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特表2022-534672改質粘土吸着剤、およびそれを使用してPFASを吸着する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(54)【発明の名称】改質粘土吸着剤、およびそれを使用してPFASを吸着する方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 20/12 20060101AFI20220727BHJP
   C02F 1/28 20060101ALI20220727BHJP
   B09C 1/08 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
B01J20/12 A
B01J20/12 B
C02F1/28 L
B09C1/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565921
(86)(22)【出願日】2020-05-22
(85)【翻訳文提出日】2021-11-05
(86)【国際出願番号】 US2020034219
(87)【国際公開番号】W WO2020237153
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】62/851,431
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502159859
【氏名又は名称】スペシャルティ ミネラルズ (ミシガン) インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】100105360
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 光治
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 学
(72)【発明者】
【氏名】ドノヴァン,マイケル
【テーマコード(参考)】
4D004
4D624
4G066
【Fターム(参考)】
4D004AA41
4D004AB05
4D004AC07
4D004CA15
4D004CA34
4D004CB21
4D004CC15
4D004DA10
4D624AA01
4D624AA04
4D624AB11
4D624BA06
4D624BB01
4D624BB03
4D624BC01
4D624BC04
4D624CA01
4G066AA63B
4G066AA64B
4G066AB09D
4G066AB10D
4G066AB12D
4G066BA02
4G066BA09
4G066BA20
4G066BA42
4G066CA32
4G066CA33
4G066DA07
4G066DA08
4G066DA20
(57)【要約】
汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法は、改質粘土吸着剤を環境と混和することを含み得る。改質粘土は、モノ四級アミン化合物とジ四級アミン化合物とのブレンドを層間挿入された粘土を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染環境からPFAS化合物を吸着するための改質粘土吸着剤であって、
1つ以上のジ四級アミン化合物および1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含み、
前記1つ以上のジ四級アミン化合物が、前記改質粘土吸着剤中に存在する四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約95モル%のモルパーセントで存在する、改質粘土吸着剤。
【請求項2】
前記粘土が、前記粘土の総カチオン交換容量の少なくとも50%まで、前記1つ以上のジ四級アミン化合物および1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入される、請求項1に記載の改質粘土吸着剤。
【請求項3】
汚染環境からPFAS化合物を吸着するための改質粘土吸着剤であって、
前記1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第1の改質粘土と、
前記1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第2の改質粘土と、を含み、
第2の改質粘土が、前記1つ以上のジ四級アミン化合物が前記改質粘土吸着剤中に存在する四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在するような量で前記改質粘土吸着剤中に存在する、改質粘土吸着剤。
【請求項4】
前記第1の改質粘土および前記第2の改質粘土が、各々、それぞれ前記第1または第2の改質粘土の前記カチオン交換容量の少なくとも約50%まで、それぞれ前記1つ以上のモノ四級アミン化合物およびジ四級アミン化合物を層間挿入される、請求項3に記載の改質粘土吸着剤。
【請求項5】
前記1つ以上のジ四級アミン化合物が、18個以上の炭素を有する、先行請求項のいずれか一項に記載の改質粘土吸着剤。
【請求項6】
前記1つ以上のジ四級アミン化合物が、塩化デカリニウムおよび式Iの化合物のうちの1つ以上であり、
【化1】
式中、Xが、塩化物であり、Rが、1~13個の炭素を有する脂肪族ラジカルであり、R、R、R、R、R、およびRが、独立して、脂肪族ラジカルおよび芳香族ラジカルから選択され、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、8個以上の炭素を有する脂肪族ラジカルまたは芳香族ラジカルである、請求項5に記載の改質粘土吸着剤。
【請求項7】
前記式Iの化合物が、ペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩である、請求項6に記載の改質粘土吸着剤。
【請求項8】
前記1つ以上のジ四級アミン化合物が、前記改質粘土吸着剤中の四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約50モル%の量で存在する、先行請求項のいずれか一項に記載の改質粘土吸着剤。
【請求項9】
前記粘土が、アタパルジャイト、ベントナイト、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サッポナイト(sapponite)、ソーコナイト、ソボカイト、スチーブンサイト、スビンフォルダイト、バーミキュライト、パリゴルスカイト、カロナイト(kalonite)、およびセピオライトのうちの1つ以上である、先行請求項のいずれか一項に記載の改質粘土吸着剤。
【請求項10】
前記改質粘土吸着剤が、マット中に存在する、先行請求項のいずれか一項に記載の改質粘土吸着剤。
【請求項11】
前記単官能性四級アミンが、ジメチルジ(C14~C18アルキル)塩化アンモニウムのうちの1つ以上である、先行請求項のいずれか一項に記載の改質粘土吸着剤。
【請求項12】
先行請求項のいずれか一項に記載の改質粘土吸着剤と、PFAS化合物の吸着のために汚染環境に前記粘土吸着剤を添加するための取扱説明書と、を含む、キット。
【請求項13】
キットであって、
前記第1および第2の改質粘土が、別個の成分として存在する、請求項3に記載の改質粘土吸着剤と、
前記第1の改質粘土および前記第2の改質粘土を汚染環境に個々に添加して、前記1つ以上のジ四級アミン化合物が前記汚染環境に添加された四級アミン化合物の総モル数に基づいて、25モル%~約95モル%の量で存在するような量で前記改質粘土吸着剤を形成するための取扱説明書と、を含む、キット。
【請求項14】
前記第1および第2の改質粘土が、前記1つ以上のジ四級アミン化合物が前記汚染環境に添加された四級化合物アミンの総モル数に基づいて、25モル%~約50モル%の量で存在するような量で添加される、請求項13に記載のキット。
【請求項15】
前記第1および第2の改質粘土が、実質的に同時に添加される、請求項13または14に記載のキット。
【請求項16】
前記第1および第2の改質粘土が、逐次的に添加される、請求項13または14に記載のキット。
【請求項17】
汚染汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法であって、
改質粘土吸着剤を前記汚染環境と混和することを含み、前記改質粘土吸着剤が、1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含み、前記ジ四級アミン化合物が、塩化デカリニウムおよび/または式Iの化合物であり、
【化2】
式中、Xが、塩化物であり、Rが、1~13個の炭素を有する脂肪族ラジカルであり、R、R、R、R、R、およびRが、独立して、脂肪族ラジカルおよび芳香族ラジカルから選択され、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、8個以上の炭素を有する脂肪族ラジカルまたは芳香族ラジカルである、方法。
【請求項18】
前記改質粘土吸着剤が、式(I)の化合物で改質される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記式Iの化合物が、ペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記改質粘土吸着剤が、塩化デカリニウムで改質されたベントナイトである、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記改質粘土吸着剤が、塩化デカリニウムおよび前記式Iの化合物の両方で改質される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記式Iの化合物が、ペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記式Iの化合物では、R、R、R、R、およびRが、各々、メチルであり、Rが、脂肪族獣脂ラジカルである、請求項17~19、21および22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上のジ四級アミン化合物が、前記改質粘土吸着剤中に存在する唯一の官能性四級アミン化合物である、請求項17または18に記載の方法。
【請求項25】
汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法であって、
