(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(54)【発明の名称】縮小縁取りディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1339 20060101AFI20220727BHJP
G02F 1/13357 20060101ALI20220727BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
G02F1/1339 505
G02F1/13357
G02F1/1345
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565800
(86)(22)【出願日】2020-05-05
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 EP2020062377
(87)【国際公開番号】W WO2020225236
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2020-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503430658
【氏名又は名称】フレックスエネーブル リミティッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】リーブス、 ウイリアム
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル、 アンドリュー ロバート ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ハーディング、 ジェームズ
【テーマコード(参考)】
2H092
2H189
2H391
【Fターム(参考)】
2H092GA34
2H092HA12
2H092NA15
2H092NA25
2H092PA01
2H092PA11
2H092PA13
2H189AA05
2H189AA64
2H189AA70
2H189AA72
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2H189AA77
2H189CA13
2H189DA71
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2H189HA11
2H189LA10
2H189LA17
2H189LA20
2H189LA22
2H391AA15
2H391AB04
2H391CA06
2H391EA13
(57)【要約】
LCDディスプレイは、アクティブディスプレイ領域と、アクティブディスプレイ領域を照らすバックライトと、LCDディスプレイスタックとを含む。LCDディスプレイスタックは、基板と、基板上の液晶層と、液晶カバー層とを含んでもよい。基板、液晶層及び液晶カバー層は、液晶セルを画定する。LCDディスプレイスタックは、基板と液晶カバー層との間に延在するエッジシールを有し、アクティブディスプレイ領域上に及びアクティブディスプレイ領域を越えて延在し、エッジシールがアクティブディスプレイ領域の外側に位置するように、バックライトのエッジの周りで屈曲する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクティブディスプレイ領域と、
前記アクティブディスプレイ領域を照らすバックライトと、
基板、前記基板上の液晶層、及び液晶カバー層を備えるLCDディスプレイスタックであって、前記基板、前記液晶層、及び前記液晶カバー層は液晶セルを画定し、前記基板と前記液晶カバー層との間に延在するエッジシールを有するLCDディスプレイスタックと
を備え、
前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトのエッジの周りで屈曲するように、前記アクティブディスプレイ領域上に及び前記アクティブディスプレイ領域を越えて延在し、
前記エッジシールは、前記アクティブディスプレイ領域の外側に位置している、LCDディスプレイ。
【請求項2】
前記液晶セルは、前記バックライトのエッジの周りで屈曲している、請求項1に記載のLCDディスプレイ。
【請求項3】
前記エッジシールは、前記バックライトの背面に位置している、請求項1又は2に記載のLCDディスプレイ。
【請求項4】
前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトの後部に接着剤層によって取り付けられ、前記エッジシールと前記接着剤層とが重なり合っている、請求項3に記載のLCDディスプレイ。
【請求項5】
IGD(集積ゲート駆動)回路をさらに備え、前記IGD回路は前記基板上に取り付けられ、前記エッジシール、接着剤層、及びIGD回路が重なり合っている、請求項4に記載のLCDディスプレイ。
【請求項6】
IGD(集積ゲート駆動)回路をさらに備え、前記IGD回路は、前記アクティブディスプレイ領域から離れて配置され、前記IGD回路と前記アクティブディスプレイ領域との間の電気接続が、第1の金属の第1のコンプライアンス層及び第2の金属の第2の保護層を少なくとも含む導電層のスタックを含み、前記第1の金属のコンプライアンスが前記第2の金属のコンプライアンスより大きく、前記第2の金属の酸化抵抗が前記第1の金属の酸化抵抗より大きい、請求項1~5のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項7】
IGD(集積ゲート駆動)回路をさらに備え、前記IGD回路は、前記アクティブディスプレイ領域から離れて配置され、前記LCDディスプレイは、前記IGD回路と前記アクティブディスプレイ領域との間に電気接続部を有し、前記電気接続部の各々は、屈曲を介して複数の接続に扇形に広がるように構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項8】
前記液晶セルをカプセル化するための1つ以上のカプセル化層をさらに備え、前記1つ以上のカプセル化層は、前記バックライトのエッジの周りで屈曲するように、前記アクティブディスプレイ領域上に及び前記アクティブディスプレイ領域を越えて延在する、請求項1~7のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項9】
前記LCDディスプレイスタックは、前記LCDディスプレイスタックが前記バックライトの前記エッジの周りで屈曲する場所でカプセル化材料に埋め込まれている、請求項1~8のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項10】
前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトからの光の漏れを抑制するために、前記LCDディスプレイスタックが前記バックライトのエッジの周りで屈曲する前記LCDディスプレイスタックの領域上で実質的に連続する遮光層を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項11】
前記バックライトは、屈曲に沿って前記ディスプレイスタックへの接着接合部を欠いている、請求項10に記載のLCDディスプレイ。
【請求項12】
前記バックライトを保持するためのバックライトトレイをさらに備え、前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトトレイのエッジの周りで屈曲して当接する、請求項1~11のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項13】
前記バックライトを保持するためのバックライトトレイをさらに備え、前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトトレイのエッジの周りで屈曲し、前記バックライトトレイは、前記ディスプレイが明るいエッジを欠くように、前記バックライトトレイの前記エッジにおいて前記バックライトから十分な光を吸収するように構成される、請求項1~12のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項14】
前記バックライトを保持するためのバックライトトレイをさらに備え、前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトトレイのエッジの周りで屈曲し、前記バックライトトレイは、前記バックライトに整合した屈折率であり、及び/又は、前記バックライトトレイと前記バックライトとの間の界面は、屈折率材料を組み込んでいる、請求項1~13のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項15】
前記バックライトを保持するためのバックライトトレイをさらに備え、前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトトレイのエッジの周りで屈曲し、前記バックライトは、エッジ照明のバックライトであり、光ガイドのエッジからの光を前記アクティブディスプレイ領域上に分配する光ガイドを含み、前記光ガイド及び前記バックライトトレイは一体的に形成される、請求項1~13のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項16】
屈曲の半径は、前記アクティブディスプレイ領域から前記ディスプレイの後部に向かって前記屈曲の周りで減少し、前記バックライトのエッジは、又は、バックライトトレイがある場合にはそのエッジは、前記屈曲に適合する、請求項1~15のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項17】
前記LCDディスプレイは矩形であり、前記LCDディスプレイスタックは、前記矩形の少なくとも2つの隣接する側方エッジの周りで屈曲し、前記LCDディスプレイスタックは、前記矩形の前記少なくとも2つの隣接する側方エッジによって画定される1つ以上の角部においてノッチが設けられる、請求項1~16のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項18】
表示情報が全てのディスプレイエッジにわたって広がることが可能なように、全てのディスプレイエッジが縁取りのない平坦なディスプレイ領域を提供するように構成されるゼロベゼルLCDディスプレイであって、
前記ディスプレイの画素を制御するためのTFT(薄膜トランジスタ)のアレイを含むアクティブマトリクス回路を担持する可撓性基板、前記基板上の液晶層、及び液晶カバー層を備える可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックであって、前記可撓性基板、前記液晶層、及び前記液晶カバー層は液晶セルを画定し、アクティブディスプレイ領域を画定する可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックと、
前記アクティブディスプレイ領域を照らすための、前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックの背後のバックライトと
