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特表2022-534923HTLV-1ウイルス感染を治療するための方法および組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】HTLV-1ウイルス感染を治療するための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/704 20060101AFI20220728BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 31/14 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 33/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61K 31/19 20060101ALI20220728BHJP
   A61K 31/56 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
A61K31/704
A61P17/00
A61P19/02
A61P25/00
A61P27/02
A61P31/14
A61P33/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/02
A61P29/00 101
A61P29/00
A61K31/19
A61K31/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021570338
(86)(22)【出願日】2020-05-11
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 US2020032378
(87)【国際公開番号】W WO2020242752
(87)【国際公開日】2020-12-03
(31)【優先権主張番号】62/853,838
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508025518
【氏名又は名称】フェニックス・バイオテクノロジー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】ニューマン ロバート エイ
(72)【発明者】
【氏名】アディントン オーティス シー
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA08
4C086EA19
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA55
4C086MA57
4C086MA65
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA33
4C086ZA89
4C086ZA96
4C086ZB07
4C086ZB11
4C086ZB15
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZB33
4C086ZB38
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA13
4C206MA02
4C206MA04
4C206MA75
4C206MA77
4C206MA85
4C206NA14
4C206ZA01
4C206ZA33
4C206ZA89
4C206ZA96
4C206ZB07
4C206ZB11
4C206ZB15
4C206ZB26
4C206ZB27
4C206ZB33
4C206ZB38
(57)【要約】
HTLV-1ウイルス感染を治療する方法。少なくとも1つの強心配糖体を有する組成物が、ウイルス感染を治療するために使用される。組成物は、少なくとも1つのトリテルペンをさらに含み得る。あるいは、組成物は、少なくとも1つの強心配糖体、および少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つのトリテルペンの組み合わせを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
HTLV-1ウイルス感染を治療する方法であって、オレアンドリンを含む1回以上の用量の抗ウイルス組成物を、治療を必要とする対象に慢性的に投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記対象が前記ウイルス感染を有するかどうかを判定することと、
前記抗ウイルス組成物の投与を指示することと、
処方された初期投与計画に従って一定期間、抗ウイルス組成物の初期用量を前記対象に投与することと、
前記抗ウイルス組成物による治療に対する対象の臨床応答および/または治療応答の妥当性を定期的に判定することと、
前記対象の臨床応答および/または治療応答が妥当である場合、所望の臨床エンドポイントが達成されるまで、必要に応じて前記抗ウイルス組成物による治療を継続すること、または
前記対象の臨床応答および/または治療応答が前記初期用量および初期投与計画で妥当でない場合、前記対象の所望の臨床応答および/または治療応答が達成されるまで、前記用量を漸増または漸減させることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、前記方法が前記HTLV-1ウイルス感染に関連する状態または神経炎症性疾患を治療する方法であり、前記状態または神経炎症性疾患が、脊髄症/熱帯性痙性対麻痺(HAM/TSP)、成人T-細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、自己免疫状態、炎症状態、感染性皮膚炎、関節リウマチ、ブドウ膜炎、角結膜炎、乾燥症候群、シェーグレン症候群、および糞線虫(Strongyloides stercoralis)からなる群から選択される、方法。
【請求項4】
治療を必要とする対象においてHTLV-1ウイルス感染を治療する方法であって、a)オレアンドリンもしくはジゴキシンから選択される強心配糖体;またはb)前記強心配糖体および複数のトリテルペンの組み合わせを含む1回以上の用量の抗ウイルス組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項5】
前記対象が前記ウイルス感染を有するかどうかを判定することと、
前記抗ウイルス組成物の投与を指示することと、
処方された初期投与計画に従って一定期間、抗ウイルス組成物の初期用量を前記対象に投与することと、
前記抗ウイルス組成物による治療に対する対象の臨床応答および/または治療応答の妥当性を定期的に判定することと、
前記対象の臨床応答および/または治療応答が妥当である場合、所望の臨床エンドポイントが達成されるまで、必要に応じて前記抗ウイルス組成物による治療を継続すること、または
前記対象の臨床応答および/または治療応答が前記初期用量および初期投与計画で妥当でない場合、前記対象の所望の臨床応答および/または治療応答が達成されるまで、前記用量を漸増または漸減させることと、を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
HTLV-1ウイルス感染に罹るリスクのある対象を治療する予防方法であって、前記対象が前記ウイルス感染に罹る前に長期治療期間にわたって繰り返しの頻度で1回以上の用量の抗ウイルス組成物を前記対象に慢性的に投与し、それによって前記対象が前記ウイルス感染に罹ることを予防することを含み、前記抗ウイルス組成物が、a)オレアンドリンもしくはジゴキシンから選択される強心配糖体;またはb)前記強心配糖体および複数のトリテルペンの組み合わせを含む、方法。
【請求項7】
前記強心配糖体がオレアンドリンである、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のトリテルペンが、オレアノール酸(その遊離酸、塩、プロドラッグまたは誘導体)、ウルソール酸(その遊離酸、塩、プロドラッグまたは誘導体)、ベツリン酸(その遊離酸、塩、プロドラッグまたは誘導体)からなる群から選択される少なくとも2つのトリテルペンである、請求項4~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
