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特表2022-534473可変プリーツフィルタ用の湾曲したコア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(54)【発明の名称】可変プリーツフィルタ用の湾曲したコア
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/07 20060101AFI20220725BHJP
   B01D 46/52 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B01D29/06 510D
B01D46/52 C
B01D46/52 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564391
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(85)【翻訳文提出日】2021-12-15
(86)【国際出願番号】 US2020034526
(87)【国際公開番号】W WO2020243080
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】62/853,935
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591163214
【氏名又は名称】ドナルドソン カンパニー,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー, ニコラス ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4D058
4D116
【Fターム(参考)】
4D058JA10
4D058KA03
4D058SA07
4D116BB01
4D116BC13
4D116BC23
4D116BC27
4D116BC36
4D116BC76
4D116FF15B
4D116FF18B
4D116GG12
4D116VV03
(57)【要約】
フィルタ要素の高さに沿って延在する中心長手方向軸と、フィルタ要素の高さの少なくとも一部に沿って延在し、コア要素の幅を画定するために第1の端部から第2の端部に延在する凸状に湾曲した中心部を有するコア要素であって、凸状に湾曲した中心部は、第1及び第2の端部の少なくとも一方の高さより大きい中心長手方向軸を通る最大高さを有する、コア要素と、コア要素の外周から半径方向に延在する複数のプリーツを含むフィルタ材料であって、フィルタ材料の円筒外周は、複数の半径方向に延在するプリーツのそれぞれの外部プリーツ先端によって画定され、それぞれの半径方向に延在するプリーツの内部プリーツ先端はコア要素に隣接する、フィルタ材料とを含む、円筒フィルタ要素。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ要素の高さに沿って延在する中心長手方向軸と、
前記フィルタ要素の高さの少なくとも一部に沿って延在するコア要素であって、前記コア要素は、前記コア要素の幅を画定するために第1の端部から第2の端部に延在する凸状に湾曲した中心部を含み、前記凸状に湾曲した中心部は、前記第1及び第2の端部の少なくとも一方の高さより大きい前記中心長手方向軸を通る最大高さを含む、コア要素と、
前記コア要素の外周から半径方向に延在する複数のプリーツを含むフィルタ材料であって、前記フィルタ材料の円筒外周は、前記複数の半径方向に延在するプリーツのそれぞれの外部プリーツ先端によって画定され、前記半径方向に延在するプリーツのそれぞれの内部プリーツ先端は、前記コア要素に隣接する、フィルタ材料とを含む、円筒フィルタ要素。
【請求項2】
前記コア要素の前記第1及び第2の端部は同じ高さを有する、請求項1に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項3】
少なくとも1つの内部プリーツ先端は、前記コア要素の前記中心部の前記第1及び第2の端部の一方に隣接する、請求項1又は2に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項4】
前記第1及び第2の端部の少なくとも一方に隣接した面積は、いかなる半径方向に延在するプリーツも含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項5】
前記コア要素は、前記第1及び第2の端部の少なくとも一方から延在する羽部を更に含み、前記羽部の少なくとも一方は、前記第1及び第2の端部の少なくとも一方の高さより大きい高さを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項6】
