IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ デビコー・メディカル・プロダクツ・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-534705ダイレクトマーキングのための方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(54)【発明の名称】ダイレクトマーキングのための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/098 20060101AFI20220727BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
A61M25/098
A61M25/00 600
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569925
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(85)【翻訳文提出日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 US2020035184
(87)【国際公開番号】W WO2020243470
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】62/854,356
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511148271
【氏名又は名称】デビコー・メディカル・プロダクツ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Devicor Medical Products, Inc.
【住所又は居所原語表記】5th Floor, 300 E Business Way, Cincinnati, OH 45241, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】リベリーノ・ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】リベリーノ・ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】ビューシック・ネイサン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】マクブリーン・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】ハウスホルダー・ギャレット・エイ
(72)【発明者】
【氏名】スモール・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ラインバック・ジェシカ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ノック・アンドリュー・ピー
(72)【発明者】
【氏名】スウェイダー・キニート
(72)【発明者】
【氏名】シュペルビエル・ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ゲレロ・ナターシャ・エム
(72)【発明者】
【氏名】サンダーマン・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】タパール・ラジ
(72)【発明者】
【氏名】ワグナー・ゲーリー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267AA14
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB19
4C267BB20
4C267BB26
4C267BB31
4C267BB39
4C267BB40
4C267BB43
4C267BB63
4C267CC04
4C267GG02
4C267GG21
4C267GG43
4C267HH08
4C267HH11
(57)【要約】
マーカ送達デバイスは、グリップ、カニューレ、プッシュロッド、及びマーカ要素を含む。カニューレは、グリップから遠位に延在する。プッシュロッドは、カニューレ内で移動するように構成され、カニューレの内部を密閉するように構成された1つ以上の密閉部を有する遠位端を含む。マーカ要素は、1つ以上のかかりを含む。プッシュロッドは、カニューレからマーカ要素を排出するよう、1つ以上の密閉部とマーカ要素との間でカニューレ内に圧力を生じさせるように構成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マーカ送達デバイスであって、
(a)グリップと、
(b)前記グリップから遠位に延在するカニューレと、
(c)前記カニューレ内で移動するように構成され、前記カニューレの内部を密閉するように構成された1つ以上の密閉部を有する遠位端を有するプッシュロッドと、
(d)1つ以上のかかりを有するマーカ要素であって、前記プッシュロッドは、前記カニューレから前記マーカ要素を排出するよう、前記1つ以上の密閉部と前記マーカ要素との間で前記カニューレ内に圧力を生じさせるように構成されている、前記マーカ要素と、
を備える、前記マーカ送達デバイス。
【請求項2】
前記カニューレは、開放遠位端であって、前記マーカ要素が前記開放遠位端を通じて退出することを可能にするように構成された、前記開放遠位端を含む、請求項1に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項3】
前記カニューレは、側面開口であって、前記マーカ要素が前記側面開口を通じて退出することを可能にするように構成された、前記側面開口を含む、請求項1に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項4】
前記カニューレは、前記マーカに遊離可能に係合するように構成されたマーカ停止部を含む、請求項1~3のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項5】
前記1つ以上の密閉部は、2つの密閉部含む、請求項1~4のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項6】
前記1つ以上の密閉部は、1つ以上のOリングを含む、請求項1~5のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項7】
前記マーカ要素は、外向きに突起する基部であって、前記マーカ要素と前記基部の内部との間での前記カニューレを通じた流体の流れを遮断するように構成された前記基部を含む、請求項1~6のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項8】
前記マーカ要素は更に、鋭敏な先端、及び前記鋭敏な先端に対して近位且つ外向きに延在する1つ以上のアームを含む、請求項1~7のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項9】
各々のアームは、前記1つ以上のかかりのかかりを定める、請求項8に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項10】
前記マーカ要素は、キャリア内に配置される、請求項1~9のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項11】
マーカ送達デバイスであって、
(a)グリップと、
(b)前記グリップから遠位に延在するカニューレと、
(c)前記カニューレ内で移動するように構成され、遠位端を有するプッシュロッドと、
(d)本体、1つ以上のかかり、及び前記本体から近位に延在するテザーを有するマーカ要素であって、前記テザーは、前記プッシュロッドの前記遠位端に結合され、前記テザーは、前記プッシュロッドの遠位移動に応答して、前記プッシュロッドから分離するように構成されている、前記マーカ要素と、
を備える、前記マーカ送達デバイス。
【請求項12】
前記テザーは、ひだを含み、前記ひだは、前記プッシュロッドの遠位移動に応答して、前記テザーの一部内で応力を集中させて、予め定められた位置において前記テザーを破折するように構成されている、請求項11に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項13】
前記テザーは、前記プッシュロッドの遠位移動に応答して、前記テザーの一部内で応力を集中させて、予め定められた位置において前記テザーを破折するように構成された応力コンセントレータを含む、請求項11に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項14】
前記テザーは、前記プッシュロッドの前記遠位端に一体的に接続されている、請求項11~13のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項15】
前記カニューレは、開放遠位端を含む、請求項11~14のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項16】
前記カニューレは、前記開放遠位端において先細り、前記マーカ要素の少なくとも一部は、前記カニューレの外側で前記開放遠位端に置かれるように構成されている、請求項15に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項17】
前記マーカ要素は更に、鋭敏な先端、及び前記鋭敏な先端に対して近位且つ外向きに延在する1つ以上のアームを含む、請求項11~16のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項18】
前記1つ以上のアームは、前記マーカ要素の一部が前記カニューレの外側に配置され、前記マーカ要素の別の一部が前記カニューレの内側に配置されるように、前記カニューレの一部に係合するように構成されている、請求項17に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項19】
前記テザーは、前記鋭敏な先端から近位に延在する、請求項17~18のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項20】
前記1つ以上のかかりの各々のかかりは、前記1つ以上のアームの対応するアームによって定められる、請求項17~19のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項21】
生検部位をマーキングする方法であって、
生検針にマーカ送達デバイスのカニューレを挿入するステップと、
前記生検針の外側に前記カニューレの開放遠位端を位置付けるよう、直線構成から湾曲構成に前記カニューレの遠位部を連結させるステップと、
前記カニューレの前記開放遠位端からマーカを展開するよう、前記カニューレ内に配置されたプッシュロッドを前進させるステップと、
を備えた、前記方法。
【請求項22】
所望のクロック位置に、前記カニューレに対してセレクタを回転させるステップを更に含み、
前記カニューレの前記遠位部を連結させる前記ステップは、前記所望のクロック位置と関連付けられた方向に前記遠位部を連結させることを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
マーカ送達デバイスであって、
グリップと、
前記グリップから遠位に延在するカニューレと、
前記カニューレ内で移動するように構成されたプッシュロッドと、
前記プッシュロッドを使用した展開のために構成されたマーカ要素と、
前記カニューレ内に配置された複数のアーティクレータであって、前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレ内で移動して、直線構成と屈曲構成との間で前記カニューレの遠位部を選択的に屈曲させるように構成されている、前記複数のアーティクレータと、
を備える、前記マーカ送達デバイス。
【請求項24】
前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレの一部に取り付けられた遠位端を有するロッドを含む、請求項23に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項25】
前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレの一部に取り付けられた遠位端を有するワイヤを含む、請求項23に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項26】
アクチュエータを更に備え、
前記アクチュエータは、前記複数のアーティクレータの1つ以上のアーティクレータに張力を選択的に加えるように構成されている、請求項23~24のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項27】
セレクタを更に備え、
前記セレクタは、前記複数のアーティクレータまたは前記アクチュエータを操縦して、前記複数のアーティクレータのうちのどのアーティクレータが前記アクチュエータから張力を受けるかを選択的に制御するように構成されている、請求項26に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項28】
前記セレクタは、前記カニューレと同軸上に位置付けられたサムホイールである、請求項27に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項29】
前記カニューレは、開放遠位端を含み、
前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレ内で移動して、充填された位置と展開位置との間で前記カニューレの前記開放遠位端の前記遠位部を選択的に屈曲させるように構成されている、請求項23~28のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項30】
前記マーカ要素は、前記プッシュロッドを使用した前記カニューレの前記開放遠位端を通じた展開のために構成されている、請求項29に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項31】
前記カニューレは更に、前記カニューレ内で前記マーカ要素を遊離可能に保持するように構成されたマーカ停止部を含む、請求項30に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項32】
前記プッシュロッドは、前記カニューレが前記直線構成と前記屈曲構成との間で屈曲するにつれて前記遠位部を屈曲させるように構成されている、請求項23~28のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項33】
マーカ送達デバイスであって、
グリップと、
前記グリップから遠位に延在し、組織入口を定めるカニューレと、
前記カニューレ内に配置された内部チューブと、
前記カニューレ内で移動するように構成されたプッシュロッドと、を備え、
前記内部チューブは、前記カニューレ内で真空を誘導し、前記プッシュロッドを使用したマーキングのために前記組織入口に組織を引き付けるよう、前記カニューレに対して移動するように構成されている、
前記マーカ送達デバイス。
【請求項34】
前記カニューレは、開放遠位端を含み、
前記組織入口は、前記カニューレの前記開放遠位端によって定められる、請求項33に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項35】
前記カニューレは、側面開口を定め、
前記組織入口は、前記カニューレの前記側面開口によって定められる、請求項33に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項36】
前記内部チューブは、前記カニューレの内部を密閉するように構成された1つ以上の密閉部を含む、請求項33~35のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項37】
前記プッシュロッドは、前記内部チューブを通じて延在し、前記内部チューブに対して移動するように構成されている、請求項33~36のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項38】
内部チューブは、前記内部チューブの一部と前記プッシュロッドとの間に配置された密閉部を含む、請求項37に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項39】
ロックを更に備え、
前記ロックは、前記カニューレに対して近位位置に前記内部チューブを選択的に確保するように構成されている、請求項33~38のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項40】
前記ロックは、前記カニューレと一体化されている、請求項39に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項41】
マーカ要素を更に備え、
前記マーカ要素は、前記プッシュロッドの遠位端に遊離可能に取り付けられる、請求項33~40のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項42】
マーカ要素を更に備え、
前記マーカ要素は、前記プッシュロッドの遠位端に遊離可能に取り付けられ、
前記マーカ要素は、前記組織入口に引き付けられた組織に前記マーカ要素を取り付けるように構成された1つ以上のかかりを含む、請求項33~40のいずれか1項以上に記載のマーカ送達デバイス。
【請求項43】
生検部位をマーキングする際に使用するためのマーカであって、
本体と、
前記本体の遠位端上の鋭敏な先端であって、前記鋭敏な先端は、組織を穿刺するように構成されている、前記鋭敏な先端と、
