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特表2022-5347343Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および印刷ヘッドクリーニング装置を有する3Dプリンタ、ならびに印刷ヘッド洗浄装置の使用および3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法
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  • 特表-3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および印刷ヘッドクリーニング装置を有する3Dプリンタ、ならびに印刷ヘッド洗浄装置の使用および3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法 図1
  • 特表-3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および印刷ヘッドクリーニング装置を有する3Dプリンタ、ならびに印刷ヘッド洗浄装置の使用および3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法 図2
  • 特表-3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および印刷ヘッドクリーニング装置を有する3Dプリンタ、ならびに印刷ヘッド洗浄装置の使用および3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法 図3
  • 特表-3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および印刷ヘッドクリーニング装置を有する3Dプリンタ、ならびに印刷ヘッド洗浄装置の使用および3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法 図4
  • 特表-3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および印刷ヘッドクリーニング装置を有する3Dプリンタ、ならびに印刷ヘッド洗浄装置の使用および3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法 図5
  • 特表-3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および印刷ヘッドクリーニング装置を有する3Dプリンタ、ならびに印刷ヘッド洗浄装置の使用および3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法 図6
  • 特表-3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および印刷ヘッドクリーニング装置を有する3Dプリンタ、ならびに印刷ヘッド洗浄装置の使用および3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法 図7
  • 特表-3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および印刷ヘッドクリーニング装置を有する3Dプリンタ、ならびに印刷ヘッド洗浄装置の使用および3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法 図8
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(54)【発明の名称】3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および印刷ヘッドクリーニング装置を有する3Dプリンタ、ならびに印刷ヘッド洗浄装置の使用および3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/35 20170101AFI20220727BHJP
   B29C 64/165 20170101ALI20220727BHJP
   B29C 64/209 20170101ALI20220727BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220727BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20220727BHJP
【FI】
B29C64/35
B29C64/165
B29C64/209
B33Y10/00
B33Y30/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570532
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(85)【翻訳文提出日】2022-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2020064589
(87)【国際公開番号】W WO2020239774
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】202019102983.8
(32)【優先日】2019-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514326904
【氏名又は名称】エクスワン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003029
【氏名又は名称】特許業務法人ブナ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒューフェルダー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ブロックマイアー,カルメン
(72)【発明者】
【氏名】スタッラ,カトリン
(72)【発明者】
【氏名】クルンド,エトムント
(72)【発明者】
【氏名】ラデヴィヒ,ローランド
【テーマコード(参考)】
4F213
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL52
4F213WL67
4F213WL74
4F213WL87
(57)【要約】
結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置が開示されており、該印刷ヘッド洗浄装置は、細長い出力開口部を備え、細長い出力開口部を通して液体の洗浄剤を出力するように構成された洗浄剤供給装置と、細長い吸引隙間を備え、細長い吸引隙間を通して流体を吸引するように構成された吸引装置とを備え、細長い出力開口部の長手方向軸と細長い吸引隙間の長手方向軸とが互いに角度をなして配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)であって、
細長い出力開口部(32)を備え、前記細長い出力開口部(32)を通して液体の洗浄剤を出力するように構成された洗浄剤供給装置(30)と、
細長い吸引隙間(52)を備え、前記細長い吸引隙間(52)を通して流体を吸引するように構成された吸引装置(50)とを備え、
前記細長い出力開口部(32)の長手方向軸(L1)と前記細長い吸引隙間(52)の長手方向軸(L2)とが互いに角度(α)をなして配置されている、印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項2】