前記複数のプリーツのプリーツ深さは、各プリーツが前記第1の端部から前記中心長手方向軸の方向に深さが増加し、次いで前記中心長手方向軸に隣接したプリーツから前記第2の端部の方向に深さが低減するように、前記コア要素の幅にわたって変化する、請求項1~5のいずれか一項に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項7】
前記コア要素は、前記中心長手方向軸を中心に対称である、請求項1~6のいずれか一項に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項8】
前記コア要素は、前記中心長手方向軸を中心に非対称である、請求項1~7のいずれか一項に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項9】
前記コア要素は、前記中心長手方向軸からずれる、請求項1~8のいずれか一項に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項10】
前記コア要素の前記凸状に湾曲した中心部は、前記中心長手方向軸に隣接した面積から前記第1及び第2の端部の少なくとも一方に概して一定に先細である、請求項1~9のいずれか一項に記載の円筒フィルタ要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月29日に出願された米国仮特許出願第62/853,935号明細書の優先権及び利益を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明はフィルタに関し、より詳細には、細長い長円形又は楕円形断面を有する長手方向に延在するコア要素の周りに配置されたプリーツ加工した濾過材料に関する。
【背景技術】
【0003】
流体フィルタは、一般にエンジンなどの下流の構成部品に損傷を与えないように、液体又は気体から汚染物質を除去するために使用される。濾過システムは、流入する汚染された流体がフィルタ材料に衝突するまで流路に沿って動くように概して構成される。流体がフィルタ材料を通過する際に、相当量の汚染物質がフィルタ材料によって捕捉されるので、フィルタから出る流体は得られる流体が特定の使用に対して十分に清浄であると考えられる。
【0004】
広範囲のフィルタ構成が様々な用途に使用するために利用できる。比較的単純な構成では、フィルタ材料の単一の平坦なシートは、汚染された流体がフィルタ材料の「汚れた」側面から「きれいな」側面に流れるように流路に位置付けられ、平坦なフィルタシートは、ある特定の大きさ及び/又は成分の汚染物質を捕捉する特定の設計のフィルタ材料である。追加の濾過性能を提供するために、所与の空間で使用するフィルタ材料の量を増加するために濾過材料を一般にプリーツ加工する。具体的には、フィルタ材料は、材料の幅にわたって複数のプリーツを生成するためにアコーディオン状方式で折り畳むことができる。これらの構成のためのプリーツは、典型的には媒体パックの幅にわたって同じ高さ又は類似の高さのプリーツを含む。
【0005】
特定の開口に篏合するため、及び/又は所与の容積に提供されたフィルタ材料の量を更に増加するために、プリーツ加工したフィルタ材料は、プリーツが中心コア面積などから半径方向に延在する円筒構成に配置することもできる。コアは円形であってもよく、又は例えば長方形断面形状を有してもよい。いずれの場合も、プリーツは、中心コアに最も近い面積に比較的密集して詰められ、それによってフィルタ材料の「被覆」部になり、使用できなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の構成は多くの濾過用途に適することが可能であるが、既存の外側フィルタの幾何形状を使用する一方で、所与の濾過空間内で使用できる、すなわち「非被覆」フィルタ材料の量を増加するプリーツ構成を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載された実施形態によれば、フィルタ要素の高さに沿って延在する中心長手方向軸と、フィルタ要素の高さの少なくとも一部に沿って延在するコア要素と、フィルタ材料とを含む円筒フィルタ要素が提供される。コア要素は、コア要素の幅を画定するために第1の端部から第2の端部に延在する凸状に湾曲した中心部を含み、凸状に湾曲した中心部は、第1及び第2の端部の少なくとも一方の高さより大きい中心長手方向軸を通る最大高さを有する。フィルタ材料は、コア要素の外周から半径方向に延在する複数のプリーツを含み、フィルタ材料の円筒外周は、複数の半径方向に延在するプリーツのそれぞれの外部プリーツ先端によって画定され、半径方向に延在するプリーツのそれぞれの内部プリーツ先端は、コア要素に隣接する。
【0008】
円筒フィルタ要素の実施形態では、コア要素の第1及び第2の端部は同じ高さを有する。少なくとも1つの内部プリーツ先端は、コア要素の中心部の第1及び第2の端部の一方に隣接してもよい。第1及び第2の端部の少なくとも一方に隣接した面積は、その面積にフィルタ材料がないように、いかなる半径方向に延在するプリーツも含まなくてもよい。
