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特表2022-534334板材挿し継ぎ辺構造及び挿し継ぎアセンブリと組み立て方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-29
(54)【発明の名称】板材挿し継ぎ辺構造及び挿し継ぎアセンブリと組み立て方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/61 20060101AFI20220722BHJP
   E04B 1/10 20060101ALI20220722BHJP
   E04B 2/74 20060101ALI20220722BHJP
   B27M 3/00 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
E04B1/61 502N
E04B1/10 A
E04B1/61 503G
E04B2/74 501K
E04B2/74 501V
B27M3/00 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526449
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(85)【翻訳文提出日】2021-07-01
(86)【国際出願番号】 CN2019124755
(87)【国際公開番号】W WO2020238152
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】201910440574.3
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521206291
【氏名又は名称】蓬莱正泰木▲業▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PENGLAI ZHENGTAI WOOD INDUSTRY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲寧▼ 新▲廣▼
【テーマコード(参考)】
2B250
2E125
【Fターム(参考)】
2B250AA01
2B250BA04
2B250CA11
2B250DA03
2B250EA02
2B250EA15
2B250EA17
2B250FA13
2B250FA15
2B250HA01
2E125AA51
2E125AE16
2E125AG07
2E125AG24
2E125BE10
2E125CA78
(57)【要約】
本願は、木質板材接合技術に関し、特に、板材本体及び少なくとも1つの挿し継ぎ辺を含む大型板材挿し継ぎ辺構造に関する。その特徴としては、前記挿し継ぎ辺においては、互いに間隔を置いて挿し継ぎ溝及び挿し継ぎ突起が設置されており、前記挿し継ぎ溝の幅が前記挿し継ぎ突起の幅より大きい。前記挿し継ぎ溝は、蟻溝であり、前記挿し継ぎ突起は、蟻ほぞである。前記蟻溝の前記正面側の幅は、前記蟻溝の前記裏面側の幅より大きく、前記蟻ほぞの前記正面側の幅は、前記蟻ほぞの前記裏面側の幅より小さい。第一の板材及び第二の板材を含み、嵌め込み片を更に含む板材挿し継ぎアセンブリにも関する。前記第一の板材の挿し継ぎ溝又は挿し継ぎ突起と前記第二の板材の挿し継ぎ突起又は挿し継ぎ溝は、互いに挿し継ぎされ、前記挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の隙間には、前記嵌め込み片が設置されている。本願は、組み立て方法にも関する。本願の有益な効果は、板材間の吊り上げ組み立て固定に便利であり、接合がしっかりとしていて頑丈である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板材本体及び少なくとも1つの挿し継ぎ辺を含む板材挿し継ぎ辺構造であって、
前記挿し継ぎ辺においては、互いに間隔を置いて挿し継ぎ溝及び挿し継ぎ突起が設置されており、2つの前記板材の挿し継ぎ辺が互いに挿し継ぎされるとき、互いに挿し継ぎされる前記挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の間には、嵌め込み片を嵌め込むために用いられる空溝を少なくとも1つ形成することを特徴とする板材挿し継ぎ辺構造。
