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特表2022-534810皮膚弾性を測定し、皮下凝固を行って組織硬さを増加させるための装置、システム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(54)【発明の名称】皮膚弾性を測定し、皮下凝固を行って組織硬さを増加させるための装置、システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/04 20060101AFI20220727BHJP
   G01L 5/22 20060101ALI20220727BHJP
【FI】
A61B18/04
G01L5/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021572668
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(85)【翻訳文提出日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 US2020036593
(87)【国際公開番号】W WO2020251886
(87)【国際公開日】2020-12-17
(31)【優先権主張番号】62/859,151
(32)【優先日】2019-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519175592
【氏名又は名称】アピックス メディカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100137143
【弁理士】
【氏名又は名称】玉串 幸久
(72)【発明者】
【氏名】ショーン ディー. ローマン
(72)【発明者】
【氏名】アミン エラクチャビ
(72)【発明者】
【氏名】フレドリック ヨンソン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ゴリチェク
【テーマコード(参考)】
2F051
4C160
【Fターム(参考)】
2F051AA17
2F051AB09
2F051BA07
4C160KK04
(57)【要約】
【課題】本開示は、軟組織の凝固によって皮下組織を引き締め、かつ美容外科用途で使用するための装置、システム及び方法に関する。
【解決手段】本開示の装置、システム及び方法は、弛緩した組織を引き締める目的で、皮下組織に対してプラズマエネルギーを低侵襲で照射するために使用されてもよい。本開示は、組織の弾性を測定するために使用される、いくつかの皮膚弾性測定装置をさらに備える。これらの皮膚弾性測定装置によって得られた測定値を使用して、皮膚引締め施術中に所望の硬さ又は弾性が得られた時点が決定される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮下組織平面に対して弾性変化施術を実行することと、
前記変化した組織の弾性を測定することと、
前記弾性の測定値が閾値内にあるかどうかを判定することと、
前記弾性の測定値が前記閾値内に収まるまで、前記皮下組織平面に対して弾性変化施術を繰り返し実行することと、を含む方法。
【請求項2】
前記弾性変化施術を行う前に前記組織の一部が有する弾性を測定することにより、前記閾値を求めることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記弾性変化施術が、脂肪吸引施術である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記弾性変化施術が、前記組織平面を加熱するために前記組織平面にエネルギーを照射することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記組織平面を加熱するためにエネルギーを照射することが、前記組織平面にプラズマビームを照射することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組織平面が、約0.04秒~約0.08秒間で少なくとも85℃の温度に加熱される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記プラズマビームの出力が、約24ワット~約32ワットである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記組織平面の一部が有する弾性を測定することが、前記組織の複数回の変位における応力を測定して、複数のデータ点を取得することと、
前記複数のデータ点の勾配を求めることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記弾性の測定値が閾値内にあるかどうかを判定することが、前記求められた勾配を前記閾値と比較することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
初めの弾性変化施術が脂肪吸引施術であり、後続の弾性変化施術が、前記組織平面にプラズマビームを照射することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
組織平面にプラズマビームを照射するためのアプリケータであって、前記組織平面が皮膚表面の一部の下にあり弾性変化施術を受ける、アプリケータと、
組織の一部が有する弾性を測定するための弾性測定装置と、
前記アプリケータに電気外科エネルギーを供給し、前記弾性の測定値が閾値内にあるかどうかを判定し、かつ前記弾性の測定値が前記閾値内に収まるまで、前記組織平面に対して前記プラズマビームを繰り返し照射するための電気外科用生成器ユニットと、を備える、システム。
【請求項12】
前記閾値が、前記弾性変化施術を実行する前に、前記組織の前記一部の弾性を測定することによって得られる弾性測定値である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記弾性変化施術が、脂肪吸引施術である、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記組織平面が、約0.04秒~約0.08秒間で少なくとも85℃の温度に加熱される、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記プラズマビームの出力が、約24ワット~約32ワットである、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記弾性測定装置が、前記組織の複数回の変位における応力を測定して、複数のデータ点を取得し、かつ前記複数のデータ点の勾配を求めることによって弾性を測定する、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記電気外科用生成器ユニットが、前記求められた勾配を前記閾値と比較することによって、前記弾性の測定値が前記閾値内にあるかどうかを判定する、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記弾性測定装置が、引張試験装置である。請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記弾性測定装置が、真空補助装置である、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
前記弾性測定装置が、横方向せん断測定装置である、請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
前記弾性測定装置が、横方向荷重測定装置である、請求項11に記載のシステム。
【請求項22】
前記弾性測定装置が、前記組織平面に経皮的に導入されたガスによって生じる背圧を測定する、請求項11に記載のシステム。
【請求項23】
前記弾性測定装置が、前記組織平面内に導入されたコントラスト流体の密度変化量を測定する、請求項11に記載のシステム。
【請求項24】
前記弾性測定装置が圧着鉗子である、請求項11に記載のシステム。
【請求項25】
前記弾性測定装置が、前記組織平面内に音波を導入し、前記組織平面内に伝播する戻り音波を測定する超音波装置である、請求項11に記載のシステム。
【請求項26】
前記弾性測定装置が少なくとも1つの膨張可能要素を含み、前記少なくとも1つの膨張可能要素が圧力センサを含む、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年6月9日に出願された、「皮膚弾性を測定し、皮下凝固を行って組織硬さを増加させるための装置、システム及び方法」と題する米国仮特許出願第62/859,151号の優先権を主張するものであり、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
分野
【0002】
本開示は、概して、電気外科並びに電気外科システム及び装置に関し、より詳細には、皮膚弾性を測定し、軟組織の凝固によって組織の引締めを実行するための装置、システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連する技術の説明
【0004】
高周波電気エネルギーは手術で広く使用されており、一般に電気外科エネルギーと呼ばれている。電気外科エネルギーを使用して組織を切断し、次いで体液を凝固させている。
【0005】
ガスプラズマは、電気エネルギーを伝導することができるイオン化ガスである。プラズマは、電気外科エネルギーを患者に伝導するために外科手術用装置で使用されている。このプラズマは、電気抵抗が比較的小さい経路を形成することによってエネルギーを伝導する。電気外科エネルギーがこのプラズマを通過することにより、患者の血液又は組織を切断するか、凝固させるか、乾燥させるか、又は破壊する。電極と施術対象の組織との間に、物理的接触は必要とならない。
【0006】
調整ガス源を組み込まない電気外科システムでは、活性電極と患者との間の周囲空気をイオン化することができる。これによって生成されるプラズマは、電気外科エネルギーを患者に伝導するが、プラズマアークは通常、イオン化ガス流が調整されたシステムと比較して、空間的により分散して出現することになる。
【0007】
大気圧放電低温プラズマアプリケータは、表面滅菌、止血、及び腫瘍の切除を含む様々な用途に使用されている。多くの場合、対象組織を切除するために単純な外科用ナイフが使用され、続いて焼灼、滅菌、及び止血を行うために、低温プラズマアプリケータが使用される。低温プラズマビームアプリケータは、開腹手術及び内視鏡手術の両方に向けて開発されている。後者の事例であれば、この低温プラズマビームチップの位置を特定の手術部位に向け直すことができると望ましい場合が多い。内視鏡器具の外部切開部や経路は、主要血管及び非標的臓器を回避するように選択されてもよく、また、標的内部組織部位に対する最適な位置合わせと一致していなくてもよい。これらの状況では、低温プラズマビームの向きを変更する手段が不可欠である。
【0008】
電気外科手術で使用されている高周波(RF)交流電流による細胞及び組織への熱の影響が十分に実証されている。正常な体温は37°Cであり、また、通常の疾患では、身体の細胞に永続的な影響又は損傷を与えることなく40°Cまで上昇する可能性がある。ただし、組織内の細胞の温度が50°Cに達すると、およそ6分間で細胞死が発生する。組織内の細胞の温度が60°Cに達すると、瞬時に細胞死が発生する。60°Cと100°Cをわずかに下回る温度との間で、2つの同時プロセスが発生する。第1のプロセスは、タンパク質変性によって凝固がもたらされることであり、これについては以下でより詳述する。第2のプロセスは、細胞壁が熱的に損傷することによって細胞が水分を喪失するときに、乾燥又は脱水状態になることである。温度が100°Cを超えて上昇すると、細胞内の水分が蒸気に変わり、膨大な細胞内増殖が発生した結果として、組織細胞が蒸発し始める。最終的に、200°C以上の温度になると、炭化と呼ばれるプロセスに有機分子が分解される。これにより、当該組織に黒色かつ/又は褐色の外観をもたらす炭素分子が残留する。
【0009】
細胞及び組織に対してRFエネルギーが与えるこれらの熱的影響を理解することにより、有用な治療結果を得るために予測可能な変化が用いられ得る。軟組織の凝固をもたらすタンパク質変性は、最も汎用的であり、広く利用されている組織効果のうちの1つである。タンパク質変性は、コラーゲンなどのタンパク質分子間の水熱結合(即ち、架橋)が瞬間的に破壊され、次いで組織が冷えるにつれて、この結合が急速に再形成されるプロセスである。このプロセスは、凝固として知られるその後のプロセスを通して、通常は凝塊と呼ばれる均一なタンパク質の塊の形成をもたらす。この凝固のプロセスにおいて、細胞タンパク質は変化するが破壊されることはなく、タンパク質結合を形成して、均一なゼラチン状構造を作り出す。結果として生じる凝固による組織効果は極めて有用であり、この凝固は、血管を閉塞させて止血を行うために使用されることが最も多い。