前記角度(α)が90°未満で、 例えば20から60°の範囲、例えば25から55°の範囲、例えば30から50°の範囲、例えば35から45°の範囲の値、例えば40°を有する、請求項1に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項3】
前記洗浄剤供給装置(30)が、前記細長い出力開口部(32)に開口し、その中に複数のノズル(36)が配置され、その各々が液体の洗浄剤を出力するように構成された、細長い凹部(34)を備える、請求項1または2に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項4】
前記複数のノズル(36)が、前記細長い出力開口部(32)の前記長手方向軸(L1)に平行な少なくとも1つの列に配置される、請求項3に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項5】
前記細長い出力開口部(32)が、溝(70)で囲まれている、例えば完全に囲まれている、請求項1から4のいずれか一項に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項6】
前記吸引装置(50)が、カバー(56)、例えばカバープレートおよび/またはカバーストリップで区切って覆われる凹部(54)を備え、それによって前記吸引隙間(52)を形成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項7】
前記カバー(56)が、前記印刷ヘッド洗浄装置(10)に取外し可能に取り付けられている、請求項6に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項8】
前記吸引装置(50)が、前記吸引隙間(52)と流体連通し、その底部に真空にするための1つまたは複数の吸引開口部(58)、例えば3つの吸引開口部(58)が設けられた凹部(54)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項9】
前記細長い出力開口部(32)と前記細長い吸引隙間(52)との間に延在し、前記細長い出力開口部(32)から前記細長い吸引隙間(52)への方向に上方に傾斜し、例えば1から5%の範囲、例えば1.5から4%の範囲、例えば2から3%の範囲の傾きを有する傾斜面(72)をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項10】
前記傾斜面(72)が、少なくとも実質的に三角形の形状に構成されている、請求項9に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項11】
前記吸引隙間(52)が、5mm以下の幅、例えば4mm以下の幅、例えば3mm以下、例えば2mm以下、例えば1.5mm以下、例えば1mmの幅を有する、先行する請求項のいずれか一項に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項12】
前記ノズル(36)が、液体の洗浄剤を出力するための少なくとも1つのノズル孔(38)をそれぞれ有し、その直径は、1から5mmの範囲、例えば1.5から3mmの範囲、例えば2mmで、および/または前記細長い出力開口部(32)の前記長手方向軸(L1)の方向において、ノズル密度および/またはノズル孔密度は、10cmあたり5から35個のノズルまたはノズル孔、例えば、10cmあたり10から30個のノズルまたはノズル孔、例えば、10cmあたり15から25個のノズルまたはノズル孔の範囲内である、請求項3に記載の、または請求項3に関連する限りにおいて先行する請求項のいずれか一項に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項13】
前記カバー(56)、例えば前記カバープレートおよび/または前記カバーストリップは、断面で、例えばその長手方向の延長に垂直な断面で見て、湾曲している、請求項6に記載の、または請求項6に関連する限りにおいて先行する請求項のいずれか一項に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置(10)。
【請求項14】
処理剤を出力するための印刷ヘッドと、
先行する請求項のいずれか一項に記載の印刷ヘッド洗浄装置(10)と、
を有する、結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタ。
【請求項15】
前記印刷ヘッド洗浄装置(10)に隣接して配置され、流体を浸透させることができ、前記印刷ヘッドの処理剤出力領域に対応するように寸法が定められた吸収部材(74)、例えばスポンジ、をさらに備え、
前記印刷ヘッドが、前記吸収部材(74)の上のパーキング位置に移動可能である、
請求項14に記載の3Dプリンタ。
【請求項16】
前記印刷ヘッドが、前記3Dプリンタの構築フィールドを横切る第1水平方向(H1)に移動可能であり、かつ任意に、前記構築フィールドを蛇行しておよび/またはストライプ状に作業するために第2水平方向(H2)にオフセット可能で、前記第1水平方向(H1)が、前記細長い出力開口部(32)の前記長手方向軸(L1)に垂直であり、および/または前記第2水平方向(H2)が前記細長い出力開口部(32)の前記長手方向軸(L1)に平行である、請求項14または15に記載の3Dプリンタ。
【請求項17】
前記印刷ヘッドが、支持構造体に沿って、前記構築フィールドを横切る前記第1水平方向(H1)に、かつ前記洗浄装置を横切る前記細長い出力開口部(32)の前記長手方向軸(L1)に垂直に移動可能である、請求項16に記載の3Dプリンタ。
【請求項18】
前記印刷ヘッドの前記処理剤出力領域が細長く構成されており、前記処理剤出力領域の前記長手方向軸は前記第1水平方向(H1)に垂直に配置されおよび/または前記細長い出力開口部(32)の前記長手方向軸(L1)に平行に配置されている、請求項16または17に記載の3Dプリンタ。
【請求項19】
結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタであって、
前記3Dプリンタの構築フィールドを横切って第1水平方向(H1)に移動可能であり、かつ任意に、前記構築フィールドを蛇行しておよび/またはストライプ状に通過して作業するために、第2水平方向(H2)にオフセットすることができる、処理剤を出力するための印刷ヘッドと、
印刷ヘッド洗浄装置(10)とを有し、該印刷ヘッド洗浄装置(10)は、
液体の洗浄剤を前記印刷ヘッドの処理剤出力領域に供給するように構成された洗浄剤供給装置(30)と、
細長い吸引隙間(52)を有し、前記細長い吸引隙間(52)を通して流体を吸引するように構成された吸引装置(50)と、を備え、
前記第1水平方向(H1)および/または前記印刷ヘッド洗浄装置、特にその前記吸引隙間(52)を横切って前記印刷ヘッドが移動する方向が、前記細長い吸引隙間(52)の前記長手方向軸(L2)に対して90°未満の角度で設定されている、3Dプリンタ。
【請求項20】
前記角度が30°から70°、例えば35°から65°、例えば40°から60°、例えば45°から55°、例えば50°の値を有する、請求項19に記載の3Dプリンタ。
【請求項21】
前記印刷ヘッド洗浄装置(10)に隣接して配置され、液体が浸透可能であり、かつ前記印刷ヘッドの前記処理剤出力領域に対応する寸法を有する吸収部材(74)、例えばスポンジ、をさらに備え、
前記印刷ヘッドが、前記吸収部材(74)の上のパーキング位置に移動可能である、
請求項19または20に記載の3Dプリンタ。
【請求項22】
前記印刷ヘッド洗浄装置(10)が請求項1から13のいずれか一項に記載のように構成されている、
請求項19から21のいずれか一項に記載の3Dプリンタ。
