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特表2022-534457ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(54)【発明の名称】ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システム
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/30 20060101AFI20220725BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
A61N1/30
A61N1/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020564663
(86)(22)【出願日】2019-07-12
(85)【翻訳文提出日】2020-12-24
(86)【国際出願番号】 CN2019095881
(87)【国際公開番号】W WO2019219096
(87)【国際公開日】2019-11-21
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520443907
【氏名又は名称】上海敬巽信息科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】邱 ▲カ▼軒
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB02
4C053BB32
4C053HH01
4C053JJ02
4C053JJ03
4C053JJ04
4C053JJ05
4C053JJ32
(57)【要約】
本発明のローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムは、ローカライズされた経皮薬物送達量と、経皮薬物送達深度と、及び経皮薬物送達速度の制御を達成する。具体的に、前記システムは、電源、電流駆動コンポーネント、選択可能なスイッチマトリックスまたはマルチプレクサ、電極コンポーネント(1、1’、2、2’、3a、3a’、3b、3b’、4、4’)または電極コンポーネントアレイを含む。前記ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムは、経皮薬物送達量と、経皮薬物送達深度と、及び経皮薬物送達速度とを局所的に制御して、ユーザーの皮膚に対して正確な薬物送達を実現できるように、任意の電極の組み合わせ間の薬物送達電流分布を正確に制御することができる。
【選択図】無し
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムであって、
一つの電極が含まれる電極コンポーネントをN個含む電極コンポーネントアレイと、
対応する電極または電極ペアに電流を供給するM個の電源と、を含み、
前記電極コンポーネントアレイ内の少なくとも二つの電極には、電荷付きの活性剤が載置される媒体が設置され、
前記電流は、前記活性剤と同じ極性である時間帯において、前記活性剤を皮膚層に押し付け、
N≧3であり、
Mは、1からC(N、2)の正整数であり、
C(N、2)は、2を選択するN個の組み合わせであることを特徴とする
ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システム。
【請求項2】
M個の前記電源を使用して、前記電極コンポーネントアレイに電力を供給するとき、
一つまたは複数の電源と複数の電流駆動コンポーネントと、を使用することを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
複数の前記電源は、同時間帯において、これらに対応する電極または電極ペアに電流を供給可能に構成されることを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
複数の前記電源は、異なる時間帯において、これらに対応する電極または電極ペアに電流を供給可能に構成されることを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記各電極コンポーネントは、これに対応する一つの接触層を含み、
前記接触層は、前記活性剤を含む前記媒体を貯蔵し、電極と流体的に連通することを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
複数の電極は、一つの接触層を共有可能に構成されることを特徴とする
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、
顔の額領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイと、
顔の左頬領域と左顎領域とに対応する第IIIa電極コンポーネントペアまたは第IIIa電極コンポーネントサブアレイと、
顔の右頬領域と右顎領域とに対応する第IIIb電極コンポーネントペアまたは第IIIb電極コンポーネントサブアレイとを含むことを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記電極コンポーネントアレイ内のいずれかの電極は、ハーフブリッジ駆動回路(HBD)に接続され、前記ハーフブリッジ駆動回路によって駆動されることを特徴とする
請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
電源と電極コンポーネントアレイとの間に設置されるスイッチマトリックスまたはマルチプレクサをさらに含むことを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、電子マスクであることを特徴とする
請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の分野に関し、具体的には、ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムに関する。
【背景技術】
【0002】
美しさを愛するのは、特に、多くの女性の共通の問題であり、経済水準が年々向上するに連れて、ますます多くの女性が彼らの外見にもっと注意を払うようになっている。その中で、美しさを愛する重要な部分としてのスキンケアは、女性の美容消費の半分以上を占める。スキンケアは、現代の一つの学問になっている。
【0003】
人々が健康への追及の高まりと皮膚医学の急速な発展に伴い、より高い安全性と有効性を持つ医学スキンケア製品は、止められないブームになっている。
【0004】
従来の経皮イオン電気浸透薬物送達技術の主な目的は、皮膚を通じて血液に薬物を送達することであり、薬物が皮膚を経過する経路に対して、特別な要件はない。従って、従来の経皮薬物送達システムは、面積がより大きな二つの電極を有し、二つの電極の間の電圧を使用して電流を流して、薬物を導入する。しかし、電流が常に抵抗が最小の経路を流れるという特性を考えると、薬物送達電流は、大きな電極の一部の小さな領域にのみに集中する可能性が非常に高くなる。従って、現在の技術では、経皮薬物送達の均一性を保証することができない。
