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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】低消費電力フリップフロップ回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 3/012 20060101AFI20220728BHJP
   H03K 3/037 20060101ALI20220728BHJP
   H03K 3/3562 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
H03K3/012
H03K3/037
H03K3/3562 625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020568503
(86)(22)【出願日】2019-08-31
(85)【翻訳文提出日】2021-02-05
(86)【国際出願番号】 US2019049248
(87)【国際公開番号】W WO2020247005
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】16/431,692
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520478770
【氏名又は名称】リトル ドラゴン アイピー ホールディング エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】LITTLE DRAGON IP HOLDING LLC
【住所又は居所原語表記】19365 Melinda Circle,Saratoga,California 95070,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100178434
【弁理士】
【氏名又は名称】李 じゅん
(72)【発明者】
【氏名】マオ ミンミン
【テーマコード(参考)】
5J300
【Fターム(参考)】
5J300AA03
5J300AA05
5J300QA03
5J300QA05
5J300SB01
5J300TB03
(57)【要約】
本明細書において、フリップフロップ回路の各態様について記載されている。例として、これらの態様は、パスゲート、パスゲートインバータ、リーク補償ユニット、及びインバータを含んでもよい。パスゲートは、フリップフロップデータ入力端子と第1のノードとの間に結合されていてもよい。パスゲートインバータ及びインバータは、第1のノードとフリップフロップデータ出力端子との間に順次接続されていてもよい。リーク補償ユニットは、第1のノードとフリップフロップデータ出力端子との間に、パスゲートインバータ及びインバータと並列に接続されていてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリップフロップ回路であって、
フリップフロップデータ入力端子及びフリップフロップデータ出力端子と、
第1のクロック信号と、前記第1のクロック信号の反転信号である第2のクロック信号とを提供するクロック端子と、
前記フリップフロップデータ入力端子と第1のノードとの間に結合されたパスゲートであって、それぞれ前記第1のクロック信号と前記第2のクロック信号に接続された第1のPチャネルゲート端子と第1のNチャネルゲート端子とを含む前記パスゲートと、
前記第1のノードと第2のノードとの間に結合されたパスゲートインバータであって、第1のPチャネルトランジスタ、第2のPチャネルトランジスタ、第1のNチャネルトランジスタ、及び第2のNチャネルトランジスタを含み、前記第1のPチャネルトランジスタ及び前記第2のNチャネルトランジスタが前記第1のノードに接続されており、前記第2のPチャネルトランジスタが前記第2のクロック信号に接続されており、前記第1のNチャネルトランジスタが前記第1のクロック信号に接続されている前記パスゲートインバータと、
前記第2のノードと前記フリップフロップデータ出力端子との間に接続されたインバータと、
前記第1のノードと前記フリップフロップデータ出力端子との間に結合された1つまたは複数のリーク補償ユニットであって、1つまたは複数のリーク補償ユニットのそれぞれが第3のPチャネルトランジスタ及び第3のNチャネルトランジスタを含む前記1つまたは複数のリーク補償ユニットと、
を含むことを特徴とする、前記フリップフロップ回路。
【請求項2】
前記第1のPチャネルトランジスタのドレイン端子は前記第1のノードに接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項3】
