(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(54)【発明の名称】付加製造システム用の光ファイバコネクタ
(51)【国際特許分類】
B22F 12/45 20210101AFI20220727BHJP
G02B 6/42 20060101ALI20220727BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20220727BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20220727BHJP
B33Y 40/00 20200101ALI20220727BHJP
B29C 64/30 20170101ALI20220727BHJP
B29C 64/277 20170101ALI20220727BHJP
B29C 64/268 20170101ALI20220727BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220727BHJP
【FI】
B22F12/45
G02B6/42
B22F10/28
B33Y30/00
B33Y40/00
B29C64/30
B29C64/277
B29C64/268
B33Y10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570194
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2020034656
(87)【国際公開番号】W WO2020243144
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518009515
【氏名又は名称】ヴァルカンフォームズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アガーウォール,ラガフ
(72)【発明者】
【氏名】フェルドマン,マーティン,シー.
【テーマコード(参考)】
2H137
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
2H137AB01
2H137AB06
2H137AC02
2H137BA15
2H137BB08
2H137BB17
2H137BC07
2H137BC12
2H137BC51
2H137CA13A
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL12
4F213WL76
4K018EA60
(57)【要約】
開示される実施形態は、付加製造システムに関する。いくつかの実施形態では、付加製造システムは、複数のレーザエネルギー源と、構築体表面にレーザエネルギーを誘導するように構成された光学アセンブリと、複数のレーザエネルギー源と光学アセンブリとの間に位置決めされた光ファイバコネクタとを含み得る。第1の複数の光ファイバは、複数のレーザエネルギー源と光ファイバコネクタとの間に延在し、第2の複数の光ファイバは、光ファイバコネクタと光学アセンブリとの間に延在し得る。第1の複数の光ファイバの各光ファイバは、光ファイバコネクタ内で第2の複数の光ファイバの対応する光ファイバに結合することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレーザエネルギー源と、
構築体表面上にレーザエネルギースポットのアレイを形成するために、前記複数のレーザエネルギー源から前記構築体表面にレーザエネルギーを誘導するように構成された光学アセンブリと、
光ファイバコネクタと、
前記複数のレーザエネルギー源と前記光ファイバコネクタとの間に延在する第1の複数の光ファイバであって、前記第1の複数の光ファイバの光ファイバがそれぞれ、前記複数のレーザエネルギー源の1つに結合される、第1の複数の光ファイバと、
前記光ファイバコネクタと前記光学アセンブリとの間に延在する第2の複数の光ファイバであって、前記第2の複数の光ファイバの光ファイバがそれぞれ、前記光ファイバコネクタ内で前記第1の複数の光ファイバの1つに結合される、第2の複数の光ファイバと
を含む、付加製造システム。
【請求項2】
前記光ファイバコネクタの位置が、前記複数のレーザエネルギー源の位置に対して固定され、前記光学アセンブリが、前記光ファイバコネクタに対して移動させることができる、請求項1に記載の付加製造システム。
【請求項3】
前記構築体表面及び光学アセンブリが、囲い込み構築ボリューム内に位置決めされ、複数のレーザ源及びコネクタアセンブリが、前記構築ボリュームの外側に位置決めされる、請求項1又は2に記載の付加製造システム。
【請求項4】
第1及び第2の複数の光ケーブルの各光ファイバが、選択的に交換可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の付加製造システム。
【請求項5】
前記第2の複数の光ファイバが、前記光ファイバコネクタに結合された第1の端部と、前記光学アセンブリに結合された第2の端部とを有するケーブル内に位置決めされる、請求項1~4のいずれか一項に記載の付加製造システム。
【請求項6】
前記ケーブルの前記第1の端部が、前記光ファイバコネクタから選択的に取り外し可能であり、前記ケーブルの前記第2の端部が、前記光学アセンブリから選択的に取り外し可能である、請求項5に記載の付加製造システム。
【請求項7】
前記第2の複数の光ファイバの前記光ファイバの各々の第1の端部が、前記ケーブルの前記第1の端部において第1のアラインメント治具内で位置合わせされ、前記第2の複数の光ファイバの前記光ファイバの各々の第2の端部が、前記ケーブルの前記第2の端部において第2のアラインメント治具内で位置合わせされる、請求項5又は6に記載の付加製造システム。
【請求項8】
前記第2の複数の光ファイバが、前記ケーブルの前記第1及び第2の端部の各々においてアレイ状に位置合わせされる、請求項7に記載の付加製造システム。
【請求項9】
前記複数のレーザエネルギー源が、少なくとも10のレーザエネルギー源を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の付加製造システム。
【請求項10】
前記複数のレーザエネルギー源が、少なくとも50のレーザエネルギー源を含む、請求項9に記載の付加製造システム。
【請求項11】
前記複数のレーザエネルギー源が、少なくとも100のレーザエネルギー源を含む、請求項10に記載の付加製造システム。
【請求項12】
前記複数のレーザエネルギー源が、少なくとも500のレーザエネルギー源を含む、請求項11に記載の付加製造システム。
【請求項13】
前記複数のレーザエネルギー源が、2000未満のレーザエネルギー源を含む、請求項12に記載の付加製造システム。
