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特表2022-534574ビルトイン式冗長性を備えた光測定のためのオプトエレクトロニクスセンサコンポーネント
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  • 特表-ビルトイン式冗長性を備えた光測定のためのオプトエレクトロニクスセンサコンポーネント 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-02
(54)【発明の名称】ビルトイン式冗長性を備えた光測定のためのオプトエレクトロニクスセンサコンポーネント
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/44 20060101AFI20220726BHJP
   G01J 1/42 20060101ALI20220726BHJP
   G01J 1/00 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
G01J1/44 N
G01J1/42 J
G01J1/42 B
G01J1/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570393
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2020064678
(87)【国際公開番号】W WO2020239825
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】102019114537.6
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレイ リソフ
(72)【発明者】
【氏名】ティム ベスケ
【テーマコード(参考)】
2G065
【Fターム(参考)】
2G065AA15
2G065AB02
2G065AB04
2G065BA09
2G065BA34
2G065BC14
2G065BC28
2G065DA02
2G065DA03
(57)【要約】
光測定のためのオプトエレクトロニクスセンサコンポーネント(100)は、センサコンポーネント(100)に入射する光(L)の強度を表す第1電気信号を供給する第1信号チャネル(112)と、同様に、センサコンポーネント(100)に入射する光(L)の強度を表す、第1電気信号には依存しない第2電気信号を供給する、第1信号チャネル(112)とは信号技術的に切り離された第2信号チャネル(114)と、第1電気信号を生成するように構成されておりかつ第1信号チャネル(112)に対応付けられた第1感光検出デバイス(102)と、第2電気信号を生成するように構成されておりかつ第2信号チャネル(114)に対応付けられた第2感光検出デバイス(104)と、を有し、
2つの検出デバイス(102、104)は、同じスペクトル感度を有し、ひいては互いに冗長である。好ましくは、周囲光センサとして使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光測定のためのオプトエレクトロニクスセンサコンポーネント(100)であって、前記オプトエレクトロニクスセンサコンポーネント(100)は、
前記センサコンポーネント(100)に入射する光(L)の強度を表す第1電気信号を供給する第1信号チャネル(112)と、
同様に、前記センサコンポーネント(100)に入射する前記光(L)の前記強度を表す、前記第1電気信号には依存しない第2電気信号を供給する、前記第1信号チャネル(112)とは信号技術的に切り離された第2信号チャネル(114)と、
前記第1電気信号を生成するように構成されておりかつ前記第1信号チャネル(112)に対応付けられた第1感光検出デバイス(102)と、
前記第2電気信号を生成するように構成されておりかつ前記第2信号チャネル(114)に対応付けられた第2感光検出デバイス(104)と、を有し、
2つの前記検出デバイス(102、104)は、同じスペクトル感度を有し、ひいては互いに冗長であり、
2つの前記検出デバイス(102、104)の前記スペクトル感度は、明所視性の経過を有し、前記オプトエレクトロニクスセンサコンポーネント(100)はさらに、
赤外光だけを検出するように構成されている別の感光検出デバイス(106)と、対応付けられた別の信号チャネル(116)とを有する、オプトエレクトロニクスセンサコンポーネント(100)。
【請求項2】
さらに、前記第1電気信号および前記第2電気信号を処理する少なくとも1つの信号処理回路(110)を有する、請求項1記載のセンサコンポーネント(100)。
【請求項3】
