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▶ エックスアール ダウンホール リミテッド ライアビリティ カンパニーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-29
(54)【発明の名称】多結晶ダイヤモンドリニア軸受
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/24 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
F16C33/24 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570804
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(85)【翻訳文提出日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 US2020037048
(87)【国際公開番号】W WO2021011128
(87)【国際公開日】2021-01-21
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042998
【氏名又は名称】エックスアール ダウンホール リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】プレヴォスト グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】キング ウィリアム ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】ミース デヴィッド ピー
(72)【発明者】
【氏名】リース マイケル アール
【テーマコード(参考)】
3J011
【Fターム(参考)】
3J011AA20
3J011BA07
3J011DA01
3J011KA02
3J011KA07
3J011MA02
3J011QA03
3J011SB02
3J011SB03
3J011SB12
3J011SB15
3J011SB20
3J011SE02
3J011SE10
(57)【要約】
【課題】ダイヤモンド溶媒-触媒軸受と係合される多結晶ダイヤモンド軸受面を含むリニア軸受アセンブリ、リニア軸受アセンブリを作って使用する方法を提供する。
【解決課題】リニア軸受アセンブリであって、面を有する本体を含むリニア軸受と、 前記面と結合されて多結晶ダイヤモンド軸受面を有する多結晶ダイヤモンド軸受要素と、材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセントのダイヤモンド溶媒-触媒を含有する該材料を含む対向軸受面をその上に有する対向構成要素と、を含み、前記リニア軸受は、前記多結晶ダイヤモンド軸受面が前記ダイヤモンド溶媒-触媒と係合されるように前記対向構成要素と可動結合される、アセンブリである。
【選択図】図1D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リニア軸受アセンブリであって、
面を有する本体を含むリニア軸受と、
前記面と結合されて多結晶ダイヤモンド軸受面を有する多結晶ダイヤモンド軸受要素と、
材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセントのダイヤモンド溶媒-触媒を含有する該材料を含む対向軸受面をその上に有する対向構成要素と、
を含み、
前記リニア軸受は、前記多結晶ダイヤモンド軸受面が前記ダイヤモンド溶媒-触媒と係合されるように前記対向構成要素と可動結合される、
ことを特徴とするアセンブリ。
【請求項2】
前記多結晶ダイヤモンド軸受面は、5μinよりも細かい面仕上げを有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記対向軸受面は、硬化、メッキ、被覆、又はクラッディングされることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記対向軸受面の前記材料は、該材料の前記全重量に基づいて5から100重量%の前記ダイヤモンド溶媒-触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記ダイヤモンド溶媒-触媒は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、クロム、マンガン、銅、チタン、又はタンタルを含むことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記対向軸受面の前記材料は、超硬材料よりも軟質であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
潤滑化されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
無潤滑のものであることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記多結晶ダイヤモンド軸受面は、前記対向軸受面と直接接触していることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項10】
流体フィルムが、前記多結晶ダイヤモンド軸受面と前記対向軸受面の間に位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記多結晶ダイヤモンド軸受面は、前記本体の前記面と面一であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記多結晶ダイヤモンド軸受面は、前記本体の前記面の上方に隆起されることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記多結晶ダイヤモンド軸受面は、平面、凸面、又は凹面であることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記多結晶ダイヤモンド軸受要素は、前記本体の前記面が前記対向軸受面から離間関係に維持されるように位置決めされることを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記多結晶ダイヤモンド軸受要素は、前記本体の前記面の上方に隆起され、
前記対向軸受面は、前記対向構成要素内の凹面である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項16】
前記リニア軸受の前記本体は、その上に第2の対向軸受面を有し、
前記対向構成要素は、その上に第2の多結晶ダイヤモンド軸受要素を有し、
前記第2の多結晶ダイヤモンド軸受要素の多結晶ダイヤモンド軸受面が、前記第2の対向軸受面と係合される、
ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項17】
前記リニア軸受は、中空シリンダの環帯を定める前記本体の前記面を有する該中空シリンダであり、
前記対向構成要素は、前記中空シリンダの前記環帯内に位置決めされた管状体であり、
前記管状体の外面が、その上の前記対向軸受面である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項18】
前記対向構成要素は、中空シリンダの環帯を定める前記対向軸受面を有する該中空シリンダであり、
前記リニア軸受は、前記中空シリンダの前記環帯内に位置決めされた管状体であり、
