(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(54)【発明の名称】ゴルフクラブヘッド、及びゴルフクラブ
(51)【国際特許分類】
A63B 60/46 20150101AFI20220721BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20220721BHJP
【FI】
A63B60/46
A63B102:32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570329
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2020064583
(87)【国際公開番号】W WO2020239769
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521515632
【氏名又は名称】ゴルフャー アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュタドラー,ロジャー
(57)【要約】
本発明は、ゴルフボールを打つための打撃プレート(4)を含むゴルフクラブ用のクラブヘッド(1)に関する。クラブヘッドは、打撃プレート(4)が取り付けられる第一の材料からなるシェル(2)、シェル(2)によって少なくとも部分的に取り囲まれた第二の材料からなるコア(3)、及び第三の材料からなる少なくとも1つのウェイト要素(6;6a,6b)を含む。コア(3)の第二の材料は、シェル(2)の第一の材料よりも低密度である。ウェイト要素(6;6a,6b)の第三の材料は、シェル(2)の第一の材料及び/又はコア(3)の第二の材料よりも高密度である。好ましくは、コア(3)の内部に少なくとも部分的に配設された、少なくとも一つのセンサーユニット(5)を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブ用のクラブヘッド(1)であって、
ゴルフボールを打つための打撃プレート(4)と、
前記打撃プレート(4)が取り付けられる、第一の材料からなるシェル(2)と、
前記シェル(2)によって少なくとも部分的に取り囲まれた、第二の材料からなるコア(3)と、
第三の材料からなる少なくとも一つのウェイト要素(6;6a,6b)と
を含み、
前記コア(3)の前記第二の材料が、前記シェル(2)の前記第一の材料よりも低密度であり、
前記ウェイト要素(6;6a,6b)の前記第三の材料が、前記シェル(2)の前記第一の材料及び/又は前記コア(3)の前記第二の材料よりも高密度である、
クラブヘッド。
【請求項2】
前記クラブヘッド(1)は、前記コア(3)の内部に少なくとも部分的に配設された、少なくとも一つのセンサーユニット(5)をさらに含む、請求項1に記載のクラブヘッド。
【請求項3】
前記コア(3)は、前記センサーユニット(5)を完全に取り囲む、請求項2に記載のクラブヘッド。
【請求項4】
前記センサーユニット(5)は、インパクトの動的特性を検出する、少なくとも一つのセンサーを含み、当該センサーは、好ましくは、角速度センサー、及び/又は加速度センサー、及び/又は磁気センサーである、請求項2又は3に記載のクラブヘッド。
【請求項5】
前記センサーユニット(5)は、偽造防止を保証する、少なくとも一つのセンサーを含み、前記センサーは、好ましくは、RF信号を送信及び/又は受信するのに適したRFIDトランスポンダーとして設計された、請求項2~4のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項6】
前記センサーユニット(5)は、破壊せずにクラブヘッドから取り外し可能である、請求項2~5のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項7】
前記センサーユニット(5)にエネルギーを供給するエネルギー供給ユニットをさらに含み、前記エネルギー供給ユニットは、前記クラブヘッド内、好ましくは前記コア(3)内に配設されている、請求項2~6のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項8】
前記シェル(2)は、前記コア(3)を完全に取り囲む、請求項1~7のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項9】
前記シェル(2)の前記第一の材料が、複合材料である、請求項1~8のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項10】
前記コア(3)の前記第二の材料は、発泡材料である、請求項1~9のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項11】
前記コア(3)の前記第二の材料は、ガス状の材料、特に、空気である、請求項1~9のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項12】