【0010】
凝固により、止血が行われることに加えて、軟組織の収縮がもたらされる。コラーゲンは、ヒトの皮膚及び結合組織内にある主要なタンパク質のうちの1つである。コラーゲンの凝固温度又は変性温度は、通常は66.8°Cであると言われているが、これは個々の組織型によって異なり得る。ひとたび変性すると、コラーゲンは、線維がその全長の3分の1まで縮小するにつれて急速に収縮する。ただし、この収縮量は、温度や施術時間に依存する。温度が高いほど、最大収縮を起こすのに必要な施術時間は短くなる。例えば、65℃の温度でコラーゲンを加熱する場合、有意な収縮を起こすためには120秒間を超えて加熱する必要がある。
【0011】
このように軟組織が凝固することによるコラーゲンの熱誘起収縮は、眼科用途、整形外科用途、及び静脈瘤の治療に使用されている。コラーゲン収縮を起こす温度に関して報告されている範囲は、60℃~80℃で変動している。したがって、組織がひとたびこの範囲内に加熱されると、タンパク質変性とコラーゲン収縮とが起こり、その結果として、加熱された組織の体積及び表面積が減少する。非侵襲性高周波装置、レーザ、及びプラズマ装置は、熱により誘起されるコラーゲン又は組織収縮によって生じる顔面のしわや皺皮を低減するために使用されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
組織加熱装置は軟組織の収縮を得るのに有効であり得るが、その有効性の証拠となるのは、主として、収縮前後の画像の写真分析によって測定される、体積又は表面積の変化量に限定されてきた。軟組織の凝固及び収縮に起因する組織の生体力学的特性の変化量を測定することは、より困難であることが判明している。したがって、組織の生体力学的特性の正確な測定値を生成することができる装置、システム、及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示は、美容外科用途で使用するための軟組織の凝固によって、対象の皮膚表面及び皮下組織平面の両方の組織を引き締めるための装置、システム及び方法に関する。本開示の装置、システム及び方法は、弛緩した皮膚表面組織を引き締める目的で、皮下組織に対してプラズマエネルギーを低侵襲で照射するために使用されてもよい。本開示は、皮膚表面の弾性を測定するために使用される、いくつかの皮膚弾性測定装置を提供する。これらの皮膚弾性測定装置によって得られた測定値を使用して、皮膚引締め施術中に所望の皮膚硬さが得られた時点が決定される。
【0014】
本開示の一態様では、皮下組織平面に対して弾性変化施術を実行することと、変化した組織の弾性を測定することと、当該弾性測定値が閾値内にあるかどうかを判定することと、当該弾性測定値がその閾値内に収まるまで、皮下組織平面に対して弾性変化施術を繰り返し実行することと、を含む方法が提供される。
【0015】
別態様では、本方法は、弾性変化施術を行う前に組織の一部が有する弾性を測定することにより、閾値を決定することをさらに含む。
【0016】
一態様では、この弾性変化施術は、脂肪吸引施術である。
【0017】
さらなる一態様では、この弾性変化施術は、組織平面を加熱するためにエネルギーを照射することを含む。
【0018】
別態様では、この組織平面を加熱するためにエネルギーを照射するステップは、組織平面にプラズマビームを照射することを含む。
【0019】
さらに別の態様では、この組織平面は、約0.04秒~約0.08秒間で少なくとも85℃の温度に加熱される。
【0020】
一態様では、このプラズマビームの出力は、約24ワット~約32ワットである。
【0021】
さらなる一態様では、この組織平面の一部が有する弾性を測定することは、当該組織の複数回の変位における応力を測定して、複数のデータ点を取得することと、これらのデータ点の勾配を求めることと、を含む。
【0022】
別態様では、弾性測定値が閾値内にあるかどうかを判定することは、求められた勾配を閾値と比較することを含む。
【0023】
さらなる一態様では、初めの弾性変化施術は脂肪吸引施術であり、後続の弾性変化施術は、組織平面にプラズマビームを照射することを含む。
【0024】
本開示の一態様では、組織平面にプラズマビームを照射するためのアプリケータであって、この組織平面は皮膚表面の一部の下にあり弾性変化施術を受ける、アプリケータと、この組織の一部が有する弾性を測定するための弾性測定装置と、このアプリケータに電気外科エネルギーを供給し、当該弾性測定値が閾値内にあるかどうかを判定し、かつ当該弾性測定値がその閾値内に収まるまで、組織平面に対してプラズマビームを繰り返し照射するための電気外科用生成器ユニットと、を備えるシステムが提供される。
【0025】
別態様では、閾値は、弾性変化施術を実行する前に、組織の一部の弾性を測定することによって得られる弾性測定値である。
【0026】
さらなる一態様では、弾性測定装置は、当該組織の複数回の変位における応力を測定して、複数のデータ点を取得し、かつこれらのデータ点の勾配を求めることによって弾性を測定する。
【0027】
一態様では、電気外科用生成器ユニットは、求められた勾配を閾値と比較することによって、その弾性測定値が当該閾値内にあるかどうかを判定する。
【0028】
さらに別の態様では、弾性測定装置は、引張試験装置、真空補助装置、横方向せん断測定装置及び/又は横方向荷重測定装置のうちの少なくとも1つである。
【0029】
一態様では、弾性測定装置は、組織平面に経皮的に導入されたガスによって生じる背圧を測定する。
【0030】
さらなる一態様では、弾性測定装置は、組織平面内に導入されるコントラスト流体の密度変化量を測定する。
【0031】
一態様では、弾性測定装置は圧着鉗子である。
【0032】
別態様では、弾性測定装置は、組織平面内に音波を導入し、この組織平面内に伝播する戻り音波を測定する超音波装置である。
【0033】
さらに別の態様では、弾性測定装置は少なくとも1つの膨張可能要素を含み、この少なくとも1つの膨張可能要素は圧力センサを含む。
【0034】
本開示の別態様では、弾性測定装置は、第1の端部及び第2の端部を有するシャフトと、第1の端部に配置されたゲージ用カプラと、第2の端部に配置され、この第2の端部から延在する把持部材であって、この把持部材は、シャフト内でゲージ用カプラに連結されている、把持部材と、シャフトの第2の端部に連結された基部であって、この基部は、シャフトの第2の端部から所定の間隔を置いて配置されたリングを含み、このリングは、組織の一部の上に配置されて把持部材を組織に連結可能にし、組織は、このリングによって形成された開口部に引き込まれる、基部と、シャフトの第1の端部に連結され、フォースゲージを受けるように構成されたハンドルであって、このフォースゲージは、第1の端部とは反対方向に把持部材に対して力が印加されると、この力がゲージ用カプラに伝達されてフォースゲージによって測定されるようにゲージ用カプラに連結されており、このフォースゲージは、把持部材の種々の変位における力を測定する、ハンドルと、を備える。
【0035】
別態様では、本装置は、シャフトに連結されて、基部に対してシャフトの第2の端部を前進及び後退させるモータをさらに備える。
【0036】
一態様では、本装置は、シャフトに連結されて、基部に対してシャフトの第2の端部を前進及び後退させる電磁機構をさらに備える。
【0037】
別態様では、把持部材は、皮膚表面を直接把持するように構成されている。
【0038】
さらなる一態様では、把持部材は、組織表面に装着された連結部に取り付けられるように構成されている。
【0039】
さらに別の態様では、この連結部は、組織を通して配置された縫合糸ループ及び/又は接着性裏地を有するパッドのうちの少なくとも一方である。
【0040】
別態様では、シャフトは、第1の管状部材及び第2の管状部材で構成され、第1の管状部材の第1の端部はハンドルに連結され、第1の管状部材の第2の端部は、第2の管状部材の第1の端部に貫通配置され、第1及び第2の管状部材は互いに対してスライド可能であり、第2の管状部材の第2の端部は基部に連結され、第1又は第2の管状部材は、第2の管状部材に対する第1の管状部材の位置及び変位を示す複数のマーキングを含む。
【0041】
本開示のさらなる一態様では、電極にエネルギーを供給するための電気外科エネルギーを受けるハウジングであって、この電極はシャフト内に配置されている、ハウジングと、このシャフトは近位端部及び遠位端部を含み、このシャフトの近位端部はハウジングに枢着され、シャフトの遠位端部を介して対象組織平面にプラズマが照射される、シャフトと、ハウジングに対する枢動時に、シャフトに加えられる歪みを感知するように構成された歪みセンサと、を備える装置が提供される。
【0042】
一態様では、本装置は、シャフトの遠位端部に配置され、組織と接触したときにシャフトの遠位端部に印加される力を測定するように構成されたロードセルをさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本開示の上記及び他の態様、特徴、並びに利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮することによって、より明らかになるであろう。
【0044】
図1A】本開示の一実施形態による、例示的な電気外科システムの図である。
【0045】
図1B】本開示の一実施形態による、例示的な電気外科用生成器ユニットの図である。
【0046】
図1C】本開示の一実施形態による、組織を引き締めるための例示的な方法を示すフローチャートである。
【0047】
図1D】本開示の一実施形態による、ヒトの皮膚の応力-歪み曲線を含むグラフである。
【0048】
図1E】本開示の一実施形態による、組織を引き締めて皮膚弾性を測定するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【0049】
図1F】本開示の一実施形態による、組織引締め施術の1段階当たりの平均組織硬さを示すグラフである。
【0050】
図2A】本開示の一実施形態による、皮膚を垂直方向に引っ張るためのモータを備える、皮膚弾性測定装置の種々の図である。
図2B】本開示の一実施形態による、皮膚を垂直方向に引っ張るためのモータを備える、皮膚弾性測定装置の種々の図である。
図2C】本開示の一実施形態による、皮膚を垂直方向に引っ張るためのモータを備える、皮膚弾性測定装置の種々の図である。
図2D】本開示の一実施形態による、皮膚を垂直方向に引っ張るためのモータを備える、皮膚弾性測定装置の種々の図である。
【0051】
図3】本開示の一実施形態による、皮膚を垂直方向に手動で引っ張るための皮膚弾性測定装置の斜視図である。
【0052】
図4】本開示の一実施形態による、真空補助皮膚弾性測定装置の斜視図である。
【0053】
図5】本開示の一実施形態による、少なくとも1つの接着剤を含む、皮膚弾性測定装置の斜視図である。
【0054】
図6A】本開示の一実施形態による、少なくとも1つの接着剤を含む、別の皮膚弾性測定装置の種々の図である。
図6B】本開示の一実施形態による、少なくとも1つの接着剤を含む、別の皮膚弾性測定装置の種々の図である。
図6C】本開示の一実施形態による、少なくとも1つの接着剤を含む、別の皮膚弾性測定装置の種々の図である。
図6D】本開示の一実施形態による、少なくとも1つの接着剤を含む、別の皮膚弾性測定装置の種々の図である。
【0055】
図7A】本開示の一実施形態による、対象組織平面内に経皮的に導入された不活性ガスのパルスを使用して皮膚弾性を測定するためのシステムを示す図である。
【0056】
図7B】本開示の一実施形態による、図7Aのシステムで使用するためのリングを示す図である。
【0057】
図8A】本開示の一実施形態による、対象組織平面内に導入されたコントラスト流体を使用して、皮膚弾性を測定するためのシステムを示す図である。
図8B】本開示の一実施形態による、対象組織平面内に導入されたコントラスト流体を使用して、皮膚弾性を測定するためのシステムを示す図である。
【0058】
図9】本開示の一実施形態による、圧着鉗子として構成された皮膚弾性測定装置を示す図である。
【0059】
図10A】本開示の一実施形態による、感圧チップを含むクランプ又は鉗子として構成された、皮膚弾性測定装置を示す図である。
図10B】本開示の一実施形態による、感圧チップを含むクランプ又は鉗子として構成された、皮膚弾性測定装置を示す図である。
図10C】本開示の一実施形態による、感圧チップを含むクランプ又は鉗子として構成された、皮膚弾性測定装置を示す図である。
