(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-02
(54)【発明の名称】アイスティー又はアイスコーヒー飲料を調製するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B67D 1/08 20060101AFI20220726BHJP
【FI】
B67D1/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570900
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 EP2020062990
(87)【国際公開番号】W WO2020239408
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516386029
【氏名又は名称】コーニンクレイケ ダウ エグバーツ ビー.ヴイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スタンダール, クーン
(72)【発明者】
【氏名】クローンダイク, ズワーンチェ
(72)【発明者】
【氏名】ケンプ, デニス
(72)【発明者】
【氏名】フランツェン, ボリス
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA02
3E082BB04
3E082CC05
3E082CC10
3E082DD02
3E082DD09
3E082EE02
3E082FF01
(57)【要約】
氷含有ティー又はコーヒー飲料を調製するための装置及びシステム。飲料濃縮物リザーバ(360)と、甘味料濃縮物リザーバ(361)と、水予冷却器(312)とを備える装置(300)。飲料濃縮物リザーバから供給された飲料濃縮物を水予冷却器から供給された水と混合するための第1のプレミキサー(362)、甘味料濃縮物リザーバから供給された甘味料濃縮物を水予冷却器から供給された水と混合するための第2のプレミキサー(363)。第1のプレミキサーから出力された生成物を第2のプレミキサーから出力された生成物と混合して、飲料液を形成するための混合チャンバ、冷却ユニット。氷生成システム、混合チャンバから氷生成システムに飲料液を供給するための飲料生成物回路、及び冷却ユニットから氷生成システムに冷却剤を供給して、飲料液を冷却し、それによって飲料液中に複数の氷結晶を形成するための冷却回路。飲料注出口がまた、設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷含有ティー又はコーヒー飲料を調製するための装置であって、前記装置は、
a)飲料濃縮物を収容する飲料濃縮物リザーバと、
b)甘味料濃縮物を収容する甘味料濃縮物リザーバと、
c)水を収容する又は水が供給される水予冷却器と、
d)前記飲料濃縮物リザーバから供給された前記飲料濃縮物を前記水予冷却器から供給された水と混合するための第1のプレミキサーと、
e)前記甘味料濃縮物リザーバから供給された前記甘味料濃縮物を前記水予冷却器から供給された水と混合するための第2のプレミキサーと、
f)前記第1のプレミキサーから出力された生成物を前記第2のプレミキサーから出力された生成物と混合して、飲料液を形成するための混合チャンバと、
g)冷却剤を収容する冷却ユニットと、
h)氷生成システムと、
i)前記混合チャンバから前記氷生成システムに前記飲料液を供給するための飲料生成物回路と、
j)前記冷却ユニットから前記氷生成システムに冷却剤を供給して、前記飲料液を冷却し、それによって前記飲料液中に複数の氷結晶を形成するための冷却回路と、
k)前記氷含有ティー又はコーヒー飲料を前記氷生成システムから入れ物内に注出するための飲料注出口とを備える装置。
【請求項2】
前記第1のプレミキサー内の前記飲料濃縮物の希釈レベルは、前記第2のプレミキサー内の前記甘味料濃縮物の希釈レベルと独立して設定され得る、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記混合チャンバに供給される前記飲料濃縮物及び前記甘味料濃縮物の容積及び希釈比を制御することによって、前記飲料液の構成を制御するように構成及び配置されたコントローラを更に備える、請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記飲料濃縮物リザーバ及び/又は前記甘味料濃縮物リザーバは、濃縮物の交換可能な供給パックを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記交換可能な供給パックは、前記濃縮物を保持するための容器と、飲料濃縮物を前記第1のプレミキサー又は前記第2のプレミキサーのそれぞれ内に排出するための出口を有するドーサとを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のプレミキサー及び/又は前記第2のプレミキサーは、前記交換可能な供給パックの前記出口から濃縮物を受け入れるためのプレミキサー入口と、前記出力された生成物を前記混合チャンバ内に排出するためのプレミキサー出口と、前記プレミキサー入口と前記プレミキサー出口との間に延びる導管とを含み、前記第1のプレミキサー及び/又は前記第2のプレミキサーは、前記水予冷却器から供給された水を前記プレミキサー内に供給するための、前記導管内への水入口開口部を更に含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記水入口開口部は、流入する水を前記プレミキサー入口に向かって噴射するように向けられており、それによって、前記交換可能な供給パックの前記ドーサの前記出口を洗い流す、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記冷却ユニットから前記水予冷却器に冷却剤を供給して前記水を冷却するための予冷却器冷却回路を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記予冷器冷却回路は、前記冷却剤によって冷却される熱交換器を含み、前記熱交換器は、前記水予冷却器である、又は前記水予冷却器と熱接触する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記水予冷却器及び/又は前記熱交換器は、追加的に、前記飲料濃縮物を収容する前記飲料濃縮物リザーバと熱接触する、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
甘味料濃縮物リザーバは、前記水予冷却器及び/又は前記熱交換器から熱的に隔離されている、請求項9又は請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記熱交換器は、1つ以上の金属ブロック、好ましくは1つ以上のアルミニウムブロックを含み、冷却剤は、前記1つ以上の金属ブロック内の1つ以上の冷却剤孔を通過し、水は、前記1つ以上の金属ブロック内の1つ以上の水孔を通過する、請求項9~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記飲料濃縮物リザーバは、前記1つ以上の金属ブロックと接触し、任意選択で、前記1つ以上の金属ブロックは、前記飲料濃縮物リザーバの面と対面接触する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記混合チャンバは、前記混合チャンバ内にある飲料液を再循環させるための撹拌機を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記混合チャンバは冷却される、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記装置は、空気混和された氷含有ティー又はコーヒー飲料を調製するための装置であり、ガスを前記飲料液中に送達するためのエアレータ、好ましくは空気ポンプを更に備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
異なる種類の別のティー又はコーヒー飲料、任意選択で、氷を含有しないティー又はコーヒー飲料、任意選択で、氷を含有しない空気混和されたティー又はコーヒー飲料を注出するための第2の飲料注出口を更に備える、請求項1~16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記飲料注出口から注出される前記氷含有ティー又はコーヒー飲料、及び前記第2の飲料注出口から注出される異なる種類の前記ティー又はコーヒー飲料の両方は、前記混合チャンバから出力された前記飲料液から得られる、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
請求項1~18のいずれかに記載の装置と、飲料濃縮物リザーバと、甘味料濃縮物リザーバとを備えるシステム。
【請求項20】
前記飲料濃縮物リザーバ及び前記甘味料濃縮物リザーバは各々、交換可能な供給パックを含む、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アイスコーヒー及びアイスティー飲料、該飲料を作るための装置、並びに該装置を使用するシステムに関する。特に、本開示は、クリーミーな口当たり及び調製後の長期安定性を有する空気混和された氷飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
より高いさわやかさを提供するために、消費者の飲料に氷を提供することは周知である。単に氷キューブを添加することの他に、強力に冷蔵された飲料濃縮物を常に撹拌することによって作られたslush-puppie(登録商標)スタイルドリンクなどの飲料を提供することが周知である。そのようなスクレープ(scraped)飲料は、小さな粗い氷断片を含有し、消費者にとってスラリー状の口当たりを有する。
【0003】
代替的に、飲料は、氷キューブを飲料液とブレンドして、氷フレークがその中に分散された飲料を生成することによって生成されてもよい。これは、切断刃を有する高速ブレンダに依存する。主にコーヒー飲料をベースとしたそのような飲料の例は、いわゆるFrappuccinos(登録商標)である。そのようなアイス飲料は心地よい外観で調製されるが、氷飲料は消費者に提供されたとき典型的には急速に融解し、その結果、残りの飲料に存在する香味料に欠ける水様層が、融解した氷から形成される。更に、新鮮に調製された場合でも、氷フレークは凝集体として見え、飲料を飲むときに消費者に識別可能である。
