(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-02
(54)【発明の名称】人工心臓弁
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20220726BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570494
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 US2020034314
(87)【国際公開番号】W WO2020242980
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500218127
【氏名又は名称】エドワーズ ライフサイエンシーズ コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Edwards Lifesciences Corporation
【住所又は居所原語表記】One Edwards Way, Irvine, CALIFORNIA 92614, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】タミール・エス・レヴィ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC05
4C097DD09
4C097DD10
4C097DD12
4C097DD15
4C097EE08
4C097FF12
4C097FF15
4C097SB03
4C097SB10
(57)【要約】
植込み可能人工弁は、径方向に収縮可能および拡張可能な環状フレームと、人工弁を通る血流を調整する弁尖構造体とを備える。繊維内方スカートは、フレームの内方表面に沿って位置決めされる。内方スカートは、第1の方向に延在する第1のセットの糸と、第2の方向に延在し、第1のセットの糸と共に織成された第2のセットの糸とを含む。スカートの内方表面は第2のセットの糸よりも多くの第1のセットの糸から形成され、またスカートの外方表面は第1のセットの糸よりも多くの第2のセットの糸から形成されるように、第1のセットの糸は第2のセットの糸よりも細く、第2のセットの糸と共に織成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植込み可能人工弁であって、
流入端部および流出端部を備え、径方向収縮構成と径方向拡張構成との間において径方向に収縮可能および拡張可能である環状フレームと、
前記フレーム内に位置決めされた弁尖構造体であって、前記人工弁の流入端部から流出端部への血流を可能にし、前記人工弁の前記流出端部から前記流入端部への血流を阻止するように構成された弁尖構造体と、
前記フレームの内方表面に沿って位置決めされた繊維内方スカートであって、第1の方向に延在する第1のセットの糸と、第2の方向に延在し、前記第1のセットの糸と共に織成された第2のセットの糸とを含み、前記第1のセットの糸は前記第2のセットの糸よりも細い、繊維内方スカートと
を備え、
前記スカートの内方表面は前記第2のセットの糸よりも多くの前記第1のセットの糸から形成され、また前記スカートの外方表面は前記第1のセットの糸よりも多くの前記第2のセットの糸から形成されるように、前記第1のセットの糸は前記第2のセットの糸と共に織成される、植込み可能人工弁。
【請求項2】
前記スカートの前記内方表面の摩擦係数は前記外方表面の摩擦係数よりも小さい、請求項1に記載の人工弁。
【請求項3】
前記スカートの前記内方表面は前記スカートの前記外方表面よりも滑らかである、請求項1または2に記載の人工弁。
【請求項4】
前記第1のセットの糸の前記第1の方向は前記フレームに対して周方向に延在し、前記第2のセットの糸の前記第2の方向は前記フレームに対して軸方向に延在する、請求項1から3のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項5】
前記第1のセットの糸および前記第2のセットの糸はマルチフィラメント糸を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項6】
前記第1のセットの糸は前記第2のセットの糸よりも多数のフィラメントを有する、請求項5に記載の人工弁。
【請求項7】
前記スカートは、単一の前記第2のセットの糸の上にかかる少なくとも2本以上の隣接した前記第1のセットの糸と、単一の前記第1のセットの糸の上にかかる少なくとも2本以上の前記第2のセットの糸とによって特徴付けられる織成物を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項8】
前記スカートは、単一の前記第2のセットの糸の上にかかる少なくとも4本以上の隣接した前記第1のセットの糸と、単一の前記第1のセットの糸の上にかかる少なくとも4本以上の前記第2のセットの糸とによって特徴付けられる織成物を備える、請求項7に記載の人工弁。
【請求項9】
前記第1のセットの糸は、1本当たり約30~40のフィラメントを有し、前記第2のセットの糸は、1本当たり約10~20のフィラメントを有する、請求項5に記載の人工弁。
【請求項10】
前記第1のセットの糸のフィラメントは約4ミクロン~約6ミクロンの太さを有する、請求項5に記載の人工弁。
【請求項11】
前記第2のセットの糸のフィラメントは約10ミクロン~約12ミクロンの太さを有する、請求項5に記載の人工弁。
【請求項12】
前記スカートはサテン織成物を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項13】
前記弁尖構造体は、前記スカートに対して縫合されるそれぞれの流入エッジ部分を有する複数の弁尖を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項14】
前記スカートは前記フレームのストラットに対して縫合される、請求項1から13のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項15】
植込み可能人工弁であって、
流入端部および流出端部を備え、径方向収縮構成と径方向拡張構成との間において径方向に収縮可能および拡張可能である環状フレームと、
前記フレーム内に位置決めされた弁尖構造体であって、前記人工弁の流入端部から流出端部への血流を可能にし、前記人工弁の前記流出端部から前記流入端部への血流を阻止するように構成された弁尖構造体と、
前記フレームに対して結合された繊維スカートであって、第1の方向に延在する第1のセットの糸と、第2の方向に延在し、前記第1のセットの糸と共にサテン織りに織成された第2のセットの糸とを含む繊維スカートと
を備える植込み可能人工弁。
【請求項16】
前記スカートは内方表面および外方表面を有し、前記内方表面は前記外方表面よりも滑らかである、請求項15に記載の人工弁。
【請求項17】
前記第1のセットの糸は縦糸であり、前記第2のセットの糸は横糸である、請求項15または16に記載の人工弁。
【請求項18】
前記スカートの内方表面は前記第2のセットの糸よりも多くの前記第1のセットの糸から形成され、また前記スカートの外方表面は前記第1のセットの糸よりも多くの前記第2のセットの糸から形成される、請求項15から17のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項19】
前記第1のセットの糸の前記第1の方向は前記フレームに対して周方向に延在し、前記第2のセットの糸の前記第2の方向は前記フレームに対して軸方向に延在する、請求項15から18のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項20】
前記第1のセットの糸は複数の第1のフィラメントを含み、前記第2のセットの糸は複数の第2のフィラメントを含み、前記第1のフィラメントは前記第2のフィラメントよりも細い、請求項15から19のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項21】
前記第1のセットの糸のフィラメントは約4ミクロン~約6ミクロンの太さを有する、請求項20に記載の人工弁。
【請求項22】
前記第2のセットの糸のフィラメントは約10ミクロン~約12ミクロンの太さを有する、請求項20に記載の人工弁。
【請求項23】
前記第1のセットの糸は、前記第2のセットの糸よりも、1本当たり多数のフィラメントを含む、請求項20から22のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項24】
前記第1のセットの糸は、1本当たり約30~40のフィラメントを有し、前記第2のセットの糸は、1本当たり約10~20のフィラメントを有する、請求項20から23のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項25】
前記スカートは前記フレームの内方表面に沿って位置決めされた内方スカートである、請求項15から24のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項26】
前記スカートは前記フレームの外方表面に沿って位置決めされた外方スカートである、請求項15から24のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項27】
前記スカートの内方表面の摩擦係数は前記スカートの外方表面の摩擦係数よりも小さい、請求項15から26のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項28】
前記スカートは、前記第1の糸と前記第2の糸との交差の間に少なくとも2本以上の糸がかかることによって特徴付けられた織成物を備える、請求項15から27のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項29】
前記スカートは、前記第1の糸と前記第2の糸との交差の間に少なくとも4本以上の糸がかかることによって特徴付けられた織成物を備える、請求項28に記載の人工弁。
【請求項30】
植込み可能人工弁であって、
流入端部および流出端部を備え、径方向収縮構成と径方向拡張構成との間において径方向に収縮可能および拡張可能である環状フレームと、
