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特表2022-534503外科用アクセスデバイスのためのアダプタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(54)【発明の名称】外科用アクセスデバイスのためのアダプタ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20220725BHJP
   A61B 90/10 20160101ALN20220725BHJP
【FI】
A61B17/34
A61B90/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570396
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 US2020034671
(87)【国際公開番号】W WO2020243156
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】62/855,409
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514085355
【氏名又は名称】ニコ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NICO Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】マーク,ジョセフ エル.
(72)【発明者】
【氏名】ドゥハティ,ブライアン シー.
(72)【発明者】
【氏名】カー,ジェイコブ,ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF42
4C160FF60
4C160MM32
(57)【要約】
外科用アクセスアセンブリとともに使用されるアダプタが開示されている。アダプタは、アダプタ本体および位置決め部材を含む。アダプタ本体は、遠位端と、遠位端の反対側の近位端とによって規定されている。位置決め部材は、アダプタ本体の遠位端から延びている。チャネルは、アダプタ本体を通って延び、近位端から遠位端に向かって延在している。
【選択図】図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用アクセスアセンブリとともに使用するためのアダプタであって、
アダプタ本体と、位置決め部材とを備え、
前記アダプタ本体が、遠位端と、前記遠位端の反対側の近位端とにより規定され、
前記位置決め部材が、前記アダプタ本体の遠位端から延び、
ナビゲーション要素を受け入れるように構成されたチャネルが、前記アダプタ本体を通って延び、前記近位端から前記遠位端に向かって延在していることを特徴とするアダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載のアダプタにおいて、
前記アダプタ本体が、ロック機構をさらに含むことを特徴とするアダプタ。
【請求項3】
請求項1に記載のアダプタにおいて、
前記チャネルが、着座部分を規定する閉じた遠位端で終端していることを特徴とするアダプタ。
【請求項4】
請求項3に記載のアダプタにおいて、
前記アダプタ本体が、前記着座部分に隣接する、前記チャネルへの視覚的アクセスを提供する窓をさらに含むことを特徴とするアダプタ。
【請求項5】
請求項3に記載のアダプタにおいて、
前記遠位端が内側に向かってテーパ状になっており、前記着座部分を規定していることを特徴とするアダプタ。
【請求項6】
請求項1に記載のアダプタにおいて、
前記アダプタ本体が、前記アダプタ本体の近位端に隣接して配置されたグリップ部分をさらに含むことを特徴とするアダプタ。
【請求項7】
請求項1に記載のアダプタにおいて、
前記位置決め部材が、第1の直径から第2の直径へと先細になる先端部材を含むことを特徴とするアダプタ。
【請求項8】
請求項1に記載のアダプタにおいて、
前記アダプタ本体の少なくとも一部が透明な材料で作られていることを特徴とするアダプタ。
【請求項9】
請求項1に記載のアダプタにおいて、
前記アダプタ本体が、前記位置決め部材の近位端を包囲する角度の付いた環状の面を含む係合部を有することを特徴とするアダプタ。
【請求項10】
外科用アクセスアセンブリのためのアダプタであって、
第1のアダプタケーシングと、
前記第1のアダプタケーシングと選択的に係合可能な第2のアダプタケーシングと、
前記第1および第2のアダプタケーシングと選択的に係合する取付片とを含み、
前記第1および第2のアダプタケーシングが協働して、ナビゲーション要素を受け入れるように構成されたチャネルを規定することを特徴とするアダプタ。
【請求項11】
請求項10に記載のアダプタにおいて、
前記第1のアダプタケーシングが、前記第1のアダプタケーシングの近位端と前記第1のアダプタケーシングの遠位端との間に規定された第1のナビゲーション溝を含み、
前記第2のアダプタケーシングが、前記第2のアダプタケーシングの近位端と前記第2のアダプタケーシングの遠位端との間に規定された第2のナビゲーション溝を含み、
前記第1および第2のナビゲーション溝が、前記チャネルを集合的に規定することを特徴とするアダプタ。
【請求項12】
請求項10に記載のアダプタにおいて、
前記取付片を前記第1および第2のアダプタケーシングに固定するために、前記取付片の一部が、前記第1のアダプタケーシングの内面の一部および前記第2のアダプタケーシングの内面の一部内に配置されていることを特徴とするアダプタ。
【請求項13】
請求項12に記載のアダプタにおいて、
前記第1のアダプタケーシングが、前記第1のアダプタケーシングの遠位端に隣接する係合チャネルを含み、前記第2のアダプタケーシングが、前記第2のアダプタケーシングの遠位端に隣接する係合チャネルを含み、前記取付片が、前記第1のアダプタケーシングの係合チャネルおよび前記第2のアダプタケーシングの係合チャネルに係合する固定部分を含むことを特徴とするアダプタ。
【請求項14】
請求項10に記載のアダプタにおいて、
前記第1のアダプタケーシングの係合面が、1または複数の第1の協働部材を規定し、前記第2のアダプタケーシングの係合面が、前記第1および第2のアダプタケーシングを互いに接続するために、前記第1のアダプタケーシングの内面の1または複数の第1の協働部材と係合するように構成された1または複数の第2の協働部材を含むことを特徴とするアダプタ。
【請求項15】
請求項10に記載のアダプタにおいて、
前記取付片が、窓をさらに含むことを特徴とするアダプタ。
【請求項16】
請求項15に記載のアダプタにおいて、
前記窓が、前記チャネルに向かって内向きに付勢されたバネ要素を含むことを特徴とするアダプタ。
【請求項17】
請求項10に記載のアダプタにおいて、
前記取付片が、前記取付片内に着座部分を含み、前記着座部分が、環状で、角度が付けられていることを特徴とするアダプタ。
【請求項18】
請求項10に記載のアダプタにおいて、
前記取付片が、前記取付片の遠位端から遠位方向に延びる位置決め部材を含むことを特徴とするアダプタ。
【請求項19】
請求項10に記載のアダプタにおいて、
