(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(54)【発明の名称】クッション
(51)【国際特許分類】
A47G 9/10 20060101AFI20220721BHJP
A41D 23/00 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
A47G9/10 V
A47G9/10 Y
A41D23/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022516263
(86)(22)【出願日】2020-05-12
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 GB2020051148
(87)【国際公開番号】W WO2020234566
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521513546
【氏名又は名称】ジェンセン,ジェマ
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジェンセン,ジェマ
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102AC01
(57)【要約】
クッションは、枕部分と、細長い幹部分と、スカーフとを含み、枕部分は、前側および後側を有し、クッションの使用者の頭部を支持するために使用可能な支持面を前側に画定し、幹部分は、枕部分から離れて延在し、枕部分の遠位にある終端を有し、スカーフは、スカーフの第1の端部で枕部分および/または幹部分に取付けられ、使用時に第1の端部から離間したスカーフの一部分で幹部分と係合可能である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枕部分と、細長い幹部分と、スカーフとを含み、
前記枕部分は、前側および後側を有し、クッションの使用者の頭部を支持するために使用可能な支持面を前記前側に画定し、
前記幹部分は、前記枕部分から離れて延在し、前記枕部分の遠位にある終端を有し、
前記スカーフは、前記スカーフの第1の端部で前記枕部分および/または前記幹部分に取付けられ、使用時に前記第1の端部から離間した前記スカーフの一部分において前記幹部分と係合可能である、クッション。
【請求項2】
前記スカーフは、前記枕部分の前記後側から延在する、請求項1に記載のクッション。
【請求項3】
前記スカーフは、前記枕部分の長手方向軸線の方向における前記枕部分の実質的な中間点に対応する点において、前記枕部分および/または前記幹部分に取付けられる、請求項1または2に記載のクッション。
【請求項4】
前記スカーフは、前記枕部分の長手方向軸線の方向に対して略横断する方向に延在する取付けラインに沿って、前記枕部分および/または前記幹部分に取付けられる、請求項1~3のいずれか1項に記載のクッション。
【請求項5】
前記スカーフの前記第1の端部から離間した前記スカーフの一部分において前記スカーフを前記幹部分に取り外し可能に取付けるための取付け手段を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のクッション。
【請求項6】
前記取付け手段は、前記スカーフを前記幹部分に引っ掛けるために、前記幹部分を受け入れるように適合された、前記スカーフの1つ以上の開口部を有する、請求項5に記載のクッション。
【請求項7】
複数の前記開口部が前記スカーフに備えられ、複数の前記開口部は、前記スカーフの長さに沿って互いに間隔を置いて配置される、請求項6に記載のクッション。
【請求項8】
使用されていないときに前記スカーフを収納するためのポケットを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のクッション。
【請求項9】
前記スカーフは取り外し可能であり、前記枕部分の近位にある前記幹部分の端部に前記スカーフを取付けるために、前記幹部分を受け入れるための第1のループまたは穴が前記スカーフの前記第1の端部に備えられる、請求項1~8のいずれか1項に記載のクッション。
【請求項10】
前記スカーフは、前記枕部分上の固定手段に取付けるために、前記スカーフの前記第1の端部に第2のループまたは穴を有する、請求項9に記載のクッション。
【請求項11】
前記スカーフは、前記第1の端部に背部を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のクッション。
【請求項12】