前記管状体の外面が、前記本体の前記面である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記多結晶ダイヤモンド軸受要素は、少なくとも1つの湾曲した又は面取りしたエッジを有することを特徴とする請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項20】
荷重を担持する方法であって、
面を有する本体を含むリニア軸受と、該面と結合されて多結晶ダイヤモンド軸受面を有する多結晶ダイヤモンド軸受要素とを与える段階と、
材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセントのダイヤモンド溶媒-触媒を含有する該材料を含む対向軸受面をその上に有する対向構成要素を与える段階と、
前記多結晶ダイヤモンド軸受面が前記ダイヤモンド溶媒-触媒と係合されるように前記リニア軸受を前記対向構成要素と可動結合する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項21】
リニア軸受アセンブリであって、
面を有する本体を含むリニア軸受と、
前記面と結合されて多結晶ダイヤモンド軸受面を各々が有する複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素と、
材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセントのダイヤモンド溶媒-触媒を含有する該材料を含む対向軸受面をその上に有する対向構成要素と、
を含み、
前記リニア軸受は、前記多結晶ダイヤモンド軸受面が前記ダイヤモンド溶媒-触媒と係合されるように前記対向構成要素と可動結合される、
ことを特徴とするアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2018年7月30日出願の「超硬要素を有するローラーボールアセンブリ(Roller Ball Assembly with Superhard Elements)」という名称の米国特許出願第16/049,631号(係属中)の一部継続出願である。本出願はまた、それ自体が現在では米国特許第10,465,775号として出されている2018年7月30日出願の米国特許出願第16/049,588号、2018年7月30日出願の第16/049,608号(係属中)、及び2018年7月30日出願の第16/049,617号(係属中)の一部継続出願である2019年5月29日出願の「ダイヤモンド対ダイヤモンド反応材料軸受係合のための材料処理(Material Treatments for Diamond-on-Diamond Reactive Material Bearing Engagements)」という名称の米国特許出願第16/425,758号(係属中)の一部継続出願である。米国特許出願第16/425,758号、第16/049,588号、第16/049,608号、第16/049,617号、及び第16/049,631号の各々の全体は、引用によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明の開示は、多結晶ダイヤモンド軸受面を含むリニア軸受、それを含む装置及びシステム、及びそれを作って使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
リニア軸受は、機械ツールガイド、高精度位置決めテーブル、ロボット工学、積層造形プリンタ、移送シャトル、食品加工機器、及び半導体製造を含むがこれらに限定されない無数の用途に使用されている。リニア軸受は、典型的に滑り軸受又はローラーボール案内軸受の形態にある。多くの場合に、ローラーボール案内軸受は、それらが使用時に典型的により低い摩擦係数を与えるので好ましい。
【0004】
滑り軸受及びローラーボール案内軸受の両方は、潤滑又は無潤滑である場合がある。多くの事例では、無潤滑リニア軸受は、起動時に摩擦に起因して移動に対する抵抗を示し、この移動抵抗は、移動の精度に悪影響を及ぼす。しかし、リニア軸受内で摩擦を低減するために潤滑剤を使用することは、稼働中の保守の必要性が生じる可能性がある。潤滑剤は、更に、汚染を貯め込む可能性がある。
【0005】
多くの従来技術のリニア軸受は、再循環ボールを使用する。再循環ボールタイプの軸受は、直線往復運動と組み合わされた回転移動を示す場合がある往復運動円筒シャフトに対処する機能を有する。再循環ボール軸受は、適正に機能するのに多数の高精度ローラーボールと複雑なボール走行チャネルとを必要とする。ローラーボールが主要荷重担持構造点であるリニア軸受では、ローラーボール上へのかつ対向面に対する荷重が問題である。
【0006】
リニア軸受に関連する関連背景技術を提供する一部の参考文献は、米国特許第2,693,396号明細書、第3,603,652号明細書、第5,193,363号明細書、第4,428,627号明細書、第9,222,515号明細書、及び第5,618,114号明細書である。
【0007】
移動部品内で多結晶ダイヤモンド(PCD)要素が使用される時に、典型的には、係合面と対向係合面の両方は、多結晶ダイヤモンドから構成される。これは、少なくとも部分的には、炭化タングステンによって支持されるか又はされないかのいずれかである熱的安定多結晶ダイヤモンド(TSP)と多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)とがダイヤモンド反応材料の機械加工での使用に対する忌避として考えられてきたためである。ダイヤモンド反応材料は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、クロム、マンガン、銅、チタン、又はタンタルを含むダイヤモンド触媒又は溶媒元素(ダイヤモンド溶媒-触媒又はダイヤモンド触媒-溶媒とも呼ぶ)を微量よりも多く含有する金属、金属合金、複合材、硬化肉盛、コーティング、又はメッキを含む。更に、多結晶ダイヤモンドの使用のこの従来の忌避は、微量よりも多いダイヤモンド触媒又は溶媒元素を含有する鉄ベース、コバルトベース、及びニッケルベースの超合金を含むいわゆる「超合金」にまで及んでいる。移動部品でのある一定の面速度では、切削先端などで発生する荷重及び付随する温度は、多くの場合にダイヤモンドのグラファイト化温度(すなわち、約700℃)を超え、これは、ダイヤモンド触媒又は溶媒元素の存在下で構成要素の急激な摩耗及び不良に至る可能性がある。理論に縛られることなく、特定の不具合機構は、機械加工されている炭素誘引材料との炭素含有ダイヤモンドの化学相互作用からもたらされると考えられる。ダイヤモンド触媒又は溶媒含有金属又は合金機械加工に対する多結晶ダイヤモンドの忌避に関連する例示的な参考文献は、米国特許第3,745,623号明細書である。ダイヤモンド触媒又はダイヤモンド溶媒含有材料の機械加工に対する多結晶ダイヤモンドの忌避は、そのような材料との接触がある全ての用途での多結晶ダイヤモンドの使用の回避を長きにわたって引き起こしてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第16/049,631号明細書
【特許文献2】米国特許第10,465,775号明細書
【特許文献3】米国特許出願第16/049,588号明細書
【特許文献4】米国特許出願第16/049,608号明細書
【特許文献5】米国特許出願第16/049,617号明細書
【特許文献6】米国特許出願第16/425,758号明細書
【特許文献7】米国特許第2,693,396号明細書
【特許文献8】米国特許第3,603,652号明細書
【特許文献9】米国特許第5,193,363号明細書
【特許文献10】米国特許第4,428,627号明細書
【特許文献11】米国特許第9,222,515号明細書
【特許文献12】米国特許第5,618,114号明細書
【特許文献13】米国特許第3,745,623号明細書
【特許文献14】米国特許第5,447,208号明細書
