(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(54)【発明の名称】丸剤を嚥下することを可能にするための絞扼反射の回避
(51)【国際特許分類】
A61K 9/30 20060101AFI20220727BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20220727BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220727BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220727BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
A61K9/30
A61K47/12
A61K47/26
A61K47/02
A61K47/36
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021555399
(86)(22)【出願日】2019-04-03
(85)【翻訳文提出日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 US2019022369
(87)【国際公開番号】W WO2020185240
(87)【国際公開日】2020-09-17
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521417691
【氏名又は名称】グレン・ディー・リンドボウ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100196243
【氏名又は名称】運 敬太
(72)【発明者】
【氏名】グレン・ディー・リンドボウ
【テーマコード(参考)】
4C076
【Fターム(参考)】
4C076AA44
4C076AA48
4C076BB01
4C076DD25H
4C076DD25V
4C076DD43H
4C076DD43V
4C076DD67H
4C076EE30H
4C076FF01
4C076FF54
(57)【要約】
気泡を発生し、その結果気泡が丸剤と口の奥との直接接触を防止し、それにより絞扼反射を回避する食用コーティングを丸剤に適用することによって絞扼反射を回避し、丸剤の嚥下を可能にするための組成物および方法。好ましくは、コーティングは酸塩基反応、ハードキャンディに捕捉された圧縮気泡、または泡立つ、発泡するもしくははじける菓子類もしくは他の食品製品を作成するための任意の他の様態によって気泡を発生する。必要に応じて、コーティングは、絞扼反射から注意を逸らすために、酸味を有することなどによって強い風味を有してもよい。必要に応じて、気泡生成を遅延させるまたは大気湿気を妨げるために徐放性封入材料が提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絞扼反射を回避するための組成物であって、
丸剤、
丸剤を覆う気泡発生食用コーティング
を含み、前記気泡が、丸剤が口の奥に直接接触することを防止し、それにより絞扼反射を誘発することが回避される、組成物。
【請求項2】
前記コーティングが、液体の存在下で気泡を発生する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記コーティングが、唾液の存在下で気泡を発生する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記気泡発生食用コーティングが、加圧ガス気泡を含有する可溶性食用固形物ならびに食品酸および食品塩基を含有する可溶性食用固形物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記可溶性食用固形物が、固化された融解糖を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記食品酸がクエン酸、酢酸、リン酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸および酒石酸からなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項7】
前記気泡発生食用コーティングが酸味を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
液体に曝露されてから遅延時間後に溶解する、前記気泡発生食用コーティングを封入する徐放性封入材料をさらに含み、それにより気泡の発生が前記遅延時間だけ遅延する、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
唾液に曝露されてからおよそ15秒後に溶解する、前記気泡発生食用コーティングを封入する徐放性封入材料をさらに含み、それにより前記気泡の発生が、前記丸剤が口に入れられた後およそ15秒遅延する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
唾液の存在下で溶解し、前記気泡発生食用コーティングを覆い、環境湿気が気泡発生食用コーティングと接触するのを妨げる徐放性封入材料をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