前記鋭敏な先端に対して近位且つ外向きに延在するアームであって、前記アームの近位端に配置された内向きに方位されたかかりを定める、前記アームと、
を備える、前記マーカ。
【請求項44】
基部を更に含み、
前記基部は、前記本体から外向きに延在する、請求項43に記載のマーカ。
【請求項45】
前記基部は、前記アームの外向き拡張部に少なくとも等しい長さで前記本体から外向きに延在する、請求項44に記載のマーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、参照によってその開示が以下に組み込まれる、2019年5月30日に出願された「Method and Apparatus for Direct Marking」と題する米国仮特許出願第62/854,356号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
不規則な乳房撮影及び触診可能な異常を理由として多くの患者が乳房生検を受ける。生検は、外科的切除生検及び定位的且つ超音波ガイド針乳房生検を含むことがある。画像指示生検のケースでは、放射線医師または他の内科医は、実験室解析のために不規則な組織の小さいサンプルを取ることがある。生検が悪性であることが判明する場合、追加の手術(例えば、腫瘍摘出手術または乳腺切除手術)が必要とされることがある。針生検のケースでは、患者は、一日またはもっと後に放射線医師に戻ることがあり、生検部位(病変の部位)が手術に備えて移転される必要がある場合がある。超音波、磁気共鳴撮像(MRI)、またはX線などの撮像システムが、生検部位を特定するために使用されることがある。生検部位の移転を支援するために、生検の時にマーカが配置されることがある。
【0003】
生検が行われた組織が除去された位置をマークするために乳房生検の後に使用されるマーカの使用は、以下の米国特許、2000年7月4日に発行された米国特許第6,083,524号「Polymerizable biodegradable polymers including carbonate or dioxanone linkages」、2000年12月4日に発行された米国特許第6,162,241号「Hemostatic tissue sealants」、2001年8月7日に発行された米国特許第6,270,464号「Biopsy localization method and device」、2002年3月12日に発行された米国特許第6,356,782号「Subcutaneous cavity marking device and method」、2003年8月12日に発行された米国特許第6,605,294号「Methods of using in situ hydration of hydrogel articles for sealing or augmentation of tissue or vessels」、2013年12月3日に発行された米国特許第8,600,481号「Subcutaneous cavity marking device」、及び2015年1月27日に発行された米国特許第8,939,910号「Method for enhancing ultrasound visibility of hyperechoic materials」において説明されている。それらの米国特許の全ては、それらの全体において参照によって組み込まれる。
【0004】
マーカが生検部位に配置されると、マーカは後に、後続のフォローアップ手順において生検部位を識別するために移転されることがある。或るコンテキストでは、配置されたマーカは、生検部位に完全に対応しないことがある。例えば、マーカは、生検手順と後続のフォローアップ手順との間の介在時間の間に、生検部位から別の近くの位置に転移することがある。加えて、または代替的に、マーカは、マーキングの間に生検部位に配置されていなかった場合がある。いずれかのケースでは、これは、後続のフォローアップ手順の間に生検部位を識別することの困難性につながることがある。したがって、経時的に固定位置にマーカを維持するために、マーカに特徴を組み込むことが望ましい場合がある。加えて、または代替的に、マーカの配置精度を高めるために、マーカ送達デバイスに特徴を組み込むことが望ましい場合がある。
【0005】
生検サンプルを取得し、生検部位をマーキングするために、いくつかのシステム及び方法が行われ、及び使用されているが、添付の特許請求の範囲において記述された発明を発明者が行い、または使用したものよりも先行するものは存在しないことが信じられている。
【0006】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し明確に主張する「特許請求の範囲」で完結するが、本発明は、添付の図面と併せて考慮される以下の特定の実施例の説明からより良好に理解されると考えられ、図面で類似の参照符号は同じ要素を指す。図面で、いくつかの構成要素または構成要素の一部は、破線で表すように透視図で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1A図1B、及び図1Cは、本開示の態様に従った、生検部位マーカの配置の例示的な態様を示す。
図2】例示的なマーカ送達デバイスの斜視図を表す。
図3図2のマーカ送達デバイスの側断面図を表す。
図4】生検部位をマーキングするために図1のマーカ送達デバイスの遠位部から生検針内の側面開き口を通じて展開されるマーカの側断面図を表す。
図5】別の例示的な生検部位マーカの側立面図を表す。
図6】別の例示的なマーカ送達デバイスの別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、装着された構成にある。
図7図6のマーカ送達デバイスの別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、展開された構成にある。
図8】更なる別の例示的な生検部位マーカの側立面図を表す。
図9】更なる別の例示的なマーカ送達デバイスの側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、装着された構成にある。
図10図9のマーカ送達デバイスの別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、組織に挿入されている。
図11図9のマーカ送達デバイスの更なる別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、展開された構成にある。
図12】なおも別の例示的なマーカ送達デバイスの側立面図を表す。
図13図12のマーカ送達デバイスの別の側立面図を表し、マーカ送達デバイスは、組織に挿入されている。
図14図12のマーカ送達デバイスの更なる別の側立面図を表し、マーカ送達デバイスは、マーキング材料を展開している。
図15】生検サンプルを収集するよう組織内に配置された図4の生検針の側立面図を表す。
図16】なおも別の例示的なマーカ送達デバイスの斜視図を表す。
図17図16の線17-17に沿って取られた断面を有する、図16のマーカ送達デバイスの側断面図を表す。
図18図16のマーカ送達デバイスの別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、図4の生検針に挿入されている。
図19図16のマーカ送達デバイスの更なる別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、関節接合された構成にある。
図20図16のマーカ送達デバイスのなおも別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、展開された位置にある。
図21】なおも別の例示的なマーカ送達デバイスの斜視図を表す。
図22図21の線22-22に沿って取られた断面を有する、図21のマーカ送達デバイスの側断面図を表す。
図23図21のマーカ送達デバイスの別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、装着された構成にある。
図24図21のマーカ送達デバイスの更なる別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、組織収集構成にある。
図25図21のマーカ送達デバイスのなおも別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、展開された構成にある。
図26図21のマーカ送達デバイスのなおも別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、引き出されている。
図27】なおも別の例示的なマーカ送達デバイスの斜視図を表す。
図28図27の線28-28に沿って取られた断面を有する、図27のマーカ送達デバイスの側断面図を表す。
図29図27のマーカ送達デバイスの別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、装着された構成にある。
図30図27のマーカ送達デバイスの更なる別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、組織収集構成にある。
図31図27のマーカ送達デバイスのなおも別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、展開された構成にある。
図32図27のマーカ送達デバイスのなおも別の側断面図を表し、マーカ送達デバイスは、引き出されている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面は、決して限定的となることを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されない方法も含む様々な他の方法で実施され得ることが企図されている。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を例示し、その説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。しかし本発明が、示される正確な配置に限定されないことは理解されるであろう。
【0009】
本発明の特定の実施例に関する以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態及び利点は、以下の説明から当業者に明らかであり、それは例示であり、本発明を実施するために企図される最良の形態のうちの1つである。理解されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の様々かつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は本質的に例示であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0010】
一時的であるかまたは永続的であるかどうかに関わらず、それを除去またはサンプリングする前または後に病変の位置または辺縁をマーキングすることが可能であることが、有益である場合がある。除去の前のマーキングは、望まれる場合に、病変全体が切除されることを保証することを促進することができる。代わりに、病変がその全体で意図せずに除去された場合、手順の直後に生検部位をマーキングすることは、後の識別のためにその位置の再確立を可能にする。
【0011】
マーカが生検部位に位置付けられると、マーカが超音波の下で視認可能なままであることが望ましい場合がある。また、患者の他の構造的特徴に対してマーカを容易に識別可能にすることが望ましい場合がある。例えば、後続の超音波検査の間に微細石灰化としてマーカを意図せずに特徴付けることを回避するために、微細石灰化から超音波視覚化の下でマーカが区別されることが望ましい場合がある。一般的に、微細石灰化は、疑わしい病変または質量を識別するための分野において使用される。よって、超音波ビューがマーカとして区別可能であり、新たな質量として意図せず識別されないことが全体的に望ましい。
【0012】
I.例示的なマーカ
【0013】
本明細書で提示される態様は、図1A~1Cに示されるように、周辺組織(30)を有する生検空洞(10)を経皮的にマーキングするためのマーカを製造するデバイス及び手順に関連する。例えば、図1Aにおいて見られるように、マーカ(100)は最初に、生検部位の移転を促すために、生検空洞(10)に配置されてもよい。マーカ(100)は、キャリア(120)及びマーカ要素(12)を含んでもよい。キャリア(120)は全体的に、生体吸収性マーカ材料(122)を含む。よって、キャリア(120)は全体的に、生検空洞(10)内でのマーカ(100)の配置の後の患者への吸収のために構成される。いくつかの実施例では、キャリア(120)は、超音波の下でキャリア(120)の視覚化を強化する複数のマイクロバブルを含んでもよい。以下でより詳細に説明されるように、マーカ材料(122)は全体的に、生体吸収性であり、その結果、経時的に患者の組織にマーカ材料(122)を全体的に吸収することができる。本実施例では、マーカ材料(122)は、脱水状態に最初はあるヒドロゲルを含む。本実施例では、ヒドロゲルが使用されるが、他の実施例では、マーカ材料(122)が他の既知の生体吸収性材料を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0014】
本実施例では、マーカ(100)は更に、全体的に生体吸収性でないマーカ要素(12)を含む。マーカ要素(12)は、キャリア(120)の生体吸収性マーカ材料(122)内に埋め込まれたX線不透過性マーカまたはエコー源性マーカを含んでもよい。例えば、マーカ要素(12)は、本明細書における教示を考慮して、当業者に既知の金属、硬質プラスチック、または他のX線不透過性材料もしくは高エコー域材料を含んでもよい。他の実施例では、マーカ(100)は、マーカ要素(12)なしに形成されてもよい。更なる他の実施例では、マーカ(100)は、マーカ要素(12)のみにより形成されてもよく、その結果、キャリア(120)が省略され、マーカ要素(12)が「覆われていない」形式にある。言い換えると、いくつかの実施例では、マーカ(100)は、覆われていないクリップとしてキャリア(120)のみから形成される。
【0015】
マーカ材料(122)は全体的に、患者内で生検部位に配置されると拡張可能である。図1B及び図1Cに示されるように、最初に脱水されたマーカ材料(122)は、それが挿入される周辺組織(30)からの流体を吸収することができる。液体のこの吸収に応答して、マーカ材料(122)が膨張することができ、それによって、生検手順の間に組織サンプルの除去によって生検部位に形成された空洞をキャリア(120)が埋めることを可能にする。生分解性材料は特に、自然な組織成長が経時的に埋植材料を完全にまたは部分的に置き換えることを可能にすることが望まれる用途において適切である場合がある。したがって、生体適合性が保証され、組織の自然な機械的パラメータが実質的に、事前に損傷した状態のそれらに復元される。
【0016】
マーカ(100)は、本体空洞(30)内の開口を介して、またはそのようなデバイスをカテーテル、イントロデューサ、もしくは同様のタイプの挿入デバイスとして使用した低侵襲手順を通じてのいずれかで本体に挿入されてもよい。マーカ(100)は、組織標本自体を除去するために使用される同一のデバイスを使用して、組織標本の除去の直後に送達されてもよい。次いで、マーカ(100)を介して一定の期間を通じて生検空洞部位を識別、特定、及び監視するために、x線乳房撮影または超音波などのフォローアップ非侵襲検出技術が内科医によって使用されてもよい。
【0017】
本実施例のマーカ(100)は、x線視野または超音波視野の下で臨床医に容易に視認可能であるように十分に大きく、例えば、生検空洞に経皮的に展開されることが可能であり、患者にいずれかの困難を生じさせないように十分に小さい。乳房組織の治療及び診断と関連して実施例が説明されるが、以下に提示される態様は、いずれかの内部組織、例えば、乳房組織、肺組織、前立腺組織、リンパ節組織などにあるマーカに対して使用されてもよい。
【0018】
それを取り囲む組織の天然保湿によるキャリア(120)のマーカ材料(122)の水和作用は、ポリマの拡張を生じさせ、よって、転移のリスクを最小にする。成長するヒドロゲルに基づくマーカ材料(122)は、それが成長するにつれて生検空洞内でマーカ(100)を中心に置く。ヒドロゲルが拡大するにつれて、周辺組織から保湿が自然に存在し、水和作用が伝達を通じて音が増大することを可能にし、ますます多くの低エコーが現れ、フォローアップ超音波学習を視覚化することが容易である。
【0019】
キャリア(120)の水和性ヒドロゲルマーカ材料(122)も、永続的マーカ(12)を構成するために使用されてもよい。水和性マーカ材料(122)の低エコー特性は、永続的マーカ(12)が水のような非反射性基板を有する低エコー水和性マーカ内で鏡面反射体として輪郭を描かれることを理由に、ヒドロゲル水和性マーカ材料(122)内の永続的マーカ(12)の超音波視認性を有効にする。
【0020】
II.例示的なマーカ送達デバイス
【0021】
いくつかの実施例では、特定のマーカ送達デバイスを使用して本体空洞(30)内に上記説明されたマーカ(100)を展開することが望ましい場合がある。例えば、図2及び図3は、カニューレ(162)の遠位端に隣接して形成されるが、カニューレ(162)の遠位端から近位に間隔を空けられた側面開口(164)などのマーカ出口を有する細長外部カニューレを含む例示的なマーカ送達デバイス(150)を示す。
【0022】
カニューレ(162)の近位端にグリップ(166)が設けられてもよい。プッシュロッド(168)が設けられてもよく、プッシュロッド(168)は、カニューレ(162)内で同軸上に延在し、その結果、プッシュロッド(168)は、側面開口(164)を通じて1つ以上のマーカを移すようカニューレ(162)内で並進移動するように構成される(図3を参照)。ロッド(168)は、開口(164)を通じてカニューレ(162)の内腔(165)からマーカを外に押し込むよう圧迫において十分な剛性を有してもよく、曲がるときになおも相対的に伸縮自在であってもよい。カニューレ(162)からマーカを展開するようロッド(168)をカニューレ(162)内で遠位に押し込むために、プランジャ(170)がロッド(168)の近位端において結合される。