改質粘土吸着剤を前記汚染環境と混和することを含み、前記改質粘土吸着剤が、1つ以上のモノ四級アミン化合物および1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含み、前記1つ以上のジ四級アミン化合物が、前記改質粘土吸着剤中の前記四級アミン化合物の総モルパーセントに基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在する、方法。
【請求項26】
前記粘土が、前記粘土の総カチオン交換容量の少なくとも50%まで、前記1つ以上のジ四級アミン化合物および1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法であって、
改質粘土吸着剤を前記汚染環境と混和することを含み、前記改質粘土吸着剤が、1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第1の改質粘土と、1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第2の改質粘土と、を含み、前記第1の改質粘土の量と前記第2の改質粘土の量の比が、前記1つ以上のジ四級アミン化合物が前記汚染環境と混和された前記四級アミン化合物の総モルパーセントに基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在するように選択される、方法。
【請求項28】
前記第1の改質粘土および前記第2の改質粘土の各々が、少なくとも50%の前記粘土のカチオン交換容量まで層間挿入される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1および第2の改質粘土が、前記1つ以上のジ四級アミン化合物が前記改質粘土吸着剤ブレンド中の前記四級アミン化合物の総モルパーセントに基づいて、約20モル%~約50モル%の量で存在するように、前記改質粘土吸着剤中で予めブレンドされ、前記第1および第2の改質粘土が、単一の組成物として前記汚染環境と混和される、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
前記改質粘土吸着剤を前記汚染環境と混和することが、前記第1の改質粘土および前記第2の改質粘土を、前記1つ以上のジ四級アミン化合物が前記汚染環境と混和された前記四級アミン化合物の総モルパーセントに基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在するような量で前記汚染環境に別個に添加することを含む、請求項27または28に記載の方法。
【請求項31】
前記第1および第2の改質粘土が、同時に添加される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1および第2の改質粘土が、逐次的に添加される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記1つ以上のジ四級アミン化合物が、少なくとも18個の炭素を含む、請求項25~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記1つ以上のジ四級アミン化合物が、塩化デカリニウムおよび式Iの化合物のうちの1つ以上であり、
【化3】
式中、Xが、塩化物であり、Rが、1~13個の炭素を有する脂肪族ラジカルであり、R、R、R、R、R、およびRが、独立して、脂肪族ラジカルおよび芳香族ラジカルから選択され、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、8個以上の炭素を有する脂肪族ラジカルまたは芳香族ラジカルである、請求項25~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
1つ以上のジ四級アミン化合物が、前記式Iの化合物を含み、前記式Iの化合物が、獣脂ペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩である、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記1つ以上のジ四級アミン化合物が、前記改質粘土吸着剤中の四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約50モル%の量で存在する、請求項25~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記粘土が、アタパルジャイト、ベントナイト、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サッポナイト(sapponite)、ソーコナイト、ソボカイト、スチーブンサイト、スビンフォルダイト、バーミキュライト、パリゴルスカイト、カロナイト(kalonite)、およびセピオライトのうちの1つ以上である、請求項17~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記吸着剤が、改質粘土吸着剤1グラム当たり少なくとも0.2ミリグラムのPFAS化合物を吸収することが可能である、請求項17~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記汚染環境が、汚染土壌であり、前記方法が、前記改質粘土吸着剤が前記混合物中の前記改質粘土吸着剤の約0.5重量%を超える量で存在するように、前記汚染土壌と前記改質粘土吸着剤とを混合することを含む、請求項17~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記汚染環境が、汚染廃水流であり、前記方法が、前記汚染水が少なくとも約1分の前記汚染水と床との接触時間を維持するような流速で前記改質粘土吸着剤の前記床を通過することによって、前記改質粘土吸着剤と前記汚染水流とを混和することを含む、請求項17~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記改質粘土吸着剤が、予め包装された透過性マットまたは蛇籠の形態である、請求項17~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
顆粒状または粉末状の前記改質粘土吸着剤が、前記改質粘土が透過性反応性バリア層を形成するように、水域の中に形成する、請求項17~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
タンク内で前記改質粘土と汚染水とを混合することによる、汚染水流からのPFAS化合物の処理を含む、請求項17~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記改質粘土の懸濁液を汚染土壌およびまたは汚染地下水プルームに注入することによる、汚染水流からのPFAS化合物の処理を含む、請求項17~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記汚染環境が、廃水である、請求項17~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記汚染環境が、地下水である、請求項17~43のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、PFAS化合物を吸着する方法、および特に、1つ以上の二官能性四級アミン化合物で改質された粘土を使用してPFAS化合物を吸着する方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年5月22日に出願された米国仮特許出願第62/851,431号の優先権の利益を主張し、この開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
パーフルオロ化化合物(PFC)は幅広い用途を有し、結果として、水環境の汚染において世界的な懸念材料となっている。パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質(従来、総称してPFASとも称される)は、PFOA、PFOS、GenX、および他の多くの化学物質を含む人工化学物質の群である。PFASは、1940年代以降、米国内を含む様々な産業で製造および使用されてきた。パーフルオロオクタンスルホネート(PFOS)は典型的なPFCのうちの1つであり、界面活性剤、難燃剤、潤滑剤、およびポリマー添加剤として多くの産業で使用されている。パーフルオロオクタン酸(PFOA)およびPFOSは、これらの化学物質の中で最も広範囲に生成され、研究されてきた。PFCは、時間の経過とともに人間の体内に蓄積する場合があり、多くは自然に崩壊しない。PFAS曝露は、人間の健康に有害であることが実証されている。廃水源からのPFCの除去は、自然の水路の汚染を阻止するのに重要である。PFCは一般に非常に安定しているため、生物学的劣化、酸化、および還元を含むいくつかの従来の技術を使用して周囲環境中で分解することは困難である。吸着は、活性炭、樹脂、およびバイオ吸着剤を含む従来の吸着剤で、廃水、土壌、および他の汚染源からPFCを効果的に除去するための代替方法として使用されてきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2011/069189号
【特許文献2】国際公開第2010/065996号
【特許文献3】欧州特許出願公開第0474386号
【特許文献4】米国特許第6262162号
【発明の概要】
【0005】
土壌、廃水、および他の汚染源からPFAS化合物を吸着する改善された方法が必要とされている。
【0006】
本開示による改質粘土吸着剤は、1つ以上のジ四級アミン化合物および1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含むことができ、1つ以上のジ四級アミン化合物が、改質粘土吸着剤中に存在する四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約95モル%のモルパーセントで存在する。
【0007】
本開示による改質粘土吸着剤は、1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第1の改質粘土と、1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第2の改質粘土と、を含み得る。第2の改質粘土は、1つ以上のジ四級アミン化合物が改質粘土吸着剤中に存在する四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在するような量で改質粘土吸着剤中に存在する。
【0008】
