定常状態から開始し得る。また、燃焼が進み得る。
図12Eに従う処理は、
図10Cに従う処理の後、行われ得る。
【0115】
一部の実施形態において、エネルギー変換器の「0」の状態が用いられ得る。この「0」の状態は、エネルギー変換器をオフ状態に設定すること対応し得る。0の状態において、エネルギー変換器は、アクチュエータ300に入力されるエネルギーを与えることを中止し得る。ピストン50は、単独の燃焼により、移動し得る。
【0116】
図12Fは、第2動作モードに従う制御ルーチンを示すフローチャートである。
図12Fは、第2動作モードに係るパワーシステム1の動作の別の図であってもよい。制御ルーチンは連続的に実行され得る。
図12Fの制御ルーチンの処理を終了した後、次の処理が実行され得る。一部の実施形態において、処理は、始まりに戻り、繰り返し得る。
【0117】
図12Fにおいて、制御ルーチンは、ステップS301のときに開始する。ステップS302において、判定は、第1センサの出力に基づいて行われ得る。第1センサの出力は、第1位置センサの出力又は関連回路の出力を示し得る。第1位置センサはセンサ130を含んでもよい。ステップS302において、第1センサの出力が0であることが判定されるとき、ルーチンはステップS303に向けて進み得る。第1センサの0の出力は、センサ130とオーバーラップしないラック310に対応し得る。一方、ステップS302において、第1センサの出力が1であることが判定されるとき、ルーチンはステップS310に向けて進み得る。第1センサの1の出力は、センサ130とオーバーラップするラック310に対応し得る。
【0118】
ステップS303において、パワーシステムは、ピストンが第1の方向に移動するように作動され得る。ステップS303は、ピストン50が第1の方向に移動するように、エネルギー変換器20がアクチュエータ300を移動させることを含んでもよい。第1の方向は、例えば、
図12A~12Dにおける下方向に対応し得る。ステップS310において、パワーシステムは、ピストンが第2の方向に移動するように作動され得る。第2の方向は、第1の方向と逆であってもよい。第2の方向は、例えば、
図12A~12Dにおける上方向に対応し得る。ステップS303又はステップS310の後、ルーチンは、それぞれの処理の分岐に向けて進み得る。
【0119】
ステップS303から続けて、ステップS304において、判定が、第1センサの出力に基づいて行われ得る。第1センサの出力がまだ0であるかが判定され得る。また、第1センサの出力がまだ0であるとき、ルーチンが戻り、ステップS303を繰り返し得る。ステップS304において、第1センサの出力が1であることが判定され得る。ステップS304において、第1センサの出力が、例えば、0から1に変化したことが判定され得る。第1センサの出力信号の変更は、シリンダ12内の予め決められた位置に達するピストン50に対応し得る。予め決められた位置は、シリンダ12の中間点であってもよい。ステップS304において、第1センサの出力が1であることを判定した後、ルーチンはステップS305に向けて進み得る。
【0120】
ステップS305において、判定は、第2センサの出力に基づいて行われ得る。第2センサの出力は、第2位置センサの出力又は関連回路の出力を示し得る。第2位置センサはセンサ140を含んでもよい。例えば、ステップS305において、第2センサの出力が値Y1より小さいことが判定されるとき、ルーチンが戻り、ステップS303を繰り返し得る。値Y1よりも小さい第2センサの出力は、少なくともトリガディスク145のY1個の歯に対応する距離を移動しないピストン50に対応し得る。一方、ステップS305において、第2センサの出力が値Y1以上であることが判定されるとき、ルーチンはステップS306に向けて進み得る。第2センサの値Y1以上の出力は、ピストン50と、少なくとも既知の量を移動するラック310とに対応し得る。ピストン50の移動量は、燃焼チャンバの容量を減少すること、及び燃焼チャンバに含まれる空気を圧縮することに対応し得る。
【0121】
ステップS306において、パワーシステムは、噴射を行い得る。ステップS306は、所定の量の燃料を噴射するため、指示を、燃焼チャンバ71の燃料噴射器34のような燃料噴射器に向けて出すパワーシステム1を備えてもよい。燃料の量は、センサの出力に基づいて、判定され得る、又は予め決められた量、例えば、エンジンの冷間始動ルーチンに対して用いられる量であってもよい。ステップS306の後、ルーチンはステップS307に向けて進み得る。
【0122】
ステップS307において、判定は、第2センサの出力に基づいて行われ得る。ステップS307における判定に対して用いられる値は、ステップS305において用いられる値と同じ、又はステップS305において用いられる値と異なってもよい。例えば、値Y2が用いられ得る。この値Y2は値Y1よりも大きい。ステップS307において、第2センサの出力が値Y2より小さいことが判定されるとき、ルーチンは、ステップS308に向けて進み、ピストンを第1の方向に移動させ得る。ステップS308は、ステップS303と類似してもよい。ステップS308は、ピストンが、ステップS303における量よりも小さい量を移動することを備えてもよい。ステップS308の後、ルーチンは、ステップS307に向けて戻り得る。ステップS307において、第2センサの出力が値Y2以上であることが判定されるとき、ルーチンは、ステップS309に向けて進み得る。第2センサの値Y2以上の出力は、ピストン50と、少なくとも既知の量を移動するラック310とに対応し得る。ピストン50の移動量は、燃焼チャンバの容量を減少すること、及び燃焼チャンバに含まれる空気を、燃焼ができる位置に向けて圧縮することに対応し得る。
【0123】
ステップS309において、パワーシステムは、イグニッションを行い得る。ステップS309は、点火するため、指示を、燃焼チャンバ71のスパークプラグ28のようなイグナイタに向けて出すパワーシステム1を備えてもよい。ステップS309は、エネルギー変換器20が、燃焼に続くピストン50の運動に対して動作しないように、エネルギー変換器20を止めることを含んでもよい。ステップS309の後、ルーチンはステップS320に向けて進み得る。ステップS320において、処理は終了し得る。
【0124】
ステップS303,S308,S310,S315において、パワーシステム1は、エネルギー変換器20を用いて、ピストン50を駆動するように構成され得る。エネルギー変換器20の出力は制限され得る。したがって、第2モードにおける燃焼チャンバ内で達成できる圧縮の量は、所定の量に制限され得る。それにも関わらず、燃焼ができるために十分な一部の圧縮は達成され得る。値Y2又は値Y4は、エネルギー変換器20によって達成され得る最大量の圧縮に基づいて、決められ得る。
【0125】
ステップS310~S316は、運動の方向が異なることを除いて、ステップS303~S309と類似してもよい。また、センサ出力は、対応して、逆転し得る。第2センサの出力は、移動の絶対値に基づき得る。例えば、センサ140は、移動の方向に関わらず、センサ140を通過するトリガディスク145の歯の数のようなインクリメントの数をカウントするように構成され得る。値Y1又は値Y2は、それぞれ、値Y3又は値Y4と等しくてもよい。
【0126】
ステップS309又はステップS316の後、ルーチンは、処理が終了し得るステップS320に向けて進み得る。ステップS320に続いて、ルーチンは、ステップS301において、再び開始し得る。
【0127】
図12Fのルーチンの繰り返しは、ピストン50の速度を増大させるために、また改善されたエンジンの始動ができるために有用であってもよい。エネルギー変換器20は、定常状態から、シリンダ12の相対的に小さな量の圧縮のみを生じ得る。一方、ルーチンが繰り返されるたびに、ピストン50は運動量を増大し得る。また、より大きな量の圧縮が達成され得るため、より激しい燃焼ができる。例えば、第1サイクルの後、ピストン50は、燃焼により、方向を変更し得る(例えば、逆方向に変更し得る)。パワーシステム1は、第2動作モードにおいて、動作され続け得る。次のサイクルにおいて、エネルギー変換器20は、電気的エネルギーを用いて、ピストン50を再び移動し得る。ピストン50が、燃焼により、既に移動し得るため、エネルギー変換器20は、ピストン50の運動を補助するように動作する。それぞれのストロークにより、ピストンの速度が増加するにつれて、より大きな圧縮が達成され得る。より大きなピストンの速度により、効率も向上し得る。所定の位置において、エンジン10は、自給できるように、電気的補助を用いることなく、燃焼のみを用いて動作し得る。
【0128】
ピストン50のそれぞれのストロークに対して、異なる値Yが、判定のステップのために用いられ得る。ピストンの速度が大きいとき、大きな値Yが、ピストン50が、シリンダ12内において、より大きな距離を移動して、且つより大きな圧縮を達成するように用いられ得る。
【0129】