【0004】
国際公開第2014/135886号には、凍結した液体と凍結していない液体とを含有するスラッシュを生成するための装置が記載されている。スラッシュは、ビール、ラガー、又はシードルなどのドラフト飲料から作られる。
【0005】
図1は、国際公開第2014/135886号の装置の線図を再現する。装置は、スラッシュマシン18の形態を有し、液体110のための凍結導管3を備え、導管は、入口103と出口104とを有し、入口103及び出口104は、入口103と出口104との間に容積105を画定する。ポンプ2は、容積105を通って入口103から出口104に液体を供給し、液体は、次いで、導管1を介して入口103に再循環する。導管1と凍結導管3とは一緒に、液体の再循環のための導管ループを画定する。ループから、スラッシュは注出口8から注出され得、ループは、リザーバ17からの導管ループ入口7を介して補充されている。
【0006】
断熱されたスラッシュ再循環供給パイプライン(umbilical)10が、スラッシュマシン18と注出口8との間に追加されている。
【0007】
凍結導管3は、熱交換器6の半分を形成し、熱交換器6は、入口106と出口107とを有する冷却導管108を有し、液体グリコール冷却剤109の物質を入口106と出口107との間に収容する。熱交換器6は、冷却剤ループに接続されており、冷却剤ループは、矢印Aで示すように、液体冷却剤を入口106から出口107に循環させ、出口107から冷却剤冷蔵ユニット22に循環させ、次いで入口106に戻す。冷却剤は、液体の凍結点よりも低い温度で冷却導管の入口に提供される。したがって、冷却剤が冷却導管内を流れるとき、熱伝達が液体から冷却剤へ起きる。冷却剤冷蔵ユニット22は、冷却剤20のリザーバを冷却するために使用される蒸気圧縮冷蔵システム21を含むグリコール冷却部である。ポンプ19は、冷却部ユニット内に一体化されており、冷却剤を再循環させるための原動力を提供する。
【0008】
冷却導管108を通る液体冷却剤の流量は、変化し得、それによって、凍結導管3の容積105内の液体からの熱伝達率を変化させることができる。冷却導管内への新しい冷却剤の流量を変化させることにより、冷却導管内の冷却剤の平均温度の正味の増加又は減少が行われる。これは、作動流体から冷却剤への全体的な熱伝達率、したがって、凍結導管内を流れる作動流体の凍結速度を変更する。
【0009】
冷却導管を通る流れは、バルブ24によって制御される。より低い熱伝達率は、冷却導管108を通る冷却剤の流れがないように、冷却剤流体流量を実質的にゼロに遮断することによって達成される。より高い熱伝達率は、バルブ24を開いて冷却導管108を通る冷却剤の流れを可能にすることによって達成される。
【0010】
追加の冷却剤バイパスループ111は、冷却剤流れを冷却導管108から離れるように転換するために設けられている。このループを通る流れは、必要に応じ、通常は開放されているバルブ23によって制御される。
【0011】
バルブ23、24は、生成されたスラッシュ中の凍結した液体の画分を感知するためのセンサ4に依存して、コントローラ15によって制御される。センサ4は、導管入口103からすぐ上流で導管ループ1内に設けられている。コントローラ15は、冷却導管108を通る液体冷却剤の流れをセンサ4からの出力に依存して制御することによって、容積105内の液体からの熱伝達を異なる熱伝達率間で変化させることができる。アイドル状態では、マシンは、再循環ループ内の作動流体の氷/液体比を所望の事前設定レベルに維持するために、システム内のベースエネルギーゲイン(base energy gain)を克服することのみが必要とされる。したがって、より低い熱伝達率は、冷却導管108を通る冷却剤の流れを防ぐように、バルブ24を閉じることによって設定される。注出が起きたとき、注出された半凍結した作動流体の容積は、リザーバ17からの凍結していない作動流体によって置き換えられる。これは、再循環ループ内の流体の固体画分の急速な低減をもたらし、該低減はセンサ4によって感知され、これにより制御システムは、凍結導管からの熱伝達率を、バルブ24を開くことによって増加させる。国際公開第2018/122277号では、氷含有ティー又はコーヒー飲料を調製するための装置及び方法が記載されている。方法は、(i)可溶性ティー又はコーヒー固形物を含有する飲料液、及び凍結点低下剤を提供することと、(ii)ガスの添加によって飲料液を空気混和することと、(iii)空気混和された、好ましくは甘味付与された飲料液を、冷蔵システムを通って流して、空気混和された飲料液を冷却し、それによって空気混和された飲料液中に複数の氷結晶を形成することと、(iv)冷却及び空気混和された飲料液を氷含有ティー又はコーヒー飲料として注出することとを含む。
【0012】
図2は、国際公開第2018/122277号の装置の概略図を再現する。装置201は、飲料液を保持するためのリザーバ205を備える。リザーバ205は、供給ダクト210を介して冷蔵回路215に接続されている。冷媒回路215は、液がその内部を流れるプラスチックダクト216を含み、ダクト216は、液が回路215内を再循環することを可能にするための再循環ループを有する。冷蔵回路215は、別個のダクト225内を流れる予め冷却された冷媒を使用して液を冷却するための熱交換器220を含む。
【0013】
冷蔵回路215はまた、氷含有ティー又はコーヒー飲料を冷蔵回路215から入れ物235内に注出するための注出口230と流体連通する。
【0014】
加圧ガス供給源240が、加圧ガスを供給ダクト210内に供給して飲料液を空気混和するために設けられている。ガスは、微細な気泡の形成を促進するために、複数の入口を有するノズルを通って供給されてもよい。ガス混合は、更に又は代替的に、静的ミキサー又は1つ以上の狭窄オリフィス(constricting orifice)241を伴ってもよい。ポンプ245がまた、飲料を冷蔵回路215内に循環させるために設けられている。
【0015】
装置201は、氷含有ティー又はコーヒー飲料の調製を可能にする。可溶性ティー又はコーヒー固形物及び凍結点低下剤を含有する飲料液は、リザーバ205から供給ダクト210を通って冷蔵回路215に加圧ガスで圧送される又は押し流される。ガスは、ガス源240から混合手段241を介して供給ダクト210内に投入される。液は、ポンプ245によって押し流されて、冷蔵回路215内を循環し熱交換器2 20を通って循環し、冷蔵回路215及び熱交換器220において、液は、氷結晶がゆっくりと形成されるように冷却される。氷含有ティー又はコーヒー飲料は、回路215から出口230を介して飲料入れ物235内にオンデマンドで注出される。
【0016】
国際公開第2014/135886号の装置は、凍結した液体及び凍結していない液体を含有するスラッシュを生成することができ、国際公開第2018/122277号の装置は、氷含有ティー又はコーヒー飲料を調製することができるが、説明された装置を改善することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
本開示の第1の態様によれば、氷含有ティー又はコーヒー飲料を調製するための装置であって、装置は、
a)飲料濃縮物を収容する飲料濃縮物リザーバと、
b)甘味料濃縮物を収容する甘味料濃縮物リザーバと、
c)水を収容する又は水が供給される水予冷却器と、
d)飲料濃縮物リザーバから供給された飲料濃縮物を水予冷却器から供給された水と混合するための第1のプレミキサーと、
e)甘味料濃縮物リザーバから供給された甘味料濃縮物を水予冷却器から供給された水と混合するための第2のプレミキサーと、
f)第1のプレミキサーから出力された生成物を第2のプレミキサーから出力された生成物と混合して、飲料液を形成するための混合チャンバと、
g)冷却剤を収容する冷却ユニットと、
h)氷生成システムと、
i)混合チャンバから氷生成システムに飲料液を供給するための飲料生成物回路と、
j)冷却ユニットから氷生成システムに冷却剤を供給して、飲料液を冷却し、それによって飲料液中に複数の氷結晶を形成するための冷却回路と、
k)氷含有ティー又はコーヒー飲料を氷生成システムから入れ物内に注出するための飲料注出口とを備える装置が提供されている。
【0018】
本開示についてここで更に説明する。以下、本開示の異なる態様がより詳細に定義されている。このように定義されている各態様は、反対のことが明示されていない限り、他の態様(単数又は複数)と組み合わされてもよい。特に、好ましい又は有利であることが示されているいずれの特徴も、好ましい又は有利であることが示されている他の特徴(単数又は複数)と組み合わされてもよい。
【0019】
以下の説明は、主にコーヒー飲料についてなされているが、本開示は、ティー飲料、すなわち、可溶性ティー及び/又はコーヒー固形物を含む飲料に等しく適用されることを理解されたい。
【0020】
本装置及びシステムは、氷含有ティー又はコーヒー飲料、いわゆるアイスティー又はアイスコーヒー飲料を調製することに関する。ティー及びコーヒー飲料は周知であり、溶解したティー及びコーヒー固形物を含む。例として、典型的なコーヒー飲料は、噴霧乾燥若しくは凍結乾燥コーヒー粉末を再構成することによって、又は焙煎し挽いたコーヒー豆に抽出を行うことによって形成され得る。疑義を避けるために、本明細書で定義されているコーヒー飲料は、コーヒーチェリー、コーヒー豆の殻、コーヒー豆、又はコーヒーの木の葉のうちの1つ以上からの要素を含む、コーヒーの木の任意の部分から生成されるものである。同様に、ティー飲料は、茶の木の任意の部分、典型的には葉からの抽出物から生成されるものである。最も好ましい飲料は、標準的なコーヒー飲料、すなわちエスプレッソ又はカプチーノに存在するようなコーヒー固形物から作られたものである。したがって、最も好ましいコーヒー固形物は、コーヒー豆に抽出を行うことによって得られたものである。
【0021】
