(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(54)【発明の名称】DNA依存性タンパク質キナーゼ阻害剤
(51)【国際特許分類】
C07D 487/04 20060101AFI20220721BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220721BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220721BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220721BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20220721BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
C07D487/04 143
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K45/00
C07D519/00 311
A61K31/519
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570368
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 CN2020092351
(87)【国際公開番号】W WO2020238900
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/088573
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518099859
【氏名又は名称】ディザル(ジァンスー)ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】チ,チャンヘ
(72)【発明者】
【氏名】ツイ,ホンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,チンベイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,チェンファン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シャオリン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C072
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB04
4C050CC08
4C050EE04
4C050FF02
4C050GG04
4C050HH04
4C072MM02
4C072UU01
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC201
4C084ZC752
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB05
4C086CB06
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC20
(57)【要約】
本明細書には、DNA-PK阻害剤として有用である式(I)の化合物、およびその薬学的に許容される塩が開示される。また、1種または複数の式(I)の化合物を含む医薬組成物、およびかかる化合物または組成物を使用してDNA-PK関連疾患(例えば、がん)を治療する方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】
およびその薬学的に許容される塩
(式中、
X
1、X
2およびX
3は、各々独立してCまたはNであり、ただしX
1、X
2およびX
3の少なくとも1つがNであり、X
1、X
2およびX
3の少なくとも1つがCであり;
破線「-」はX
1とX
2との間およびX
2とX
3との間の結合を意味し、単結合または二重結合であってもよく、ただしX
1とX
2との間およびX
2とX
3との間の結合の少なくとも1つが単結合であり;
R
1は存在しないか、またはC
1~6アルキルであり、ここで前記C
1~6アルキルは、ヒドロキシル、ハロゲンまたは重水素により一置換または独立して多置換されてもよく;
各R
2、R
3およびR
4は、独立して、存在しないか、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシル、-(CH
2)
n-Qから選択され、場合によりこれらは、重水素、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、(C≡N)-C
1~6アルキル、C
1~6アルコキシル、C
1~6ハロアルコキシル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルコキシル、3~8員のアリールまたは3~8員のヘテロシクリルにより一置換または独立に多置換されていてもよく、
ここでnは0、1または2であり、Qは3~8員の飽和もしくは不飽和カルボシクリルまたは3~8員の飽和もしくは不飽和ヘテロシクリルであり;
環Aは、酸素、硫黄および窒素から選択される1~5個の環ヘテロ原子を有する5~12員のアリール、5~12員のヘテロアリール、酸素、硫黄および窒素から選択される0~5個の環ヘテロ原子を有する8~10員の二環式環であり、ここで環Aはフェニルではない)。
【請求項2】
式Iaの構造を有する、請求項1に記載の化合物
【化2】
およびその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
式Ibの構造を有する、請求項1に記載の化合物
【化3】
およびその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
式Icの構造を有する、請求項1に記載の化合物
【化4】
およびその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
式Idの構造を有する、請求項1に記載の化合物
【化5】
およびその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
R
2が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、シクロペンタニル、テトラヒドロフリル、シクロヘキサニル、テトラヒドロピラニル、シクロヘプタニル、ピペリジニル、フェニル、ピリジニル、ピリドニル、オキソカニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、スピロ[3.3]ヘプタニル、スピロ[2.5]オクタニル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルから選択され、場合によりこれらは、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~6アルコキシル、C
1~6ハロアルコキシル、C
3~8シクロアルキル、C
3~8シクロアルコキシル、3~8員のアリールまたは3~8員のヘテロシクリルにより一置換または独立に多置換されていてもよく、場合によりこれらはさらに、ハロゲン、重水素、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~6アルコキシルまたはC
1~6ハロアルコキシルで一置換または独立に多置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R
2が、
【化6】
から選択され、場合によりこれらは、ヒドロキシル、シアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシルまたはトリフルオロメトキシルにより一置換または独立に多置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R
2が、シクロヘキサニルまたはテトラヒドロピラニルであり、場合によりこれらは、ハロゲン、C
1~6アルキルまたはC
1~6アルコキシルにより一置換または独立に多置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R
1が、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルまたはイソブチルであり、場合によりこれらは、ヒドロキシル、ハロゲンまたは重水素により一置換または独立に多置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R
1がメチル、エチル、トリフルオロメチルまたはトリ重水素メチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
環Aが、1個の環ヘテロ原子の窒素を有する6員のヘテロアリール、酸素、硫黄および窒素から選択される2~3個の環ヘテロ原子を有する9員の二環式環であり、場合により前記9員の二環式環がフェニルまたはピリジニル縮合二環式環であり、場合により環Aが
【化7】
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
各R
3およびR
4が独立して、存在しないか、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1~6アルキル、CN-C
1~6アルキル、C
1~6ハロアルキル、C
1~6アルコキシル、C
1~6ハロアルコキシル、3~8員の飽和または不飽和ヘテロシクリルから選択され、ここで前記ヘテロシクリルは場合によりC
1~3アルキルによりさらに一置換または独立に多置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
環Aが
【化8】
であり、各R
3およびR
4が、独立して、存在しないか、メチル、シアノ、メトキシル、クロロ、シアノ-メチル、ピラゾリル、オキサゾリルから選択され、ここで、前記ピラゾリルまたはオキサゾリルは場合によりC
1~3アルキルによりさらに一置換または独立に多置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項14】
式Ieの構造を有する、請求項1に記載の化合物
【化9】
およびその薬学的に許容される塩
(式中、
X
1およびX
3の1つはNであり、他方はCであり、破線「-」はX
1とNとの間およびNとX
3との間の結合を意味し、単結合または二重結合であってもよく、ただしX
1とNとの間およびNとX
3との間の結合の少なくとも1つが単結合であり;
R
1はC
1~3アルキルであり、
R
2は、シクロペンチル、シクロヘキサニル、テトラヒドロピラニルまたは8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルであり、場合によりこれらは、ハロゲンまたはC
1~3アルコキシルにより一置換または独立に多置換されていてもよく、
Y
1、Y
2およびY
3は、各々独立してCまたはNであり、ただしY
1、Y
2およびY
3の少なくとも1つがNであり;
R
5はハロゲンまたはC
1~3アルキルであり、
R
6はC
1~3アルキルである)。
【請求項15】
R
2が、置換されていないシクロペンチル、シクロヘキサニル、テトラヒドロピラニルまたは8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルであり、場合によりこれらは、ハロゲンまたはC
1~3アルコキシルにより一置換または独立に多置換されていてもよい、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
Y
3がNであり、Y
1およびY
2の少なくとも1つがNである、請求項14に記載の化合物。
【請求項17】
R
5がメチルである、請求項14に記載の化合物。
【請求項18】
【化10-1】
【化10-2】
【化10-3】
【化10-4】
【化10-5】
【化10-6】
【化10-7】
【化10-8】
【化10-9】
【化10-10】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
結晶形態である、請求項1~18のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項20】
第1の活性成分としての請求項1~19のいずれか一項に記載の1種または複数の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む医薬組成物。
【請求項21】
DNA依存性タンパク質キナーゼ(DNA-PK)を阻害するための、請求項1~19のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、または請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
請求項1~19のいずれか一項に記載の1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩または請求項20に記載の医薬組成物を使用するステップにより、DNA-PKを阻害する方法。
【請求項23】
対象においてDNA-PK関連疾患を治療する方法であって、請求項1~19のいずれか一項に記載の1種または複数の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩または請求項20に記載の医薬組成物の有効な量を対象に投与するステップを含む、方法。
【請求項24】
対象がヒトのような温血動物である、請求項19に記載の方法。
【請求項25】
DNA-PK関連疾患ががんである、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
第2の治療剤、好ましくは抗がん剤と組み合わせた、請求項1~19のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般にDNA依存性タンパク質キナーゼ(「DNA-PK」)を選択的に調節する新規な化合物、およびその薬学的に許容される塩に関する。本開示はまた、1種または複数の化合物を活性成分として含む医薬組成物、およびがんを含むDNA-PK関連疾患の治療における化合物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
DNA-PKは、触媒サブユニットDNA-PKcsおよびKuタンバク質のヘテロ二量体(Ku70/Ku80)から構成される核のセリン/スレオニンタンパク質キナーゼ複合体である。機能的には、DNA-PKはDNA二本鎖切断(DSB)の修復における必須の構成成分であり、ゲノムの完全性の維持およびV(D)J組換えのプロセスにおいて役割を果たし、それぞれBおよびT細胞上に認められる非常に多様なレパートリーの抗体/免疫グロブリンおよびT細胞受容体を生じる。加えて、DNA-PKおよびその構成成分は、クロマチン構造の調節、テロメア維持、転写制御および複製ストレスへの反応を含む、様々な他の生理学的プロセスに関与する(Smith and Jackson,1999;Goodwin and Knudsen,2014)。
【0003】
DNAの形態のヒトゲノムは、主に酸化的代謝の副生成物である活性酸素種(ROS)の攻撃に、絶えず曝露される。ROSは、一本鎖切断の形態のDNA損傷を引き起こし得る。DSBは、以前に一本鎖切断が近接して生じた場合に、生じることがある。加えて、一本鎖および一本鎖-二本鎖切断は、DNA複製フォークが損傷した塩基パターンに遭遇したときに引き起こされる。また、外来の影響、例えば電離放射線(例えばガンマまたは粒子放射線)およびある特定の抗がん薬(例えばB.ブレオマイシン)は、DSBを誘発することが可能である。DSBは、全ての脊椎動物の機能的な免疫系の形成に重要なプロセスである体細胞組換えの中間体としても生じる。
【0004】
DSBが修正されない、または不正確に修正された場合、細胞死につながることのある変異および/または染色体異常が生じる。DSBにより課される重篤な脅威に対応するため、真核細胞は、これらの修復を媒介するためにいくつかの機構(例えばDNA非相同末端結合(NHEJ)および相同組換え(HR))を進化させ、DNA-PKはこれらにおいて重要な役割を果たす。生化学的試験は、DNA-PKがDNA DSBの出現により最も効率的に活性化されることを示した。DNA-PK構成成分が変異し非機能的である細胞株は、放射線に感受性であることが判明した(Smith and Jackson,1999)。DNA-PK阻害剤は、DNA損傷の高い内因性レベルを有する腫瘍において単剤としても有効であり得る。DNA-PK阻害剤は、腫瘍学において有用であり、単剤療法または他の薬剤と組み合わせてのいずれかとして、前立腺がん(Goodwin et al.,2013)および乳がん(Medunjanin et al.,2010)において、高いレベルの複製ストレス(Lin et al.,2014;Ashley et al.,2014;Buisson et al.,2015)を有する腫瘍の標的化を含み得ると示された。
【0005】
したがって、DNA-PKを阻害する化合物は、薬理学的手段として必要とされ、DNA-PK関連疾患、例えばがんを治療するための薬物として重要な目的となるものである。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、本開示は、式(I):
【0007】
【0008】
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩
(式中、X1、X2、X3、R1、R2、R3、R4および環Aは、本明細書中で定義される通りである)
を提供する。
【0009】
別の態様において、本開示は、式(Ia):
【0010】
【0011】
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩
(式中、R1、R2、R3、R4、nおよび環Aは、本明細書中で定義される通りである)
を提供する。
【0012】
別の態様において、本開示は、式(Ib):
【0013】
【0014】
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩
(式中、R1、R2、R3、R4および環Aは、本明細書中で定義される通りである)
を提供する。
【0015】
別の態様において、本開示は、式(Ic):
【0016】
【0017】
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩
(式中、R1、R2、R3、R4および環Aは、本明細書中で定義される通りである)
を提供する。
【0018】
別の態様において、本開示は、式(Id):
【0019】
【0020】
で表される化合物またはその薬学的に許容される塩
(式中、R1、R2、R3、R4および環Aは、本明細書中で定義される通りである)
を提供する。
【0021】
別の態様において、本開示は、式(Ie):
【0022】
【0023】
で表される化合物およびその薬学的に許容される塩
(式中、X1、X3、Y1、Y2、Y3、R1、R2、R5およびR6は、本明細書中で定義される通りである)
を提供する。
【0024】
もう1つ別の態様において、本開示は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)、式(Ic)、式(Id)、式(Ie)の1種または複数の化合物、またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む医薬組成物を提供する。
【0025】
別の態様において、本開示はさらに、DNA-PKキナーゼを阻害するのに使用される、式(I)の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの1種または複数の医薬組成物を提供する。
【0026】
さらに別の態様において、本開示は、式(I)の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの1種または複数の医薬組成物の、対象においてDNA-PKキナーゼを阻害するための医薬の製造における使用を提供する。
【0027】
もう1つ別の態様において、本開示は、式(I)の1種または複数の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの1種または複数の医薬組成物を用いることによりDNA-PKキナーゼを阻害する方法を提供する。
【0028】
別の態様において、本開示は、式(I)の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの1種または複数の医薬組成物を使用することによる、DNA-PK関連疾患(例えば、がん)を治療するための方法を提供する。さらなる態様において、本開示は、第2の治療剤、好ましくは抗腫瘍剤と組み合わせた、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0029】
もう1つ別の態様において、本開示は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および第2の治療剤、好ましくは抗腫瘍剤の併用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0030】
化合物
1つの態様において、本開示は、式(I)
【0031】
【0032】
またはその薬学的に許容される塩
(式中、
X1、X2およびX3は、各々独立してCまたはNであり、ただしX1、X2およびX3の少なくとも1つがNであり、X1、X2およびX3の少なくとも1つがCであり;
破線「-」はX1とX2との間およびX2とX3との間の結合を意味し、単結合または二重結合であってもよく、ただしX1とX2との間およびX2とX3との間の結合の少なくとも1つが単結合であり;
R1は存在しないか、ハロゲン、またはC1~6アルキルであり、ここで前記C1~6アルキルは、場合によりヒドロキシル、ハロゲンまたは重水素により一置換または独立して多置換されてもよく;
各R2、R3およびR4は、独立して、存在しないか、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルコキシル、-(CH2)n-Qから選択され、場合によりこれらは、重水素、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、(C≡N)-C1~6アルキル、C1~6アルコキシル、C1~6ハロアルコキシル、C3~8シクロアルキル、C3~8シクロアルコキシル、3~8員のアリールまたは3~8員のヘテロシクリルにより一置換または独立に多置換されていてもよく、
ここでnは0、1または2であり、Qは3~8員の飽和もしくは不飽和カルボシクリルまたは3~8員の飽和もしくは不飽和ヘテロシクリルであり;
環Aは、酸素、硫黄および窒素から選択される1~5個の環ヘテロ原子を有する5~12員のアリール、5~12員のヘテロアリール、酸素、硫黄および窒素から選択される0~5個の環ヘテロ原子を有する8~10員の二環式環であり、ここで環Aはフェニルではない)
を提供する。
【0033】
いくつかの実施形態において、R2は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、オキセタニル、シクロペンタニル、テトラヒドロフリル、シクロヘキサニル、テトラヒドロピラニル、シクロヘプタニル、ピペリジニル、フェニル、ピリジニル、ピリドニル、オキソカニル(oxocanyl)、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、スピロ[3.3]ヘプタニル、スピロ[2.5]オクタニル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルから選択され、場合によりこれらは、ヒドロキシル、シアノ、ハロゲン、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシル、C1~6ハロアルコキシル、C3~8シクロアルキル、C3~8シクロアルコキシル、3~8員のアリールまたは3~8員のヘテロシクリルにより一置換または独立に多置換されていてもよく、場合によりこれらはさらに、ハロゲン、重水素、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシルまたはC1~6ハロアルコキシルで一置換または独立に多置換されていてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態において、R2は、
【0035】
【0036】
から選択され、場合によりこれらは、ヒドロキシル、シアノ、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、エチル、メトキシル、ジフルオロメチル、ジフルオロメトキシルまたはトリフルオロメトキシルにより一置換または独立に多置換されていてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、R2は、シクロヘキサニルまたはテトラヒドロピラニルであり、場合によりこれらは、ハロゲン、C1~6アルキルまたはC1~6アルコキシルにより一置換または独立に多置換されていてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態において、R1は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルまたはイソブチルであり、場合によりこれらは、ヒドロキシル、ハロゲンまたは重水素により一置換または独立に多置換されていてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、R1は、メチル、エチル、トリフルオロメチルまたは三重水素メチルである。
いくつかの実施形態において、環Aは、1個の環ヘテロ原子の窒素を有する6員のヘテロアリール、酸素、硫黄および窒素から選択される2~3個の環ヘテロ原子を有する9員の二環式環であり、場合により前記9員の二環式環はフェニルまたはピリジニル縮合二環式環であり、場合により環Aは、
【0040】
【0041】
から選択される。
いくつかの実施形態において、各R3およびR4は、独立して、存在しないか、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~6アルキル、CN-C1~6アルキル、C1~6ハロアルキル、C1~6アルコキシル、C1~6ハロアルコキシル、3~8員の飽和または不飽和ヘテロシクリルから選択され、ここで前記ヘテロシクリルは場合によりC1~3アルキルによりさらに一置換または独立に多置換されていてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、環Aは、
【0043】
【0044】
であり、各R3およびR4は、独立して、存在しないか、メチル、シアノ、メトキシル、クロロ、シアノ-メチル、ピラゾリル、オキサゾリルから選択され、ここで、前記ピラゾリルまたはオキサゾリルは場合によりC1~3アルキルによりさらに一置換または独立に多置換されていてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、本発明により提供される化合物は式Ia
【0046】
【0047】
およびその薬学的に許容される塩の構造を有し、式中、R1、R2、R3、R4、環Aは本明細書中で定義される通りである。
いくつかの実施形態において、本発明により提供される化合物は式Ib
【0048】
【0049】
およびその薬学的に許容される塩の構造を有し、式中、R1、R2、R3、R4、環Aは本明細書中で定義される通りである。
いくつかの実施形態において、本発明により提供される化合物は式Ic
【0050】
【0051】
およびその薬学的に許容される塩の構造を有し、式中、R1、R2、R3、R4、環Aは本明細書中で定義される通りである。
いくつかの実施形態において、本発明により提供される化合物は式Id
【0052】
【0053】
およびその薬学的に許容される塩の構造を有し、式中、R1、R2、R3、R4、環Aは本明細書中で定義される通りである。
いくつかの実施形態において、本発明により提供される化合物は式Ie
【0054】
【0055】
およびその薬学的に許容される塩の構造を有し、
式中、
X1およびX3の1つはNであり、他方はCであり、破線「-」はX1とNとの間およびNとX3との間の結合を意味し、単結合または二重結合であってもよく、ただしX1とNとの間およびNとX3との間の結合の少なくとも1つが単結合であり;
R1はC1~3アルキルであり、
R2は、シクロペンチル、シクロヘキサニル、テトラヒドロピラニルまたは8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルであり、場合によりこれらは、ハロゲンまたはC1~3アルコキシルにより一置換または独立に多置換されていてもよく、
Y1、Y2およびY3は、各々独立してCまたはNであり、ただしY1、Y2およびY3の少なくとも1つがNであり;
R5はハロゲンまたはC1~3アルキルであり、
R6はC1~3アルキルである。
【0056】
いくつかの実施形態において、式IeのR2は、置換されていないシクロペンチル、シクロヘキサニル、テトラヒドロピラニルまたは8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルであり、場合によりこれらは、ハロゲンまたはC1~3アルコキシルにより一置換または独立に多置換されていてもよい。
【0057】
いくつかの実施形態において、式IeのY3はNであり、Y1およびY2の少なくとも1つはNである。
いくつかの実施形態において、式IeのR5はメチルである。
【0058】
式(I)の代表的な化合物1~149を下記表1に示す。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
明確にするために別々の実施形態として記載された本開示のいくつかの特徴は単一の実施形態として組み合わせて提供されることもできると了解されよう。逆に、簡潔にするために単一の実施形態として記載された本開示の様々な特徴が別々にまたはいずれかの適切なサブコンビネーションとして提供されることもできる。
【0085】