【0060】
図11A】本開示の一実施形態による、T型ロッド形状に構成された皮膚弾性測定装置を示す図である。
図11B】本開示の一実施形態による、T型ロッド形状に構成された皮膚弾性測定装置を示す図である。
図11C】本開示の一実施形態による、T型ロッド形状に構成された皮膚弾性測定装置を示す図である。
【0061】
図12A】本開示の一実施形態による、圧着鉗子として構成された、別の皮膚弾性測定装置を示す図である。
図12B】本開示の一実施形態による、圧着鉗子として構成された、別の皮膚弾性測定装置を示す図である。
【0062】
図13A】本開示の一実施形態による、超音波検出機能を含む皮膚弾性測定装置を示す図である。
【0063】
図13B】本開示の一実施形態による、超音波トランスデューサを含むプラズマアプリケータ又はプラズマハンドピースを示す図である。
【0064】
図13C】本開示の一実施形態による、プラズマアプリケータのシャフト上の歪みを測定するための歪みセンサを含む、プラズマアプリケータ又はプラズマハンドピースを示す図である。
【0065】
図13D】本開示の一実施形態による、歪みセンサ及び超音波トランスデューサを含むプラズマアプリケータ又はプラズマハンドピースを示す図である。
【0066】
図14】本開示の一実施形態による、対象組織に対する重力の影響を使用して皮膚弾性を測定するように構成された皮膚弾性測定装置を示す図である。
【0067】
図15A】本開示の一実施形態による、皮下組織平面内で膨張するように構成された皮膚弾性測定装置を示す図である。
図15B】本開示の一実施形態による、皮下組織平面内で膨張するように構成された皮膚弾性測定装置を示す図である。
【0068】
図16】本開示の一実施形態による、皮膚弾性変化施術の前、最中、及び後に患者の生体構造の一部の荷重を測定するように構成された皮膚弾性測定装置を示す図である。
【0069】
図面は本開示の概念を説明するためのものであり、これらの図面が、本開示を説明するための実践可能な唯一の構成では必ずしもないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0070】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について説明する。以下の説明では、不必要に詳細に本開示を示して不明瞭にすることを避けるために、周知の機能又は構造については詳細に記載していない。図面及び以下の説明では、従来のように、「近位」という用語は、ユーザにより近接している装置、例えば器具、装置、アプリケータ、ハンドピース、鉗子などの端部を指す一方、「遠位」という用語は、ユーザからより離隔している装置の端部を指す。本明細書では、「連結された(coupled)」という語句は、直接接続されているか、又は1つ又は複数の中間構成要素を介して間接的に接続されていることを意味するように定義されている。そのような中間構成要素は、ハードウェアベースの構成要素及びソフトウェアベースの構成要素の両方を含んでいてもよい。
【0071】
熱により誘起されるコラーゲン又は組織の収縮の使用は、低侵襲性施術にまで拡大されている。レーザ支援脂肪分解(Laser-assisted lipolysis:LAL)装置及び高周波支援脂肪分解(radiofrequency-assisted lipolysis:RFAL)装置は、皮下脂肪の除去と軟組織の加熱とを組み合わせて、脂肪体積の切除に起因する場合が多い皮膚の弛緩を低減している。これらの装置は、標準的な吸引支援脂肪分解(suction-assisted lipolysis:SAL)カニューレと同じ皮下組織平面内に配置され、また、熱エネルギーを送るのに用いられ、真皮の下側、筋膜、及び中隔結合組織を含む皮下組織が凝固される。皮下組織の凝固は、皮膚の弛緩を低減するコラーゲン収縮又は組織収縮をもたらす。
【0072】
本開示の装置、システム及び方法は、弛緩した組織を引き締める目的で、ヘリウムベースの(又は他の不活性ガスをベースとする)低温プラズマエネルギーを皮下組織に対して低侵襲で照射するために使用されている。SALに使用されるのと同じアクセスポートを介して、皮下組織平面内にプラズマ発生ハンドピースの先端部が配置されている。この平面内でプラズマ発生ハンドピースを起動することにより、プラズマエネルギーからの高精度の加熱によって真皮、筋膜、及び中隔結合マトリックスに含まれるコラーゲンの収縮が起こる。
【0073】
例えば、図1Aを参照すると、本開示による電気外科システム1が示されている。システム1は、プラズマアプリケータ又はプラズマハンドピース10と、電気外科用生成器ユニット(electrosurgical generator unit:ESU)50と、皮膚弾性測定装置60と、を備える。
【0074】
アプリケータ10は、ケーブル20を介して、ESU50から電気外科エネルギーを受けるように構成されている。アプリケータ10は、ガス源から不活性ガスを受けるようにさらに構成されている。いくつかの実施形態では、この不活性ガスは、ケーブル20を介してESU50から供給される。他の実施形態では、この不活性ガスは、アプリケータ10に別個に連結された供給源(図示せず)を介して供給される。アプリケータ10は、ボタン18を有するハンドルハウジング12と、遠位先端部16を有するシャフト14と、を含む。ボタン18が押されると、電気外科エネルギーがESU50によってアプリケータ10に送られ、不活性ガスがガス源によってアプリケータ10に送られる。この電気外科エネルギーを使用して、シャフト14内に配置された電極、例えばワイヤ電極、ブレード電極、針電極などが通電される。不活性ガスが通電された電極上を通過すると、プラズマが生成されて先端部16から患者の組織へと放出され、高精度のプラズマビームの形態で、この電極から患者に対してRFエネルギーが伝導されるようになる。例示的なプラズマ発生アプリケータについては、同一出願人が所有する米国特許第9,060,765号に示され、かつ記載されており、その内容は参照により援用される。一実施形態では、ヘリウムは極めて少ないエネルギーでプラズマに変換することができるので、不活性ガスとして使用される。本開示の装置及びシステムでは、使用されるヘリウムガスの0.1%未満がプラズマに変換されるため、99.9%超のヘリウムがガス状態のままとなる。いくつかの実施形態では、皮膚弾性測定装置60は、有線又は無線を介して、通信媒体を通じて電気外科用生成器50に連結されてもよい。
【0075】
図1Bを参照すると、本開示の一実施形態による、例示的なESU50のブロック図が示されている。ESU50は、コントローラ又はプロセッサ51と、電源52と、無線周波数(RF)出力段54と、I/Oインターフェース56と、アラーム58と、メモリ61と、フローコントローラ62と、センサ64と、通信モジュール66と、を含んでいてもよい。コントローラ51は、ケーブル20を通って延在する少なくとも1つの導体を介してRF出力段54から出力される電気外科エネルギーをアプリケータ10に供給する電源52を制御するように構成されている。I/Oインターフェース56は、ユーザ入力(例えば、ESU50のハウジングに配置された1つ又は複数のボタン、タッチスクリーンなどを介した)、及びコントローラ51から受信した出力情報(例えば、データ、グラフィカル・ユーザ・インターフェースなど)を受け取るように構成されている。音声アラーム58は、コントローラ51を介して制御可能であり、オペレータに対し、種々の状態又はイベントについて警告する。フローコントローラ62は、供給源70からアプリケータ10に送られるガスの流れを制御するように構成されている。フローコントローラ62はコントローラ51に連結され、I/Oインターフェース56を介したユーザ入力に基づいて、又はメモリ61に記憶されたアルゴリズム若しくはソフトウェア機能に基づいて、コントローラ51から制御信号を受信する。図1Bに示す実施形態では、フローコントローラ62はESU50内に配置されているが、このフローコントローラ62は、ESU50の外側に配置でき、また、例えば別個のハウジング内や、アプリケータ10内などに配置できる。
【0076】
ESU50の通信モジュール66は、通信リンク(例えば、有線又は無線)を介して他の装置(例えば、皮膚弾性測定装置、クライアント装置、サーバなど)と通信して、データ及び通信を送受信するように構成されている。一実施形態では、通信モジュール66は、例えばRS-485、USBなどの通信媒体22を介して、皮膚弾性測定装置60からデータを受信するための通信バスを含んでいてもよい。他の実施形態では、通信モジュール60は、皮膚弾性測定装置60と無線通信するためのトランシーバを含んでいてもよい。図1Bに示す実施形態では、オペレータは、音声アラーム58を介して種々の状態について警告されるが、他の実施形態では、コントローラ51は通信モジュール66を使用して、通信リンク(例えば、有線又は無線)を介して少なくとも1つの他の装置に通知を送信してもよく、これらの通信は、種々の状態又はイベントに関連付けられている。
【0077】
一実施形態では、ESU50のセンサ64は、RF出力段54の出力に連結されている。センサ64は、段54の出力の電圧及び/又は電流(若しくは他の任意の電気的特性)をサンプリングし、サンプリングされた電圧及び/又は電流をコントローラ51に供給するように構成されている。コントローラ51はこの情報を使用して、ESU50がアプリケータ10に供給する電力に関連付けられた1つ又は複数の特性を決定してもよい。
【0078】
専用のハードウェアと、適切なソフトウェアと連携してソフトウェアを実行することができるハードウェアとを使用することにより、このESU50の機能がもたらされてもよいことを理解されたい。一実施形態では、特に指示しない限り、機能の一部又はすべては、そのような機能を実行するようにコード化されたコンピュータプログラムコード、ソフトウェア、及び/又は集積回路などのコードに従って、コンピュータ又は電子データプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、あるいは組込みマイクロコントローラなどの少なくとも1つのプロセッサ51によって実行されてもよい。プロセッサ51によって提供される場合、これらの機能は、単一の専用プロセッサ、単一の共有プロセッサ、又は複数の個別のプロセッサによって提供されてもよく、それらの一部は共有されてもよい。さらに、「プロセッサ(processor)」又は「コントローラ(controller)」という用語を明示的に使用する場合、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor:DSP)ハードウェア、ソフトウェアを記憶するための読み出し専用メモリ(read only memory:ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(random access memory:RAM)、及び不揮発性記憶装置を暗黙的に含んでいてもよい。
【0079】
本開示の装置及びシステムの独自の加熱により、上述のLAL装置及びRFAL装置と同様の皮下軟組織を凝固させるための有用な外科用器具となる。アプリケータ10の先端部16が皮下平面を通って引き込まれると、当該組織を加熱することによって、当該組織が瞬時に凝固かつ収縮し、その後即時に冷却が始まる。
【0080】
皮下軟組織を凝固させるための市販の装置には、バルク組織を加熱する原理で作用するものがある。これらの装置では、エネルギーは主として真皮に向けられ、この装置は、65℃までの範囲内で予め設定された皮下温度が得られ、かつ組織の全体積にわたってこれが維持されるまで駆動される。上述のように、65℃では、施術対象の組織は、最大収縮を起こすために120秒間を超えてその温度に維持される必要がある。これらの装置は軟組織を収縮させるのに有効であり得るが、当該組織のすべてを施術温度まで加熱し、その温度を長期間維持するプロセスには時間がかかる可能性がある。さらに、このプロセスの間、熱は最終的に表皮に伝導し、表皮温度が安全レベルを確実に超えないようにするために、表皮温度の常時監視が必要になる。
【0081】
