(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械
(51)【国際特許分類】
B65B 43/30 20060101AFI20220720BHJP
【FI】
B65B43/30 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516261
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(85)【翻訳文提出日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 ES2019070337
(87)【国際公開番号】W WO2020234489
(87)【国際公開日】2020-11-26
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521512653
【氏名又は名称】フレキシブル パッケージング カンパニー, エス.エル.
【氏名又は名称原語表記】Flexible Packaging Company, S.L.
【住所又は居所原語表記】Cami del Cementiri, s/n, nave 19, Pol., Ind. Can Ribot, 08319 DOSRIUS (Barcelona), Espana
(74)【代理人】
【識別番号】100137095
【氏名又は名称】江部 武史
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ソラ メルガレホ, エステバン
(72)【発明者】
【氏名】モントパート サンチェス, ホセ, ルイス
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BB02
3E030BC02
3E030CA02
3E030CA04
3E030CA09
3E030CB02
3E030EA01
3E030FA05
3E030GA05
(57)【要約】
閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械は、閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器(10)を供給する供給ステーション(1)と、容器の中に製品を投入する投入ステーションと、容器の内部に製品が収納された状態で、容器を封止する封止ステーション(6)と、を備える。パッケージするための機械は、容器(10)を開く開口ステーション(3)をさらに備え、開口ステーション(3)は、投入ステーションよりも前に配置されている。パッケージするための機械は、閉塞要素が閉じている場合、開口ステーションにおいて、閉塞要素を開くことができるので、閉塞要素の開閉状態にかかわらず、容器を供給することが可能となり、これにより、パッケージするための機械の生産性を向上させることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械であって、
前記閉塞要素を備える前記予備成形された可撓性容器(10)を供給する供給ステーション(1)と、
前記容器の中に前記製品を投入する投入ステーションと、
前記容器内に前記製品が収納された状態で、前記容器を封止する封止ステーション(6)と、を備え、
前記パッケージするための機械は、前記容器(10)を開く開口ステーション(3)をさらに備え、
前記開口ステーション(3)は、前記投入ステーションよりも前に配置されていることを特徴とする、閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項2】
前記開口ステーション(3)は、前記容器(10)の対向する2つの側面に固定される1対の吸引要素(31)を備える請求項1に記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項3】
前記開口ステーション(3)は、前記製品を投入する前に、前記容器(10)を開く1対の開口グリッパー(32)を備える請求項1または2に記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項4】
前記供給ステーション(1)は、運送ベルト(11)を備える請求項1に記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項5】
前記供給ステーション(1)は、前記容器(10)の位置を検出する位置決めセンサーを備える請求項1ないし4のいずれかに記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項6】
前記容器(10)を、前記供給ステーション(1)から前記開口ステーション(3)へ運ぶ位置決めアーム(2)をさらに備える請求項1ないし5のいずれかに記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項7】
前記位置決めアーム(2)は、前記容器供給ステーション(1)における容器ピックアップ位置から、前記開口ステーション(3)へのデリバリー位置まで傾斜可能である請求項6に記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項8】
