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特表2022-534532高効率水素酸素生成システムおよびその使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(54)【発明の名称】高効率水素酸素生成システムおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/04 20060101AFI20220725BHJP
   C01B 13/02 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
C01B3/04 R
C01B13/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571368
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(85)【翻訳文提出日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 US2020035188
(87)【国際公開番号】W WO2020243473
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】62/854,217
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
3.Ruby
4.Python
(71)【出願人】
【識別番号】521520751
【氏名又は名称】デイヴィス テクノロジー、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100067448
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 スミ子
(74)【代理人】
【識別番号】100213746
【弁理士】
【氏名又は名称】川成 渉
(74)【代理人】
【識別番号】100221752
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 雅与
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス、エドワード エル
【テーマコード(参考)】
4G042
【Fターム(参考)】
4G042BA33
4G042BB04
(57)【要約】
同心円状に取り付けられた電極間で所定の容積の水を隔離し、前記電極に放射状に集束されかつ直径方向に引きつける磁場に前記所定の容積の水を印加し、前記隔離された容積の水の水分子を共振調和振動数まで励起し、最大1ミリ秒のバースト幅および最大約10MVの電圧を有し、前記励起された水分子に作用する振動起電力を生成するショートバースト高電圧高周波ACパルスパケットを、前記隔離された容積の水に電場を生成するように同期的に印加し、前記振動起電力の結果として、前記励起された水分子から水素と酸素を分離することを含む、水分子から水素と酸素を分離する方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心円状に取り付けられた電極間で所定の容積の水を隔離し、
前記電極に放射状に集束されかつ直径方向に引きつける磁場に前記所定の容積の水を印加し、
前記隔離された容積の水の水分子を共振調和振動数まで励起し、
最大1ミリ秒のバースト幅および最大約10MVの電圧を有し、前記励起された水分子に作用する振動起電力を生成するショートバースト高電圧高周波ACパルスパケットを、前記隔離された容積の水に電場を生成するように同期的に印加し、
前記振動起電力の結果として、前記励起された水分子から水素と酸素を分離する
ことを含む、水分子から水素と酸素を分離する方法。
【請求項2】
前記隔離された容積の水で水分子を励起する工程において、前記隔離された容積の水を1~6ミクロンのMIRレーザーでパルスさせることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記隔離された容積の水で水分子を励起する工程において、加熱コイルを用いて分子を約90℃まで温めることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
磁場が約1テスラから約2テスラの間で、電場が約1MV/mmから約10MV/mmの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記同心円状に取り付けられた電極がロッドの外形よりも大きい内径を有するパイプまたはチューブ内に配置される外径を有するロッドを含み、前記所定の容積の水が前記ロッドの外形と前記パイプの内径の間に隔離される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
並列配線される複数の同心円状に取り付けられた電極をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
クローズドループ制御技術を用いて前記ACパルスパケットの周波数をリアルタイムで変更し、前記ACパルスパケットの周波数を水分子の共振周波数に調節することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
電圧を上げるために前記ACパルスパケットによって駆動される変圧器を用いることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
出力を最大化するための収束を達成するために、PIDループを用いて前記ACパルスパケットの周波数が変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
貯蔵庫内に配置されるテント型の集電器を用いることで、水素と酸素を濃度により分ける、貯蔵庫内で分離された水素と酸素を分ける工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
デュアルイオンスクリューメッシュを備え、貯蔵庫内で分離された水素と酸素を分ける工程であって、
正の電圧スクリーン電極をパルスさせ、酸素を引き付け、水素を弾き、
負の電圧スクリーン電極をパルスさせ、水素を引き付け、酸素を弾く、
工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
同心円状のパイプ電極内に厚さ約1mmの水柱を励起して、水素ガスと酸素ガスのなだれを発生させるように、1~6ミクロンのMIRレーザーからのパルスと同期して最大1ミリ秒のバースト幅および最大約10MVのショートバースト高周波ACパルスパケットを生成する手段を含む、高効率水素酸素生成システム。
【請求項13】
放射状に収束され、同心円状のパイプ電極に対して直径方向に引力を有する磁場を水柱に印加する手段をさらに含む、請求項12に記載の高効率水素酸素生成システム。
【請求項14】
磁場が約1テスラから約2テスラの間であって、ショートバースト高周波ACパルスパケットが約1MV/mmから約10MV/mmの間の電場を生成する、請求項13に記載の高効率水素酸素生成システム。
