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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(54)【発明の名称】ディスプレイパネル
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/04 20060101AFI20220725BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20220725BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220725BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220725BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220725BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
H05B33/04
G02B5/30
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/02
G09F9/30 349E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021529023
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(85)【翻訳文提出日】2021-05-21
(86)【国際出願番号】 CN2020095780
(87)【国際公開番号】W WO2021217800
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202010364425.6
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ ▲漢▼▲寧▼
【テーマコード(参考)】
2H149
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
2H149AA18
2H149AB23
2H149AB24
2H149BA02
2H149DA04
2H149DB02
2H149EA03
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC23
3K107CC32
3K107CC43
3K107EE03
3K107EE26
3K107EE27
3K107EE48
3K107EE49
3K107EE50
5C094AA15
5C094AA36
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA13
5C094ED14
5C094FB01
(57)【要約】
本願はディスプレイパネルを提供し、基板、薄膜トランジスタアレイ層、発光デバイス層、薄膜封止層、位相遅延層、及び直線偏光層を含み、前記薄膜トランジスタアレイ層は、基板上に設置され、前記発光デバイス層は、薄膜トランジスタアレイ層上に設置され、前記薄膜封止層は、発光デバイス層上に設置され、前記位相遅延層は、薄膜封止層内に設置され、前記直線偏光層は、薄膜封止層内に設置される。本願は、従来の偏光板を除去することで、従来のディスプレイパネルでは偏光板が設置されることによってパネル全体の厚さが制限されるとともに、パネルの曲げ性能が低下してしまうという課題を解決し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイパネルであって、基板、薄膜トランジスタアレイ層、発光デバイス層、薄膜封止層、位相遅延層、及び直線偏光層を含み、
前記薄膜トランジスタアレイ層は、前記基板上に設置され、
前記発光デバイス層は、前記薄膜トランジスタアレイ層上に設置され、
前記薄膜封止層は、前記発光デバイス層上に設置され、
前記位相遅延層は、前記薄膜封止層内に設置され、
前記直線偏光層は、前記薄膜封止層内に設置されるディスプレイパネル。
【請求項2】