【特許文献15】米国特許第5,653,300号明細書
【特許文献16】米国特許第6,655,845号明細書
【特許文献17】米国特許第7,198,043号明細書
【特許文献18】米国特許第8,627,904号明細書
【特許文献19】米国特許第5,385,715号明細書
【特許文献20】米国特許第8,485,284号明細書
【特許文献21】米国特許第6,814,775号明細書
【特許文献22】米国特許第5,271,749号明細書
【特許文献23】米国特許第5,948,541号明細書
【特許文献24】米国特許第4,906,528号明細書
【特許文献25】米国特許第7,737,377号明細書
【特許文献26】米国特許第5,011,515号明細書
【特許文献27】米国特許第3,650,714号明細書
【特許文献28】米国特許第2,947,609号明細書
【特許文献29】米国特許第8,764,295号明細書
【特許文献30】米国特許第3,582,161号明細書
【特許文献31】米国特許第3,752,541号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
使用中に低い摩擦係数を示し、長い寿命を有し、点荷重を受けにくく、許容不能な摩耗増加なしに汚染に耐えることができ、かつ必ずしも潤滑剤を必要としないリニア軸受を有することが望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の開示の一部の実施形態は、リニア軸受アセンブリを含む。アセンブリは、面を備えた本体を有するリニア軸受を含む。多結晶ダイヤモンド軸受要素が、面と結合される。多結晶ダイヤモンド軸受要素は、多結晶ダイヤモンド軸受面を有する。アセンブリは、対向軸受面をその上に有する対向構成要素を含む。対向軸受面は、材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセントのダイヤモンド溶媒-触媒を含有する材料を有する。リニア軸受は、多結晶ダイヤモンド軸受面がダイヤモンド溶媒-触媒と係合されるように対向構成要素と可動結合される。
【0011】
本発明の開示の一部の実施形態は、荷重を担持する方法を含む。本方法は、面を備えた本体を有するリニア軸受と、この面と結合された多結晶ダイヤモンド軸受要素とを与える段階を含む。多結晶ダイヤモンド軸受要素は、多結晶ダイヤモンド軸受面を有する。本方法は、対向軸受面をその上に有する対向構成要素を与える段階を含む。対向軸受面は、材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセントのダイヤモンド溶媒-触媒を含有する材料を含む。本方法は、多結晶ダイヤモンド軸受面がダイヤモンド溶媒-触媒と係合されるようにリニア軸受を対向構成要素と可動結合する段階を含む。
【0012】
本発明の開示の一部の実施形態は、リニア軸受アセンブリを含む。アセンブリは、面を備えた本体を有するリニア軸受を含む。複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素が、面と結合される。各多結晶ダイヤモンド軸受要素は、多結晶ダイヤモンド軸受面を有する。アセンブリは、対向軸受面をその上に有する対向構成要素を含む。対向軸受面は、材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセントのダイヤモンド溶媒-触媒を含有する材料を含む。リニア軸受は、多結晶ダイヤモンド軸受面がダイヤモンド溶媒-触媒と係合されるように対向構成要素と可動結合される。
【0013】
本発明の開示のシステム、装置、及び/又は方法の特徴及び利点をより詳細に理解することができるように、本明細書の一部を形成する添付図面に示すこれらのシステム、装置、及び/又は方法の実施形態を参照することにより、上記で簡単に要約した説明のより具体的な説明を行うことができる。しかし、これらの図面が様々な単に例示的実施形態しか示しておらず、従って、本発明の開示の概念は、他の有効な実施形態を含むことができるので、これらの図面を本発明の開示の概念を限定するものと見なすべきではないことに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】多結晶ダイヤモンド軸受要素の上面図である。
図1B】複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素をその上に有するリニア軸受の上面図である。
図1C】多結晶ダイヤモンド軸受要素の側面図である。
図1D】対向軸受面と係合されて複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素をその上に有するリニア軸受の側面図である。
図2A】複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素をその上に有するリニア軸受の上面図である。
図2B】対向軸受面と係合された図2Bのリニア軸受の側面図である。
図3A】その複数の面上に多結晶ダイヤモンド軸受要素を有するリニア軸受を描く図である。
図3B】その複数の面上に多結晶ダイヤモンド軸受要素を有するリニア軸受を描く図である。
図4A】その複数の面上に多結晶ダイヤモンド軸受要素を有するリニア軸受を描く図である。
図4B図4Aのリニア軸受の別の図である。
図5A】対向係合面と係合されて多結晶ダイヤモンド軸受要素の単一列をその上に有するリニア軸受の側面図である。
図5B図5Aのリニア軸受の上面図である。
図6A】対向係合面と係合されて多結晶ダイヤモンド軸受要素の複数の列を有するリニア軸受アセンブリの側面図である。
図6B図6Aのリニア軸受の一部分の上面図である。
図7A】管状体の対向係合面と係合されて複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素をその上に有する円筒リニア軸受アセンブリの端面図である。
図7B図7Aのリニア軸受アセンブリの側面断面図である。
図8A】異なる面輪郭を有する多結晶ダイヤモンド軸受要素の様々な実施形態のうちの1つを描く図である。
図8B】異なる面輪郭を有する多結晶ダイヤモンド軸受要素の様々な実施形態のうちの1つを描く図である。
図8C】異なる面輪郭を有する多結晶ダイヤモンド軸受要素の様々な実施形態のうちの1つを描く図である。
図8D】異なる面輪郭を有する多結晶ダイヤモンド軸受要素の様々な実施形態のうちの1つを描く図である。
図8E】異なる面輪郭を有する多結晶ダイヤモンド軸受要素の様々な実施形態のうちの1つを描く図である。
図9A】本発明の開示による連続スリーブ軸受を描く図である。
図9B】本発明の開示による連続スリーブ軸受を描く図である。
図9C】本発明の開示による連続スリーブ軸受を描く図である。
図9D】本発明の開示による連続スリーブ軸受を描く図である。
図10A】本発明の開示による開放スリーブ軸受を描く図である。
図10B】本発明の開示による開放スリーブ軸受を描く図である。
図10C】本発明の開示による開放スリーブ軸受を描く図である。
図10D】本発明の開示による開放スリーブ軸受を描く図である。
【0015】
ここで、本発明の開示によるシステム、装置、及び方法を様々な例示的実施形態を示す添付図面を参照してより完全に以下に説明する。しかし、本発明の開示による概念は、多くの異なる形態に具現化することができ、本明細書に示す例示実施形態によって限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本発明の開示が徹底的で完全なものになり、様々な概念の範囲及び実施の最良かつ好ましいモードを当業者に完全に伝えることになるように提供するものである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の開示のある一定の実施形態は、多結晶ダイヤモンド軸受面を含むリニア軸受、そのようなリニア軸受を含む装置及びシステム、及びそのようなリニア軸受を作って使用する方法を含む。一部の実施形態では、本明細書に開示するリニア軸受は、潤滑軸受である。他の実施形態では、本明細書に開示するリニア軸受は、無潤滑軸受である。