【請求項15】
平行に配線される複数の同心円状のパイプ電極をさらに含む、請求項12に記載の高効率水素酸素生成システム。
【請求項16】
貯蔵庫内で水素ガスと酸素ガスを分離する手段を含む、請求項12に記載の高効率水素酸素生成システム。
【請求項17】
マイクロプロセッサー、ソフトウェア、PIDループ、デジタル電位差計、電圧センサ、電流センサ、湿度センサ、そしてダイレクトデジタルシンセサイザを閉ループ制御技術と方法論で利用して、ACパルスパケットのリアルタイムでの周波数および間隔を変更し、周波数を共振周波数に調整する手段をさらに含む、請求項12に記載の高効率水素酸素生成システム。
【請求項18】
高効率水素酸素生成システムであって、
同心円状に取り付けられた電極間で隔絶された所定の容積の水と、
前記隔絶された容積の水において、磁場を印加すると、前記磁場が放射線状に集束し、前記電極に対して直径方向に引力を有する手段と、
前記隔絶された容積の水において水分子を共振高調波周波数まで励起する手段と、
最大1ミリ秒のバースト幅かつ最大約10MVのショートバーストの高電圧を有し、前記励起された水分子に作用する振動起電力を生成する高周波ACパルスパケットを前記隔絶された容積の水に同期的に印加して電場を生成し、前記振動起電力の結果として、前記励起された水分子から水素と酸素を分離する手段とを含む、システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、水から水素および酸素を生成する高効率水改質システム、より具体的にはパルス高電圧emfを利用して、事前に応力が加えられた水分子から水素と酸素を分離し、オンデマンドで水素を生成する水素と酸素の生成システムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
すべての材料には3つの相(固体、液体、気体)があるが、水には多くの固有の特性がある。固体の水の密度は液体の水の密度よりも低いため、他の材料とは異なり、固体の水(氷)は沈む代わりに浮く。さらに、水は非常に小さな分子であり、電気双極子モーメントが不釣り合いに大きくなる。
【0003】
従来技術の水素および酸素生成システムは、電気分解を必要とし、 これは非常に低効率のプロセスであり、燃料電池や内燃機関でこれまでに回収できるよりもはるかに多くのエネルギーを消費する。
【0004】
電気分解とは、電解質を加えた液体の水に低電圧電流を流して水素と酸素を生成し、燃焼エンジンで燃焼させたり、燃料電池に供給してエネルギーを生成したりすることで生成される水の化学分解である。従来の電気分解システムでは、電解質(硫酸など)を水に加える必要があり、次いで、水素イオンを酸素イオンから解離させるのに十分なエネルギーが供給されるまで電流を水に流すことで酸素イオンは互いに結合して二原子のH2とO2になる。
【0005】
酸素はアノード(+)に引き付けられ、水素はカソード(-)端子に引き付けられる。例として、図1に一般的な電解槽で使用されるプロセスを示す。
【0006】
水は極性分子である。H2O分子は、ベクトル和である正味の双極子モーメントを有する。酸素の外殻には孤立電子対があり、H2O分子の構造が曲がっている(Gillespie‐Nyholmによって開発されたVSEPR理論)。したがって、上記ベクトルは各H‐O結合をキャンセルするのではなく、各H‐O結合の合計の双極子モーメントを表している。
【0007】
図2の水分子図は、双極子モーメントの大きさと方向を示している。水と水素の電気陰性度の差は、H‐O結合ごとに1.2eである。酸素はより電気陰性度の高い原子であり、それ故、それは共有電子をより強く引きつける。化学では、双極子モーメントは2つの水素原子間の中心点から酸素原子の方向を示す。双極子モーメントは、酸素原子と水素原子の間の距離にそれらの間の電荷差を掛けて、正味の双極子モーメントの方向(分子の角度は104.5度)を示すそれぞれの成分を見つけることによって計算される。O‐H結合の結合モーメント=1.5デバイである。したがって、正味の双極子モーメントベクトルの合計は次のようになる。μ= 2(1.5)cos(104.5度/ 2)= 3cos(52.25度)= 1.8546で倍であり、ここで1デバイは3.34×10‐30Cmに相当する。
【0008】
水は他の分子と比較すると信じられないほど小さな分子である。 そのおおよその直径は2.75オングストロームである。したがって、1.8546デバイの双極子モーメントは、この小さな分子にとっては巨大である。モーメントアームはほとんど存在しないため、他の分子に比べて電荷の差が大きくなる。
【0009】
デバイは双極子モーメントを定義する。100pm離れた陽子と電子の双極子モーメントは、定義上4.80デバイである。
【化1】
【0010】
図2に示す分子サイズによると、水分子の等価性では、H電荷モーメントアームの平均ベクトル和は((93.9 +92.8)/ 2)x cos(104.5 / 2)= 57.02pmとなる。
【0011】
+1と-1の電荷を仮定して、このモーメントアームに基づいて双極子モーメントを計算すると、次のようになります。μ= 57.02 / 100(4.80D)= 2.737
【0012】
水分子は1.8546Dであることがわかっているため、完全な陽子と完全な電子に対するQ +とQ‐またはδ+とδ-の部分電荷値を使用すると、1.85D / 2.737D = .6759になる。したがって、水分子は、57pmの間隔で、陽子電荷の約2/3と電子電荷の2/3に相当する。これにより、水分子は大きな電界による伸縮の影響を非常に受けやすくなる。図3はH2O等価双極子を表している。
【0013】
水分子を解離するために必要なエネルギーは、標準的な量子力学的「モースポテンシャル」モデルを使用する図4に示されている。
【0014】
H2Oの水分子のHO‐H結合の解離には、118.8 kcal / mol(497.1 kJ / mol)が必要である。残りのヒドロキシルラジカルの解離には、102.8 kcal / mol(429.9 kJ / mol)
が必要である。これは、水の生成の標準ギブス自由エネルギーである237.13 kJ / moleの理論上の最小エネルギーのほぼ4倍です。
【0015】
水分子は非常に分極しているため、非常に強い電場によって解離し、強い起電力(emf)を生成して、分子を引き離す。
【0016】
帯電した平行導体間の電界は、仕事と電圧の関係の良い例である。
【0017】
高電圧は、E = V / dの電界に強い力を発生させる(図5)。電界強度のSI単位はN / Cであり、Nはニュートンを表し、Cはクーロンを表す。
【0018】
電界は単位電荷あたりの力E = F / qとしても定義されるため、電界にプレートの間隔を掛けると、電圧の変化である単位電荷あたりの仕事量Ed = Fd / q = W / q =ΔVが得られる。したがって、電圧が高いほど、より多くの仕事が行われる。
【0019】
十分に高い電界は、水分子の強い分極のために水の解離を引き起こす。図6に純水でのJ‐V(電流-電圧特性を面積で割ったもの)曲線を示す。位置Aの曲線の断面は、低コンダクタンス溶液でのH2およびO2発生の電極反応速度によるものである。この領域では、電流は溶液抵抗によって制限される。曲線の次の部分(位置B)は、水分子の解離を表している。電場は、水分子の水素と酸素へのイオン化と解離を引き起こすのに十分な高さである。