【請求項23】
前記吸引装置(50)が請求項6から8、11、13のいずれか一項に記載のように構成され、および/または
前記洗浄剤供給装置(30)が細長い出力開口部(32)を備え、前記細長い出力開口部(32)を通して液体の洗浄剤を出力するように構成され、および/または請求項3から5、12のいずれか一項に記載のように構成され、および/または
前記洗浄剤供給装置(30)の細長い出力開口部(32)の前記長手方向軸(L1)と前記細長い吸引隙間(52)の前記長手方向軸(L2)とが互いに実質的に平行に配置されている、
請求項19から21のいずれか一項に記載の3Dプリンタ。
【請求項24】
前記印刷ヘッドが、支持構造体に沿って、前記構築フィールドを横切る前記第1水平方向(H1)に移動可能であり、および/または
前記印刷ヘッドの前記処理剤出力領域が細長く構成されており、前記処理剤出力領域の前記長手方向軸が前記第1水平方向(H1)に垂直に配置されている、
請求項19から23のいずれか一項に記載の3Dプリンタ。
【請求項25】
3Dプリンタ、例えば結合剤噴射によって層状に部品を構築するように構成された3Dプリンタの印刷ヘッド、例えば処理剤を出力するための印刷ヘッド、例えば結合剤噴射印刷ヘッドを洗浄するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の前記印刷ヘッド洗浄装置(10)の使用。
【請求項26】
前記印刷ヘッドの処理剤出力領域の洗浄、および/または印刷ヘッド下面を洗浄するための、および/または前記印刷ヘッド下面に配置されたノズルを洗浄するための、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
前記印刷ヘッドに付着した、例えば前記印刷ヘッドの処理剤出力領域に付着した、例えば前記印刷ヘッドの下面に付着した、例えば、処理剤および/または粒子状材料を含む、堆積物および/または汚染物を除去するための、請求項25または26に記載の使用。
【請求項28】
請求項1から13のいずれか一項に記載の前記印刷ヘッド洗浄装置(10)を準備するステップと、
前記印刷ヘッド洗浄装置(10)を横切って前記印刷ヘッドを移動させるステップとを含む、
3Dプリンタ、例えば結合剤噴射によって層状に部品を構築するように構成された3Dプリンタの印刷ヘッド、例えば処理剤を出力するための印刷ヘッド、例えば結合剤噴射印刷ヘッドの洗浄方法。
【請求項29】
前記印刷ヘッドの移動方向が前記細長い出力開口部(32)の前記長手方向軸(L1)に対して90°の角度で設定されるよう、前記印刷ヘッドが前記印刷ヘッド洗浄装置(10)を横切って移動する、および/または前記印刷ヘッドの移動方向が前記細長い吸引隙間(52)の前記長手方向軸(L2)に対して90°未満の角度で設定されるよう、前記印刷ヘッドが前記印刷ヘッド洗浄装置(10)を横切って移動する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
3Dプリンタ、例えば結合剤噴射によって層状に部品を構築するように構成された3Dプリンタの印刷ヘッド、例えば処理剤を出力するための印刷ヘッド、例えば結合剤噴射印刷ヘッドを洗浄する方法であり、
前記印刷ヘッドが前記3Dプリンタの構築フィールドを横切って第1水平方向(H1)に移動可能であり、かつ任意に、前記構築フィールドを蛇行しておよび/またはストライプ状に通過して作業するために、第2水平方向(H2)にオフセットすることができ、
液体の洗浄剤を前記印刷ヘッド、例えば前記印刷ヘッドの処理剤出力領域に供給するように構成された洗浄剤供給装置(30)と、
細長い吸引隙間(52)を有し、該細長い吸引隙間(52)を通して流体を吸引するように構成された吸引装置(50)と、
を備える印刷ヘッド洗浄装置(10)を準備するステップと、
前記第1水平方向(H1)および/または前記印刷ヘッド洗浄装置、特にその前記吸引隙間(52)を横切って前記印刷ヘッドが移動する方向が、前記細長い吸引隙間(52)の前記長手方向軸(L2)に対して90°未満の角度で設定されるように、前記印刷ヘッドが前記印刷ヘッド洗浄装置(10)を横切って移動するステップと、を含む方法。
【請求項31】
前記印刷ヘッドが前記洗浄剤供給装置(30)を横切って移動し、その後、前記吸引装置(50)を横切って移動する、請求項28から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記印刷ヘッドが前記洗浄剤供給装置(30)を横切って移動する前に、前記吸引装置(50)を横切って移動する、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記印刷ヘッドが前記印刷ヘッド洗浄装置(10)を複数回横切って移動し、および/または前記印刷ヘッドが前記洗浄剤供給装置(30)を複数回横切って移動し、および/または前記印刷ヘッドが前記吸引装置(50)を複数回横切って移動する、請求項28から32のいずれか一項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合剤噴射により部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置、および印刷ヘッド洗浄装置を有する、結合剤噴射により部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタに関する。さらに、本発明は印刷ヘッド洗浄装置の使用と、3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な生成的製造プロセスや3D印刷プロセスのそれぞれ(およびその結果として、様々なタイプの3Dプリンタ、すなわち部品を層状に構築する機械/設備)が知られている。
【0003】
いくつかの生成的製造プロセスは、以下の共通のステップを有する。
(1)最初に、粒子状材料(または粒子状構築材料)を構築フィールド上の表面全体にわたって/連続的に塗布して、未固化の粒子状材料層を形成する。
(2)未固化の粒子状材料の塗布層を、例えば結合剤、例えばバインダーなどの(例えば液体の)処理剤を選択的に印刷することによって、(製造される部品にしたがって)所定の部分領域で選択的に固化させる。
(3)ステップ(1)および(2)を繰り返して、所望の部品を製造する。この目的のために、部品が層状に構築される構築プラットフォームを、例えば、新しい層が塗布される前にそれぞれ1層の厚さだけ低くしてもよい(あるいは、コータおよび印刷装置を、例えば、それぞれ1層の厚さだけ高くしてもよい)。
(4)最後に、固化した部分領域によって形成され、ゆるい、未固化の粒子状材料によって支持され囲まれている製造済み部品を取り出すことができる。
【0004】
1つまたは複数の部品が製造される構築空間は、例えば、いわゆる構築ボックス(ジョブボックス、または交換可能なコンテナとも呼ばれる)によって画定されてもよい。このタイプの構築ボックスは、上方向に開口し、垂直方向に延びる周壁構造(例えば、4つの垂直な側壁によって形成される)を有してもよく、例えば、上から見て長方形となるように形成されてもよい。高さ調整可能な構築プラットフォームは、構築ボックスに収容することができる。この点において、構築プラットフォームの上方および垂直周壁構造の間の空間は、例えば、構築空間の形成に少なくとも寄与し得る。構築空間の上部領域は、例えば、構築フィールドと呼ばれる場合がある。
【0005】
構築空間内で1つまたは複数の3次元部品を層状に構築することは、例えば、そのそれぞれの部分領域において、複数の隣接する粒子状材料層を選択的に固化することにより、例えば結合剤噴射により、すなわち(粒子状)構築材料を、例えば結合剤、例えばバインダーなどの(例えば液体の)処理剤で(選択的に)「結合」することにより行われてもよい。