【請求項14】
前記光ファイバコネクタが、1つ又は複数の冷却通路を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の付加製造システム。
【請求項15】
前記複数のレーザエネルギー源の各レーザエネルギー源のパワー出力が、約50W~約2kWである、請求項1~14のいずれか一項に記載の付加製造システム。
【請求項16】
前記複数のレーザエネルギー源からの総パワー出力が、約0.5kW~約4,000kWである、請求項15に記載の付加製造システム。
【請求項17】
付加製造システムの光ファイバを交換する方法であって、
光ファイバコネクタから第1の複数の光ファイバを切り離すことであって、前記第1の複数の光ファイバが、付加製造システムの前記光ファイバコネクタと光学アセンブリとの間に延在することと、
前記光学アセンブリから前記第1の複数の光ファイバを切り離すことと、
複数の交換用光ファイバがそれぞれ、前記光ファイバコネクタに結合された複数のレーザエネルギー源の1つに結合されるように、前記複数の交換用光ファイバを前記光ファイバコネクタに結合することと、
前記複数の交換用光ファイバを前記光学アセンブリに結合することと
を含む、方法。
【請求項18】
前記複数のレーザ源の各レーザ源が、第2の複数の光ファイバの1つの光ファイバを介して前記光ファイバコネクタに結合され、前記複数の交換用光ファイバを前記光ファイバコネクタに結合することが、前記複数の交換用光ファイバの交換用光ファイバそれぞれを前記光学コネクタ内で前記第2の複数の光ファイバの1つに結合することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の複数の光ファイバが、光ファイバケーブルとして構成され、前記複数の交換用光ファイバが、交換用光ファイバケーブルとして構成される、請求項17又は18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の複数の光ファイバの第1及び第2の端部が、前記光ファイバケーブルの第1及び第2の端部に位置決めされた第1及び第2のアラインメント治具内でそれぞれ位置合わせされ、
前記複数の交換用光ファイバの第1及び第2の端部が、前記交換用光ファイバケーブルの第1及び第2の端部に位置決めされた第3及び第4のアラインメント治具内でそれぞれ位置合わせされる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記光ファイバコネクタから前記第1の複数の光ファイバを切り離すことが、前記光ファイバコネクタから前記第1のアラインメント治具を取り外すことを含み、前記光学アセンブリから前記第1の複数の光ファイバを切り離すことが、前記光学アセンブリから前記第2のアラインメント治具を取り外すことを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記複数の交換用光ファイバを前記光ファイバコネクタに結合することが、前記第3のアラインメント治具を前記光ファイバコネクタに取り付けることを含み、前記複数の交換用光ファイバを前記光学アセンブリに結合することが、前記第4のアラインメント治具を前記光学アセンブリに取り付けることを含む、請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
付加製造システムのレーザエネルギー源を交換する方法であって、
光ファイバコネクタの第1の接続から第1の光ファイバを切り離すことであって、切り離す前、前記第1の光ファイバが、複数のエネルギー源のうちの1つと前記光ファイバコネクタとの間に延在することと、
交換用レーザエネルギー源に結合された第2の光ファイバを前記光ファイバコネクタの前記第1の接続に結合することであって、結合した後、前記第2の光ファイバが、付加製造システムの前記光ファイバコネクタと光学アセンブリとの間に延在する複数の光ファイバのうちの第3の光ファイバに結合されることと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、米国特許法第119(e)条の下で、2019年5月28日に出願された米国仮特許出願第62/853,411号の利益を主張し、同特許の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
[0002] 開示される実施形態は、光ファイバを含む付加製造システム及びそのようなシステムにおいて使用するための光ファイバコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] 粉末床溶融結合プロセスは、レイヤーバイレイヤー(Layer-by-Layer)プロセスで材料を選択的に接合することによって三次元形状が形成される付加製造プロセスの例である。金属粉末床溶融結合プロセスでは、金属粉末の薄層にわたって1つ又は複数のレーザビームが走査される。レーザ出力、レーザスポットサイズ及び/又はレーザ走査速度などの様々なレーザパラメータが、伝達エネルギーが金属粉末粒子の融解に十分であるレジーム下にある場合は、構築体表面に1つ又は複数の融解プールを確立することができる。レーザビームは、融解プールを凝固させたトラックが三次元プリント部分の二次元スライスに対応する形状を作成するように、事前に定義された軌道に沿って走査される。一層分が完成した後、定義された距離で粉末表面をインデキシングし、次の粉末層を構築体表面上に広げ、レーザ走査プロセスを繰り返す。多くの応用では、下位層の部分的な再融解及び連続層の融着を提供するために、層厚及びレーザ出力密度を設定することができる。層インデキシング及び走査は、所望の三次元形状が製作されるまで複数回繰り返される。
【0004】
[0004] シングルレーザシステムとマルチレーザシステムの両方が使用される。いくつかのシステムは、構築体表面上に所望のパターンで各レーザビームを走査するために、1対の鏡がマウントされたガルバノメータを使用する。いくつかのシステムは、構築体表面にわたってレーザを走査するために、移動ステージを使用する。いくつかのシステムは、構築体表面にわたってレーザを走査するために、移動ステージとガルバノメータの組合せを使用する。走査方法の一部としてガルバノメータを使用するシステムは、構築体表面へのレーザビームの入射角度を所定の構築体表面サイズに対してできる限り垂直に近づくように維持する上で役立てるために、fθ又はテレセントリックレンズを使用する場合が多い。任意のレーザ経路の最終光学コンポーネント(例えば、最終光学機器、ガルバノメータ、鏡、テレセントリックレンズ又はfθレンズ)間の間隔は、数ミリメートルから最大で100センチメートル又はそれ以上程度であり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