前記第2のNチャネルトランジスタのドレイン端子は前記第1のノードに接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項4】
前記第2のPチャネルトランジスタのドレイン端子は前記第2のクロック信号に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項5】
前記第1のNチャネルトランジスタのドレイン端子は前記第1のクロック信号に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項6】
前記第3のPチャネルトランジスタ及び前記第3のNチャネルトランジスタのドレイン端子は前記フリップフロップデータ出力端子に接続されており、
前記第3のPチャネルトランジスタは前記第1のノードに接続されており、前記第3のNチャネルトランジスタは前記フリップフロップデータ出力端子に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項7】
前記第3のPチャネルトランジスタ及び前記第3のNチャネルトランジスタのドレイン端子は前記フリップフロップデータ出力端子に接続されており、
前記第3のNチャネルトランジスタは前記第1のノードに接続されており、前記第3のPチャネルトランジスタは前記フリップフロップデータ出力端子に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項8】
前記第3のPチャネルトランジスタ及び前記第3のNチャネルトランジスタのドレイン端子は前記第1のノードに接続されており、
前記第3のNチャネルトランジスタは前記第1のノードに接続されており、前記第3のPチャネルトランジスタは前記フリップフロップデータ出力端子に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項9】
前記第3のPチャネルトランジスタ及び前記第3のNチャネルトランジスタのドレイン端子は前記第1のノードに接続されており、
前記第3のPチャネルトランジスタは前記第1のノードに接続されており、前記第3のNチャネルトランジスタは前記フリップフロップデータ出力端子に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項10】
前記1つまたは複数のリーク補償ユニットは順次接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【請求項11】
前記1つまたは複数のリーク補償ユニットは並列に接続されていることを特徴とする、請求項1に記載のフリップフロップ回路。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フリップフロップ(flip-flop)とは、「ハイ」値(ハイパワー又はロジック値が1の場合)又は「ロー」値(ローパワー又はロジック値が0の場合)のいずれかを格納する順序回路(sequence circuit)を指す場合がある。フリップフロップは、1つまたは複数の入力信号の値に依存する次の値を格納することができる。従来、フリップフロップには、データ、クロック、セット及び/又はリセット入力信号が含まれている。
【0002】
データ(通常はDと表記)入力信号は、通常、所定のクロックエッジを受信すると、クロックによりフリップフロップに記録される。セット(通常はSと表記)とリセット(通常はRと表記)入力信号は、通常、クロックにより記録されないものであり、これは、セット又はリセット信号がアクティブになる(例えば、ハイになる)と、クロックエッジの到来を待たずに格納されている値が即座に変化することを意味する。フリップフロップは通常、マスター・スレーブラッチ構造である。各ラッチは、ロジック値がハイ又はロジック値がローのいずれかの段階(エッジではない)でアクティブ(トランスペアレント)になる。立ち上がり(トリガー)エッジでは、マスターラッチが入力をラッチしてデータ値を格納し、スレーブラッチがアクティブ(トランスペアレント)になり、該値を出力に渡す。マスターラッチのアクティブフェーズが0であると仮定すると、立ち下がりエッジでは、マスターラッチがアクティブ(トランスペアレント)になって次の値を受け入れ、スレーブラッチはマスターラッチによってラッチされたものをラッチして、マスターラッチに格納されていた値を出力し続ける。したがって、出力は各トリガーエッジでのみ変更される。アクティブなセット信号は、以前に格納されていた値にもかかわらず、格納されている値(通常はQと表記)を強制的にハイにする。アクティブなリセット信号は、以前に格納されていた値にもかかわらず、格納されている値Qを強制的にローにする。セット/リセットフリップフロップ(即ち、セットとリセット入力信号の両方を持つフリップフロップ)では、通常、セットとリセット信号が制限されているため、任意の所定時間で、最大でもどちらか一方がアクティブになることが可能である。フリップフロップはモデムデジタル設計の基本的な構成要素であるため、消費電力と面積を最小限に抑える必要がある。従来のフリップフロップ設計と比較して、消費電力と面積を削減する新しいフリップフロップが提案されている。