【請求項2】
前記板材本体は、正面及び裏面を含み、前記挿し継ぎ溝は、前記正面に沿う平行断面が台形であり、前記挿し継ぎ溝の開口側が前記台形の短い底辺であり、前記挿し継ぎ突起は、前記正面に沿う平行断面が逆台形であり、前記挿し継ぎ突起の外側は、前記逆台形の長い底辺であることを特徴とする請求項1に記載の板材挿し継ぎ辺構造。
【請求項3】
前記挿し継ぎ溝は、溝底面を含み、前記挿し継ぎ突起は、突起天井面を含み、前記溝底面と突起天井面は、何れも台形であり、前記溝底面の台形の長辺と前記突起天井面の台形の短辺は、前記板材本体の同一の平面にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の板材挿し継ぎ辺構造。
【請求項4】
前記板材本体は、正面及び裏面を含み、前記挿し継ぎ溝は、蟻溝であり、前記挿し継ぎ突起は、蟻ほぞであることを特徴とする請求項1に記載の板材挿し継ぎ辺構造。
【請求項5】
前記蟻溝の前記正面側の幅は、前記蟻溝の前記裏面側の幅より大きく、前記蟻ほぞの前記正面側の幅は、前記蟻ほぞの前記裏面側の幅より小さいことを特徴とする請求項4に記載の板材挿し継ぎ辺構造。
【請求項6】
前記挿し継ぎ溝の深さは、前記挿し継ぎ突起の高さと等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載の板材挿し継ぎ辺構造。
【請求項7】
前記挿し継ぎ突起の最も長い辺の幅は、前記挿し継ぎ溝の最も小さい辺の幅より小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の板材挿し継ぎ辺構造。
【請求項8】
何れも請求項1~7の何れか1つに記載の板材挿し継ぎ辺構造を有する第一の板材及び第二の板材を含み、嵌め込み片を更に含み、前記第一の板材と第二の板材の正面が互いに垂直し、前記第一の板材の挿し継ぎ溝又は挿し継ぎ突起と前記第二の板材の挿し継ぎ突起又は挿し継ぎ溝とが互いに挿し継ぎされ、前記挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の隙間には、前記嵌め込み片が設置されていることを特徴とする板材垂直挿し継ぎアセンブリ。
【請求項9】
前記第一の板材と第二の板材の結合面の内側には、それぞれ第一の段差及び第二の段差が設置されており、前記第一の段差及び第二の段差が互いにマッチングすることを特徴とする請求項8に記載の板材垂直挿し継ぎアセンブリ。
【請求項10】
何れも請求項1~7の何れか1つに記載の板材挿し継ぎ辺構造を有する第一の板材及び第二の板材を含み、嵌め込み片を更に含み、前記第一の板材と第二の板材の正面が互いに平行し、前記第一の板材の挿し継ぎ溝又は挿し継ぎ突起と前記第二の板材の挿し継ぎ突起又は挿し継ぎ溝が互いに挿し継ぎされ、前記挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の隙間には、前記嵌め込み片が設置されていることを特徴とする板材平面挿し継ぎアセンブリ。
【請求項11】
前記嵌め込み片は、平行六面体であることを特徴とする請求項7、8又は9に記載の板材挿し継ぎアセンブリ。
【請求項12】
前記板材の材質は、無垢材板、ラージコア板、ファインコア板、バンブー集成板、デンシティ板、パーティクル板又はラミネート板であることを特徴とする請求項1、2、8、9又は10に記載の板材挿し継ぎアセンブリ。
【請求項13】
何れも請求項1~7の何れか1つに記載の板材挿し継ぎ辺構造を有する第一の板材及び第二の板材を含み、嵌め込み片を更に含む板材挿し継ぎアセンブリの組み立て方法であって、
前記第一の板材を設計位置に従って設置し、クレーン装置を用いて第二の板材を吊り上げ、第一の板材の挿し継ぎ溝に対応するように挿し継ぎ突起を調整するステップ(1)と、
前記第一の板材と第二の板材の挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起が互いにずれて挿し継ぎするまで第二の板材の位置を微調整し、前記挿し継ぎ突起と前記挿し継ぎ溝の間には、空溝を形成するステップ(2)と、