本開示の様々な部分で、連結する置換基が記載される。構造が明らかに連結基を必要とする場合、その基としてリストされたマーカッシュ式の可変基は連結基であると理解される。例えば、構造が連結基を必要とし、その可変基に対するマーカッシュ群の定義が「アルキル」をリストしているならば、その「アルキル」は連結するアルキレン基を表わすと理解される。
【0086】
本明細書で使用されるとき、用語「置換される」とは、化学基に関する場合、その化学基が置換基により除かれ置き換えられる1つまたは複数の水素原子を有することを意味する。本明細書で使用されるとき、用語「置換基」は当技術分野で公知の通常の意味を有し、親の基に共有結合される、または適当であれば縮合される化学部分を指す。本明細書で使用されるとき、用語「場合により置換される」とは、その化学基が置換基を有していない(すなわち置換されてない)こともあり、または1つまたは複数の置換基を有する(すなわち置換される)こともあるということを意味する。所与の原子における置換は原子価により制限されると理解されるべきである。
【0087】
本明細書で使用されるとき、用語「Ci-j」は炭素原子数の範囲を示し、iおよびjは整数であり、炭素原子数の範囲は終点(すなわちiおよびj)およびその間の各々の整数点を含み、jはiより大きい。例えば、C1~6は1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子および6個の炭素原子を含めて1~6個の炭素原子の範囲を示す。いくつかの実施形態において、用語「C1~12」は1~12、例えば1~10、1~8、1~6、1~5、1~4、1~3または1~2個の炭素原子を示す。
【0088】
本明細書で使用されるとき、用語「アルキル」とは、別の用語の一部としてでも、または独立して使用されても、飽和または不飽和炭化水素鎖を指し、後者はさらに少なくとも1個の二重または三重結合を有する炭化水素鎖(アルケニルまたはアルキニル)に細かく分けられ得る。いくつかの実施形態において、アルキルは飽和炭化水素鎖をいう。上述の炭化水素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよい。用語「Ci-jアルキル」はi~j個の炭素原子を有するアルキルを指す。飽和アルキル基の例は、これらに限定されないがメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチル;より高級の同族体、例えば2-メチル-1-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピル、などを含む。不飽和アルキル基の例は、これらに限定されないが、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブテニル、sec-ブテニル、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル、などを含む。「C1~6アルキル」の例は、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチルを含む。「C1~3アルキル」の例は、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルを含む。
【0089】
「アルキル」が連結するアルキレン基を表わすとき、アルキレン基の例は、これらに限定されないが、メチレン、1,1-エチレン、1,2-エチレン、1,1-プロピレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、2,2-プロピレン、tertブタニレンなどを含む。
【0090】
本明細書で使用される用語「アミノ」は式「-NH2」の基を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「カルバモイル」はアミノカルボニル基(すなわち、NH2-C(=O)-)をいう。
【0091】
本明細書で使用される用語「シアノ」は式「-C≡N」の基を指す。
本明細書で使用される用語「ハロ」および「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を指す。
【0092】
本明細書で使用される用語「ヒドロキシル」は式「-OH」の基を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「アルコキシ」は、別の用語の一部としてでも、または独立して使用されていても、式-O-アルキルの基をいう。
【0093】
用語「Ci-jアルコキシ」は、アルコキシ基のアルキル部分がi~j個の炭素原子を有することを意味する。アルコキシ基の例は、これらに限定されないが、メトキシル、エトキシル、プロポキシル(例えばn-プロポキシおよびイソプロポキシ)、t-ブトキシ、などを含む。「C1~12アルコキシル」の例はメトキシル、エトキシルおよびプロポキシルである。
【0094】
本明細書で使用されるとき、用語「ヒドロキシC1~12アルキル」は、式「-C1~12アルキル-OH」の基をいい、ここでこの基のアルキル部分は1~12個の炭素原子を有し、1つまたは複数のヒドロキシル基がアルキル部分のいずれかの炭素原子に連結され得る。いくつかの実施形態において、「Ci-jアルキル-OH」は1つのヒドロキシル基を有する。「C1~12アルキル-OH」の例はヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチルおよび1-ヒドロキシイソプロピルである。
【0095】
本明細書で使用されるとき、用語「Ci~jハロアルキル」はハロゲンで置換された(一置換または多置換された)Ci~jアルキル基をいう。「C1~12ハロアルキル」の例はフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、クロロエチルおよびブロモイソプロピルである。「ジフルオロエチル」の例は1,1-ジフルオロエチルである。「トリフルオロエチル」の例は2,2,2-トリフルオロエチルおよび1,2,2-トリフルオロエチルである。
【0096】
「Ci-jハロアルコキシル」の例はフルオロメトキシル、ジフルオロメトキシル、またはトリフルオロメトキシルである。「トリフルオロエトキシ」の例は2,2,2-トリフルオロエトキシおよび1,2,2-トリフルオロエトキシである。
【0097】
本明細書で使用されるとき、用語「アリール」または「芳香族」は、別の用語の一部としてでも、または独立して使用されていても、環を形成する原子間に二重結合および単結合が交互に存在する環系をいう。本開示において用語「アリール」または「芳香族」はまた疑似芳香族も含めて意味する。用語「疑似芳香族」は、厳密に芳香族ではないが、電子の非局在化によって安定化され、芳香環と似た挙動を示す環系を指す。アリールまたは芳香族基は単環または多環を有し得る。アリール基の例は、これらに限定されないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルなどを含む。
【0098】
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロアリール」はO、S、N、P、などから選択される少なくとも1個の環形成ヘテロ原子を含有するアリールをいう。ヘテロアリールは、これらに限定されないが、フリル、チエニル、ピリジニル、トリアジニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾール-5-オン、1,2,3-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キナゾリニル、イソキナゾリニル、1,3,5-トリアジニル、1Hチエノ[2,3-c]ピラゾリル、チエノ[2,3-b]フリル、3H-インドリル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、ウリジニル、およびシトシニルを含む。
【0099】
本明細書で使用されるとき、用語「カルボシクリル」は、別の用語の一部としてでも、または独立して使用されていても、全ての環原子が炭素であり、少なくとも3個の環形成炭素原子を含有する単環式または多環式の環(例えば2または3個の縮合、架橋またはスピロ環を有する)を含めたあらゆる環をいう。本明細書で使用されるとき、用語「スピロ」環は1つの単一の共通原子を介して接続された2つの環を有する環系をいい;用語「縮合」環は2個の隣接する原子を共有する2つの環を有する環系をいい;用語「架橋」環は3個以上の原子を共有する2つの環をもつ環系をいう。
【0100】
いくつかの実施形態において、カルボシクリルは3~12個の環形成炭素原子(すなわち3~12員の炭素原子)、3~10個の環形成炭素原子、3~9個の環形成炭素原子または3~8個の環形成炭素原子を含有し得る。カルボシクリル基は飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和であり得る。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は飽和環式アルキル基であり得る。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基はその環系内に少なくとも1つの二重結合を含有する不飽和環式アルキル基であり得る。いくつかの実施形態において、不飽和カルボシクリル基は1つまたは複数の芳香環を含有し得る。いくつかの実施形態において、飽和または不飽和カルボシクリルの1つまたは複数の環を形成する-CH2-基が-C(O)-基により置き換えられてもよい。
【0101】
いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は単環式のアルキル基である。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は飽和単環式アルキル基である。飽和単環アルキル基の例は、これらに限定されないがシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、などを含む。
【0102】
3~8「員の飽和または不飽和カルボシクリル」はそれぞれ3~8、3~6、または5~8個の環形成炭素原子を有する飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の単環式または多環式の環系であり、ここで1つまたは複数の環を形成する-CH2-基は場合により-C(O)-基により置き換えられることができる。
【0103】
「3~8員の飽和または不飽和カルボシクリル」の例はC3~6シクロアルキル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルおよびビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イルである。「C3~8シクロアルキル」の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルである。用語「C3~8シクロアルコキシル」は式「C3~8シクロアルキル-O-」の基を指す。
【0104】
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロシクリル」は、1つまたは複数(例えば1、2または3つ)の環原子が、これらに限定されないが、O、S、N、P、などを含むヘテロ原子により置き換えられたカルボシクリル基をいう。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルは飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルはその環系内に1つまたは複数の二重結合を有する不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルは部分的に不飽和のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルは完全に不飽和のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、不飽和ヘテロシクリル基は1つまたは複数の芳香環を含有し得る。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルの1つまたは複数の環を形成する-CH2-基は場合により-C(O)-、-S-、-S(O)-、または-S(O)2-基により置き換えられることができる。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルがその環系内に硫黄を含有する場合、前記環を形成する硫黄原子は場合により酸化されてS-オキシドを形成してもよい。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルはその環を形成する炭素を介して化合物の他の部分に連結される。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルはその環を形成する窒素を介して化合物の他の部分に連結される。
【0105】
いくつかの実施形態において、3~8員の飽和または不飽和の単環式または多環式のヘテロシクリルはN、O、またはSから選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する。
【0106】
3~8「員の飽和または不飽和ヘテロシクリル」はそれぞれ3~8個の環を形成する原子を有する飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の単環式または多環式の環(例えば2または3個の縮合、架橋またはスピロ環を有する)系であり、そのうちの少なくとも1個の環を形成する原子は窒素、硫黄または酸素から選ばれ、当該環系は他に規定されない限りその環を形成する炭素または窒素を介して化合物の他の部分に連結され得、ここで飽和または不飽和ヘテロシクリルの1つまたは複数の環を形成する-CH2-基は、-C(O)-、-S-、-S(O)-、または-S(O)2-基により置き換えられてもよく、ヘテロシクリルがその環系内に硫黄を含有するとき、前記環硫黄原子は場合により酸化されてS-オキシドを形成してもよい。
【0107】
代表的な単環式のヘテロシクリル基は、これらに限定されないが、オキセタニル、ピラニル、1,1-ジオキソチエタニルピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピペリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピリドニル、ピリミドニル、ピラジノニル、ピリミドニル、ピリダゾニル、トリアジノニル、などを含む。
【0108】
スピロヘテロシクリルの例は、これらに限定されないが、スピロピラニル、スピロオキサジニル、などを含む。縮合ヘテロシクリルの例は、これらに限定されないが、フェニル縮合環またはピリジニル縮合環、例えばキノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キノリジニル、キナゾリニル、アザインドリジニル、プテリジニル、クロメニル、イソクロメニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、プリニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェナントリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、[1,2,3]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル基、などを含む。架橋ヘテロシクリルの例は、これらに限定されないが、モルファニル(morphanyl)、ヘキサメチレンテトラミニル、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、などを含む。
【0109】
本開示の「化合物」は、他に規定されない限り描かれた構造の全ての立体異性体、幾何異性体、および互変異性体を包含することが意図されている。
用語「立体異性体」は不斉化合物(例えば1つまたは複数の非対称に置換された炭素原子または「不斉中心」を有するもの)の様々な立体異性配置(例えばエナンチオマー、ジアステレオマーおよびラセミ体)のいずれかを指す。不斉中心を含有する本開示の化合物は光学的に活性な(エナンチオマーまたはジアステレオマー)または光学的に不活性な(ラセミ)形態で単離されることができる。用語「エナンチオマー」は互いに重ね合わせることができない鏡像である対の立体異性体を含む。1対のエナンチオマーの1:1混合物は「ラセミ混合物」である。用語「ジアステレオマー」または「ジアステレオ異性体」は少なくとも2つの不斉原子を有するが、お互いの鏡像ではない立体異性体を含む。1つまたは複数の不斉中心を含有するある種の化合物は、カーン-インゴルド-プレローグのR-Sシステムに従って各々の不斉中心での絶対配置によって(R)-または(S)-として定義され得るエナンチオマー、ジアステレオマーまたはその他の立体異性体形態を生じ得る。その絶対配置が未知の分割された化合物は不斉中心に用語「or」を用いて指定されることができる。ラセミ混合物から光学的に活性な形態を製造する方法は、HPLCによる分割または立体選択的合成のように当技術分野で公知である。
【0110】
用語「幾何異性体」または「シストランス異性体」は同一の式の化合物を指すが、その官能基は三次元空間内で異なる方向に回転される。
用語「互変異性体」は、同一の式および全電荷を有する化合物の異性体プロトン化状態であるプロトトロピー互変異性体を含む。プロトトロピー互変異性体の例は、これらに限定されないが、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、ならびにプロトンが複素環系の2以上の位置を占めることができる環状形態、例えば、1H-および3H-イミダゾール、1H-、2H-および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-および2H-イソインドール、および1H-および2H-ピラゾールを含む。互変異性体は平衡状態にあるか、または適当な置換により1つの形態に立体的にロックされることができる。名称または構造により1つの特定の互変異性形態として特定された本開示の化合物は、他に規定されない限り他の互変異性形態を含むことが意図されている。
【0111】
本開示の「化合物」はまた、化合物中の原子の全ての同位体を包含することも意図されている。ある原子の同位体は同一の原子番号であるが異なる質量数を有する原子を含む。例えば、他に規定されない限り、本開示の「化合物」中の水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素はその同位体、例えばこれらに限定されないが:1H、2H、3H、11C、12C、13C、14C、14N、15N、16O、17O、18O、31P、32P、32S、33S、34S、36S、17F、19F、35Cl、37Cl、79Br、81Br、127Iおよび131Iも含むことが意味される。いくつかの実施形態において、水素はプロチウム、ジュウテリウムおよびトリチウムを含む。いくつかの実施形態において、用語「ジュウテリウムにより置換され」または「ジュウテリウムで置換され」て化学基中の水素の他のアイソフォーム(例えばプロチウム)をジュウテリウムと置き換える。いくつかの実施形態において、炭素は12Cおよび13Cを含む。いくつかの実施形態において、本開示の「化合物」は化合物中の水素の同位体を包含するだけである。いくつかの実施形態において、本開示の「化合物」は原子の同位体を自然存在比で包含するだけである。
【0112】
また、本開示の「化合物」は、例えば、水和形態、固体形態のような溶媒和ならびに非溶媒和形態で存在することができ、本開示は、全てのかかる溶媒和および非溶媒和形態を包含することが意図されているとも理解されるべきである。
【0113】
さらに、本開示の「化合物」は薬学的に許容される塩の形態で存在することができると理解されるべきである。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症なしに人間および動物の組織と接触させて使用するのに適切で妥当な便益/リスク比に見合う化合物、物質、組成物、および/または剤形をいう。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される化合物、物質、組成物、および/または剤形は規制当局(例えばアメリカ食品医薬品局、中国国家食品薬品監督管理局または欧州医薬品庁)により認可されたものまたは動物、より特定的にはヒトに使用される広く認められた薬局方(例えば米国薬局方、中国薬局方または欧州薬局方)にリストされているものをいう。
【0114】
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩」は、親の化合物が存在する酸性部分(例えばカルボキシルなど)または塩基部分(例えばアミン、アルカリなど)をその塩形態に変換することにより変更された本開示の化合物の誘導体をいう。多くの場合、本開示の化合物はアミノおよび/またはカルボキシル基またはそれと類似の基の存在のおかげで酸および/または塩基塩を形成することができる。薬学的に許容される塩は、通例生物学的またはその他の意味で望ましくないわけではない、親の化合物の生物学的な有効性および性質を保持する酸および/または塩基塩である。本開示の化合物の適切な薬学的に許容される塩は、例えば酸付加塩を含み、これは例えば無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)または有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、トリメシン酸、クエン酸、乳酸、フェニル酢酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナパジシル酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、サリチル酸、スルホサリチル酸など)から誘導されることができる。いくつかの実施形態において、本開示の化合物の薬学的に許容される塩はギ酸塩である。いくつかの実施形態において、本開示の化合物の薬学的に許容される塩はTFA塩である。
【0115】
本開示の化合物の適切な薬学的に許容される塩はまた、例えば、塩基付加塩も含み、これは例えば無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム塩および水酸化物、周期表のカラムI~XIIからの金属、例えばカルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、銅などの炭酸塩、重炭酸塩)または有機塩基(例えば、第一級、第二級、および第三級アミン、置換されたアミン、例えば天然に存在する置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂、など)から誘導されることができる。ある種の有機アミンは、これらに限定されないがイソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンを含む。当業者には分かるように、実施例に示されるもの以外の酸/塩基付加塩を形成するための酸または塩基を付加することもまた可能であり得る。追加の適切な塩のリストは、例えば“Remington’s Pharmaceutical Sciences”, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)および“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” by Stahl and Wermuth(Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)に見ることができる。いくつかの実施形態において、本開示の化合物の適切な薬学的に許容される塩は無機塩基塩である。
【0116】
本開示はまた、本開示の化合物の活性な中間体、活性な代謝産物およびプロドラッグも含む。本明細書で使用されるとき、「活性な中間体」は、合成プロセスにおいて合成される最終の化合物と同じまたは本質的に同じ生物学的な活性を示す中間体化合物をいう。
【0117】
本明細書で使用されるとき、「活性な代謝産物」は動物またはヒトの身体内で本開示の化合物またはその塩もしくはプロドラッグの代謝または生体内変換によって産生された分解または最終産物をいい、これはその特定の化合物と同一または本質的に同一の生物学的活性を示す。かかる代謝産物は投与された化合物または塩もしくはプロドラッグの例えば、酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的切断、などで生じ得る。
【0118】
本明細書で使用されるとき、「プロドラッグ」は、動物またはヒト対象に投与されたとき活性な親の薬物を放出するあらゆる化合物または複合体を指す。プロドラッグは化合物中に存在する官能基を修飾するが、その際その修飾が日常の操作またはインビボのいずれかで親の化合物から開裂可能であるように修飾することにより製造されることができる。プロドラッグは、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、またはカルボキシル基が、哺乳類の対象に投与されたとき開裂してそれぞれ遊離のヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、またはカルボキシル基を形成することができるいずれかの基に結合される化合物を含む。プロドラッグの例は、これらに限定されないが、本開示の化合物中のアルコールおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体を含む。プロドラッグの調製および使用はTHiguchi and V. Stella, “Pro-drugs as Novel Delivery Systems”, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987で考察されており、これらはいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0119】
本明細書にはDNA-PKを選択的に阻害することができる新規な化合物または薬学的に許容される塩が開示される。本開示の化合物またはその薬学的に許容される塩は、他の臨床的に利用可能なDNA-PK阻害剤と比較した場合、ある特定の改善された特性、例えばより高いBBB浸透(よってこれらを、CNSに転移した、特に脳転移および軟髄膜転移のがんの治療について潜在的に有用とする)、より良好な効力などを示す。また、公知のDNA-PK阻害剤と比較して好ましい毒性プロフィール、および/または好ましい代謝もしくは薬物動態プロフィールも保有し得る。
【0120】
したがって、かかる化合物またはその薬学的に許容される塩は、がん、特に脳転移を有するがんの治療に特に有用である。
合成方法
本発明により提供されるその塩、エステル、水和物、もしくは溶媒和物または立体異性体も含めた化合物の合成は実施例で合成スキームに例示される。本発明により提供される化合物はいずれかの公知の有機合成技術を用いて製造されることができ、数多くの可能な合成経路のいずれかに従って合成されることができ、したがってこれらのスキームは単に説明に役立つのみであり、本発明により提供される化合物を製造するのに使用されることができる他の可能な方法を限定する意味はない。加えて、スキームのステップはより良好な説明のためのものであり、適宜変更されることができる。実施例の化合物の実施形態は研究および潜在的に規制当局への提出の目的で中国で合成された。
【0121】
本開示の化合物を製造する反応は、有機合成の当業者により容易に選択されることができる適切な溶媒中で行われることができる。適切な溶媒は反応が行われる温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲であることができる温度で出発材料(反応物質)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であることができる。所与の反応は1種の溶媒または1種より多くの溶媒の混合物中で行われることができる。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに適した溶媒は熟練者により選択されることができる。
【0122】
本開示の化合物の製造は様々な化学基の保護および脱保護を含むことができる。保護および脱保護の必要性、ならびに適当な保護基の選択は当業者により容易に決定されることができる。保護基の化学は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるT. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wiley & Sons, Inc., New York (1999)に見ることができる。
【0123】
反応は当技術分野で公知のいずれかの適切な方法に従ってモニターされることができる。例えば、生成物形成は分光学的手段、例えば核磁気共鳴分光学(例えば、1Hまたは13C)、赤外線分光学、分光測光法(例えば、UV-可視)、質量分析法により、またはクロマトグラフ法、例えば高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分析(LCMS)、もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターされることができる。化合物は当業者により高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)(“Preparative LC-MS Purification: Improved Compound Specific Method Optimization” Karl F. Blom, Brian Glass, Richard Sparks, Andrew P. Combs J. Combi. Chem. 2004, 6(6), 874~883、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)および順相シリカクロマトグラフィーを含めた様々な方法によって精製されることができる。
【0124】