【0020】
図6は、水分子を引き離す高電圧の力を示す。しかしながら、電圧源から閉ループに電流を流す必要はないことを当業者は理解すべきである。電流は、高度に分極した水分子に作用する強い起電力の結果であり、陽子と電子が分解して動き始める。これは巨大な電流の流れのように見えるが、それが流れる距離は非常に小さく、解離が発生して水分子がガスになり、上昇し始めると、およそナノメートルになる。物理法則に違反していない。それらは、水分子を分解する不連続性を引き起こすモースポテンシャルを克服するために最大限に活用されるだけである。
【0021】
エネルギーシステムで使用するために水分子から水素および酸素を解離するための従来技術のシステムおよび方法は、非効率的であり、回復することができるよりもはるかに多くのエネルギーを消費する。したがって、電気分解を使用せず、従来の電気分解よりも効率的でエネルギー消費量が少ない、改良された水素および酸素生成システムが必要とされている。
【0022】
したがって、従来技術の問題および欠陥を念頭に置いて、電気分解を使用しない改良された水素および酸素生成システムを提供することが本発明の目的である。
【0023】
本発明の別の目的は、エネルギーシステムで使用するために水分子から水素および酸素を解離するための改良されたシステムを提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、水素をオンデマンドで提供する水改質装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらに別の目的は、パルス高電圧emfを利用して、プレストレス水分子から水素および酸素を分離して、オンデマンドで水素を生成する水素および酸素生成システムを提供することである。
【0026】
本発明のさらに他の目的および利点は、部分的には明らかであり、部分的には明細書から明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
当業者には明らかである上記および他の目的は、一態様では、同心的に取り付けられた電極間で所定容積の水を隔離することを含み、所定の容積の水に磁場を印加すると、磁場は放射状に集束し、電極全体に直径方向に引き付けられ、隔離した容積の水の水分子を共振高調波周波数まで励起し、ショートバースト高電圧高周波ACパルスパケットを隔離された容積の水に同期的に印加して、電場を生成する、水分子から水素と酸素を分離する本発明によって達成される。ACパルスパケットのバースト幅は最大1ミリ秒、電圧は最大約10MVで、励起された水分子に作用して水素と酸素を解離させる振動起電力を生成する。この方法は、貯蔵チャンバー内で水素と酸素を分離することをさらに含んでもよい。
【0028】
一実施形態として、前記隔離された隔離された量の水中の水分子は、1から6ミクロンのMIRレーザーを用いて隔離された量の水を同期的にパルスすることによって励起される。別の実施形態では、水分子は、加熱コイルを使用して分子を約90℃までの温度に加熱することによって励起される。
【0029】
少なくとも1つの実施形態では、磁場は約1テスラから約2テスラの間であってもよく、電場は約1MV/mmから約10MV/mmの間であってもよい。
【0030】
一実施形態では、前記同心円状に取り付けられた電極がロッドの外形よりも大きい内径を有するパイプまたはチューブ内に配置される外径を有するロッドを含み、前記所定の容積の水が前記ロッドの外形と前記パイプの内径の間に隔離される。パイプの各ペアが最大電圧を受け取るように、同心円状に取り付けられた複数の電極を並列に配線してもよい。
【0031】
この方法は、クローズドループ制御技術を用いて前記ACパルスパケットの周波数をリアルタイムで変更し、前記ACパルスパケットの周波数を水分子の共振周波数に調節することを含んでも良い。ACパルスパケットの周波数は、出力を最大化するための収束を実現するために、PIDループを使用して変更してもよい。
【0032】
別の態様として、本発明は、同心円状のパイプ電極内に厚さ約1mmの水柱を励起して、水素ガスと酸素ガスのなだれを発生させるように、1~6ミクロンのMIRレーザーからのパルスと同期して最大1ミリ秒のバースト幅および最大約10MVのショートバースト高周波ACパルスパケットを生成する手段を含む、高効率水素酸素生成システムに関する。このシステムは、放射状に収束され、同心円状のパイプ電極に対して直径方向に引力を有する磁場を水柱に印加する手段を含んでもよい。
【0033】
少なくとも1つの実施形態では、磁場が約1テスラから約2テスラの間であってもよく、ショートバースト高周波ACパルスパケットが約1MV/mmから約10MV/mmの間の電場を生成する。
【0034】
このシステムは、マイクロプロセッサー、ソフトウェア、PIDループ、デジタル電位差計、電圧センサ、電流センサ、湿度センサ、そしてダイレクトデジタルシンセサイザを閉ループ制御技術と方法論で利用して、ACパルスパケットのリアルタイムでの周波数および間隔を変更し、周波数を共振周波数に調整する手段をさらに含んでもよい。
【0035】
一実施形態では、このシステムは、貯蔵室内の水素ガスと酸素ガスを分離する手段をさらに備えてもよい。
【0036】
新規であると考えられる本発明の特徴および本発明に特徴的な要素は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。 図は説明のみを目的としており、縮尺どおりに描かれていません。 しかしながら、本発明自体は、構成および操作方法の両方に関して、以下の添付の図面と併せて取られる以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】水素および酸素ガスを生成するために使用される例示的な電解セルを示す。
図2】例示的な水分子の双極子モーメントを示す。
図3】等価なH2O分子の双極子モーメントを示す。
図4】H2O分子から水素および酸素を解離するのに必要なエネルギーを示すグラフを示す。
図5】電圧、電界、および仕事の間の関係を図の形で示す。
図6】純水のJ‐V曲線のグラフを示す。
図7】液体の水の吸収スペクトルのグラフを示す。
図8】本発明による高効率水素酸素生成システムの一実施形態を示す。
図9】本発明による高効率水素酸素生成システムの例示的なマイクロコントローラを示す。
図10】本発明による高効率水素酸素生成システムの例示的なドライバボードを示す。
図11】本発明による高効率水素酸素生成システムの水コンデンサの一実施形態の斜視図を示す。
図12】線A-Aに沿った、図11の水コンデンサの断面図を示す。
図13A図10のドライバボードの概略図を示す。
図13B図10のドライバボードの概略図を示す。
図14】本発明による高効率水素酸素生成システムの実施形態の例示的な回路の概略図を示す。
図15】シリンダの外面に正反対の磁石を配置した、本発明による高効率水素酸素発生システムの水コンデンサの別の実施形態の斜視図を示す。