を備え、
前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックの前記可撓性基板は、前記平坦なディスプレイ領域の各角部においてノッチが設けられ、前記アクティブディスプレイ領域が前記ゼロベゼルLCDディスプレイの前記平坦なディスプレイ領域のエッジの各々の周りに延在するように、前記平坦なディスプレイ領域の前記エッジの各々の周りで折り曲げられる、LCDディスプレイ。
【請求項19】
前記平坦なディスプレイ領域の前記角部における前記可撓性基板における前記ノッチは、前記平坦なディスプレイ領域の各角部を切断した凹状輪郭を画定し、各角部における前記アクティブディスプレイ領域のエッジは、前記平坦なディスプレイ領域上で凸状湾曲部を画定し、前記凸状湾曲部は前記凹状輪郭及び凸状湾曲部の最も近接した点において前記凹状輪郭から離れて配置される、請求項18に記載のLCDディスプレイ。
【請求項20】
前記ディスプレイ領域は、4つのディスプレイエッジを有する矩形である、請求項18又は19に記載のLCDディスプレイ。
【請求項21】
前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、前記基板と前記液晶カバー層との間に延在するエッジシールを有し、前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックの前記エッジシールは、前記アクティブディスプレイ領域の外側に位置する、請求項18、19又は20に記載のLCDディスプレイ。
【請求項22】
前記液晶セルは、前記バックライトのエッジの周りで屈曲し、前記エッジシールは、前記バックライトの背後に位置する、請求項21に記載のLCDディスプレイ。
【請求項23】
前記LCDディスプレイスタックは、接着剤層によってバックライトの後部に取り付けられ、前記エッジシール及び接着剤層は重なり合っている、請求項22に記載のLCDディスプレイ。
【請求項24】
IGD(集積ゲート駆動)回路をさらに備え、前記IGD回路は、前記可撓性基板上に取り付けられ、前記エッジシール、接着剤層、及びIGD回路は重なり合っている、請求項23に記載のLCDディスプレイ。
【請求項25】
前記可撓性基板は、前記平坦なディスプレイ領域の2つのエッジの各々において1つ以上のタブを画定するように、前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックを横方向に越えて延在しており、
IGD(集積ゲート駆動)回路をさらに備え、前記IGD回路は、前記1つ以上のタブの各々に取り付けられる、請求項18~24のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項26】
前記1つ以上のタブの各々は、前記タブの横幅が減少するネック領域を介して前記アクティブディスプレイ領域における前記可撓性基板の領域に接続される、請求項25に記載のLCDディスプレイ。
【請求項27】
IGD(集積ゲート駆動)回路をさらに備え、前記IGD回路は、前記アクティブディスプレイ領域から離れて配置され、前記IGD回路と前記アクティブディスプレイ領域との間の電気接続が、第1の金属の第1のコンプライアンス層及び第2の金属の第2の保護層を少なくとも含む導電層のスタックを含み、前記第1の金属のコンプライアンスが前記第2の金属のコンプライアンスより大きく、前記第2の金属の酸化抵抗が前記第1の金属の酸化抵抗より大きい、請求項18~26のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項28】
IGD(集積ゲート駆動)回路をさらに備え、前記IGD回路は、前記アクティブディスプレイ領域から離れて配置され、前記LCDディスプレイは、前記IGD回路と前記アクティブディスプレイ領域との間に電気接続部を有し、前記電気接続部の各々は、屈曲を介して複数の接続に扇形に広がるように構成される、請求項18~27のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項29】
前記液晶セルをカプセル化するための1つ以上のカプセル化層をさらに備え、前記1つ以上のカプセル化層は、前記バックライトのエッジの周りで屈曲するように、前記アクティブディスプレイ領域上に及び前記アクティブディスプレイ領域を越えて延在する、請求項18~28のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項30】
前記LCDディスプレイスタックは、前記LCDディスプレイスタックが前記バックライトの前記エッジの周りに曲がる場所でカプセル化材料に埋め込まれている、請求項18~29のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項31】
前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトからの光の漏れを抑制するために、前記LCDディスプレイスタックが前記バックライトのエッジの周りで屈曲する前記LCDディスプレイスタックの領域上で実質的に連続する遮光層を有する、請求項18~30のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項32】
前記バックライトは、屈曲に沿って前記ディスプレイスタックへの接着接合部を欠いている、請求項31に記載のLCDディスプレイ。
【請求項33】
前記バックライトを保持するためのバックライトトレイをさらに備え、前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトトレイのエッジの周りで屈曲して当接する、請求項18~32のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項34】
前記バックライトを保持するためのバックライトトレイをさらに備え、前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトトレイのエッジの周りで屈曲し、前記バックライトトレイは、前記ディスプレイが明るいエッジを欠くように、前記バックライトトレイの前記エッジにおいて前記バックライトから十分な光を吸収するように構成される、請求項18~33のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項35】
前記バックライトを保持するためのバックライトトレイをさらに備え、前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトトレイのエッジの周りで屈曲し、前記バックライトトレイは、前記バックライトに整合した屈折率であり、及び/又は、前記バックライトトレイと前記バックライトとの間の界面は、屈折率材料を組み込んでいる、請求項18~34のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項36】
前記バックライトを保持するためのバックライトトレイをさらに備え、前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトトレイのエッジの周りで屈曲し、前記バックライトは、エッジ照明のバックライトであり、光ガイドのエッジからの光を前記アクティブディスプレイ領域上に分配する光ガイドを含み、前記光ガイド及び前記バックライトトレイは一体的に形成される、請求項18~34のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項37】
屈曲の半径は、前記アクティブディスプレイ領域から前記ディスプレイの後部に向かって前記屈曲の周りで減少し、前記バックライトのエッジは、又は、バックライトトレイがある場合にはそのエッジは、前記屈曲に適合する、請求項18~36のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項38】
湾曲ディスプレイ領域を提供するための可撓性LCDディスプレイであって、前記湾曲ディスプレイ領域はディスプレイエッジを有し、
前記ディスプレイの画素を制御するためのTFT(薄膜トランジスタ)のアレイを含むアクティブマトリクス回路を担持する可撓性基板、前記基板上の液晶層、及び液晶カバー層を備える可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックであって、前記可撓性基板、前記液晶層、及び前記液晶カバー層は、液晶セルを画定し、前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、前記基板と前記液晶カバー層との間に延在するエッジシールを有し、アクティブディスプレイ領域を画定する可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックと、
前記アクティブマトリクス回路を駆動するための駆動回路と
を備え、
前記可撓性基板は、前記湾曲ディスプレイ領域の2つの隣接するエッジの各々に1つ以上のタブを画定するように、前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックを横方向に越えて延在しており、
前記駆動回路は、前記1つ以上のタブの各々に取り付けられており、
前記1つ以上のタブの各々は、前記タブの横幅が減少するネック領域を介して前記アクティブディスプレイ領域における前記可撓性基板の領域に接続される、可撓性LCDディスプレイ。
【請求項39】
前記可撓性基板は、前記2つの隣接するエッジのうちの第1のエッジにおいて複数のタブを画定し、前記第1のエッジは湾曲しており、前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、前記2つの隣接するエッジのうちの第2のエッジに平行な軸を中心に湾曲している、請求項38に記載のLCDディスプレイ。
【請求項40】
少なくとも前記第1のエッジにおけるタブについて、前記ネック領域は、コンプライアンス構造を含み、前記ネック領域が前記可撓性基板と接合する角部にノッチを有する、請求項39に記載のLCDディスプレイ。
【請求項41】
前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、円筒形ディスプレイを画定するように湾曲している、請求項38、39又は40に記載のLCDディスプレイ。
【請求項42】
前記アクティブディスプレイ領域は矩形であり、前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、前記アクティブディスプレイ領域の2つの対向するエッジが前記軸に平行な線に沿って当接するように湾曲しており、前記LCDディスプレイスタックは、前記2つの対向するエッジの一方又は両方のそれぞれの端部においてノッチが設けられ、前記2つの対向するエッジの一方又は両方のそれぞれの周囲で折り曲げられる、請求項39に従属する場合の請求項41に記載のLCDディスプレイ。
【請求項43】
前記LCDディスプレイスタックは、前記2つの対向するエッジの両方の各々の端部においてノッチが設けられ、かつ前記アクティブディスプレイ領域が前記対向するエッジに沿って当接するように、前記2つの対向するエッジの両方の周りで折り曲げられて、前記円筒形ディスプレイの周囲に延在する実質的に連続したアクティブディスプレイ領域を画定する、請求項42に記載のLCDディスプレイ。