本明細書で使用される略語は以下の通り定義される:「1×」または「×1」は一回、「2×」または「×2」は二回、「3×」または「×3」は三回、「4×」または「×4」は四回、「5×」または「×5」は五回、「℃」はセ氏温度、「eq」または「eq.」は当量、「g」はグラム、「mg」はミリグラム、「L」はリットル、「mL」または「ml」はミリリットル、「μL」はマイクロリットル、「N」は規定、「M」はモル濃度、「mmol」はミリモル、「min」は分、「h」または「hr」は時間、「r.t.」または「rt」は室温、「atm」は気圧、「psi」は平方インチ当たりのポンド、「conc.」は濃縮物、「sat」または「sat’d」は飽和、「MS」または「Mass Spec」は質量分析法、「ESI」はエレクトロスプレーイオン化質量分析、「LCMS」は液体クロマトグラフィー質量分析法、「HPLC」は高圧液体クロマトグラフィー、「RP」は逆相、「TLC」または「tlc」は薄層クロマトグラフィー、「SM」は出発材料、「NMR」は核磁気共鳴分光学、「1H」はプロトン、「δ」はデルタ、「s」は一重項、「d」は二重項、「t」は三重項、「q」は四重項、「m」は多重項、「br」はブロード、「Hz」はヘルツを示す。「α」、「β」、「R」、「S」、「E」、および「Z」は当業者になじみのある立体化学の呼称である。
【0125】
医薬組成物
本開示は少なくとも1種の本開示の化合物を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は1種より多くの本開示の化合物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は1種または複数の本開示の化合物、および薬学的に許容される担体を含む。
【0126】
薬学的に許容される担体は薬学分野でよく知られた方法で調製されることができる当技術分野で慣用の医薬担体である。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は医薬組成物の製造用に薬学的に許容される担体と混合され得る。
【0127】
用語「薬学的に許容される担体」は、本明細書で使用されるとき、本発明で提供される化合物を1つの位置、体液、組織、器官(内部または外部)、または身体の一部分から別の位置、体液、組織、器官、または身体の一部分へ運搬または輸送する際に関わる薬学的に許容される物質、組成物またはビヒクル、例えば液体または固体充填材、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル材料をいう。薬学的に許容される担体は過度の毒性または有害作用なしに動物の組織と接触させるのに使用されることができるビヒクル、希釈剤、賦形剤、または他の物質であることができる。代表的な薬学的に許容される担体は糖類、デンプン、セルロース、麦芽、トラガカント、ゼラチン、リンガー溶液、アルギン酸、等張食塩水、緩衝剤、などを含む。本開示で使用されることができる薬学的に許容される担体は当技術分野で広く知られたもの、例えば参照により本明細書に組み込まれる“Remington Pharmaceutical Sciences” Mack Pub. Co., New Jersey (1991)に開示されるものを含む。
【0128】
薬学的に許容される担体として役立つことができる物質のいくつかの例は:(1)糖類、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;(3)セルロース、およびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)トラガカント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばココアバターおよび座薬ワックス;(9)油、例えば落花生油、綿実油、サフラワー油、ごま油、オリーブ油、コーンオイルおよび大豆油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンガー溶液;(19)アルコール、例えばエチルアルコールおよびプロパンアルコール;(20)リン酸緩衝液;ならびに(21)その他の薬学処方に使用される非毒性の相溶性物質、例えばアセトンを含む。
【0129】
医薬組成物は生理的条件に近付けるのに必要とされる薬学的に許容される補助物質、例えばpH調節および緩衝剤、毒性調節剤など、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含有し得る。
【0130】
医薬組成物の形態は、制限されることはないが、投与の経路、病気の程度、または投与される薬量を含むいくつかの基準に依存する。医薬組成物は経口、鼻腔内、直腸、経皮、静脈内、または筋肉内投与用に製剤化されることができる。例えば、鼻腔内投与用の投薬形態はエアロゾル、溶液、点鼻液、ゲルまたは乾燥粉末として都合よく製剤化され得;経鼻内投与用の投薬形態は流体製剤として製剤化され得る。所望の投与の経路によって、医薬組成物は錠剤、カプセル、丸薬、ドラジェ、粉末、顆粒、サッシェ、カシェー、トローチ剤、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒質中)、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、パッチ、吸入剤、または座薬の形態に製剤化されることができる。
【0131】
医薬組成物はまた、当技術分野で公知の手順を使用することにより、患者への投与後活性成分の急速、持続または遅延放出を提供するように製剤化されることもできる。いくつかの実施形態において、医薬組成物は持続放出形態に製剤化される。本明細書で使用されるとき、用語「持続放出形態」は、活性薬剤が対象において、主として対象の消化管で、長期間にわたって(徐放)、または一定の位置で(制御放出)生物学的吸収に利用できるようになるような活性薬剤の医薬組成物からの放出をいう。いくつかの実施形態において、長期間は約1時間~24時間、2時間~12時間、3時間~8時間、4時間~6時間、1~2日以上であることができる。一定の実施形態において、長期間は少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間である。医薬組成物は錠剤の形態に製剤化されることができる。例えば、活性薬剤の放出速度は、活性薬剤の胃腸液への溶解およびその後の錠剤または丸薬からのpHに無関係の拡散によって制御されることができるだけでなく、錠剤の崩壊および浸食の物理的過程にも影響されることができる。いくつかの実施形態において、“Medical Applications of Controlled Release,” Langer and Wise (eds.), CRC Pres., Boca Raton, Florida (1974); “Controlled Drug Bioavailability,” Drug Pproduct Design and Performance, Smolen and Ball (eds.), Wiley, New York (1984); Ranger and Peppas, 1983, J MacromolSci. Rev. Macromol Chem. 23:61; またLevy et al., 1985, Science 228:190も参照; During et al., 1989, Ann. Neurol. 25:351; Howard et al., 1989, J. Neurosurg. 71:105に開示されるポリマー性の材料が持続放出のために使用されることができる。以上の参考文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0132】
一定の実施形態において、医薬組成物は約0.0001mg~約100mgの本開示の化合物(例えば約0.0001mg~約10mg、約0.001mg~約10mg、約0.01mg~約10mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約4mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約2mg、約0.1mg~約1mg、約0.1mg~約0.5mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約5mg~約10mg、約5mg~約20mg、約5mg~約30mg、約5mg~約40mg、約5mg~約50mg、約10mg~約100mg、約20mg~約100mg、約30mg~約100mg、約40mg~約100mg、約50mg~約100mg)を含む。対象に対して1日当たりの適切な投薬量は約0.1mg~約10mg、好ましくは約0.1mg~約5mg、約5mg~約10mg、または約1mg~約5mgであることができる。
【0133】
一定の実施形態において、医薬組成物は単位投薬形態に製剤化されることができ、各々の投薬量は約0.0001mg~約10mg、約0.001mg~約10mg、約0.01mg~約10mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約4mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約2mg、約0.1mg~約1mg、約0.1mg~約0.5mg、約1mg~約10mg、約5mg~約10mg、約5mg~約20mg、約5mg~約30mg、約5mg~約40mg、約5mg~約50mg、約10mg~約100mg、約20mg~約100mg、約30mg~約100mg、約40mg~約100mg、約50mg~約100mgの本開示の化合物を含有する。用語「単位投薬形態」はヒト対象および他の哺乳類に対する単位投薬量として適した物理的に別々の単位をいい、各々の単位は所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性物質を適切な医薬担体と共に含有する。
【0134】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は第1の活性成分として1種または複数の本開示の化合物を含み、さらに第2の活性成分を含む。第2の活性成分は、制限なしに、化学療法、免疫療法、細胞シグナル伝達阻害剤、アルキル化剤、トポイソメラーゼ阻害剤、有糸分裂阻害剤、抗ホルモン剤などを含む、当技術分野で公知の任意の免疫調節剤または抗腫瘍剤であることができる。かかる免疫調節剤または抗腫瘍剤の例は、白金ベースの治療法(例えば、シスプラチン(DDP)、カルボプラチン(CBP)、スルファト-1,2-ジアミノシクロヘキサン白金(SHP)、ネダプラチン、オキサリプラチン(OXA)、ラボプラチン)、ドセタキセル、パクリタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、CTLA-4阻害剤、抗CTLA-4抗体、PD-1阻害剤、PD-L1阻害剤、抗PD-1/PD-L1抗体、CD39阻害剤、抗CD39抗体、CD73阻害剤、抗CD73抗体、CCR2阻害剤、抗CCR2抗体、EGFR阻害剤、CDK4/6阻害剤、MELK阻害剤、OX40アゴニスト、抗アンドロゲン阻害剤、IgG4アイソタイプ抗体、チロシンキナーゼ阻害剤、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、Hsp90阻害剤、FGFR阻害剤、mTOR阻害剤、アロマターゼ阻害剤、VEGF阻害剤、LHRHアンタゴニスト、PI3K阻害剤、AKT阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、MEK阻害剤、HDAC阻害剤、BET阻害剤、PIK3CA阻害剤、プロテアソーム阻害剤、他のSERD、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、VEGF-A抗体、ErbB3(Her3)抗体、プロテアソーム阻害剤、タンパク質キナーゼCβ阻害剤、抗IGF-1R抗体、抗HER2抗体、SERM、IGF阻害剤、抗IgG抗体などを含む。がんまたは腫瘍を治療するための抗腫瘍剤の代表的な例は、これらに限定されないが、シスプラチン、カルボプラチン、SHP、ネダプラチン、オキサリプラチン、ラボプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、ドキソルビシン、エトポシド、ミトキサントロン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ゲムシタビン、シクロホスファミド、クロラムブシル、カルムスチン、メトトレキサート、フルオロウラシル、アクチノマイシン、エピルビシン、アンスラサイクリン、ブレオマイシン、マイトマイシンC、イリノテカン、トポテカン、テニポシド、インターロイキン、インターフェロン、トレメリムマブ、イピリムマブ、ペムブロリズマブ、ニボルマブ、アベルマブ、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、IPH52、IPH53、CPI-006、プロザリズマブ、MLN1202、セツキシマブ、ラパチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、ネラチニブ、トラスツズマブ、トラスツズマブエムタンシン、ペルツズマブ、MCLA-128、アナストラゾール、ラロキシフェン、G1T38、タモキシフェン、ゴセレリン、エンザルタミド、ボリノスタット、エンチノスタット、スニチニブ、パゾパニブ、ベバシズマブ、ラニビズマブ、ペガプタニブ、セディラニブ、ダサチニブ、GDC-0980、ゲダトリシブ(gedatolisib)、アルペリシブ、BKM120、コパンリシブ、AZD8835、GDC-0941、タセリシブ(taselisib)、テムシロリムス、エベロリムス、サパニセルチブ、AZD5363、MK2206、パニツムマブ、ペムブロリズマブ、ソラフェニブ、パルボシクリブ、アベマシクリブ、リボシクリブ、クリゾチニブ、ドビチニブ、ルキソリチニブ、アザシチジン、CC-486、HSP90 ガネテスピブ、デビオ1347、エルダフィチニブ、ビツセルチブ(vitusertib)、アリセルチブ、セルメチニブ、GS-5829、GSK525762、MLN9708、GDC-0810、AFP464、チピファルニブ、セリバンツマブ、ボルテゾミブ、エンザスタウリン、AVE1642、キセンツズマブ、ダロツズマブ、AMG 479などを含み得る。
【0135】
かかる抗腫瘍剤の例はCancer Principles and Practice of Oncology by V. T. Devita and S. Hellman (editors), 6th edition (Feb. 15, 2001), Lippincott Williams & Wilkins Publishersに見ることもできる。当業者はまた、薬物の個々の特性および関連するがんに基づいてどの組合せの薬剤が有用であるか理解することもできよう。
【0136】
本開示のこの態様により、本明細書の上記において定義されているような式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩および上記にリストされたような免疫調節剤または抗腫瘍剤のいずれか1つを含む、がんの治療に使用するのに適切な組合せが提供される。
【0137】
したがって、本開示のさらなる態様において、上記にリストされたものから選択される免疫調節剤または化学療法と組み合わせた、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩が提供される。
【0138】
本明細書において、用語「組合せ」が使用される場合、これは同時、別々または連続の投与を指すと理解されるべきである。いくつかの実施形態において、「組合せ」は同時投与を指す。本開示の別の態様において、「組合せ」は別々の投与を指す。本開示のさらなる態様において、「組合せ」は連続投与を指す。投与が連続または別々である場合、第2の構成成分の投与の遅れは、組合せの有益な効果を失わないようなものであるべきである。
【0139】
本開示のさらなる態様において、上記にリストされたものから選択される免疫調節剤または抗腫瘍剤と組み合わせた式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物が提供される。
【0140】
本開示のさらなる態様において、免疫調節または抗がん効果を生じるのに使用するための、上記にリストされたものから選択される免疫調節剤または抗腫瘍剤と組み合わせた式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物が提供される。
【0141】
本開示のさらなる態様において、DNA-PK関連疾患、例えばNSCLC、RCC、前立腺がんまたは乳がんなどを治療するのに使用するための、上記にリストされたものから選択される免疫調節剤または抗腫瘍剤と組み合わせた式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤または担体と共に含む、医薬組成物が提供される。
【0142】
本開示のさらなる態様により、上記にリストされたものから選択される免疫調節剤または抗腫瘍剤と組み合わせた、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を含むキットが提供される。
【0143】
本開示のさらなる態様により、
a)第1の単位投薬形態の式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩;
b)上記にリストされたものから選択される、第2の単位投薬形態の免疫調節剤または抗腫瘍剤;ならびに
c)前記第1および第2の投薬形態を含有する容器
を含むキットが提供される。
【0144】
治療薬におけるこれらの使用に加えて、式(I)の化合物またはその薬学的に許容される塩は、新規な治療剤の探索の一部としての、実験動物、例えばネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラットおよびマウスにおけるDNA-PKの活性または発現の評価のためのインビトロおよびインビボの試験系の開発および標準化における薬理学的手段としても有用である。
【0145】
本明細書に記載する、上記の他の医薬組成物、プロセス、方法、使用および医薬の製造の特徴、代替のおよび好ましい本開示の化合物の実施形態も適用される。
治療方法
本開示は、有効な量の本開示の1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩または医薬組成物を対象に投与することを含む、DNA-PK関連疾患を治療する方法を提供する。
【0146】
本開示はまたDNA-PK関連疾患を治療する方法も提供する。一定の実施形態において、方法は有効な量の1種または複数の本開示の化合物、その薬学的に許容される塩または医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0147】
本明細書で使用されるとき、用語「DNA-PK関連疾患」は、その発病もしくは進行または両方がDNA-PKの発現または活性に関連する疾患をいう。例は、これらに限定されないが、過剰増殖性疾患(例えば、がん)を含む。
【0148】
いくつかの実施形態において、DNA-PK関連疾患は、がん、好ましくはDNA-PK過剰発現がんである。「DNA-PK過剰発現がん」は、同じ組織型の非がん性細胞と比較して、がんまたは腫瘍細胞中に有意に高いレベルのDNA-PKタンバク質を有するものである。かかる過剰発現は、遺伝子増幅により、または転写もしくは翻訳の増大により引き起こされ得る。DNA-PK過剰発現は、診断的または予後の検定において細胞中に存在するDNA-PKタンバク質のレベルの増大を評価することにより(例えば免疫組織化学染色検定:IHCにより)、決定され得る。あるいは、また加えて、例えば蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH;WO98/45479、1998年10月公開を参照)、サザンブロッティング、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術、例えばリアルタイム定量PCR(RT-PCR)(Methods 132:73~80(1990))により、細胞中のDNA-PKをコードする核酸のレベルを測定してもよい。上記の検定とは別に、様々なインビボの検定が当業者に利用可能である。例えば、患者の体内の細胞を、場合により検出可能な標識、例えば放射性同位体により標識された抗体に曝露してもよく、患者中の細胞に対する抗体の結合を、例えば放射活性についての外部走査により、または抗体に曝露する前に患者から採取した生検の分析により評価することができる。
【0149】
特に、がんは、これらに限定されないが、肺がん(例えば非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん、肺腺癌、大細胞肺がん、肺扁平上皮がん)、腎細胞癌(RCC)、前立腺がん、乳がん、卵巣がん、子宮体がん、子宮頚部がん、骨がん、子宮がん、大腸がん、白血病、膠芽腫、黒色腫、軟骨肉腫、脳がん、胆管細胞癌、骨肉腫、リンパ腫、腺腫、骨髄腫、肝細胞癌、副腎皮質癌、膵臓がん、膀胱がん、肝臓がん、胃がん、直腸がん、食道がん、精巣がん、皮膚がん、腎臓がん、中皮腫、神経芽腫、甲状腺がん、頭頸部がん、食道がん、眼がん、上咽頭がんまたは口腔がんを含む。いくつかの実施形態において、がんはNSCLC、RCC、前立腺がんまたは乳がんである。がんは、本明細書において述べられるとき、他に規定されない限り任意のステージであることができる。いくつかの実施形態において、がんは早期がんである。いくつかの実施形態において、がんは局所進行がんである。いくつかの実施形態において、がんは局所進行および/または転移がんである。いくつかの実施形態において、がんは浸潤がんである。いくつかの実施形態において、がんは既存の治療に抵抗性のがんである。
【0150】
本明細書で使用されるとき、用語「治療」、「治療する」および「治療する」は、本明細書に記載するように、病気もしくは疾患の発病を逆転させ、軽減し、遅らせるか、または、またはその1つまたは複数の症状の進行を阻害することをいう。いくつかの実施形態において、治療は1つまたは複数の症状が出現した後に投与され得る。他の実施形態において、治療は症状のないときに投与されてもよい。例えば、治療は(例えば、症状の履歴を考慮して、および/または遺伝的またはその他の感受性因子を考慮して)症状の発現の前に影響を受け易い個人に投与され得る。治療はまた、症状が解消された後にも、例えばその再発を防ぎ、または遅らせるために、続けられてもよい。
【0151】
いくつかの実施形態において、本発明により提供される1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩または医薬組成物は非経口経路または非経口以外の経路によって投与される。いくつかの実施形態において、1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体または医薬組成物は経口に、腸内に、頬側に、経鼻的に、鼻腔内に、経粘膜的に、表皮に、経皮的に、皮膚に、眼内に(ophthalmically)、肺に(pulmonary)、直腸に、舌下に、経膣的に、局所に、皮下に、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、髄腔内に、関節内に、眼窩内に、心臓内に、皮内に、腹腔内に、経気管で、表皮下に、関節腔内に、嚢下に、髄腔内に、くも膜下に、または大槽内に投与される。
【0152】
本発明により提供される化合物は純粋な形態で、他の活性成分と組み合わせて、または本開示の薬学的組成物の形態で投与されることができる。いくつかの実施形態において、本発明により提供される化合物は必要とする対象に当技術分野で公知の1種または複数の抗がんまたは抗炎症剤と組み合わせて同時にまたは連続して投与されることができる。かかる組合せの個々の化合物は別々または合わせた医薬組成物として連続してまたは同時に投与され得る。好ましくは、個々の化合物は合わせた医薬組成物として同時に投与される。公知の治療剤の適当な薬量は当業者により容易に理解される。
【0153】
いくつかの実施形態において、投与は1日一回、1日二回、1日三回、または2日毎に一回、3日毎に一回、4日毎に一回、5日毎に一回、6日毎に一回、1週に一回行われる。
【0154】
化合物またはその薬学的に許容される塩の治療有効量は、本明細書において提供されるとき、当該技術分野において公知の様々な因子、例えば体重、年齢、過去の診療歴、現在の薬剤、対象の健康状態および交差反応の可能性、アレルギー、感受性および有害な副作用、ならびに投与経路および疾患進行の範囲に依存するであろう。投薬量は、これらのまたは他の状況または要件に示されるように、当業者(例えば内科医または獣医)により比例的に減少または増大されてもよい。
【0155】
いくつかの実施形態において、本発明により提供される1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩または医薬組成物は経口で投与される。経口投与の場合、所望の目的を達成するいずれの薬量も適当である。いくつかの実施形態において、適切な1日投薬量は約0.001~100mg、好ましくは0.1mg~5g、より好ましくは5mg~1g、より好ましくは10mg~500mgであり、投与は1日一回、1日二回、1日三回、毎日、または1週に3~5日行われる。いくつかの実施形態において、本発明により提供される1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩または医薬組成物の薬量は1日当たり約0.0001mg、好ましくは、0.001mg、0.01mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mgの範囲である。
【0156】
化合物の使用
一定の実施形態において、本開示は、DNA-PK関連疾患を治療するための医薬の製造における、本開示の化合物、その薬学的に許容される塩、または医薬組成物の使用を提供する。一定の実施形態において、DNA-PK関連疾患はがんを含む。
【0157】
本開示における化合物および医薬組成物は哺乳類、殊にヒトにおいてDNA-PK関連疾患のいずれかの発病または進行(発現または活性)の予防または治療に使用されることができる。
【0158】
かかる状況において、本開示はまた、単独または他の成分(例えば第2の活性成分、例えば抗炎症または抗がん剤)と組み合わせた本開示の化合物もしくは医薬組成物で治療するのに適した患者をスクリーニングする方法も提供する。方法は患者由来の組織試料を並べ、患者におけるDNA-PKの蓄積を検出することを含む。
【実施例】
【0159】
以下は本開示の一般的な方法をさらに説明する。本開示の化合物は当技術分野で公知の方法により製造され得る。以下は好ましい本開示の化合物の詳細な製造方法を例証する。しかしながら、以下はいかなる意味でも本開示の化合物の製造方法を限定するものではない。
【0160】
合成実施例
その薬学的に許容される塩を含めて本発明により提供される化合物の合成は実施例中の合成スキームに例示される。本発明により提供される化合物はいずれかの公知の有機合成技術を用いて調製されることができ、数多くの可能な合成経路のいずれかに従って合成されることができ、したがってこれらのスキームは実例となるだけであって、本発明により提供される化合物を調製するのに使用されることができる他の可能な方法を制限することが意味されない。加えて、スキーム中のステップはより良好な説明のためのものであり、適宜変更されることができる。実施例中の化合物の実施形態は研究および潜在的に規制当局への提出の目的で合成された。
【0161】
本開示の化合物を調製するための反応は有機合成の当業者により容易に選択されることができる適切な溶媒中で行われることができる。適切な溶媒は反応が行われる温度、例えば溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲であることができる温度で出発材料(反応物質)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であることができる。所与の反応は1種の溶媒または1種より多くの溶媒の混合物中で行われることができる。個々の反応ステップに応じて、個々の反応ステップのための適切な溶媒は熟練者により選択されることができる。
【0162】
本開示の化合物の調製は様々な化学基の保護および脱保護を含むことができる。保護および脱保護の必要性、ならびに適当な保護基の選択は当業者により容易に決定されることができる。保護基の化学は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるT. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wiley & Sons, Inc., New York (1999)に見出されることができる。
【0163】
反応は当技術分野で公知のいずれかの適切な方法に従ってモニターされることができる。例えば、生成物の形成は分光学的手段、例えば核磁気共鳴分光学(例えば1Hまたは13C)、赤外線分光学、分光測光法(例えばUV-可視)、質量分析法により、またはクロマトグラフ法、例えば高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分析(LCMS)、もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターされることができる。化合物は当業者により様々な方法、例えば高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる“Preparative LC-MS Purification: Improved Compound Specific Method Optimization” Karl F. Blom, Brian Glass, Richard Sparks, Andrew P. Combs J. Combi. Chem. 2004, 6(6), 874~883)、および順相シリカクロマトグラフィーによって精製されることができる。
【0164】