図16】半径方向に配置された磁石が外筒に埋め込まれた、本発明による高効率水素酸素発生システムの水コンデンサのさらに別の実施形態の斜視図を示す。
図17A】フルブリッジ回路を使用した、本発明による別の例示的なドライバボードの概略図を示す。
図17B】フルブリッジ回路を使用した、本発明による別の例示的なドライバボードの概略図を示す。
図18】本発明の実施形態による、水分子から水素および酸素を解離する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明の実施形態を詳細に説明するために、本発明の特徴を付番により説明する図1図18を参照する。
【0039】
特定の用語は、本明細書の便宜のために使用されており、本発明を限定するものとして記載されてはいない。例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」、「水平」、「垂直」、「時計回り」、「反時計まわり」、「縦」、
「横」または「放射状」といった単語は単に図面に示されている構成を説明しているに過ぎない。実際、参照される構成要素は任意の方向に向けることができるので、特に明記がなければ、用語はそのような変形を含むものとして、理解されるべきである。明確にするために、同じ参照符号を図面に使用することで類似した要素を識別している。
【0040】
さらに、主題の説明において、「例示的」、「例示的」などの用語は、例、実例、または例示として役立つことを意味するために使用される。 本明細書で「例示的」または「例示的」として説明される任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されることを意図するものではない。 むしろ、「例示的」または「例示的」という言葉の使用は、単に概念を具体的に提示することを意図しているにすぎない。
【0041】
本発明である高効率水素酸素生成システム(本明細書において「HOGS」とも呼ばれる)は水中のH‐OH結合を切断してオンデマンドで水素を生成するために、さまざまな組み合わせで使用される多数の方法論を使用する。
【0042】
HOGSの複合効果は、複数の振動モードを刺激するために、強力な磁場の存在下で非常に強力で高速なスイッチング電界を利用して、予熱またはプレストレス水の解離速度を刺激する。これは、適切な放射周波数を水の振動モードと一致させることによって行われる。水分子が励起エネルギー状態にある場合、高速スイッチング電場によって供給されるエネルギーは、通常の結合解離エネルギーよりも低くても、分子を解離する可能性がある。励起された振動量子状態にある水分子は、分子が基底状態より上にあるため、強い電場の存在下でより簡単に解離する。これらの共振モードは、テラヘルツ周波数で、マイクロ波と中赤外線の周波数範囲の間に存在する。
【0043】
一実施形態として、高電圧、中周波数、または高周波のACパルスは、水コンデンサと直列に接続されたインダクタの調整された共振によってさらに高く乗算される。入力電圧がわずか10,000ボルトであっても、インダクタ-コンデンサ回路の「Q」または品質係数に応じて、最大100倍にすることが可能である。電圧はインダクタとコンデンサの間で180度位相がずれているため、合計すると入力電圧になるが、より高い電圧のイオン化効果は非常に大きく、水分子が水素と酸素に解離する。
【0044】
別の実施形態では、水分子は、水分子の支配的な共振周波数に調整された中赤外線(MIR)レーザーによってプレストレスが加えられる。次に、同時に発生する高電圧パルスパケットにより、水分子のなだれが発生する。3ミクロンの範囲に近いパルスレーザーをパルスされた電場と組み合わせて使用して、なだれの解離を加速することが可能である。一実施形態では、2.94ミクロンのパルスMIRレーザーが使用される。しかしながら、1から6ミクロンの間で調整されたレーザーが場合によっては効果的であることが示されていることは、当業者によって理解されるべきである。図7に示すように、液体の水の吸収スペクトルは、MIRバンドで約3ミクロンまたは3400cm-1に集中している。どちらの実施形態でも、非常に強力な磁石(1テスラ程)が水コンデンサアセンブリのアノードとカソードに埋め込まれ、電子とプロトンがらせん状の経路を流れ、水コンデンサの絶縁破壊電圧を未然に防ぎ、電流の流れを抑制する。
【0045】
別の実施形態では、調整されたMIRレーザーおよび/または強力な磁石が分子にプレストレスを与え、次に、高電圧、中周波数または高周波の起電力振動が、分子を引き裂くなだれを引き起こす。本発明は、水の別の独特の特性を利用する:異常に大きな電気双極子モーメントは、特にレーザーおよび/または強力な磁石を使用するなどによってプレストレスがかけられた場合に、大きく急速に変化する電磁場に非常に影響を受けやすい。
【0046】
レーザーは電磁波によって動作し、電子をより高いエネルギー状態に「刺激」または励起し、次に、これらの電子はすべて同じ周波数で光子のなだれを放出し、低エネルギー状態にフォールバックするときにコヒーレント光線を生成する。
【0047】
本発明の別の実施形態は、中赤外線(MIR)レーザーを使用して水分子中の電子および陽子を励起し、それらにプレストレスを与え、次いで高電圧起電力(emf)パルスは、水分子の水素と酸素への連鎖反応雪崩分解を作成する。
【0048】
図6に示すグラフは、真ちゅう電極を使用したガス製品を示す。本発明の一実施形態は、他のタイプのガスまたはイオンとは対照的に、二原子水素および酸素を生成するための触媒として作用する白金めっき電極を使用する。
【0049】
図5を参照すると、電圧が高いほど、より多くの作業が行われる。ただし、変圧器を使用すると、高電圧を簡単かつ効率的に生成できる。たとえば、自動車のイグニッションコイルは12ボルトのバッテリーから数千ボルトを生成する。本発明の水素酸素発生システムにはより高い電圧が必要であるが、それは単に二次コイルのより多くの巻数によって影響を受ける可能性がある。ほとんどの場合、漏れ電流の形で、必要な電流はごくわずかである。
【0050】
図4に関して、H‐OH結合と残りのO‐H結合の両方を切断するには、(497.1 + 429.9)kJ / mol = 927kJ / molが必要であることが判明した。これは前述の最小ギブズ自由エネルギー数の4倍ですが、本発明のように、MIRレーザーおよび/または強磁気による高電圧パルスが誘電体(水)にプレストレスを与えることは問題とはならない。一実施形態では、解離は、電圧パルスが十分に高い場合、レーザーを使用せずに機能する。磁気は、絶縁耐力を強化し、絶縁破壊を未然に防ぐ。つまり、誘電体から短絡し、電流の流れを抑制する。各パケットには複数のパルスが存在するため、927 kJ / mol全体を単一のパルスで送達する必要がないことを当業者は理解する必要がある。たとえば、最初のパルスはH‐OH結合を切断し、次のパルスは残りのO‐H結合を切断する可能性がある。
【0051】