【0017】
本明細書に開示するリニア軸受は、その上に1又は2以上の多結晶ダイヤモンド軸受要素を含む。各多結晶ダイヤモンド軸受要素は、リニア軸受のダイヤモンド軸受面(「係合面」とも呼ぶ)を与える。望ましい構成に依存して、ダイヤモンド軸受面は、平坦面又は湾曲面(例えば、凹面又は、凸面)とすることができる。少なくとも一部の実施形態では、ダイヤモンド係合面は、対向軸受面(「対向係合面」とも呼ぶ)と係合され、この場合に、対向軸受面は、ダイヤモンド反応材料である。
【0018】
ダイヤモンド反応材料との多結晶ダイヤモンドのインタフェース
一部の実施形態では、本発明の開示は、リニア軸受のダイヤモンド軸受面とダイヤモンド溶媒-触媒面を含む対向軸受面との間の接触のインタフェースを規定する。例えば、多結晶ダイヤモンド面は、ダイヤモンド溶媒-触媒面との摺動接触及び/又は転動接触に向けてリニア軸受内の軸受面上に又はそれとして位置決めされて配置することができる。本明細書に使用する場合に、「係合面」又は「軸受面」は、リニア軸受の作動時に「係合面」又は「軸受面」が2つの構成要素の間の接触をインタフェースするようにリニア軸受の中に位置決めされて配置された材料又は構成要素(例えば、多結晶ダイヤモンド又はダイヤモンド反応材料)の面を意味する。一部の実施形態では、本明細書に開示するダイヤモンド軸受面は、流体フィルムをその間に挟まずに対向軸受面との直接接触(すなわち、境界潤滑)状態にある。一部の実施形態では、ダイヤモンド軸受面と対向軸受面の間には、これらの面が互いに直接接触状態にならず、この流体フィルムを通して係合されるように流体フィルムが発現することができる(すなわち、流体力学的潤滑)。一部の態様では、ダイヤモンド軸受面と対向軸受面の間の接触は、直接接触と流体フィルムの間(又はこれらの混合状態)にある(すなわち、混合境界潤滑)。
【0019】
ダイヤモンド軸受面
一部の実施形態では、本明細書に開示する多結晶ダイヤモンド面は、リニア軸受に結合された又は他にその中に又はそれと共に組み込まれた多結晶ダイヤモンド要素の面である。一部の実施形態では、多結晶ダイヤモンド要素は、リニア軸受の面と面一であるように位置決めされる。他の実施形態では、多結晶ダイヤモンド要素は、リニア軸受の面の上方に隆起されるように位置決めされる。他の実施形態では、多結晶ダイヤモンド要素は、リニア軸受の面の下方に陥入するように位置決めされる。一部の実施形態では、多結晶ダイヤモンド要素は、リニア軸受の面に対して静止状態にある。他の実施形態では、多結晶ダイヤモンド要素は、リニア軸受の面に対して可動(例えば、順応的)である。本明細書に開示する多結晶ダイヤモンド要素は、炭化タングステンによって支持されるか又はされないかのいずれかである熱的安定多結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンド焼結体(PDC)とするか又はこれらを含むことができる。ある一定の用途では、本明細書に開示する多結晶ダイヤモンド要素は、外側多結晶ダイヤモンド面と支持炭化タングステンスラグの間に高コバルト含有量の転移層を有する。多結晶ダイヤモンド要素は、炭化タングステンによって支持することができるか又は支持されず、リニア軸受に直接装着された「独立タイプ」の多結晶ダイヤモンド要素とすることができる。多結晶ダイヤモンド要素は、未浸出、浸出、浸出及び再充填、熱的に安定、化学蒸着(CVD)被覆されたもの、又は当業技術で公知の様々な手法で加工されたものとすることができる。
【0020】
一部の実施形態では、本明細書に開示する多結晶ダイヤモンド要素の係合面は、平面、凸面、又は凹面である。一部の実施形態では、多結晶ダイヤモンド要素は、面取りエッジを有する。多結晶ダイヤモンド要素は、用途に依存して3mm(約1/8’’)程度の小さい直径又は75mm(約3’’)程度の大きい直径を有することができる。一般的に、多結晶ダイヤモンド要素は、8mm(約5/16’’)と25mm(約1’’)の間の直径を有する。
【0021】
多結晶ダイヤモンド要素は、最も一般的に円筒形で利用可能であるが、本出願の技術は、正方形、矩形、楕円形、図を参照して本明細書に説明する形状のうちのいずれか、又は当業技術で公知のいずれかの他の適切な形状である多結晶ダイヤモンド要素を用いて実施することができることは理解される。
【0022】
多結晶ダイヤモンド要素は、対向軸受面上の多結晶ダイヤモンド要素係合面との重複接触に対する必要性の懸念なしに接触の望ましいインタフェースを提供するためのいずれかのパターン、レイアウト、間隔、又は千鳥配置でリニア軸受内に配置することができる。本明細書に開示する多結晶ダイヤモンド要素は、一部の実施形態では、対向軸受面と適合するようには成形されない。本明細書に開示する多結晶ダイヤモンド要素は、他の実施形態では対向軸受面と適合するように成形される。
【0023】
1つの性能基準は、多結晶ダイヤモンド要素が、対向係合面とのあらゆるエッジ接触を排除するように構成かつ位置決めされることである。一部の態様では、多結晶ダイヤモンド要素には、エッジアール処理が施される。
【0024】
ある一定の用途では、多結晶ダイヤモンド又は少なくともその係合面は、ラッピング又はポリッシングされ、任意的に高度にラッピング又は高度にポリッシングされる。少なくとも一部の用途では高度にポリッシングされた多結晶ダイヤモンドが使用されるが、本発明の開示の範囲は、高度にポリッシングされた多結晶ダイヤモンドに限定されず、高度にラッピング又はポリッシングされた多結晶ダイヤモンドを含む。本明細書に使用する場合に、面は、20μinの面仕上げ又は約18μinから約22μinの範囲である面仕上げのような約20μinの面仕上げを有する場合に「高度にラッピングされた」として定義される。本明細書に使用する場合に、面は、約10μinよりも細かいか又は約2μinから約10μinまでの面仕上げを有する場合に「ポリッシングされた」として定義される。本明細書に使用する場合に、面は、約2μinよりも細かいか又は約0.5μinから約2μin未満までの面仕上げを有する場合に「高度にポリッシングされた」として定義される。一部の態様では、本明細書に開示する多結晶ダイヤモンド係合面は、0.5μinから40μin、2μinから30μin、5μinから20μin、又は8μinから15μinの範囲であるか、又は20μinよりも小さく、10μinよりも小さく、又は2μinよりも小さく、又はこれらの間のいずれかの範囲の面仕上げを有する。理論に縛られることなく、0.5μinの面仕上げまでポリッシングされた多結晶ダイヤモンドは、20~40μinの面仕上げを有する標準ラッピングされた多結晶ダイヤモンドの約半分の摩擦係数を有すると考えられる。Lund他に付与され、その全体が引用によって本明細書に組み込まれている米国特許第5,447,208号明細書及び第5,653,300号明細書は、多結晶ダイヤモンドのポリッシングに関する開示を提供している。当業者には理解されるように、面テクスチャ又は面トポグラフィとも呼ぶ面仕上げは、起伏、面粗度、及び波形によって定義される面特徴である。面仕上げは、ASME B46.1-2009に従って決定することができる。面仕上げは、例えば、粗面計、レーザ顕微鏡、又は原子間力顕微鏡を用いて測定することができる。一部の実施形態では、対向係合面は、0.5μinから2,000μin、1μinから1,900μin、5μinから1,500μin、10μinから1,200μin、50μinから1,000μin、100μinから800μin、又は200μinから600μinまでの面仕上げを有する。一部の実施形態では、対向係合面は、係合面よりも大まかな(すなわち、粗い)面仕上げを有する。