請求項4~8のいずれか一項に記載の方法であって、前記方法が前記HTLV-1ウイルス感染に関連する状態または神経炎症性疾患を治療する方法であり、前記状態または神経炎症性疾患が、脊髄症/熱帯性痙性対麻痺(HAM/TSP)、成人T-細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、自己免疫状態、炎症状態、感染性皮膚炎、関節リウマチ、ブドウ膜炎、角結膜炎、乾燥症候群、シェーグレン症候群、および糞線虫(Strongyloides stercoralis)からなる群から選択される、方法。
【請求項10】
前記抗ウイルス組成物が、a)オレアンドリン、オレアノール酸(その遊離酸、塩、プロドラッグまたは誘導体)およびウルソール酸(その遊離酸、塩、プロドラッグまたは誘導体);b)オレアンドリン、オレアノール酸(その遊離酸、塩、プロドラッグまたは誘導体)およびベツリン酸(その遊離酸、塩、プロドラッグまたは誘導体);c)オレアンドリン、オレアノール酸(その遊離酸、塩、プロドラッグまたは誘導体)、ウルソール酸(その遊離酸、塩、プロドラッグまたは誘導体)およびベツリン酸(その遊離酸、塩、プロドラッグまたは誘導体);d)を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記対象の血液または血漿中のウイルス力価が、前記治療の結果として低減されるかまたは増加しない、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
1回以上の用量が、毎日、毎週、または毎月の頻度で投与される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記投与が、非経口、頬側、経腸、筋肉内、皮下、舌下、経口、口腔投与、またはそれらの組み合わせである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記抗ウイルス組成物が、前記強心配糖体または前記強心配糖体および複数のトリテルペンの組み合わせを含む抽出物を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記抗ウイルス組成物が、水溶性(または水混和性)共溶媒、水不溶性(水不混和性)共溶媒、抗酸化剤、および/または界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1つの薬学的賦形剤をさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの水混和性溶媒、少なくとも1つの抗酸化剤、および少なくとも1つの可溶化剤が存在する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
対象におけるHTLV-1ウイルス感染の治療のための医薬品の製造における、本明細書に記載される1つ以上の抗ウイルス組成物の使用。
【請求項18】
HTLV-1ウイルス感染の治療における、本明細書に記載される1つ以上の抗ウイルス組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府による支援研究に関する記述
本発明は、国立がん研究所/国立衛生研究所(NIH)によってRobert Harrold博士に授与された認可番号1R15CA202265-01A1の下で、政府支援によってなされた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
本発明は、哺乳動物におけるフラビウイルス感染、トガウイルス感染またはフィロウイルス感染を治療するための抗ウイルス組成物およびその使用に関する。いくつかの実施形態は、出血性ウイルス感染の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
Nerium種のメンバーであるNerium oleanderは、亜熱帯アジア、米国南西部、および地中海に広く分布する観賞植物である。その医学的および毒物学的特性は、長い間認識されてきた。例えば、痔疾、潰瘍、ハンセン病、ヘビ咬傷、癌、腫瘍、神経障害、および細胞増殖性疾患の治療での使用が提案されている。
Nerium種の植物からの構成成分の抽出は、伝統的に、沸騰水、冷水または有機溶媒を使用して実施されている。
【0003】
市販のANVIRZEL(商標)(OzelのUS5,135,745)は、Nerium oleanderの熱水抽出物の濃縮形態または粉末形態を含む。Mullerら(Pharmazie.(1991)Sept.46(9),657-663)は、Nerium oleanderの水抽出物の分析に関する結果を開示している。それらは、存在する多糖類が主にガラクツロン酸であることを報告している。他の糖類には、ラムノース、アラビノース、およびガラクトースが含まれる。Nerium oleanderの熱水抽出物内の多糖類含有量および多糖類の個々の糖組成物もまた、Newmanら(J.Herbal Pharmacotherapy,(2001)vol1,pp.1-16)によって報告されている。Selvarajらの米国特許第5,869,060号は、Nerium種の抽出物および生成の方法に関する。抽出物を調製するために、植物材料を水に入れて沸騰させる。次いで、粗抽出物を植物から分離し、濾過によって滅菌する。次いで、得られた抽出物は、凍結乾燥され、粉末を生成することができる。米国特許第6,565,897号(米国登録前第20020114852号およびSelvarajらのPCT国際公開第2000/016793号)は、実質的に減菌の抽出物の調製のための熱水抽出プロセスを開示している。
Erdemogluら(J.Ethnopharmacol.(2003)Nov.89(1),123-129)は、抗侵害受容作用および抗炎症作用に基づいて、Nerium oleanderを含む植物の水性抽出物およびエタノール抽出物の比較結果を開示している。
【0004】
Nerium oleanderの有機溶媒抽出物もまた、Adomeら(Afr.Health Sci.(2003)Aug.3(2),77-86;ethanolic extract)、el-Shazlyら(J.Egypt Soc.Parasitol.(1996),Aug.26(2),461-473;ethanolic extract)、Begumら(Phytochemistry(1999)Feb.50(3),435-438;methanolic extract)、Ziaら(J.Ethnolpharmacol.(1995)Nov.49(1),33-39;methanolic extract)、およびVlasenkoら(Farmatsiia.(1972)Sept.-Oct.21(5),46-47;alcoholic extract)によって開示される。
【0005】
Nerium種の超臨界流体抽出物は、知られており(US8394434、US8187644、US7402325)、神経障害(US8481086、US9220778、US9358293、US20160243143A1)および細胞増殖性障害(US8367363)を治療することにおいて有効性が示されている。
トリテルペンは、幅広い様々な治療活性を有することが知られている。既知のトリテルペンのいくつかには、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、バルドキソロン、マスリン酸などが含まれる。トリテルペンの治療活性は、トリテルペンの組み合わせとしてではなく、主に個別に評価されている。
【0006】
オレアノール酸は、バルドキソロンなどの化合物に代表されるトリテルペノイドのクラスに属し、それは、転写因子Nrf2の活性化が抗酸化転写応答要素(ARE)を含む下流の抗酸化遺伝子のプログラムの転写増加につながる自然細胞相2解毒経路の強力な活性化因子であることが示されている。バルドキソロン自体は、炎症状態の臨床試験で広く調査されているが、しかしながら、高められた濃度のバルドキソロンを含むある特定のトリテルペノイドの既知の細胞毒性に関連している可能性がある有害事象のため、慢性腎臓疾患の第3相臨床試験は終了した。
【0007】