2つの前記検出デバイス(102、104)と、それぞれの信号処理回路(110)とは、共通の電圧供給部(VDD)を有するただ1つの集積回路として構成されている、請求項2記載のセンサコンポーネント(100)。
【請求項4】
前記第1電気信号を処理する第1信号処理回路(210a)と、前記第2電気信号を処理する切り離された第2信号処理回路(210b)と、を有する、請求項2または3記載のセンサコンポーネント(200)。
【請求項5】
前記第1検出デバイス(102)および前記第2検出デバイス(104)と同じスペクトル感度を有しかつ周囲光に対してシールドされており、これにより、暗闇についての参照信号の供給が可能である別の感光検出デバイス(108)と、対応付けられた別の信号チャネル(118)とを有する、請求項1から4までいずれか1項記載のセンサコンポーネント(100)。
【請求項6】
それぞれの前記検出デバイスは、少なくとも1つのフォトダイオードを含む、請求項1から5までのいずれか1項記載のセンサコンポーネント(100)。
【請求項7】
前記検出デバイスの前記フォトダイオードによって形成される所定数の測定素子に分割されている全体感光測定面(432)を有する、請求項6記載のセンサコンポーネント(400)。
【請求項8】
前記第1検出デバイス(102)は、第1感光測定面を定め、前記第2検出デバイス(104)は、第2感光測定面を定め、前記第1測定面の面積は、前記第2測定面の面積の整数倍である、請求項1から7までのいずれか1項記載のセンサコンポーネント(100)。
【請求項9】
前記センサコンポーネントは、周囲光センサである、請求項1から8までのいずれか1項記載のセンサコンポーネント(100)。
【請求項10】
機能試験を備えた、光測定のためのシステムであって、前記システムは、請求項1から9までのいずれか1項記載のセンサコンポーネント(100)と、前記センサコンポーネントの機能試験のための装置とを含み、前記機能検査装置は、最初の2つの前記検出デバイス(102、104)によって生成される2つの前記電気信号を比較し、前記比較の結果に応じて、前記センサコンポーネント(100)の誤動作を推定するように構成されている、光測定のためのシステム。
【請求項11】
前記機能試験装置によって行われる前記比較では、生成される2つの前記電気信号間の差分を形成し、前記差分の絶対値が、定められた閾値を上回る場合に誤動作を推定する、請求項10記載のシステム。
【請求項12】
前記機能試験装置はさらに、前記参照信号と、最初の2つの前記電気信号とを比較し、2つの前記電気信号の少なくとも1つの絶対値が、前記参照信号の絶対値よりも小さい場合に、前記センサコンポーネント(100)の誤動作を推定するように構成されている、請求項7記載のセンサコンポーネント(100)を備えた、請求項10または11記載のシステム。
【請求項13】
請求項1から9までのいずれか1項記載のセンサコンポーネント(100)と、電子制御ユニットと備えた、光測定に基づく電子制御のためのシステムであって、前記センサコンポーネントと前記制御ユニットとは、デジタル通信インタフェースを介して互いに接続されており、これにより、前記センサコンポーネント(100)は、その測定結果をデジタルデータの形式で前記制御ユニットに伝送することができ、前記システムにより、前記センサコンポーネント(100)と前記制御ユニットとの間の誤りのないデータ伝送をチェックする方法が、例えば、チェックサム、巡回冗長検査または誤り訂正法を用いて実施される、システム。
【請求項14】
請求項10から12までのいずれか1項の記載のシステムの特徴的構成も有する、請求項13記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、ドイツ国特許出願第102019114537.6号明細書の優先権を主張するものであり、その開示内容は、引用によってここに取り込まれるものとする。
【0002】
本発明は、オプトエレクトロニクスセンサコンポーネントに関し、特に周囲光センサに関する。
【0003】
周囲光センサは、周囲光の強度を検出してこの周囲光の強度に比例する信号を出力する集積型オプトエレクトロニクスセンサである。一般に、公知の周囲光センサは、フォトダイオードアセンブリおよび信号処理回路を有する。
【0004】
周囲光センサは、例えば、自動車のダッシュボードに組み込まれる。周囲光センサはそこでキャビンの光強度を測定する。次に、この測定に基づき、ダッシュボードのディスプレイの背景照明を、これに対応して適合させることができる。
【0005】
特に自動車分野では、そこに使用される複数のセンサに対し、これらセンサが完全性試験に適合していることが要求される。これによって保証されるのは、それぞれのセンサの機能試験が行われ、したがって場合によっては故障しているセンサを識別できることである。
