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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】改良されたヒータープレート
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/14 20060101AFI20220728BHJP
   H05B 3/74 20060101ALI20220728BHJP
   H05B 3/00 20060101ALI20220728BHJP
   F24F 6/02 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
H05B3/14 B
H05B3/74
H05B3/00 310D
F24F6/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563627
(86)(22)【出願日】2019-06-06
(85)【翻訳文提出日】2021-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2019090386
(87)【国際公開番号】W WO2020243955
(87)【国際公開日】2020-12-10
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520376373
【氏名又は名称】ヴィンセント メディカル(ドングアン)マニュファクチャリング シーオー.,エルティーディー.
(71)【出願人】
【識別番号】521241111
【氏名又は名称】ヴィンセント メディカル(ドングアン)テクノロジー シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ユー
(72)【発明者】
【氏名】ス,ジェビン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ハイビン
(72)【発明者】
【氏名】フー,ヂェンシィアン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ,ジュン
【テーマコード(参考)】
3K058
3K092
3L055
【Fターム(参考)】
3K058AA42
3K058BA11
3K058CA23
3K058CA52
3K058CE04
3K058CE13
3K058CE19
3K092PP13
3K092PP20
3K092QA05
3K092QB32
3K092QB33
3K092RF03
3K092RF11
3K092RF22
3K092UA04
3K092VV21
3K092VV40
3L055BC00
3L055CA04
(57)【要約】
本発明の加湿器用のヒータープレートは、上面と、上面とは反対側の底面とを含む熱伝導プレートを備える。温度センサは底面に固定され、熱伝導層は底面に直接固定されている。セラミック加熱素子は熱伝導層に直接固定されている。加湿器および医療機器は、該ヒータープレートを備えてもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)上面と、前記上面とは反対側の底面とを含む熱伝導プレートと、
B)前記底面に固定された温度センサと、
C)前記底面に直接固定された熱伝導層と、
D)前記熱伝導層に直接固定されたセラミック加熱素子と、
を備える、加湿器用のヒータープレート。
【請求項2】
前記温度センサは前記底面に直接固定されている、請求項1に記載のヒータープレート。
【請求項3】
前記底面に分布された複数の加熱素子を備え、且つ、前記温度センサは少なくとも2つの加熱素子の間に位置する、前記請求項のいずれか1項に記載のヒータープレート。
【請求項4】
スロットを更に備え、前記加熱素子は前記スロット内に位置する、前記請求項のいずれか1項に記載のヒータープレート。
【請求項5】
前記底面の下方に位置決めされたスイッチを更に備えるか、または感圧スイッチを更に備えるか、または保護スイッチを更に備える、前記請求項のいずれか1項に記載のヒータープレート。
【請求項6】
加熱回路を更に備え、前記加熱回路はコントローラを備え、前記スイッチは保護スイッチであり、前記コントローラは前記温度センサおよび前記保護スイッチに操作可能に接続され、且つ、前記保護スイッチは前記セラミック加熱素子に操作可能に接続され、且つ、温度が所定点または100℃よりも高いと前記温度センサが検出した場合、前記コントローラは、前記保護スイッチに信号を送り、前記セラミック加熱素子と加熱回路との接続を切断する、請求項5に記載のヒータープレート。
【請求項7】