【0005】
美容分野では、皮膚に栄養と保湿を均等に補給することが非常に重要である。顔の皮膚を例にすると、普通のユーザーのT字型の部位(額、鼻)は、比較的に脂っこく、毛穴が太くて大きい。大きな電極を使用して顔全体を覆い、経皮薬物送達マスクを実現する場合、薬物送達電流は、抵抗の高い領域を選択的に回避し、非常に不均一な薬物送達分布をもたらす。さらに、ユーザーの皮膚に傷がある場合、薬物送達電流は、傷口に集中する可能性があり、それは傷を刺激するだけでなく、他の領域に薬物を送達する能力を低下させる。
【0006】
要約すると、上記の顔の皮膚の質の大きな違いによって引き起こされる不均一な薬物送達の問題を解決するために、当技術分野では、経皮薬物送達量と、経皮薬物送達深度と、及び経皮薬物送達速度を局所的に制御することができるローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムを緊急に開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、経皮薬物送達量と、経皮薬物送達深度と、及び経皮薬物送達速度を局所的に制御することができるローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、
(a)N個の電極コンポーネントが含まれ、N≧3であり、各電極コンポーネントは、一つの電極を含む電極コンポーネントアレイと、及び
(b)対応する電極または電極ペアに電流を提供し、Mは、1~C(N、2)の正の整数であり、C(N、2)は、「2を選択する」N個の組み合わせを表すM個の電源とを含み、
ここで、前記電極コンポーネントアレイ内の少なくとも二つの電極には、帯電した活性剤を運ぶ媒体が設置され、前記電流は、前記活性剤と同じ極性である期間中に、前記電流は、前記活性剤を皮膚層に反発するローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムを提供する。
【0009】
別の好ましい例において、前記電極の数Nは、偶数であり、前記電源の数Mは、2~N/2の正の整数である。
【0010】
別の好ましい例において、前記M個の電源を使用して、前記電極コンポーネントアレイに電力を供給する方法は、
一つまたは複数の電源と、及び
複数の電流駆動コンポーネントとのような方法を使用する。
別の好ましい例において、前記M個の電源を使用して、前記電極コンポーネントアレイに電力を供給する方法は、
一つまたは複数の電源と、及び
一つのスイッチマトリックスまたはマルチプレクサとのような方法を使用する。
別の好ましい例において、前記M個の電源を使用して、前記電極コンポーネントアレイに電力を供給する方法は、
一つまたは複数の電源と、
一つまたは複数の電流駆動コンポーネントと、及び
一つのスイッチマトリックスまたはマルチプレクサとのような方法を使用する。
別の好ましい例において、前記電源は、対応する電極または電極ペアに電流を同時に提供する。
【0011】
別の好ましい例において、前記電源は、対応する電極または電極ペアに電流を順次に提供する。
【0012】
別の好ましい例において、前記電源は、異なる期間において、対応する電極または電極ペアに電流を提供する。
【0013】
別の好ましい例において、前記各電極コンポーネントは、対応する一つの接触層を含み、前記接触層は、前記活性剤を含む媒体を貯蔵し、電極と流体連通する。
【0014】
別の好ましい例において、各電極には、それぞれ独立して別個の接触層が設置される。
【0015】
別の好ましい例において、複数の電極は、一つの接触層を共有する。
【0016】
別の好ましい例において、前記電極コンポーネントアレイ内の各電極コンポーネントは、一つのコネクタを含み、前記コネクタは、前記電極コンポーネントを対応する電源に接続する。
【0017】
別の好ましい例において、前記コネクタは、前記電極コンポーネントを対応する電流駆動コンポーネントに接続する。
【0018】
別の好ましい例において、前記コネクタは、前記電極コンポーネントを対応するスイッチマトリックスまたはマルチプレクサに接続する。
【0019】
別の好ましい例において、前記電流は、直流電流である。
【0020】
別の好ましい例において、前記電流は、交流電流である。
【0021】
別の好ましい例において、前記交流電流は、
(i)サイクルは、1秒から30分であり、好ましくは1秒から15分であり、より好ましくは1秒から10分であり、最も好ましくは1秒から5分であると、
(ii)波形は、前記電流が最小値から最大値に増加するか、または最大値から最小値に減少する上昇期間を含む、最大値と最小値との間の基本的な波形であると、及び
(iii)デューティレシオは、5%-95%であり、好ましくは10-80%であり、より好ましくは20-70%であるとの群から選択される一つまたは複数の特徴を有する。
別の好ましい例において、動作する場合、任意の一つの動作電極ペアの間の電流は、0.01-4mAである。
【0022】
別の好ましい例において、前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、及び
顔の額領域と頬領域と、及び顎領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイとを含む。
別の好ましい例において、前記第I電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
別の好ましい例において、前記第I電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0023】
別の好ましい例において、前記第II電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0024】
別の好ましい例において、前記第II電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0025】
別の好ましい例において、前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、
顔の額領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイと、及び
顔的頬領域と顎領域とに対応する第III電極コンポーネントペアまたは第III電極コンポーネントサブアレイとを含む。
【0026】
別の好ましい例において、前記第I電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
別の好ましい例において、前記第I電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0027】
別の好ましい例において、前記第II電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0028】