前記幹部分は、頭部が前記枕部分によって支持されている使用者の顎の下側に接触することができるように構成されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のクッション。
【請求項13】
前記枕部分は、前記幹部分の2つの対向する側から、前記幹部分の伸びに対して横断する方向に前記幹部分から突出する、請求項1~12のいずれか1項に記載のクッション。
【請求項14】
クッションが実質的に対称形状であり、前記枕部分は、使用者の頭部のいずれかの側から使用者の頭部を支持するために使用可能である、請求項1~13のいずれか1項に記載のクッション。
【請求項15】
クッションが前記枕部分を二分する面に関して実質的に対称形状である、請求項1~14のいずれか1項に記載のクッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はクッションに関し、特に、限定されるものではないが、旅行中にほぼ直立した車両座席に座った旅行者の休息時の頭部を支持するためのクッションなどの携帯用旅行枕に関する。
【背景技術】
【0002】
着座した人の休息時の頭部を支持するのに使用するクッションは、たとえ旅行行為において人々が使用することに限定されていなくても、旅行枕と呼ばれることが多い。多くの異なるデザインの旅行枕が存在しており、各々は、使用者による負担または労力なしに維持され得る位置に使用者の頭部を快適に支持することを目的としている。これは効果的に解決するのが難しい問題であることが証明されている。
【0003】
多くのクッション設計は使用者の人の周りに理想的に配置されたときに快適さを提供することができるが、クッションの形状が使用者によるいくらかの努力なしにその理想的な位置を維持するのに役立たないことは珍しくない。一般的な問題はクッションが使用者の肩から滑ることであり、理想的には、使用者の休息時の頭部を効果的に支持するためにクッションを残しておく必要がある。使用者は、典型的には、手によって、あるいは頭部と肩部との間にクッションを挟むように肩部を上方に付勢することによって、クッションを所定の位置に保持しようと試みる。これは必然的に不快感をもたらす。
【0004】
他の設計は、使用者の周りの意図された位置にクッションを保持するための手段を提供し得る。これらは、クッションに追加された、またはクッションによって形成された構造および形状を含むことができ、クッションの汎用性および/または快適な使用の容易さを低減させる可能性がある。例えば、クッションを所定の位置に保つように設計された複雑で手の込んだ形状は、使用者が使用中にクッションを自分の周囲に配置することができる位置の範囲をしばしば制限する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、望ましくは、ほぼ直立した座席等で使用者の休息時の頭部を支持するための、安全で、汎用性があり、快適なクッションを提供することを目的とする。
【0006】
最も一般的には、本発明は、人の頭部を支持するためのクッションを提供し、クッションは、人の頭部または首の後部および/または人の頭部の側部の支持を提供するために使用可能な第1の部分と、第1の部分から延在し、人の顎の支持を提供するために使用可能な第2の部分と、使用中にクッションを適所に維持するのを助けるために使用者の首の周りに選択的に巻き付けることができるスカーフと、を含んでいる。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、枕部分と、細長い幹部分(trunk portion)と、スカーフとを含むクッションが提供される。枕部分は、前側および後側を有し、クッションの使用者の頭部を支持するために使用可能である支持面を前側に画定する。幹部分は、枕部分から離れて延在し、枕部分の遠位にある終端を有する。スカーフは、スカーフの第1の端部で枕部分および/または幹部分に取付けられ、使用時に第1の端部から離間したスカーフの一部分において幹部分と係合可能である。
【0008】
スカーフは、好ましくは、枕部分の後側および/または幹部分の後側から延びている。
【0009】
スカーフは、枕部分の長手方向軸線の方向における枕部分の実質的な中間点に対応する点において、枕部分および/または幹部分に取付けることができる。これは、枕部分を二分する面上にある点であってもよい。このような面は、幹部分を含むことができる。
【0010】
スカーフは、好ましくは、枕部分の長手方向軸線の方向に対して略横断する方向に延在する取付けラインに沿って、枕部分および/または幹部分に取付けられる。取付けラインは、枕部分から離れる幹部分の延長方向に実質的に平行に延在することができる。