前記空溝には、嵌め込み片を挿入するステップ(3)とを備えることを特徴とする板材挿し継ぎアセンブリの組み立て方法。
【請求項14】
互いに挿し継ぎされる前記挿し継ぎ突起と前記挿し継ぎ溝の一方側又は両側には、挿し継ぎ空溝を形成することを特徴とする請求項13に記載の板材挿し継ぎアセンブリの組み立て方法。
【請求項15】
前記第一の板材と第二の板材の正面は、互いに垂直に挿し継ぎされる又は同一の平面において互いに挿し継ぎされることを特徴とする請求項13に記載の板材挿し継ぎアセンブリの組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、板材接合方式に関し、特に、板材挿し継ぎ辺構造及び挿し継ぎアセンブリに関し、組み立て方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
木材は、天然素材として良好な通気環境保護性及び十分な支持強度を有し、好循環の植樹メカニズムが確立できた場合、途切れない建築材料にもなっている。事実から証明できたように、防火の面からも、木質の梁と柱の耐火時間性能が鉄骨構造より悪くない。人々の環境保護意識の向上及び住宅に対する要求に伴い、木造建築構造は、益々人気が高まっている。板材の建築物としては、その壁板又は屋根が大型な板材部材を必要とし、現場で迅速に施工しやすくするために、その長さが数メートルに達する可能性がある。従って、接合する板材を、如何に比較的頑丈で且つ施工しやすい接合構造にすることは、木造建築の発展を促進する重要な一環である。
【0003】
現在、既知の技術では、大型板材、木造構造壁の接合固定方式は、金属接合材、木ネジ接合、ほぞ継ぎ接合等があり、これらの接合、固定方式においては、金属及び木ネジによる接合は、操作が不便であり、全体の強度が低く、耐久性能が比較的悪い。
【0004】
ほぞ継ぎ接合のメリットは、ほぞとほぞ穴がしっかりと挿し継ぎされており、通常、締まりばめ又は中間ばめ(過渡適合)であり、接合は、頑丈である。しかし、大型の板材又は壁でほぞ継ぎを加工しておく場合、板材のサイズが比較的大きいため、組み立てる際にクレーンで吊り上げる必要がある。また、ほぞ継ぎは緊密な結合が求められるので、大型の板材又は壁を吊り上げてほぞ継ぎを突合せて固定する際に、操作が困難である。比較的長い板材接合辺の場合、ほぞ継ぎの結合がしっかりとすること、及び、数メートルの長さでも累積誤差がないことを同時に保証する必要があるので、2つの板を突合せて接合する際に、外力を加えて挿し継ぎ接合をハンマリングする必要があるが、実際においては、殆どこれを実現することができない。たとえ、従来の蟻溝及び蟻ほぞ構造を用いても、上述した突合せて接合することが難しいという問題がある。
【0005】
板材接合構造のもう1つの問題は、互いに接合する2つの板がある方向に互いにロックしているが、他の方向においては外れやすいことである。例えば、従来の蟻溝と蟻ほぞ構造の場合、上下方向にロックしているが、水平又は垂直方向においては外れやすい。挿し継ぎ後に三次元方向のロックを実現できれば、比較的理想な接合構造となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願は、上述した従来技術に存在する不足に対し、建築物の施工に便利な板材挿し継ぎ辺構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願による、上述した技術問題を解決する技術案は、板材挿し継ぎ辺構造を提供する。当該板材挿し継ぎ辺構造は、板材本体及び少なくとも1つの挿し継ぎ辺を含み、その特徴としては、前記挿し継ぎ辺においては、互いに間隔を置いて挿し継ぎ溝及び挿し継ぎ突起が設置されており、2つの前記板材の挿し継ぎ辺が互いに挿し継ぎするとき、互いに挿し継ぎする前記挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の間には、嵌め込み片を嵌め込むために用いられる少なくとも1つの空溝を形成する。
【0008】