前記フレーム内に位置決めされた弁尖構造体であって、前記人工弁の流入端部から流出端部への血流を可能にし、前記人工弁の前記流出端部から前記流入端部への血流を阻止するように構成された弁尖構造体と、
前記フレームに対して結合された繊維スカートであって、前記スカートの内方表面が前記スカートの外方表面よりも滑らかになるような織成物から製造された繊維スカートと
を備える植込み可能人工弁。
【請求項31】
前記織成物はサテン織成物を備える、請求項30に記載の人工弁。
【請求項32】
前記織成物は、第1の方向に延在する第1のセットの糸と、第2の方向に延在し、前記第1のセットの糸と共に織成された第2のセットの糸とを含み、前記第1のセットの糸は前記第2のセットの糸よりも細く、
前記スカートの前記内方表面は、前記第2のセットの糸よりも多くの前記第1のセットの糸から形成され、また前記スカートの前記外方表面は、前記第1のセットの糸よりも多くの前記第2のセットの糸から形成されるように、前記第1のセットの前記糸は第2のセットの糸と共に織成される、請求項30または31に記載の人工弁。
【請求項33】
前記第1のセットの糸は、1本当たり約30~40のフィラメントを有し、前記第2のセットの糸は、1本当たり約10~20のフィラメントを有する、請求項32に記載の人工弁。
【請求項34】
前記第1のセットの糸のフィラメントは約4ミクロン~約6ミクロンの太さを有する、請求項32に記載の人工弁。
【請求項35】
前記第2のセットの糸のフィラメントは約10ミクロン~約12ミクロンの太さを有する、請求項32に記載の人工弁。
【請求項36】
前記スカートは前記フレームのストラットに対して縫合される、請求項30から36のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項37】
前記スカートは、前記第1の糸と前記第2の糸との交差の間に少なくとも2本以上の糸がかかることによって特徴付けられた織成物を備える、請求項32から36のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項38】
前記スカートは、前記第1の糸と前記第2の糸との交差の間に少なくとも4本以上の糸がかかることによって特徴付けられた織成物を備える、請求項37に記載の人工弁。
【請求項39】
前記スカートは前記フレームの内方表面に沿って位置決めされた内方スカートである、請求項30から38のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項40】
前記スカートは前記フレームの外方表面に沿って位置決めされた外方スカートである、請求項30から38のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項41】
植込み可能人工弁であって、
流入端部および流出端部を備え、径方向収縮構成と径方向拡張構成との間において径方向に収縮可能および拡張可能である環状フレームと、
前記フレーム内に位置決めされた弁尖構造体であって、前記人工弁の流入端部から流出端部への血流を可能にし、前記人工弁の前記流出端部から前記流入端部への血流を阻止するように構成された弁尖構造体と、
前記フレームに対して結合された繊維スカートであって、複数の交差を形成するために第2の方向に延在する第2のセットの糸と共に織成された第1の方向に延在する第1のセットの糸から構築された織成物を備え、前記織成物は、前記第1の糸と前記第2の糸との交差の間に少なくとも2本の糸がかかることによって特徴付けられる、繊維スカートと
を備える植込み可能人工弁。
【請求項42】
前記織成物は、前記第1の糸と前記第2の糸との交差の間に少なくとも4本の糸がかかることによって特徴付けられる、請求項41に記載の人工弁。
【請求項43】
前記スカートの前記内方表面の摩擦係数は前記外方表面の摩擦係数よりも小さい、請求項41または42に記載の人工弁。
【請求項44】
前記スカートの内方表面は前記スカートの外方表面よりも滑らかである、請求項41から43のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項45】
前記第1のセットの糸の前記第1の方向は前記フレームに対して周方向に延在し、前記第2のセットの糸の前記第2の方向は前記フレームに対して軸方向に延在する、請求項41から44のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項46】
前記第1のセットの糸および前記第2のセットの糸はマルチフィラメント糸を含む、請求項41から45のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項47】
前記第1のセットの糸は前記第2のセットの糸よりも多数のフィラメントを有する、請求項46に記載の人工弁。
【請求項48】
前記第1のセットの糸の前記フィラメントは前記第2のセットの糸の前記フィラメントよりも細い、請求項46または47に記載の人工弁。
【請求項49】
前記スカートの内方表面は前記第2のセットの糸よりも多くの前記第1のセットの糸から形成され、また前記スカートの外方表面は前記第1のセットの糸よりも多くの前記第2のセットの糸から形成される、請求項41から48のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項50】
前記スカートは前記フレームの内方表面に沿って位置決めされた内方スカートである、請求項41から49のいずれか一項に記載の人工弁。
【請求項51】
前記スカートは前記フレームの外方表面に沿って位置決めされた外方スカートである、請求項41から49のいずれか一項に記載の人工弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年5月29日に出願された米国仮特許出願第62/854,244号の利益を主張する。この仮特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、植込み可能な拡張可能人工デバイスに関し、特に、人工心臓弁に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒトの心臓は様々な弁膜症を被り得る。これらの弁膜症は、結果として心臓の著しい機能障害に至る可能性があり、最終的には天然弁を人工弁と置換する必要が生じるおそれがある。多数の既知の人工弁と、これらの人工弁をヒトに植え込む多数の既知の方法とが存在する。従来の開胸手術に伴う欠点により、経皮的低侵襲性外科アプローチが高い注目を集めている。一技術では、人工弁が、カテーテル法によってはるかに侵襲性の低い手技で植え込まれるように構成される。例えば、収縮可能な経カテーテル人工心臓弁は、圧縮状態にクリンプされ、カテーテル上で圧縮状態において経皮導入され、バルーン膨張によりまたは自己拡張型フレームもしくは自己拡張型ステントの使用により所望の位置にて機能サイズへと拡張され得る。経カテーテル人工心臓弁の例は、米国特許第6,730,118号、米国特許第7,393,360号、米国特許第7,510,575号、および米国特許第7,993,394号に開示されている。これらの特許は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
かかる手技において使用するための人工弁は、一般的には径方向に収縮可能および拡張可能なフレームと、フレームによって支持された複数の弁尖と、弁傍を封止するため、および/または弁尖とフレームとの間の接続を強化するために使用される1つまたは複数の繊維スカートまたは繊維カフスとを含む。人工弁の動作サイクル中に、弁尖は、弁を通る血流の下で開閉してフレームおよび/またはスカートと接触し得、それによって弁尖が摩耗する可能性がある。したがって、弁尖のかかる摩耗を防止するかまたは軽減するのが望ましく、それによって人工弁の長期耐久性を改善することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,730,118号
【特許文献2】米国特許第7,393,360号
【特許文献3】米国特許第7,510,575号
【特許文献4】米国特許第7,993,394号
【特許文献5】米国特許第10,195,025号
【特許文献6】米国特許出願公開第2012/0123529号
【特許文献7】米国特許出願公開第2013/0030519号
【特許文献8】米国特許出願公開第2017/0065415号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
代表的な一実施形態では、植込み可能人工弁が、流入端部および流出端部を備え、径方向収縮構成と径方向拡張構成との間において径方向に収縮可能および拡張可能である環状フレームと、フレーム内に位置決めされた弁尖構造体と、人工弁の流入端部から流出端部への血流を可能にし、人工弁の流出端部から流入端部への血流を阻止するように構成された弁構造体と、フレームの内方表面に沿って位置決めされた繊維内方スカートとを備える。内方スカートは、第1の方向に延在する第1のセットの糸と、第1のセットの糸で織成され、第2の方向に延在する第2のセットの糸とを備え、第1のセットの糸は第2のセットの糸よりも細い。スカートの内方表面は第2のセットの糸よりも多くの第1のセットの糸から形成され、またスカートの外方表面は第1のセットの糸よりも多くの第2のセットの糸から形成されるように、第1のセットの糸は第2のセットの糸と共に織成される。
【0007】
いくつかの実施形態では、スカートの内方表面の摩擦係数は外方表面の摩擦係数よりも小さい。
【0008】
