(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-03
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/474 20210101AFI20220727BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20220727BHJP
H01M 50/477 20210101ALI20220727BHJP
H01M 50/489 20210101ALI20220727BHJP
H01M 50/129 20210101ALI20220727BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20220727BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20220727BHJP
H01M 50/55 20210101ALI20220727BHJP
【FI】
H01M50/474
H01M10/04 Z
H01M50/477
H01M50/489
H01M50/129
H01M50/105
H01M50/548 301
H01M50/55 301
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503447
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2019098382
(87)【国際公開番号】W WO2021003780
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】201921061270.8
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522021826
【氏名又は名称】江▲蘇▼▲時▼代新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU CONTEMPORARY AMPEREX TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】No.1000 Chengbei Road, Kunlun Street, Liyang City, Changzhou, Jiangsu 213300, China
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼▲綿▼▲ユー▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼辰辰
(72)【発明者】
【氏名】伍永彬
(72)【発明者】
【氏名】牛少▲軍▼
【テーマコード(参考)】
5H011
5H021
5H028
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H011DD12
5H021AA02
5H021CC18
5H021HH00
5H021HH03
5H021HH10
5H028AA07
5H028AA08
5H028CC08
5H028CC11
5H028CC26
5H043AA04
5H043BA11
5H043CA08
5H043DA02
5H043JA13D
(57)【要約】
【要約】
本発明は、二次電池を提供し、二次電池は、電極アセンブリ、包装袋、電極リード及び絶縁ストリップを備える。電極アセンブリは、包装袋内に収納され、電極リードは、電極アセンブリに接続され、且つ長さ方向に沿って包装袋の外部に延在される。電極アセンブリは、複数の電極シート及びセパレータを備え、セパレータは、複数の電極シートを分離させる。電極アセンブリの外表面は、第1面及び第2面を含み、第2面の面積は、第1面の面積より小さく、第1面は、二つであり、且つ厚さ方向に沿って互いに対向しており、第2面は、二つであり、且つ幅方向に沿って互いに対向しており、各第2面は、二つの第1面を接続させる。絶縁ストリップの少なくとも一部は、第2面に設置され、長さ方向に沿って、絶縁ストリップの少なくとも一端は、電極シートを超えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池であって、
電極アセンブリ(1)、包装袋(2)、電極リード(3)及び絶縁ストリップ(4)を備え、
電極アセンブリ(1)は、包装袋(2)内に収納され、電極リード(3)は、電極アセンブリ(1)に接続され、且つ長さ方向(X)に沿って包装袋(2)の外部に延在され、
