(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-29
(54)【発明の名称】ヒス感知スネアカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 5/287 20210101AFI20220722BHJP
A61B 5/367 20210101ALI20220722BHJP
A61B 5/33 20210101ALI20220722BHJP
【FI】
A61B5/287 100
A61B5/367
A61B5/33 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570865
(86)(22)【出願日】2020-05-20
(85)【翻訳文提出日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 KR2020006604
(87)【国際公開番号】W WO2020242120
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】10-2019-0064235
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516235978
【氏名又は名称】タウ ピーエヌユー メディカル カンパニー, リミテッド
【住所又は居所原語表記】#6109,Engineering Bldg.#6,2,Busandaehak-ro 63beon-gil Geumjeong-gu Busan 46241 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジュン ホン
(72)【発明者】
【氏名】パク, キョネ ピーター
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB05
4C127DD04
4C127LL08
(57)【要約】
本発明に係るうヒス感知スネアカテーテルは、二つのルーメンが形成されたデュアルルーメンカテーテルにスネアとEPカテーテルを挿入して心筋の電気信号を感知してヒスの位置を探し、ヒスを通過したサークラージワイヤをスネアでキャプチャして安全に体内に誘導するものである。本発明に係るヒス感知スネアカテーテルは、内部に第1ルーメン(lumen)と第2ルーメン(lumen)が形成されたデュアルルーメンカテーテル;前記第1ルーメン(lumen)または前記第2ルーメンに挿入され心筋の電気信号を感知する電気信号感知カテーテル;前記第1ルーメンまたは前記第2ルーメン(lumen)に挿入され遠位部に1個以上の環状ワイヤが備えられたスネア;を含むものの、前記電気信号感知カテーテルと前記スネアは互いに異なる前記ルーメンに挿入されることを特徴とする。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒス感知スネアカテーテルにおいて、
内部に第1ルーメン(lumen)と第2ルーメン(lumen)が形成されたデュアルルーメンカテーテル;
前記第1ルーメン(lumen)または前記第2ルーメンに挿入され心筋の電気信号を感知する電気信号感知カテーテル;
前記第1ルーメンまたは前記第2ルーメン(lumen)に挿入され遠位部に1個以上の環状ワイヤが備えられたスネア;を含むものの、
前記電気信号感知カテーテルと前記スネアは互いに異なる前記ルーメンに挿入されることを特徴とする、ヒス感知スネアカテーテル。
【請求項2】
前記デュアルルーメンカテーテルは
遠位部に予め定められた角度で曲げられた屈曲部を具備することを特徴とする、請求項1に記載のヒス感知スネアカテーテル。
【請求項3】
前記デュアルルーメンカテーテルは近位部に設置される位置調節装置を含んで、前記位置調節装置を調節すると前記デュアルルーメンカテーテルの遠位部の位置が調節されることを特徴とする、請求項1に記載のヒス感知スネアカテーテル。
【請求項4】
前記デュアルルーメンカテーテルは遠位部の側面に形成されたホールを含み、
前記ホールは前記第1ルーメンまたは前記第2ルーメンの遠位部終端と結合されて連通し、前記電気信号感知カテーテルまたは前記スネアが前記ホールに突出することを特徴とする、請求項1に記載のヒス感知スネアカテーテル。
【請求項5】
前記スネアは1個以上の環状ワイヤを含むキャプチャ部と、
一端が前記環状ワイヤに結合され、他端が前記スネアルーメンを通過して体外に位置する胴体部を含み、
前記胴体部の他端を押したり引っ張って前記スネアのキャプチャ部を前記デュアルルーメンカテーテル内に挿入または突出させることを特徴とする、請求項1に記載のヒス感知スネアカテーテル。
【請求項6】
前記第1ルーメンまたは前記第2ルーメンにはガイドワイヤが挿入され、
前記ガイドワイヤは前記ヒス感知スネアカテーテルより先に体内に挿入されて前記ヒス感知スネアカテーテルが体内に容易に移動するようにすることを特徴とする、請求項1に記載のヒス感知スネアカテーテル。
【請求項7】