本装置及びシステムによれば、可溶性ティー又はコーヒー固形分を含有する飲料液が提供され、飲料液は冷却され、それによって、飲料液中に複数の氷結晶を形成する。飲料液は、1つ以上の濃縮物、好ましくは液体濃縮物の希釈によって形成され得る。例えば、飲料液は、飲料濃縮物の希釈物を含み得る。本明細書で定義されている飲料液とは、飲料を形成するための装置によって又はこのための方法において使用される液体を指す。固形物とは、水の全てが除去されたときに残される、水性溶液の成分を指す。したがって、例えば、インスタント可溶性コーヒー粉末は、脱水されたコーヒー抽出物のコーヒー固形物と考えられ得る。固形物は、好ましくは可溶性固形物であるが、少量の微細な不溶性材料を含有してもよい。
【0022】
飲料液は、可溶性コーヒー又は可用性ティー固形物を含有する。好ましくは、液は、コーヒー又はティー固形物の飲料液全体の重量で、0.5~6重量%、より好ましくは1~5重量%のコーヒー又はティー固形物を含有する。このレベルのコーヒー又はティー固形物は、典型的には、望ましい強さのティー又はコーヒー飲料を提供する。
【0023】
飲料液はまた、好ましくは、ティー又はコーヒー固形物に加えて、凍結点低下剤を含む。理解されるように、凍結点低下剤は、液体が凍結する温度を低減する原材料である。一般に、任意の可溶性原材料は、水の融点を低下させるように作用するが、可溶性原材料が融点に影響する程度は、原材料自体及び存在する量に依存する。
【0024】
凍結点低下剤は、氷結晶成長に影響する。純水/氷スラッシュ中では、氷は特に安定しておらず、熟成プロセスを受け、熟成プロセスによって、小さな結晶は融解する傾向があり、より大きな結晶は成長する傾向がある。凍結点低下剤の存在は、このオストワルド熟成を低減し形成されたスラッシュ中の小さな氷結晶の保存を可能にするように機能する。本開示の装置、方法、及びシステムは、凍結点低下剤によって安定化される微細な氷結晶の生成を助長する。
【0025】
好ましくは、飲料液は、飲料液の融点を0.2~3℃以上、好ましくは0.4~1℃で低下させるのに十分な量の凍結点低下剤を含む。この測定は、氷/水の融点と比較して行われ、水溶液中の同じ濃度の凍結点低下剤の存在に基づく。すなわち、この測定は、水への別個の低下効果も有するティー及び/又はコーヒー固形物の存在を無視する。融点測定は、当該技術分野において周知である。好ましくは、飲料液の融点は、-7℃~-12℃の温度に低下する。有益なことに、凍結点低下剤の使用は、注出口で入れ物内に注出されたときの最終的な飲料が、例えば、0℃~-15℃の温度を有することを可能にする。
【0026】
凍結点低下剤は、塩、アルコール、糖、氷構造化タンパク質、又はこれらの2つ以上の組み合わせなどの任意の食品安全可溶性原材料であってもよい。凍結点低下剤は、ポリオール若しくは糖又はこれらの混合物などの甘味料であることが最も好ましい。甘味料は、甘味料濃縮物として提供され得る。
【0027】
最も好ましい凍結点低下剤は、糖、好ましくはスクロース及び/又はフルクトースである。好適な糖は、単糖及び二糖、好ましくはスクロース、フルクトース、及び/又はグルコースを含む。糖の代替物は、糖又は糖の一部の代わりに使用され得る。好適な糖の代替物は、ポリデキストロースを含む。コーヒー又はティー材料から別々に精製された糖が含まれる場合、これは、ティー又はコーヒー固形物の一部としてではなく、凍結点低下剤の一部として考えられる。
【0028】
従来の糖の使用は、コーヒー及び糖、並びに任意選択でミルクなどの単純な従来の飲料原材料から作られた飲料を驚くべき物理的外観を有する新しい形態で提供することを可能にする。凍結点低下剤が糖又は別の甘味料である場合、飲料液は、甘味付与飲料液と考えられ得る。
【0029】
好ましくは、甘味付与飲料液は、3.2~25重量%の糖又は糖の代替物、好ましくは5~8重量%の糖又は糖の代替物を含む。好ましくは、糖及び/又は糖の代替物は、スクロース、フルクトース、ポリデキストロース、又はこれらの混合物である。一例では、4重量%のフルクトースと2.5重量%のポリデキストロースとの混合物が有益に使用され得る。これらの量の糖及び/又は糖の代替物は、望ましいレベルの甘味を最終飲料に提供しつつ、融点を低下させるのに十分である。
【0030】
したがって、飲料液は、可溶性コーヒー又はティー固形物と、1つ以上の糖及び/又は糖の代替物と、液の大部分を形成する水とを含み得る。飲料液はまた、好ましくは25重量%未満、より好ましくは10重量%未満の量のミルク又はクリームなどの乳原材料を含むことができる。ティー及びコーヒー飲料中のそのような乳原材料の存在は、イングリッシュブレックファストティー又はラテなどとして周知である。
【0031】
しかしながら、乳原材料を含むことに由来する乳脂肪などの液中の脂肪の存在は、気泡の安定性に影響する。加えて、高い脂肪レベルの存在は、冷却ステップ中に高い粘度増加を引き起こし、液を圧送することを困難にし、一貫した氷画分を提供することを困難にした。したがって、甘味付与飲料液は、好ましくは20重量%未満、好ましくは10重量%未満の量の脂肪を含み、好ましくは脂肪を実質的に又は完全に含まない。
【0032】
飲料液は、香味料、安定剤、親水コロイド(ガム及び増粘剤)、緩衝剤、着色剤、ビタミン及び/若しくはミネラル、及び口当たり向上剤、又はこれらの2つ以上の組み合わせなどの他の添加剤を更に含んでもよい。これらの更なる添加剤は、好ましくは、飲料液の5重量%未満、より好ましくは飲料液の1重量%未満を構成する。ガム及び増粘剤などのそのような添加剤は、アイスコーヒーなどのより濃い飲料を安定化するのに役立つことが周知であるが、不健康であると消費者によって考えられる。有益には、本装置及び方法によって生成される飲料は、そのような原材料が存在しないにもかかわらず、非常に安定であり得る。
【0033】
最も好ましくは、飲料液は、そのような更なる添加物を含まず、したがって、飲料液は、ティー又はコーヒー固形物、1つ以上の糖などの凍結点低下剤、及び水、並びに任意選択で任意の乳原材料のみからなる。好ましくは、飲料液は、乳原材料を含まない。
【0034】
好ましくは、第1のプレミキサー内の飲料濃縮物の希釈レベルは、第2のプレミキサー内の甘味料濃縮物の希釈レベルと独立して設定され得る。装置は、混合チャンバに供給される飲料濃縮物及び甘味料濃縮物の容積及び希釈比を制御することによって、飲料液の構成を制御するように構成及び配置されたコントローラを更に備え得る。
【0035】
好ましくは、飲料濃縮物リザーバ及び/又は甘味料濃縮物リザーバは、濃縮物の交換可能な供給パックを含む。交換可能な供給パックは、濃縮物を保持するための容器と、飲料濃縮物を第1のプレミキサー又は第2のプレミキサーのそれぞれ内に排出するための出口を有するドーサとを含み得る。本明細書で定義されている交換可能な供給パックとは、装置による使用のための飲料濃縮物の容積を供給する手段として、装置に結合され得る及び装置から分離され得るパックを指す。満杯のパックが、装置に結合され得る。結合は、パックと装置との間に機械的接続を形成することを含み得る。パックは、空になると装置から分離され得、別の満杯のパックに交換され得、別の満杯のパックは次いで、装置による使用のための更なる飲料濃縮物を供給するために装置に結合され得る。パックは、使い捨てのアイテムであってもよく、又は代替的に、再充填可能であってもよい。パックは、パウチ、カプセル、カートリッジ、ボックス、バッグインボックス又は同様のものなどを含むがこれらに限定されない任意の好適な容器を含み得る。パックは、装置と結合される前はシールされてもよい。パックを開くための手段は、パック内に一体化されてもよく、又は装置内に一体化されてもよい。パックは、パックと装置との結合中に自動的に開かれ得る。交換可能な供給パックとしての使用のための好適なパックの非限定的な例は、Promesso(登録商標)パックである。
【0036】
第1のプレミキサー及び/又は第2のプレミキサーは、交換可能な供給パックの出口から濃縮物を受け入れるためのプレミキサー入口と、出力された生成物を混合チャンバ内に排出するためのプレミキサー出口と、プレミキサー入口とプレミキサー出口との間に延びる導管とを含み得る。
【0037】
第1のプレミキサー及び/又は第2のプレミキサーは、水予冷却器から供給された水をプレミキサー内に供給するための、導管内への水入口開口部を更に含み得る。水入口開口部は、流入する水をプレミキサー入口に向かって噴射するように向けられてもよく、それによって、交換可能な供給パックのドーサの出口を洗い流すことができる。
【0038】
装置は、冷却ユニットから水予冷却器に冷却剤を供給して水を冷却するための予冷却器冷却回路を更に備え得る。予冷却器冷却回路は、冷却剤によって冷却される熱交換器を含んでもよく、熱交換器は、水予冷却器である、又は水予冷却と熱接触する。
【0039】
好ましくは、水予冷却器及び/又は熱交換器は、追加的に、飲料濃縮物を収容する飲料濃縮物リザーバと熱接触する。
【0040】
甘味料濃縮物リザーバは、水予冷却器及び/又は熱交換器から熱的に隔離されてもよい。代替的に、甘味料濃縮物リザーバは、冷却状態に維持され得る。例えば、甘味料濃縮物リザーバは、水予冷却器及び/又は熱交換器及び/又は飲料濃縮物リザーバと熱接触して配置され得る。
【0041】
混合チャンバは、混合チャンバ内にある飲料液を再循環させるための撹拌機を含み得る。好ましくは、混合チャンバは冷却される。
【0042】
装置は、好ましくは、空気混和された氷含有ティー又はコーヒー飲料を調製するための装置であり、したがって、エアレータを更に備え得る。例えば、エアレータは、飲料液が冷却される前に加圧ガスを飲料液中に送達するように配置された加圧ガス源を含み得る。ガス源は、圧力下の空気若しくは窒素を収容するガスボンベであってもよく、又は加圧空気のオンデマンド供給のためのコンプレッサ、ポンプ若しくは同様のものなどであってもよい。ガスは、ダクト内の1つ以上の空気入口を通って供給されてもよい。好ましい例では、エアレータは、エアポンプである。
【0043】
ガスは、好ましくは、10~150%、好ましくは20~100%、最も好ましくは25~75%の最終飲料中のオーバーランを達成する量で添加される。オーバーランは、泡立ち食料中に含まれる空気の量を測定するための食品及び飲料産業における標準用語である。オーバーランは、以下の式を使用して計算され得る。
オーバーラン=(発泡飲料の容積-初期液体の容積)/初期液体の容積*100
【0044】
好ましくは、飲料液を空気混和するステップは、飲料液の流れ中へのガスのインライン添加を伴う。すなわち、ガスは、例えば容器内での液の乱流混合ではなく、飲料液の流れを含むダクトに添加される。ガスは、好ましくは、飲料液が冷却されて氷結晶を形成する前に添加される。