実施例中の化合物の構造は核磁気共鳴(NMR)または/および液体クロマトグラフィー-質量分析法(LC-MS)により特徴付けられる。NMRの化学シフト(δ)は10-6(ppm)の単位で表される。1H-NMRスペクトルはジメチルスルホキシド-d6(DMSO-d6)またはCDCl3またはCD3ODまたはD2Oまたはアセトン_d6またはCD3CN(InnochemまたはSigma-AldrichまたはCambridge Isotope Lab., Inc.)中Bruker AVANCE NMR(300MHzまたは400MHz)分光計で内部標準としてテトラメチルシランを有するICON-NMR(TopSpinプログラムコントロールの下)を用いて記録される。
【0165】
MS測定は陽および陰イオンモードのエレクトロスプレー源を備えたShimadzu 2020質量分析計を用いて行われる。
高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)測定はShimadzu LC-20ADシステムまたはShimadzu LC-20ADXRシステムまたはShimadzu LC-30ADシステムでShim-pack XR-ODS C18カラム(3.0×50mm、2.2μm)、またはAscentis Express C18カラム(2.1×50mm、2.7μm)、またはAgilent Poroshell HPH-C18カラム(3.0×50mm、2.7μm)を用いて行われる。
【0166】
薄層クロマトグラフィーはSinopharm Chemical Reagent Beijing Co., Ltd.およびXinnuo Chemicalシリカゲルプレートを用いて実施される。薄層クロマトグラフィー(TLC)に使用されたシリカゲルプレートは175~225μmである。TLCにより生成物を分離し精製するのに使用されたシリカゲルプレートは1.0mmである。
【0167】
精製されたクロマトグラフィーカラムは担体としてシリカゲル(100~200、200~300または300~400メッシュ、Rushanshi Shangbang Xincailiao Co., Ltd.またはRushan Taiyang Desiccant Co., Ltd.等により生産)、またはフラッシュカラム(逆相C18カラム20~45μm、Agela Technologiesにより生産)をAgela Technologiesフラッシュシステムで使用する。カラムの大きさは化合物の量に従って調節される。
【0168】
本開示の公知の出発材料は当技術分野で公知の方法を用いるかもしくはそれに従って合成されることができ、またはAlfa Aesar、TCI、Sigma-Aldrich、Bepharm、Bide pharmatech、PharmaBlock、Enamine、InnochemおよびJW&Y PharmLab等から購入されることができる。
【0169】
他に規定されない限り、反応は全てアルゴンまたは窒素雰囲気下で行われる。アルゴンまたは窒素雰囲気は反応フラスコが約1Lの容量のアルゴンまたは窒素バルーンに接続されることを意味する。水素化は通常圧力下で行われる。他に規定されない限り、実施例での反応温度は周囲温度であり、これは10℃~30℃である。反応の進行はTLCまたは/およびLC-MSによりモニターされる。反応に使用された溶離剤系はジクロロメタン-メタノール系および石油エーテル-酢酸エチル系を含む。溶媒の容量比は化合物の異なる極性に従って調節される。
【0170】
化合物を精製するのに使用されるカラムクロマトグラフィーの溶離系およびTLCの溶離剤系はジクロロメタン-メタノール系および石油エーテル-酢酸エチル系を含む。溶媒の容量比は化合物の異なる極性に従って調節される。少量のアルカリ性または酸性の物質(0.1%~1%)、例えばギ酸、または酢酸、またはTFA、またはアンモニアが調節のために加えられることができる。
【0171】
本発明により提供される化合物の合成に使用される化学物質の略語が以下にリストされる:
【0172】
【0173】
実施例1
1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例1)の調製
【0174】
【0175】
ステップ1. 5-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン
DMF(60.00mL)中の5-クロロ-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(3.00g、19.410mmol、1.00当量)およびNIS(7.86g、34.936mmol、1.80当量)の混合物を一晩0℃の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をEtOAc(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×200mL)で洗浄した。合わせた有機層をNa2S2O3(3×200mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(20:1)で溶離して5-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(2.4g、44.09%)を得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=281.0。
【0176】
ステップ2. 5-クロロ-3-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン
DMF(20.00mL)中のCs2CO3(3.49g、10.697mmol、3当量)、CH3I(2.53g、17.828mmol、5.00当量)および5-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(1.00g、3.566mmol、1.00当量)の混合物を1時間0℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×80mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×100mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物をEtOAc/PE(1:5 300mL)から再結晶して5-クロロ-3-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(850mg、80.95%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=295.0。
【0177】
ステップ3. 5-クロロ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン
ジオキサン(15.00mL)およびH2O(3.00mL)中のK2CO3(1210.85mg、8.761mmol、3.00当量)、Pd(dppf)Cl2 CH2Cl2(476.98mg、0.584mmol、0.2当量)、2-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(797.57mg、3.797mmol、1.3当量)および5-クロロ-3-ヨード-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(860.00mg、2.920mmol、1.00当量)を16時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(100mL)で希釈した。得られた混合物をCH2Cl2/MeOH=12:1(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(2×100mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製し、5-クロロ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(380mg、51.90%)を灰色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=251.2。
【0178】
ステップ4. 3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン
ジオキサン(20.00mL)中のCs2CO3(2599.38mg、7.978mmol、2.50当量)、キサントホス(553.94mg、0.957mmol、0.30当量)、Pd(OAc)2(143.29mg、0.638mmol、0.20当量)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(567.40mg、3.829mmol、1.20当量)および5-クロロ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(800.00mg、3.191mmol、1.00当量)の混合物を一晩100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(200mL)で希釈した。得られた混合物をCH2Cl2/MeOH=(12:1)(3×200mL)で抽出し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物をEtOAc/PE(1:6 300mL)から再結晶して3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(600mg、51.88%)を褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=363.3。
【0179】
ステップ5. 1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-(オキサン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例1)
MeOH(200mL)およびTHF(100mL)中のPd/C(47.92mg、0.450mmol、1.36当量)および3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(120mg、0.331mmol、1.00当量)の混合物を2時間室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×100mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(120mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:25B~51B、7分)で精製して1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-(オキサン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(55mg、45.12%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=365.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.95 (4H, t), 2.42 (3H, d), 3.14-3.30 (1H, m), 3.47 (2H, d), 3.93 (2H, d), 4.04 (3H, s), 7.71 (1H, t), 8.37 (1H, s), 8.84 (1H, s), 9.15 (1H, s), 9.34 (1H, s)
実施例2
1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例2)および3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例6)の調製
【0180】
【0181】
ステップ1. 3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例6)
ジオキサン(6.00mL)中のCs2CO3(682.34mg、2.094mmol、2.50当量)、キサントホス(96.94mg、0.168mmol、0.20当量)、Pd(OAc)2(37.61mg、0.168mmol、0.20当量)、7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-アミン(147.95mg、1.005mmol、1.20当量)および5-クロロ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(210.00mg、0.838mmol、1.00当量)の混合物を一晩100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×50mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製し、粗製の生成物を得た。粗製の生成物(170mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム19*250mm,5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:26B~36B、7分)で精製して3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(100mg、57.65%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=362.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.30 (3H, d), 2.58 (2H, s), 3.83 (2H, t), 4.06 (3H, s), 4.25 (2H, d), 7.07-7.12 (1H, m), 7.43 (1H, d), 7.49 (1H, d), 7.84 (1H, t), 8.81 (2H, d), 9.14 (1H, s)
ステップ2. 1-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]-3-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例2)
MeOH(20.00mL)中のPd/C(70.67mg、0.664mmol、3.00当量)および3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(80.00mg、0.221mmol、1.00当量)の混合物を3時間40℃の水素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(50mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム19*250mm,5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:22B~33B、7分 RT1:6.63)で精製して1-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]-3-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(20mg、24.61%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=364.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.96 (4H, d), 2.28 (3H, d), 3.21 (1H, t), 3.47 (2H, d), 3.93 (2H, d), 4.03 (3H, s), 7.42 (1H, q), 7.49 (1H, d), 7.81 (1H, t), 8.69 (1H, s), 8.84 (1H, s), 9.09 (1H, s)
実施例3
7-メチル-N-(5-メチル-7-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(実施例3)の調製
【0182】
【0183】
ステップ1. 2-クロロ-7-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5-メチル-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン
ジオキサン(6.00mL)およびH2O(1.20mL)中の2-クロロ-7-ヨード-5-メチルピロロ[3,2-d]ピリミジン(300.00mg、1.022mmol、1.00当量)、2-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(279.16mg、1.329mmol、1.30当量)、Pd(dppf)Cl2(149.59mg、0.204mmol、0.20当量)およびK2CO3(423.81mg、3.067mmol、3.00当量)の混合物を3時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 1:3)で精製し、2-クロロ-7-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5-メチルピロロ[3,2-d]ピリミジン(196mg、76.79%)を褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=250.2。
【0184】
ステップ2. 7-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-アミン
ジオキサン中(3.00mL)の2-クロロ-7-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5-メチルピロロ[3,2-d]ピリミジン(196.00mg、0.785mmol、1.00当量)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(139.56mg、0.942mmol、1.20当量)、Pd(AcO)2(35.25mg、0.157mmol、0.20当量)、キサントホス(136.25mg、0.235mmol、0.30当量)およびCs2CO3(639.37mg、1.962mmol、2.50当量)の混合物を3時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)で精製し、7-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-アミン(170mg、59.93%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=362.3。
【0185】
ステップ3. 7-メチル-N-(5-メチル-7-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5H-ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(実施例3)
MeOH(20.00mL)およびTHF(50.00mL)中の7-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-5-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-アミン(170.00mg、0.470mmol、1.00当量)およびPd/C(250.29mg、2.352mmol、5.00当量)の混合物を一晩室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(5×30mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して粗製の生成物を得た。粗製の生成物(100mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム19*250mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:25mL/分;勾配:30B~45B、7分;RT1:6.02)で精製して5-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-7-(オキサン-4-イル)ピロロ[3,2-d]ピリミジン-2-アミン(29mg、16.96%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=364.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.76 (2H, d), 1.88 - 2.01 (2H, m), 2.46 (3H, d), 3.02 (1H, t), 3.47 (2H, td), 3.80 (3H, s), 3.88 - 4.05 (2H, m), 7.51 (1H, s), 7.61 - 7.75 (1H, m), 8.33 (2H, d), 8.74 (1H, s), 9.49 (1H, s)
実施例4
3-イソプロピル-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例4)の調製
【0186】
【0187】
ステップ1. 5-クロロ-1-メチル-3-(プロパ-1-エン-2-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン
ジオキサン(5.00mL)およびH2O(1.00mL)中のPd(dppf)Cl2(124.24mg、0.170mmol、0.20当量)、K2CO3(293.33mg、2.122mmol、2.50当量)、4,4,5,5-テトラメチル-2-(プロパ-1-エン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(213.99mg、1.273mmol、1.50当量)および5-クロロ-3-ヨード-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(250.00mg、0.849mmol、1.00当量)の混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 1:3)で精製し、5-クロロ-1-メチル-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(130mg、73.39%)をピンク色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=209.6。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.22 (3H, t), 4.18 (3H, s), 5.50 (1H, p), 6.43 (1H, d), 9.45 (1H, s)
ステップ2. 1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-(プロパ-1-エン-2-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン
ジオキサン(4.00mL)中のCs2CO3(468.47mg、1.438mmol、2.50当量)、キサントホス(66.56mg、0.115mmol、0.20当量)、Pd(AcO)2(25.82mg、0.115mmol、0.20当量)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(127.82mg、0.863mmol、1.50当量)および5-クロロ-1-メチル-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(120.00mg、0.575mmol、1.00当量)の混合物を3時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=15:1)で精製し、1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(90mg、48.85%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=321.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.18 (3H, s), 2.45 (3H, d), 4.09 (3H, d), 5.33 (1H, d), 6.35 (1H, d), 7.70-7.78 (1H, m), 8.38 (1H, s), 8.96 (1H, s), 9.22 (1H, s), 9.37 (1H, s)
ステップ3. 3-イソプロピル-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例4)
MeOH(10.00mL)中のPd/C(89.69mg、0.843mmol、3.00当量)および1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-(プロパ-1-エン-2-イル)ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(90.00mg、0.281mmol、1.00当量)の混合物を一晩室温の水素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(4×50mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2:MeOH12:1)で精製し、粗製の生成物を得た。粗製の生成物(80mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム19*250mm,5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:MeOH;流量:25mL/分;勾配 58B~70B、7分;RT1 5.57)で精製して3-イソプロピル-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(50mg、54.66%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=323.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.39 (6H, d), 2.45 (3H, d), 3.18-3.34 (1H, m), 4.04 (3H, s), 7.69-7.75 (1H, m), 8.37 (1H, s), 8.79 (1H, s), 9.16 (1H, s), 9.44 (1H, s)
実施例5
3-シクロヘキシル-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例5)の調製
【0188】
【0189】
ステップ1. 5-クロロ-3-(シクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン
ジオキサン(5.00mL)およびH2O(1.00mL)中のK2CO3(293.33mg、2.122mmol、2.50当量)、2-(シクロヘキサ-1-エン-1-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(265.01mg、1.273mmol、1.50当量)および5-クロロ-3-ヨード-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(250.00mg、0.849mmol、1.00当量)を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 1:2)で精製し、5-クロロ-3-(シクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(150mg、71.04%)をピンク色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=249.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.61 - 1.80 (4H, m), 2.29 (2H, s), 2.54 (2H, s), 4.14 (3H, s), 7.17 - 7.27 (1H, m), 9.40 (1H, s)
ステップ2. 3-(シクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン
ジオキサン(4.00mL)中のCs2CO3(458.51mg、1.407mmol、2.50当量)、キサントホス(65.14mg、0.113mmol、0.20当量)、Pd(AcO)2(25.28mg、0.113mmol、0.20当量)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(125.11mg、0.844mmol、1.50当量)および5-クロロ-3-(シクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(140.00mg、0.563mmol、1.00当量)の混合物を3時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=15:1)で精製し、3-(シクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(140mg、69.00%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=361.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.61 - 1.83 (4H, m), 2.17 - 2.33 (4H, m), 2.46 (3H, d), 4.06 (3H, s), 7.21 (1H, s), 7.73 (1H, s), 8.38 (1H, s), 8.88 (1H, s), 9.19 (1H, s), 9.46 (1H, s)
ステップ3. 3-シクロヘキシル-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例5)