【0025】
対向係合面
対向軸受面は、ダイヤモンド反応材料の面である。本明細書に使用する場合に、「ダイヤモンド反応材料」は、「ダイヤモンド触媒-溶媒」、「触媒-溶媒」、「ダイヤモンド溶媒-触媒」、又は「溶媒-触媒」とも呼ぶダイヤモンド触媒又はダイヤモンド溶媒を微量よりも多く含有する材料である。公知の溶媒-触媒の一部の例は、米国特許第6,655,845号明細書、米国特許第3,745,623号明細書、米国特許第7,198,043号明細書、米国特許第8,627,904号明細書、米国特許第5,385,715号明細書、米国特許第8,485,284号明細書、米国特許第6,814,775号明細書、米国特許第5,271,749号明細書、米国特許第5,948,541号明細書、米国特許第4,906,528号明細書、米国特許第7,737,377号明細書、米国特許第5,011,515号明細書、米国特許第3,650,714号明細書、米国特許第2,947,609号明細書、及び米国特許第8,764,295号明細書に開示されている。本明細書に使用する場合に、「微量」よりも多いダイヤモンド触媒又はダイヤモンド溶媒を含有するダイヤモンド反応材料は、ダイヤモンド反応材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセント(重量%)のダイヤモンド触媒又はダイヤモンド溶媒含有材料である。一部の態様では、本明細書に開示するダイヤモンド反応材料は、その全重量に基づいて2重量%から100重量%、5重量%から95重量%、10重量%から90重量%、15重量%から85重量%、20重量%から80重量%、25重量%から75重量%、25重量%から70重量%、30重量%から65重量%、35重量%から60重量%、40重量%から55重量%、又は45重量%から50重量%のダイヤモンド触媒又はダイヤモンド溶媒を含有する。当業者には理解されるように、ダイヤモンド溶媒-触媒は、例えば、荷重下でダイヤモンドのグラファイト化温度(すなわち、約700℃)又はそれよりも高い温度で多結晶ダイヤモンドと反応(例えば、触媒及び/又は可溶化)し、多結晶ダイヤモンドのグラファイト化をもたらす機能を有する化学元素、化合物、又は材料(例えば、金属)である。従って、ダイヤモンド反応材料は、荷重下でダイヤモンドのグラファイト化温度又はそれよりも高い温度でダイヤモンド先端式ツールのような多結晶ダイヤモンドで形成された又はそれを含有する構成要素の摩耗、時に急激な摩耗、及び不良をもたらす可能性がある材料を含む。ダイヤモンド反応材料は、微量よりも多いダイヤモンド溶媒-触媒を含有する金属、合金、及び複合材を含むがこれらに限定されない。一部の態様では、ダイヤモンド反応材料は、硬化肉盛、コーティング、又はメッキの形態にある。一部の例示的ダイヤモンド溶媒-触媒は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、クロム、マンガン、銅、チタン、タンタル、及びこれらの合金を含む。従って、ダイヤモンド反応材料は、微量よりも多い鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、クロム、マンガン、銅、チタン、タンタル、又はこれらの合金を含む材料とすることができる。一例示的ダイヤモンド反応材料は鋼鉄である。一部の態様では、ダイヤモンド反応材料は、鉄系超合金、コバルト系超合金、又はニッケル系超合金含むがこれらに限定されない超合金である。ある一定の態様では、ダイヤモンド反応材料は、いわゆる「超硬材料」ではない及び/又はそれを含まない(すなわち、特定的に除外する)。当業者には理解されるように、「超硬材料」は、ブリネル硬さ、ロックウェル硬さ、ヌープ硬さ、及び/又はビッカース硬さに従って決定することができる材料の硬度によって定義される材料の部類である。例えば、超硬材料は、ビッカース硬度試験によって測定された時に40ギガパスカル(GPa)よりも大きい硬度値を有する材料を含む。本明細書に使用する場合に、「超硬材料」は、例えば、これらの硬度スケールのうちの1つに従って決定された場合に炭化タングステンタイル及び/又は炭化タングステン超硬合金を含む炭化タングステンと少なくとも同程度に硬質の材料である。当業者は、ブリネル硬さ試験を例えばASTM E10-18に従って実施することができ、ビッカース硬度試験を例えばASTM E92-17に従って実施することができ、ロックウェル硬度試験を例えばASTM E18に従って実施することができ、ヌープ硬度試験を例えばASTM E384-17に従って実施することができることを理解するであろう。本明細書に開示する「超硬材料」は、タイル炭化タングステン、炭化タングステン超硬合金、浸透された炭化タングステン母材、炭化珪素、窒化珪素、立方晶窒化ホウ素、及び多結晶ダイヤモンドを含むがこれらに限定されない。従って、一部の態様では、「ダイヤモンド反応材料」は、上述の硬度試験のうちの1つ、例えば、ブリネル硬さに従って決定された場合に超硬材料よりも軟質である(硬質ではない)例えば炭化タングステン(例えば、タイル又は超硬合金)よりも硬質ではない材料(例えば、金属、合金、複合材)で部分的又は全体的に構成される。
【0026】
対向軸受面は、金属又は合金の全重量に基づいて少なくとも2重量%のダイヤモンド溶媒-触媒を含有する金属又は合金であるか又はこれらを含む。ダイヤモンド溶媒-触媒は、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、クロム、マンガン、銅、チタン、タンタル、又はこれらの合金とすることができる。対向軸受面は、金属又は合金の全重量に基づいて2重量%から100重量%、5重量%から95重量%、10重量%から90重量%、15重量%から85重量%、20重量%から80重量%、25重量%から75重量%、25重量%から70重量%、30重量%から65重量%、35重量%から60重量%、40重量%から55重量%、又は45重量%から50重量%のダイヤモンド溶媒-触媒(例えば、2から100重量%の鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、クロム、マンガン、銅、チタン、タンタル、又はこれらの合金)を含有する金属又は合金であるか又はそれを含む。
【0027】
一部の態様では、対向軸受面は、それに炭素が付加されたものである。一部のそのような態様では、炭素は、ダイヤモンド軸受面との係合の前に対向軸受面に付加される。例えば、対向軸受面には、炭素を飽和させることができる。理論に縛られることなく、そのような炭素付加は、対向軸受面内で多結晶ダイヤモンド要素の面のグラファイト化によって炭素を誘引するダイヤモンド溶媒-触媒の機能を低減すると考えられる。すなわち、対向軸受面に付加される炭素は、炭素犠牲層として機能する。更に、対向面は、’758出願に開示及び説明されている方法のうちのいずれかによって処理することができる。本明細書に開示する対向軸受面は、少なくとも2重量%のダイヤモンド溶媒-触媒を含有する面とすることができる。
【0028】
一部の実施形態では、対向軸受面は、米国特許出願第16/425,758号明細書により処理された面である。例えば、対向軸受面(対向係合面とも呼ぶ)は、バニシ仕上げ及びショットピーニングを含む冷間加工及び加工硬化、及び/又は無心焼入れ、肌焼入れ、及びサブゼロ低温凍結処理を含む熱処理工程等によって硬化させることができる。同様に、対向軸受面は、クロムメッキを含む電解メッキ、無電解メッキ、リン酸塩処理、物理蒸着(PVD)と化学蒸着(CVD)とを含む蒸着、又は陽極処理等によってメッキ及び/又は被覆することができる。同様に、対向軸受面は、ロールボンディング、レーザクラッディング、又は爆発溶接等によってクラッディングすることができる。