【0011】
このような取付けライン(特に、限定されるものではないが、上述のように、中間点での取付けおよび/または枕部分から離れる幹部分の延長方向に実質的に平行な取付けと組み合わせて)は多くの利点を有する。取付けラインは、スカーフが使用者の右側または左側に容易に引っ張られることを、枕部分が他方の側に切り換えられるときに可能にする。また、この取付けラインは、スカーフを枕部分から独立して移動させることを可能にする。すなわち、スカーフは、枕部分の位置に影響を及ぼすことなく、全ての方向に引っ張ったり、操作したりすることができる。これは、使用者が枕部分を頭部の側部に位置決めし、次いで、スカーフを快適な位置を見つけるまで調節することができることを意味する。スカーフは枕部分に取付けられているものの、実質的には、使用の観点から別個の存在のままである。スカーフが反対側で使用される場合、クッションは、使用されるスカーフのために回転される必要はない。スカーフは両側で全く同じ方法で使用することができるので、スカーフの「体験」が両側で同じであることも意味する。
【0012】
スカーフは、実質的に長方形、三角形、テーパー形状、またはその他の形状であってもよい。スカーフの縁部に沿って枕部分および/または幹部分に取付けることができる。例えば、長方形の場合、短い縁に沿って取付けることができる。例えば、テーパー形状の場合、スカーフは、より広い端部またはより狭い端部で枕部分および/または幹部分に取付けることができる。
【0013】
当業者には容易に理解されるように、取付け縁部の長さおよびスカーフの幅は変更することができる。取付け縁部の長さは、4~26cm、5~20cm、または10~20cmとすることができる。取付け縁部は、4~26cmの間の任意の幅であり得る。特に好ましい配置では、16cmである。取付け縁部の長さは、枕部分の長手方向軸線の方向に対して略横断方向の枕部分の幅と略等しくてもよい。それ以外の場合は、長くても短くてもよい。短い場合、スカーフは、より多くの支持を生成するのに役立つので、枕部分のさらに下方に(幹部分に向かう方向に)取付けられてもよい。
【0014】
スカーフの第1の端部から離間したスカーフの一部分において、スカーフを幹に取り外し可能に取付けるために、取付け手段が設けられることが好ましい。取付け手段は、スカーフを幹に引っ掛けるために、幹を貫通して受け入れるように適合された、スカーフ内の1つ以上の開口部を備えてもよい。複数の開口がスカーフに設けられていてもよく、複数の開口はスカーフの長さに沿って互いに離間されている。そのような複数の開口部は、調整可能性を可能にする。
【0015】
スカーフは、伸縮性があることが好ましい。あるいは、非伸縮性であってもよい。スカーフは、フリース、または竹などの通気性織物から作製することができる。
【0016】
スカーフは、枕部分および/または幹部分に永久的にまたは取り外し可能に取付けることができる。
【0017】
クッションは、スカーフが使用されていないときにスカーフを収納するためのポケットを含むことができる。これは、スカーフが永久的に取付けられる場合に特に好ましい。使用者は、スカーフを展開するかどうかを選択できる。
【0018】
着脱自在なスカーフでは、枕部分の近位である幹の端部にスカーフを取付けるために、スカーフの第1の端部に幹を貫通して受け入れるための第1のループまたは穴を設けてもよい。
【0019】
スカーフはさらに、ループ、ボタンまたはクリップを含むことができる枕部分上の固定手段に取付けるために、スカーフの第1の端部に第2のループ、孔またはスナップ-ループファスナを備えることができる。代替例では、ループ、孔またはスナップ-ループを枕部分に設け、固定手段をスカーフに設けてもよい。
【0020】
スカーフは、その第1の端部に背部(spine)を備えていてもよい。これは、取り外し可能なスカーフがその固定端でスカーフに完全性を提供するために特に好ましい。背部の提供または省略は、スカーフの厚さを含むがこれに限定されない多くの要因に依存し得る。より厚い/より強い材料は背部を必要としないが、より薄い/より弱い材料は背部を必要としてもよい。
【0021】
スカーフは、枕部分の長手方向軸線の方向に対して略横断方向に枕部分よりも広くしてもよい。それ以外の場合は、同じ幅を有してもよく、またはより狭くてもよい。より狭い幅のスカーフが使用される場合、スカーフの端部は、より多くの支持を生成するのに役立つので、さらに下方に(幹部分に向かう方向に)取付けられてもよい。
【0022】