他の治療成分と組み合わせてトリテルペンを含む組成物は、植物抽出物として見出される。Fumikoら(Biol.Pharm.Bull(2002),25(11),1485-1487)は、トリパノソーマ症を治療するためのRosmarimus officinalis L.のメタノール抽出物の評価を開示している。Addingtonら(US8481086、US9220778、US9358293、US2016/0243143A1)は、神経学的状態の治療のためのオレアンドリンおよびトリテルペンを含むNerium oleanderの超臨界流体抽出物(SCF;PBI-05204)を開示している。Addingtonら(US9011937、US2015/0283191A1)は、神経学的状態の治療のためのオレアンドリンおよびトリテルペンを含むNerium oleanderのSCF抽出物のトリテルペン含有画分(PBI-04711)を開示している。Jagerら(Molecules(2009),14,2016-2031)は、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、および他の構成成分の混合物を含む様々な植物抽出物を開示している。Mishraら(PLoS One 2016 25;11(7):e0159430.Epub 2016 Jul 25)は、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、および他の構成成分の混合物を含むBetula utilis樹皮の抽出物を開示している。Wangら(Molecules(2016),21,139)は、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、および他の構成成分の混合物を含むAlstonia scholarisの抽出物を開示している。L.e Silvaら(Molecules(2012),17,12197)は、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、および他の構成成分の混合物を含むEriope blanchettiの抽出物を開示している。Ruiら(Int.J.Mol.Sci.(2012),13,7648-7662)は、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、および他の構成成分の混合物を含むEucaplyptus globulusの抽出物を開示している。Ayatollahiら(Iran.J.Pharm.Res.(2011),10(2),287-294)は、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、および他の構成成分の混合物を含むEuphorbia microsciadiaの抽出物を開示している。Wuら(Molecules(2011),16,1-15)は、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、および他の構成成分の混合物を含むLigustrum種の抽出物を開示している。Leeら(Biol.Pharm.Bull(2010),33(2),330)は、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、および他の構成成分の混合物を含むForsythia viridissimaの抽出物を開示している。
【0008】
オレアノール酸(OまたはOA)、ウルソール酸(UまたはUA)、およびベツリン酸(BまたはBA)は、PBI-05204(PBI-23;Nerium oleanderの超臨界流体抽出物)およびPBI-04711(PBI-05204のトリテルペン含有画分0~4)に見出される3つの主要なトリテルペン構成成分である。発明者ら(本発明者のうちの2名)は、同様の濃度で脳スライス酸素グルコース欠乏(OGD)モデルアッセイにおいてそれらの神経保護活性を比較することによる有効性に向けたトリテルペンの寄与について、以前に報告した(Van KaneganらのNature Scientific Reports(May 2016),6:25626.doi:10.1038/srep25626)。PBI-05204(PBI)およびPBI-04711(画分0~4)は、神経保護活性を提供することを見出した。
【0009】
Nerium種の抽出物は、強心配糖体、グリコン、ステロイド、トリテルペン、多糖類などの多数の異なるクラスの化合物を含むことが知られている。特定の化合物には、オレアンドリン;ネリタロシド;オドロシド;オレアノール酸;ウルソール酸;ベツリン酸;オレアンドリゲニン(oleandrigenin);オレアシドA;ベツリン(ウルス-12-エン-3-β,28-ジオール);28-ノルウルス-12-エン-3-β-オール;ウルス-12-エン-3β-オール;3β,3β-ヒドロキシ-12-オレアネン-28-オイック酸;3β,20α-ジヒドロキシウルス-21-エン-38-オイック酸;3β,27-ジヒドロキシ-12-ウルセン-38-オイック酸;3β,13β-ジヒドロキシウルス-11-エン-28-オイック酸;3β,12α-ジヒドロキシオレアナン-28,13β-オリド;3β,27-ジヒドロキシ-12-オレアナン-28-オイック酸;およびその他の構成成分が挙げられる。
【0010】
ウイルス性出血熱(VHF)は、アレナウイルス科、ブニヤウイルス科、フィロウイルス科、フラビウイルス科、およびパラミクソウイルス科の5つの異なるウイルス科によって引き起こされ得る。フィロウイルス、例えば、エボラウイルス(EBOV)およびマールブルグウイルス(MARV)は、人間に知られている最も病原性の高いウイルスであり、致死率が最大90%のウイルス性出血熱の発生の原因物質である。各ビリオンは、一本鎖マイナスセンスRNAの1つの分子を含む。支持療法または対症療法以外に、EBOV(エボラウイルス)およびMARV(マールブルグウイルス)感染、すなわちフィロウイルス感染の治療に利用可能な市販の治療効果のある薬物および予防薬は存在しない。5つの種のエボラウイルスが特定されている:タイフォレスト(以前のコートジボワール)、スーダン、ザイール、レストン、およびブンディブギョ。
フラビウイルスは、プラス一本鎖エンベロープRNAウイルスである。それらは、節足動物、主にダニおよび蚊に見出され、世界中で広範囲の罹患率および死亡率を引き起こす。蚊が媒介するウイルスのいくつかには、黄熱病、デング熱、日本脳炎、西ナイルウイルス、およびジカウイルスが含まれる。ダニ媒介性ウイルス感染には、ダニ媒介性脳炎、キャサヌール森林病、アルフルマ(Alkhurma)病、オムスク出血熱が含まれる。出血性感染ではないが、ポワッサンウイルスはフラビウイルスである。
【0011】
オレアンドリンおよびNerium oleanderの抽出物は、HIV-1のgp120エンベロープ糖タンパク質が、成熟ウイルス粒子へと組み込まれるのを予防し、インビトロでウイルスの感染性を阻害することが示されている(Singhら、Fitoterapia(2013)84,32-39の“Nerium oleander derived cardiac glycoside oleandrin is a novel inhibitor of HIV infectivity”)。
オレアンドリンは、抗HIV活性を示したが、多くのウイルスに対して評価されていない。トリテルペンのオレアノール酸、ベツリン酸、およびウルソール酸は、異なるレベルの抗ウイルス活性を示すことが報告されているが、多くのウイルスに対して評価されていない。ベツリン酸は、HSV-1株1C、インフルエンザA H7N1、ECHO 6、およびHIV-1に対するいくつかの抗ウイルス活性を示している。オレアノール酸は、HIV-1、HEP C、およびHCV H株NS5Bに対していくつかの抗ウイルス活性を示している。ウルソール酸は、HIV-1、HEP C、HCV H株NS5B、HSV-1、HSV-2、ADV-3、ADV-8、ADV-11、HEP B、ENTV CVB1、およびENTV EV71に対していくつかの抗ウイルス活性を示している。オレアンドリン、オレアノール酸、ウルソール酸、およびベツリン酸の抗ウイルス活性は、特定のウイルスに対する有効性に関しては予測不可能である。オレアンドリン、オレアノール酸、ウルソール酸、および/またはベツリン酸が抗ウイルス活性をほとんどまたはまったく有さないウイルスが存在し、それはオレアンドリン、オレアノール酸、ウルソール酸、および/またはベツリン酸が特定の属のウイルスに対して抗ウイルス活性を示すかどうかを先験的に予測できないことを意味する。
【0012】