本願の有益な効果は、次の通りである。比較的大きな板材を組み立てる場合、前記挿し継ぎ溝の幅が前記挿し継ぎ突起の幅よりも大きいため、挿し継ぎ辺の加工精度に対する要求がそれほど高くなく、組み立ての位置合わせに対する要求が高くなく、クレーン設備を用いて板材を吊り上げ、板材同士を互いに嵌め込むようにさせることに適する。2つの板材が互いに嵌め込むようにされた後、挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の隙間に嵌め込み片を挿入すると、2つの板材がしっかりと接合して固定される。
【0009】
上述した技術案を元に、当該実用新案は、次の改良を行うこともできる。
【0010】
更に、前記板材本体は、正面及び裏面を含み、前記挿し継ぎ溝は、前記正面に沿う平行断面が台形であり、前記挿し継ぎ溝の開口側が前記台形の短い底辺であり、前記挿し継ぎ突起は、前記正面に沿う平行断面が逆台形であり、前記挿し継ぎ突起の外側は、前記逆台形の長い底辺である。
【0011】
上述した、更に改良された技術案の有益な効果は、次の通りである。挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起のそれぞれに対して台形及び逆台形を用いる場合、2つの板材が互いに嵌め込むようにされた後、挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の隙間に嵌め込み片を挿入すると、2つの板材がしっかりと接合して固定され、2つの板材が正面に沿って移動しないとき、直接引き離すことができないことを保証することができる。
【0012】
更に、前記挿し継ぎ溝は、溝底面を含み、前記挿し継ぎ突起は、突起天井面を含み、前記溝底面と突起天井面は、何れも台形であり、前記溝底面の台形の長辺と前記突起天井面の台形の短辺は、前記板材本体の同一の平面にある。よって、挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起は、ダブル台形構造を形成する。
【0013】
上述した、更に改良された技術案の有益な効果は、次の通りである。挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起が何れもダブル台形構造を用いる場合、2つの板材が互いに嵌め込むようにされた後、挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の隙間に嵌め込み片を挿入すると、2つの板材がしっかりと接合して固定され、2つの板材が各方向においてもロックし、直接引き離すことができないことを保証することができる。
【0014】
更に、前記板材本体は、正面及び裏面を含み、前記挿し継ぎ溝は、蟻溝であり、前記挿し継ぎ突起は、蟻ほぞである。
【0015】
上述した、更に改良された技術案の有益な効果は、次の通りである。蟻継ぎ構造を用いる場合、2つの板材が互いに嵌め込むようにされた後、板材が正面の平面方向に沿って移動する時だけ、緩む可能性があり、他の方向においては外れないことを保証することができる。
【0016】
また、前記蟻溝の前記正面側の幅は、前記蟻溝の前記裏面側の幅より大きく、前記蟻ほぞの前記正面側の幅は、前記蟻ほぞの前記裏面側の幅より小さい。よって、蟻溝の2つの側面は、ベルマウス構造を形成する。
【0017】
上述した、更に改良された技術案の有益な効果は、次の通りである。このような構造は、嵌め込むようにされた2つの板材がしっかりと結合され、上下、左右等の方向においても外れないことが保証できる。
【0018】
更に、前記挿し継ぎ溝の深さは、前記挿し継ぎ突起の高さと等しい。
【0019】
上述した、更に改良された技術案の有益な効果は、次の通りである。2つの板材が嵌め込むようにされた後には、挿し継ぎ突起は、元の板材の高さから突き出ないようにすることが保証できる。
【0020】
更に、前記挿し継ぎ突起の最も長い辺の幅は、前記挿し継ぎ溝の最も小さい辺の幅より小さい。
【0021】
上述した、更に改良された技術案の有益な効果は、次の通りである。吊り上げられた際に、第二の板材は、任意の方向から第一の板材の挿し継ぎ溝に直接に入ることができ、適切な嵌め込み片の厚さを選択すれば、2つの板材の接合辺を完全にロックすることができる。
【0022】