前記薄膜封止層は、積層して設置される無機層及び有機層を含み、前記位相遅延層及び前記直線偏光層は隣接する前記無機層と前記有機層との間に位置し、又は、前記位相遅延層と前記直線偏光層との間に前記無機層及び/又は前記有機層が設置される請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項3】
前記直線偏光層は前記位相遅延層のうちの前記発光デバイス層とは反対の側に位置する請求項2に記載のディスプレイパネル。
【請求項4】
前記発光デバイス層はアレイ状に分布している発光デバイスを含み、前記位相遅延層は発光デバイスに対応し且つアレイ状に分布している位相遅延ユニットを含み、前記ディスプレイパネルは隣接する2つの前記位相遅延ユニットに対応する隙間箇所に黒色障壁が設置される請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項5】
前記薄膜トランジスタアレイ層は無機堆積層及び薄膜トランジスタを含み、前記ディスプレイパネルは前記無機堆積層上に有機堆積層がさらに設置され、前記黒色障壁は前記有機堆積層上に位置する、又は前記薄膜封止層内に位置する請求項4に記載のディスプレイパネル。
【請求項6】
前記直線偏光層は前記位相遅延ユニットに対応してアレイ状に分布している直線偏光ユニットを含み、前記直線偏光ユニットの前記基板での正投影は前記位相遅延ユニットの前記基板での正投影をカバーする請求項4に記載のディスプレイパネル。
【請求項7】
前記位相遅延ユニットは前記発光デバイス層の発光領域をカバーする請求項6に記載のディスプレイパネル。
【請求項8】
前記位相遅延層は異方性有機材料である請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項9】
前記位相遅延層は液晶材料であり、前記位相遅延層の表面に配向層が設置される請求項8に記載のディスプレイパネル。
【請求項10】
前記位相遅延層の位相差は1/4波長である請求項1に記載のディスプレイパネル。
【請求項11】
ディスプレイパネルであって、それは基板、薄膜トランジスタアレイ層、発光デバイス層、薄膜封止層、位相遅延層、及び直線偏光層を含み、
前記薄膜トランジスタアレイ層は、前記基板上に設置され、
前記発光デバイス層は、前記薄膜トランジスタアレイ層上に設置され、
前記薄膜封止層は、前記発光デバイス層上に設置され、
前記位相遅延層は、前記薄膜封止層内に設置され、
前記直線偏光層は、前記薄膜封止層内に設置され、前記位相遅延層は前記直線偏光層と積層して設置されるディスプレイパネル。
【請求項12】
前記薄膜封止層は、積層して設置される無機層及び有機層を含み、前記位相遅延層及び前記直線偏光層は隣接する前記無機層と前記有機層との間に位置し、又は、前記位相遅延層と前記直線偏光層との間に前記無機層及び/又は前記有機層が設置される請求項11に記載のディスプレイパネル。
【請求項13】
前記直線偏光層は前記位相遅延層のうちの前記発光デバイス層とは反対の側に位置する請求項12に記載のディスプレイパネル。
【請求項14】
前記発光デバイス層はアレイ状に分布している発光デバイスを含み、前記位相遅延層は発光デバイスに対応し且つアレイ状に分布している位相遅延ユニットを含み、前記ディスプレイパネルは隣接する2つの前記位相遅延ユニットに対応する隙間箇所に黒色障壁が設置される請求項11に記載のディスプレイパネル。
【請求項15】
前記薄膜トランジスタアレイ層は無機堆積層及び薄膜トランジスタを含み、前記ディスプレイパネルは前記無機堆積層上に有機堆積層がさらに設置され、前記黒色障壁は前記有機堆積層上に位置する、又は前記薄膜封止層内に位置する請求項14に記載のディスプレイパネル。
【請求項16】
前記直線偏光層は前記位相遅延ユニットに対応してアレイ状に分布している直線偏光ユニットを含み、前記直線偏光ユニットの前記基板での正投影は前記位相遅延ユニットの前記基板での正投影をカバーする請求項14に記載のディスプレイパネル。
【請求項17】
前記位相遅延ユニットは前記発光デバイス層の発光領域をカバーする請求項16に記載のディスプレイパネル。
【請求項18】
前記位相遅延層は異方性有機材料である請求項11に記載のディスプレイパネル。
【請求項19】
前記位相遅延層は液晶材料であり、前記位相遅延層の表面に配向層が設置される請求項18に記載のディスプレイパネル。
【請求項20】