【発明の概要】
【0003】
以下は、1つ以上の態様の簡略的な概要を示し、これによりこれらの態様に対する基本的な理解を提供する。この概要は、考えられる全ての概念的な面を包括的に概観したものではなく、全ての態様の肝心な要素および重要な要素を指摘することを意図したものでもなく、また、それらのいずれか又は全ての態様の範囲を描くことを意図したものでもない。その唯一の目的は、1つ以上の態様の概念の一部を簡略化した形で示すことであり、以下に示すより詳細な説明につながる。
【0004】
本明細書は、フリップフロップ回路の例を示している。例示的なフリップフロップ回路は、フリップフロップデータ入力端子と、フリップフロップデータ出力端子とを含んでもよい。該例示的なフリップフロップ回路は、第1のクロック信号、及び該第1のクロック信号の反転信号(inversion signal)である第2のクロック信号を提供するクロック端子をさらに含んでもよい。さらに、例示的なフリップフロップ回路は、フリップフロップデータ入力端子と第1のノードとの間に結合されたパスゲートを含んでもよい。該パスゲートは、第1のPチャネルゲート端子と第1のNチャネルゲート端子とを含んでもよい。該第1のPチャネルゲート端子及び該第1のNチャネルゲート端子は、それぞれ該第1のクロック信号及び該第2のクロック信号に接続されてもよい。
【0005】
該例示的なフリップフロップ回路は、該第1のノードと第2のノードとの間に結合されたパスゲートインバータをさらに含んでもよい。該パスゲートインバータは、第1のPチャネルトランジスタ、第2のPチャネルトランジスタ、第1のNチャネルトランジスタ、及び第2のNチャネルトランジスタを含んでもよい。該第1のPチャネルトランジスタ及び該第2のNチャネルトランジスタは、該第1のノードに接続されていてもよい。該第2のPチャネルトランジスタは該第2のクロック信号に接続されてもよく、該第1のNチャネルトランジスタは該第1のクロック信号に接続されてもよい。
【0006】
該例示的なフリップフロップ回路は、該第2のノードと該フリップフロップデータ出力端子との間に接続されたインバータをさらに含んでもよい。
【0007】
よりさらには、該例示的なフリップフロップ回路は、該第1のノードと該フリップフロップデータ出力端子との間に結合された1つまたは複数のリーク補償ユニットを含んでもよい。該リーク補償ユニットの各々は、第3のPチャネルトランジスタと第3のNチャネルトランジスタとを含んでもよい。
【0008】
前述及び関連する目的を達成するために、1つまたは複数の態様は、以下に完全に記載され、特許請求の範囲に特に記載されている特徴を含む。以下の説明及び添付の図面は、1つまたは複数の態様の特定の例示的な特徴を詳細に示す。しかしながら、これらの特徴は、様々な態様の原理が採用され得る様々な方法の一部を示しているにすぎず、本明細書は、そのような全ての態様及びそれらの均等物を含むことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下、開示された態様を説明するために提供され、開示された態様を限定するものではなく、類似の符号が類似の要素を示す、添付の図面と併せて、開示された態様を説明する。
図1】従来のフリップフロップ回路を示すブロック図である。
図2】別の従来のフリップフロップ回路を示すブロック図である。
図3】別の従来のフリップフロップ回路を示すブロック図である。
図4】本発明の一実施例におけるフリップフロップ回路を示すブロック図である。
図5図4のフリップフロップ回路の信号を示すタイミング図である。
図6】本発明の1つまたは複数の実施例におけるフリップフロップ回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここにおいて、図面を参照しながら様々な態様について説明する。以下の説明では、説明という目的のために、1つ以上の態様の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、これらの態様は、これらの具体的な詳細がなくても実施可能であることは明らかであろう。
【0011】