[0005] 一実施形態では、付加製造システムは、複数のレーザエネルギー源と、構築体表面上にレーザエネルギースポットのアレイを形成するために、複数のレーザエネルギー源から構築体表面にレーザエネルギーを誘導するように構成された光学アセンブリと、光ファイバコネクタと、複数のレーザエネルギー源と光ファイバコネクタとの間に延在する第1の複数の光ファイバとを含む。第1の複数の光ファイバの光ファイバはそれぞれ、複数のレーザエネルギー源の1つに結合される。システムは、光ファイバコネクタと光学アセンブリとの間に延在する第2の複数の光ファイバをさらに含み、第2の複数の光ファイバの光ファイバはそれぞれ、光ファイバコネクタ内で第1の複数の光ファイバの1つに結合される。
【0006】
[0006] 別の実施形態では、付加製造システムの光ファイバを交換する方法は、光ファイバコネクタから第1の複数の光ファイバを切り離すことを含む。第1の複数の光ファイバは、付加製造システムの光ファイバコネクタと光学アセンブリとの間に延在する。方法は、光学アセンブリから第1の複数の光ファイバを切り離すことと、複数の交換用光ファイバがそれぞれ、光ファイバコネクタに結合された複数のレーザエネルギー源の1つに結合されるように、複数の交換用光ファイバを光ファイバコネクタに結合することと、複数の交換用光ファイバを光学アセンブリに結合することとをさらに含む。
【0007】
[0007] さらなる実施形態では、付加製造システムのレーザエネルギー源を交換する方法は、光ファイバコネクタの第1の接続から第1の光ファイバを切り離すことを含む。切り離す前、第1の光ファイバは、複数のエネルギー源のうちの1つと光ファイバコネクタとの間に延在する。方法は、交換用レーザエネルギー源に結合された第2の光ファイバを光ファイバコネクタの第1の接続に結合することをさらに含む。結合した後、第2の光ファイバは、付加製造システムの光ファイバコネクタと光学アセンブリとの間に延在する複数の光ファイバのうちの第3の光ファイバに結合される。
【0008】
[0008] 本開示は開示内容に制限されないため、前述の概念及び以下で論じられる追加の概念は、任意の適切な組合せで整理できることを理解すべきである。さらに、本開示の他の利点及び新規の特徴は、添付の図と併せて考慮すると、様々な非限定的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0009】
図面の簡単な説明
[0009] 添付の図面は、原寸に比例することを意図しない。図面では、様々な図に示される同一の又はほぼ同一のコンポーネントの各々は、同様の数字で表すことができる。明確にするため、すべての図面においてすべてのコンポーネントがラベル付けされているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[0010]一実施形態による、付加製造システムの概略図である。
【
図2】[0011]一実施形態による、光ファイバコネクタ内の融着スプライスを含む付加製造システムの概略図である。
【
図3】[0012]いくつかの実施形態による、融着スプライスの概略断面図である。
【
図4】[0013]一実施形態による、高電力光ファイバコネクタを含む付加製造システムの概略図である。
【
図5】[0014]一実施形態による、付加製造システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
詳細な説明
[0015] 本発明人は、粉末床溶融結合システムなどの付加製造システムの製造速度及びスループットが、粉末材料を溶融できるレートによって制限されることを認識し、理解している。材料溶融レートは、システムの構築ボリューム内の粉末材料に伝達される総パワーや、粉末材料を溶融させるために必要な単位質量あたりのエネルギーを含む、複数の因子に依存する。いくつかの例では、構築ボリュームにパワーを伝達するために1つ又は複数のレーザエネルギー源を利用するシステムなどでは、溶融レートは、1つ又は複数のレーザエネルギー源のパワーレベルを増加することによって増加することができる。しかし、個々のレーザエネルギー源のパワーレベルを増加できる範囲は、レーザ溶融のプロセス物理によって制限される。例えば、パワーレベル及び走査速度が臨界値を超えて増加すると、融解プールのレイリー不安定性が生じ、製造部品の欠陥につながることがある。それに従って、本発明人は、付加製造システムと関連付けられる多くのものが複数のレーザエネルギー源を含み、その各々がそのような臨界レベルを下回るパワーレベルで動作することを認識している。例えば、粉末床溶融結合プロセスにおいて粉末を同時に溶融できるレーザエネルギー源の数を増加することにより、構築ボリュームに伝達される総パワーを増加することができ、従って、溶融レートを増加することができる。しかし、本発明人は、レーザエネルギー源の数を増加することにより、システムの信頼性が低減され得ることも理解している。例えば、システムのレーザエネルギー源の数が増加すると、所定の時間においてレーザエネルギー源及び/又はレーザエネルギー伝達メカニズムのうちの1つ又は複数が故障する確率が増える。その結果、所定の時間内にどのレーザエネルギー源及び/又はレーザエネルギー伝達メカニズムも故障しない確率が実質的に減少し得る。いくつかの例では、付加製造システムのそのようなコンポーネントの故障は、システムの生産性及び/又はスループットの低減及び/又は製造プロセスの失敗につながることがある。
【0012】
[0016] それに加えて、本発明人は、1つ又は複数のレーザエネルギー源から構築ボリューム内の粉末にレーザエネルギーを伝達するために光ファイバを利用する付加製造システムが追加の課題を提示し得ることを理解している。例えば、いくつかの例では、付加製造システムにおいて使用される光ファイバのコア径は、約10μm~約50μmであり得、光ファイバのコアを出る光の発散角度は、約0.3度~約1.5度であり得る。これらの小さなコア径及び発散角度は、光ファイバからの光(例えば、レーザエネルギー)の出し入れにおける課題を提示し得るが、その理由は、光ファイバに入る光のほとんどをコア径より小さなスポットに集束する必要があり、光ファイバを出る発散角度より小さな角度で光を光ファイバに集束する必要があるためである。光ファイバのコアに適切に集束されない光は、コアを取り囲む光ファイバのクラッド材に漏れ出る可能性があり、光ファイバのパワー伝送効率及び/又は加熱における望ましくない損失につながることがある。その上、光ファイバの出口面は、光ファイバに続く光学素子(例えば、レンズ)に対する精密な位置決め及び位置合わせを行わなければならない。上記と同様に、そのような光学素子に対する出口面のミスアラインメントは、光学素子又はシステムの他のコンポーネントのパワー伝送効率及び/又は加熱における望ましくない損失につながることがある。