前記位相遅延層の位相差は1/4波長である請求項11に記載のディスプレイパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は表示技術分野に関し、特にディスプレイパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展及び製品に対する人々の要求の向上に伴い、フレキシブルディスプレイスクリーンは日々注目される分野となっている。現在、スクリーンの厚さを低減させてさらにスクリーンの折畳み性を実現することは、すでに将来の携帯電話用スクリーンの発展傾向となっている。現在のOLEDディスプレイスクリーンの場合、その偏光板はλ/4位相遅延板及び直線偏光子からなり、外部光がディスプレイスクリーンの表面に照射して生じた反射光を効果的に除去することができる。しかし、従来の偏光板の厚さは一般的に100ミクロンの範囲内にあり、さらにスクリーンの厚さが制限され、スクリーンの曲げ性能が低下してしまう。
【0003】
従って、従来技術には欠陥があり、解決を急ぐ必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願はディスプレイパネルを提供し、従来のディスプレイパネルでは偏光板が設置されることによってパネル全体の厚さが制限されるとともに、パネルの曲げ性能が低下してしまうという課題を解決し得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願が提供する技術的解決手段は以下の通りである。
本願はディスプレイパネルを提供し、
基板、薄膜トランジスタアレイ層、発光デバイス層、薄膜封止層、位相遅延層、及び直線偏光層を含み、
前記薄膜トランジスタアレイ層は、前記基板上に設置され、
前記発光デバイス層は、前記薄膜トランジスタアレイ層上に設置され、
前記薄膜封止層は、前記発光デバイス層上に設置され、
前記位相遅延層は、前記薄膜封止層内に設置され、
前記直線偏光層は、前記薄膜封止層内に設置される。
【0006】
本願のディスプレイパネルでは、前記薄膜封止層は、積層して設置される無機層及び有機層を含み、前記位相遅延層及び前記直線偏光層は隣接する前記無機層と前記有機層との間に位置し、又は、前記位相遅延層と前記直線偏光層との間に前記無機層及び/又は前記有機層が設置される。
【0007】
本願のディスプレイパネルでは、前記直線偏光層は前記位相遅延層のうちの前記発光デバイス層とは反対の側に位置する。
【0008】
本願のディスプレイパネルでは、前記発光デバイス層はアレイ状に分布している発光デバイスを含み、前記位相遅延層は発光デバイスに対応し且つアレイ状に分布している位相遅延ユニットを含み、前記ディスプレイパネルは隣接する2つの前記位相遅延ユニットに対応する隙間箇所に黒色障壁が設置される。
【0009】
本願のディスプレイパネルでは、前記薄膜トランジスタアレイ層は無機堆積層及び薄膜トランジスタを含み、前記ディスプレイパネルは前記無機堆積層上に有機堆積層がさらに設置され、前記黒色障壁は前記有機堆積層上に位置する、又は前記薄膜封止層内に位置する。
【0010】
本願のディスプレイパネルでは、前記直線偏光層は前記位相遅延ユニットに対応してアレイ状に分布している直線偏光ユニットを含み、前記直線偏光ユニットの前記基板での正投影は前記位相遅延ユニットの前記基板での正投影をカバーする。
【0011】
本願のディスプレイパネルでは、前記位相遅延ユニットは前記発光デバイス層の発光領域をカバーする。
【0012】
本願のディスプレイパネルでは、前記位相遅延層は異方性有機材料である。
【0013】
本願のディスプレイパネルでは、前記位相遅延層は液晶材料であり、前記位相遅延層の表面に配向層が設置される。
【0014】
本願のディスプレイパネルでは、前記位相遅延層の位相差は1/4波長である。
【0015】
上記課題を解決するために、本願はさらにディスプレイパネルを提供し、
基板、薄膜トランジスタアレイ層、発光デバイス層、薄膜封止層、位相遅延層、及び直線偏光層を含み、
前記薄膜トランジスタアレイ層は、前記基板上に設置され、
前記発光デバイス層は、前記薄膜トランジスタアレイ層上に設置され、
前記薄膜封止層は、前記発光デバイス層上に設置され、
前記位相遅延層は、前記薄膜封止層内に設置され、