枕部分の幅(枕部分の長手方向寸法)は、幹部分よりも広いことが好ましい。枕部分は、少なくとも10cmの幅を有してもよく、好ましくは、20~35cmである。
【0023】
枕部分は、形状がほぼ凹状であってもよい。
【0024】
枕部分は、好ましくは、幹部分の伸びに対して横断する方向に幹部分から突出する。
【0025】
幹部分は、好ましくは、枕部分によって頭部が支持されている使用者の顎の下側に接触することができるように構成される。
【0026】
枕部分は、幹部分から、幹部分の2つの対向する側から、幹部分の伸びに対して横断する方向に突出してもよい。クッションは、実質的に対称であってもよく、その結果、枕部分は使用者の頭部のいずれかの側から使用者の頭部を支持するために使用可能である。クッションは、枕部分を二分し幹部分を含む面に関して実質的に対称であってもよい。
【0027】
単一の幹部分があってもよい。幹部分は、その長さにわたって実質的に一定の断面を有してもよく、またはその端部に向かって先細りになっていてもよい。いくつかの構成では、幹部分は、分岐した第2の端部を有する場合がある。
【0028】
代替的に、複数の幹部分が設けられてもよい。クッションが実質的に対称であり、2つの幹が提供される場合、クッションは、枕部分を二分し、2つの幹部分の間にある面に対して実質的に対称であってもよい。2つの幹部分は、枕部分から互いに斜めの角度で延びていてもよい。
【0029】
幹部分は、枕部分の後側から出てくることが好ましい。枕部分の後側を横切って延在する背部として現れてもよい。そのような場合、スカーフは背部に取付けられてもよい。
【0030】
幹部分は、その静止形状が湾曲または曲がるように形成されてもよい。
【0031】
幹部分は、前記終端が前記枕部分の前方に位置するように、前方に引っ掛けられた構成を有する静止形状を有することができる。
【0032】
幹は、鋭く上方に引っ掛かるように構成されてもよい。このような構成では、幹部分の終端部は、枕部分の底縁部の上方に配置することができる。
【0033】
幹部分は、弾性的に柔軟であってもよい。そのような場合、幹部分は、所望に応じて曲げられるかまたは湾曲される幹を形成するように操作されてもよい。
【0034】
クッションは、軟質または柔軟な材料で充填されてもよく、この材料は、発泡体、繊維充填材料、または他のものを含んでもよい。それ以外の場合、クッションは、膨張可能であってもよい。
【0035】
スカーフは、枕部分および幹部分を有するクッションを受け入れるようなサイズおよび形状にされたカバー、すなわち枕ケースに、永久的にまたは着脱可能に取付けることができる。
【0036】
本発明の非限定的な実施形態を、添付の図面を参照して、単に例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態によるクッションの正面斜視図である(スカーフは見えない)。
【
図3】
図3は、
図1および
図2のクッションの背面図であり、スカーフと、枕部分および幹部分へのスカーフの取付け配置とを示す。
【
図4】
図4は、
図1~
図3のクッションの正面斜視図であり、スカーフは、幹部分に取付けられて示されている。
【
図5】
図5は、
図1~
図4のクッションの使用者の正面図であり、使用中のクッションを示す。
【
図6】
図6は、
図1~
図4のクッションの使用者の背面図であり、使用中のクッションを示す。
【
図7】
図7は、
図1~
図4のクッションの使用者の側面図であり、使用中のクッションを示す。
【
図8】
図8は、
図1~
図4のクッションの使用者の正面図であり、スカーフ部分が使用者の身体と幹部分との間に押し込まれた状態で使用されるクッションを示す(
図4、
図5および
図7のように幹部分に取付けられるのではなく)。
【
図9】
図9は、第2の実施形態によるクッションの背面斜視図であり、クッションは、枕および幹部分へのスカーフの代替的な取付け配置を含み、内部ポケットを含み、ポケットが開かれてスカーフが収容されて示されている。
【
図10】
図10は、スカーフが展開された状態の
図9のクッションの背面斜視図である。
【
図11】
図11は、第3の実施形態によるクッションの背面斜視図であり、クッションは、枕および幹部分へのスカーフの代替的な取付け配置を含み、外部ポケットを含む。
【
図14】
図14は、
図12のクッションの部分拡大斜視図を示し、枕部分へのスカーフの取付けを示す。
【
図15】
図15は、
図5と同様の使用中のクッションを示し、スカーフは、使用者の脇の下(使用者の首の周りではなく)に延在する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0039】