別の好ましい例において、前記第II電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0029】
別の好ましい例において、前記第III電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0030】
別の好ましい例において、前記第III電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0031】
別の好ましい例において、前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、
顔の額領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイと、
顔の頬領域に対応する第III電極コンポーネントペアまたは第III電極コンポーネントサブアレイと、及び
顔の顎領域に対応する第IV電極コンポーネントペアまたは第IV電極コンポーネントサブアレイとを含む。
【0032】
別の好ましい例において、前記第I電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0033】
別の好ましい例において、前記第I電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0034】
別の好ましい例において、前記第II電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0035】
別の好ましい例において、前記第II電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0036】
別の好ましい例において、前記第III電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0037】
別の好ましい例において、前記第III電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0038】
別の好ましい例において、前記第IV電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0039】
別の好ましい例において、前記第IV電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0040】
別の好ましい例において、前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、
顔の額領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイと、
顔の左頬領域と左顎領域とに対応する第IIIa電極コンポーネントペアまたは第IIIa電極コンポーネントサブアレイと、及び
顔の右頬領域と右顎領域とに対応する第IIIb電極コンポーネントペアまたは第IIIb電極コンポーネントサブアレイとを含む。
【0041】
別の好ましい例において、前記第I電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0042】
別の好ましい例において、前記第I電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0043】
別の好ましい例において、前記第II電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0044】
別の好ましい例において、前記第II電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0045】
別の好ましい例において、前記第IIIa電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0046】
別の好ましい例において、前記第IIIa電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0047】
別の好ましい例において、前記第IIIb電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である(例えば、二つの電極コンポーネントのみを含む)。
【0048】
別の好ましい例において、前記第IIIb電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0049】
別の好ましい例において、前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、
顔の額領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイと、
顔の左頬領域に対応する第IIIa電極コンポーネントペアまたは第IIIa電極コンポーネントサブアレイと、
顔の右頬領域に対応する第IIIb電極コンポーネントペアまたは第IIIb電極コンポーネントサブアレイと、及び
顔の顎領域に対応する第IV電極コンポーネントペアまたは第IV電極コンポーネントサブアレイとを含む。
【0050】
別の好ましい例において、前記第I電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0051】
別の好ましい例において、前記第I電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0052】
別の好ましい例において、前記第II電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0053】
別の好ましい例において、前記第II電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0054】
別の好ましい例において、前記第IIIa電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0055】
別の好ましい例において、前記第IIIa電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0056】
別の好ましい例において、前記第IIIb電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0057】
別の好ましい例において、前記第IIIb電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0058】
別の好ましい例において、前記第IV電極コンポーネントペアは、非アレイ形態である。
【0059】
別の好ましい例において、前記第IV電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0060】
別の好ましい例において、前記N個の電極のうち、≧50%の電極は、再配置可能であり、対応する電極と電源とのペアリングを動作中に変更することができる。
【0061】
前記N個の電極のうち、好ましくは≧70%、より好ましくは≧90%、最も好ましくは≧95%(例えば、100%)の電極は、再配置可能である。