絞扼反射を回避するための組成物であって、
薬物、および
前記薬物と混合され、圧縮され、結合されて丸剤を形成する気泡発生可溶性食用固形物
を含み、前記固形物が気泡を発生し、前記気泡が、丸剤が口の奥に直接接触することを防止し、それにより絞扼反射を誘発することを回避する、組成物。
【請求項12】
前記気泡発生可溶性食用固形物が唾液の存在下で気泡を発生する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記気泡発生固形食用固形物が、加圧ガス気泡を含有する可溶性食用固形物ならびに食品酸および食品塩基を含有する可溶性食用固形物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記可溶性食用固形物が、固化された融解糖を含む、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記食品酸がクエン酸、酢酸、リン酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸および酒石酸からなる群から選択される、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
液体に曝露されてから遅延時間後に溶解する、前記気泡発生食用コーティングを封入する徐放性封入材料をさらに含み、それにより気泡の発生が前記遅延時間だけ遅延する、請求項11に記載の組成物。
【請求項17】
唾液に曝露されてからおよそ15秒後に溶解する、前記気泡発生食用コーティングを封入する徐放性封入材料をさらに含み、それにより前記気泡の発生が、前記丸剤が口に入れられた後およそ15秒遅延する、請求項11に記載の組成物。
【請求項18】
唾液の存在下で溶解し、前記気泡発生食用コーティングを覆い、環境湿気が気泡発生食用コーティングと接触するのを妨げる徐放性封入材料をさらに含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項19】
絞扼反射を誘発せずに丸剤を嚥下することを可能にするための丸剤用コーティングであって、前記丸剤の表面を覆う食用気泡発生コーティングを含む、コーティング。
【請求項20】
前記丸剤の表面全体を覆う、請求項19に記載のコーティング。
【請求項21】
絞扼反射を誘発せずに丸剤を嚥下することを可能にするための方法であって、唾液と接触した際に気泡を発生する気泡発生食用コーティングで丸剤を覆うステップを含み、前記気泡が、丸剤が口の奥に直接接触することを防止し、それにより絞扼反射を誘発することが回避される、方法。
【請求項22】
液体に曝露されてから遅延時間後に溶解する徐放性封入材料で、前記気泡発生食用コーティングを封入するステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記覆うステップが、加圧ガス気泡を含有する可溶性食用固形物ならびに食品酸および食品塩基を含有する可溶性食用固形物からなる群から選択される気泡発生食用コーティングを使用して実施される、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、敏感な絞扼反射を有する人が丸剤を嚥下できるように絞扼反射を回避するための組成物および方法に関する。本明細書で使用される場合、丸剤という用語は(限定することなく)、丸剤、カプセル剤、ロゼンジ剤およびまるごと嚥下されることが意図されるすべての他の物体、例えばカプセル化カメラ、送信機または他の器具を含む。
【背景技術】
【0002】
ほとんどのヒトが、技術的に咽頭反射または咽頭痙攣と呼ばれる絞扼反射を有する。これは、口の奥(口腔の後部)に接触する物体に応答して引き起こされる、喉の奥の不随意反射収縮である。口の奥は(限定することなく)、舌の奥、軟口蓋、扁桃腺周辺領域、口蓋垂および喉の奥を含む。絞扼反射は通常随意調節されず、正常の嚥下の一部の場合を除き、口の中の物体が喉に入るのを防止する。
【0003】
人口のかなりの割合が敏感な絞扼反射を有し、それによって丸剤を嚥下することができず、丸剤を口に入れるおよび/または丸剤をまるごと嚥下しようとすると、丸剤が口の奥と接触するため絞扼反射を誘発する。これは非常に深刻な問題をもたらしうる。なぜなら、多くの医薬が丸剤の形態として服用されなければならず、これらの丸剤中の医薬の多くは、例えば胃内での医薬の徐放性放出のためのコーティングを有するため、咀嚼、粉末への粉砕、または液体などの他の物理的形態への変化のいずれも許容されないからである。この敏感な絞扼反射は、歯科手技でも問題をもたらす。
【0004】
敏感な絞扼反射によってもたらされる問題を克服するまたは回避するために、多くの試みがなされてきた。
【0005】
1つの手法は、参照により本明細書に組み込まれるDavisの米国特許第3418999号に開示されるような、頭部を下方に下げた状態で浮揚性の丸剤と水を適切に嚥下することであった。特許中第2欄28~31行目に記述されるように、「丸剤は浮揚して水によって支えられるため、口または喉との接触が極めて少なく、それゆえ丸剤はその存在による感覚をほとんどまたは全く生じない」。しかし、第3欄39~42行目に記載されるように、この方法は浮揚性の、すなわち水に浮くが口または喉の組織を押圧するほど浮揚性ではない丸剤に制限される。