前記第1のアダプタケーシングが、ロック機構を含むことを特徴とするアダプタ。
【請求項20】
請求項10に記載のアダプタにおいて、
前記第1および第2のアダプタケーシングが、取付部分にヒンジで結合されていることを特徴とするアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、外科用アクセスデバイスとともに使用するためのアダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、本開示に関連する背景情報を提供するものであって、必ずしも先行技術ではない。
【0003】
脳に影響を及ぼす疾患の診断および治療は、医療専門家が直面する最も困難で複雑な課題の一つである。脳は、複雑で繊細な柔らかい多成分組織構造体であり、脊髄を介して体の残りの部分に接続された複雑な神経ネットワークを介して体の機能を制御する。脳と脊髄は、頭蓋骨や背骨などの重要な骨構造の中に収められ、保護されている。硬い骨で保護された頭蓋骨を通して脳にアクセスすることの難しさと、音声、視覚、聴覚、機能的な移動性、推論、感情、呼吸などの機能および他の代謝機能などの人体の能力を規定する、脳内に含まれる神経コミュニケーションネットワークを形成する繊細なネットワークと複雑な相互作用を考慮すると、脳障害の診断と治療は、身体の他の場所では遭遇しない独特の課題を提示する。
【0004】
例えば、頭蓋内脳血腫(ICH)、膿瘍、膠芽腫(GB)、転移(mets)などの異常は、脳の実質内皮質下の空間(すなわち、白質)に現れるため、治療は勿論のこと、アクセスすることも特に困難である。脳の白質と大脳皮質には、繊維路および束と呼ばれる、皮質と皮質下の空間に位置するeloquentコミュニケーション構造(神経ネットワーク)が含まれる。このため、ICH、GBおよび/またはmetsの異常に到達することは、その疾患を放置するのと同じくらいダメージを与えると考えられ、従来は、ICH、GBおよび/またはmetsが「表面的」でないと判断されない限り、そのような疾患は手術できないと考えられてきた。同様に、脳の脳室内空間に現れる腫瘍、嚢胞および線維性膜成長などの組織異常は、脳内のその位置に起因して、安全にアクセスすることが難しく、手術できないと考えられることが多い。
【0005】
脳疾患の診断とその後の治療を支援するためには、頭蓋骨を通した脳組織の明確で正確な画像化が必要である。近年、定位X線撮影、コンピュータ断層撮影(CAT)、コンピュータ断層血管撮影(CTA)、陽電子放射断層撮影(PET)、磁気共鳴画像(MRI)、拡散テンソル画像(DTI)およびナビゲーションシステム(機器位置追跡システム)などの画像化技術が大幅に進歩している。これらの画像化デバイスや技術により、外科医は頭蓋骨を開くことなく非侵襲的に脳内の状態を観察することができ、また、血管、膜、腫瘍境界、脳神経、繊維路および束などの構造を含む、関心のある領域を取り巻く重要な構造のマップを提供することができる。1または複数の画像診断法および/または技術の使用によって異常が特定された場合、外科的介入が必要または望ましい場合がある。
【0006】
1または複数の画像化技術に基づいて行動方針が決定されると、外科的治療が必要または望まれる場合がある。脳内で外科的に手術を行うためには、頭蓋骨と、僅かな乱れや混乱によって悪影響を受ける可能性のある、異常の上や周囲にある血管、リンパ系および神経などの繊細なeloquent脳組織を介してアクセスする必要がある。このため、脳を手術する際には、それらのeloquent組織を乱さないように細心の注意を払い、介入による悪影響を防ぐ必要がある。
【0007】
従来、脳内のより深い空間に現れる異常にアクセスすることは、攪乱的な侵襲的アプローチを行う手術の必要性を意味していた。いくつかの例では、標的組織へのアクセスを得るために、頭蓋骨のかなりの部分が取り除かれ、上にある脳のセクション全体が後退されてアクセスが得られる。例えば、外科的な脳開創器は、繊細な脳組織を引き離したり、広げたりするために使用され、それにより一過性および/または永続的な障害が生じる可能性がある。場合によっては、脳開創器の使用により、「退縮損傷」と呼ばれる合併症が発生することもある。当然のことながら、そのような技術はすべての状況に適しているわけではなく、すべての患者がこのような侵襲的な技術に耐えて回復できるわけではない。
【0008】
穿頭術によって脳の特定の部分にアクセスすることも知られているが、そのような小さな開口部からは限られた外科技術しか実行することができない。さらに、鼻腔を通って入り、骨にアクセス穴を開けて、例えば下垂体の領域にある頭蓋骨ベースの腫瘍を除去する技術も開発されている。それらのアプローチは、拡張鼻腔内アプローチ(EEA)と呼ばれている。
【0009】
脳手術における重要な進歩は、定位X線画像およびMRIに関連付けられた定位フレームを含む定位手術であり、頭蓋骨に形成された開口部を通って脳組織を介して標的病変または他の身体にナビゲーションシステムプローブまたは他の手術器具を誘導するものである。関連する進歩は、フレームレス画像ガイダンスであり、手術器具の画像を術前画像に重ね合わせて、器具の位置を外科医に示し、プローブまたは器具の更なる移動の軌跡を示すものである。
【0010】
外科用アクセスシステムを用いて、脳の特定の部分にアクセスすることが知られている。脳の特定の部分にアクセスするために使用される外科用アクセスシステムの一例は、その内容が全体として引用により援用される共有の同時係属中の米国特許出願第2016/0128722号に見出すことができる。ナビゲーション部材は、オブチュレータとスライド可能に係合することにより、オブチュレータとともに使用することができる。
【0011】
外科用アクセスシステムで生じる1つの問題は、様々な既知のナビゲーション装置およびシステムとの適合性である。例えば、いくつかのナビゲーションシステムプローブは、サイズが異なり、既存のオブチュレータと直接係合することができないため、適合性がない場合がある。より具体的には、特定のナビゲーションシステムプローブは、幅が広過ぎるため、オブチュレータに変更を加えることなくオブチュレータ内に取り付けることができない。あるいは、ナビゲーションシステムのプローブが細過ぎて、オブチュレータ内に適切に取り付けることができない場合がある。さらに、ナビゲーションシステム、特に電磁信号を利用するナビゲーションシステム(例えば、Medtronic社製のAxiEMシステム)によって生成される信号を妨害または遮断する可能性のある、オブチュレータが構築される材料に起因して、非適合性が生じる場合もある。外科用ナビゲーションの上記進歩にもかかわらず、脳組織を手術するための外科的技術および装置の改善が依然として必要とされており、それには複数の適合性を持つナビゲーションシステムの提供も含まれる。
【発明の概要】
【0012】
このセクションは、本開示の概要を提供するものであって、その全範囲またはその特徴のすべてを包括的に開示するものではない。本開示の態様は、以下の任意の特徴のうちの1または複数を含むことができる。
【0013】
本開示の一態様は、外科用アクセスアセンブリとともに使用するためのアダプタを提供する。アダプタは、アダプタ本体と、位置決め部材とを備える。アダプタ本体は、遠位端と、遠位端の反対側の近位端とによって規定されている。位置決め部材は、アダプタ本体の遠位端から延びている。チャネルは、アダプタ本体を通って延び、近位端から遠位端に向かって延在している。