【0006】
コータ(「リコータ」とも呼ばれる)は通常、上記のステップ(1)で使用される。3Dプリンタで使用するための様々なコータが知られており、これによって粒子状構築材料を、構築フィールド(構築面または構築領域とも呼ばれる)に、均一に領域全体/連続層の形態で塗布することができる。
【0007】
コータの1つのタイプは、ローラ(つまり「ローラコータ」)を使用し、まず一定量の粒子状構築材料をローラの前に置き、次にローラを構築フィールドを横切って水平方向に動かし、粒子状構築材料を均一な層の形態で構築フィールドに塗布する。この点において、ローラは、移動方向とは反対に回転し得る。
【0008】
別の種類のコータ(いわゆる「容器コータ」、例えば「スロットコータ」)は、粒子状構築材料を受け入れるための内部空洞を画定する容器を使用し、例えば粒子状構築材料を出力するための(例えば細長い)出力スロットを備える(例えば細長い)出力領域を有する。容器コータは、例えば、構築フィールドを(例えば水平に、例えばその長手方向を横断して)横切って移動可能であってもよく、粒子状構築材料を(細長い)出力領域を通して構築フィールド上に出力し、それによって均一に領域全体/連続な粒子状材料層を構築フィールドおよび構築プラットフォーム上のそれぞれに塗布することができる。コータは、例えば、矩形構築フィールドの長さまたは幅にまたがるか、または覆うために細長くなり得る。
【0009】
上記のステップ(2)において、例えば、印刷ヘッドを有する印刷装置が使用されてもよく、これは、前に塗布された構築材料層の部分領域上に制御された方法で(例えば液体の)処理剤を塗布する(いわゆる結合剤噴射)。処理剤は、部分領域内の構築材料層の(直接的なおよび/またはその後の)固化に寄与する。例えば、処理剤は、結合剤、例えばバインダー、例えば多成分結合剤の結合剤成分であるか、又はこれを含むことができる。
【0010】
印刷される処理剤は粘性があってもよく、例えば、および/または、場合によっては、例えば印刷ヘッドの処理剤出力領域、例えば印刷ヘッドのノズル孔、および/または印刷ヘッドの下面に付着することがある。同様に、回転した粒子状材料や汚れ粒子が、処理剤出力領域、例えば印刷ヘッドの下面に付着することがある。
【0011】
処理剤出力領域への処理剤および/または粒子状材料のこのような堆積物/付着物は、例えば、処理剤の排出、例えば、ノズル孔からの処理剤の液滴の排出に影響を与える可能性がある。例えば、処理剤の液滴のたわみおよび/または変形が生じることがある。さらに、例えば、最上部の粒子状材料層が、堆積物/付着物によって少なくとも部分的に破壊されることがある。したがって、例えば、製造された部品の品質が堆積物/付着物によって悪化する可能性がある。
【0012】
したがって、印刷ヘッドの処理剤出力領域、例えば印刷ヘッドの下面、例えば構築プラットフォームに面した印刷ヘッドの側面、例えば印刷ヘッドの下面に配置されたノズルなどを(定期的に)洗浄することが必要となる可能性がある。
【0013】
独国特許出願公開第102009056695号明細書から、3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置が知られており、この装置は結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成されており、印刷ヘッド洗浄装置は印刷ヘッドの下面を拭き取るための2つのワイパーリップを有する拭き取り部材を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、結合剤噴射による3D印刷によって部品を確実に製造することができる3Dプリンタ用(代替)印刷ヘッド洗浄装置および3Dプリンタを提供することであると考えられる。
【0015】
あるいはまたはさらに、本発明の目的は、印刷ヘッドの処理剤出力領域を簡単および/または効率的に洗浄することができる3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置および3Dプリンタを提供することであると考えられる。
【0016】
あるいはまたはさらに、本発明の目的は、結合剤噴射を用いた3Dプリンタで部品を確実に製造することができ、および/または印刷ヘッドの処理剤出力領域を簡単および/または効率的に洗浄することができる印刷ヘッド洗浄装置の使用と、3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的のために、本発明は請求項1に記載の3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置、請求項14に記載の3Dプリンタ、および請求項19に記載の3Dプリンタを提供する。さらに、本発明は、この目的のために、請求項25に記載の印刷ヘッド洗浄装置の使用、および請求項28および30に記載の3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄方法を提供する。
本発明のさらなる実施形態は、従属請求項に記載されている。
【0018】
本発明の第1の態様によれば、結合剤噴射によって(すなわち、先に塗布された粒子状材料層の部分的な領域に(例えば液体の)処理剤、例えば結合剤、例えばバインダーを制御して塗布することによって)部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタ用の印刷ヘッド洗浄装置は、細長い出力開口部を備え、細長い出力開口部を通して(例えば、液体の洗浄剤によって形成される洗浄剤壁が形成されるように)液体の洗浄剤を(例えば上向きに)出力するように構成された洗浄剤供給装置と、細長い吸引隙間を備え、細長い吸引隙間を通して流体(例えば、液体の洗浄剤と空気からなる)を吸引するように構成された吸引装置を有し、細長い出力開口部の長手方向軸と細長い吸引隙間の長手方向軸とが互いに角度(例えば、0°とは異なる)をなして配置されている。
【0019】
洗浄剤供給装置によって、例えば、洗浄剤を印刷ヘッド、例えば印刷ヘッドの処理剤出力領域に供給することができ、この洗浄剤は、例えば印刷ヘッドに付着した堆積物および/または汚染物、例えば処理剤および/または粒子状材料を湿らせたり、および/または(部分的に)溶解したり、および/または膨らませたり、および/または乳化させたりすることができ、その結果、付着した堆積物や汚染物を容易かつ確実に除去することができる。吸引装置によって、例えば、印刷ヘッドに付着している堆積物または汚染物は、特に堆積物または汚染物が湿っている、および/または(部分的に)溶解している、および/または膨らんでいる、および/または乳化している場合には、容易かつ確実に除去、例えば吸引することができる。さらに、例えば、印刷ヘッドは吸引装置によって迅速かつ確実に乾燥させることができるので、洗浄後すぐに印刷を行うことができる。意外なことに、細長い出力開口部の長手方向軸と、細長い吸引隙間の長手方向軸とを互いに角度をなして配置することが、特に有利であることが分かった。これにより、例えば、コンパクトおよび/またはシンプルな方法で、細長い吸引隙間の長手方向軸を印刷ヘッドが90°以外の角度で横断することが可能となり、その結果、付着した堆積物や汚染物を特に信頼性の高い方法で除去することができる。印刷ヘッド洗浄装置に機械的な拭き取り部材がない(および好ましくは機械的な拭き取り部材を含まない)ので、メンテナンス作業(例えば、拭き取り部材の交換)を軽減することができる。さらに、拭き取り部材の組成によらず、洗浄剤を任意に選択することができる。このように、簡単かつ効率的で信頼性の高い方法で印刷ヘッドを洗浄することができる。また、結合剤噴射を用いた3D印刷により、部品を確実に製造することができる。
【0020】