【0029】
リニア軸受
一部の実施形態は、ダイヤモンド溶媒-触媒の1又は2以上の対向軸受面と係合された1又は2以上の多結晶ダイヤモンド軸受面を含むリニア軸受を含む。一部の実施形態では、多結晶ダイヤモンド軸受面は、高度にラッピングされた面、ポリッシングされた面、又は高度にポリッシングされた面である。リニア軸受の多結晶ダイヤモンド軸受面は、ダイヤモンド溶媒-触媒面である対向軸受面(すなわち、リニア軸受の対向面)との摺動係合状態にある。リニア軸受の望ましい構成に依存して、ダイヤモンド軸受面と対向軸受面の間の摺動係合は、平坦面インタフェース、湾曲(例えば、円筒形面インタフェース、又は平坦面インタフェースと湾曲面インタフェースの組合せとすることができる。
【0030】
図1Aは、多結晶ダイヤモンド軸受要素100を示している。多結晶ダイヤモンド軸受要素100は、支持体104上に支持された多結晶ダイヤモンド106を有する。多結晶ダイヤモンド106は、ダイヤモンド軸受面102を有する。ダイヤモンド軸受面102は、ラッピングされた、高度にラッピングされた、ポリッシングされた、又は高度にポリッシングされたものとすることができる。
【0031】
図1Bは、リニア軸受108を示している。リニア軸受108は、本体の面110を含む。面110には、ダイヤモンド軸受面102を各々が有する複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素100が結合される。複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素100は、ダイヤモンド軸受面102が面110の上方に隆起されるように又はダイヤモンド軸受面102が面110と面一になるように面110と結合することができる。図1Bに示すように、多結晶ダイヤモンド軸受要素100は、面110上に千鳥配置行パターンに配置することができる。当然ながら、本発明の開示はこの配置に限定されず、多結晶ダイヤモンド軸受要素は、他のパターンに配置することができ、又はランダムに配置することができる。
【0032】
図1Cは、ダイヤモンド軸受面102を有し、支持体104上に支持された多結晶ダイヤモンド106を含む図1Aの多結晶ダイヤモンド軸受要素100の側面図を示している。
【0033】
図1Dは、対向軸受面114を有する対向軸受要素112(又は対向構成要素)と係合された図1Bのリニア軸受108を含む軸受アセンブリ1000の側面を示している。対向軸受面114は、ダイヤモンド溶媒-触媒材料の面である。
【0034】
図1Dの実施形態では、ダイヤモンド軸受面102が面110の上方に隆起されるように複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素100が面110と結合される。従って、リニア軸受108が対向軸受要素112と係合された時に、ダイヤモンド軸受面102は対向軸受面114に係合するが、面110は、対向軸受面114から離間し、それと係合されない。しかし、本発明の開示はこの特定の配置に限定されず、ダイヤモンド軸受面がリニア軸受の面と面一になるように複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素をリニア軸受の面と結合することができる。そのような面一装着式実施形態では、ダイヤモンド軸受面とリニア軸受との面は、両方共に対向軸受面と接触状態になると考えられる(任意的に同時に)。対向軸受面114を単一面として示すが、本発明の開示はこの特定の配置に限定されず、対向軸受面は、複数の不連続面とすることができる。同様に、多結晶ダイヤモンド要素100を複数のダイヤモンド軸受面102を与えるものとして示すが、本発明の開示はこの特定の配置に限定されず、ダイヤモンド軸受面は、単一多結晶ダイヤモンド要素によって与えられた単一面とすることができる。
【0035】
軸受アセンブリ1000内では、リニア軸受108と対向軸受要素112は、これらの一方が他方に対して移動(例えば、摺動)するように移動(例えば、摺動)係合する。
【0036】
図2Aは、面210を含むリニア軸受208を示している。面210には、複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素200が結合される。各多結晶ダイヤモンド軸受要素200は、支持体204上に支持された多結晶ダイヤモンド206を含み、各多結晶ダイヤモンド206はダイヤモンド軸受面202を有する。
【0037】
図2Bは、対向軸受面214を有する対向軸受要素212と係合された図2Aのリニア軸受208を含む軸受アセンブリ2000の側面を示している。対向軸受面214は、ダイヤモンド溶媒-触媒材料の面である。図2Bの実施形態では、複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素200は、ダイヤモンド軸受面202が面210の上方に隆起されるように面210と結合される。従って、リニア軸受208が対向軸受要素212と係合された時に、ダイヤモンド軸受面202は対向軸受面214に係合するが、面210は、対向軸受面214から離間し、それと係合されない。図2Bに示すように、支持体204は、面210の中に少なくとも部分的に埋め込まれる。
【0038】
図3A及び図3Bは、それぞれが面310及び311を有し、これらの面に角度313での曲げ部を含む多面リニア軸受308a及び308bを示している。図3Aに示すように、多結晶ダイヤモンド要素300(支持体304上の多結晶ダイヤモンド306)は、それが面311と結合され、ダイヤモンド軸受面302が面310に係合するように面310及び311に対して位置決めされて配置される。図3Bに示すように、多結晶ダイヤモンド要素300は、それが面310と結合され、ダイヤモンド軸受面302が面311に係合するように面310及び311に対して位置決めされて配置される。従って、多結晶ダイヤモンド要素300は、リニア軸受308a内では隣接対向係合面310に係合するように配置され、リニア軸受308b内では隣接対向係合面311に係合するように位置決めされる。図3A及び図3Bでは面一装着されないものとして示されているが、一部の実施形態では、多結晶ダイヤモンド要素は面一装着される。
【0039】
図4A及び図4Bは、非平坦面411を有する多面リニア軸受408を示している。多結晶ダイヤモンド要素400(支持体404上の多結晶ダイヤモンド406を含む)は、ダイヤモンド軸受面402が対向軸受面410に係合するように面411上に面410に対して位置決めされて配置される。
【0040】
図5Aは、対向軸受要素512の対向軸受面514と移動係合したリニア軸受508を含む軸受アセンブリ5000を示している。図5Bは、対向軸受要素512から分離した状態にあるリニア軸受要素508の上面図である。図5Aに示すように、多結晶軸受要素500(支持体504上の多結晶ダイヤモンド506を含む)は、凹面湾曲対向軸受面514と係合された凸面湾曲ダイヤモンド軸受面502(例えば、ドーム形面)を有する。多結晶軸受要素500は、面510が対向軸受面514及び対向軸受面515からの離間関係に維持されるようにサイズ決定及び配置される。図5A及び図5Bの実施形態は、位置合わせされた多結晶軸受要素500の単一の直線列を有する。しかし、本発明の開示はそのような配置に限定されず、多結晶軸受要素の複数の列を含むことができる。
【0041】