本願は、板材垂直挿し継ぎアセンブリを更に提供する。当該板材垂直挿し継ぎアセンブリは、何れも上述した板材挿し継ぎ辺構造を有する第一の板材及び第二の板材を含み、嵌め込み片を更に含み、前記第一の板材及び第二の板材の正面が互いに垂直し、前記第一の板材の挿し継ぎ溝又は挿し継ぎ突起と前記第二の板材の挿し継ぎ突起又は挿し継ぎ溝とが互いに挿し継ぎされ、前記挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の隙間には、前記嵌め込み片が設置されている。
【0023】
本願の有益な効果は、次の通りである。2つの板材を垂直にしっかりと嵌め込むようにし、迅速に挿し継ぎすることができる。上述したように、前記挿し継ぎ溝は、上下方向が蟻継ぎ形状であり、左右の2つの溝側がベルマウス形状である場合、先に嵌め込み片を外さない限り、2つの板材が任意の方向においても外れないことを保証できる。
【0024】
更に、前記第一の板材と第二の板材の結合面の内側には、第一の段差及び第二の段差がそれぞれ設置されており、前記第一の段差及び第二の段差が互いにマッチングする。
【0025】
本願の有益な効果は、次の通りである。2つの板材を垂直に組み立てる時、境界の内部の交差線には、挿し継ぎ突起と挿し継ぎ溝の交差線が現れる。このような交差線は、間隔的に現れ、点線のように見え、室内の仰視の見栄えの効果に影響を与える。前記第一の段差及び第二の段差を設置すると、両者の交差線において一本の直線が形成され、見栄えが比較的に良い。
【0026】
本願は、板材平面挿し継ぎアセンブリを更に提供する。当該板材平面挿し継ぎアセンブリは、何れも上述した板材挿し継ぎ辺構造を有する第一の板材及び第二の板材を含み、嵌め込み片を更に含み、前記第一の板材と第二の板材の正面が互いに平行し、前記第一の板材の挿し継ぎ溝又は挿し継ぎ突起と前記第二の板材の挿し継ぎ突起又は挿し継ぎ溝が互いに挿し継ぎされ、前記挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の隙間には、前記嵌め込み片が設置されている。
【0027】
本願の有益な効果は、次の通りである。2つの板材を同一の平面においてしっかりと嵌め込むようにし、迅速に挿し継ぎすることができる。上述したように、前記挿し継ぎ溝は、上下方向が蟻継ぎ形状であり、左右の2つの溝側がベルマウス形状である場合、先に嵌め込み片を除去しないと、2つの板材が任意の方向においても外れないことを保証できる。
【0028】
更に、前記嵌め込み片は、平行六面体である。
【0029】
上述した、更に改良された技術案の有益な効果は、次の通りである。前記挿し継ぎ突起と前記挿し継ぎ溝の隙間を、ピッタリとロックすることができる。
【0030】
更に、前記板材の材質は、無垢材板、ラージコア板、ファインコア板、バンブー集成板、デンシティ板、パーティクル板又はラミネート板である。
【0031】
上述した、更に改良された技術案の有益な効果は、次の通りである。異なる建築要求に応じて材質を柔軟に選択することができる。同じ板材を選択しても良く、異なる板材を選択しても良い。
【0032】
本願は、何れも上述した板材挿し継ぎ辺構造を有する第一の板材及び第二の板材を含み、嵌め込み片を更に含む板材挿し継ぎアセンブリの組み立て方法を更に提供する。当該板材挿し継ぎアセンブリの組み立て方法は、
前記第一の板材を設計位置に従って設置し、クレーン装置を用いて第二の板材を吊り上げ、第一の板材の挿し継ぎ溝に対応するように挿し継ぎ突起を調整するステップ(1)と、
前記第一の板材と第二の板材の挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起が互いにずれて挿し継ぎするまで第二の板材を微調整し、前記挿し継ぎ突起と前記挿し継ぎ溝の間には、空溝を形成するステップ(2)と、
前記空溝には、嵌め込み片を挿入するステップ(3)とを備える。
【0033】
本願のアセンブリの組み立て方法の有益な効果は、次の通りである。(1)板材の挿し継ぎ辺の加工精度に対する要求が低く、特に、比較的長い板材の累積誤差がない。(2)吊り上げて突合せて接合することがとても容易であり、従来の金属接合材又は木ネジ接合に比べ、穴あけねじ回転固定の手間が省ける。従来の留め継ぎ接合に比べ、組み立てがより簡単である。(3)組み立て後にしっかりと固定され、嵌め込み片を除去しないと、分解が困難である。建築物構造の安定効果を実現することができる。
【0034】