前記供給ステーション(1)は、前記容器(10)の前端を持ち上げるための吸引要素(13)を備える請求項1に記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項9】
閉塞要素供給ステーション(4)をさらに備える請求項1に記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項10】
前記閉塞要素供給ステーション(4)は、前記閉塞要素の通過を可能にする開位置と、少なくとも1つの前記閉塞要素の通過を防ぐ閉位置の間で変位可能にヒンジ連結されたフラップ(41)を備える請求項9に記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項11】
前記閉塞要素供給ステーション(4)は、少なくとも1つの前記閉塞要素をロックするためのロックピストン(42)を備える請求項9または10に記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項12】
前記閉塞要素供給ステーション(4)は、前記閉塞要素を掴むためのグリッパー(43)を備える請求項9ないし11のいずれかに記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項13】
前記封止ステーション(6)は、封止ジョー(61)を備える請求項1に記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【請求項14】
前記閉塞要素は、キャップ(5)および/またはジッパーである請求項1または9のいずれかに記載の閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械(machine for packaging products in preformed flexible containers with a closing element)に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な形態のパッケージが市販されており、それぞれが特定の用途に適するよう構成されている。より具体的には、「ドイパック(Doypack)(登録商標)」として、市場で一般に知られているパッケージが存在しており、それは、粒状製品または液状製品用の使い捨てパッケージとして通常使用され、閉塞要素(closing element)を備えるという特徴を有している。
【0003】
この閉塞要素は、「ジッパー(Zipper)(登録商標)」として通常知られるタイプのものであり、粉末製品、顆粒製品、衛生用品、清掃用品、または食品に一般的に使用されている。この閉塞要素の形態は、直線に沿うスナップ式閉塞具(snap closure along a line)である。
【0004】
さらに、このタイプの容器は、必要に応じて、容器自体に成形され、さらに、キャップによって閉塞されるノズルを備えていてもよい。
【0005】
最大のパッケージ生産性を達成するために、自動パッケージ機械が用いられている。自動パッケージ機械は、容器の中に製品を投入する(dose)ための投入ステーション(dosing station)と、充填された容器が封止(seal)される封止ステーション(sealing station)と、を備えている。
【0006】
「ドイパック(Doypack)(登録商標)」容器を使用する際、閉塞要素を開いた状態で、機械に容器を供給することが常に必要となる。しかしながら、容器の製造過程において閉塞要素が閉じたままとなっている可能性がある。そのため、結果として、閉塞要素が閉じたままとなっていることに伴う問題が生じることになり、閉塞要素の存在は、パッケージ作業をより困難にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、閉塞要素を備える容器内に、製品を迅速かつ容易にパッケージすることを可能にするパッケージ機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のパッケージ機械によれば、上述したデメリットは解消され、後述される他のメリットがもたらされる。
【0009】
本発明によれば、閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械であって、
前記閉塞要素を備える前記予備成形された可撓性容器を供給する供給ステーションと、
前記容器の中に前記製品を投入する投入ステーションと、
前記容器内に前記製品が収納された状態で、前記容器を封止する封止ステーションと、を備え、
前記パッケージするための機械は、前記容器が開かれる開口ステーションをさらに備え、
前記開口ステーションは、前記投入ステーションよりも前に配置されていることを特徴とする、閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器における製品をパッケージするための機械が提供される。
【0010】
この特徴により、閉塞要素が閉じている場合、開口ステーション(opening station)において、閉塞要素を開くことができるので、閉塞要素の開閉状態にかかわらず、容器供給が可能であり、パッケージ機械の生産性が向上する。