全ての図示された構成によれば、枕部分2と、細長い幹部分3と、スカーフ4とを含むクッション1が提供される。枕部分2は、前側2aと後側2bとを有し、クッション1の使用者の頭部を支持するのに使用可能な支持面10を前側2aに画定している。幹部分3は、枕部分2から離れるように延び、枕部分2の遠位にある末端5を有する。スカーフ4は、スカーフ4の第1の端部7で、枕部分および/または幹部分に取付けられ、使用時に、第1の端部7から離間したスカーフ4の一部分で幹部分3と係合可能である。
【0040】
枕部分の前側2aによって画定される頭部支持面10は、ほぼ直立した座席で使用者の休息時の頭部を支持するように適合され、配置される。細長い幹部分3は、使用者の頭部が枕部分2によって支持されている間、使用者の顎の下側に接触するように適合され、配置される。スカーフ4は、使用者の首の周りを包むように適合され、配置され、一方、使用者の頭部は枕部分2によって支持され、幹3は使用中にクッションを適所に保持するために、使用者の顎の下側に接触する。
【0041】
幹部分3は、好ましくは、図示のように、弾性的に柔軟な屈曲部を画定し、この屈曲部は、枕部分2から延びて、幹を、枕部分2から遠位にある、少なくともその自由端(または末端5)に向かって略フック形状にする。幹部分3は、
図2に最も良く見られるように、前記末端5が前記枕部分2の前方に位置するように、前方にフックのように引っ掛けられた形状を有する休止形状を有することができる。
【0042】
枕部分2は、好ましくは、頭部支持面10が幹部分の伸びに対して略横断する方向に延びるように、幹部分3から突出する。幹部分の伸びは、好ましくは、頭部支持面が伸長して頭部支持面10に隣接する幹部分3の末端5を位置決めする方向に対して略横断する方向に、屈曲部に従う(すなわち、フックする)ように方向付けられる。幹が曲がる度合いは、変えることができる。いくつかの構成では、幹部分は、その長さの全体、一部分または大部分に沿って実質的に真っ直ぐに延びることができる。
【0043】
枕部分2は、好ましくは、一方の側(
図1に示される)に、周辺枕縁部によって境界付けられる頭部支持パネル10を備える枕構造を画定するように成形される。本構成では、それら縁部が略半円形(例えば、「D」形状)の境界を画定する。枕部分はもちろん、長方形、三角形、または楕円形などであるが、これらに限定されない代替的な形状とすることができ、枕縁部は適切な形状の境界を画定する。枕は、好ましくは、図示のように、頭部支持パネル10が凹状であり、枕部分2がほぼ凹状であるように形成される。代替的な構成では、枕部分は平坦であってもよく、または他の形状であってもよい。
【0044】
幹部分3は、枕部分2から延びる細長いクッションを画定する。幹部分は、実質的に連続的に湾曲してもよい。幹部分は、角張った形態、1つ以上の実質的に真っ直ぐな部分を含む形態、または他の形態を含む代替の形態をとることができる。幹部分は、好ましくは、枕部分2と一体に形成されて、枕部分2の後側2bから、頭部支持パネル10を画定する側2bとは逆に延びる。幹部分3は、実質的に連続的に湾曲している場合、実質的に三日月形であってもよい。
【0045】
幹部分3は、枕部分の後側から背部または峰部(ridge)として現れることができる。幹部分3は、枕部分2の裏面2aを二分する峰部または背部を有していてもよい。これはクッションに強度を付加し、枕部分およびフック形の幹部分の相対的な位置決めおよび向きを、より頑丈かつ弾力性のあるもの、すなわち、幹部分3に対して枕部分2のたるみ、変形または垂れをはるかに生じにくくする。しかしながら、幹部分3は、他の方法で枕部分2から延びていてもよいことに注意すべきである。例えば、枕部分2の後側2bから延びるのではなく、枕部分の側縁から、または他の方法で、特に底縁から延びることができる(
図5~
図8に見られるように、使用時に)。
【0046】
枕部分2は、明確に示されているように、好ましくは、幹部分3よりも幅広である。枕部分2は、明確に示されているように、好ましくは、幹部分3の2つの対向する側から幹部分2の伸びに対して横断する方向に幹部分3から突出する。クッションは、実質的に対称であってもよく、その結果、枕部分2は使用者の頭部のいずれかの側から使用者の頭部を支持するために使用可能である。クッションは、再び示されるように、最も好ましくは、枕部分2を二分し、幹部分3を含む面に関して実質的に対称である。幹部分3は、好ましくは、その休止形状が湾曲または屈曲するように形成されることが好ましい。あるいは、弾性的に柔軟であってもよい。そのような場合、幹部分は、所望に応じて曲げられるかまたは湾曲される幹を形成するように操作されてもよい。