図12Fのフローチャートと並行して、所定のルーチンが、センサ140のような第2センサがデータを常に出力することのバックグラウンドで動作し得る。コントローラ90は、第2センサのデータを分析し得る。コントローラ90は、判定のステップに対して用いられる値Yを連続的に更新するように構成され得る。コントローラ90はまた、ピストンの速度の最新の測定を判定するために構成され得る。ピストンの速度は、所定の時間周期にわたって、第2センサによって検出されるインクリメントの数をカウントすることによって、判定され得る。時間周期は、予め決められた継続時間であってもよい。ピストンの速度の判定は、ピストン50が基準点に達するとき、起こり得る。このとき、判定されたピストンの速度が保存され得る。一部の実施形態において、時間周期は、ピストン50が基準点に達するとき、開始し得る。一部の実施形態において、時間周期は、ピストン50が基準点に達するとき、終了し得る。基準点は、センサ130の位置と一致し得る。ピストンの速度の判定は、変化する第1センサの出力が検出されるとき、起こり得る。例えば、コントローラ90は、1から0に遷移する、又は0から1に遷移するセンサ130の出力に応じて、センサ140の出力に基づいて、ピストンの速度を判定するように構成され得る。一部の実施形態において、ピストンの速度又は(以下に記載する運動パラメータのような)他の値が、ピストン50が基準点に達するとき、判定され得る。また、基準点は変化し得る。コントローラ90は、基準点を決めるように構成され得る。例えば、コントローラ90は、基準点が、センサ130の出力が遷移した後の予め決められた時間において、所定の位置にあること、又はセンサ130の位置から離れている位置にあること、若しくは任意の位置にあることを決めるように構成され得る。コントローラ90は、センサ130の出力の遷移の後における時間遅れの後、ピストンの速度を判定するように構成され得る。時間遅れは、予め決められた持続時間であってもよい、又は、例えば、予め保存されたピストンの速度に応じて変化し得る。コントローラ90はまた、センサ130の出力が遷移した後において、インクリメントの数がセンサ140によって検出された後、ピストンの速度を判定するように構成され得る。コントローラ90は、
図12Fの処理のような他の処理が継続しているとき、値Yを更新し得る。
【0130】
図13を参照すると、
図13は、第3モードのための条件を動作するシステムを示す表である。第3モードは、パワーシステム1を動作する動作モードであってもよい。第3モードは、エンジン動作モードに対応し得る。
図13は、第3モードのパラメータを示し得る。第3モードにおいて、パラメータは、エンジン10に対する燃料の噴射ができるように設定され得る。パラメータは、エンジン10のスパークプラグが点火できることによって、イグニッションができるように設定され得る。エネルギー変換器20の設定が、「発電機」モードに設定され得る。例えば、エネルギー変換器20は、エンジン10の機械的運動から力を取り出して、電気的エネルギーを生じるように構成され得る。
【0131】
図14Aは、第3動作モードにおいて、パワーシステム1を動作する概略図である。第1動作モード及び第2動作モードと同様に、エンジンは、最初に第1位置又は第2位置にあってもよい。
図14Aに示す位置は、第3動作モードにおけるB位置であってもよい。第3動作モードにおけるB位置は、アクチュエータ300のラック310がセンサ130とオーバーラップしない状態に対応し得る。この状態において、センサ130の出力は0であってもよい。
【0132】
第3動作モードにおいて、パワーシステム1は既に運動していてもよい。例えば、ピストン50は、
図12A~12Dの処理から直接遷移することにより、運動していてもよい。ピストン50は既に運動しているため、パワーシステム1はエンジン10からエネルギーを取り出し始め得る。エネルギー変換器20は、アクチュエータ300によるピストン50の運動の抵抗によって、エンジン10からエネルギーを収集するように構成され得る。エネルギー変換器20は、荷重と共に動作するように構成され得る。
図14Aに示すように、エネルギー変換器20は、ピストン50の運動に対して作用する抵抗力1450を与え得る。例えば、ピストン50は、シリンダ12の北側で起こる燃焼1401によって、第1の方向(例えば、
図14Aにおける下方向)に移動するように促され得る。抵抗力1450は、第1の方向と反対方向に作用し得る。抵抗力1450は、エンジンの動作状態に従って、変わり得る。例えば、抵抗力1450は、測定されるピストン50の速度に基づいて、決まり得る。測定される速度は、基準点において、決まり得る。一部の実施形態において、抵抗力1450は、ピストン50の運動を妨げないように、ゼロであってもよい。例えば、エンジン10内のピストン50の速度が増加するため、ピストン50の往復運動に対する抵抗が最小化されるべきであることが判定され得る。
【0133】
第3動作モードにおいて、パワーシステム1は、満足している第1の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第1の条件は、ラック310とセンサ130がオーバーラップしないことであってもよい。したがって、第1の条件は、センサ130の出力が0であることであってもよい。作動は、アクチュエータ300が、ラック310を第1の方向に移動させるように移動することであってもよい。一部の実施形態において、作動は、アクチュエータ300が移動し続けられることであってもよい。上述のように、ピストン50は、例えば、シリンダ12で起こる燃焼1401により、既に運動していてもよい。燃焼チャンバ71内の燃焼1401は、ピストン50の一回のストロークの終了、及び反対方向の別のストロークの開始に対応し得る。ピストン50は、シリンダ12の南側に向けて下降し得る。第1の条件が満足しているとき、例えば、センサ130とラック310がオーバーラップしていないとき、パワーシステム1により、ピストン50は下降し続けられる。
【0134】
第3動作モードにおいて、パワーシステム1はまた、ピストン50の運動に対して抵抗力を与えるように構成され得る。パワーシステム1は、揺動質量の運動に抵抗するように構成され得る。揺動質量は、ピストン50、ピストンロッド40、及びアクチュエータ300の移動部品を含んでもよい。揺動質量が、エンジン10の力に従って、移動し得るため、エネルギー変換器20は、エンジン10の機械的運動から電力を生じるように作動し得る。
【0135】
ピストン50がシリンダ12内を移動するとき、エンジン10に向かう空気吸入が実行され得る。パワーシステム1は、吸入の段階を進めるため、ピストン50をシリンダ12の反対側に向けて移動するように構成され得る。
図14Aに示すように、ピストン50がシリンダ12の北側にある少なくとも一部の時間に対して、ピストンロッド部43の開口部48は、燃焼チャンバ73に向けて曝され得る。吸気口29を通してエンジン10に向けて供給される空気は、燃焼チャンバ73に伝達され得る。空気は、ピストンロッド部42の開口部45を通して吸気口29から移動し得る。空気は、ピストン50とピストンロッド部43を通して延びるピストンロッド部42内の経路を通して開口部48に向けて移動し得る。空気は、開口部48から燃焼チャンバ73に向けて供給され得る。
【0136】
空気は、開口部48がシリンダ12の内部に向けて曝されない位置まで、燃焼チャンバ73に向けて供給され得る。一方、ピストン50の反対側において、燃焼チャンバ71の膨張の段階は、ピストン50が、排出ポート18が燃焼チャンバ71に向けて曝され始める位置に達するまで、進み得る。
図14Bに示すように、ピストン50は破線1200に達し得る。破線1200は、シリンダ12の中間点に対応し得る。また、排出ポート18は覆われ得る。その後、ピストン50は移動し続けられる。また、排出ポートは曝され得る。その後、排出の段階が燃焼チャンバ71内で開始し得る。排出の段階は、運動量の段階と一致し得る。運動量の段階は、エンジン10を動作する段階を示し得る。この段階において、ピストン50は、シリンダ12内の予め決められた位置を越えてさらに移動する。予め決められた位置は、膨張の段階の終了点を示し得る。予め決められた位置は、ピストン50の面が排出ポート18を通過して、シリンダ12の外側に向かう排出経路の少なくとも一部を曝す位置であってもよい。例えば、燃焼チャンバ71内の燃料の燃焼により、膨張の段階において、ピストン50は第1の方向(
図14Bにおける下方向)に移動する。ピストン50は、膨張の段階が終わるときも(例えば、予め決められた位置に達した後も)、ピストン50が排出ポート18を越えて移動し続けるために十分なエネルギーを有してもよい。膨張の段階の終端を越えるピストン50のさらなる移動は、ピストン50の「オーバーシュート」を示し得る。ピストンのオーバーシュートは、膨張の段階の終了後、追加動作がエンジン10から利用され得るため、有効であってもよい。膨張の段階の終了(及び運動量の段階の開始)と並行して、又は排出の段階が開始する少し前に、圧縮の段階が燃焼チャンバ73内で開始し得る。運動量の段階におけるピストン50の運動量は、ピストン50の反対側における燃焼チャンバ73内の圧縮する気体に対して有効であってもよい。
【0137】
図14Bは、燃焼チャンバ73の圧縮段階が開始し得る状態の第3動作モードにおいて、パワーシステム1を動作し続ける概略図である。この位置において、ピストン50は、シリンダ12の中間点にあってもよい。ピストン50の位置は、0から1に変化するセンサ130の出力によって、判定され得る。抵抗力1450は、第1の方向と反対方向に作動し続けて、ピストン50の運動に抵抗し得る。
図14Bに示す段階において、抵抗力1450は、
図14Aにおける抵抗力と同じ大きさであってもよい。
【0138】
パワーシステム1は、第3動作モードにおいて満足している第2の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第2の条件は、センサ130又はセンサ140の出力に基づき得る。作動は、抵抗力1450がエネルギー変換器20によって与えられることであってもよい。第2の条件は、ピストン50が運動していると判定されることであってもよい。第2の条件は、事前のサイクルのセンサのデータに基づき得る。一部の実施形態において、第2の条件は、リアルタイムで分析されるセンサ出力に基づき得る。例えば、パワーシステム1は、センサ130又はセンサ140が、コントローラ90によって分析されるデータを常に出力するように構成され得る。コントローラ90は、例えば、エンジン10が、第2動作モードにおいて、始動に成功したことを判定し得る。一部の実施形態において、コントローラ90は、センサ130又はセンサ140からのセンサ出力が、ピストン50が少なくとも所定の速度で移動することを示すとき、エンジン10が始動に成功したことを判定し得る。ピストン50の移動により、圧縮の段階が燃焼チャンバ内で進み得る。次に、別の作動が、満足している他の条件に応じて、行われ得る。