前記位置調節装置の近位部終端には止血バルブを含んで、前記ヒス感知スネアカテーテルを体内に挿入時に前記デュアルルーメンカテーテル内に流入する血液が外部に漏れないように防止することを特徴とする、請求項3に記載のヒス感知スネアカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒス感知スネアカテーテルに関し、さらに詳細には、二つのルーメンが形成されたデュアルルーメンカテーテルにスネアとEPカテーテルを挿入して心筋の電気信号を感知してヒスの位置を探し、ヒスを通過したサークラージワイヤをスネアでキャプチャして安全に体内に誘導するヒス感知スネアカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓の伝導システムは、心房内のSinoatial NodeからAtrioventricular Nodeを経て心室のヒス(His bundle)でRight bundleとLeft bundleに分かれてPurkinjeFibersを通じてなされる。
【0003】
心電図において、QRS波は心室筋の脱分極過程によって発生し、P波に続く最初の下向き波をQ波、最初の上向き波をR波、R波に続く下向き波をS波という。QRSの幅はヒスから心室全体に電気が伝導する時間を意味し、正常ではQRS波の幅は約0.12秒(約90ms内外)以内であり、0.12秒(120ms)以上である場合には心室内伝導障害を示唆する。電気伝導時間が長ければQRS幅が広くなり、電気伝導時間が短ければQRS幅が狭くなる。広いQRSは心室の動きが単一化できない心室運動の不調和(Ventricular dessynchonization)を引き起こすことになるため、心室機能の喪失を招く副作用がある。
【0004】
心臓の電気伝達体系自体に機能不全が発生したり、この体系から外れて非正常的に電気が発生して他のところに電気が伝達されると不整脈が発生する。
【0005】
このような心臓不整脈疾患者を診断する方法には心電図検査、ホルター検査(holter monitoring)、電気生理学的検査などがある。
【0006】
このうち電気生理学的検査は、腕や足の血管を通じて電極が装着された細い導管(catheter)を心臓内部に挿入した状態で心臓の多様な部位で電気活動を測定して記録したり、心臓の多様な部位に直接電気刺激を与えて心臓の反応を観察するものである。このような電気生理学的検査を通じて、医師は不整脈が発生する正確な原因部位を探し出すこともでき、発見された原因部位を除去する施術を施行したり、人工ペースメーカー(Pacemaker)を設置して不整脈を治療する。
【0007】
このような研究の一環として、本発明者は韓国公開特許第10-2016-0011530号および韓国公開特許第10-2016-0020887号で心室中隔内に冠状静脈洞を通過したペースメーカーのリード終端を位置させる方法、装置およびカテーテルを提案して出願した。前記公開特許は本発明者が提案した韓国登録特許第10-1116867号のサークラージワイヤを改良して発明したもので、従来技術に比べて、より簡便に人工ペースメーカーを心臓に固定できる装置に関するものである。
【0008】
前記公開特許は施術ワイヤを上大静脈と冠状静脈洞を通じて流入させて中間または尖部の心室中隔を通過させた後、これを再び上大静脈または下大静脈に誘導する段階、および前記施術ワイヤに沿ってペースメーカーのリードを挿入して心室中隔内部にリードの終端を位置させる段階を含む。
【0009】
この時、ペースメーカーのリード終端を心室中隔に位置したヒス(His)に近いところに固定して電気刺激を加えると、電気伝導時間が短くなり狭いQRSを得ることができる。
【0010】
したがって、ペースメーカーのリードがヒス(His)に近いところに電気刺激を加えることができるように、ヒスにペースメーカーのリードを誘導する装置に対する研究が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、不整脈治療の効果を高めるために人工ペースメーカーをヒスに近いところに設置するためのものであり、心筋の電気信号を感知してヒスの位置を確認するための電気信号を感知するEPカテーテルを体内に挿入できるヒス感知スネアカテーテルと、サークラージワイヤをキャプチャするためのスネアを同時に体内に挿入してヒスを通過したサークラージワイヤをキャプチャして体外に移動させるヒス感知スネアカテーテルと、を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、より容易にヒスをセンシングしヒスを通過したサークラージワイヤをキャプチャするために、望む位置にカテーテルを動くことができるヒス感知スネアカテーテルを提供することである。
【0013】
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されず、言及されていないさらに他の目的は、下記の記載から本発明の技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明に係るヒス感知スネアカテーテルは、内部に第1ルーメン(lumen)と第2ルーメン(lumen)が形成されたデュアルルーメンカテーテル;前記第1ルーメン(lumen)または前記第2ルーメンに挿入され心筋の電気信号を感知する電気信号感知カテーテル;前記第1ルーメンまたは前記第2ルーメン(lumen)に挿入され遠位部に1個以上の環状ワイヤが備えられたスネア;を含むものの、前記電気信号感知カテーテルと前記スネアは互いに異なる前記ルーメンに挿入されることを特徴とする。