本開示による汚染サンプルまたは汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法は、改質粘土吸着剤をサンプルまたは環境と混和することを含むことができ、改質粘土吸着剤が、1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含むことができ、ジ四級アミン化合物が、塩化デカリニウムおよび/または式Iの化合物であり、
【化1】
【0009】
式中、Xが、塩化物であり、Rが、1~13個の炭素を有する脂肪族ラジカルであり、R、R、R、R、R、およびRが、独立して、脂肪族ラジカルおよび芳香族ラジカルから選択され、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、8個以上の炭素を有する脂肪族ラジカルまたは芳香族ラジカルである。
【0010】
本開示による汚染サンプルまたは汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法は、改質粘土吸着剤をサンプルと混和することを含むことができ、改質粘土吸着剤が、1つ以上のモノ四級アミン化合物および1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含み、1つ以上のジ四級アミン化合物が、改質粘土吸着剤中の四級アミン化合物の総モルパーセントに基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在する。
【0011】
汚染サンプルまたは汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法は、改質粘土吸着剤をサンプルまたは環境と混和することを含むことができ、改質粘土吸着剤が、1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第1の改質粘土と、1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第2の改質粘土と、を含み、第1の改質粘土の量と第2の改質粘土の量の比が、1つ以上のジ四級アミン化合物がサンプルまたは環境と混和された四級アミン化合物の総モルパーセントに基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在するように選択される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示による化合物、および比較化合物による、地下水からのPFAS除去率を示すグラフである。
図2】実際の地下水サンプル中で試験したときの、本開示による化合物からのPFASの吸収等温線を示すグラフである。
図3】実際の地下水サンプル中で試験したときの、長鎖PFASの吸着を示すPFAS吸着性能のモデルの等高線図である。
図4】実際の地下水サンプル中で試験したときの、現在一般的な規制PFASの吸着を示すPFAS吸着性能のモデルの等高線図である。
図5】実際の地下水サンプル中で試験したときの、PFAS除去率として表した総PFAS、長鎖PFAS、および短鎖PFASを含むPFAS吸着を示すグラフである。
図6】実験室内で調製されたPFAS水中で試験したときの、PFAS除去の割合として表したカルボキシル化PFASおよびスルホン化PFASの吸着を比較する、比較PFAS吸着を示すグラフである。
図7】実験室内で調製されたPFAS水中で試験したときの、PFAS除去の割合として表した選択されたカルボキシル化PFASおよびスルホン化PFASの吸着を比較する、比較PFAS吸着を示すグラフである。
図8】実験室内で調製されたPFAS水中で試験したときの、本開示による化合物からのPFASの吸収等温線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
PFAS化合物を吸着するための改質粘土吸着剤が本明細書に開示される。実施形態によれば、改質粘土吸着剤は、1つ以上のモノ四級アミン化合物と1つ以上のジ四級アミン化合物とのブレンドで改質された粘土成分を含む。実施形態では、改質粘土吸着剤は、1つ以上のジ四級アミン化合物で改質することができる。実施形態では、汚染サンプルまたは汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法は、サンプルまたは環境を1つ以上の改質粘土吸着剤に接触させるか、または別の方法で曝露することを含み得る。そのような実施形態では、改質粘土吸着剤は、ジ四級アミン化合物で、またはモノ四級アミン化合物とジ四級アミン化合物とのブレンドで改質することができる。本明細書の実施形態のいずれにおいても、粘土は、2つ以上のモノ四級アミン化合物および/または2つ以上のジ四級アミン化合物で改質することができる。本開示による改質粘土吸着剤、およびPFAS化合物を吸着する方法が、改善されたPFAS吸着剤の容量および/または効率を有し得ることが有利に見出されている。さらに、本開示の改質粘土吸着剤は、油などの共汚染物質の存在下でPFASを効果的に吸着することができる。
【0014】
本開示の実施形態による改質粘土吸着剤は、粘土を1つ以上の四級アミン化合物、または四級アミン化合物のブレンドと反応させることによって作製することができる。この反応は、粘土に1つ以上の四級アミン化合物を層間挿入する条件下で行われる。実施形態によれば、改質粘土吸着剤は、1つ以上のモノ四級アミン化合物および1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含み得る。実施形態では、改質粘土吸着剤は、1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含み得る。実施形態によれば、改質粘土吸着剤ブレンドは、1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された第1の粘土と、1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された第2の粘土とのブレンドを含み得る。
【0015】
四級アミン化合物を層間挿入する粘土の改質は、湿式加工方法および乾式の押出系方法を含む、当技術分野において任意の既知の方法に従って行うことができる。実施形態では、反応は、粘土中の交換可能なカチオン当たり、およそ1分子のクワットを混合することを含み得る。例えば、四級アミン化合物または化合物ブレンドを水と混合し、次いで粘土を混合物に添加して、粘土を多官能性四級アミン化合物と反応させることができる。次いで、混合物を乾燥させ、使用するために顆粒または粉末に粉砕することができる。
【0016】
本開示の吸着剤は、汚染物質の改質粘土吸着剤への吸着を介して、汚染物質を結合、固定化、または別の方法で結び付けることができる薬剤として理解されるべきである。本明細書で言及されるとき、「吸着」は、吸着剤の表面への汚染物質の吸収、および/または吸着剤のすべてもしくは一部への汚染物質の吸収を含むと理解されるべきである。
【0017】
本明細書に開示される実施形態のいずれにおいても、粘土は、スメクタイト粘土鉱物、例えば、モンモリロナイト、特にナトリウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト、および/またはカルシウムモンモリロナイト;アタパルジャイト、熱処理されたアタパルジャイト、ノントロナイト;バイデライト;ボルコンスコイト;ヘクトライト;サポナイト;ソーコナイト;ソボカイト;スチーブンサイト;スビンフォルダイト;バーミキュライト;パリゴルスカイト;カオリナイト;セピオライトなどのようなフィロケイ酸塩であり得る。他の有用な層状材料としては、イライト、クリントナイト、マスコバイト、バイオタイトなどのような雲母鉱物、およびレクトライト、タロソバイト、レディカイトなどの混合層状イライト/スメクタイト鉱物、ならびにイライトと上記で指名された粘土鉱物との混和物が挙げられる。
【0018】
実施形態では、膨潤性層状材料は、層上に式単位当たり約0.15~約0.9の電荷の範囲の負電荷と、層間空間内に同等数の交換可能な金属カチオンと、を有する、2:1タイプのフィロケイ酸塩である。最も好ましい層状材料は、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サポナイト、ソーコナイト、ソボカイト、スチーブンサイト、およびスビンフォルダイトなどのスメクタイト粘土鉱物である。
【0019】
モノ四級とジ四級とのブレンドを有する改質粘土吸着剤、および改質粘土吸着剤ブレンド
実施形態では、改質粘土吸着剤は、1つ以上のモノ四級アミン化合物とますます多くのジ四級アミン化合物とのブレンドを層間挿入された粘土を含む。改質粘土吸着剤はまた、または代替的に、1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を有する第1の改質粘土と、1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を有する第2の改質粘土と、を有するように提供され得る。第1および第2の改質粘土を有する改質粘土吸着剤は、単一のブレンド組成物として、または汚染源に添加されるような別個の成分として提供され得る。汚染源はまた、本明細書では、汚染サンプルおよび汚染環境とも交換可能に称される。本明細書では、第1および第2の改質粘土を有する改質粘土吸着剤は、1つ以上のモノ四級アミン化合物と1つ以上のジ四級アミン化合物とのブレンドを層間挿入されたさらなる粘土を含み得ることがさらに企図される。本開示による改質粘土吸着剤は、例えば、異なるモノ四級アミン化合物とジ四級アミン化合物との比で、モノ四級アミン化合物とジ四級アミン化合物とのブレンドを層間挿入された多数の粘土成分を含む、任意の好適な数の改質粘土成分を含み得る。さらに、本開示を伴う改質粘土吸着剤は、未改質粘土を含み得る。本開示の改質粘土吸着剤には、PFAS除去のために汚染源に単一添加するための予めブレンドされた成分のすべてまたはいくらかが提供され得る。代替的に、これらの成分のうちの1つ以上は、汚染源に別個に添加するために提供され得る。実施形態では、改質粘土吸着剤は、単一成分ブレンド、四級アミン化合物のブレンドで改質された単一粘土成分、または別個の成分であるかどうかにかかわらず、1つ以上のジ四級アミン化合物および1つ以上のモノ四級アミン化合物からなり得る。つまり、吸着剤は、二官能性四級アミン化合物および単官能性四級アミン化合物のみを含み得る。
【0020】