前記底面に固定された保護プレートを更に備え、前記セラミック加熱素子および前記熱伝導層は前記底面と前記保護プレートとの間に位置する、前記請求項のいずれか1項に記載のヒータープレート。
【請求項8】
前記熱伝導層は、粘着剤熱伝導層であるか、または熱伝導シリコーンシート、熱伝導粘着剤、熱伝導シリコーングリースおよびそれらの組み合わせであるか、または熱伝導シリコーンシート、熱伝導粘着剤およびそれらの組み合わせであるか、または熱伝導シリコーンシートおよび熱伝導粘着剤である、前記請求項のいずれか1項に記載のヒータープレート。
【請求項9】
コントローラおよび電源を更に備え、前記コントローラは、温度センサ、セラミック加熱素子および電源のそれぞれに操作可能に接続されている、前記請求項のいずれか1項に記載のヒータープレート。
【請求項10】
追加センサを更に備える、前記請求項のいずれか1項に記載のヒータープレート。
【請求項11】
追加部材を更に備える、前記請求項のいずれか1項に記載のヒータープレート。
【請求項12】
前記請求項のいずれか1項に記載のヒータープレートを備える、加湿器。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか1項に記載のヒータープレートまたは請求項12に記載の加湿器を備える、医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヒータープレートに関し、より具体的には、加湿空気または加湿気体を提供するためのヒータープレートに関する。
【背景技術】
【0002】
加湿器は、加湿空気または加湿気体を提供する常用の器具およびデバイスである。加湿器は、家屋、病院等で使用され、形が様々である。加湿器は熱または超音波振動を利用することができる。
【0003】
そのため、加湿器および他の医療機器は、通常、ヒータープレートを備え、該ヒータープレートは加熱することで、熱エネルギーを、例えば、水または水を含む容器に伝導することにより、水を蒸発および/または沸騰させる。典型的なヒータープレートは加熱素子を備え、通常、電気加熱素子を備え、最近では、セラミック加熱素子が流行っており、例えば、呼吸加湿器に適用して加湿空気を呼吸する必要のある患者を支援している。例えば、2017年11月21日にTangらに付与されてResMed有限責任公司に譲渡されたUS9821135B2を参照できる。
【0004】
ヒーター、加湿器および医療機器は、通常、例えば、ヒータープレート温度、貯水器内の水位、貯水器の有無、空気の湿度等を検出するために、様々なセンサを備える。多くの場合、ヒータープレートの温度は、間接的な接触または温度の計算により測定される。しかし、このような方法は不正確な可能性があり、温度変化が、例えば、最大10℃あることが現在発見されている。
【0005】
このような温度の変化により、逆に、気体内の湿度が不足したり、または気体内の湿度が高すぎたりする可能性がある。これは、患者にとって気体が熱すぎたり、冷たすぎたりすることにつながる可能性がある。更に、貯水器内の細菌の増殖、および/または全ての水が貯水器から蒸発する場合、貯水器が乾燥するというような他の問題を招く可能性がある。
【0006】
そのため、ヒータープレート温度をより正確に測定することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書の一実施例において、加湿器用のヒータープレートは、上面と、上面とは反対側の底面とを含む熱伝導プレートを備える。温度センサは底面に固定され、熱伝導層は底面に直接固定されている。セラミック加熱素子は熱伝導層に直接固定されている。
【発明の効果】
【0008】
理論によって制限されることなく、発明者は、ヒータープレートの温度を間接的に測定または推定する従来技術は不正確で、例えば、10℃の変化が生じる可能性があることを発見したと考えられる。これは、更に過剰なエネルギー使用、患者にとって熱すぎる加湿空気、患者にとって冷たすぎる加湿空気、十分な湿気がないことで患者にとって乾燥しすぎる加湿空気、過度な湿気を持っていることで呼吸回路内の凝縮が増加するおよび/または前の1分間から次の1分間まで温度が大きく変化する加湿空気を引き起こす可能性がある。これに対し、温度センサをヒータープレートの熱伝導プレートの底面に直接固定し、より好ましくは、複数のセラミック加熱素子の間に固定することにより、本発明は、推定ではなく、ヒータープレートの実温度をより正確に測定することができると考えられる。
また、デバイスのコントローラ/マイクロプロセッサにより、より正確かつよりタイムリーなフィードバックを提供することができる。また、本発明は、より均一に分布された加熱プロファイルを有するヒータープレートを提供できると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のヒータープレートの一実施例の上下反転後の分解図を示す。