液体の洗浄剤は、例えば、水性の洗浄剤、例えば、水性の洗浄液であってもよい。例えば、液体の洗浄剤は、洗浄剤の水溶液、例えば、洗浄剤成分の水溶液、例えば、界面活性剤の水溶液、例えば、水性界面活性剤溶液であってもよい。液体の洗浄剤は、例えば、水と洗浄剤、例えば、水と洗浄剤成分、例えば、水と界面活性剤から構成されていてもよい。液体の洗浄剤は、例えば、水と洗浄剤、例えば、洗浄剤成分、例えば、界面活性剤とを含む、水系洗浄剤であってもよい。液体の洗浄剤は、例えば、少なくとも1つのアルコールを含んでいてもよい。液体の洗浄剤は、例えば、そこに処理剤(例えば、結合剤、例えばバインダー)を溶解または乳化させるように構成されていてもよい。処理剤(またはその成分)は、例えば、液体の洗浄剤に可溶であってもよく、すなわち、処理剤(またはその成分)および液体の洗浄剤は、例えば、溶液を形成してもよい。処理剤(またはその成分)は、例えば、液体の洗浄剤に乳化可能であってもよく、すなわち、処理剤(またはその成分)と液体洗浄剤とは、例えば、エマルジョンを形成してもよい。
【0021】
洗浄剤供給装置は、例えば、洗浄剤壁を形成するように、細長い出力開口部を通して液体の洗浄剤を出力するように構成されてもよい。洗浄剤壁は、例えば、液体の洗浄剤によって形成されてもよい。洗浄剤壁は、例えば、3cm以下、例えば、2.5cm以下、例えば、2cm以下、例えば、1.5cm以下、例えば、1cm以下、例えば、0.5cm以下の高さ(例えば、出力開口部から測定)を有していてもよい。
【0022】
洗浄剤供給装置は、例えば、印刷ヘッド洗浄装置の上方に配置または配置可能な印刷ヘッドに向かって、細長い出力開口部を通して上方に、例えば鉛直上方に、液体の洗浄剤を出力するように構成されてもよい。洗浄剤供給装置は、例えば、印刷ヘッドが印刷ヘッド洗浄装置、例えば、洗浄剤供給装置、例えば、細長い出力開口部の上方に配置されているとき、液体の洗浄剤を印刷ヘッドの処理剤出力領域に供給するように構成されてもよい。
【0023】
洗浄剤供給装置は、例えば、細長い出力開口部を通して液体の洗浄剤を出力するように構成された洗浄剤供給ポンプをさらに備えていてもよい。
【0024】
流体は、例えば、液体の洗浄剤と空気とを含んでいてもよい。流体は、例えば、処理剤、例えば、印刷ヘッドから除去された処理剤を含んでいてもよい。流体は、例えば、粒子状材料、例えば、印刷ヘッドから除去された粒子状材料を含んでいてもよい。
【0025】
細長い出力開口部は、例えば、0.5から5cmの範囲、例えば0.5から4cmの範囲、例えば0.5から3cmの範囲、例えば1から2cmの範囲、例えば1.5cmの(例えば一定の)幅を有していてもよい。細長い出力開口部は、例えば、印刷ヘッドの細長い処理剤出力領域の長さと少なくとも同じかそれ以上の長さを有していてもよい。例えば、細長い出力開口部は、印刷ヘッドの(例えば細長い)処理剤出力領域の長さおよび/または幅よりも、少なくとも5mm、例えば少なくとも10mm、例えば少なくとも15mm、例えば少なくとも20mm、例えば少なくとも30mm大きい長さを有していてもよい。
【0026】
角度は、例えば、0°より大きくてもよい。また、角度は、例えば、90°未満であってもよい。角度は、例えば、20から60°の範囲、例えば、25から55°の範囲、例えば、30から50°の範囲、例えば、35から45°の範囲の値であってもよい。
角度は、例えば、40°であってもよい。これにより、例えば、処理剤および/または粒子状材料など、印刷ヘッドに付着した堆積物または汚染物を、特に容易かつ確実に除去することができる。
【0027】
洗浄剤供給装置は、例えば、細長い出力開口部に開口し、その中に複数のノズルが配置され、各ノズルが液体の洗浄剤を出力するように構成された細長い凹部を備えていてもよい。洗浄剤供給ポンプは、例えば、液体の洗浄剤を複数のノズルに供給するように構成されていてもよい。細長い凹部は、例えば、15mm以下、例えば10mm以下、例えば5mm以下の深さ、例えば下方への延長を有していてもよい。例えば、細長い凹部は、細長い出力開口部の幅、例えば上記で指定された幅に対応する幅を有していてもよい。細長い凹部は、例えば、細長い出力開口部の長さ、例えば上記で示した長さに対応する長さを有していてもよい。それぞれのノズルは、例えば、洗浄剤壁が複数/前記複数の洗浄剤噴射によって形成されるように、(例えば、ノズル孔から洗浄剤を出力することによって)洗浄剤噴射を出力するように構成されてもよい。複数のノズルは、例えば、細長い出力開口部の長手方向軸に平行な少なくとも1つの(例えば、直線の、例えば、真っすぐな)列に配置されてもよい。複数のノズルは、例えば、細長い出力開口部の長手方向軸に平行な少なくとも1つの直線状に配置されてもよい。例えば、複数のノズルは、細長い出力開口部の長手方向軸に平行な2つの平行な(例えば、直線の、例えば、真っすぐな)列に配置されてもよい。複数のノズルが2つの平行な列に配置されている場合、一方の(第1)の列の複数のノズルは、例えば、細長い出力開口部の長手方向軸の方向において、他方の(第2)の列の複数のノズルからオフセットされていてもよい。その結果、例えば、洗浄剤を有利に出力することができ、処理剤および/または粒子状材料などの印刷ヘッドに付着した堆積物または汚染物を、例えば、特に信頼性の高い方法で除去することができる。
【0028】
細長い出力開口部は、例えば、溝で囲まれていてもよく、例えば、完全に(その全周に沿って)囲まれていてもよい。溝は、例えば、液体の洗浄剤が印刷ヘッドを通過して流れたおよび/または湿らせた後、その液体の洗浄剤を受けるように構成されてもよい。例えば、印刷ヘッドを通過して流れた後、例えば、溝は、細長い出力開口部を通して出力される洗浄剤を受けるように構成されてもよい。液体の洗浄剤は、例えば、洗浄剤供給装置から細長い出力開口部を通して出力され、印刷ヘッドを通過して流れ、および/または印刷ヘッドの一部の周りを洗浄したり、湿らせたりした後、溝によって受け取られてもよい。溝によって受け取られた液体の洗浄剤は、例えば、溝の底部に設けられた少なくとも1つの開口部を通して、例えば、洗浄剤排出ポンプによって溝から排出されてもよい。
【0029】
吸引装置は、例えば、カバー、例えば、カバープレートおよび/またはカバーストリップで区切って覆われる凹部を備えていてもよく、それによって吸引隙間を形成してもよい。カバー、例えばカバープレートおよび/またはカバーストリップは、例えば、1つまたは複数のねじによって印刷ヘッド洗浄装置に取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0030】
吸引装置は、例えば、吸引隙間と流体連通し、底部に真空にするための1つまたは複数の吸引開口部、例えば3つの吸引開口部が設けられた凹部を備えていてもよい。真空は、例えば、真空ポンプを用いて生じさせてもよい。吸引装置は、例えば、真空ポンプを備えていてもよい。吸引装置(例えば、その真空ポンプ)は、例えば、細長い吸引隙間に(例えば、内に)900mbar以下、例えば800mbar以下、例えば700mbar以下、例えば600mbar以下、例えば500mbar以下、例えば400mbar以下、例えば300mbar以下、例えば200mbar以下、例えば100mbar以下の圧力を形成するように構成されていてもよい。
【0031】
印刷ヘッド洗浄装置は、例えば、細長い出力開口部と細長い吸引隙間との間に延在し、細長い出力開口部から細長い吸引隙間への方向に上方に傾斜し、例えば1から5%の範囲、例えば1.5から4%の範囲、例えば2から3%の範囲の傾きを有する傾斜面をさらに備えていてもよい。傾斜面は、例えば、プレートによって少なくとも共形成、例えば形成されてもよい。傾斜面は、例えば、平坦な面であってもよい。傾斜面の傾斜は、例えば、(実質的に)一定であってもよい。傾斜面は、例えば、溝と細長い吸引隙間の間に延在していてもよい。傾斜面は、例えば、(実質的に)三角形の形状に構成されていてもよい。これにより、例えば、細長い出力開口部と細長い吸引隙間との間で印刷ヘッドから滴下した材料または物質(例えば、洗浄剤)を容易に排出することができる。