前記コア(3)は、前記シェル(2)よりも前記クラブヘッドのより大きな体積を占める、請求項1~11のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項13】
前記ウェイト要素(6;6a,6b)は、前記クラブヘッド内、又は前記クラブヘッド上に、移動不能に配設され、又は、
前記クラブヘッドは、さらに空洞を含み、前記ウェイト要素(6)は、前記空洞内に変位可能に配設される、請求項1~12のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項14】
前記ウェイト要素(6)は、前記シェル(2)の内部、好ましくは前記コア(3)の内部に配設されている、請求項1~13のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項15】
第一のウェイト要素(6a)と第二のウェイト要素(6b)とを備え、これらは、それぞれ前記打撃プレート(4)に対して横方向に配設される、請求項1~13のいずれか一項に記載のクラブヘッド。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載のクラブヘッド(1)を含む、ゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴルフクラブ用のクラブヘッド、及びそのようなクラブヘッドを備えたゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフは、ゴルファーのパフォーマンスと、ゴルフクラブの技術的特性の両方が、中核的に重要となる、広く知られたスポーツである。技術的な観点から、さまざまな周囲の状況から、可能な限り制御され、目標を定めて、ホールの近くに、ゴルフボールを打てるようにすることが重要である。したがって、ゴルフクラブの開発と製作の分野では、ショットの方向精度と到達可能な距離との両方を改善することが、目的の一つである。
【0003】
ゴルフクラブに対するこれらの純粋に技術的な要求に加えて、ゴルファーのプレースキルが重要であることに疑いはない。したがって、ゴルファーのパフォーマンスを改善する機会を当人に提供することが強く望まれる。ゴルファーのプレースキルを向上させるためには、当人のプレーの欠点を当人が理解できるようにする必要がある。ゴルファーのゴルフ競技を可能な限り正確に記録及び分析できる測定装置及び分析装置は、ゴルファー当人のトレーニングを大いに支援し得る。
【0004】
例えば、特許文献1は、ゴルフクラブに取り付けられる測定装置を開示し、当該測定装置によって、インパクトの精度、及びスイング動作に関するデータが、例えば、携帯電話、スマートフォン、又はPDAなどの携帯型の評価装置に無線送信されるようにしている。一方、打撃精度は、クラブヘッドの打撃面に取り付けられたセンサープレートで測定され、回転方向、角速度、角度位置、及びクラブヘッドのバックスイングとダウンスイングのフェーズの持続時間も同様に測定される。
【0005】
特許文献2は、クラブヘッドの速度及び/又は速度プロファイルを測定するために、クラブヘッドに配設された測定装置を備えるゴルフクラブを記載する。ストローク動作中の最高速度、又は速度プロファイルが、ゴルフクラブに取り付けられたディスプレイ装置に表示される。
【0006】
クラブヘッド自体に取り付けられて、各々のゴルフスイングを記録又は分析することを他に技術的に可能とするものが、例えば、特許文献3から知られており、それにあっては、角速度運動又は衝撃力などの物理的パラメータが、クラブヘッド内のセンサーによって直接測定され、ゴルフスイングの分析に利用される。この目的のために、打撃面は、圧力センサーが間に配設された、外側の金属層と内側の金属層を備えることができる。
【0007】
クラブヘッド内に組み込まれるか、又はクラブヘッド上に取り付けられたセンサーモジュールによってゴルフスイングの動作を検出することが、特許文献4から知られている。センサーモジュールは、ジャイロセンサーと加速度センサーとを備えている。
【0008】
ゴルフクラブ、ゴルフ用品全般、及び全てのトレーニングアクセサリーは、特に、高度な技術的要件のために、多くの場合、非常に高価である。したがって、ゴルファーにとって他に必要なことは、当人の用品を盗難の恐れから保護し得るようにすることである。同時に、ゴルファーが偽造品を購入することなく、当人の品質要件、特に、当人の技術的要件を満たす正規品を購入することも当人の利益になる。
【0009】
特許文献5は、ゴルフクラブのグリップに取り付けられるHFタグ又はRFIDタグを開示する。装置は、タグに信号を定期的に送信する。タグが、装置から所定の距離内にある限り、フィードバック信号がタグから装置に送信される。タグが、定められた距離の外にあると、装置からゴルファーに通知が送信される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2009/118019号
【特許文献2】独国特許出願公開第10103449号
【特許文献3】米国特許出願公開第2010/0093458号
【特許文献4】国際公開第2005/118086号