電極アセンブリ(1)は、複数の電極シート(11)及びセパレータ(13)を備え、セパレータ(13)は、複数の電極シート(11)を分離させ、
電極アセンブリ(1)の外表面は、第1面(14)及び第2面(15)を含み、第2面(15)の面積は、第1面(14)の面積より小さく、第1面(14)は、二つであり、且つ厚さ方向(Z)に沿って互いに対向しており、第2面(15)は、二つであり、且つ幅方向(Y)に沿って互いに対向しており、各第2面(15)は、二つの第1面(14)を接続させ、
絶縁ストリップ(4)の少なくとも一部は、第2面(15)に設置され、長さ方向(X)に沿って、絶縁ストリップ(4)の少なくとも一端は、電極シート(11)を超えている、
ことを特徴とする二次電池。
【請求項2】
絶縁ストリップ(4)は、第1部分(41)及び第2部分(42)を含み、第2部分(42)は、第2面(15)に接着され、第1部分(41)は、第2部分(42)における第1面(14)に接近する端部に接続され且つ第1面(14)に接着される、
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
幅方向(Y)において、第1部分(41)における第2部分(42)から離れた端部は、第1面(14)の中心線を超えていない、
ことを特徴とする請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
幅方向(Y)に沿った第1部分(41)のサイズは、2mmより大きい、
ことを特徴とする請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
絶縁ストリップ(4)は、厚さが10μm~50μmであり、弾性率が1Gpa~6Gpaである、
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項6】
セパレータ(13)の末尾は、終了線(L)を形成し、絶縁ストリップ(4)は、少なくとも終了線(L)の一部を覆っている、
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項7】
長さ方向(X)において、絶縁ストリップ(4)の端部は、セパレータ(13)を超えている、
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【請求項8】
絶縁ストリップ(4)は、複数設置され、前記複数の絶縁ストリップ(4)は、第1絶縁ストリップ(4a)及び第2絶縁ストリップ(4b)を含み、第1絶縁ストリップ(4a)及び第2絶縁ストリップ(4b)はそれぞれ二つの第2面(15)に設置され、
長さ方向(X)に沿って、第1絶縁ストリップ(4a)及び第2絶縁ストリップ(4b)の両端はいずれも電極シート(11)を超えている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項9】
絶縁ストリップ(4)は、複数設置され、前記複数の絶縁ストリップ(4)は、第1絶縁ストリップ(4a)及び第2絶縁ストリップ(4b)を含み、
第1絶縁ストリップ(4a)及び第2絶縁ストリップ(4b)は、一つの第2面(15)に設置され、且つ長さ方向(X)に沿って間隔を隔てて配置され、
長さ方向(X)において、第1絶縁ストリップ(4a)における第2絶縁ストリップ(4b)から離れた端部は、電極シート(11)の一端を超えており、第2絶縁ストリップ(4b)における第1絶縁ストリップ(4a)から離れた端部は、電極シート(11)の他端を超えている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項10】
包装袋(2)は、二層の包装膜(22)を含み、且つ少なくとも一層の包装膜(22)がキャビティ(23)を有し、二層の包装膜(22)は、キャビティ(23)の周囲で接続されて密閉部(21)を形成し、
電極アセンブリ(1)は、二層の包装膜(22)の間に位置し、且つキャビティ(23)内に収納され、
各包装膜(22)は、保護層(221)、金属層(222)及び接続層(223)を含み、接続層(223)は、金属層(222)における電極アセンブリ(1)に面する表面に設置され、保護層(221)は、金属層(222)における電極アセンブリ(1)から離れた表面に設置され、
電極リード(3)は、二層の包装膜(22)の間を貫通する、