【0139】
一部の実施形態において、ピストン50の移動方向は、センサ130の事前の出力に基づいて判定され得る。移動方向の判定はまた、センサ130の電流出力に基づき得る。例えば、センサ130の電流出力が1であり、且つセンサ130の事前の出力が0であるとき、ピストン50が第1の方向に移動することが判定され得る。センサ130の電流出力が0であり、且つセンサ130の事前の出力が1であるとき、ピストン50が第2の方向に移動することが判定され得る。
【0140】
図14Cは、第3動作モードにおいて、パワーシステム1を動作し続ける概略図である。ピストン50が第1の方向(
図14Cにおける下方向)に移動し続けるとき、(例えば、燃焼チャンバ71における)ピストン50の第1の側における運動量の段階が続き得る。また、ピストン50の第2の側(例えば、燃焼チャンバ73の位置に対応し得るピストン50の反対側)における圧縮の段階が続き得る。
【0141】
図14Cに示す位置において、ピストン50は破線1200から距離dを移動する。第2動作モードと同様に、第3動作モードにおいて、距離dが予め決められた値に等しくなるとき、燃料噴射が起こり得る。予め決められた値は、トリガディスク145の歯の予め決められた数に対応し得る。トリガディスク145の歯の予め決められた数は、第2動作モードに関して、上述と同じ又は異なる値Y1に対応し得る。
図14Cに示すように、燃料1410は、燃焼チャンバ73内のシリンダ12に向けて噴射され得る。コントローラ90により、(
図3に示す)燃料噴射器34の1つは予め決められた量の燃料を噴射し得る。燃料の量は、シリンダ12に向けて流れる空気の量と圧縮率に基づいて判定され得る。この圧縮率は、例えば、センサからの出力に基づいて決まり得る。燃料の量は、他のセンサ(例えば、センサ130又はセンサ140)からの出力に基づいて修正され得る。例えば、燃料の量は、ピストン50の決められたパラメータに基づいて調整され得る。抵抗力1450は、第1の方向と反対方向に作動し続けて、ピストン50の運動に抵抗し得る。
図14Cに示す段階において、抵抗力1450は、
図14Aにおける抵抗力と同じ大きさであってもよい、又は
図14Bにおける抵抗力と同じ大きさであってもよい。
【0142】
パワーシステム1は、第3動作モードにおいて満足している第3の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第3の条件は、センサ140のような第2センサの出力に基づき得る。第3の条件は、ピストン50が、ラック310とセンサ130がオーバーラップしている状態からオーバーラップしていない状態に変化する位置を越えて、所定の距離を移動する、例えば、シリンダの中間点を越えて所定の距離を移動することであってもよい。一部の実施形態において、第3の条件は、第1センサからの出力と第2センサからの出力の両方に基づき得る。第3の条件は、センサ130の出力が変化する位置の後、センサ140の出力が少なくとも値Y1になるように判定されることであってもよい。例えば、第3の条件は、ピストン50がシリンダ12の中間点を横断することを示す、センサ130の出力が1から0に遷移した後、センサ140が、所定の距離を移動するピストン50に対応し得るトリガディスク145のY1個のインクリメントを検出することであってもよい。
【0143】
ピストン50は、燃焼チャンバ73に含まれる空気が、燃料が燃焼チャンバ73に追加できるように圧縮されるために十分な距離を移動することが判定され得る。燃料は、燃料空気混合物を形成するように、最適な混合ができるための位置において、燃焼チャンバ73に追加され得る。値Y1は、エンジン動作条件に基づき得る最適な混合のための位置として決められ得る。値Y1は、マップに基づいて決められ得る。
【0144】
図14Dは、第3動作モードにおいて、パワーシステム1を動作し続ける概略図である。
図14Dに示す位置において、ピストン50は、
図14Cに比べて、破線1200をさらに通過する。ピストン50は、燃焼チャンバ73における燃焼の段階が始まる燃焼位置まで移動し続ける。距離dが値Y2のような予め決められた値以上になるとき、イグニッションが起こり得る。値Y2は値Y1より大きくてもよい。距離dが値Y2以上になるとき、スパーク1420が燃焼チャンバ73のシリンダ12内で開始され得る。コントローラ90により、(
図3に示す)スパークプラグ38の1つが点火し得る。したがって、膨張の段階が燃焼チャンバ73内で開始し得る。膨張の段階に入るとき、ピストン50の運動の方向が変化し得る。ピストン50の運動の方向は逆転し得る。
図14Dに示す位置は、燃焼チャンバ73内の圧縮の段階の終了に対応し得る。抵抗力1450は、スパーク1420を与えると共になくなり得る。同時に、抵抗力1460は、抵抗力1450の方向と反対の方向に与えられ始める。
【0145】
反対の方向を含む、上述と異なる方向において、第3動作モードにおける動作が起こり得ることが分かる。例えば、シリンダ12の北側から南側に向かうストロークで移動するピストン50の代わりに、ピストン50は南側から北側に移動し得る。例えば、
図14Dに示すように、第3モードにおける「A位置」は、ピストン50の初期位置がシリンダ12の南側にある状況を示し得る。A位置は、センサ130の1のセンサ出力(例えば、センサ130とオーバーラップするラック310)に対応し得る。例えば、
図14Aに示すように、第3モードにおける「B位置」は、ピストン50の初期位置がシリンダ12の北側にある状況を示し得る。B位置は、センサ130の0のセンサ出力(例えば、センサ130とオーバーラップしないラック310)に対応し得る。動作パラメータは、ピストン50の初期位置に基づいて決められ得る。例えば、異なる値が、噴射又は燃焼を開始するタイミングを判定するために用いられ得る。ピストン50がA位置で始動するとき、噴射を判定するために用いられる距離dの値は値Y1であってもよい。また、燃焼を判定するために用いられる距離dの値は値Y2であってもよい。ピストン50がB位置で始動するとき、噴射を判定するために用いられる距離dの値は値Y3であってもよい。また、燃焼を判定するために用いられる距離dの値は値Y4であってもよい。一部の実施形態において、シリンダ12は、破線1200に対して対称であってもよい。センサ出力の絶対値は、判定に用いられ得る。したがって、一部の実施形態において、値Y1と値Y3は等しくてもよい。また、値Y2と値Y4は等しくてもよい。
【0146】
図14A~14Dと比べて、動力システム1の運動が逆転しているとき、空気吸入は、異なるエンジン10の構成要素を通して起こり得ることが分かる。
【0147】
パワーシステム1は、第2動作モードと同様に、第3動作モードにおいて満足している第4の条件に応じて、作動を行うように構成され得る。第4の条件は、距離dが予め決められた値に等しくなるように、第2センサの出力に基づき得る。作動は、燃焼チャンバ73のような燃焼チャンバ内のイグニッションを開始することであってもよい。
【0148】
第3動作モードにおいて、ピストン50が、燃焼チャンバ71の圧縮率が燃焼に対して適切である位置に移動することが判定され得る。位置は、エンジン10を安定動作するための最適な条件を考慮して判定され得る。第3の条件と第4の条件は、最適な動作条件を考慮して判定され得る。例えば、条件は、発電を最大化するためのマップに従って、エンジン10が動作するように設定され得る。一部の実施形態において、長時間持続する動作のためのマップが用いられ得る。
【0149】
図14Eは、第3動作モードに係るパワーシステム1の動作を示す表である。
図14Eの表は、コントローラ90が実行するようにプログラムされている制御ルーチンを示し得る。
図14Eに示すように、エネルギー変換器の「2」の状態は、エネルギー変換器を発電モード(例えば、機械的エネルギーの抽出による電力の発生)に設定することに対応し得る。噴射の1の状態は、燃料噴射ができることを示し得る。(例えば、燃料噴射器が燃料を噴射するための動作ができる。)イグニッションの1の状態は、イグニッションができることを示し得る。(例えば、スパークプラグが点火できる。)
【0150】
パワーシステム1は、第3モードにおいて満足している条件に応じて、作動を行うように構成され得る。
図14Eに示すように、エンジン10の初期A位置に対応する第1の条件があってもよい。エンジン10の初期B位置に対応する第2の条件があってもよい。第1及び第2の条件は、第1センサの出力に基づき得る。この第1センサは、センサ130であってもよい。第1の条件が満足されている(例えば、センサ130の出力が0である)とき、指示が、ピストン50を、センサ130の出力が0である位置から、センサ130の出力が1である位置に向けて移動するために出され得る。ピストン50が既に移動しているとき、指示は無視され得る。一部の実施形態において、パワーシステム1により、単純に、エンジン10が現在の状態の運動を続け得る。例えば、動作条件の変化は起こり得ない。
【0151】
第1センサ又は第2センサの出力に基づき得る別の条件があってもよい。別の条件は、ピストン50が既に移動していることを示し得る。別の条件が満足されている(例えば、センサ140が、所定の時間周期にわたって、少なくとも所定の数のインクリメントを検出する)とき、ピストン50が十分な速度で移動することが判定され得る。また、エネルギー変換器20が、ピストン50の運動に対して抵抗力を与えることによって、電気的エネルギーを生じるように作動され得る。