【0009】
コア要素は、第1及び第2の端部の少なくとも一方から延在する羽部を含んでもよく、羽部の少なくとも一方は、第1及び第2の端部の少なくとも一方の高さより大きい高さを有する。コア要素は、中心長手方向軸を中心に対称である。コア要素は、中心長手方向軸を中心に対称又は非対称であってもよく、実施形態ではその軸からずれてもよい。コア要素の凸状に湾曲した中心部は、中心長手方向軸に隣接した面積から第1及び第2の端部の少なくとも一方に概して一定に先細であることが可能である。
【0010】
複数のプリーツのプリーツ深さは、各プリーツが第1の端部から中心長手方向軸の方向に深さが増加し、次いで中心長手方向軸に隣接したプリーツから第2の端部の方向に深さが低減するように、コア要素の幅にわたって変化することができる。
【0011】
本発明は、添付図面を参照して更に説明され、同じ構成は数枚の図を通して同じ番号によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書に記載されたフィルタによる、内部プリーツの間隔を開けた中心コア形状を備えたフィルタの実施形態の平面図である。
図2】例えば図1に示された型のフィルタで使用するために形状された、中心コアの実施形態の斜視図である。
図3図2の中心コアの平面図である。
図4】本明細書に記載されたフィルタによる、内部プリーツの間隔を開けた中心コア形状を備えた別の実施形態の平面図である。
図5】本明細書に記載されたフィルタによる、内部プリーツの間隔を開けた中心コア形状を備えたフィルタの実施形態の平面図である。
図6】例えば図5に示された型のフィルタで使用するために形状された、中心コアの実施形態の斜視図である。
図7図6の中心コアの平面図である。
図8】本明細書に記載されたフィルタによる、内部プリーツの間隔を開けた中心コア形状を備えたフィルタの実施形態の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に図を参照すると、構成要素は数枚の図面を通して同じ番号が付されており、最初に図1を参照すると、円筒フィルタ10の実施形態の平面図が示されている。フィルタ10は、フィルタ10の高さの少なくとも一部に沿って延在する中心コア12を含む。フィルタ10は、中心コア12の周りに配置され、コア12から概して半径方向外方に延在するプリーツ加工したフィルタ材料14を更に含む。示されたように、フィルタ10は円16によって表された外周境界を有し、円16は、フィルタ高さの少なくとも一部に沿って延在する殻、フィルタ材料の一端若しくは両端におけるフィルタキャップ、及び/又は別の構造によって提供されてもよい。いずれの場合も、外周境界16は概して円形であり、任意に、ある特定の大きさ及び形状のフィルタを利用する既存の用途に嵌合するように設計することができ、又は新しい用途のために設計することができる。
【0014】
図2及び3は、図1のフィルタ実施形態に使用できる中心コア12の例示的実施形態を示す。示されたように、中心コア12の端部又は頂部は、凸状に湾曲した中心部18並びに第1及び第2の端部20、22を含む細長い形状を有する。コア12は、中心長手方向軸24を中心としてもよく、又は中心軸24から少なくともわずかにずれてもよい。コア12は、更に示されたように中心軸24を中心に対称であってもよく、又は中心軸24の対向する側面上の2つの部分は、互いに少なくともわずかに異なる形状を有することができる。しかし示されたフィルタ10では、コア12は中心軸24を中心に対称である。この実施形態では、第1及び第2の端部20、22は同じ幅28を有し、幅28は湾曲した中心部18の最大幅26より小さい。しかし端部20、22は、その代わりに互いに少なくともわずかに異なる幅を有することができる。
【0015】
コア12の中心部18の湾曲は、コア12の幅がコアの中心面積における幅26から第1及び第2の端部20、22における幅28に概して一定に先細であるように、概して一定である。しかし中心部18の湾曲は、その代わりに湾曲の半径がコア12の長さにわたって変化するように変化することができることが理解される。いずれの場合も、端部20、22は概して平坦に示されており、端面はコアの長さに概して垂直であるが、端面は、湾曲した、傾斜した、などの、異なった構成であることが可能である。
【0016】
図2及び3は、その高さに沿って中心コア12に対する1つの例示的構造構成を示し、これは多数の支持構造を含む。支持構造の構成はかなり変化することができるが、コアに十分な構造的一体性を提供する一方で、濾過中に所望の流量がコアを通ることができる(すなわち材料の流れがあまり遮断されないように設計される)ように選択されるべきである。示された支持構造は、長手方向及び横方向の両方に延在し、所望の濾過性能を提供する空間を備える。支持構造の相対数は、示されたより高いか又は低いことが可能である。しかし、いずれの構成でも、コアの外周は、フィルタ材料のプリーツ先端がそれに支持されることが可能な構造を提供する表面を有するべきである。