【請求項44】
前記駆動回路は、1つ以上の集積回路を含み、
前記1つ以上の集積回路を担持し、かつ前記LCDディスプレイへの外部電気接続を行うためのエッジコネクタを有する前記タブの各々に取り付けられる剛性相互接続構造をさらに備える、請求項38~43のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項45】
前記駆動回路と前記アクティブマトリクス回路との間の電気接続は、前記ネック領域において、第1の金属の第1のコンプライアンス層と第2の金属の第2の保護層とを少なくとも含む導電層のスタックを含み、前記第1の金属のコンプライアンスが前記第2の金属のコンプライアンスより大きく、前記第2の金属の酸化抵抗が前記第1の金属の酸化抵抗より大きい、請求項38~44のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項46】
前記駆動回路と前記アクティブマトリクス回路との間の1つ以上の電気接続は、前記ネック領域において複数の接続に扇形に広がるように構成される、請求項38~45のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項47】
前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、軸の周りに湾曲しており、
前記アクティブディスプレイ領域を照らすために前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックの背後にバックライトをさらに備え、前記バックライトは、前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックの湾曲に適合するように湾曲される、請求項38~46のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項48】
前記液晶セルは、前記バックライトのエッジの周りで屈曲し、前記エッジシールは、前記バックライトの背後に位置する、請求項47に記載のLCDディスプレイ。
【請求項49】
前記LCDディスプレイスタックは、接着剤層によってバックライトの後部に取り付けられ、前記エッジシール及び接着剤層は重なり合っている、請求項48に記載のLCDディスプレイ。
【請求項50】
前記LCDディスプレイスタックは、前記LCDディスプレイスタックが前記バックライトの前記エッジの周りで屈曲する場所でカプセル化材料に埋め込まれている、請求項48又は49に記載のLCDディスプレイ。
【請求項51】
前記LCDディスプレイスタックは、前記バックライトからの光の漏れを抑制するために、前記LCDディスプレイスタックが前記バックライトのエッジの周りで屈曲する前記LCDディスプレイスタックの領域上で実質的に連続する遮光層を有する、請求項47~50のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項52】
前記可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックの前記エッジシールは、前記アクティブディスプレイ領域の外部に位置する、請求項47~51のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【請求項53】
前記液晶セルをカプセル化するための1つ以上のカプセル化層をさらに備え、前記1つ以上のカプセル化層は、前記バックライトのエッジの周りで屈曲するように、前記アクティブディスプレイ領域上に及び前記アクティブディスプレイ領域を越えて延在する、請求項47~52のいずれか1項に記載のLCDディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、LCDディスプレイ、特に、可撓性LCDディスプレイのベゼル縮小のための技術、及び湾曲LCDディスプレイを実装するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイは、典型的には、情報を表示し得るアクティブ領域を含み、情報の表示に使用することができない非アクティブな縁取り又はベゼルによって囲まれている。縁取り/ベゼルが縮小されたディスプレイ及び湾曲ディスプレイには、一般的なトレンド及び市場の牽引力がある。しかしながら、これには製造、歩留まり、及び信頼性に課題が伴う。
【発明の概要】
【0003】
(縮小縁取りディスプレイ)
したがって、1つの態様において、アクティブディスプレイ領域と、アクティブディスプレイ領域を照らすバックライトと、LCDディスプレイスタックとを備えるLCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイが提供される。LCDディスプレイスタックは、基板と、基板上の液晶層と、液晶カバー層とを含んでもよい。基板、液晶層及び液晶カバー層は、液晶セルを画定する。複数の実装では、LCDディスプレイスタックは、基板と液晶カバー層との間に延在するエッジシールを有する。
【0004】
複数の実装では、LCDディスプレイスタックは、バックライトのエッジの周りで屈曲するように、アクティブディスプレイ領域上に及びアクティブディスプレイ領域を越えて延在しており、それによって、エッジシールはアクティブディスプレイ領域の外側に位置する。
【0005】
すなわち、複数の実装において、液晶セル、すなわち、基板とカバー層との間に液晶(LC)材料があるLCDディスプレイスタックの領域、及び/又はエッジシールは、バックライトのエッジの周りで湾曲する。
【0006】
後でより詳細に説明するように、直観に反して、層の数を最小限、すなわち、基板のみに減らすのではなく、バックライトのエッジの周りに完全なLCDディスプレイスタックを曲げることが有利であることが判明した。
【0007】
いくつかの実装では、LCDセルは、バックライトのエッジの周りで屈曲する。これにより、カバー層及び基板は、これらの層の間にLC材料があるので、(ディスプレイの表面で)互いに横方向に移動することが可能になる。同様の理由により、いくつかの実装では、エッジシールはバックライトの背後に位置する。
【0008】
後述するように、いくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、180度曲げられて、例えば、バックライトの後部又はバックライト支持/トレイの後部に固定されてもよい。他のいくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、スタック内の応力を低減するために、180度未満、例えば、130~170度の角度で曲げられてもよい。それにもかかわらず、そのような実装において、ディスプレイスタックのいくつかは、依然としてバックライトの背後に位置する。
【0009】
また、バックライトの背後にエッジシールを配置することは、ディスプレイスタックの強固な取り付けを容易にするので、狭い半径の周りにディスプレイスタックを引っ張り、かつスタックを確実に保持することを容易にする。したがって、複数の実装において、LCDディスプレイスタックは、接着剤層によってバックライトの後部(又はディスプレイの別の背面)に取り付けられ、エッジシール及び接着剤層は横方向に重なり合う。
【0010】
ディスプレイのいくつかの実装は、集積ゲート駆動(IGD)回路を組み込んでもよい。広義には、これは、ライン(電気接続部)の数を減らしてディスプレイの画素をアドレス指定することを容易にする回路、例えば、メモリ又はシフトレジスタ回路である。例えば、そのようなIGD回路は、ディスプレイのアクティブ領域のエッジに隣接して基板上に配置されてもよく、ディスプレイを駆動するためにディスプレイの画素に通じる複数の行又は列のライン(電極接続)を有してもよい。IGD回路は、ディスプレイの画素を駆動するためのデータを受信するために、より少ないライン数、例えば、1つ以上の直列データ接続を有してもよい。したがって、このようなIGD回路は、外部駆動/制御回路が必要とする外部接続の数を実質的に減少させてもよく、また、このような外部接続のより粗い間隔を容易にし得る。
【0011】
このような回路の一般的な用語は集積ゲート駆動(IGD)回路であるが、ここでは、この用語は、同様のやり方で使用され得る他のタイプの回路、例えば、典型的にはアクティブディスプレイ領域のエッジに隣接して配置される1つ以上の集積回路ダイ上の任意のタイプの回路を包含するように広義に使用される。例えば、集積ゲート駆動回路は、ゲート駆動集積回路がディスプレイパネル上に直接設けられるGIP法によって形成される場合、GIP(Gate In Panel)回路と呼ばれることがある。
【0012】
いくつかの実装では、IGD回路は、基板上に取り付けられるが、アクティブディスプレイ領域のエッジから離されて、基板、すなわち、ディスプレイスタックが実質的に平面である領域まで屈曲部の周囲を移動し、ディスプレイ画素とIGD回路との間の接続を長くする。例えば、いくつかの実装では、エッジシール、接着剤層、及びIGD回路は全て重なり合っている。これは必須ではないが、装置の障害のリスクを軽減するので、信頼性と歩留まりを向上させることができる。
【0013】
このように、いくつかの実装では、IGD回路は、アクティブディスプレイ領域から離れて配置される。
【0014】
IGD回路とアクティブディスプレイ領域(ディスプレイ画素)との間の電気接続部は、第1の金属の第1のコンプライアンス層と第2の金属の第2の保護層とを少なくとも含む導電層のスタックを含んでもよい。例えば、電気接続部は、第1の金属の層が第2の金属の層の間に挟まれたサンドイッチ構造を有してもよい。複数の実装では、第1の金属のコンプライアンスは、第2の金属のコンプライアンスよりも大きい。例えば、第1の金属は、アルミニウム又は金を含んでもよい。複数の実装では、第2の金属の耐酸化性は、第1の金属の耐酸化性よりも大きい。例えば、第2の金属は、モリブデンを含んでもよい。
【0015】
さらに又はその代わりに、IGD回路とアクティブディスプレイ領域(ディスプレイ画素)との間の電気接続部は、屈曲部上の複数の接続部に扇形に広がってもよい(そして、単一の接続部に収束する)。
【0016】
これらのアプローチはいずれも、接続部の可撓性を向上させることができる。
【0017】
複数の実装では、1つ以上のカプセル化層が、例えば、基板の下及びカバー層の上に液晶セルをカプセル化して、アクティブディスプレイ領域の上に延在する。しかしながら、これらの一方又は両方は、バックライトのエッジの周りで屈曲するように、アクティブディスプレイ領域上に及びアクティブディスプレイ領域を越えて延在してもよい。これにより、製造が簡単になり、LCセルの保護が向上する。さらに又はその代わりに、LCDディスプレイスタックは、LCDディスプレイスタックがバックライトのエッジの周りで屈曲する場所でエポキシ等のカプセル化材料に、選択的に、エッジシールが始まる場所まで又はそれを超えて、埋め込まれてもよい。
【0018】