一実施形態では、本発明のシステムは、少量の水に非常に強い中周波数または高周波の高電圧AC電界を印加する。この高電圧起電力は、水コンデンサの正と負のプレートまたは電極の間の分極した水分子に非常に強い力を生成する。電極間の間隔は、約0.01mmから約10mmのどこでもよい。一実施形態では、電極は、水で満たされた電極間に小さな約1mmのギャップを有する同心パイプ内のロッドからなる。電界は、数10kV / mmから10MV / mm程になる可能性がある。システムが1MV / mmを超える電界強度で動作する場合、高速スイッチング電界のエネルギー密度が高いため、水分子が解離する。一実施形態では、電極は白金とともに発光され、白金は単原子の酸素および水素を触媒して二原子ガスを発生させる。
【0052】
同時MIRレーザーパルスと組み合わされた高電圧電界の瞬間的なパルスパケット(マイクロ秒程)は、文字通り水分子を引き裂き、この強い衝撃力で雪崩を引き起こす。このシステムは、強磁場を使用して水を解離させ、強磁場を使用して閉ループ電流を最小限に抑える。ソースから閉ループで流れる電流はごくわずかであるため、これは非常に効率的なプロセスである。実際、本発明のプロセスは、電気分解が流れるために非常に多くの電流を必要とするので、従来の電気分解の最大10倍以上の効率であり得る。大きな起電力は文字通り水素を負極に、酸素を正極に捕える。高電圧は高周波ACである可能性があり、方向が非常に速く切り替わるため、わずかな電流が流れる。磁石は、イオンをらせん状に移動させることにより、電流の流れを制限し、荷電粒子の動きを遅くする。この作業は、巨大な起電力に加えて、水分子を刺激して雪崩で分解するMIRパルスレーザーの同期放出によって行われる。強力な約1テスラの磁場は、パルス中の故障を未然に防ぐ。
【0053】
交差することなく、電圧をブレークダウン電圧に非常に近く維持することが重要である。したがって、少なくとも1つの実施形態では、故障センサーと、高効率水素酸素生成システムを制御するためにマイクロコントローラー上で実行される電圧制御回路とソフトウェアが存在する(図14)。電圧は、ブレークダウンが発生するまでラチェットアップされ、その後わずかにバックオフされる。タイプIの脱イオン(DI)水の抵抗率は18MΩ/ mから30MΩ/ m以上であるため、破壊が発生する前に強い電界に耐えることができる。非DI水ははるかに低い抵抗を持つ。しかしながら、1つまたは複数の実施形態では、本発明のシステムは、通常の水道水の使用を可能にするための脱イオンフィルターを含む。
【0054】
強い電場は、解離を含む水のイオン化のいくつかのメカニズムを促進する。
O→H+OH
【0055】
それに続くプロトン移動を伴う量子トンネリング。
O→H+e
→H+OH
【0056】
これらのイオンの一部は、印加された電界の影響下で電極表面に移動し、そこで次のレドックス半反応を受けてそれぞれのガスを形成する。
2H+2e→H2(g) (カソード)
O→1/2O2(g)+2H+2e (アノード)
【0057】
したがって、全体的な反応は
O→1/2O2(g)+H2(g)
【0058】
ここで図8を参照すると、本発明の高効率水素酸素発生システムの一実施形態が示されている。マイクロコントローラボード701とそのソフトウェアアルゴリズムは、システムの頭脳である。アクセルペダル699が押されると、アクセルペダル位置センサ700がマイクロコントローラ701に供給され、マイクロコントローラ701は、水タンク706内のレベルを感知し、次にポンプ705を適切な持続時間パルスして水コンデンサ704を満たすことによって要求に応答する。次いで、適切な遅延間隔でドライバボードモジュール702およびMIRレーザー707を発射して、それらの出力を水コンデンサ704および高電圧サブアセンブリ703に同期させる。当業者は、MIRレーザーを使用することは、水分子にプレストレスを与える唯一の手段であり、他の実施形態では、プレストレスは、分子を加熱するなどの代替手段、例えば加熱コイルを使用することによって達成できることを理解されたい。本発明のシステムは、水中のイオン濃度に影響を与えるために、約10℃から約90℃までの温度範囲を利用することができる。
【0059】
水素および酸素ガスは、水コンデンサ704から収集または貯蔵チャンバー709に流れ込む。生成される水素と酸素の量は、アレイ内のパイプの数とその長さに依存する。内側ロッドと外側パイプの間の水は、高電圧およびMIRレーザー707の各パルスバーストで解離する。一実施形態では、アレイ内のパイプは並列に配線されているので、パイプの各ペアは最大電圧を受け取る。少なくとも1つの実施形態では、水素と酸素は、収集チャンバー709内でテント型コレクターを使用することなどによって密度によって分離され、そこで水素は上部に移動し、酸素は収集チャンバー709の下部に層を形成する。
【0060】
別の実施形態では、水素と酸素は、酸素を引き付けて水素をはじくパルス正電圧スクリーン、および水素を引き付けて酸素をはじくパルス負電圧スクリーンであるスパーススクリーン電極用のデュアルイオンスクリューメッシュを使用して分離および加速される。
【0061】
「オンデマンド」で生成された水素は、たとえば、EV車両用の電気を生成する燃料電池として使用可能である。他の実施形態では、本発明のHOGSは、より大きなシステムの一部であり、例えば、EV充電ステーションにおいて、タンクに水を追加する必要が生じる前に、1台以上のEV車両を「充電」できるほど十分な水素を生成するために、複数のコンデンサが、所定のサイズの水タンクに関連して使用され得る。システムのサイズに応じて、本発明のHOGSの他の実装は、例えば、家庭、企業、工場、飛行機、または船に電力を供給することを含む。
【0062】
システムを完成させるのは、他のすべてのサブアセンブリに電力を供給するパワーモジュール708である。最も単純な形態として、パワーモジュール708は12ボルトの自動車用バッテリーであっても良い。少なくとも1つの実施形態では、パワーモジュール808は、900ボルトのGaN FETsを使用してマルチファイラーリッツ線を使用して、一次コイルの抵抗とインダクタンスを増加させ、使用する巻数を減らすバイポーラ高電圧昇圧変圧器を駆動するドライバボード702に、最大+/- 450ボルトの論理レベル電圧および中間電圧を供給する。一実施形態では、巻数比は最大1000対1であっても良い。
【0063】
電圧源は、パルスモードまたは連続モードのいずれかの動作で出力できることを当業者は理解すべきである。 しかしながら、本発明の目的は、可能な限り少ないエネルギー消費を使用してできるだけ多くの水素を取り出すことであるため、必要な電力消費がより低い、パルス電圧源が好ましい。パルス電圧源は、MIRレーザーパルスとより簡単に同期させることが可能である。ただし、約350 µsのパルス幅を持つMIRレーザーパルスと組み合わせた連続電圧源(たとえば、1.5 MHz正弦波)は、連続1.5MHz波形の525サイクルがレーザーパルスとオーバーラップすることを意味する。しかしながら、当業者は好ましいパルス出力モードの実施形態では、PIDループが閾値に到達するために必要であると決定するものに応じて、場合によってはパルスの数が短時間「連続」出力に近づく可能性があることを理解されたい。
【0064】
図9は、例示的なマイクロコントローラモジュール701を示す。一実施形態では、マイクロコントローラ701は、1Mバイトのフラッシュメモリおよび192KバイトのRAMを備えたARM(登録商標)Cortex(登録商標)-M4 32ビットコアを含む。しかしながら、本発明はこれらの仕様に限定されないことを当業者は理解すべきである。