図2】本発明のヒータープレートの一実施例の底面の平面図を示す。
図3】ここで有用な電気システムの実施例の模式図を示す。
【0010】
本明細書の図面は、説明のみを目的としており、且つ、必ずしもスケールに従って描画されるわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0011】
特に断りのない限り、全ての測定はいずれもメートル単位で行われる。また、特に説明しない限り、本明細書中の全ての百分率、割合等は重量で計算する。
【0012】
本明細書に使用される、「に固定される」という用語およびそのバリエーションは、2つ以上の項目が必要に応じて直接または間接的に互いに接続されていることを表す。そのため、他の記述がない場合、「に固定される」という用語およびそのバリエーションは、「に直接固定される」および「に間接的に固定される」を含む。
【0013】
本発明の実施例は、熱伝導プレートを備えるヒータープレートに関し、該熱伝導プレートは上面と底面とを含む。底面は上面の反対側となり、底面に固定された温度センサと、底面に直接固定された熱伝導層と、熱伝導層に直接固定されたセラミック加熱素子とを備える。
【0014】
ヒータープレートは、例えば、加湿器/加湿システムまたは医療機器の貯水器内の水を加熱するために使用できる。加湿器、加湿システムおよびヒータープレートを採用する医療機器は、本分野でよく知られている。
【0015】
ヒータープレートの温度を正確に確定するために、温度センサはヒータープレートの一部を形成する熱伝導プレートの底面に固定されている。温度センサは、熱伝導プレートの底面に直接または間接的に固定されてもよい。本明細書の一実施例において、温度センサは熱伝導プレートの底面に直接固定されている。理論によって制限されることがなく、温度センサを底面に固定するまたは底面に直接固定することにより、温度を間接的に測定するおよび/または推定するのではなく、温度をより良く直接測定することができると考えられる。本明細書の一実施例において、温度センサはセラミック加熱素子の近くに位置するか、または、複数のセラミック加熱素子がある場合、温度センサは、少なくとも2つのセラミック加熱素子の間、または複数のセラミック加熱素子の間に位置してもよい。
【0016】
温度センサは、通常、本分野で知られている任意のタイプであってもよい。本明細書の一実施例において、本明細書の温度センサは、負の温度係数(NTC)センサ、正の温度係数(PTC)センサ、白金抵抗温度センサ、デジタル温度センサおよびそれらの組み合わせから選ばれるか、またはNTCセンサである。本明細書の一実施例において、温度センサは、集積回路におけるバンドギャップ温度センサであり、例えば、https://www.sensirion.com/en/から取得できるSensirion湿度および温度センサSHT21である。このような温度センサが所望の温度範囲で良好な安定性および高精度を提供すると考えられる。
【0017】
熱伝導層は、セラミック加熱素子と熱伝導プレートの底面との間の熱伝導を強化する。
典型的には、セラミック加熱素子は硬いが脆いため、セラミック材料でヒータープレートおよび/または熱伝導プレート自体を製造することは推奨されていない。しかし、底面とセラミック加熱素子との間に熱伝導層を配置することにより、これらの部品間の接触をより完全にさせ、更に熱伝導を強化するとともに、ヒータープレートおよび/または熱伝導プレートがセラミック加熱素子を衝撃、湿気等から保護する。本明細書の一実施例において、熱伝導層は粘着剤層であり、シールに寄与するとともに、セラミック加熱素子が底面に強固に固定されることを確保する。本明細書の一実施例において、熱伝導層は、熱伝導シリコーンシート、熱伝導粘着剤、熱伝導シリコーングリース、およびそれらの組み合わせを含むか、または熱伝導シリコーンシート、熱伝導粘着剤、およびそれらの組み合わせを含むか、または熱伝導シリコーンシートおよび熱伝導粘着剤を含む。理論によって制限されることがなく、熱伝導シリコーンシートは、衝撃吸収効果を提供し、加熱素子、特に脆くなる可能性のあるセラミック加熱素子を保護することができる。理論によって制限されることなく、熱伝導シリコーングリースは、経時的に硬くて脆くなることがなく、改善された熱伝導を提供することができると考えられる。
【0018】
セラミック加熱素子は本分野で知られており(LiuのUS4939349を参照し、該特許は1990年7月3日に授権され、台湾の高雄市のUppermost Electronic Industries社に譲渡された)、且つ、様々な形状およびサイズで形成することができる。このようなセラミック加熱素子は、世界中の複数のメーカーから取得でき、且つ、例えば、ストリップまたはプレートの形で、またはストリップの形で、または一連の属性の長いストリップの形で取得できる。本明細書の一実施例において、セラミック加熱素子は、約100W~約250Wのワット数範囲内で有効である。理論によって制限されることがなく、セラミック加熱素子は、高い熱伝導率、小さいサイズ、高効率な発熱および/または長寿命のような1つ以上の利点を提供すると考えられる。