前記直線偏光層は、前記薄膜封止層内に設置され、前記位相遅延層は前記直線偏光層と積層して設置される。
【0016】
本願のディスプレイパネルでは、前記薄膜封止層は、積層して設置される無機層及び有機層を含み、前記位相遅延層及び前記直線偏光層は隣接する前記無機層と前記有機層との間に位置し、又は、前記位相遅延層と前記直線偏光層との間に前記無機層及び/又は前記有機層が設置される。
【0017】
本願のディスプレイパネルでは、前記直線偏光層は前記位相遅延層のうちの前記発光デバイス層とは反対の側に位置する。
【0018】
本願のディスプレイパネルでは、前記発光デバイス層はアレイ状に分布している発光デバイスを含み、前記位相遅延層は発光デバイスに対応し且つアレイ状に分布している位相遅延ユニットを含み、前記ディスプレイパネルは隣接する2つの前記位相遅延ユニットに対応する隙間箇所に黒色障壁が設置される。
【0019】
本願のディスプレイパネルでは、前記薄膜トランジスタアレイ層は無機堆積層及び薄膜トランジスタを含み、前記ディスプレイパネルは前記無機堆積層上に有機堆積層がさらに設置され、前記黒色障壁は前記有機堆積層上に位置する、又は前記薄膜封止層内に位置する。
【0020】
本願のディスプレイパネルでは、前記直線偏光層は前記位相遅延ユニットに対応してアレイ状に分布している直線偏光ユニットを含み、前記直線偏光ユニットの前記基板での正投影は前記位相遅延ユニットの前記基板での正投影をカバーする。
【0021】
本願のディスプレイパネルでは、前記位相遅延ユニットは前記発光デバイス層の発光領域をカバーする。
【0022】
本願のディスプレイパネルでは、前記位相遅延層は異方性有機材料である。
【0023】
本願のディスプレイパネルでは、前記位相遅延層は液晶材料であり、前記位相遅延層の表面に配向層が設置される。
【0024】
本願のディスプレイパネルでは、前記位相遅延層の位相差は1/4波長である。
【発明の効果】
【0025】
本願の有益な効果は以下のとおりである。本願が提供するディスプレイパネルは、従来の偏光板を除去し、且つ位相遅延層と直線偏光層を薄膜封止層内に設置することで、従来の偏光板を貼着したディスプレイパネルと比較して、厚さを大幅に削減させ、ディスプレイパネルの曲げ性能を増加させる。それとともに、位相遅延層と直線偏光層の組み合わせにより外部光がディスプレイパネルの表面に照射して生じた反射光を効果的に除去することができる。
【0026】
以下、図面を参照しつつ本願の特定の実施形態を詳細に説明することにより、本願の技術的解決手段及び他の有益な効果が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本願の実施例1が提供するディスプレイパネルの構造模式図である。
図2】本願の実施例2が提供するディスプレイパネルの構造模式図である。
図3】本願の実施例3が提供するディスプレイパネルの構造模式図である。
図4】本願の実施例4が提供するディスプレイパネルの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本願の実施例における図面を参照しつつ本願の実施例における技術的解決手段を明確且つ完全に説明する。明らかなように、説明される実施例は単に本願の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な努力をせずに取得するすべての他の実施例は、本願の保護範囲に属する。
【0029】
本願の説明では、理解すべき点は、用語「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」等で指示される方位又は位置関係は図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、単に本願を説明し及び説明を簡略化するために用いられ、係る装置又は素子が必ず特定の方位を有したり、特定の方位で構成及び操作したりすることを指示又は暗示せず、従って、本願に対する制限として理解することができないということである。また、用語「第1」、「第2」は説明の目的にのみ用いられ、相対的な重要性を指示又は暗示する、又は指示される技術的特徴の数を暗黙的に指示するものとして理解することができない。それにより、「第1」、「第2」で限定される特徴は、1つ又はより多くの上記特徴を明示的又は暗黙的に含む。本願の説明では、別途明確かつ具体的に限定しない限り、「複数」の意味は2つ又は2つ以上である。本願では、「/」は「又は」の意味を示す。