Barrowsら(Cell Host Microbe(2016),20,259-270の“A screen of FDA-approved drugs for inhibitors of Zikavirus infection”)は、ジゴキシンがジカウイルスに対する抗ウイルス活性を示すが、用量が高すぎて毒性がある可能性が高いことを報告している。Cheungら(Antiviral Res.(2014)111,93-99の“Antiviral activity of lanatoside C against dengue virus infection”)は、ラナトシドCがデングウイルスに対する抗ウイルス活性を示すことを報告している。
【0013】
ヒトT-リンパ好性ウイルス1型(HTLV-1)は、レトロウイルス科およびデルタレトロウイルス属のファミリーに属するレトロウイルスである。これは、DNAに逆転写され、次いで、細胞のDNAに統合されるプラスセンスRNAゲノムを有する。統合されると、HTLV-1は、ウイルスのシナプスを介して細胞から細胞へと広がることができるプロウイルスとしてのみ存在し続ける。存在する場合、いくつかの無細胞ビリオンが生成され、通常、検出可能なウイルスは血漿に存在しないが、ウイルスは、生殖器分泌物に存在する。HTLV-1は、主にCD4+T-リンパ球に感染し、とりわけ感染性皮膚炎、関節リウマチ、ブドウ膜炎、角結膜炎乾燥症候群、シェーグレン症候群およびHAM/TSPを含むいくつかの自己免疫/炎症状態に加えて、まれには成人T-細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、さらに治療抵抗性の確率が高い侵襲性の血液学的悪性疾患を引き起こし、一般に臨床的転帰が不良である。HAM/TSPは、慢性的な進行性痙性対麻痺、尿失禁および軽度の知覚障害により臨床的に特徴付けられる。ATLLは、ウイルス潜伏期、発癌性形質転換およびHTLV-1-感染細胞のクローン展開に病原学的に関係するが、HTLV-1-関連脊髄症/熱帯性痙性対麻痺(HAM/TSP)などの炎症性疾患は、プロウイルス複製およびウイルス抗原の発現に対する自己免疫性および/または免疫病理学的応答によって引き起こされる。HAM/TSPは、脊髄下部の損傷および脱髄をきたす進行性神経炎症性疾患である。HTLV-1に感染した循環T-細胞は、中枢神経系(CNS)に浸潤し、ウイルスおよびCNSの考えられる構成成分に対する免疫病原性応答を引き起こす。神経の損傷およびその後の変性は、HAM/TSPを有する患者に重度の不能を引き起こし得る。CNSにおけるプロウイルス複製およびHTLV-1-感染細胞の増殖の持続が、ウイルス抗原に対して標的化された細胞毒性T-細胞の応答につながり、これは、神経組織の自己免疫性破壊に応答することがある。
【0014】
強心配糖体は、いくつかのウイルスに対していくつかの抗ウイルス活性を示すことが示されているが、特定の化合物は、異なるウイルスに対して非常に異なるレベルの抗ウイルス活性を示し、それは、いくつかは非常に乏しい抗ウイルス活性を示し、いくつかは同じウイルスに対して高められたときにより良好な抗ウイルス活性を示すことを意味する。
特定のウイルス感染に対して治療的に活性なオレアンドリン、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、またはそれらの任意の組み合わせを含む改善された薬学的組成物の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0015】
本発明は、哺乳動物対象のウイルス感染を治療するための薬学的組成物および方法を提供する。本発明はまた、哺乳動物対象におけるウイルス感染、例えば、ウイルス性出血熱(VHF)感染を治療するための薬学的組成物および方法を提供する。本発明はまた、薬学的組成物の投与により哺乳動物のウイルス感染を治療する方法を提供する。本発明者らは、ヒトおよび動物におけるウイルス感染の治療におけるそれらの使用を正当化するのに十分な抗ウイルス活性を示す抗ウイルス組成物を調製することに成功した。本発明者らは、特定の投与計画を用いる対応する治療方法を開発した。
いくつかの実施形態では、ウイルス感染は、以下のウイルス科のいずれかによって引き起こされる:アレナウイルス、ブニヤウイルス、フィロウイルス、フラビウイルス、パラミクソウイルス、レトロウイルス(詳細には、デルタレトロウイルス属)またはトガウイルス。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態は、フィロウイルス感染、フラビウイルス感染、ヘニパウイルス感染、アルファウイルス感染、またはトガウイルス感染を治療するための組成物および方法を対象とする。治療され得るウイルス感染には、少なくとも、エボラウイルス、マールブルグウイルス、アルファウイルス、フラビウイルス、黄熱、デング熱、日本脳炎、西ナイルウイルス、ジカウイルス、ベネズエラウマ脳脊髄炎(脳炎)(VEE)ウイルス、チクングニアウイルス、西部ウマ脳脊髄炎(脳炎)(WEE)ウイルス、東部ウマ脳脊髄炎(脳炎)(EEE)ウイルス、ダニ媒介性脳炎、キャサヌール森林病、アルフルマ(Alkhurma)病、オムスク出血熱、ヘンドラウイルス、ニパウイルス、デルタレトロウイルス属、HTLV-1ウイルス、およびそれらの種が挙げられる。
本発明のいくつかの実施形態は、フィロウイルス科、フラビウイルス科(フラビウイルス属)、パラミクソウイルス科、レトロウイルス科(デルタレトロウイルス属)またはトガウイルス科のウイルスからのウイルス感染を治療するための組成物および方法を対象とする。
本発明のいくつかの実施形態は、ヘニパウイルス属、エボラウイルス属、フラビウイルス属、マールブルグウイルス属、デルタレトロウイルス属またはアルファウイルス属のウイルスからのウイルス感染を治療するための組成物および方法を対象とする。
本発明はまた、HTLV-1-関連状態または神経炎症性疾患の治療のための実施形態を提供する。いくつかの実施形態では、HTLV-1-関連状態または神経炎症性疾患は、脊髄症/熱帯性痙性対麻痺(HAM/TSP)、成人T-細胞白血病/リンパ腫(ATLL)、自己免疫状態、炎症状態、感染性皮膚炎、関節リウマチ、ブドウ膜炎、角結膜炎乾燥症候群、シェーグレン症候群、および糞線虫(Strongyloides stercoralis)からなる群から選択される。
【0017】
本発明はまた、治療した細胞の培養物の上清に放出されたHTLV-1粒子の感染を阻害する方法、また、ウイルス学的シナプスのEnv-依存性形態を阻害することによりHTLV-1の細胞内伝播を低減させる方法であって、それを必要とする対象に、有効量の抗ウイルス組成物を投与することを含む方法を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は、a)特定の強心配糖体(複数可)、b)複数のトリテルペン、またはc)特定の強心配糖体(複数可)および複数のトリテルペンの組み合わせを含む(から本質的になる)抗ウイルス組成物を提供する。
本発明の一態様は、抗ウイルス組成物の対象への慢性投与により対象のウイルス感染を治療する方法を提供する。対象は、治療有効量(治療関連用量)の組成物を対象に慢性投与し、それにより、ウイルス感染に関連する症状の緩和またはウイルス感染の改善を提供することによって治療される。対象への組成物の投与は、感染直後、または感染後1日から5日以内の任意の時間、またはウイルス感染の確定診断後の最も早い時間に開始することができる。
したがって、本発明はまた、哺乳動物のウイルス感染を治療する方法を提供し、方法は、哺乳動物に1つ以上の治療有効用量の抗ウイルス組成物を投与することを含む。1回以上の用量は、毎日、毎週、または毎月の頻度で投与される。1日あたり1回以上の用量が投与され得る。
【0018】
本発明はまた、治療を必要とする対象においてウイルス感染を治療する方法を提供し、方法は、
対象がウイルス感染を有するかどうかを判定することと、
抗ウイルス組成物の投与を指示することと、
処方された初期投与計画に従って一定期間、抗ウイルス組成物の初期用量を対象に投与することと、
抗ウイルス組成物による治療に対する対象の臨床応答および/または治療応答の妥当性を定期的に判定することと、
対象の臨床応答および/または治療応答が妥当である場合、所望の臨床エンドポイントが達成されるまで、必要に応じて抗ウイルス組成物による治療を継続すること、または
対象の臨床応答および/または治療応答が初期用量および初期投与計画で妥当でない場合、対象の所望の臨床応答および/または治療応答が達成されるまで、用量を漸増または漸減させることと、を含む。