【0045】
小さな気泡の微細分布の生成を助長するために、好ましくは、ガスのインライン添加は、ダクト内の複数のガス入口オリフィスを通って行われる。代替的に又は加えて、気泡の微細分布は、ガスが添加された飲料液の圧送された流れを、静的ミキサー又は1つ以上の狭窄オリフィスに通過させることによって向上され得る。狭窄オリフィスの使用は、次いで形成される高圧噴射が気泡を更に微細な気泡に分割するように機能し、これは、最終飲料のクリーミー性及び安定性を高めるため、特に有利であり得る。
【0046】
例として、1mmのガス注入オリフィスはダクト内に5mmの気泡を生成し得る。これらの気泡を1mm未満のオリフィスに通過させることにより、これらの気泡は各々1mm未満の気泡に破砕される。この微細な気泡構造は、最終飲料の氷の安定性及びクリーミー性を支援する。
【0047】
ガスは、好ましくは、最大10バール、好ましくは3~4バールの圧力で添加される。
【0048】
飲料液中に複数の氷結晶を形成することは、飲料液中に氷画分を生成する。好ましくは、氷画分は、飲料の10~50重量%、好ましくは20~30重量%を形成する。これは、氷結晶から液体をデカントするために使用される単純なコーヒープレスデバイス(cafetiere device)を使用して、かつ相対的な重量を決定することによって測定され得る。実際には、これは、保持された水により、氷画分を小さい程度に過大評価し得るが、一貫して再現可能で測定可能な結果を提供する。
【0049】
方法で生成される氷結晶は、好ましくは0.1~1mm、好ましくは0.2~0.65mmの範囲のサイズを有する。好ましくは、平均粒径は約0.25mmである。サイズは、各氷結晶の最長直径を測定するために顕微鏡を使用して試料上で測定され得る。
【0050】
冷却ユニットは、液体冷却剤を収容し得る。好ましくは、液体冷却剤はプロピレングリコールを含み、-5℃~-15℃の温度を有する。冷却ユニットは、グリコール冷却部であり得る。冷却剤ポンプは、冷却ユニット内に一体化されてもよく、又は冷却回路に沿って配置された別個のポンプであってもよい。
【0051】
好ましくは、装置は、一次モードでは、冷却剤が、冷却ユニットを含む一次冷却回路を連続的に循環する、及び/又は、二次モードでは、冷却剤が、冷却ユニットを含まない二次冷却回路を連続的に循環するように構成されている。対照的に、国際公開第2014/135886号冷却剤の従来技術のシステムでは、より低い熱伝達率が選択されたとき、冷却剤は冷却導管108内に静止したままであり、これは、バルブ24が冷却導管108を通る冷却剤の流れを防ぐように閉じられるためである。国際公開第2014/135886号の動作の方法は有害な影響をもたらし得、例えば、冷たい冷却剤の新しい容積が冷却導管108内に入力され得るが、冷却導管108全体を満たすのに十分でないことがある。これは、凍結導管3内の液体110の一貫しない冷却をもたらし得る。
【0052】
好ましくは、装置は、スイッチをオンにされたとき一次モード又は二次モードのうちの1つで動作し得る。有益なことに、これは、装置の動作中に、冷却剤が氷生成冷却回路の冷却導管内に相当な期間静止する状況を回避する。これは、飲料液の冷却の均質性及び一貫性を改善することができる。
【0053】
飲料生成物回路は、混合チャンバを氷生成システムと流体接続する1つ以上の生成物供給導管を含み得る。
【0054】
氷生成システムは、1つ以上の生成物供給導管及び冷却導管から飲料液を受け入れる生成物導管を含み得る。氷生成システムは、生成物導管及び冷却導管の少なくとも一部分を含み得、生成物導管及び冷却導管は互いに同心円状に延びる。好ましくは、冷却導管は生成物導管を取り囲む。一例では、生成物導管は、外管内に延びる内管を含み得る。内側ホースの外部にあり外管内にある環状空隙は、冷却導管を画定する。
【0055】
同心円状に延びる生成物導管及び冷却導管は、螺旋構成に配置され得る。これは、氷生成システムのよりコンパクトな配置を有益にもたらし、また飲料液の冷却の均質性及び一貫性も改善し得る。同心円状に延びる生成物導管及び冷却導管は、少なくとも5m、好ましくは少なくとも10mの長さに延び得る。
【0056】
好ましくは、生成物導管は、飲料液がその内部に圧送されるプラスチックダクトを含む。好適な材料の非限定的な例としては、PTFE、ナイロン、MDPE、EVA、ポリエチレン、POM、PVC、及びこれらの混合物が挙げられる。ダクトのプラスチック表面は、ダクト上での氷結晶の核生成を低減し、飲料液中での氷結晶の形成を促進して閉塞物のリスクを低減する。従来技術のスクレープ冷蔵デバイスでは、氷結晶は、冷却された表面壁に沿って成長し板状の破片を形成する傾向がある。対照的に、プラスチック配管は、壁から流れチャネル内への樹枝状の氷結晶の成長を促進する。次いで、そのような結晶は、急速に壊れて流れとなり、流れ及び制限されたオストワルド熟成が、結晶のより丸い発達を促進し、枝は折れる又は融解する。その結果、生成物導管内に形成する氷結晶はより小さく、より密でより丸い構造を有する傾向があり、これは生成される飲料の寿命を延ばす。
【0057】
冷却導管はまた、プラスチックダクトを含み得る。好適な材料の非限定的な例としては、PTFE、ナイロン、MDPE、EVA、ポリエチレン、POM、PVC、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0058】
コントローラは、ハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。コントローラは、制御ユニットを含んでもよく、又は専用若しくは共有コンピューティングリソース上で実行されるコンピュータプログラムであってもよい。コントローラは、単一のユニットを含んでもよく、又は動作可能に接続された装置内の複数のサブユニットから構成されてもよい。コントローラは、1つの処理リソース上に配置されてもよく、又は空間的に分離されたコンピューティングリソースにわたって分散されてもよい。装置の別個の部分、例えば冷却ユニット、氷生成システム、ミキサーなどは、コントローラに動作可能に接続されたそれ自体のサブコントローラを含み得る。
【0059】
生成物ポンプは、飲料液を生成物導管内に循環させるように配置され得る。この生成物ポンプは、飲料液を上流場所から生成物導管内に吸い込むように構成されてもよく、又は、これは、追加のポンプ又は圧縮ガス源を必要としてもよい。理解されるように、装置は、流れが意図されるとおりであることを確実にするために、必要な制御バルブを更に備える。
【0060】
いくつかの例では、装置は、異なる種類の別のティー又はコーヒー飲料を注出するための第2の飲料注出口を更に備え得る。異なる種類の飲料とは、氷を含有しないティー又はコーヒー飲料であってよく、任意選択で、氷を含有しない空気混和されたティー又はコーヒー飲料であってもよい。飲料注出口から注出される氷含有ティー又はコーヒー飲料、及び第2の飲料注出口から注出される異なる種類のティー又はコーヒー飲料の両方は、混合チャンバから出力された飲料液から得られ得る。
【0061】
当該各飲料注出口は、バー又は飲料カウンターにおいて最終飲料を即座に提供するためのポストミックススタイルヘッドなどの従来の飲料ノズルの形態をとることができる。
【0062】
装置は、飲料注出マシンの一部を形成し得る。飲料注出マシンは、販売時点(POS)ユニットであり得る。飲料注出マシンは、可動ユニットであり得る。飲料注出マシンは、バーキーパー(barkeeper)若しくは同様の給仕人(server)によって動作されるように構成されてもよく、又はセルフサービスマシンとして構成されてもよい。飲料注出マシンは、自動販売機であり得る。
【0063】
更なる態様によれば、上記の態様に記載の装置と、飲料濃縮物リザーバと、甘味料濃縮物リザーバとを備えるシステムが提供されている。好ましくは、飲料濃縮物リザーバ及び甘味料濃縮物リザーバは各々、交換可能な供給パックを含む。
【0064】
更なる態様によれば、氷含有ティー又はコーヒー飲料を調製するための装置であって、装置は、
a)甘味料濃縮物を収容する甘味料濃縮物リザーバと、
b)水を収容する又は水が供給される水予冷却器と、
c)甘味料濃縮物リザーバから供給された甘味料濃縮物を水予冷却器から供給された水と混合して、飲料液を形成するための第1のミキサーと、
d)冷却剤を収容する冷却ユニットと、
e)氷生成システムと、
f)第1のミキサーから氷生成システムに飲料液を供給するための飲料生成物回路と、
g)冷却ユニットから氷生成システムに冷却剤を供給して、飲料液を冷却し、それによって飲料液中に複数の氷結晶を形成するための冷却回路と、
h)香味原材料の源と、
i)香味原材料の源からの香味原材料を氷生成システムからの飲料液と混合して、氷含有飲料を形成するための第2のミキサーと、
j)氷含有飲料を入れ物内に注出するための飲料注出口とを備える装置が提供されている。
【0065】
有益には、氷の生成後の飲料液への香味原材料の添加は、飲料を注出する時点において又は該時点の近くで最終飲料の香味を変化させるための柔軟性を与える。
【0066】
香味原材料は、例えば、コーヒー濃縮物、ティー濃縮物、果物濃縮物、ミルク、ミルク濃縮物、又はこれらの組み合わせであり得る。
【0067】
第1のミキサーは、好ましくは、本開示の他の態様に関して上述した第2のプレミキサーと同じ種類のものであり得る。第2のミキサーは、例えば、注出口において配置されている又は注出口を形成するポストミックススタイルヘッドであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
ここで、単に例として、以下の非限定的な図面を参照して本開示について説明する。
【
図1】国際公開2014/135886号に記載の従来技術の装置の線図である。
【
図2】国際公開第2018/122277号に記載の従来技術の装置の概略図である。
【
図3】本開示による飲料調製マシンの斜視図である。
【
図4】本開示による飲料調製マシンのフロー概略図である。
【
図5A】国際公開第2014/135886号の従来技術の装置の氷生成システムと本開示による装置との氷生成システムについての比較フロー概略図である。
【
図5B】国際公開第2014/135886号の従来技術の装置の氷生成システムと本開示による装置との氷生成システムについての比較フロー概略図である。