図6A及び図6Bに示すように、多結晶ダイヤモンド軸受要素は、軸受アセンブリ内の1つの面のみの上に配置されることに限定されない。図6Aを参照すると、軸受アセンブリ6000は、リニア軸受608bと移動係合したリニア軸受608aを含む。リニア軸受608aは、ダイヤモンド軸受面602aを有する多結晶ダイヤモンド軸受要素600aの単一列を含む。リニア軸受608aは、多結晶ダイヤモンド軸受要素600aの単一列の両側に1つずつ、対向係合面614aの2つの列を更に含む。リニア軸受608bは、ダイヤモンド軸受面602bを有する多結晶ダイヤモンド軸受要素600bの2つの列を含む。リニア軸受608bは、多結晶ダイヤモンド軸受要素600bの2つの行の間に対向係合面614bの単一列を更に含む。リニア軸受608aがリニア軸受608bと移動係合すると、ダイヤモンド軸受面602aは対向軸受面614bと係合され、ダイヤモンド軸受面602bは対向軸受面614aに係合する。従って、リニア軸受608a及び608bの各々が、対向リニア軸受の対向軸受面との係合のためのダイヤモンド軸受面を与え、更に対向リニア軸受のダイヤモンド軸受面との係合のための対向軸受面(ダイヤモンド反応材料の)を与える。面610aと610bとは、互いにの離間関係に維持される。
【0042】
図7A及び図7Bは、管状体と係合された軸受要素を含む軸受アセンブリを示している。軸受アセンブリ7000は、管状体712と移動係合した軸受要素708を含む。軸受要素708は、その中空又はキャビティ709を定める面710の環帯を有する中空シリンダである。多結晶ダイヤモンド706のダイヤモンド軸受面702が軸受要素708のキャビティ709の中に向くように配置されるように、支持体704と多結晶ダイヤモンド706とを各々が含む複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素700は、面710と結合されてその周りに配置される。管状体712の外面は、対向軸受面714を定める。管状体712は、対向軸受面714が軸受要素708の多結晶ダイヤモンド軸受要素700によって外周から囲まれるようにキャビティ709の中に配置される。ダイヤモンド軸受面702は、対向軸受面714と係合され、面710が対向軸受面714に対する離間関係に維持されるように面710から延びるように位置決めされる。当業者は、図7A及び図7Bの配置を本発明の開示の範囲から逸脱することなく逆転させることができることを理解するであろう。すなわち、中空シリンダの内面が対向軸受面を定めることができ、多結晶ダイヤモンド軸受要素を対向軸受面との係合に向けて管状体の外面上に配置することができる。管状体712を中空として示すが、一部の実施形態では管状体712は中実とすることができる。
【0043】
図8A図8Eは、本明細書に開示する多結晶ダイヤモンド軸受要素の様々な実施形態を示している。図8A図8Eから明らかなように、本明細書に開示する多結晶ダイヤモンド軸受要素は、様々な形状、輪郭、及び面特徴を有することができる。当然ながら、当業者は、本明細書に開示する多結晶ダイヤモンド軸受要素が、図8A図8Eに図示の実施形態に限定されないことを理解するであろう。図8Aは、支持要素804上に支持された多結晶ダイヤモンド806を含む多結晶ダイヤモンド軸受要素800aを示している。多結晶ダイヤモンド806は、湾曲エッジ又は面取りエッジ803と、直線エッジ801と、多結晶ダイヤモンド軸受面802とを有する。そのような湾曲又は面取りは、ある一定の用途では、多結晶ダイヤモンド806と対向軸受面の間のエッジ接触を排除することができる。図8Bの多結晶ダイヤモンド軸受要素800bは、ダイヤモンド軸受面802に対して湾曲エッジ又は面取りエッジ803とは異なる角度で湾曲した又は面取りされた湾曲エッジ又は面取りエッジ805を有する点を除いて図8Aと実質的に類似である。図8Cの多結晶ダイヤモンド軸受要素800cは、ダイヤモンド軸受面802に対して湾曲エッジ又は面取りエッジ803とは異なる角度で湾曲した又は面取りされた湾曲エッジ又は面取りエッジ807を有する点を除いて図8Aと実質的に類似である。更に、湾曲エッジ又は面取りエッジ807は、支持体804まで延びて直線エッジ部分を欠き、それに対して図8Aの多結晶ダイヤモンド806は、直線エッジ部分801を有する。図8Dの多結晶ダイヤモンド軸受要素800dは、ダイヤモンド軸受面802に対して湾曲エッジ又は面取りエッジ807とは異なる角度で湾曲した又は面取りされた湾曲エッジ又は面取りエッジ809を有する点を除いて図8Cと実質的に類似である。更に、図8Dのものでは、支持体804も湾曲エッジ又は面取りエッジ811を有する。図8Eの多結晶ダイヤモンド軸受要素800eは、複数の異なる湾曲エッジ又は面取りエッジ813、815、及び817を有する点を除いて図8Aと実質的に類似である。これらの図に示す多結晶ダイヤモンドは、支持要素上に支持されるものとして示したものであるが、本発明の開示は、そのような多結晶ダイヤモンドに限定されず、無支持多結晶ダイヤモンドを含むことができる。
【0044】
リニア軸受スリーブ
図9A図9Dは、本明細書に開示するリニア軸受の連続スリーブ軸受としての例示的用途を示している。軸受アセンブリ9000は、管状体912と移動係合した軸受要素908を含む。軸受要素908は、本体911に結合された中空シリンダ909を含む。多結晶ダイヤモンド軸受要素900は、そのダイヤモンド軸受面902が管状体912に対面するように配置されるように、中空シリンダ909の環帯とその面上で結合されてこの環帯の中に配置される。管状体912の外面は、対向軸受面914を定める。管状体912は、対向軸受面914が多結晶ダイヤモンド軸受要素900によって外周から囲まれるように中空管状体909のキャビティ内に位置決めされる。ダイヤモンド軸受面902は、対向軸受面914に係合するように位置決めされる。当業者は、図9A図9Dの配置を本発明の開示の範囲から逸脱することなく逆転させることができることを理解するであろう。すなわち、中空シリンダの内面が対向軸受面を定めることができ、多結晶ダイヤモンド軸受要素を対向軸受面との係合に向けて管状体の外面上に配置することができる。管状体912を中実として示すが、一部の実施形態では管状体は中空とすることができる。
【0045】
図10A図10Dは、本明細書に開示するリニア軸受の開放連続スリーブ軸受としての例示的用途を示している。軸受アセンブリ10000は、レール1012と移動係合した軸受要素1008を含む。レール1012は、その管状部分がベース1007と結合される点を除いて管状体912と同様である。軸受要素1008は、本体1011に結合された中空シリンダ1009を含む。中空シリンダ1009は、それが1つの側面1003で開いている点を除いて中空シリンダ909と同様である。更に、本体1011も、それが1つの側面1005で開いている点を除いて本体911と同様である。多結晶ダイヤモンド軸受要素1000は、そのダイヤモンド軸受面1002がレール1012に対面するように配置されるように、中空シリンダ1009の環帯とその面上で結合されてこの環帯の中に配置される。レール1012の外面は、対向軸受面1014を定める。レール1012は、対向軸受面1014が多結晶ダイヤモンド軸受要素1000によって外周から囲まれるように中空管状体1009のキャビティ内に位置決めされる。ダイヤモンド軸受面1002は、対向軸受面1014に係合するように位置決めされる。当業者は、図10A図10Dの配置を本発明の開示の範囲から逸脱することなく逆転させることができることを理解するであろう。すなわち、中空シリンダの内面が対向軸受面を定めることができ、多結晶ダイヤモンド軸受要素を対向軸受面との係合に向けて管状体の外面上に配置することができる。
【0046】
用途
本発明の開示は、(1)使用中の低い摩擦係数、(2)長い運用寿命、(3)点荷重の受け難さ、(4)許容不能な摩耗増加を伴わずに汚染に耐える機能、(5)潤滑剤を用いずに成功裏に作動する機能、又は(6)これらの組合せを示すことができるリニア軸受を規定する。一部の実施形態では、本明細書に開示するリニア軸受は、0.1又はそれ未満、0.05又はそれ未満、0.01又はそれ未満、又は0.01から0.1までの摩擦係数(CoF)を示す。