【0017】
本発明の実施形態では、単一の中心コア12は、円筒フィルタ10の全高に沿って延在する。他の実施形態では、コア12は、円筒フィルタ10の高さの一部のみに沿って延在する。コア12がフィルタ10の高さの一部のみに沿って延在する構成では、複数のコア12は、それらの間の空間の有無にかかわらず、フィルタ10の高さに沿って互いに「積層する」ことができる。
【0018】
図1を再度具体的に参照すると、フィルタ材料14はプリーツ加工され、中心コア12とフィルタ10の外周境界16との間の空間内に位置付けられている。中心コア12の最も近くに位置付けられた折目又は先端は、本明細書では内部先端と呼ばれる一方で、外周境界16の最も近くに位置付けられた折目又は先端は、外部先端と呼ばれる。コア12の外部形状と外周境界16の形状は異なるので、それらの間の空間はフィルタの周囲を中心に変化し、従ってプリーツ加工したフィルタ材料14は、フィルタ10を中心に変化する長さのプリーツを有する。すなわちコア12の第1及び第2の端部20、22に最も近い面積は、湾曲した中心部18に隣接した面積より小さい。中心コア12のこの長円状の断面形状は、フィルタ10の周囲に互いから自然にプリーツの間隔を開ける助けとなる一方で、円形である中心コアを備えるより多くの媒体を空間に嵌合することができる。これは、コアに隣接した内部先端がそれらの間に所望の間隔を備えて間隔を開けることにより、外部先端の互いからの間隔が比較的大きくなる、円の中心コアの幾何形状に起因し、それによって利用可能な空間に嵌合することができるフィルタ材料の量が最大化しない。
【0019】
プリーツ加工したフィルタ材料は、不織布材料シート(例えば溶融ブロー材料)又は微孔膜(例えばナイロン、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE)、ポリプロピレン、ポリエチレン、など)などの多数の異なる材料から選択することができる。プリーツ加工したフィルタ材料は、所望のパターンを生成するために複数回折り畳むことができるシートとして提供することができ、従ってそれ自体を折り返して、折り畳んだパターンを維持できる厚さを備える。
【0020】
本明細書で使用した用語「プリーツ」は、「頂点」で円筒フィルタの外周と交わる遠位端を備えた2つの隣接したアームを含む、フィルタ材料のV字形構成を概して指す。それらのアームのそれぞれは、「谷」でフィルタ外周の内部のV字形構成の一部を画定するために、外周から半径方向内方に間隔を開ける近位端も含む。更にV字形が記載されているが、V字形の先端又は点は、先端の半径がプリーツ加工方法及び使用する道具と相関して、フィルタ材料の厚さに沿って少なくともわずかに丸みを帯びることができる。
【0021】
ある特定の量のフィルタ材料14を特定のフィルタに提供するために、中心コア12のパラメータはそれに応じて設計して調節することができる。すなわちコアの寸法は、示されたより長円形、円形、又は長方形である断面を提供するために選択することができる。このような中心コア形状の別の例を挙げると、図4図1~3の中心コア12より丸みを帯び、全体がより「平坦な」形状を有する、第1及び第2の端部120、122を有する中心コア112を備えたフィルタ110を提供する。そのためフィルタ材料114は、その内部先端がその長手方向に湾曲した表面に沿って中心コア112に隣接するように配置されるが、第1及び第2の端部120、122の先端に直接隣接して位置付けられた内部先端はない。すなわちこの実施形態におけるプリーツは、第1及び第2の端部120、122の先端からフィルタ110の外周境界116に向かって半径方向外方に延在しない。こうして第1及び第2の端部120、122の先端から半径方向に間隔を開けたフィルタ材料の対応する外部先端はない。
【0022】
次に図5~7を参照すると、円筒フィルタ210の別の実施形態の平面図が示されている。フィルタ210は、フィルタ210の高さの少なくとも一部に沿って延在する中心コア212を含む。フィルタ210は、中心コア212の周りに配置され、概してコア212から垂直に外方に延在するプリーツ加工したフィルタ材料214を更に含み、用語「垂直に」は、図5におけるフィルタ210の配向に関して使用される。示されたように、フィルタ210は、円216によって表された外周境界を有し、円216はフィルタ高さの少なくとも一部に沿って延在する殻、フィルタ材料の一端若しくは両端におけるフィルタキャップ、及び/又は他の構造によって提供されてもよい。いずれの場合も、外周境界216は、概して円形であり、新しい用途並びにこの大きさ及び形状のフィルタを利用する既存の用途に篏合するように設計又は選択される。
【0023】