【0019】
抗ウイルス組成物による対象の治療は、必要に応じて継続される。患者が、ウイルス感染に関連する特定の症状の低減または緩和などの所望の臨床的エンドポイント(複数可)に達するまで、用量または投与計画が必要に応じて調節され得る。臨床応答および/または治療応答の妥当性の判定は、ウイルス感染に精通した臨床医によって行われ得る。
本発明の方法の個々のステップは、別々の施設で、または同じ施設内で行うことができる。
抗ウイルス組成物は、慢性的に、すなわち、毎日、1日おき、2日おき、3日おき、4日おき、5日おき、6日おき、毎週、1週おき、2週おき、3週おき、毎月、隔月、半月毎、1カ月おき、2カ月おき、四半期毎、四半期おき、季節毎、三半期毎、季節毎、半年毎、および/または毎年などの繰り返しの頻度で投与され得る。1週間以上、1カ月以上、1四半期以上、および/または1年以上の治療期間。有効用量の強心配糖体が1日に1回以上投与される。
【0020】
いくつかの実施形態では、対象に、1日あたり140microg~315microgの強心配糖体を投与する。いくつかの実施形態では、用量は、20microg~750microg、12microg~300microg、または12microg~120microgの強心配糖体を含む。強心配糖体の1日用量は、20microg~750microg、0.01microg~100mg、または0.01microg~100microgの強心配糖体/日の範囲であり得る。SCF抽出物中に存在するオレアンドリンの推奨される1日用量は、一般に1日2回約0.25~約50microg、または1日2回もしくは約12時間毎に約0.9~5microgである。用量は、約0.5~約100microg/日、約1~約80microg/日、約1.5~約60microg/日、約1.8~約60microg/日、約1.8~約40microg/日であり得る。最大耐容用量は、約100microg/日、約80microg/日、約60microg/日、約40microg/日、約38.4microg/日、または約30microg/日のオレアンドリンを含むoleander抽出物であり得、最小有効用量は、約0.5microg/日、約1microg/日、約1.5microg/日、約1.8microg/日、約2microg/日、または約5microg/日であり得る。強心配糖体およびトリテルペンを含む好適な用量は、約0.05~0.5mg/kg/日、約0.05~0.35mg/kg/日、約0.05~0.22mg/kg/日、約0.05~0.4mg/kg/日、約0.05~0.3mg/kg/日、約0.05~0.5microg/kg/日、約0.05~0.35microg/kg/日、約0.05~0.22microg/kg/日、約0.05~0.4microg/kg/日、または約0.05~0.3microg/kg/日であり得る。
【0021】
抗ウイルス組成物は、全身投与することができる。全身投与の様式には、非経口、頬側、経腸、筋肉内、皮下、舌下、経口、または口腔が含まれる。組成物はまた、注射を介してまたは静脈内に投与することができる。
強心配糖体は、抗ウイルス組成物に存在する場合、好ましくはオレアンドリンであるが、オドロシド、ネリタロシド、またはオレアンドリゲニンも含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、a)1つ以上のトリテルペン、b)1つ以上のステロイド、c)1つ以上のトリテルペン誘導体、d)1つ以上のステロイド誘導体、またはe)それらの組み合わせをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、強心配糖体、およびa)2つもしくは3つのトリテルペン、b)2つもしくは3つのトリテルペン誘導体、c)2つもしくは3つのトリテルペン塩、またはd)それらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、トリテルペンは、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、およびそれらの塩または誘導体からなる群から選択される。
【0022】
本発明のいくつかの実施形態は、薬学的組成物が少なくとも1つの薬学的賦形剤および抗ウイルス組成物を含むものを含む。いくつかの実施形態では、抗ウイルス組成物は、a)少なくとも1つの強心配糖体および少なくとも1つのトリテルペン、b)少なくとも1つの強心配糖体および少なくとも2つのトリテルペン、c)少なくとも1つの強心配糖体および少なくとも3つのトリテルペン、d)少なくとも2つのトリテルペンおよび強心配糖体を除く、e)少なくとも3つのトリテルペンおよび強心配糖体を除く;またはf)少なくとも1つの強心配糖体、例えばオレアンドリンを含む。本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、トリテルペンおよび強心配糖体の一般用語はまた、その塩および誘導体も包含する。
強心配糖体は、純粋な形態で、または1つ以上の強心配糖体を含む抽出物の一部として薬学的組成物中に存在し得る。トリテルペン(複数可)は、純粋な形態で、またはトリテルペン(複数可)を含む抽出物の一部として薬学的組成物中に存在し得る。いくつかの実施形態では、強心配糖体は、薬学的組成物中、主要な治療成分として存在し、抗ウイルス活性に主に関与する構成成分を意味する。いくつかの実施形態では、トリテルペン(複数可)は、薬学的組成物中、主要な治療成分(複数可)として存在し、抗ウイルス活性に主に関与する構成成分(複数可)を意味する。
【0023】
いくつかの実施形態では、抗ウイルス組成物を含む抽出物は、植物材料の抽出により得られる。抽出物は、植物材料の熱水抽出物、冷水抽出物、超臨界流体(SCF)抽出物、有機溶媒抽出物、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、植物材料は、Nerium種またはThevetia種の植物塊である。特定の種は、Nerium OleanderまたはThevetia nerifoliaを含む。いくつかの実施形態では、抽出物は、抽出物が対象に投与されたとき、強心配糖体の治療有効性に寄与する、抽出中に強心配糖体とともに得られる少なくとも1つの他の薬理学的に活性な薬剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の他の非強心配糖体の治療上有効な薬剤、すなわち、強心配糖体ではない1つ以上の薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の抗ウイルス化合物(複数可)をさらに含む。いくつかの実施形態では、抗ウイルス組成物は、薬理学的に活性な多糖類を除外する。
いくつかの実施形態では、抽出物は、1つ以上の強心配糖体および1つ以上の強心配糖体前駆体(カルデノリド、カルダジエノリド、およびカルダトリエノリドなど、それらの全てが強心配糖体のアグリコン構成物質、例えば、ジギトキシン、アセチルジギトキシン、ジギトキシゲニン、ジゴキシン、アセチルジゴキシン、ジゴキシゲニン、メジゴキシン、ストロファンチン、シマリン、ウアベイン、またはストロファンチジンである)を含む。抽出物は、強心配糖体前駆体として、強心配糖体の1つ以上のグリコン構成物質(グルコシド、フルクトシド、および/またはグルクロニドなど)をさらに含み得る。したがって、抗ウイルス組成物は、1つ以上の強心配糖体、ならびに1つ以上のアグリコン構成物質、および1つ以上のグリコン構成物質からなる群から選択される2つ以上の強心配糖体前駆体を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、オレアンドリン(OL)、オレアノール酸(OA)、ウルソール酸(UA)、およびベツリン酸(BA)を含む組成物は、オレアンドリン含有量に基づく同等の用量を比較すると、純粋なオレアンドリンよりも有効である。
いくつかの実施形態では、総トリテルペン含有量(OA+UA+BA)対オレアンドリンのモル比は、約15:1~約5:1、または約12:1~約8:1、または約100:1~約15:1、または約100:1~約50:1、または約100:1~約75:1、または約100:1~約80:1、または約100:1~約90:1、または約10:1の範囲である。