【
図6A】本開示による装置の一部分の概略配置を示す図である。
【
図6B】本開示による装置の一部分の概略配置を示す図である。
【
図6C】本開示による装置の一部分の概略配置を示す図である。
【
図7A】本開示による装置の生成物ループについての代替のフロー概略図である。
【
図7B】本開示による装置の生成物ループについての代替のフロー概略図である。
【
図9】本開示による別の飲料調製マシンの斜視図である。
【
図10】
図9の飲料調製マシンのフロー概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図3に示すように、本開示は、氷含有ティー又はアイスコーヒー飲料を調製するための装置300を提供する。図示の例では、装置300は、可動販売時点(POS)ユニットの形態をとり、POSユニットは、バーキーパー若しくは同様の給仕人によって動作されるように構成されてもよく、又はセルフサービスマシンとして構成されてもよい。
【0070】
装置300は、主ハウジング301を備え、主ハウジング301は、例えば、装置300の構成要素を収容するキャビネットとして構成され得る。主ハウジング301は、メンテナンス、原材料の補充などの目的で内部構成要素へのアクセスを可能にするための1つ以上のドア、引き出し、又はアクセスパネルを含み得る。主ハウジング301には、装置300を可動にするためのキャスター302が設けられ得る。外部電源、例えば本線の電源、及び外部水源、例えば本管の水道のための接続がまた設けられ得る。代替的に、装置300は、内部電源、例えばバッテリ、及び水リザーバなどの内部水源を備え得る。
【0071】
装置300は、飲料を注出するための飲料注出口303を更に備え得る。図示の例では、飲料注出口303は、主ハウジング301の上面306に取り付けられたフォント(font)305上のポストミックススタイルヘッドなどの飲料ノズル304の形態をとる。上面306は、注出された飲料を受け取るグラス307などの入れ物のためのスタンド又は飲料カウンターとして機能し得る。
【0072】
装置300は、氷含有ティー又はコーヒー飲料、好ましくは空気混和された氷含有ティー又はコーヒー飲料を調製するように構成されている。
図4は、この構成を達成するのに好適な装置300についてのフロー概略図の例を示す。装置300は、冷却ユニット310、氷生成システム311、水予冷却器312、及び原材料源セクション313を備え得る。
【0073】
冷却ユニット310は、冷却剤を収容する。冷却剤は、液体冷却剤であり得る。好ましくは、液体冷却剤は、プロピレングリコールを含み、冷却ユニット310内の冷却剤リザーバ内に-5℃~-15℃の温度で保持される。冷却ユニット310は、冷却剤リザーバ内の冷却剤の所望の温度を維持するためのコンプレッサ316を含み得る。冷却ユニット310は、グリコール冷却部315であり得る。
【0074】
図4に示すように、冷却ユニット310は、氷生成システム311への冷却剤の供給及び氷生成システム311からの冷却剤の戻りを可能にするために、1つ以上の導管によって氷生成システム311に接続されてもよい。導管の複数の構成が、氷生成システム311と冷却ユニット310との間の冷却剤の流れを可能にするために提供され得る。各構成は冷却回路として定義され得る。各構成は、冷却剤がそれを通って流れる導管を制御するために、1つ以上のバルブの作動によって採用され得る。
【0075】
冷却剤供給導管317は、冷却ユニット310から氷生成システム311に冷却剤を供給するために設けられ得る。冷却剤戻り導管318は、氷生成システム311から冷却ユニット310に冷却剤を戻すために設けられ得る。
【0076】
冷却剤ポンプ319は、氷生成システム311と冷却ユニット310の間で冷却剤を圧送するために設けられ得る。冷却剤ポンプ319は、冷却ユニット310内に一体化されてもよく、又は冷却回路に沿って配置された別個のポンプであってもよい。好ましくは、冷却剤ポンプ319は、冷却剤供給導管317内に配置されている。
【0077】
冷却剤バイパス導管320は、冷却ユニット310を通過することなく、冷却剤戻り導管318から冷却剤供給導管317内に冷却剤を選択的に導くように配置され得る。冷却剤バイパス導管320は、冷却ユニット310の上流にある、冷却剤戻り導管318との第1の接合部323から、冷却ユニット310の下流にある、冷却剤供給導管317との第2の接合部324まで延び得る。
【0078】
冷却ユニットバルブ321は、冷却剤戻り導管318から冷却ユニット310内への流れを制御するために設けられ得る。冷却ユニットバルブ321は、第1の接合部323の下流にある冷却剤戻り導管318内に配置され得る。冷却剤バイパス導管バルブ322は、冷却剤バイパス導管320を通る流れを制御するために設けられ得る。冷却剤バイパス導管バルブ322は、冷却剤バイパス導管320内に配置され得る。図示の例では、冷却ユニットバルブ321及び冷却剤バイパス導管バルブ322の各々は、二方バルブ、例えば、電磁弁である。
【0079】
代替的に、冷却ユニットバルブ321及び冷却剤バイパス導管バルブ322は、第1の接合部323に配置された三方バルブに置き換えられてもよく、三方バルブは、冷却剤の流れを、冷却剤戻り導管318を通って冷却ユニット310に向かう流れ、又は冷却剤バイパス導管320を通って冷却ユニット310をバイパスする流れのいずれかに転換するように作用する。
【0080】
図4に示すように、氷生成システム311は、飲料液を収容するための生成物導管330と、冷却導管331内の冷却剤と生成物導管330内の飲料液との間の熱交換を可能にするように、生成物導管330に近接して配置された冷却導管331とを含む。氷生成システム311は、以下で更に説明するように、飲料液中に複数の氷結晶を形成するように機能する。
【0081】
冷却導管331は、冷却剤供給導管317から冷却剤を受け入れるために冷却剤供給導管317に流体接続されてもよく、また、冷却剤戻り導管318に冷却剤を送達するために冷却剤戻り導管318に流体接続されてもよい。
【0082】
好ましくは、生成物導管330及び冷却導管331の少なくとも一部分は、互いに同心円状に延びる。好ましくは、冷却導管331は、生成物導管330を取り囲む。一例では、生成物導管330は、外側プラスチック管内に延びる内側プラスチック管を含む。内側プラスチック管の外部にあり外側プラスチック管内にある環状空隙は、冷却導管331を画定する。
【0083】
生成物導管330及び冷却導管331は、螺旋構成に配置され得る。生成物導管330及び冷却導管331は、少なくとも5m、好ましくは少なくとも10mの長さで延び得る。冷却導管331は、2つ以上の螺旋ループに分割され得、各ループは、生成物導管330の異なる部分と同心円状に延びる。例えば、生成物導管330が螺旋構成において10mの長さを有する場合、冷却導管331は、生成物導管330の上半分及び下半分とそれぞれ同心円状に延びる2つの5mのループに分割され得る。冷却剤は、並列又は直列の流れで冷却導管331のループに供給され得る。
【0084】
装置300の導管は、少なくとも一次冷却回路と二次冷却回路とに構成され得る。一次冷却回路は、好ましくは、冷却ユニット310、冷却剤供給導管317、冷却導管331、及び冷却剤戻り導管318を含む。二次冷却回路は、好ましくは、冷却剤供給導管317、冷却導管331、冷却剤戻り導管318、及び冷却剤バイパス導管320を含むが、冷却ユニット310を含まない。
【0085】
装置300は、一次冷却回路及び/又は二次冷却回路内に位置するヒータ340、例えば、フロースルーヒータを更に備え得る。図示の例では、ヒータ340は、一次冷却回路及び二次冷却回路の両方に共通の位置に配置されているように、冷却剤戻り導管318内に配置されている。
【0086】
図4に示すように、水予冷却器312が、冷却水を原材料源セクション313に供給するために設けられている。水予冷却器312は、水を収容してもよく、又は水予冷却器312に水が供給されてもよい。例えば、水予冷却器312は、空のリザーバを満杯のリザーバに交換することによって都度補充される水の容積を収容するボトル又はタンクなどの内蔵型のリザーバを含むことができる。しかしながら、好ましくは、水予冷却器312は、本管の水道347などの外部源から水を受け入れるように接続されている。水フィルタ348及び流量制御バルブ349が、供給を調節及び制御するために設けられてもよい。水予冷却器312は、流入する水を、原材料源セクション313に供給するのに好適な温度に冷却することができる任意の好適な装置であり得る。好ましくは、水は2~5℃の温度に冷却される。水予冷却器312は、相変化物質(PCM)冷却器又は同様の装置であり得る。しかしながら、好ましい水予冷却器312は、
図6A~
図6Cに概略的に示されており、冷却ユニット310からの冷却剤の流れを使用する。この例では、水予冷却器312内の水は、冷却ユニット310からの冷却剤によってそれ自体が冷却される熱交換器によって冷却される。熱交換器は、水予冷却器312の一部であってもよく、又は水予冷却器312と熱接触してもよい。熱交換器は、熱エネルギーを伝達するための1つ以上のブロックを含み得る。
図6Aの例では、好ましくはアルミニウムである第1のブロック350は、冷却ユニット210からの冷却剤がそれを通って流れる第1の導管353を含む。複数の第1の導管が設けられ得る。水予冷却器312の一部を形成し、また好ましくはアルミニウムである第2のブロック351は、水予冷却器312内の水がそれを通って流れる第2の導管354を含む。複数の第2の導管が設けられ得る。第2の導管354内の水は、第2のブロック351及び第1のブロック350を通る熱伝達によって冷却される。第1のブロック350及び第2のブロック352の代わりに、単一の一体型ブロックが設けられ得る。第2の導管354は、第2のブロック351を通る遠回りの経路をとってもよく、及び/又は水は、連続的な通過で冷却されるように、第2の導管354を複数回通過してもよい。更に、第2の導管354は、フロースルー冷却部として動作することとは対照的に、静止する水を冷却のために保持するリザーバを形成し得る。
【0087】