【0023】
ユーザは、2本の指によりグリップ(166)をつかむことができ、同一の手の上の親指を使用してプランジャ(170)を前進させることができ、その結果、マーカ送達デバイス(160)は、ユーザの片手によって操作される。グリップ(166)及びカニューレ(162)に対して近位にロッド(168)を付勢するよう、ロッド(168)の周りにバネ(図示せず)または他の特徴が設けられてもよい。
【0024】
図3は、マーカ送達デバイス(160)の遠位部の断面図を示す。図から分かるように、上記説明されたマーカ(100)と同様の生検マーカ(300)は、カニューレ(162)の内腔(165)内に配置される。本実施例では、マーカ(300)は、全体的に円柱状に成形された本体のコラーゲンまたはヒドロゲルなどの生分解性材料またはそうでなければ吸収性マーカ材料(306)、及びマーカ材料(306)内に配置され、またはそうでなければマーカ材料(306)によって搬送される金属の全体的にX線不透過性永続的マーカまたはマーカ要素(310)を含む。
【0025】
カニューレ(162)は、いずれかの適切な金属材料または非金属材料から形成されてもよい。或るバージョンでは、カニューレ(162)は、適切な医療用プラスチックまたはポリマから形成された薄肉中空管から形成される。1つの適切な材料は、商品名PEBAXの下で既知であるものなど、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)などの熱可塑性エラストマである。カニューレ(162)は、PEBAXから形成されてもよく、可視光及びx線に対して実質的に透過的であってもよい。
【0026】
側面開口(164)は、カニューレ(162)の壁の一部を切り取ることによって形成されてもよい。側面開口(164)は、カニューレ(162)の内腔(165)と連絡する。側面開口(164)は、図3に示されるように、近位開口端(164A)から遠位開口端(164B)に軸方向に(腔(165)の軸に平行な方向に)延在してもよい。
【0027】
本実施例では、図3に示されるように、遠位先端(172)は、カニューレ(162)の遠位端から延在し、丸められる。図3を参照して、カニューレ(162)の遠位端は、カニューレ(162)の内腔(165)に延在する末端部(171)の一部により、一元的末端部(171)によって閉鎖される。末端部(171)は、成形部材または鋳型部材であってもよい。末端部(171)は、先端(172)、斜面(212)を有する傾斜路(210)、及びマーカ係合要素(240)を含む。斜面(212)は、側面開口(164)を通じて内腔(165)からマーカ(300)を方向付けることを支援する。マーカ係合要素(240)は、ユーザがマーカ(300)を展開することを意図するまで、内腔(165)内でマーカ(300)を保つことを促進する。
【0028】
マーカ係合要素(240)は、内腔(165)内に配置され、マーカ係合要素(240)の少なくとも一部は、側面開口(164)の近位端(164A)の遠位に配置される。マーカ係合要素(240)は、開口(164)の下でカニューレ(162)の底の一部に沿って延在し、その結果、マーカ係合要素(240)は、開口(164)が形成されたカニューレ(162)の一部を補強するように位置付けられる。例えば、開口(164)の下部にマーカ係合要素(240)を位置付けることによって、図3に示されるように、要素(240)は、カニューレ(162)の壁が開口(164)を形成するよう切断された領域内でカニューレ(162)を硬化することを促進する。図3に示されるように、マーカ係合要素(240)は、斜面(212)の最も近位部分から延在し、側面開口(164)の近位に延在しないが、他の実施形態では、要素(240)の一部は、開口(164)の近位に延在してもよい。
【0029】
図3に示されるように、マーカ係合要素(240)は、要素(240)が先細った近位端(242)を有することを除き、要素(240)の軸長に沿って全体的に一様な厚み(T)を有する段階の形式にある。先細った近位端(242)は、約45度の腔(165)の縦軸を有する狭角を形成すると共に(狭角は、図3においては水平線を有する)斜面(212)は、約30度の縦軸を有する狭角を形成する。もちろん、いずれかの数の他の適切な角度が使用されてもよい。
【0030】
図3に示されるように、マーカ係合要素(240)の上向き面(244)(開口(164)に対向した面)は、斜面(212)に接触するよう遠位に延在し、その結果、面(244)と斜面(212)との間に空間または隙間が存在しない。そのような配列は、マーカ係合要素(240)を通過すると、マーカ(300)がマーカ係合要素(240)と傾斜路(212)との間に留まることになる場合がある可能性を低減させるという利点がある。或るバージョンでは、マーカ係合要素(240)、傾斜路(210)、及び/または先端(172)は、カニューレ(162)の壁よりも相対的によりX線不透過性である材料から形成され、またはカニューレ(162)の壁よりも相対的によりX線不透過性である材料を含む。例えば、要素(240)、傾斜路(210)、及び先端(172)が一体式末端部(171)として形成される場合、末端部(171)は、硫酸バリウムなどのX線不透過性添加剤を含んでもよい。例えば、末端部(171)は、溶解PEBAX成形構成に付加された重硫酸バリウムにより約20パーセントを有するPEBAXから成形された部材であってもよい。相対的によりX線不透過性のマーカ係合要素(240)、傾斜路(210)、及び先端(22)は、放射線撮像を使用してそれらの部材の位置を区別する際に有用である場合がある。また、傾斜路(210)及び/または係合要素(240)の段階が開口(164)と関連して位置付けられる場合、X線不透過性材料の付加は、マーカ(300)の展開の前、間、または後に、開口(164)の位置、及び開口(164)に対するマーカ(300)の位置を識別することを促進することができる。
【0031】
図4を参照して、マーカ送達デバイス(160)は、マーカ(300)を展開して患者内の生検位置をマーキングするために使用される。図4では、穿刺先端(402)及び側面組織受け開き口(414)を有する閉鎖遠位端を有するカニューラ生検針(400)が示される。マーカ送達デバイス(160)は、生検針(400)を通じて生検部位に導入され、生検針(400)は、生検部位から組織サンプルを収集するために使用されるものと同一の針(400)であってもよい。生検針(400)は、単挿入・多サンプル持続陰圧生検デバイスと共に使用されるタイプの生検針であってもよい。本明細書で参照によって参照され、組み込まれた様々な特許及び特許出願においていくつかのそのような生検デバイスが開示されるが、他の生検デバイスが使用されてもよい。
【0032】
図4は、針(400)内に配置されたマーカ送達デバイス(160)の遠位端を示す。針(400)は、組織内に位置付けられてもよく、生検サンプルは、側面開き口(414)を通じて取得されてもよく、それによって、側面開き口(414)に隣接して生検空洞を設ける。次いで、組織サンプルが取得され、針(400)を通じて近位に移転された後、患者の組織から針(400)を除去することなく、マーカ送達デバイス(160)が針(400)内の近位開口に挿入される。図4では、針(400)及びマーカ送達デバイス(160)は、カニューレ(162)の開口(164)及び針(400)の側面開き口(414)が軸方向及び周方向に実質的に位置合わせされるように位置付けられる。次いで、マーカ送達デバイス(160)及び針(400)が生検部位にそのように位置付けられることにより、プッシュロッド(168)が前進され、マーカ(300)を、斜面(212)を上がり、開口(164)を通り、次いで、側面開き口(414)を通り、生検空洞に入るように展開する。
【0033】
III.ダイレクトマーキングのための例示的な代替マーカ及びマーカ送達デバイス
【0034】
いくつかの実施例では、マーカが組織内の予め定められた位置に残る傾向を低減させるために、マーカ(100)と同様のマーカと関連付けられた様々な特徴を含むことが望ましい場合がある。特に、マーカが生検部位に配置されると、後続のフォローアップ手順において生検部位を識別するために、マーカを後に移転させることができる。いくつかの実施例では、配置されたマーカは、生検部位に完全に対応しない場合がある。例えば、マーカは、生検手順と後続のフォローアップ手順との間の介在時間の間に生検部位から別の近くの位置に転移することがある。これは、後続のフォローアップ手順の間に生検部位を識別することによる困難性につながることがある。したがって、経時的にマーカを固定位置に維持するために、マーカに特徴を組み込むことが望ましい場合がある。
【0035】
加えて、代替として、いくつかの実施例では、マーカの初期の展開の精度を高めるために、上記説明されたマーカ送達デバイス(150)と同様のマーカ送達デバイスと関連付けられた様々な特徴を含むことが望ましい場合がある。特に、上述したように、生検部位を移転させるためにマーカが使用されてもよい。また、上述したように、いくつかの実施例では、配置されたマーカは、生検部位に完全に対応しない場合がある。例えば、マーカは、マーキングの間に生検部位に配置されていない場合がある。よって、マーカ配置の精度を高めるために、マーカ送達デバイスに特徴を組み込むことが望ましい場合がある。上記概要が示された特徴を組み込むいくつかの実施例が本明細書で説明されるが、本明細書で説明される基本原理から逸脱することなく、様々な代替的な組み合わせが使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0036】
A.ダーツを有する例示的なマーカ
【0037】
図5は、上記説明されたマーカ(100)と同様の例示的なマーカ(500)を示す。マーカ(500)は全体的に、組織に噛み合い、その結果、マーカ(500)が組織内に配置されるときに移動に抵抗するように構成された矢印構成またはダーツ構成を含むように構成される。上記説明されたマーカ(100)とは異なり、本実施例のマーカ(500)は、キャリア(120)と同様のキャリアが使用されないように、覆われていないマーカとして構成される。本実施例のマーカ(500)は、キャリアなしに構成されるが、他の実施例では、マーカ(500)の一部または全てが上記説明されたキャリア(120)と同様の被膜または他の物質を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0038】
本実施例のマーカ(500)は、X線、超音波、磁気共鳴撮像(MRI)、及び/または視覚などの様々な撮像手段の下で全体的に視認可能である材料から構成されたマーカ要素(512)を含む。マーカ要素(512)は、組織に噛み合うように全体的に構成されたジオメトリを定める。特に、マーカ要素(512)は、或る角度で本体(514)に対して近位且つ外向きに延在する1つ以上のアーム(516)を含む。本実施例では、2つのアーム(516)は、矢印または三角形の形状に対応する構成を定めるよう、本体(514)において接合する。よって、アーム(516)は共に、組織を貫通するために使用することができる尖った遠位端を定める。他の構成では、1つのアーム(516)のみを使用することができる。他の実施例では、3つ、4つ、または5つなどの複数のアーム(516)が使用されてもよい。もちろん、本明細書における教示を考慮して、様々な他の構成が当業者に明らかである。
【0039】
各々のアーム(516)は、各々のアーム(516)の近位端に1つ以上の歯またはリブ(518)を含む。そのような(518)は、各々のアーム(518)の外向き拡張部に対して横方向内向きに延在する。この構成では、歯(518)は、組織セグメント上で部分的に穿刺し、またはつかみ取り、それによって、組織内に配置されるときに固定位置にマーカ(500)を保持するように構成される。歯(518)が様々な構成を含むことができるが、本実施例の歯(518)は、鋭敏な端を有するかかりとして構成される。
【0040】
マーカ要素(512)の近位部分は、本体(514)から外向きに延在する基部(520)を含む。いくつかの実施例では、基部(520)は、マーカ(500)のバランスを全体的に改善することによって、展開の間にマーカ(500)の軌道を改善するように構成されてもよい。基部(520)はまた、マーカ(500)の操縦を促進し、またはマーカ(500)が組織内に配置されるときの位置に残る傾向を増大させるように構成されてもよい。2つの外向き延在する突起部を有するとして本実施例の基部(520)が示されるが、基部(520)が様々な構成を有することができることが理解されるべきである。例えば、図示されないが、本実施例の基部(520)は、円形ディスク構成を含んでもよい。以下でより詳細に説明されるように、ディスク構成を含む基部(520)の実施例は、マーカ送達デバイスの内部などの様々な部材を密閉するために使用されてもよい。
【0041】
B.圧力誘起展開による例示的なマーカ送達デバイス
【0042】
図6は、マーカ(500)または本明細書で説明されるいずれかの他のマーカと共に容易に使用することができる例示的なマーカ送達デバイス(550)を示す。本実施例のマーカ送達デバイス(550)は、本明細書で他に言及されるものを除き、上記説明されたマーカ送達デバイス(150)と実質的に同様である。例えば、マーカ送達デバイス(150)と同様に、本実施例のマーカ送達デバイス(550)は、細長外部カニューレ(562)を含む。同様にマーカ送達デバイス(550)は、カニューレ(562)の近位端にグリップ(566)を含む。同様に、プッシュロッド(168)と同様のプッシュロッド(568)が設けられてもよい。プッシュロッド(168)と同様に、プッシュロッド(568)は、カニューレ(562)内で同軸上に延在し、その結果、プッシュロッド(568)が1つ以上のマーカを移すようカニューレ(562)内で並進移動するように構成される。カニューレ(562)からマーカを展開するようロッド(568)をカニューレ(562)内で遠位に押し込むために、プランジャ(570)がロッド(568)の近位端において結合される。
【0043】
マーカ送達デバイス(150)とは異なり、本実施例のマーカ送達デバイス(550)は全体的に、側面展開デバイスではなく、端展開デバイスとして構成される。特に、外部カニューレ(562)は、側面開口(164)と同様の側面開口の代わりに、マーカ出口として使用される開放遠位端(564)を定める。そのような構成は、生検針(400)と同様の針ではなく開放遠位端を有するイントロデューサを通じてマーキングが行われたコンテキストにおいて望ましい場合がある。例えば、そのような構成では、イントロデューサの開放遠位端は、生検部位に近接近して位置付けられてもよく、マーカは、イントロデューサの開放遠位端を通じて展開されてもよい。この構成は全体的に、マーキングをより単純にし、誤りの可能性を低減させるために望ましい場合がある。
【0044】
図示されないが、いくつかの実施例では、外部カニューレ(562)は、外部カニューレ(562)内でマーカを保持するように構成された特定の特徴を含んでもよいことが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施例では、外部カニューレ(562)は、開放遠位端(564)に内向き先細り部を含んでもよい。他の実施例では、外部カニューレ(562)は、1つ以上のこぶ、窪み、畝、及び/またはリブなどを含んでもよい。そのような実施例では、適切なこぶ、窪み、畝、及び/またはリブは、マーカが開放遠位端(564)を通過することを可能にすると共に、また、マーカをそこに保持することを可能にするようゴム弾性であってもよく、またはゴム引きされてもよい。更なる他の実施例では、本明細書における教示を考慮して、様々な代替構成が当業者に明らかである。
【0045】
マーカ送達デバイス(550)はまた、プッシュロッド(568)の構成においてマーカ送達デバイス(150)とは異なる。特に、本実施例のプッシュロッド(568)の遠位端は、プッシュロッド(568)のコアから外向きに突起する1つ以上のディスク形状密閉部(572)を含む。各々の密閉部(572)は、外部カニューレ(562)の内径にほぼ等しい直径を有するような大きさにされる。加えて、密閉部(572)は、外部カニューレ(562)の内径を密閉するゴム引き被膜またはOリングなどの密閉部を含んでもよい。この構成では、密閉部(572)は全体的に、外部カニューレ(562)の少なくとも一部を密閉するよう、外部カニューレ(562)内で密閉適合をもたらすように構成される。以下でより詳細に説明されるように、この構成は、マーカとプッシュロッド(568)との間で全体的に圧力を生じさせ、それによって、プッシュロッド(568)とマーカとの間の物理接触ではなく圧力を使用してマーカを排出するために使用されてもよい。
【0046】
図6及び図7は、マーカ(500)と関連したマーカ送達デバイス(550)の例示的な使用を示す。本実施例のマーカ送達デバイス(550)がマーカ(500)と共に使用されるとして示されるが、他の実施例では、それらに限定されないが、本明細書で説明されるマーカを含むいずれかの他の適切なマーカと共にマーカ送達デバイス(550)を容易に使用することができることが理解されるべきである。
【0047】
図6において見られるように、マーカ送達デバイス(550)は最初に、装着された構成において開始する。装着された構成では、マーカ(500)は、まさに開放遠位端(564)の内部の、マーカ送達デバイス(550)の外部カニューレ(562)内に配置される。加えて、基部(520)などのマーカ(500)の少なくとも一部は、外部カニューレ(562)を密閉するよう、外部カニューレ(562)の内部に係合してもよい。マーカ(500)とプッシュロッド(568)との間の少なくとも何らかの空間を定めるよう、マーカ(500)に近接してプッシュロッド(568)が位置付けられる。以下でより詳細に説明されるように、この空間は全体的に、マーカ(500)とプッシュロッド(568)の遠位端との間の正の流体圧力を生じさせるために使用することができる外部カニューレ(562)の内部の中の体積を定める。