【0065】
図10は、例示的なドライバボードモジュール702を示している。好ましい実施形態では、ドライバボード702は、高電圧で高速スイッチングの窒化ガリウム電界効果トランジスタ(IgG FET)を含む。しかしながら、炭化ケイ素(SiC)またはおそらく絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)などの他のタイプのトランジスタが排除されないことは当業者によって理解されるべきである。
【0066】
ここで、図1および2を参照する。図11および12を参照すると、本発明による水コンデンサ704の一実施形態が示されている。ここで水分子が解離し、水素と酸素が実際に生成される。水コンデンサ704は、ロッドの直径よりわずかに大きい直径を有するチューブまたはパイプ1102の内側に同心円状に取り付けられたロッド1101を備える。図12に示すように、一実施形態では、チューブまたはパイプの内面とロッドの外面との間に約1mmのギャップ1103が存在する。アクセルペダル699が押されると、マイクロコントローラ701は、アクセルペダル位置センサ700および水タンク706内の水位を感知し、ポンプ705をパルスして、ロッド1101とチューブまたはパイプ1102との間の水コンデンサ704のギャップを埋める。水は、すべての「ポップ」の直前に、水コンデンサ704の底部から入り、渦を巻いてギャップ1103を埋める。次に、マイクロコントローラ701は、適切なタイミングスキューでドライバボードモジュール702およびMIRレーザー707にパルスを送り、水コンデンサ704への同時出力を保証する。ワイヤは、ドライバボードモジュール702からのパルスパケットを介して高電圧サブアセンブリ703内のカスタム昇圧変圧器によって駆動される共通および高電圧ACパルスである。一実施形態では、マイクロコントローラ701は、出力を最大化するための収束を達成するためにPIDループを使用してパルスパケットの周波数を変化させるための、アナログデバイスTM AD9859 400MSPS 10ビットDAC 1.8V EtOAcダイレクトデジタルシンセサイザーなどのダイレクトデジタルシンセサイザーを含む。一実施形態では、周波数は、約100kHzから約100MLのどこでも変化することができ、ピーク電圧は、約20kVから約100MVの範囲にある。
【0067】
GaN FETハーフブリッジドライバボード702は、1.5 MHzパルスのCMOSまたはTTLレベルのパルスパケットを、昇圧トランスを駆動するバイポーラRZ +/- 450ボルトパルスパケットに変換する。このパルスパケットは、ガス供給を補充するためにオンデマンドで送信される。VDDとVEEは最大+/- 450ボルトで可変であり、最大メガボルトの高電圧出力を生成する。当業者は、中周波数範囲の1.5MLパルスが有効であると説明されているが、高周波数範囲(3ML〜300mL)のパルスも使用できることを理解されたい。
【0068】
図13は、ドライバボード702の例示的な実施形態の詳細な概略図である。VEDUは、最大+ 450VDCの範囲であってもよく、VEEは、-450VDCまで低くてもよい。
【0069】
図14は、本発明のHOGSの回路の一実施形態の概要概略図である。水コンデンサ704の基部には、45度の角度でシリンダ1102とロッド1101との間に入るいくつかの水注入ポートがあり、最大の渦を生成して残留ガスを一掃する。ポンプ705は、高出力パルスギアポンプであってもよい。システムは、特定の事前設定された間隔で自動的にトリガーされる場合もあれば、たとえばEV自動車のアクセルペダルスロットル位置センサによってオンデマンドでトリガーされる場合もある。あるいは、システムは、収集または貯蔵チャンバー709に残っているガスの特定の閾値レベルでトリガーされて、それらを補充することができる。好ましい実施形態では、シリンダ1102の内側およびロッド1101の外側は、白金でフラッシュメッキされ、および/または銅をフラッシュし、次に銅の上にプラチナフラッシュメッキが施される。白金の外側のコーティングは、二原子の水素と酸素ガスを発生させる触媒として機能し、解離を改善する。一実施形態では、電流センサを使用してシステム内の電流を監視することができ、1つまたは複数の温度センサを使用して、水温および周囲温度を感知することができる。
【0070】
図15に示すように、ネオジム(NdFeB)磁石を使用すると、最大2テスラの磁場を近接して生成できる。一実施形態では、シリンダーロッドサブアセンブリ全体に適合するのに十分な大きさの特大の1インチ厚のアルミニウム管1501が使用され、磁石1503、1504を摩擦適合するのに十分な大きさの直径方向に対向する穴が外皮に開けられ、そこで磁石がシリンダーの直径全体で互いにを引き付け合う。別の実施形態では、図16に示されるように、カスタムの放射状に配置された分極磁石セット1603が使用され、パイプ1601に埋め込まれ、ロッドの内側に含まれてもよい。磁場は放射状に集束され、シリンダ全体に直径方向に引き付けられる。別の実施形態では、図16に示されるように、カスタムの放射状に配置された分極磁石セット1603が使用され、パイプ1601に埋め込まれ、ロッドの内側に含まれてもよい。磁場は放射状に集束され、シリンダ全体に直径方向に引き付けられる。一実施形態では、シリンダの外側は接地され、中央のロッドは、中周波数または高周波のメガボルトパルスでパルス化される。Eフィールドは、水を横切る起電力フィールドを作成する。その目的は、破壊電流が流れるのを防ぐために、水分子を激しく沸騰させることである。電流は数ミクロンから数百ミクロン流れる可能性がありますが、閉ループ電流は最小限に抑えることが可能である。分子とイオンは誤った方向に向けられ、分子が分解するまでかき回される。1つのサイクルは、1セットの結合(HおよびO‐H結合など)を切断するのに十分なエネルギーを提供し、次のサイクルは、他のセットの結合(O‐H結合など)を切断するのに十分なエネルギーを提供します。
【0071】
フルブリッジの実施形態(図17)では、ロッドは接地されていない。電圧を2倍にするために、ロッドとシリンダに分割フェーズが適用される。2つのハーフブリッジは180度位相がずれて動作する。ロッドは一方のフェーズを取得し、シリンダはもう一方のフェーズを取得する。
【0072】
図18は、本発明の実施形態による、水分子から水素および酸素を解離する方法のフローチャートを示している。ステップ1801で、EV自動車のアクセルペダルなどのアクセルペダルが押され、アクセルペダル位置センサがマイクロコントローラに供給され、マイクロコントローラは、水タンク内のレベルを感知することによって要求に応答する(ステップ1802)。ガス圧が範囲内にあることを確認した後(ステップ1803)、マイクロコントローラはポンプに適切な時間パルスを送り、水コンデンサを満たし(ステップ1804および1805)、次に、適切な遅延間隔でドライバボードモジュールとMIRレーザーを起動して、出力を水コンデンサと高電圧サブアセンブリに同期させ、PIDループ電圧のしきい値に達したかどうかを判断する(ステップ1806と1807)。必要に応じて、パルスパケット周波数とパルス数の両方を調整できる。次に、水素ガスおよび酸素ガスは、水コンデンサ704から収集または貯蔵チャンバ709に流れ込む(ステップ1808)。