図4に最も明確に示すように、冷却ユニット310は、冷却剤を冷却ユニット310から氷生成システム311に供給する氷生成冷却回路に冷却剤を供給することができ、冷却剤を冷却ユニット310から水予冷却器312に供給するための予冷却器冷却回路に冷却剤を供給することができる。有益には、単一の冷却ユニット310が、氷生成冷却回路及び予冷却器冷却回路の両方のための冷却剤を提供することができる。
【0088】
予冷却器冷却回路は、冷却剤を冷却ユニット310から水予冷却器312に供給するための二次冷却剤供給導管376を含み得る。二次冷却剤戻り導管379は、冷却剤を水予冷却器312から冷却ユニット310に戻すために設けられ得る。
【0089】
二次冷却剤ポンプ377が、冷却ユニット310と水予冷却器312との間に冷却剤を圧送するために設けられ得る。二次冷却剤ポンプ377は、冷却ユニット310内に一体化されてもよく、又は二次冷却回路に沿って配置された別個のポンプであってもよい。好ましくは、二次冷却剤ポンプ377は、二次冷却剤供給導管376内に配置されている。
【0090】
図4に示すように、原材料源セクション313は、飲料濃縮物を収容する飲料濃縮物リザーバ360を含む。好ましくは、原材料源セクション313はまた、甘味料濃縮物を収容する甘味料濃縮物リザーバ361を含む。飲料濃縮物は、可溶性コーヒー又はティー固形物を含有する。甘味料濃縮物は凍結点低下剤を含有し、凍結点低下剤は、塩、アルコール、糖及び/若しくは糖の代替物などの食品安全可溶性原材料、氷構造化タンパク質、又はこれらの2つ以上の組み合わせなどであってもよい。凍結点低下剤自体が、ポリオール若しくは糖又はこれらの混合物などの甘味料であることが最も好ましい。最も好ましい凍結点低下剤は、糖又は糖の代替物、好ましくはスクロース及び/又はフルクトース及び/又はポリデキストロースである。好適な糖は、単糖及び二糖、好ましくはスクロース、フルクトース、及び/又はグルコースを含む。
【0091】
任意選択で、原材料源セクション313は、好ましくは同じ原材料を収容する2つのリザーバを含み得、装置は、2つのリザーバのうちの第1のリザーバが空になったとき、2つのリザーバのうちの第1のリザーバから2つのリザーバのうちの第2のリザーバに供給を切り替えるようにプログラムされている。このようにして、装置のサービス提供可能時間が増加し得る。例えば、
図4の例のリザーバ360及びリザーバ361は、任意選択で、両方が同じ飲料濃縮物と甘味料濃縮物との混合物を収容するように構成され得る。
【0092】
第1のプレミキサー362が、飲料濃縮物リザーバ360から供給された飲料濃縮物を、水予冷却器312から供給された水と混合するために設けられ得る。同様に、第2のプレミキサー363が、甘味料濃縮物リザーバ361から供給された甘味料濃縮物を、水予冷却器312から供給された水と混合するために設けられ得る。第1のプレミキサー362及び/又は第2のプレミキサー363への水の供給は、供給バルブ369によって制御され得る。
【0093】
原材料源セクション313は、第1のプレミキサー362から出力された生成物を第2のプレミキサー363から出力された生成物(存在する場合)と混合して飲料液を形成するための混合チャンバ364を更に含み得る。水を第1のプレミキサー362及び第2のプレミキサー363に供給することに加えて又はこの代わりに、水は、水予冷却器312から混合チャンバ364に供給されてもよい。混合チャンバ364は、飲料液の混合を支援するための、及び混合チャンバ364内にある飲料液を再循環させるための撹拌機を含み得る。撹拌機は、回転ブレード、パドル、泡立て器、又は同様のデバイスを含み得る。追加的又は代替的に、撹拌機は、混合チャンバ364から出力し混合チャンバ364内に戻る飲料液の再循環により、混合チャンバ364内における飲料液の乱流及び混合を生成することを含んでもよい。再循環ポンプ及び再循環導管が、そのような撹拌に影響するように設けられ得る。
【0094】
次いで、飲料液は、以下で更に説明するように、以降、氷生成システム311に供給され得る。
【0095】
飲料濃縮物リザーバ360内の飲料濃縮物は、粉末であり得るが、好ましくは液体濃縮物である。同様に、甘味料濃縮物リザーバ361内の甘味料濃縮物は、粉末であり得るが、好ましくは液体濃縮物である。
【0096】
飲料濃縮物リザーバ360及び甘味料濃縮物リザーバ361は各々、チャンバ、ホッパー又は同様のものなどを含むことができ、チャンバ、ホッパー又は同様のものなどは、オペレータによって、例えば、濃縮物のバルク容器を開くことと、濃縮物をチャンバ又はホッパー内に注入することとによって手動により濃縮物で充填される。しかしながら、飲料濃縮物リザーバ360及び甘味料濃縮物リザーバ361は各々、装置300と結合され得る及び装置300から分離され得る交換可能な供給パックを含むことが好ましい。交換可能な供給パックの使用は、装置300の使用の容易さ及び清浄性を改善し得る。様々な種類の交換可能な供給パックが使用されてもよく、交換可能な供給パックは、パウチ、カプセル、カートリッジ、ボックス、バッグインボックス又は同様のものなどを含むがこれらに限定されない。交換可能な供給パックは、装置300と結合される前にシールされてもよい。交換可能な供給パックを開くための手段は、交換可能な供給パック内又は装置300内に一体化されてもよい。交換可能な供給パックは、交換可能な供給パックと装置300との結合中に自動的に開かれ得る。交換可能な供給パックの好ましい選択肢は、Koninklijke Douwe Egberts B.V.から入手可能なPromesso(登録商標)交換可能供給パックである。そのような交換可能な供給パックは、濃縮物を保持するための容器と、出口を有するドーサとを含み得る。ドーサは、濃縮物を適量に分けて容器からドーサの出口に供給するように配置されている。ドーサは、ポンプアセンブリを含み得、ポンプアセンブリは、所望の量の濃縮物を容器から出口に、出口からプレミキサー362、363内に圧送することを可能にする。
【0097】
交換可能な供給パック及び装置は、機械的に接続可能であり得る。接続されたとき、ドーサの出口は、それぞれのプレミキサー362、363と流体連通し、装置300の駆動シャフト(図示せず)は、トルクを装置300からドーサに伝達して、駆動シャフトが作動されたとき、濃縮物がドーサの出口からプレミキサー362、363内に供給されるように配置され得る。
【0098】
図8に示すように、各プレミキサー362、363には、交換可能な供給パックのドーサから濃縮物を受け入れるためのプレミキサー入口370が設けられ得る。プレミキサー入口370は、濃縮物がドーサの出口からプレミキサー362、363内に実質的に重力の影響下で流れ得るように、プレミキサー362、363の上部に向かって配置され得る。
【0099】
プレミキサー出口372は、出力された生成物を混合チャンバ364内に排出するために設けられてもよく、導管371は、プレミキサー入口370とプレミキサー出口372との間に延び得る。更に、各プレミキサー362、363は、水予冷却器312から供給される水をプレミキサー362、363内に供給するための、導管371内への水入口開口部373を含み得る。好ましくは、水入口開口部373は、流入する水をプレミキサー入口370に向かって噴射するように向けられており、それによって、使用中はプレミキサー入口370に結合されている交換可能な供給パックのドーサの出口を洗い流す。
【0100】
新鮮さを維持し貯蔵寿命を改善するために、飲料濃縮物を冷却状態に維持することが好ましい。これを達成するために、水予冷却器312及び/又は熱交換器は、飲料濃縮物リザーバ360と熱接触することが好ましい。水予冷却器312及び/又は熱交換器はまた、有益には、プレミキサー362及び/又は混合チャンバ364と熱接触してもよい。
【0101】
一例では、飲料濃縮物リザーバ360は、第1のブロック350及び/又は第2のブロック351と接触する。任意選択で、第1のブロック350及び/又は第2のブロック351は、飲料濃縮物リザーバ360の面と対面接触する。形状が平行六面体である交換可能な供給パックの使用は、第1のブロック350及び/又は第2のブロック351と接触する相対的に大きな表面積を提供するため、対面接触に有益であり得る。
図6Aの配置では、交換可能な供給パックCの形態の飲料濃縮物リザーバ360は、水予冷却器312、特に水予冷却器312の第2のブロック351と並んで、かつこれと熱接触して位置する。交換可能な供給パックCの側面は、好ましくは、第2のブロック351の側面と対面接触する。
図6Bの代替的な配置では、交換可能な供給パックCは、水予冷却器312、特に水予冷却器312の第1のブロック350の上に、かつこれと熱接触して位置する。交換可能な供給パックCの底面は、好ましくは、第1のブロック350の上面と対面接触する。
図6Cの更なる代替的な配置では、交換可能な供給パックCは、水予冷却器312、特に水予冷却器312の第2のブロック351の上に、かつこれと熱接触して位置する。交換可能な供給パックCの底面は、好ましくは、第2のブロック351の上面と対面接触する。
【0102】
好ましくは、甘味料濃縮物リザーバ361は、水予冷却器312及び/又は熱交換器から熱的に隔離されている。これは、甘味料濃縮物の原材料の結晶化を防ぐのに有益であり得る。好ましくは、甘味料濃縮物リザーバ361の温度は、10℃超に維持される。例えば、
図6A~
図6Cの配置では、交換可能な供給パックSの形態の甘味料濃縮物リザーバ361は、水予冷却器312から分離されている、すなわち、水予冷却器312と熱接触しない。任意選択で、断熱材料は、甘味料濃縮物リザーバ361と水予冷却器312との間に介在し得る。
【0103】
混合チャンバ364の出力380は、導管及び1つ以上の生成物供給バルブ366a、366bを介して、飲料液を氷生成システム311に供給することができる。飲料液は、氷生成システム311に到達する前に空気混和されることが好ましい。空気ポンプ367は、飲料液がより多くの生成物供給バルブ366a、366bのうちの1つに到達する前に、空気供給バルブ368の制御下で空気を、飲料液を収容する導管内に注入することができる。空気は、1つ以上のガス注入オリフィスを通って注入され得る。小さな気泡の微細分布の生成を助長するために、添加されたガスを有する飲料液の流れは、静的ミキサー又は1つ以上の狭窄オリフィスを通って圧送され得る。例として、1mmのガス注入オリフィスはダクト内に5mmの気泡を生成し得る。これらの気泡を1mm未満のオリフィスに通過させることにより、これらの気泡は各々1mm未満の気泡に破砕される。この微細な気泡構造は、最終飲料の氷の安定性及びクリーミー性を支援する。空気は、好ましくは、最大10バール、好ましくは3~4バールの圧力で添加される。飲料液は、