【0030】
本願は、異なる例では参照数字及び/又は参照アルファベットが重複することができ、このような重複は簡略化及び明確化の目的に用いられ、それ自体は検討される各種の実施形態及び/又は設置間の関係を指示しない。
【0031】
図1及び図4を参照して、本願はディスプレイパネルを提供し、それは基板10、薄膜トランジスタアレイ層20、発光デバイス層40、薄膜封止層50、位相遅延層60、及び直線偏光層70を含み、上記基板10はフレキシブル基板であってもよいが、これに限定されず、上記薄膜トランジスタアレイ層20は、上記基板10上に設置され、上記発光デバイス層40は、上記薄膜トランジスタアレイ層20上に設置され、上記薄膜封止層50は、上記発光デバイス層40上に設置され、上記位相遅延層60は、上記薄膜封止層50内に設置され、上記直線偏光層70は、上記薄膜封止層50内に設置され、上記位相遅延層60と上記直線偏光層70は積層して設置される。
【0032】
現在のOLEDディスプレイパネル構造は常に外付け偏光板を採用し、偏光板は通常、多層有機材料層からなる複合膜であり、そのうちλ/4位相遅延板及び直線偏光子を含み、該2層の二重屈折層はスクリーンの反射防止機能を実現することができる。しかし、λ/4位相遅延板及び直線偏光子は多層のフィルムによる保護及び接続を必要とし、さらに偏光板が比較的大きな厚さを有することを引き起こす。従来の偏光板の厚さは一般的に100μmの範囲内にあり、さらにスクリーンの厚さが制限され、スクリーンの曲げ性能が低下する。
【0033】
本願のディスプレイパネルは、従来の偏光板構造を除去し、位相遅延層及び直線偏光層のみを薄膜封止層内に設置することにより、位相遅延層と直線偏光層を組み合わせた後、外部光がディスプレイパネルの表面に照射して生じた反射光を効果的に除去することができる。従来の偏光板を貼着したディスプレイパネルと比較して、厚さを大幅に削減させ、それによりディスプレイパネルの曲げ性能を増加させ、折畳み可能ディスプレイパネルの発展に有利である。
【0034】
以下、具体的な実施例を参照しつつ本願の上記ディスプレイパネルを詳細に説明する。
【0035】
[実施例1]
図1を参照して、本願の実施例1が提供するディスプレイパネルの構造模式図である。そのうち、基板10上に薄膜トランジスタアレイ層20が設置され、上記薄膜トランジスタアレイ層20は無機堆積層及び薄膜トランジスタ204を含む。具体的には、上記無機堆積層は積層して設置される第1ゲート絶縁層201、第2ゲート絶縁層202、及び層間絶縁層203を含む。上記薄膜トランジスタ204は活性層2041、ゲート2042及びソース/ドレイン2043を含む。上記ゲート2042上に電極層205が絶縁して設置され、上記電極層205と上記ゲート2042はコンデンサを形成する。
【0036】
上記無機堆積層に有機堆積層30及び発光デバイス層40がさらに設置され、上記有機堆積層30は積層して設置される平坦化層301、及び画素定義層302を含むが、これらに限定されない。上記発光デバイス層40は積層して設置される陽極401、発光層402、及び陰極403を含む。
【0037】
そのうち、上記陽極401は上記平坦化層301上に設置され、且つ平坦化層301上のビアを介して薄膜トランジスタ204のソース/ドレイン2043に電気的に接続される。上記画素定義層302の上記陽極401に対応する位置に画素孔が形成され、上記発光層402は上記画素孔内に位置し、上記陰極403は上記発光層402上に設置される。
【0038】
薄膜封止層50は上記陰極403上に設置され、上記薄膜封止層50は少なくとも3層の積層した無機層501、有機層502及び無機層501を含む。そのうち、上記無機層501の厚さは通常、数百ナノメートルの範囲内にあり、上記有機層502の厚さは通常、20ミクロン以下であり、上記有機層502は水や酸素を阻止することに用いられ得るだけでなく、表面の平坦化の作用を図ることができる。
【0039】