【0019】
しかし、前記のように、セラミック加熱素子は、脆くて低い耐衝撃性を有する。そのため、それらは通常、衝撃、落下等に抵抗する必要があるヒータープレートおよび/または熱伝導プレートの上面を形成することを意図していない。このように、セラミック加熱素子は、通常、底面の一部のみを覆うことで、他の物品、例えば、温度センサを底面に取り付けることも可能となる。本明細書の好ましい実施例において、セラミック加熱素子は、熱伝導プレートの底面に直接または間接的に固定された複数のセラミック加熱素子を備える。本明細書の一実施例において、セラミック加熱素子は底面の周りに一定の間隔で均一に配置されるか、またはリングに配置されるか、または複数の同心円状に配置される。
【0020】
本明細書の一実施例において、ヒータープレートは、複数のセラミック加熱素子、または約2個~約10個のセラミック加熱素子、または約2個~約6個のセラミック加熱素子、または約2個~約4個のセラミック加熱素子、または約2個のセラミック加熱素子を備える。本明細書の一実施例において、セラミック加熱素子は、ストリップの形、または細いストリップの形、または複数のストリップの形、または複数の細いストリップの形である。本明細書の一実施例において、ストリップは、少なくとも1つの面を有するか、または約1つの面~約6つの面を有する。典型的に、各面はいずれも平坦であるが、各面が異なる形状であってもよいし、および/または1つの面が湾曲していてもよいことが認識されるべきである。理論によって制限される意図がなく、底面の周りに均一に分布された複数の加熱素子は、ヒータープレート上でより均一な熱分布を提供することができ、熱伝導プレートはより均一に分布された加熱プロファイルを有し、更に水をより均一に蒸発させると考えらえる。理論によって制限される意図なく、ストリップまたは細いストリップの形のセラミック加熱素子の更なるの利点は、セラミック加熱素子が比較的小さい面積および細い輪郭であることにより、時間の経過に伴ってまたは長い加熱時間内で割れたり壊れたりする可能性が低いことであると考えられる。本明細書の一実施例において、温度センサは複数のセラミック加熱素子の間に位置決めされ、且つ、温度センサおよびセラミック
加熱素子は熱伝導プレートに固定されている。そのため、温度センサは熱伝導プレートの温度を直接検出する。
【0021】
ヒータープレートを用いて、例えば、貯水器内の水を加熱する場合、貯水器が存在するか否かを判別することは通常、重要である。そのため、本明細書の一実施例において、本明細書は、貯水器の有無、および/または貯水器が存在するか否か、正確に配置されているか否かおよび/または正確に取り付けられているか否かを検出するための貯水器センサを備える。貯水器が存在しない、正確に配置されていない、および/または正確に取り付けられていない場合、貯水器センサは、例えば、ヒータープレートの加熱素子回路を物理的または電気的に切断することにより、ヒータープレートのアクティブ化を直接または間接的に防止することができる。
【0022】
また、水が全て蒸発した場合にヒータープレートがアクティブ化されることを防止するために、貯水器内に十分な水があるか否かを判別できることも期待される。そのため、本明細書の一実施例において、ヒータープレートは、水位センサを更に備えるか、または感圧水位センサ、光学水位センサ、水位温度センサ、およびそれらの組み合わせを更に備えるか、または光学水位センサを更に備える。感圧水位センサは、ヒータープレートの底部の下方に位置決めされてもよい。必要に応じて、ヒータープレートに貯水器が配置されていない場合、および/または貯水器内に十分な水が配置されていない場合、感圧水位センサはヒータープレートと物理的に接触してもよいし、接触しなくてもよい。最小重量(即ち、最小水量を含む)の貯水器がヒータープレート上に配置されている場合、ヒータープレートは、スイッチを物理的にアクティブ化するように、降下または落下してもよい。本明細書の一実施例において、スイッチはバネまたは他のデバイスを備え、前記バネまたは他のデバイスは、所定の重量(即ち、貯水器およびその中の水)がヒータープレート上に押し下げられない限り、スイッチを特定の位置にバイアスし、および/またはスイッチの起動を防止する。
【0023】
または、光学水位センサは、ヒータープレートの加熱素子回路のアクティブ化を可能にするように、いつ十分な水が存在するかを検出することができる。別の実施例において、水位温度センサはヒータープレートおよび/または貯水器の温度が、所定の温度、例えば、100℃または101℃または105℃よりも高いか否かを検出することができ、これは、貯水器内の水が不十分であることを表す。