図4に示すように、上流にある生成物ポンプ365によって、混合チャンバ364から生成物供給バルブ366a、366bを通って圧送され得る。
【0104】
1つ以上の生成物供給バルブ366a、366bは、氷生成システム311の生成物導管330に接続することができる。1つ以上の生成物供給バルブ366a、366bは、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bを含み得る。生成物導管330は、飲料液が循環することを可能にするループを形成し得る。飲料液は、1つ以上の飲料液入口を通って生成物導管330内に入力され得る。第1の飲料液入口394が設けられてよく、第1の飲料液入口394は、第1の生成物供給導管375aによって第1の生成物供給バルブ366aに接続されてもよい。第2の飲料液入口395が設けられてもよく、第2の飲料液入口395は、第2の生成物供給導管375bによって第2の生成物供給バルブ366bに接続されてもよい。
【0105】
複数の氷結晶を含有する飲料液は、飲料注出口303を供給する出口393を通って生成物導管330から排出され得る。好ましくは、単一の出口393のみが設けられている。好ましくは、生成物導管330内の飲料液の容積及び/又は圧力は、設定限界内、好ましくは実質的に一定に、好ましくは約2バールで維持される。これは、1つ以上の飲料液入口394、395を通って生成物導管330内に入力される飲料液の総容積が、出口393を通って排出される飲料液の容積に等しいことを確実にすることによって達成され得る。
【0106】
生成物導管330は、飲料液を生成物導管330に循環させるための一次生成物ポンプ390を含む。
図7A及び
図7Bに示すように、上流圧力センサ391及び下流圧力センサ392は、一次生成物ポンプ390の両側間の差圧を感知するために、一次生成物ポンプ390の両側に配置され得る。この差圧は、飲料液の氷/液体比を計算、推測、又は推定するために使用され得る。
【0107】
図7Aは、第1の飲料液入口394のみが設けられている例を示す。相対的に温かい飲料液397の量が、第1の飲料液入口394を通って入力され、(
図7Aに示すように)時計回りに循環し、これと同時に、複数の氷結晶を含有する既に存在する相対的に冷たい飲料液396が出口393を通って排出される。相対的に温かい飲料液397が一次生成物ポンプ390を通過すると、上流圧力センサ391と下流圧力センサ392との間の差圧の変化がコントローラによって検出され、コントローラは、以下で更に論じられるように、生成物導管330の冷却速度を増加させて、相対的に温かい飲料液397を冷却して、所望の氷/水比を形成するように作用する。
【0108】
図7Aの配置の潜在的な欠点は、コントローラによって命令された冷却速度の増加が生成物導管330内を依然として循環する相対的に冷たい飲料液396に更なる冷却を与える場合に、凍結した閉塞物が発生し得ることである。
【0109】
したがって、
図7Bは、少なくとも第1の飲料液入口394及び第2の飲料液入口395が使用される改善された配置を示す。第1の飲料液入口394及び第2の飲料液入口395は、生成物導管330に沿って分配されている。例えば、生成物導管330のループは、Xの長さを有すると考えられ得、第2の飲料液入口395は、第1の飲料液入口394から生成物導管330のループに沿って0.4X~0.6Xに配置されてもよい。例えば、生成物導管330が長さX=10mを有する場合、第2の飲料液入口395は、第1の飲料液入口394から生成物導管330のループに沿って4m(10m×0.4)~6m(10m×0.6)に配置されている。より好ましくは、第2の飲料液入口395は、第1の飲料液入口394から生成物導管330のループの半周、すなわち0.5Xにおいて配置され得る。任意選択で、第3及び/又は第4などの飲料液入口が設けられ得る。これらは、好ましくは、生成物導管330のループの周りに均等に分配されてもよく、すなわち、例えば、3つの飲料液入口が設けられている場合は、0X、0.33X、及び0.67Xにおいて分配されてもよく、4つの飲料液入口が設けられている場合は、0X、0.25X、0.50X及び0.75Xにおいて分配されてもよい。
【0110】
相対的に温かい飲料液397を少なくとも2つの飲料液入口を通って入力することは、
図7Bに概略的に示すように、相対的に冷たい飲料液396中の相対的に温かい飲料液397のより均等な分布を提供するため、有益である。これは、凍結した閉塞物の発生に役立ち得、又はこれを低減若しくは排除することができる。更なる利点は、生成物導管330内への飲料液の入力が、好ましくは相対的に迅速に、少なくとも2つの飲料液入口の間で交互するように構成及び配置することによって達成され得、これにより、相対的に温かい飲料液397の「塊」は、相対的に冷たい飲料液396の流れ中に入力され、これにより、各塊は、相対的に冷たい飲料液396によって両側で囲まれる。これは、相対的に冷たい飲料液396中の相対的に温かい飲料液397の更に均等な分布を有益に生じさせ得る。これは、凍結した閉塞物の発生を低減又は排除することができる。加えて、この配置を使用することは、コントローラが積極的な冷却モードから非冷却モードに急速に切り替える必要がないことを意味し得る。更に、相対的に冷たい飲料液396が、相対的に温かい飲料液397の各塊の相対的に小さい容積に近接することは、相対的に温かい飲料液397をより効率的に冷却するのに役立つ。
【0111】
この構成は、上記のように、第1の生成物供給バルブ366aが第1の飲料液入口394への飲料液の流れを制御する、及び第2の生成物供給バルブ366bが第2の飲料液入口395への飲料液の流れを制御するように配置することによって達成され得る。更に、コントローラは、第1の生成物供給バルブ366aが開かれ第2の生成物供給バルブ366bが閉じられる第1の構成と、第1の生成物供給バルブ366aが閉じられ第2の生成物供給バルブ366bが開かれる第2の構成との間で、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bをサイクルさせることによって、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bを通る生成物導管330内への飲料液の入力を交互させるように、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bの作動を制御するように構成及び配置され得る。好ましくは、サイクル時間は、各サイクルについて、0.3~0.8秒、好ましくは0.4~0.6秒、より好ましくは0.5秒のバルブ開放時間を得るようなものであり得る。好ましくは、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bのサイクルは、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bの両方が開かれて、生成物導管330内への一定の流入を確実にするのに役立つ各サイクルにおける重複期間を含む。
【0112】
ここで、装置300の使用の非限定的な例について説明する。可溶性コーヒー固形分を含有する飲料濃縮物を収容するPromesso(登録商標)交換可能供給パックの形態の飲料濃縮物リザーバ360、及び甘味料濃縮物を収容するPromesso(登録商標)交換可能供給パックの形態の甘味料濃縮物リザーバ361は、第1のプレミキサー362及び第2のプレミキサー363それぞれに機械的に結合された装置300内に設置される。
【0113】
水予冷却器312に供給される水は、予冷却器冷却回路を通って流れる冷却剤によって2~5℃の温度に冷却され、特に予冷却器冷却回路において、冷却剤は、冷却ユニット310から二次冷却剤供給導管376に沿って、熱交換器の第1の導管353を通って、次いで二次冷却剤戻り導管379に沿って冷却ユニット310に戻るように、二次冷却剤ポンプ377によって圧送される。予冷却器冷却回路を循環する冷却剤の流れは、コントローラによって制御される。当業者には理解されるように、センサ及び/又はメータ、例えば流量計及び温度センサが、予冷却器冷却回路の流れ及び/又は温度の制御の達成を可能にするようにコントローラへの必要なデータ入力を提供するために設けられ得る。
【0114】
コントローラによって要求される場合、飲料濃縮物の適量が、飲料濃縮物リザーバ360からプレミキサー入口370を通って第1のプレミキサー362内に投入され、第1のプレミキサー362において、飲料濃縮物は、水入口開口部373を通って注入された水と混合され水で希釈される。この水は、それぞれの供給バルブ369を開くコントローラによって、水予冷却器312から供給される。希釈された飲料濃縮物は、導管371に沿って通り、プレミキサー出口372を通って混合チャンバ364内に排出される。
【0115】
注出される飲料によって必要とされる場合、適量の甘味料濃縮物はまた、好ましくは同時に、甘味料濃縮物リザーバ361からプレミキサー入口370を通って第2のプレミキサー363内に投入され、第2のプレミキサー363において、甘味料濃縮物は、水入口開口部373を通って注入された水と混合され水で希釈され得る。上記のように、この水は、それぞれの供給バルブ369を開くコントローラによって、水予冷却器312から供給される。希釈された甘味料濃縮物は、導管371に沿って通り、プレミキサー出口372を通って混合チャンバ364内に排出される。
【0116】
希釈された飲料濃縮物及び甘味料濃縮物は、混合チャンバ364内で撹拌機によって一緒に混合されて、飲料液を形成する。
【0117】
コントローラによって要求される場合、混合チャンバ364からの飲料液は、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bの動作によって、第1の生成物供給導管375a及び第2の生成物供給導管375bを通って氷生成システム311に供給される。飲料液は、氷生成システム311に到達する前に空気混和される。空気ポンプ367は、飲料液が第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bに到達する前に、空気供給バルブ368の制御下で空気を、飲料液を収容する導管内に注入する。