いくつかの実施形態では、スカートの内方表面はスカートの外方表面よりも滑らかである。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸の第1の方向はフレームに対して周方向に延在し、第2のセットの糸の第2の方向はフレームに対して軸方向に延在する。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸および第2のセットの糸はマルチフィラメント糸を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸は第2のセットの糸よりも多数のフィラメントを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、スカートは、単一の第2のセットの糸の上にかかる少なくとも2本以上の隣接した第1のセットの糸と、単一の第1のセットの糸の上にかかる少なくとも2本以上の第2のセットの糸とによって特徴付けられる織成物を備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、スカートは、単一の第2のセットの糸の上にかかる少なくとも4本以上の隣接した第1のセットの糸と、単一の第1のセットの糸の上にかかる少なくとも4本以上の第2のセットの糸とによって特徴付けられる織成物を備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸は、1本当たり約30~40のフィラメントを有し、第2のセットの糸は、1本当たり約10~20のフィラメントを有する。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸のフィラメントは約4ミクロン~約6ミクロンの太さを有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、第2のセットの糸のフィラメントは約10ミクロン~約12ミクロンの太さを有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、スカートはサテン織成物を備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、弁尖構造体は、スカートに対して縫合されるそれぞれの流入エッジ部分を有する複数の弁尖を備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、スカートはフレームのストラットに対して縫合される。
【0020】
別の代表的な実施形態では、植込み可能人工弁には、流入端部および流出端部を備え、径方向収縮構成と径方向拡張構成との間において径方向に収縮可能および拡張可能である環状フレームと、フレーム内に位置決めされた弁尖構造体と、人工弁の流入端部から流出端部への血流を可能にし、人工弁の流出端部から流入端部への血流を阻止するように構成された弁構造体と、フレームに対して結合された繊維スカートであって、第1の方向に延在する第1のセットの糸と、第2の方向に延在し、第1のセットの糸と共にサテン織りに織成された第2のセットの糸とを含む繊維スカートとが備わっている。
【0021】
いくつかの実施形態では、スカートは内方表面および外方表面を有し、内方表面は外方表面よりも滑らかである。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸は縦糸であり、第2のセットの糸は横糸である。
【0023】
いくつかの実施形態では、スカートの内方表面は第2のセットの糸よりも多くの第1のセットの糸から形成され、またスカートの外方表面は第1のセットの糸よりも多くの第2のセットの糸から形成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸の第1の方向はフレームに対して周方向に延在し、第2のセットの糸の第2の方向はフレームに対して軸方向に延在する。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸は複数の第1のフィラメントを含み、第2のセットの糸は複数の第2のフィラメントを含み、第1のフィラメントは第2のフィラメントよりも細い。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸のフィラメントは約4ミクロン~約6ミクロンの太さを有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、第2のセットの糸のフィラメントは約10ミクロン~約12ミクロンの太さを有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸は、第2のセットの糸よりも、1本当たりのフィラメントが多い。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸は、1本当たり約30~40のフィラメントを有し、第2のセットの糸は、1本当たり約10~20のフィラメントを有する。
【0030】
いくつかの実施形態では、スカートは、フレームの内方表面に沿って位置決めされた内方スカートである。
【0031】
いくつかの実施形態では、スカートは、フレームの外方表面に沿って位置決めされた外方スカートである。
【0032】
いくつかの実施形態では、スカートの内方表面の摩擦係数はスカートの外方表面の摩擦係数よりも小さい。
【0033】
いくつかの実施形態では、スカートは、第1の糸と第2の糸との交差の間に少なくとも2本以上の糸がかかることによって特徴付けられた織成物を備える。
【0034】
いくつかの実施形態では、スカートは、第1の糸と第2の糸との交差の間に少なくとも4本以上の糸がかかることによって特徴付けられた織成物を備える。
【0035】
別の代表的な実施形態では、植込み可能人工弁には、流入端部および流出端部を備え、径方向収縮構成と径方向拡張構成との間において径方向に収縮可能および拡張可能である環状フレームと、フレーム内に位置決めされた弁尖構造体と、人工弁の流入端部から流出端部への血流を可能にし、人工弁の流出端部から流入端部への血流を阻止するように構成された弁構造体と、フレームに対して結合された繊維スカートであって、スカートの内方表面がスカートの外方表面よりも滑らかになるような織成物から製造されたスカートとが備わっている。
【0036】
いくつかの実施形態では、織成物はサテン織成物を備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、織成物は、第1の方向に延在する第1のセットの糸と、第1のセットの糸で織成され、第2の方向に延在する第2のセットの糸とを備え、第1のセットの糸は第2のセットの糸よりも細い。スカートの内方表面は第2のセットの糸よりも多くの第1のセットの糸から形成され、またスカートの外方表面は第1のセットの糸よりも多くの第2のセットの糸から形成されるように、第1のセットの糸は第2のセットの糸と共に織成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸は、1本当たり約30~40のフィラメントを有し、第2のセットの糸は、1本当たり約10~20のフィラメントを有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸のフィラメントは約4ミクロン~約6ミクロンの太さを有する。
【0040】
いくつかの実施形態では、第2のセットの糸のフィラメントは約10ミクロン~約12ミクロンの太さを有する。
【0041】
いくつかの実施形態では、スカートはフレームのストラットに対して縫合される。
【0042】
いくつかの実施形態では、スカートは、第1の糸と第2の糸との交差の間に少なくとも2本以上の糸がかかることによって特徴付けられた織成物を備える。
【0043】
いくつかの実施形態では、スカートは、第1の糸と第2の糸との交差の間に少なくとも4本以上の糸がかかることによって特徴付けられた織成物を備える。
【0044】
いくつかの実施形態では、スカートは、フレームの内方表面に沿って位置決めされた内方スカートである。
【0045】
いくつかの実施形態では、スカートは、フレームの外方表面に沿って位置決めされた外方スカートである。
【0046】
別の代表的な実施形態では、植込み可能人工弁には、流入端部および流出端部を備え、径方向収縮構成と径方向拡張構成との間において径方向に収縮可能および拡張可能である環状フレームと、フレーム内に位置決めされた弁尖構造体であって、人工弁の流入端部から流出端部への血流を可能にし、人工弁の流出端部から流入端部への血流を阻止するように構成された弁尖構造体と、フレームに対して結合された繊維スカートであって、複数の交差を形成するように、第2の方向に延在する第2のセットの糸と共に織成された、第1の方向に延在する第1のセットの糸から構築された織成物を備え、織成物が、第1の糸と第2の糸との交差の間に、少なくとも2本の糸がかかることによって特徴付けられる、繊維スカートとが備わっている。
【0047】
いくつかの実施形態では、織成物は、第1の糸と第2の糸との交差の間に少なくとも4本の糸がかかることによって特徴付けられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、スカートの内方表面の摩擦係数は外方表面の摩擦係数よりも小さい。
【0049】
いくつかの実施形態では、スカートの内方表面はスカートの外方表面よりも滑らかである。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸の第1の方向はフレームに対して周方向に延在し、第2のセットの糸の第2の方向はフレームに対して軸方向に延在する。
【0051】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸および第2のセットの糸はマルチフィラメント糸を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸は第2のセットの糸よりも多数のフィラメントを有する。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1のセットの糸のフィラメントは、第2のセットの糸のフィラメントよりも細い。
【0054】
いくつかの実施形態では、スカートの内方表面は第2のセットの糸よりも多くの第1のセットの糸から形成され、またスカートの外方表面は第1のセットの糸よりも多くの第2のセットの糸から形成される。
【0055】
いくつかの実施形態では、スカートは、フレームの内方表面に沿って位置決めされた内方スカートである。
【0056】
いくつかの実施形態では、スカートは、フレームの外方表面に沿って位置決めされた外方スカートである。
【0057】
本発明の前述のならびに他の目的、特徴、および利点は、添付の図面を参照として進められる以下の詳細な説明からさらに明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】人工心臓弁の一例の実施形態を示す図である。