典型的には、バックライトは、バックライトのエッジの周りの接着剤の薄いストリップによってディスプレイスタックに取り付けられる。しかしながら、これはバックライトからの光を見えにくくするため、アクティブディスプレイ領域に小さな非アクティブな縁取りを必要とし得る。いくつかの実装では、屈曲部に隣接するバックライトのエッジに沿った接着剤のストリップが省略され得る。しかしながら、これは、光漏れのためにアクティブディスプレイ領域のエッジに沿って明るい線を生じさせ得る。また、ディスプレイスタックの屈曲部から光が漏れることもある。
【0019】
このように、いくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、LCDディスプレイスタックがバックライトのエッジの周りで屈曲するLCDディスプレイスタックの領域上で実質的に連続する遮光層を有しており、バックライトからの光の漏れを阻止する。この遮光層は、カラーLCDディスプレイにおいてカラーフィルタを形成するために使用される同じ材料の層、例えば、黒色に着色された(すなわち、光吸収性の)レジスト層から形成されてもよい。
【0020】
いくつかの実装では、バックライトを保持するためにバックライトトレイが提供される。いくつかの実装では、バックライトトレイは、バックライトと一体に形成されてもよい。
【0021】
いくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、バックライトトレイの湾曲したエッジの周りで屈曲して当接し、この湾曲したエッジに接着剤で接合されてもよい。これは、ディスプレイに安定性と堅牢性を与えるのに役立ち得る。
【0022】
いくつかの実装では、バックライトトレイは、例えば、ディスプレイへの明るいエッジの出現を抑制する光吸収(黒色)材料を組み込むことによって、バックライトトレイのエッジでバックライトからの光を吸収するように構成される。さらに又はその代わりに、バックライトトレイは、バックライトに整合した屈折率であってもよく、及び/又はバックライトトレイとバックライトとの間の界面は、屈折率材料を含んでもよい。これらの技術はいずれも、ディスプレイからの迷光放射を低減し得る。これは、ディスプレイスタック/LCセルが、例えば、遮光層を含むために、屈曲領域においてスタックを通過する光を遮断する場合に特に当てはまる。
【0023】
いくつかの実装では、バックライトは、エッジ照明されたバックライトであり、アクティブディスプレイ領域上で光ガイドのエッジからの光を分配する光ガイドを含む。次に、光ガイド及びバックライトトレイは、例えば、PMMA等のポリマーから一体的に形成されてもよい。
【0024】
いくつかの実装では、屈曲部の半径は、アクティブディスプレイ領域からディスプレイの後方に向かって屈曲部の周囲で減少する。例えば、ディスプレイスタックは、ディスプレイの後部に向かって緩やかに湾曲し、その後、例えば、バックライトの後部(又はディスプレイの別の背面)に取り付けられるように鋭く屈曲してもよい。次に、バックライトのエッジ、又はバックライトトレイがある場合には、そのエッジが屈曲部に適合してもよい。これは、バックライトのエッジであり、又はバックライトトレイは、(バックライトとして機能しながら)屈曲部の周りのディスプレイスタックの形状を画定するように成形されてもよい。これにより、ディスプレイのエッジの形状を制御しながら、堅牢性と製造性を高めるのに役立ち得る。
【0025】
いくつかの実装では、LCDディスプレイは矩形であり、LCDディスプレイスタックは、バックライト/矩形の少なくとも2つの隣接する側方エッジの周りで屈曲する。LCDディスプレイスタックは、角部、すなわち、矩形の少なくとも2つの隣接する側方エッジによって画定される1つ以上の角部において、ネック又はノッチが設けられてもよい。
【0026】
(ゼロ縁取りディスプレイ)
したがって、1つの態様では、ゼロベゼルLCDディスプレイが提供され、すなわち、表示情報がディスプレイエッジの全て(すなわち、各々)にわたって広がることができるように、全てのディスプレイエッジに縁取りのない平坦なディスプレイ領域を提供するように構成される。LCD(液晶ディスプレイ)ディスプレイは、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックを含んでもよい。ディスプレイスタックは、ディスプレイの画素を制御するためのTFT(薄膜トランジスタ)のアレイを含む、アクティブマトリクス回路を担持する可撓性基板を備えてもよい。ディスプレイスタックは、基板上に液晶層をさらに含んでもよい。ディスプレイスタックは、液晶カバー層をさらに含んでもよい。可撓性基板、液晶層、及び液晶カバー層は、液晶セルを画定してもよい。可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、アクティブディスプレイ領域を画定し得る。LCDディスプレイは、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックの背後にバックライトをさらに備えており、アクティブディスプレイ領域を照らすことができる。複数の実装において、(基板を含む)可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックの可撓性基板は、平坦なディスプレイ領域の各角部でノッチが設けられ、アクティブディスプレイ領域がゼロベゼルLCDディスプレイの平坦なディスプレイ領域の各エッジの周りに延在するように、平坦なディスプレイ領域の各エッジの周りで折られる(すなわち、屈曲する)。
【0027】
このようにして、表示情報がディスプレイの各エッジの周りに延在する「インフィニティ」ディスプレイが作成されてもよい。
【0028】
複数の実装では、ディスプレイ領域は矩形であり(ここでは正方形を含む)、4つの直交するディスプレイエッジを有する。したがって、バックライトも矩形であってもよい。
【0029】
複数の実装では、各角部のノッチは、可撓性基板(及び選択的にディスプレイスタックの残りの部分)の角部において凹状の輪郭又は湾曲部によって画定されてもよい。ゼロベゼルLCDディスプレイとして構成される場合、この輪郭は、アクティブディスプレイ領域の各角部に凹状の輪郭を画定してもよい。複数の実装では、各角部のノッチは、ゼロベゼルLCDディスプレイとして構成される場合、角部を横切る直線によって画定され得る。
【0030】
複数の実装では、平坦なディスプレイ領域の角部における可撓性基板のノッチは、平坦なディスプレイ領域の各角部を切断する輪郭、例えば、凹状輪郭を画定する。そして、各角部におけるアクティブディスプレイ領域のエッジは、凹状輪郭及び凸状湾曲部の最も近接した点において凹状輪郭から離れて配置される平坦ディスプレイ領域上に凸状湾曲部を画定し得る。アクティブディスプレイ領域は、例えば、ディスプレイスタック又はその一部、例えば、TFTのアレイによって画定されてもよい。
【0031】
これは、公差及び製造の制御を容易にすることができ、したがって、2つの湾曲部を互いに接近させることも容易にする、反対方向を有する湾曲部の単一の最近接点が存在するので、製造を容易にし、歩留まりを高めることができる。
【0032】
複数の実装では、LCDディスプレイスタックは、バックライトのエッジの周りで屈曲するように、アクティブディスプレイ領域上に及びアクティブディスプレイ領域を越えて延在する。可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、基板と液晶カバー層との間に延在するエッジシールを有してもよい。エッジシールは、アクティブディスプレイ領域の外側に位置してもよい。すなわち、複数の実装において、液晶セル、すなわち、基板とカバー層との間に液晶(LC)材料があるLCDディスプレイスタックの領域、及び/又はエッジシールは、バックライトのエッジの周りで湾曲する。
【0033】
後でより詳細に説明するように、直観に反して、いくつかの実装では、層の数を最小に、すなわち、基板のみに減らすのではなく、バックライトのエッジの周りに完全なLCDディスプレイスタックを曲げることが有利であることが判明した。
【0034】
いくつかの実装では、LCDセルは、バックライトのエッジの周りで屈曲する。これにより、カバー層と基板は、これらの層の間にLC材料があるので、(ディスプレイの表面で)互いに横方向に移動することが可能になる。同様の理由により、いくつかの実装では、エッジシールはバックライトの背後に位置する。
【0035】
後述するように、いくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、180度曲げられて、例えば、バックライトの後部又はバックライト支持/トレイの後部に固定されてもよい。他のいくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、スタック内の応力を低減するために、180度未満、例えば、130~170度の角度で曲げられてもよい。それにもかかわらず、そのような実装において、ディスプレイスタックのいくつかは、依然としてバックライトの背後に位置する。
【0036】
また、バックライトの背後にエッジシールを配置することは、ディスプレイスタックの強固な取り付けを容易にするので、狭い半径の周りにディスプレイスタックを引っ張り、かつスタックを確実に保持することを容易にする。したがって、複数の実装において、LCDディスプレイスタックは、接着剤層によってバックライトの後部(又はディスプレイの別の背面)に取り付けられ、エッジシール及び接着剤層は横方向に重なり合う。
【0037】
ディスプレイのいくつかの実装は、集積ゲート駆動(IGD)回路を組み込んでもよい。広義には、これは、ライン(電気接続部)の数を減らしてディスプレイの画素をアドレス指定することを容易にする回路、例えば、メモリ又はシフトレジスタ回路である。例えば、そのようなIGD回路は、ディスプレイのアクティブ領域のエッジに隣接して基板上に配置されてもよく、ディスプレイを駆動するためにディスプレイの画素に通じる複数の行又は列のライン(電極接続)を有してもよい。IGD回路は、ディスプレイの画素を駆動するためのデータを受信するために、より少ないライン数、例えば、1つ以上の直列データ接続を有してもよい。したがって、このようなIGD回路は、外部駆動/制御回路が必要とする外部接続の数を実質的に減少させてもよく、また、このような外部接続のより粗い間隔を容易にし得る。
【0038】
このような回路の一般的な用語は集積ゲート駆動(IGD)回路であるが、ここでは、この用語は、同様の方法で使用され得る他のタイプの回路、例えば、典型的にはアクティブディスプレイ領域のエッジに隣接して配置される1つ以上の集積回路ダイ上の任意のタイプの回路を包含するように広義に使用される。例えば、集積ゲート駆動回路は、ゲート駆動集積回路がディスプレイパネル上に直接設けられるGIP法によって形成される場合、GIP(Gate In Panel)回路と呼ばれることがある。
【0039】
いくつかの実装では、IGD回路は、基板上に取り付けられるが、アクティブディスプレイ領域のエッジから離されて、基板、すなわち、ディスプレイスタックが実質的に平面である領域まで屈曲部の周囲を移動し、ディスプレイ画素とIGD回路との間の接続を長くする。例えば、いくつかの実装では、エッジシール、接着剤層、及びIGD回路は全て重なり合っている。これは必須ではないが、装置の障害のリスクを軽減するので、信頼性と歩留まりを向上させることができる。