図6及び7は、図5のフィルタの実施形態に使用できる中心コア212の例示的実施形態を示す。示されたように、中心コア212の端部又は頂部は、第1及び第2の端部220、222のそれぞれから延在する羽部230、232に沿って、第1及び第2の端部220、222を備えた凸状に湾曲した中心部218を含む細長い形状を有する。コア212は中心長手方向軸224を中心としてもよく、又は軸224から少なくともわずかにずれてもよい。コア212は、更に、示されたように中心軸224を中心に対称であってもよく、又は軸224の対向する側面上の2つのコア部は、互いに少なくともわずかに異なる形状を有することができる。しかし示されたフィルタ210では、コア212は中心軸224を中心に対称である。この実施形態では、第1及び第2の端部220、222は同じ幅228を有し、幅228は湾曲した中心部218の最大幅226より小さい。羽部230、232は、中心部216の幅226並びに第1及び第2の端部220、222の幅228より大きく示された幅227を有するが、幅228は、中心部216の幅226並びに/又は第1及び第2の端部220、222の幅228より小さいことが可能であることが理解される。
【0024】
コア212の中心部218の湾曲は、コア212の幅がコアの中心における幅226から第1及び第2の端部220、222における幅228に概して一定に先細であるように概して一定である。しかし中心部218の湾曲は、その代わりに湾曲の半径がコア212の長さにわたって変化するように変化することができることが理解される。いずれの場合も、端部220、222は概して平坦に示されており、端面は概してコアの長さに垂直であるが、端面は、湾曲した、傾斜した、などの、異なった構成であることが可能である。羽部230、232は、同一の大きさ及び形状である比較的薄く細長い部材として示されている。しかしこれらの羽部230、232は、その代わりに示されたのと異なる形状及び相対的大きさを有することができ、互いに異なる構成(例えば形状、大きさ、など)を有することができる。
【0025】
図6及び7は、中心コア212に対する支持構造の1つの例示的実施形態を示す。垂直及び水平に配置した支持構造の構成はかなり変化することができるが、構成はコアに十分な構造的一体性を提供するために選択されるべきである一方で、濾過中にコアを通して所望の流量が可能である。示された支持構造は、長手方向及び横方向の両方に延在し、所望の性能を提供する間隔を開ける。支持構造の相対数は、示されたより高い又は低いことが可能である。しかしいずれの構成でも、コア212の外周は、フィルタ材料214のプリーツ先端がそれに支持されることが可能な構造を提供する表面を有するべきである。
【0026】
この実施形態では、フィルタ材料214は、その内部先端がその長手方向に湾曲した表面に沿って中心コア212に隣接するように配置されるが、第1及び第2の端部220、222、又は羽部230、232に隣接して位置付けられた内部先端はない。すなわちこの実施形態におけるプリーツは、第1及び第2の端部220、222、又は羽部230、232からフィルタ210の外周境界216に向かって半径方向外方に延在しない。その代わりにフィルタ214は、示されたように羽部230、232のそれぞれの外部輪郭を概して辿る。
【0027】
次に図8を参照すると、円筒フィルタ310の別の実施形態の平面図が示されている。フィルタ310は、フィルタ310の高さの少なくとも一部に沿って延在する中心コア312を含む。フィルタ310は、中心コア312の周りに配置されたプリーツ加工したフィルタ材料314を更に含む。示されたように、フィルタ310は円316によって表された外周境界を有し、円316は、フィルタ高さの少なくとも一部に沿って延在する殻、フィルタ材料の一端若しくは両端におけるフィルタキャップ、及び/又は別の構造によって提供されてもよい。いずれの場合も、外周境界316は概して円形であり、新しい用途並びにこの大きさ及び形状のフィルタを利用する既存の用途に嵌合するように設計又は選択することができる。
【0028】
この実施形態では、中心コア312の端部又は頂部は、第1及び第2の端部320、322のそれぞれから延在する2つの延在部330、332に沿って、第1及び第2の端部320、322を備えた凸状に湾曲した中心部318を含む細長い形状を有する。コア312は中心長手方向軸324を中心としてもよく、又は軸324から少なくともわずかにずれてもよい。コア312は、更に、示されたように中心軸324を中心に対称であってもよく、又は軸324の対向する側面上の2つのコア部は、互いに少なくともわずかに異なる形状を有することができる。しかし示されたフィルタ310では、コア312は中心軸324を中心に対称である。この実施形態では、第1及び第2の端部320、322は同じ幅を有し、その幅は湾曲した中心部318の最大幅より小さい。延在部330、332は、それらの先端が中心部316の外部幅並びに第1及び第2の端部320、322の幅を超えて延在するような長さを有することができるが、先端は中心部316の幅並びに/又は第1及び第2の端部320、322の幅より小さい距離だけ延在することができることが理解される。