改質粘土吸着剤中の四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約95モル%のジ四級アミン化合物を含めると、PFAS化合物の除去、ならびに特に長鎖PFAS化合物、短鎖PFAS化合物、および現在一般的な規制PFAS化合物の除去を大幅に改善することが有利に見出されている。改質粘土吸着剤が別個の成分として提供される実施形態では、これらの成分は、ジ四級アミン化合物の量が汚染サンプルまたは汚染環境に添加された四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約95モル%であるように、汚染サンプルまたは汚染環境に添加される。本明細書で使用されるとき、「長鎖PFAS化合物」は、6個以上の炭素を有するPFAS化合物を指す。本明細書で使用されるとき、「短鎖PFAS化合物」は、6個未満の炭素を有するPFAS化合物を指す。本明細書で使用されるとき、「規制PFAS化合物」としては、パーフルオロノナン酸(PFNA)、パーフルオロオクタン酸(PFOA)、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、パーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)、およびパーフルオロヘプタン酸(PFHpA)が挙げられる。
【0021】
実施形態では、改質粘土吸着剤は、約25モル%~約95モル%、約30モル%~約70モル%、約25モル%~約50モル%、約30モル%~約50モル%、約25モル%~約40モル%、約25モル%~約30モル%の吸着剤中の四級アミン化合物の総量に基づくモル量で1つ以上のジ四級アミン化合物を含む。ジ四級アミン化合物の他の好適な量としては、約25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、および95モル%が挙げられる。吸着剤からの抽出物の存在が不利である用途では、ジ四級アミン化合物の量を約50モル%の上限に制限することが有用であり得る。
【0022】
本開示の改質粘土吸着剤または改質粘土吸着剤ブレンドは、高いPFAS除去の能力および効率を有することが有利に見出された。PFAS除去の能力および効率におけるこの改善により、モノ四級アミン化合物を使用する従来の粘土吸着剤と比較して、汚染源から同じまたは実質的に同じ割合のPFASを除去するために利用される吸着剤を少なくすることが可能であり得る。さらに、改善された除去効率は、本開示の改質粘土吸着剤および改質粘土吸着剤ブレンドを通してポンプ輸送される材料の高流速を可能にし、全体的なプラント効率を改善することができる。
【0023】
理論に束縛されることを意図するものではないが、モノ四級アミン化合物とジ四級アミン化合物との組み合わせは、吸着剤材料の内部にPFASがより良好にアクセスすることを可能にし得る粘土プレートレット間に静電力を導入すると考えられる。これにより、四級アミン化合物、および特にモノ四級アミン化合物によって提供される疎水性とともに、吸着剤の容量および効率の両方における改善が得られると考えられる。さらに、モノ四級アミン化合物よりも親水性であるジ四級アミン化合物を含めると、吸着剤のより多くの親水性成分に引き付けられ得る短鎖PFAS分子の吸着を改善することができると考えられる。したがって、本明細書に開示するように、モノ四級アミン化合物およびジ四級アミン化合物の量のバランスをとることにより、総アニオン性PFAS分子の吸着の改善を提供することができる。約25モル%を下回るレベルでは、ジ四級アミン化合物によって提供された引き付ける静電的寄与は、利点を示すのに十分なほど強力ではない。50モル%上回るレベルでは、モノ四級アミン化合物およびジ四級アミン化合物の両方を有する改質粘土吸着剤の抽出物の量が増加し、これがいくつかの除去用途では望ましくない場合がある。抽出物が懸念材料にならない実施形態では、95モル%のジ四級アミン化合物の上限を使用することができる。さらに、理論に束縛されることを意図するものではないが、95%モルパーセントを上回るジ四級アミン化合物の量は、粘土表面の疎水性の低下をもたらす場合があり、これがPFAS分子の吸着のための疎水性引力を低下させると考えられる。また、より高分子量でより長鎖のモノ四級アミン化合物を含めると、モノ四級アミン化合物によって立体障害が付与されるため、粘土プレートレット間の架橋する傾向が低減する場合がある。
【0024】
さらに、粘土のカチオン交換容量の少なくとも約50%まで、粘土に四級アミン化合物を層間挿入することが有利であることが見出されている。例えば、粘土は、粘土のCECの約50%~約120%、約80%~約100%、約60%~約90%、または約75%~約115%まで層間挿入することができる。他の好適な値としては、約50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82 84、86、88、90、92、94、96、98、100、102、104、106、108、110、112、114、116、118、および120%のCECが挙げられる。改質粘土吸着剤が、モノ四級化合物を層間挿入された第1の粘土、および1つ以上のジ四級化合物を層間挿入された第2の粘土を含む実施形態では、第1および第2の粘土は、同じまたは異なるCECまで挿入され得る。
【0025】
図3および4は、実施例3において下記で詳細に説明する、シェーカー試験に基づく分散分析(ANOVA)モデルの等高線グラフである。図3は、長鎖PFAS分子の吸着の等高線プロットである。モデルは、0.9469のR値および調節されたR 0.9204を有し、これは、モデルがデータへの良好な適合を表していることを実証している。図4は、短鎖および長鎖の両方のPFASを含む、規制PFAS分子の吸着の等高線プロットである。モデルは、0.8892のR値および調節されたR 0.8337を有し、これは、モデルがデータへの良好な適合を表していることを実証している。これらの図は、25~95モル%のジ四級アミン化合物を有する改質吸着剤およびブレンドについての吸着における有益な改善を示す。モデルによって示すように、本発明者らは、性能と、吸着剤中の四級アミン化合物の総量に基づいて存在するジ四級アミン化合物の量との間に有意な相互作用を見出し、これらは、以前は知られておらず、当技術分野において予想外であった。
【0026】
実施形態では、ジ四級アミン化合物は、少なくとも18個の炭素を有するジ四級アミン化合物であり得る。小さい頭部基および疎水性を有するジ四級アミン化合物は、改質粘土吸着剤中のモノ四級アミン化合物とうまく組み合わされて機能して、改質粘土吸着剤の除去効率および除去容量を大幅に増加することが有利に見出されている。
【0027】
例えば、改質粘土吸着剤は、ジ四級アミン化合物またはそれらのうちの1つとして塩化デカリニウム(本明細書ではQ1と称される)を含み得る。
【化2】
【0028】
例えば、改質粘土吸着剤は、ジ四級アミン化合物またはそれらのうちの1つとして式(I)の化合物を含むことができる。
【化3】
【0029】
式中、Xが、塩化物であり、Rが、1~13個の炭素を有する脂肪族ラジカルであり、R、R、R、R、R、およびRが、独立して、脂肪族ラジカルおよび芳香族ラジカルから選択され、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、8個以上の炭素を有する脂肪族ラジカルまたは芳香族ラジカルである。任意に、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つは、脂肪族獣脂ラジカルであり得る。例えば、R、R、R、R、およびRの各々は、方法であり得、Rは、脂肪族獣脂ラジカルであり得る。
【0030】
例えば、ジ四級アミン化合物は、式(II)の化合物(本明細書ではQ4と称される)であり得る。
【化4】
【0031】
例えば、式Iの化合物は、獣脂ジアミンペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩(57%)であり得る。
【0032】
他の好適なジ四級アミン化合物としては、1,3-プロパンジアミニウム、N1,N3-ジドデシル-2-ヒドロキシ-N1,N1,N3,N3-テトラメチル-、塩化物(1:2)、4-アザ-1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン、1,1’-(1,10-デカンジイル)ビス-、臭化物(1:2)、ポリ[(ジメチルイミニオ)-2-ブテン-1,4-ジイルクロリド(1:1)]、α-[4-[トリス(2-ヒドロキシエチル)アンモニオ]-2-ブテン-1-イル]-ω-[トリス(2-ヒドロキシエチル)アンモニオ]-、塩化物(1:2)、ホウ素、テトラヒドロ[μ-(N1,N1,N2,N2-テトラメチル-1,2-エタンジアミン-κN1:κN2)]ビス[(1R、2S、3R、5R)-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト-3-イル]ジ-;ホウ素、テトラヒドロ[μ-(N1,N1,N2,N2-テトラメチル-1,2-エタンジアミン-κN1:κN2)]ビス[rel-(1R,2S,3R,5R)-2,6,6-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプト-3-イル]ジ-;ポリ[(ジメチルイミニオ)-1,3-プロパンジイル(ジメチルイミニオ)-1,6-ヘキサンジイルブロミド(1:2)];1-アゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン、1,1’-(1,6-ヘキサンジイル)ビス[3-(フェニルメチル)-、ジクロリド(9Cl);ポリ[オキシ-1,2-エタンジイル(ジメチルイミニオ)-1,2-エタンジイル(ジメチルイミニオ)-1,2-エタンジイルクロリド(1:2)];1,2-エタンジアミニウム、N1-[2-[ジメチル[2-(オクタデシルオキシ)-2-オキソエチル]アンモニオ]エチル]-N1,N2,N2-トリメチル-N1、N2-ビス[2-(オクタデシルオキシ)-2-オキソエチル]-、塩化物(1:3);1,3-プロパンジアミニウム、N1,N1,N1,N3,N3-ペンタメチル-N3-(9Z)-9-オクタデセン-1-イル-、塩化物(1:2);1,12-ドデカンジアミニウム、N1,N1,N12,N12-テトラメチル-N1,N12-ジオクチル-、臭化物(1:2);1,3-プロパンジアミニウム、N1-[3-[ビス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニオ]プロピル]-N1-[3-(ドデシルオキシ)-2-ヒドロキシプロピル]-N1、N3-ビス(2-ヒドロキシエチル)-N1,N3-ジメチル-、硫酸メチル(1:3);1,3-プロパンジアミニウム、N-[2-[(12-ヒドロキシ-1-オキソ-9-オクタデセニル)アミノ]エチル]-N,N,N’,N’,N’-ペンタメチル-、二塩化物、[R-(E)]-(9CI);1,12-ドデカンジアミニウム、N1,N1,N12,N12-テトラメチル-N1,N12-ビス(フェニルメチル)-、塩化物(1:2);1,12-ドデカンジアミニウム、N1,N12-ジエチル-N1,N1,N12,N12-テトラメチル-、臭化物(1:2);1,12-ドデカンジアミニウム、N1,N12-ジエチル-N1,N1,N12,N12-テトラメチル-、塩化物(1:2);イソプロパノール中の50%溶液としての獣脂ジアミン獣脂ペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩(Duoquad T50、Akzoによって製造);アミン、N-獣脂アルキルトリメチレンジアミン、エトキシル化;ドデシル/テトラデシルオキシプロピル-1,3-ジアミノプロパンのうちの1つ以上が挙げられ得る。