【0006】
現在の周囲光センサは、これらの要求を満たしていない。
【0007】
さらに自動車分野では、近接識別およびジェスチャー識別を介して、ダッシュボードのディスプレイの表示輝度を制御することが要求される。これには、周囲光識別機能と組み合わされた近接識別機能が必要である。近接測定は、近接センサによって実行可能である。これらのセンサは、目標対象体を照明する赤外光放射器と、この目標対象体から反射される信号を測定する赤外光検出器とを含む。目標対象体との距離は、センサによって測定される反射信号の強度に基づいて計算可能である。
【0008】
例えば周囲光センサのような集積型オプトエレクトロニクスセンサに、ディスクリートのフォトダイオードベースの検出器においてすでに使用されている機能チェックを転用することが考えられる。このような機能チェックは、次のように機能する。すなわち、フォトダイオードの給電電圧を逆転する。これにより、フォトダイオードは、もはや逆方向ではなく順方向に駆動される。結果的に得られる順方向電流を測定する。測定した順方向電流が、あらかじめ定められた範囲内にある場合、フォトダイオードが欠陥なく機能することが推定される。
【0009】
しかしながら集積型光センサではこの完全性試験を実行することができない。というのはそこでは、集積回路全体を非活動化することなく、個々のフォトダイオードの給電電圧を逆転することは容易にはできないからである。
【0010】
したがって、信頼性が高くかつ簡単な別の完全性試験を可能にしかつさらに集積回路に適しているセンサアーキテクチャを提供することが望ましい。
【0011】
このアーキテクチャは特に、このアーキテクチャが、例えば周囲光センサのような集積型オプトエレクトロニクスセンサコンポーネントにおいて実施できるように構成されるべきである。
【0012】
これに対応して、本発明の課題は、簡単かつ容易に妥当性チェックおよび機能チェックが実行可能なオプトエレクトロニクスセンサコンポーネントを提供することである。機能チェックは、特に、オプトエレクトロニクスセンサコンポーネントの動作中にリアルタイムに可能になるようにすべきである。
【0013】
この課題は、本発明により、光測定のためのオプトエレクトロニクスセンサコンポーネントによって解決され、このオプトエレクトロニクスセンサコンポーネントは、センサコンポーネントに入射する光の強度を表す第1電気信号を供給する第1信号チャネルと、同様に、センサコンポーネントに入射する光の強度を表す、第1電気信号には依存しない第2電気信号を供給する、第1信号チャネルとは信号技術的に切り離された第2信号チャネルと、第1電気信号を生成するように構成されておりかつ第1信号チャネルに対応付けられた第1感光検出デバイスと、第2電気信号を生成するように構成されておりかつ第2信号チャネルに対応付けられた第2感光検出デバイスと、を有し、2つの検出デバイスは、同じスペクトル感度を有し、ひいては互いに冗長である。
【0014】
同じスペクトル感度を有し、ひいては互いに冗長である別々の2つの検出デバイスを設けることにより、欠陥なく動作する場合、本発明によるオプトエレクトロニクスセンサコンポーネントにより、同じ測定信号が2回、供給される。これは、冗長性ベースの妥当性監視に利用可能である。したがって、同じ入射光を検出するために、付加的でありかつ冗長な感光検出デバイスが使用される。互いに冗長な信号を比較することにより、センサコンポーネントの、生じているかもしれない誤動作を推定することができる。
【0015】
好ましい実施形態によれば、本発明によるセンサコンポーネントは、すべての技術的に可能な組み合わせにおいて、次の特徴的構成、すなわち、
-第1電気信号および第2電気信号を処理する少なくとも1つの信号処理回路を有する、
-2つの検出デバイスと、それぞれの信号処理回路とは、共通の電圧供給部を有するただ1つの集積回路として構成されている、
-第1電気信号を処理する第1信号処理回路と、第2電気信号を処理する切り離された第2信号処理回路とを有する、
-2つの検出デバイスのスペクトル感度は、明所視性の経過を有する、
-赤外光を、特に赤外光だけを検出するように構成されている別の感光検出デバイスと、対応付けられた別の信号チャネルとを有する、
-第1検出デバイスおよび第2検出デバイスと同じスペクトル感度を有しかつ周囲光に対してシールドされており、これにより、暗闇についての参照信号の供給が可能である別の感光検出デバイスと、対応付けられた別の信号チャネルとを有する、
-それぞれの検出デバイスは、少なくとも1つのフォトダイオードを含む、
-検出デバイスのフォトダイオードによって形成される所定数の測定素子に分割される全体感光測定面を有する、
-第1検出デバイスは、第1感光測定面を定め、第2検出デバイスは、第2感光測定面を定め、第1測定面の面積は、第2測定面の面積の整数倍である、