【0029】
コア312の中心部318の湾曲は、コア312の幅がコアの中心における幅から第1及び第2の端部320、322における幅に概して一定に先細であるように概して一定である。しかし中心部318の湾曲は、その代わりに湾曲の半径がコア312の長さにわたって変化するように変化することができることが理解される。延在部330、332は、同一の大きさ及び形状である比較的尖った部材として示されている。しかしこれらの延在部330、332は、その代わりに示されたのと異なる形状及び相対的大きさを有することができ、互いに異なる構成(例えば形状、大きさ、など)を有することができる。
【0030】
この実施形態では、フィルタ材料314は、その内部先端がその長手方向に湾曲した表面に沿って中心コア312に隣接するように配置されるが、第1及び第2の端部320、322、又は延在部330、332に隣接して位置付けられた内部先端はない。すなわちこの実施形態におけるプリーツは、第1及び第2の端部320、322の縁部から直接半径方向外方に、湾曲した中心部318の幅に概して垂直な方向に延在しない。その代わりに、延在部330、332の面積におけるプリーツは、延在部330、332の形状を概して包囲し、フィルタ310の外周境界316に向かって延在する。すなわちフィルタ材料314は、示されたように延在部330、332のそれぞれの外部輪郭を概して辿る。
【0031】
本明細書に示されて記載された中心コアの実施形態では、各コアは、その中心部の外部曲面によって少なくとも一部が画定される。この外部曲面は、円筒フィルタの外周境界の半径曲線より平坦な半径曲線を概して有する。このようにしてコアは、フィルタの外周境界の大きい湾曲に比べて形状がより「平坦」である。例えば中心コアは楕円形であることが可能である一方で、外周境界は、本発明のフィルタ要素の例示的実施形態に関して本明細書に記載されたように、円形又は円筒形であることが可能である。
【0032】
本発明の態様では、円筒フィルタ要素は、フィルタ要素の高さに沿って延在する中心長手方向軸と、フィルタ要素の高さの少なくとも一部に沿って延在するコア要素であって、コア要素は、コア要素の幅を画定するために第1の端部から第2の端部に延在する凸状に湾曲した中心部を含み、凸状に湾曲した中心部は、第1及び第2の端部の少なくとも一方の高さより大きい中心長手方向軸を通る最大高さを含む、コア要素と、コア要素の外周から半径方向に延在する複数のプリーツを含むフィルタ材料であって、フィルタ材料の円筒外周は、複数の半径方向に延在するプリーツのそれぞれの外部プリーツ先端によって画定され、半径方向に延在するプリーツのそれぞれの内部プリーツ先端はコア要素に隣接する、フィルタ材料とを含む。
【0033】
この円筒フィルタ要素では、任意の又は全ての以下の態様は、以下のこと、すなわちコア要素の第1及び第2の端部は同じ高さを有すること、少なくとも1つの内部プリーツ先端は、コア要素の中心部の第1及び第2の端部の一方に隣接すること、第1及び第2の端部の少なくとも一方に隣接した面積は、いかなる半径方向に延在するプリーツも含まないこと、コア要素は、第1及び第2の端部の少なくとも一方から延在する羽部を更に含み、羽部の少なくとも一方は、第1及び第2の端部の少なくとも一方の高さより大きい高さを含むこと、複数のプリーツのプリーツ深さは、各プリーツが第1の端部から中心長手方向軸の方向に深さが増加し、次いで中心長手方向軸に隣接したプリーツから第2の端部の方向に深さが低減するように、コア要素の幅にわたって変化すること、コア要素は中心長手方向軸を中心に対称又は非対称であること、コア要素は中心長手方向軸からずれること、並びに/又はコア要素の凸状に湾曲した中心部は、中心長手方向軸に隣接した面積から第1及び第2の端部の少なくとも一方に概して一定に先細であることを提供されてもよい。
【0034】
ここでは、本発明は、そのいくつかの実施形態を参照して記載されている。本明細書で同定されたあらゆる特許又は特許出願の全開示が参照により本明細書に組み込まれる。上記の詳述及び例は、理解しやすくするために与えられたに過ぎない。それらから不必要な限定が理解されるべきではない。本発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態に多くの変更を行うことができることが、当業者には明らかになろう。従って本発明の範囲は、本明細書に記載された構造ではなく、特許請求の範囲の文言及びそれらの構造の等価物によって記載された構造のみによって限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタ要素の高さに沿って延在する中心長手方向軸と、