【特許文献5】国際公開第2006/124091号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ゴルフでは、多くの場合に、クラブヘッドによって非常に強い力でゴルフボールを打撃する。この結果として、テニス競技と同様に、ボールへのインパクトの際、又はインパクト後のゴルフクラブの振動又は揺動は、いわゆる「テニス肘」につながる可能性があることが知られている。この健康面に加えて、ゴルフクラブの振動又は揺動は、ストローク、ショット、したがって、全体の動作、及びストロークのプロファイルに影響を及ぼし、それ故に、ゴルファーのパフォーマンスにも大きな影響を及ぼす。また、ゴルフクラブの反動(キックバック)及び振動によって、ボールの加速に利用されるべきインパクトのエネルギーが失われもする。ゴルフクラブに取り付けられた測定装置又は分析装置も、この振動又は揺動の影響を受け、それにより、振動又は揺動の程度によっては、測定結果又は分析結果が不正確になり得る。
【0012】
インパクトのエネルギーが大きいことにより、センサーユニットがダメージを受けるリスクもある。このようなダメージのリスクは、センサーユニットのより堅牢な設計によって低減され得る。しかしながら、これは通常、ゴルフクラブの重量を増加させ、ストロークの挙動に意図しない変化をもたらす虞がある。これは、ゴルフクラブの振動又は揺動を増加させ、したがって、前述したテニス肘のリスクを増加させる虞もある。
【0013】
ゴルフクラブの最も大きなスイングの動作は、バックスイングから打撃の瞬間までにクラブヘッドによってなされるため、クラブヘッドに備えられた測定装置又は分析装置は、ゴルファーのクラブの動作を可能な限り完全に記録するのに非常に適している。しかしながら、クラブヘッドはティーショットの大きな力に最もさらされるので、クラブヘッドに測定装置又は分析装置を備えることは、例えば、前述の振動又は揺動による、特定の不利及び/又はリスクと関連している。例えば、振動又は揺動は、測定結果又は分析結果に、望ましくない影響を与え得る。さらに、測定装置又は分析装置には、それ自身に重量があり、その重量がスイングの挙動に望ましくない変化をもたらし得る。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、打撃性能が改善された、ゴルフクラブ用のクラブヘッドを提供することである。この目的は、請求項1の特徴を備えるクラブヘッドによって達成される。
【0015】
かくして、ゴルフボールを打つための打撃プレートを含むゴルフクラブ用のクラブヘッドが提供される。クラブヘッドは、打撃プレートが取り付けられる、第一の材料からなるシェルと、シェルによって少なくとも部分的に取り囲まれた、第二の材料からなるコアと、第三の材料からなる少なくとも一つのウェイト要素とを含む。コアの第二の材料は、シェルの第一の材料よりも低密度である。さらに、ウェイト要素の第三の材料は、シェルの第一の材料及び/又はコアの第二の材料よりも高密度である。
【0016】
コアとシェルとで材料の密度が異なるため、振動と反動の減衰も良好な、とりわけ軽量のクラブヘッドを製造できる。ウェイト要素によって、クラブヘッドの重量分布は、その打撃性能に関して最適化することができ、及び/又はウェイト要素を使用して、所定の重量仕様を達成することができる。特に、ウェイト要素は、最適な打撃性能を達成するために、クラブヘッド内の正確に規定された、好ましくは、予め計算された位置に配設することができる。少なくとも一つのウェイト要素によって、クラブヘッドの慣性モーメントを増加させ、及び/又はその重心を変更することにより、例えば、高い方向精度及び長い打撃距離を達成することができる。
【0017】
振動と反動の減衰により、人間工学に基づいたハンドリング、インパクトのエネルギーのより良好な利用によるボールの加速増加、及び弾道のバラツキ低減が可能になる。さらに、人間工学に基づいたハンドリングの観点からゴルファーを保護し、正確なストローク制御を可能にすることもできる。かくして、クラブヘッドは、特に優れた打撃性能を備える。
【0018】
特に、コアの第二の材料は、シェルの第一の材料よりも柔らかく、及び/又はより弾力性があり得る。
【0019】
シェルは、打撃プレートによって部分的に取り囲まれるようにし得る。シェルは、コアを部分的に取り囲むか、又は完全に取り囲むようにし得る。しかしながら、シェルは、コアの少なくとも主要部を取り囲むのが有利である。
【0020】
打撃プレートは、シェルの外側に直接取り付けられ、特に、シェルの上に直接置くのが好ましい。打撃プレートは、通常、比較的硬い材料からなり、特に、コアやシェルの材料よりも硬い材料からなる。例えば、打撃プレートは、特に、鉄などの金属製であってもよい。
【0021】
コアは、シェルよりもクラブヘッドのより大きな体積を占めるのが好ましい。しかしながら、クラブヘッドとシェルとが、同程度の大きさの体積であることも考えられ、それは、例えば、薄い線条細工のクラブヘッドの場合があり得る。
【0022】