3-(シクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(160.00mg、0.444mmol、1.00当量)およびPd/C(236.21mg、2.220mmol、5.00当量)のTHF(40.00mL)およびMeOH(80.00mL)中溶液を3日間室温の水素雰囲気下で撹拌した。沈殿した固体をろ過により集め、MeOH(5×30mL)で洗浄した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(150mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:40B~50B、7分;RT1:6.55)で精製して3-シクロヘキシル-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(17.41mg、10.82%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=363.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.33 (3H, d), 1.76 (5H, d), 2.00 (2H, d), 2.46 (3H, d), 2.88 - 3.05 (1H, m), 4.04 (3H, s), 7.72 (1H, t), 8.38 (1H, s), 8.78 (1H, s), 9.15 (1H, s), 9.51 (1H, s)
実施例8
3-((1r,4r)-4-メトキシシクロヘキシル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例7)および3-((1s,4s)-4-メトキシシクロヘキシル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例8)の調製
【0190】
【0191】
ステップ1. 5-クロロ-3-(4-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン
ジオキサン(5.00mL)およびH2O(1.00mL)中のK2CO3(234.66mg、1.698mmol、2.50当量)、Pd(dppf)Cl2 CH2Cl2(110.93mg、0.136mmol、0.20当量)、2-(4-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(194.07mg、0.815mmol、1.20当量)および5-クロロ-3-ヨード-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(200.00mg、0.679mmol、1.00当量)の混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 1:2)で精製し、5-クロロ-3-(4-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(175mg、92.44%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=279.3。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.89 (2H, d), 2.11 (1H, m), 2.33 (1H, t), 2.66 (1H, m), 2.88 (1H, d), 3.43 (3H, s), 3.60 (1H, d), 4.12 (3H, s), 7.27 (1H, d), 8.89 (1H, s)
ステップ2. 3-(4-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン
ジオキサン(5.00mL)中のCs2CO3(496.78mg、1.525mmol、2.50当量)、キサントホス(70.58mg、0.122mmol、0.20当量)、Pd(AcO)2(27.39mg、0.122mmol、0.20当量)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(99.40mg、0.671mmol、1.10当量)および5-クロロ-3-(4-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(170.00mg、0.610mmol、1.00当量)の混合物を3時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製し、3-(4-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(100mg、41.99%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=392.4。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.67 (1H, d), 2.00 (1H, s), 2.27 (1H, m), 2.46 (3H, d), 2.72 (1H, d), 3.17 (2H, d), 3.33 (3H, s), 3.53 (1H, s), 4.07 (3H, s), 7.08 (1H, s), 7.73 (1H, s), 8.39 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.19 (1H, s), 9.43 (1H, s)
ステップ3. 3-((1r,4r)-4-メトキシシクロヘキシル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例7)および3-((1s,4s)-4-メトキシシクロヘキシル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例8)
MeOH(150.00mL)およびTHF(80.00mL)中のPd/C(65.41mg、0.615mmol、3.00当量)および3-(4-メトキシシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(80.00mg、0.205mmol、1.00当量)の混合物を一晩室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×50mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製し、粗製の生成物を得た。粗製の生成物(80mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム19*250mm,5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:25mL/分;勾配:37B~41B、7分;RT1:5.30/5.92)で精製して3-((1r,4r)-4-メトキシシクロヘキシル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例7、60mg、22.73%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=393.3。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.28 (2H, q), 1.83 (2H, q), 2.09 (4H, t), 2.43 (3H, d), 2.95 (1H, t), 3.30 (4H, m), 4.04 (3H, s), 7.73 (1H, s), 8.38 (1H, s), 8.81 (1H, s), 9.16 (1H, s), 9.51 (1H, s);
白色の固体としての3-((1s,4s)-4-メトキシシクロヘキシル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例8、10mg、12.19%)。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=393.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.57 (2H, t), 1.76 (2H, m), 1.86 (2H, m), 2.04 (2H, q), 2.43 (3H, d), 3.05 (1H, m), 3.20 (3H, s), 3.42 (1H, s), 4.04 (3H, s), 7.72 (1H, s), 8.37 (1H, s), 8.80 (1H, s), 9.14 (1H, s), 9.34 (1H, s).
実施例9
3-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例9)の調製
【0192】
【0193】
ステップ1. 5-クロロ-3-(4,4-ジフルオロシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン
ジオキサン(3.00mL)およびH2O(0.60mL)中の5-クロロ-3-ヨード-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(200.00mg、0.679mmol、1.00当量)、2-(4,4-ジフルオロシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(198.93mg、0.815mmol、1.20当量)、Pd(dppf)Cl2(99.39mg、0.136mmol、0.20当量)およびK2CO3(234.66mg、1.698mmol、2.50当量)の混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 2:3)で精製し、5-クロロ-3-(4,4-ジフルオロシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(100mg、51.72%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=285.3。
【0194】
ステップ2. 3-(4,4-ジフルオロシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン
ジオキサン(2.50mL)中の5-クロロ-3-(4,4-ジフルオロシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(100.00mg、0.351mmol、1.00当量)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(62.45mg、0.421mmol、1.20当量)、Pd(OAc)2(15.77mg、0.070mmol、0.20当量)、キサントホス(60.97mg、0.105mmol、0.30当量)およびCs2CO3(286.12mg、0.878mmol、2.50当量)の混合物を2時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製し、3-(4,4-ジフルオロシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(110mg、79.00%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=397.3。
【0195】
ステップ3. 3-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例9)
MeOH(60.00mL)およびTHF(30.00mL)中の3-(4,4-ジフルオロシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(130.00mg、0.328mmol、1.00当量)およびPd/C(174.50mg、1.640mmol、5.00当量)の混合物を5時間30℃の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをCH2Cl2(3×40mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製した。粗製の生成物(70mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:34B~48B、7分;RT1:5.97)で精製して3-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(17mg、13.01%)をピンク色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=399.3。1H NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ 1.80-2.22 (8H, m), 2.49 (3H, d), 3.22 (1H, s), 4.03 (3H, s), 7.58 (1H, t), 8.27 (1H, s), 8.98 (1H, s), 9.62 (1H, s)
実施例10
1-(メチル-d3)-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例10)の調製
【0196】
【0197】
ステップ1. 5-クロロ-3-ヨード-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン
DMF(6.00mL)中のCs2CO3(1045.60mg、3.209mmol、3.00当量)、CD3I(775.31mg、5.349mmol、50当量)および5-クロロ-3-ヨード-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(300.00mg、1.070mmol、1.00当量)の混合物を1時間0℃の窒素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物を水(50mL)で希釈した。得られた混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をSat.ブライン(3×50mL)およびNa2S2O3(3×50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮して5-クロロ-3-ヨード-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(260mg、81.70%)をピンク色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=298.0。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 9.45 (1H, s).
ステップ2. 5-クロロ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン
ジオキサン(5.00mL)および水(1.00mL)中のK2CO3(313.58mg、2.269mmol、2.50当量)、Pd(dppf)Cl2 CH2Cl2(148.23mg、0.182mmol、0.20当量)、2-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(228.79mg、1.089mmol、1.20当量)および5-クロロ-3-ヨード-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(270.00mg、0.908mmol、1.00当量)の混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(ヘキサン/EtOAc 1:2)で精製し、5-クロロ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(100mg、43.43%)をピンク色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=254.2。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.62 (2H, m), 3.86 (2H, t), 4.33 (2H, q), 7.18 (1H, t), 9.43 (1H, s)
ステップ3. 3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-(メチル-d3)-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン
ジオキサン(3.00mL)中のCs2CO3(385.28mg、1.182mmol、3.00当量)、キサントホス(45.61mg、0.079mmol、0.20当量)、Pd(OAc)2(17.70mg、0.079mmol、0.20当量)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(70.08mg、0.473mmol、1.20当量)および5-クロロ-3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-(メチル-d3)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(100.00mg、0.394mmol、1.00当量)の混合物を2時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製し、3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-(メチル-d3)-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(100mg、69.43%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=366.3。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.44 (2H, d), 2.61 (3H, s), 3.17 (1H, d), 3.85 (2H, t), 4.26 (2H, q), 7.72 (1H, s), 8.38 (1H, s), 8.94 (1H, s), 9.20 (1H, s), 9.37 (1H, s).
ステップ4. 1-(メチル-d3)-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例10)
MeOH(10.00mL)およびTHF(10.00mL)中のPd/C(87.37mg、0.821mmol、3.00当量)および3-(3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1-(メチル-d3)-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(100.00mg、0.274mmol、1.00当量)の混合物を2時間35℃の水素雰囲気下で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×30mL)およびDCM(3×30mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製し、粗製の生成物を得た。粗製の生成物(40mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム19*250mm,5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:15B~35B、7分;RT1:6.4)で精製して1-(メチル-d3)-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(10mg、9.85%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=368.2。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.94 (4H, d), 2.43 (3H, d), 3.24 (1H, d), 3.48 (2H, m), 3.93 (2H, m), 7.71 (1H, s), 8.37 (1H, s), 8.81 (1H, s), 9.15 (1H, s), 9.33 (1H, s).
実施例11/12
1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-[(1s,4s)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例11)および1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-[(1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例12)の調製
【0198】
【0199】
ステップ1. 4-(5-クロロ-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル)シクロヘキサ-3-エン-1-オール
40mLのバイアルに、5-クロロ-3-ヨード-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(500.00mg、1.698mmol、1.00当量)、および4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)シクロヘキサ-3-エン-1-オール(570.78mg、2.547mmol、1.50当量)、Pd(dppf)Cl2(248.47mg、0.340mmol、0.20当量)、K2CO3(938.64mg、6.792mmol、4.00当量)、ジオキサン(10.00mL)およびH2O(2.00mL)を室温で加えた。次いで混合物を80℃の窒素雰囲気下で3時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE:EA=1:4)で精製し、4-[5-クロロ-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル]シクロヘキサ-3-エン-1-オール(253mg、56.29%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=265.2。
【0200】
ステップ2. 5-クロロ-3-(4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサ-1-エニル)-1-メチル-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン
40mLのバイアルに、4-[5-クロロ-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-3-イル]シクロヘキサ-3-エン-1-オール(253.00mg、0.956mmol、1.00当量)、CuI(63.71mg、0.335mmol、0.35当量)、MeCN(10.00mL)を50℃で加え、2,2-ジフルオロ-2-(フルオロスルホニル)酢酸(510.61mg、2.867mmol、3.00当量)を混合物に滴下して加えた。次いで混合物を50℃の空気雰囲気下で3時間撹拌した。得られた混合物を水(10mL)で希釈した。水性層をDCM(3×30mL)で抽出した。得られた混合物をDCM(5mL)で希釈した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(10mL*3)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 1:1)で精製し、5-クロロ-3-[4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサ-1-エン-1-イル]-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(180mg、47.87%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=315.2。
【0201】
ステップ3. 3-(4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサ-1-エニル)-1-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン
40mLのバイアルに、5-クロロ-3-[4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサ-1-エン-1-イル]-1-メチルピラゾロ[4,3-d]ピリミジン(180.00mg、0.572mmol、1.00当量)、および7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(101.69mg、0.686mmol、1.20当量)、Pd(OAc)2(38.52mg、0.172mmol、0.30当量)、キサントホス(99.28mg、0.172mmol、0.30当量),Cs2CO3(559.05mg、1.716mmol、3.00当量)およびジオキサン(10.00mL)を室温で加えた。次いで混合物を70℃の窒素雰囲気下で3時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(DCM:MeOH15:1)で精製し、3-[4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサ-1-エン-1-イル]-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(135mg、55.35%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=427.1。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ1.97 - 2.23 (3H, m), 2.55 (4H, s), 2.68 - 2.87 (2H, m), 2.98 (1H, d), 4.11 (3H, s), 4.54 - 4.62 (1H,m), 6.35 (1H, t), 7.00 (1H, s), 7.61 (1H, s), 8.29 (1H,s), 8.82 (1H, s), 9.90 (1H, s)
ステップ4. 1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-[(1s,4s)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例11)および1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-[(1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例12)の調製
MeOH(20mL)中の3-[4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキサ-1-エン-1-イル]-1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(135.00mg、0.317mmol、1.00当量)の撹拌した混合物にPd/C(168.45mg、1.583mmol、5.00当量)を空気雰囲気下で加えた。得られた混合物を4時間40℃の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(8×100mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して粗製の固体を得た。粗製の生成物をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:34B~54B、7分;RT1:5.93)で精製して固体を得た。次いで生成物をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:CHIRALPAK IG、2*25cm,5um;移動相A:Hex:DCM=3:1、移動相B:EtOH;流量:20mL/分;勾配:10B~10B、15分;RT1:10;RT2:11;)で精製して1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-[(1s,4s)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例11、15mg、50.00%)を白色の固体として、および1-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-[(1r,4r)-4-(ジフルオロメトキシ)シクロヘキシル]ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-アミン(実施例12、5mg、16.67%)を白色の固体として得た。
【0202】
(実施例11)LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=429.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ1.87 (2H, d), 1.97 (4H, d), 2.09 (2H, d), 2.43 (3H, s), 3.07 (1H, d), 4.04 (3H, s), 4.37 (1H,s), 6.69 (1H, t), 7.70 (1H, s), 8.36 (1H, s), 8.79 (1H,s), 9.14 (1H, s), 9.33 (1H, s);
(実施例12)LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=429.3。1H NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ1.59-1.71 (2H, m), 1.95-2.09 (2H, m), 2.15-2.20 (4H, m), 2.55 (3H,s), 3.05-3.14 (1H, m), 4.09 (3H, s), 4.20-4.27 (1H, m), 6.71 (1H, t), 7.64 (1H, s), 8.31 (1H,s), 9.03 (1H, s), 9.85 (1H, s).