【0062】
別の好ましい例において、前記電極アレイ内の任意の一つの電極は、すべて一つのハーフブリッジ駆動回路(HBD)に接続され、前記ハーフブリッジ駆動回路によって駆動される。このように、複数の独立して制御可能な電源と再配置可能な電極との特性を実現することができる。
【0063】
別の好ましい例において、前記ハーフブリッジ駆動回路は、少なくとも二つのトランジスタを含む。
【0064】
別の好ましい例において、前記ハーフブリッジ駆動回路は、高電圧側に設置される電流センサー、及び/または低電圧側に設置される電流センサーをさらに含む。
【0065】
別の好ましい例において、前記システムは、前記電源から前記電極コンポーネントアレイへの電力供給を制御するコントローラをさらに含む。
【0066】
別の好ましい例において、前記「前記電源から前記電極コンポーネントアレイへの電力供給を制御する」ことは、電力供給の電圧、電力供給の電流、電力供給の波形、電力供給の時間、またはその組み合わせを制御することを含む。
【0067】
別の好ましい例において、前記システムは、電源と電極コンポーネントアレイとの間に設置されるスイッチマトリックスまたはマルチプレクサをさらに含む。
【0068】
別の好ましい例において、前記電極の形状は、円筒体、直方体またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0069】
別の好ましい例において、前記電極は、同じまたは異なる外部表面積を有する。
【0070】
別の好ましい例において、前記各電極の外部表面積は、0.5-50cm2であり、好ましくは1-40cm2であり、より好ましくは5-30cm2である。
【0071】
別の好ましい例において、隣接する二つの電極と電極との間の離隔距離は、0.01-5cmであり、好ましくは0.1-1cmである。
【0072】
別の好ましい例において、前記電極は、金属、合金、または導電性炭素材料からなる群から選択される材料を有する。
【0073】
別の好ましい例において、前記システムは、電子マスクである。
【0074】
別の好ましい例において、前記電極コンポーネントマトリックス内の電極の接触層によって構成される接触面は、顔の外面に適合する。
【0075】
別の好ましい例において、前記システムは、顔の収集データに基づいて、電極コンポーネントマトリックスの電極を配置するか、及び/または電極の動作状態を制御する。
【0076】
別の好ましい例において、前記データは、皮膚水分含有量、皮膚pH、皮脂分泌含有量、皮膚の損傷状態、皮膚の老化水準、皮膚の粗さの水準、皮膚生物学的耐性分析またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0077】
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様で説明されたローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムを使用して、経皮イオン電気浸透薬物送達を実施するステップを含む、ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達方法を提供する。
【0078】
別の好ましい例において、前記経皮イオン電気浸透薬物送達部位は、顔、首、手、手、脚、足、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される部位である。
【0079】
別の好ましい例において、前記方法は、美容方法である。
【0080】
別の好ましい例において、前記方法は、非治療的方法である。
【0081】
別の好ましい例において、前記経皮イオン電気浸透薬物送達は、生命のない物体または体に対して行われる。
【発明の効果】
【0082】
本発明の範囲内で、本発明の上記の各技術的特徴及び以下に(例えば、実施例)具体的に説明する各技術的特徴を高いに組み合わせて、新規または好ましい技術的解決策を形成できることを理解されたい。スペースの制限のため、ここでは繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
図1】独立した電流駆動コンポーネントの模式図を示しているし、この例は、すべての電極コンポーネントペア及び/または電極コンポーネントサブアレイを同時に駆動することができる。
図2】スイッチマトリックスまたはマルチプレクサを使用して、一つの電源または電流駆動コンポーネントを共有する模式図を示しているし、この例は、任意の期間中に一つの電極コンポーネントペアまたは一組の電極コンポーネントサブアレイのみを駆動することができる。
図3】スイッチマトリックスまたはマルチプレクサを使用して、K個の電源または電流駆動コンポーネントを共有する模式図を示しているし、この例は、任意の期間中にK個の有効な電極コンポーネントペアのみを駆動することができ、ここで、有効な電極ペアは、電極コンポーネントペアまたは電極コンポーネントサブアレイであることができる。
図4】スキンケアに1対の電極を使用する従来のマスクを示している。
図5】顔全体を覆うために1対の電極のみを有する従来の電子マスクを使用した後の経皮薬物送達の分布の模式図を示しているし、皮膚の状態が異なるため、薬物送達電流は、抵抗の高い領域を選択的に回避し、制御不能で不均一な薬物送達分布を引き起こす。
図6A】本発明の一例のマスクが、鼻領域と、及び額+頬+顎領域に分割されることを示している。図面において、電極コンポーネントペア(1、1’)は、鼻領域に対応し、電極コンポーネントペア(2、2’)は、額+頬+顎領域に対応する。
図6B】本発明の一例のマスクが、鼻領域と、額領域と、及び頬+顎領域に分割されることを示している。図面において、電極コンポーネントペア(1、1’)は、鼻領域に対応し、電極コンポーネントペア(2、2’)は、額領域に対応し、電極コンポーネントペア(3、3’)は、頬+顎領域に対応する。
図6C】本発明の一例のマスクが、鼻領域と、額領域と、頬領域と、及び顎領域に分割されることを示している。図面において、電極コンポーネントペア(1、1’)は、鼻領域に対応し、電極コンポーネントペア(2、2’)は、額領域に対応し、電極コンポーネントペア(3、3’)は、頬領域に対応し、電極コンポーネントペア(4、4’)は、顎領域に対応する。
図6D】本発明の一例のマスクが、鼻領域と、額領域と、左頬+左顎領域と、及び右頬+右顎領域に分割されることを示している。図面において、電極コンポーネントペア(1、1’)は、鼻領域に対応し、電極コンポーネントペア(2、2’)は、額領域に対応し、電極コンポーネントペア(3a、3a’)は、左頬+左顎領域に対応し、電極コンポーネントペア(3b、3b’)は、右頬+右顎領域に対応する。
図6E】本発明の一例のマスクが、鼻領域と、額領域と、左頬領域と、右頬領域と、及び顎領域に分割されることを示している。図面において、電極コンポーネントペア(1、1’)は、鼻領域に対応し、電極コンポーネントペア(2、2’)は、額領域に対応し、電極コンポーネントペア(3a、3a’)は、左頬領域に対応し、電極コンポーネントペア(3b、3b’)は、右頬領域に対応し、電極コンポーネントペア(4、4’)は、顎領域に対応する。