【0014】
ある例示的な構成では、アダプタ本体が、移動に対してナビゲーション要素をアダプタに固定するためのロック機構をさらに備える。
【0015】
ある例示的な構成では、チャネルが、着座部分を規定する閉じた遠位端で終端する。遠位端は、着座部分を規定するために内側に向かってテーパ状になっている。チャネルへの視覚的アクセスを提供するために、着座部分に隣接する窓を設けることができる。
【0016】
ある例示的な構成では、アダプタ本体が、アダプタ本体の近位端に隣接して配置されたグリップ部分をさらに含む。
【0017】
ある例示的な構成では、アダプタ本体が、位置決め部材の近位端を包囲する角度の付いた環状の面を含む係合部を含む。
【0018】
本開示の別の態様では、第1のアダプタケーシングと、第2のアダプタケーシングと、取付片とを備える外科用アクセスアセンブリのためのアダプタを提供する。第1および第2のアダプタケーシングは、互いに選択的に係合可能である。第1および第2のアダプタケーシングは、協働して、ナビゲーション要素を受け入れるように構成されたチャネルを規定する。取付片は、第1および第2のアダプタケーシングと選択的に係合する。
【0019】
ある例示的な構成では、第1のアダプタケーシングが、第1のアダプタケーシングの近位端と第1のアダプタケーシングの遠位端との間に規定された第1のナビゲーション溝を含み、第2のアダプタケーシングが、第2のアダプタケーシングの近位端と第2のアダプタケーシングの遠位端との間に規定された第2のナビゲーション溝を含み、第1および第2のナビゲーション溝が、チャネルを集合的に規定している。
【0020】
ある例示的な構成では、取付片を第1および第2のアダプタケーシングに固定するために、取付片の一部が、第1のアダプタケーシングの内面の一部および第2のアダプタケーシングの内面の一部内に配置される。
【0021】
ある例示的な構成では、第1のアダプタケーシングが、第1のアダプタケーシングの遠位端に隣接する係合チャネルを含み、第2のアダプタケーシングが、第2のアダプタケーシングの遠位端に隣接する係合チャネルを含み、取付片が、第1のアダプタケーシングの係合チャネルおよび第2のアダプタケーシングの係合チャネルと係合する固定部分を含む。
【0022】
ある例示的な構成では、第1のアダプタケーシングの係合面が、1または複数の第1の協働部材を規定し、第2のアダプタケーシングの係合面が、第1および第2のアダプタケーシングを互いに接続するために、第1のアダプタケーシングの内面の1または複数の第1の協働部材と係合するように構成された1または複数の第2の協働部材を含む。
【0023】
ある例示的な構成では、取付片が窓をさらに含む。窓は、チャネルに向かって内向きに付勢されたバネ要素をさらに含むことができる。
【0024】
ある例示的な構成では、第1および第2のアダプタケーシングが、取付部分にヒンジ接続されている。
【0025】
適用可能な更なる領域は、本明細書で提供される説明から明らかになるであろう。この概要における説明および特定の例は、説明のみを目的としており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
ここに記載の図面は、選択された構成の説明のみを目的としており、すべての可能性のある態様ではなく、また、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0027】
図1図1Aは、ナビゲーションアダプタに組み付けられた例示的な外科用アクセスアセンブリの一部の斜視図である。図1Bは、アダプタとともに使用するためのオブチュレータの平面図である。
図2図2Aは、図1のアダプタの正面図である。図2Bは、図1のアダプタの側面図である。
図3図3Aは、図2Bの線分3A-3Aに沿った図1のアダプタの断面図、および例示的なナビゲーション要素の分解図である。図3Bは、図3Aの領域3Bの拡大図である。
図4図4Aは、図1のアダプタの上面図である。図4Bは、図1のアダプタの底面図である。
図5図5は、例示的なナビゲーションアダプタと組み合わせられた例示的な外科用アクセスアセンブリの斜視図である。
図6図6は、アダプタを通って延びる中心線に沿った、図5のアダプタの断面図である。
図7図7は、図5のアダプタの分解図である。
図8図8は、更なる例示的なナビゲーションアダプタおよびナビゲーション要素の部分的に分解された断面図である。
図9図9は、図8のアダプタの側面図である。
図10図10は、組み立てられた図8のアダプタおよびナビゲーション要素の正面断面図である。
図11図11は、オブチュレータに組み付けられた図8のアダプタおよびナビゲーション要素の正面断面図である。
図12図12は、図11の領域12の拡大領域12である。
図13図13は、互いに組み合わせられたアダプタおよびナビゲーション要素の部分的な正面断面図である。
図14図14は、オブチュレータに組み付けられた図12のアダプタおよびナビゲーション要素の正面図である。
図15図15は、ナビゲーションアダプタのさらに例示的な構成の斜視図である。
【0028】
図面全体において、対応する符号は、対応する部分を示している。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、以下の説明と、図面も参照して、開示のアセンブリの例示的なアプローチを詳細に示す。図面はいくつかの可能性のあるアプローチを示しているが、図面は必ずしも縮尺通りではなく、本開示をよりよく例示および説明するために、特定の特徴を誇張、削除、または部分的に断面化する場合がある。さらに、本明細書に記載の説明は、網羅的であること、あるいは図面に示され、以下の詳細な説明で開示される正確な形態および構成に特許請求の範囲を限定または制限することを意図するものではない。
【0030】
本明細書には、外科用アクセスアセンブリのためのアダプタおよびそれに使用するための様々なコンポーネントが記載されている。本明細書に開示のコンポーネントは、例えば頭蓋内外科技術中に、効率的で改善された低侵襲外科技術を提供しつつ、患者への外傷を最小限に抑えることができる改善された能力を外科医に提供する。
【0031】
図1Aを参照すると、外科用アクセスシステムのオブチュレータ104に取り付けられたナビゲーションアダプタ102を含む医療用アクセスアセンブリ100の斜視図が示されている。ナビゲーション要素105は、外科用アクセスシステムのオブチュレータ104とともに使用するためにアダプタ102と選択的に係合可能である。使用時には、オブチュレータ104は、患者の関心領域へのアクセスを提供するために、外側シース(図示省略)と選択的にスライド可能に係合する。例示的な外科用アクセスシステムの一例は、共有の同時係属中の米国特許出願第2016/0128722号に見出すことができ、その内容は引用によりその全体が援用されるものとする。ある例示的な構成では、ナビゲーション要素105(図3に最もよく見られる)が、近位端107、本体部分109および遠位端111によって規定されている。ナビゲーション要素105がアダプタ102内に配置されると、本体部分109は、軸A-Aに沿って、アダプタ近位端106を超えて延びる。近位端107がアダプタ近位端106よりも近位側に延在することにより、ナビゲーション要素105は、ナビゲーションシステム(図示省略)に選択的に接続することができる。いくつかの態様では、ナビゲーション要素105が、先細の遠位先端103を有するナビゲーションプローブである。さらに、ナビゲーション要素105は、Oリング(図示省略)などのシール要素を受け入れることができる環状ノッチ101を含むことができる。