シェルの第一の材料は、特に、繊維強化プラスチックなどの複合材料であるようにし得る。ここで、複合材料は、それぞれの個々の成分とは異なる特性を有する、二以上の結合された材料からなる複合材料であると理解される。基本的に、複合材料は、マトリックスと称されるベース材料と、繊維などの補強材料とからなる。マトリックス材料の例示的な材料には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの熱可塑性材料、樹脂などの熱硬化性材料が含まれる。繊維の例には、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド、ケブラー繊維などの材料が含まれる。これに関して、クラブヘッドに適した多数の複合材料が当業者に知られている。
【0023】
しかしながら、クラブヘッドのシェルは、他の材料、例えば、鋼、アモルファス金属、セラミック、炭素、炭素繊維、及び他の繊維材料も含み得る。
【0024】
前述したように、コアの第二の材料は、シェルの第一の材料の密度よりも低密度である。よって、コアの第二の材料は、発泡材料であり得る。ここで、発泡材料とは、通常は、人工的に製造され、密度の低いセル状の構造を有する材料を意味する。発泡及び本用途に適した材料は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又はエラストマーなどの有機高分子固形物の意味での多くのプラスチックであり、加圧下でそれらの体積を減らすことができる、すなわち圧縮性を示す材料である。
【0025】
コアの第二の材料は、特に、空気などのガス状の材料であってもよい。この場合、シェルはキャビティを取り囲み、このキャビティを満たすガス状材料がコアを形成する。かくして、コアはとりわけ軽量となる。驚くべきことに、コアが発泡又はガス状であるクラブヘッドを用いると、いずれにおいても、特に有利な打撃性能が認められた。
【0026】
特に好ましい実施形態では、クラブヘッドは、コアの内部に少なくとも部分的に配設された、少なくとも一つのセンサーユニットをさらに備えている。
【0027】
少なくとも一つのセンサーユニットは、コアの内部に少なくとも部分的に配設されることにより、十分に保護され、当該センサーユニットが及ぼす打撃性能への影響が最小限になる。したがって、センサーユニットは、コアの第二の材料によって少なくとも部分的に取り囲まれているが、コアの内部に完全に配設されているのが好ましく、すなわち、コアの第二の材料によって完全に取り囲まれているのが好ましい。センサーユニットの少なくとも主要部は、コアの内部に配設されているのが有利である。
【0028】
コアのより低い密度及び好ましくは既存の圧縮性は、ダウンスイングの大きな衝撃によって引き起こされる振動又は揺動の減衰又は弱化をもたらし、それによって一方では、これらの望ましくない力からセンサーユニットを保護する。一方、センサーユニットに作用するインパクトのエネルギーを減衰することにより、インパクトの動的特性を正確に測定し、分析することが可能にもなる。
【0029】
センサーユニットは、例えば、信号送信機及び/又は電子ユニット又は信号評価ユニットを有することが考えられ、信号送信機は打撃プレート上に載置され、電子ユニット又は信号評価ユニットは、少なくとも部分的にコアの内部に配設される。好ましくは、センサーユニット、特に、センサーユニットに付属する電子ユニットの主要な体積部分は、コアの内部に配設される。
【0030】
少なくとも一つのセンサーユニットが配設されているコアの第二の材料の密度が低いため、ゴルフボールを打つときに生じるセンサーユニットに加わる衝撃が減衰し、これにより、バックスイング及びダウンスイング中のクラブの動作の正確な検出及び/又は分析が可能になる。
【0031】
コアは、センサーユニットを部分的に取り囲むか、又は完全に取り囲むことができる。しかしながら、センサーユニットは、少なくともシェルによって完全に取り囲まれているのが好ましい。
【0032】
センサーユニットは、インパクトの動的特性を検出する、少なくとも一つのセンサーを含み得る。インパクトの動的特性を検出するセンサーは、角速度センサー及び/又は加速度センサー及び/又は磁気センサーであり得る。当該センサーは、例えば、ゴルフクラブの打撃プレートに取り付けられた、インパクトの精度を測定するセンサーにもなり得る。センサーユニットは、インパクトの動的特性を検出するための二つ以上のセンサーを備え、例えば、そのようなセンサーの一つは角速度センサーであり、別のセンサーは加速度センサー又は磁気センサーであると考えられる。
【0033】
センサーユニットは、偽造防止を保証する、少なくとも一つのセンサーを含み得る。この場合、偽造防止を保証するセンサーは、RF信号を送信及び/又は受信するのに適したRFIDトランスポンダーとして設計され得る。また、センサーユニットには、偽造防止に対する保護を保証する二つ以上のセンサーを有することも考えられる。
【0034】
RFIDは、「無線周波数識別」を意味し、これは、電波によるオブジェクトの非接触識別又は位置特定のための送受信システムで一般的に知られている技術である。RFIDシステムは、通常、オブジェクト上又はオブジェクト内に配置され、識別子を含むトランスポンダーと、この識別子を読み取るための適切なリーダーで構成される。
【0035】