いくつかの実施形態では、個々のトリテルペン対オレアンドリンのモル比は、以下の範囲である:約2~8(OA):約2~8(UA):約0.1~1(BA):約0.5~1.5(OL);約または3~6(OA):約3~6(UA):約0.3~8(BA):約0.7~1.2(OL);または約4~5(OA):約4~5(UA):約0.4~0.7(BA):約0.9~1.1(OL);または約4.6(OA):約4.4(UA):約0.6(BA):約1(OL)。
【0025】
いくつかの実施形態では、他の治療薬は、抽出物の調製中に得られる多糖ではなく、それは酸性ホモポリガラクツロナンまたはアラビノガラツロナンではないことを意味する。いくつかの実施形態では、抽出物は、別の治療薬を除外および/または抽出物の調製中に得られる酸性ホモポリガラクツロナンまたはアラビノガラツロナンを除外する。
本発明はまた、対象におけるウイルス感染の治療のための医薬品の製造における強心配糖体の使用を提供する。いくつかの実施形態では、そのような医薬品の製造は、本発明の1つ以上の抗ウイルス化合物を提供することと、薬学的剤形の抗ウイルス化合物(複数可)の用量を含むことと、薬学的剤形をパッケージすることとを含む。いくつかの実施形態では、製造は、PCT国際出願第PCT/US06/29061に記載されるように行うことができる。製造はまた、パッケージされた剤形を売主(小売業者、卸売業者、および/または流通業者)に送ること、ウイルス感染を有する対象にパッケージされた剤形を販売またはそうでなければ提供すること、使用、投与計画、投与、内容物、および剤形の毒性プロファイルに関する指示を提供するラベルおよび添付文書を医薬品とともに含むことなどの1つ以上の追加のステップを含む。いくつかの実施形態では、ウイルス感染の治療は、対象がウイルス感染を有することを判定することと、投与計画に従って対象への薬学的剤形の投与を指示することと、1つ以上の薬学的剤形を対象に投与することとを含み、1つ以上の薬学的剤形は、投与計画に従って投与される。
【0026】
薬学的組成物は、水溶性(混和性)共溶媒、水不溶性(不混和性)共溶媒、界面活性剤、抗酸化剤、キレート剤、および吸収促進剤からなる群から選択される少なくとも1つの材料の組み合わせをさらに含み得る。
可溶化剤は、少なくとも単一の界面活性剤であるが、それはまた、a)界面活性剤および水混和性溶媒;b)界面活性剤および水不混和性溶媒;c)界面活性剤、抗酸化剤;d)界面活性剤、抗酸化剤、および水混和性溶媒;e)界面活性剤、抗酸化剤、および水不混和性溶媒;f)界面活性剤、水混和性溶媒、および水不混和性溶媒;またはg)界面活性剤、抗酸化剤、水混和性溶媒、および水不混和性溶媒の組み合わせなどの材料の組み合わせであり得る。
薬学的組成物は、a)少なくとも1つの液体担体、b)少なくとも1つの乳化剤、c)少なくとも1つの可溶化剤、d)少なくとも1つの分散剤、e)少なくとも1つの他の賦形剤、またはf)それらの組み合わせを任意にさらに含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、水混和性溶媒は、低分子量(6000未満)のPEG、グリコール、またはアルコールである。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、ペグ化界面活性剤であり、ポリ(エチレングリコール)官能基を含む界面活性剤を意味する。
本発明は、本明細書に開示された本発明の態様、実施形態、および下位実施形態の全ての組み合わせを含む。
以下の図は、本明細書の一部を形成し、特許請求される発明の例示的な実施形態を説明する。当業者は、これらの図および本明細書の説明に照らして、過度の実験なしで本発明を実施することができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】エボラウイルスに対する様々な組成物のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。
図2】エボラウイルスに対する様々な組成物のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。
図3】マールブルグウイルスに対する様々な組成物のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。
図4】マールブルグウイルスに対する様々な組成物のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。
図5】Vero E6細胞におけるジカウイルス(SIKV株PRVABC59)に対するオレアンドリンのインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。
図6】Vero E6細胞におけるジカウイルス(SIKV株PRVABC59)に対するジゴキシンのインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。
図7】Vero E6細胞におけるエボラウイルスに対する様々な組成物(オレアンドリン、ジゴキシン、およびPBI-05204)のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。
図8】Vero E6細胞におけるマールブルグウイルスに対する様々な組成物(オレアンドリン、ジゴキシン、およびPBI-05204)のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。
図9】様々な組成物(オレアンドリン、ジゴキシン、およびPBI-05204)の存在下でのVero E6細胞のインビトロ細胞生存率を要約する図表を示す。
図10A】組成物(オレアンドリンおよびPBI-05204)の、ウイルスへの曝露後すぐにVero E6細胞におけるエボラウイルスを阻害する能力を要約する図表を示し、図10Aは感染後2時間である。
図10B】組成物(オレアンドリンおよびPBI-05204)の、ウイルスへの曝露後すぐにVero E6細胞におけるエボラウイルスを阻害する能力を要約する図表を示し、図10Bは感染後24時間である。
図11A】組成物(オレアンドリンおよびPBI-05204)の、ウイルスへの曝露後すぐにVero E6細胞におけるマールブルグウイルスを阻害する能力を要約する図表を示し、図11Aは感染後2時間である。
図11B】組成物(オレアンドリンおよびPBI-05204)の、ウイルスへの曝露後すぐにVero E6細胞におけるマールブルグウイルスを阻害する能力を要約する図表を示し、図11Bは感染後24時間である。
図12A】組成物(オレアンドリンおよびPBI-05204)の、オレアンドリンに曝露されたウイルス感染したVero E6細胞による感染性子孫の生成を阻害する能力を要約する図表を示し、図12Aはエボラウイルスである。
図12B】組成物(オレアンドリンおよびPBI-05204)の、オレアンドリンに曝露されたウイルス感染したVero E6細胞による感染性子孫の生成を阻害する能力を要約する図表を示し、図12Bはマールブルグウイルスである。
図13A】Vero E6細胞におけるベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス(図13A)に対する様々な組成物(オレアンドリン、ジゴキシン、およびPBI-05204)のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。
図13B】Vero E6細胞における西部ウマ脳脊髄炎ウイルス(図13B)に対する様々な組成物(オレアンドリン、ジゴキシン、およびPBI-05204)のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。
図14】ビヒクル対照、オレアンドリン、またはN.oleanderの抽出物が、HTLV-1複製または新たに合成されたウイルス粒子放出の際に有する、HTLV-1 p19Gagの定量(実施例19および20を参照されたい)により判定される効果を要約する図表を示す。未処理(UT)細胞は、比較のために示されている。全てのデータは、少なくとも3つの独立した実験の代表である。データは、実験±標準偏差(エラーバー)の平均を表す。
図15】HTLV-1+SLB1リンパ腫T-細胞株に対するビヒクル対照、オレアンドリン、およびN.oleander抽出物の相対的細胞毒性を要約する図表を示す。全てのデータは、少なくとも3つの独立した実験の代表である。データは、実験±標準偏差(エラーバー)の平均を表す。