【0032】
ナビゲーション要素105がアダプタ104に組み付けられると、本体部分109が軸A-Aを中心に延びる。以下でさらに詳細に説明されるように、アダプタ102は、ナビゲーション要素105がオブチュレータ104との適合性がない場合、あるいは動作可能に係合できない場合であっても、ナビゲーション要素105をオブチュレータ104とともに使用することを可能にする。以下でさらに詳細に説明されるように、オブチュレータ104の近位端面113と遠位先端115との間のオフセットXは、既知のパラメータである。アダプタ102は、オブチュレータ105の近位端面113と同じ平面上にナビゲーション要素105の遠位端111を配置するように構成されているため、ナビゲーションシステムは、遠位端111の位置に既知のオフセットXを考慮に入れることによって、オブチュレータ105の遠位先端115の位置を計算することができる。
【0033】
図2Aおよび図2Bを参照して、アダプタ102の詳細をさらに説明する。アダプタ102は、アダプタ本体117と、位置決め部材112とによって規定されている。アダプタ本体117は、近位端106および遠位端108によってさらに規定されている。ある例示的な構成では、ハンドル部分110が近位端106に配置されている。位置決め部材112は、アダプタ本体117の遠位端108から、ほぼ軸B-Bに沿って延びている。位置決め部材112は、長さL(図2B)によって規定され、さらに、先端部材114を含む。ある例示的な構成では、先端部材114が、位置決め部材112の本体部116からアダプタ遠位先端119に向かって細くなるように構成されている。丸みを帯びた遠位先端のような他の先端部材114の構成も考えられる。いくつかの態様では、アダプタ本体117および位置決め部材112が、単一体として一体的に成形される。他の態様では、アダプタ本体117および位置決め部材112が、互いに選択的に係合する。ハンドル部分110は、軸B-Bから外向きに延びるグリップ部分118によってさらに規定されるものであってもよい。ある例示的な構成では、グリップ部分118が、軸B-Bに対してほぼ垂直になるように構成されている。いくつかの態様では、アダプタ102が、以下でより詳細に説明するロック機構120をさらに含むことができる。図2Aおよび図2Bは、グリップ部分118に配置されたロック機構120を示しているが、ロック機構120は、ハンドル部分110のどこにでも配置できることに留意されたい。
【0034】
図2Aに最もよく見られるように、アダプタ本体117は、ハンドル部分110よりも遠位側に配置された係合部121をさらに含む。図3Aおよび図3Bに最もよく見られるように、係合部121は、位置決め部材112の近位端131を取り囲む角度の付いた環状の面123を含む。角度の付いた面123は、オブチュレータ104の上面129に形成された近位開口部127の周りに配置された環状面取り125と摩擦係合するように構成されている(図1Aおよび図3Bを参照)。角度の付いた面123は、位置決め部材112の中心軸に向かって内向きに角度が付いている。
【0035】
ハンドル部分110は、近位端106と係合部121との間に配置された弧状部122を含むことができる。弧状部122は、有利には、医師がアダプタ102を快適に保持することを可能にし、それにより医師の疲労を軽減し、アダプタ102を手術野で操作し易くすることができる。
【0036】
引き続き図2図4を参照すると、ハンドル部分110は、軸方向のチャネル124を含む。チャネル124は、近位端106に位置する開口部134から、軸B-Bに沿って延びるが、位置決め部材112よりも近位側で終端となる。チャネル124内にナビゲーション要素105を誘導するのを補助するために、開口部134の周りに内側に延びる面取り144を配置することができる。チャネル124は、その中にナビゲーション要素105を受け入れるようにサイズが設定されている。様々なアダプタ102が、既知のサイズのナビゲーション要素105をその中に挿入することを可能にする予め設定された直径を有するサイズのチャネル124を備えることができることが企図されている。代替的には、チャネル124の直径がナビゲーション要素105の直径よりも著しく大きい構成の場合に、チャネル124内に受け入れられる外径を有し、ナビゲーション要素105をぴったりと受け入れる内径を有する任意選択的なサイズ調整スリーブ(図示省略)を設けることもできる。更なるオプションとして、ナビゲーション部材105は、本体部分109の外面に形成された環状ノッチ101を備えることができ、この環状ノッチ101は、ナビゲーション要素105をチャネル124内に摩擦保持するために、その中にOリングまたはバネクリップを受け入れることができる。
【0037】
チャネル124の遠位端133には、着座部分126が配置されている。ある例示的な構成では、着座部分126が、環状の内向きの面135によって規定されている。内向きの面135は、ナビゲーション要素がアダプタ102内に挿入されたときに、ナビゲーション要素105を自ら方向付けして、中央に配置する役割を果たす。着座部分126の他の構成、例えば、さねはぎの構成も考えられる。
【0038】
また、ハンドル部分110は、少なくとも1の窓128を規定することができる。窓128は、アダプタ102内に配置されたときに、ユーザがナビゲーション要素105(図1)の配置を視覚的に確認することを可能にする。窓128は、アダプタ102の重量を減らす役割も果たし、それによりアダプタ102が手術野で操作し易くなる。また、アダプタ102の重量を減らすことにより、外科手術中の医師の疲労が軽減される。
【0039】
例示的な構成では、少なくとも1の窓128aを、位置決め部材112に隣接して配置することができ、それによりナビゲーション要素105が着座部分126に適切に接触していることをユーザが視覚的に確認することができる。図2Aに示すように、窓128aは、グリップ部分118の幅に対してアダプタ102の「前」が最も広くなるような、正面向きの窓であってもよい。追加的または代替的には、例示的な構成において、ナビゲーション要素105が軸B-Bに沿って配置されていることを視覚的に確認するために、窓128bがグリップ部分118に隣接して配置されるものであってもよい。図2Bに示すように、窓128bは、グリップ部分118の幅に対してアダプタの「側面」が最も狭くなるような、側面を向く窓であってもよい。正面向きの窓128aおよび側面向きの窓128bの両方を有するアダプタ102は、ユーザが2つの異なる角度からナビゲーション要素105を見ることによってナビゲーション要素105(図1)の適切な配置を確実にすることを可能にする上で有利であり得る。いくつかの態様では、アダプタ102の少なくとも一部を透明な材料で作ることができ、その場合も、アダプタ102の内部にあるときに、ユーザがナビゲーション要素105の配置を視覚的に確認することができる。