【0006】
別の手法は、丸剤を滑り易くすることであった。参照により本明細書に組み込まれるGathの米国特許第9393209B1号は、水または唾液と接触すると滑り易くなり、丸剤の嚥下を補助する丸剤封入材を開示している。
【0007】
別の手法は、身体の別の場所に感覚刺激を与え、口の奥から注意を逸らすことであった。例えば、参照により本明細書に組み込まれるMorrishの米国特許第6382215B1号は、手首に適用される非侵襲性神経刺激デバイスを使用した絞扼反射の抑制および防止方法を開示している。
【0008】
また別の手法は、嚥下を支援するための専用装置を提供することであった。例えば、参照により本明細書に組み込まれるHeilosの米国特許第7431175号は、医薬の摂取を支援するための飲料用カップ蓋を開示している。
【0009】
しかし、上記の手法のいずれも広範な種類のサイズおよび浮揚性の丸剤と、または非浮揚性の丸剤に対し使用可能ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、敏感な絞扼反射を有する者が専用装置を必要とすることなく丸剤を容易に嚥下することを可能にする丸剤用コーティングまたは他の組成物に対する長年の満たされていない必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
水(水溶液)中で酸は塩基と反応し、気泡を形成する二酸化炭素を形成することは周知である。これは酸塩基反応または中和反応と呼ばれる。この反応は、粉末キャンディ(Pixy Stixとして市販のキャンディと同様のもの)または炭酸ハードキャンディ(ZotzまたはSoda Can)などの発泡性のまたは泡立つ菓子類または食品を作成するために長年使用されている。酸塩基反応は、Alka Seltzerなどの一部の医薬品または薬物にも使用される。
【0012】
国際食品規格に公開される食品添加物の国際番号付与体系(世界貿易機関によって公認される)に列挙される、酸性または塩基性のいずれかの食品添加物を組み合わせ、酸塩基反応によって気泡を作成することができる。
【0013】
食品または医薬品中の添加物として使用するために政府当局によって承認される酸は、本明細書で「食品酸」と称され、クエン酸、酢酸(食酢)、リン酸、葉酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸および乳酸を含む。
【0014】
食品または医薬品中の添加物として使用するために政府当局によって承認される塩基は、本明細書で「食品塩基」と称され、重炭酸ナトリウム(重曹)、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸ナトリウムおよび他の制酸剤を含む。
【0015】
食品酸および食品塩基は、可溶性食用固形物に組み込まれてもよく、その結果唾液が固形物を溶解し、食品酸および食品塩基に二酸化炭素の気泡を発生させる。
【0016】
気泡を形成する別の種類の食用製品は、Pop Rocksなどのポッピングキャンディであり、これは圧縮ガス、通常二酸化炭素の気泡を含有するハードキャンディから作製される。
【0017】
参照により本明細書に組み込まれるKremzner et al.の米国特許第3012893号は、固化された融合糖中に過圧下のガスが捕集された、商標「Pop Rocks」で販売されているガス化菓子を開示している。
【0018】
参照により本明細書に組み込まれるKleiner et al.の米国特許第4289794号は、より大きなガス気泡によるより顕著なポッピング感覚を伴うガス化キャンディを開示している。
【0019】
参照により本明細書に組み込まれるGilleland et al.の国際特許出願第PCT US2001/014887号は、デンプン誘導体および外部可塑化剤を含む膜形成組成物を開示している。
【0020】
泡立ち、起泡およびポッピングを含むすべての気泡の発生は、泡を発生する機序(上述のもの、それらの等価物および他のものを含む)にかかわらず、単独でおよび集合的に気泡発生または発泡と称されることがある。
【0021】
実質的な害を生じずに丸剤のコーティングの一部として嚥下され得るすべての製品は、以下食用と称される。
【0022】
第1の現在好ましい実施形態では、本発明は、絞扼反射を回避するための組成物であり、丸剤および丸剤を覆う気泡発生食用コーティングを含み、気泡が、丸剤が口の奥に直接接触することを防止し、それにより絞扼反射を誘発することを回避する、組成物である。好ましくは、コーティングは、使用者が丸剤とともに飲用する液体、または丸剤が口に入れられる前に曝露される液体などの、これらに限定されないが唾液または水を含む液体の存在下で気泡を発生する。
【0023】
また好ましくは、気泡発生食用コーティングは、加圧ガス気泡を含有する可溶性食用固形物ならびに食品酸および食品塩基を含有する可溶性食用固形物からなる群から選択される。好ましくは、可溶性食用固形物は、固化された融解糖を含む。好ましくは、食品酸はクエン酸、酢酸、リン酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸および酒石酸からなる群から選択される。必要に応じて、食用コーティングは酸味を有する。