従前の手法とは異なり、本開示のシステム1のハンドピース10及びESU50は、施術部位を約0.040秒~約0.080秒間で、85℃を超える温度に急速に加熱することによって、軟組織の凝固及び収縮を実現している。ハンドピース10及び/又はESU50が、患者に照射される熱(アプリケータの先端部、例えば先端部16を介して供給される)が約0.040秒~約0.080秒の間確実に維持されるように構成されたプロセッサを含んでいてもよいことを理解されたい。例えば、アプリケータ10のボタン18が押されると、アプリケータ10内のプロセッサ又はESU50内のプロセッサ51は、約0.040秒間~約0.080秒間連続して電極に電気外科エネルギーを照射するように構成されてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、温度センサ(例えば、光学センサ、熱電対、測温抵抗体(resistance temperature detector:RTD)が遠位先端部(例えば、16)内に含まれていてもよく、その他の場合はアプリケータ10及び/又はESU50と通信してもよい。温度センサは、標的組織の温度読取り値をプロセッサに提供する。プロセッサ51は、ESU50によって出力される電力と、標的組織に熱が照射される持続時間とを調整して、約0.040秒~約0.080秒の間に85℃を超える温度に確実に到達させるように構成されている。
【0083】
いくつかの実施形態では、メモリ61内に所定の出力曲線が記憶され、また、ESU50によってアプリケータ10内の電極に印加される。この所定の出力曲線により、当該組織が、約0.040秒~約0.080秒の間で少なくとも85℃の温度に確実に加熱される。さらに、本開示によれば、加熱される組織の温度を確保するように、プラズマの照射に関連付けられた他の特性が制御されてもよい。例えば、遠位先端部16に供給される不活性ガスの流量と、先端部16が組織平面を通って移動する速度とが、上述の目標温度に確実に到達させるように選択されてもよい。
【0084】
図1Cを参照すると、本開示の一実施形態による、システム1のハンドピース又はアプリケータ10及びESU50を使用して組織の皮下層を凝固させる方法100が示されている。
【0085】
まずステップ102において、切開部、即ち入口切開部が、特定の施術に適した位置で、患者の表皮層及び真皮層を通して形成される。ステップ104において、アプリケータ10の先端部16が切開された組織平面内に挿入される。次に、このアプリケータが起動される(例えば、起動して、組織を凝固かつ/又は取り除いて所望の効果、例えば、(i)組織を引き締め、(ii)組織を収縮させ、かつ/又は(iii)身体にぴったり合う又は身体に沿った形になる、という効果が創出される)。
【0086】
アプリケータ10が起動すると、ステップ106において、ESU50は、所定の出力曲線を含む波形をアプリケータ10の電極に印加する。一実施形態では、この所定の出力曲線は、電気外科エネルギーがパルス状に供給され、その際、各パルスが所定の持続時間を有し、波形が印加されると、所定の出力電力を電気外科用生成器が出力するように構成されている。例えば、一実施形態では、この出力曲線は、パルスの所定の持続時間が約0.04秒~約0.08秒となり、所定の出力電力が約24ワット~約32ワットとなるように構成されている。
【0087】
さらに、アプリケータ10がステップ106で起動すると、ステップ108でアプリケータ10の遠位先端部16に対して、所定の流量で不活性ガスを供給するように、ガス源(例えば、ESU50と一体化されているか、又はESU50から独立している)が構成されている。一実施形態では、ここで使用される不活性ガスはヘリウムであり、この所定の流量は1リットル/分~5リットル/分である。
【0088】
ステップ110において、ユーザは、アプリケータ10の遠位先端部16を組織平面内において所定の速度で通過させる。一実施形態では、この所定の速度は、約1センチメートル/秒である。方法100では、ステップ106~110が実行されると、アプリケータ10から放出されるプラズマによって加熱されている組織の温度が少なくとも85℃に達し、この組織がバルク状態(例えば、標的組織を包囲しているか、又は標的組織からさらに離隔している領域内)で加熱されない代わりに、瞬間的に加熱され、次いで施術後に急速に冷却されるように、波形における所定の出力曲線、不活性ガスの所定の流量、及び組織平面を通過する先端部18の所定の速度が選択されることを理解されたい。所望の効果が得られた後、ステップ112において、アプリケータ10が取り外され、入口切開部が閉じられる。
【0089】
バルク組織を加熱する場合とは異なり、本開示のシステム1による当該組織の急速加熱を実行すると、施術部位を包囲している組織がはるかに低温のままとなり、その結果として、伝導性熱伝達によってエネルギーが照射された後に、急速な冷却をもたらすことができる。さらに、本開示の電気外科装置を使用して当該組織に供給されるエネルギーは、真皮の代わりに線維中隔ネットワーク(fibroseptal network:FSN)を加熱することに向けられている。皮下エネルギー送達装置によって誘起される軟組織収縮の大部分は、FSNに対するそれ自体の効果によるものである。本開示の電気外科装置がこうした固有の加熱特性及び冷却特性を有するために、真皮の全厚を不必要に加熱することなく、軟組織を即時に収縮させることができる。
【0090】
方法100を用いて、低侵襲性の経皮的皮膚引締め施術においてコラーゲン収縮又は組織収縮を実行して、例えば脂肪吸引中の脂肪体積の切除に起因する場合が多い皮膚の弛緩又は弾性が低減されてもよい。アプリケータ10は、脂肪吸引カニューレと同じ皮下組織平面(又は、対象となる任意の組織平面)内に配置され、また、このアプリケータ10を使用して熱エネルギーが送られ、中隔結合組織を含む皮下組織、並びに比較的程度は低いものの真皮及び筋膜の下側が凝固されてもよい。皮下組織が凝固することにより、皮膚の弛緩若しくは弾性を低減するコラーゲン収縮又は組織収縮がもたらされる。
【0091】
弾性は、物体又は材料が伸張若しくは圧縮された後に、その通常の形状に戻る能力として定義されている。バルーン内のゴムは、ほぼ100%の弾性を有する材料の一例である。膨張したばかりのバルーンを再度圧縮すると、素早く元の形状に戻る。これに対して、造形用粘土は100%可塑性材料である。この造形用粘土は、機械的力が印加されると、力が取り除かれた後でも、結果として生じる形状を保持する。ヒトの皮膚は、完全な弾性というわけではなく、また完全に可塑性というわけでもない。皮膚は、力が印加されると変形するが、その力が取り除かれると、わずかな遅延の後に元の位置に戻る。このヒト組織の弾性挙動と塑性挙動との組み合わせは、粘弾性と呼ばれている。皮膚、結合組織、及び他の材料の弾性挙動と塑性挙動は、グラフで応力-歪み曲線上に表示されることが最も多い。この応力-歪み曲線は、所与の材料に固有のものであり、引張荷重又は圧縮荷重(即ち、応力)に相当する材料の変形量若しくは変位量(即ち、歪み)を記録することによって確立される。
【0092】
例えば、図1Dを参照すると、ヒトの皮膚について確立された全応力-歪み曲線(曲線122)、弾性応力-歪み曲線(曲線124)、及び粘性応力-歪み曲線(曲線126)を含むグラフ120が示されている。
【0093】
図1Dの全応力-歪み曲線122から分かるように、皮膚の応力-歪み挙動は3つの異なる相から構成されている。当該組織に生じる少量の変形量又は変位量(即ち、0.4以下の歪み)に対応する第1の段階では、組織中のコラーゲン線維及びコラーゲン原線維は、それらが圧着解除され始めるか、又は展開し始めるにつれて、変形に対する抵抗をほとんどもたらさない。より多くの変形量(即ち、0.4~0.6間の歪み)に対応する第2フェーズの段階では、コラーゲン線維は変形に対する抵抗をもたらし始め、印加される力の荷重を担持し始める。この第2フェーズの段階における応力-歪み関係は高度に線形であり、組織及びコラーゲンの弾性特性によって支配されている。大きな変形量(即ち、0.6を超える歪み)に対応する第3フェーズの段階では、コラーゲン原線維間に架橋が生じ始め、最終的に組織の破壊(引裂きなど)が起こる。
【0094】
上述した高度に線形な第2フェーズの段階における皮膚及び結合組織の応力-歪み曲線を分析することにより、その弾性特性に関する有意な洞察がもたらされ得る。例えば、応力-歪み曲線におけるこの線形部分の勾配を計算することにより、機械的力(即ち、勾配=応力の変化量又は歪みの変化量)によって生じる変形に対する組織の抵抗の尺度がもたらされる。材料科学及び工学分野では、この抵抗は、材料の弾性係数又は弾性率と呼ばれることが最も多い。皮膚又はヒト組織に関しては、とりわけ美容形成外科学及び皮膚科学において、この抵抗は組織硬さ又は組織密度と呼ばれることが最も多い。組織の硬さ又は密度に変化が生じると、結果として、応力-歪み曲線におけるこの線形部分の勾配に変化が生じることになる。
【0095】
一実施形態では、皮膚弾性測定装置60をシステム1で使用し、脂肪体積の切除及び/又は対象の皮下組織平面の凝固によって影響を受ける組織表面の皮膚硬さ又は皮膚弾性の測定値を、フィードバック信号として生成器50内又はアプリケータ10内のプロセッサに提供することにより、アプリケータ10を使用して実行される皮膚引締め施術中に、所望の皮膚弾性又は皮膚硬さが得られ得るようにしてもよい。
【0096】
図1Eを参照すると、本開示の一実施形態による、システム1などのプラズマエネルギー装置を備える電気外科システムを使用して、弛緩軟組織を治療するための例示的な方法150が示されている。ステップ152において、患者の組織に対するいずれかの施術が行われる前に、皮膚弾性測定装置60を使用して患者の皮膚表面の一部が有する皮膚弾性、例えば弾性率が測定され、皮膚表面の一部が有する皮膚弾性のベースラインが確立される。ステップ154において、皮膚弾性変化施術(例えば、脂肪吸引)が、患者の皮膚表面の一部の下にある対象の皮下組織平面上で実行される。ステップ156において、皮膚弾性測定装置60を使用して、皮膚表面の一部が有する皮膚弾性が再度測定される。ステップ152及び156の測定値を使用して、ステップ154で実行される施術から生じる皮膚弾性の変化量が求められてもよい。ステップ158において、アプリケータ10によって対象の皮下組織平面上に単回パス又は所定回数のパスで(例えば、ステップ106~110に関連して上述したように)プラズマビームが生成されて、組織を凝固させ、それによって皮膚表面の一部を引き締める。
【0097】
ステップ160において、皮膚表面の一部が有する皮膚弾性が再度測定され、ステップ162において、ステップ160からの皮膚弾性測定値が閾値内にあるかどうかが判定される(例えば、生成器50内のプロセッサによって)。一実施形態では、この閾値は、ステップ152で取得される皮膚弾性測定値(例えば、ステップ154の施術が実行される前の患者の皮膚弾性)に基づく。この皮膚弾性が所定の閾値内にないとステップ162で判定された場合、ステップ158でアプリケータ10を使用して、対象の皮下組織平面上に2回目のパス又は所定回数のパスでプラズマが照射され、その後、皮膚表面の一部が有する皮膚弾性が所定の閾値内に収まるまで、ステップ158~162が繰り返される。あるいは、この皮膚弾性が所定の閾値内にあるとステップ162で判定された場合、皮膚表面の一部が所望の皮膚弾性又は皮膚硬さを有すると見なされるため、方法164は終了する。例えば、この閾値は、ステップ152で取得されたベースライン値であってもよく、ここで、ステップ160で取得された値がステップ152で取得された値よりも大きい場合、皮膚表面の一部が引き締められたと判定される。本実施例では、ステップ152で決定された弾性率が、ステップ160で決定された弾性率と比較される。別実施例として、この閾値は、ベースライン値に所定のオフセットを加算したものであってもよく、ここで、ステップ160で測定された値がベースライン値にオフセットを加算した値よりも大きい場合、皮膚の引締めが達成されていることになる。
【0098】
図1Fは、本開示に従って実行された方法150の例示的な結果を示す。これらの値は、本開示のプラズマ装置の脂肪吸引施術と、その後の複数回パスとに関連して得られたものである。図1Fは、施術の各段階における組織硬さの平均値、即ち、弾性率の平均値のグラフを示す。例えば、データ点170は、上記のステップ152のように、ベースラインを取得するために、脂肪吸引施術前の皮膚硬さを測定することによって得られたものであり、データ点171は、ステップ154のように、脂肪吸引を行った後に得られたものであり、また、データ点172、173、174、175、176及び177は、プラズマ装置のそれぞれのパス後に得られたものである。図1Fは、脂肪体積が切除され、組織弛緩性が高まるにつれて、脂肪吸引後に組織硬さの即時減少が見られたことを示す。その後行われたヘリウムプラズマによる施術のパスごとに、組織硬さの線形的増加傾向が明らかになっている。施術の前段階と比較した施術の各段階における組織硬さの変化量の要約統計量を、上記の表1に示す。
【表1】

脂肪吸引の結果としての組織硬さの平均減少量は、32.0g/インチ、即ち、重量グラム/伸延インチであった。したがって、原則的には、組織を1インチだけ伸延させるためには32グラムの力が必要となる。本具体例では、組織を1インチだけ伸延させるのに要した力の量は、脂肪吸引を行った後に32グラム減少した。ヘリウムプラズマエネルギー装置による1回の施術パスでは、平均で組織の硬さを11.5g/インチ増加させた。したがって、施術される組織は、平均で3回の施術パスを経て、その脂肪吸引前の硬度値を超え始めた。4回~6回のパスの実行は、脂肪吸引前の値を超えるように組織硬さを増加させる役割を果たした。