ことを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池分野に関し、特に、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯型電子機器の急速な発展に伴い、電池エネルギー密度に対する要求もますます高くなっている。二次電池において、金属ケースの代わりに、アルミニウムプラスチックフィルム又は鋼プラスチックフィルムで製造された包装袋を使用することにより、電池の重量を低減し、エネルギー密度を向上させることができる。
【0003】
包装袋は、一般的に、プレスによりキャビティを形成して、二次電池の電極アセンブリを収納する。しかしながら、プレスする時に、包装袋の角部領域が大きく伸び、当該角部領域が薄くなることを招く。二次電池がパッケージ成形された後、包装袋の内部が低真空状態になり、包装膜の角部領域と電極アセンブリとの距離が小さいため、当該角部領域が電極アセンブリの電極シートの端部に刺されて破れやすく、包装袋の密閉性能に影響を与える。
【発明の概要】
【0004】
背景技術に存在する問題に鑑み、本発明は、包装膜が刺されて破れやすいリスクを低減し、密閉性能を向上できる二次電池を提供することを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、二次電池を提供し、二次電池は、電極アセンブリ、包装袋、電極リード及び絶縁ストリップを備える。電極アセンブリは、包装袋内に収納され、電極リードは、電極アセンブリに接続され、且つ長さ方向に沿って包装袋の外部に延在される。電極アセンブリは、複数の電極シート及びセパレータを備え、セパレータは、複数の電極シートを分離させる。電極アセンブリの外表面は、第1面及び第2面を含み、第2面の面積は、第1面の面積より小さく、第1面は、二つであり、且つ厚さ方向に沿って互いに対向しており、第2面は、二つであり、且つ幅方向に沿って互いに対向しており、各第2面は、二つの第1面を接続させる。絶縁ストリップの少なくとも一部は、第2面に設置され、長さ方向に沿って、絶縁ストリップの少なくとも一端は、電極シートを超えている。
【0006】
絶縁ストリップは、第1部分及び第2部分を含み、第2部分は、第2面に接着され、第1部分は、第2部分における第1面に接近する端部に接続され且つ第1面に接着される。
【0007】
幅方向において、第1部分における第2部分から離れた端部は、第1面の中心線を超えていない。
【0008】
幅方向に沿った第1部分のサイズは、2mmより大きい。
【0009】
絶縁ストリップは、厚さが10μm~50μmであり、弾性率が1Gpa~6Gpaである。
【0010】
セパレータの末尾は、終了線を形成し、絶縁ストリップは、少なくとも終了線の一部を覆っている。
【0011】
長さ方向において、絶縁ストリップの端部は、セパレータを超えている。
【0012】
絶縁ストリップは、複数設置され、前記複数の絶縁ストリップは、第1絶縁ストリップ及び第2絶縁ストリップを含み、第1絶縁ストリップ及び第2絶縁ストリップはそれぞれ二つの第2面に設置される。長さ方向に沿って、第1絶縁ストリップ及び第2絶縁ストリップの両端はいずれも電極シートを超えている。
【0013】
絶縁ストリップは、複数設置され、前記複数の絶縁ストリップは、第1絶縁ストリップ及び第2絶縁ストリップを含む。第1絶縁ストリップ及び第2絶縁ストリップは、一つの第2面に設置され、且つ長さ方向に沿って間隔を隔てて配置される。長さ方向において、第1絶縁ストリップにおける第2絶縁ストリップから離れた端部は、電極シートの一端を超えており、第2絶縁ストリップにおける第1絶縁ストリップから離れた端部は、電極シートの他端を超えている。
【0014】
包装袋は、二層の包装膜を含み、且つ少なくとも一層の包装膜がキャビティを有し、二層の包装膜は、キャビティの周囲で接続されて密閉部を形成する。電極アセンブリは、二層の包装膜の間に位置し、且つキャビティ内に収納される。各包装膜は、保護層、金属層及び接続層を含み、接続層は、金属層における電極アセンブリに面する表面に設置され、保護層は、金属層における電極アセンブリから離れた表面に設置される。電極リードは、二層の包装膜の間を貫通する。
【0015】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。包装膜はプレスによりキャビティを形成し、キャビティの角部領域の厚さが薄いため、本願は好ましくは第2面に絶縁ストリップを設置する。絶縁ストリップにおける長さ方向で電極シートを超えている部分は、電極シートのバリと角部領域とを分離させることでき、包装膜の角部領域が刺されて破れるリスクを低減し、密閉性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る二次電池の第1実施例の概略図である。