【0047】
図示のように、単一の幹部分3があってもよい。代替的に、複数の幹部分が設けられてもよい。任意の配置の幹部分3は、フォーク状の第2の端部を有してもよく、または他の形態であってもよい。いずれの構成においても、幹部分は、鋭角にフック状に引っ掛けられた末端5を有することができる。
【0048】
図5~
図8は、使用者の肩の上に置かれたクッションの支持位置を示し、クッション部分2の頭部支持パネル2aは、使用者の頭の一側面を支持し、フック状の幹部分3は、頭の下に引っ掛かり、同時に使用者の顎を支持する。スカーフ4は、(好ましいように)枕部分の後面2bから延在し、使用者の首の周りを包み、スカーフ4の第1の端部から離間したスカーフ4のある部分で幹部分3に係合するように示されている。上述したように、スカーフ4は、使用中にクッションを適所に維持するのに役立つ。スカーフ4は、
図5および
図7では、幹部分3に取付けられて示されており、可能な代替案として、
図8では、幹部分3と使用者の身体との間に押し込まれている。スカーフはまた、幹の上に押し込まれて顎の下に押し込まれるか、または幹の端部の周りに巻き付けることができる。
【0049】
図5および
図8に示されるように、クッション1のこの使用において、幹部分3は、好ましいように、クッションの使用者の顎の下側を横切って、使用者の顎の中間点を越える点まで延在する。幹部分3は、使用者の顎の下側を実質的に全体にわたって支持する。
【0050】
図7に示されるように、クッションのこの使用において、再び好ましいように、枕部分2は、クッション1の使用者の頭部の側部を実質的に全体にわたって延在する。すなわち、枕部分2は、使用者の頭部の実質的に後部から、使用者の頭部の実質的に前部まで、例えば、使用者の顔の正面をちょうど越えた位置まで延在する。使用者の耳は、枕部分2によって完全に覆われている。
【0051】
クッションは一般に、発泡体、繊維充填材料、または他のものを含むことができる柔らかいまたは柔軟な材料によって充填されるが、膨張可能な構成が可能である。
【0052】
さらに、スカーフは、本明細書で論じる取付け手段のいずれかに従って、カバー、すなわち枕部分および幹部分を有するクッションを受け入れるようなサイズおよび形状にされた枕ケースに取付けることができる。
【0053】
ここで、スカーフ4をより詳細に考察する。
【0054】
上述したように、スカーフ4は、好ましくは、枕部分2の後側2bから延びている。図示の構成では、スカーフは、枕部分2よりも大きな幅を有する。代替的な構成では、これは必ずしもその必要はなく、より狭くすることができる。また、スカーフ3は、枕部分2および幹3の両方に取付けられるように示されている。この場合も、必ずしもその必要はない。スカーフは、代替として、枕部分2または幹部分3のいずれかに取付けることができる。特に、スカーフが枕部分よりも狭い場合には、例えば枕部分のみに取付けることができる。
【0055】
大きさまたは特定の取付け、すなわち枕部分2および/または幹部分3にかかわらず、スカーフ4は、枕部分の長手方向軸線の方向における枕部分2の実質的な中間点に対応する点に取付けられることが好ましい。クッション1が図示のように単一の幹部分3と対称である場合、スカーフ4は、枕部分2を二分し、幹部分3を含む面と一致するように取付けることができる。例えば非対称配置等を含む別の配置では、スカーフ4は別の方法で取付けられてもよいことを理解されたい。例えば、枕部分2の横方向縁部に隣接して、または他の方法で取付けることができる。
【0056】
スカーフ4は、好ましいように、枕部分2の長手方向軸線の方向に対してほぼ横断する方向に延びる取付けラインに沿って取付けられるように、すべての図示された構成で示されている。ただし、そのように取付ける必要はないことに留意されたい。取付けは、スカーフ4の取付け手段および/またはスカーフ4の特別な形に部分的に依存し得る。図示の構成では、スカーフ4は、実質的に長方形であり、スカーフ4の短い縁部に沿って取付けられている。代替的なスカーフ形状は用途を見出すことができ、本出願は、スカーフ4の特定の形状に限定されるものではない。
【0057】
図5および