例えば、センサーユニットは、インパクトの動的特性を検出するための一つ以上のセンサー、又は偽造防止を保証するための一つ以上のセンサーを備え得る。しかしながら、センサーユニットは、インパクトの動的特性を検出するための一つ以上のセンサー、及び偽造防止を保証するための一つ以上のセンサーを備えてもよい。換言すれば、センサーユニットは、インパクトの動的特性を検出するために、及び/又は偽造防止を保証するために、任意の数のセンサーを備え得るということができる。
【0036】
センサーユニットは、特に、RFIDトランスポンダーなどの一つ以上のチップの形態の一つ以上のセンサーを備えてもよい。
【0037】
これに代えて、又はこれに加えて、センサーユニットは、打者のスイング及び/又は位置を検出するために、位置センサー、特に、全地球測位システム(GPS)センサーを含み得る。位置センサーは、特に、クラブ又はクラブヘッドの位置を測定するために、例えば、シャフト又はゴルフクラブのグリップに配設された別のセンサーと組み合わせることができる。クラブヘッド、シャフト、又はグリップに、傾斜センサーを設けることもできる。
【0038】
センサーユニットによって検出された信号は、信号評価ユニットに送信することができる。例えば、ストロークの動的特性を検出するための少なくとも一つのセンサーは、加速度を測定する加速度センサー又はクラブヘッドの位置を測定する角速度センサーによって、バックスイング及びダウンスイング中のクラブの動作を検出することができる。これらの測定パラメータ又はデータは、例えば、携帯電話又はiPADなどの携帯用デバイスなどの分析デバイスに、例えば、有線、Bluetooth(登録商標)又は無線LANなどによって、送信することができる。例えば、携帯用デバイスにおいて、ユーザーの学習プロセスをサポートするために、ストロークの一貫性又はストロークの精度を評価することができる。同様に、セキュリティ情報の送信又は評価は、例えば、RFIDトランスポンダーがさらされて、それによって活性化される高周波電磁交番場を生成するリーダーを使用することによって、偽造防止を保証する少なくとも一つのセンサー又はチップによって実行することができる。このようにして、好ましくは、RFIDタグ内のアクティブ化されたマイクロチップの形態で、アクティブ化されたRFIDトランスポンダーは、リーダーの電磁伝送場に影響を与え、かくして、偽造防止に関する判断を導き出すことができる。
【0039】
センサーユニットは、破壊せずにはクラブヘッドから取り外せないように、クラブヘッドのコアに固定することができる。しかしながら、センサーユニットは、破壊せずにクラブヘッドから取り外すことができるようにすることも考えられる。例えば、ねじ込み式又はプラグ式などの接続手段によって組み立てられる、クラブヘッドのモジュール構造では、センサーユニットは非破壊的に取り外すことができる。クラブヘッド又はクラブのモジュール構造の場合、個々のモジュールを交換することも可能である。
【0040】
クラブヘッドは、センサーユニットにエネルギーを供給するエネルギー供給ユニットをさらに含み得る。エネルギー供給ユニットは、クラブヘッド内、好ましくはコア内に、固定されて又は取り外し可能に配設し得る。例えば、エネルギー供給ユニットは、クラブヘッド内に固定されていて、取り外すことができないバッテリーであり得る。または、例えば、クラブヘッドから取り外して再充電したり、新しいバッテリーと交換したりできるバッテリーであり得る。センサーユニットへのそのようなエネルギーの供給は、センサーユニットの能動的な操作といえる。ここで、エネルギー供給ユニットをクラブヘッドではなく、ゴルフクラブの別の位置、例えば、シャフト内に配置することも考えられる。例えば、クラブヘッド又はゴルフクラブの動きによって、揺動質量体が誘導システムに誘導電圧を誘導し、それをセンサーユニットへのエネルギー供給として利用できるようにすることで、センサーユニットの独立したエネルギー供給がなされるようにすることも考えられる。
【0041】
しかしながら、センサーユニットを受動的に操作すること、すなわち、クラブヘッドの外側に配置されたエネルギー供給ユニットを用いて、センサーユニットに供給することも考えられる。かくして、センサーの少なくとも1つ、例えば、RFIDトランスポンダーは、分析装置又は読み取り装置の信号からエネルギーを供給され得る。好ましくは、受信アンテナとしてのコイルを使用して、変圧器と同様に、誘導によってコンデンサを充電することができる。
【0042】
すでに述べたように、多くの場合、センサーユニットには、それ自身に重量があり、その重量がインパクトの動的特性に悪影響を及ぼしたり、スイングの挙動に望ましくない変化をもたらしたりする可能性がある。少なくとも一つのウェイト要素は、とりわけ、センサーユニットに起因するスイングの挙動変化を補償するのに特に役立ち得る。一つ又は複数のウェイト要素は、インパクトの動的特性に対するセンサーユニットの影響を補償するように、クラブヘッド内に設計され、配設されることが好ましい。逆に、センサーユニット自体が、クラブヘッドの打撃性能が特に改善されるように設計され、配設されたウェイト要素を形成することも考えられる。
【0043】
ウェイト要素は、クラブヘッド内又はクラブヘッド上に、移動不能に配設されるのが好ましい。しかしながら、クラブヘッドは、さらに空洞を備えることができ、それによって、ウェイト要素は、空洞内に変位可能に配設される。