【
図2】
図1におけるA-A線に沿った断面図である。
【
図3】
図1におけるB-B線に沿った断面図である。
【
図8】
図1の二次電池の別の概略図であり、ここで包装袋が省略されている。
【
図10】
図9におけるC-C線に沿った断面図である。
【
図11】電極シート及びタブの展開状態での概略図である。
【
図13】
図11の電極シート及びタブの別の概略図であり、ここで活物質層が省略されている。
【
図14】本発明に係る二次電池の第2実施例の概略図であり、ここで包装袋が省略されている。
【
図15】本発明に係る二次電池の第3実施例の概略図であり、ここで包装袋が省略されている。
【
図16】本発明に係る二次電池の第4実施例の概略図であり、ここで包装袋が省略されている。
【0017】
ここで、図面の符号の説明は、以下の通りである。
1 電極アセンブリ
11 電極シート
111 集電体
112 活物質層
12 タブ
13 セパレータ
14 第1面
15 第2面
2 包装袋
21 密閉部
22 包装膜
221 保護層
222 金属層
223 接続層
23 キャビティ
3 電極リード
4 絶縁ストリップ
41 第1部分
42 第2部分
4a 第1絶縁ストリップ
4b 第2絶縁ストリップ
4c 第3絶縁ストリップ
4d 第4絶縁ストリップ
5 分離部材
G 角部領域
L 終了線
X 長さ方向
Y 幅方向
Z 厚さ方向。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、図面及び実施例を参照しながら、本願をさらに詳細に説明する。理解されるように、ここで説明された具体的な実施例は本願を説明するためのものに過ぎず、本願を限定するものではない。
【0019】
本願の説明において、他に明確な規定及び限定がない限り、「第1」、「第2」、「第3」、「第4」という用語は説明の目的のみに用いられ、相対的な重要性を指示するか又は暗示すると理解してはならない。「複数」という用語は、二つ以上(二つを含む)を指す。他に規定又は説明がない限り、「接続」という用語は広義に理解すべきであり、例えば、「接続」は、固定接続であってもよく、取り外し可能な接続であってもよく、又は一体的に接続されてもよく、又は電気的に接続されてもよく、又は信号的に接続されてもよい。「接続」は、直接的に接続されてもよく、中間媒体を介して間接的に接続されてもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0020】
本明細書の説明において、理解すべきこととして、本願の実施例に記載された「上」、「下」等の方位用語は図面に示された角度で説明され、本願の実施例を限定するものと理解されてはならない。以下、具体的な実施例及び図面を参照しながら本願をさらに詳細に説明する。
【0021】
図1及び
図2を参照すると、第1実施例において、本願の二次電池は、電極アセンブリ1、包装袋2、電極リード3及び分離部材5を備える。
【0022】
電極アセンブリ1は、二次電池が充放電機能を果たすコア部材である。電極アセンブリ1は、複数の電極シート11及びセパレータ13を備え、セパレータ13は、複数の電極シート11を分離させる。本願において、電極アセンブリ1は、巻回式構造であってもよい。
図7を参照すると、電極シート11は二つであり、二つの電極シート11はそれぞれ正極シート及び負極シートである。正極シート、負極シート及びセパレータ13はいずれもストリップ状構造であり、正極シート、セパレータ13及び負極シートを順に積層し且つ二回以上巻回して電極アセンブリ1を形成し、電極アセンブリ1は扁平状を呈する。
【0023】
図11及び
図12を参照すると、電極シート11は、集電体111、及び集電体111の表面に塗布された活物質層112を含む。負極シートに対して、集電体111は銅箔であり、活物質層112は黒鉛又はシリコンを含む。正極シートに対して、集電体111はアルミニウム箔であり、活物質層112は三元材料、マンガン酸リチウム又はリン酸鉄リチウムを含む。
【0024】
絶縁性能を保証するために、長さ方向Xに沿って、セパレータ13のサイズは、各電極シート11のサイズより大きい。具体的には、電極アセンブリ1における長さ方向Xに沿った一端において、セパレータ13の一つの端部は電極シート11を超えており、電極アセンブリ1における長さ方向Xに沿った他端において、セパレータ13の他の端部は、電極シート11を超えている。
図6及び