【0099】
いくつかの実施形態では、生成器50内のプロセッサ51は、ステップ162において、皮膚弾性が所定の閾値内にあると判定された場合にアラート(例えば、アラート58を通じたアラーム音及び/又はIOインターフェース56を通じたディスプレイ通知)を提供するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、生成器50のプロセッサ51は、ステップ162において、当該皮膚弾性が所定の閾値を超えている量に基づいて、アプリケータ10内の電極に印加される波形を調整するように構成されてもよい。付加的に又は代替的に、いくつかの実施形態では、生成器50内のプロセッサ51は、ステップ156で測定された皮膚弾性が所定の閾値を超えている場合の量に基づいて、波形を調整してもよい。いずれの場合も、現在測定している弾性(例えば、ステップ156又はステップ160で)と所定の閾値との間の差の関数としての波形(例えば、パルスの強度、周波数、持続時間など)に必要な調整量間のマッピングが、生成器50内のメモリ61に記憶されてもよく、また、生成器50内のプロセッサ51がこのマッピングを使用して、波形を調整してもよい。この所定の閾値が、ステップ152で取得されたベースライン測定値から導出されてもよく、又はオペレータによって、ESU50のIOインターフェース56内に入力される値であってもよいことを理解されたい。
【0100】
いくつかの実施形態では、ステップ152及び154が方法150から削除されてもよく、また、ステップ156~164が、皮膚弾性変化施術を実行することなく単独で実行されてもよいことを理解されたい。
【0101】
本開示は、システム1及び上述の方法150で使用することができる、種々の皮膚弾性測定装置を提供する。
【0102】
例えば、図2A図2Dを参照すると、本開示の一実施形態による、電動引張試験装置として構成された皮膚弾性測定装置200が示されている。装置200は、ハンドル202と、高さ調整器204と、シャフト206と、ゲージ用カプラ207と、モータ208と、把持部材212と、基部214と、を備える。
【0103】
シャフト206は、両端部220、222と、シャフト206の長さに沿って延在する一組の直線状のギア歯210と、を含む。ハンドル202は、内周又はリム201を含み、シャフト206の端部220に連結されている。皮膚把持部材212は、シャフト206の端部222内に配置され、そこから延在している。皮膚把持部材212は、シャフト210内でゲージ用カプラ207に連結され、ゲージ用カプラ207は、ハンドル202の開口部を通して配置されるとともにシャフト206の端部220に貫通配置されている。調整器204は、シャフト206の直線長さに沿って(即ち、図2Aに示すように、方向Aに沿って)位置合わせされたスロット205に貫通配置されている。把持部材212がシャフト206の端部222から延在する距離が、調整器204をスロット205に沿ってスライドさせることによって調整可能となるように、調整器204がシャフト206内で把持部材212に連結されている。内周201は、内周201と相補的な形状を有するフォースゲージ又は歪みゲージを受け入れるように寸法決めされ、これによってフォースゲージがハンドル201に取り付けられるようにしている。このようにして、ハンドル202は、把持されるハンドルとして、及びフォースゲージ用のハウジング構成要素又は取付構成要素としても構成されている。このフォースゲージはカプラ207に連結され、方向Aとは反対方向に把持部材212に力が印加されたときに、カプラ207にその力が伝達され、かつこのフォースゲージによって測定される。
【0104】
基部214は、取付構成要素213と、ポスト217と、リング218と、を含み、リング218は開口部216を画定している。リング218は、ポスト217を介して取付構成要素213に連結されている。シャフト206は、取付構成要素213の開口部にスライド可能に貫通配置され、ポスト217間に含まれる内部空間内へと延在している。モータ208は、取付構成要素213に搭載されている。モータ208は一組のギア歯を有するギア211を含み、この一組のギア歯は、ギア211が回転すると、ギア歯210と相互作用して、シャフト206を基部214に対して前進及び後退させるように構成されている。ギア211がモータ208によって第1の方向に回転されると、シャフト206は基部214から遠ざかるように方向Aに向かって(図2Aに示すように)延在し、また、ギア211がモータ208によって第2の方向に回転されると、シャフト206は基部214に向かって引き寄せられる(即ち、方向Aとは反対方向に)。
【0105】
使用時には、リング218が患者の皮膚に対して配置され、ギア211が第2の方向に回転して、把持部材212が開口部216を通って伸長する。一実施形態では、把持部材212は、患者の皮膚表面を直接把持するように構成されている。別実施形態では、把持部材212は、皮膚表面に装着される連結部(これについては後述する)に取り付けられるように構成されている。いずれの場合も、把持部材212が患者の皮膚表面に(直接的又は間接的に)連結された後、把持部材212に連結された皮膚が所望の初期張力(例えば、フォースゲージの力読取り値によって測定されるような)を達成するように、高さ調整器204をスロット205内で前進させてもよい。次いで、ギア211を第1の方向に回転させて、把持部材212をリング218及び患者の皮膚から離れるように方向Aに向かって後退させ、その結果として、リング218の外周内に配置された患者の皮膚の一部が方向Aに向かって引っ張られる。一実施形態では、ギア211はモータ208によって定速で回転され、把持部材212によって引っ張られている皮膚の部位が所望の変位量となるように引っ張られる。フォースゲージは、把持部材212の変位量に合わせて較正されているため、フォースゲージによって測定される力に基づいて、把持部材212の変位量が特定され得る。このフォースゲージを使用して、把持部材212の種々の変位における力が測定される。次いで、ここで測定された力は生成器50内のプロセッサ51に提供されてもよく、また、この力を方法150で使用して、皮膚弾性が決定されてもよい。例えば、この測定された力、即ち特定の変位における力は、有線手段又は無線手段を介して、通信モジュール66を通じてフォースゲージから生成器50に送信されてもよい。あるいは、この測定された力は、IOインターフェース56、例えばタッチスクリーンを介して生成器に入力されてもよい。次いで、生成器50のプロセッサ51は、この測定された力を使用して、上述したような治療施術の種々の時点における弾性率を求めてもよい。
【0106】
モータ208を装置200で使用して、シャフト206を前進及び後退させて皮膚表面を変位させるか、引っ張っているが、別実施形態では、シャフト206は、電磁機構を使用して前進及び後退されてもよい。例えば、シャフト206は磁石を含んでいてもよく、また、装置200は、電磁石とシャフト206に含まれる磁石との間の磁力を変化させるために使用される電磁石をさらに含んでいてもよい。このようにして、電磁石とシャフトの磁石との間の磁力を選択的に制御することにより、所望の変位量となるまでシャフト206が前進及び後退され得る。
【0107】
別実施形態では、皮膚弾性測定装置は、手動操作式の引張試験装置として構成されてもよい。例えば、図3を参照すると、本開示の一実施形態による、皮膚弾性測定装置300が示されている。
【0108】
装置300は、ハンドル302と、第1及び第2の管状部材304、306と、高さ調整器308と、取付構成要素313と、基部314と、を備える。管状部材304の第1の端部はハンドル302に連結され、また、管状部材304の第2の端部は管状部材306の第1の端部に貫通配置され、その結果、管状部材304、306が互いに対してスライド可能となるようにしている。管状部材306は、管状部材306内に配置された管状部材304の第2の端部の位置を示す透明スロット307を含む。管状部材306は、管状部材306の内部における管状部材304の第2の端部の位置及び変位量を示す複数のマーキング305をさらに含む。高さ調整器308は所望の位置で管状部材306に連結され、また、管状部材304、306が互いに対してスライドすることができる範囲を制限するように、部材306に沿って所望の位置に固定される。管状部材306の第2の端部は、取付構成要素313に連結されている。基部314は複数のポスト317及びリング318を含み、ポスト317は、取付構成要素313及びリング318に連結されている。管状部材304、306が互いに対してスライド可能であるため、リング318とハンドル302とが互いに対して前進及び後退可能であることを理解されたい。
【0109】
ハンドル302は、ユーザによって把持されるハンドルとして、及びフォースゲージ又は歪みゲージ用の取付構成要素としても構成されている。ハンドル302は、フォースゲージ又は歪みゲージを受け入れるように構成されたスロット301を含む。スロット301は、管状部材304、308の内部にアクセス可能にする開口部を含む。フォースゲージのフックは、開口部内に配置されるとともに、管状部材304、308の内部に貫通配置される紐又は他の連結部材の第1の端部に取り付けられる。皮膚表面の一部を把持するために、接着剤、縫合糸ループ、又は他の把持手段が使用されてもよい。この紐の第2の端部は、縫合糸ループ、接着剤、又は他の把持手段に取り付けられている。このようにして、紐又は連結部材を把持手段に取り付けた後、紐の張力を高め、かつ皮膚表面の一部をハンドル302に向かって引っ張るように、ハンドル302がリング318から遠ざかる方向に引っ張られる。引っ張られる皮膚表面の変位量は、マーキング305に対する管状部材304の第2の端部の位置を観測することによって測定される。所与の変位のための力は、フォースゲージによって測定される。このようにして、所与の変位ごとに測定される力を使用して、皮膚表面の一部の皮膚弾性が測定されてもよく(例えば、この弾性率は、生成器50内のプロセッサ51によって決定されてもよい)、また、この皮膚弾性が上述の方法150で使用されてもよい。例えば、この力測定値は、例えばタッチスクリーン等のIOインターフェース56を介してESU50に手動で入力されてもよく、又はESU50の通信モジュール66に電子的に送信され、次いでプロセッサ51に提供されてもよい。
【0110】
図2図3に示す装置200及び300では、患者の皮膚表面を把持するための把持手段又は把持部材が、患者の皮膚表面に装着されるかこれを把持し、さらにフォースゲージにも取り付けられるように構成された、任意の連結部であってもよいことを理解されたい。例えば、一実施形態では、この連結部は、真皮又は皮膚を通して配置された縫合糸ループであってもよく、この縫合糸ループは、例えば把持部材及び動力カプラを介してフォースゲージに取り付けられてもよい。別実施形態では、この連結部は、接着性裏地を有するパッドと、この接着性裏地付きパッドを把持部材に取り付けられるようにするためのフック、ループ、又は他の手段と、を含んでいてもよい。あるいは、この接着剤を使用して、パッドの側面が皮膚表面に対して把持されてもよい。別実施形態では、皮膚表面を把持するために接着性裏地付きパッドが使用されてもよく、またパッド及び真皮又は皮膚の両方に縫合糸ループが通されてもよく、次いでこのループが、フォースゲージ又は把持部材に取り付けられてもよい。接着性裏地付きパッドが、ECGパッド、ステリストリップ、又は他の接着性裏地付きパッドと同様の方式で構成されてもよいことを理解されたい。
【0111】
別実施形態では、皮膚弾性測定装置は、真空補助装置として構成されてもよい。例えば、図4を参照すると、本開示の一実施形態による、皮膚弾性測定装置400が示されている。装置400は、ハウジング401と、ばね408と、内側測定構成要素405と、を備える。ハウジング401は、ポート404と、管状部403と、吸引カップとして構成された基部402と、を含む。基部402は、当たり面又はリム部406と、中空の内部空洞(基部402のドーム形状によって画定されている)と、を含む。構成要素405は、管状部材403の内部を通してスライド可能に配置されたステム406を含む。構成要素405は、ステム406に連結され、かつ基部402内に配置された円板407をさらに含む。ばね408は、ステム406の一部の周囲に配置され、構成要素405をリム406に向かって付勢するように構成されている。ハウジング401は、複数のマーキング410を含む。
【0112】