【0040】
このように、いくつかの実装では、IGD回路は、アクティブディスプレイ領域から離れて配置される。例えば、可撓性基板は、平坦な、例えば、矩形のディスプレイ領域の2つの、例えば、直交するエッジの各々に1つ以上のタブを画定するように、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックを越えて横方向に延びてもよい。その後、IGD回路は、1つ以上のタブの各々に取り付けられてもよい。複数の実装では、1つ以上のタブの各々は、タブの横幅が減少するネック領域を介して、アクティブディスプレイ領域の中(下)の可撓性基板の領域に接続される。
【0041】
IGD回路とアクティブディスプレイ領域(ディスプレイ画素)との間の電気接続部は、第1の金属の第1のコンプライアンス層と第2の金属の第2の保護層とを少なくとも含む導電層のスタックを含んでもよい。例えば、電気接続部は、第1の金属の層が複数の第2の金属の層の間に挟まれるサンドイッチ構造を有してもよい。複数の実装では、第1の金属のコンプライアンスは、第2の金属のコンプライアンスよりも大きい。例えば、第1の金属はアルミニウム又は金を含んでもよい。複数の実装では、第2の金属の耐酸化性は、第1の金属の耐酸化性よりも大きい。例えば、第2の金属は、モリブデンを含んでもよい。
【0042】
さらに又はその代わりに、IGD回路とアクティブディスプレイ領域(ディスプレイ画素)との間の電気接続部は、屈曲部上の複数の接続部に扇形に広がってもよい(そして、単一の接続部に収束する)。
【0043】
これらのアプローチはいずれも、接続部の可撓性を向上させることができる。
【0044】
複数の実装では、1つ以上のカプセル化層が、例えば、基板の下及びカバー層の上に液晶セルをカプセル化して、アクティブディスプレイ領域の上に延在する。しかしながら、これらの一方又は両方は、バックライトのエッジの周りで屈曲するように、アクティブディスプレイ領域上で、アクティブディスプレイ領域を越えて延びてもよい。これにより、製造が簡単になり、LCセルの保護が向上する。さらに又はその代わりに、LCDディスプレイスタックは、LCDディスプレイスタックがバックライトのエッジの周りで屈曲する場所でエポキシ等のカプセル化材料に、選択的に、エッジシールが始まる場所まで又はそれを超えて、埋め込まれてもよい。
【0045】
典型的には、バックライトは、バックライトのエッジの周りの接着剤の薄いストリップによってディスプレイスタックに取り付けられる。しかしながら、これはバックライトからの光を見えにくくするため、アクティブディスプレイ領域に小さな非アクティブな縁取りを必要とし得る。いくつかの実装では、屈曲部に隣接するバックライトのエッジに沿った接着剤のストリップが省略され得る。しかしながら、これは、光漏れのために、アクティブディスプレイ領域のエッジに沿って明るい線を生じ得る。また、ディスプレイスタックの屈曲部から光が漏れることもある。
【0046】
このように、いくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、LCDディスプレイスタックがバックライトのエッジの周りで屈曲するLCDディスプレイスタックの領域上で実質的に連続する遮光層を有しており、バックライトからの光の漏れを阻止する。この遮光層は、カラーLCDディスプレイにおいてカラーフィルタを形成するために使用される同じ材料の層、例えば、黒色に着色された(すなわち、光吸収性の)レジスト層から形成されてもよい。
【0047】
いくつかの実装では、バックライトを保持するためにバックライトトレイが提供される。いくつかの実装では、バックライトトレイは、バックライトと一体に形成されてもよい。
【0048】
いくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、バックライトトレイの湾曲したエッジの周りで屈曲して当接し、この湾曲したエッジに接着剤で接合されてもよい。これは、ディスプレイに安定性と堅牢性を与えるのに役立ち得る。
【0049】
いくつかの実装では、バックライトトレイは、例えば、ディスプレイへの明るいエッジの出現を抑制する光吸収(黒色)材料を組み込むことによって、バックライトトレイのエッジでバックライトからの光を吸収するように構成される。さらに又はその代わりに、バックライトトレイは、バックライトに整合した屈折率であってもよく、及び/又はバックライトトレイとバックライトとの間の界面は、屈折率材料を含んでもよい。これらの技術はいずれも、ディスプレイからの迷光放射を低減し得る。これは、ディスプレイスタック/LCセルが、例えば、遮光層を含むために、屈曲領域においてスタックを通過する光を遮断する場合に特に当てはまる。
【0050】
いくつかの実装では、バックライトは、エッジ照明されたバックライトであり、アクティブディスプレイ領域上で光ガイドのエッジからの光を分配する光ガイドを含む。次に、光ガイド及びバックライトトレイは、例えば、PMMA等のポリマーから一体的に形成されてもよい。
【0051】
いくつかの実装では、屈曲部の半径は、アクティブディスプレイ領域からディスプレイの後方に向かって屈曲部の周囲で減少する。例えば、ディスプレイスタックは、ディスプレイの後部に向かって緩やかに湾曲し、その後、例えば、バックライトの後部(又はディスプレイの別の背面)に取り付けられるように鋭く屈曲してもよい。次に、バックライトのエッジ、又はバックライトトレイがある場合には、そのエッジが屈曲部に適合してもよい。これは、バックライトのエッジであり、又はバックライトトレイは、(バックライトとして機能しながら)屈曲部の周りのディスプレイスタックの形状を画定するように成形されてもよい。これにより、ディスプレイのエッジの形状を制御しながら、堅牢性と製造性を高めるのに役立ち得る。
【0052】
本明細書に記載するアプローチは、直接照明又はエッジ照明のバックライトと共に使用し得る。
【0053】
上述の「ゼロ縁取りディスプレイ」の実装は、上述の「縮小縁取りディスプレイ」と組み合わせることができる。
【0054】
(湾曲ディスプレイ)
したがって、一態様では、湾曲ディスプレイ領域を提供するための可撓性LCD(液晶ディスプレイ)ディスプレイが提供される。湾曲ディスプレイ領域は、ディスプレイエッジを有し、1つ、2つ又はそれ以上の軸の周りで湾曲していてもよい。可撓性LCDディスプレイは、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックを含んでもよい。可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、ディスプレイの画素を制御するためのTFT(薄膜トランジスタ)のアレイを含むアクティブマトリクス回路を担持する可撓性基板を含んでもよい。可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、基板上の液晶層、及び液晶カバー層をさらに含んでもよい。可撓性基板、液晶層、及び液晶カバー層は、液晶セルを画定してもよい。可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、基板と液晶カバー層との間に延在するエッジシールを有してもよい。可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、アクティブディスプレイ領域を画定し得る。
【0055】
可撓性LCDディスプレイは、アクティブマトリクス回路を駆動するための駆動回路、例えば、IGD(集積ゲート駆動)回路をさらに備えてもよい。可撓性基板は、湾曲ディスプレイ領域の2つの隣接する、例えば、直交するエッジの各々に1つ以上のタブを画定するように、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックを越えて横方向に延びてもよく、駆動回路は、1つ以上のタブの各々に取り付けられてもよい。1つ以上のタブの各々は、タブの横幅が減少するネック領域を介して、アクティブディスプレイ領域の中(すなわち、下)の可撓性基板の領域に接続されてもよい。
【0056】
いくつかの実装では、可撓性基板は、2つの隣接するエッジのうちの第1のエッジに複数のタブを画定する。この第1のエッジは湾曲しており、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、2つの隣接するエッジの第2のエッジに平行であり得る軸の周りに湾曲している。複数の実装では、2つの隣接するエッジのうちの少なくとも第1のエッジにおけるタブのために、ネック領域は、コンプライアンス構造、例えば、折り目を含み、ネック領域が可撓性基板と接合する角部にノッチを有する。いくつかの実装では、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、円筒形ディスプレイを、例えば、円柱又は楕円柱の形状で画定するように湾曲している。これらの特徴を総合すると、信頼性及び製造歩留りが改善された湾曲した、例えば、円筒形ディスプレイの製造が容易になる。
【0057】
いくつかの実装では、アクティブディスプレイ領域は、4つの直交するエッジを有する矩形である。しかしながら、アクティブディスプレイ領域は、他の形状、例えば、三角形、八角形、又は他の多角形形状を有してもよい。複数の実装では、上記の特徴により、アクティブディスプレイ領域を、選択的に、複数の湾曲部、例えば、複数の異なる軸を中心とする湾曲部を用いて、複雑な凸状及び/又は凹状の形状に形成することが可能になる。
【0058】
可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、アクティブディスプレイ領域の2つの対向するエッジ(典型的には、直線エッジ)が、特に、アクティブディスプレイ領域が矩形である場合に、線、すなわち、接合線に沿って当接するように湾曲させられ得る。(基板を含む)LCDディスプレイスタックは、2つの対向するエッジの一方又は両方のそれぞれの端部に(すなわち、角部に)ノッチが設けられてもよく、2つの対向するエッジのそれぞれの一方又は両方の周りに折り曲げられて、接合線に沿ったストリップ内の円筒形ディスプレイの非アクティブ領域を低減し得る。特に、LCDディスプレイスタックは、2つの対向するエッジの各々の端部でノッチが設けられ、かつ2つの対向するエッジの両方の周りで折り曲げられ、それによって、アクティブディスプレイ領域が、円筒形ディスプレイの周囲に延在する実質的に連続したアクティブディスプレイ領域を画定するように、(円筒の軸に平行であり得る)対向する、例えば、直線的なエッジに沿って当接してもよい。
【0059】
ディスプレイのいくつかの実装は、集積ゲート駆動(IGD)回路を組み込んでもよい。広義には、これは、ライン(電気接続部)の数を減らしてディスプレイの画素をアドレス指定することを容易にする回路、例えば、メモリ又はシフトレジスタ回路である。例えば、そのようなIGD回路は、ディスプレイのアクティブ領域のエッジに隣接して基板上に配置されてもよく、ディスプレイを駆動するためにディスプレイの画素に通じる複数の行又は列のライン(電極接続)を有してもよい。IGD回路は、ディスプレイの画素を駆動するためのデータを受信するために、より少ないライン数、例えば、1つ以上の直列データ接続を有してもよい。したがって、このようなIGD回路は、外部駆動/制御回路によって必要とされる外部接続の数を実質的に減少させることができ、また、このような外部接続のより粗い間隔を容易にし得る。これにより、湾曲LCDディスプレイを容易にし得る。