図7は、電極アセンブリ1の外形輪郭を示す。電極アセンブリ1の外表面は、第1面14及び第2面15を含み、第1面14は、二つであり、且つ厚さ方向Zに沿って互いに対向しており、第2面15は、二つであり、且つ幅方向Yに沿って互いに対向しており、各第2面15は、二つの第1面14を接続させる。第2面15の面積は、第1面14の面積より小さい。第1面14は、相対的に平坦な表面であり、純粋な平面であることを要求しない。第2面15は少なくとも一部が円弧状である。
【0025】
図2及び
図3を参照すると、包装袋2は、二層の包装膜22を含み、前記二層の包装膜22は、厚さ方向Zに沿って上下に設置される。
図4を参照すると、少なくとも一層の包装膜22は、プレスによりキャビティ23を形成し、電極アセンブリ1は、二層の包装膜22の間に位置し、且つキャビティ23内に収納される。
【0026】
図5を参照すると、各包装膜22は、保護層221、金属層222及び接続層223を備え、保護層221及び接続層223はそれぞれ金属層222の両側に設置される。具体的には、保護層221は、接着剤により金属層222における電極アセンブリ1から離れた表面に固定され、接続層223は、接着剤により金属層222における電極アセンブリ1に接近する表面に固定されることができる。
【0027】
保護層221の材質は、ナイロン又はポリエチレンテレフタレートであってもよく、金属層222の材質は、アルミニウム箔又は鋼箔であってもよく、接続層223の材質は、ポリプロピレンであってもよい。
【0028】
二層の包装膜22は、キャビティ23の周囲で接続されて密閉部21を形成する。具体的には、熱間プレスにより、二層の包装膜22の接続層223は直接又は間接的に接地接続され、これにより、密閉された包装袋2を形成する。熱間プレス過程において、接続層223が溶融且つ圧縮されるため、熱間プレス成型した後、密閉部21の厚さは、二層の包装膜22の熱間プレス前の厚さの合計より小さい。
【0029】
図3を参照すると、電極リード3は電極アセンブリ1に接続され、密閉部21を貫通して、包装袋2の外部に延在される。具体的には、電極リード3は二つであってもよく、一つの電極リード3は正極シートに電気的に接続され、他の電極リード3は負極シートに電気的に接続される。二つの電極リード3は、電極アセンブリ1と包装袋2の外部の他の部材とを接続させて、電極アセンブリ1の充放電を実現する。電極リード3の材質は、アルミニウム、ニッケル又はニッケルメッキ銅であってもよい。
【0030】
二つの電極リード3は、長さ方向Xに沿って延在される。本実施例において、二つの電極リード3は、包装袋2から長さ方向Xの同一側に沿って延出される。当然のことながら、代替的な実施例において、二つの電極リード3は、包装袋2から長さ方向Xの両側に沿ってそれぞれ延出されてもよい。
【0031】
電極リード3は、二層の包装膜22の間を貫通し、接続層223が薄いため、電極リード3は金属層222と接触しやすく、安全リスクを引き起こす。したがって、本願の二次電池は好ましくは分離部材5を設置する。
【0032】
分離部材5は、二つであってもよい。二つの分離部材5は、それぞれ、二つの電極リード3と密閉部21とを分離させる。各分離部材5は、対応する一つの電極リード3の外側を取り囲んでいる。分離部材5の一部は、二層の包装膜22の間に挟持され、これにより、電極リード3と包装膜22とを分離させて、電極リード3と金属層222との接触リスクを低減させる。分離部材5の材質は、ポリプロピレンであってもよい。
【0033】
分離部材5の一部が二層の包装膜22の間に挟持されているため、二層の包装膜22に対して熱間プレスを行う際に、二層の包装膜22の接続層223は分離部材5に溶接される。
【0034】
電極シート11の電流を電極リード3に伝送しやすくするために、
図3及び
図11を参照すると、本願の電極アセンブリ1はタブ12をさらに備え、タブ12は、電極リード3と電極シート11の集電体111とを接続させる。好ましくは、各電極シート11の集電体111は、複数のタブ12に接続され、電極シート11及びセパレータ13が一緒に巻回される際に、複数のタブ12は一緒に積層されて、電極リード3に溶接されることができる。
【0035】
タブ12と電極シート11の集電体111とは別体成形されてもよく、例えば、タブ12は溶接により集電体111に接続されてもよい。好ましくは、タブ12と電極シート11の集電体111とは一体に形成される。
図13を参照すると、集電体111及び複数のタブ12は、一つの金属箔材を切断することにより形成されることができる。
【0036】