【
図2】人工心臓弁の一例の実施形態を示す図である。
【
図3】人工心臓弁の一例の実施形態を示す図である。
【
図4】
図1の人工心臓弁のフレームの一例を示す図である。
【
図5】
図1の人工心臓弁のフレームの一例を示す図である。
【
図6】
図1の人工心臓弁のフレームの一例を示す図である。
【
図7】
図1の人工心臓弁のフレームの一例を示す図である。
【
図8】
図1の人工心臓弁のフレームの一例を示す図である。
【
図9】
図1の人工心臓弁のフレームの一例を示す図である。
【
図10】
図1の人工心臓弁のフレームの一例を示す図である。
【
図11】
図1の人工心臓弁の内方スカートの一例を示す図である。
【
図12】
図1の人工心臓弁の内方スカートの一例を示す図である。
【
図13】収縮構成にあり、一例のバルーンカテーテル上に取り付けられた、
図1の人工心臓弁を示す図である。
【
図17】一例の弁尖構造体の組付けを示す図である。
【
図18】一例の弁尖構造体の組付けを示す図である。
【
図19】フレームの窓フレーム部分との弁尖構造体の交連部分の組付けを示す図である。
【
図20】弁尖の下方エッジに沿った内方スカートとの弁尖構造体の組付けを示す図である。
【
図21】弁尖の下方エッジに沿った内方スカートとの弁尖構造体の組付けを示す図である。
【
図23】繊維の一方の側から見た、繊維スカートの織成パターンの一例の実施形態を示す。
【
図24】繊維の反対側から見た、
図23の織成パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1~
図3は、一実施形態による人工心臓弁10の様々な図を示す。この例示の人工弁は、天然大動脈弁輪内に植え込まれるように構成されるが、他の実施形態では、心臓の他の天然弁輪(例えば肺動脈弁、僧帽弁、および三尖弁などの)内に植え込まれるように構成され得る。また、この人工弁は、体内の他の管状器官または管状通路の中に植え込まれるように構成され得る。人工弁10は、4つの主要な構成要素、すなわちステントまたはフレーム12、弁構造体14、内方スカート16、および弁周囲封止手段または弁周囲封止部材を有し得る。人工弁10は、流入端部部分15、中間部分17、および流出端部部分19を有し得る。図示する実施形態では、弁周囲封止手段は外方スカート18を含む。
【0060】
弁構造体14は、3つの弁尖41を備えることが可能であり、これらの弁尖41が集合的に弁尖構造体を形成する。これらの弁尖41は、
図2において最も良く示されるように三尖弁構成で折りたたまれるように構成され得る。望ましくは、弁尖構造体14の下方エッジは、波形状の湾曲扇形状部を有する(
図21に示す縫合ライン154が弁尖構造体の扇形状部を辿る)。この扇形ジオメトリで弁尖を形成することにより、弁尖に対する応力が軽減され、さらにこれにより人工弁の耐久性が改善される。さらに、この扇形状部により、早期石灰化の原因となり得る各弁尖の腹部(各弁尖の中央領域)の襞および小起伏が解消され得るか、または少なくとも最小限に抑えることが可能となる。また、この扇形ジオメトリにより、弁尖構造体を形成するために使用される組織材料の量が削減され、それにより人工弁の流入端部にてより小さくより均一なクリンプ状プロファイルがもたらされる。弁尖41は、心膜組織(例えばウシ心膜組織など)、生体適合性合成材料、または当技術で既知であるようなおよび米国特許第6,730,118号に記載されるような様々な他の適切な天然材料もしくは合成材料から形成され得る。この米国特許第6,730,118号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
ベアフレーム12が
図4に示される。フレーム12は、複数(図示する実施形態では3つ)の周方向に離間されたスロットすなわち交連部窓20を有して形成され得る。これらの交連部窓20は、以下でさらに詳細に説明されるようにフレームに対して弁構造体14の交連部を取り付けるために構成される。フレーム12は、当技術で知られているような様々な適切な塑性拡張性材料(例えばステンレス鋼など)または自己拡張性材料(例えばニチノールなどのニッケルチタン合金(NiTi)など)のいずれかから作製され得る。塑性拡張性材料から製造される場合に、フレーム12(およびしたがって人工弁10)は、送達カテーテル上で径方向収縮構成へとクリンプされ、次いで膨張性バルーンまたはその均等物である拡張機構により患者内部で拡張され得る。自己拡張性材料から製造される場合には、フレーム12(およびしたがって人工弁10)は、径方向収縮構成へとクリンプされ、送達カテーテルのシースまたはその均等物である機構内への挿入によりこの収縮構成に保持され得る。体内に入ると、人工弁は、送達シースから前進されることが可能となり、それにより人工弁のその機能サイズへの拡張が可能となる。
【0062】
フレーム12を形成するために使用され得る適切な塑性拡張性材料としては、ステンレス鋼、生体適合性高強度合金(例えばコバルトクロム合金もしくはニッケルコバルトクロム合金)、ポリマー、またはそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、フレーム12は、UNS R30035合金(ASTM F562-02により覆われた)と同等である、MP35N(登録商標)合金(SPS Technologies、Jenkintown、Pennsylvania)などのニッケル-コバルト-クロム-モリブデン合金から作製される。MP35N(登録商標)/UNS R30035合金は、35重量%ニッケル、35重量%コバルト、20重量%クロム、および10重量%モリブデンを含む。フレーム12を形成するためにMP35N(登録商標)合金を使用することは、ステンレス鋼を上回る優れた構造的成果をもたらすことが判明している。特に、MP35N(登録商標)合金がフレーム材料として使用される場合には、径方向破砕力耐性、疲労抵抗、および耐腐食性における同一のまたはより良好な性能を実現するために必要となる材料の量がより少なくなる。さらに、必要とされる材料がより少なくなるため、フレームのクリンププロファイルを縮小することが可能となり、それにより体内の治療位置へ経皮送達するためにより低プロファイルの人工弁アセンブリが実現可能となる。
【0063】
図4および
図5を参照すると、図示する実施形態のフレーム12は、端部間連結されフレームの流入端部にて周方向に延在する有角ストラット22の第1の下方列Iと、周方向に延在する有角ストラット24の第2の列IIと、周方向に延在する有角ストラット26の第3の列IIIと、周方向に延在する有角ストラット28の第4の列IVと、フレームの流出端部に位置する周方向に延在する有角ストラット32の第5の列Vとを備える。複数の実質的に直線状の軸方向に延在するストラット34は、第2の列IIのストラット24と第1の列Iのストラット22とを相互連結するために使用され得る。第5の列Vの有角ストラット32は、複数の軸方向に延在する窓フレーム部分30(交連部窓20を画定する)と複数の軸方向に延在するストラット31とにより第4の列IVの有角ストラット28に連結される。各軸方向ストラット31および各フレーム部分30は、2つの有角ストラット32の下方端部の収束部により画定される位置から、2つの有角ストラット28の上方端部の収束部により画定される別の位置まで延在する。
図6、
図7、
図8、
図9、および
図10は、
図5においてそれぞれ文字A、B、C、D、およびEにより示されるフレーム12の部分の拡大図である。
【0064】
各交連部窓フレーム部分30が、弁尖構造体14の各交連部を取り付ける。理解されるように、各フレーム部分30は、その上方端部および下方端部にて隣接列のストラットに対して固定されてロバスト構成を実現し、このロバスト構成により、弁尖構造体の交連部を支持するための既知のカンチレバー型ストラットに比べて人工弁の周期的荷重下における疲労抵抗が向上する。この構成により、フレーム壁分厚さの縮小が可能となることによって、人工弁のより小さなクリンプ直径が実現される。特定の実施形態では、内径と外形との間で計測されるフレーム12の厚さT(
図4)は、約0.48mmまたはそれ未満である。
【0065】
フレームのストラットおよびフレーム部分は、集合的にフレームの複数の開口セルを画定する。フレーム12の流入端部にて、ストラット22、ストラット24、およびストラット34は、開口36を画定する下方列のセルを画定する。第2の列のストラット24、第3の列のストラット26、および第4の列のストラット28は、開口38を画定する2つの中間列のセルを画定する。第4の列のストラット28および第5の列のストラット32は、フレーム部分30およびストラット31と共に、開口40を画定する上方列のセルを画定する。開口40は、比較的大きく、フレーム12がクリンププロファイルを最小限に抑えるようにクリンプされる場合に弁尖構造体14の一部分が開口40の中におよび/または開口40を通り突出または膨出するのを可能にするようにサイズ設定される。
【0066】
図7において最も良く示されるように、ストラット31の下方端部は、ノードまたはジャンクション44にて2つのストラット28に連結され、ストラット31の上方端部は、ノードまたはジャンクション46にて2つのストラット32に連結される。ストラット31は、ジャンクション44、46の厚さS2未満の厚さS1を有し得る。ジャンクション44、46は、ジャンクション64と共に開口40の完全な閉鎖を防止する。
図13は、バルーンカテーテル上にクリンプされた人工弁10を示す。理解されるように、ストラット31、ならびにジャンクション44、46、および64のジオメトリは、収縮構成において、人工弁尖の一部分が開口を通り外方に突出または膨出することが可能となるのに十分な空間を開口40に与えるのを支援する。これにより、人工弁は、弁尖材料全体がクリンプされたフレーム内に拘束されている場合よりも比較的小さな直径へとクリンプされることが可能となる。
【0067】
フレーム12は、所定のバルーン圧力で人工弁が、特に弁尖構造体14を支持するフレームの流出端部部分において過拡張する可能性を低下させる、解消する、または最小限に抑えるように構成される。一態様では、フレームは、