図7】本発明を使用して、ローカライズされた経皮薬物送達制御を実現し、顔面上で均一な薬物送達分布を実現する模式図である。
図8A】本発明の一例のマスクを示しているし、ここで、電極アレイは、サブ電極マトリックスによって構成される。
図8B】本発明の一例におけるサブ電極マトリックスによって4対の有効電極が形成されるマスクの模式図を示している。ここで、電極コンポーネントサブアレイ(1、1’)は、鼻領域であり、電極コンポーネントサブアレイ(2、2’)は、額領域であり、電極コンポーネントサブアレイ(3a、3a’)は、左頬+左顎領域であり、電極コンポーネントサブアレイ(3b、3b’)は、右頬+右顎領域である。
図8C】本発明の一例における、サル電極マトリックスによって4対の有効電極が形成されるマスクの模式図を示している。ここで、電極コンポーネントペア(1、1’)は、鼻領域であり、電極コンポーネントペア(2、2’)は、額領域であり、電極コンポーネントペア(3a、3a’)は、左頬+左顎領域であり、電極コンポーネントペア(3b、3b’)は、右頬+右顎領域である。さらに、「x」でマークされた電極は、傷口等の薬物送達に適さない領域に対応し、その電極は、「機能しない」に設定される。
図9】本発明の一例におけるサブ電極マトリックスから部分的に構成されるマスクの模式図であり、これは、電極コンポーネントサブアレイ(1、1’)に対応する鼻領域と、電極コンポーネントペア(2、2’)に対応する額領域と、電極コンポーネントサブアレイ(3a、3a’)に対応する左頬+左顎領域と、及び電極コンポーネントサブアレイ(3b、3b’)に対応する右頬+右顎領域とを含む。
図10】本発明の一例において、電極コンポーネント内の各電極には、それぞれ別個の接触層を独立して設置されることを示している。
図11】本発明の一例において、電極コンポーネント内の複数の電極は、一つの接触層を共有することを示している。
【発明を実施するための形態】
【0084】
広範囲にわたる詳細な研究を通じて、本発明者は、ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムを初めて開発し、前記システムは、経皮薬物送達量、経皮薬物送達の深さ、及び経皮薬物送達速度などの多くの異なるパラメータを局所的に制御(または調節)することができる。構造的に、本発明のローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムは、特別な特定的電極コンポーネントアレイ(前記アレイは、複数の電極を有する)を通じて、ユーザーの皮膚水分含有量、皮膚pH、及び皮脂分泌含有量の要素に基づいて、経皮薬物送達量、経皮薬物送達の深さ、及び経皮薬物送達の速度を正確且つ効率的に制御して、正確なまたはパーソナライズされた経皮薬物送達または美容を実現することができる。本発明は、これに基づいて完成された。
【0085】
用語
本明細書に使用されるように、「電極コンポーネント」という用語は、電極及びそれに対応する皮膚接触層から構成される一つのコンポーネントを指す。
【0086】
本明細書に使用されるように、「電極コンポーネントペア」という用語は、二つの電極コンポーネントからなる1対のコンポーネントペアを指す。
【0087】
本明細書に使用されるように、「電極コンポーネントアレイ」という用語は、少なくとも三つの電極コンポーネント、または1対を超える電極コンポーネントから構成されるアレイを指す。
【0088】
本明細書に使用されるように、「電極コンポーネントサブアレイ」という用語は、少なくとも三つの電極コンポーネント、または1対を超える電極コンポーネントから構成されるサブアレイを指す。一つまたは複数のサブアレイは、一つの大きなアレイを構成することができる。
【0089】
本明細書に使用されるように、「C(N、2)」は、N個の要素から選択される二つの要素の組み合わせの総数、即ち、(N!)/(2!*(N-2)!)を指す。
【0090】
ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システム
本発明は、ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムを提供し、システムは、
(a)N個の電極コンポーネントが含まれ、N≧3であり、各電極コンポーネントは、一つの電極を含む電極コンポーネントアレイと、及び
(b)対応する電極または電極ペアに電流を提供し、Mは、1~C(N、2)の正の整数であり、C(N、2)は、「2を選択する」N個の組み合わせを表すM個の電源とを含み、
ここで、前記電極コンポーネントアレイ内の少なくとも二つの電極には、帯電した活性剤を運ぶ媒体が設置され、前記電流は、前記活性剤と同じ極性である期間中に、前記電流は、前記活性剤を皮膚層に反発する。
【0091】
ここで、前記電極の数Nが偶数である場合、前記電源の数Mは、2~N/2の正の整数であることができ、前記電極の形状は、円筒、直方体またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0092】
本発明において、前記電極は、同じまたは異なる外部表面積を有する。典型的に、前記一つまたは複数またはすべての電極の外部表面積は、0.5-50cm2であり、好ましくは1-40cm2であり、より好ましくは5-30cm2である。
【0093】
本発明において、隣接する二つの電極と電極との間の離隔距離は、特に限定されず、通常、0.01-5cmであり、好ましくは0.1-1cmである。
【0094】
本発明において、前記電極は、一般的な電極材料で作製することができる。代表的な電極材料は、金属、合金、導電性炭素材料、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0095】
本発明のシステムは、前記電源から前記電極コンポーネントアレイへの電力供給を制御するコントローラをさらに含む。前記「前記電源から前記電極コンポーネントアレイへの電力供給を制御する」ことは、電力供給の電圧、電力供給の電流、電力供給の波形、電力供給の時間、またはそれらの組み合わせを制御することを含む。
【0096】
さらに、本発明のシステムは、電源と前記電極コンポーネントアレイとの間に設置される一つまたは複数のスイッチマトリックスまたはマルチプレクサをさらに含むことができる。
【0097】
好ましくは、前記N個の電極のうち、≧50%の電極は、再配置可能であり、対応する電極と電源とのペアリングを動作中に変更することができ;好ましくは≧70%、より好ましくは≧90%、最も好ましくは≧95%(例えば、100%)の電極は、再配置可能である。
【0098】
本発明のシステムは、適用場合に応じて、異なる形態に作製することができる。一つの典型的な形態は、マスク形態であり、即ち、電子マスク形態である。本発明において、電子マスクは、顔領域の全部、大部分、または一部を覆うことができる。
【0099】
人を例にとると、顔領域は、主に、鼻領域と、額領域と、頬領域と、及び顎領域とのようなサブ領域を含む。ここで、各サブ領域は、左側のサブ領域と右側のサブ領域とにさらに分けることができる。