【0033】
実施形態によれば、モノ四級アミン化合物は、少なくとも8個の炭素を有するモノ四級アミン化合物であり得る。例えば、モノ四級アミン化合物は、少なくとも8個の炭素を有するアルキルラジカルを有する長鎖アルキルアンモニウム化合物であり得る。実施形態では、モノ四級アミンは、少なくとも14個の炭素を有し得る。任意のそのような既知のモノ四級化合物を使用することができる。例えば、好適なモノ四級アミン化合物は、米国特許出願公開第2004/00185109号に開示されており、この関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。例えば、モノ四級アミン化合物は、12~22個の炭素原子を有する少なくとも1つの直鎖または分岐鎖、飽和または不飽和アルキル基を含有するアンモニウムカチオンであり得る。残りの基は、(a)1~22個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル基、(b)構造のアルキル部分内に直鎖または分岐鎖の1~22個の炭素原子を有する縮合環部分を含むベンジルおよび置換ベンジル部分であるアラルキル基、(c)縮合環芳香族置換基を含むベンジルおよび置換ベンジルなどのアリール基、(d)サイズ以下の炭素を有するβ、γ-不飽和基、または2~6個の炭素原子を有するヒドロアルキル基、および(e)水素から選ぶことができる。
【0034】
粘土中の層間挿入に好適なモノ四級アミンは、当技術分野において一般に既知である。オニウムイオンは、一般に以下の式で表すことができる。
【化5】
【0035】
粘土を処理するための好ましいモノ四級アミン化合物剤は、1つ以上のオニウム塩化合物であり、一般に以下の式で表すことができ、
【化6】
式中、Q=N、P、S、
式中、A=ハロゲン化物、酢酸塩、メチル硫酸塩、水酸化物、好ましくは塩化物、
式中、R、R、R、およびRは、独立して、有機部分もしくはオリゴマー部分、または水素である。好適な化合物を開示した米国特許第6,376,591号、および関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。有用な有機部分の例としては、限定されないが、1~約24個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキル、ベンジル、アリール、またはアラルキル部分が挙げられる。
【0036】
好適なモン四級アミン化合物としては、例えば、ビス(水素化獣脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(Arquad(登録商標)2HT)、ベンジルビス(水素化獣脂アルキル)メチルアンモニウムクロリド(Arquad(登録商標)M2HTB)、ジ(エチル獣脂アルキレート)ジメチルアンモニウムクロリド(Arquad(登録商標)DE-T)、ベンジル(水素化獣脂アルキル)ジメチルアンモニウムクロリド(Arquad(登録商標)DMHTB)、トリヘキサデシルメチルアンモニウムクロリド(Arquad(登録商標)316)、獣脂アルキルトリメチルアンモニウムクロリド(Arquad(登録商標)T-27WおよびArquad(登録商標)T-50)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Arquad(登録商標)16-29WおよびArquad(登録商標)16-50)、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Arquad(登録商標)18-50(m))、およびジメチル水素化獣脂-2-エチルヘキシルアンモニウムメチルサルフェート、ジメチルジ(C14~C18アルキル)アンモニウムクロリド(Adogen(登録商標)442(EVONIK)が挙げられる。
【0037】
オニウムイオンは、一般式(HN-(CH-COOH)を有するプロトン化されたα,ε-アミノ酸などを官能化することができるアルコキシル化四級アンモニウムクロリド化合物は、米国特許第5,366,647号に開示されたものを含むことができ、この関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。好適な化合物の例としては、ココアルキルメチルビス(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド(Ethoquad(登録商標)C/12)、オクタデシルメチル[ポリオキシエチレン(15)]アンモニウムクロリド(Ethoquad(登録商標)8/25)、およびオクタデシルメチル(2-ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド(Ethoquad 18/12)が挙げられる。
【0038】
本開示の改質粘土吸着剤は、1つ以上の添加剤をさらに含み得る。添加剤としては、例えば、結合剤、分散助剤、および機能性添加剤が挙げられ得る。例えば、分散助剤は、グアーカム(guar cum)、キサンタンカム(xanthan cum)、ウェランガム、セルロース、多糖類、デンプン、乳酸、ポリエステル、クエン酸/重炭酸ナトリウム、大豆タンパク質、およびそれらの組み合わせなどのアクリルコポリマーまたはバイオポリマーのうちの1つ以上であり得る。結合剤としては、デンプン、超吸収性ポリマー、および粘土などの任意の好適な結合剤が挙げられ得る。機能性添加剤としては、例えば、活性炭、無煙炭、コークス、有機物に富む表土、有機物に富む土砂、腐植物、アパタイト、ゼオライト、鉄鉱石に富む材料、有機頁岩、石灰、石膏、元素硫黄、ボーキサイト、魚粉、ゼロ価鉄ならびに/または鉄、マンガン、および/もしくはアルミニウムの酸化物または水酸化物、かつそれらの組み合わせのうちの1つ以上が挙げられ得る。例えば、改質粘土吸着剤が使用されるべき特定の用途または環境に必要な任意の他の添加剤が含まれ得る。
【0039】
改質粘土吸着剤および改質粘土吸着剤ブレンドでPFASを吸着する方法
実施形態では、改質粘土吸着剤は、PFAS汚染土壌と混合されて、PFASを結合および固定化することができる。実施形態では、改質粘土吸着剤は、PFAS汚染土壌の中でセメント混和物と混合されて、PFASを結合および固定化することができる。実施形態では、改質粘土吸着剤を容器に加えることができ、容器を通してPFAS汚染水または他の供給源をポンプ輸送して、改質粘土吸着剤と相互作用させ、水からPFASを除去することができる。実施形態では、改質粘土吸着剤は、活性炭、イオン交換樹脂、および他のPFAS除去媒体容器と並ぶ処理容器内で使用することができる。実施形態では、改質粘土吸着剤は、地下水中のPFASの地下拡散を阻止するために「スラリー壁」構造物内で使用することができる。実施形態では、改質粘土吸着剤は、水中で懸濁され、汚染地下水プルームに注入され得る。実施形態では、改質粘土吸着剤は、川、湖、および海の底などの汚染源中にまたはその上に位置付けるためのジオテキスタイルマット内に含められて、PFAS化合物がより大きい水域に拡散するのを阻止することができる。
【0040】
方法が、第1の改質粘土と第2の改質粘土とのブレンドを有する改質粘土吸着剤の使用を含む実施形態では、ブレンドは、汚染源に単一添加するための、単一の組成物として提供され得る。代替的に、第1および第2の改質粘土は、別個に添加するために、別個の成分として提供され得る。そのような実施形態では、第1の改質粘土は、第2の改質粘土と同時に添加することができる。実施形態では、第1および第2の改質粘土は、いずれかの順序で逐次的に添加することができる。この方法は、追加の成分、例えば、第3の改質粘土を追加することをさらに含み得る。第3の改質粘土は、例えば、モノ四級アミン化合物とジ四級アミン化合物とのブレンドを層間挿入され得る。
【0041】
実施形態では、PFAS吸着のためのキットは、モノ四級アミン化合物を層間挿入された第1の改質粘土と、ジ四級アミン化合物を層間挿入された第2の改質粘土と、を含み得る。キットは、約75:25~約5:95または約75:25~約50:50のモノ四級アミン化合物:ジ四級アミン化合物のモル比で第1および第2の改質粘土を添加するための取扱説明書をさらに含み得る。言い換えれば、キットは、サンプルまたは環境に添加されるジ四級アミン化合物の総量がサンプルまたは環境に添加される四級アミン化合物の総モル数の約25モル%~約95モル%になるように、改質粘土吸着剤の成分を添加するための取扱説明書を含むことができる。例えば、モノ四級アミン化合物:ジ四級アミン化合物のモル比は、約75:25~約50:50、約80:20~約60:40、および約75:25~約70:30、または約40:60~約10:90であり得る。モル比は、改質粘土吸着剤および改質粘土吸着剤ブレンドについて、ジ四級アミン化合物の前述の量のいずれかを含み得る。キットは、第1および第2の改質粘土を同時にまたは逐次的に添加するための取扱説明書をさらに含み得る。
【0042】
実施形態では、PFASの吸着のためのキットは、モノ四級アミン化合物を層間挿入された第1の改質粘土と、ジ四級アミン化合物を層間挿入された第2の改質粘土と、を含有する、単一のブレンド材料を含む改質粘土吸着剤を含み得る。キットは、1つ以上のモノ四級アミン化合物または1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された1つ以上の追加の改質粘土をさらに含み得る。キットは、1つ以上の追加の改質粘土を改質粘土吸着剤ブレンドと同時にまたは逐次的に汚染源に添加するための取扱説明書をさらに含み、それにより、モノ四級アミン化合物とジ四級アミン化合物とのモル比を所与の汚染源の現場で改質することが可能になり得る。
【0043】
ジ四級アミン化合物で改質された粘土でPFASを吸着する方法
またさらなる実施形態では、PFASを吸着する方法は、汚染源を、塩化デカリニウム(本明細書ではQ1と称される)の一方または両方を層間挿入された粘土を有する粘土吸着剤と接触させることを含み得る。
【化7】
【0044】
および式(I)の化合物
【化8】
【0045】