【0015】
この時、前記デュアルルーメンカテーテルは遠位部に予め定められた角度で曲げられた屈曲部を具備することを特徴とし、前記デュアルルーメンカテーテルは近位部に設置される位置調節装置を含み、前記位置調節装置を調節すると前記デュアルルーメンカテーテルの遠位部の位置が調節されることを特徴とする。
【0016】
前記デュアルルーメンカテーテルは遠位部の側面に形成されたホールを含み、前記ホールは前記第1ルーメンまたは前記第2ルーメンの遠位部終端と結合されて連通し、前記電気信号感知カテーテルまたは前記スネアが前記ホールに突出することを特徴とする。
【0017】
また、前記スネアは1個以上の環状ワイヤを含むキャプチャ部と、一端が前記環状ワイヤに結合され、他端が前記スネアルーメンを通過して体外に位置する胴体部を含み、前記胴体部の他端を押したり引っ張って前記スネアのキャプチャ部を前記デュアルルーメンカテーテル内に挿入または突出させることを特徴とする。
【0018】
前記第1ルーメンまたは前記第2ルーメンにはガイドワイヤが挿入され、前記ガイドワイヤは前記ヒス感知スネアカテーテルより先に体内に挿入されて前記ヒス感知スネアカテーテルが体内に移動することを容易にすることを特徴とする。
【0019】
また、前記位置調節装置の近位部終端には止血バルブを含んで、前記ヒス感知スネアカテーテルを体内に挿入時に前記デュアルルーメンカテーテル内に流入する血液が外部に漏れないように防止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るヒス感知スネアカテーテルは、デュアルルーメンカテーテルに電気信号感知カテーテルとスネアを同時に挿入して、心筋の電気信号を感知して使用者の望む心筋の位置にサークラージワイヤを通過させることができ、ヒスを通過したサークラージワイヤを容易にキャプチャして下大静脈に移動させることができる。
【0021】
また、本発明に係るヒス感知スネアカテーテルは、位置調節装置を利用してデュアルルーメンカテーテルの遠位部を望む位置に動くことができるため、電気信号感知カテーテルおよびスネアがより心筋に近く突出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の好ましい第1実施例に係るヒス感知スネアカテーテルの斜視図である。
【0023】
【
図2】本発明に好ましい第2実施例に係るヒス感知スネアカテーテルの斜視図である。
【0024】
【
図3】本発明の好ましい第3実施例に係るヒス感知スネアカテーテルの斜視図である。
【0025】
【
図4】本発明の好ましい第4実施例に係るヒス感知スネアカテーテルの斜視図である。
【0026】
【
図5】本発明に係るヒス感知スネアカテーテルを利用して施術する方法のフローチャートである。
【0027】
【符号の説明】
【0028】
10:デュアルルーメンカテーテル
【0029】
12:第1ルーメン
【0030】
14:第2ルーメン
【0031】
20:スネア
【0032】
22:キャプチャ部
【0033】
24:胴体部
【0034】
30:電気信号感知カテーテル
【0035】
32:電極
【0036】
40:位置調節装置
【0037】
42:止血バルブ
【0038】
50:サークラージワイヤ
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明することにする。
【0040】
本発明に係るヒス感知スネアカテーテルは、電気伝導時間を減らし不整脈治療効果を上昇させるためにペースメーカーのリードの終端がヒス(His)に固定されるようにするために、ペースメーカーのリードより体内に先に挿入されるサークラージワイヤ(施術ワイヤ)がヒス(His)を貫通し下大静脈に容易に誘導するための装置である。
【0041】
図1は、本発明の好ましい第1実施例に係るヒス感知スネアカテーテルの斜視図である。
図1を参照すると、本発明の好ましい第1実施例に係るヒス感知スネアカテーテルはデュアルルーメンカテーテル10、スネア20、電気信号感知カテーテル30を含む。
【0042】
前記デュアルルーメンカテーテル10は円筒状であって通常のカテーテル(catheter)の外形を有し、第1ルーメン12と第2ルーメン14を含んで内部に機構を挿入できるルーメン(lumen)が二つ形成されるのでデュアルルーメンカテーテル(dual lumen catheter)という。
【0043】
前記デュアルルーメンカテーテル10は軟性を有するゴム材、軟性プラスチック材などの合成樹脂材で構成され得、軟らかくて柔軟性、復原性が優秀な材質が使われる。
【0044】
前記第1ルーメン12および前記第2ルーメン14は互いに一定の間隔を有して平行に形成され、6Fr(フレンチ)以下の直径を有することが好ましく、互いに同じ直径を有したり互いに異なる直径を有し得る。
【0045】
前記第1ルーメン12および前記第2ルーメン14は遠位部終端が前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部終端に形成されて、前記スネア20または前記電気信号感知カテーテル30が前記デュアルルーメンカテーテル10に挿入され、前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部終端から突出する。
【0046】