【0047】
ある一定の実施形態では、本明細書に開示するリニア軸受は、機械ツールガイド、高精度位置決めテーブル、ロボット工学、積層造形プリンタ、移送シャトル、食品加工機器、及び半導体製造での使用に適している。当然ながら、本明細書に開示するリニア軸受は、これらの特定の例示的用途に限定されず、米国特許第2,693,396号明細書、第3,582,161号明細書、第3,603,652号明細書、第3,752,541号明細書、第5,193,363号明細書、第4,428,627号明細書、第9,222,515号明細書、及び第5,618,114号明細書に開示されている用途のようなリニア軸受が使用される他の用途に使用することができる。一部の実施形態では、本明細書に開示するリニア軸受は、軸線に沿って2つの反対方向の自由直線運動を可能にするように構成された直線運動軸受又はリニアスライドである。一部のそのような実施形態では、本明細書に開示するリニア軸受は、モータ駆動構成要素に対して軸受を提供する。他の実施形態では、本明細書に開示するリニア軸受は、ダブテールスライド、複合スライド、又はラックスライドのような平軸受である。一部の実施形態では、本明細書に開示するリニア軸受は、比較的重い及び/又は大きい構造物に荷重スライド機能を与えるなどのためのそのような構造物に対する軸受として使用される。例えば、本明細書に開示するリニア軸受は、スキッド板上で油田リグのような重機を移動するのに使用することができる。本明細書に開示するリニア軸受は、橋梁内の伸縮継手、建築物、及びパイプライン支持構造物のような大きい構造物に摺動機能を与え、それによってそのような構造物の移動を可能にするのに使用することができる。
【0048】
実施形態
ここで、ある一定の実施形態を以下に説明する。
【0049】
実施形態1.面を備えた本体を含むリニア軸受と、面と結合され、多結晶ダイヤモンド軸受面を有する多結晶ダイヤモンド軸受要素と、材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセントのダイヤモンド溶媒-触媒を含有する材料を含む対向軸受面をその上に有する対向構成要素とを含み、多結晶ダイヤモンド軸受面がダイヤモンド溶媒-触媒と係合されるようにリニア軸受が対向構成要素と可動結合されるリニア軸受アセンブリ。
【0050】
実施形態2.多結晶ダイヤモンド軸受面が、5μinよりも細かい面仕上げを有する実施形態1のアセンブリ。
【0051】
実施形態3.対向軸受面が、硬化された、メッキされた、被覆された、又はクラッディングされたものである実施形態1又は2のいずれかのアセンブリ。
【0052】
実施形態4.対向軸受面の材料が、その全重量に基づいて5重量%から100重量%のダイヤモンド溶媒-触媒を含む実施形態1から3のいずれかのアセンブリ。
【0053】
実施形態5.ダイヤモンド溶媒-触媒が、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、クロム、マンガン、銅、チタン、又はタンタルを含む実施形態1から4のいずれかのアセンブリ。
【0054】
実施形態6.対向軸受面の材料が、超硬材料よりも軟質である実施形態1から5のいずれかのアセンブリ。
【0055】
実施形態7.リニア軸受アセンブリが、潤滑化されたものである実施形態1から6のいずれかのアセンブリ。
【0056】
実施形態8.リニア軸受アセンブリが、無潤滑のものである実施形態1から6のいずれかのアセンブリ。
【0057】
実施形態9.多結晶ダイヤモンド軸受面が、対向軸受面と直接接触している実施形態1から8のいずれかのアセンブリ。
【0058】
実施形態10.多結晶ダイヤモンド軸受面と対向軸受面の間に流体フィルムが位置決めされる実施形態1から8のいずれかのアセンブリ。
【0059】
実施形態11.多結晶ダイヤモンド軸受面が、本体の面と面一である実施形態1から10のいずれかのアセンブリ。
【0060】
実施形態12.多結晶ダイヤモンド軸受面が、本体の面の上方に隆起される実施形態1から10のいずれかのアセンブリ。
【0061】
実施形態13.多結晶ダイヤモンド軸受面が、平面、凸面、又が、凹面である実施形態1から12のいずれかのアセンブリ。
【0062】
実施形態14.多結晶ダイヤモンド軸受要素が、本体の面が対向軸受面から離間関係に維持されるように位置決めされる実施形態1から13のいずれかのアセンブリ。
【0063】
実施形態15.多結晶ダイヤモンド軸受要素が、本体の面の上方に隆起され、対向軸受面が、対向構成要素内の凹面である実施形態1から14のいずれかのアセンブリ。
【0064】
実施形態16.リニア軸受の本体が、その上に第2の対向軸受面を有し、対向構成要素が、その上に第2の多結晶ダイヤモンド軸受要素を有し、第2の多結晶ダイヤモンド軸受要素の多結晶ダイヤモンド軸受面が、第2の対向軸受面に係合する実施形態1から15のいずれかのアセンブリ。
【0065】
実施形態17.リニア軸受が、中空シリンダの環帯を定める本体の面を有する中空シリンダであり、対向構成要素が、中空シリンダの環帯の中に配置された管状体であり、管状体の外面が、対向構成要素上の対向軸受面である実施形態1から16のいずれかのアセンブリ。
【0066】
実施形態18.対向構成要素が、中空シリンダの環帯を定める対向軸受面を有する中空シリンダであり、リニア軸受が、中空シリンダの環帯の中に配置された管状体であり、管状体の外面が、本体の面である実施形態1から16のいずれかのアセンブリ。
【0067】
実施形態19.多結晶ダイヤモンド軸受要素が、少なくとも1つの湾曲エッジ又は面取りエッジを有する実施形態1から18のいずれかのアセンブリ。
【0068】
実施形態20.面を備えた本体を含むリニア軸受と、面と結合され、多結晶ダイヤモンド軸受面を有する多結晶ダイヤモンド軸受要素とを与える段階と、材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセントのダイヤモンド溶媒-触媒を含有する材料を含む対向軸受面をその上に有する対向構成要素を与える段階と、多結晶ダイヤモンド軸受面がダイヤモンド溶媒-触媒と係合されるようにリニア軸受を対向構成要素と可動結合する段階と含む荷重を担持する方法。
【0069】
実施形態21.
面を備えた本体を含むリニア軸受と、面と結合され、多結晶ダイヤモンド軸受面を各々が有する複数の多結晶ダイヤモンド軸受要素と、材料の全重量に基づいて少なくとも2重量パーセントのダイヤモンド溶媒-触媒を含有する材料を含む対向軸受面をその上に有する対向構成要素とを含み、リニア軸受が、多結晶ダイヤモンド軸受面がダイヤモンド溶媒-触媒と係合されるように対向構成要素と可動結合されるリニア軸受アセンブリ。
【0070】
以上の実施形態及び利点を詳細に説明したが、本発明の開示の精神及び範囲から逸脱することなく様々な変更、置換、及び修正を加えることができることを理解しなければならない。更に、本発明の開示の範囲は、本明細書に説明する工程、機械、製造、物質組成、手段、方法、及び段階の特定の実施形態に限定されるように意図したものではない。当業者は本発明の開示から直ちに理解されるように、本明細書に説明する対応する実施形態と実質的に同じ機能を実施するか又は実質的に同じ結果をもたらす既存の又は今後に開発されることになる工程、機械、製造、物質組成、手段、方法、又は段階を本発明の開示に従って利用することができる。従って、特許請求の範囲は、そのような工程、機械、製造、物質組成、手段、方法、又は段階をその範囲内に含むように意図している。
【符号の説明】
【0071】
102 ダイヤモンド軸受面
106 多結晶ダイヤモンド
108 リニア軸受
114 対向軸受面
1000 軸受アセンブリ
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図10C
図10D
【国際調査報告】