電極シート11の成形過程において、複数の切断工程を経る必要があり、これにより、集電体111の二つの端部113,114にバリが存在し、特にタブ12に接続された端部113にバリが存在することになる。ここで補充する場合、活物質層112が集電体111の表面に塗布されるが、活物質層112は集電体111を超えていないため、本明細書に記載された電極シート11の端部は、集電体111の二つの端部113,114を指す。
【0037】
図4を参照すると、包装膜22はプレスによりキャビティ23を形成するが、プレス過程において、包装膜22は角部領域Gにおいて大きな程度の延伸が存在し、これにより、角部領域Gの金属層222が薄くなる。
【0038】
電極アセンブリ1がキャビティ23内に配置される場合、電極アセンブリ1における第2面15近傍に位置する部分と角部領域Gとは長さ方向Zで対向する。二次電池が成型された後、包装袋2の内部が低真空状態になり、電極アセンブリ1における第2面15近傍に位置する部分と角部領域Gとの間隔が小さくなる。同時に、角部領域Gの金属層222が薄く、強度が低いため、二次電池が振動する時に、角部領域Gが電極シート11の端部のバリに刺されて破れやすく、これにより、電解液漏れが引き起こされ、安全リスクが引き起こされる。
【0039】
そのため、好ましくは、本願の二次電池は絶縁ストリップ4をさらに備え、絶縁ストリップ4の少なくとも一部は第2面15に設置され、長さ方向Xに沿って、絶縁ストリップ4の少なくとも一端は、電極シート11を超えている。
【0040】
電極アセンブリ1における第2面15近傍に位置する部分が角部領域Gを刺し破るリスクが最も高いため、本願は、好ましくは第2面15に絶縁ストリップ4を設置する。絶縁ストリップ4における長さ方向Xで電極シート11を超えている部分は、電極シート11のバリと角部領域Gとを分離させて、包装膜22が刺され破れるリスクを低減させ、密閉性能を向上させることができる。
【0041】
二次電池が振動する時に、角部領域Gが絶縁ストリップ4を押圧することにより、絶縁ストリップ4における長さ方向Xで電極シート11を超えている部分は電極シート11に向けて折り曲げられ、これにより、絶縁ストリップ4が電極シート11の端部のバリを覆い、角部領域Gがバリにより刺され破れることを回避する。
【0042】
図9を参照すると、絶縁ストリップ4は第1部分41及び第2部分42を含み、第2部分42は第2面15に接着され、第1部分41は、第2部分42における第1面14に接近する端部に接続され且つ第1面14に接着される。第2部分42は、電極シート11のバリと角部領域Gとを分離させて、包装膜22が刺されて破れるリスクを低減することできる。第1部分41を設置することにより、絶縁ストリップ4と電極アセンブリ1との間の接続面積を増大して、絶縁ストリップ4が脱離されるリスクを低減することができる。また、第1部分41は、電極シート11と包装膜22とを分離させる作用を果たすこともできる。
【0043】
充放電の過程において、電極アセンブリ1は膨張し、電極アセンブリ1は、第1面14の幅方向Yに沿った中心線の近傍で膨張量が最大である。第1部分41が第1面14の中心線を覆う場合、充放電の過程において、第1部分41は電極アセンブリ1の膨張を深刻に制限し、これにより、電極アセンブリ1内の膨張応力を放出できず、リチウム析出のリスクを引き起こす。したがって、第1部分41は第1面14の中心線を覆うことができず、即ち、幅方向Yにおいて、第1部分41における第2部分42から離れた端部は、第1面14の中心線を超えていない。
【0044】
二次電池が膨張する時に、第1面14に比べて、第2面15の変形が深刻であるため、第2部分42と第2面15とが分離されるリスクが高い。第1部分41の幅方向Yに沿ったサイズが小さい場合、第1部分41と第1面14との接続強度が低いため、二次電池が膨張する時に、絶縁ストリップ4が電極アセンブリ1から脱離されるリスクが高い。したがって、電極アセンブリ1と絶縁ストリップ4との接続強度を保証するために、第1部分41の幅方向Yに沿ったサイズは、2mmより大きい。
【0045】
絶縁ストリップ4は絶縁テープであるが、その厚さが小さすぎると、その粘性が不足し、電極アセンブリ1から脱離しやすい。絶縁ストリップ4の厚さが大きすぎると、大きな空間を占用し、エネルギー密度に影響を与える。したがって、好ましくは、絶縁ストリップ4の厚さは、10μm~50μmである。
【0046】
また、絶縁ストリップ4は折り曲げられて電極シート11の端部のバリを覆う必要があり、絶縁ストリップ4の弾性率が大きすぎると、絶縁ストリップ4が折り曲げにくく、バリを覆う作用を実現することができない。したがって、好ましくは、弾性率は1Gpa~6Gpaである。
【0047】
図7及び