【0024】
また必要に応じて、徐放性封入材料であって、気泡発生食用コーティングおよび徐放性封入材料を含む丸剤が徐放性封入材料を溶解する唾液などの液体に曝露された後、気泡の発生を一時的に、好ましくはおよそ15秒遅延させる徐放性封入材料が提供されてもよい。
【0025】
この徐放性封入材料は、好ましくは大気湿気が気泡発生食用コーティングと接触するのを妨げる。また、この徐放性封入材料は、丸剤(気泡発生食用コーティングおよび徐放性封入材料を含む)を口の前方(舌の前方など)に置き、水または他の液体を一口飲み、徐放性封入材料が溶解するまで待機し(その結果気泡発生食用コーティングが気泡生成を開始する)、その後水または他の液体と丸剤を嚥下することを可能にする。徐放性封入材料は、糖、ゼラチンなどの任意の好適な可溶性食用材料またはチョコレートなどのキャンディから作製されてもよい。
【0026】
第2の現在好ましい実施形態では、本発明は、絞扼反射を回避するための組成物であり、薬物および薬物と混合され、圧縮され、結合されて丸剤を形成する気泡発生可溶性食用固形物を含み、固形物が気泡を発生し、気泡が、丸剤が口の奥に直接接触することを防止し、それにより絞扼反射を誘発することを回避する、組成物である。好ましくは、気泡発生可溶性食用固形物は、唾液の存在下で気泡を発生する。好ましくは、気泡発生食用固形物は、加圧ガス気泡を含有する可溶性食用固形物ならびに食品酸および食品塩基を含有する可溶性食用固形物からなる群から選択される。好ましくは、可溶性食用固形物は、固化された融解糖を含む。好ましくは、食品酸はクエン酸、酢酸、リン酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸および酒石酸からなる群から選択される。好ましくは、可溶性食用固形物は酸味を有する。
【0027】
別の態様では、本発明は、絞扼反射を誘発せずに丸剤を嚥下することを可能にするための丸剤用コーティングであって、丸剤の表面を覆う食用気泡発生コーティングを含む、コーティングである。好ましくは、コーティングは、前記丸剤の表面全体を覆う。
【0028】
また別の態様では、本発明は、絞扼反射を誘発せずに丸剤を嚥下することを可能にするための方法であり、唾液と接触した際に気泡を発生する気泡発生食用コーティングで丸剤を覆うステップを含み、気泡が、丸剤が口の奥に直接接触することを防止し、それにより絞扼反射を誘発することが回避される、方法である。この方法は、液体に曝露されてから遅延時間後に溶解する徐放性封入材料で、気泡発生食用コーティングを封入するステップをさらに含んでもよい。好ましくは、覆うステップは、加圧ガス気泡を含有する可溶性食用固形物ならびに食品酸および食品塩基を含有する可溶性食用固形物からなる群から選択される気泡発生食用コーティングを使用して実施される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明によるコーティングの現在好ましい実施形態による丸剤の断面図である。
【
図2】本発明によるコーティングの代替的な実施形態による丸剤の断面図である。
【
図3】徐放性封入材料を含む、本発明によるコーティングの現在好ましい実施形態による丸剤の断面図である。
【
図4】気泡が口の奥との直接接触を防止している、本発明によるコーティングを有する丸剤が口の奥に入れられた人の頭部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明を実施するための現在好ましい最良の様式を、本発明の現在好ましい実施形態によるコーティング20が付与された丸剤Pの断面図である
図1の例によって例示する。好ましくは、コーティング20は、食用食品酸および食用食品塩基などの食用コーティングを発生する気泡を含む。好ましくは、コーティング20は、唾液の存在下で気泡を発生する。或いは、コーティング20は、丸剤Pおよびコーティング20が嚥下前に曝露される液体などの一部の他の物体の存在下で気泡を発生し、発泡を開始することができ、したがって丸剤は口に入れられる前に発泡している。
【0031】
必要に応じて、コーティング20は、絞扼反射から注意を逸らすために、強い風味を有する、例えば酸味を有する材料から作製されてもよい。
【0032】
図2を参照すると、コーティング20が丸剤Pを部分的に覆う、本発明10の代替的な実施形態の断面図が示される。
【0033】
図3を参照すると、気泡発生食用コーティング20およびコーティング20を封入する徐放性封入材料30を含む丸剤Pを含む、本発明10の現在好ましい実施形態の断面図が示される。
【0034】
図4を参照すると、コーティング20が発泡し(徐放性封入材料が存在しないか、または封入材料が溶解したため)、丸剤Pと舌Tの奥などの口の奥との間の直接接触を防止する気泡Bを作成することを示す、人の頭部Hの図が示される。これは、絞扼反射を引き起こすことなく丸剤Pおよびそのコーティング20が嚥下されることを可能にする。
【0035】