【0024】
一実施例において、デバイスが、貯水器が存在してその中に十分な水が提供されることを満たす場合、ヒータープレートの加熱素子回路が閉鎖され、回路が完全となり、電力が加熱素子に流れる。しかし、該デバイスが、貯水器が存在してその中に十分な水が提供されることを満たさない場合、ヒータープレートの加熱回路は開放され、従って電力が停止し、加熱素子を流れて通過することができない。
【0025】
本明細書の一実施例において、温度センサ、熱伝導層および/または本明細書のセラミック加熱素子がヒータープレートから離れることを防止するために、保護プレートを提供することができる。ここで、本明細書の一実施例において、保護プレートは底面に固定され、従って熱伝導層および/またはセラミック加熱素子を底面と保護プレートとの間に挟み込む。そのため、熱伝導層および/またはセラミック加熱素子は底面と保護プレートとの間に位置する。理論によって制限される意図なく、保護プレートもセラミック加熱素子からの熱をヒータープレートに反射し、ヒータープレートの熱効率を向上させることができると考えられる。理論によって制限される意図なく、更に、熱伝導層も、セラミック加熱素子とヒータープレートの底面との間の短絡による火花の発生機会を減少することができると考えられる。例えば、ヒータープレート、加湿器、医療機器等は、病院または他の環境で適用でき、これらの環境において、患者は正常レベルよりも高い酸素ガス含有量を
必要とする可能性があるため、火花および短絡の回避は特に重要である。
【0026】
本明細書の一実施例において、熱伝導プレート、保護プレートまたは両者は、金属、またはアルミニウム、または鋼、またはアルミニウムと鋼との組み合わせを含んでもよく、金属、またはアルミニウム、または鋼および/またはそれらの組み合わせは効果的に熱伝導し、所望の形状を形成しやすいと考えられる。本明細書の一実施例において、熱伝導プレートはアルミニウム合金で形成され、例えば、米国のバージニア州のアーリントンのアルミニウム協会により定義されたアルミニウム合金AA6061およびアルミニウム合金AA6063で形成され、これらの2種のアルミニウム合金は、世界中の複数のサプライヤーから取得できる。理論によって制限される意図なく、アルミニウム合金はヒータープレートの全体的な熱伝導効率を向上させることができると考えられる。
【0027】
本明細書の一実施例において、加湿器における電源は、電流を制御するスイッチ電源を含む。具体的には、約250Wと高い電力出力を実現する場合、ヒータープレートの電圧は、約24V以下に制御される。これにより、ユーザが感電する機会を減らす。理論によって制限される意図なく、ヒータープレートを流れて通過する電圧が大きすぎ、例えば、約36Vを超えると、このような電撃が発生すると考えられる。
【0028】
典型的に、ヒータープレート、加湿器および/または医療機器は、コントローラを備え、該コントローラは、例えば、プリント回路基板、マイクロコントローラおよび/またはソフトウェアとハードウェアとの組み合わせであってもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせであってもよい。コントローラは、ヒータープレート、加湿器および/または医療機器の様々な機能、入力、出力等を協調する。例えば、コントローラは、スイッチ、水タンクインジケータおよび/または水位センサから信号を受信してセラミック加熱素子に流れる電気を調整することができ、即ち、電気が加熱素子に流れることを可能にするか、または該電気がセラミック加熱素子に流れることを阻止する。コントローラは、更に、例えば、温度センサから温度情報を受信して、セラミック加熱素子に流れるべき電力量を確定して調整することもできる。コントローラは、更に、受信したデータを収集および/または処理し、および/またはワイヤ、可搬型または永続的な記憶デバイス、無線接続等を介してこれらのデータを別のユニットに伝達することができる。
【0029】
図面を参照すると、図1は、本発明のヒータープレート1の一実施例の上下反転後の分解図を示す。ヒータープレート1が有する熱伝導プレート10は、上面12と、上面12とは反対側の底面14とを有する。底面14は温度センサ16を備え、前記温度センサは底面14に直接固定されている。底面14は複数または2つの熱伝導層18を更に備え、前記熱伝導層は底面14に直接固定されている。複数または2つのセラミック加熱素子20は複数または2つの熱伝導層18に直接固定されている。
【0030】