【0013】
[0017] いくつかの例では、付加製造システムの光ファイバのアラインメント及び位置決めに関連するそのような厳格な要件により、レーザエネルギー源及び/又は光ファイバの交換が困難なもの及び/又は多大な時間を要するものになり得る。例えば、レーザエネルギー源が故障次第、交換用レーザエネルギー源を既存の光ファイバに結合しなければならず、レーザエネルギー源と光ファイバとの間のインタフェースの慎重なアラインメントが必要とされる。別の例として、光ファイバ又は光ファイバケーブル(複数の光ファイバを含むもの)が故障次第、故障したファイバ又はケーブルを取り外さなければならず、各レーザエネルギー源と各光ファイバとの間や、付加製造システムの各光ファイバと光学アセンブリ(例えば、光ファイバから構築ボリューム内の構築体表面に向けてレーザエネルギーを誘導するように構成することができるもの)との間を含む複数のインタフェースにおいて、交換用ファイバ又はケーブルを位置合わせしなければならない。
【0014】
[0018] 本発明人は、光ファイバを結合して位置合わせするための既存の手法が、複数のレーザエネルギー源を含むレーザ粉末床溶融結合システムなどの一部の付加製造システムにはあまり適さない場合があることを認識し、理解している。例えば、QBH及びLLKコネクタなどの市販の高電力レーザ結合器は、システムの光学アセンブリと個々の光ファイバとの迅速な結合及び切り離しを可能にすることができる一方で、そのようなコネクタは、複数の理由でレーザエネルギー源の数が増加される際には適さない場合がある。第1に、これらのタイプのコネクタは、通常、光ファイバのサイズよりはるかに大きな大型フットプリントを有し、例えば、10~50μm程度の光ファイバに対して、コネクタのフランジ径は約20~50mmであり得る。その結果、控えめな数のレーザエネルギー源(例えば、10を超える程度のレーザエネルギー源)を利用する付加製造システムでさえ、付加製造システムにおいてとてつもなく大きな光学アセンブリを必要とすることになり、それにより、構築ボリューム内の光学アセンブリの動きが抑制されるか又は妨げられる場合がある。第2に、そのような既存のコネクタは、通常、約1~3%の伝送非効率性を呈し、従って、過熱を回避するために冷却する(例えば、水冷する)必要があり、これらの冷却要件により、各コネクタの大きさが増すことになる。そのようなサイズ制限は、レーザエネルギー源の数がさらに増加する(数百又は数千ものレーザエネルギー源になど)につれて、さらに悪化することになる。その上、これらのタイプの従来のコネクタは、光ファイバが切り離され、光学アセンブリに再結合される度に、手動アラインメントを必要とし、それにより、製造プロセスに多大な時間を要するようになり、実質的な中断を招くことになる。例えば、製造プロセスの間の故障した光ファイバの交換は、システムの構築ボリューム内の光学アセンブリにアクセスできるようにプロセスの取り消しを必要とすることになり、製造プロセスの間に構築ボリューム内で維持されている所望のガス環境(例えば、不活性ガス環境)をパージする必要があり得る。上記に加えて、本発明人は、電気通信及び関連する応用において使用されるものなどの他のタイプの既存の光ファイバコネクタが、付加製造システムにおいて必要なものより数桁低いパワーレベルに対して設計され、従って、それらのタイプのコネクタも付加製造システムでの使用に適さないことを認識している。
【0015】
[0019] 前述を踏まえて、本発明人は、大多数のレーザエネルギー源を含み、また、レーザエネルギー源、光ファイバ及び/又は光ファイバケーブル(複数の光ファイバを含むもの)などのシステムの様々なコンポーネントの簡単且つ高速な交換も容易にする付加製造システムと関連付けられる多くの利点を認識し、理解している。例えば、本明細書で説明されるシステム及び方法は、故障時に、付加製造システムによって実行されている構築プロセスの大幅な中断もなく、そのようなコンポーネントを交換できるようにし、故障したコンポーネントを交換するためのメンテナンスに必要なシステムダウン時間を低減することができる。その上、以下でさらに詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、本明細書で説明されるシステム及び方法は、システムの構築ボリューム内の光学アセンブリへのアクセスを必要とすることなく、レーザエネルギー源などの1つ又は複数の故障したコンポーネントの交換を容易にすることができる。いくつかの例では、そのような故障したコンポーネントは、進行中の製造プロセスに実質的に影響を及ぼすことなく交換することができる。
【0016】
[0020] 一実施形態では、付加製造システムは、複数のレーザエネルギー源と、複数のレーザエネルギー源から構築体表面にレーザエネルギーを誘導するように構成された光学アセンブリとを含み得る。構築体表面上の粉末材料にレーザエネルギーを露光することは、構築体表面上に所望のジオメトリを形成するために粉末の少なくとも一部分を溶融させるために使用することができる。いくつかの例では、光学アセンブリは、各レーザエネルギー源からのレーザエネルギーから構築体表面上にレーザエネルギースポットのアレイを形成するように構成することができる。例えば、光学アセンブリは、アレイ状の1つ又は複数の対応するレーザエネルギースポットを形成するために各レーザエネルギー源からレーザエネルギーを誘導するように構成することができる。システムは、複数のレーザエネルギー源及び光学アセンブリの各々に結合された光ファイバコネクタをさらに含み得る。例えば、第1の複数の光ファイバは、複数のレーザエネルギー源と光ファイバコネクタとの間に延在し、第1の複数の光ファイバの各光ファイバは、複数のレーザエネルギー源のうちの対応するレーザエネルギー源に結合することができる。それに加えて、第2の複数の光ファイバは、光ファイバコネクタと光学アセンブリとの間に延在し、第2の複数の光ファイバの各光ファイバは、光ファイバコネクタ内で第1の複数の光ファイバのうちの対応する光ファイバに結合することができる。この方法では、複数のレーザエネルギー源からのレーザエネルギーは、第1の複数の光ファイバを介して光ファイバコネクタに伝送し、その後、第2の複数の光ファイバを介して光学アセンブリに伝送することができ、その結果、レーザエネルギーを構築体表面に伝達することができる。
【0017】