【0044】
変位可能に配設されたウェイト要素により、ストロークの際に、この変位可能なウェイト要素に運動エネルギーが蓄積され、クラブヘッドがボールに接触し、かくして、このウェイト要素がインパクトの方向に自由に移動する際にクラブが減速すると、クラブヘッドからボールに伝達されるインパクトのエネルギーに加えて、蓄積された運動エネルギーがさらに放出される。換言すれば、ボールを打つときに、「反動衝撃」としてクラブに作用する力は補償され、リバウンドする大きな付加的な力がボールの加速に寄与し、それによって、特に長い打撃距離を達成できる。
【0045】
ウェイト要素は、完全に又は少なくとも部分的に、特に主要部を、シェル内に配設することができる。好ましくは、ウェイト要素は、完全に又は少なくとも部分的に、特に主要部が、コアの内側に配設される。好ましくは、ウェイト要素は、クラブヘッドの下側の領域に配設される。
【0046】
ウェイト要素は、例えば、半円形又は環状などの所望の重量分布に従って設計することができ、クラブヘッドの下側の領域又は中央の領域に配設することができる。
【0047】
特に好ましい実施形態によれば、第一のウェイト要素と第二のウェイト要素とが設けられており、これらは、それぞれ、打撃プレートに対して横方向に配設される。この場合、打撃プレートは、第一のウェイト要素と第二のウェイト要素との間に有利に配設される。有利には、二つのウェイト要素は、この実施形態では、それぞれ、シェルの外側に取り付けられている。これには、打撃性能に関して重量配分が最適であるという利点があるだけでなく、ウェイト要素を特に簡単に取り付けることができるとともに、例えば、他の要素と交換できるという利点もある。
【0048】
ウェイト要素は、シェルの内部のみ、コアの内部のみ、又はシェルの内部とコアの内部との両方に配設することができる。すでに述べたように、特に、クラブヘッドでボールを打つときに、シェルの第一の材料の密度が高いのに比べてコアの第二の材料の密度が低いと、振動又は反動を減衰させ、これは、ウェイト要素にも対応する効果がある。つまり、ウェイト要素は、一方ではインパクト時に付加的な力をもたらし、それに対応して付加的な「反動衝撃」ももたらすが、シェル又はコア材料の密度が異なるため、クッション性の観点からの減衰が可能になる。存在し得るセンサーユニット及びゴルファーに対するそのような反動衝撃の影響を低減し又は防止することができ、その結果、ウェイト要素の追加の反動力にもかかわらず、クラブの動作の正確な検出及び/又は分析、そして、人間工学的なハンドリングが、さらに可能である。
【0049】
上記のタイプによるウェイト要素の配置と同様に、空洞は、シェル内及び/又はコア内、好ましくはクラブヘッドの下側の領域に配設することができ、それにより、ウェイト要素は、複数の構成要素から構成されて、その中に存在することができ、複数の構成要素は、好ましくは、粉末又はペレット混合物である。しかしながら、ウェイト要素が、空洞内に液体として存在すること、又はウェイト要素が、空洞内に移動可能に配設される一体的に形成された固体のウェイト要素であることも考えられる。換言すれば、固体の質量体、例えば、発泡材料が充填された、又は可動の質量体、例えば、粉末、ペレット又は液体が充填された空洞がクラブヘッド内に形成され得る。
【0050】
ウェイト要素の第三の材料は、とりわけ、ウェイト要素が一体に形成されている場合には、金属又は合金であり得る。金属は、例えば、鉛又はタングステンであり得る。粉末又はペレット混合物の形態のウェイト要素は、高密度成分、例えば、タングステンを含んでもよく、化合物成分、例えば、銅又はスズを含んでもよい。そのようなウェイト要素に適した種々の材料が、当業者に知られている。キャビティ内に配設された、粉末、ペレット混合物、又は液体などのウェイト要素は、最初に、バックスイングの動作中に、クラブヘッドからシャフトに向かって、キャビティ内をスライドし、次いで、スイング中に、クラブヘッドにスライドして戻る。これにより、より速いクラブヘッドスピードのスイングが実現し、高い方向精度と長い打撃距離が可能になる。
【0051】
ゴルフクラブのスイングウェイトを個別に調整するために、ウェイト要素を非破壊的にクラブヘッドから取り外せるようにすることができる。これにより、クラブをゴルファーに対して個別に調整することができるため、大きな慣性モーメントが生成されると同時に、インパクト時に望ましい動的応答が得られるように、必要に応じてウェイト要素を選択することができる。
【0052】
一般に、ここでは、一つ以上のウェイト要素をシェルの内部及び/又はコアの内部に配置することができ、及び/又は一つ以上のウェイト要素をシェルの内部及び/又はコアの内部の一つ以上の空洞内に配置することができることを理解されたい。
【0053】
例えば、ウェイト要素がコアの内部にのみ配設されている場合には、コアのすぐ隣のシェルがコアを完全に取り囲み得る。例えば、ウェイト要素がコアの内部とシェルの内部とに配設されている場合には、シェルは、シェルのすぐ隣のコア、すなわち、コアとシェルとの間にウェイト要素がない領域だけを部分的に取り囲む。
【0054】