図5に示すようにストラット同士の間に比較的大きな角度42a、42b、42c、42d、42eを有するように構成される。この角度がより大きいほど、フレームを開く(拡張する)ために必要となる力はより大きくなる。そのため、フレームのストラット同士の間の角度は、所与の開口圧力(例えばバルーンの膨張圧力)におけるフレームの径方向拡張を制限するように選択され得る。特定の実施形態では、これらの角度は、フレームがその機能サイズへと拡張される場合に少なくとも110度以上であり、さらにより特定的には、これらの角度は、フレームがその機能サイズへと拡張される場合に最大で約120度である。
【0068】
内方スカート16の主要な機能は、フレーム12に対する弁構造体14の固定を支援することと、弁尖の下方エッジの下方に位置するフレーム12の開口セルを通る血流を阻止することにより人工弁と天然弁輪との間における良好なシールの形成を支援することとである。内方スカート16は、望ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)などの強靭な耐引裂性材料を含むが、様々な他の合成材料または天然材料(例えば心膜組織)を使用することが可能である。望ましくは、スカートの厚さは、約0.15mm(約6ミル)未満であり、望ましくは約0.1mm(約4ミル)未満であり、さらにより望ましくは約0.05mm(約2ミル)である。特定の実施形態では、スカート16は、一定ではない厚さを有することが可能であり、例えばスカートは、そのエッジの少なくとも一方において中心よりも厚いことが可能である。一実装形態では、スカート16は、エッジにて約0.07mmの厚さを有し中心において約0.06mmの厚さを有するPETスカートを含むことが可能である。スカートがより薄いほど、良好な弁周囲封止を依然として実現しつつ、より良好なクリンプ性能をもたらし得る。
【0069】
スカート16は、縫合70によってフレーム12の内部に対して固定され得、縫合70は、
図21に示されるように、スカートを通ってフレームのストラットの周囲に延在することができる。弁構造体14は、例えば以下で論じる薄いPET補強ストリップなどの1つまたは複数の補強ストリップ72(集合的にスリーブを形成し得る)を介してスカートに対して装着されることが可能であり、この補強ストリップ72は、しっかりした縫合を可能にし、弁尖構造体の心膜組織を引裂きから保護する。弁構造体14は、
図20に示すようにスカート16と薄いPETストリップ72との間に挟まれ得る。スカート16に対してPETストリップおよび弁尖構造体14を固定する縫合糸154は、Ethibond Excel(登録商標)PET縫合糸(Johnson & Johnson、New Brunswick、New Jersey)などの任意の適切な縫合糸であることが可能である。縫合154は、望ましくは、以下でより詳細に説明されるように、各弁尖構造体41の流入エッジすなわち尖頭エッジ(図示の実施形態における底部エッジ)の湾曲を辿る。
【0070】
既知の繊維スカートは、相互に対して垂直に延在する経糸繊維および緯糸繊維の織成物を含むことが可能であり、これらの繊維の1つのセットが、スカートの上方エッジと下方エッジとの間において長手方向に延在する。繊維スカートが固定される対象となる金属フレームが径方向に圧縮されると、フレームの軸方向全長は伸びる。残念ながら、弾性が限定的である繊維スカートは、フレームが伸長するとき伸びることができず、したがって、その長手方向に沿って余材または緩みを含んでいなければ、径方向拡張状態のときフレームのストラットを変形させ、均一なクリンプの妨げになってしまう。
【0071】
図12を参照すると、スカート16は、既知の繊維スカートとは対照的に、望ましくは、第1のセットの糸(マルチフィラメント糸またはモノフィラメント糸)78および第2のセットの糸(マルチフィラメント糸またはモノフィラメント糸)80から織成され、どちらのセットの糸も、スカートの上方エッジ82および下方エッジ84に対して非垂直である。特定の実施形態では、第1の糸セット78および第2の糸セット80は、上方エッジ82および下方エッジ84に対して約45度(例えば15~75度または30~60度)の角度で延在する。例えば、スカート16は、繊維の上方エッジおよび下方エッジに対して45度の角度でこれらの糸を織成することにより形成され得る。代替的には、スカート16は、垂直方向に織成された繊維(繊維同士が材料エッジに対して垂直方向に延在する)から対角線方向に切断(バイアス裁断)されたものであることが可能であり、これらの糸は、スカートの切断された上方エッジおよび下方エッジに対して45度の角度で延在する。さらに
図12に示すように、望ましくは、スカートの対向し合う短エッジ86、88は、上方エッジ82および下方エッジ84に対して非垂直となる。例えば、望ましくは、短エッジ86、88は、上方エッジおよび下方エッジに対して約45度の角度で延在し、したがって第1の糸セット78と整列される。したがって、スカートの概ねの全体形状は、偏菱形または平行四辺形の形状である。
【0072】
図14および
図15は、スカートの環形状を形成するために対向し合う短エッジ部分90、92が共に縫い合わされた後の内方スカート16を示す。図示するように、エッジ部分90は、対向側のエッジ部分92に対して重畳関係において配置されることが可能であり、これら2つのエッジ部分は、短エッジ86、88に対して平行である対角線方向に延在する縫合ライン94を用いて共に縫い合わされ得る。内方スカート16の上方エッジ部分は、複数の突出部96を有して形成されることが可能であり、これらの突出部96は、軸方向ストラット31の下方端部に対して直に隣接する第4の列のストラット28の形状または輪郭を概して辿る波形状部を画定する。このようにすることで、
図16において最も良く示されるように、内方スカート16の上方エッジは、縫合糸70によりストラット28に対して緊密に固定され得る。また、内方スカート16は、フレームに対するスカートの装着を容易にするためのスリット98を有して形成されることも可能である。スリット98は、内方スカート16の上方エッジ部分がストラット28の周囲に部分的に巻き付けられることが可能になり、装着手続きの最中にスカートにおける応力を軽減するように寸法設定される。例えば、図示する実施形態では、内方スカート16は、フレーム12の内側部上に配置され、スカートの上方エッジ部分は、ストラット28の上方表面の周囲に巻き付けられ、縫合糸70により定位置に固定される。このようにストラット28の周囲に内方スカート16の上方エッジ部分を巻き付けることにより、フレームに対するスカートのより強力かつ耐久性のある装着が可能となる。また、内方スカート16は、縫合糸70により第1の列のストラット22、第2の列のストラット24、および/または第3の列のストラット26に対して固定され得る。
【0073】
再び
図12を参照すると、上方エッジおよび下方エッジに対する繊維の配向に角度が付けられることにより、スカートは、軸方向において(すなわち上方エッジ82から下方エッジ84へ向かう方向において)より大きな伸長を被り得る。したがって、金属フレーム12がクリンプされると(
図14に示すように)、内方スカート16は、フレームと共に軸方向に伸長し、したがってより均一かつ予測可能なクリンププロファイルを実現し得る。図示する実施形態における金属フレームの各セルは、少なくとも4つの有角ストラットを含み、これらのストラットは、クリンピングすると軸方向に向かって回転する(例えばこれらの有角ストラットはフレームの長さに対してより整列された状態になる)。各セルの有角ストラットは、ストラットと同一方向にスカートの繊維を回転させるための機構として機能し、それによりスカートはストラットの長さに沿って伸長し得る。これにより、スカートのより大きな伸長が可能になり、人工弁がクリンプされた場合にストラットの望ましくない変形が回避される。
【0074】
さらに、織成された糸同士の間の間隔は、スカートの軸方向への伸長を助長するように増大することが可能である。例えば、20デニール糸から形成されたPET内方スカート16の場合には、糸密度は、典型的なPETスカートの場合に比べて約15%~約30%低いことが可能となる。いくつかの例では、内方スカート16の糸間隔は、約60ヤーン/cm(約155ヤーン/inch)~約70ヤーン/cm(約180ヤーン/inch)であることが可能であり、例えば約63ヤーン/cm(約160ヤーン/inch)であるが、一方で典型的なPETスカートでは、糸間隔は、約85ヤーン/cm(約217ヤーン/inch)~約97ヤーン/cm(約247ヤーン/inch)であることが可能である。斜めエッジ86、88は、クリンピング中におけるフレームの内周部に沿った繊維材料の均一かつ均等な分布を促進し、それにより繊維の襞形成が軽減または最小限に抑えられて、可能な限り最小の直径へと均一にクリンピングすることが容易になる。さらに、対角線方向の縫合糸を垂直に切断することにより、切断エッジに沿って未処理の縁が残され得る。斜めエッジ86、88は、この発生を最小限に抑えるのに有効である。従来のスカートの構造と比較して、内方スカート16の構造は、フレームストラットの望ましくない変形を回避させ、フレームのより均一なクリンプを可能にする。
【0075】
代替的な実施形態では、スカートは、人工弁のクリンピング中に軸方向に伸長可能な織成弾性糸から形成され得る。経糸および緯糸が、スカートの上方エッジおよび下方エッジに対して垂直におよび水平に延在することが可能であり、または代替的には、上述のようにスカートの上方エッジおよび下方エッジに対して0~90度の間の角度で延在することが可能である。
【0076】
内方スカート16は、縫合ライン154から離れた位置にてフレーム12に対して縫合されることにより、スカートがその領域においてより高い融通性を有し得るようにすることが可能である。この構成により、内方スカート16に対して弁尖の下方エッジを装着する縫合ライン154への応力集中が回避される。
【0077】
上記のように、図示する実施形態における弁尖構造体14は、3つの可撓性弁尖41を備える(しかしより多数または少数の弁尖を使用することも可能である)。これらの弁尖に関するさらなる情報、およびスカート材料に関するさらなる情報は、例えば米国特許第10,195,025号などに見ることが可能である。この特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0078】
弁尖41は、弁尖構造体の交連部122を形成するために隣接し合う側部にて相互に固定される。複数の可撓性コネクタ124(その1つが