【0032】
例えば、吸引隙間の幅(例えばその長手方向軸に垂直な方向に延在)は、5mm以下、例えば4mm以下、例えば3mm以下、例えば2mm以下、例えば1.5mm以下、例えば1mmであってもよい。吸引隙間の幅は、例えば、(実質的に)一定であってもよい。このようにして、例えば、流体の有利な吸引を実現することができる。
【0033】
ノズルは、例えば、液体の洗浄剤を出力するための少なくとも1つのノズル孔をそれぞれ有していてもよく、その直径は、1から5mmの範囲、例えば1.5から3mmの範囲、例えば2mmである。全てのノズル孔は、例えば、同じ直径を有していてもよい。また、ノズル孔は、例えば、(実質的に)円形であってもよい。細長い出力開口部の長手方向軸の方向におけるノズル密度および/またはノズル孔密度は、例えば、10cmあたり5から35個のノズルまたはノズル孔、例えば、10cmあたり10から30個のノズルまたはノズル孔、例えば、10cmあたり15から25個のノズルまたはノズル孔の範囲内であってもよい。合計で、例えば、10から200個のノズルおよび/またはノズル孔を設けることができる。
【0034】
カバー、例えばカバープレートおよび/またはカバーストリップは、例えば断面で、例えばその長手方向の延長に垂直な断面で、例えば吸引隙間の長手方向軸に垂直な断面で見て、湾曲していてもよい。凹部は、例えば断面で、例えばその長手方向の延長に垂直な断面で、例えば、吸引隙間の長手方向軸に垂直な断面で見て、吸引隙間に隣接して配置された湾曲部を備えていてもよい。これにより、例えば、細長い吸引隙間を通過する流体の流れを改善することができ、それにより、例えば、処理剤および/または粒子状材料など、印刷ヘッドに付着した堆積物または汚染物を、特に容易かつ確実に除去することができる。
【0035】
印刷ヘッド洗浄装置は、例えば、0.5から10mmの範囲、例えば1から5mmの範囲、例えば1.5から4mmの範囲、例えば2から3mmの範囲の距離で、印刷ヘッドが出力開口部および/または吸引隙間を横切って移動可能であるように構成(および/または配置)されていてもよい。その結果、例えば、処理剤および/または粒子状材料など、印刷ヘッドに付着した堆積物または汚染物を、特に簡単かつ信頼性の高い方法で除去することができる。
【0036】
印刷ヘッド洗浄装置および/または3Dプリンタ(例えば、第2および/または第3の態様に従って後述する3Dプリンタ)は、例えば、印刷ヘッドの処理剤出力領域が洗浄されるように、3Dプリンタの印刷ヘッドが(例えば、制御された方法で)(例えば、最初に)洗浄剤供給装置(例えば、その細長い出力開口部)を横切り、(例えば、その後に)吸引装置(例えば、その細長い吸引隙間)を横切るように移動させるように構成された制御装置を備えていてもよい。例えば、制御装置は、定期的に(例えば制御された方法で、例えば所定の期間が経過した後、例えば所定の量の処理剤が吐出された後、例えば一定量の層が作られた後)、例えば印刷ヘッドの処理剤出力領域を洗浄するように、印刷ヘッド洗浄装置を横切って3Dプリンタの印刷ヘッドを移動させるように構成されていてもよい。
【0037】
本発明の第2の態様によれば、結合剤噴射によって(すなわち、先に塗布された粒子状材料層の部分的な領域に、例えば結合剤、例えばバインダーなどの(例えば液体の)処理剤を制御して塗布することによって)部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタは、例えば結合剤、例えばバインダーなどの(例えば液体の)処理剤を出力する印刷ヘッドと、例えば第1の態様に従って、例えば上述したように形成することができる、印刷ヘッド洗浄装置とを有する。
【0038】
3Dプリンタは、例えば、印刷ヘッド洗浄装置に隣接して配置され、液体を浸透させることができ、印刷ヘッドの処理剤出力領域に対応するように寸法が定められた吸収部材、例えばスポンジ、をさらに備えていてもよく、印刷ヘッドは、吸収部材の上のパーキング位置に移動可能である。例えば、吸収部材は、3Dプリンタのどの位置に配置してもよい。例えば、印刷ヘッド洗浄装置に隣接して配置されることで、印刷ヘッド洗浄装置とパーキング位置との間で印刷ヘッドが覆うべき距離を短くすることができる。
【0039】
例えば、印刷ヘッドは、3Dプリンタの構築フィールドを横切る第1水平方向に移動可能であってもよい。例えば、印刷ヘッドは、3Dプリンタの構築フィールドを横切る第1水平方向に移動可能で、かつ構築フィールドを蛇行して作業するために第2水平方向にオフセット可能であってもよい。例えば、第1水平方向は、細長い開口部の長手方向軸に垂直であってもよい。第2水平方向は、例えば、細長い出力開口部の長手方向軸に平行であってもよい。
【0040】
印刷ヘッドは、例えば、支持構造体に沿って、構築フィールドを横切る第1水平方向に、かつ、印刷ヘッド洗浄装置を横切る細長い出力開口部の長手方向軸に垂直に移動可能であってもよい。
【0041】
例えば、印刷ヘッドは、0.5から10mm、例えば1から7mm、例えば1.5から5mm、例えば2から3mmの範囲の距離で、出力開口部および/または吸引隙間を横切って移動可能であってもよい。例えば、印刷ヘッド洗浄装置および/または3Dプリンタは、例えば、印刷ヘッドと印刷ヘッド洗浄装置との間の距離を設定するために、印刷ヘッド洗浄装置の高さを調整するための装置を備えていてもよい。印刷ヘッド洗浄装置の高さを調整する装置は、例えば、3つの高さ設定要素によって形成されていてもよい。
【0042】
印刷ヘッドの処理剤出力領域は細長くてもよく、例えば、処理剤出力領域の長手方向軸が第1水平方向に垂直に配置されおよび/または出力開口部の長手方向軸に平行に配置されている。
【0043】
本発明の第3の態様によれば、結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタは、処理剤を出力するための印刷ヘッドと印刷ヘッド洗浄装置を有し、印刷ヘッドは3Dプリンタの構築フィールドを横切る第1水平方向に移動可能であり、任意に、構築フィールドを蛇行して作業するために第2水平方向にオフセットすることができ、印刷ヘッド洗浄装置は印刷ヘッドの処理剤出力領域に液体の洗浄剤を供給するように構成された洗浄剤供給装置(これは、例えば、第1の態様について上述したように構成することができる)と、細長い吸引隙間を有し、細長い吸引隙間を通して流体を吸引するように構成された吸引装置(これは、例えば、第1の態様について上述したように構成することができる)とを有し、印刷ヘッドの第1水平方向および/または移動方向は、細長い吸引隙間の長手方向軸に対して90°未満の/90°を含まない(そして、例えば、0°より大きい)角度で配置されている。
【0044】
液体の洗浄剤を印刷ヘッドの処理剤出力領域に供給することにより、例えば、処理剤出力領域に付着している堆積物または汚染物、例えば、処理剤および/または粒子状材料を湿らせ、および/または(部分的に)溶解させ、および/または膨張させ、および/または乳化させたりすることができ、それにより、付着している堆積物または汚染物を容易かつ確実に除去することができる。吸引装置によって、特に堆積物または汚染物を先に湿らせ、および/または(部分的に)溶解させ、および/または膨張させ、および/または乳化させた場合、例えば、印刷ヘッドに付着している堆積物または汚染物を容易かつ確実に除去、例えば、吸引することができる。意外なことに、印刷ヘッドの第1水平方向および/または移動方向が、細長い吸引隙間の長手方向軸に対して90°以外の角度で配置されている場合、印刷ヘッドに付着した堆積物または汚染物を特に確実に除去できることが分かった。このようにして、印刷ヘッドを簡単かつ効率的で信頼性の高い方法で洗浄することができる。さらに、結合剤噴射による3D印刷で部品を確実に製造することができる。