図8に関して述べたように、スカーフ4は、幹部分3に取付けられるか、または単に幹部分3に接触し、幹部分3と使用者の身体(胸部)との間に押し込み/サンドイッチされるように、第1の端部から離間したスカーフ4の一部において幹部分3と係合するように配置されてもよい。これは代わりに、幹と使用者の顎との間に押し込まれてもよく、あるいはスカーフが幹を横切って単に引っ張られてもよく、または幹の周りに巻かれてもよい。スカーフ4は、スカーフ4の第2の端部において幹部分3と係合するように配置されてもよい。押し込み/サンドイッチの場合、使用者の顎によって幹部分3に加えられる力はスカーフ4を保持するのに一般に十分であり、使用中にクッション1を適所に維持するのを助ける効果を有する。しかしながら、スカーフ4の第1の端部から離間したスカーフ4の部分において、スカーフ4を幹部分3に取り外し可能に取付け/固定するために、何らかの形態の取付け手段が設けられることが好ましい。
【0058】
特に好ましいが非限定的な取付け手段が、
図4、5、7および
図12に示されている。スカーフには、スカーフ4を幹部分3に引っ掛けるために、幹部分3を貫通して受け入れるようになっている複数の開口部11が設けられている。複数の開口部11を設けることは、調節可能性を提供し、枕が滑らないようにするのに役立つスカーフの張力を維持するために好ましいが、単一の開口部11のみを備えた代替構成を設けることもできる。複数の開口部11は、
図12に最もよく示されるように、スカーフ4の長さに沿って互いに間隔を置いて配置されている。当業者には理解されるように、フックおよびループのファスナー、ボタン、ポッパー(poppers)、クリップなどを含むがこれらに限定されない多くの代替的な取付け手段を提供することができる。
【0059】
理解されるように、全ての配置は(開口部11の例示的な形態の)取付け手段を含むように記載されているが、取付け手段は図示された配置のいずれからも省略されてもよい。
【0060】
スカーフ4は、好ましくは、その機能を補助するために伸縮可能である。スカーフ4は、好ましくは、快適さの目的のために柔らかい布帛を含む。しかしながら、伸縮性である必要はない。伝統的なスカーフのように見えたり感じたりする伸縮性のないフリースや、竹の生地にもなり得る。
【0061】
スカーフは、永久的にまたは取り外し可能に取付けることができる。
図3、
図9および
図10、
図11および
図12は、4つの異なる配置を示している。
【0062】
図3は、スカーフ4の永久的な取付けを示す。スカーフ4は、縫い合わせによって取付けラインに沿って固定される。スカーフ4は、クッション1の継ぎ目に縫い合わされてもよい。スカーフ4は、接着剤の使用などによって、他の方法で取付けることができる。
【0063】
図9、
図10、および
図11は、スカーフ4が使用されていないときの収納ポケットの使用を示している。
図9および
図10のポケット20は内部にあり、
図11のポケット21は外部にある。スカーフは、これらの構成において、ポケットの内側に固定された状態で永久的に取付けられるが、そのようなポケットは代替的に、
図12~
図14に示され、以下で説明されるような、または他の方法で、取り外し可能なスカーフを格納することができる。
【0064】
図9および
図10を参照して、内部ポケット20は、任意の従来の方法で形成され、スカーフが使用されていないときにポケットを閉じるための閉鎖要素23を有する。本構成における閉鎖要素23は、フックおよびループファスナーであるが、ポッパー、ボタン等を含む任意の適切な代替物を含むことができる。ポケット開口部は、枕部分の長手方向軸線の方向に対して略横断する方向に延在し、スカーフ4は、ポケット開口部に平行な取付けライン24(
図10の矢印によって指し示される)を有するが、必ずしもその必要はなく、ポケット20は、他の方向に向けられ、スカーフ4は他の方法で取付けられ得る。スカーフ4は、好ましくは、適所に縫い付けられるが、接着剤を含む任意の他の方法で適所に保持することができる。
【0065】
図11は、クッションの外面に取付けられた外部ポケット21を示している。ポケットは、
図9および
図10の配置に関して上述したものを含む閉鎖手段を含むことができ、または、図示のように、閉鎖手段を含まない一対の重なり合うフラップ25を含むことができる。任意の外部ポケットの形態は、特に限定されない。
【0066】
図12~
図14は、好ましい実施形態による例示的な取り外し可能なスカーフ4を示している。第1のループ12は、スカーフ4の第1の端部に設けられ、枕部分2の近位にある幹部分3の端部にスカーフ4を取付けるために、幹部分3を貫通して受け入れる(
図13に見られるように)。スカーフ4は、枕部分2上の固定手段14に取付けるために、スカーフの第1の端部に孔13が設けられている(
図13および