図17に示される)が、これらの弁尖の隣接し合う側部同士の対を相互連結し、交連部窓フレーム部分30(
図5)に対して弁尖を取り付けるために使用され得る。
【0079】
図17は、可撓性コネクタ124により相互連結された2つの弁尖41の隣接し合う側部を示す。
図18に示すように、3つの弁尖41が、3つの可撓性コネクタ124を使用して側部同士の間で相互に固定され得る。弁尖同士を相互に連結することおよびフレームに対して弁尖を連結することに関するさらなる情報は、例えば米国特許出願公開第2012/0123529号などに見ることが可能である。この特許出願公開は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0080】
上記のように、内方スカート16は、フレームに対する弁尖構造体14の縫合を支援するために使用され得る。内方スカート16は、各弁尖41の下方エッジの装着を案内するために波形状の一時的マーキング縫合糸を有し得る。内方スカート16自体は、スカート16に対して弁尖構造体14を固定する前に、上記のように縫合糸70を使用してフレーム12のストラットに対して縫合され得る。望ましくは、マーキング縫合糸に交差するこれらの縫合糸は、内方スカート16に対して装着されない。これにより、内方スカート16は、フレームに対して固定されない領域においてより高い融通性を有することが可能となり、スカートに対して弁尖の下方エッジを固定する縫合ラインに沿った応力集中が最小限に抑制される。上記のように、スカートがフレームに対して固定されると、スカートの糸78、80(
図12を参照)は、フレームの有角ストラットとほぼ整列されて、フレームの均一なクリンピングおよび拡張を促進する。
【0081】
図19は、フレームの交連部窓フレーム部分30に対して弁尖構造体14の交連部部分122を固定するための1つの具体的なアプローチを示す。2つの弁尖の2つの隣接し合う側部同士を固定する可撓性コネクタ124(
図18)は、幅方向に折りたたまれ、弁尖のそれぞれの上方タブ部分112は、可撓性コネクタに対して下方へと折りたたまれる。各上方タブ部分112は、弁尖の内方表面に対して折りたたまれた内方部分142とコネクタ124に対して折りたたまれた外方部分144とを有するL字形状部をなすように、長さ方向(垂直方向)に折り目を付けられる。次いで、外方部分144は、縫合ライン146に沿ってコネクタ124に対して縫合され得る。次に、交連部タブアセンブリが、対応する窓フレーム部分30の交連部窓20に挿通され、窓フレーム部分30の外部の折りたたみ部が、部分144に対して縫合され得る。
【0082】
また、
図19は、折りたたまれた上方タブ部分112が交連部にて弁尖材料の二重層を形成し得ることを示す。上方タブ部分112の内方部分142は、2つの弁尖41の層に対してぴたりと接した状態で位置決めされて交連部を形成するため、各交連部は、窓フレーム30の直ぐ内部にて4つの弁尖材料層を備える。交連部のこの4層部分は、比較的より高い剛性を有する4層部分から径方向内方に位置する弁尖41の部分に比べて屈曲または関節動作に対して高い抵抗を有し得る。これにより、弁尖41は、窓フレーム30の軸方向ストラットを中心として、またはそれに近位で関節動作するのとは対照的に、体内での動作中に人工弁を通り流れる血液に応答して、折りたたまれた内方部分142の内方エッジ143にて主に関節動作する。弁尖が、窓フレーム30から径方向内方に離間された位置にて関節動作することにより、弁尖は、フレームとの接触を回避され、フレームの損傷を回避させ得る。しかし、高い力の下では、交連部の4層部分は、窓フレーム30に隣接する長手方向軸を中心として広がり離れ、各内方部分142は、それぞれの外方部分144に対して折り返される。例えば、これは、人工弁10が圧縮され送達シャフト上に取り付けられた場合に起こり得るものであり、これによってより小さなクリンプ直径が可能となる。また、交連部の4層部分は、人工弁の拡張中にバルーンカテーテルが膨張された場合に、長手方向軸を中心として広がり離れ得るが、これによりバルーンによって引き起こされた交連部に対する圧力が部分的に緩和されて、拡張中における交連部に対する損傷の可能性を低下させ得る。
【0083】
3つの交連部タブアセンブリがそれぞれの窓フレーム部分30に対して固定された後に、交連部タブアセンブリ同士の間の弁尖41の流入エッジすなわち尖頭エッジ(図示の実施形態における下方エッジ)は、内方スカート16に対して縫合され得る。例えば
図20に示すように、各弁尖41が、例えばEthibond Excel(登録商標)PET糸などを使用して縫合ライン154に沿って内方スカート16に対して縫合され得る。これらの縫合糸は、各弁尖41、内方スカート16、および各補強ストリップ72を貫通して延在するランニングステッチ(in-and-out suture)であることが可能である。各弁尖41およびそれぞれの補強ストリップ72は、内方スカート16に対して個別に縫い付けられ得る。このようにすることで、弁尖の下方エッジは内方スカート16を介してフレーム12に対して固定される。
図20に示すように、弁尖は、補強ストリップ72および弁尖41のエッジの周囲をループしつつ各補強ストリップ72、弁尖41、および内方スカート16を貫通して延在するブランケットステッチ156でスカートに対してさらに固定され得る。ブランケットステッチ156は、PTFE縫合糸材料から形成され得る。
図21は、フレーム12に対して弁尖構造体14および内方スカート16を固定し、内方スカート16に対して弁尖構造体14を固定した後の、フレーム12、弁尖構造体14、および内方スカート16の側面図を示す。
【0084】
図22は、フレーム12に対する装着前の外方スカート18の平坦図を示す。外方スカート18は、通過する血流を制限するおよび/または妨げるように構成された、PETまたは様々な他の適切な合成材料もしくは天然材料などの強靭な耐久性の高い材料からレーザ切断または他の方法で形成され得る。外方スカート18は、実質的に直線状の下方エッジ160と、複数の交互する突出部164および切欠部166すなわちキャスタレーションを画定する上方エッジ部分162とを備え得る。また、外方スカート18は、外方スカート18の中間部分169(すなわち下方エッジ160と上方エッジ部分162との間の部分)上に配設された複数の開口167(例えば図示する実施形態では12個)を備え得る。これらの開口167は、外方スカート18の材料により開口167が下方エッジ160および上方エッジ部分162から離されるように、下方エッジ160および上方エッジ部分162から離間される。
【0085】
図3に最も良く示されるように、外方スカート18の下方エッジ部分174は、フレーム12の流入端部15の周囲に巻き付けられ、外方スカート18の下方エッジ160は、人工弁10の流入端部にて内方スカート16の下方エッジ84および/またはフレーム12に対して装着され得る。いくつかの実施形態では、外方スカート18は、例えば縫合糸または適切な接着剤などにより内方スカート16に対して装着され得る。
【0086】
縫合糸の代わりにまたは縫合糸に加えて、外方スカート18は、例えば超音波溶接などにより内方スカート16に対して装着され得る。超音波溶接は、複数の大きな利点をもたらし得る。例えば、超音波溶接は、縫合に比べて比較的時間を要さず低コストでありながら、強度の改善をもたらし得る。
【0087】
図1に示すように、外方スカート18の各突出部164は、フレーム12の第3の列IIIのストラット26(
図5)に対して装着され得る。これらの突出部164は、例えば列IIIのそれぞれのストラット26の上に重畳し、縫合糸168で固定され得る。
【0088】
図1~
図3において分かるように、外方スカート18は、フレームが拡張構成にある場合に(例えば被験者内で展開された場合に)、下方エッジ160と上方エッジ部分162との間にフレーム12の外方表面に対してぴたりと接した状態にない余剰材料が存在するように、フレーム12に対して固定される。外方スカート18は、フレーム12に対して直接的に、および/または例えばフレーム12に対して直接固定された内方スカート16に対して外方スカート18を固定することなどにより、フレーム12に対して間接的に固定され得る。人工弁の拡張構成においては、外方スカート18の上方装着点と下方装着点との間の距離は小さくなり(短縮化し)、結果として外方スカート18の径方向拡張がもたらされる。さらに、外方スカート18の下方エッジと上方エッジとの間に位置する余剰材料により、フレーム12は、クリンプされた場合に外方スカート18による抵抗を伴わずに軸方向に伸長することが可能となる。
【0089】
外方スカート18は、軸方向長さすなわち高さH
sを有することが可能であり、ここでH
sは、
図1、
図3、および
図22に最も良く示されるように、フレーム12の流入端部15の周囲に巻き付けられた下方エッジ部分174を除いた外方スカート18の高さである。いくつかの実施形態では、高さH
sは、フレーム12が完全にクリンプされた場合の、外方スカート18のフレーム12への上方装着点とフレーム12の流入端部15との間の軸方向長さと実質的に同一であり得る。かかる実施形態では、フレーム12が完全にクリンプされると、外方スカート18はフレーム12の外方表面に対してぴたりと接した状態になり得る。他の実施形態では、外方スカート18の高さH
sは、フレーム12が完全にクリンプされた場合の、外方スカート18のフレーム12への上方装着点とフレーム12の流入端部15との間の軸方向長さを超過し得る。かかる実施形態では、外方スカート18は複数の折り目170を備え得る(例えば、図示する実施形態では12個)。
【0090】
図3において最も良く示されるように、折り目170は、外方スカート18の下方エッジ160から中間部分169に向かって軸方向に延在し得る。これらの折り目170は、それぞれの突出部164と周方向において整列され、外方スカート18は、これらの折り目170が、フレーム12の流入端部15にてストラット22により形成される先端部22a(
図5)の各対の間において周方向に整列されるように、フレーム12に対して配向され得る。例えば、折り目170は、フレーム12の長手方向軸に対して平行であり先端部22aの各対の各先端部22aから等距離の位置にてフレーム12を二等分する各垂直ライン172(