-センサコンポーネントは、周囲光センサである、
の1つ、複数またはすべてを有していてよい。
【0016】
赤外光を検出する別の感光検出デバイスと、対応付けられた別の信号チャネルとは、例えば、周囲光検出機能の他に近接検出機能も要求される応用に使用可能である。近接検出機能には、例えば、目標対象体を照明するために赤外光を、特に赤外光だけを放射するように構成された放射器が使用可能である。赤外光を検出する別の感光検出デバイスと、対応付けられた別の信号チャネルとを用いて、周囲光の強度に加えて、目標対象体によって反射される赤外光の強度が測定可能である。反射光の強度は、検出デバイスと目標対象体との間の間隔を計算するために使用可能である。
【0017】
同様に、赤外光を検出する別の感光検出デバイスと、対応付けられた別の信号チャネルとは、赤外光についての参照信号を供給することができ、この参照信号は、2つの検出デバイスのスペクトル感度をさらに良好に明所視性の経過に適合させるために、第1検出デバイスおよび第2検出デバイスの信号から減算可能である。これに対応して人間の眼のスペクトル感度を最善にモデル化することができる。これは、例えば、第1検出デバイスおよび第2検出デバイスの信号から、検出デバイスによって検出した赤外信号を減算することにより、暗電流についての参照信号を特定するのと同様に行うことができる。
【0018】
本発明はまた、機能試験を備えた光測定のためのシステムにも関し、このシステムは、上で挙げた特徴的構成を備えたセンサコンポーネントと、センサコンポーネントの機能試験のための装置とを含み、機能検査装置は、最初の2つの検出デバイスによって生成される2つの電気信号を比較し、この比較の結果に応じて、センサコンポーネントの誤動作を推定するように構成されている。
【0019】
光測定システムは好適には、すべての技術的に可能な組み合わせにおいて、次の特徴的構成、すなわち、
-機能試験装置によって行われる比較では、生成される2つの電気信号間の差分を形成し、差分の絶対値が、定められた閾値を上回る場合に誤動作を推定する、
-機能試験装置はさらに、参照信号と、最初の2つの電気信号とを比較し、2つの電気信号の少なくとも1つの絶対値が、参照信号の絶対値よりも小さい場合に、センサコンポーネントの誤動作を推定するように構成されている、
の1つ、複数またはすべてを有していてよい。
【0020】
本発明はまた、上で定義したセンサコンポーネントと、電子制御ユニットとを備えた、光測定に基づく電子制御のためのシステムにも関し、センサコンポーネントと制御ユニットとは、デジタル通信インタフェースを介して互いに接続されており、これにより、センサコンポーネントは、その測定結果をデジタルデータの形態で制御ユニットに伝送することができ、このシステムにより、センサコンポーネントと制御ユニットとの間の誤りのないデータ伝送をチェックする方法が、例えば、チェックサム、巡回冗長検査または誤り訂正法を用いて実施される。
【0021】
本発明は、上で定義された2つのシステムから成る組み合わせにも関する。
【0022】
以下では、図面を参照して、本発明のさまざまな実施形態を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】チャネル毎のフォトダイオードと、共通の信号処理回路とを備えた本発明によるセンサコンポーネントの第1実施形態のブロック図である。
図2】チャネル毎のフォトダイオードと、チャネル毎の信号処理回路とを備えた本発明によるセンサコンポーネントの第2実施形態のブロック図である。
図3】1チャネル当たりに4つのフォトダイオードを備えた本発明によるセンサコンポーネントの第3実施形態のブロック図である。
図4】個々のピクセルに分割された測定面を備えたチップの形態をした本発明によるセンサコンポーネントの、考えられ得るハードウェアでの実施のブロック図である。
【0024】
図に示したさまざまなセンサコンポーネント100、200、300および400はそれぞれ、組み合わせ型の周囲光および近接センサである。このようなセンサにより、センサに入射する光L(図の矢印を参照されたい)の強度が増大するのに伴って増大する出力信号が供給される。したがって、これらのようなセンサに基づき、センサが設けられている周囲にある光Lの強度が測定可能である。付加的にはこのセンサはさらに、人体部分の近接を検出することができる。
【0025】
これらのようなセンサは、例えば、自動車のダッシュボードに取り付け可能である。ダッシュボードにおいてセンサは、キャビンにある光状況を測定するために使用される。このとき、測定結果に基づいて、ダッシュボードディスプレイの背景照明を適合させることができる。近接識別により、車両の搭乗員が発する命令も識別可能である。
【0026】