【0040】
図3A図4Bを参照すると、いくつかの態様では、アダプタ102のロック機構120が、ナビゲーション要素105(図3)をアダプタ102に動作可能に固定することができる。より具体的には、ある例示的な構成では、グリップ部分118(またはアダプタ102の他の部分)が、ロック部材139を受け入れるように構成された受入開口137を備える。ある例示的な構成では、受入開口137がねじ切りされている。受入開口137は、チャネル124と連通している。保持チャネル141は、受入開口137に対して概ね垂直に延びている。ロック部材139は、縮径部140を含む。ロック部材139が少なくとも部分的に受入開口137内に係合された後、保持部材143が、縮径部140に隣接して位置するように保持チャネル141内に配置される。操作中に、保持部材143が保持開口137内に挿入されると、作動部材142が回転され、保持部材143がチャネル124に向けて移動されて、ナビゲーション要素105と係合し、それにより、ナビゲーション要素105がアダプタ102内に固定される。保持部材143は、ロック機構120がアダプタ102から完全に外れて手術野に入ることを防止し、特に、ロック機構120が手術野で露出した体組織に接触することを防止する。
【0041】
図3Bに示すように、オブチュレータ104は、ロック機構120に類似したロック機構150を備えることもできる。
【0042】
操作中、ナビゲーション要素105は、遠位先端103が着座部分126に係合するまで、開口部134を通ってチャネル124内に挿入される。ユーザは、窓128を通して見ることにより、アクチュエータ102内にある間、ナビゲーション要素105を見ることができる。適切な位置が確認されると、可能であれば、ロック機構120が作動されて、ナビゲーション要素105がアクチュエータ102内の定位置に固定される。
【0043】
ナビゲーション要素105がアクチュエータ102に固定されると、アダプタ102がオブチュレータ104に結合される。より具体的には、位置決め部材112が、オブチュレータ104の近位開口部127内に挿入される。位置決め部材112は細長いため、位置決め部材112の一部が、オブチュレータ104内に配置され、図1に示すように、オブチュレータ104の上面から近位側に延びることになる。係合部121の角度の付いた環状の面123は、環状面取り125に相補的に係合する。位置決めされると、ロック機構150が作動されて、位置決め部材112がオブチュレータ104にロックされる。上述したように、そのように組み立てられると、着座部分126は、ナビゲーション要素105の遠位先端103をオブチュレータ104の上面129と整合するように位置決めする役割を果たす。ナビゲーション要素105の近位端107は、ナビゲーションシステムに固定される。したがって、オブチュレータ104が外科用アクセスアセンブリの外側シースに組み付けられるとき、オブチュレータ104の上面129と遠位先端115との間のオフセットXが既知の予め設定された長さであるため、オフセットXとナビゲーション要素105の遠位先端103の位置とを相関させることによってナビゲーション要素105の遠位先端103が既知となることにより、外科用アクセスアセンブリの使用中に遠位先端115の位置を特定することができる。
【0044】
ここで図5図7を参照すると、外科用アクセスアセンブリのオブチュレータ104に取り付けられた代替的なアダプタ202を含む医療用アクセスアセンブリ200の斜視図が示されている。アダプタ102と同様に、アダプタ202は、外科用アクセスシステムのオブチュレータ104と選択的に係合して、異なるサイズのナビゲーション要素105をオブチュレータ104と一緒に使用できるように構成されている。ある例示的な構成では、アダプタ202が、第1のアダプタケーシング204、第2のアダプタケーシング206および取付片208を備える。第1および第2のアダプタケーシング204、206はそれぞれ、近位端210および遠位端212によって規定されている。いくつかの態様では、第1のアダプタケーシング204、第2のアダプタケーシング206および取付片208のうちの少なくとも1つが、ロック機構120(図5に最もよく見られる)を含むことができる。
【0045】
次に図7を参照すると、第1のアダプタケーシング204は、軸D-Dの周りに部分的に延びており、近位端210aおよび遠位端212aによって規定されている。ある例示的な構成では、第1のアダプタケーシング204が、ほぼU字型の断面を有する。第1のアダプタケーシング204は、第1のアダプタケーシング204の内面222aの近位端210aと遠位端212aとの間に規定されたナビゲーションチャネル214aを含む。
【0046】
第1のアダプタケーシング204は、第1のアダプタケーシング204の少なくとも1の係合面226a上に配置された少なくとも1の第1の協働部材224を含むことができる。ある例示的な構成では、少なくとも1の第1の協働部材224が、デテントとして構成され、増厚端部225を有することができる。図7に示すように、ある例示的な構成では、第1のアダプタケーシング204が、第1のアダプタケーシング204の近位端210aに隣接して配置された2つの第1の協働部材224と、チャネル214aの反対側に配置された、第1のアダプタケーシング204の遠位端212aに隣接して配置された2つの第1の協働部材224とを有する。しかしながら、少なくとも1の第1の協働部材224は、少なくとも1の係合面226a上の任意の位置に配置できることに留意されたい。
【0047】
第1のアダプタケーシング204は、取付片208を第1のアダプタケーシング204に接続するための機構も含む。ある例示的な構成(図7に示す構成)では、遠位端212aに隣接して配置された係合チャネル228aが設けられている。係合チャネル228aは、第1のアダプタケーシング204の内面222aから内向きに延びる。以下でさらに詳細に説明されるように、係合チャネル228aは、取付片208の固定部分234と協働して、取付片208を第1および第2のアダプタケーシング204、206に固定する。
【0048】
引き続き図7を参照すると、第2のアダプタケーシング206は、軸E-Eの周りに部分的に延びており、近位端210bおよび遠位端212bによって規定されている。ある例示的な構成では、第2のアダプタケーシング206が、ほぼU字型の断面を有する。第2のアダプタケーシング206は、第2のアダプタケーシング206の内面222bの近位端210bと遠位端212aとの間に規定されたナビゲーション溝214bを含む。ある例示的な構成では、第2のアダプタケーシング206が、概して第1のアダプタケーシング204の鏡像である。
【0049】