図16A】Annexin V-FITC(緑)およびPI(赤)で染色した結果の代表的な顕微鏡写真を示し、合成画像におけるDIC位相差が示されている。個々のAnnexin V-FITCおよびPI蛍光チャネル画像も示されている。スケールバー、20μm。
図16B】Annexin V-FITC(緑)およびPI(赤)で染色した結果の代表的な顕微鏡写真を示し、合成画像におけるDIC位相差が示されている。個々のAnnexin V-FITCおよびPI蛍光チャネル画像も示されている。スケールバー、20μm。
図16C】Annexin V-FITC(緑)およびPI(赤)で染色した結果の代表的な顕微鏡写真を示し、合成画像におけるDIC位相差が示されている。個々のAnnexin V-FITCおよびPI蛍光チャネル画像も示されている。スケールバー、20μm。
図16D】Annexin V-FITC(緑)およびPI(赤)で染色した結果の代表的な顕微鏡写真を示し、合成画像におけるDIC位相差が示されている。個々のAnnexin V-FITCおよびPI蛍光チャネル画像も示されている。スケールバー、20μm。
図16E】Annexin V-FITC(緑)およびPI(赤)で染色した結果の代表的な顕微鏡写真を示し、合成画像におけるDIC位相差が示されている。個々のAnnexin V-FITCおよびPI蛍光チャネル画像も示されている。スケールバー、20μm。
図16F】Annexin V-FITC(緑)およびPI(赤)で染色した結果の代表的な顕微鏡写真を示し、合成画像におけるDIC位相差が示されている。個々のAnnexin V-FITCおよびPI蛍光チャネル画像も示されている。スケールバー、20μm。
図17】オレアンドリンで処理したHTLV-1+リンパ腫T-細胞からのHTLV-1複製、または新たに合成されたウイルス粒子の放出の際のビヒクル対照、オレアンドリン、またはN.oleanderの抽出物が有する効果を要約する図表を示す。
図18】処理したhuPBMCでのビヒクル対照、オレアンドリン、またはN.oleanderの抽出物の相対的細胞毒性を要約する図表を示す。
図19】ビヒクル対照、オレアンドリン、またはN.oleanderの抽出物を含むhuPBMCによる共培養アッセイにおける、HTLV-1伝播の相対的阻害を要約する図表を示す。
図20】GFP-発現HTLV-1+SLB1 T-細胞株の代表的な顕微鏡写真を示す:蛍光顕微鏡検査(上のパネル)および免疫ブロッティング(下のパネル)。
図21】huPBMCとマイトマイシンCで処理したHTLV-1+SLB1/pLenti-GFPリンパ芽球(緑色細胞)の間のウイルス学的シナプスの代表的な顕微鏡写真を示す。
図22図21の顕微鏡写真の定量による標準偏差(エラーバー)付き平均化データの図表を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明は、有効用量の抗ウイルス組成物(または抗ウイルス組成物および少なくとも1つの薬学的賦形剤を含む薬学的組成物)の対象への慢性投与により、対象のウイルス感染を治療する方法を提供する。医薬組成物は、対象に最適な投与計画に従って投与され、用量および投与計画の好適性は、ウイルス感染の従来の臨床慣行および臨床治療エンドポイントに従って臨床的に決定される。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、哺乳動物、例えば、ネコ、イヌ、マウス、モルモット、ウマ、ウシ、ヒツジ、およびヒトなどの温血動物を意味すると解釈される。
【0030】
本明細書で使用される場合、ウイルス感染のリスクのある対象は、a)蚊、特にAedes種(Aedes egypti、Aedes albopictus)の蚊が生息する範囲内の地理的地域に住んでいる対象、b)ウイルス感染を有する人または人々と一緒にまたはその近くに住んでいる対象、c)ウイルス感染を有する人と性的関係を有する対象、d)ダニ、特にIxodes種(Ixodes marx、Ixodes scapularis、またはIxodes cooke種)のダニが生息する範囲内の地理的地域に住んでいる対象、e)オオコウモリが生息する範囲内の地理的地域に住んでいる対象、f)熱帯地方に住んでいる対象、g)アフリカに住んでいる対象、h)ウイルス感染を有する他の対象の体液と接触している対象、i)子供、またはj)弱まった免疫系を有する対象である。いくつかの実施形態では、対象は、女性、妊娠することができる女性、または妊娠中の女性である。
【0031】
本発明に従って治療される対象は、治療応答を示すであろう。「治療応答」とは、ウイルス感染に罹患している対象が、強心配糖体による治療の結果として、以下の臨床的利益:対象の血液もしくは血漿中の活性ウイルス力価の低減、対象の血液もしくは血漿からの活性ウイルスの根絶、感染の改善、感染に関連する症状の発生の低減、感染の部分的もしくは完全な寛解、または感染の進行までの時間の増加、ならびに/あるいは前記ウイルス感染症を引き起こすウイルスの感染性の低減の少なくとも1つを享受することを意味する。治療応答は、完全または部分的な治療応答であり得る。
本明細書で使用される場合、「進行までの時間」は、ウイルス感染が診断(または治療)されてから感染が悪化し始めるまでの期間、長さ、または持続時間である。それは、感染のさらなる進行なしで感染のレベルが維持される期間であり、感染が再び進行し始めると、期間は終了する。疾患の進行は、治療の開始前または開始時に感染に罹患している対象を「病期分類」することにより決定される。例えば、対象の健康は、治療の開始前または開始時に決定される。対象は、次いで抗ウイルス組成物で治療し、ウイルス力価を定期的にモニターした。後のいくつかの時点で、感染の症状が悪化し、したがって感染の進行および「進行までの時間」の終了をマークし得る。感染が進行しなかった間の期間、または感染のレベルもしくは重症度が悪化しなかった間の期間が、「進行までの時間」である。
【0032】
投与計画には、投与スケジュールに従って投与される治療関連用量(または有効用量)の1つ以上の強心配糖体、および/またはトリテルペン(複数可)が含まれる。したがって、治療関連用量は、抗ウイルス組成物による治療に対するウイルス感染の治療応答が観察され、かつ対象に、過剰量の望ましくないまたは有害な副作用なしで抗ウイルス組成物を投与することができる治療用量である。治療関連用量は、患者にいくつかの副作用を引き起こし得るが、対象にとって致命的ではない。それは、抗ウイルス組成物を投与されている対象に対する臨床的利益のレベルが、抗ウイルス組成物またはその構成成分(複数可)の投与により対象によって経験される有害な副作用のレベルを超える用量である。治療関連用量は、様々な確立された薬理学、薬力学、および薬物動態学の原則に従って、対象により異なるであろう。しかしながら、治療関連用量(例えば、オレアンドリンに対する)は、典型的には約25マイクログラム、約100マイクログラム、約250マイクログラム、約500マイクログラムまたは約750マイクログラムの強心配糖体/日、あるいはそれは用量あたり約25~750マイクログラムの強心配糖体、または約25マイクログラム、約100マイクログラム、約250マイクログラム、約500マイクログラムまたは約750マイクログラムの強心配糖体/日を超え得ない範囲にあり得る。治療関連用量(例えば、個々または一緒のトリテルペンに対する)の別の例は、典型的には体重1kgあたり約0.1マイクログラム~100マイクログラム、約0.1mg~約500mg、約100~約1000mg、約15~約25mg/kg、約25~約50mg/kg、約50~約100mg/kg、約100~約200mg/kg、約200~約500mg/kg、約10~約750mg/kg、約16~約640mg/kg、約15~約750mg/kg、約15~約700mg/kg、または約15~約650mg/kg体重の範囲であろう。対象において標的治療結果を提供するために必要な抗ウイルス組成物の実際の量は、薬局の基本原則に従って対象毎に異なり得ることは、当該技術分野で既知である。
【0033】
治療関連用量は、ウイルス感染の治療に通常使用される任意の投与計画に従って投与することができる。治療関連用量は、1日1回、2回、3回、またはそれ以上投与することができる。それは、1日おき、3日おき、4日おき、5日おき、半週毎、毎週、隔週、3週間おき、4週間おき、毎月、隔月、半月毎、3カ月おき、4カ月おき、半年毎、毎年、または上記のいずれかの組み合わせに従って投与され、好適な投与スケジュールに到達する。例えば、治療関連用量は、1週間以上にわたって1日1回以上(最も高い用量では1日に最大10回)投与することができる。