図1において、各セラミック加熱素子20は一対の電気コンタクト22を備え、前記電気コンタクトは、通常、コントローラ(図2における42を参照する)に直接または間接的(例えば、ワイヤを介して)に接続されている。複数の切欠き26およびねじ穴28を含む保護プレート24を提供する。
【0031】
保護プレート24がねじ30を介して底面14に固定されてねじ穴28を介して螺合されている場合、保護プレート24はセラミック加熱素子20および熱伝導層18を覆い、それらを破損および移動から保護する。また、スイッチ32(このような場合、保護スイッチである)は底面14に固定されている。温度センサ16は、ヒータープレートの温度が高すぎると検出した場合、コントローラ(図2における42を参照する)に信号を送信し、保護スイッチにセラミック加熱素子20への電流を遮断させる。または、必要に応じて、スイッチは、例えば、感圧スイッチまたは他のタイプのスイッチであってもよい。
【0032】
通常の場合、ねじ(図示せず)は保護プレート24における切欠き26から突出する。温度センサ16をコントローラ(図2における42を参照する)に接続するおよび/または電気コンタクト22をコントローラ(図2における42を参照する)に接続するワイヤ(図示せず)は、切欠き26から突出してもよい。
【0033】
図1において、底面14は複数のスロット34を更に備える。セラミック加熱素子20のそれぞれは、セラミック加熱素子20の移動を減少するために、いずれもスロット34内に位置して前記スロットに固定されている。スロット34は、複数の面36、または約3つの面36を有してもよい。また、スロットのサイズおよび形状は、セラミック加熱素子がその中に密着して装着されるように、またはセラミック加熱素子の3つの側部が前記スロットの面に接触するように設定される。理論によって制限される意図なく、このような方式により、セラミック加熱素子の少なくとも3つの面がスロットの縁に接触(tough)し、従って底面に接触すると考えられる。これは、また、熱がセラミック加熱素子20から底面14への直接伝達を増加し、従って熱伝導プレート10およびヒータープレート1への直接伝達を増加する。
【0034】
図2は、本発明のヒータープレート1の一実施例の底面14の平面図を示す。保護プレート24は、複数のねじ30を介して熱伝導プレート10の底面14に接続されている。電気コンタクト22が切欠き26から突出するか、または保護プレート24を貫通する(22’を参照)ことが見られる。温度センサ16は底面14に直接取り付けられ、ねじ30を介して固定されている。温度センサ16は、スイッチ32に隣接して固定され、このような場合、スイッチは保護スイッチである。
【0035】
図3は、電気システム40の実施例の模式図を示し、該電気システム40は、ここで医療機器、加湿器および/または熱伝導プレートに適用できる。コントローラ42はスイッチ32を介して複数または2つのセラミック加熱素子20に電気的に操作可能に接続され、前記スイッチは感圧スイッチまたは保護スイッチであってもよい。コントローラ42は、更に温度センサ16、電源44、追加センサ46および追加部材48等に電気的に操作可能に接続されている。
【0036】
ここで有用な追加部材は、例えば、メモリまたはデータ記憶部材、データ伝送用の無線送受信機、別のデバイスへの有線接続、時計等を含む。
【0037】
ここで有用な追加センサ46は、例えば、水位センサ50(例えば、貯水器内に十分な水が存在するか否かを検出するために用いられる)、水タンク検出器52(例えば、貯水器が存在するか否かおよび/または適当に取り付けられている/固定されているか否かを検出するために用いられる)、環境温度センサ、湿度センサ、空気流量センサ、空気速度センサ、心拍センサ、およびそれらの組み合わせを含むか、または水位センサ50、水タンク検出器52、環境温度センサ、湿度センサ、およびそれらの組み合わせを含むか、または水位センサ50、水タンク検出器52、環境温度センサ、およびそれらの組み合わせを含む。
【0038】
以上は、本発明の実施可能な例のみを示して記述しており、本発明の精神から逸脱しない場合、修正および/または変更を行ってもよいことが理解されるべきである。
【0039】
明確にするために、別々の実施例の背景で記述された本発明のいくつかの特徴は、組み合わせて単一の実施例に提供されてもよいことが更に理解されるべきである。逆に、簡潔にするために、単一の実施例の背景で記述された本発明の様々な特徴も別々に提供されてもよいし、任意の適当なサブコンビネーションで提供されてもよい。
【0040】
本明細書に具体的に引用される全ての参照文献は、ここで全て参照として組み込まれる。しかし、このような参照文献の引用または組み込みが、本発明の従来技術としての適当性、引用可能性および/または使用可能性を認めるとは限らない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】