フリップフロップ回路は、パスゲートによって分離された2つのラッチを含むように設計されていてもよい。例えば、図1は、順次結合されたパスゲート102、ラッチ120、パスゲート106、及びラッチ122を含む従来のフリップフロップ回路100を示している。パスゲート(passgate)は、パス・ゲート(pass gate)又はトランスミッションゲート(transmission gate)と呼ばれることもある。パスゲートのNチャネル端子とPチャネルに結合された信号に応じて、パスゲートは、閉状態(「接続状態」とも呼ばれる)であってもよいし、または開状態であってもよい。例えば、フリップフロップ回路100のパスゲート102は、データ入力端子(図1では「D」として示されている)とラッチ120との間に結合されている。別のパスゲート106はラッチ120とラッチ122との間に結合されている。ラッチ120は、1対の交差結合(cross-coupled)されたインバータ110及び112と、フィードバックでインバータ112に結合されたパスゲート104とを含む。ラッチ120と同様に、ラッチ122は別の対の交差結合されたインバータ114及び116と、インバータ116に結合されたパスゲート108とを含む。図1に示すように、クロック信号CKは、パスゲート102、104、106及び108のそれぞれのNチャネル端子に供給される反転クロック信号CPBを生成するために反転される。反転されたクロック信号CPBは、さらに反転してクロックパルスCPを生成してもよい。クロックパルスCPは、パスゲート102、104、106及び108のそれぞれのPチャネル端子に供給されてもよい。
【0012】
いくつかの例では、図1の従来のフリップフロップ回路は、正しい信号を生成するために適切に機能することができる。しかし、パスゲート104、108及びインバータ112、116は、高電力消費を引き起こす可能性がある。余分な消費電力は、パスゲートとインバータの論理動作によるクロック分配ネットワークへの追加の負荷に由来する。したがって、フィードバック構造を持たない別の従来のフリップフロップ回路が提案されている。
【0013】
図2は、別の従来のフリップフロップ回路200を示すブロック図である。フリップフロップ回路200は、パスゲート202、インバータ204、パスゲート206、及びインバータ208を含んでもよい。パスゲート202、インバータ204、パスゲート206、及びインバータ208は、順次接続されてもよい。図示されているように、フリップフロップ200は、ノードB1とノードB2との間にフィードバック回路を含まない。その結果、ノードB1での電圧がパスゲート202からの、又はパスゲート202へのリークにより不安定になり、フリップフロップ回路200のデータ出力端子(「A2」、「Q」として示す)に誤ったデータ値が発生する可能性がある。
【0014】
図3は、別の従来のフリップフロップ回路300を示すブロック図である。図示されているように、フリップフロップ回路300は、パスゲート302、パスゲートインバータ303、及びインバータ312を含んでもよい。いくつかの例では、パスゲート302、パスゲートインバータ303、及びインバータ312は、順次接続されてもよい。パスゲートインバータ303は、パスゲート302とインバータ312との間に接続されていてもよい。いくつかの例では、パスゲートインバータ303は、2つのPチャネルトランジスタ304、306と、2つのNチャネルトランジスタ308、310とを含んでもよい。Pチャネルトランジスタ304のゲート端子及びNチャネルトランジスタ310のゲート端子はノードB1に接続されてもよい。Pチャネルトランジスタ306のゲート端子は反転クロック信号CPBに接続されてもよく、Nチャネルトランジスタ308のゲート端子はクロック信号CK又はクロックパルスCPに接続されてもよい。
【0015】
また、Pチャネルトランジスタ304のソース端子又はドレイン端子は、電源端子VDDに接続されていてもよい。Nチャネルトランジスタ310のソース端子又はドレイン端子は、接地端子に接続されていてもよい。Pチャネルトランジスタ306とNチャネルトランジスタ308は、そのソース端子又はドレイン端子を介して接続され、ノードB2にさらに接続されていてもよい。
【0016】
フリップフロップ回路300は、フリップフロップ回路200と比較して、より低い消費電力をもたらすことができる。さらに、クロックパルスCP又はクロック信号CKがロー(値が「0」)であり、反転クロック信号CPBがハイ(値が「1」)である時間間隔において、Pチャネルトランジスタ304及び306からのリーク電流は、ノードB2での電圧を増加させる可能性があるが、Nチャネルトランジスタ308及び310からのリーク電流は、ノードB2での電圧を減少させる可能性がある。このように、ノードB2での電圧は、一定期間安定化されてもよい。該期間(period)は、追加のキャパシタンス(capacitance)によって延長されてもよい。しかしながら、ノードB1での電圧を安定化させるためのフィードバック構造がないため、ノードB1での電圧は相対的に不安定になる可能性がある。