第2のアダプタケーシング206は、第2のアダプタケーシング206の少なくとも1の係合面226bに配置された少なくとも1の第2の協働部材230を含むことができる。少なくとも1の第2の協働部材230は、相補的に第1の協働部材224との係合を可能にするように構成された窪みであってもよい。さらに、係合タブ232を、第2の協働部材230の窪みのエッジに隣接して、第2の協働部材230の窪み内に配置することができる。この構成により、第1の協働部材224の増厚端部が係合タブ232の周りにスナップフィットすることができ、それにより第1および第2のアダプタケーシング204、206を一緒にロックするのを補助することができる。図7に示すように、第2のアダプタケーシング206は、第2のアダプタケーシング206の近位端210bに隣接して配置された2つの第2の協働部材230と、第2のアダプタケーシング206の遠位端212bに隣接して配置された2つの第2の協働部材230とを有し、それらが、ナビゲーション溝214bの両側に配置され、第1のアダプタケーシング204aの第1の協働部材224の位置にほぼ対応している。しかしながら、少なくとも1の第2の協働部材230は、少なくとも1の係合面226bの任意の位置に配置できることに留意されたい。
【0050】
また、図7には、4つの第1の協働部材224を含む第1のアダプタケーシング204と、4つの第2の協働部材230を含む第2のアダプタケーシング206とが示されているが、第1のアダプタケーシング204は、複数の任意の数の第1の協働部材224を有することができ、第2のアダプタケーシング206は、第1のアダプタケーシング204が有する第1の協働部材224の数と同じかそれよりも多い任意の数の第2の協働部材230を有することができることにも留意されたい。さらに、第1アダプタケーシング204は、少なくとも1の第1の協働部材224に加えて、少なくとも1の第2の協働部材230を有することができる。同様に、第2アダプタケーシング206は、少なくとも1の第2の協働部材230に加えて、少なくとも1の第1の協働部材224を有することができる。なお、第1のアダプタケーシング204を第2のアダプタケーシング206に固定するために、他の係合機構を使用できることに留意されたい。
【0051】
第2のアダプタケーシング206は、取付片208を第2のアダプタケーシング204に接続するための機構も含む。ある例示的な構成(図7に示す構成)では、第2のアダプタケーシング204が、遠位端212bに隣接して配置された係合チャネル228bを含む。係合チャネル228bは、第2のアダプタケーシング206の内面222bから内向きに延びる。係合チャネル228aと同様に、係合チャネル228bは、取付片208の固定部分234と協働して、取付片208を第1および第2のアダプタケーシング204、206に固定する。なお、取付片208を第1および第2のアダプタケーシング204、206に固定するために、他の係合機構を用いることもできる。
【0052】
引き続き図7を参照すると、取付片208は、近位端218および遠位端220によって規定され、軸E-Eの周りに延びている。取付片208の遠位端220は、角度の付いた環状の面233(図6に最もよく見られる)を含む。角度の付いた面233は、取付片208の外径から位置決め部材236に向かって先細となり、位置決め部材は、遠位端220から延びている。アダプタ102と同様に、角度の付いた面233は、取付片208をオブチュレータ104内に固定するために、面取り125と相補的になるように構成されている。
【0053】
取付片208の近位端218の近位面235には、固定部分234が取り付けられている。固定部分234は、組み立てられたアダプタ202(図5)を形成するために、第1および第2のアダプタケーシング204、206の係合チャネル228a、228bと係合するように構成されている。図6を参照すると、固定部分234は、フランジ部材237によって規定されて、このフランジ部材237は、近位面235との間に環状溝239が形成されるように近位面235から間隔を空けて配置されている。フランジ部材237は、取付片208の直径よりも小さい直径を有している。
【0054】
ストッパ部分244は、フランジ部材237から外向きに延びるものであってもよい。ストッパ部分244は、係合チャネル228a、228b内で、第1および第2のアダプタケーシング204、206のいずれかに形成された相補的なキーホール(図示省略)に受け入れられて、組み立てられた第1および第2のアダプタケーシング204、206に対する取付片208の回転を防止することができる。
【0055】
取付開口部238は、固定部分234を貫通して形成されている。取付開口部238は、取付片チャネル240と連通している。取付片チャネル240は、その中にナビゲーション要素105(図5)を収容するために予め設定されたサイズで構成することができる。取付片チャネル240は、閉じた遠位端で終端となる。閉じた遠位端は、アダプタ102に関連して上述した着座部分126と同様に、ナビゲーション要素105の遠位先端103を受け入れる着座部分216を規定するように、内側に向かってテーパ状に構成することができる。より具体的には、着座部分126と同様に、着座部分216は、ナビゲーション要素105が着座部分216に接触したときに、ナビゲーション要素105がオブチュレータ104の上面と整列してアダプタ202内に適切に配置されるように、環状に、角度を付けることができる。
【0056】
アダプタ202を組み立てるために、フランジ部材237が係合チャネル228a、228b内に挿入され、ストッパ要素がキーホール内に配置される。同時に、第1のアダプタケーシング204の少なくとも1の第1の協働部材224が、第2のアダプタケーシング206の少なくとも1の第2の協働部材230と係合するように、第1および第2のケーシング204、206が互いに係合される。この係合は、第1および第2のアダプタケーシング204、206を互いに協働する形でロックし、それによりフランジ部材237を第1および第2のケーシング204、206内に閉じ込めるようなスナップフィット構成であってもよい。第1のアダプタケーシング204が第2のアダプタケーシング206と組み合わされると、ナビゲーションチャネル214a、214bが結合して、取付片チャネル240(図6)と連通するナビゲーションチャネル214が形成され、連続チャネルが形成される。連続チャネルは、アダプタ202がオブチュレータ104に組み付けられると、オブチュレータの近位開口部127と連通する。
【0057】
組み付けられると、ナビゲーション要素105は、遠位先端103が着座部分216に向けられるように、結合されたナビゲーションチャネル214/取付片チャネル240内に配置され得る。配置されると、ロック機構120が作動されて、ナビゲーション要素105がアダプタ202内にロックされる。
【0058】