前記スネア20は1個以上の環状ワイヤを含むキャプチャ部22と、一端が前記キャプチャ部22に結合され他端が前記第1ルーメン12または前記第2ルーメン14に挿入される胴体部24を含む。前記スネア20は体内に挿入可能な金属材質(SUS304、Nitinol、Titaniumなど)などが使われ得る。
【0047】
前記キャプチャ部22は両端が前記胴体部24の一端に結合された環状ワイヤを1つ以上含むものであり、好ましくは3~4個を含む。前記キャプチャ部22は形状記憶合金または弾性体または自家拡張型ステントで構成されて、前記第1ルーメン12または前記第2ルーメン14に挿入時にはすぼめられ、突出時には繰り広げられることを特徴とする。
【0048】
より詳細には、前記スネア20は前記胴体部24の一側を押したり引っ張ったりすることによって移動し、前記胴体部24を押して前記スネア20が前記第1ルーメン12または前記第2ルーメン14に挿入され、前記デュアルルーメンカテーテル10の外部に突出して繰り広げられる。ヒス(His)を通過したサークラージワイヤ50が前記スネア20に位置すると、前記胴体部24を引っ張って前記サークラージワイヤ50をキャプチャして前記デュアルルーメンカテーテル10内部に挿入される。
【0049】
前記電気信号感知カテーテル30は多数個の電極32を含むものであり、前記第1ルーメン12または前記第2ルーメン14に挿入され得、前記スネア20と前記電気信号感知カテーテル30は互いに異なるルーメンに挿入されることを特徴とする。
【0050】
したがって、前記デュアルルーメンカテーテル10は同時に前記スネア20と前記電気信号感知カテーテル30を挿入することができ、前記電気信号感知カテーテル30でヒスの位置を把握し、ヒスを通過したサークラージワイヤを前記スネア20を利用してキャプチャして下大静脈に取り出すことができる。
【0051】
前記電極32は心筋の電気信号を感知するためのものであり、前記電気信号感知カテーテル30の外周面に1個以上が結合され得、より詳細には帯状に形成された多数個の前記電極32が前記電気信号感知カテーテル30の外周面に互いに一定間隔離隔して設置される。多数個の前記電極32を利用して多様な位置の電気信号を感知してヒス(His)の位置を探すことができる。
【0052】
前記デュアルルーメンカテーテル10は近位部に設置される位置調節装置40を含み、前記位置調節装置40は一方向に回転することができ、前記位置調節装置40を調節することにより前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部が左または右に動いて、施術者が望む心筋の位置に移動して前記スネア20および前記電気信号感知カテーテル30が心筋に近いところに突出され得るようにする。
【0053】
前記位置調節装置40は近位部終端に止血バルブ42が結合されて前記位置調節装置40の近位部終端を閉塞するものであり、前記デュアルルーメンカテーテル10から前記位置調節装置40に流入する血液が前記位置調節装置40の近位部終端から漏れることを防止する。前記止血バルブ42はシリコン材質で構成されることが好ましいが、これに限定するものではない。
【0054】
図2は、本発明に好ましい第2実施例に係るヒス感知スネアカテーテルの斜視図である。
【0055】
本発明の好ましい第2実施例に係るヒス感知スネアカテーテルは、デュアルルーメンカテーテル10が遠位部の側面に形成されたホール18を含み、前記ホール18が第1ルーメン12の遠位部終端と結合されて連通する。
【0056】
換言すると、前記第1ルーメン12の遠位部終端は前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部の側面に位置し、第2ルーメン14の遠位部終端は前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部終端に位置する。
【0057】
したがって、前記第1ルーメン12に挿入されるスネア20または電気信号感知カテーテル30は前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部の側面に突出する。
【0058】
図3は、本発明の好ましい第3実施例に係るヒス感知スネアカテーテルの斜視図である。
【0059】
本発明の好ましい第3実施例に係るヒス感知スネアカテーテルは、デュアルルーメンカテーテル10が遠位部の側面に形成されたホール18を含み、前記ホール18が第2ルーメン14の遠位部終端と結合されて連通する。
【0060】
換言すると、前記第2ルーメン14の遠位部終端は前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部の側面に位置し、第1ルーメン12の遠位部終端は前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部終端に位置する。
【0061】
したがって、前記第2ルーメン14に挿入されるスネア20または電気信号感知カテーテル30は前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部の側面に突出する。
【0062】
図4は、本発明の好ましい第4実施例に係るヒス感知スネアカテーテルの斜視図である。
【0063】