【0017】
図4は、本発明の一実施例によるフリップフロップ回路400を示すブロック図である。図示されているように、フリップフロップ回路400は、パスゲート402、リーク補償ユニット404、パスゲートインバータ406、及びインバータ408を含んでもよい。パスゲート402、パスゲートインバータ406、及びインバータ408は、順次接続されてもよい。即ち、パスゲート402は、フリップフロップデータ入力端子と第1のノードB1との間に接続されてもよい。パスゲートインバータ406は、第1のノードB1と第2のノードB2との間に接続されてもよい。インバータ408は、第2のノードB2とフリップフロップデータ出力端子A2/Qとの間に接続されてもよい。リーク補償ユニット404は、フリップフロップデータ出力端子A2/Qと第1のノードB1との間に、パスゲートインバータ406及びインバータ408と並列に接続されてもよい。
【0018】
いくつかの例では、パスゲート402のPチャネル端子はクロックパルスCP信号に結合されてもよく、パスゲート402のNチャネル端子は反転クロック信号CPBに結合されてもよい。
【0019】
パスゲートインバータ306と同様に、パスゲートインバータ406は、Pチャネルトランジスタ410、Pチャネルトランジスタ412、Nチャネルトランジスタ414、及びNチャネルトランジスタ416をさらに含んでもよい。いくつかの例では、Pチャネルトランジスタ410、Pチャネルトランジスタ412、Nチャネルトランジスタ414、及びNチャネルトランジスタ416は、順次接続されてもよい。Pチャネルトランジスタ410のゲート端子及びNチャネルトランジスタ416のゲート端子は第1のノードB1に接続されてもよい。Pチャネルトランジスタ410のソース端子又はドレイン端子は電源端子VDDに接続されてもよく、Nチャネルトランジスタ416のソース端子又はドレイン端子は接地端子に接続されてもよい。
【0020】
さらなる例では、Pチャネルトランジスタ412のゲート端子は、反転クロック信号CPBに接続されてもよく、Nチャネルトランジスタ414のゲート端子は、クロックパルスCPに接続されてもよい。Pチャネルトランジスタ412及びNチャネルトランジスタ414は、ソース端子又はドレイン端子を介して第2のノードB2に接続されてもよい。
【0021】
フリップフロップ回路300とは異なり、フリップフロップ回路400は、第1のノードB1とフリップフロップデータ出力端子A2/Qとの間に接続された少なくとも1つのリーク補償ユニット404を含んでもよい。少なくとも1つの例では、リーク補償ユニット404は、順次接続され得るPチャネルトランジスタ418及びNチャネルトランジスタ420を含んでもよい。Pチャネルトランジスタ418及びNチャネルトランジスタ420のゲート端子は、フリップフロップデータ出力端子A2/Qに接続されていてもよい。Pチャネルトランジスタ418のソース端子又はドレイン端子は、第1のノードB1に接続されていてもよい。
【0022】
クロックパルスCPがハイ(値が「1」)であり、反転クロック信号CPBがロー(値が「0」)である時間間隔(time interval)において、パスゲート402からのリーク電流は、第1のノードB1での電圧を増加させる可能性がある。したがって、第1のノードB1とフリップフロップデータ出力端子A2/Qでの電圧はもはや等しくなくなる可能性があり、これは、リーク補償ユニット404でのリークをさらに引き起こす可能性がある。そして、リーク補償ユニット404でのリークは、第1のノードB1での電圧を低下させる可能性がある。これにより、第1のノードB1での電圧を正しい値に調整することができる。
【0023】
同様に、パスゲート402からのリーク電流により第1のノードB1での電圧が低下すると、第1のノードB1とフリップフロップデータ出力端子A2/Qでの電圧はもはや等しくなくなる可能性がある。リーク補償ユニット404でのリークにより、第1のノードB1での電圧を増加させることができる。その後、第1のノードB1での電圧を同様に正しい値に調整することができる。
【0024】
図5は、図4のフリップフロップ回路の信号を示すタイミング図である。
【0025】