本発明は、丸剤と口の奥との直接接触を回避する、または絞扼反射から注意を逸らす泡立ち、起泡、ポッピングもしくは他の発泡によって作用する、あるいは絞扼反射から注意を逸らす強い風味(酸味を有するなど)などの何らかの他の機序またはプラセボ効果によって作用しうると考えられる。本発明はまた、異なる人に異なる理由で作用する可能性があり、一部の人には全く作用しない可能性がある。しかし、本特許の有効性および実行可能性は、本発明が作用する機序が何らかの他の機序である場合、または本発明が一部の人に全く作用しないという理由には、影響を受けてはならない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、絞扼反射を誘発することを回避し、丸剤の嚥下を可能にするための組成物または方法を提供することが所望される場合は常に適用可能である。
【手続補正書】
【提出日】2022-05-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絞扼反射を誘発せずに丸剤を嚥下することを可能にするための方法であって、液体と接触した際に気泡を発生する気泡発生食用コーティングで丸剤を覆うステップを含み、前記気泡が、丸剤が口の奥に直接接触することを防止し、それにより絞扼反射を誘発することが回避される、方法。
【請求項2】
前記液体に曝露されてから遅延時間後に溶解する徐放性封入材料で、前記気泡発生食用コーティングを封入するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記覆うステップが、加圧ガス気泡を含有する可溶性食用固形物ならびに食品酸および食品塩基を含有する可溶性食用固形物からなる群から選択される気泡発生食用コーティングを使用して実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
絞扼反射を回避するための組成物であって、
丸剤、
丸剤を覆う気泡発生食用コーティング
を含み、前記気泡が、丸剤が口の奥に直接接触することを防止し、それにより絞扼反射を誘発することが回避される、組成物。
【請求項5】
前記コーティングが、液体の存在下で気泡を発生する、請求項
4に記載の組成物。
【請求項6】
前記コーティングが、唾液の存在下で気泡を発生する、請求項
4に記載の組成物。
【請求項7】
前記気泡発生食用コーティングが、加圧ガス気泡を含有する可溶性食用固形物ならびに食品酸および食品塩基を含有する可溶性食用固形物からなる群から選択される、請求項
4に記載の組成物。
【請求項8】
前記可溶性食用固形物が、固化された融解糖を含む、請求項
7に記載の組成物。
【請求項9】
前記食品酸がクエン酸、酢酸、リン酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸および酒石酸からなる群から選択される、請求項
7に記載の組成物。
【請求項10】
前記気泡発生食用コーティングが酸味を有する、請求項
4に記載の組成物。
【請求項11】
液体に曝露されてから遅延時間後に溶解する、前記気泡発生食用コーティングを封入する徐放性封入材料をさらに含み、それにより気泡の発生が前記遅延時間だけ遅延する、請求項
4に記載の組成物。
【請求項12】
唾液に曝露されてからおよそ15秒後に溶解する、前記気泡発生食用コーティングを封入する徐放性封入材料をさらに含み、それにより前記気泡の発生が、前記丸剤が口に入れられた後およそ15秒遅延する、請求項
4に記載の組成物。
【請求項13】
唾液の存在下で溶解し、前記気泡発生食用コーティングを覆い、環境湿気が気泡発生食用コーティングと接触するのを妨げる徐放性封入材料をさらに含む、請求項
4に記載の組成物。
【請求項14】
絞扼反射を回避するための組成物であって、
薬物、および
前記薬物と混合され、圧縮され、結合されて丸剤を形成する気泡発生可溶性食用固形物
を含み、前記固形物が気泡を発生し、前記気泡が、丸剤が口の奥に直接接触することを防止し、それにより絞扼反射を誘発することを回避する、組成物。
【請求項15】
前記気泡発生可溶性食用固形物が唾液の存在下で気泡を発生する、請求項
14に記載の組成物。
【請求項16】
前記気泡発生固形食用固形物が、加圧ガス気泡を含有する可溶性食用固形物ならびに食品酸および食品塩基を含有する可溶性食用固形物からなる群から選択される、請求項
15に記載の組成物。
【請求項17】
前記可溶性食用固形物が、固化された融解糖を含む、請求項
16に記載の組成物。
【請求項18】
前記食品酸がクエン酸、酢酸、リン酸、リンゴ酸、フマル酸、乳酸および酒石酸からなる群から選択される、請求項
17に記載の組成物。
【請求項19】
液体に曝露されてから遅延時間後に溶解する、前記気泡発生食用コーティングを封入する徐放性封入材料をさらに含み、それにより気泡の発生が前記遅延時間だけ遅延する、請求項
14に記載の組成物。
【請求項20】
唾液に曝露されてからおよそ15秒後に溶解する、前記気泡発生食用コーティングを封入する徐放性封入材料をさらに含み、それにより前記気泡の発生が、前記丸剤が口に入れられた後およそ15秒遅延する、請求項
14に記載の組成物。
【請求項21】
唾液の存在下で溶解し、前記気泡発生食用コーティングを覆い、環境湿気が気泡発生食用コーティングと接触するのを妨げる徐放性封入材料をさらに含む、請求項
14に記載の組成物。
【請求項22】
絞扼反射を誘発せずに丸剤を嚥下することを可能にするための丸剤用コーティングであって、前記丸剤の表面を覆う食用気泡発生コーティングを含む、コーティング。
【請求項23】
前記丸剤の表面全体を覆う、請求項
22に記載のコーティング。
【国際調査報告】