【0048】
マーカ送達デバイス(550)が装着された構成にある間、マーカ送達デバイス(550)の外部カニューレ(562)は、生検部位に開放遠位端(564)を位置付けるよう、患者の組織に挿入されてもよい。或る使用では、マーカ送達デバイス(550)の導入は、イントロデューサカニューレ、生検針、または他の関連するデバイスの支援なしに行われてもよい。他の使用では、マーカ送達デバイス(550)の導入は、上記説明された生検針(400)と同様の生検針を通じて行われてもよい。更なる他の使用では、マーカ送達デバイス(550)の導入は、生検針または他の関連するデバイスと関連して使用されるイントロデューサカニューレの支援により行われてもよい。全ての使用では、開放遠位端(564)の位置付けは、X線、超音波、及び/またはMRIなどの撮像ガイダンスの1つ以上の形式を使用して確認されてもよい。
【0049】
マーカ送達デバイス(550)の外部カニューレ(562)が組織内に位置付けられると、図7に示されるように、開放遠位端(564)を通じてマーカ(500)を展開することができる。マーカ(500)を展開するために、オペレータは、プッシュロッド(568)を遠位に並進移動させるよう、プランジャ(570)を押し込むことができる。或る使用では、グリップ(566)の支援により片手を使用してこれを達成することができる。プッシュロッド(568)が遠位に前進するにつれて、プッシュロッド(568)の遠位端上の1つ以上の密閉部(572)は、マーカ(500)とプッシュロッド(568)との間で正の流体圧力を生じさせる。本実施例では、マーカ(500)の基部(520)は、開放遠位端(564)に近接した少なくとも何らかの密閉アクションを設けることによって、正の流体圧力を生じさせることを支援する。この圧力は、マーカ(500)が開放遠位端(564)から組織に排出されるまで生じ続ける。
【0050】
マーカ(500)がマーカ送達デバイス(550)から展開されると、外部カニューレ(562)を組織から引き出すことができる。このステージでは、マーカ送達デバイス(550)(積み替えた後)またはマーカ送達デバイス(550)と同様の他のマーカ送達デバイスのいずれかと共に、マーカ(500)と同様の1つ以上の追加のマーカが任意選択で展開されてもよい。
【0051】
C.遊離可能テザーを有する例示的なマーカ
【0052】
図8は、上記説明されたマーカ(100)と同様の例示的なマーカ(600)を示す。マーカ(600)は全体的に、組織に噛み合い、その結果、マーカ(600)が組織内に配置されるときに移動に抵抗するように構成された矢印構成またはダーツ構成を含むように構成される。上記説明されたマーカ(100)とは異なり、本実施例のマーカ(600)は、キャリア(120)と同様のキャリアが使用されないように、覆われていないマーカとして構成される。本実施例のマーカ(600)は、キャリアなしに構成されるが、他の実施例では、マーカ(600)の一部または全てが上記説明されたキャリア(120)と同様の被膜または他の物質を含んでもよいことが理解されるべきである。
【0053】
本実施例のマーカ(600)は、X線、超音波、磁気共鳴撮像(MRI)、及び/または視覚などの様々な撮像手段の下で全体的に視認可能である材料から構成されたマーカ要素(612)を含む。マーカ要素(612)は、組織に噛み合うように全体的に構成されたジオメトリを定める。特に、マーカ要素(612)は、或る角度で本体(614)に対して近位に延在する1つ以上のアーム(616)を含む。本実施例では、2つのアーム(616)は、矢印または三角形の形状に対応する構成を定めるよう、本体(614)において接合する。よって、アーム(616)は共に、組織を貫通するために使用することができる尖った遠位端を定める。他の構成では、1つのアーム(616)のみを使用することができる。他の実施例では、3つ、4つ、または5つなどの複数のアーム(616)が使用されてもよい。もちろん、本明細書における教示を考慮して、様々な他の構成が当業者に明らかである。
【0054】
各々のアーム(616)は、各々のアーム(616)の近位端に1つ以上の歯またはリブ(618)を含む。そのような(618)は、各々のアーム(618)の外向き拡張部に対して横方向内向きに延在する。この構成では、歯(618)は、組織セグメント上で部分的に穿刺し、またはつかみ取り、それによって、組織内に配置されるときに固定位置にマーカ(600)を保持するように構成される。歯(618)が様々な構成を含むことができるが、本実施例の歯(618)は、鋭敏な端を有するかかりとして構成される。
【0055】
マーカ要素(612)の本体(614)は、マーカ要素(612)の遠位端から離れて近位に突起し、本体(614)が近位に延在するにつれて内向きに先細る。いくつかの構成では、この先細り構成は、マーカ(600)とマーカ送達デバイスカニューレなどの他の要素との間で密閉部を推進するように構成されてもよい。
【0056】
本体(614)の近位端は、本体(614)から遠位に延在するテザー(620)に一体的に結合される。以下でより詳細に説明されるように、テザー(620)は、マーカ送達デバイスの一部にマーカ(600)を結合するために使用されてもよい。本実施例では、テザー(620)は全体的に、細線として構成され、その結果、テザー(620)が伸縮自在且つ非剛体であることができる。本実施例のテザー(620)が全体的に伸縮自在であるが、いくつかの実施例では、テザー(620)は、少なくともある程度の剛体性及び/または硬化性を有してもよいことが理解されるべきである。
【0057】
本実施例のテザー(620)は、本体(614)の近くにひだ(622)を含む。ひだ(622)は全体的に、テザー(620)についての応力集中点としての役割を果たし、その結果、テザー(620)に加えられた応力がひだ(622)に集中するように構成される。以下でより詳細に説明されるように、この応力集中は全体的に、マーカ(600)の展開において使用するためのテザー(620)の制御された破折をもたらすために使用されてもよい。他の実施例では、ひだ(622)は、ミシン目、くびれ部分、または応力の集中を推進するように構成された他の特徴などの様々な形式を取ってもよいことが理解されるべきである。
【0058】
D.ひだ遊離による例示的なマーカ送達デバイス
【0059】
図9は、マーカ(600)または本明細書で説明されるいずれかの他のマーカと共に容易に使用することができる例示的なマーカ送達デバイス(650)を示す。本実施例のマーカ送達デバイス(650)は、本明細書で他に言及されるものを除き、上記説明されたマーカ送達デバイス(150)と実質的に同様である。例えば、マーカ送達デバイス(150)と同様に、本実施例のマーカ送達デバイス(650)は、細長外部カニューレ(662)を含む。同様にマーカ送達デバイス(650)は、カニューレ(662)の近位端にグリップ(666)を含む。同様に、プッシュロッド(168)と同様のプッシュロッド(668)が設けられてもよい。プッシュロッド(168)と同様に、プッシュロッド(668)は、カニューレ(662)内で同軸上に延在し、その結果、プッシュロッド(668)が1つ以上のマーカを移すようカニューレ(662)内で並進移動するように構成される。カニューレ(662)からマーカを展開するようロッド(668)をカニューレ(662)内で遠位に押し込むために、プランジャ(670)がロッド(668)の近位端において結合される。
【0060】
マーカ送達デバイス(150)とは異なり、本実施例のマーカ送達デバイス(650)は全体的に、側面展開デバイスではなく、端展開デバイスとして構成される。特に、外部カニューレ(662)は、側面開口(164)と同様の側面開口の代わりに、マーカ出口として使用される開放遠位端(664)を定める。そのような構成は、生検針(400)と同様の針ではなく開放遠位端を有するイントロデューサを通じてマーキングが行われたコンテキストにおいて望ましい場合がある。例えば、そのような構成では、イントロデューサの開放遠位端は、生検部位に近接近して位置付けられてもよく、マーカは、イントロデューサの開放遠位端を通じて展開されてもよい。この構成は全体的に、マーキングをより単純にし、誤りの可能性を低減させるために望ましい場合がある。
【0061】
いくつかの実施例では、外部カニューレ(662)は、外部カニューレ(662)内でマーカを保持するように構成された特定の特徴を含んでもよいことが理解されるべきである。例えば、本実施例では、外部カニューレ(662)は、開放遠位端(664)に内向き先細り部を含む。他の実施例では、外部カニューレ(662)は、1つ以上のこぶ、窪み、畝、及び/またはリブなどを含んでもよい。そのような実施例では、適切なこぶ、窪み、畝、及び/またはリブは、マーカが開放遠位端(664)を通過することを可能にすると共に、また、マーカをそこに保持するようゴム弾性であってもよく、またはゴム引きされてもよい。更なる他の実施例では、本明細書における教示を考慮して、様々な代替構成が当業者に明らかである。
【0062】
マーカ送達デバイス(650)はまた、プッシュロッド(668)の構成においてマーカ送達デバイス(150)とは異なる。特に、本実施例のプッシュロッド(668)の遠位端は、マーカ(600)の近位端に固定して取り付けられる。図から分かるように、マーカ(600)のテザー(620)は、プッシュロッド(668)の遠位端に直接結合する。テザー(620)とプッシュロッド(668)との間の結合は、機械的締結、磁気的締結、接着結合、溶接、一体接続、及び/または他の適切な結合手段などのいずれかの適切な手段によって行われてもよい。以下でより詳細に説明されるように、テザー(620)とプッシュロッド(668)との間の結合は全体的に、プランジャ(670)を使用してプッシュロッド(668)が作動するまで、外部カニューレ(662)内でテザー(620)を保持するように構成される。
【0063】
図10及び図11は、マーカ(600)と関連したマーカ送達デバイス(650)の例示的な使用を示す。本実施例のマーカ送達デバイス(650)がマーカ(600)と共に使用されるとして示されるが、他の実施例では、それらに限定されないが、本明細書で説明されるマーカを含むいずれかの他の適切なマーカと共にマーカ送達デバイス(650)を容易に使用することができることが理解されるべきである。
【0064】
図10において見られるように、マーカ送達デバイス(650)は最初に、装着された構成において開始する。装着された構成では、マーカ(600)の本体(614)は、マーカ送達デバイス(650)の外部カニューレ(662)内に配置され、アーム(616)は、外部カニューレ(662)の遠位端上に置かれる。いくつかの実施例では、アーム(616)などのマーカ(600)の少なくとも一部も、外部カニューレ(662)への流体の進入を防止するよう、外部カニューレ(662)の一部を密閉してもよい。
【0065】
装着された構成では、プッシュロッド(668)は全体的に、弛緩位に位置付けられ、その結果、マーカ(600)のテザー(620)に対する張力が相対的に低い。この張力は全体的に、外部カニューレ(662)内でマーカ(600)を保持する。同時に、この張力は、テザー(620)を変形させず、またはそうでなければテザー(620)を伸張もしくは屈曲させないように十分に小さい。
【0066】
マーカ送達デバイス(650)が装着された構成にある間、マーカ送達デバイス(650)の外部カニューレ(662)は、生検部位に開放遠位端(664)を位置付けるよう、患者の組織に挿入されてもよい。或る使用では、マーカ送達デバイス(650)の導入は、イントロデューサカニューレ、生検針、または他の関連するデバイスの支援なしに行われてもよい。他の使用では、マーカ送達デバイス(650)の導入は、上記説明された生検針(400)と同様の生検針を通じて行われてもよい。更なる他の使用では、マーカ送達デバイス(650)の導入は、生検針または他の関連するデバイスと関連して使用されるイントロデューサカニューレの支援により行われてもよい。全ての使用では、開放遠位端(664)の位置付けは、X線、超音波、及び/またはMRIなどの撮像ガイダンスの1つ以上の形式を使用して確認されてもよい。
【0067】
マーカ送達デバイス(650)の外部カニューレ(662)が組織内に位置付けられると、図11に示されるように、開放遠位端(664)を通じてマーカ(600)を展開することができる。マーカ(600)を展開するために、オペレータは、プッシュロッド(668)を遠位に並進移動させるよう、プランジャ(670)を押し込むことができる。或る使用では、グリップ(666)の支援により片手を使用してこれを達成することができる。プッシュロッド(668)が遠位に前進するにつれて、応力がマーカ(600)のテザー(620)に加えられる。この応力は、ひだ(622)が破折するまでひだ(622)に集中し、生じる。ひだ(622)が破折された後、マーカ(600)がマーカ送達デバイス(650)から遊離する。アーム(616)が既に外部カニューレ(662)の外側に位置付けられていることを理由に、歯(618)は、配置の間に既に行われた組織との係合を通じて適切な位置にマーカ(600)を確保することができる。次いで、マーカ送達デバイス(650)の外部カニューレ(662)を組織から引き出すことができ、ひだ(622)の遠位にマーカ(600)の一部を残す。
【0068】
マーカ送達デバイス(650)が組織から引き出されると、マーカ送達デバイス(650)(積み替えた後)またはマーカ送達デバイス(650)と同様の他のマーカ送達デバイスのいずれかと共に、マーカ(600)と同様の1つ以上の追加のマーカが任意選択で展開されてもよい。
【0069】
E.事前生検マーキングのための例示的なマーカ送達デバイス
【0070】
図12は、生検サンプルの除去の前に組織をマーキングするように構成された例示的なマーカ送達デバイス(750)を示す。以下でより詳細に説明されるように、マーカ送達デバイス(750)は全体的に、流体に基づくマーキング物質を注入するように構成される。しかしながら、他の実施例では、本明細書で説明される様々な固体マーカと共にマーカ送達デバイス(750)を容易に使用することができることが理解されるべきである。
【0071】
本実施例のマーカ送達デバイス(750)は、本明細書で他に言及されるものを除き、上記説明されたマーカ送達デバイス(150)と実質的に同様である。例えば、マーカ送達デバイス(150)と同様に、本実施例のマーカ送達デバイス(750)は、細長外部カニューレ(762)を含む。図示されないが、同様にマーカ送達デバイス(750)は、カニューレ(762)の近位端にグリップ(166)と同様のグリップを含むことが理解されるべきである。また、上記説明された外部カニューレ(162)と同様に、本実施例の外部カニューレ(762)は、上記説明された側面開口(164)と同様のマーカ出口としての役割を果たす側面開口(764)を含む。
【0072】
マーカ送達デバイス(150)とは異なり、マーカ送達デバイス(750)は、外部カニューレ(762)の遠位端に鋭敏な先端(766)を含む。鋭敏な先端(766)は全体的に、組織を穿刺及び貫通するように構成される。以下でより詳細に説明されるように、或る使用では、組織に挿入されることになる第1の器具として外部カニューレ(762)が使用されてもよい。よって、鋭敏な先端(766)は全体的に、生検針(400)と同様の生検針、イントロデューサ、探り針、及び/または緊塞具などの他のデバイスからの支援なしに、組織の貫通を推進することが望ましい。そのような貫通を推進するために、鋭敏な先端(766)が様々な形式を有してもよいことが理解されるべきである。例えば、本実施例では、鋭敏な先端(766)は、全体的に円錐を有する。他の実施例では、鋭敏な先端(766)は、複数の切断エッジを有する多角的であってもよい。更なる他の実施例では、鋭敏な先端(766)は、円錐コアを交差する1つ以上の刃を有してもよい。もちろん、本明細書における教示を考慮して当業者に明らかであるように、鋭敏な先端(766)は、様々な他の適切な構成を有してもよい。
【0073】
また、マーカ送達デバイス(150)とは異なり、本実施例のマーカ送達デバイス(550)は、流体に基づくマーキング物質を展開するように構成される。したがって、本実施例では、プッシュロッド(168)と同様の構造が省略される。代わりに、外部カニューレ(762)の近位端は、チューブまたはカテーテル(770)によって流体源(772)に結合される。流体源(772)は全体的に、外部カニューレ(762)を通じて延在する内腔にマーキング流体を供給するように構成される。加えて、流体源(772)は、そのような圧力下での流体を提供するように構成される。本実施例では、流体源(772)が概略的に示される。しかしながら、流体源(772)が、注射器、モータ駆動ポンプ及びタンク、加圧流体タンク、並びに/または重力供給流体バッグなどの様々な形式を取ってもよいことが理解されるべきである。もちろん、他の実施例では、本明細書における教示を考慮して当業者によって理解されるように、流体源(772)は、様々な代替構成を有してもよい。
【0074】
図12図15は、生検手順を行う前に生検部位をマーキングするためのマーカ送達デバイス(750)の例示的な使用を示す。図12において最良に見られるように、マーカ送達デバイス(750)は最初に、装着された構成において組織の外側から開始する。装着された構成では、マーキング流体は、目標とされる生検部位における後の展開のために流体源(772)内に包含される。このステージにおいて、組織への外部カニューレ(762)の挿入のための様々な準備が行われてもよい。例えば、挿入を推進するために組織がスコア化されてもよい。代わりに、目標とするセットまたは他のデバイスが外部カニューレ(762)の挿入を支援するために組織に挿入されてもよい。
【0075】