【0045】
例えば、(例えば第1の態様に従って構成された)洗浄剤供給装置の細長い出力開口部の長手方向軸と、(例えば第1の態様に従って構成された)吸引装置の細長い吸引隙間の長手方向軸とは、互いに(実質的に)平行に配置されてもよい。しかしながら、2つの長手方向軸によって角度が形成されている第1および/または第2の態様による実施形態は、例えば、洗浄剤供給装置の細長い出力開口部の長さ、ひいてはノズルの数を減らすことができ、それによって例えばノズルを節約することができるという点で、第3の態様の平行な構成よりも有利である場合がある。
【0046】
本発明の第4の態様によれば、上述した印刷ヘッド洗浄装置、例えば第1の態様に係る印刷ヘッド洗浄装置は、3Dプリンタの印刷ヘッドの洗浄に用いられてもよい。例えば、印刷ヘッドは、(例えば液体の)処理剤(例えば結合剤、例えばバインダー)を出力するための印刷ヘッドであってもよい。例えば、印刷ヘッドは、結合剤噴射印刷ヘッドであってもよい。3Dプリンタは、例えば、結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成されていてもよい。
【0047】
上述した印刷ヘッド洗浄装置、例えば第1の態様による印刷ヘッド洗浄装置は、例えば、印刷ヘッドの処理剤出力領域の洗浄、および/または印刷ヘッド下面の洗浄、および/または印刷ヘッド下面に配置された複数のノズルの洗浄に使用することができる。
【0048】
上述した印刷ヘッド洗浄装置、例えば第1の態様による印刷ヘッド洗浄装置は、例えば印刷ヘッドに付着した、例えば印刷ヘッドの処理剤出力領域に付着した、例えば印刷ヘッドの下面に付着した堆積物および/または汚染物を除去するために使用することができる。堆積物および/または汚染物は、例えば、処理剤(例えば結合剤、例えばバインダー)および/または粒子状材料(例えば構築材料)を含んでいてもよい。
【0049】
本発明の第5の態様によれば、3Dプリンタ(例えば、結合剤噴射によって層状に部品を構築するように構成された3Dプリンタ)の印刷ヘッド(例えば、処理剤を出力するための印刷ヘッド、例えば、結合剤噴射印刷ヘッド)の洗浄方法は、上述の印刷ヘッド洗浄装置、例えば、第1の態様による印刷ヘッド洗浄装置を準備するステップと、印刷ヘッド洗浄装置を横切って印刷ヘッドを移動させるステップとを含んでいてもよい。
【0050】
例えば、印刷ヘッドの移動方向が、細長い出力開口部の長手方向軸に対して90°(または直角)の角度で配置されるように、印刷ヘッドが印刷ヘッド洗浄装置を横切って移動してもよい。
【0051】
例えば、印刷ヘッドの移動方向が細長い吸引隙間の長手方向軸に対して90°未満の角度で配置されるよう、印刷ヘッドは印刷ヘッド洗浄装置を横切って移動してもよい。例えば、印刷ヘッドの移動方向と細長い吸引隙間の長手方向軸とは、互いに30°から70°、例えば35°から65°、例えば40°から60°、例えば45°から55°、例えば50°の角度で配置されてもよい。
【0052】
本発明の第6の態様によれば、印刷ヘッドが3Dプリンタの構築フィールドを横切って第1水平方向に移動可能である(そして、任意に、構築フィールドを蛇行しておよび/またはストライプ状に通過して作業するために、第2水平方向にオフセットすることができる)、3Dプリンタ(例えば、結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタ)の印刷ヘッド(例えば、処理剤を出力するための印刷ヘッド、例えば、結合剤噴射印刷ヘッド)の洗浄方法は、(i)液体の洗浄剤を印刷ヘッドに(例えば、印刷ヘッドの処理剤出力領域に)供給するように構成された洗浄剤供給装置と、(ii)細長い吸引隙間を有し、細長い吸引隙間を通して流体を吸引するように構成された吸引装置とを備える印刷ヘッド洗浄装置を準備するステップと、第1水平方向および/または印刷ヘッド洗浄装置を横切って印刷ヘッドが移動する方向、特にその吸引隙間が、細長い吸引隙間の長手方向軸に対して90°未満の角度で配置されるように、印刷ヘッドが印刷ヘッド洗浄装置を横切って移動するステップとを含んでいてもよい。
【0053】
上述した方法、例えば第5および/または第6の態様による方法で、印刷ヘッドは、例えば(最初に)洗浄剤供給装置を横切って移動し、その後、吸引装置を横切って移動してもよい。さらに、印刷ヘッドは、例えば、洗浄剤供給装置を横切って移動する前に、吸引装置を横切って移動してもよい。さらに、印刷ヘッドは、例えば、印刷ヘッド洗浄装置を複数回横切って移動してもよいし、および/または洗浄剤供給装置を複数回横切って移動してもよいし、および/または吸引装置を複数回横切って移動してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
本発明の一例であるがこれに限定されない実施形態を図面に示し、以下に更に詳細に説明する。
【0055】
図1】第1の実施形態による3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置の斜視図を示す。
【0056】
図2図1に示す3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置の側面図を示す。
【0057】
図3図1に示す3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置の上面図を示す。
【0058】
図4】カバーが省略された、図1に示す3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置の斜視図を示す。
【0059】
図5】カバーが省略された、図1に示す3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置の上面図を示す。
【0060】
図6】第1の実施形態による3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置と、印刷ヘッド洗浄装置に隣接して配置された吸収部材とを組み合わせた斜視図を示す。
【0061】
図7図6に示す3Dプリンタの印刷ヘッド洗浄装置と、印刷ヘッド洗浄装置に隣接して配置された吸収部材とを組み合わせた側面図を示す。
【0062】
図8】第3の実施形態による3Dプリンタで使用される3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置の上面図で、印刷ヘッド洗浄装置のカバーが省略されている。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下の説明では、本明細書に組み込まれ、本発明を実施することができる特定の実施形態が例示として示されている添付の図を参照する。
【0064】
本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用することができ、構造的または論理的な変更を行うことができることを理解されたい。また、本明細書に記載された実施形態の特徴は、別段の定めがない限り、組み合わせられてもよいことを理解されたい。したがって、以下の説明は、制限的な意味で理解されるべきではなく、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとする。
【0065】
この説明では、「接続」、「取付」、および「結合」などの用語を使用して、直接および間接的接続の両方、直接または間接的取付、ならびに直接または間接的結合が説明され得る。