当然のことながら、図に示されたセンサは、他の分野にも使用可能である。
【0027】
図1は、本発明によるオプトエレクトロニクスセンサコンポーネントの第1実施形態100のブロック図である。センサコンポーネント100は、集積回路の形態をしている。センサコンポーネント100は、例えば、半導体チップとして実現可能である。センサコンポーネント100は、4つの感光検出デバイス102、104、106および108と、共通の信号処理回路110とを含む。半導体チップ100には、端子VDDを介して電流が供給される。一般に、チップはアース端子GNDも含む。
【0028】
チップ100は、図において1~4によって連続して数字が付けられている4つの別の端子を有する。半導体チップ100はさらに、入射する周囲光Lを測定する、この図に図示されていない測定面を有する。検出デバイス102、104、106および108は、測定面の一部である。
【0029】
この例では、4つの検出デバイスのそれぞれは、1つのフォトダイオード102~108からそれぞれ構成される。それぞれ1つのフォトダイオード102~108は、電気信号を供給する信号チャネル112~118に対応する。4つの信号チャネル112、114、116および118はそれぞれ、信号技術的に切り離されている。これらの信号チャネルはそれぞれ、他の電気信号には依存しない電気信号を供給する。
【0030】
最初の2つのフォトダイオード102および104は、同じスペクトル感度を有する。したがってこれらは互いに冗長である。したがって言い換えると、これらは、入射する周囲光Lが同じ場合に同じ信号を供給する。好適には、フォトダイオード102および104におけるスペクトル感度は、明所視性の経過を有する。すなわち、2つの検出デバイス102および104のスペクトル感度は、人間の眼のスペクトル感度をモデル化している。
【0031】
第3検出デバイス106は、最初の2つのフォトダイオード102および104のスペクトル感度とは、スペクトル感度が異なるフォトダイオードを有する。フォトダイオード106は、赤外光を、特に赤外光だけに感応するフォトダイオード(赤外光フォトダイオード)である。フォトダイオード106が、別の2つのフォトダイオード102および104とは異なるフォトダイオードであることは、フォトダイオードの三角形における黒い点によって見分がつくようにされている。
【0032】
4番目の検出デバイス108は、最初の2つのフォトダイオード102および104と同じタイプのフォトダイオードを含む。このことは、第4フォトダイオード108のスペクトル感度が、フォトダイオード102および104のスペクトル感度と同じであることを意味する。しかしながら違いは、第4フォトダイオード108が、例えば不透明なカバーにより、周囲光Lに対してシールドされていることである。このことは、フォトダイオードの三角形の十字によって見分けがつくようにされている。
【0033】
したがって第1信号チャネル112は、センサコンポーネント100に入射する光Lの強度を表す。第2信号チャネル114は同様に、センサコンポーネント100に入射する周囲光Lの強度を表す。第3信号チャネル116は、センサコンポーネント100に入射する赤外光の強度を表す。これに対し、第4信号チャネル118は、暗闇についての一定の参照信号を供給する。
【0034】
しかしながら第4検出デバイス108は、フォトダイオード102、104および106のスペクトル感度とは異なるスペクトル感度を有していてもよい。これに対応して、チップ100は、明所視性の経過を有するスペクトル感度と、赤外領域におけるスペクトル感度とを有する検出デバイスの他に、別のスペクトル領域に感応する検出デバイスを含んでいてもよい。
【0035】
すべてのフォトダイオード102~108は、同じ信号処理回路110に接続されている。したがって信号処理回路110は、フォトダイオード102~108によって供給されるすべての信号の処理を行う。これは、例えば、順次に行われ、これにより、信号処理回路は、異なる4つのフォトダイオードの信号を順次に変換する。
【0036】
一般に、信号処理回路110は、増幅器およびアナログ・デジタル変換器を含む。
【0037】
第1端子は、チップ100のデータ出力部である。この端子を介して、検出デバイス102、104、106および108によって供給されかつ信号処理回路110によって処理された信号が出力される。第2端子は、チップ100にクロック周波数を供給するクロック入力部である。第3端子は、いわゆる割り込みピンである。この出力部を介して、チップ100は、例えば、光強度に大きな変化が起こったことを外部の制御ユニットに伝えることができる。第4端子は、いわゆるアドレスピンである。この入力部を介して、例えば、外部の制御ユニットは、センサ、すなわち第4フォトダイオード108のアドレスを設定することができる。