図9を参照すると、電極アセンブリ1において、セパレータ13の末尾は終了線Lを形成する。既知の技術において、一般的に終了線Lに粘着テープを貼り付けて、セパレータ13の分散を防止する。本願において、絶縁ストリップ4は少なくとも終了線Lの一部を覆っている。本願の絶縁ストリップ4は、バリを覆う作用およびセパレータ13を固定する作用を同時に果たすことできるため、接着剤貼り付けプロセスを簡略化する。
【0048】
長さ方向Xにおいて、絶縁ストリップ4の端部は、セパレータ13を超えている。絶縁ストリップ4におけるセパレータ13を超えている部分はセパレータ13に向けて折り曲げられてセパレータ13に接着されるため、絶縁ストリップ4とセパレータ13との接着面積を向上させる。好ましくは、長さ方向Xにおいて、絶縁ストリップ4の端部は、セパレータを0.1mm~0.5mm超えている。
【0049】
図8及び
図9を参照すると、本実施例において、絶縁ストリップ4は複数設置され、前記複数の絶縁ストリップ4は、第1絶縁ストリップ4a及び第2絶縁ストリップ4bを含み、第1絶縁ストリップ4a及び第2絶縁ストリップ4bはそれぞれ二つの第2面15に設置される。長さ方向Xに沿って、第1絶縁ストリップ4a及び第2絶縁ストリップ4bの両端はいずれも電極シート11を超えている。第1絶縁ストリップ4a及び第2絶縁ストリップ4bにより二つの第2面15を完全に覆うことにより、第1絶縁ストリップ4aと電極アセンブリ1との間の接着面積及び第2絶縁ストリップ4bと電極アセンブリ1との間の接着面積を最大化して、接続強度を保証する。
【0050】
以下、本願の二次電池の他の実施例について説明する。説明を簡略化するために、以下は主に他の実施例と第1実施例との相違のみを説明し、説明しない部分は第1実施例を参照して理解することができる。
【0051】
図14を参照すると、第2実施例において、絶縁ストリップ4は、三つ設置され、即ち、第1絶縁ストリップ4a、第2絶縁ストリップ4b及び第3絶縁ストリップ4cが設置される。
【0052】
第1絶縁ストリップ4a及び第2絶縁ストリップ4bは、一つの第2面15に設置され、且つ長さ方向Xに沿って間隔を隔てて配置され、第3絶縁ストリップ4cは、他の第2面15に設置される。
【0053】
長さ方向Xにおいて、第1絶縁ストリップ4aにおける第2絶縁ストリップ4bから離れた端部は、電極シート11の一端を超えており、第2絶縁ストリップ4bにおける第1絶縁ストリップ4aから離れた端部は、電極シート11の他端を超えている。長さ方向Xにおいて、第3絶縁ストリップ4cの両端はいずれも電極シート11を超えている。
【0054】
第1実施例に比べて、第2実施例は、絶縁ストリップ4の使用量を低減させ、絶縁ストリップ4により占用される空間を低下させ、二次電池のエネルギー密度を向上させることができる。
【0055】
図15を参照すると、第3実施例において、絶縁ストリップ4は、四つ設置され、即ち、第1絶縁ストリップ4a、第2絶縁ストリップ4b、第3絶縁ストリップ4c及び第4絶縁ストリップ4dが設置される。
【0056】
第1絶縁ストリップ4a及び第2絶縁ストリップ4bは、一つの第2面15に設置され、且つ長さ方向Xに沿って間隔を隔てて配置され、第3絶縁ストリップ4c及び第4絶縁ストリップ4dは、他の第2面15に設置され、且つ長さ方向Xに沿って間隔を隔てて配置される。
【0057】
長さ方向Xにおいて、第1絶縁ストリップ4aにおける第2絶縁ストリップ4bから離れた端部は、電極シート11の一端を超えており、第2絶縁ストリップ4bにおける第1絶縁ストリップ4aから離れた端部は、電極シート11の他端を超えている。長さ方向Xにおいて、第3絶縁ストリップ4cにおける第4絶縁ストリップ4dから離れた端部は、電極シート11の一端を超えており、第4絶縁ストリップ4dにおける第3絶縁ストリップ4cから離れた端部は、電極シート11の他端を超えている。
【0058】
第2実施例に比べて、第3実施例は、絶縁ストリップ4の使用量をさらに低減させることができる。
【0059】
図16及び
図17を参照すると、第4実施例において、電極アセンブリ1は積層式構造である。具体的には、複数の電極シート11は厚さ方向Zに沿って順に積層され、セパレータ13は隣接する電極シート11を分離させる。
【0060】
電極シート11の間の位置ずれを低減するために、セパレータ13は電極アセンブリ1の最外周に1~2回巻回されることができる。セパレータ13が巻回される末尾は、終了線Lを形成し、絶縁ストリップ4の第1部分41は、終了線Lの一部を覆って、セパレータ13の分散を回避することができる。
【国際調査報告】