[0021] いくつかの実施形態では、光ファイバコネクタの位置は、複数のレーザエネルギー源の位置に対して固定することができ、光学アセンブリは、光ファイバコネクタに対して移動させることができる(例えば、付加製造プロセスの間に構築体表面にわたって動かせるように)。この方法では、複数のレーザエネルギー源と光ファイバコネクタとの間に延在する第1の複数の光ファイバは、実質的に静止したままであり、それにより、第1の複数の光ファイバの信頼性及び寿命の改善を提供することができる。光ファイバコネクタと光学アセンブリとの間に延在する第2の複数の光ファイバは、例えば、可動光学アセンブリへのその取り付けによって、光ファイバコネクタに対して移動させることができる。本発明人は、いくつかの例では、光ファイバのそのような移動が光ファイバの損傷又は故障につながり得ることを理解している。しかし、以下でさらに詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、第2の複数の光ファイバは、光ファイバの位置合わせに多大な努力を必要とすることなく、容易に交換可能であり得る。それに従って、本明細書で説明されるような光ファイバコネクタを含む付加製造システムは、第2の複数の光ファイバに対して光ファイバの移動を分離することができ、これにより、交換が容易であり得る。
【0018】
[0022] 上記で説明される実施形態は、光ファイバコネクタと光学アセンブリとの間に延在する可動の第2の複数の光ファイバを含むが、いくつかのシステムでは、他の配列が適切であり得ることを理解すべきである。例えば、いくつかの付加製造システムは、構築ボリューム内で位置が実質的に固定された光学アセンブリを利用することができ、光学アセンブリは、構築体表面上の所望の場所にレーザエネルギーを誘導するように構成されたガルバノスキャナなどの1つ又は複数のコンポーネントを含み得る。
【0019】
[0023] いくつかの態様によれば、複数の光ファイバ(例えば、上記で論じられるような第1又は第2の複数の光ファイバ)は、光ファイバケーブルにまとめることができ、ケーブル内の各光ファイバの端部は、アラインメント治具内で位置合わせすることができる。例えば、アラインメント治具は、光ファイバの端部の所望の空間分布を定義することができ、ケーブル内の光ファイバを通じて移動する光が所望の方向に沿ってアラインメント治具を出るように、他の光ファイバに対して各光ファイバを軸方向に位置合わせすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、アラインメント治具は、光が並列ベクトルに沿って各光ファイバを出るように構成することができる。その上、いくつかの実装形態では、アラインメント治具は、アラインメント治具内に保持された光ファイバの端部が平行方向に沿って方向付けられるように、各光ファイバがアラインメント治具に取り付けられた後、光学研磨することができる。結果的に、光ファイバケーブル内の光ファイバはすべて、アラインメント治具を個々のコンポーネントと位置合わせするための単一のアラインメント動作を実行することによって、付加製造システムの他のコンポーネント(例えば、光学アセンブリ)と位置合わせすることができる。同様に、光ファイバの両端部において光ファイバのアラインメントが必要である場合は、複数の光ファイバの各光ファイバに対して別々のアラインメント動作を行うというよりむしろ、たった2回のアラインメント動作で、光ファイバケーブル内の複数の光ファイバ全体をシステム内で位置合わせできるように、光ファイバケーブルの各端部にアラインメント治具を提供することができる。
【0020】
[0024] ある実施形態では、アラインメント治具は、光ファイバの端部を接着するか又は別の方法で取り付けることができるv字型溝又は穴などの複数のアラインメントフィーチャを含み得る。特定の実施形態に応じて、アラインメントフィーチャは、アラインメント治具内に保持された光ファイバの端部の所望の空間分布を定義するために、任意の適切な方法で配列することができる。
【0021】
[0025] いくつかの実施形態によれば、光ファイバコネクタは、付加製造システムの囲い込み構築ボリュームの外部に位置決めすることができる。例えば、光ファイバコネクタのそのような外部の配置により、囲い込み構築ボリュームにアクセスする必要なく、1つ又は複数のレーザエネルギー源及び/又はレーザエネルギー源と光学コネクタとの間に延在する光ファイバを交換することができる。この方法では、レーザエネルギー源及び/又は光ファイバを交換している間、構築ボリューム内で所望のガス環境を維持することができ、それにより、コンポーネントの交換と関連付けられるシステムダウン時間を低減することができ、いくつかの例では、構築プロセスの間に及び/又は進行中の構築プロセスの実質的な中断もなく、コンポーネントを交換することができる。
【0022】
[0026] それに加えて、本発明人は、光ファイバコネクタを構築ボリュームの外部に位置決めすることにより、高パワー光学コネクタ及び関連冷却構造(例えば、QBH及び/又はLLKタイプのコネクタ)などの大きな又はバルク状のコンポーネントを構築ボリュームの外側に位置決めすることができ、重量及びサイズ制約がそれほど重要ではなくなることを理解している。例えば、いくつかの実施形態では、光ファイバコネクタは、個々のレーザエネルギー源と光ファイバコネクタとの間に延在する光ファイバなど、個々の光ファイバを光ファイバコネクタに結合できるように、複数のQBH及び/又はLLKタイプのコネクタを含み得る。他の実施形態では、システムは、そのような高パワー光学コネクタを含まなくともよく、代わりに、光ファイバは、融着スプライスなどの適切な光学スプライス構造を介して、光ファイバコネクタに結合することができる。そのような実施形態では、光ファイバコネクタの外部の位置決めにより、ファイバ接続が構築ボリューム内に位置するシステムと比べて、スプライスへのより容易なアクセスを促進することができる。
【0023】
[0027] いくつかの実施形態によれば、レーザエネルギー源(例えば、故障したレーザエネルギー源)を交換する方法は、レーザエネルギー源と光ファイバコネクタとの間に延在する光ファイバを光ファイバコネクタから切り離すことを含み得る。例えば、光ファイバを切り離すことは、QBH又はLLKコネクタなどの高パワーコネクタを切り離すことを含み得るか、又は、融着スプライスなどの既存のスプライスで光ファイバをクリーブすることを伴い得る。その後、交換用レーザエネルギー源に結合された交換用光ファイバは、例えば、高パワーコネクタを介して又は光ファイバコネクタに交換用光ファイバをスプライスすることによって、光ファイバコネクタに結合することができる。交換用光ファイバが光ファイバコネクタに結合されて位置合わせされた時点で、必要に応じて、交換用光ファイバは、例えば、光ファイバコネクタ内に位置決めされた適切な光学素子を介して、付加製造システムの光ファイバコネクタと光学アセンブリとの間に延在する別の光ファイバに光学的に結合することができる。この方法では、レーザエネルギー源は、光学アセンブリにアクセスする必要なく及び/又は付加製造システムのエンクロージャから光学アセンブリを取り外す必要なく、交換することができる。