ポート404は、真空圧装置又は陰圧装置に連結されるように構成されている。リム406が患者の皮膚上に配置されると、基部402の内部が密閉され、真空圧装置又は陰圧装置を使用して、基部402の内部空洞と大気圧との間に圧力差が形成される。この圧力差が、リム部406が配置されている皮膚の一部を、垂直方向B(即ち、基部402の内側空洞に向かって)に変位させる。当該皮膚が方向Bに変位すると、構成要素405も方向Bに変位することになる。マーキング410に対するステム406の先端部409の位置は、基部402の内部に引き込まれる皮膚の一部の変位量を示す。この皮膚の変位量は、内部空洞と大気圧との間の圧力差に比例する。次いでこの変位量が記録され、皮膚弾性を決定するために生成器ユニット50に提供され得、かつ方法150で使用され得る。一実施形態では、圧力が一定であることから、弾性変化施術の有効性は、この測定変位量における測定されたベースライン値からの変化量を比較することによって判定されてもよい。例えば、組織弾性変化施術が有効である場合、当該施術後の組織の変位量はベースライン測定値未満となるはずである。別実施形態では、弾性率は、力を測定し、かつ測定変位量を使用することによって計算されてもよい。本実施形態では、圧力と円板407の直径とが既知であるため、圧力=力÷面積の方程式を使用して力が計算されてもよい。次いで、ベースライン弾性率が、組織弾性変化施術後に計算された弾性率と比較されてもよい。
【0113】
別実施形態では、皮膚弾性測定装置は、横方向/せん断測定装置として構成されてもよい。例えば、図5を参照すると、本開示の一実施形態による、皮膚弾性測定装置500が示されている。装置500は、引張タブ502A、502Bと、接着タブ504A、504Bと、を備える。タブ504A、504Bは、タブ504A、504Bが患者の皮膚の表面上に配置され、かつこれに接着され得る接着性裏地を含む。タブ504A、504Bを分離している中央部506は、接着剤なしで構成されている。引張タブ502Aは、取付部材508Aを介して接着タブ504Aに取り付けられ、また、引張タブ502Bは、取付部材508Bを介して接着タブ504Bに取り付けられている。このようにして、接着タブ504A、504Bが患者の皮膚の表面上に配置されて接着されると、タブ502A、502Bは、互いから遠ざかる方向に引っ張られ、これによって接着タブ504A、504Bが互いに近づく方向に引っ張られてもよい。接着タブ504A、504Bが互いに向かって引っ張られると、タブ504Aが接着されている患者の皮膚の一部と、タブ504Bが接着されている患者の皮膚の一部(即ち、中央部506の両側の皮膚)とが互いに向かって引っ張られる。一実施形態では、ユーザがゲージを使用してタブ502A、502Bを引っ張り、その結果としてタブ504A、504Bを一つに寄せる、即ち、別個のフォースゲージが引張タブ502A、502Bの各々に連結されている。タブ504A、504Bを一つに寄せるのに必要となる力は、タブ502A、502Bの各々に連結されるゲージの力測定値を組み合わせることによって決定される。このゲージによって測定される力は、タブ504A、504Bの下及び間にある皮膚の皮膚弾性に比例する。次いで、タブ504A、504Bの力、及び必要に応じて変位量は、例えば、電子的に送信されるか、又は手動で入力されるかのいずれかで生成器50に提供されてもよく、これによって皮膚弾性が測定され、かつ方法150で使用されてもよい。一実施形態では、測定されたタブの力及び変位量は、弾性率を求めるために生成器50によって使用される。他の実施形態では、生成器50は、相対力値を比較する、即ち、ある施術の前後の力測定値を比較して、その施術の有効性を判定してもよい。
【0114】
別実施形態では、皮膚弾性測定装置は、つまみ/横方向荷重測定装置として構成されてもよい。例えば、図6A図6Dを参照すると、本開示の一実施形態による、皮膚弾性測定装置600が示されている。装置600は、装置600の両側部616、618にそれぞれ配置され、等間隔に配置された複数の連結部材610によって連結された直線ストリップ602A、602Bを備える。各ストリップ602は、第1の側面又は表面612と、第1の側面の反対側にある第2の側面又は表面(図示せず)と、端部606、608と、を含む。各ストリップ602の側面612は、等間隔に配置された複数の突起又はタブ604を含む。一実施形態では、対応する対のタブ604A、604Bは、連結部材610を通って延在している。各ストリップ602の第2の側面は、各ストリップ602の第2の側面又は表面が患者の皮膚に接着され得るように接着性裏地を含む。一実施形態では、中央部614(図6A及び図6Bに示すように)は、ストリップ602A、602Bの間に配置されてこれらを連結し、かつ端部606A、606Bから端部608A、608Bまで延在している。中央部614は可撓性であるように構成され、ストリップ602A、602Bが患者の皮膚に装着されたときにこれらストリップ602A、602Bが互いに向かって引っ張られ得るような接着性裏地を含まない。別実施形態では、図6C図6Dに示すように、中央部614は省略されてもよく、ストリップ602A、602Bは独立した別個の構成要素であってもよい。
【0115】
図6Cに示すように、一実施形態では、装置600は、端部606A及び端部608Aが端部608A、608Bと同じ間隔だけ離隔するように構成されている。このようにして、図6Cに示す実施形態では、各対応した対のタブ604A、604Bは等間隔に配置されている。図6Dに示すように、別実施形態では、装置600は、端部606A、606Bが端部608A、608Bとは異なる間隔で配置されるように構成されている。このようにして、図6Dに示す実施形態では、各対応した対のタブ606A、606Bは、互いに異なる間隔で離隔している。図6C及び図6Dに示す実施形態の各々では、各対応タブ対606A、606B間の間隔が既知であることを理解されたい。
【0116】
使用時には、ストリップ602A、602Bが患者の皮膚に接着されると、装置650(例えば、鉗子)などの装置を使用して、タブ対604A、604Bが把持され、これによってタブ対604A、604Bが一つに寄せられる。一実施形態では、装置650はトングアーム654、656と、把持部材652と、を備える。把持部材652は、タブ対604A、604Bを受け入れるように構成されたそれぞれのスロット又は開口部を含む。アーム654、656は、把持部材652に連結され、ユーザによってつままれると、タブ604A、604Bを含むスロット又は開口部を同時に引き寄せ、その結果、タブ対604A、604Bも同時に引き寄せるように構成されている。タブ対604A、604Bが一つに寄せられると、タブ604A、604B間にある皮膚が挟まれ、装置600の両側部616、618の皮膚が装置600に向かって引っ張られる。フォースゲージ(又はロードセル)がアーム654、656に連結されて、タブ対604A、604Bを互いに所定の間隔内に引っ張るのに必要となる力の量、即ち、アーム654、656が共に圧迫されたときに、アーム654、656がフォースゲージ又はロードセルの両側に荷重をかけるように引っ張るのに必要となる力の量を測定してもよい。この力の測定値は、タブ604A、604Bの互いに対する種々の変位について記録されるものであってもよく、また、変位対荷重曲線を生成するために、電子送信又は手動によって生成器50にこの測定値が提供されてもよい。その後、生成された変位対荷重曲線の勾配が生成器50によって計算され得る。この曲線の勾配は皮膚弾性を表しており、上述のように、方法150で生成器50によって使用されてもよい。
【0117】
別実施形態では、皮膚弾性は、対象組織平面に経皮的に導入されたガスによって生じる背圧を監視することによって測定されてもよい。例えば、図7Aを参照すると、ケーブル716を介してプラズマ発生器又はプラズマアプリケータ710に連結された、電気外科用生成器ユニット及びガス圧縮機(ESU)750が示されている。ESU750は、ケーブル716を介して、電気外科エネルギー及び少なくとも1つのガス(例えば、ヘリウムなどであるがこれに限定されない不活性ガス)をアプリケータ710に供給するように構成されている。アプリケータ710は、電気外科エネルギー及び少なくとも1つのガスを使用して生成されたプラズマビームを、組織又は皮膚表面730の下にある組織平面732に照射するように構成されている。このようにして、組織平面は、皮膚引締め施術又は硬化施術中に施術されてもよい。アプリケータ710は、カニューレ720を使用して組織平面732に挿入される。
【0118】
図7Aに示す実施形態では、組織平面732内に圧力センサ740が皮下挿入されてもよい。センサ740は、組織平面732内の圧力を測定し、この圧力測定値をESU750に(例えば、有線通信リンク又は無線通信リンクあるいは有線通信接続若しくは無線通信接続を介して)に提供するように構成されている。一実施形態では、圧力センサ740は、アプリケータ710の遠位端部に配置されてもよく、また、ケーブル716を介してESU750に連結されてもよい。プラズマが組織平面732に照射されていない期間中、ESU750は、所定の振幅及び周波数で少なくとも1つのガスのパルスをアプリケータ710に供給するように構成されており、アプリケータ710は、ガスのパルスを組織平面732内に導入するように構成されている。導入されるパルスガスによる膨張に抵抗する組織平面732内の組織の背圧が、パルスガスが組織平面732内に導入されるときに発生し、この背圧はセンサ740によって測定される。この背圧は、皮膚表面740及び皮膚表面740の下にある結合組織の硬さに応じて変わり、例えば、この背圧は、硬さが増加する、即ち皮膚が引き締められるにつれて上昇する。生成器750は、この背圧の振幅及び周波数が、導入されるパルスの所定の振幅及び周波数からどのように変化しているかを比較することにより、皮膚表面730の皮膚弾性を決定するように構成されている。生成器750及びアプリケータ710を使用して、上述の方法150が実行されてもよいことを理解されたい。例えば、一実施形態では、対象組織平面732内にガスが導入され、背圧が測定されてベースライン測定値が得られる。組織変化施術が実行され、次いでガスが再度導入されて、施術後の測定値が得られる。施術後の測定値において、当該背圧がベースラインの背圧測定値よりも大きいことを示す場合、組織硬さは増加していることになる。
【0119】
一実施形態では、カニューレ720が挿入されるポート周辺でシール760が使用される。このシール760は、対象組織平面732の完全な又は部分的なガスシールを行えるように構成されてもよい。
【0120】
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態では、組織平面732内に導入されるパルスガスを、リングの外周内に限定された特定の対象領域に制限するように、皮膚表面730の一領域の上に既知の寸法のリング770が配置されてもよい。
【0121】
図7Aの実施形態では、ESU750は電気外科用生成器および圧縮機として構成されているが、他の実施形態では、別個の圧縮機を使用して、アプリケータ710にガス(パルスガス又はその他のガス)が供給されてもよいことを理解されたい。
【0122】
図8A及び図8Bを参照すると、別実施形態では、組織表面の皮膚弾性は、組織平面内に注入されるコントラスト流体の密度の変化量に基づいて決定されてもよい。例えば、図8Aを参照すると、皮下組織平面又は脂肪組織804に対して施術若しくは治療(例えば、脂肪吸引及び/又はプラズマの照射)が行われる前に、シリンジ又は他の注入装置802を使用して、組織表面又は皮膚803を通して組織804内にコントラスト流体806が注入される。このコントラスト流体が、流体の密度又は他のベースライン値を決定するために、流体中に粒子、例えば金ナノ粒子を含んでいてもよいことを理解されたい。組織804間にあるコントラスト流体を検出するように構成された種々の可視化技術808(例えば、X線、超音波検査など)を使用して、施術又は治療が実行される前に、コントラスト流体及び/又は粒子の間隔及び/又は密度が測定されてもよい。図8Bを参照すると、施術又は治療が実行された後、視覚化技術808を再度使用して、施術又は治療が実行された後のコントラスト流体の間隔及び/又は密度が決定され得る。皮膚803の皮膚硬さ又は皮膚弾性は、当該施術前後のコントラスト流体806内の粒子の間隔又は密度の変化量を比較することによって決定され得る。例えば、施術後の粒子の密度(d2)がベースライン又は施術前の密度(d1)よりも大きい場合、組織硬さは増加していることになる。コントラスト流体の間隔及び/又は密度を決定するプロセスは、施術又は治療における種々の段階を通して繰り返され得る。コントラスト流体の間隔及び/又は密度が、画像診断技術808を用いるように構成された画像診断ソフトウェアを使用して測定されてもよいことを理解されたい。次いで、コントラスト流体806において変化する間隔又は密度を比較することで得られた皮膚硬さ又は皮膚弾性の測定値は生成器50に提供されてもよく、また、上述の方法150で使用されてもよい。