【0038】
図2には、本発明によるオプトエレクトロニクスセンサコンポーネントの第2実施形態200が示されている。センサコンポーネント200は、図1のセンサコンポーネント100と同等の構造を有する。センサコンポーネント200は、それぞれの信号チャネル212、214、216および218が、専用でありかつ別々の信号処理回路210a~210dに対応付けられていることだけが異なる。したがってセンサコンポーネント200では、異なる4つのフォトダイオード202~208の信号を並列かつ同時に処理することができる。図1のセンサコンポーネント100とは異なり、2つの冗長なチャネル212および214用に専用の信号処理回路210aおよび210bをそれぞれ設けることにより、順次の信号処理によって発生し得る出力信号間の不所望の偏差を取り除くことができる。さらにこの第2実施形態では、欠陥のある信号処理回路が識別可能である。
【0039】
これに対応して、フォトダイオード202および204の周囲光信号と並列に、フォトダイオード206の赤外信号が測定可能である。
【0040】
図3によるブロック図には、本発明によるセンサコンポーネントの第3実施形態300が示されている。この変化形態の特徴は、4つのチャネル312、314、316および318のそれぞれに、個別のフォトダイオードだけでなく、フォトダイオードグループ全体が対応付けられていることである。この例では、それぞれのダイオードグループは、並列接続されている4つのフォトダイオードを含む。1つのチャネル当たりに複数のフォトダイオードを設けることにより、より高い信号効率が得られる。したがってさらに、フォトダイオードの特性曲線間の、場合によって生じ得る軽微な相違であって、1つのチャネル当たりに1つのフォトダイオードだけを使用する際に冗長な2つのチャネルの信号間の不所望の偏差に結び付き得る相違が、さほど重要でなくなる。このような特性曲線の相違は、例えば、フォトダイオード製造中のプロセスパラメータにおける変動の結果であり得る。
【0041】
図2の例と同様に、ここでもそれぞれの個別のチャネル312~318は、その専用の信号処理回路310a~310dを有する。
【0042】
図4には、本発明によるオプトエレクトロニクスセンサコンポーネント400のハードウェアでの実現が示されている。この実施形態では、センサコンポーネント400は、集積半導体チップとして実施されている。半導体チップ400は、6つのコンタクト420、422、424、426、428および430を有する。半導体チップ400の中央には、全体測定面432が構成されている。全体測定面432は、センサコンポーネント400の感光領域である。この例では、全体測定面432は、正方形に構成されている。
【0043】
6つのコンタクト420~430により、全体測定面432が縁取られている。左上のコンタクト420は、半導体チップ400の電圧供給に使用される。右上のコンタクト422は、データ出力部である。このコンタクト422を介し、センサチップ400から供給される測定信号が読み出される。コンタクト422は、I2Cインタフェースとして構成されていてよい。中央左のコンタクト424は、半導体チップ400のアース接続に使用される。中央右のコンタクト426は、例えばI2Cインタフェースを介するデータ伝送を目的として、クロック(Clock)を接続するために使用される。左下のコンタクト428は、アドレス指定に使用される。右下のコンタクト430は、割り込みに使用される。
【0044】
全体測定面432は、所定数の個別の測定素子に分割される。この例では、4×4=16個の測定素子がある。個々の測定素子には、数字1~4が付されている。この例では正方形の個々の測定素子は、それぞれ1つの個別のフォトダイオードに対応する。
【0045】
測定素子の数字(1~4)は、それぞれの測定素子が、周囲光センサ400の4つの測定チャネルのどれに対応付けられているかを示している。図3の実施例と同様に、それぞれの測定チャネルには4つのフォトダイオードが対応付けられている。測定チャネル1および2はここでも冗長に構成されている。所属するフォトダイオードは、同じスペクトル感度を有し(例えば、これらは、人間の眼の感度を模倣し)、同じスペクトル領域の検出に使用される。測定チャネル3は、赤外光を検出するために使用される。測定チャネル4はここでも、すでに述べた参照信号を供給する、シールドされた4つのフォトダイオードに対応付けられている。
【0046】
4×4個のフォトダイオードは、次のように全体測定面に分散される。すなわち、
正方形の全体測定面432のコーナおよび中央には、周囲光測定のための冗長なフォトダイオードが設けられている。参照測定および赤外光測定のためのフォトダイオードは、正方形の全体測定面432の外辺の中央に配置されている。