【0024】
[0028] さらなる実施形態では、付加製造システムの1つ又は複数の光ファイバ(例えば、1つ又は複数の故障した光ファイバ)を交換する方法は、光ファイバコネクタから1つ又は複数の光ファイバを切り離すことと、光学アセンブリから光ファイバを切り離すこととを含み得る。その後、交換用光ファイバは、光ファイバコネクタ及び光学アセンブリの各々に結合することができる。光ファイバコネクタ及び光学アセンブリに交換用光ファイバを結合することは、システムの他のコンポーネントとの所望のアラインメントを提供するために交換用光ファイバの端部を位置合わせすることを含み得る。いくつかの例では、交換用光ファイバは、ファイバケーブル内に提供することができ、ファイバケーブルは、ケーブルの端部に提供されるアラインメント治具を含み得る。そのような実施形態では、光ファイバコネクタ及び/又は光学アセンブリに交換用光ファイバを結合することは、光ファイバコネクタ及び/又は光学アセンブリにアラインメント治具を結合することを含み得る。上記で記述されるように、そのような配列により、各コンポーネントに対して単一の結合及びアラインメント動作で、多くの光ファイバを光ファイバコネクタ及び/又は光学アセンブリと結合して位置合わせすることができる。しかし、本開示は、アラインメント治具及び/又は光ファイバケーブルを含むシステムに限定されないことを理解すべきである。例えば、他の実施形態では、個々の交換用光ファイバを光ファイバコネクタ及び/又は光学アセンブリと直接結合して位置合わせすることができる。1つ又は複数の光ファイバを交換した後、交換用光ファイバの各々は、例えば、光ファイバコネクタ内の適切な光学素子を介して、複数のレーザエネルギー源の対応するレーザエネルギー源に光学的に結合することができる。
【0025】
[0029] 特定の実施形態に応じて、本開示による付加製造システムは、適切ないかなる数のレーザエネルギー源も含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、レーザエネルギー源の数は、少なくとも10、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも500、少なくとも1,000、少なくとも1,500又はそれ以上であり得る。いくつかの実施形態では、レーザエネルギー源の数は、2,000未満、1,500未満、1,000未満、500未満、100未満、50未満又は10未満であり得る。それに加えて、上記で記述される範囲の組合せも適切であり得る。
【0026】
[0030] それに加えて、いくつかの実施形態では、複数のレーザエネルギー源の各レーザエネルギー源のパワー出力は、約50W~約2,000W(2kW)であり得る。例えば、各レーザエネルギー源のパワー出力は、約100W~約1.5kW及び/又は約500W~約1kWであり得る。その上、複数のレーザエネルギー源の総パワー出力は、約500W(0.5kW)~約4,000kWであり得る。例えば、総パワー出力は、約1kW~約2,000kW及び/又は約100kW~約1,000kWであり得る。
【0027】
[0031] 図に移ると、特定の非限定的な実施形態がさらに詳細に説明されている。本開示は本明細書で説明される特定の実施形態のみに限定されないため、これらの実施形態に関連して説明される様々なシステム、コンポーネント、フィーチャ及び方法は、個別に及び/又は任意の所望の組合せで使用できることを理解すべきである。
【0028】
[0032]
図1は、機械エンクロージャ106内に位置決めされた光学アセンブリ104にレーザエネルギーを伝達する複数のレーザエネルギー源102を含む、付加製造システム100の一実施形態の概略図である。例えば、機械エンクロージャは、付加製造プロセスを実行できる構築ボリュームを定義することができる。具体的には、光学アセンブリは、構築体表面上の粉末材料を選択的に溶融させるために、機械エンクロージャ内に位置決めされた構築体表面110に向けてレーザエネルギー108を誘導することができる。以下でさらに詳細に説明されるように、光学アセンブリは、光学アセンブリ内の光路を定義する複数の光学素子を含み得、複数の光学素子は、レーザエネルギーがレーザエネルギーピクセルのアレイとして構築体表面に誘導されるように、光学アセンブリ内でレーザエネルギーの変換、整形及び/又は誘導を行うことができる。光学アセンブリは、製造プロセスの間、構築体表面110にわたってレーザエネルギー108で走査するために、機械エンクロージャ106内で動かすことができる。
【0029】
[0033] システム100は、レーザエネルギー源102と光学アセンブリ104との間に位置決めされた光ファイバコネクタをさらに含む。示されるように、第1の複数の光ファイバ114は、複数のレーザエネルギー源102と光ファイバコネクタ112との間に延在する。具体的には、各レーザエネルギー源102は、第1の複数の光ファイバ114のそれぞれの光ファイバ116を介して光ファイバコネクタ112に結合される。同様に、第2の複数の光ファイバ118は、光ファイバコネクタ112と光学アセンブリ104との間に延在する。第1の複数の光ファイバ114の各光ファイバ116は、光ファイバコネクタ内で第2の複数の光ファイバ118の対応する光ファイバ120に結合される。この方法では、レーザエネルギー源102の各々からのレーザエネルギーは、付加製造プロセス(すなわち、構築プロセス)の間にレーザエネルギー108を構築体表面110に誘導できるように、光学アセンブリ104に伝達される。
【0030】
[0034] いくつかの例では、レーザエネルギー源102及び光ファイバコネクタ112は、機械エンクロージャ106に対して静止状態であり得る。この方法では、第1の複数の光ファイバ114の光ファイバ116は、構築プロセス全体を通じて実質的に静止したままであり、それにより、光ファイバの故障につながり得る光ファイバ及び/又は光ファイバの接続若しくは結合に対する応力を回避する支援を行うことができる。第2の複数の光ファイバ118の光ファイバ120は、可動光学アセンブリ104とのそれらの結合によって、静止した光ファイバコネクタ112に対して移動することができる。そのような動きにより、光ファイバ及び/又は光ファイバの接続若しくは結合に対して応力が与えられるが、本明細書で説明される態様は、上記で論じられるように及び以下でさらに詳細に論じられるように、光ファイバ120の迅速且つ簡単な交換を容易にすることができる。
【0031】
[0035]
図2は、付加製造システム200の別の実施形態の概略図である。