【0011】
有利なことに、開口ステーションは、容器の対向する2つの部位に取り付けられた1対の吸引要素(吸引カップ(suction cups)等)をさらに備えている。
【0012】
さらに、開口ステーションは、好ましくは、製品の投入前に容器を開く、1対の開口グリッパー(a pair of opening grippers)をさらに備えている。例えば、このグリッパーは、容器の口に挿入される1対のプレートであり、この1対のプレートが互いに離間されることで、容器の口が開かれる。
【0013】
本発明に係る、閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内に製品をパッケージするための機械において、容器供給ステーション(container feeding station)は、好ましくは、運送ベルト(conveyor belt)を備えている。
【0014】
容器供給ステーションは、好ましくは、容器の位置を検出し、容器が正しい位置にあるか否かを判別することができる位置決めセンサー(positioning sensor)をさらに備えている。
【0015】
本発明に係る、閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械は、好ましくは、容器供給ステーションから開口ステーションへ容器を運ぶ位置決めアーム(positioning arm)をさらに備えている。この位置決めアームは、有利なことに、容器供給ステーションにおける容器ピックアップ位置(container pick-up position)から、開口ステーションへの容器デリバリー位置(container delivery position)まで傾斜可能(tiltable)となっている。
【0016】
さらに有利なことに、容器供給ステーションは、位置決めアームによって保持される容器の前端を持ち上げるための吸引要素を備えている。
【0017】
本発明に係る、閉塞要素を備える予備成形された可撓性容器内へ製品をパッケージするための機械は、閉塞要素供給ステーション(closing element feeding station)を備えていてもよい。
【0018】
好ましい実施形態によれば、閉塞要素供給ステーションは、閉塞要素の通過が可能な開位置(open position)と、少なくとも1つの閉塞要素の通過を防止する閉位置(closed position)の間で変位可能にヒンジ連結された(hinged)フラップ(flap)と、少なくとも1つの閉塞要素をロックするためのロックピストン(locking piston)と、および/または、閉塞要素を保持するためのグリッパー(grippers)と、を備えている。
【0019】
さらに、封止ステーション(sealing station)は、好ましくは、封止ジョー(sealing jaws)を備えている。
【0020】
閉塞要素は、プラグ(plug)および/またはジッパー(zipper)である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
上記説明事項についての理解を深めるために、幾つかの図面が本明細書に含まれており、概略的および非限定的な例として、実施形態の実用事例が示されている。
【
図1】
図1は、予備成形された可撓性容器を供給中の、本発明に係るパッケージ機械の斜視図である。
【
図2】
図2は、容器供給ステーションから開口ステーションへ容器を移動している間の、本発明に係るパッケージ機械の斜視図である。
【
図3】
図3は、容器供給ステーションから開口ステーションへ容器を移動している間の、本発明に係るパッケージ機械の斜視図である。
【
図4】
図4は、開口ステーションにおいて、容器が初期位置にある際の、本発明に係るパッケージ機械の斜視図である。
【
図5】
図5は、開口ステーションにおいて、容器が開位置にある際の、本発明に係るパッケージ機械の斜視図である。
【
図6】
図6は、ヒンジ連結されたフラップ(hinged flap)が閉位置にある際の、閉塞要素供給ステーションの斜視図である。
【
図7】
図7は、ヒンジ連結されたフラップが開位置にある際の、閉塞要素供給ステーションの斜視図である。
【
図8】
図8は、本発明に係るパッケージ機械の斜視図であって、封止ジョーが開位置にある際の封止ステーションを示している。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書に添付の図は、本発明に係るパッケージ機械に最も関連のあるステーションを図示しているが、最終のステーションである(
図1から5の実施形態に関する)投入ステーションおよび封止ステーションは、単純化のため、そして、これら投入ステーションおよび封止ステーションが従来と同様のものであるため、図示されていない。
【0023】
このパッケージ機械は、業界で、「ジッパー(Zipper)(登録商標)」として一般的に知られる閉塞要素を備えるタイプの容器用に、特別に設計されていることが、留意されなければならない。換言すれば、このパッケージ機械は、「ドイパック(Doypack)(登録商標)」として知られる容器用に設計されている。