【0066】
図において、同一または類似の部材には、必要に応じて同一の参照番号が付されている。
【0067】
図1から図7に示すように、結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタ用印刷ヘッド洗浄装置10は、第1の実施形態によれば、細長い出力開口部32を有し、細長い出力開口部32を通して液体の洗浄剤を出力するように構成された洗浄剤供給装置30と、細長い吸引隙間52を有し、細長い吸引隙間52を通して流体を吸引するように構成された吸引装置50とを有し、細長い出力開口部32の長手方向軸L1と細長い吸引隙間52の長手方向軸L2とが互いに角度αをなして配置されている(例えば、図3参照)。
【0068】
角度αは、例えば、90°未満であってもよい。例えば、角度αは、20から60°の範囲の値を有していてもよい。例えば、角度αは、40°であってもよい。
【0069】
洗浄剤供給装置30は、例えば、細長い出力開口部32に開口し、その中に複数のノズル36が配置され、その各々が液体の洗浄剤を出力するように構成された、細長い凹部34を有していてもよい。
【0070】
複数のノズル36は、例えば、細長い出力開口部32の長手方向軸L1に平行な少なくとも1つの列に配置されてもよい。例えば、複数のノズル36は、細長い出力開口部32の長手方向軸L1に平行なちょうど1つの直線のおよび/または真っすぐな列に配置されてもよい。
【0071】
細長い出力開口部32は、例えば、溝70で囲まれていてもよく、例えば、完全に囲まれていてもよい。液体の洗浄剤は、例えば、洗浄剤供給装置30から細長い出力開口部32を通して出力され、印刷ヘッドを通過して流れ、および/または印刷ヘッドの一部の周りを洗浄したり、および/または印刷ヘッドの一部を湿らせてもよく、溝70によって受け取られ、溝の底部に設けられた少なくとも1つの開口部76を通して排出されてもよい。
【0072】
例えば、吸引装置50は、例えばカバープレートおよび/またはカバーストリップのカバー56で区切って覆われる凹部54を備えていてもよく、それによって吸引隙間52を形成してもよい。カバー56は、例えば、1つまたは複数のねじ78、例えば、4つのねじ78によって、印刷ヘッド洗浄装置10に取外し可能に取り付けられてもよい。吸引装置50は、例えば、吸引隙間52と流体連通し、その底部に真空にするための1つまたは複数の吸引開口部58、例えば3つの吸引開口部58が設けられた凹部54を備えていてもよい。
【0073】
洗浄剤供給装置30は、例えば、細長い出力開口部32を通して液体の洗浄剤を出力するための、または、例えば、それぞれのノズル36の少なくとも1つのノズル孔38を通して、複数のノズル36で液体の洗浄剤を出力するための、洗浄剤供給ポンプを備えていてもよい。吸引装置50は、例えば、吸引隙間52および/または凹部54および/または1つまたは複数の吸引開口部58に真空にするための真空ポンプを備えていてもよい。
印刷ヘッド洗浄装置は、例えば、溝70から、または溝の底部に設けられた少なくとも1つの開口部76を通して洗浄剤を排出するための洗浄剤排出ポンプを備えていてもよい。
【0074】
印刷ヘッド洗浄装置10は、例えば、細長い出力開口部32と細長い吸引隙間52との間に延在し、細長い出力開口部32から細長い吸引隙間52への方向に、例えば2から5%の範囲の傾きで、上方に傾斜した傾斜面72を備えていてもよい。傾斜面72は、例えば、少なくとも実質的に三角形の形状に構成されていてもよい。
【0075】
吸引隙間52は、例えば、5mm以下の幅、例えば、0.5から2mmの範囲の幅を有していてもよい。例えば、吸引隙間は、少なくとも実質的に一定の幅を有していてもよい。
【0076】
ノズル36は、例えば、液体の洗浄剤を出力するための少なくとも1つのノズル孔38をそれぞれ有していてもよく、その直径は1から5mmの範囲である。例えば、ノズル孔38は、2mmの直径を有していてもよい。全てのノズル孔38は、例えば、同じ直径を有していてもよい。細長い出力開口部32の長手方向軸L1の方向に、例えば10cmの長さにわたって、平均5から35個のノズルまたはノズル孔、例えば15から25個のノズルまたはノズル孔が配置されてもよい。
【0077】
カバー56、例えばカバープレートおよび/またはカバーストリップは、断面で、例えばその長手方向の延長に垂直な断面で見て、湾曲していてもよい。
【0078】
第2の実施形態によれば、結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタは、処理剤を出力するための印刷ヘッドと、例えば、第1の実施形態について上述したように構成されてもよい、例えば、第1の実施形態に従って構成されてもよい、印刷ヘッド洗浄装置10とを有している。
【0079】
3Dプリンタは、例えば、印刷ヘッド洗浄装置10に隣接して配置され、流体を浸透させることができ、印刷ヘッドの処理剤出力領域に対応するように寸法が決められた吸収部材74、例えばスポンジ、を備えていてもよい。印刷ヘッドは、例えば、吸収部材74の上のパーキング位置に移動可能であってもよい。
【0080】
印刷ヘッドは、例えば、3Dプリンタの構築フィールドを横切る第1水平方向H1に移動可能であり、任意に、構築フィールドを蛇行して作業するために第2水平方向H2にオフセット可能で、第1水平方向H1は、細長い出力開口部32の長手方向軸L1に垂直であり、および/または第2水平方向H2は細長い出力開口部32の長手方向軸L1に平行であってもよい。
【0081】
例えば、印刷ヘッドは、支持構造体に沿って、構築フィールドを横切る第1水平方向H1に、洗浄装置を横切る細長い出力開口部32の長手方向軸L1に垂直に移動可能であってもよい。
【0082】
例えば、印刷ヘッドの処理剤出力領域は細長く構成されていてもよく、処理剤出力領域の長手方向軸は、第1水平方向H1に垂直に配置されおよび/または細長い出力開口部32の長手方向軸L1に平行に配置されている。
【0083】
第3の実施形態によれば、結合剤噴射によって部品を層状に構築するように構成された3Dプリンタは、処理剤を出力するための印刷ヘッドと印刷ヘッド洗浄装置を有し、印刷ヘッドは、3Dプリンタの構築フィールドを横切る第1水平方向H1に移動可能であり、任意に、構築フィールドを蛇行して作業するために第2水平方向H2にオフセットすることができ、印刷ヘッド洗浄装置は印刷ヘッドの処理剤出力領域に液体の洗浄剤を供給するように構成された洗浄剤供給装置30と、細長い吸引隙間52を有し、細長い吸引隙間52を通して流体を吸引するように構成された吸引装置50とを備え、第1水平方向H1または印刷ヘッド洗浄装置を横切って印刷ヘッドが移動する方向が、細長い吸引隙間52の長手方向軸L2に対して90°未満の/90°を含まない角度で配置されている。
【0084】
図8に示すように、第3の実施形態による3Dプリンタで使用される印刷ヘッド洗浄装置10の洗浄剤供給装置30および/または吸引装置50は、例えば、基本的には第1および/または第2の実施形態について上述したように構成されていてもよく、例えば、細長い出力開口部32の長手方向軸L1と、細長い吸引隙間52の長手方向軸L2とは互いに実質的に平行に配置されていてもよい。
【0085】
このように、第3の実施形態による3Dプリンタで使用される印刷ヘッド洗浄装置10は、例えば、細長い出力開口部32を備え、細長い出力開口部32を通して液体の洗浄剤を出力するように構成された洗浄剤供給装置30と、細長い吸引隙間52を有し、細長い吸引隙間52を通して流体を吸引するように構成された吸引装置50とを備え、細長い出力開口部の長手方向軸と細長い吸引隙間の長手方向軸とが互いに平行に配置されてもよい。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】