図2および
図5)に沿って周方向に整列され得る。このようにすることで、折り目170は、人工弁10が拡張構成からクリンプされると、外方スカート18の余剰材料を先端部22a同士の間においてフレーム12の流入端部15内へと径方向内方に後退させ得る。
図2において最も良く示されるように、各折り目170は、それぞれのライン172に沿ってそれぞれの開口167および突出部164と周方向に整列され得る。
【0091】
図22において最も良く分かるように、開口167は、隣接する開口167に対して側方に(
図1~
図3では周方向に)離間され、それぞれの突出部164と側方に(
図1~
図3では周方向に)整列され得る。また、
図1および
図3において最も良く示されるように、開口167は各折り目170と周方向に整列され得る。例えば、
図2において最も良く示されるように、突出部164、開口167、および折り目170はそれぞれの垂直ライン172に沿って整列され得る。開口167および折り目170を整列させることにより、例えば以下でさらに説明されるように人工弁が最初に展開されたときにおける外方スカート18の重畳部分への血液の迅速な進入、およびしたがって外方スカート18の重畳部分の血液による迅速な拡張が可能となり得る。
【0092】
また、有利には、開口167は、逆流する血液(例えば逆行性血液)が切欠部166とは異なる角度または方向から外方スカート18に進入することを可能にし、したがって外方スカート18の初期拡張の迅速さを改善し、弁周囲封止を改善する。開口167は、切欠部166の代替としてまたは追加として設けることが可能である。
【0093】
開口167は、様々な形状を備え得る。例えば、開口167は図示する実施形態に示すように涙滴形状を備え得る。他の実施形態では、開口は、円形、楕円形、矩形等であることが可能である。
【0094】
人工弁10は、被験者内への植込みに適した送達装置向けに構成され、この送達装置上に取り付けられ得る。いくつかのカテーテルベース送達装置が知られているが、適切なカテーテルベース送達装置の非限定的な例としては、米国特許出願公開第2013/0030519号および米国特許出願公開第2017/0065415号(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)ならびに米国特許出願公開第2012/0123529号に開示されるものが含まれる。
【0095】
図13において最も良く示されるように、患者内への塑性拡張性人工弁10の植込みのために、人工弁10は、送達装置の細長シャフト180上にクリンプされ得る。人工弁は、送達装置と共に、患者の体内に人工弁10を植え込むための送達アセンブリを形成し得る。シャフト180は、体内で人工弁を拡張させるための膨張性バルーン182を備える。バルーン182が収縮され、人工弁がバルーンの周囲にクリンプされると、次いで人工弁10は、所望の植込み位置(例えば天然大動脈弁領域)まで経皮的に送達され得る。人工弁10が体内の植込み部位(例えば天然大動脈弁)まで送達されると、人工弁10は、バルーン182を膨張させることによりその機能状態へと径方向に拡張され得る。
【0096】
人工弁10が拡張すると、切欠部166および開口167は、外方スカート18と内方スカート16との間に血液が流れるのを可能にする。この血流により、外方スカート18の余剰繊維は、さらに径方向に膨らみ内方スカート16から離れる。
【0097】
拡張した外方スカート18は、フレーム12と周囲の天然弁輪との間の間隙を埋めて、人工弁10と天然弁輪との間の良好な液密シールの形成を支援し得る。したがって、外方スカート18は、内方スカート16と共同して人工弁10の植込み後の弁周囲漏出を回避させる。いくつかの実施形態では、径方向外方に拡張する外方スカート18を備える人工弁10は、比較的小さい外方スカートを有するまたは外方スカート18を有さない同様の人工弁と比較した場合に、被験者内への植込み時における弁周囲漏出を軽減させ得る。
【0098】
代替的には、自己拡張性人工弁10が、径方向収縮構成へとクリンプされ、送達カテーテルのシースまたは均等物である機構内へと人工弁10を挿入することによってこの収縮構成に保持され得る。次いで、人工弁10は、所望の植込み位置へと経皮的に送達され得る。体内に置かれると、人工弁10は送達シースから前進されることが可能となり、それにより人工弁はその機能状態へと拡張され得る。
【0099】
外方スカート18が送達シースから露出されると、切欠部166および開口167により、血液は外方スカート18と内方スカート16との間を流れることが可能となる。この血流により、外方スカート18の余剰繊維がさらに径方向に拡張され、内方スカート16から離れる。
【0100】
図23~
図25は、繊維スカート200を形成するための織成パターンの一例の実施形態を示す。
図23はスカート200の1つの面を示し、
図24はスカート200の反対面を示す。スカート200は人工弁10の内方スカートおよび/または外方スカートとして使用され得る。特定の実施形態では、スカート200は人工弁10の内方スカートであり、
図23は内方スカートの内方表面202(弁尖41の方を向く面)を表し、
図24は内方スカートの外方表面204(フレーム12から離れる方向を向く面)を表す。スカート200は、上述の内方スカート16と同一の外形寸法および形状を有することができ、上述のようにフレーム12および弁尖41に組み立てられ得る。
【0101】
スカート200は、第2のセットの糸208と共に織成された第1のセットの糸206を備える。糸206、208は、マルチフィラメント糸(複数の繊維またはフィラメントを含む糸)またはモノフィラメント糸(単一の繊維またはフィラメントを含む糸)を含むことができる。図示の実施形態では、糸206は人工弁10の周方向に配向され、糸208は人工弁の軸方向に配向される。スカート200の製造中に、糸206は繊維の横糸になり得、糸208は繊維の縦糸になり得る。しかし、代替的な実施形態では、糸206は繊維の縦糸になり得、糸208は繊維の横糸になり得る。
【0102】
繊維の織り方により、スカートの内方表面202は糸208よりも多くの糸206から形成されるが、スカートの外方表面204は糸206よりも多くの糸208から形成される。言い方を変えれば、内方表面202には糸208よりも多くの糸206が露出し、外方表面204には糸206よりも多くの糸208が露出する。具体的には、
図25に最も良く示されるように、図示の実施形態では、各糸206は、外方表面204において1本の糸208の下に延在し、内方表面202において4本の糸208の上にかかり、次いで外方表面204において1本の糸208の下に延在し、このパターンを、糸の長手方向に沿って繰り返す。したがって、面202の軸方向(
図23では垂直方向)における各糸208の長手方向に沿って、その糸208と糸206との2つの交差の間に、同糸208の上にかかる4本の隣接した糸206がある。同様に、各糸208は、内方表面202において1本の糸206の上に延在し、外方表面204において4本の糸206の上にかかり、次いで内方表面202において1本の糸206の上に延在し、このパターンを、糸の長手方向に沿って繰り返す。したがって、面204の周方向(
図24では水平方向)における各糸206の長手方向に沿って、その糸206と糸208との2つの交差の間に、同糸206の上にかかる4本の隣接した糸208がある。このようにすることで、繊維の内方表面202では糸206が大半を占め、繊維の外方表面204では糸208が大半を占める。言い方を変えれば、内方表面202の表面積の大部分が糸206を含み、外方表面204の表面積の大部分が糸208を含む。
【0103】
図示の実施形態は、交差(ここで、糸は繊維の1つの面から繊維の反対面の方へ延在する)の間に、4本がかかることによって特徴付けられるが、糸206、208にかかる本数は変化し得る。特定の実施形態では、各糸206、208に対して、交差の間に少なくとも2本、交差の間に少なくとも3本、交差の間に少なくとも4本、交差の間に少なくとも5本、交差の間に少なくとも6本、交差の間に少なくとも7本、交差の間に少なくとも8本、などの糸がかかる。ある特定の実施形態では、交差の間にかかる糸の本数は、糸の長手方向に沿って、および/または糸の間で変化し得る。
【0104】
特定の実施形態では、糸206、208はPETを含むが、他の生体適合性のある合成繊維または天然繊維が使用されてもよい。
【0105】
図23~
図25に示される繊維は、サテン繊維またはサテン織成物を有する繊維と称され得る。本明細書で使用される「サテン」という用語は、第2のセットの糸と織り交ぜられた第1のセットの糸を有する織成物または繊維であって、繊維の一方の面では第1のセットの糸が大半を占め、繊維の他方の面では第2のセットの糸が大半を占めるように、交差の間に少なくとも2本の糸がかかる織成物または繊維を指す。代替的な実施形態では、綾織織成パターンまたは杉綾織成パターンなどの、1つの面において大半を占める第1のセットの糸および別の面において大半を占める第2のセットの糸を有する他の織成パターンが採用されることがある。
【0106】
特定の実施形態では、糸206の数は糸208の数よりも多い。また、特定の実施形態では、糸206の直径または太さは、糸208の直径または太さよりも小さい。内方表面202では相対的により細い糸206が大半を占めるので、内方表面202は、外方表面204ほど粗くなく、相対的により滑らかである。その上、内方表面202は外方表面204よりも摩擦係数が小さい。有利には、人工弁の作業サイクル中に弁尖41が開くとき、弁尖41が内方スカートに接触する場合には、内方表面202は弁尖41が摩耗するのを軽減することができる。さらに、相対的により細い糸206によって、折り目が付くのが軽減され、人工弁がその機能的なサイズまで径方向に拡張した後に、スカートにおけるラインを折り重ねることができる。
【0107】
上記のように、構成要素206、208は、それぞれ複数のフィラメントまたは繊維から形成されて織り込まれた第1の糸206と第2の糸208とを表し得る。特定の実施形態では、各糸206が含む複数のフィラメントの直径または太さは、糸208のフィラメントの直径または太さよりも小さい。また、この特定の実施形態では、糸206は、糸208よりも1本当たり多くのフィラメントを有する。内方表面202では糸206の相対的により細いフィラメントが大半を占めるので、内方表面202は、相対的に滑らかで外方表面204ほど粗くなく、より小さい摩擦係数を有する。