図1と関係して上記で論じられる実施形態と同様に、システム200は、光ファイバコネクタ212を介して機械エンクロージャ206内の光学アセンブリ204に結合された複数のレーザエネルギー源202を含む。第1の複数の光ファイバ214は、レーザエネルギー源202と光ファイバコネクタ212との間に延在し、第2の複数の光ファイバ218は、光ファイバコネクタ212と光学アセンブリ204との間に延在する。具体的には、第1の複数の光ファイバの各光ファイバ216は、レーザエネルギー源202及び第2の複数の光ファイバ218の対応する光ファイバ220に結合される。描写される実施形態では、光ファイバ216は、光ファイバコネクタ212内で融着スプライス222を介して対応する光ファイバ220に結合される。
【0032】
[0036] さらに、第2の複数の光ファイバ218の光ファイバ220は、光学アセンブリにレーザエネルギーを誘導するために、光ファイバの所望の空間分布を定義するように構成されたアラインメント治具224を介して光学アセンブリ204に結合される。例えば、アラインメント治具は、光ファイバ220の各々の端部が接着される複数のv字型溝又は穴を有するブロックを含み得る。アラインメント治具は、第2の複数の光ファイバ218の光ファイバ220のすべてを光学アセンブリ204と位置合わせするために、単一のアラインメント動作で光学アセンブリと位置合わせすることができる。結果的に、各光ファイバ220(各レーザエネルギー源202に対応する)に対する別々のアラインメント動作は必要なく、必要に応じて又は要望があれば(例えば、1つ又は複数の光ファイバ220が故障した場合)、第2の複数の光ファイバ218の迅速な交換を容易にすることができる。
【0033】
[0037] それに加えて、
図2は、第2の複数の光ファイバ218から構築体表面210にレーザエネルギーを誘導し、構築体表面上にレーザエネルギー208の所望のアレイを形成するために光学アセンブリに含めることができる例示的な光学素子を描写する。例えば、光学アセンブリは、光学アセンブリ内でレーザエネルギーを整形して誘導することができるレンズ226、228及び鏡230などのビーム形成光学機器を含み得る。いくつかの実施形態では、レンズ226、228は、マイクロレンズアレイ及び対物レンズのうちの1つ又は複数を含み得る。例えば、マイクロレンズアレイは、各光ファイバ220から出力されたレーザエネルギーをコリメートし、レーザエネルギーのビーム形状を変換するように配列することができ、対物レンズは、組み合わされたレーザエネルギーのアレイの焦点距離を定義し、マイクロレンズアレイから出力を縮小するように機能するように配列することができる。いくつかの例では、この縮小は、構築体表面上に形成されるレーザエネルギーのアレイのレーザエネルギーピクセルの間隔を調整するために使用することができる。例えば、対物レンズは、隣接するピクセル間の間隔がなくなるようにアレイを縮小するように配列することができる。さらに、本開示は、構築体表面上に形成されるレーザエネルギー208のアレイのレーザエネルギーピクセルの特定の形状及び/又は配列に限定されないことを理解すべきである。例えば、アレイが、規則的に離隔されたレーザエネルギーのピクセルを有する長方形アレイであっても、アレイが、ピクセル間の不均一な間隔を有する不規則な形状であってもよい。
【0034】
[0038] ここで
図3を参照すると、光ファイバコネクタ内で光ファイバを結合するために使用することができる融着スプライス300の例示的な実施形態がさらに詳細に説明されている。具体的には、
図3は、第1の光ファイバの第1のコア302aを第2の光ファイバの第2のコア302bに結合する融着スプライスの概略断面図を示す。いくつかの例では、融着スプライス300は、遮蔽層308a、308b(例えば、金属遮蔽層)及び保護層306a、306b(例えば、プラスチック層)を各光ファイバの端部から剥がすことによって形成することができる。各ファイバの端部は、各ファイバの縦軸に垂直な各ファイバの端部の平坦面を光学的に形成するように構成された光ファイバクリーバでクリーブすることができる。各ファイバのクリーブされた端部は、例えば、局部加熱の適用を介して、互いに押接して融着させることができる。融着させた後、ファイバの露出端部(コア302a、302b及びコアの周りのクラッド層304a、304bを含む)は、例えば、熱収縮チューブ又は機械クリンプチューブなどの保護スリーブ310によってカバーすることができる。いくつかの例では、そのような融着スプライスを介して2つのファイバを互いに融着させることは、光ファイバの他の端部のリアラインメントを必要とせず、その上、スプライスされた領域は、スプライスの存在がファイバの光伝送に影響を及ぼさないほどに未加工光ファイバとは光学的に見分けがつかない可能性がある。
【0035】
[0039] いくつかの実施形態では、
図3に示されるスプライス300などの融着スプライスは、ファイバからクラッド層304a、304b中を望ましくない方法で移動し得る光を誘導する機会を提供する可能性がある。クラッド材中を移動するそのような光は、すべての入射光がコア302a又は302bに誘導されるとは限らないような光ファイバと光源とのミスアラインメントから生じ得る。保護スリーブの屈折率をクラッド材304a、304bの屈折率より低く調節することにより、クラッド材中を移動するいかなる光も、ファイバから保護スリーブ310を通じて外に排出されるように誘導することができる。いくつかの事例では、この光は、融着スプライスが形成される光ファイバコネクタの加熱をもたらす場合があり、従って、いくつかの実施形態では、光ファイバコネクタは、クラッド材中を移動する及びクラッド材から保護スリーブを介して外に誘導される光に関連する熱を取り除くために、光ファイバコネクタを通じて冷やした冷却液(例えば、水)を誘導するように構成された冷却チャネルなどの冷却構造を含み得る。
【0036】
[0040] ここで
図4を参照すると、付加製造システム400の別の実施形態がさらに詳細に説明されている。上記で論じられる実施形態と同様に、システム400は、機械エンクロージャ406内に位置決めされた光学アセンブリ404に光学的に結合された複数のレーザエネルギー源402を含む。光学アセンブリは、機械エンクロージャ406内の構築体表面410上にレーザエネルギー408のアレイを形成するように構成された光学素子426、428、430を含み得る。光学アセンブリ404は、光ファイバコネクタ412を介してレーザエネルギー源402に結合される。示されるように、第1の複数の光ファイバ414は、レーザエネルギー源402と光ファイバコネクタ412との間に延在し、第2の複数の光ファイバ418は、光ファイバコネクタ412と光学アセンブリ404との間に延在する。具体的には、第1の複数の光ファイバの各光ファイバ416は、レーザエネルギー源402及び第2の複数の光ファイバ418の対応する光ファイバ420に結合され、第2の複数の光ファイバ418の対応する光ファイバ420は、第2の複数の光ファイバ418の第1の端部でアラインメント治具を介して光学アセンブリ404に結合される。