いくつかの態様では、第1および第2のアダプタケーシング204、206のうちの少なくとも一方に窓203aを配置することができる。窓203aは、組み立てられた第1および第2のアダプタケーシング204、206の近位端210と遠位端212との間において、軸C-Cの周りに部分的に延びることができる。代替的または追加的には、窓203bを取付片208に配置することができ、それによりナビゲーション要素105が着座部分216(図5)と適切に接触していることをユーザが視覚的に確認することができる。いくつかの態様では、窓203bが、窓203aから90度オフセットするようにしてもよい。窓128と同様に、窓203a、203bは、ナビゲーション要素がアダプタ202の内部にあるときに、ユーザがナビゲーション要素105の配置を視覚的に確認することを可能にする。さらに、窓203a、203bは、アダプタ202の重量を減らす役割を果たし、それによりアダプタ202を手術野で操作し易くする。アダプタ202の重量を減らすことにより、外科手術中の医師の疲労も軽減することができる。両方の窓203a、203bを有するアダプタ202は、ユーザが2つの異なる角度からナビゲーション要素105を見ることによって、ナビゲーション要素105の適切な配置を確実にすることを可能にする上で有利であり得る。いくつかの態様では、第1のアダプタケーシング204、第2のアダプタケーシング206および取付片208のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を透明な材料で作ることができ、その場合も、ナビゲーション要素がアダプタ202の内部にあるときにユーザがナビゲーション要素105の配置を視覚的に確認することができる。
【0059】
組み立てられると、ナビゲーションチャネル214は、軸C-Cに沿って延び、第1の直径D1を規定することができる。また、ナビゲーション要素105は、D1よりも小さい第2の直径D2を有することができ、それによりナビゲーション要素105がナビゲーションチャネル214内にスライド可能に受け入れられる。
【0060】
ナビゲーション要素105がアダプタ202内に配置されると、ナビゲーション要素105は、第1および第2のアダプタケーシング204、206の近位端210を超えて、アダプタ202から離れる方向に延びる。これにより、ナビゲーション要素105がアダプタ202内に配置されている間に、ナビゲーション要素105をナビゲーションシステム(図示省略)に接続することができる。さらに、アダプタ202と組み合わせられたとき、ナビゲーション要素105は、第1および第2のアダプタケーシング204、206の遠位端近位端210を超えて、取付片208内に延び、ナビゲーション要素105が着座部分216に係合することができる。
【0061】
ナビゲーション要素105がアクチュエータ202に固定されると、アダプタ202がオブチュレータ104に接合される。より具体的には、位置決め部材236が、オブチュレータ104の近位開口部127内に挿入される。位置決め部材236は細長いため、位置決め部材236の一部は、オブチュレータ104の上面から間隔を空けてオブチュレータ104内で遠位側に配置され、それにより、図5に示すように、係合の安定性を提供することができる。取付片208の角度の付いた環状の面233は、オブチュレータ104の環状面取り125に相補的に係合する。配置されると、上述したように、ロック機構150が作動されて、位置決め部材236がオブチュレータ104にロックされる。さらに、そのように組み立てられると、着座部分216は、ナビゲーション要素105の遠位先端103をオブチュレータ104の上面129と整列するように位置決めする役割を果たす。ナビゲーション要素105の近位端107は、ナビゲーションシステムに固定される。したがって、オブチュレータ104が外科用アクセスアセンブリの外側シース104に組み付けられるとき、オブチュレータ104の上面129と遠位先端115との間のオフセットXが予め規定された長さであるため、オフセットXとナビゲーション要素105の遠位先端103の位置とを相関させることによってナビゲーション要素105の遠位先端103が既知となることにより、外科用アクセスアセンブリの使用中に遠位先端115の位置を特定することができる。
【0062】
図8図12を参照して、アダプタ302の更なる代替的な構成を説明する。アダプタ302は、概して、ハンドル318、アダプタ本体317、位置決め部材312および着座部分326を含む、アダプタ102に関連して説明したものと同様の要素を含む。アダプタ102の説明と同様の要素には、200ずつ増えた同様の符号が付けられている。着座部分326は、オブチュレータ104の上面129と整列するように配置されており、遠位先端319が着座部分326内に入れ子とされたときに、遠位先端319が上述したようにオブチュレータ104の上面129と整列するように配置される。
【0063】
アダプタ102に関連して上述したのと同様に、アダプタ302は、ナビゲーション要素305を選択的に受け入れるように構成されている。ナビゲーション要素305は、近位端307、本体部分309および遠位端311によって規定されている。遠位端311は、本体部分309から内側に向かって先細になり、遠位先端319で終端するように構成されている。遠位端311内には、電磁コイル313が配置されている。しかしながら、電磁コイル313は、ナビゲーション要素305の遠位先端319から僅かに間隔を置いて配置されている。このため、図12に最もよく見られるように、ナビゲーション要素305が着座部分326内に載置されているとき、電磁コイル313は、オブチュレータ104の上面129よりも僅かに上に配置されている。この配置により、オブチュレータの材料とナビゲーション要素305の電磁コイル313からの信号との間の干渉を回避することができる。
【0064】
図13および図14を参照すると、アダプタ400の更なる代替的な構成が示されている。アダプタ400は、アダプタ202と同様である。アダプタ202の説明と同様の要素には、200ずつ増えた同様の符号が与えられている。アダプタ202は、更なる代替案として、チャネル214のサイズとナビゲーション要素105/305の外径との協働および/またはロック機構120の使用を介して、ナビゲーション要素105/305がチャネル214内に保持されることを提供するが、チャネル部分214a、214bの内面を圧縮可能な材料で形成して、ナビゲーション要素105をさらに摩擦保持し、それによってチャネル214とナビゲーション要素105との間の製造公差を緩和することができる。
【0065】
さらに別の例示的な構成として、窓403aが、バネ要素401を備えることができる。バネ要素401は、第1の端部405と自由端407とを含む。第1の端部405は、窓403aの近位端に固定され、自由端405は、チャネル414内に侵入するように付勢されている。ナビゲーション要素105/305がチャネル414内に配置されると、各バネ要素401の自由端405が、ナビゲーション要素105/305の外面と摩擦係合し、それによりナビゲーション要素105/305をチャネル414内に保持する。
【0066】
図15を参照すると、外科用アクセスシステムのオブチュレータとともに使用するためのナビゲーションアダプタ502の更なる実施形態が示されている。アダプタ502は、アダプタ200、400に類似している。アダプタ200の説明と同様の要素には、300ずつ増えた同様の符号が与えられている。アダプタ502は、第1および第2のアダプタケーシング504、506と取付片508とにより規定され、取付片から位置決め部材536が延びている。
【0067】
第1および第2のアダプタケーシング504、506はそれぞれ、近位端510および遠位端512によって規定されている。いくつかの態様では、第1のアダプタケーシング504、第2のアダプタケーシング506および取付片508のうちの少なくとも1つが、ロック機構120(図5に最もよく見られる)を含むことができ、あるいはバネ要素401を含むことができる。
【0068】