式中、Xが、塩化物であり、Rが、1~13個の炭素を有する脂肪族ラジカルであり、R、R、R、R、R、およびRが、独立して、脂肪族ラジカルおよび芳香族ラジカルから選択され、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、8個以上の炭素を有する脂肪族ラジカルまたは芳香族ラジカルである。任意に、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つは、脂肪族獣脂ラジカルであり得る。例えば、R、R、R、R、およびRの各々は、方法であり得、Rは、脂肪族獣脂ラジカルであり得る。
【0046】
例えば、式Iの化合物は、より具体的には、式(II)の化合物(本明細書ではQ4と称される)であり得る。
【化9】
【0047】
例えば、式(I)の化合物は、獣脂ジアミンペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩(57%)であり得る。
【0048】
驚くべきことに、Q1またはQ4の一方または両方で改質された粘土は、モノ四級アミン化合物および以下の多官能化合物で改質された粘土よりも効果的にPFAS化合物を吸着することが見出されている。
【0049】
臭化デカメトニウム(本明細書ではQ2と称される):
【化10】
【0050】
塩化ヘキサメトニウム(Q3)
【化11】
【0051】
図1に示すように、Q1改質粘土およびQ4改質粘土は、Q2およびQ3の改質粘土(比較実施例)と比較して、3倍以上のPFASを除去した。図2は、Q1改質粘土と比較して、Q4改質粘土が大幅により多くのPFAS化合物を吸着することを示しており、これは、四級アンモニウム化合物の構造が吸着容量に影響を与え得ることを示す。図1および図2の実施例の各々では、粘土は、ベントナイト粘土であった。
【0052】
PFASを改質粘土吸着剤で吸着する方法の実施形態のいずれにおいても、改質粘土吸着剤は、様々な形態で提供することができる。例えば、この方法は、流水容器、反応性ニードルパンチマット、剛性蛇籠、およびバッチ加工を含むことができる。例えば、改質粘土吸着剤は、その場安定化法を通して、セメントおよび/または土壌との混合物を通して、ならびにポンプ輸送および処理タイプの用途において、反応性コアマットとして汚染源に適用することができる。PFAS化合物は、汚染の様々な段階で吸着することができる。例えば、改質粘土吸着剤は、消火泡を適用する直接的な現場など、汚染源に適用することができる。土壌、地下水、および地表水はまた、PFAS化合物によって汚染される場合があり、処理はこれらの現場のうちの1つ以上で行うことができる。本開示の方法は、PFAS化合物の修復が必要とされる場所および環境に応じて調整することができる。例えば、実施形態では、乾燥顆粒状混合物または反応性マットを適用することができる。他の実施形態では、スラリーおよび他の湿式適用を使用することができる。適用方法は、固形物の混合を含み得る。実施形態では、これは、土壌の中に穴および/または溝を掘ること、ならびに改質粘土ソルベの分配すること、ならびに土壌の中に混合することを含み得る。ジェット噴霧適用法は、改質粘土吸着剤のスラリーまたは他の湿式適用が有用である場合に使用することができる。
【0053】
例えば、実施形態では、汚染廃水流または他の廃棄物環境は、改質粘土吸着剤の床に汚染水を通過させることによって処理することができる。実施形態では、汚染水と改質粘土吸着剤の床との接触時間は、少なくとも1分である。
【0054】
実施形態では、汚染廃水流または他の廃棄物環境からPFAS化合物を吸着する方法は、汚染水流を、予め包装された前文のマットまたは蛇籠内の改質粘土吸着剤と接触させることを含み得る。
【0055】
実施形態では、汚染廃水流または他の廃棄物環境からPFAS化合物を吸着する方法は、改質粘土吸着剤を、改質粘土吸着剤が透過性反応性バリア層を形成するように、顆粒状または粉末形態で水域の中に送達することを含み得る。
【0056】
実施形態では、汚染廃水流または他の廃棄物環境からPFAS化合物を吸着する方法は、改質粘土タンクを反応容器内の汚染水と混合することによって反応容器内の汚染水を処理することを含み得る。
【0057】
実施形態では、汚染廃水流または他の廃棄物環境からPFAS化合物を吸着する方法は、改質粘土を水中に懸濁すること 汚染地下水プルームに注入することを含み得る。
【実施例
【0058】
実施例1
以下の実施例は、ジカチオン性分子(「クワット」と称される)を使用した疎水性に改質されたモンモリロナイト粘土の形成を実証する。サンプル1および4、ならびに比較サンプル2および3で使用されている化合物は、少なくとも恒久的にジカチオン性であり、これは、これらの化合物が1分子当たり2つの恒久的な四級アンモニウム基を含有することを意味する。サンプル1の塩化デカリニウムの場合には、分子は、2つの追加の一級アミン基を有し、また、これらを中性pH値の水中でプロトン化し、1分子当たり4つのカチオン性電荷を得ることができる。カチオン性化合物を表1に列挙する。
【表1】
【0059】
サンプル1、ならびに比較サンプル2および3を、パドルタイプの撹拌機を使用して水中で調製した。実施例の調製に使用した粘土は、Wyoming産の天然のナトリウムベントナイトであった。粘土は、American Colloid Company(Hoffman Estates,IL)から入手可能な200メッシュのベントナイトであるVolclay API Gel NTである。
【0060】
サンプル1
5.08グラムの塩化デカリニウム(Q1)を116ミリリットルの水に添加し、75~80℃まで加熱した。四級アミン化合物は容易に水に溶けないため、機械式パドルミキサーを使用して混合物を分散させた。粘土(14.47グラム)を15分間かけて少しずつ溶液に添加した。添加中、混合物は非常に濃くなった。混合および粘土の添加を続けると、粘度が低下した。改質粘土を濾過によって単離し、200mLの脱イオン水ですすいだ。サンプルを80℃で一晩、空気対流オーブン内で乾燥させた。次いで、乳鉢および乳棒を使用して、サンプルをサブ250メッシュの粉末に粉砕した。
【0061】
比較サンプル2
5.00グラムの臭化デカメトニウム(Q2)を147ミリリットルの水に添加し、75~80℃まで加熱した。クワットは容易に水に溶けないため、機械式パドルミキサーを使用して混合物を分散させた。粘土(18.25グラム)を15分間かけて少しずつ溶液に添加した。添加中、混合物は非常に濃くなった。混合および粘土の添加を続けると、粘度が低下した。改質粘土を濾過によって単離し、200mLの脱イオン水ですすいだ。サンプルを80℃で一晩、空気対流オーブン内で乾燥させた。次いで、乳鉢および乳棒を使用して、サンプルをサブ250メッシュの粉末に粉砕した。
【0062】
比較サンプル3
5.00グラムの臭化デカメトニウム(Q3)を222.9ミリリットルの水に添加し、75~80℃まで加熱した。クワットは容易に水に溶けないため、機械式パドルミキサーを使用して混合物を分散させた。粘土(27.3グラム)を15分間かけて少しずつ溶液に添加した。添加中、混合物は非常に濃くなった。混合および粘土の添加を続けると、粘度が低下した。改質粘土を濾過によって単離し、200mLの脱イオン水ですすいだ。サンプルを80℃で一晩、空気対流オーブン内で乾燥させた。次いで、乳鉢および乳棒を使用して、サンプルをサブ250メッシュの粉末に粉砕した。
【0063】
サンプル4
実施例4で使用したマルチカチオン性クワットは、獣脂ジアミンペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩であり、これは表1にQ4として列挙している。Q4クワットは、エタノールと水との混合物(ETOH:HO、65:35)中の57%活性溶液として、Evonik(Adogen 477D)から購入した。粘土は、Volclay API Gel NTである。この実施例では、余分な水は使用しなかった。実施例4は、バッター混合パドルを備えたKitchen Aidのスタンドミキサー内で、15分間粘土(800グラム)とQ4クワット(474グラム)とを組み合わせることによって調製した。次いで、混合物は、Hobartの肉挽き機(モデル番号4812)を使用して、後続の押出ステップ内で加工した。均質性を保証するために、サンプルをさらに2回再び押し出した。改質粘土を2000mLの脱イオン水ですすいだ。サンプルを80℃で一晩、空気対流オーブン内で乾燥させた。次いで、電動粉砕機を使用して、サンプルをサブ250メッシュの粉末に粉砕した。
【0064】
PFAS除去実験
除去効率を、PFAS汚染現場の近くに位置する監視井戸から取得した地下水サンプルを使用して評価した。サンプルを以下のように調製した。250mLの親PFAS水をポリプロピレン製スクリューキャップバイアルに添加した。300mgの各吸着剤を秤量し、バイアルに添加した。バイアルを、100RPMで18時間オービタルシェーカー上に置いた。試験前にサンプルを遠心分離して、懸濁した固形物を除去した。水中のPFAS化合物の定量は、Colorado School of Minesによる液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LCMSMS)によって実施した。
【表2】
【0065】
個々のPFAS化合物についての除去結果を下記の表3に示す。表3には、除去率(%除去)が報告されている。
【表3-1】
【表3-2】
【0066】
総除去結果を下記の表4に示す。
【表4】
【0067】
実施例2
モノ四級アミン化合物/ジ四級アミン化合物のブレンドで機能化された粘土を有する本開示の実施形態による粘土吸収剤を、溶液プロセスを使用して調製した。モノ四級アミン化合物およびジ四級アミン化合物の量を下記の表6に示す。加えて、様々なカチオン交換容量に対する粘土の処理も試験し、各サンプルについてのCEC処理レベルも同様に表6に示している。
【0068】
改質粘土を以下のように調製した。1リットルの金属カップを使用して、700mLの脱イオン水を保持した。オーバーヘッドスターラーを装備したホットプレート上に、カップを置いた。水を70℃まで加熱し、ワーリングブレードを使用して200RPMで撹拌した。ベントナイト粘土(Volcay API Gel NT)を少しずつゆっくりと添加し、水和のための時間を確保し、10分間撹拌した。モノ四級アミン化合物およびジ四級アミン化合物を秤量し、別個に添加した。Adogen(登録商標)442(EVONIK)のジメチルジ(C14~C18アルキル)アンモニウムクロリドを、モノ四級アミン化合物として使用した。Adogen(登録商標)447(EVONIK)の獣脂ジアミンペンタメチルジクロリドを、ジ四級アミン化合物として使用した。モノ四級アミン化合物をベントナイト粘土水混合物にゆっくりと添加し、10分間撹拌した。次に、ジ四級アミン化合物をゆっくりと添加し、10分間混合した。次いで、サンプルを70~75℃の温度範囲を維持しながら、2時間撹拌した。混合物を真空濾過し、固形物をWhatmanの1番濾紙上に収集した。次いで、固形物を1000mLの水ですすいだ。固形物を収集し、800mLの脱イオン水中ですすぎ、60~65℃の温度まで加熱した。サンプルを200RPMで4時間撹拌する。次いで、固形物を再度真空濾過し、2500mLの脱イオン水ですすいだ。次いで、固形物をガラス皿に移し、50℃で16時間乾燥させた。次いで、0.2μmのふるいを装備したRetschミルを使用して、材料を粉にした。