【0037】
[0041] この実施形態では、第1の複数の光ファイバ414の各光ファイバ416は、QBH及び/又はLLKタイプの結合器などの高パワーファイバ結合器を介して光ファイバコネクタ412に結合される。具体的には、各ファイバ416の端部は、結合器438に取り付けられ、結合器438は、光ファイバコネクタに結合されたレシーバ436で受け取られる。結合器438を通じて出た光は、光ファイバコネクタに結合されたアラインメント治具424内に保持することができる第2の複数の光ファイバ418のファイバ420の第2の端部に集束される。例えば、光は、適切なビーム形成光学機器432、434を介して、ファイバに集束することができる。光ファイバコネクタ412は、機械エンクロージャ406の外部に位置決めされ、光学アセンブリ404から分離されるため、結合器438及びレシーバ436と関連付けられる重量又は大きさの追加により、光学アセンブリ404の動作に影響が及ぶことはない。
【0038】
[0042] いくつかの例では、そのような配列により、故障したレーザエネルギー源402の簡単且つ迅速な交換が可能になる。例えば、故障したレーザエネルギー源は、故障したレーザエネルギー源と関連付けられた光ファイバ416の端部の結合器438を切り離し、その場所に交換用レーザエネルギー源と関連付けられた結合器438を結合することによって交換することができる。いくつかの事例では、交換用結合器438は、レーザの交換時に、光学コネクタアセンブリ内のビーム形成光学機器432、434と位置合わせすることができる。
【0039】
[0043]
図5は、上記で論じられる実施形態と同様の付加製造システム500のさらなる実施形態を描写する。具体的には、システム500は、機械エンクロージャ506内に位置決めされた光学アセンブリ504に光学的に結合された複数のレーザエネルギー源502を含む。光学アセンブリは、機械エンクロージャ506内の構築体表面510上にレーザエネルギー508のアレイを形成するように構成された光学素子526、528、530を含み得る。光学アセンブリ504は、光ファイバコネクタ412を介してレーザエネルギー源502に結合される。示されるように、第1の複数の光ファイバ514は、レーザエネルギー源502と光ファイバコネクタ512との間に延在し、第2の複数の光ファイバ518は、光ファイバコネクタ512と光学アセンブリ504との間に延在する。この実施形態では、第2の複数の光ファイバの各光ファイバ520は、光ファイバコネクタ512と光学アセンブリ504との間に延在する光ケーブル536内に位置決めされる。その上、第1の複数の光ファイバの各光ファイバ516は、レーザエネルギー源502及び第2の複数の光ファイバ518の対応する光ファイバ520に結合される。第2の複数の光ファイバ518を含む光ケーブル536は、光ケーブル536の第1の端部で第1のアラインメント治具524aを介して光学アセンブリ504に結合され、ケーブルは、光ケーブル536の第2の端部で第2のアラインメント治具524bを介して光ファイバコネクタ512に結合される。
【0040】
[0044] それに加えて、
図5の光ファイバコネクタ512は、レーザエネルギー源512と光ファイバコネクタ512との間に延在する第1の複数の光ファイバ514と関連付けられた第3のアラインメント治具524cを含む。このアラインメント治具は、第3のアラインメント治具524cを出た光が、第2のアラインメント治具524b内に保持された光ファイバ520の端部に誘導されるように、光ファイバコネクタ内のビーム形成要素532、534と位置合わせすることができる。その上、光ファイバコネクタ512は、レーザエネルギー源502と第3のアラインメント治具524cとの間に位置決めされた1つ又は複数の融着スプライス522を含み得る。この方法では、故障したレーザエネルギー源502は、その対応する光ファイバ516をクリーブし、交換用レーザエネルギー源502の光ファイバ516との融着スプライス522を形成することによって交換することができる。上記で記述されるように、融着スプライスは、スプライス内のそれぞれの光ファイバのアラインメントを必要とすることなく形成することができ、第3のアラインメント治具524cが第1の複数の光ファイバ514のアラインメントを維持するため、そのような配列により、追加のいかなるアラインメントプロセスも必要とすることなくレーザエネルギー源を交換することができる。その上、いくつかの例では、光ファイバコネクタ512は、融着スプライス522と関連付けられた1つ又は複数の冷却構造(描写せず)を含み得る。
【0041】
[0045]
図1、2、4及び5で描写される実施形態は3つのレーザエネルギー源を含むシステムを示しているが、本開示は、特定の数のレーザエネルギー源に限定されないことを理解すべきである。それに従って、本明細書で説明される実施形態は、数十、数百又は数千のレーザエネルギー源など、3つを超えるレーザエネルギー源を用いて実装することができる。
【0042】
[0046] 本開示の様々な態様は、単独で、組合せで、又は、前述の実施形態において具体的に論じられていない様々な配列で使用することができ、従って、その応用において、前述の説明に記載されるか又は図面に示されるコンポーネントの詳細及び配列に限定されない。例えば、一実施形態において説明される態様は、いかなる方法でも、他の実施形態において説明される態様と組み合わせることができる。それに従って、本教示は、様々な実施形態及び例と併せて説明してきたが、本教示がそのような実施形態又は例に限定されることは意図されない。それどころか、本教示は、当業者によって理解されるように、様々な代替形態、変更形態及び均等形態を包含する。それに従って、前述の説明及び図面は、単なる例示である。
【0043】
[0047] また、本明細書で説明される実施形態は、方法として具体化することができ、その例が提供されている。方法の一部として実行される行為は、任意の適切な方法で順序付けることができる。それに従って、示される順番とは異なる順番で行為が実行される実施形態を構築することができ、示される実施形態において順次的な行為として示されている場合であっても、いくつかの行為を同時に実行することが含まれ得る。
【0044】
[0048] さらに、いくつかの措置は、「ユーザ」によって講じられるものとして説明されている。「ユーザ」は一個人である必要はなく、いくつかの実施形態では、「ユーザ」に帰される措置は、個人の集団及び/又は個人とコンピュータ支援ツール若しくは他のメカニズムの組合せによって実行できることを理解すべきである。
【国際調査報告】