実施例13
3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例13)の調製
【0203】
【0204】
ステップ1. 6-クロロ-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン
THF(5.00mL)中の1-(2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)エタノン(500.00mg、2.618mmol、1.00当量)およびDIPEA(1353.26mg、10.471mmol、4.00当量)の撹拌した混合物にオキサン-4-イルヒドラジン(364.89mg、3.141mmol、1.20当量)を少しずつ室温の窒素雰囲気下で加えた。および、混合物を2時間室温の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3×10mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 2:1)で精製し、6-クロロ-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(350mg、52.91%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=253.2
ステップ2. 3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例13)
ジオキサン(20mL)中の6-クロロ-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(200mg、0.791mmol、1.00当量)、Cs2CO3(644.68mg、1.979mmol、2.50当量)および7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(140.72mg、0.950mmol、1.20当量)の撹拌した混合物にBrettPhos Pd G3(143.49mg、0.158mmol、0.20当量)を少しずつ室温の窒素雰囲気下で加えた。および、混合物を3時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3×50mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:X select CS時間OBD カラム 30×150mm 5um n;移動相A:水(0.05%TFA)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:18%B~29%B、7分;tR:6.30分)で精製して3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-(オキサン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(74mg、25.66%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=365.3 1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 1.7-1.9 (2H, m), 2.0-2.2 (2H, m), 2.4-2.5 (6H, m), 3.4 (2H, td), 3.9-4.1 (2H, m), 4.5-4.7 (1H, m), 7.8 (1H, s), 8.6 (1H, s), 8.9 (1H, s), 9.3 (1H, s), 9.3 (1H, s)
実施例14
3-メチル-N-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例14)の調製
【0205】
【0206】
ステップ1. 6-クロロ-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン
1-(2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)エタノン(250.00mg、1.309mmol、1.00当量)およびオキサン-4-イルヒドラジン(182.45mg、1.571mmol、1.20当量)、DIPEA(338.32mg、2.618mmol、2.00当量)のTHF(10.00mL)中溶液を2時間0℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 5:1)で精製し、6-クロロ-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(230mg、69.54%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=253.2。
【0207】
ステップ2. 3-メチル-N-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例14)
ジオキサン中の(5.00mL)7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-アミン(139.78mg、0.950mmol、1.50当量)および6-クロロ-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(160mg、0.633mmol、1.00当量)、BrettPhos Pd G3(57.40mg、0.063mmol、0.10当量)、Cs2CO3(412.59mg、1.266mmol、2.00当量)の混合物を3時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2/MeOH=(10:1)で溶離して粗製の生成物を得た。粗製の生成物をPrep-HPLCで精製して粗製の固体を得た。粗製の生成物をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:17B~37B、7分;RT1:6.75)で精製して3-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]-1-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(140mg、60.84%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=364.1。1H NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ1.79 (2H, d), 2.02-2.18 (2H, m), 2.23 (3H, d), 2.42 (3H, s), 3.44 (2H, dd), 3.94 (2H, dd), 4.62 (1H, dd), 7.42 (1H, s), 7.48 (1H, d), 7.84 (1H, s), 8.69 (1H, s), 8.85 (1H, s), 9.04 (1H, s)
実施例15
7-メチル-N-(5-メチル-7-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(実施例15)の調製
【0208】
【0209】
ステップ1. 2-クロロ-5-メチル-7-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン
DMSO(50.00mL、12.922mmol)中の2-クロロ-5-メチル-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン(400.00mg、2.387mmol、1.00当量)、4-ブロモオキサン(3.94g、23.874mmol、10.00当量)およびK2CO3(824.62mg、5.967mmol、2.50当量)の混合物を一晩120℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(150mL)で希釈した。得られた混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×30mL)で洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)で精製した。粗製の生成物(70mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:28B~48B、7分;RT1:5.80)で精製して2-クロロ-5-メチル-7-(オキサン-4-イル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン(40mg、6.66%)を黄色の固体として得た。
【0210】
ステップ2. 7-メチル-N-(5-メチル-7-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-イル)-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(実施例15)
ジオキサン中(1.50mL)の2-クロロ-5-メチル-7-(オキサン-4-イル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン(30.00mg、0.119mmol、1.00当量)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(21.19mg、0.143mmol、1.20当量)、Pd(AcO)2(5.35mg、0.024mmol、0.20当量)、キサントホス(20.69mg、0.036mmol、0.30当量)およびCs2CO3(97.08mg、0.298mmol、2.50当量)の混合物を2時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製し、粗製の生成物を得た。粗製の生成物(40mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm 5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:26B~46B、7分;RT1:6.37)で精製して5-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-7-(オキサン-4-イル)ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-アミン(6mg、13.85%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=364.3。1H NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ1.79-1.91 (2H, m), 1.95-2.14 (2H, m), 2.24 (3H, d), 2.43 (3H, d), 3.47 (2H, td), 3.93-4.05 (2H, m), 4.55-4.72 (1H, m), 7.18 (1H, d), 7.58-7.74 (1H, m), 8.37 (1H, s), 8.62 (2H, d), 9.32 (1H, s)
実施例16
N-(7-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例16)の調製
【0211】
【0212】
ステップ1. N-(7-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-3-メチル-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例16)
ジオキサン(4.00mL)中の7-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(50.00mg、0.297mmol、1.00当量)、6-クロロ-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(74.95mg、0.297mmol、1.00当量)、Pd(AcO)2(13.32mg、0.059mmol、0.20当量)、キサントホス(51.48mg、0.089mmol、0.30当量)およびCs2CO3(241.59mg、0.741mmol、2.50当量)の混合物を2時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製した。粗製の生成物(90mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、19*250mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:25mL/分;勾配:30B~40B、7分;RT1:6.62)で精製してN-[7-クロロ-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(32.77mg、28.71%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=385.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ1.84 (2H, d), 2.13 (2H, dd), 2.46 (3H, s), 3.39-3.57 (2H, m), 3.97 (2H, dd), 4.54-4.77 (1H, m), 8.23 (1H, s), 8.57 (1H, s), 8.93 (1H, s), 9.36 (2H, d).
実施例17
N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例17)の調製
【0213】
【0214】
ステップ1. 6-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン
THF(2.50mL)中の6-クロロ-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(340.00mg、1.528mmol、1.00当量)、オキサン-4-オール(624.11mg、6.111mmol、4.00当量)およびPPh3(1442.48mg、5.500mmol、3.60当量)の撹拌した混合物にDIAD(1112.07mg、5.500mmol、3.60当量)を0℃の窒素雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)で精製し、6-クロロ-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(370mg、78.98%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=307.3。
【0215】
ステップ2. N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例17)
ジオキサン中(3.00mL)の6-クロロ-1-(オキサン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(70.00mg、0.228mmol、1.00当量)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(33.82mg、0.228mmol、1.00当量)、Pd(AcO)2(10.25mg、0.046mmol、0.20当量)、キサントホス(39.62mg、0.068mmol、0.30当量)およびCs2CO3(185.93mg、0.571mmol、2.50当量)の混合物を3時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製した。粗製の生成物(90mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:30B~50B、7分;RT1:6.67)で精製してN-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-(オキサン-4-イル)-3-(トリフルオロメチル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(54.44mg、53.86%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=419.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.77-2.01 (2H, m), 2.01-2.24 (2H, m), 2.39 (3H, d), 3.40-3.59 (2H, m), 3.98 (2H, d), 4.82 (1H, t), 7.78 (1H, d), 8.44 (1H, s), 9.13 (2H, d), 9.69 (1H, s)
実施例18
1-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例18)の調製
【0216】
【0217】
ステップ1. 6-クロロ-1-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン
THF中の1-(2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)エタノン(640.00mg、3.351mmol、1.00当量)およびDIPEA(433.04mg、3.351mmol、1.00当量)の撹拌した混合物に[(4-メトキシフェニル)メチル]ヒドラジン(764.93mg、5.026mmol、1.50当量)を0℃の空気雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物を2時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE:EA 1:1)で精製し、6-クロロ-1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(623mg、64.40%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=289.2。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ2.58 (3H, s), 3.77 (3H, s), 5.47 (2H, s), 6.82-6.87 (2H, m), 7.30-7.35 (2H, m), 8.90 (1H, s)
ステップ2. 1-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例18)
ジオキサン(5mL)中の6-クロロ-1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(100.00mg、0.346mmol、1.00当量)および7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(76.97mg、0.519mmol、1.50当量)の撹拌した混合物にCs2CO3(338.53mg、1.039mmol、3.00当量)およびキサントホス(40.08mg、0.069mmol、0.20当量)、Pd(AcO)2(15.55mg、0.069mmol、0.20当量)を室温の空気雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)で精製し、黄色の固体を得た。粗製の生成物(70mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:26B~46B、7分;RT1:7.07)で精製して1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(20mg、28.57%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=401.2。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.38 (3H, s), 2.44 (3H, s), 3.71 (3H, s), 5.24 (2H, s), 6.85-6.88 (2H, m), 7.18 (2H, t), 7.77 (1H, s), 8.43 (1H, s), 8.95 (1H, s), 9.22 (2H, d)
実施例20
1-シクロヘキシル-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例20)の調製
【0218】
【0219】
ステップ1. 6-クロロ-1-シクロヘキシル-3-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン
THF(10mL)中の1-(2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)エタノン(180.00mg、0.942mmol、1.00当量)およびDIPEA(487.17mg、3.769mmol、4.00当量)の撹拌した混合物にシクロヘキシルヒドラジン塩酸塩(184.56mg、1.225mmol、1.30当量)を少しずつ0℃の空気雰囲気下で加えた。得られた混合物を2時間25℃の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EA 1:2)で精製し、6-クロロ-1-シクロヘキシル-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(145mg、61.37%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=251.2。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 1.42-1.48 (2H, m), 1.51-1.55 (2H, m), 1.99-2.08 (6H, m), 2.60 (3H, s), 4.66-4.76 (1H, m), 8.90 (1H, s)
ステップ2. 1-シクロヘキシル-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例20)
ジオキサン(6mL)中の6-クロロ-1-シクロヘキシル-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(120.00mg、0.479mmol、1.00当量)および7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(106.37mg、0.718mmol、1.50当量)の撹拌した混合物にCs2CO3(467.81mg、1.436mmol、3.00当量)およびキサントホス(55.39mg、0.096mmol、0.20当量)、Pd(AcO)2(21.49mg、0.096mmol、0.20当量)を少しずつ室温の空気雰囲気下で加えた。得られた混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)で精製し、粗製の固体を得た。粗製の生成物(80mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30*150mm 5um;相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:%B;254;220nm;RT1:6.50)で精製して1-シクロヘキシル-3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(60mg、34.59%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=363.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.23-1.38 (3H, m), 1.67 (1H, d), 1.81-1.97 (6H, m), 2.41-2.44 (6H, m), 4.36-4.43 (1H, m), 7.74 (1H, s), 8.41 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.15 (1H, s), 9.22 (1H, s).
実施例21
1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例21)の調製
【0220】
【0221】
ステップ1. 6-クロロ-1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-3-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン
THF(5.00mL)中のDIPEA(338.32mg、2.618mmol、5.00当量)、(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)ヒドラジン(86.48mg、0.576mmol、1.10当量)および1-(2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)エタノン(100.00mg、0.524mmol、1.00当量)の混合物を3時間0℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(ヘキサン/EtOAc 1:1)で精製し、6-クロロ-1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(80mg、53.30%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=287.3。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.03 (4H, d), 2.35 (4H, d), 2.60 (3H, s), 4.85 (1H, t), 8.92 (1H, s).
ステップ2. 1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例21)
ジオキサン(3.00mL)中のCs2CO3(227.28mg、0.698mmol、2.50当量)、キサントホス(32.29mg、0.056mmol、0.20当量)、Pd(AcO)2(12.53mg、0.056mmol、0.20当量)、7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(45.48mg、0.307mmol、1.10当量)および6-クロロ-1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(80.00mg、0.279mmol、1.00当量)の混合物を2時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製し、粗製の生成物を得た。粗製の生成物(100mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、19*250mm,5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:31B~51B、7分;RT1:6.30)で精製して1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(80mg、71.96%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=399.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.99 (3H, s), 2.15 (5H, s), 2.38 (3H, d), 2.45 (3H, s), 4.62 (1H, s), 7.75 (1H, d), 8.42 (1H, s), 8.93 (1H, s), 9.13 (1H, s), 9.22 (1H, s).
実施例22
1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例22)の調製
【0222】
【0223】
ステップ1. 1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例22)
ジオキサン(5.00mL)中の6-クロロ-1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(67.00mg、0.234mmol、1.00当量)、7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-アミン(68.79mg、0.467mmol、2.00当量)、Pd(AcO)2(10.49mg、0.047mmol、0.20当量)、キサントホス(40.56mg、0.070mmol、0.30当量)およびCs2CO3(190.35mg、0.584mmol、2.50当量)の混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製した。粗製の生成物(50mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(10MMOL/L NH4HCO3+0.1%NH3.H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:38B~50B、7分;RT1:5.63)で精製して1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(20mg)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=398.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.95 (3H, d), 2.15 (5H, d), 2.26 (3H, d), 2.44 (3H, s), 4.62 (1H, s), 7.44 (1H, s), 7.50 (1H, d), 7.86 (1H, t), 8.72 (1H, s), 8.88 (1H, s), 9.02 (1H, s)
実施例26
1-((1r,4r)-4-メトキシシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例26)の調製
【0224】
【0225】
ステップ1. 1-(4-メトキシベンジル)-3-メチル-N-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン
ジオキサン(3mL)中の6-クロロ-1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(200.00mg、0.693mmol、1.00当量)、7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-アミン(152.92mg、1.039mmol、1.50当量)、キサントホス(120.24mg、0.208mmol、0.30当量)、Pd(AcO)2(31.10mg、0.139mmol、0.20当量)およびCs2CO3(564.21mg、1.732mmol、2.50当量)の混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=12:1)で精製し、1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-3-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(200mg、72.28%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=400.3。
【0226】
ステップ2. 3-メチル-N-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン
1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-3-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(190.00mg、0.476mmol、1.00当量)およびTFA(70.00mL、613.910mmol、1981.34当量)の溶液を2日間80℃の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。得られた混合物をDCM(10mL)で希釈した。混合物をろ過により飽和NaHCO3(水溶液)でpH8に調節しDCM(2×3mL)で洗浄した。沈殿した固体を集め、3-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(160mg、80.00%)を得た、LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=280.2。
【0227】
ステップ3. 1-((1r,4r)-4-メトキシシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例26)
THF(2.50mL)中の3-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(150.00mg、0.537mmol、1.00当量)、4-メトキシシクロヘキサン-1-オール(174.79mg、1.343mmol、2.50当量)およびPPh3(422.58mg、1.611mmol、3.00当量)の混合物を20分0℃の窒素雰囲気下で撹拌し、次いでDIAD(325.78mg、1.611mmol、3.00当量)を加え、混合物を2時間70℃で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/EtOAc=12:1)で精製し、粗製の固体を得た。粗製の生成物(60.00mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(10MMOL/L NH4HCO3+0.1%NH3.H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:29B~39B、9分;RT1:6.22,7.43)で精製して3-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]-1-[(1r,4r)-4-メトキシシクロヘキシル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(16mg、26.67%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=392.2。1H NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ 1.31-1.46 (2H, m), 2.00 (2H, s), 2.03-2.14 (2H, m), 2.21 (2H, d), 2.39 (3H, d), 2.50 (3H, s), 3.23 (1H, d), 3.38 (3H, s), 4.51 (1H, t), 7.46 (1H, s), 7.54 (1H, d), 7.80 (1H, s), 8.82 (2H, s).