【0152】
パワーシステム1は、第2センサからの出力に基づいて、噴射とイグニッションのような作動を行うように構成され得る。
図14Eに示すように、第2センサの出力は、「Y」として判定され得る。値Yが、上述のY1,Y2,Y3,Y4のような所定の値に達するとき、所定の作動が行われ得る。噴射するための燃料の量、又は(例えば、抵抗力1450に悪影響を及ぼす)エネルギー変換器20に与えるための荷重の量を決めるようなエンジン10の動作の別の制御は、基準点で起こる判定に基づき得る。
図14Eに従う処理を行う結果として、エンジンは、電気的エネルギーが生じ得るとき、動作し得る。
図14Eに従う処理は、
図12Eに従う処理の後、行われ得る。
【0153】
図14Fは、第3動作モードに従う制御ルーチンを示すフローチャートである。
図14Fは、第3動作モードに係るパワーシステム1の動作の別の図であってもよい。制御ルーチンは連続的に実行され得る。
図14Fの制御ルーチンの処理を終了した後、次の処理が実行され得る。一部の実施形態において、処理は、始まりに戻り、繰り返し得る。
【0154】
図14Fにおいて、制御ルーチンは、ステップS401のときに開始する。
図14Fの制御ルーチンを開始することは、エンジンの揺動質量の構成要素が、少なくとも予め決められた速度で移動する条件に応じ得る。例えば、センサ140の出力に基づいて、ピストン50が少なくとも所定の速度で移動する判定を行うことに応じて、制御ルーチンはステップS401に入り得る。次に、ステップS402において、判定は、第1センサの出力に基づいて行われ得る。第1センサの出力は、第1位置センサの出力又は関連回路の出力を示し得る。第1位置センサはセンサ130を含んでもよい。ステップS402において、第1センサの出力が0であることが判定されるとき、ルーチンはステップS403に向けて進み得る。第1センサの0の出力は、センサ130とオーバーラップしないラック310に対応し得る。一方、ステップS402において、第1センサの出力が1であることが判定されるとき、ルーチンはステップS412に向けて進み得る。第1センサの1の出力は、センサ130とオーバーラップするラック310に対応し得る。
【0155】
ステップS403において、パワーシステムは、ピストンが第1の方向に移動するように作動され得る。一部の実施形態において、ステップS403は、既に運動しているピストン50が第1の方向に移動し続けられることを含んでもよい。第1の方向は、例えば、
図14A~14Dにおける下方向に対応し得る。ステップS412において、パワーシステムは、ピストンが第2の方向に移動するように作動され得る。第2の方向は、第1の方向と逆であってもよい。第2の方向は、例えば、
図14A~14Dにおける上方向に対応し得る。ステップS403又はステップS412の後、ルーチンは、それぞれの処理の分岐に向けて進み得る。
【0156】
ステップS403から続けて、ステップS404において、抵抗力が第2の方向に与えられ得る。ステップS404は、エネルギー変換器20によって抵抗力1450を与えることを備えてもよい。ステップS404は、測定されたピストンの速度のような運動パラメータに基づいて、抵抗力1450の大きさを判定することを含んでもよい。測定されたピストンの速度は、基準点において決められ得る。
【0157】
次に、ステップS405において、判定は、第1センサの出力に基づいて行われ得る。第1センサの出力がまだ0であるかが判定され得る。また、第1センサの出力がまだ0であるとき、ルーチンが戻り、ステップS405を繰り返し得る。ルーチンは、予め決められた時間周期の後、ステップS405を繰り返し得る。ステップS405において、第1センサの出力が1であることが判定され得る。ステップS405において、第1センサの出力が、例えば、0から1に変化したことが判定され得る。第1センサの出力信号の変更は、シリンダ12内の予め決められた位置に達するピストン50に対応し得る。予め決められた位置は、シリンダ12の中間点であってもよい。ステップS405において、第1センサの出力が1であることを判定した後、ルーチンはステップS406に向けて進み得る。
【0158】
ステップS406において、判定は、第2センサの出力に基づいて行われ得る。第2センサの出力は、第2位置センサの出力又は関連回路の出力を示し得る。第2位置センサはセンサ140を含んでもよい。例えば、ステップS406において、第2センサの出力が値Y1より小さいことが判定されるとき、ルーチンが戻り、ステップS405を繰り返し得る。ルーチンは、予め決められた時間周期の後、ステップS405を繰り返し得る。値Y1よりも小さい第2センサの出力は、少なくともトリガディスク145のY1個の歯に対応する距離を移動しないピストン50に対応し得る。一方、ステップS406において、第2センサの出力が値Y1以上であることが判定されるとき、ルーチンはステップS407に向けて進み得る。第2センサの値Y1以上の出力は、ピストン50と、少なくとも既知の量を移動するラック310とに対応し得る。ピストン50の移動量は、燃焼チャンバの容量を減少すること、及び燃焼チャンバに含まれる空気を圧縮することに対応し得る。
【0159】
ステップS407において、パワーシステムは、噴射を行い得る。ステップS407は、所定の量の燃料を噴射するため、指示を、燃焼チャンバ71の燃料噴射器34のような燃料噴射器に向けて出すパワーシステム1を備えてもよい。燃料の量は、センサの出力に基づいて、判定され得る、又は予め決められた量、例えば、エンジンの冷間始動ルーチンに対して用いられる量であってもよい。ステップS407の後、ルーチンはステップS408に向けて進み得る。
【0160】
ステップS408において、判定は、第2センサの出力に基づいて行われ得る。ステップS408における判定に対して用いられる値は、ステップS406において用いられる値と同じ、又はステップS406において用いられる値と異なってもよい。例えば、値Y2が用いられ得る。この値Y2は値Y1よりも大きい。ステップS408において、第2センサの出力が値Y2より小さいことが判定されるとき、ルーチンは、ステップS409に向けて進み得る。また、ピストンは第1の方向に移動し続け得る。ステップS409は、ステップS403と類似してもよい。ステップS409の後、ルーチンは、ステップS408に向けて戻り得る。ステップS408において、第2センサの出力が値Y2以上であることが判定されるとき、ルーチンは、ステップS410に向けて進み得る。第2センサの値Y2以上の出力は、ピストン50と、少なくとも既知の量を移動するラック310とに対応し得る。ピストン50の移動量は、燃焼チャンバの容量を減少すること、及び燃焼チャンバに含まれる空気を、燃焼ができる位置に向けて圧縮することに対応し得る。
【0161】
ステップS410において、パワーシステムは、イグニッションを行い得る。ステップS410は、点火するため、指示を、燃焼チャンバ73のスパークプラグ28のようなイグナイタに向けて出すパワーシステム1を備えてもよい。ステップS411において、パワーシステムは、ピストンの運動に対して働く抵抗力を停止し得る。ステップS411は、抵抗力1450を止めることを含んでもよい。ステップS411は、抵抗力が作動する方向を逆転することを含んでもよい。例えば、抵抗力1450は取り除かれ、抵抗力1460が与えられ得る。
【0162】
ステップS412~S420は、運動の方向が異なることを除いて、ステップS403~S411と類似してもよい。また、センサ出力は、対応して、逆転し得る。第2センサの出力は、移動の絶対値に基づき得る。例えば、センサ140は、移動の方向に関わらず、センサ140を通過するトリガディスク145の歯の数のようなインクリメントの数をカウントするように構成され得る。値Y1又は値Y2は、それぞれ、値Y3又は値Y4と等しくてもよい。
【0163】
ステップS411又はステップS420の後、ルーチンは、処理が終了し得るステップS421に向けて進み得る。
【0164】
方法は、種々の変更に関わらず、
図10D、
図10E、
図12F、又は
図14Fのフローチャートの要素を含んでもよい。一部の実施形態において、エンジンを動作する方法は、
図10E、
図12F、及び
図14Fのフローチャートを実施することを含んでもよい。一部の実施形態において、複数のピストンの移動のステップが実行され得る。例えば、第1の方法は、ピストンの位置を特定するように実施され得る。ピストンは、第1動作モードのように、例えば、トリガディスク145の所定の数の歯による電力供給によって、移動し得る。次に、第2の方法が、燃料を噴射して、ピストンを移動し続けるように実施され得る。ピストンがさらなる量を移動するとき、例えば、距離dが、最適な圧縮の位置に達するとき、又はピストンが動作状態に基づいて移動し得るさらなる距離に達するとき、イグニッションは引き起こされ得る。
【0165】
エネルギー変換器20は、種々の機能を行うように構成され得る。例えば、エネルギー変換器20は、第1モードのように、ピストン50のようなエンジンの構成要素をそれぞれの位置に向けて移動させ得る。エネルギー変換器20は、例えば、第2モードに関して上述のように、エンジンを減速又は加速させ得る。エネルギー変換器はまた、例えば、第3モードに関して上述のように、エンジンに抵抗することによって、電力を生じ得る。
【0166】
実施形態において、エネルギー変換器は種々の抵抗を与え得る。アクチュエータ300によって、エンジン10に与えられる抵抗は、エンジン10又は他の構成要素の動作状態に基づいて変わり得る。
【0167】