更に、互いに挿し継ぎされる前記挿し継ぎ突起と前記挿し継ぎ溝の一方側又は両側には、挿し継ぎ空溝を形成する。
【0035】
上述した、更に改良された技術案の有益な効果は、次の通りである。互いに挿し継ぎされる2つの板材を板材の平面に沿って移動することが許される場合、第二の板材をオフセットすることにより、互いに挿し継ぎされた前記挿し継ぎ突起と前記挿し継ぎ溝の一方側には、挿し継ぎ空溝を形成し、1つの嵌め込み片を挿入し、嵌め込み片と挿し継ぎ時間を節約することができる。
【0036】
互いに挿し継ぎされる2つの板材を板材の平面に沿って移動することが許されない場合、互いに挿し継ぎされる前記挿し継ぎ突起と前記挿し継ぎ溝の両側には、何れも挿し継ぎ空溝を形成し、2つの嵌め込み片を挿入し、挿し継ぎ調整時間を節約し、2つの板材の設計位置が合うことを保証することに寄与する。
【0037】
更に、前記第一の板材と第二の板材の正面は、互いに垂直に挿し継ぎする又は同一の平面において互いに挿し継ぎする。
【0038】
上述した、更に改良された技術案の有益な効果は、次の通りである。壁面に容易に組み合わせることができ、又は、壁面を元に建築物の屋根を接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本願の板材挿し継ぎ辺構造の第一の実施形態の構造図である。
図2】本願の板材挿し継ぎ辺構造の第二の実施形態の構造図である。
図3】本願の板材挿し継ぎ辺構造の第三の実施形態の構造図である。
図4図3の立体構造模式図である。
図5】本願による板材垂直挿し継ぎアセンブリ構造の第一の実施形態の模式図である。
図6図5の分解構造模式図である。
図7】本願による突起台付きの板材垂直挿し継ぎアセンブリの構造模式図である。
図8】本願による板材平面挿し継ぎアセンブリ構造の第二の実施形態の模式図である。
図9図8の分解構造模式図である。
図10】本願による板材平面挿し継ぎアセンブリ構造の第三の実施形態の模式図である。
図11図10の分解構造模式図である。
図12】本願による嵌め込み片構造模式図である。
図13】本願による嵌め込み片のもう1つの構造模式図である。
図14】本願による両面嵌め込み片の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しながら、本願の原理及び特徴を説明し、挙げられた例は、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願の特許請求の範囲を限定しない。
【0041】
図1図4に示すように、板材挿し継ぎ辺構造は、板材本体1及び少なくとも1つの挿し継ぎ辺を含む。前記挿し継ぎ辺には、互いに間隔を置いて挿し継ぎ溝3及び挿し継ぎ突起2を設置しており、前記挿し継ぎ溝3の幅が前記挿し継ぎ突起2の幅より大きい。即ち、2つの前記板材の挿し継ぎ辺を突合せて接合する際に、第一の板材の挿し継ぎ突起2を第二の板材の挿し継ぎ溝3に挿入し、前記挿し継ぎ溝3と挿し継ぎ突起2の幅の差により、挿し継ぎ突起2と挿し継ぎ溝3の間には、嵌め込み片6を嵌め込むための少なくとも1つの空溝を形成することができる。
【0042】
第一の板材又は第二の板材が挿し継ぎされた後に一方側へ移動すると、互いに挿し継ぎされている挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の一方側の間には、嵌め込み片を嵌め込むための1つの空溝を形成することができる。
【0043】
互いに挿し継ぎされている前記挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の中心線が重なる場合、前記挿し継ぎ突起の両側には、それぞれ嵌め込み片を嵌め込むための1つの空溝を形成することができる。
【0044】
図1に示すように、挿し継ぎ溝が矩形のチャンパーである場合、第一の板材の挿し継ぎ突起2が第二の板材の挿し継ぎ溝3に挿入された時、前記空溝は、矩形の構造である。
【0045】
図2に示すように、前記板材本体は、正面及び裏面を含む。前記挿し継ぎ溝3は、前記正面に沿う平行断面が台形であり、前記挿し継ぎ溝3の開口側は、前記台形の短い底辺であり、前記挿し継ぎ突起2は、前記正面に沿う平行断面が逆台形であり、前記挿し継ぎ突起2の外側は、前記逆台形の長い底辺である。
【0046】