本発明の好ましい第4実施例に係るヒス感知スネアカテーテルは、デュアルルーメンカテーテル10の遠位部に屈曲部16を含む。前記屈曲部16は前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部が所定の角度を有して屈曲するようにするものであり、前記デュアルルーメンカテーテル10は前記屈曲部16を含んで予め一定の角度で曲げられて体内に進入する。
【0064】
本発明の好ましい第4実施例に係る前記デュアルルーメンカテーテル10は前記屈曲部16を含むが、前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部をより心筋に移動させるために近位部に位置調節装置40を含む。前記位置調節装置40は
図1で説明したものと同一のものであり、前記位置調節装置40を調節して前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部を左または右に動くことができる。
【0065】
したがって、本発明に係るヒス感知スネアカテーテルは、デュアルルーメンカテーテル10を含んでスネア20および電気信号感知カテーテル30を施術者が望む心筋の位置に移動し、心筋の電気信号を感知してヒスの位置を確認し、ヒスを貫通したサークラージワイヤをキャプチャして下大静脈に誘導することができる。
【0066】
図5は、本発明に係るヒス感知スネアカテーテルを利用して施術する方法のフローチャートである。
【0067】
まず、ガイドワイヤ(図示せず)を大腿静脈-下大静脈-右心房-右心室に挿入する。次に、前記ガイドワイヤ(図示せず)に沿ってデュアルルーメンカテーテル10が体内に進入し、この時、前記デュアルルーメンカテーテル10内に前記ガイドワイヤ(図示せず)を挿入しながら、前記ガイドワイヤ(図示せず)が体内に挿入された経路に沿って体内に進入する。前記ガイドワイヤ(図示せず)は前記デュアルルーメンカテーテル10の第1ルーメン12または第2ルーメン14に挿入され、第1ルーメン12と第2ルーメン14のいずれに挿入されてもよい。前記デュアルルーメンカテーテル10は前記ガイドワイヤ(図示せず)と同じ経路である大腿静脈-下大静脈-右心房-右心室に挿入されて遠位部が右心室に位置する。
【0068】
この時、前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部を施術者が望む位置に移動させるために、位置調節装置40を利用して前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部を左右に移動させることができる。
【0069】
次は、体内に挿入されたデュアルルーメンカテーテル10に電気信号感知カテーテル30を挿入する段階である。前記第1ルーメン12または第2ルーメン14に前記電気信号感知カテーテル30を挿入することができ、前記電気信号感知カテーテル30は体内に挿入され心筋の電気信号を感知する。この時、前記ガイドワイヤ(図示せず)は体外に除去され得る。前記電気信号感知カテーテル30は多数個の電極を含んで心筋の多様な位置の電気信号を感知することができ、感知された電気信号によりヒス(His)の位置を把握することができる。前記電気信号感知カテーテル30を通じて感知されたヒスの位置にサークラージワイヤ50を貫通させる。
【0070】
前記サークラージワイヤ50は上大静脈-冠状静脈洞を通じて体内に移動し、ヒスを貫通してペースメーカーのリードの終端がヒスに固定され得るように案内する役割をするものである。したがって、ヒスに前記サークラージワイヤ50を貫通させると、前記サークラージワイヤ50の経路に沿って体内に挿入されるペースメーカーのリードの終端をヒスに固定させることができ、不整脈の治療効果をさらに増大させることができる。
【0071】
ヒスを貫通した前記サークラージワイヤ50をキャプチャするために、前記デュアルルーメンカテーテル10内にスネア20を挿入する。前記スネア20を押して前記デュアルルーメンカテーテル10の遠位部から突出するようにし、前記サークラージワイヤ50を前記スネア20の前記キャプチャ部22に位置させた後、前記スネア20を引っ張って前記デュアルルーメンカテーテル10に挿入させると、前記サークラージワイヤ50が前記スネア20と共に前記デュアルルーメンカテーテル10に挿入される。
【0072】
最後に、前記デュアルルーメンカテーテル10、前記スネア20、前記電気信号感知カテーテル30を下大静脈を通じて体外に除去すれば、前記サークラージワイヤ50が前記スネア20とともに下大静脈に移動して終端が体外に位置され得る。
【0073】
したがって、本発明に係るヒス感知スネアカテーテルは、デュアルルーメンカテーテルに電気信号感知カテーテルとスネアを同時に挿入して、心筋の電気信号を感知して使用者の望む心筋の位置にサークラージワイヤを通過させることができ、ヒスを通過したサークラージワイヤを容易にキャプチャして下大静脈に移動させることができる。
【0074】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施され得るということが理解できるであろう。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり限定的ではないものと理解されるべきである。
【国際調査報告】