【0108】
ある特定の実施形態では、糸206は、1本当たり約20~50のフィラメント、より望ましくは1本当たり約25~45のフィラメント、さらに望ましくは1本当たり約30~40のフィラメント、なおさら望ましくは1本当たり約30~35のフィラメントを有し、1本当たり32のフィラメントは特定の例である。糸206のフィラメントの太さは、約2ミクロン~約10ミクロン、より望ましくは約4ミクロン~約6ミクロンであり得、5ミクロンは特定の例である。糸208は、1本当たり約15~25のフィラメント、より望ましくは1本当たり10~20のフィラメント、なおさら望ましくは1本当たり約15~20のフィラメントを有し得、1本当たり18のフィラメントは特定の例である。糸208のフィラメントの太さは、約8ミクロン~約16ミクロン、より望ましくは約10ミクロン~約12ミクロンであり得、11ミクロンは特定の例である。
【0109】
上記のように、スカート200の外方表面204では相対的により太い糸208が大半を占め、人工弁のフレーム12に沿って軸方向に延在するように配向され得る。いくつかの実施形態では、スカートの外方表面204は、フレーム12の開口を通って導入シースの内方表面と接触することができる。糸208を軸方向に配向すると、導入シースとの滑り摩擦を低減することができ、導入シースを通して人工弁を前進させるのに必要な押し力を低減することができる。同様に、いくつかの実施形態では、スカートの外方表面204は、送達カプセルまたはシースと接触することができる(自己拡張可能な人工弁の場合など)。糸208を軸方向に配向すると、送達カプセルとの滑り摩擦を低減することができ、送達カプセルから人工弁を展開させるのに必要な押し力または引張り力を低減することができる。
【0110】
代替的な実施形態では、糸206は軸方向に配向され得、糸208は周方向に配向され得る。さらなる代替的な実施形態では、糸206、208は、人工弁の径方向クリンプを容易にするために、
図11および
図12に示されるスカート16に対して上記で説明されたものなどのスカートの流入エッジおよび流出エッジに対して非垂直であり得る。例えば、糸206、208の配向は、流入エッジおよび流出エッジに対して約15~75度、より望ましくは流入エッジおよび流出エッジに対して約30~60度の角度であり得、45度は特定の例である。
【0111】
代替的な実施形態では、例えば人工弁の作動サイクル中に弁尖41がスカートに接触しない場合には、面202がフレーム12の方を向く外方表面になり、面204が、内へ、弁尖41の方を向く内方表面になるように、内方スカート200の配向を反転するのが望ましいであろう。
【0112】
代替的な実施形態では、糸208は、糸206のフィラメントと同数のフィラメントおよび/または同じ太さのフィラメントを有することができ、面202と面204とがどちらも比較的滑らかな繊維をもたらす。例えば、ある特定の実装形態では、糸206、208は、1本当たり約20~50のフィラメント、より望ましくは1本当たり約25~45のフィラメント、さらに望ましくは1本当たり約30~40のフィラメント、なおさら望ましくは1本当たり約30~35のフィラメントを有し、1本当たり32のフィラメントは特定の例である。糸206、208のフィラメントの太さは、約2ミクロン~約10ミクロン、より望ましくは約4ミクロン~約6ミクロンであり得、5ミクロンは特定の例である。
【0113】
別の実施形態では、スカート200は人工弁の外方スカートであり得る。外方スカート200は、フレーム12の方を向く内方表面202と、フレーム12から離れる方向を向く外方表面204とを有することができる。これは、内方スカートが設けられず、また外方スカートがフレームのセルを通って弁尖と接触し得る人工弁の実施形態では望ましいであろう。他の実装形態では、面202が外方スカートの外方表面になって面204が外方スカートの内方表面になるように、外方スカート200の配向を反転させることができる。特定の一例では、人工弁10が有し得る外方スカート200は、外方スカート18と同一の全体的な形状および構成を有し得、外方スカート18と同様に組み立てられ得る。
【0114】
一般事項
本開示の実施形態は、心臓の任意の天然弁輪(例えば大動脈弁輪、肺動脈弁輪、僧房弁輪、および三尖弁輪など)に人工デバイスを送達し植え込むように構成され、任意の様々なアプローチ(例えば逆行性、順行性、経中隔、経心室、経心房等)と共に使用され得る点を理解されたい。
【0115】
本説明のために、本明細書では、本開示の実施形態のいくつかの態様、利点、および新規の特徴が説明される。本開示の方法、装置、およびシステムは、いかなる点においても限定的なものとして解釈されるべきではない。むしろ、本開示は、開示される様々な実施形態のすべての新規のかつ非自明な特徴および態様を、その単独においてならびに様々な組合せおよび下位組合せにおいて対象とする。これらの方法、装置、およびシステムは、そのいかなる特定の態様もしくは特徴またはそれらの組合せにも限定されず、本開示の実施形態は、いかなる1つもしくは複数の特定の利点が存在することまたは問題が解決されることをも要件としない。
【0116】
本開示の実施形態のいくつかの操作が、提示上の便宜を理由としてある特定の連続順序で説明されるが、この説明様式は、特定の順序が以下に示す具体的な文言により必要とされない限りは、順序変更を包含する点を理解されたい。例えば、連続的に説明される一連の操作が、ある場合では順序変更されてもまたは同時に実施されてもよい。さらに、簡略化の理由から、添付の図面は、他の方法と組み合わせて本開示の方法を利用することが可能となる様々な様式を図示しない場合がある。さらに、時として、本説明は、本開示の方法を説明するために「実現する」または「達成する」等の用語を使用する。これらの用語は、実施される実際の操作の高度に抽象的な表現である。これらの用語に対応する実際の操作は、特定の実装形態に応じて変化し得るものであり、当業者には容易に認識可能である。
【0117】
本願および特許請求の範囲において、単数形「1つの(a、an)」および「その(the)」は、コンテクストにおいて別様のことが明示されない限り複数形を含む。さらに、「含む(include)」という用語は、「備える(comprise)」を意味する。さらに、「結合される(coupled)」および「関連付けられる(associated)」という用語は、電気的、電磁的、および/または物理的に(例えば機械的にまたは化学的に)結合またはリンクされることを一般的に意味し、具体的に逆の文言がない限り、結合または関連付けられたアイテム同士の間に中間要素が存在することを排除しない。
【0118】
本明細書において、「近位の」という用語は、ユーザに対してはより近く植込み部位からはより遠く離れたデバイスの位置、方向、または部分を指す。本明細書において、「遠位の」という用語は、ユーザからはより遠く離れ植込み部位に対してはより近いデバイスの位置、方向、または部分を指す。したがって、例えば、デバイスの近位方向移動は、ユーザに向かうデバイスの移動であり、デバイスの遠位方向移動は、ユーザから離れるデバイスの移動である。「長手方向の」および「軸方向の」という用語は、別様のことが明確に定義されない限り、近位方向および遠位方向に延在する軸を指す。
【0119】
本明細書において、「一体的に形成された」および「一体構造」という用語は、別個に形成された材料片同士を相互に固定するための任意の溶接、留め具、または他の手段を含まない構造を指す。
【0120】
本明細書において、「結合された(coupled)」という用語は、物理的に結合またはリンクされることを意味し、具体的に逆の文言がない限り、結合されるアイテム間に中間要素が存在することを排除しない。
【0121】
本明細書において、「同時に(simultaneously、concurrently)」行われる操作は、概ねにおいて相互に同時点にて行われるが、例えば機械的リンク装置のねじ山、歯車等の構成要素間における隙間または遊び(spacing、play、backlash)に起因する一方の操作の他方の操作に対する実施遅延は、具体的に逆の文言がない限り、上記用語の範囲内に明確に含まれる。
【0122】
本開示の発明の原理を適用し得る多数の可能な実施形態を鑑みて、図示する実施形態は本発明の好ましい例にすぎず、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない点を理解されたい。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲により定義される。したがって、特許請求の範囲およびその趣旨の範囲内に含まれるすべてが、本発明として特許請求される。
【符号の説明】
【0123】
10 人工心臓弁
12 ステント、フレーム
14 弁構造体、弁尖構造体
15 流入端部部分、流入端部
16 内方スカート
17 中間部分
18 外方スカート
19 流出端部部分
20 交連部窓
22 有角ストラット
22a 先端部
24 有角ストラット
26 有角ストラット
28 有角ストラット
30 窓フレーム部分、交連部窓フレーム部分
31 軸方向ストラット
32 有角ストラット
34 軸方向延在ストラット
36 開口
38 開口
40 開口
41 弁尖
44 ノード、ジャンクション
46 ノード、ジャンクション
64 ジャンクション
70 縫合糸
72 補強ストリップ
78 第1の糸
80 第2の糸
82 上方エッジ
84 下方エッジ
86 短エッジ、斜めエッジ
88 短エッジ、斜めエッジ
90 短エッジ部分
92 短エッジ部分
94 縫合ライン
96 突出部
98 スリット
112 上方タブ部分
122 交連部、交連部部分
124 可撓性コネクタ
142 内方部分
143 内方エッジ
144 外方部分
146 縫合ライン
154 縫合ライン、縫合糸
156 ブランケットステッチ
160 下方エッジ
162 上方エッジ部分
164 突出部
166 切欠部
167 開口
168 縫合糸
169 中間部分
170 折り目
172 垂直ライン
174 下方エッジ部分
180 細長シャフト
182 膨張性バルーン
200 繊維スカート
202 内方表面
204 外方表面
206 第1のセットの糸
208 第2のセットの糸
【国際調査報告】