第1のアダプタケーシング504は、ほぼU字型の断面を有し、第1のアダプタケーシング504の内面522aの近位端510aと遠位端512aとの間に規定されたナビゲーション溝514aを含む。第1のアダプタケーシング504は、第1のアダプタケーシング504の少なくとも1の係合面526a上に配置された、少なくとも1の第1の協働部材524を含むことができる。ある例示的な構成では、少なくとも1の第1の協働部材524が、デテントとして構成され、増厚端部525を有することができる。図15に示すように、ある例示的な構成では、第1のアダプタケーシング504が、ナビゲーション溝514aの両側に、第1のアダプタケーシング504のほぼ中央に配置された2つの第1の協働部材524を有する。しかしながら、本開示はこの構成に限定されないことを理解されたい。さらに、第1のアダプタケーシング204に関して記載された構成と同様に、追加の協働部材を設けることができることを理解されたい。第1のアダプタケーシング504は、ヒンジ要素505により、第1のアダプタケーシング204に対して取付片508にヒンジ接続されている。
【0069】
第2のアダプタケーシング506は、概して第1のアダプタケーシング504の鏡像であり、ほぼU字型の断面を有し、第2のアダプタケーシング506の内面522bの近位端510bと遠位端512bとの間に規定されたナビゲーション溝514bを含む。第2のアダプタケーシング506は、第2のアダプタケーシング506の少なくとも1の係合面526b上に配置された少なくとも1の第2の協働部材530を含むことができる。
【0070】
少なくとも1の第2の協働部材530は、相補的な方法で第1の協働部材524との係合を可能にするように構成された窪みであってもよい。さらに、係合タブ532が、第2の協働部材530の窪みのエッジに隣接して、第2の協働部材530の窪み内に配置され得る。この配置により、第1の協働部材524の増厚端部が、係合タブ532の周りにスナップフィットして、第1および第2のアダプタケーシング504、506を一緒にロックするのを補助することができる。
【0071】
図15に示すように、ある例示的な構成では、第2のアダプタケーシング506が、第1の協働部材524の位置と概ね対応するように、ナビゲーション溝514bの両側に、第2のアダプタケーシング506のほぼ中央に配置された2つの第2の協働部材530を有する。しかしながら、本開示は、この構成に限定されないことを理解されたい。さらに、第2のアダプタケーシング506に関して示されいる配置と同様に、追加の協働部材を提供できることを理解されたい。第2のアダプタケーシング506は、ヒンジ要素507によって取付片508にヒンジ接続されている。
【0072】
取付片508は、近位端518および遠位端520によって規定されている。取付片508の遠位端520は、(図6に示すものと同様の)角度の付いた環状の面を含む。角度の付いた面は、取付片508の外径から位置決め部材536に向かって先細になり、位置決め部材が遠位端520から延びている。アダプタ102と同様に、角度の付いた面は、取付片508をオブチュレータ104内に載置するために、面取り125と相補的になるように構成されている。
【0073】
取付開口部538は、近位端518を通って形成されている。取付開口部538は、取付片チャネル240と同様の取付片チャネルと連通している。取付片チャネルは、その中にナビゲーション要素105(図5)を収容するように予め設定されたサイズで構成することができる。取付片チャネルは、閉じた遠位端で終端し、内向きにテーパが付けられて、ナビゲーション要素105の遠位先端103を受け入れる着座部分216と同様の着座部分を規定するように構成することができる。
【0074】
アダプタ502を組み立てるために、第1および第2のケーシング204、206は、非作動位置(図15に示す位置)から、ヒンジ要素505、507を中心に回動して互いに係合し、その結果、第1のアダプタケーシング504の少なくとも1の第1の協働部材524が第2のアダプタケーシング506の少なくとも1の第2の協働部材530と係合するようになっている。この係合は、第1および第2のアダプタケーシング504、506を互いに協働してロックする、スナップフィット構成であってもよい。第1のアダプタケーシング504が第2のアダプタケーシング506と組み合わされると、ナビゲーション溝514a、514bが結合して、ナビゲーションチャネル514が形成され、このナビゲーションチャネルが、図6に示すものと同様に、取付片チャネルと連通して、連続チャネルを形成する。連続チャネルは、アダプタ502がオブチュレータ104に組み付けられると、オブチュレータの近位開口部127と連通する。
【0075】
組み付けられると、ナビゲーション要素105は、遠位先端103が着座部分に向けられるように、結合されたナビゲーションチャネル514/取付片チャネル内に配置することができる。配置されると、ロック機構120が提供される場合には、ナビゲーション要素105をアダプタ502内にロックするようにロック機構を作動させることができる。
【0076】
本明細書に記載の外科用アクセスシステムは、幅広い用途を有することが理解されよう。上述した実施形態は、装置の原理だけでなく、いくつかの実用的な用途を説明するために選択され、記載されている。上述した説明により、当業者は、企図された特定の使用に適するように様々な実施形態の装置に様々な変更を加えて利用することができる。特許法の規定に従い、本開示の原理および動作モードは、例示的な実施形態において説明および例示されている。
【0077】
本発明の装置の範囲は、以下の特許請求の範囲によって規定されることが意図されている。しかしながら、本開示は、その趣旨または範囲から逸脱することなく、具体的に説明および例示されている以外の方法で実施することができることを理解する必要がある。当業者は、以下の特許請求の範囲で規定される趣旨および範囲から逸脱することなく、特許請求の範囲を実施する際に、本明細書に記載の実施形態に対する様々な代替案を採用することができることを理解すべきである。本開示の範囲は、上記説明を参照するのではなく、代わりに、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が権利を有する均等物の全範囲とともに決定されるべきである。本明細書で述べた技術に将来の発展が起こり、開示のシステムがそのような将来の実施例に組み込まれることが予想および意図されている。さらに、特許請求の範囲で使用されているすべての用語は、本明細書で反対の明示がなされていない限り、最も広い合理的な解釈と、当業者が理解する通常の意味が与えられることを意図している。特に、「a」、「the」、「said」などの単数形の冠詞の使用は、請求項に反対の明確な限定が記載されていない限り、示された要素の1または複数を意味するものと読み替える必要がある。以下の特許請求の範囲が、本発明の範囲を規定し、その特許請求の範囲内の装置およびその均等物がそれによってカバーされることを意図している。要約すると、本発明は、変更および変形が可能であり、以下の特許請求の範囲によってのみ限定されることを理解されたい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】