【0100】
電源の実現方法
本発明において、電源を使用して電極コンポーネントアレイに電力を供給することは、様々な方法で実現することができる。
【0101】
典型的に、前記M個の電源を使用して、前記電極コンポーネントアレイに電力を供給する方法は、
方法1、一つまたは複数の電源と、及び複数の電流駆動コンポーネントと、
方法2、一つまたは複数の電源と、及び一つのスイッチマトリックスまたはマルチプレクサと、
方法3、一つまたは複数の電源と、一つまたは複数の電流駆動コンポーネントと、及び一つのスイッチマトリックスまたはマルチプレクサとのような方法を使用する。
【0102】
ここで、前記電源は、対応する電極または電極ペアに電流を同時に提供する。
【0103】
前記電源は、対応する電極または電極ペアに電流を順次に提供する。
【0104】
前記電源は、異なる期間において、対応する電極または電極ペアに電流を提供することができる。
【0105】
本発明において、本発明のシステムに使用される電流は、直流電流または交流電流、またはその両方である。
【0106】
本発明において、直流電流であろうと交流電流であろうと、電圧、電流、及び通電時間等の適切なパラメータを必要に応じて設定して、経皮薬物送達または美容目的を安全に、効果的かつ正確に実現することができる。
【0107】
本発明において、交流電流について、
(i)サイクルは、1秒から30分であり、好ましくは1秒から15分であり、より好ましくは1秒から10分であり、最も好ましくは1秒から5分であると、
(ii)波形は、前記電流が最小値から最大値に増加するが、または、最大値から最小値に減少する上昇期間を含む、最大値と最小値との間の基本的な波形であると、及び
(iii)デューティレシオは、5%-95%であり、好ましくは10-80%であり、より好ましくは20-70%であるとの群から選択される一つまたは複数の特性を有することを推奨する。
【0108】
好ましくは、本発明のシステムが動作する場合、任意の一つの動作電極ペアの間の電流は、0.01-4mAであることを推奨する。
【0109】
電極コンポーネント
前記各電極コンポーネントは、対応する一つの接触層を含み、前記接触層は、活性剤を含む媒体を貯蔵するし、電極と流体連通する。
本発明において、図10に示したように、各電極には、それぞれ別個の接触層独立して設置されるか、または図11に示したように、複数の電極を使用して一つの接触層を共有することができる。
【0110】
電極コンポーネントアレイ
前記電極コンポーネントアレイ内の各電極コンポーネントは、一つのコネクタを含み、前記コネクタは、前記電極コンポーネントを対応する電源に接続する。ここで、前記コネクタは、前記電極コンポーネントを対応する電流駆動コンポーネントに接続し、前記コネクタは、前記電極コンポーネントを対応するスイッチマトリックスまたはマルチプレクサに接続する。
【0111】
本発明の一例において、図6Aを代表として、前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、及び
顔の額領域と、頬領域と、及び顎領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイとを含むことができる。
【0112】
ここで、前記第I電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第I電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0113】
前記第II電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第II電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0114】
本発明の一例において、図6Bを代表として、前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、
顔の額領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイと、及び
顔の頬領域と顎領域とに対応する第III電極コンポーネントペアまたは第III電極コンポーネントサブアレイとを含むことができる。
【0115】
ここで、前記第I電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第I電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0116】
前記第II電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第II電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0117】
前記第III電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第III電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0118】
本発明の一例において、図6Cを代表として、前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、
顔の額領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイと、
顔の頬領域に対応する第III電極コンポーネントペアまたは第III電極コンポーネントサブアレイと、及び
顔の顎領域に対応する第IV電極コンポーネントペアまたは第IV電極コンポーネントサブアレイとをさらに含むことができる。
【0119】
ここで、前記第I電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第I電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0120】
前記第II電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第II電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0121】
前記第III電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第III電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0122】
前記第IV電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第IV電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0123】
本発明の一例において、図6Dを代表として、前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、
顔の額領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイと、