【0069】
スクリューキャップNalgene(登録商標)HDPEボトル内で3mgの改質粘土吸着剤ブレンドを500mlの水サンプルに添加し、ボトルを10RPMのオービタルシェーカー上に置き、吸収平衡に近づけるために168時間混合することによって、PFAS吸収試験を実行した。これらの試験では、PFAS水を、汚染現場から取得したものとは別物として調製した。PFAS水(LPPW)は、パーフルオロブタン酸(PFBA)、パーフルオロヘキサン酸(PFHxA)、パーフルオロオクタン酸(PFOA)、パーフルオロブタンスルホン酸(PFBS)、パーフルオロヘキサンスルホン酸(PHxS)、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)を脱イオン(DI)水中に溶解させることによって調製した。フレーム密封ガラスアンプルに入った化合物を、Wellington Laboratoryから購入した。LPPWは、密閉蓋を装備した清潔な5ガロンのポリプロピレン製バケツ内で調製した。PFAS化合物は、エタノール中の50ug/mL溶液として供給元から配達された。アンプルを開け、ガラス製トランスファーピペットを使用して個々の溶液をDI水の中に移した。使用した水を、総量が15000グラムになるまで1000グラム刻みで慎重に秤量した。LPPWの個々の化合物の濃度を表5に示し、10億分の1(PPB)またはμg/Lとして表す。
【表5】
【表6】
【0070】
PFAS除去試験結果を図5~8に示す。図に示すように、より少量のジ四級アミン化合物を有していたサンプルM-3、M-1、およびM-4に対する本開示の改質粘土吸着剤ブレンドに従う、サンプルM-2、M-6、およびM-5のPFAS吸着が劇的に増加している。
【0071】
図8からわかるように、25モル%以上のジ四級アミンを有する改質粘土吸着剤は、14モル%以下のジ四級アミン化合物で改質された粘土と比較して、吸着容量が200%~600%増加した。この実施例で試験された本開示による改質粘土吸着剤(25モル%を超えるジ四級アミン化合物を有する)は、改質粘土吸着剤1グラム当たり10mgを超えるPFASを吸着することができた。この試験では、吸着容量を使い果たすことはなかった。
【0072】
その上、図8図2との比較は、本開示による改質粘土吸着剤が100%のジ四級アミン化合物を有する化合物よりも改善された吸着容量を提供し得ることを示している。特に、サンプルM-5、M-6、およびM-2はすべて、図1に示す吸着剤についての約10mg/gの吸収容量の上限と比較して、10mg/gを超える吸収容量を実証している。図1の吸着容量はまた、本開示の他の実施形態による良好な性能を持つ化合物、および100%のジ四級アミン化合物を有する他の(例えば、Q2およびQ3)粘土吸着剤よりも優れた性能を持つ化合物とみなされるため、これは重要である。
【0073】
また、驚くべきことに、本開示の粘土吸着剤ブレンドは、カルボン酸塩PFAS化合物よりも著しく高い除去割合でスルホン酸塩PFAS化合物を吸収することが見出された。さらに、モノ四級アミン化合物の改質粘土は、本開示のブレンドと比較して、カルボキシル化PFAS化合物についてより高い除去能力を有することが見出されている。この理解に基づいて、本明細書では、100モル%のモノ四級アミン化合物で改質された粘土のブレンドを、モノ四級アミン化合物およびジ四級アミン化合物の両方を有する本開示の改質粘土吸着剤と併せて使用して、カルボキシル化PFAS化合物およびスルホン化PFAS化合物の両方をより効果的に吸着することが可能な吸着剤系を開発することができると企図される。さらに、本明細書では、本開示の吸着剤系は、汚染源中に主に存在するPFASのタイプに応じて、硫酸化またはカルボキシル化PFASを吸着するために調整することができると企図される。
【0074】
実施例3
モノ四級アミン化合物/ジ四級アミン化合物のブレンドで機能化された粘土を有する本開示の実施形態による粘土吸収剤を、溶液プロセスを使用して調製した。モノ四級アミン化合物およびジ四級アミン化合物の量を下記の表7に示す。加えて、様々なカチオン交換容量に対する粘土の処理も試験し、各サンプルについてのCEC処理レベルも同様に表7に示している。
【0075】
改質粘土を以下のように調製した。1リットルの金属カップを使用して、700mLの脱イオン水を保持した。オーバーヘッドスターラーを装備したホットプレート上に、カップを置いた。水を70℃まで加熱し、ワーリングブレードを使用して200RPMで撹拌した。ベントナイト粘土(gdade)を少しずつゆっくりと添加し、水和のための時間を確保し、10分間撹拌した。モノ四級アミン化合物およびジ四級アミン化合物を秤量し、別個に添加した。Adogen(登録商標)442(EVONIK)、ジメチル脱水素化獣脂アンモニウムクロリドを、モノ四級アミン化合物として使用した。Adogen(登録商標)477(EVONIK)の獣脂ジアミンペンタメチルジクロリドを、ジ四級アミン化合物として使用した。モノ四級アミン化合物をベントナイト粘土水混合物にゆっくりと添加し、10分間撹拌した。次に、ジ四級アミン化合物をゆっくりと添加し、10分間混合した。次いで、サンプルを70~75℃の温度範囲を維持しながら、2時間撹拌した。混合物を真空濾過し、固形物をWhatmanの1番濾紙上に収集した。次いで、固形物を1000mLの水ですすいだ。固形物を収集し、800mLの脱イオン水中ですすぎ、60~65℃の温度まで加熱した。サンプルを200RPMで4時間撹拌する。次いで、固形物を再度真空濾過し、2500mLの脱イオン水ですすいだ。次いで、固形物をガラス皿に移し、50℃で16時間乾燥させた。次いで、0.2μmのふるいを装備したRetschミルを使用して、材料を粉にした。
【0076】
スクリューキャップNalgene(登録商標)HDPEボトル内で汚染水250ml当たり30mgの改質レイ吸着剤を添加し、ボトルを10RPMのオービタルシェーカー上に置き、18時間混合することによって、PFAS吸収試験を実行した。これらの試験では、水サンプルは、表2で上述したように、米国国内に位置する空軍基地から取得した実際の汚染地下水サンプルであった。サンプルは、短鎖PFAS化合物(6個未満の炭素を有する化合物)、長鎖PFAS化合物(6個以上の炭素を有する化合物)、および規制PFAS化合物(PFNA、PFOA、PFOS、PHxS、およびPHpA)の混合物を含んでいた。
【表7-1】
【表7-2】
【0077】
驚くべきことに、25モル%以上のジ四級アミン化合物を含めると、50%を超えるCECに対して要求される改質とともに、短鎖化合物、長鎖化合物、および規制化合物を含む、PFAS化合物の除去の大幅な改善が得られることが見出された。PFAS除去の分野では、吸着性能における0.1ppbの差が統計的および実際的に有意であるとみなされる。上記のデータで示すように、サンプルQ-21、Q-23、Q-11、およびQ-15、Q-21およびQ23は、比較サンプルQ-12、Q-13、Q-14、Q-16、Q-17、Q-18、Q-19、Q-20、Q-22よりも吸着において統計的に大幅な改善を示す。サンプルQ-12とQ-21との比較は、少なくとも25モル%のジ四級アミン化合物を添加することにより、実質的に同じ吸着性能を維持しながら、四級アミン化合物の量を低減することができる(Q-12の100%と比較してQ-21のCECは81.25%)ことを示す。Q-12と比較して、Q-21は、サンプル中に0.06ppb多い短鎖PFASおよび長鎖PFASしか残らず、0.57ppb多い規制化合物を除去して、規制PFASが大幅に低減された。サンプルQ-20とQ-21との比較は、ブレンドから得られる有益な改善が95モル%の上限を上回ると次第に低下し、99%のモールドジ四級アミン化合物(Q-20)を含むサンプルでは、100%のより高いCEC%を有するにもかかわらず、Q-21と比較して、0.8ppb多い短鎖PFAS、2.82ppb多い長鎖PFAS、および0.22ppb多い規制PFAS化合物を残していることを示す。
【0078】
態様
態様1.汚染環境からPFAS化合物を吸着するための改質粘土吸着剤であって、
1つ以上のジ四級アミン化合物および1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含み、
1つ以上のジ四級アミン化合物が、改質粘土吸着剤中に存在する四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約95モル%のモルパーセントで存在する、改質粘土吸着剤。
態様2.粘土が、粘土の総カチオン交換容量の少なくとも50%まで、1つ以上のジ四級アミン化合物および1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入される、態様1に記載の改質粘土吸着剤。
態様3.汚染環境からPFAS化合物を吸着するための改質粘土吸着剤であって、
1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第1の改質粘土と、
1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第2の改質粘土と、を含み、
第2の改質粘土が、1つ以上のジ四級アミン化合物が改質粘土吸着剤中に存在する四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在するような量で改質粘土吸着剤中に存在する、改質粘土吸着剤。
態様4.第1の改質粘土および第2の改質粘土が、各々、それぞれ第1または第2の改質粘土のカチオン交換容量の少なくとも約50%まで、それぞれ1つ以上のモノ四級アミン化合物およびジ四級アミン化合物を層間挿入される、態様3に記載の改質粘土吸着剤。
態様5.1つ以上のジ四級アミン化合物が、18個以上の炭素を有する、先行態様のいずれか1つに記載の改質粘土吸着剤。
態様6.1つ以上のジ四級アミン化合物が、塩化デカリニウムおよび式Iの化合物のうちの1つ以上であり、
【化12】
式中、Xが、塩化物であり、Rが、1~13個の炭素を有する脂肪族ラジカルであり、R、R、R、R、R、およびRが、独立して、脂肪族ラジカルおよび芳香族ラジカルから選択され、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、8個以上の炭素を有する脂肪族ラジカルまたは芳香族ラジカルであり、任意に、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、脂肪族獣脂ラジカルである、態様5に記載の改質粘土吸着剤。