図15を参照して、種々の抵抗により動作するパワーシステム1の構成を示す。センサ出力に基づいて、エネルギー変換器20からアクチュエータ300に向けて与えられる抵抗のレベルが変化し得る。例えば、情報は、トリガディスク450をモニタするように構成されているセンサ140から得られてもよい。コントローラ90はピストン50の速度を判定し得る。ピストン50の速度はリアルタイムで判定され得る。
【0168】
コントローラ90は、センサ140からの出力を常にモニタして、エネルギー変換器20によって与えるための抵抗のレベルを計算するように構成され得る。コントローラ90は、ピストンの速度の最新の判定に基づいて、抵抗の値を更新するように構成され得る。抵抗の更新は、例えば、予め決められた遅れの後、又は次のストロークにおいて、すぐに起こり得る。ピストンの速度は、所定の時間周期にわたって、第2センサによって検出されるインクリメントの数をカウントすることによって、判定され得る。ピストンの速度の判定は、第1センサの出力が変化したことを検出される時間において、起こり得る。例えば、コントローラ90は、1から0に遷移する、又は0から1に遷移するセンサ130の出力に応じて、センサ140の出力に基づいて、ピストンの速度を決めるように構成されて、判定されたピストンの速度に基づいて、抵抗のレベルを決め得る。コントローラ90は、センサ130の出力の遷移の後における予め決められた時間遅れの後、ピストンの速度を判定するように構成され得る。
【0169】
コントローラ90がピストンの速度を判定するように構成されている位置は変わり得る。一部の実施形態において、コントローラ90は、ピストン50が、センサ130の出力が遷移する位置に達したことが判定されるとき、ピストンの速度を判定するように構成され得る。一部の実施形態において、コントローラ90は、ピストン50がシリンダ12の中間点にあるとき、ピストンの速度を判定するように構成され得る。一部の実施形態において、コントローラ90は、ピストン50が、シリンダ12の中間点を越えて、センサ140の予め決められた数のインクリメントのような所定の位置の距離に達するとき、ピストンの速度を判定するように構成され得る。ピストンの速度が判定される位置は、熱力学の影響を考慮して選択され得る。例えば、燃焼の段階が終了した後の位置において、ピストンの速度を判定することは、ピストン50の運動エネルギーを正確に示すため、有用であってもよい。
【0170】
燃焼は、実質的に、ランダム性を含む処理であってもよい。エンジンシリンダ内の燃料の燃焼に関する確率的挙動があってもよい。例えば、一部のストロークにおいて、燃焼しなかった燃料は、燃焼の段階が終了するとき、燃焼チャンバに残り得る。一方、一部のストロークにおいて、燃料は完全に消費され得る。消費された燃料の量は、ピストンに与えられるエネルギーに悪影響を及ぼし得る。したがって、燃焼の効果は、ストロークごとに変わり得る。本発明の一部の実施形態において、ピストンの速度は、ストロークごとに判定され得る。また、パワーシステム1の動作パラメータは適切に調整され得る。例えば、それぞれのストロークは、燃焼によって与えられるピストン50から適切な量のエネルギーを取り出すため、最大量の抵抗がエネルギー変換器20によって与えられるように、最適化され得る。例えば、所定の最適な位置において、ピストン50は、運動エネルギーを残すことなく、ストロークの終了点(例えば、「速度ゼロ」の位置)に達するように、エネルギー変換器20の抵抗によって減速され得る。ストロークの終了点において、イグニッションは、ピストンが反対方向に移動し得る次のストロークを開始するように、引き起こされ得る。
【0171】
コントローラ90は、ピストンの速度に関する情報を用いて、エンジン10の揺動質量の運動量を計算し得る。揺動質量を形成する構成要素の性質は、既に知られていてもよい。ピストンの位置は、上述のように、判定され得る。したがって、ピストンから取り出され得る残りの量の動作が計算され得る。エネルギー変換器20によって与えられるための荷重が、ピストンから取り出され得る残りの量の動作に基づいて決められ得る。
図15に示すように、ラック310は運動し得る、例えば下降し得る。センサ140は、ラック310がセンサ130とオーバーラップし始めた後、カウントされるトリガディスク145の歯の数を示すデータを出力し得る。したがって、ピストンの位置は判定され得る。また、ピストンの速度は判定され得る。情報は、リアルタイムで、コントローラ90に入力されて、抵抗1450のレベルを設定するように用いられ得る。コントローラ90は、ピストンが中間点を横断するとき、ピストンの速度を判定して、抵抗を計算するように構成され得る。コントローラ90は、予め決められた間隔で抵抗を計算し得る。コントローラ90は、抵抗を常に更新し得る。抵抗のレベルは、一回のストロークの間であっても変化し得る。
図15に示すように、エネルギー変換器20とセンサ140は、通信できるように、(実線で示すように)コントローラ90と繋がり得る。コントローラ90は、エネルギー変換器20に抵抗1450のレベルを調整させるように、(破線で示すように)指示を出力し得る。
【0172】
コントローラ90は、基準点における揺動質量の運動パラメータを判定するように構成され得る。この基準点は、予め決められた位置であってもよい。例えば、コントローラ90は、第1位置における揺動質量の運動量の大きさを決め得る。第1位置は、既知の位置であってもよい。第1位置は、センサ130のようなセンサの位置と一致し得る。第1位置は、線形レシプロエンジンのシリンダの中間点であってもよい。第1位置は、センサ出力が遷移する位置であってもよい。例えば、第1位置は、センサ130の出力が値を変化する位置であってもよい。コントローラ90は、値を変化するセンサ130の出力に応じて、運動パラメータを判定するように構成され得る。一部の実施形態において、予め決められた位置は第2位置であってもよい。第2位置は、予め決められた距離で第1位置から離れていてもよい。運動パラメータは、複数のセンサの出力に基づいて決められ得る。例えば、コントローラ90は、センサ130の出力が値を変化した後、センサ140が予め決められた数のインクリメントを検出する判定に応じて、運動パラメータを判定するように構成され得る。したがって、第2位置は、予め決められた距離で第1位置から離れ得る。一部の実施形態において、運動パラメータは、第1位置又は第2位置におけるピストンの速度に基づいて決められ得る。エネルギー変換器20の抵抗のレベルが、運動パラメータを判定することに応じて、調整され得る。エネルギー変換器20の荷重は、運動パラメータに基づき得る。
【0173】
一部の実施形態において、基準点自体は、エンジンの動作に関する情報に基づいて決められ得る。コントローラ90は、エンジン10が動作するとき、基準点の位置をリアルタイムで決めるように構成され得る。例えば、基準点は、より速いピストン50が移動する第1位置からさらに離れていてもよい。一部の実施形態において、基準点は、より遅いピストン50が移動する第1位置からさらに離れていてもよい。
【0174】
パワーシステム1は、混合モードで動作し得る。混合モードは、第1モードから第3モードまで、又は他のモードの態様を含んでもよい。パワーシステム1は、混合モードにおいて、(例えば、スタータとして)ピストン50を移動するため、及び(例えば、発電機として)ピストンに抵抗するため、エネルギー変換器20を用い得る。パワーシステム1は、アシストモードで動作するように構成され得る。例えば、コントローラ90は、抵抗1450を調整することに加えて、満足している所定の条件に応じて、他の動作を制御するように構成され得る。一部の実施形態において、コントローラ90は、抵抗を完全に止め得る。コントローラ90は、イグニッションのタイミングを早め得る。コントローラ90は、エンジンを動作し続けるため、ピストンが最適な圧縮の位置に達する前に、スパークプラグを点火させるように構成され得る。アシストモードは、不着火又は他の異常動作に遭遇することを防ぐため、エンジンを動作し続けるように用いられ得る。
【0175】
例えば、ピストン50の現在位置と速度に基づいて、ピストン50が、燃焼が起こる予定である最適な圧縮の位置に達するために十分なエネルギーを有していないことが判定され得る。コントローラ90は、抵抗1450を止めて、エネルギー変換器20の動作モードをパワー供給モードに変更し得る。したがって、エネルギー変換器20は、ピストン50が、最適な圧縮の位置、又は燃焼が起こり得る他の位置に達し得るように、エネルギーを入力し得る。パワーシステム1は、ピストン50が、ストロークを失うことなく、往復し続けるように構成され得る。
【0176】
上述のように、エネルギー変換器は、荷重を設定するように構成され得る。荷重は抵抗力であってもよい。例えば、荷重は、ピストン50の運動に対して作動し得る。荷重は抵抗1450を含んでもよい。一部の実施形態において、荷重は補助力であってもよい。エネルギー変換器20は、ピストン50の運動を補助するように構成され得る。荷重は、ピストン50を移動するように出力を生じるエネルギー変換器20に対応し得る。
【0177】
混合モードにおいて、エネルギー変換器20は、ピストン50の運動を補助することから、ピストン50の運動に抵抗することに、又はピストン50の運動に抵抗することから、ピストン50の運動を助けることに変更するように構成され得る。エネルギー変換器20は、ピストン50の一回のストローク内で補助する又は抵抗することから変更するように構成され得る。ピストン50のストロークは、シリンダ12の一方の側における燃焼位置から進んで、シリンダ12の他方の側における別の燃焼位置で終了し得る。エネルギー変換器20が、ピストン50の運動に抵抗すること、又はピストン50の運動を補助することから変更するように、ピストン50のパラメータがシリンダの中間であることが決められ得る。例えば、エネルギー変換器20は、ピストン50からエネルギーを取り出すように構成され得る。一方、ピストン50の速度が、ピストン50が、現在のストロークの終了時、次の燃焼位置に達するために十分なエネルギーを有さないレベルに低下するとき、エネルギー変換器20は、スタータに変更されて、ピストン50が次の燃焼位置に達するように、ピストン50の運動を補助し得る。