前記フィルタ要素の高さの少なくとも一部に沿って延在するコア要素であって、前記コア要素は、前記コア要素の幅を画定するために第1の端部から第2の端部に延在する凸状に湾曲した中心部を含み、前記凸状に湾曲した中心部は、前記第1及び第2の端部の少なくとも一方の高さより大きい前記中心長手方向軸を通る最大高さを含む、コア要素と、
前記コア要素の外周から半径方向に延在する複数のプリーツを含むフィルタ材料であって、前記フィルタ材料の円筒外周は、前記複数の半径方向に延在するプリーツのそれぞれの外部プリーツ先端によって画定され、前記半径方向に延在するプリーツのそれぞれの内部プリーツ先端は、前記コア要素に隣接する、フィルタ材料とを含む、円筒フィルタ要素。
【請求項2】
前記コア要素の前記第1及び第2の端部は同じ高さを有する、請求項1に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項3】
少なくとも1つの内部プリーツ先端は、前記コア要素の前記中心部の前記第1及び第2の端部の一方に隣接する、請求項1に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項4】
前記第1及び第2の端部の少なくとも一方に隣接した面積は、いかなる半径方向に延在するプリーツも含まない、請求項1に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項5】
前記コア要素は、前記第1及び第2の端部の少なくとも一方から延在する羽部を更に含み、前記羽部の少なくとも一方は、前記第1及び第2の端部の少なくとも一方の高さより大きい高さを含む、請求項1に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項6】
前記複数のプリーツのプリーツ深さは、各プリーツが前記第1の端部から前記中心長手方向軸に向かって深さが増加し、次いで前記中心長手方向軸に隣接したプリーツから前記第2の端部に向かって深さが低減するように、前記コア要素の幅にわたって変化する、請求項1に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項7】
前記コア要素は、前記中心長手方向軸を中心に対称である、請求項1に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項8】
前記コア要素は、前記中心長手方向軸を中心に非対称である、請求項1に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項9】
前記コア要素は、前記中心長手方向軸からずれる、請求項1に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項10】
前記コア要素の前記凸状に湾曲した中心部は、前記中心長手方向軸に隣接した面積から前記第1及び第2の端部の少なくとも一方に概して一定に先細である、請求項1に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項11】
前記フィルタ要素の高さに沿って延在する中心長手方向軸と、
前記フィルタ要素の前記高さの少なくとも一部に沿って延在するコア要素であって、前記コア要素は、前記コア要素の幅の少なくとも一部に沿って第1の端部から第2の端部に延在する凸状に湾曲した中心部を含み、前記凸状に湾曲した中心部は、前記第1及び第2の端部の少なくとも一方の長さより大きい前記中心長手方向軸における、又は前記中心長手方向軸に概ね隣接した最大長さを含む、コア要素と、
前記コア要素の外周から半径方向に延在する複数のプリーツを含むフィルタ材料であって、前記フィルタ材料の円筒外周は、前記複数の半径方向に延在するプリーツのそれぞれの外部プリーツ先端によって画定され、前記半径方向に延在するプリーツのそれぞれの内部プリーツ先端は、前記コア要素に隣接する、フィルタ材料とを含む、円筒フィルタ要素。
【請求項12】
前記コア要素は、前記第1及び第2の端部の少なくとも一方から延在する少なくとも1つの非凸部を更に含む、請求項11に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項13】
前記コア要素は、前記第1の端部から延在する第1の非凸部、及び前記第2の端部から延在する第2の非凸部を更に含む、請求項11又は12に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項14】
前記コア要素の前記湾曲した中心部は、前記コア要素の幅の少なくとも一部にわたって変化する半径を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の円筒フィルタ要素。
【請求項15】
前記コア要素は、前記第1及び第2の端部の少なくとも一方から延在する少なくとも1つの延在部を更に含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の円筒フィルタ要素。
【国際調査報告】