組織がどのように準備されるかに関わらず、準備が行われると、外部カニューレ(762)が組織に挿入されてもよい。図13において見られるように、外部カニューレ(762)は、上記説明されたグリップ(166)と同様の構造を使用して組織に直接挿入されてもよい。代わりに、外部カニューレ(762)は、外部カニューレ(762)の挿入の前に組織に挿入された発射機構またはイントロデューサカニューレなどの様々な支援機構を使用して組織に挿入されてもよい。いずれのケースでも、外部カニューレ(762)は、生検サンプリングのために目標とされる病変または他の特徴と側面開口(764)とを位置合わせするよう組織に挿入される。いくつかの実施例では、外部カニューレ(762)は、側面開口(764)の適切な位置合わせをもたらすために、X線、超音波、及び/またはMRIなどの撮像ガイダンス手段と共に使用されてもよいことが理解されるべきである。
【0076】
図14に示されるように、外部カニューレ(762)が目標とされる生検部位に位置付けられると、外部カニューレ(762)を通じて側面開口(764)から組織にマーキング流体(774)を注入するために流体源(722)が使用されてもよい。本実施例では、マーキング流体(774)は、超音波、X線、及び/またはMRIなどの撮像の下での視認性をもたらすように構成された複数のマイクロビーズ、ナノビーズ、マイクロスフェア、及び/またはナノスフェアを含む。他の実施例では、マーキング流体(774)は、流体の吸収または他の工程に起因して、経時的に物理特性を変化させるように構成されたヒドロゲルなどのゲルを含んでもよい。更なる他の実施例では、マーキング流体(774)は、タグ付けされた組織にマーキングされたものを色付けまたは視認性を増大させるように構成された染料または他の流体を含む。特定の材料がマーキング流体(774)として使用されるかに関わらず、マーキング流体(774)は、生検サンプリングのために目標とされるエリアをマーキングするよう、側面開口(764)を退出し、側面開口(764)の近くの組織を貫通する。
【0077】
マーカ送達デバイス(750)を使用してマーキングが完了すると、外部カニューレ(762)が組織から引き出されてもよい。図15において見られるように、外部カニューレ(762)が引き出されると、外部カニューレ(762)は、生検針(400)と置き換えられてもよい。生検針(400)は、様々な生検デバイス構成要素(420)に接続されてもよい。生検サンプリングのために目標とされるエリアから収集された組織サンプルの除去及び保存を支援するために。適切な数の組織サンプルが収集されると、生検針(400)が除去されてもよく、生検部位の後の識別のために少なくとも一部のマーキング流体(774)を残す。
【0078】
F.関節接合による例示的なマーカ送達デバイス
【0079】
図16は、マーカ(500)と同様のマーカ(800)または本明細書で説明されるいずれかの他のマーカと共に容易に使用することができる例示的なマーカ送達デバイス(850)を示す。本実施例のマーカ送達デバイス(850)は、本明細書で他に言及されるものを除き、上記説明されたマーカ送達デバイス(150)と実質的に同様である。例えば、マーカ送達デバイス(150)と同様に、本実施例のマーカ送達デバイス(850)は、細長外部カニューレ(862)を含む。同様にマーカ送達デバイス(850)は、カニューレ(862)の近位端にグリップ(866)を含む。同様に、プッシュロッド(168)と同様のプッシュロッド(868)が設けられてもよい。プッシュロッド(168)と同様に、プッシュロッド(868)は、カニューレ(862)内で同軸上に延在し、その結果、プッシュロッド(868)が1つ以上のマーカを移すようカニューレ(862)内で並進移動するように構成される。カニューレ(862)からマーカを展開するようロッド(868)をカニューレ(862)内で遠位に押し込むために、プランジャ(870)がロッド(868)の近位端において結合される。
【0080】
マーカ送達デバイス(150)とは異なり、本実施例のマーカ送達デバイス(850)は全体的に、側面展開デバイスではなく、端展開デバイスとして構成される。特に、外部カニューレ(862)は、側面開口(164)と同様の側面開口の代わりに、マーカ出口として使用される開放遠位端(864)を定める。そのような構成は、生検針(400)と同様の針ではなく開放遠位端を有するイントロデューサを通じてマーキングが行われたコンテキストにおいて望ましい場合がある。例えば、そのような構成では、イントロデューサの開放遠位端は、生検部位に近接近して位置付けられてもよく、マーカは、イントロデューサの開放遠位端を通じて展開されてもよい。この構成は全体的に、マーキングをより単純にし、誤りの可能性を低減させるために望ましい場合がある。以下でより詳細に説明されるように、本実施例のマーカ送達デバイス(850)も、マーカが上記説明された側面開き口(414)と同様の生検針の側面開き口を通じて展開されるコンテキストにおいて使用されてもよい。
【0081】
いくつかの実施例では、外部カニューレ(862)は、外部カニューレ(862)内でマーカを保持するように構成された特定の特徴を含んでもよいことが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施例では、外部カニューレ(862)は、開放遠位端(864)に内向き先細り部を含んでもよい。他の実施例では、外部カニューレ(862)は、1つ以上のこぶ、窪み、畝、及び/またはリブなどを含んでもよい。そのような実施例では、適切なこぶ、窪み、畝、及び/またはリブは、マーカが開放遠位端(864)を通過することを可能にすると共に、また、マーカをそこに保持するようゴム弾性であってもよく、またはゴム引きされてもよい。更なる他の実施例では、本明細書における教示を考慮して、様々な代替構成が当業者に明らかである。
【0082】
マーカ送達デバイス(850)はまた、サムホイールまたは回転ノブ(872)及びアクチュエータ(876)の存在においてマーカ送達デバイス(150)とは異なる。以下でより詳細に説明されるように、マーカ送達デバイス(850)の1つ以上の内部構成要素は、直線構成と屈曲構成との間で外部カニューレ(862)の少なくとも一部を移動させるように構成される。この機能性を促すために、本実施例のサムホイール(872)は全体的に、外部カニューレ(862)の屈曲のためにオペレータがクロック位置を選択することを可能にするように構成される。同様に、アクチュエータ(876)は全体的に、オペレータが直線構成と屈曲構成との間で外部カニューレ(862)を駆動することを可能にするように構成される。
【0083】
本実施例のサムホイール(872)は全体的に、グリップ(866)に対して回転可能なラウンドホイールとして構成される。サムホイール(872)は、オペレータがサムホイール(872)のクロック位置を即時に識別することを可能にするように構成された複数の位置インジケータ(874)を含む。以下でより詳細に説明されるように、サムホイール(872)は、マーカ送達デバイス(850)の様々な内部構成要素を回転させて、外部カニューレ(862)の屈曲の方向を制御するように構成される。よって、位置インジケータ(874)は、外部カニューレ(862)がクロック位置に基づいてどの方向に屈曲するかについてのインジケーションをオペレータに提供することができる。言い換えると、オペレータは、12時に向かって(縦)、3時に向かって(ページを見て右)、6時に向かって(下方)、9時に向かって(ページを見て左)、及びそれらの間のいずれかの他のクロック位置などの様々な屈曲方向を選択することができる。いくつかの実施例では、サムホイール(872)は、複数のグリップ特徴を含んでもよい。加えて、本実施例がサムホイール(872)を含むが、他の実施例では、サムホイール(872)は、全体として任意選択であり、省略されてもよいことが理解されるべきである。
【0084】
本実施例のアクチュエータ(876)は全体的に、スライダとしてマーカ送達デバイス(850)の1つ以上の構成要素を縦方向に引き込んで、直線構成と屈曲構成との間で外部カニューレ(862)を移動させるように構成される。使用の容易さを推進するために、アクチュエータ(876)が、グリップ(866)の一部に一体化される。しかしながら、他の実施例(876)では、アクチュエータ(876)は、マーカ送達デバイス(850)の他の構成要素に一体化されてもよく、または繋ぎ止められた遠隔制御など、全体として別個であってもよいことが理解されるべきである。アクチュエータ(876)の本実施例は全体的に手動作動を伴うが、他の実施例では、アクチュエータ(876)は、モータまたは電気機械線形アクチュエータとして構成されてもよいことが理解されるべきである。そのような実施例では、アクチュエータ(876)は、プッシュボタン、ダイアル、スイッチ、または他の電気機械線形入力手段によって遠隔に操作されてもよい。
【0085】
マーカ送達デバイス(850)は更に、プッシュロッド(868)の構成においてマーカ送達デバイス(150)とは異なる。図17において最良に見られるように、プッシュロッド(868)は全体的に、上記説明されたプッシュロッド(168)と同様の構成を含む。しかしながら、プッシュロッド(168)とは異なり。本実施例のプッシュロッド(868)は、複数のアーティクレータ(878)によって内部カニューレ(862)から分離される。以下でより詳細に説明されるように、アーティクレータ(878)は全体的に、プッシュロッド(868)及び外部カニューレ(862)の組み合わせを移動させて、プッシュロッド(868)の一部及び外部カニューレ(862)を選択的に屈曲させ、またはそうでなければ関節接合するように構成される。屈曲アクションに関わらず、プッシュロッド(868)はなお、屈曲構成にあるときでさえ、外部カニューレ(862)及びアーティクレータ(878)に対して並進移動するように構成されることが理解されるべきである。
【0086】
アーティクレータ(878)は、様々な形式を取ってもよいと共に、外部カニューレ(862)の屈曲及びプッシュロッド(868)の並進移動を推進する。例えば、本実施例では、アーティクレータ(878)は、外部カニューレ(862)の内部の一部に取り付けられ、またはそうでなければ結合された遠位端を有する細長ワイヤロッドまたはアームとして構成されてもよい。よって、本構成では、各々のアーティクレータ(878)は、外部カニューレ(862)の屈曲を制御するよう独立して張力をかけられてもよい。2つのアーティクレータ(878)のみが本図において視認可能であるが、マーカ送達デバイス(850)は、複数のアーティクレータ(878)を含んでもよいことが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施例では、マーカ送達デバイス(850)は、サムホイール(872)と関連付けられたクロック位置ごとにアーティクレータ(878)を含んでもよい。
【0087】
図示しないが、各々のアーティクレータ(878)は、サムホイール(872)及びアクチュエータ(876)の両方に動作可能に結合されてもよいことが理解されるべきである。例えば、アクチュエータ(876)は、選択された1つ以上のアーティクレータ(878)に張力を選択的に加えるよう、各々のアーティクレータ(878)に動作可能に接続されてもよい。同様に、サムホイール(872)は、どのアーティクレータ(878)またはアーティクレータ(878)のセットがアクチュエータ(876)からの張力を受けるかを選択的に制御するよう、各々のアーティクレータ(878)に動作可能に接続されてもよい。よって、サムホイール(872)及びアクチュエータ(876)は、張力がアーティクレータ(878)にどのように加えられるかを制御することによって、外部カニューレ(862)の屈曲及び屈曲の方向の両方を制御するよう共に動作するように構成される。
【0088】
図18及び19は、マーカ(800)と関連したマーカ送達デバイス(850)の例示的な使用を示す。本実施例のマーカ(800)は、上記説明されたマーカ(500)と実質的に同様であることが理解されるべきである。本実施例のマーカ送達デバイス(850)がマーカ(800)と共に使用されるとして示されるが、他の実施例では、それらに限定されないが、本明細書で説明されるマーカを含むいずれかの他の適切なマーカと共にマーカ送達デバイス(850)を容易に使用することができることが理解されるべきである。
【0089】
マーカ送達デバイス(850)は最初に、装着された構成において開始する。装着された構成では、マーカ(800)は、マーカ送達デバイス(850)の外部カニューレ(862)内に配置される。いくつかの実施例では、マーカ(800)の少なくとも一部も、外部カニューレ(862)への流体の進入を防止するよう、外部カニューレ(662)の一部を密閉してもよい。また、装着された構成では、外部カニューレ(862)は、直線構成に位置付けられる。
【0090】
図18において見ることができるように、マーカ送達デバイス(850)が装着された構成にあるとき、外部カニューレ(862)が生検針(400)に挿入されてもよい。本使用では、この挿入は、組織内の目標とされる領域から組織サンプルを抽出するために生検針(400)が使用された後に行われる。よって、生検針(400)が生検部位に既に位置付けられており、その結果、生検針(400)への外部カニューレ(862)の挿入も同様に、生検部位に外部カニューレ(862)を位置付ける。
【0091】
本使用では、外部カニューレ(862)が生検針(400)と共に使用されるとして示されるが、或る使用では、マーカ送達デバイス(850)の導入は、イントロデューサカニューレ及び/または他の関連するデバイスの支援なしに行われてもよい。特定の使用に関わらず、開放遠位端(864)の位置付けは、X線、超音波、及び/またはMRIなどの撮像ガイダンスの1つ以上の形式を使用して確認されてもよい。
【0092】
マーカ送達デバイス(850)の外部カニューレ(862)が生検針(400)を介して組織内に位置付けられると、外部カニューレ(862)は、アクチュエータ(876)を使用して直線構成から屈曲構成に遷移することができる。直線構成から屈曲構成への遷移は、図18及び図19を比較することによって見ることができる。特に、アクチュエータ(876)は、外部カニューレ(862)内に位置付けられた1つ以上のアーティクレータ(878)に張力をかけるよう引き込まれ、またはそうでなければ作動される。この張力は次いで、外部カニューレ(862)を屈曲させ、またはそうでなければ関節接合させ、それはまた、プッシュロッド(868)を屈曲させる。図19において見ることができるように、この屈曲アクションは、外部カニューレ(862)の開放遠位端(864)を、生検針(400)の側面開き口(414)を通じて生検部位に位置付けさせる。
【0093】
図20において見ることができるように、外部カニューレ(862)が屈曲構成にあると、マーカ(800)が開放遠位端(864)を通じて展開されることができる。マーカ(800)を展開するために、オペレータは、プッシュロッド(868)を遠位に並進移動させるよう、プランジャ(870)を押し込むことができる。或る使用では、グリップ(866)の支援により片手を使用してこれを達成することができる。プッシュロッド(868)が遠位に前進するにつれて、プッシュロッド(868)の遠位端は、マーカ(800)に係合し、開放遠位端(864)からマーカ(800)を押し出す。マーカ送達デバイス(850)の外部カニューレ(862)は次いで、直線位置に戻されてもよく、生検針(400)から引き出されてもよく、マーカ(800)を残す。
【0094】
マーカ送達デバイス(850)が生検針(400)から引き出されると、マーカ送達デバイス(850)(積み替えた後)またはマーカ送達デバイス(850)と同様の他のマーカ送達デバイスのいずれかと共に、マーカ(800)と同様の1つ以上の追加のマーカが任意選択で展開されてもよい。
【0095】
G.遠位吸引による例示的なマーカ送達デバイス
【0096】
図21は、マーカ(500)と実質的に同様のマーカ(900)または本明細書で説明されるいずれかの他のマーカと共に容易に使用することができる例示的なマーカ送達デバイス(950)を示す。本実施例のマーカ送達デバイス(950)は、本明細書で他に言及されるものを除き、上記説明されたマーカ送達デバイス(150)と実質的に同様である。例えば、マーカ送達デバイス(150)と同様に、本実施例のマーカ送達デバイス(950)は、細長外部カニューレ(962)を含む。同様にマーカ送達デバイス(950)は、カニューレ(962)の近位端にグリップ(966)を含む。同様に、プッシュロッド(168)と同様のプッシュロッド(968)が設けられてもよい。プッシュロッド(168)と同様に、プッシュロッド(968)は、カニューレ(962)内で同軸上に延在し、その結果、プッシュロッド(968)が1つ以上のマーカを移すようカニューレ(962)内で並進移動するように構成される。マーカを展開するようロッド(968)をカニューレ(962)内で遠位に押し込むために、プランジャ(970)がロッド(968)の近位端において結合される。
【0097】
マーカ送達デバイス(150)とは異なり、本実施例のマーカ送達デバイス(950)は全体的に、側面展開デバイスではなく、端展開デバイスとして構成される。特に、外部カニューレ(962)は、側面開口(164)と同様の側面開口の代わりに、マーキングを目的として組織を受けるために使用される開放遠位端(964)を定める。以下でより詳細に説明されるように、開放遠位端(964)は、外部カニューレ(962)に負圧が加えられるときに組織を受けるように構成される。組織は次いで、マーキングされると共に、開放遠位端(964)を通じて外部カニューレ(962)内に配置される。そのような構成は、生検針(400)と同様の針ではなく開放遠位端を有するイントロデューサを通じてマーキングが行われたコンテキストにおいて望ましい場合がある。例えば、そのような構成では、イントロデューサの開放遠位端は、生検部位に近接近して位置付けられてもよく、マーカは、イントロデューサの開放遠位端を通じて展開されてもよい。この構成は全体的に、マーキングをより単純にし、誤りの可能性を低減させるために望ましい場合がある。
【0098】