【0073】
本発明の高効率水素酸素生成システムの実施形態は、ソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)を使用するハードウェア実施形態の形態をとることができる。さらに、一実施形態は、媒体に具体化されたコンピュータ使用可能なプログラムコードを有する有形のコンピュータ使用可能な記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形をとることができる。メモリデバイスがメディアを形成することが可能である。本開示の一実施形態を実行するためのコンピュータプログラムコードまたはファームウェアはまた、特にコンピュータプログラムコードまたはファームウェアのマイクロコントローラへのロードの前またはロードに付随して転送または保存されている間、光または磁気記憶媒体上に存在してもよい。このコンピュータプログラムコードまたはファームウェアは、例えば、コンピュータシステムをプログラミングインターフェイスに接続することによってロード可能である。
【0074】
本発明は、システム、方法、装置、コンピュータ可読媒体、非一時的なコンピュータ可読媒体、および/またはコンピュータプログラム製品として具体化され得ることが理解され、理解されるべきである。本発明は、完全にハードウェアの実施形態、または本明細書で本発明の方法またはシステムを実施するように構成されている「回路」、「モジュール」、「システム」、または「プロセッサ」と呼ばれ得るソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができる。本発明は、コンピュータ可読プログラムコードが具体化された1つまたは複数のコンピュータ可読媒体に具体化されたコンピュータプログラム製品の形を部分的にとることができる。
【0075】
1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を、単独でまたは組み合わせて利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読記憶媒体またはコンピュータ可読信号媒体であってもよい。適切なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、これらに限定されないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、または半導体のシステム、装置、またはデバイス、または前述の任意の適切な組み合わせであってもよい。適切なコンピュータ可読記憶媒体の他の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない。1つまたは複数のワイヤ、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、またはこれらの任意の適切な組み合わせ。適切なコンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムを含む、または格納することができる任意の有形媒体であってもよい。
【0076】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドで、または搬送波の一部として、その中に具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを備えた伝搬データ信号を含んでもよい。そのような伝播された信号は、電磁的、光学的、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々な形態のいずれかをとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムを通信、伝播、または輸送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0077】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなど、または前述の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を使用して送信することができる。
【0078】
本発明の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Scala、Ruby、Python、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書くことができる。プログラムコードは、完全にコンピューティングデバイス(コンピュータなど)で、一部はコンピューティングデバイスで、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、一部はユーザーのコンピューティングデバイスで、一部はリモートコンピューティングデバイスで、または完全にコンピューティングデバイスまたはサーバー上リモートで実行可能である。後者のシナリオでは、リモートコンピューティングデバイスは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)を含む、任意のタイプのネットワークを介してユーザーのコンピューティングデバイスに接続でき、または、(たとえば、インターネットサービスプロバイダーを使用したインターネット経由で)外部コンピューティングデバイスへの接続を確立することもできる。
【0079】
本発明の操作方法は、コンピュータプログラム命令によって実施することができる。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピューティングデバイス(コンピュータなど)のプロセッサ、特殊目的コンピューティングデバイス、または他のプログラム可能なデータプロセッサまたは処理装置に提供されて、 コンピューティングデバイスまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサは、フローチャートおよび/またはブロック図1つまたは複数のブロックで指定された機能/行為を実施するための手段を作成する。
【0080】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピューティングデバイス、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスに、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図または複数のブロックで指定された機能/行為を実施する命令を含む製品を製造するような特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に格納されてもよい。