【0178】
図16は、センサの出力の情報処理を示す図である。センサ130又はセンサ140からの出力は、運動パラメータのようなパラメータを判定するために用いられ得る。センサ140は、データをカウンタに向けて出力し得る。カウンタは、センサ140によって検出されるインクリメントの数をカウントするように構成され得る。例えば、事象検出器は、事象の数を判定するように構成され得る。それぞれの事象は、センサ140の面143の傍を通過するトリガディスク145の歯に対応し得る。カウンタはクロックを含み得る。カウンタは、それぞれの事象にタイムスタンプを付けるように構成され得る。また、タイムスタンプは、センサ130の出力が遷移する位置のような他の事象に関連し得る。一部の実施形態において、センサ130又はセンサ140は、所定のクロックレートでサンプリングされ得る。
【0179】
図16に示すように、カウンタの出力は、種々の他のユニットに対する入力であってもよい。例えば、カウンタとセンサ130からの入力を用いる位置判定器が設けられ得る。位置判定器は、シリンダ12内のピストン50の位置を判定するように構成され得る。位置判定器は、ピストンが既知の位置に達することを示し得るセンサ130の出力に基づいて、また(例えば、カウンタによって)ピストンが所定の距離をさらに移動することを示し得るセンサ140の出力に基づいて、ピストン50の位置を判定し得る。位置判定器は、ピストン50がシリンダ12の第1の側又は第2の側にあることを判定し得る。ピストン50が第1の側又は第2の側にあることの判定は、センサ130の現在の出力に基づき得る。一部の実施形態において、ピストン50が第1の側又は第2の側にあることの判定は、事前の出力に基づき得る。
【0180】
位置判定器のように、種々の他の量は、他のユニットによって判定され得る。例えば、距離判定器が設けられ得る。距離判定器は、ピストン50が所定の時間周期で移動する距離を判定するように構成され得る。ピストン50の速度を判定するように構成されている速度判定器が設けられ得る。ピストン50の加速度を判定するように構成されている加速度判定器が設けられ得る。加速度判定器は微分器を含んでもよい。加速度判定器は、速度判定器によって判定される速度の微分係数を判定するように構成され得る。一部の実施形態において、速度判定器は、距離判定器によって判定される距離の微分係数を判定するように構成され得る。
【0181】
一部の実施形態において、パワーシステムは、自然発火モードで動作するように構成され得る。
図17は、自然発火モードで動作するパワーシステム1の実施例を示す。自然発火モードにおいて、イグニッションは、バックアップであることを除いて動作しない。自然発火モードにおいて、燃料は、吸入ストロークの間、噴射され得る。一方、燃料空気混合物を点火するための放電(例えば、スパークプラグのスパーク)を用いる代わりに、ピストン50は、シリンダ12内を移動し続けて、混合物が自然に反応するまで、燃料空気混合物の密度と温度を増加し得る。
【0182】
比較例において、燃料は、エンジンの燃焼チャンバ内の空気と共に噴射され得る。また、燃焼チャンバの容量の少なくとも一部は、燃料を含んでもよい。イグニッションが、例えばスパークイグニッションによって引き起こされるとき、燃焼は、スパークに近い位置における燃焼チャンバ内で起こり始め得る。燃焼は、燃料と空気が、よく混合されて、燃焼チャンバ内の他の位置に拡げる領域で始まり得る。圧縮の段階が始まる前に、完全に混合された燃料と空気を有することは重要である。
【0183】
比較例と対照的に、エンジンは、以下の自然発火により動作し得る。燃料は噴射され得る。また、空気は、燃焼チャンバ71のような燃焼チャンバに向けて供給され得る。ピストン50は、シリンダ12の北側に向けて移動して、燃焼チャンバ71内の気体を圧縮させ得る。ピストン50は、シリンダ12の頂部に向けて徐々に近づくように移動し続け得る。燃焼チャンバ71に含まれる空気と燃料は、拡散又は他の現象によって混ざり続ける。最終的には、ピストン50は、燃焼チャンバ71内の燃料空気混合物が、上昇した熱と密度による自己発火によって反応し得る位置に達し得る。
図17に示すように、破線1701は、自然発火が燃焼チャンバ71内で起こり得る位置を示し得る。燃焼チャンバ71の容量は、自然発火の条件が満足される値に向けて減少し得る。燃焼チャンバ71内の燃料空気混合物は、この位置において、よく混合され得る。自然発火において、燃焼が燃焼チャンバ71内で一様に起こり得る。したがって、排出は向上し得る。例えば、一部の実施形態において、自然発火が燃焼チャンバ71内で起こる前に、炎はなくてもよい。予混合圧縮着火(HCCI)は、自然着火モードでパワーシステム1を動作する1つの実施例であってもよい。
【0184】
例えば、HCCIを用いて、相対的に大きな圧縮が圧縮チャンバ内で得られてもよい。一部の実施形態において、燃焼は、例えば、従来のイグニッションにおいて一般的であってもよい65バールではなく、200バール以上で開始し得る。比較例において、スパークは、ピストンが、事前の燃焼によって与えられる運動エネルギーのすべてを消費する前に、開始し得る。したがって、ピストンは、まだ残りの運動エネルギーを有する間、通常より早く方向を変え得る。スパークイグニッションができないとき、ピストンは、圧縮ストロークにおいて、移動し続ける傾向がある。本発明の実施形態において、HCCIが用いられ得る。また、最適な位置において、ピストンのすべての運動エネルギーが、燃焼チャンバ内の気体を圧縮するために用いられ得る。一部の実施形態において、ピストンの過剰なエネルギーは、発電機に対する動作入力として取り出され得る。
【0185】
図17に示すように、ピストン50は、上述の第2動作モード又は第3動作モードにおいて用いられるような燃焼位置に達した後、さらなる距離を移動し得る。破線1701は、スパークイグニッションが、第2動作モード又は第3動作モードにおいて、正常に用いられるとき、ピストンが通常横断しない平面を示し得る。
図17は、ピストン50が、エンジン頂部とピストンの近位面との間において、一部の距離Zが残るシリンダ12の位置にあってもよいことを示す。これは、クリアランスの容量を示し得る。したがって、気体がさらに圧縮され得る一部の容量が残る。増加した圧縮により、より激しい燃焼ができる。パワーシステム1は、自然発火が起こるまで、ピストン50が、予め決められた通常の燃焼位置を越えてさらに移動できることにより、この距離を利用し得る。
【0186】
図18は、アクチュエータの代替構造を示す。
図18は、アクチュエータ300Aに接続されているエンジン10を示す。アクチュエータ300Aは、ラック310A、ホイール321A、及びホイール322Aを含む。
【0187】
図19は、本発明の実施形態に係るアクチュエータ300Aの一部の拡大図である。ラック310Aはノッチ311を含む。センサ130は、ノッチ311がセンサ130とオーバーラップすることを検出するように構成され得る。センサ130とノッチ311が、例えば、ピストン50が、シリンダ12の北側の半分又は南側の半分にあることの大まかな判定に対して用いられ得る。ラック310Aは、ノッチ311の反対側において、正確な判定に対して用いられ得る歯付き部312を含んでもよい。センサ140は、歯付き部312のそれぞれの歯を検出するように構成され得る。
【0188】
ホイール321Aは、パワーの伝達に対して、ラック310Aの溝319と関わるピン329を含んでもよい。ホイール321Aとホイール322Aは、回転動作するエネルギー変換器と繋がり得る。ホイール321A,322Aの回転の機械的運動が、パワーの伝達に対して用いられ得る。アクチュエータ300Aが、エンジン10の線形往復運動を回転エネルギーに変換することに対して有効であってもよい。
【0189】
図20は、パワーシステム1の別の変形例を示す。エンジン10は、チューブ2000に対して接続され得る。チューブ2000は、開口部2010を含んでもよい。
図21は、チューブ2000の内部を示す部分的に透過した図である。ピストンロッド部43は、質量310Bに接続され得る。ピストンロッド部43は、段付きロッド部43aによって、質量310に接続され得る。
【0190】
センサ130は、開口部2010を通して、ピストン50に接続されている構造をモニタするように構成され得る。一部の実施形態において、段付きロッド部は、ロッド43に比べて大きく減少した直径を有してもよい。例えば、
図22に示すように、与えられたロッド部43bがあってもよい。センサ130は、ピストンロッド部43における不連続性を観察するように構成され得る。センサ130は、遷移部43tがセンサ130の位置を横断するとき、検出し得る。
【0191】
本発明の代表的な実施形態に係る発電システムは、種々の利点を生じ得る。例えば、相対的に単純且つ安価なセンサが、エンジン内のピストンの位置の情報を得るために用いられ得る。センサ出力は、単純であり、またコントローラのような処理システムに向けてすぐに与えられ得る。コントローラは、エンジンから改善されたエネルギーの抽出ができる発電システムの動作状態を調整し得る。高速処理と高帯域幅が得られる。
【0192】
本発明の代表的な実施形態に係るエンジンは、別の利点を生じ得る。例えば、エンジンは、燃焼のための新鮮な空気を連続的に供給するとき、シリンダの熱い排出ガスのほぼ連続した清掃を助け得る。ほぼ連続的に取り入れられて、予め圧縮された新鮮な空気は、シリンダ内の温度を減少して、エンジンの効率と耐用年数を増加し得る。