マーカ送達デバイス(950)はまた、マーカ送達デバイス(950)が内部チューブ(972)を含む点でマーカ送達デバイス(150)とは異なる。内部チューブ(972)は、外部カニューレ(962)の内径のサイズにおおよそ対応する大きさとされた細長チューブである。内部チューブ(972)は全体的に、外部カニューレ(962)及びプッシュロッド(968)とは独立して外部カニューレ(962)内で移動可能である。以下でより詳細に説明されるように、内部チューブ(972)は全体的に、開放遠位端(964)を通じて組織を外部カニューレ(962)に引き付けるよう、外部カニューレ(962)内で真空または負流体圧力を誘導するように構成される。
【0099】
内部チューブ(972)は、その近位端上に蓋(974)を含む。蓋(974)は全体的に、外部カニューレ(962)に対して近位に内部チューブ(972)を引き込む内部チューブ(972)の操縦を推進する大きさとされる。図21において見られるように、蓋(974)は全体的に、握ることを目的として使用することができる、内部チューブ(972)の外径を越えて縁または突起部を設ける。他の実施例では、蓋(974)は、握りを強化する追加の特徴を含むことができる様々な形式を有してもよい。例としてのみであるが、いくつかの実施例では、蓋(974)は、グリップ(966)と同様に構成されてもよい。
【0100】
図22において最良に見られるように、内部チューブ(972)の遠位端は、外部カニューレ(962)の内径を密閉するように構成された1つ以上の密閉部(976)を含む。以下でより詳細に説明されるように、この密閉構成は、内部チューブ(972)が近位に引き込まれるとき、密閉部(976)の遠位に真空を生じさせる注射器またはピストン状機構としての役割を内部チューブ(972)が果たすことを可能にする。密閉部(976)が様々な形式を取ってもよいことが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施例では、密閉部(972)は、内部チューブ(972)の端の周りで覆われた1つ以上のゴム、またはゴム弾性Oリング、またはディスクを含む。他の実施例では、密閉部(972)は、ゴム引きされる内部チューブ(972)の一部によって形成される。もちろん、本明細書における教示を考慮して、様々な代替的な密閉構成が当業者に明らかである。加えて、更なる他の実施例では、内部チューブ(972)は、チューブまたはカテーテルにより外部カニューレ(962)に結合された真空ポンプなどの別個の独立した真空源によって全体として置き換えられてもよい。
【0101】
以下でより詳細に説明されるように、内部チューブ(972)の近位移動は、マーキングのために組織を準備するために使用される。このことを理由に、内部チューブ(972)が予め定められた近位位置に近位に移動した後、外部カニューレ(962)に対する位置に内部チューブ(972)を固定することが望ましい場合がある。したがって、本実施例の外部カニューレ(962)は、内部チューブ(972)が予め定められた近位位置に到達すると、内部チューブ(972)に係合するように構成されたロック(978)を含むとして示される。本実施例におけるロック(978)は、外部カニューレ(962)と一体である弾力性タブとして構成される。いくつかの実施例では、ロック(978)は、密閉部(976)がロック(978)を過ぎるにつれて曲がることができる。ロック(978)は次いで、その位置に内部チューブ(972)を保持するよう、密閉部(976)に係合してもよい。本実施例が1つのロック(978)のみを含むとして示されるが、同様の構成または異なる構成の複数のロック(978)が使用されてもよいことが理解されるべきである。加えて、ロック(978)は、外部カニューレ(962)と一体であることができ、またはそれから全体として別個であることができる様々な形式(例えば、戻り止め、弾力性アーム、スナップフィット、及び/または磁気ロックなど)を取ってもよいことが理解されるべきである。
【0102】
プッシュロッド(968)は全体的に、内部チューブ(972)の中心を通じて延在する。上記議論されたように、内部チューブ(972)は全体的に、プッシュロッド(968)に対して独立して移動可能である。よって、内部チューブ(972)とプッシュロッド(968)との間のいずれかの接合面は全体的に、内部チューブ(972)に対するプッシュロッド(968)の可動性及び/またはプッシュロッド(968)に対する内部チューブ(972)の可動性に対して構成される。加えて、内部チューブ(972)の一部は、内部チューブ(972)によって生じる真空を妨げないように、プッシュロッド(968)の外部を密閉するように構成されてもよいことが理解されるべきである。いくつかの実施例では、内部チューブ(972)の密閉部(976)に関して上記説明された密閉特徴を使用して、そのような密閉を達成することができる。
【0103】
図23図26は、マーカ(900)と関連したマーカ送達デバイス(950)の例示的な使用を示す。本実施例のマーカ(900)は、上記説明されたマーカ(500)と実質的に同様であることが理解されるべきである。本実施例のマーカ送達デバイス(950)がマーカ(900)と共に使用されるとして示されるが、他の実施例では、それらに限定されないが、本明細書で説明されるマーカを含むいずれかの他の適切なマーカと共にマーカ送達デバイス(950)を容易に使用することができることが理解されるべきである。
【0104】
図23において見られるように、マーカ送達デバイス(950)は最初に、装着された構成において開始する。装着された構成では、マーカ(900)は、まさに開放遠位端(964)の内部の、マーカ送達デバイス(950)の外部カニューレ(962)内に配置される。加えて、マーカ(900)の少なくとも一部は、プッシュロッド(968)の遠位端に結合するように構成される。いくつかの実施例では、マーカ(600)に関して上記説明されたひだ(622)と同様のひだタイプ機構を介して、この結合を達成することができる。他の実施例では、マーカ(900)とプッシュロッド(968)内のボアまたは開口との間の締まりばめを介して、この結合を達成することができる。それにも関わらず、プッシュロッド(968)は、マーカ(900)と開放遠位端(964)との間で少なくとも一部の空間を定めるよう、外部カニューレ(962)内で近位に位置付けられる。以下でより詳細に説明されるように、この空間は全体的に、外部カニューレ(962)内で組織を受けるために使用することができる体積を定める。
【0105】
マーカ送達デバイス(950)が装着された構成にある間、生検部位に開放遠位端(964)を位置付けるよう、マーカ送達デバイス(950)の外部カニューレ(962)が患者の組織に挿入されてもよい。或る使用では、マーカ送達デバイス(950)の導入は、イントロデューサカニューレ、生検針、または他の関連するデバイスの支援なしに行われてもよい。他の使用では、マーカ送達デバイス(950)の導入は、上記説明された生検針(400)と同様の生検針を通じて行われてもよい。更なる他の使用では、マーカ送達デバイス(950)の導入は、生検針または他の関連するデバイスと関連して使用されるイントロデューサカニューレの支援により行われてもよい。全ての使用では、開放遠位端(964)の位置付けは、X線、超音波、及び/またはMRIなどの撮像ガイダンスの1つ以上の形式を使用して確認されてもよい。
【0106】
マーカ送達デバイス(950)の外部カニューレ(962)が組織内に位置付けられると、開放遠位端(964)を使用してマーカ(900)を展開することができる。特に、図24において見られるように、展開は、外部カニューレ(962)及びプッシュロッド(968)に対して内部チューブ(972)を近位に後退させることによって開始する。内部チューブ(972)の後退は、密閉部(976)の遠位に外部カニューレ(962)内で真空を誘導する。この真空は、開放遠位端(964)を通じて少なくとも一部の組織を外部カニューレ(962)に引き込ませる。
【0107】
組織が開放遠位端(964)を通じて外部カニューレ(962)に引き込まれると、組織にマーカ(900)を展開するためにプッシュロッド(968)が使用されてもよい。特に、図25において見られるように、プッシュロッド(968)は、外部カニューレ(962)及び内部チューブ(972)に対して遠位に前進する。この前進は、外部カニューレ(962)に以前に引き込まれた組織にマーカ(900)を貫通させる。かかり、アーム、フック、または他のジオメトリに起因して、マーカ(900)は次いで、組織に突き刺されてもよく、またはそうでなければ組織に結合されてもよい。
【0108】
マーカ(900)が組織に展開されると、外部カニューレ(962)に対して近位にプッシュロッド(968)を後退させることができ、それによって、組織内にマーカ(900)を残す。内部チューブ(972)は次いで、真空圧力を解放するよう、遠位に前進してもよく、それによって、外部カニューレ(962)から組織を解放する。組織が解放されると、図26に示されるように、患者から外部カニューレ(962)を引き出すことができる。このステージでは、マーカ送達デバイス(950)(積み替えた後)またはマーカ送達デバイス(950)と同様の他のマーカ送達デバイスのいずれかと共に、マーカ(900)と同様の1つ以上の追加のマーカが任意選択で展開されてもよい。
【0109】
H.側面吸引による例示的なマーカ送達デバイス
【0110】
図27は、マーカ(500)と実質的に同様のマーカ(1000)または本明細書で説明されるいずれかの他のマーカと共に容易に使用することができる例示的なマーカ送達デバイス(1050)を示す。本実施例のマーカ送達デバイス(1050)は、本明細書で他に言及されるものを除き、上記説明されたマーカ送達デバイス(150)と実質的に同様である。例えば、マーカ送達デバイス(150)と同様に、本実施例のマーカ送達デバイス(1050)は、細長外部カニューレ(1062)を含む。同様にマーカ送達デバイス(1050)は、カニューレ(1062)の近位端にグリップ(1066)を含む。同様に、プッシュロッド(168)と同様のプッシュロッド(1068)が設けられてもよい。プッシュロッド(168)と同様に、プッシュロッド(1068)は、カニューレ(1062)内で同軸上に延在し、その結果、プッシュロッド(1068)が1つ以上のマーカを移すようカニューレ(1062)内で並進移動するように構成される。マーカを展開するようロッド(1068)をカニューレ(1062)内で遠位に押し込むために、プランジャ(1070)がロッド(1068)の近位端において結合される。
【0111】
マーカ送達デバイス(150)と同様に、本実施例のマーカ送達デバイス(1050)は全体的に、側面展開デバイスではなく、端展開デバイスとして構成される。特に、外部カニューレ(1062)は、マーカ出口として使用することができる側面開口(164)と同様の側面開口(1064)を定める。しかしながら、側面開口(164)とは異なり、本実施例の側面開口(1064)は全体的に、マーキングを目的として側面開口(1064)が組織を受けるように構成されるように過度な大きさとされる。以下でより詳細に説明されるように、側面開口(1064)は、外部カニューレ(1062)に負圧が加えられるときに組織を受けるように構成される。組織は次いで、マーキングされると共に、側面開口(1064)を通じて外部カニューレ(1062)内に配置される。そのような構成は、生検針(400)と同様の針を通じてマーキングが行われたコンテキストにおいて望ましい場合がある。例えば、そのような構成では、側面開き口(414)と同様の側面開き口は、病変の組織または他の目標とする組織と位置合わせされてもよい。側面開口(1064)は次いで、生検部位を正確にマーキングするよう生検手順が完了した後に側面開き口と位置合わせされてもよい。
【0112】
マーカ送達デバイス(1050)はまた、マーカ送達デバイス(1050)が内部チューブ(1072)を含む点でマーカ送達デバイス(150)とは異なる。内部チューブ(1072)は、外部カニューレ(1062)の内径のサイズにおおよそ対応する大きさとされた細長チューブである。内部チューブ(1072)は全体的に、外部カニューレ(1062)及びプッシュロッド(1068)とは独立して外部カニューレ(1062)内で移動可能である。以下でより詳細に説明されるように、内部チューブ(1072)は全体的に、側面開口(1064)を通じて組織を外部カニューレ(1062)に引き付けるよう、外部カニューレ(1062)内で真空または負流体圧力を誘導するように構成される。
【0113】
内部チューブ(1072)は、その近位端上に蓋(1074)を含む。蓋(1074)は全体的に、外部カニューレ(1062)に対して近位に内部チューブ(1072)を引き込む内部チューブ(1072)の操縦を推進する大きさとされる。図27において見られるように、蓋(1074)は全体的に、握ることを目的として使用することができる、内部チューブ(1072)の外径を越えて縁または突起部を設ける。他の実施例では、蓋(1074)は、握りを強化する追加の特徴を含むことができる様々な形式を有してもよい。例としてのみであるが、いくつかの実施例では、蓋(1074)は、グリップ(1066)と同様に構成されてもよい。
【0114】
図28において最良に見られるように、内部チューブ(1072)の遠位端は、外部カニューレ(1062)の内径を密閉するように構成された1つ以上の密閉部(1076)を含む。以下でより詳細に説明されるように、この密閉構成は、内部チューブ(1072)が近位に引き込まれるとき、密閉部(1076)の遠位に真空を生じさせる注射器またはピストン状機構としての役割を内部チューブ(1072)が果たすことを可能にする。密閉部(1076)が様々な形式を取ってもよいことが理解されるべきである。例えば、いくつかの実施例では、密閉部(1072)は、内部チューブ(1072)の端の周りで覆われた1つ以上のゴム、またはゴム弾性Oリング、またはディスクを含む。他の実施例では、密閉部(1072)は、ゴム引きされる内部チューブ(1072)の一部によって形成される。もちろん、本明細書における教示を考慮して、様々な代替的な密閉構成が当業者に明らかである。加えて、更なる他の実施例では、内部チューブ(1072)は、チューブまたはカテーテルにより外部カニューレ(1062)に結合された真空ポンプなどの別個の独立した真空源によって全体として置き換えられてもよい。
【0115】
以下でより詳細に説明されるように、内部チューブ(1072)の近位移動は、マーキングのために組織を準備するために使用される。このことを理由に、内部チューブ(1072)が予め定められた近位位置に近位に移動した後、外部カニューレ(1062)に対する位置に内部チューブ(1072)を固定することが望ましい場合がある。したがって、本実施例の外部カニューレ(1062)は、内部チューブ(1072)が予め定められた近位位置に到達すると、内部チューブ(1072)に係合するように構成されたロック(1078)を含むとして示される。本実施例におけるロック(1078)は、外部カニューレ(1062)と一体である弾力性タブとして構成される。いくつかの実施例では、ロック(1078)は、密閉部(1076)がロック(1078)を過ぎるにつれて曲がることができる。ロック(1078)は次いで、その位置に内部チューブ(1072)を保持するよう、密閉部(1076)に係合してもよい。本実施例が1つのロック(1078)のみを含むとして示されるが、同様の構成または異なる構成の複数のロック(1078)が使用されてもよいことが理解されるべきである。加えて、ロック(1078)は、外部カニューレ(1062)と一体であることができ、またはそれから全体として別個であることができる様々な形式(例えば、戻り止め、弾力性アーム、スナップフィット、及び/または磁気ロックなど)を取ってもよいことが理解されるべきである。
【0116】
プッシュロッド(1068)は全体的に、内部チューブ(972)の中心を通じて延在する。上記議論されたように、内部チューブ(1072)は全体的に、プッシュロッド(1068)に対して独立して移動可能である。よって、内部チューブ(1072)とプッシュロッド(1068)との間のいずれかの接合面は全体的に、内部チューブ(1072)に対するプッシュロッド(1068)の可動性及び/またはプッシュロッド(1068)に対する内部チューブ(1072)の可動性に対して構成される。加えて、内部チューブ(1072)の一部は、内部チューブ(1072)によって生じる真空を妨げないように、プッシュロッド(1068)の外部を密閉するように構成されてもよいことが理解されるべきである。いくつかの実施例では、内部チューブ(1072)の密閉部(1076)に関して上記説明された密閉特徴を使用して、そのような密閉を達成することができる。
【0117】
図29図32は、マーカ(1000)と関連したマーカ送達デバイス(1050)の例示的な使用を示す。本実施例のマーカ(1000)は、上記説明されたマーカ(500)と実質的に同様であることが理解されるべきである。本実施例のマーカ送達デバイス(1050)がマーカ(1000)と共に使用されるとして示されるが、他の実施例では、それらに限定されないが、本明細書で説明されるマーカを含むいずれかの他の適切なマーカと共にマーカ送達デバイス(1050)を容易に使用することができることが理解されるべきである。
【0118】
図29において見られるように、マーカ送達デバイス(1050)は最初に、装着された構成において開始する。装着された構成では、マーカ(1000)は、まさに側面開口(1064)の内部且つ側面開口(1064)の近位の、マーカ送達デバイス(1050)の外部カニューレ(1062)内に配置される。加えて、マーカ(1000)の少なくとも一部は、プッシュロッド(1068)の遠位端に結合するように構成される。いくつかの実施例では、マーカ(600)に関して上記説明されたひだ(622)と同様のひだタイプ機構を介して、この結合を達成することができる。他の実施例では、マーカ(1000)とプッシュロッド(1068)内のボアまたは開口との間の締まりばめを介して、この結合を達成することができる。それにも関わらず、プッシュロッド(1068)は、マーカ(1000)と側面開口(1064)との間で少なくとも一部の空間を定めるよう、外部カニューレ(1062)内で近位に位置付けられる。以下でより詳細に説明されるように、この空間は全体的に、外部カニューレ(1062)内で組織を受けるために使用することができる体積を定める。