【0118】
図7Bに概略的に示すように、コントローラは、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bを第1の構成と第2の構成との間でサイクルさせることによって、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bを通る生成物導管330への飲料液の入力を交互させるように、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bの作動を制御し、サイクル時間は、各サイクルについて、0.3~0.8秒、好ましくは0.4~0.6秒、より好ましくは0.5秒である。好ましくは、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bのサイクルは、第1の生成物供給バルブ366a及び第2の生成物供給バルブ366bの両方が開かれて、生成物導管330内への一定の流入を確実にするのに役立つ各サイクルにおける重複期間を含む。その結果、飲料液は、少なくとも2つの場所から生成物導管330内に、相対的に温かい飲料液397の「塊」として入力され、これにより、各塊は、相対的に冷たい飲料液396によって両側で囲まれる。
【0119】
相対的に温かい飲料液397は、生成物導管330内を循環し、生成物導管330において、相対的に温かい飲料液397は、冷却導管331を流れる冷却剤によって、また、好ましくは既に存在する相対的に冷たい飲料液396によって冷却されて、複数の氷結晶を空気混和された飲料液中に形成する。
【0120】
同時に、複数の氷結晶を既に含有する空気混和された飲料液が単一の出口393を通って生成物導管330から排出され、以降、飲料注出口303に向かい、飲料注出口303において、該飲料液はグラス307に注出される。
【0121】
図5Bに示すように、冷却導管331内を流れる冷却剤は、生成物導管330内の飲料液の流れに対向する方向にあることができる。
【0122】
例えば、上流圧力センサ391及び下流圧力センサ392によって感知された氷/水比が所望のレベルにないため、生成物導管330内の飲料液の能動的冷却が必要とされる場合、コントローラは、氷生成システム311を一次モードに切り替え、一次モードでは、冷却剤は冷却ユニット310、冷却剤供給導管317、冷却導管331、及び冷却剤戻り導管318を循環する。冷却剤が一次モードで冷却ユニット310を通過することによって、冷却剤は冷却され、このため、飲料液の能動的冷却が達成される。有益なことに、一次モードでは、冷却剤は、一次冷却回路を循環して連続的に流れることができ、静止する必要はない。
【0123】
例えば、上流圧力センサ391及び下流圧力センサ392によって感知された氷/水比が所望のレベルにあるため、生成物導管330内の飲料液の能動的冷却が必要とされない場合、コントローラは、氷生成システム311を二次モードに切り替え、二次モードでは、冷却剤は、冷却剤供給導管317、冷却導管331、冷却剤戻り導管318、及び冷却剤バイパス導管320を含む二次冷却回路を循環する。特に、二次冷却回路は冷却ユニット310を含まず、このため、冷却剤は追加の冷却を受けない。これは、冷却剤が二次冷却ループを循環するにつれて、冷却剤が徐々に温められることを可能にする。有益なことに、二次モードでは、冷却剤は二次冷却回路を循環して連続して流れることができ、静止する必要はない。
【0124】
この方法は、
図5Bに概略的に示す国際公開第2014/135886号の従来技術の配置と対照的である。この配置では、冷却導管108内の飲料液の能動的冷却が必要とされない場合、バルブ24は、冷却導管108を通る冷却剤の流れを防ぐために閉じられる。バルブ23は開かれて、ポンプ19を使用して、冷却剤バイパスループを介して冷却剤を循環させ、冷却剤を冷却剤冷蔵ユニット22を通って循環させる。しかしながら、冷却導管108内の冷却剤は静止したままである。
【0125】
したがって、本装置300、システム及び方法は、好ましくは空気混和される氷含有ティー又はコーヒー飲料の調製を可能にする。生成される飲料の外観は、飲料の氷画分及びオーバーランに依存する。100%などの高いオーバーラン、及び10~20%などの低い氷画分を有する飲料は、均質な薄茶色の泡に似ており、この形態及び安定性を10分間まで保持することができる。実際には、氷は十分に断熱されており、ゆっくり融解する。最終的には、下にあるコーヒー又はティー層が形成され得るが、これは、典型的には少なくとも30分かかり得る。好ましくは、粗い氷結晶から作られた飲料において見られるような、分離した水層は形成されない。より粗い氷結晶を有する飲料においては、これらは、最も密度が低いため、典型的には上部に移動し、次いで飲料固形物が存在することなく融解する。
【0126】
25%などのより低いオーバーラン及び30%などのより高い氷画分を有する飲料は、より濃い飲料層の上に初期のより厚い泡層を形成し得る。しかしながら、構造全体は、氷の均等な分布を有し、別個の水層を形成しない。代わりに、該飲料は、より少ない分離を有するが、頂部が泡立っている濃い液の古典的な飲料Guinness(登録商標)の外観に似ており、ストームクラウド沈殿効果を示す。泡は、該飲料中に分散された微細な氷結晶によって安定化されるため、部分的に持続する。
【0127】
図9は、本開示による装置300の更なる実施形態を示す。以下の説明では、この実施形態と前述の実施形態との違いについてのみ説明する。全ての他の点で、装置300は、前述の実施形態で上述したように構成されてもよく、前述の実施形態で上述したように機能してもよいことが当業者には理解されよう。
【0128】
前述の実施形態のように、
図9の装置300は、可動販売時点(POS)ユニットの形態をとり、POSユニットは、バーキーパー若しくは同様の給仕人によって動作されるように構成されてもよく、又はセルフサービスマシンとして構成されてもよい。装置300は、第1の飲料を注出するための第1の飲料注出口303aと、第2の飲料を注出するための第2の注出口303bとを備え得る。図示の例では、飲料注出口303a、303bは各々、ポストミックススタイルヘッドなどの飲料ノズル304a、304bの形態をとる。飲料注出口303a、303bの両方は、例えば、単一のフォント上に設けられてもよく、又は
図9に示すように、2つのフォント305a、305b上に別々に設けられてもよく、フォント305a、305bは各々、主ハウジング301の上面306に取り付けられている。
【0129】
装置300は、氷含有ティー又はコーヒー飲料、好ましくは、空気混和された氷含有ティー又はコーヒー飲料を調製するように構成されてもよく、飲料は、第1の飲料注出口303aを介して注出され得る。加えて、装置300は、第2の飲料注出口303bを介して注出され得る異なる種類の別の飲料を調製するように構成され得る。異なる種類の飲料は、例えば、氷を含有しない飲料、例えば、氷を含有しないティー又はコーヒー飲料であり得る。異なる種類の飲料は、例えば、空気混和されたティー又はコーヒー飲料、好ましくは冷却及び空気混和されたティー又はコーヒー飲料であり得る。
【0130】
図10は、この構成を達成するのに好適な装置300についてのフロー概略図の例を示す。フロー概略図は、以下の点を除いて、
図4のものと同じである。
【0131】
第2の飲料注出口303bに供給される飲料は、注出前に氷結晶が飲料中に形成されないように、氷生成システム311をバイパスする。代わりに、飲料は、混合チャンバ364から出力される飲料液からなってもよく、又はこれを含んでもよい。
図10に示すように、追加の生成物供給バルブ366cが、飲料液を飲料導管398を介して第2の注出口303bに選択的に導くために設けられ得る。上記の実施形態のように、この飲料液は、任意選択で、空気ポンプ367によって空気混和され得る。上流生成物ポンプ365は、飲料液の流れを第2の飲料注出口303bに押し流すことができる。
【0132】
装置300の動作において、氷含有飲料は、第1の飲料注出口303aから注出され得、非氷含有飲料は、第2の飲料注出口303bから注出され得る。有利には、混合チャンバ364から出力される同じ飲料液が、飲料注出口303a、303bの両方に供給するために使用され得る。
【0133】
装置300は、甘味料濃縮物リザーバ361を装置300内で冷却状態に維持することによって、前述の実施形態と比較して追加的又は代替的に適合され得る。甘味料濃縮物リザーバ361を冷却することは、特に、甘味料濃縮物の予想される使用率が、甘味料濃縮物リザーバ361が5~10日ごとに交換されることを意味する状況では、氷結晶化を防ぐために常に必要ではないことが見出された。有利には、甘味料濃縮物リザーバ361を冷却することは、甘味料濃縮物を含有する得られた飲料液を冷却するとき改善された効率を提供することができ、微生物の成長のリスクを低減することができ、甘味料濃縮物リザーバ361を装置300の残りの部分に接続するのに必要とされる導管の長さを低減することができる。更に、飲料濃縮物リザーバ360及び甘味料濃縮物リザーバ361の両方を冷却状態に維持することは、ハウジング301内の簡略化された構成要素レイアウトを可能にし得る。例えば、別個の未冷却チャンバは、甘味料濃縮物リザーバ361のために必要とされず、両方のリザーバ360、361は同じ区画に保管され得る。
【0134】
第1の例示的な構成では、甘味料濃縮物リザーバ361は、水予冷却器312及び/又は熱交換器及び/又は飲料濃縮物リザーバ360と熱接触して配置され得る。例えば、交換可能な供給パックSの形態の甘味料濃縮物リザーバ361は、水予冷却器312、特に水予冷却器312の第1のブロック350及び/又は第2のブロック351と並んで、かつこれらと熱接触して配置され得る。
【0135】
第2の例示的な構成では、飲料濃縮物リザーバ360及び甘味料濃縮物リザーバ361は、装置の冷蔵区画内に配置され得る。冷蔵区画は、水予冷却器312及び/若しくは熱交換器によって、並びに/又は別の冷蔵手段によって冷却され得る。
【0136】
本発明の好ましい実施形態が本明細書に詳細に説明されているが、変更形態が添付の特許請求の範囲から逸脱することなくこれらの実施形態になされてもよいことが当業者には理解されよう。
【国際調査報告】