実施例27
1-((1s,4s)-4-フルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例27)および1-((1r,4r)-4-フルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例28)の調製
【0228】
【0229】
ステップ1. 4-フルオロシクロヘキサン-1-オール
4-フルオロシクロヘキサン-1-オン(1.00g、8.611mmol、1.00当量)およびMeOH(100.00mL)の撹拌した混合物にNaBH4(0.98mg、0.026mmol、3.00当量)を少しずつ0℃で加えた。得られた混合物を16時間室温で撹拌した。反応を0℃で水でクエンチした。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物を水(50mL)で希釈した。得られた混合物をCH2Cl2(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮して4-フルオロシクロヘキサン-1-オール(800mg、78.63%)を淡黄色の固体として得た。1HNMR (300MHz, DMSO-d6) δ1.52 -1.56 (5H, m), 1.88 - 1.90 (3H, m), 3.54 - 3.57 (1H, m), 4.55 - 4.58(1H, m), 4.70 - 4.72(1H, m)
ステップ2. 4-フルオロシクロヘキシルメタンスルホネート
DCM(10.00mL)中の4-フルオロシクロヘキサン-1-オール(400.00mg、3.385mmol、1.00当量)およびTEA(1027.74mg、10.156mmol、3.00当量)の撹拌した混合物にメタンスルホニルクロリド(581.66mg、5.078mmol、1.50当量)を0セ氏温度で滴下して加えた。得られた混合物を2時間室温で撹拌した。得られた混合物を水(50mL)で希釈した。得られた混合物をCH2Cl2(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた混合物を減圧下で濃縮して4-フルオロシクロヘキシルメタンスルホネート(650mg、97.84%)を淡黄色の固体として得た。粗製の生成物をさらに精製することなく次のステップに直接使用した。
1HNMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.52 -1.90 (8H, m), 3.22 (3H, s), 4.60- 4.78(2H, m)
ステップ3. 1-((1s,4s)-4-フルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例27)および1-((1r,4r)-4-フルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例28)
DMF(20.00mL)中の3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(150.00mg、0.535mmol、1.00当量)、4-フルオロシクロヘキシルメタンスルホネート(1050.18mg、5.352mmol、10.00当量)およびCs2CO3(523.09mg、1.605mmol、3.00当量)の混合物を16時間110℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(20mL)で希釈した。得られた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(100mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:39B~59B、7分;RT1:6.4)で精製して以下を得た:
白色の固体としての1-((1s,4s)-4-フルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例27、6.8mg、3.34%)。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=381.2。1HNMR (300MHz, DMSO-d6) δ 1.66 - 1.68 (1H, m), 1.75 (3H, d), 2.04 - 2.06(2H, m), 2.18 - 2.19 (2H, m), 2.38 (3H, d), 2.45 (3H, s), 4.50 - 4.53 (1H, m), 4.81 - 4.93 (1H, s), 7.73 (1H, s), 8.40 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.15 (2H, d);
白色の固体としての1-((1r,4r)-4-フルオロシクロヘキシル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例28、18.8mg、9.23%)LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=381.2。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ 1.63 - 1.65(2H, m), 1.92 - 1.96 (4H, m), 2.00- 2.04 (2H, m), 2.14 (3H, s), 2.41 (3H, s), 4.47 - 4.49 (1H, m), 4.61 - 4.65 (1H, m), 7.74 (1H, s), 8.41 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.19 (2H, d).
実施例42
3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例42)の調製
【0230】
【0231】
ステップ1. 3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例42)
THF(10mL)中の3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(70.00mg、0.250mmol、1.00当量)および2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-オール(57.01mg、0.499mmol、2.00当量)およびPPh3(196.51mg、0.749mmol、3.00当量)の撹拌した混合物にDIAD(151.50mg、0.749mmol、3.00当量)を少しずつ0℃N2雰囲気下で加えた。得られた混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(DCM/MeOH=15:1)で精製し、粗製の固体を得た。粗製の生成物(80mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(10MMOL/L NH4HCO3+0.1%NH3.H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:26B~36B、7分;RT1:5.88)で精製して3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-[2-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(40mg、50.00%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=337.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.37 (3H, s), 2.44 (3H, s), 2.65-2.80 (4H, m), 4.45 (2H, s), 4.64 (2H, s), 4.84-4.89 (1H, m), 7.76 (1H, s), 8.42 (1H, s), 8.92 (1H, s), 9.13 (1H, s), 9.18 (1H, s).
下記表2中の以下の化合物は実施例42に述べた類似の方法により合成される。
【0232】
【0233】
【0234】
【0235】
【0236】
【0237】
【0238】
実施例37
3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(スピロ[2.5]オクタン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例37)
【0239】
【0240】
ステップ1. 3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(スピロ[2.5]オクタン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例37)
THF(25.00mL)中のTMAD(276.43mg、1.605mmol、3.00当量)、n-Bu3P(324.81mg、1.605mmol、3.00当量)、スピロ[2.5]オクタン-6-オール(202.61mg、1.605mmol、3.00当量)および3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(150.00mg、0.535mmol、1.00当量)の混合物を2時間70セ氏温度の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(100mL)で希釈した。得られた混合物をCH2Cl2(3×50mL)で抽出し、無水Na2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物をMeOH(20mL)から再結晶して粗製の生成物を得た。粗製の生成物(60mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、19*250mm,5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:MeOH;流量:25mL/分;勾配 58B~70B、7分)で精製して3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-[スピロ[2.5]オクタン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(30mg、14.29%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=389.3。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 0.20 (2H, d), 0.33 (2H, d), 0.98 (2H, d), 1.84 (4H, m), 2.08 (2H, m), 2.39 (3H, d), 2.45 (3H, s), 4.45 (1H, d), 7.74 (1H, s), 8.40 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.16 (2H, d)
下記表3中の以下の化合物は実施例37に述べた類似の方法により合成される。
【0241】
【0242】
実施例43
3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(スピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例43)の調製
【0243】
【0244】
ステップ1. スピロ[3.3]ヘプタン-2-イルメタンスルホネート
DCM(50.00mL)中のスピロ[3.3]ヘプタン-2-オール(300.00mg、2.674mmol、1.00当量)およびTEA(811.89mg、8.023mmol、3.00当量)の撹拌した混合物にメタンスルホニルクロリド(459.50mg、4.012mmol、1.50当量)を0℃の窒素雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物を水(20mL)で希釈した。得られた混合物をCH2Cl2(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水のNa2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。この結果スピロ[3.3]ヘプタン-2-イルメタンスルホネート(500mg、98.26%)を淡黄色の油状物として得た。
【0245】
ステップ2. 3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(スピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例43)
DMF(20.00mL)中の3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(100.00mg、0.357mmol、1.00当量)、スピロ[3.3]ヘプタン-2-イルメタンスルホネート(678.78mg、3.568mmol、10.00当量)およびCs2CO3(348.73mg、1.070mmol、3.00当量)の混合物を16時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(40mL)で希釈した。得られた混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、無水のNa2SO4上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:39B~59B、7分;RT1:6.4)で精製して3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-[スピロ[3.3]ヘプタン-2-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(31.8mg、23.80%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=375.3。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ 1.81- 1.95 (2H, m), 1.89 - 1.91 (2H, m), 2.09 - 2.11 (2H, m), 2.42 (8H, d), 2.59 -2.63 (2H, m), 4.89 - 4.93(1H, m), 7.76 (1H, s), 8.42 (1H, s), 8.92 (1H, s), 9.17 (2H, d)
実施例44
3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例44)の調製
【0246】
【0247】
ステップ1. 3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(オキセタン-3-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例44)
DMF(10mL)中の3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(80.00mg、0.285mmol、1.00当量)および3-ヨードオキセタン(78.76mg、0.428mmol、1.50当量)の撹拌した混合物にK2CO3(118.34mg、0.856mmol、3.00当量)を室温の空気雰囲気下で加えた。得られた混合物を2時間80℃の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2:MeOH12:1)で精製し、粗製の生成物を得た。粗製の生成物(100mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm 5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:12B~32B、7分;RT1:6.62)で精製して3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-(オキセタン-3-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例44、40mg、41.67%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=337.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.38 (3H, s), 2.49 (3H, s), 4.89-5.02 (4H, m), 5.72 (1H, t), 7.75 (1H, s), 8.42 (1H, s), 8.96 (1H, s), 9.15 (1H, s), 9.27 (1H, s)
下記表4中の以下の化合物は実施例44に述べた類似の方法により合成される。
【0248】
【0249】
【0250】
【0251】
実施例59
1-イソプロピル-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例59)の調製
【0252】
【0253】
ステップ1. 6-クロロ-1-イソプロピル-3-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン
THF中の1-(2,4-ジクロロピリミジン-5-イル)エタノン(150.00mg、0.785mmol、1.00当量)およびDIPEA(54.13mg、0.419mmol、4.00当量)の撹拌した混合物にイソプロピルヒドラジン(15.26mg、0.136mmol、1.30当量)を0℃の空気雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物を2時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE:EA 1:1)で精製し、6-クロロ-1-イソプロピル-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(120mg、72.53%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=211.2。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ1.54 (6H, d), 2.61 (3H, s), 5.12 (1H, dd), 8.90 (1H, s)
ステップ2. 1-イソプロピル-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例59)
ジオキサン(10mL)中の6-クロロ-1-イソプロピル-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(120.00mg、0.570mmol、1.00当量)および7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-アミン(108.99mg、0.740mmol、1.30当量)の撹拌した混合物にキサントホス(65.92mg、0.114mmol、0.20当量)、Pd(AcO)2(25.58mg、0.114mmol、0.20当量)およびCs2CO3(556.77mg、1.709mmol、3.00当量)を室温の空気雰囲気下で加えた。得られた混合物を2時間60℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)で精製し、粗製の生成物を得た。粗製の生成物(100mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;RT1:6.67)で精製して1-イソプロピル-3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(62mg、33.76%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=323.4。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.41 (6H, d), 2.40 (3H, d), 2.45 (3H, s), 4.73-4.82 (1H, m), 7.74 (1H, s), 8.41(1H, s), 8.92 (1H, s), 9.16 (1H, s), 9.19 (1H, s)
実施例60
1-イソプロピル-3-メチル-N-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例60)の調製
【0254】
【0255】
ステップ1. 1-イソプロピル-3-メチル-N-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例60)
ジオキサン(10.00mL)中の6-クロロ-1-イソプロピル-3-メチルピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(80.00mg、0.380mmol、1.00当量)、7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-アミン(67.07mg、0.456mmol、1.20当量)、Pd(AcO)2(17.05mg、0.076mmol、0.20当量)、キサントホス(65.92mg、0.114mmol、0.30当量)およびCs2CO3(309.32mg、0.949mmol、2.50当量)の混合物を3時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)で精製した。粗製の生成物(100mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:21B~41B、7分;RT1:7.02)で精製して1-イソプロピル-3-メチル-N-[7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(55.77mg、45.70%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=322.2。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.38 (6H, d), 2.25 (3H, d), 2.44 (3H, s), 4.67-4.89 (1H, m), 7.47 (2H, dd), 7.87 (1H, t), 8.67 (1H, s), 8.86 (1H, s), 9.03 (1H, s)
実施例72
3-(3-メチル-6-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)プロパンニトリル(実施例72)の調製
【0256】
【0257】
ステップ1. 3-(3-メチル-6-((7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)アミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)プロパンニトリル(実施例72)
DMF(10mL)中の3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(70.00mg、0.250mmol、1.00当量)およびプロパンニトリル、3-ブロモ-(66.92mg、0.499mmol、2.00当量)の撹拌した混合物にK2CO3(103.55mg、0.749mmol、3.00当量)を加えた。得られた混合物を2時間80℃の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(DCM:MeOH=15:1)で精製し、粗製の固体を得た。粗製の生成物をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:8B~28B、7分;RT1:7.70)で精製して3-[3-メチル-6-([7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]アミノ)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]プロパンニトリル(40mg、48.05%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=334.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ2.39 (3H, s), 2.47(3H, s), 3.08(2H, t), 4.36(2H, t), 7.75(1H, s), 8.41(1H, s), 8.97(1H, s), 9.17 (1H, s), 9.29 (1H, s).
下記表5中の以下の化合物は実施例72に述べた類似の方法により合成される。
【0258】
【0259】
実施例73
4-(3-メチル-6-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)ベンゾニトリル(実施例73)の調製
【0260】
【0261】
ステップ1. 4-(3-メチル-6-(7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イルアミノ)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル)ベンゾニトリル(実施例73)
DMF(50.00mL)中の7-メチル-N-[3-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル]-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-アミン(150.00mg、0.535mmol、1.00当量)、ベンゾニトリル、4-フルオロ-(97.57mg、0.806mmol、1.50当量)、ベンゾニトリル(97.22mg、0.803mmol、1.50当量)およびK2CO3(221.88mg、1.605mmol、3.00当量)の混合物を16時間100セ氏温度で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH=10:1)で精製し、4-[3-メチル-6-([7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]アミノ)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ベンゾニトリル(40mg、粗製)を淡黄色の固体として得た。粗製の生成物(40mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、19*250mm,10um;移動相A:水(10MMOL/L NH4HCO3+0.1%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:20mL/分;勾配:36B~46B、7分;RT1:5.73)で精製して4-[3-メチル-6-([7-メチルイミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル]アミノ)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-1-イル]ベンゾニトリル(8.8mg、4.31%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=381.3。1HNMR (300 MHz, CDCl3) δ 2.45 (3H, d), 2.62 (3H, s), 7.08 (1H, s), 7.54 (2H, s), 7.65 (1H, s), 7.75 (2H, d), 8.42 - 8.44 (2H, m), 8.85 (1H, s), 9.06 (1H, d).
実施例89
6-メトキシ-4-メチル-N-[3-メチル-1-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル]ピリジン-3-アミンの調製
【0262】
【0263】
ステップ1. 6-メトキシ-4-メチル-N-[3-メチル-1-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル]ピリジン-3-アミン(実施例89)
ジオキサン(2.50mL)中の6-クロロ-3-メチル-1-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン(80.00mg、0.317mmol、1.00当量)、6-メトキシ-4-メチルピリジン-3-アミン(52.49mg、0.380mmol、1.20当量)、Pd(AcO)2(14.22mg、0.063mmol、0.20当量)、キサントホス(54.95mg、0.095mmol、0.30当量)およびCs2CO3(257.87mg、0.791mmol、2.50当量)の混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH 15:1)で精製し、粗製の固体を得た。粗製の生成物(100mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30*150mm,5um;移動相A:水(0.05%NH3H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:25B~55B、7分;254;220nm;RT1:5.20)で精製して6-メトキシ-4-メチル-N-[3-メチル-1-(オキサン-4-イル)ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-イル]ピリジン-3-アミン(70mg、62.39%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=355.2。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.79 (2H, d), 1.99 - 2.20 (5H, m), 2.42 (3H, s), 3.43 - 3.56 (2H, m), 3.83 (3H, s), 3.96 (2H, dd), 4.58 (1H, t), 6.74 (1H, s), 8.11 (1H, s), 8.82 (1H, s), 8.98 (1H, s).
実施例106
1-((1R,3r,5S)-8-オキサ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミンの調製
【0264】
【0265】
ステップ1. 1-((1R,3r,5S)-8-オキサ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン
THF(10.00mL)中の3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(100.00mg、0.357mmol、1.00当量)、(1R,3S,5S)-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(137.18mg、1.070mmol、3.00当量)およびPPh3(280.72mg、1.070mmol、3.00当量)の撹拌した混合物にDIAD(216.42mg、1.070mmol、3.00当量)を0℃の窒素雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH 12:1)で精製し、粗製の固体を得た。粗製の生成物をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:37B~57B、7分)で精製して3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-[(1R,3R,5S)-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例106、50mg、50.00%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=391.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.74(4H, s), 2.22-2.45(10H, m), 4.35(2H, s), 4.63(1H, s), 7.75(1H, s), 8.41(1H, s), 8.93(1H, s), 9.17 (1H, s), 9.21(1H, s).
実施例107
1-((1R,3s,5S)-8-オキサ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミンの調製
【0266】
【0267】
ステップ1. 1-((1R,3s,5S)-8-オキサ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン
THF(16.00mL)中の3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(80.00mg、0.285mmol、1.00当量)、(1R,3R,5S)-8-オキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(109.75mg、0.856mmol、3.00当量)およびPPh3(224.58mg、0.856mmol、3.00当量)の撹拌した混合物にDIAD(173.14mg、0.856mmol、3.00当量)を0℃の窒素雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH 12:1)で精製し、粗製の固体を得た。粗製の生成物をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5um;移動相A:水(0.05%NH3H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:37B~50B、7分)で精製して1-((1R,3s,5S)-8-オキサ-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例107、45mg、45.00%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=391.4。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.78-1.94(6H, m), 2.07-2.25(2H, m),2.42(3H.s), 2.45(3H,s), 4.44(2H, s), 4.88-4.96(1H, m), 7.73(1H, s), 8.41(1H, s), 8.92(1H, s), 9.18(1H, s), 9.29(1H, s).
実施例108/109/110/111
1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例108、異性体1)/1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例109、異性体2)/1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例110、異性体3)/1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例111、異性体4)
【0268】
【0269】
ステップ1. 1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(の混合物108/109)の調製および1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(110/111の混合物)の調製
THF(20.00mL)中の3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(220.00mg、0.785mmol、1.00当量)、PPh3(617.59mg、2.355mmol、3.00当量)および3-メトキシシクロペンタン-1-オール(273.52mg、2.355mmol、3.00当量)の撹拌した混合物にTHF(3mL)中のDIAD(476.13mg、2.355mmol、3.00当量)を10分0℃で滴下して加えた。得られた混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH 10:1)で精製し、1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(150mg)を淡黄色の固体として得た。粗製の生成物(150mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:YMC-Actus Triart C18、30*250,5um;移動相A:水(0.05%NH3H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:34B~46B、8.5分)で精製して1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例108/109の混合物、25mg、16.67%)を白色の固体として得て、LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3、1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ 1.81 - 1.85 (2H, m), 1.98 - 2.02 (2H, m), 2.09 - 2.11 (1H, m), 2.38 - 2.41 (4H, m), 2.45 (3H, s), 3.18 (3H, s), 3.83 - 3.85 (1H, m), 4.85 - 4.89 (1H, m), 7.74 (1H, s), 8.40 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.14 (2H, s),および1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例110/111の混合物、80mg、53.33%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ1.61 - 1.63 (1H, m), 1.82 - 1.98 (1H, m), 2.38 - 2.41 (4H, m), 2.39 (3H, s), 2.45 (3H, s), 3.18 (3H, s), 3.93 - 3.96 (1H, m), 5.00 - 5.06 (1H, m), 7.74 (1H, s), 8.40 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.15 (2H, d).
ステップ2. 1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例108、異性体1)/1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例109、異性体2)の調製
実施例108/109の混合物(25mg)をChiral-Prep-HPLCにより次の条件(カラム:CHIRALPAK AD-H、2.0cm I.D.*25cm L;移動相A:Hex(8mmol/L NH3.MeOH)--HPLC、移動相B:IPA--HPLC;流量:40mL/分;勾配:20B~20B、18分)で精製して1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例108、4.5mg、18.00%)(異性体1)を白色の固体として得て、LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ1.81 - 1.85 (2H, m), 1.98 - 2.01 (2H, m), 2.06 - 2.09 (1H, m), 2.38 - 2.43 (4H, m), 2.45 (3H, s), 3.18 (3H, s), 3.80 - 3.85 (1H, m), 4.82 - 4.87 (1H, m), 7.74 (1H, s), 8.40 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.14 (2H, s)および1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例109、3.8mg、12.00%)(異性体2)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ 1.81 - 1.83 (2H, m), 1.97 - 2.01 (2H, m), 2.10 - 2.12 (1H, m), 2.37 - 2.43 (4H, m), 2.45 (3H, s), 3.18 (3H, s), 3.81 - 3.85 (1H, m), 4.80 - 4.89 (1H, m), 7.73 (1H, s), 8.40 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.14 (2H, s).