【0060】
このような回路の一般的な用語は集積ゲート駆動(IGD)回路であるが、ここでは、この用語は、同様の方法で使用され得る他のタイプの回路、例えば、典型的にはアクティブディスプレイ領域のエッジに隣接して配置される1つ以上の集積回路ダイ上の任意のタイプの回路を包含するように広義に使用される。例えば、集積ゲート駆動回路は、ゲート駆動集積回路がディスプレイパネル上に直接設けられるGIP法によって形成される場合、GIP(Gate In Panel)回路と呼ばれることがある。
【0061】
いくつかの実装では、駆動回路は、1つ以上の集積回路、すなわち、IGD集積回路を含む。可撓性LCDディスプレイは、1つ以上の集積回路を担持するタブの各々に取り付けられ、かつ選択的にLCDディスプレイへの外部電気接続を行うためのエッジコネクタを有する剛性相互接続構造(すなわち、可撓性基板よりも剛性である)をさらに備えてもよい。いくつかの構成では、例えば、湾曲ディスプレイが非常に急な湾曲部の周りで曲げられている場合、連続する相互接続構造は、湾曲部に沿って隣接する相互接続構造の上下で交互になってもよい。いくつかの他の構成では、複数の相互接続構造が平面を画定し、共通の相互接続PCB(プリント回路基板)に接続し得る。いくつかの実装では、相互接続構造上に取り付けられるのではなく、IGD集積回路は可撓性基板上に直接取り付けられ得る。
【0062】
複数の実装では、IGD回路は基板上に取り付けられるが、アクティブディスプレイ領域の端部から離れて、下にある基板が実質的に平面である領域まで屈曲部の周囲を移動し、ディスプレイ画素とIGD回路との間の接続を長くする。例えば、いくつかの実装では、エッジシール、接着剤層、及びIGD回路は全て重なり合っている。これにより、装置の故障リスクが低減され、したがって信頼性及び歩留まりを向上させることができる。
【0063】
IGD回路とアクティブディスプレイ領域(ディスプレイ画素)との間の電気接続部は、第1の金属の第1のコンプライアンス層と第2の金属の第2の保護層とを少なくとも含む導電層のスタックを含んでもよい。例えば、電気接続部は、第1の金属の層が第2の金属の層の間に挟まれたサンドイッチ構造を有してもよい。複数の実装では、第1の金属のコンプライアンスは、第2の金属のコンプライアンスよりも大きい。例えば、第1の金属は、アルミニウム又は金を含んでもよい。複数の実装では、第2の金属の耐酸化性は、第1の金属の耐酸化性よりも大きい。例えば、第2の金属は、モリブデンを含んでもよい。これにより、接続部の可撓性を向上させることができる。
【0064】
さらに又はその代わりに、IGD回路とアクティブディスプレイ領域(ディスプレイ画素)との間の電気接続部は、ネック領域内の複数の接続内に、すなわち、屈曲部の上に扇形に広がり、次いで、単一の接続に収束してもよい。これにより、接続の可撓性を向上させることもできる。
【0065】
いくつかの実装では、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、軸の周りで湾曲している。可撓性LCDディスプレイは、アクティブディスプレイ領域を照らすために、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックの背後にバックライトをさらに備えてもよい。バックライトは、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックの湾曲に適合するように湾曲させることができる。
【0066】
後でより詳細に説明するように、直観に反して、いくつかの実装では、層の数を最小に、すなわち、基板のみに減らすのではなく、バックライトのエッジの周りに完全なLCDディスプレイスタックを曲げることが有利であることが判明した。
【0067】
いくつかの実装では、LCDセルは、バックライトのエッジの周りで屈曲する。これにより、カバー層と基板は、これらの層の間にLC材料があるので、(ディスプレイの表面で)互いに横方向に移動することが可能になる。同様の理由により、いくつかの実装では、エッジシールはバックライトの背後に位置する。
【0068】
後述するように、いくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、180度曲げられて、例えば、バックライトの後部又はバックライト支持/トレイの後部に固定されてもよい。他のいくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、スタック内の応力を低減するために、180度未満、例えば、130~170度の角度で曲げられてもよい。それにもかかわらず、そのような実装において、ディスプレイスタックのいくつかは、依然としてバックライトの背後に位置する。
【0069】
また、バックライトの背後にエッジシールを配置することは、ディスプレイスタックの強固な取り付けを容易にするので、狭い半径の周りにディスプレイスタックを引っ張り、かつスタックを確実に保持することを容易にする。したがって、複数の実装において、LCDディスプレイスタックは、接着剤層によってバックライトの後部(又はディスプレイの別の背面)に取り付けられ、エッジシール及び接着剤層は横方向に重なり合う。
【0070】
複数の実装では、1つ以上のカプセル化層が、例えば、基板の下及びカバー層の上に液晶セルをカプセル化して、アクティブディスプレイ領域の上に延在する。しかしながら、これらの一方又は両方は、バックライトのエッジの周りで屈曲するように、アクティブディスプレイ領域上に及びアクティブディスプレイ領域を越えて延在してもよい。これにより、製造が簡単になり、LCセルの保護が向上する。さらに又はその代わりに、LCDディスプレイスタックは、LCDディスプレイスタックがバックライトのエッジの周りで屈曲する場所でエポキシ等のカプセル化材料に、選択的に、エッジシールが始まる場所まで又はそれを超えて、埋め込まれてもよい。
【0071】
典型的には、バックライトは、バックライトのエッジの周りの接着剤の薄いストリップによってディスプレイスタックに取り付けられる。しかしながら、これはバックライトからの光を見えにくくするため、アクティブディスプレイ領域に小さな非アクティブな縁取りを必要とし得る。いくつかの実装では、屈曲部に隣接するバックライトのエッジに沿った接着剤のストリップが省略され得る。しかしながら、これは、光漏れのためにアクティブディスプレイ領域のエッジに沿って明るい線を生じさせ得る。また、ディスプレイスタックの屈曲部から光が漏れることもある。
【0072】
このように、いくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、LCDディスプレイスタックがバックライトのエッジの周りで屈曲するLCDディスプレイスタックの領域上で実質的に連続する遮光層を有しており、バックライトからの光の漏れを阻止する。この遮光層は、カラーLCDディスプレイにおいてカラーフィルタを形成するために使用される同じ材料の層、例えば、黒色に着色された(すなわち、光吸収性の)レジスト層から形成されてもよい。
【0073】
いくつかの実装では、バックライトを保持するためにバックライトトレイが提供される。いくつかの実装では、バックライトトレイは、バックライトと一体に形成されてもよい。
【0074】
いくつかの実装では、LCDディスプレイスタックは、バックライトトレイの湾曲したエッジの周りに屈曲して当接し、この湾曲したエッジに接着剤で接合されてもよい。これは、ディスプレイに安定性と堅牢性を与えるのに役立ち得る。
【0075】
いくつかの実装では、バックライトトレイは、例えば、ディスプレイへの明るいエッジの出現を抑制する光吸収(黒色)材料を組み込むことによって、バックライトトレイのエッジでバックライトからの光を吸収するように構成される。さらに又はその代わりに、バックライトトレイは、バックライトに整合した屈折率であってもよく、及び/又はバックライトトレイとバックライトとの間の界面は、屈折率材料を含んでもよい。これらの技術はいずれも、ディスプレイからの迷光放射を低減し得る。これは、ディスプレイスタック/LCセルが、例えば、遮光層を含むために、屈曲領域においてスタックを通過する光を遮断する場合に特に当てはまる。
【0076】
いくつかの実装では、バックライトは、エッジ照明されたバックライトであり、アクティブディスプレイ領域上で光ガイドのエッジからの光を分配する光ガイドを含む。次に、光ガイド及びバックライトトレイは、例えば、PMMA等のポリマーから一体的に形成されてもよい。
【0077】
いくつかの実装では、屈曲部の半径は、アクティブディスプレイ領域からディスプレイの後方に向かって屈曲部の周囲で減少する。例えば、ディスプレイスタックは、ディスプレイの後部に向かって緩やかに湾曲し、その後、例えば、バックライトの後部(又はディスプレイの別の背面)に取り付けられるように鋭く屈曲してもよい。次に、バックライトのエッジ、又はバックライトトレイがある場合には、そのエッジが屈曲部に適合してもよい。これは、バックライトのエッジであり、又はバックライトトレイは、(バックライトとして機能しながら)屈曲部の周りのディスプレイスタックの形状を画定するように成形されてもよい。これは、ディスプレイのエッジの形状を制御しながら、堅牢性と製造性を高めるのに役立ち得る。
【0078】
いくつかの実装では、LCDディスプレイは矩形であり、LCDディスプレイスタックは、バックライト/矩形の少なくとも2つの隣接する側方エッジの周りで屈曲する。LCDディスプレイスタックは、角部、すなわち、矩形の少なくとも2つの隣接する側方エッジによって画定される1つ以上の角部において、ネック又はノッチが設けられてもよい。
【0079】
上述の「湾曲ディスプレイ」の実装は、上述の「縮小縁取りディスプレイ」と組み合わせることができる。
【0080】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【
図2a】ディスプレイ用のディスプレイアセンブリを示す。
【
図2b】2つの隣接するエッジ湾曲したLCDディスプレイの詳細を示す。
【
図3a】一実施形態による、縮小されたベゼルを有する第1のディスプレイの断面概略図を示す。
【
図3b】一実施形態による、縮小されたベゼルを有するディスプレイの断面概略図を示す。
【
図4a】画素とIDG回路との間の接続の拡大図を示す。
【
図5】曲げ半径を変更した場合のディスプレイの例を示す。
【
図6】可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックを示す。
【
図7b】LCDディスプレイのアクティブ領域の角部の構成例を示す。
【
図8a】エッジが縁取りされずに製造された平坦なLCDディスプレイの例を示す。
【
図8b】全ての縁取りのないゼロベゼルLCDディスプレイの例を示す。
【
図9a】湾曲LCDディスプレイの第1の例を示す。
【
図9b】湾曲LCDディスプレイの第2の例を示す。
【
図9c】湾曲LCDディスプレイの第3の例を示す。