【0193】
種々の変更は、本発明の主旨又は範囲から逸脱することなく、本発明の代表的な実施形態に対して行われ得る。例えば、エンジン10によって生じる燃焼済み気体は、ターボチャージャを駆動するために用いられ得る。シリンダに取り入れられる圧縮された空気は、外部のコンプレッサによって加圧され得る。外部のコンプレッサは、シリンダの対向する端部から延びる往復ピストンロッド部によって駆動される。他の変形例は、気体がシリンダの径方向内側又は径方向外側に向かわないように、吸気ポート又は排出ポートの角度を変えることによって、回転効果を、シリンダに取り入れられる気体に与えることを含んでもよい。
【0194】
それぞれの端部におけるエンジン頂部によって囲まれる両面シリンダを含むエンジン、それぞれの端部に配置されている排出ユニット、及びシリンダ内を自由にスライドするピストンが用いられ得る。2つのピストンロッドは、ピストンの異なる側に接続されて、長手方向の軸と合わせられ得る。それぞれのピストンロッドは、排出口に向けて延びる窪みを有してもよい。排出口は、ピストンロッドと一体となる部分である排出弁を構成し得る。ピストンロッドはスライド弁を構成し得る。このエンジンの例は、米国特許9995212号に記載されている。
【0195】
センサ130とセンサ140のような第1センサと第2センサの実施例が記載されている一方、パワーシステムは、同様の機能を行い得る1つのみ又は複数のセンサを含んでもよい。一部の実施形態において、センサ130,140は、統合され得る。複数のピストン又はピストンロッドのような複数の移動部品に対応し得る複数のセンサが設けられ得る。
【0196】
図面のブロック図は、本発明の種々の代表的な実施形態に係るシステム、方法、及びコンピュータハードウェア/ソフトウェア製品の考えられる実施の構造、機能、動作を示し得る。これに関して、概略図におけるそれぞれのブロックは、電子回路のようなハードウェアを用いて実施され得る算術演算又は論理演算処理を示し得る。ブロックはまた、モジュール、セグメント、又は特定の論理機能を実施するための1つ以上の実行可能な指示を備えるコードの一部を示し得る。一部の代替的な実施において、ブロックに示す機能が、図に記載の順序を越えて起こり得ることが分かる。例えば、連続して示す2つのブロックは、実質的に同時に実行され得る、又は実施され得る。または、2つのブロックは、関連する機能に基づいて、逆の順序で実行され得る。一部のブロックはまた、除外され得る。例えば、
図14FのステップS410及びステップS411が同時に実行され得る。また、特定の機能又は作動を行う特殊用途のハードウェアベースのシステムによって、又は特殊用途のハードウェア及びコンピュータの指示の組み合わせによって、ブロック図のそれぞれのブロック、及びブロックの組み合わせが実施され得るが分かる。
【0197】
本発明の上述の部分を行うため、種々の要素の組み合わせが共に記載されている。本発明の態様は、広義で、上述の特定の組み合わせに限定されないことが分かる。むしろ、本発明に従うと共に、図面の実施例によって示す本発明の実施形態は、以下の1つ以上の特徴、すなわち単独の特徴、若しくは以下の1つ以上の他の特徴との組み合わせ、又は上述の特徴との組み合わせのいずれかを含んでもよい。
【0198】
例えば、エンジンを含むシステムが提供され得る。エンジンは、第1燃焼チャンバと第2燃焼チャンバを有するシリンダ、及びシリンダ内にスライドできるように取り付けられているピストンを含んでもよい。また、以下の要素が提供され得る。
エンジンと接続するように構成されているベースに設けられている第1センサ。
ベースに設けられている第2センサ。
第1センサは、第1センサの領域にあるピストンと繋がる構成要素に応じて、信号を発するように構成されている。
第2センサは、第2センサの領域にあるピストンと繋がる構成要素に応じて、信号を発するように構成されている。
ベースは、エンジンの運動を動作に変換するように構成されているエネルギー変換器を含む。
エネルギー変換器は、エンジンの運動を電力に変換するように構成されている。
エンジンは、線形レシプロエンジンである。
エネルギー変換器は、線形レシプロエンジンの線形往復運動を電力に変換するように構成されている。
シリンダは、第1燃焼チャンバが形成され得る第1端部、及び第2燃焼チャンバが形成され得る第2端部を有する。第1端部は、第2端部と対向する。
第1シリンダヘッドは、第1燃焼チャンバの端部に配置されている。第2シリンダヘッドは、第2燃焼チャンバの端部に配置されている。
第1燃焼チャンバと第2燃焼チャンバを通して延びる少なくとも1つのピストンロッド部を含むピストンロッド。少なくとも1つのピストンロッド部は、ピストンの第1の側に配置されている少なくとも1つの第1ポート、及びピストンの第1の側と対向するピストンの第2の側に配置されている少なくとも1つの第2ポートを有する。
エンジンは、対向ピストンエンジンである。
【0199】
また、例えば、シリンダの第1端部において、第1燃焼チャンバと、シリンダの対向する第2端部において、第2燃焼チャンバとを有するシリンダを含む線形レシプロエンジンが提供され得る。第1シリンダヘッドは、第1燃焼チャンバの端部に配置されている。第2シリンダヘッドは、第2燃焼チャンバの端部に配置されている。ピストンは、シリンダ内にスライドできるように取り付けられている。ピストンロッドは、第1燃焼チャンバを通して延びる第1ピストンロッド部と、第2燃焼チャンバを通して延びる第2ピストンロッド部とを含む。第1ピストンロッド部は、ピストンの第1の側に配置されている第1ポートを有する。また、第2ピストンロッド部は、ピストンの第1の側と対向するピストンの第2の側に配置されている第2ポートを有する。また、以下の要素が提供され得る。
機械的運動を電力に変換するように構成されているエネルギー変換器。
線形レシプロエンジンの機械的運動をエネルギー変換器に伝達するように構成されているアクチュエータを含むベース。
複数のモードのいずれかにおいて、線形レシプロエンジン又はエネルギー変換器を動作するように構成されているコントローラ。
アクチュエータは、線形レシプロエンジンと繋がる第1ラック、ギア、エネルギー変換器と繋がる第2ラックを含む。
アクチュエータは、線形レシプロエンジンと繋がるラック、及びエネルギー変換器と繋がるホイールを含む。
【0200】
また、シリンダの第1端部において、第1燃焼チャンバと、シリンダの対向する第2端部において、第2燃焼チャンバとを有するシリンダを含む線形レシプロエンジンを動作するための方法が提供され得る。第1シリンダヘッドは、第1燃焼チャンバの端部に配置されている。第2シリンダヘッドは、第2燃焼チャンバの端部に配置されている。ピストンは、シリンダ内にスライドできるように取り付けられている。ピストンロッドは、第1燃焼チャンバと第2燃焼チャンバを通して延びる少なくとも1つのピストンロッド部を含む。少なくとも1つのピストンロッド部は、ピストンの第1の側に配置されている少なくとも1つの第1ポート、及びピストンの第1の側と対向するピストンの第2の側に配置されている少なくとも1つの第2ポートを有する。また、以下の要素が提供され得る。
第1センサによって、線形レシプロエンジンのピストンがシリンダの第1の半分又は第2の半分にあることを判定するステップ。
第2センサによって検出されるインクリメントの数に基づいて、ピストンによる移動距離を判定するステップ。
時間周期において、検出されるインクリメントの数に基づいて、ピストンの速度を判定するステップ。
ピストンの速度に基づいて、ピストンと接続している揺動質量のエネルギーを判定するステップ。
揺動質量の判定されたエネルギーに基づいて、線形レシプロエンジンの線形往復運動を電力に変換するように構成されているエネルギー変換器の荷重を決めるステップ。
【0201】
また、例えば、シリンダの第1端部において、第1燃焼チャンバと、シリンダの対向する第2端部において、第2燃焼チャンバとを有するシリンダを含む内燃エンジンのピストンの位置を判定する方法が提供され得る。ピストンは、シリンダ内にスライドできるように取り付けられている。ピストンロッドは、燃焼チャンバを通して、ピストンからシリンダの外部の領域に向けて延びる。また、以下の要素が提供され得る。
第1センサによって、線形レシプロエンジンのピストンがシリンダの第1領域又は第2領域にあることを判定するステップ。
第2センサによって検出されるインクリメントの数に基づいて、ピストンによる移動距離を判定するステップ。
第1位置又は第2位置における揺動質量の運動パラメータを判定するステップ。
第1位置は、第1センサの出力が遷移する位置に対応する。
第2位置は、予め決められた距離で第1位置から離れている位置に対応する。
運動パラメータを判定するステップは、所定の間隔において、第2センサによって検出されるインクリメントの数に基づいて、ピストンの速度を判定するステップを含む。
運動パラメータは、第1位置において、判定されているピストンの速度に基づいている。
運動パラメータに基づいて変換されるエネルギーの荷重を決めるステップ。
荷重は、ピストンの運動に抵抗するように構成されている。
荷重は、ピストンの運動を補助するように構成されている。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン内のピストンの位置を判定するためのシステムであって、
第1出力又は第2出力を判定するように構成されている第1センサを備えており、
前記第1出力は、シリンダの第1領域内にある前記ピストンに対応しており、
前記第2出力は、前記シリンダの第2領域内にある前記ピストンに対応しており、
前記システムは、
第2センサと、
前記ピストンが前記シリンダ内の基準点に達するとき、前記エンジンのパラメータを判定するように構成されているコントローラ
とを備えており、