さらに、前述のようなクラブヘッドを備えるゴルフクラブが提供される。ゴルフクラブは、シャフト、グリップ、及び接続部品を備えることができ、シャフトは、接続部品を介してクラブヘッドに取り付けることができる。
【0055】
さらなる実施形態が、従属請求項によって示されている。
【0056】
本発明の好ましい実施形態は、図面を参照して以下に説明される。当該実施形態は、説明のみを目的としており、限定的に解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】第一実施形態に係るクラブヘッドの断面図である。
【
図2】第二実施形態に係るクラブヘッドを備えるゴルフクラブの縦断面図である。
【
図3】第三実施形態に係るクラブヘッドを備えるゴルフクラブの断面図である。
【
図4】第四実施形態に係るクラブヘッドを備えるゴルフクラブの断面図である。
【
図5】第五実施形態に係るクラブヘッドを備えるゴルフクラブの縦断面図である。
【
図6】第六実施形態に係るクラブヘッドを備えるゴルフクラブの縦断面図である。
【
図7】第七実施形態に係るクラブヘッドを備えるゴルフクラブの断面図である。
【
図8】第八実施形態に係るクラブヘッドを備えるゴルフクラブの断面図である。
【
図9】第九実施形態に係るクラブヘッドの打撃プレートを除いた斜視図である。
【
図10】
図9のクラブヘッドの打撃プレートを含む分解斜視図である。
【
図11】
図9のクラブヘッドを正面視した打撃プレートを含む分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1~
図11のそれぞれは、第一の材料からなるシェル2と、シェル2によって完全に又は少なくとも部分的に取り囲まれた第二の材料からなるコア3とを備える、ゴルフクラブ用のクラブヘッド1を示している。いずれにおいても、ゴルフボールを打つための打撃プレート4が、シェル2の外側に取り付けられている。センサーユニット5は、コア3の内部に配設されており、コア3は、センサーユニット5を完全に又は少なくとも部分的に取り囲んでいる。いずれにおいても、コア3は、シェル2よりもクラブヘッド1のより大きな体積を占める。第三の材料からなる少なくとも一つのウェイト要素6,6a,6bは、いずれにおいても、クラブヘッド内又はクラブヘッド上に配設され、
図1~
図11にあるように、ウェイト要素の種々の設計及び配置が可能である。
図1~
図11において、同じ又は同様の機能を備えた、同一又は同様に設計された要素には、それぞれ同じ参照符号が付されている。
【0059】
図1は、クラブヘッド1の第一実施形態を示しており、センサーユニット5及びウェイト要素6は、それぞれ、クラブヘッド1の下側の領域の中央に配設されている。センサーユニット5は、その下側に、シェル2とコア3との間に移動不能に配設されたウェイト要素6が近接する領域に位置し、コア3によって完全に取り囲まれている。ウェイト要素6は、最適な打撃性能が達成されるように設計されており、そのように配設されている。本実施形態において、ウェイト要素6は、実質的に長方形であり、コア3の全幅に沿って延在している。
【0060】
図2に示すクラブヘッド1の第二実施形態では、センサーユニット5は同様に、クラブヘッド1の下側の領域の中央に位置して、コア3によって完全に取り囲まれている。コア3はT字状であり、ウェイト要素6はU字状であって、その全幅に沿って、コア3の高さの一部の領域にわたって延在しており、コアは、ウェイト要素6のU字状のデザインによって形成されたチャネルに部分的に受け入れられるか、又は当該チャネルによって取り囲まれている。コア3とウェイト要素6の両方が、シェル2によって完全に取り囲まれている。
【0061】
図3に示すクラブヘッド1の第三実施形態では、センサーユニット5及びウェイト要素6は、クラブヘッドの片側に配設されている。ウェイト要素は、クラブヘッドの前方の領域のシェル2及びコア3の高さの一部の領域にわたってL字形に延在し、この一部の領域でシェル2及びコア3に張り出している。センサーユニット5は、コア3によって完全に取り囲まれており、ウェイト要素6の近くに位置している。ウェイト要素6は、互いに直角の二つの脚を備えたL字状の外形を有し、これらは、センサーユニット5が配置されている領域に跨っている。この配置により、センサーユニット5が、クラブヘッド1に作用する力から、さらに保護されるようにすることができる。打撃プレート4は、クラブヘッド1の前方に取り付けられており、クラブヘッド1の下側全体に沿って延在するとともに、クラブヘッド1の全高に沿った片側に延在するL字形の外形を有してもいる。
【0062】
図4は、実質的にL字状のウェイト要素6が、コア3の下側に沿って延在するとともに、打撃プレート4の全高に沿ってシェル2とコア3との間に延在する、ゴルフクラブ用のクラブヘッド1を示している。センサーユニット5は、クラブヘッド1の下側の領域の中央に配置され、コア3によって完全に取り囲まれている。
【0063】
図5及び
図6はそれぞれ、ウェイト要素6を備えたクラブヘッド1を示している。これらの図には、いずれにおいても、クラブヘッド1のシェルとセンサーユニットがあらわれていない。しかしながら、いずれにおいても
図1~