図3及び図4に示すように、前記挿し継ぎ溝3は、溝底面3-1を含む。前記挿し継ぎ突起2は、突起天井面2-1を含む。前記溝底面3-1と突起天井面2-1は、何れも台形である。前記溝底面3-1の台形の長辺と前記突起天井面の台形の短辺は、前記板材本体の同一の平面にある。よって、挿し継ぎ溝3と挿し継ぎ突起2は、ダブル台形構造を形成する。
【0047】
具体的には、2つの板材の挿し継ぎ辺を挿し継ぎしやすくするために、前記挿し継ぎ突起2の最も長い辺の幅が前記挿し継ぎ溝3の最も小さい辺の幅より小さいという形式を採用することができる。これにより、吊り上げて組み立てる際に、任意の方向から第二の板材5を第一の板材4の挿し継ぎ溝3に直接に落とすことができ、適切な嵌め込み片6の厚さを選択すれば、2つの板材の接合辺を完全にロックすることができる。
【0048】
図2図4は、前記構造のもう1つの記述を示している。
【0049】
前記板材本体1は、正面及び裏面を含み、前記挿し継ぎ溝3は、蟻溝であり、前記挿し継ぎ突起2は、蟻ほぞである。
【0050】
前記蟻溝の前記正面側にある幅は、前記蟻溝の前記裏面側にある幅より大きく、前記蟻ほぞの前記正面側にある幅は、前記蟻ほぞの前記裏面側にある幅より小さい。
【0051】
挿し継ぎ溝が蟻溝である場合、第一の板材の挿し継ぎ突起2が第二の板材の挿し継ぎ溝3に挿入された時、前記空溝は、平行六面体構造である。
【0052】
前記挿し継ぎ溝3の深さは、前記挿し継ぎ突起2の高さと等しい。2つの板材が嵌め込むようにされた後に、挿し継ぎ突起2が元の板材の高さより突き出ず、又は、第一の板材と第二の板材の挿し継ぎ辺は位置が合っていることを保証することができる。
【0053】
図5及び図6に示すように、本願は、板材垂直挿し継ぎアセンブリを更に提供する。当該板材垂直挿し継ぎアセンブリは、何れも上述した板材挿し継ぎ辺構造を有する第一の板材4及び第二の板材5を含み、嵌め込み片6を更に含み、前記第一の板材4及び第二の板材5の正面が互いに垂直し、前記第一の板材4の挿し継ぎ溝3又は挿し継ぎ突起2と前記第二の板材5の挿し継ぎ突起2又は挿し継ぎ溝3とが互いに挿し継ぎされ、前記挿し継ぎ溝3と挿し継ぎ突起2の隙間には、前記嵌め込み片6が設置されている。
【0054】
本願は、外壁間の接合に適用することができ、外壁と内部仕切り壁との間の接合に適用することもでき、比較的大型の包装箱を挿し継ぎするために用いることもできる。組み立てが便利であり、挿し継ぎ突起、挿し継ぎ溝及び嵌め込み片の間の傾斜面の間の摩擦力により、隣接する板材間の安定な接合を実現することができる。また、接合後に接合材が見えず、接合時の噛み込み力が強い。よって、木造構造の住宅の組み立てがより便利であり、労働時間を大幅に節約し、効率を高め、人件費を減少させることができる。また、建設における釘、接着剤、キールがなく、解体及び移動使用がしやすいというメリットがあり、成形後にしっかりとして頑丈であり、ほぞ継ぎ構造に劣らない。幅広く応用できる。
【0055】
前記アセンブリ構造は、2つの板材を垂直にしっかりと嵌め込むようにし、迅速に挿し継ぎすることができる。上述したように、前記挿し継ぎ溝は、上下方向が蟻継ぎ形状であり、左右の2つの溝側がベルマウス形状である場合、先に嵌め込み片6を外さない限り、2つの板材が任意の方向においても外れないことを保証できる。
【0056】
図7は、突起台付きの板材垂直挿し継ぎアセンブリの構造模式図である。前記第一の板材4と第二の板材5の結合面の内側には、それぞれ第一の段差7及び第二の段差が設置されており、前記第一の段差7は、第二の段差とマッチングする。当該突起台がなければ、2つの板材を垂直に組み立てる際に、境界の内部の交差線には、挿し継ぎ突起2と挿し継ぎ溝3の交差線が現れ、このような交差線は、間隔的に現れ、点線のように見え、室内の仰視の見栄えの効果に影響を与える。前記第一の段差7及び第二の段差を設置すると、両者の交差線において一本の直線が形成され、見栄えが比較的に良い。
【0057】
図8及び図9に示すように、本願は、何れも上述した板材挿し継ぎ辺構造を有する第一の板材4及び第二の板材5を含む板材平面挿し継ぎアセンブリを更に提供する。当該板材平面挿し継ぎアセンブリは、嵌め込み片6を更に含み、前記第一の板材4と第二の板材5の正面が互いに平行し、前記第一の板材4の挿し継ぎ溝3又は挿し継ぎ突起2と前記第二の板材5の挿し継ぎ突起2又は挿し継ぎ溝3が互いに挿し継ぎされ、前記挿し継ぎ溝3と挿し継ぎ突起4の隙間には、前記嵌め込み片6が設置されている。