そのうち、本願はディスプレイスクリーンのモジュール全体の厚さを小さくし、外付け偏光板をディスプレイパネルの薄膜封止層50内に集積する。上記薄膜封止層50内に位相遅延層60及び直線偏光層70を含み、上記直線偏光層70は上記位相遅延層60のうちの上記発光デバイス層40とは反対の側に位置する。
【0040】
本実施例では、上記位相遅延層60及び上記直線偏光層70は上記薄膜封止層50内に全面的に設置される。具体的には、上記位相遅延層60と上記直線偏光層70との間に上記無機層501及び/又は上記有機層502が設置される。又は、上記位相遅延層60及び上記直線偏光層70は隣接する上記無機層501と上記有機層502との間に位置する。
【0041】
図1では、上記位相遅延層60は第1層の無機層501上に位置し、上記位相遅延層60上に有機層502が設置され、上記有機層502上に上記直線偏光層70が設置され、上記直線偏光層70上に第2層の無機層501が設置される。
【0042】
本実施例では、上記位相遅延層60の位相差は1/4波長であり、上記位相遅延層60は1/4波長板であってもよい。
【0043】
本実施例のディスプレイパネルでは、外部の入射光又は自然光はディスプレイパネルの表面に照射した後、上記直線偏光層70を透過して直線偏光(たとえば、水平方向の直線偏光)に転換され、該直線偏光は対応する位相遅延層60を通過してさらに円偏光に転換され、該円偏光は陰極403及び陽極401により反射された後、πの位相をさらに増加し(たとえば、左回転円偏光から右回転円偏光に変換される、又は右回転円偏光から左回転円偏光に転換される)、位相遅延付きの円偏光は再び位相遅延層60を通過した後、入射直線偏光に垂直な直線偏光(たとえば、垂直方向の直線偏光)に転換され、それにより直線偏光層70を通過することができず、さらに消光を実現する。
【0044】
従来の偏光板の1/4波長板層は主に高分子材料を延伸することによって得られるため、特定の位相遅延係数に達するために、通常、数十ミクロンの厚さが必要である。しかし、本願では、位相遅延層60は液晶材料又は他の異方性有機材料であってもよく、且つ位相遅延層60の厚さは1~数ミクロンの範囲内にある。それにより厚さを大幅に削減させ、ディスプレイパネルの曲げ性能を増加させる。
【0045】
[実施例2]
図2に示すように、本願の実施例2が提供するディスプレイパネルの構造模式図である。本実施例のディスプレイパネルは上記実施例1のディスプレイパネルと同様/類似であり、相違点は、本実施例の上記発光デバイス層40はアレイ状に分布している発光デバイスである画素点を含み、上記位相遅延層は発光デバイスに対応し且つアレイ状に分布している位相遅延ユニット601を含み、上記ディスプレイパネルは隣接する2つの上記位相遅延ユニット601に対応する隙間箇所に黒色障壁80が設置され、黒色障壁80は光吸収材料であり、上記位相遅延ユニット601以外の領域の外部入射光を効果的に吸収できるということである。従って、さらに外部光がディスプレイパネルの表面に照射して生じた反射光を除去することができる。
【0046】
そのうち、上記黒色障壁80は上記有機堆積層30上に位置し、又は上記薄膜封止層50内に位置し、上記黒色障壁80の高さは数ミクロン~十数ミクロンの範囲内にある。
【0047】
具体的には、上記黒色障壁80は上記画素定義層302上に位置し、画素孔を囲んで設置されてもよい。黒色障壁80の設置のため、黒色障壁80上に位置する陰極403及び無機層501は画素孔に対応する位置に凹部が形成され、上記位相遅延ユニット601は上記凹部箇所に対応して位置する。
【0048】
そのうち、上記位相遅延ユニット601は上記発光デバイス層40の発光領域をカバーし、すなわち、上記位相遅延ユニット601の上記基板10での正投影は上記発光層402の上記基板10での正投影をカバーする。上記位相遅延ユニット601は画素孔の外周に延伸することができる。
【0049】
一実施例では、上記黒色障壁80は上記薄膜封止層50の無機層501又は有機層502上に位置することができ、位相遅延ユニット601以外の領域に入射する外部入射光は上記黒色障壁80に吸収され得る。
【0050】
具体的には、上記黒色障壁80は前記位相遅延ユニット601と同一層に位置することができ、隣接する上記位相遅延ユニット601の間に上記黒色障壁80が介在している。
【0051】