【0047】
このピクセル配置は、幾何学形状が対称であるという利点を有する。したがって、アクティブな光学面432のそれぞれの外辺には、シールドされたダイオードおよび赤外フォトダイオードが存在する。これにより、信号は、光入射角に依存しない。
【0048】
したがって言い換えると、全体測定面432は、個々の画素、すなわちピクセルに分割されている。
【0049】
これまでの説明では、第1チャネルのフォトダイオードによって覆われる測定面と、第2測定チャネルのフォトダイオードによって覆われる測定面とが同じ大きさであることを前提とした。しかしながら択一的には、一方の測定面が、他方の測定面の整数倍であってもよい。
【0050】
本発明によるセンサコンポーネントは、機能試験装置と組み合わせて、機能試験を備えた、光測定のためのシステムにすることが可能である。この場合、機能試験装置は、センサコンポーネントの最初の2つのチャネル1およびチャネル2を読み出す。機能試験装置は、読み出した2つの信号を比較して、比較の結果に応じて、センサコンポーネントの誤動作を推定する。この比較は好適には、チャネルによって供給された2つの信号間の差分形成によって行われる。2つの信号間の差分の絶対値が、定められた閾値を上回る場合、センサコンポーネントが誤りを有することに原因がある。第1チャネルのフォトダイオードと、第2チャネルのフォトダイオードとは同じに構成されているため、最初の2つのチャネルも同じ信号を供給するはずである。すなわち、2つの信号間にかなりの偏差がある場合、いくつかは、フォトダイオードまたは信号処理回路の誤動作があることの証拠になる。
【0051】
付加的には、機能試験装置は、第4チャネルによって供給される参照信号と、最初の2つのチャネルによって供給される信号とを比較することもできる。第4チャネルの所属のフォトダイオードは覆われているため、センサコンポーネントの第4出口部にはつねに、センサコンポーネントの周囲が完全な暗闇である場合に予想される最小信号が加わる。これに対応して、最初の2つのチャネルの信号の絶対値はつねに、参照信号の絶対値以上であるはずである。最初の2つのチャネルの2つの信号の少なくとも1つの絶対値が、参照信号の絶対値よりも小さい場合、このことは同様に、誤動作が原因であるとすることができる。
【0052】
第1チャネルの測定面が、第2チャネルの測定面の整数N倍である場合、第1チャネルによって供給される信号I1は、第2チャネルの信号I2よりも整数N倍だけ大きくなる。この場合にここでは、妥当性値Pは、次の式、すなわち、
P=N×I2-I1
によって計算され、ただしNは、整数倍であり、I1は、第1チャネルの信号であり、I2は、第2チャネルの信号である。
【0053】
ここでも、妥当性値Pの絶対値が、定められた閾値を上回った場合に、誤動作が推定される。
【0054】
冗長な光チャネルを備えた上記のセンサアーキテクチャは、冗長な2つのフォトダイオードチャネル間の短絡を識別するためにも使用可能である。このためには冗長な2つのチャネルにおいて、順次の測定および並列の測定を行わなければならない。2つのフォトダイオードチャネル間に短絡が存在する場合、順次の測定の測定結果は、並列の測定の測定結果の2倍である。短絡がなければ、2つの測定において同じ測定結果が予想される。
【0055】
本発明によるセンサコンポーネントは、電子制御ユニットと組み合わせて、光測定ベースで電子制御を行うシステムにすることも可能である。電子制御ユニットは、例えば、いわゆるマイクロコントローラ(MCU:Mikrocontroller)であってよい。この場合にセンサコンポーネントと制御ユニットとは、デジタル通信インタフェースを介して互いに接続されている。このインタフェースは、例えば、図4のコンタクト422およびコンタクト426によって形成される。これにより、センサコンポーネントは、その測定結果をデジタルデータの形式でMCUに伝送することができる。この際には、例えば、チェックサム、巡回冗長検査または誤り訂正法を用いて、センサコンポーネントとMCUとの間の誤りのないデータ伝送をチェックする方法を設けることができる。
【符号の説明】
【0056】
100、200、300、400 センサコンポーネント
102、104、106、108 感光検出デバイス
110、210、310 信号処理回路
112、114、116、118 信号チャネル
212、214、216、218 信号チャネル
312、314、316、318 信号チャネル
420 給電電圧端子
422 データ出力部
424 アース端子
426 クロック端子
428 アドレスピン
430 割り込み
432 全体測定面
L 周囲光
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】