【0081】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピューティングデバイス、他のプログラム可能なデータ処理装置、または他のデバイスにロードされて、コンピュータ実装プロセスを生成するために、コンピューティングデバイス、他のプログラム可能な装置または他のデバイス上で、コンピューティングデバイスまたは他のプログラム可能な装置で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図または複数のブロックで指定された機能/動作を実装するためのプロセスを提供するように、一連の操作ステップを実行させてもよい。
【0082】
したがって、本発明は、以下の利点のうちの1つまたは複数を達成する。本発明は、水分子から水素および酸素を分離して「オンデマンド」で水素を生成するための改善された手段を提供し、水素は、燃料電池に供給され、燃料電池またはエネルギーシステムの一部として使用され得る。このシステムは、従来の電気分解よりも大幅に効率的であり、消費するエネルギーがはるかに少なくなる。
【0083】
本発明は、特定の実施形態と併せて特に説明されてきたが、前述の説明に照らして、多くの代替、修正、および変形が当業者には自明であることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の範囲および精神に該当するような代替、修正、および変形を包含することが企図される。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
【手続補正書】
【提出日】2022-03-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同心円状に取り付けられた電極間で所定の容積の水を隔離し、
前記電極に放射状に集束されかつ直径方向に引きつける磁場に前記所定の容積の水を印加し、
前記隔離された容積の水の水分子を共振調和振動数まで励起し、
最大1ミリ秒のバースト幅および少なくとも1MVから最大約10MVの電圧を有し、前記励起された水分子に作用する振動起電力を生成するショートバースト高電圧高周波ACパルスパケットを、前記隔離された容積の水に電場を生成するように同期的に印加し、
前記振動起電力の結果として、前記励起された水分子から水素と酸素を分離する
ことを含む、水分子から水素と酸素を分離する方法。
【請求項2】
前記隔離された容積の水で水分子を励起する工程において、前記隔離された容積の水を1~6ミクロンのMIRレーザーでパルスさせることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記隔離された容積の水で水分子を励起する工程において、加熱コイルを用いて分子を約90℃まで温めることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
磁場が約1テスラから約2テスラの間で、電場が約1MV/mmから約10MV/mmの間である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記同心円状に取り付けられた電極がロッドの外形よりも大きい内径を有するパイプまたはチューブ内に配置される外径を有するロッドを含み、前記所定の容積の水が前記ロッドの外形と前記パイプの内径の間に隔離される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
並列配線される複数の同心円状に取り付けられた電極をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
クローズドループ制御技術を用いて前記ACパルスパケットの周波数をリアルタイムで変更し、前記ACパルスパケットの周波数を水分子の共振周波数に調節することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
電圧を上げるために前記ACパルスパケットによって駆動される変圧器またはカスケード接続された同調LC回路を用いることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
出力を最大化するための収束を達成するために、PIDループを用いて前記ACパルスパケットの周波数が変化する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
貯蔵庫内に配置されるテント型の集電器を用いることで、水素と酸素を濃度により分ける、貯蔵庫内で分離された水素と酸素を分ける工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
デュアルイオンスクリューメッシュを備え、貯蔵庫内で分離された水素と酸素を分ける工程であって、
正の電圧スクリーン電極をパルスさせ、酸素を引き付け、水素を弾き、
負の電圧スクリーン電極をパルスさせ、水素を引き付け、酸素を弾く、
工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
同心円状のパイプ電極内に厚さ約1mmの水柱を励起して、水素ガスと酸素ガスのなだれを発生させるように、1~6ミクロンのMIRレーザーからのパルスと同期して最大1ミリ秒のバースト幅および少なくとも1MVから最大約10MVのショートバースト高周波ACパルスパケットを生成する手段を含む、高効率水素酸素生成システム。
【請求項13】
放射状に収束され、同心円状のパイプ電極に対して直径方向に引力を有する磁場を水柱に印加する手段をさらに含む、請求項12に記載の高効率水素酸素生成システム。
【請求項14】
磁場が約1テスラから約2テスラの間であって、ショートバースト高周波ACパルスパケットが約1MV/mmから約10MV/mmの間の電場を生成する、請求項13に記載の高効率水素酸素生成システム。
【請求項15】
平行に配線される複数の同心円状のパイプ電極をさらに含む、請求項12に記載の高効率水素酸素生成システム。
【請求項16】
貯蔵庫内で水素ガスと酸素ガスを分離する手段を含む、請求項12に記載の高効率水素酸素生成システム。
【請求項17】
マイクロプロセッサー、ソフトウェア、PIDループ、デジタル電位差計、電圧センサ、電流センサ、湿度センサ、そしてダイレクトデジタルシンセサイザを閉ループ制御技術と方法論で利用して、ACパルスパケットのリアルタイムでの周波数および間隔を変更し、周波数を共振周波数に調整する手段をさらに含む、請求項12に記載の高効率水素酸素生成システム。
【請求項18】
高効率水素酸素生成システムであって、
同心円状に取り付けられた電極間で隔絶された所定の容積の水と、
前記隔絶された容積の水において、磁場を印加すると、前記磁場が放射線状に集束し、前記電極に対して直径方向に引力を有する手段と、
前記隔絶された容積の水において水分子を共振高調波周波数まで励起する手段と、
最大1ミリ秒のバースト幅かつ少なくとも1MVから最大約10MVのショートバーストの高電圧を有し、前記励起された水分子に作用する振動起電力を生成する高周波ACパルスパケットを前記隔絶された容積の水に同期的に印加して電場を生成し、前記振動起電力の結果として、前記励起された水分子から水素と酸素を分離する手段とを含む、システム。
【国際調査報告】