【0024】
本発明に係るパッケージ機械の主な利点は、パッケージ機械が所望の製品を投入する前に、容器を開くことができるので、容器の閉塞要素が開いていても、閉じていても容器の供給が可能になるということである。
【0025】
本発明に係るパッケージ機械は、容器10を供給する運送ベルト11を有する容器供給ステーション(container feeding station)を備えている。容器供給ステーションは、参照番号1により概して特定される。
【0026】
運送ベルト11は、複数のローラー12と、容器10の位置を検出し、容器の位置が正確か否かを判別するセンサーと、を備えていても良い。
【0027】
容器10の位置が正確である場合、複数の吸引要素13は、容器10を保持し、容器10の口が形成された容器10の前端を持ち上げ、さらに、位置決めアームが容器10の前端に連結される。
【0028】
位置決めアーム2は、好ましくは、傾斜可能であり、容器供給ステーション1から開口ステーション3まで容器を移動させる。この動作は、
図2および
図3に示されている。
【0029】
図4に示されているように、開口ステーション3において、容器10は、適切な位置に配置される。この位置で、複数の吸引要素31(吸引カップ等)は、容器10の口が形成された端付近の対向する2つの部分に固定される。
【0030】
さらに、開口ステーション3は、容器10の閉塞要素を開くための複数の開口グリッパー32を備えている。また、
図5に示されているように、開口ステーション3は、容器10の閉塞要素を開く。
【0031】
複数の開口グリッパー32は、好ましくは、容器10を開くために容器10の口の中に挿入される複数のプレートから形成される。
【0032】
次に、図示されていないが、容器10は、適切な製品を容器10内に投入し、容器10を充填する投入ステーションへ運ばれる。最後に、容器10は、封止される。この際、必要に応じて、キャップが取り付けられる可能性がある。
【0033】
図6から
図8は、閉塞要素が、ドイパック(Doypack)(登録商標)タイプの可撓性容器に取り付けられるキャップである場合に利用される、本発明に係る製品パッケージ機械の他の実施形態を示している。
【0034】
しかしながら、同一の機械が、ジッパー(Zipper)(登録商標)を備えるドイパック(Doypack)(登録商標)タイプの可撓性容器をパッケージするための部分およびキャップを備えるドイパック(Doypack)(登録商標)タイプの可撓性容器をパッケージするための部分を備え得ることが、留意されなければならない。
【0035】
本実施形態において、パッケージ機械は、閉塞要素(すなわち、キャップ5)を供給するためのステーション4を備えている。
【0036】
図示された実施形態によれば、閉塞要素供給ステーション4において、複数のキャップが上下垂直に重ねられており、ヒンジ連結されたフラップ41が、最後尾のキャップ5または積み重ねられたキャップの中で最も低い位置に配置されているキャップの供給を停止する。
【0037】
さらに、複数のキャップが同時に供給されてしまうことを防止するために、閉塞要素供給ステーション4は、積まれたキャップの中で、ヒンジ連結されたフラップ41が開かれる前に、最後尾から2番目に位置しているキャップ(the penultimate cap 5)が前進することをブロックまたはロックするブロック/ロックピストン42をさらに備えている。
【0038】
この閉塞要素供給ステーション4は、最後尾のキャップ5を容器10に取り付けるために、キャップ5を保持する複数のグリッパー(grippers)43をさらに備えている。
【0039】
容器10に対するキャップ5の位置決めは、好ましくは、溶着により実行され、より良い溶着品質を得ることができるように、溶着と同時に、キャップ5は、容器10の上部において引き伸ばされ(stretched)、および/または、容器10の上部を閉塞する。
【0040】
図6は、ヒンジ連結されたフラップ41が、閉位置にある状態を示している。一方、
図7は、ヒンジ連結されたフラップ41が、開位置にあることにより、積み重なったキャップから、最後尾のキャップ5を下降させ、容器10にキャップを取り付けることができる状態を示している。
【0041】
パッケージ機械は、複数の封止ジョー61によって、容器10を封止する封止ステーション6をさらに備えている。
図6において、閉位置にある状態での、容器10を封止する複数の封止ジョー61が示されている。一方、
図8においては、複数の封止ジョー61が開位置にある状態が示されている。
【0042】
容器10が溶着されると、複数のグリッパー43が開き、キャップ5が解放され、複数のグリッパー43は、元の位置にまで上昇させられる。
【0043】
さらに、成形済みの容器10が移送され、次の容器10に取り付けられる次のキャップ5の受け取りを待つ。
【0044】
本発明の具体的な実施形態に対する参照がなされたが、開示されたパッケージ機械は、多数の変形および変更が可能であり、記述されたすべての詳細は、添付の特許請求の範囲によって規定される保護範囲から逸脱しない範囲で、技術的に均等なその他のものによって置換可能であることは、当業者にとって明らかである。
【国際調査報告】