【0058】
上述した構造を用いると、2つの板材を同一の平面においてしっかりと嵌め込むようにし、迅速に挿し継ぎすることができる。上述したように、前記挿し継ぎ溝3は、上下方向が蟻継ぎ形状であり、左右の2つの溝側がベルマウス形状である場合、先に嵌め込み片6を外さない限り、2つの板材が挿し継ぎされた後に任意の方向においても外れないことを保証できる。
【0059】
図10及び図11は、本願による板材平面挿し継ぎアセンブリ構造の第二の実施形態の模式図である。上述した内容との違いは、前の各図面が前記突起の一方側から嵌め込み片を挿入する構造を示しているが、本実施形態においては、前記突起の両側から嵌め込み片を挿入する構造を示している。このような構造は、挿し継ぎ溝と挿し継ぎ突起の中心線を位置合わせる必要がある場合、又は、板材本体の位置を動かしがたい場合に適する。
【0060】
図12図14に示すように、前記嵌め込み片6は、平行六面体である。1つの特例としては、嵌め込み片の平面は、矩形であっても良い。
【0061】
嵌め込み片6は、前記挿し継ぎ突起2と前記挿し継ぎ溝3の隙間をピッタリとロックすることを保証できる。
【0062】
前記板材の材質は、無垢材板、ラージコア板、ファインコア板、バンブー集成板、デンシティ板、パーティクル板又はラミネート板である。
【0063】
本願は、何れも上述した板材挿し継ぎ辺構造を有する第一の板材4及び第二の板材5を含み、嵌め込み片6を更に含む板材挿し継ぎアセンブリの組み立て方法を更に提供する。当該板材挿し継ぎアセンブリの組み立て方法は、
前記第一の板材4を設計位置に従って設置し、クレーン装置を用いて第二の板材5を吊り上げ、第一の板材4の挿し継ぎ溝3に対応するように挿し継ぎ突起2を調整するステップ1と、
前記第一の板材4と第二の板材5の挿し継ぎ溝3と挿し継ぎ突起2が互いにずれて挿し継ぎするまで第二の板材5の位置を微調整し、前記挿し継ぎ突起2と前記挿し継ぎ溝3の間には、空溝を形成するステップ2と、
前記空溝には、嵌め込み片6を挿し継ぎするステップ3と、を備える。
【0064】
互いに挿し継ぎされる2つの板材を板材の平面に沿って移動することが許される場合、第二の板材をオフセットすることにより、互いに挿し継ぎされた前記挿し継ぎ突起と前記挿し継ぎ溝の一方側には、挿し継ぎ空溝を形成し、1つの嵌め込み片を挿入し、嵌め込み片と挿し継ぎ時間を節約することができる。
【0065】
互いに挿し継ぎされる2つの板材を板材の平面に沿って移動することが許されない場合、互いに挿し継ぎされる前記挿し継ぎ突起と前記挿し継ぎ溝の両側には、何れも挿し継ぎ空溝を形成し、2つの嵌め込み片を挿入し、挿し継ぎ調整時間を節約し、2つの板材の設計位置が合うことを保証することに寄与する。
【0066】
上述した方法を用いて前記第一の板材4と第二の板材5の正面を互いに垂直に挿し継ぎする、又は、同一の平面において挿し継ぎすることを実現することができる。
【0067】
上述したように、前記挿し継ぎ溝3は、上下方向が蟻継ぎ形状であり、左右の2つの溝側がベルマウス形状である場合、前記第一の板材4と第二の板材5の正面が互いに垂直に挿し継ぎされ、2つの板材の正面が共に外側又は裏側へ向けて設置される。
【0068】
上述したように、前記挿し継ぎ溝は、上下方向が蟻継ぎ形状であり、左右の2つの溝側がベルマウス形状である場合、前記第一の板材と第二の板材の正面が互いに平行して挿し継ぎされ、2つの板材の正面は、1つは外側へ向けて、もう1つは裏側へ向けて設置される。
【0069】
上述した内容は、本願の比較的好ましい実施形態に過ぎず、本願を制限しない。本願の精神及び原則から逸脱しなければ、行われたた任意の補正、等価置換、改良等は、何れも本願の特許請求の範囲に属する。
【0070】
(符号の説明)
1 板材本体
2 挿し継ぎ突起
2-1 突起天井面
3 挿し継ぎ溝
3-1 溝底面
4 第一の板材
5 第二の板材
6 嵌め込み片
7 段差
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】