【0123】
図9を参照すると、本開示による別実施形態では、皮膚弾性測定装置は圧着鉗子900として構成されてもよい。鉗子900は、鉗子900の遠位端部に配置された圧着ジョー又は把持部材902A、902Bを含む。ジョー902A、902Bは組織表面を把持し、この把持された表面がジョー902A、902B間に挟まれたときに発生する圧力を測定するように構成されている。これらの圧力測定値は、ケーブル又は無線手段を介して読取装置904に提供され、この読取装置904は、把持された組織表面の特定の変位について測定された圧力を記録する。一実施形態では、これらの圧力測定値は、当該組織を変位させるのに必要となる力を示している。鉗子900が開位置にあるときのジョー902A、902B間の間隔については、既知であると理解されているべきである。したがって、ジョー902A、902Bが開位置から組織表面を把持して一つに寄せられると、開位置におけるジョー902A、902B間の既知の間隔を使用して、把持された組織表面の変位量が推定される。あるいは、鉗子900は、ジョー902A、902Bの動作範囲内での任意の位置で、ジョー902A、902B間の間隔を測定し、かつこれを提供するセンサを含んでいてもよい。ジョー902A、902B間の測定された間隔は、把持された組織の変位量を示している。次いで、皮膚弾性を求め、かつこれを上述の方法150で使用するために、測定値、即ち圧力若しくは力及び/又は変位量が生成器50に提供されてもよい。読取装置がESU50内に配置されてもよく、また、当該結果がESU50のIOインターフェース56に表示されてもよいことを理解されたい。
【0124】
図10A図10Cを参照すると、本開示による別実施形態では、皮膚弾性測定装置は、圧着クランプ又は圧着鉗子型内視鏡1000として構成されてもよい。装置1000は、先端部が開放される(互いから遠ざかるように移動させる)か、又は閉じられる(互いに近づくように移動させる)ときに、圧力又は抵抗を測定するように構成された感圧チップを含む。これらの測定値は読取装置1005に提供され、その後、生成器50に提供されてもよい。装置1000の遠位端部は、皮膚1003を通して組織平面又は脂肪層1004内に経皮的に挿入される感圧チップを含み、これらの感圧チップは、当該平面又は層1004内で開放されるか、あるいは互いから遠ざかるように移動する。装置1000の先端部の変位に対して組織平面1004が及ぼす抵抗力は、図10B図10Cに示すように、施術前及び施術後の両方で読取装置1005によって記録される。読取装置1005によって記録されたこれらの測定値は、上述した方法150で使用されてもよい。例えば、記録された各変位における抵抗力は、所定の力又は応力と見なしてもよく、これらの応力及び変位量の測定値をさらに使用して、弾性率が求められてもよい。
【0125】
図11Aを参照すると、本開示による別実施形態では、皮膚弾性測定装置は、t型ロッド形状装置1100として構成されてもよい。装置1100は、直線状のハンドル部1102と、直線状の先端部1104と、を備え、ハンドル1102の端部は先端部1104の中心に連結されており、先端部1004はハンドル1102に対して垂直方向に延在している。先端部1104は、先端部1104に印加される圧力又は外力を測定するように構成された、1つ又は複数の圧力センサ1106(例えば、図11Aに示すように中央部に配置され、かつ/又は先端部1104の端部1108、1110に配置される)を含んでいてもよい。図11Bを参照すると、先端部1104は、皮膚1103から皮下組織平面1105内に挿入され、先端部1104が組織平面1105に対してほぼ垂直になるまで(図11Cに示すように)、ハンドル1102を介して回転され、その結果、2つの組織層を引き離す。先端部1104内のセンサ1106は、先端部1104に接触している平面1105内の組織が先端部1104に対して及ぼす圧力又は力を測定する。これらの測定値は、皮膚弾性の変化量を監視するために、組織引締め施術又は他の施術の前、後、及び/又はその最中に取得されてもよい。センサ1106によって取得された測定値は読取装置及び/又は生成器50に提供されてもよく、これにより、皮膚1103の皮膚弾性がこれらの測定値(例えば、上述の方法150で使用される)に基づいて求められてもよい。組織引締め施術の間、平面1105内の組織は収縮し、先端部1104による測定圧力は上昇して、皮膚1103の皮膚弾性の変化量を決定(例えば、生成器50によって)できるようになる。図11Cを参照すると、いくつかの実施形態では、先端部1104は、ハンドル1104を介して組織平面1105内の所望の位置へと、例えば組織平面1105に対して垂直に旋回かつ/又は回転されてもよい。図11A図11Cの実施形態では、弾性変化施術の有効性が、治療前の相対圧力測定値と、例えばプラズマ装置による後続のパスを受けるなど、後続の施術後に取得された測定値とを比較することによって判定されてもよいことを理解されたい。
【0126】
本開示の別実施形態において図12A図12Bを参照すると、皮膚弾性測定装置は、鉗子1200として構成されてもよい。装置1200は、一対の把持部材1204A、1204Bを備える。把持部材1204Aの遠位端部は荷重/圧力センサ1202Aを含み、また、把持部材1204Bの遠位端部は荷重/圧力センサ1202Bを含む。装置1200は、把持部材1204A、1204Bが、図12Aでは開位置にあり、図12Bでは閉位置にある状態で示されている。把持部材1204A、1204Bが開位置にあるとき、荷重/圧力センサ1202A、1202Bは既知である所定の間隔dだけ離隔している。把持部材1204A、1204Bの遠位端部を使用して、皮膚1203の一部が把持され、これら把持部材の遠位端部を一つに寄せる(図12Bに示すように)ことによって、この皮膚1203の被把持部が挟まれてもよい。圧力センサ1202A、1202Bは、皮膚1203の被把持部を所定の間隔dから同時に引き寄せるのに必要となる力の量を測定し、その測定値、例えば特定の変位における力を読み取らせるために、力測定装置1206に(有線接続又は無線接続を介して)提供するように構成されている。センサ1202A、1202Bによって取得された測定値は生成器50に提供されてもよく、これにより、皮膚1103の皮膚弾性はこれらの測定値に基づいて求められ、かつ上述の方法150で使用されてもよい。この測定装置が、生成器50内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0127】
本開示の別実施形態において図13Aを参照すると、皮膚弾性測定装置は、超音波装置1300として構成されてもよい。本実施形態では、装置1300(例えば、トランスデューサ)は皮膚1303に隣接して配置され、皮下組織1305内に音波を導入して、組織1305を伝播する戻り音波を測定するために使用されてもよい。装置1300によって測定された音響データは、ディスプレイ及び分析モジュール1301に提供される。モジュール1301に提供されたデータは、超音波エラストグラフィ又は他の画像診断法を用いて、皮膚組織層及び/又は皮下組織層の機械的特性を検出するために使用される。装置1300によって取得された音響データは、皮膚表面1303の一部の皮膚弾性を求めるために、モジュール1301及び/又は生成器50内のプロセッサによって使用されてもよい。モジュール1301が、生成器50内に配置されてもよいことを理解されたい。皮膚治療(又は弾性変化)施術が皮膚1303及び/又は皮下組織1305に対して実行される前、最中及び/又は後に、装置1300を使用して音響データが取得されてもよい。この皮膚治療は、生成器1330に連結されたプラズマアプリケータ又はプラズマハンドピース1320を使用した、組織1305の脂肪吸引及び/又は凝固であってもよい。
【0128】
別実施形態では、装置1300はハンドピース1320と一体化されていてもよい。例えば、図13Bを参照すると、本開示の一実施形態による、プラズマハンドピース1350が示されている。ハンドピース1350は、ハンドルハウジング1352と、シャフト1354と、シャフト1354の遠位端部1356に配置されたトランスデューサプローブ1358と、を含む。ハンドピース1350は、電気外科エネルギーを受け取るために生成器1360に連結されている。ハンドピース1350は、生成器1360から、又は別個のガス源から不活性ガスを受けてもよい。シャフト1354内に電極(図示せず)が配置され、この電極は、生成器1360から受け取ったエネルギーを使用してハンドピース1350に供給された不活性ガスを活性化させ、これによってシャフト1354の遠位端部1356から放出されるプラズマを生成して、組織1305などの組織を施術するように構成されている。ハンドピース1350は、トランスデューサ1358によって検知された音響データが分析及び表示のためにモジュール1362に提供されるように、超音波ディスプレイ及び分析モジュール1362にさらに連結されている。音響データを搬送するための1本又は複数のワイヤが、トランスデューサ1358をモジュール1362に連結していることを理解されたい。いくつかの実施形態では、超音波ディスプレイ及び分析モジュール1362が、生成器1360内に配置されてもよいことを理解されたい。これら1本又は複数のワイヤは、モジュール1362からハウジング1352内に、かつシャフト1354の外部に沿ってトランスデューサ1358まで延在している。一実施形態では、これら一本又は複数のワイヤは、シャフト1354の外壁の外側に配置されてもよく、又は外壁に埋め込まれてもよい。使用時には、シャフト1354の遠位端部1356が皮膚1303から皮下組織平面1305内に挿入されて、組織平面1305の凝固を実行してもよい。遠位端部1356が平面1305内に配置されている間、プローブ1358は、組織平面1305に関連付けられた音響データを収集し、この音響データをモジュール1362に提供して、皮膚弾性などの組織平面1305内及びこれに近接する組織の機械的特性を決定する。
【0129】
図13A図13Bに示す実施形態のいずれにおいても、トランスデューサ1300、1358によって収集された音響データは、上述した方法150を実行するために、生成器50、1330、1360などの生成器に提供されてもよい。図13A図13Bの実施形態では、弾性変化施術の有効性が、施術前の相対音響データ測定値と、例えばプラズマ装置による後続のパスを受けるなど、後続の施術後に取得された測定値とを比較することによって判定されてもよいことを理解されたい。
【0130】
別実施形態では、プラズマアプリケータは、アプリケータのシャフトに加えられる機械的歪みに基づいて、弾性を試験するように構成されてもよい。例えば、図13Cを参照すると、本開示の一実施形態による、プラズマアプリケータ1380が示されている。アプリケータ1380は、アプリケータ1380に電気外科エネルギーを供給するように構成されたESU1390に連結されている。アプリケータ1380は、ハウジング1382と、遠位端部1386を有するシャフトと、を含み、シャフト内に配置された通電電極に不活性ガスが供給されると、遠位端部1386を介して対象組織平面1305にプラズマが照射される。アプリケータ1380は、シャフト1384に加えられる歪み(即ち、変位量)を検知するように構成された歪みセンサ1388をさらに含む。一実施形態では、歪みセンサ1388はハウジング1382内に配置され、かつシャフトに連結され、シャフトの近位端部はハウジング1382内にピボット点を有する。シャフト1384が組織表面1303を通って皮下組織内に配置されると、オペレータは、シャフト1384に機械的歪みを加えさせるように、組織表面1303及び組織1305に対してハウジング1382及びシャフト1384を回転又は傾斜させてもよく、シャフト1384に加えられた歪みはセンサ1388によって検出され、次いで生成器1390内のプロセッサに伝達される。本プロセスは、組織1305に対してある施術(例えば、脂肪吸引及び/又は凝固)が実施される前後に実行されてもよい。その施術の前後に検知された歪みの量に基づいて、生成器1390内のプロセッサは、組織表面1303の皮膚弾性及び/又は弾性変化施術の有効性を決定するように構成されている。歪みセンサ1388が、組織硬さと反比例関係を有する変位量を測定していることを理解されたい。例えば、組織が硬くなると、歪みは減少し、組織の弛緩性が増加すると、歪みは増加する。このようにして、アプリケータ1380と生成器1390とを使用して、上述の方法150が実行されてもよい。例えば、アプリケータ1380を使用して、ベースライン測定値が取得されてもよい。次いで、組織弾性変化施術が実行され、これに続いて、アプリケータ1380を使用した後続の測定が行われてもよい。この粘弾性変化施術後に測定された歪みが減少している場合、この施術は当該組織の弛緩を低減するのに成功したことになる。