顔の左頬領域と左顎領域とに対応する第IIIa電極コンポーネントペアまたは第IIIa電極コンポーネントサブアレイと、及び
顔の右頬領域と右顎領域とに対応する第IIIb電極コンポーネントペアまたは第IIIb電極コンポーネントサブアレイとを含むこともできる。
【0124】
ここで、前記第I電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第I電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0125】
前記第II電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第II電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0126】
前記第IIIa電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第IIIa電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0127】
前記第IIIb電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第IIIb電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0128】
本発明の一例において、図6Eを代表として、前記電極コンポーネントアレイは、
顔の鼻領域に対応する第I電極コンポーネントペアまたは第I電極コンポーネントサブアレイと、
顔の額領域に対応する第II電極コンポーネントペアまたは第II電極コンポーネントサブアレイと、
顔の左頬領域に対応する第IIIa電極コンポーネントペアまたは第IIIa電極コンポーネントサブアレイと、
顔の右頬領域に対応する第IIIb電極コンポーネントペアまたは第IIIb電極コンポーネントサブアレイと、及び
顔の顎領域に対応する第IV電極コンポーネントペアまたは第IV電極コンポーネントサブアレイとをさらに含む。
【0129】
ここで、前記第I電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第I電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0130】
前記第II電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第II電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0131】
前記第IIIa電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第IIIa電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0132】
前記第IIIb電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第IIIb電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0133】
前記第IV電極コンポーネントペアは、非アレイ形態であり、前記第IV電極コンポーネントサブアレイは、≧3個の電極コンポーネントを含む。
【0134】
ハーフブリッジ駆動回路(HBD)
本発明の一例において、図1を代表として、前記電極アレイ内の任意の一つの電極は、すべて一つのハーフブリッジ駆動回路(HBD)に接続され、前記ハーフブリッジ駆動回路によって駆動される。このように、複数の独立して制御可能な電源と再配置可能な電極の特性を実現することができる。
【0135】
別の好ましい例において、前記ハーフブリッジ駆動回路は、少なくとも二つのトランジスタを含む。
【0136】
別の好ましい例において、前記ハーフブリッジ駆動回路は、高電圧側に設置される電流センサー、及び/または低電圧側に設置される電流センサーをさらに含む。
【0137】
マスク
本発明の前記システムは、電子マスクであり、前記電極コンポーネントマトリックス内の電極の接触層によって構成される接触面は、顔の外面に適合する。
【0138】
本発明において、前記システムは、顔の収集データに基づいて、電極コンポーネントマトリックスの電極を配置するか、及び/または電極の動作状態を制御する。前記データは、皮膚水分含有量、皮膚pH、皮脂分泌含有量、皮膚の損傷状態、皮膚の老化水準、皮膚の粗さの水準、皮膚生物学的耐性分析またはそれらの組み合わせからなる群から選択される。
説明を容易にするために、本発明を添付の図面と併せて以下にさらに説明する。これらの図面は、本発明の範囲を限定するために使用されないことを理解されたい。
【0139】
図4に示したように、既存のマスクは、経皮薬物送達を局所的に制御することができないし、ユーザーが既存のマスクを使用する場合、皮膚の状態が異なるため、薬物送達電流は、抵抗の高い領域を選択的に回避し、制御不能で不均一な薬物送達分布をもたらし、顔面での活性剤の分布は、図5に示したようである。
【0140】
本発明の最適化されたマスクは、個人またはユーザーグループに合わせてカスタマイズすることができ、ローカライズされた経皮薬物送達制御は、図7に示したような均一な薬物送達分布の模式図を実現することができる。
【0141】
本発明の一例のマスクは、図6Aに示したようだし、マスク内の電極コンポーネント分布は、鼻領域に対応する電極コンポーネントペア(1、1’)と、及び額+頬+顎領域に対応する電極コンポーネントペア(2、2’)とに分割される。
【0142】
本発明の一例のマスクは、図6Bに示したようだし、マスク内の電極コンポーネント分布は、鼻領域に対応する電極コンポーネントペア(1、1’)と、額領域に対応する電極コンポーネントペア(2、2’)と、及び頬+顎領域に対応する電極コンポーネントペア(3、3’)とに分割される。
【0143】
本発明の一例のマスクは、図6Cに示したようだし、マスク内の電極コンポーネント分布は、鼻領域に対応する電極コンポーネントペア(1、1’)と、額領域に対応する電極コンポーネントペア(2、2’)と、頬領域に対応する電極コンポーネントペア(3、3’)と、及び顎領域に対応する電極コンポーネントペア(4、4’)とに分割される。
【0144】
本発明の一例のマスクは、図6Dに示したようだし、マスク内の電極コンポーネント分布は、鼻領域に対応する電極コンポーネントペア(1、1’)と、額領域に対応する電極コンポーネントペア(2、2’)と、左頬+左顎領域に対応する電極コンポーネントペア(3a、3a’)と、及び右頬+右顎領域に対応する電極コンポーネントペア(3b、3b’)とに分割される。
【0145】
本発明の一例のマスクは、図6Eに示したようだし、マスク内の電極コンポーネント分布は、鼻領域に対応する電極コンポーネントペア(1、1’)と、額領域に対応する電極コンポーネントペア(2、2’)と、左頬領域に対応する電極コンポーネントペア(3a、3a’)と、右頬領域に対応する電極コンポーネントペア(3b、3b’)と、及び顎領域に対応する電極コンポーネントペア(4、4’)とに分割される。