そのうち、本実施例の位相遅延ユニット601と直線偏光層70の反射防止(消光)原理は上記実施例1の反射防止原理と同じであり、ここでは詳細に説明をしない。
【0052】
[実施例3]
図3に示すように、本願の実施例3が提供するディスプレイパネルの構造模式図である。本実施例のディスプレイパネルは上記実施例2のディスプレイパネルと同様/類似であり、相違点は、本実施例の上記直線偏光層は上記位相遅延ユニット601に対応してアレイ状に分布している直線偏光ユニット701を含み、上記直線偏光ユニット701の上記基板10での正投影は上記位相遅延ユニット601の上記基板10での正投影をカバーするということである。
【0053】
そのうち、本実施例の有益な効果は上記実施例2の有益な効果と同じであり、且つ本実施例の位相遅延ユニット601と直線偏光ユニット701の反射防止(消光)原理は上記実施例1の反射防止原理と同じであり、ここでは詳細に説明をしない。
【0054】
[実施例4]
図4に示すように、本願の実施例4が提供するディスプレイパネルの構造模式図である。本実施例のディスプレイパネルは上記実施例3のディスプレイパネルと同様/類似であり、相違点は、本実施例の位相遅延ユニット601及び直線偏光ユニット701は隣接する上記無機層501と上記有機層502との間に位置し、且つ上記位相遅延層(位相遅延ユニット601)は液晶材料であり、上記位相遅延層の表面に配向層90が設置されるということである。
【0055】
そのうち、上記配向層90は上記位相遅延ユニット601のうちの上記直線偏光ユニット701とは反対の側に位置することができ、又は上記位相遅延ユニット601の上記直線偏光ユニット701を向く側に位置することができ、又は、上記位相遅延ユニット601の両側の表面の両方に上記配向層90が設置される。
【0056】
一実施例では、上記配向層90のサイズは位相遅延層のサイズに適応することができ、全面的に設置されてもよく、アレイ状に分布してもよい。勿論、位相遅延ユニット601及び直線偏光ユニット701は薄膜封止層の異なる膜層上に位置してもよい。
【0057】
上記配向層90は上記液晶材料を配向することに用いられ、それにより液晶材料に適切な位相差を発生させ、たとえば、1/4波長の位相差を発生させる。勿論、実際のニーズに応じて液晶材料を配向させることができる。
【0058】
本実施例は、上記実施例3と比較して、配向層90の設置によって位相遅延ユニット601に異なる位相差を発生させることができ、実際の状況に応じて反射光を柔軟に除去することができる。
【0059】
そのうち、本実施例の位相遅延ユニット601と直線偏光ユニット701の反射防止(消光)原理は上記実施例1の反射防止原理と同じであり、ここでは詳細に説明をしない。
【0060】
本願が提供するディスプレイパネルは、従来の偏光板を除去し、且つ位相遅延層と直線偏光層を薄膜封止層内に設置することで、従来の偏光板を貼着したディスプレイパネルと比較して、厚さを大幅に削減させ、ディスプレイパネルの曲げ性能を増加させる。それとともに、位相遅延層と直線偏光層の組み合わせにより外部光がディスプレイパネルの表面に照射して生じた反射光を効果的に除去することができ、また、光吸収機能を有する黒色障壁が設置されることで、さらに外部光がディスプレイパネルの表面に照射して生じた反射光を除去することができる。
【0061】
以上のように、好適な実施例をもって本願を開示したが、上記好適な実施例は本願を限定するものではなく、当業者は、だれでも、本願の精神及び範囲を逸脱せずに、各種の変更や修飾を行うことができ、従って本願の保護範囲は特許請求の範囲に定められる範囲に準じるべきである。
【符号の説明】
【0062】
10 基板
20 薄膜トランジスタアレイ層
30 有機堆積層
40 発光デバイス層
50 薄膜封止層
60 位相遅延層
70 直線偏光層
80 黒色障壁
90 配向層
201 第1ゲート絶縁層
202 第2ゲート絶縁層
203 層間絶縁層
204 薄膜トランジスタ
205 電極層
301 平坦化層
302 画素定義層
401 陽極
402 発光層
403 陰極
501 無機層
502 有機層
601 位相遅延ユニット
701 直線偏光ユニット
2041 活性層
2042 ゲート
2043 ドレイン
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】