【0131】
一実施形態では、アプリケータ1380が、基準軸線に対するシャフト1384の傾斜角を測定するように構成された傾きセンサをさらに含んでいてもよいことを理解されたい。このようにして、シャフト1384がユーザによって傾けられると、この傾き角をセンサ1388によって検知された歪みと共に使用して、異なる傾斜角での歪み測定値が正規化され、かつ比較されて、皮膚弾性が求められてもよい。
【0132】
図13Dを参照すると、別実施形態では、アプリケータ1380は、例えばロードセルなどのプローブ/トランスデューサ1358と、上述の方法で組織平面1305の皮膚弾性を測定するための分析及びディスプレイモジュール1362と、をさらに含んでいてもよい。本実施形態では、アプリケータ1380は、ハウジング1382内の歪みセンサ1388を使用して、ロードセル1358からの力と、これに対応する変位量との両方を測定してもよい。例えば、シャフト1384の遠位端部1386を使用して組織を広げてもよく、プローブ/ロードセル1358は、遠位端部1386での力又は応力を測定してもよい。同時に、歪みセンサ1388は、シャフト1384の歪みを測定して、組織の変位量を求めてもよい。次いで、力若しくは応力及び/又は歪み若しくは変位量がモジュール1362及び/又は生成器50に送信されて、弾性率が求められてもよい。測定値は、上記の方法150を実行するための施術の前後に取得され得る。
【0133】
別実施形態では、皮膚弾性は、患者の組織の一部に対する重力の影響を測定することによって求められてもよい。例えば、図14を参照すると、表面1404(例えば、平面)と、所定の寸法を有する開口部1406(例えば、円又は楕円)と、を備える装置1400が示されている。患者の生体構造1402の一部(例えば、患者の腕の上部)が表面1404上に配置され、開口部1406の外周の内側に配置された対象組織1406が、開口部1406を通して重力で引っ張られる。皮膚弾性の変化量は、皮膚治療(例えば、脂肪吸引及び/又はプラズマ凝固)前後に対象組織1406が開口部1406を通して落下する距離(例えば、対象組織が配置される表面1404の下の距離)を測定することによって求められてもよい。次いで、上述の方法150を実行するために、この皮膚粘弾性が生成器50に提供されてもよい。
【0134】
図15Aを参照すると、別実施形態では、皮膚弾性測定装置は、自身の外面1504上に配置された複数の圧力センサ1502を有する、膨張装置1500(例えば、バルーン又は少なくとも1つの膨張可能要素)として構成されてもよい。装置1500は弾性材料で作製されてもよく、また、ガスを受け取ったり放出して、装置1500を所望の大きさになるまで選択的に膨張させたり、収縮させたりするために、ガス圧縮機に連結されてもよい。装置1500が組織表面1503の下にある対象の皮下組織平面内に配置されて膨張すると、圧力センサ1502は、外面1504によって負荷されて組織平面内の組織を変位させる圧力を測定するように構成されている。この測定値は、対象組織平面内で実行される施術(例えば、脂肪吸引及び/又は凝固)の前後に取得されてもよい。この測定値は、皮膚1503の皮膚弾性を求め、かつ上述の方法150を実行するために、生成器50に(例えば、有線接続又は有線接続を介して)提供されてもよい。例えば、一実施形態では、装置1500は、表面1503の下にある対象組織平面内に挿入され、圧力が測定されてベースライン測定値が取得される。装置1500が取り外され、組織施術が実行される。次いで、装置1500が再度挿入されて、施術後の測定値が取得される。施術後の測定値において、当該圧力がベースラインの圧力測定値よりも大きいことを示す場合、組織硬さが増加していることになる。
【0135】
他の実施形態では、装置1500全体が膨張可能である代わりに、明確な膨張可能要素を含むように装置1500が修正されてもよいことを理解されたい。例えば、図15Bを参照すると、本開示の別実施形態による、皮膚弾性装置1500が示されている。装置1500は、シャフト1553と、複数の膨張可能要素1554A、1554Bと、を備え、要素1554はそれぞれ、要素1553に負荷された圧力を検知するように構成された)、対応する圧力センサ1552(例えば、各要素1554の内部に含まれる)を含む。シャフト1553はガス圧縮機に連結されており、この圧縮機を使用して、要素1554を所望の大きさに膨張させたり、収縮させたりする。一実施形態では、要素1554は、シャフト1550から遠ざかるように垂直方向に延在している。使用時には、装置1550の一部が対象の皮下組織平面内に配置され、また、要素1554が所望の大きさに膨張される。センサ1552は、組織平面内の周囲組織によって要素1554に印加される圧力を測定する。測定値は、皮膚1503の皮膚弾性を求め、かつ上述の方法150を実行するために、生成器50に(例えば、有線接続又は有線接続を介して)提供される。
【0136】
本開示の別実施形態では、皮膚弾性は、皮膚施術の前後、又は皮膚が既知の距離だけ変位した前後の患者の組織(例えば、対象組織表面上及び/又は組織平面内)におけるインピーダンスの変化量を監視することによって測定されてもよい。このインピーダンスの変化量を使用して、皮膚弾性の変化量が測定されてもよい。このインピーダンスの変化量が、組織表面及び/又は組織平面に接触し且つ生成器50に通信可能に連結されているインピーダンスセンサを使用して測定されてもよいことを理解されたい。一実施形態では、インピーダンスセンサは、アプリケータ10内に組み込まれてもよい(例えば、シャフト14の遠位端部16に配置される)。あるいは、インピーダンスの変化量は、アプリケータ10に供給される電気外科エネルギーの変化量を検知することにより、生成器50によって測定されてもよい。
【0137】
別実施形態では、本開示は、テーブルなどの構造体の表面上に配置されて、皮膚弾性を測定するために使用されてもよい装置を提供する。例えば、図16を参照すると、本開示による装置1600が示されている。装置1600は、基部1602と、基部1602に連結され、かつそこから遠ざかるように延在するロッド1604と、を備える。基部1602は、ロッド1604の先端部1605が表面1650の上方に所定の高さになるように延在するように、ある構造体(例えば、テーブル)の表面1650上に配置されてもよい。次いで、先端部1605が圧力又はフォースゲージ1603に取り付けられ、このフォースゲージ1603が患者の組織表面1606に装着される(例えば、上述したように、接着性パッド又は縫合糸ループなどの接合部を介して)。対象組織平面の施術(例えば、脂肪吸引及び/又は凝固)の前後にゲージ1603によって測定された圧力読取り値又は力読取り値を使用して、表面1606の皮膚弾性が求められてもよい。この皮膚弾性は生成器50に提供されてもよく、また、方法150で使用されてもよい。
【0138】
上記のフォース又は圧力ゲージを利用する実施形態では、フォース又は圧力ゲージが、歪み抵抗体(例えば、歪みを伴うときの電圧の変化量を測定する)及び圧電素子(例えば、圧電材料に歪みが生じたときの、この圧電材料のコンダクタンスの変化量を測定する素子)を含むが、これらに限定されない任意の適切なフォースゲージであってもよいことを理解されたい。例示的なフォースゲージが、ユーザ及び/又は生成器などの別の装置に測定値を提供するための、少なくとも1つの手段を含んでもよく、例えば、このフォースゲージが、測定値を表示するためのディスプレイ、このフォースゲージを別の装置に連結するためのハードワイヤ出力結線、測定値を別の装置に無線送信するための無線トランシーバなどを含んでもよいことをさらに理解されたい。
【0139】
本開示の皮膚弾性装置のいずれかを使用して、皮膚弾性測定値又は他の関連情報(例えば組織の変位量、力の量など)が生成器50に提供されてもよいことを理解されたい。生成器50はディスプレイに連結されてもよく、皮膚表面の現在の皮膚弾性、応力-歪み曲線、又は他の任意の関連データを表示するために、これらを出力してもよい。一実施形態では、生成器50内のプロセッサが、応力-歪み曲線の勾配が一定である(例えば、皮膚粘弾性がそれ以上変化していない)と判定した場合、生成器50は、患者の組織の損傷又は永久変形を防止するために、対象皮膚表面及び/又は組織平面をそれ以上変位させるべきではないことを示すアラート又は通知を出力する。他の実施形態では、生成器50は、例えば、皮膚硬さ測定値がベースライン測定値よりも大きい、また、皮膚硬さ測定値が所定の皮膚硬さ値よりも大きいなど、皮膚硬さのレベルが達成されたというアラート又は指示を出力してもよい。
【0140】
本開示の皮膚弾性測定装置が、患者の皮膚表面又は真皮から筋肉に至るまでの組織の特性(即ち、皮膚表面だけでなくFSN全体を通して)を取り入れながら、皮膚弾性を測定していることを理解されたい。これを達成することを目的として、皮膚弾性を測定するために皮膚表面の変位量を用いる装置(例えば、装置200、300、400、500、600、900、1200、1400、1600、1700)において、所定の大きさを超える表面積が変位のために選択されている。この所定の大きさは、実験及び観察によって規定されている。残りの装置(例えば、700、800、1000、1100、1500)は、対象組織平面内に挿入され、その結果として、FSNを取り入れている。
【0141】
本明細書で使用される「組織平面(tissue plane)」、「対象組織平面(tissue plane of interest)」、「皮下組織平面(subdermal tissue plane)」、「皮下組織平面(subcutaneous tissue plane)」という用語が、患者の組織表面又は真皮の下にある、筋肉に至るまでの患者の組織のすべての層又は平面を含むことを理解されたい。
【0142】
図示し、かつ記載している種々の特徴は入れ替え可能であり、即ち、一実施形態に示す特徴が別実施形態に取り入れられてもよいことを理解されたい。
【0143】
本開示について、その特定の好ましい実施形態を参照して図示し、かつ説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の種々の変更をなすことが可能であることが、当業者には理解されよう。
【0144】
さらに、上記の本文には多数の実施形態の詳細な説明を記載しているが、本発明の法的範囲は、本特許の最後に記載している特許請求の範囲の文言によって定義されることを理解されたい。実行可能なすべての実施形態について記載することは不可能ではないにしても実際的ではないため、この詳細な説明が例示としてのみ解釈され、また、実行可能なすべての実施形態について記載するものではないと解釈されるべきである。現行技術又は本特許の出願日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多数の代替実施形態を実行することができ、これらは依然として、本特許請求の範囲内に含まれる。
【0145】
また、「本明細書で使用される場合、‘ ’という用語は...を意味するように本明細書で定義されている。」という文又は同様の文を使用して、本特許においてある用語が明示的に定義されていない限り、その用語の意味を、明示的又は暗示的かにかかわらず、その明示的又は通常の意味を超えて限定する意図はなく、そのような用語は、本特許の任意の項でなされた任意の記述(特許請求の範囲の文言を除く)に基づいて範囲が限定されると解釈されるべきではないことも理解されたい。本特許の最後の特許請求の範囲に記載されている任意の用語が単一の意味で一貫して本特許において言及される限りにおいて、それは、読み手を混乱させないように明確にするためにのみ行われ、そのような特許請求の範囲の用語が、暗示又は他の方法で、その単一の意味に限定されることは意図していない。最後に、ある請求項要素が、任意の構造を詳説せずに「手段(means)」という単語及び機能を列挙することによって定義されない限り、いずれの請求項要素の範囲も、米国特許法112条6項の適用に基づいて解釈されることも意図していない。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図16
【図
【図
【図
【手続補正書】
【提出日】2022-02-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1A
図1B
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図16
【国際調査報告】