【0082】
図面において、同一要素には同一符号が付されている。
【発明を実施するための形態】
【0083】
図1は、例示的なLCD(液晶ディスプレイ)ディスプレイスタック100の概略断面図を示す。例示的なディスプレイでは、スタック液晶(LC)材料130は、基板120と液晶(LC)カバー層135との間に配置される。また、基板層120は、ディスプレイの行及び列及び相互接続線等の電気接続、並びにディスプレイの画素のための制御回路(図示せず)、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)を担持してもよい。いくつかの実装では、例えば、可撓性ディスプレイの場合、TFTは有機であってもよい。
【0084】
基板120及びLCカバー層135の各々には、それぞれのカプセル化層115,140が設けられてもよい。基板とLCカバー層120,135との間にエッジシール125が設けられ、この例では、液晶材料をシールしかつ保護するために、LC材料130の各エッジ上に示されている。
【0085】
基板、LCカバー層、及びLC材料を含むLCDディスプレイスタックのシートは、LCセルと呼ばれ得る。本明細書に記載するように、LCDディスプレイスタックは、LCセルのエッジを越えて延在し、エッジシールを含む。
【0086】
LCDディスプレイスタックは、通常、1つ以上の偏光層を含む。したがって、
図1の構造では、第1の光偏光層110が基板120の下に設けられ、第2の光偏光層145がLCカバー層135の上に設けられる。いくつかの実装において、各カプセル化層は、それぞれの光偏光層と組み合わせることができる。以後の記載において、偏光層への明示的な言及は省略されることがある。
【0087】
第1の光偏光層110の下方には、バックライト層105が設けられている。バックライト層105は、一般に、LCDディスプレイスタックとは別の部分である。バックライトに偏光子を組み込んでもよい。複数の実装では、バックライトは、例えば、PMMAから製造される光ガイドを組み込む。例えば、これにより、ディスプレイは、例えば、1つ以上のLEDによってエッジ照明され得る。また、バックライトは、光ガイド上に、すなわち、光ガイドとLCDディスプレイスタックとの間に、例えば、光拡散フィルムの層のようなディフューザを含んでもよい。光ガイドは、バックリフレクタを有してもよい。
【0088】
基板120は、ガラス基板であってもよく、又は、例えば、可撓性ディスプレイでは、TAC(セルローストリアセテート)を含んでもよい。LCカバー層130は、TAC又はガラスを含んでもよい。基板及び/又はLCカバー層がガラスを含む場合、別個のカプセル化層を省略し得る。いくつかの用途では、LCDディスプレイスタックは可撓性であり得るが、ディスプレイ全体は不撓性であり得る。
【0089】
LCDディスプレイスタックは、カラーフィルタ層(図示せず)を含んでもよい。これはLCカバー層135上に存在してもよく、着色レジスト材料から製造し得る。それは、視差を低減するために、カラーフィルタ層がLC材料の層に近い場合に有用である。
【0090】
適切な技術の詳細は、出願人のウェブサイト及び出願人の先に公開された特許出願に記載されている。
【0091】
単なる例示であるが、LCDディスプレイスタックの総厚は1mm未満、例えば、数百ミクロンであってもよい。基板及びLCカバー層のそれぞれは、例えば、~40-130μmの厚さを有してもよい。カプセル化層のそれぞれは、例えば、~10μmの厚さを有してもよい。光偏光層の各々は、例えば、~50-60μmの厚さを有し得る。
【0092】
図2aは、ディスプレイアセンブリ又はディスプレイ用パネル200を示す。ディスプレイアセンブリ200は、情報を表示するための画素を有するアクティブな、例えば、TFTアドレス可能領域150を有するLCDディスプレイスタック100と、1つ以上のチップオンフィルム(COF)相互接続構造210のセットとを含む。各COF相互接続構造210は、この例では、1つ以上の駆動集積回路212を含み、接続領域214を介してLCDディスプレイスタック100に接続し、使用時には、PTB(プリント配線板)モジュール(図示せず)又はPCB(プリント回路板)モジュール(図示せず)に接続する。
【0093】
より詳細には、複数の実装において、COF相互接続構造210は、(複数の)駆動集積回路212を搭載し、接続領域214を介して可撓性基板120に機械的及び電気的に接続される剛性基板を有してもよい。COF相互接続構造210は、LCDディスプレイスタックがディスプレイを提供する装置のMPWB(モジュールプリント配線板)等のプリント基板上のさらなる電子回路に接続するためのエッジコネクタを有してもよい。
【0094】
駆動集積回路は、行及び/又は列の駆動信号、例えば、ゲート及び/又はソース駆動信号を、直接又はIGD回路を介して間接的にアクティブ領域150に供給する。行/列のライン数は、ディスプレイの解像度によって依存する。例えば、赤、緑、青のサブ画素を持つカラーディスプレイの場合は、>103の程度であってもよい。
【0095】
ディスプレイスタックは、アクティブ領域を囲む非駆動領域220a-220dを有する。典型的には、領域220b、220cにおいて、アクティブ領域150の各側面に、及び領域220dにおいて、底部に、すなわちCOF相互接続構造に向かう接続がある。領域220aのアクティブ領域の頂部では接続は必要なく、これは、例えば、そこでのエッジシールの幅が例えば1mm未満であるような狭い場合がある。アクティブ領域の各側面への接続は、接続線の混雑を生じ得るが、これはIGD回路を使用することによって減少する。
【0096】
ベゼルサイズを小さくするために、ディスプレイスタックを線230a、230b、230cの1つ以上に沿って折り畳んで、非アクティブ/非駆動領域のいくつかを、ビューの外に、例えば、ディスプレイ/バックライトの背面の周りに移動させることができる。どのような及びどこで折り目が形成されるかに応じて、LCDディスプレイスタックは、例えば、アクティブ領域の4つの角部全てのように、2つ以上でネック又はノッチ240を設けられ得る。
【0097】
図2bは、ディスプレイアセンブリ又はパネル250を示しており、ネック/ノッチ240の最も内側の点は、ディスプレイスタックがバックライトの2つの隣接するエッジの周り、すなわち、LCDディスプレイの隣接する側方エッジの周りに折り曲げられ得るように、2つの垂直折り曲げの位置を画定している。これを容易にするために、アクティブ領域150は丸い角部252を有してもよい。複数の実装では、ネック/ノッチ240の最も内側の点は、ディスプレイのアクティブ領域150に隣接する。アクティブ領域150は、湾曲エッジが始まるところで終了してもよく、又はディスプレイの隣接する湾曲エッジの一方又は両方の周囲で継続してもよい。複数の実装では、アクティブ領域150は、バックライトの曲げ半径の少なくとも75度又は90度の周囲を包む。このように、いくつかの実装では、矩形ディスプレイは、ゼロ縁取りディスプレイを達成するために、3つ又は4つの湾曲エッジを備えてもよい。
【0098】
例示された実装では、IDG回路、例えば、1つ以上の駆動集積回路212は、タブ254上の各折り返しエッジに設けられ、ディスプレイ/バックライトの背後に配置されてもよい(
図2bでは、これらのタブは、バックライトの背後から展開して示されている)。複数の実装では、ディスプレイパネル250は、ディスプレイの表面上に透明保護層256を有し、これは、同様のやり方で、ディスプレイのエッジの周りに湾曲してもよい。
【0099】
図3aは、縮小されたベゼルを有する第1のディスプレイ300の断面概略図を示す。
図3aの例では、LCDディスプレイスタック100は、ディスプレイ及びバックライトの背後で曲げられ、屈曲部310の領域で、すなわち、基板が非平面である領域において最小厚さに低減される。したがって、屈曲部310の周囲では、ディスプレイスタックは、基板120のみに縮小され、それが相互接続する。エッジシール125は、基板が平面であるディスプレイの前面に配置される。IGD回路はエッジシールの下に配置され得る。
【0100】
これは製造されているが、実際にはいくつかの問題がある。例えば、製造中に、ディスプレイのエッジで曲げられると、エッジシールが位置312で引き離され得る。また、カプセル化が困難な場合があり、LCカバー層135を曲げない場合、エッジシール125は可視表面上に配置されなければならず、そのため、これはいくらかの非アクティブな縁取りを有するように制約される。
【0101】
図3bは、代替アプローチによる縮小ベゼルを有するディスプレイ350の断面概略図を示す。これは、直観に反して、完全な液晶セル、すなわち、少なくとも基板120、LC材料130、及びLCカバー層135を、屈曲部310の周囲に、すなわち、基板が非平面である場所に維持することによって、前述の問題に対処する。いくつかの実装では、(光偏光層のない)完全なLCDディスプレイスタックが、屈曲部310の周囲に維持される。
【0102】
したがって、屈曲部の領域では、基板120及びLCカバー層135は、大部分がLC材料130によって分離され(間隔を置いてスペーサが存在してもよい)、したがって、互いに通過し得る。また、これは、屈曲部の領域において、相互接続部及び潜在的に他の電気的特徴を有する基板を保護する。
【0103】
複数の実装では、エッジシール125は、液晶セルが終了する場所、例えば、ディスプレイ/バックライトの背後及び/又は基板が再び平面になる場所に配置される。これにより、基板120とLCカバー層135とが屈曲部で互いに通過しやすくなる。エッジシールをここに配置すると、シールへの曲げ力も減少し、シールが引き離される危険性が減少し、製造されたディスプレイの信頼性、堅牢性及び歩留まりが向上する。
【0104】
複数の実装では、バックライト105は、バックライトトレイ352によって支持される。これは、湾曲又は丸みを帯びたエッジ又は端部352aを有し、ディスプレイスタックの内面を屈曲部310の周りに支持して拘束し得る。複数の実装では、ディスプレイスタックの外側表面は、カプセル化、例えば、エポキシによって、及び/又は金属、例えば、アルミニウムケース(図示せず)によって保護し得る。
【0105】
複数の実装では、IDG回路354は、ディスプレイ/バックライトの背後に、及び/又は基板が再び平坦になる場所、例えば、部分的に又は全体的にエッジシール125と重なり合う場所に配置されてもよい。これは、TFT及び任意のビアに対する応力を低減するのに役立つ。
図4に示すように、IDG回路354とディスプレイのアクティブ領域150との間の接続は長くされてもよい。
【0106】
いくつかの実装では、例えば、ディスプレイの画素のための制御回路への電気接続部のいくつかは、必要な電気接続部の数を減らすために多重化されてもよく、それによって、アクティブディスプレイ領域のために縁取りサイズの縮小を容易にする。例えば、ソース駆動信号を伝送するソースラインを多重化し得る。同様にして、例えば、ソース接続のような、LCDディスプレイパネルへの接続を多重化して、必要な接続の数を減らすことができる。
【0107】