態様7.式Iの化合物が、ペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩である、態様6に記載の改質粘土吸着剤。
態様8.1つ以上のジ四級アミン化合物が、改質粘土吸着剤中の四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約50モル%の量で存在する、先行態様のいずれか1つに記載の改質粘土吸着剤。
態様9.粘土が、アタパルジャイト、ベントナイト、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サッポナイト(sapponite)、ソーコナイト、ソボカイト、スチーブンサイト、スビンフォルダイト、バーミキュライト、パリゴルスカイト、カロナイト(kalonite)、およびセピオライトのうちの1つ以上である、先行態様のいずれか1つに記載の改質粘土吸着剤。
態様10.改質粘土吸着剤が、マット中に存在する、先行態様のいずれか1つに記載の改質粘土吸着剤。
態様11.単官能性四級アミンが、ジメチルジ(C14~C18アルキル)アンモニウムクロリドのうちの1つ以上である、先行態様のいずれか1つに記載の改質粘土吸着剤。
態様12.先行態様のいずれか1つに記載の改質粘土吸着剤と、PFAS化合物の吸着のために汚染環境に粘土吸着剤を添加するための取扱説明書と、を含む、キット。
態様13.キットであって、
第1および第2の改質粘土が、別個の成分として存在する、態様3に記載の改質粘土吸着剤と、
第1の改質粘土および第2の改質粘土を汚染環境に個々に添加して、1つ以上のジ四級アミン化合物が汚染環境に添加された四級アミン化合物の総モル数に基づいて、25モル%~約95モル%の量で存在するような量で改質粘土吸着剤を形成するための取扱説明書と、を含む、キット。
態様14.第1および第2の改質粘土が、1つ以上のジ四級アミン化合物が汚染環境に添加された四級化合物アミンの総モル数に基づいて、25モル%~約50モル%の量で存在するような量で添加される、態様13に記載のキット。
態様15.第1および第2の改質粘土が、実質的に同時に添加される、態様13または14に記載のキット。
態様16.第1および第2の改質粘土が、逐次的に添加される、態様13または14に記載のキット。
態様17.汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法であって、
改質粘土吸着剤を汚染環境と混和することを含み、改質粘土吸着剤が、1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含み、ジ四級アミン化合物が、塩化デカリニウムおよび/または式Iの化合物であり、
【化13】
式中、Xが、塩化物であり、Rが、1~13個の炭素を有する脂肪族ラジカルであり、R、R、R、R、R、およびRが、独立して、脂肪族ラジカルおよび芳香族ラジカルから選択され、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、8個以上の炭素を有する脂肪族ラジカルまたは芳香族ラジカルであり、任意に、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、脂肪族獣脂ラジカルである、方法。
態様18.改質粘土吸着剤が、式(I)の化合物で改質される、態様17に記載の方法。
態様19.式Iの化合物が、ペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩である、態様18に記載の方法。
態様20.改質粘土吸着剤が、塩化デカリニウムで改質されたベントナイトである、態様17~19のいずれか1つに記載の方法。
態様21.改質粘土吸着剤が、塩化デカリニウムおよび式Iの化合物の両方で改質される、態様17に記載の方法。
態様22.式Iの化合物が、ペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩である、態様21に記載の方法。
態様23.式Iの化合物では、R、R、R、R、およびRが、各々、メチルであり、Rが、脂肪族獣脂ラジカルである、態様17~19、21および22のいずれか1つに記載の方法。
態様24.1つ以上のジ四級アミン化合物が、改質粘土吸着剤中に存在する唯一の官能性四級アミン化合物である、態様17または18に記載の方法。
態様25.汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法であって、
改質粘土吸着剤を汚染環境と混和することを含み、改質粘土吸着剤が、1つ以上のモノ四級アミン化合物および1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含み、1つ以上のジ四級アミン化合物が、改質粘土吸着剤中の四級アミン化合物の総モルパーセントに基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在する、方法。
態様26.粘土が、少なくとも50%のカチオン交換容量まで、ブレンドを層間挿入される、態様25に記載の方法。
態様27.汚染環境からPFAS化合物を吸着する方法であって、
改質粘土吸着剤を汚染環境と混和することを含み、改質粘土吸着剤が、1つ以上のモノ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第1の改質粘土と、1つ以上のジ四級アミン化合物を層間挿入された粘土を含む第2の改質粘土と、を含み、第1の改質粘土の量と第2の改質粘土の量の比が、1つ以上のジ四級アミン化合物が汚染環境と混和された四級アミン化合物の総モルパーセントに基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在するように選択される、方法。
態様28.第1の改質粘土および第2の改質粘土の各々が、少なくとも50%の粘土のカチオン交換容量まで層間挿入される、態様27に記載の方法。
態様29.第1および第2の改質粘土が、1つ以上のジ四級アミン化合物が改質粘土吸着剤ブレンド中の四級アミン化合物の総モルパーセントに基づいて、約20モル%~約50モル%の量で存在するように、改質粘土吸着剤中で予めブレンドされ、第1および第2の改質粘土が、単一の組成物として汚染環境と混和される、態様27または28に記載の方法。
態様30.改質粘土吸着剤を汚染環境と混和することが、第1の改質粘土および第2の改質粘土を、1つ以上のジ四級アミン化合物が汚染環境と混和された四級アミン化合物の総モルパーセントに基づいて、約25モル%~約95モル%の量で存在するような量で汚染環境に別個に添加することを含む、態様27または28に記載の方法。
態様31.第1および第2の改質粘土が、同時に添加される、態様30に記載の方法。
態様32.第1および第2の改質粘土が、逐次的に添加される、態様30に記載の方法。
態様33.1つ以上のジ四級アミン化合物が、少なくとも18個の炭素を含む、態様25~32のいずれか1つに記載の方法。
態様34.1つ以上のジ四級アミン化合物が、塩化デカリニウムおよび式Iの化合物のうちの1つ以上であり、
【化14】
式中、Xが、塩化物であり、Rが、1~13個の炭素を有する脂肪族ラジカルであり、R、R、R、R、R、およびRが、独立して、脂肪族ラジカルおよび芳香族ラジカルから選択され、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、8個以上の炭素を有する脂肪族ラジカルまたは芳香族ラジカルであり、任意に、R、R、R、R、R、およびRのうちの少なくとも1つが、脂肪族獣脂ラジカルである、態様25~33のいずれか1つに記載の方法。
態様35.1つ以上のジ四級アミン化合物が、式Iの化合物を含み、式Iの化合物が、獣脂ペンタメチルプロピレンジアンモニウム塩酸塩である、態様34に記載の方法。
態様36.1つ以上のジ四級アミン化合物が、改質粘土吸着剤中の四級アミン化合物の総モル数に基づいて、約25モル%~約50モル%の量で存在する、態様25~35のいずれか1つに記載の方法。
態様37.粘土が、アタパルジャイト、ベントナイト、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、サッポナイト(sapponite)、ソーコナイト、ソボカイト、スチーブンサイト、スビンフォルダイト、バーミキュライト、パリゴルスカイト、カロナイト(kalonite)、およびセピオライトのうちの1つ以上である、態様17~36のいずれか1つに記載の方法。
態様38.吸着剤が、改質粘土吸着剤1グラム当たり少なくとも0.2ミリグラムのPFAS化合物を吸収することが可能である、態様17~37のいずれか1つに記載の方法。
態様39.汚染環境が、汚染土壌であり、方法が、改質粘土吸着剤が混合物中の改質粘土吸着剤の約0.5重量%を超える量で存在するように、汚染土壌と改質粘土吸着剤とを混合することを含む、態様17~38のいずれか1つに記載の方法。
態様40.環境が、汚染廃水流であり、方法が、汚染水が少なくとも約1分の汚染水と床との接触時間を維持するような流速で改質粘土吸着剤の床を通過することによって、改質粘土吸着剤と汚染水流とを混和することを含む、態様17~38のいずれか1つに記載の方法。
態様41.改質粘土吸着剤が、予め包装された透過性マットまたは蛇籠の形態である、態様17~38のいずれか1つに記載の方法。
態様42.顆粒状または粉末状の改質粘土吸着剤が、改質粘土が透過性反応性バリア層を形成するように、水域の中に形成する、態様17~38のいずれか1つに記載の方法。
態様43.タンク内で改質粘土と汚染水とを混合することによる、汚染水流からのPFAS化合物の処理を含む、態様17~38のいずれか1つに記載の方法。
態様44.改質粘土の懸濁液を汚染土壌およびまたは汚染地下水プルームに注入することによる、汚染水流からのPFAS化合物の処理を含む、態様17~38のいずれか1つに記載の方法。
態様45.汚染環境が、廃水である、態様17~43のいずれか1つに記載の方法。
態様46.汚染環境が、地下水である、態様17~43のいずれか1つに記載の方法。
【0079】
本発明の特定の実施形態を詳細に示し、説明したが、本発明から逸脱することなく、そのより広い態様で変更および修正を行うことができることが当業者には明らかであろう。したがって、その目的は、本発明の真の精神および範囲内にあるすべてのそのような変更および修正を網羅することである。前述の説明および添付の図面に記述された事項は、限定としてではなく、例示としてのみ提示される。本発明の実際の範囲は、先行技術に基づくそれらの適切な観点で見た場合に、後続の特許請求の範囲によって定義されるべきである。
図1
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【国際調査報告】