【0146】
本発明の一例のマスクは、図8Aに示したようだし、マスク内の電極コンポーネントアレイは、サブ電極コンポーネントマトリックスによって構成される。
【0147】
本発明の主な利点は次のとおりである。
【0148】
(a)所定の領域に対して経皮薬物送達量、経皮薬物送達の深さ、及び/または経皮薬物送達速度を正確に制御して、正確且つ均一な薬物送達(または美容活性成分の投与)を実現することができる。
【0149】
(b)ユーザーの顔に薬物送達に適さない領域(例えば、傷口)がある場合でも、他の領域に薬物送達することができ、ユーザーの適さない薬物送達領域への悪影響を最大限に回避することができる。
【0150】
以下で、具体的な実施例に併せて、本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明の範囲を限定するものではないことを理解されたい。以下の実施例で具体的な条件を示さない実験方法は、通常、従来の条件、または製造者が推奨する条件に従う。特に明記されていない限り、パーセンテージとパーツとは重量で計算される。
【0151】
実施例1
ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムNo.1
本実施例において、ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムは、一つの電極コンポーネントアレイマトリックスを含み、図8Aに示された電極コンポーネント分布のように、前記電極コンポーネントアレイは、56個の電極コンポーネントを含み、各電極コンポーネントは、一つの電極と、皮膚接触層と、及びコネクタとを含む。
【0152】
さらに、前記電極アレイ内の任意の一つの電極は、すべて一つのHBD(図1の方法)に接続され、前記ハーフブリッジ駆動回路によって駆動される。このように、複数の独立して制御可能な電源と再配置可能な電極との特性を実現することができる。この例において、任意の二つの電極の間の電流を制御することができ、最大1540(56個から2個を選択する)個の異なる電流源を合成することができる。
【0153】
経皮イオン電気浸透薬物送達システムは、図8Aに示されたマスクの構造を使用し、使用する場合、ユーザーの様々な領域の皮膚状態(顔の様々な領域から収集された皮膚水分含有量、皮膚pH、皮脂分泌含有量、皮膚の損傷状態、皮膚の老化水準、皮膚の粗さの水準、及び皮膚生物学的耐性分析のデータ)に応じて、異なる効果的な電極コンポーネントペアを形成することができる。ここで、図8Bに示されたように、一般的な有効電極コンポーネント分布は、鼻領域に対応する有效電極コンポーネントペア(1、1’)と、額領域に対応する有效電極コンポーネントペア(2、2’)と、左頬+左顎領域に対応する有效電極コンポーネントペア(3a、3a’)と、右頬+右顎領域に対応する有效電極コンポーネントペア(3b、3b’)とに分割される。
【0154】
局所的に制御された前記経皮イオン電気浸透薬物送達システムを使用して、異なる皮膚の状態及び必要な電流がより高い抵抗を有する領域を選択的に回避するという特性によって引き起こされる制御不能で不均一な薬物送達分布を克服することができ、図7に示された均一な活性剤の分布を実現する。局所的制御は、様々な領域に対して異なるレベルの薬物送達を実現することができ、即ち、ユーザーの顔の活性剤量の分布を最適化することができる。
【0155】
さらに、ユーザーの皮膚に傷口がある場合、独立して制御される電極アレイは、傷口を選択的に回避することができる。図8Cに示されたように、「x」で表示された電極は、薬物送達に適さない傷口等の領域に対応し、他の電極が動作する時の「x」で表示された前記電極は、「機能しない」に設定される。
【0156】
実施例2
ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムNo.2
本実施例において、ローカライズされた経皮イオン電気浸透薬物送達システムは、一つの電極コンポーネントアレイを含み、図6Dに示された電極コンポーネント分布のように、前記電極コンポーネントアレイは、8個の電極コンポーネントを含み、各電極コンポーネントは、一つの電極と、皮膚接触層と、及びコネクタとを含む。
【0157】
さらに、前記電極アレイ内の電極は、二つ(4:1)のマルチプレクサを通じて接続され(図2の方法)、一つの電源を共有する。ここで、電極コンポーネント1、2、3a、及び3bは、第1の(4:1)マルチプレクサに接続され、電極コンポーネント1’、2’、3a’、及び3b’は、第2の(4:1)マルチプレクサに接続される。この例において、主な設計目標の一つとして、回路素子の数を減らすことである。
【0158】
図6Dに示されたように、有效電極コンポーネントペア(1、1’)は、鼻領域に対応し、有效電極コンポーネントペア(2、2’)は、額領域に対応し、有效電極コンポーネントペア(3a、3a’)は、左頬+左顎領域に対応し、有效電極コンポーネントペア(3b、3b’)は、右頬+右顎領域に対応する。
【0159】
経皮イオン電気浸透薬物送達システムは、図6Dに示されたマスクの構造を使用し、マスク電極コンポーネントマトリックス内の電極の接触層によって構成される接触面は、顔の外面に適合する。美容する場合、顔の様々な領域から収集された皮膚水分含有量、皮膚pH、皮脂分泌含有量、皮膚の損傷状態、皮膚の老化水準、皮膚の粗さの水準、及び皮膚生物学的耐性分析のデータに応じて、様々な領域の皮膚の経皮薬物送達量、経皮薬物送達の深さ、及び経皮薬物送達速度を効果的に制御する。この例の電極コンポーネント分布は、図7に示された均一な活性剤分布を効果的に実現することができる。局所的制御は、様々な領域に対して異なるレベルの薬物送達を実現することができ、即ち、ユーザーの顔の活性剤量の分布を最適化することができる。
【0160】
比較例1
既存の経皮マスクは、図4に示されたようだが、前記マスクは、1対の電極を使用しているため、経皮薬物送達制御を局所的に実現することができないし、ユーザーが既存のマスクを使用する場合、経皮薬物送達は、標的性を有さない。
【0161】
美容する場合、顔の様々な領域の異なる皮膚のタイプを個性的に制御することができない。既存のシステムは、図5に示された活性剤の分布を実現することができるが、異なる皮膚の状態のため、薬物送達電流は、より高い抵抗を有する領域を選択的に回避し、制御不能で不均一な薬物送達分布をもたらす。
【0162】
本発明で言及されるすべての文書は、あたかも各文書が個別に参照として引用されたかのように、本出願における参照として引用される。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は、本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態もまた、本出願の添付の特許請求の範囲によって定義される範囲内にあることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
【国際調査報告】