【0119】
マーカ送達デバイス(1050)が装着された構成にある間、生検部位に側面開口(1064)を位置付けるよう、外部カニューレ(1062)のマーカ送達デバイス(1050)が患者の組織に挿入されてもよい。或る使用では、マーカ送達デバイス(1050)の導入は、上記説明された生検針(400)と同様の生検針を通じて行われてもよい。他の使用では、マーカ送達デバイス(1050)の導入は、生検針または他の関連するデバイスと関連して使用されるイントロデューサカニューレの支援により行われてもよい。全ての使用では、側面開口(1064)の位置付けは、X線、超音波、及び/またはMRIなどの撮像ガイダンスの1つ以上の形式を使用して確認されてもよい。
【0120】
マーカ送達デバイス(1050)の外部カニューレ(1062)が組織内に位置付けられると、側面開口(1064)を使用してマーカ(1000)を展開することができる。特に、図30において見られるように、展開は、外部カニューレ(1062)及びプッシュロッド(1068)に対して内部チューブ(1072)を近位に後退させることによって開始する。内部チューブ(1072)の後退は、密閉部(1076)の遠位に外部カニューレ(1062)内で真空を誘導する。この真空は、側面開口(1064)を通じて少なくとも一部の組織を外部カニューレ(1062)に引き込ませる。
【0121】
組織が側面開口(1064)を通じて外部カニューレ(1062)に引き込まれると、組織にマーカ(1000)を展開するためにプッシュロッド(1068)が使用されてもよい。特に、図31において見られるように、プッシュロッド(1068)は、外部カニューレ(1062)及び内部チューブ(1072)に対して遠位に前進する。この前進は、外部カニューレ(1062)に以前に引き込まれた組織にマーカ(1000)を貫通させる。かかり、アーム、フック、または他のジオメトリに起因して、マーカ(1000)は次いで、組織に突き刺されてもよく、またはそうでなければ組織に結合されてもよい。
【0122】
マーカ(1000)が組織に展開されると、外部カニューレ(1062)に対して近位にプッシュロッド(1068)を後退させることができ、それによって、組織内にマーカ(1000)を残す。内部チューブ(1072)は次いで、真空圧力を解放するよう、遠位に前進してもよく、それによって、外部カニューレ(1062)から組織を解放する。組織が解放されると、図32に示されるように、患者から外部カニューレ(1062)を引き出すことができる。このステージでは、マーカ送達デバイス(1050)(積み替えた後)またはマーカ送達デバイス(1050)と同様の他のマーカ送達デバイスのいずれかと共に、マーカ(1000)と同様の1つ以上の追加のマーカが任意選択で展開されてもよい。
【0123】
IV.例示的な組み合わせ
【0124】
以下の実施例は、本明細書での教示を組み合わせることができ、または適用することができる種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願または本出願の後続の出願の任意の時点で提示され得る、任意の特許請求の範囲の適用範囲を制限することを意図しないことを理解すべきである。権利放棄は意図していない。以下の実施例は、単に例示的な目的で示しているにすぎない。本明細書の種々の教示を他の多くの方法で配置及び適用し得ることは、想到されている。いくつかの変形例が、以下の実施例で言及される特定の構成要素を省略してもよいことも想到されている。したがって、後で発明者によって、または対象となる発明者の後継者によって、特に明白に示されていない限り、下記に言及される態様または特徴のいずれも重大なものとみなすべきではない。本出願または本出願に関連する後続の出願にて、以下で言及する以外の更なる特徴を含む、何らかの特許請求の範囲が示された場合、これらの更なる特徴は、特許性に関係する何らかの理由で追加されたものと推定するものではない。
【0125】
実施例1
【0126】
マーカ送達デバイスであって、グリップと、前記グリップから遠位に延在するカニューレと、前記カニューレ内で移動するように構成され、前記カニューレの内部を密閉するように構成された1つ以上の密閉部を有する遠位端を有するプッシュロッドと、1つ以上のかかりを有するマーカ要素と、を含み、前記プッシュロッドは、前記カニューレから前記マーカ要素を排出するよう、前記1つ以上の密閉部と前記マーカ要素との間で前記カニューレ内で圧力を生じさせるように構成されている、前記マーカ送達デバイス。
【0127】
実施例2
【0128】
前記カニューレは、前記マーカ要素がそこを通じて退出することを可能にするように構成された開放遠位端を含む、実施例1に記載のマーカ送達デバイス。
【0129】
実施例3
【0130】
前記カニューレは、前記マーカ要素がそこを通じて退出することを可能にするように構成された側面開口を含む、実施例1に記載のマーカ送達デバイス。
【0131】
実施例4
【0132】
前記カニューレは、前記マーカに遊離可能に係合するように構成されたマーカ停止部を含む、実施例1~3のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0133】
実施例5
【0134】
前記1つ以上の密閉部は、2つの密閉部含む、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0135】
実施例6
【0136】
前記1つ以上の密閉部は、1つ以上のOリングを含む、実施例1~5のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0137】
実施例7
【0138】
前記マーカ要素は、外向きに突起する基部であって、前記マーカ要素と前記基部の内部との間で前記カニューレを通じた流体の流れを遮断するように構成された前記基部を含む、実施例1~6のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0139】
実施例8
【0140】
前記マーカ要素は更に、鋭敏な先端、及び前記鋭敏な先端に対して近位且つ外向きに延在する1つ以上のアームを含む、実施例1~7のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0141】
実施例9
【0142】
各々のアームは、前記1つ以上のかかりのかかりを定める、実施例8に記載のマーカ送達デバイス。
【0143】
実施例10
【0144】
前記マーカ要素は、キャリア内に配置される、実施例1~9のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0145】
実施例11
【0146】
マーカ送達デバイスであって、グリップと、前記グリップから遠位に延在するカニューレと、前記カニューレ内で移動するように構成され、遠位端を有するプッシュロッドと、本体、1つ以上のかかり、及び前記本体から近位に延在するテザーを有するマーカ要素と、を含み、前記テザーは、前記プッシュロッドの前記遠位端に結合され、前記テザーは、前記プッシュロッドの遠位移動に応答して、前記プッシュロッドから分離するように構成されている、前記マーカ送達デバイス。
【0147】
実施例12
【0148】
前記テザーは、ひだを含み、前記ひだは、前記プッシュロッドの遠位移動に応答して、前記テザーの一部内で応力を集中させて、予め定められた位置において前記テザーを破折するように構成されている、実施例11に記載のマーカ送達デバイス。
【0149】
実施例13
【0150】
前記テザーは、前記プッシュロッドの遠位移動に応答して、前記テザーの一部内で応力を集中させて、予め定められた位置において前記テザーを破折するように構成された応力コンセントレータを含む、実施例11に記載のマーカ送達デバイス。
【0151】
実施例14
【0152】
前記テザーは、前記プッシュロッドの前記遠位端に一体的に接続されている、実施例11~13のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0153】
実施例15
【0154】
前記カニューレは、開放遠位端を含む、実施例11~14のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0155】
実施例16
【0156】
前記カニューレは、前記開放遠位端において先細り、前記マーカ要素の少なくとも一部は、前記カニューレの外側で前記開放遠位端に置かれるように構成されている、実施例15に記載のマーカ送達デバイス。
【0157】
実施例17
【0158】
前記マーカ要素は更に、鋭敏な先端、及び前記鋭敏な先端に対して近位且つ外向きに延在する1つ以上のアームを含む、実施例11~16のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0159】
実施例18
【0160】
前記1つ以上のアームは、前記マーカ要素の一部が前記カニューレの外側に配置され、前記マーカ要素の別の一部が前記カニューレの内側に配置されるように、前記カニューレの一部に係合するように構成されている、実施例17に記載のマーカ送達デバイス。
【0161】
実施例19
【0162】
前記テザーは、前記鋭敏な先端から近位に延在する、実施例17~18のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0163】
実施例20
【0164】
前記1つ以上のかかりの各々のかかりは、前記1つ以上のアームの対応するアームによって定められる、実施例17~19のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0165】
実施例21
【0166】
マーカ送達デバイスであって、グリップと、前記グリップから遠位に延在するカニューレと、前記カニューレ内で移動するように構成されたプッシュロッドと、前記プッシュロッドを使用した展開のために構成されたマーカ要素と、前記カニューレ内に配置された複数のアーティクレータと、を含み、前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレ内で移動して、直線構成と屈曲構成との間で前記カニューレの遠位部を選択的に屈曲させるように構成されている、前記マーカ送達デバイス。
【0167】
実施例22
【0168】
前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレの一部に取り付けられた遠位端を有するロッドを含む、実施例21に記載のマーカ送達デバイス。
【0169】
実施例23
【0170】
前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレの一部に取り付けられた遠位端を有するワイヤを含む、実施例21に記載のマーカ送達デバイス。
【0171】
実施例24
【0172】
アクチュエータを更に含み、前記アクチュエータは、前記複数のアーティクレータの1つ以上のアーティクレータに張力を選択的に加えるように構成されている、実施例21~22のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0173】
実施例25
【0174】
セレクタを更に含み、前記セレクタは、前記複数のアーティクレータまたは前記アクチュエータを操縦して、前記複数のアーティクレータのどのアーティクレータが前記アクチュエータから張力を受けるかを選択的に制御するように構成されている、実施例24に記載のマーカ送達デバイス。
【0175】
実施例26
【0176】
前記セレクタは、前記カニューレと同軸上に位置付けられたサムホイールである、実施例25に記載のマーカ送達デバイス。
【0177】
実施例27
【0178】
前記カニューレは、開放遠位端を含み、前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレ内で移動して、充填された位置と展開位置との間で前記カニューレの前記開放遠位端の前記遠位部を選択的に屈曲させるように構成されている、実施例21~26のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0179】
実施例28
【0180】
前記マーカ要素は、前記プッシュロッドを使用した前記カニューレの前記開放遠位端を通じた展開のために構成されている、実施例27に記載のマーカ送達デバイス。
【0181】
実施例29
【0182】
前記カニューレは更に、前記カニューレ内で前記マーカ要素を遊離可能に保持するように構成されたマーカ停止部を含む、実施例28に記載のマーカ送達デバイス。
【0183】
実施例30
【0184】
前記プッシュロッドは、前記カニューレが前記直線構成と前記屈曲構成との間で屈曲するにつれて前記遠位部を屈曲させるように構成されている、実施例21~26のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0185】
実施例31
【0186】
マーカ送達デバイスであって、グリップと、前記グリップから遠位に延在し、組織入口を定めるカニューレと、前記カニューレ内に配置された内部チューブと、前記カニューレ内で移動するように構成されたプッシュロッドと、を含み、前記内部チューブは、前記カニューレ内で真空を誘導し、それによって、前記プッシュロッドを使用したマーキングのために前記組織入口に組織を引き付けるよう、前記カニューレに対して移動するように構成されている、前記マーカ送達デバイス。
【0187】
実施例32
【0188】
前記カニューレは、開放遠位端を含み、前記組織入口は、前記カニューレの前記開放遠位端によって定められる、実施例31に記載のマーカ送達デバイス。
【0189】
実施例33
【0190】
前記カニューレは、側面開口を定め、前記組織入口は、前記カニューレの前記側面開口によって定められる、実施例31に記載のマーカ送達デバイス。
【0191】
実施例34
【0192】
前記内部チューブは、前記カニューレの内部を密閉するように構成された1つ以上の密閉部を含む、実施例31~33のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0193】
実施例35
【0194】
前記プッシュロッドは、前記内部チューブを通じて延在し、前記内部チューブに対して移動するように構成されている、実施例31~34のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0195】
実施例36
【0196】
内部チューブは、前記内部チューブの一部と前記プッシュロッドとの間に配置された密閉部を含む、実施例35に記載のマーカ送達デバイス。
【0197】
実施例37
【0198】
ロックを更に含み、前記ロックは、前記カニューレに対して近位位置に前記内部チューブを選択的に確保するように構成されている、実施例31~36のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0199】
実施例38
【0200】
前記ロックは、前記カニューレと一体化されている、実施例37に記載のマーカ送達デバイス。
【0201】
実施例39
【0202】
マーカ要素を更に含み、前記マーカ要素は、前記プッシュロッドの遠位端に遊離可能に取り付けられる、実施例31~38のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0203】
実施例40
【0204】
マーカ要素を更に含み、前記マーカ要素は、前記プッシュロッドの遠位端に遊離可能に取り付けられ、前記マーカ要素は、前記組織入口に引き付けられた組織に前記マーカ要素を取り付けるように構成された1つ以上のかかりを含む、実施例31~38のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0205】
実施例41
【0206】
生検部位をマーキングする方法であって、組織にマーカ送達デバイスのカニューレを挿入するステップと、前記カニューレを通じて前記生検部位において組織の目標とされた領域にマーカ材料を加えるステップと、前記マーカ材料を加えた後に前記目標とされた領域から組織サンプルを抽出する生検手順を行うステップと、を含む前記方法。
【0207】
実施例42
【0208】
前記マーカ材料を加える前記ステップは、前記カニューレを通じて前記目標とされた領域においてマーキング流体を注入することを含む、実施例41に記載の方法。
【0209】
実施例43
【0210】
前記マーカ材料を加える前記ステップは、前記目標とされた領域と関連付けられた組織を染色することを含む、実施例41~42のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0211】
実施例44
【0212】
前記マーカ材料を加える前記ステップは、前記カニューレを通じて前記目標とされた領域において複数のマイクロスフェア、ナノスフェア、またはその両方を注入することを含む、実施例41~43のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0213】
実施例45
【0214】
前記カニューレは、注射器を含む流体源に流体的に結合され、前記マーカ材料を加える前記ステップは、前記注射器を作動させることを含む、実施例41~44のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0215】
実施例46
【0216】
生検部位をマーキングする際に使用するためのマーカであって、前記マーカは、本体と、前記本体の遠位端上の鋭敏な先端であって、前記鋭敏な先端は、組織を穿刺するように構成されている、前記鋭敏な先端と、前記鋭敏な先端に対して近位且つ外向きに延在するアームと、を含み、前記アームは、前記アームの近位端に配置された内向きに方位されたかかりを定める、前記マーカ。
【0217】
実施例47
【0218】