ステップ4. 1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例110、異性体3)/1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例111、異性体4)
実施例110/111の混合物(80mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:CHIRALPAK AD-H、2.0cm I.D.*25cm L;移動相A:Hex(8mmol/L NH3.MeOH)--HPLC、移動相B:IPA--HPLC;流量:40mL/分;勾配:30B~30B、12分)で精製して1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例110、39.1mg、48.87%)(異性体3)を白色の固体として得て、LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ 1.67 - 1.69(1H, m), 1.93 - 1.99 (1H, m), 2.10 - 2.15 (4H, m), 2.39 (3H, s), 2.44 (3H, s), 3.16 (3H, s), 3.94 (1H, s), 5.00 - 5.08 (1H, m), 7.74 (1H, s), 8.40 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.16 (2H, d)および1-(3-メトキシシクロペンチル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例111、35.2mg)(異性体4)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ 1.65 - 1.69 (1H, m), 1.93 - 1.97 (1H, m), 2.09 - 2.14 (4H, m), 2.39 (3H, d), 2.44 (3H, s), 3.15 (3H, s), 3.93 - 3.96 (1H, m), 5.00 - 5.08 (1H, m), 7.74 (1H, s), 8.41 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.16 (2H, d).
実施例112/113/114/115。
【0270】
3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラ ヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例112、異性体1)/3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例113、異性体2)/3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例114、異性体3)/3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例115、異性体4)の調製
【0271】
【0272】
ステップ1. 3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-[3-メチルオキサン-4-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例112/113の混合物)および3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-[3-メチルオキサン-4-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例114/115の混合物)
THF(10.00mL)中の3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(200.00mg、0.714mmol、1.00当量)、3-メチルオキサン-4-オール(248.65mg、2.141mmol、3.00当量)およびPPh3(561.45mg、2.141mmol、3.00当量)の混合物を0℃で撹拌し、DIAD(432.85mg、2.141mmol、3.00当量)を窒素雰囲気下で70℃で滴下して加え、2時間撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep_TLC(CH2Cl2/MeOH 15:1)で精製し、粗製の固体を得た。粗製の生成物(120mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Shield RP18 OBDカラム、30*150mm,5um;移動相A:水(0.05%NH3H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:18B~48B、7分)で精製して3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-[3-メチルオキサン-4-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例112/113の混合物、30mg、25.00%)を白色の固体として得て、LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ 0.52 (3H, d), 1.74 (2H, d), 2.06 - 2.31 (1H, m), 2.36 (3H, d), 2.45 (3H, s), 3.07 (1H, t), 3.43 (1H, t), 3.82 - 4.00 (2H, m), 4.14 - 4.27 (1H, m), 7.69 - 7.76 (1H, m), 8.39 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.15 (2H, d)および3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1-[-3-メチルオキサン-4-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例114/115の混合物、70mg、57.75%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ 0.70 (3H, d), 1.74 - 1.91 (1H, m), 2.23 (1H, d), 2.37 (4H, d), 2.44 (3H, s), 3.44 - 3.65 (2H, m), 3.72 (1H, dd), 4.05 (1H, dt), 4.79 (1H, dt), 7.72 (1H, s), 8.39 (1H, s), 8.93 (1H, s), 9.17 (2H, s)
ステップ2. 3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例112、異性体1)および3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例113、異性体2)
粗製の生成物3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例112/113の混合物、30.00mg、0.079mmol、1.00当量)をPrep-CHIRAL-HPLCにより次の条件(カラム:CHIRALPAK IE-3、4.6*50mm 3um;移動相A:Hex(0.1%DEA):EtOH=50:50)で精製して3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例112、異性体1、12.22mg、40.73%)を白色の固体として得て、LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ 0.52 (3H, d), 1.74 (2H, d), 2.06 - 2.31 (1H, m), 2.36 (3H, d), 2.45 (3H, s), 3.07 (1H, t), 3.43 (1H, t), 3.82 - 4.00 (2H, m), 4.14 - 4.27 (1H, m), 7.69 - 7.76 (1H, m), 8.39 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.15 (2H, d)および3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例113、異性体2、8.37mg、27.90%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1HNMR (400MHz, DMSO-d6) δ 0.52 (3H, d), 1.74 (2H, d), 2.06 - 2.31 (1H, m), 2.36 (3H, d), 2.45 (3H, s), 3.07 (1H, t), 3.43 (1H, t), 3.82 - 4.00 (2H, m), 4.14 - 4.27 (1H, m), 7.69 - 7.76 (1H, m), 8.39 (1H, s), 8.91 (1H, s), 9.15 (2H, d)
ステップ3. 3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例114、異性体3)および3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例115、異性体4)
粗製の生成物3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例114/115の混合物、70.00mg、0.185mmol、1.00当量)をPrep-CHIRAL-HPLCにより次の条件(カラム:CHIRALPAK IE-3、4.6*50mm 3um;移動相A:Hex(0.1%DEA):EtOH=50:50)で精製して3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例114、異性体3、32.98mg、47.11%)を白色の固体として得て、LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.70 (3H, d), 1.74 - 1.91 (1H, m), 2.23 (1H, d), 2.37 (4H, d), 2.44 (3H, s), 3.44 - 3.65 (2H, m), 3.72 (1H, d), 4.05 (1H, t), 4.79 (1H, t), 7.72 (1H, s), 8.39 (1H, s), 8.93 (1H, s), 9.17 (2H, s),および3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1-(3-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例115、異性体4、33.45mg、41.39%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=379.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 0.70 (3H, d), 1.74 - 1.91 (1H, m), 2.23 (1H, d), 2.37 (4H, d), 2.44 (3H, s), 3.44 - 3.65 (2H, m), 3.72 (1H, d), 4.05 (1H, t), 4.79 (1H, t), 7.72 (1H, s), 8.39 (1H, s), 8.93 (1H, s), 9.17 (2H, s)
実施例116/117
1-(2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例116、異性体1)および1-(2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例117、異性体2)の調製
【0273】
【0274】
ステップ1. 1-(2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン
250mLの丸底フラスコにTHF(60.00mL)中の2,2-ジメチルオキサン-4-オール(627.03mg、4.816mmol、3.00当量)および3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(450.00mg、1.605mmol、1.00当量)、PPh3(1263.26mg、4.816mmol、3.00当量)を0℃で加えた。DIAD(973.90mg、4.816mmol、3.00当量)のTHF(10mL)中溶液を上の溶液に0℃のN2下で滴下して加え、rtで3分撹拌した。反応混合物を70℃で2時間撹拌し続けた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をDCM(20mL)で希釈し、ろ過し、ろ過ケーキをDCM(2×5mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CH2Cl2/MeOH 15:1)で精製し、粗製の生成物を得た。粗製の生成物(250mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:YMC-Actus Triart C18、30*250,5um;移動相A:水(0.05%NH3H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:37B~57B、7分)で精製して1-[2,2-ジメチルオキサン-4-イル]-3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(170mg、26.98%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=393.2。
【0275】
ステップ2. 1-(2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例116、異性体1)/1-(2,2-ジメチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-3-メチル-N-(7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル)-1H-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例117、異性体2)
粗製の生成物(170mg)をChiral-Prep-HPLCにより次の条件(カラム:CHIRALPAK-AD-H-UL001、20*250mm、5um;移動相A:Hex(8mmol/L NH3.MeOH)--HPLC、移動相B:IPA--HPLC;流量:20mL/分;勾配:25B~25B、15分;RT1:10.12;RT2:11.691)で精製してrel-1-[(4R)-2,2-ジメチルオキサン-4-イル]-3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例116、異性体1)(70mg、41.18%)LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=393.3。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.21 (6H, d), 1.80 (2H, dd), 1.89 (1H, t), 2.05 (1H, qd), 2.35 - 2.48 (6H, m), 3.66 - 3.81 (2H, m), 4.75 - 4.95 (1H, m), 7.74 (1H, d), 8.40 (1H, s), 8.92 (1H, s), 9.20 (2H, d);およびrel-1-[(4R)-2,2-ジメチルオキサン-4-イル]-3-メチル-N-[7-メチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル]ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン-6-アミン(実施例117、異性体2)(70mg、41.18%)を白色の固体として得た、LCMS:m/z(ESI)、[M+H]+=393.3。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ1.21 (6H, d), 1.80 (2H, dd), 1.89 (1H, t), 2.05 (1H, qd), 2.35 - 2.48 (6H, m), 3.66 - 3.81 (2H, m), 4.75 - 4.95 (1H, m), 7.74 (1H, d), 8.40 (1H, s), 8.92 (1H, s), 9.20 (2H, d).
生物学的実施例
本明細書に開示された代表的な化合物は以下の生物学的検定の1以上で特徴付けられた。
【0276】
生物学的実施例1:
酵素的検定
DNA-PKに対する化合物の阻害活性を、TR-FRETにより、リン酸化された生成物に変換した蛍光標識されたペプチド基質を測定して決定した。全ての検定は、黒色Greiner 384ウェル低用量プレート(Greiner)中、6μLの総反応用量および0.5%(v/v)の最終DMSO濃度で行った。全長ヒトDNAPKタンパク質、フルオレセイン-P53(SeR15)ペプチド基質(フルオレセイン-EPPLSQEAFADLWKK)およびLanthaScreen(商標)Tb-抗ホスホ-p53[pSeR15]抗体キットはThermo Fisher Scientificから購入した。最初に、DNA-PKタンパク質を化合物と共に30分室温で反応緩衝液(50mm HEPES pH7.5、0.01%Brij-35、10mM MgCl2、1mM EGTA、1mM DTT、10μg/ml Calf Thymus DNA)中でインキュベートした。反応を、次いでATPおよびフルオレセイン-P53(SeR15)ペプチド基質の添加により開始させた。キナーゼ反応(10μΜ ATP、1.6μΜペプチド基質)を60分後に、20mM EDTA、4nM Tb 抗ホスホ-p53[Serl5]抗体を含有する6μlの停止緩衝液の添加によりクエンチした。反応をさらに1時間インキュベートし、プレートをSpark 20M(Tecan)上で読み取った。データを分析し、それぞれのキナーゼの50%阻害を生ずる化合物の濃度(IC50)をXLfitによる4パラメーターロジスティックフィットを用いて計算した。代表的な化合物のDNA-PK阻害活性を下記表5に示す。本開示の化合物が有力なDNA-PK阻害活性を示したことがわかる。
【0277】
【0278】
【0279】
生物学的実施例2:
代謝安定性検定(ラット肝細胞CLint)
凍結保存した肝細胞の能力をトリパンブルーを使用して決定し、細胞濃度を緩衝液でmLあたり106細胞に調節した。1μMの化合物(アセトニトリル中;0.01%DMSO)を96の深いウエルプレートで250μLの肝細胞(mLあたり百万個の細胞)と共にインキュベートした。いろいろな時点(0、0.5、5、15、30、45、60、80、100および120分)で3容量の冷アセトニトリルの20μLの反応混合物への添加により反応を停止させ、4℃で15分遠心分離した。40μLの上清を純粋な水で200μLに希釈し、LC-MS/MSを用いて分析した。
【0280】
インビトロ肝細胞クリアランスは化合物のその初期濃度からの消失の排出半減期(T1/2)の決定に基づいて評価した。各化合物(試験または対照)のISに対するピーク面積比を計算した。薬物排出速度定数k(分-1)、T1/2(分)、およびインビトロの固有クリアランスCLint(μL/分/E6)を次式に従って計算した:
k=-傾き
T1/2=0.693/k
CLint=k/Chep
ここでChep(細胞×μL-1)はインキュベーション系における細胞濃度である。
【0281】
データを下記表6に示す。
代謝安定性検定(ヒトミクロソームClint)
1μMの化合物を1mM NADpH溶液を含有する250μLの緩衝液(100mM リン酸緩衝液、pH7.4)中37℃で1mg/mLのミクロソーム(20mg/mlのタンパク質コーンと共にプールしたHLM)と共にインキュベートした。新鮮な96ウエルプレート中いろいろな時点0、0.5、5、10、15、20および30分で20μLのインキュベーションミックスを5容量の冷アセトニトリルによりクエンチした。クエンチプレートを4000rpmで15分遠心分離した。40μLの上清を純粋な水で200μLに希釈し、LC-MS/MSを用いて分析した。
【0282】
ミクロソーム中の薬物のインビトロの固有クリアランスCLint(μl/分/mg)を、肝細胞におけるCLintと似た方法で計算した。データを下記表6中にも示す。
MDCKII-MDR1-BCRP流出検定
HBSS(25mm HEPES、pH7.4)中の化合物の頂端~基底外側(A~B)および基底外側~頂端(B~A)輸送を、MDCKII-MDR1-BCRP細胞単層にわたり測定した。インキュベーションをおよそ37℃で120分行い、試験系の機能性を5μMジゴキシンを陽性対照として使用して確認した。5μM化合物および対照化合物の輸送を、インキュベーション期間の開始時のドナーコンパートメントの、ならびにインキュベーション期間の終了時のドナーおよび受容コンパートメントの両方の、培養培地中の基質濃度を定量化することにより決定した。データを使用して、見かけの透過性(Papp)を計算した。全てのインキュベーションを3連で行い、細胞単層の統合性を、マーカールシファーイエローを使用して確認した。
【0283】
透過性係数Pexact(cm/s)を、次式を使用して計算した:
Papp=(dCr/dt)×Vr/(A×C0)
Pexact=-(Vd×Vr)/(Vd+Vr)/A/t×ln(1-(Vd+Vr)×Cr/(Vd×Cd+Vr×Cr))
Pexact比を、次式を使用して計算した:
PexactまたはPapp比=PexactまたはPapp(+阻害剤)/PexactまたはPapp(-阻害剤)
流出比を、次式を使用して計算した:
流出比=PexactまたはPapp(BA)/PexactまたはPapp(AB)
式中、dCr/dtは時間の関数としての受容室中の化合物の累積濃度(μM/s)であり;Vrは受容室中の溶液の容量(頂端側0.1mL、基底外側0.3mL)であり;Aは輸送の表面積、すなわち単層の領域についての0.11cm2であり;C0はドナー室中の最初の濃度(μM)である。データを下記表6中に示す。
【0284】
【0285】
【0286】
【0287】
生物学的実施例3:
脳血液関門浸透検定
脳内と血漿中との間の非結合の薬物の濃度の関係であるKp,uuはCNS活動の予測の鍵であり、創薬において測定される主なパラメーターであり最適化されるべきであると考えられている(Di L et al.,Journal of Medicinal Chemistry[2013],56:2~12)。
【0288】
インビトロの血漿および脳の結合検定を、半透膜を用いた平衡透析法を使用して行った。血漿および希釈された脳ホモジネート(DPBSを用いて1:4、pH7.4)に5μMの試験化合物を添加し(3連で)、等量の150μL 100mM PBS緩衝液(pH7.4)に対して37℃で18時間、ゆっくりと回転させたプレート中で透析した。インキュベーションの終了時に、受容側からの50μLのアリコートおよびドナー室からの5μLを採取した。5μLの試料を45μLのブランクの血漿または脳ホモジネートでさらに希釈した。対となった試料を、緩衝液またはブランクの血漿/脳ホモジネートのいずれかとマトリックス適合(matrix-matched)し、2分混合し、次いで100ng/mLトルブタミドを内部標準として有する150μL冷アセトニトリルで沈殿させた。4000rpmで20分遠心分離した後、上清を0.1%ギ酸水溶液で希釈し、LC/MS/MS(API 4000、Applied Biosystems、Foster City)で分析した。脳ホモジネートおよび希釈した血漿中の試験化合物の非結合分画(fu)を、緩衝液側の反応と脳ホモジネート/血漿側の反応との比により計算し、非希釈血漿および組織中の試験化合物の非結合分画(fu,plおよびfu,br)を、ホモジネートおよび血漿中で測定されたfuから次式を用いて計算した:fu,bl(fu,br)=(1/D)/[(1/fu-1)+1/D)]。Dは希釈係数である。
【0289】
即時経口吸収(SOA)モデルは、化合物の脳透過性を特定するためのインビボのスクリーニングモデルである。Beijing Vital Riverから購入した6匹の雄のHan Wistarラットに、化合物を1%メチルセルロース中10mg/kgで経口投与した。投薬後0.5、1、2、4、7および16時間で、脳脊髄液(CSF)を大槽から集めた。血漿試料は、収集の30分以内におよそ4℃、3,000gでの遠心分離により血漿について処理することとなる。血漿試料は標識された管へと移動させ、分析まで-80度で保存することとなる。脳組織を収穫し、3×容量の100mMリン酸緩衝生理食塩水(pH7.4)中でホモジナイズした。全ての試料をLC/MS/MS分析の前に約-70℃で保存した。
【0290】
標準を、ブランクの血漿、脳ホモジネートおよび0.5~500ng/mLにわたる人工CSFを添加することにより調製した。ホモジナイズした脳組織を血漿試料と共に、内部標準(40ng/mLデキサメタゾンおよび40ng/mLジクロフェナク)を含有する3倍容量の冷アセトニトリルを加えることにより沈殿させ、10μLのCSF試料を内部標準を含有する100μLの冷アセトニトリルで沈殿させた。2分のボルテックスおよび5分の14,000rpmでの遠心分離の後、上清をLC/MS/MS(API 4000、Applied Biosystems、Foster City)により分析した。2セットの標準曲線を、血漿試料分析から、各バッチの開始および終了時に実行した。脳およびCSF試料について、1つの標準曲線を試験試料を用いて分析した。
【0291】
脳/血漿比(Kp)として表される総脳レベルを、経口投与後の齧歯類におけるAUC脳/AUC血漿により測定した。生物学的マトリックス中の試験化合物の遊離画分を、インビトロの血漿および脳結合検定により決定した。Kp,uuを次式により計算した:Kp,uu=AUC(脳)/AUC(血漿)×(fu,脳/fu.血漿)。データを下記表7中に示す。
【0292】
【0293】
本開示を具体的な実施形態(そのうちのいくつかは好ましい実施形態である)を参照して特に示し記載したが、当業者には理解されるはずであるように、本明細書に開示された本開示の思想および範囲から逸脱することなく形態および詳細において様々な変更がなされ得る。
【国際調査報告】