ディスプレイスタックは、ディスプレイの背面に、例えば、バックライト105又はバックライトトレイ352に、接着剤層356によって固定されてもよい。また、これは、エッジシール125と部分的又は全体的に重なり合ってもよい。接着剤層は、ディスプレイの後部に沿って十分に遠くまで延びて、ディスプレイスタックを屈曲部の周りに引っ張るのに必要な力に対抗し得る。
【0108】
図示のように、屈曲部は180度の屈曲部であるが、屈曲部は、LCセルへの応力を低減するために、例えば、150度以下の程度の浅い屈曲部であってもよい。
【0109】
図4aは、ディスプレイのアクティブ領域150内の画素360と、ここでは(縁取り125’を有する)エッジシール125の下に位置するIDG回路354との間の接続部362の拡大図を示す。図示されているように、接続は、アクティブ領域150から扇形に広がり、IDG回路に戻って、それによって、それぞれが屈曲部310上に複数の接続を有し、堅牢性と歩留まりを向上させる。個々の接続部の厚さも減少させ得る。さらに又はその代わりに、相互接続部362は、1つ以上の蛇行部を含んでもよい。
【0110】
図4bに、接続構造の例の断面図を示す。これは、酸化及び亀裂に抵抗するためにモリブデン等の金属の保護層362bによって挟まれたアルミニウム等の金属のコンプライアンス層362aを含む。
【0111】
接続部362は、フォトリソグラフィによって製造されてもよい。
【0112】
再び
図3bを参照すると、バックライト105の端部からバックライトトレイ352に光が漏れ出し得る。したがって、複数の実装では、LCDディスプレイスタックは、光が通過するのを遮断するように構成されてもよい。例えば、カラーディスプレイスタックの赤、緑、及び青のフィルタは、黒色領域によって囲まれてもよい。LCDディスプレイスタックは、例えば、屈曲部310の領域において実質的に連続するように黒色領域を拡張することによって、カラーフィルタ層を用いて光を遮断するように構成されてもよい。
【0113】
バックライトは、バックライトの上面の周囲に薄いストリップの遮光接着剤、例えば、テープによってディスプレイスタックに取り付けられてもよい。これは、屈曲部310に隣接するバックライト105のエッジに沿って省略されてもよいが、これは、ディスプレイのエッジにおける明るい光のストリップのような問題を引き起こす可能性がある。したがって、バックライトトレイの丸みを帯びたエッジ352aは、例えば、光吸収(黒色)材料を含むことによって、光を吸収するように構成されてもよい。例えば、バックライトトレイの不透明度は、光ガイドの上の領域で照明レベルを一定に保つのに十分な光を吸収するように、すなわち、例えば、ディスプレイのエッジがディスプレイの中央領域よりも実質的に明るくならないように、明るいストリップを減衰又は除去するように調整し得る。代替的に、吸収ストリップを導波管の端部に適用してもよい。
【0114】
同様に又は代わりに、バックライトトレイ又はその丸みを帯びたエッジは、バックライトの屈折率に屈折率整合されてもよく、及び/又はバックライトトレイ又はその丸みを帯びたエッジとバックライトとの間の接合部は、屈折率整合材料、例えば、接着剤を組み込んでもよい。屈折率は、0.2、0.1又は0.05よりも良好に一致させ得る。
【0115】
複数の実装では、バックライト、より具体的には、バックライトの光ガイド及びバックライトトレイは、一体的に形成されてもよく、実際には、光ガイドは、バックライトトレイとして作用する。また、これは、迷光漏れを低減してもよく、屈曲部の周囲のアクティブディスプレイ領域の拡大を容易にし得る。
【0116】
バックライトトレイとバックライトが一体に形成されているか否かにかかわらず、複数の実装では、バックライトトレイの丸みを帯びたエッジ352aは、光出力を屈曲部全体に均等に分配するように、例えば、マイクロエンボス加工によって形成された物理的なレリーフパターンを有してもよい。これは、屈曲部の上のLCDディスプレイスタックを照らすために、例えば、屈曲部の周囲のアクティブディスプレイ領域を拡張するために使用されてもよく、及び/又は、これは、例えば、上述の明るいストリップを減衰又は除去することによって、アクティブディスプレイ領域のより均一な照明を達成するために使用されてもよい。いくつかの実装において、バックライトディフューザは、丸みを帯びたエッジの周りに部分的に又は全体的に延在し得る。他の実装では、バックライトディフューザは、丸みを帯びたエッジが始まるところで終了してもよい。
【0117】
図5は、ディスプレイの例を示しており、ここでは、屈曲部310の半径が、屈曲部の周囲でアクティブディスプレイ領域からディスプレイの後方に向かって減少し、最終的には鋭く屈曲して、バックライト/トレイによって案内されて、バックライト又はバックライトトレイの後方にそれが取り付けられ得る。
【0118】
図6は、ゼロベゼルディスプレイ用の可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタック600を示す。アクティブ領域150は、矩形のディスプレイ領域602を画定し、4つの折線604a-604dの各々を越えて延在する。実装によっては、LCDディスプレイスタックは、先に説明したように、可撓性基板120上のアクティブ領域を越えて延在してもよい。可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックは、平坦な矩形ディスプレイ領域の各角部にノッチ620を有する。図示の例では、各ノッチは凹状輪郭622を画定する。
【0119】
基板120は、ディスプレイ領域602の第1の側方エッジ上の1つ以上のタブ606の第1の組と、ディスプレイ領域602の第2の直交する側方エッジ上の1つ以上のタブ608の第2の組とを画定する。タブの各々は、タブの横幅が減少するそれぞれのネック領域610を介して可撓性基板120の領域に接続される。タブ606,608は、ネック領域が可撓性基板と接合する場所にノッチ612を有してもよい。これは、特に、ディスプレイが湾曲している場合に、応力緩和に役立つ。
【0120】
複数の実装では、タブ608,610は、IGD回路、例えば、1つ以上の駆動集積回路212等の駆動回路を搭載し得る。これらは、基板上に直接取り付けられてもよく、又はより剛性の相互接続構造(
図6には示されていない)の上に取り付けられてもよく、これは、例えば、エッジコネクタを介して、LCDディスプレイへの外部電気接続を形成するように機能してもよい。
【0121】
図7aは、
図6の可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタック600を含む、平坦な矩形ディスプレイ領域を有するゼロベゼルLCDディスプレイ700を示す。タブ606,608は、バックライト(図示せず)を組み込んだディスプレイの背後に折り曲げられている。挿入図は、LCDディスプレイの角部の詳細を示しており、アクティブ領域がディスプレイの前面からディスプレイの背面に向かってどのように延在するかを示しており、「インフィニティ」ディスプレイの外観を提供するように4つのエッジ全てで繰り返される。
【0122】
図7bは、アクティブ領域150の角部の構成例を示す。これは、ノッチによって画定される凹状輪郭622を示し、図示の例では、可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタックのエッジを画定するさらなる凹状湾曲部624を示す。凸状湾曲部626は、各角部におけるアクティブディスプレイ領域のエッジを画定する。これは、例えば、アクティブマトリクスTFT回路のエッジによって画定されてもよい。このような構成は、後述する種類の湾曲LCDディスプレイにも用いることができる。
【0123】
図8aは、
図3bに示された構造を有するように製造されたディスプレイの例を示す。
図8aは、ディスプレイの1つのエッジを示すが、
図3bの構造は、ディスプレイの2つ以上のエッジ上に再現されてもよい。しかしながら、
図7を参照して説明したように、
図6の可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタック600を使用することによって、アクティブディスプレイ領域がディスプレイの例えば4つのエッジの各々の周りに延在する「ゼロベゼル」ディスプレイを製造し得る。
図8bは、ラップトップに組み込まれた例示として、
図7a及び7bを参照して説明したようなゼロベゼルディスプレイの例を示す。
【0124】
図9aは、
図6の可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタック600を含む、湾曲ディスプレイ領域を有する可撓性LCDディスプレイ900の第1の例を示す。この例では、可撓性LCDディスプレイスタック600は、ディスプレイの第2の側方エッジに平行な軸を中心に湾曲している。タブ606のネック領域610は、この例では、V字形又はU字形の折り目等のコンプライアンス構造611も含み、ディスプレイの湾曲を容易にし、ノッチ612は、コンプライアンス構造が存在する場合には、応力を緩和する。
【0125】
図9bは、
図6の可撓性アクティブマトリクスLCDディスプレイスタック600を含む、湾曲ディスプレイ領域を有する可撓性LCDディスプレイ950の第2の例を示す。この例では、可撓性LCDディスプレイスタック600は、ディスプレイの第1の側方エッジに平行な軸を中心に湾曲している。
【0126】
ディスプレイの対向するエッジはライン952で交わる。複数の実装では、アクティブディスプレイ領域は、前述のように折り曲げられ、2つの対向するエッジの各々の周りに延在する。このようにして、アクティブディスプレイ領域の2つの対向するエッジは、線952に沿って当接して、実質的にシームレスなディスプレイを形成し得る。各々が対応するネック領域610を有する複数のタブ608の使用は、各々がコンプライアンス構造611を含む例では、円筒形ディスプレイのための十分な曲げ半径を達成することを容易にする。
【0127】
ネック領域610は、外部電気接続からディスプレイへの相互接続部を担持する。タブ上に駆動回路を取り付けることにより、各ネック領域が担持する接続の数が減少する。タブ上の駆動回路への外部電気接続は、任意の好都合なやり方で行うことができる。例えば、曲げ半径及び接続数に応じて、各タブは、円筒形LCDディスプレイの一端の中央に配置され得る共通のプリント回路基板にエッジコネクタを直接又は間接的に取り付けることができる。
【0128】
図9cは、
図9bのものと同様の可撓性LCDディスプレイ950を示しており、ここでは、ドライバ回路は、それ自体がタブ606上に取り付けられ、かつ各々がそれぞれのエッジコネクタを担持し得る、より剛性の相互接続構造210上に取り付けられる。
【0129】
図9b及び
図9cの構成は、例えば、スマートスピーカのディスプレイに使用されてもよい。
【0130】
一般に、本明細書に記載されているゼロベゼル及び湾曲LCDディスプレイは、例えば、任意の消費者電子装置、又は自動車等の陸路、海路若しくは空路の車両、又は任意の種類の装置において使用され得る。
【0131】
当然ながら、当業者には、他にも多くの効果的な選択肢があるであろう。本発明は、記載された実施形態に限定されず、本明細書に添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にある当業者に明らかな修正を包含することが理解されるであろう。
【国際調査報告】