基部を更に含み、前記基部は、前記本体から外向きに延在する、実施例46に記載のマーカ。
【0219】
実施例48
【0220】
前記基部は、前記アームの外向き拡張部に少なくとも等しい長さで前記本体から外向きに延在する、実施例47に記載のマーカ。
【0221】
実施例49
【0222】
生検部位をマーキングする方法であって、組織にマーカ送達デバイスのカニューレを挿入するステップと、前記組織ポートを通じて前記カニューレに少なくとも一部の組織を引き込むよう、前記カニューレ内で真空を誘導するステップと、前記カニューレに引き込まれた前記組織に前記マーカを駆動するよう、前記カニューレ内でマーカを前進させるステップと、前記カニューレに引き込まれた前記組織を解放すると共に、前記マーカが前記組織に残るよう、前記カニューレ内で誘起された前記真空を解放するステップと、を含む前記方法。
【0223】
実施例50
【0224】
真空を誘導する前記ステップは、前記カニューレに対して近位に前記カニューレ内に配置されたチューブを引き込むことを含む、実施例49に記載の方法。
【0225】
実施例51
【0226】
生検部位をマーキングする方法であって、生検針にマーカ送達デバイスのカニューレを挿入するステップと、前記生検針の外側に前記カニューレの開放遠位端を位置付けるよう、直線構成から湾曲構成に前記カニューレの遠位部を連結させるステップと、前記カニューレの前記開放遠位端からマーカを展開するよう、前記カニューレ内に配置されたプッシュロッドを前進させるステップと、を含む前記方法。
【0227】
実施例52
【0228】
所望のクロック位置に、前記カニューレに対してセレクタを回転させるステップを更に含み、前記カニューレの前記遠位部を連結させる前記ステップは、前記所望のクロック位置と関連付けられた方向に前記遠位部を連結させることを含む、実施例51に記載の方法。
【0229】
V.結論
参照により本明細書に組み込まれると言われている任意の特許、刊行物または他の開示資料は、全部または一部において、組み込まれる資料が本開示に記載の既存の定義、記述または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。このように、また必要な範囲において、本明細書で明確に述べている開示は、参照により本明細書に組み込まれている任意の相反する資料に取って代わる。参照により本明細書に組み込まれているとされているが、既存の定義、記載、または本明細書で述べる他の開示資料と矛盾する任意の資料またはその一部が組み込まれるのは、その組み込まれた資料と既存の開示資料との間で矛盾が生じない限りにおいてのみである。
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改変が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そのような可能な変更のうちのいくつかに言及したが、他のものは当業者には明らかであろう。例えば、前に議論した実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に関して考慮すべきであり、明細書及び図面で図示し、説明した構造及び動作の詳細には限定されないことが理解される。
【0230】
〔実施の態様〕
(1) マーカ送達デバイスであって、
(a)グリップと、
(b)前記グリップから遠位に延在するカニューレと、
(c)前記カニューレ内で移動するように構成され、前記カニューレの内部を密閉するように構成された1つ以上の密閉部を有する遠位端を有するプッシュロッドと、
(d)1つ以上のかかりを有するマーカ要素であって、前記プッシュロッドは、前記カニューレから前記マーカ要素を排出するよう、前記1つ以上の密閉部と前記マーカ要素との間で前記カニューレ内に圧力を生じさせるように構成されている、前記マーカ要素と、
を備える、前記マーカ送達デバイス。
(2) 前記カニューレは、開放遠位端であって、前記マーカ要素が前記開放遠位端を通じて退出することを可能にするように構成された、前記開放遠位端を含む、実施態様1に記載のマーカ送達デバイス。
(3) 前記カニューレは、側面開口であって、前記マーカ要素が前記側面開口を通じて退出することを可能にするように構成された、前記側面開口を含む、実施態様1に記載のマーカ送達デバイス。
(4) 前記カニューレは、前記マーカに遊離可能に係合するように構成されたマーカ停止部を含む、実施態様1~3のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(5) 前記1つ以上の密閉部は、2つの密閉部含む、実施態様1~4のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0231】
(6) 前記1つ以上の密閉部は、1つ以上のOリングを含む、実施態様1~5のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(7) 前記マーカ要素は、外向きに突起する基部であって、前記マーカ要素と前記基部の内部との間での前記カニューレを通じた流体の流れを遮断するように構成された前記基部を含む、実施態様1~6のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(8) 前記マーカ要素は更に、鋭敏な先端、及び前記鋭敏な先端に対して近位且つ外向きに延在する1つ以上のアームを含む、実施態様1~7のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(9) 各々のアームは、前記1つ以上のかかりのかかりを定める、実施態様8に記載のマーカ送達デバイス。
(10) 前記マーカ要素は、キャリア内に配置される、実施態様1~9のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0232】
(11) マーカ送達デバイスであって、
(a)グリップと、
(b)前記グリップから遠位に延在するカニューレと、
(c)前記カニューレ内で移動するように構成され、遠位端を有するプッシュロッドと、
(d)本体、1つ以上のかかり、及び前記本体から近位に延在するテザーを有するマーカ要素であって、前記テザーは、前記プッシュロッドの前記遠位端に結合され、前記テザーは、前記プッシュロッドの遠位移動に応答して、前記プッシュロッドから分離するように構成されている、前記マーカ要素と、
を備える、前記マーカ送達デバイス。
(12) 前記テザーは、ひだを含み、前記ひだは、前記プッシュロッドの遠位移動に応答して、前記テザーの一部内で応力を集中させて、予め定められた位置において前記テザーを破折するように構成されている、実施態様11に記載のマーカ送達デバイス。
(13) 前記テザーは、前記プッシュロッドの遠位移動に応答して、前記テザーの一部内で応力を集中させて、予め定められた位置において前記テザーを破折するように構成された応力コンセントレータを含む、実施態様11に記載のマーカ送達デバイス。
(14) 前記テザーは、前記プッシュロッドの前記遠位端に一体的に接続されている、実施態様11~13のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(15) 前記カニューレは、開放遠位端を含む、実施態様11~14のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
【0233】
(16) 前記カニューレは、前記開放遠位端において先細り、前記マーカ要素の少なくとも一部は、前記カニューレの外側で前記開放遠位端に置かれるように構成されている、実施態様15に記載のマーカ送達デバイス。
(17) 前記マーカ要素は更に、鋭敏な先端、及び前記鋭敏な先端に対して近位且つ外向きに延在する1つ以上のアームを含む、実施態様11~16のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(18) 前記1つ以上のアームは、前記マーカ要素の一部が前記カニューレの外側に配置され、前記マーカ要素の別の一部が前記カニューレの内側に配置されるように、前記カニューレの一部に係合するように構成されている、実施態様17に記載のマーカ送達デバイス。
(19) 前記テザーは、前記鋭敏な先端から近位に延在する、実施態様17~18のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(20) 生検部位をマーキングする方法であって、
(a)組織にマーカ送達デバイスのカニューレを挿入するステップと、
(b)組織ポートを通じて前記カニューレに少なくとも一部の組織を引き込むよう、前記カニューレ内で真空を誘導するステップと、
(c)前記カニューレに引き込まれた前記組織にマーカを駆動するよう、前記カニューレ内で前記マーカを前進させるステップと、
(d)前記カニューレに引き込まれた前記組織を解放すると共に、前記マーカが前記組織に残るよう、前記カニューレ内で誘起された前記真空を解放するステップと、
を備えた、前記方法。
【0234】
(21) 真空を誘導する前記ステップは、前記カニューレに対して近位に前記カニューレ内に配置されたチューブを引き込むことを含む、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記1つ以上のかかりの各々のかかりは、前記1つ以上のアームの対応するアームによって定められる、実施態様17~19のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(23) 生検部位をマーキングする方法であって、
生検針にマーカ送達デバイスのカニューレを挿入するステップと、
前記生検針の外側に前記カニューレの開放遠位端を位置付けるよう、直線構成から湾曲構成に前記カニューレの遠位部を連結させるステップと、
前記カニューレの前記開放遠位端からマーカを展開するよう、前記カニューレ内に配置されたプッシュロッドを前進させるステップと、
を備えた、前記方法。
(24) 所望のクロック位置に、前記カニューレに対してセレクタを回転させるステップを更に含み、
前記カニューレの前記遠位部を連結させる前記ステップは、前記所望のクロック位置と関連付けられた方向に前記遠位部を連結させることを含む、実施態様23に記載の方法。
(25) マーカ送達デバイスであって、
グリップと、
前記グリップから遠位に延在するカニューレと、
前記カニューレ内で移動するように構成されたプッシュロッドと、
前記プッシュロッドを使用した展開のために構成されたマーカ要素と、
前記カニューレ内に配置された複数のアーティクレータであって、前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレ内で移動して、直線構成と屈曲構成との間で前記カニューレの遠位部を選択的に屈曲させるように構成されている、前記複数のアーティクレータと、
を備える、前記マーカ送達デバイス。
【0235】
(26) 前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレの一部に取り付けられた遠位端を有するロッドを含む、実施態様25に記載のマーカ送達デバイス。
(27) 前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレの一部に取り付けられた遠位端を有するワイヤを含む、実施態様25に記載のマーカ送達デバイス。
(28) アクチュエータを更に備え、
前記アクチュエータは、前記複数のアーティクレータの1つ以上のアーティクレータに張力を選択的に加えるように構成されている、実施態様25~26のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(29) セレクタを更に備え、
前記セレクタは、前記複数のアーティクレータまたは前記アクチュエータを操縦して、前記複数のアーティクレータのうちのどのアーティクレータが前記アクチュエータから張力を受けるかを選択的に制御するように構成されている、実施態様28に記載のマーカ送達デバイス。
(30) 前記セレクタは、前記カニューレと同軸上に位置付けられたサムホイールである、実施態様29に記載のマーカ送達デバイス。
【0236】
(31) 前記カニューレは、開放遠位端を含み、
前記複数のアーティクレータの各々のアーティクレータは、前記カニューレ内で移動して、充填された位置と展開位置との間で前記カニューレの前記開放遠位端の前記遠位部を選択的に屈曲させるように構成されている、実施態様25~30のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(32) 前記マーカ要素は、前記プッシュロッドを使用した前記カニューレの前記開放遠位端を通じた展開のために構成されている、実施態様31に記載のマーカ送達デバイス。
(33) 前記カニューレは更に、前記カニューレ内で前記マーカ要素を遊離可能に保持するように構成されたマーカ停止部を含む、実施態様32に記載のマーカ送達デバイス。
(34) 前記プッシュロッドは、前記カニューレが前記直線構成と前記屈曲構成との間で屈曲するにつれて前記遠位部を屈曲させるように構成されている、実施態様25~30のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(35) マーカ送達デバイスであって、
グリップと、
前記グリップから遠位に延在し、組織入口を定めるカニューレと、
前記カニューレ内に配置された内部チューブと、
前記カニューレ内で移動するように構成されたプッシュロッドと、を備え、
前記内部チューブは、前記カニューレ内で真空を誘導し、前記プッシュロッドを使用したマーキングのために前記組織入口に組織を引き付けるよう、前記カニューレに対して移動するように構成されている、
前記マーカ送達デバイス。
【0237】
(36) 前記カニューレは、開放遠位端を含み、
前記組織入口は、前記カニューレの前記開放遠位端によって定められる、実施態様35に記載のマーカ送達デバイス。
(37) 前記カニューレは、側面開口を定め、
前記組織入口は、前記カニューレの前記側面開口によって定められる、実施態様35に記載のマーカ送達デバイス。
(38) 前記内部チューブは、前記カニューレの内部を密閉するように構成された1つ以上の密閉部を含む、実施態様35~37のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(39) 前記プッシュロッドは、前記内部チューブを通じて延在し、前記内部チューブに対して移動するように構成されている、実施態様35~38のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(40) 内部チューブは、前記内部チューブの一部と前記プッシュロッドとの間に配置された密閉部を含む、実施態様39に記載のマーカ送達デバイス。
【0238】
(41) ロックを更に備え、
前記ロックは、前記カニューレに対して近位位置に前記内部チューブを選択的に確保するように構成されている、実施態様35~40のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(42) 前記ロックは、前記カニューレと一体化されている、実施態様41に記載のマーカ送達デバイス。
(43) マーカ要素を更に備え、
前記マーカ要素は、前記プッシュロッドの遠位端に遊離可能に取り付けられる、実施態様35~42のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(44) マーカ要素を更に備え、
前記マーカ要素は、前記プッシュロッドの遠位端に遊離可能に取り付けられ、
前記マーカ要素は、前記組織入口に引き付けられた組織に前記マーカ要素を取り付けるように構成された1つ以上のかかりを含む、実施態様35~42のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(45) 生検部位をマーキングする方法であって、
組織にマーカ送達デバイスのカニューレを挿入するステップと、
前記カニューレを通じて前記生検部位において前記組織の目標とされた領域にマーカ材料を加えるステップと、
前記マーカ材料を加えた後に前記目標とされた領域から組織サンプルを抽出する生検手順を行うステップと、
を備えた、前記方法。
【0239】
(46) 前記マーカ材料を加える前記ステップは、前記カニューレを通じて前記目標とされた領域においてマーキング流体を注入することを含む、実施態様45に記載の方法。
(47) 前記マーカ材料を加える前記ステップは、前記目標とされた領域と関連付けられた組織を染色することを含む、実施態様45~46のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(48) 前記マーカ材料を加える前記ステップは、前記カニューレを通じて前記目標とされた領域において複数のマイクロスフェア、ナノスフェア、またはその両方を注入することを含む、実施態様45~47のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(49) 前記カニューレは、注射器を含む流体源に流体的に結合され、
前記マーカ材料を加える前記ステップは、前記注射器を作動させることを含む、実施態様45~48のいずれか1つ以上に記載のマーカ送達デバイス。
(50) 生検部位をマーキングする際に使用するためのマーカであって、
本体と、
前記本体の遠位端上の鋭敏な先端であって、前記鋭敏な先端は、組織を穿刺するように構成されている、前記鋭敏な先端と、
前記鋭敏な先端に対して近位且つ外向きに延在するアームであって、前記アームの近位端に配置された内向きに方位されたかかりを定める、前記アームと、
を備える、前記マーカ。
【0240】
(51) 基部を更に含み、
前記基部は、前記本体から外向きに延在する、実施態様50に記載のマーカ。
(52) 前記基部は、前記アームの外向き拡張部に少なくとも等しい長さで前記本体から外向きに延在する、実施態様51に記載のマーカ。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
【国際調査報告】