図14に見られるように)。本構成では、固定手段14は、開くことができるループを備えている。ループはポッパー15によって閉じられている。固定手段14は、例えば、ボタンもしくはクリップ、または他の方法で配置されるループを含む、任意の代替の好適な配置を備えてもよいことを理解されたい。スカーフ4の第1のループ12をスカーフの穴と置き換えることができ、および/または穴13をループと置き換えることができることが更に理解されるべきである。さらに、上記の例示的な固定手段のいずれかを含む、枕部分2の近位にある幹部分3の端部に隣接する固定手段を設けることができ、この場合では、幹部分3は、いかなるループまたは孔を通って受け入れられない。
【0067】
任意の取り外し可能なスカーフ4の取付け手段にかかわらず、スカーフは、好ましくは、その第1の端部に背部16を備える。背部16は、スカーフ4の端部を折り曲げまたは巻き、それを固定して折り曲げまたは巻きを維持することによって形成されてもよく、またはスカーフ4の残りの部分よりも大きな剛性を有する材料または布の片を取付けることによって形成されてもよい。背部16は、取り外し可能なスカーフの取付けラインを画定することができる。固定されたスカーフはいずれも背部を備えていてもよいが、背部を含まない可能性が高い。
【0068】
別の取り外し可能なスカーフ4は、好適なフックおよびループのファスナー構成を備えることができ、そのファスナー構成は、クッションの外面、またはクッションの外面上の対応するファスナー、または(設けられている場合には)ポケット20、21の内側、またはポッパー、ボタン、またはクリップなどの任意の別の固定手段に係合するためのものである。いかなるフックおよびループのファスナーも、存在する場合には背部16に沿って延びることができる。
【0069】
上述の構成から明らかなように、クッションおよびスカーフは、好ましくは、使用時には非対称である。枕は、好ましくは、休止状態にあるときには対称であるが、使用中には非対称である(すなわち、幹が顎の下で前方に来る-1つの幹バージョンを示す)。スカーフは、使用時にクッションの非対称性に適合するよう特別に設計されている。スカーフは、クッションの非対称的特徴(すなわち、幹部分)に接続する。スカーフは、来たところから枕部分に戻って接続しない。
【0070】
枕部分に戻るように接続する代わりに、スカーフを幹部分に接続することにはいくつかの利点がある。
【0071】
1.スカーフは、枕部分を適所に保持することによって、枕部分が滑り落ちるのを防いでいる。
【0072】
2.スカーフを引っ張ると、枕部分が頭部の側部に近づくように押され、したがって、より多くの支持が提供される。
【0073】
3.一般的に、スカーフが使用者の首の周りに引っ張られるほど、枕部分は頭部の側部に押し込まれ、したがって、支持が大きくなる。対照的に、スカーフが首の周りにループする場合、使用者がスカーフを首の周りにしっかりと引っ張り(支持を増大させ)、次にスカーフを枕部分に戻して接続すると、スカーフは使用者の首の周りにきつすぎる(すなわち、首を詰まらせる)ことになる。しかしながら、本発明のクッションとスカーフとの組み合わせでは、上述の構成のいずれかに従って、スカーフは幹と接続し、したがって幹はスカーフからのすべての張力を担持する。これは、スカーフが使用者の首の周りに収縮することなく、スカーフをしっかりと引っ張ることができることを意味する。
【0074】
クッションは単一の向きで使用され、スカーフが使用者の首の周りを通るように説明されてきたが、クッションの独特の配置は、異なる向きで、および/またはスカーフが別の経路を通って使用できるようなものである。
【0075】
図15は、スカーフが上記と同じ向きを有するが、スカーフが使用者の腕の下を通過する例示的な代替例を示している。これは、
図5に示されるクッションの使用と直接対比することができる。
【0076】
代替的な向き(図示せず)では、クッションは、襟首(顎の下ではなく)に配置された幹部分と共に使用することができる。この向きで枕を使用するために、枕部分は、実質的にその対称線に沿って一緒に折り畳まれ(「アポストロフィ形状」を形成するために)、頭部の側部で使用される。次に、幹は、襟首に配置される。スカーフは、まだ枕部分の後側から来るが、使用者の首の前部の周りを包み込み、次いで、頭部の反対側の幹に接続される。
【0077】
異なる構成の特徴のいずれも、分離され、任意の他の構成に統合され得ることが理解されるべきである。さらに、特許請求の範囲内の多数の代替構成は、当業者によって容易に理解されるであろう。現在説明されている構成は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】