図4の実施形態のように、少なくとも部分的にコアを取り囲むシェルが設けられており、いずれにおいても
図1~
図4の実施形態のように、少なくとも部分的にコアの内部に配置されたセンサーユニットが設けられている。
図1~
図4のクラブヘッド1とは対照的に、
図5及び
図6のクラブヘッド1における平坦なウェイト要素6は、いずれにおいても、シェル2の内部に配置されておらず、シェル2の下側に取り付けられている。
【0064】
図5に示す実施形態のウェイト要素6は、全体的に平坦なプレートとして形成される。また、
図6のウェイト要素6は、シェル2に面する側と反対側が平坦であり、シェル2に面する側には、シェル2内に延在する突起を有している。ウェイト要素6の平坦な側は、シェル2の外側と平行に延在している。したがって、
図6に示すウェイト要素6は、実質的にT字状であり、T字状のウェイト要素6の中央の自由脚部は、縦断面が実質的にU字状のシェル2の凹部に収受される。
【0065】
図7及び
図8に示す実施形態は、センサーユニット5が完全にではなく、一部分だけがコア3の内部に配置されるという点で、
図1の実施形態とは異なる。しかしながら、これらの実施形態では、センサーユニット5の主要部は、依然としてコア3の内部に配置されている、すなわち、センサーユニット5の主要部はコア3によって取り囲まれている。
【0066】
図7に示す実施形態では、センサーユニット5の前方は、打撃プレート4の領域内でシェル2の内面に接しているが、それ以外はコア3によって取り囲まれている。したがって、センサーユニット5は、シェル2によって完全に囲まれているが、コア3によって一部分だけが取り囲まれている。
【0067】
図8に係る変形例では、通常、信号送信機によって形成されるセンサーユニット5の前側は、打撃プレート4の内面に接触しているが、コア3によって少なくとも部分的に取り囲まれてもいる。しかしながら、
図7に係る実施形態とは対照的に、本実施形態のセンサーユニット5は、シェル2によって完全に取り囲まれておらず、シェル2を貫通して、その領域が打撃プレート4に面している。したがって、センサーユニット5は、一部分だけがコア3によって取り囲まれているが、依然として、センサーユニット5の主要な体積部分は、コア3内に位置している。
【0068】
図9~
図11は、本発明に係るクラブヘッド1のさらなる実施形態を示している。ここでも、シェル2は、
図9~
図11にあらわれないコアを完全に取り囲んでいる。コアは、好ましくは、発泡材料又はガス状材料、特に、空気などによって形成される。したがって、後者の場合、シェル2は空洞を取り囲み、この空洞を満たす空気がコアを形成する。コアの材料は、好ましくは、シェル2の材料よりも大きな体積を占める。
【0069】
図9~
図11に示す実施形態は、必ずしもそうではないが、センサーユニット5を備えるのが好ましい。センサーユニット5は、例えば、センサープレートの形態で、シェル2と、シェル2の前方に取り付けられた打撃プレート4との間に配置することができる。しかしながら、センサーユニット5は、少なくとも部分的に、特に完全に、コアの内側に配置されているのが、特に好ましい。例えば、センサーユニット5は、シェル2の内面、特に、シェル2の前側の内面に取り付けることができ、又は、特に、コアが発泡材料でできている場合には、センサーユニット5は、完全にコアの内側に配置することができる。
【0070】
例示的な本実施形態では、クラブヘッド1は、外側の打撃プレート4に対してシェル2の側方に取り付けられている二つのウェイト要素6a,6bを備える。ウェイト要素6a,6bを保持するために、外向きに突出するピンが、シェル2上に一体的に形成されており、これらのピンは、ウェイト要素6a,6bを取り付けるときに対応するように設けられた開口部に挿入される。これに代えて、又はこれに加えて、ウェイト要素6a,6bは、シェル2に接着及び/又はねじ止めされてもよい。打撃プレート4の外側の側方に配設されたウェイト要素6a,6bと、発泡材料又はガス状材料からなるコアとの組み合わせは、ゴルフクラブの打撃性能に関して、特に有利であることが証明されている。
【0071】
先の実施形態とは対照的に、打撃プレート4は、ここではL字状の外形を有しないが、全体的に平坦な外形を有する。代わりに、クラブヘッド1の下側を補強するために、金属製のソールプレート9がシェル2に取り付けられている。
【0072】
図2及び
図3、並びに
図5及び
図6に示すように、クラブヘッド1は、シャフト8に接続されている。この点で、
図2、
図5、及び
図6のクラブヘッド1は、シャフト8と一体的に形成され、一方、
図3及び
図9~
図11のクラブヘッド1は、ホーゼル7を介してシャフト8に取り付けられている。
【0073】
図1~
図11に示す全ての実施形態において、センサーユニット5がクラブヘッド内に存在するとしても、これらのクラブヘッドをセンサーユニットなしで提供することは、十分に考えられ得る。それでもクラブヘッドは、特に良好な打撃性能を変わらずに有する。
【符号の説明】
【0074】
1 クラブヘッド
2 シェル
3 コア
4 打撃プレート
5 センサーユニット
6a,6b,6c ウェイト要素
7 ホーゼル
8 シャフト
9 ソールプレート
【国際調査報告】