図示されているように、時間点T1よりも以前の時間点では、パスゲートインバータ406からのリーク電流により、ノードB2での電圧は時間点T1まで徐々に低下する可能性がある。時間点T2では、クロック信号CK及びクロックパルスCPがハイ、反転クロック信号CPBがローであるため、パスゲート402でのリーク電流により、第1のノードB1での電圧が低下する可能性がある。
しかし、第1のノードB1とフリップフロップデータ出力端子A2/Qとの電圧差により、リーク補償ユニット404でリークが発生し、さらに第1のノードB1での電圧が低下することを防止することができる(T2とT3との間の点線で示す)。このように、図示されているように、時間点T2から時間点T3までの間、第1のノードB1での電圧をできるだけ高く維持することができる。
【0026】
同様に、時間点T3とT4との間では、パスゲートインバータ406からのリーク電流により、ノードB2での電圧が時間点T4まで徐々に上昇する可能性がある。
【0027】
さらに、時間点T5とT6の間に、クロック信号CKとクロックパルスCPがハイであり、反転クロック信号CPBがローである場合には、パスゲート402でのリーク電流により、第1のノードB1での電圧が上昇する可能性がある。また、第1のノードB1とフリップフロップデータ出力端子A2/Qとの電圧差により、リーク補償ユニット404でリークが発生し、さらに第1のノードB1での電圧が上昇することを防止することができる(T5とT6との間の点線で示す)。
【0028】
図6は、本発明の1つまたは複数の実施例によるフリップフロップ回路600を示すブロック図である。
【0029】
図示されているように、フリップフロップ回路600は、図4に示されるフリップフロップ回路400と同様の構成要素を含んでもよい。フリップフロップ回路600は、1つまたは複数のリーク補償ユニット604を含んでもよい。例えば、リーク補償ユニットは、順次、並列に、又は任意の配置方式で接続されてもよい。リーク補償ユニット604のそれぞれは、Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタを含んでもよい。Pチャネルトランジスタ及びNチャネルトランジスタのゲート端子は、第1のノードB1、フリップフロップデータ出力端子A2/Q又は他のリーク補償ユニットに接続されていてもよい。
【0030】
前述の説明は、当業者が、本明細書に記載された様々な態様を実施できるようにするために提供される。これらの態様に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかになるであろうし、本明細書に定義された一般原則は、他の態様にも適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示された態様に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言記載と整合する完範囲が与えられるものであり、ここで、単数形の要素への参照は、特に明記されない限り、「1つの、そして唯一の」を意味することを意図するものではなく、むしろ「1つ以上」を意味するものである。特に明記されない限り、「いくつか」という用語は、1つまたは複数を意味する。本明細書に記載された様々な態様の要素に対する、当業者に知られているか、又は後に知られるようになる全ての構造的及び機能的均等物は、参照により明示的に本明細書に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されることが意図されている。さらに、本明細書に開示されたものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に提供されることを意図していない。いかなる特許請求の範囲の要素も、その要素が「…のための手段」という文言を用いて明示的に記載されない限り、「手段+機能(means plus function)」として解釈されるべきではない。
【0031】
さらに、用語「又は」は、排他的な「又は」ではなく、包括的な「又は」を意味することが意図されている。つまり、特に明記されていない限り、あるいは文脈から明らかでない限り、「XはA又はBを用いる」という文言は、自然な包括的な置換のいずれかを意味することが意図されている。つまり、「XはA又はBを用いる」という文言は、「XはAを用いる」、「XはBを用いる」、「XはAとBの両方を用いる」のいずれかの場合に満たされることになる。さらに、本願及び添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」及び「an」は、別段の指定がない限り、又は文脈から単数形を意味することが明らかでない限り、一般的には「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】