前記コントローラは、
前記エンジンの事前の動作に基づいて、前記基準点を調整して、
時間周期における前記第2センサによって検出されるインクリメントの数に基づいて、前記ピストンの速度を判定して、
前記ピストンの速度に基づいて、前記ピストンと接続している揺動質量のエネルギーを判定して、
前記揺動質量の前記エネルギーに基づいて、前記エンジンの線形往復運動を電力に変換するように構成されているエネルギー変換器の荷重を決めるように構成されていることを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記パラメータは、前記ピストンの前記位置を含むことを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記第2センサは、前記第2センサによって検出される
1つ以上のインクリメントの数に基づいて、前記ピストンの移動距離を判定するように構成されて
おり、
前記パラメータは、前記ピストンの速度を含むことを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、前記パラメータに基づいて、前記システムの動作を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記システムの前記動作は、
前記エネルギー変換器に与えられる前記荷重を含んでおり、
前記エネルギー変換器は、前記システムに含まれることを特徴とする、請求項4のシステム。
【請求項6】
前記システムの前記動作は、燃料噴射タイミングを決めることを含むことを特徴とする、請求項4のシステム。
【請求項7】
前記コントローラは、前記シリンダ内の位置として、前記基準点を決めるように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記ピストンが第1位置に達した後、前記ピストンが予め決められた時間周期で移動する位置として、前記基準点を決めるように構成されており、
前記第1センサは前記第1位置に配置されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、予め決められた距離の大きさで第1位置から離れている位置として、前記基準点を決めるように構成されており、
前記第1センサは前記第1位置に配置されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項10】
前記第1センサは、前記エンジンの構成要素が前記エンジン内の第1固定位置に達するとき、第1精度により、前記パラメータに関する情報を判定するように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項11】
前記第2センサは、第2精度により、前記パラメータに関する情報を判定するように構成されており、
前記第2精度は、前記第1精度より高精度であることを特徴とする、請求項10のシステム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記ピストンが前記基準点に達するとき、前記第2センサの出力に基づいて、前記パラメータを判定するように構成されていることを特徴とする、請求項11のシステム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記第1センサの前記第1出力と前記第2出力との間の変化量に基づいて、前記ピストンの移動方向を判定するように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項14】
前記コントローラは、前記第1センサの前記第1出力と前記第2出力との間の変化量に基づいて、前記システムに燃料を前記シリンダの前記第1領域又は前記シリンダの前記第2領域に向けて噴射させることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記荷重を、前記ピストンが、自然発火が前記シリンダ内で起こる位置における停止に向けて減速するような値に設定するように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項16】
前記第1センサは、ホール効果センサを含むことを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記第1センサの前記第1出力と前記第2出力との間の変化量に基づいて、前記ピストンが、前記シリンダの中間点に達して、
燃料が、前記ピストンが前記中間点に達するとき、前記シリンダの前記第1領域又は前記シリンダの前記第2領域に向けて噴射されることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項18】
前記第2センサは、前記第2センサの領域を通過するラックによって回転するホイールの歯に応じて、インクリメントを検出するように構成されており、
前記コントローラは、前記第2センサによって検出される1つ以上のインクリメントに基づいて、前記ピストンによる移動距離、又は前記ピストンの速度を判定するように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、エンジン始動モードにおいて、前記第1センサの出力に基づいて、前記ピストンを、前記第1領域と前記第2領域の対向する方向に移動させるため、エネルギー変換器から出力を生じるように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項20】
前記第2センサは、前記第2センサの領域を通過する前記エンジンの構成要素に応じて、インクリメントを検出するように構成されており、
前記コントローラは、
エンジン始動モードにおいて、前記ピストンが、前記ピストンの速度に基づいて、最大量の圧縮と所定量の空気導入を生じる前記シリンダ内の位置を判定して、
前記ピストンが前記第2センサの出力に基づいて前記位置に達することを判定することに応じて、前記シリンダ内において、スパークを生じるための信号を送信するように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項21】
前記第2センサは、前記第2センサの領域を通過する前記エンジンの構成要素に応じて、インクリメントを検出するように構成されており、
前記コントローラは、
前記第2センサによって検出される1つ以上のインクリメントに基づいて、前記ピストンによる移動距離、又は前記ピストンの速度を判定して、
発電モードにおいて、前記第2センサの出力に基づいて、エネルギー変換器内の可変抵抗をインクリメントするように構成されていることを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項22】
前記第2センサは、前記第2センサの領域を通過する前記エンジンの構成要素に応じて、インクリメントを検出するように構成されており、
前記コントローラは、
前記時間周期における前記第2センサによって検出される1つ以上のインクリメントに基づいて、前記ピストンの速度を判定して、
前記ピストンの速度に基づいて、前記シリンダの前記第1領域又は前記シリンダの前記第2領域に向けて噴射するための燃料の量を判定することを特徴とする、請求項1のシステム。
【請求項23】
エンジン内のピストンの位置を判定するためのシステムであって、
第1出力又は第2出力を判定するように構成されている第1センサを備えており、
前記第1出力は、シリンダの第1領域内にある前記ピストンに対応しており、
前記第2出力は、前記シリンダの第2領域内にある前記ピストンに対応しており、
前記システムは、
前記第2センサの領域を通過する前記エンジンの構成要素に応じて、インクリメントを判定するように構成されている第2センサと、
前記ピストンが前記シリンダ内の基準点に達するとき、前記エンジンのパラメータを判定するように構成されているコントローラとを備えており、
前記コントローラは、
前記エンジンの事前の動作に基づいて、前記基準点を調整して、
時間周期における前記第2センサによって検出される1つ以上のインクリメントに基づいて、前記ピストンの速度を判定して、
前記ピストンの速度に基づいて、前記ピストンと接続している揺動質量のエネルギーを判定して、
前記シリンダの端部において、前記ピストンの速度が予め決められた位置に達するために不十分であることを判定することに応じて、前記シリンダ内において、スパークを生じるための信号を送信するように構成されていることを特徴とする、システム。
【請求項24】
エンジン内のピストンの位置を判定するためのシステムであって、
第1出力又は第2出力を判定するように構成されている第1センサを備えており、
前記第1出力は、シリンダの第1領域内にある前記ピストンに対応しており、
前記第2出力は、前記シリンダの第2領域内にある前記ピストンに対応しており、
前記システムは、
前記第2センサの領域を通過する前記エンジンの構成要素に応じて、インクリメントを検出するように構成されている第2センサと、
前記ピストンが前記シリンダ内の基準点に達するとき、前記エンジンのパラメータを判定するように構成されているコントローラとを備えており、
前記コントローラは、
前記エンジンの事前の動作に基づいて、前記基準点を調整して、
前記第2センサによって検出される1つ以上のインクリメントに基づいて、前記ピストンによる移動距離、又は前記ピストンの速度を判定して、
発電モードにおいて、前記第2センサの出力に基づいて、エネルギー変換器内の可変抵抗をインクリメントして、
前記発電モードにおいて、前記ピストンの速度が、自然発火が前記シリンダ内で起こる位置に達するために不十分であることを判定することに応じて、前記可変抵抗をデクリメントすることを特徴とする、システム。
【国際調査報告】