実施例15は、その両方ともがフィロウイルスであるエボラウイルス(図1および2)およびマールブルグウイルス(図3および4)感染の治療のためのオレアンドリン(唯一の活性として)、Anvirzel、およびPBI-05204(Nerium oleanderの超臨界流体(SCF)抽出物)を含む組成物の有効性を評価するために使用されるインビトロアッセイの詳細な説明を提供する。
【0034】
実験は、組成物を40microg/mLで細胞に添加し、次いで、ウイルスを添加して1時間インキュベートすることにより準備した。ウイルスの細胞への添加の際、組成物の最終濃度は、20microg/mLである。異なる量のオレアンドリンを含む組成物は、それらが含むオレアンドリンの濃度に応じて調節し、モル濃度に変換することができる。図1~4は、抽出物のオレアンドリン含有量に基づいた有効性を示す。OL自体が有効である。OL、OA、UA、およびBAを含むNerium oleanderのSCF抽出物であるPBI-05204は、OL自体よりも実質的に有効である。Nerium oleanderの熱水抽出物であるAnvirzelは、OL自体よりも有効である。両方の抽出物は、ナノモル範囲で有効性を明確に示す。PBI-05204抽出物のオレアンドリンの割合(1.74%)は、Anvirzelの割合(0.459%、4.59microg/mg)よりも高い。PBI-05204の最も高い用量では、EBOVおよびMARV感染を完全に阻害したが、Anvirzelで20microg/mLを超える用量では毒性が観察されるため、Anvirzelは完全な阻害を示さなかった。データは、PBI-05204のエボラウイルスおよびマールブルグウイルスに対する最も高い抗ウイルス活性を示す。PBI-05204のトリテルペンの組み合わせは、オレアンドリンの抗ウイルス活性が増加させた。
【0035】
実施例6は、ジカウイルス(フラビウイルス)感染の治療のための強心配糖体の有効性を評価するために使用されるインビトロアッセイの詳細な説明を提供する。Vero E6細胞に、オレアンドリン(図5)またはジゴキシン(図6)の存在下で、0.2のMOIでジカウイルス(ZIKV株PRVABC59)を感染させた。細胞を、ウイルスおよび強心配糖体とともに1時間インキュベートした後、接種物および非吸収強心配糖体(存在する場合)を除去した。細胞を、新鮮な培地に浸し、48時間インキュベートした後、それらをホルマリンで固定し、ZIKV感染を染色した。データは、両方の強心配糖体のジカウイルスに対する抗ウイルス活性を示すが、しかしながら、オレアンドリンは、ジゴキシンよりも高い(ほぼ8倍高い)抗ウイルス活性を示した。
実施例14は、ジカウイルスおよびデングウイルスに対する試験組成物の抗ウイルス活性を評価するために使用されるアッセイの詳細な説明を提供する。データは、オレアンドリンが、ジカウイルスおよびデング熱ウイルスに対する有効性を示すことを示す。
【0036】
図7は、Vero E6細胞におけるエボラウイルス(EBOV)に対する様々な組成物(オレアンドリン、ジゴキシン、およびPBI-05204)のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表である。図8は、Vero E6細胞におけるマールブルグウイルス(MARV)に対する様々な組成物(オレアンドリン、ジゴキシン、およびPBI-05204)のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。図9は、様々な組成物(オレアンドリン、ジゴキシン、およびPBI-05204)の存在下でのVero E6細胞のインビトロ細胞生存率を要約する図表を示す。図7~8では、ウイルス感染前に宿主細胞を組成物に曝露した。Vero E6細胞に、オレアンドリン、ジゴキシン、またはオレアンドリン含有植物抽出物であるPBI-05204の存在下でEBOV/Kik(図7、MOI=1)またはMARV/Ci67(図8、MOI=1)を感染させた。1時間後、接種物および化合物を除去し、新鮮な培地を細胞に添加した。48時間後、細胞を固定して免疫染色し、EBOVまたはMARVに感染した細胞を検出した。感染した細胞を、Operettaを使用して数えた。
抗ウイルス活性に関して、偽陽性が観察されないことを確実にするために、組成物の存在下での細胞生存率を試験した。図9のデータについては、Vero E6細胞を上記の化合物で処理した。ATPレベルは、細胞生存率の測定としてCellTiter-Gloによって測定された。オレアンドリン、ジゴキシン、およびPBI-05204は、細胞生存率を低減しないことが判定され、これは、本明細書の他の図で詳述される抗ウイルス活性が、個々の化合物の細胞毒性によって引き起こされる偽陽性によるものではないことを意味する。
【0037】
したがって、本発明は、哺乳動物または宿主細胞のウイルス感染を治療する方法を提供し、方法は、当該ウイルス感染の罹患前に哺乳動物または宿主細胞に抗ウイルス組成物を投与し、それにより当該哺乳動物または宿主細胞のウイルス感染時に、抗ウイルス組成物が、ウイルス力価を低減し、ウイルス感染を改善、低減、または排除することを含む。
本発明の抗ウイルス組成物および方法はまた、抗ウイルス組成物の投与前に発生したウイルス感染の治療にも有用である。Vero E6細胞に、EBOV(図10A、10B)またはMARV(図11A、11B)を感染させた。感染後2時間(図10A、11A)または感染後24時間(図10B、11B)で、オレアンドリンまたはPBI-05204を1時間細胞に添加し、次いで廃棄し、細胞を培養培地に戻した。
【0038】
図10Aおよび10Bは、組成物(オレアンドリンおよびPBI-05204)の、ウイルスへの曝露後すぐにVero E6細胞におけるエボラウイルスを阻害する能力を要約する図表を示し、図10Aは感染後2時間、図10Bは感染後24時間である。抗ウイルス組成物が、ウイルス感染後2時間以内(または最大12時間以内)に投与されると、抗ウイルス組成物は、有効な治療を提供し、EBOVウイルス力価を低減する。24時間後でも、ウイルス組成物は有効であるが、しかしながら、最初のウイルス感染が増加した後の時間が経過するにつれて、その有効性はより低くなる。同じ評価をMARVで行った。図11Aおよび11Bは、組成物(オレアンドリンおよびPBI-05204)の、ウイルスへの曝露後すぐにVero E6細胞におけるマールブルグウイルスを阻害する能力を要約する図表を示し、図11Aは感染後2時間、図11Bは感染後24時間である。抗ウイルス組成物が、ウイルス感染後2時間以内(または最大12時間以内)に投与されると、抗ウイルス組成物は、有効な治療を提供し、MARVウイルス力価を低減する。24時間後でも、ウイルス組成物は有効であるが、しかしながら、最初のウイルス感染が増加した後の時間が経過するにつれて、その有効性はより低くなる。
【0039】
本明細書の組成物の抗ウイルス活性が、例えば、感染後24時間以内にウイルス感染細胞の単一世代で低減されることを考慮し、抗ウイルス組成物がウイルス増殖を阻害することができるかどうかを評価し、それは感染性子孫の生成を阻害することを意味する。Vero E6細胞に、オレアンドリンまたはPBI-05204の存在下でEBOVまたはMARVを感染させ、48時間インキュベートした。感染した細胞培養物の上清を、新鮮なVero E6細胞に継代し、1時間インキュベートし、次いで廃棄した。継代した上清を含む細胞を、48時間インキュベートした。EBOV(B)またはMARV(C)に感染した細胞は、本明細書に記載されるように評価された。対照感染率は、EBOVについては66%、MARVについては67%であった。本発明の抗ウイルス組成物は、感染性子孫の生成を阻害した。
したがって、本発明の抗ウイルス組成物は、a)ウイルスへの曝露後のウイルス感染を阻害するために、ウイルス感染の前に予防的に投与することができるか、b)ウイルス複製および感染性子孫の生成を阻害もしくは低減するために、ウイルス感染後に投与することができるか、またはc)a)およびb)の組み合わせである。
トガウイルスのアルファウイルスに対する抗ウイルス組成物の抗ウイルス活性は、Vero E6細胞においてVEEウイルスおよびWEEウイルスを使用して評価された。図13Aおよび13Bは、Vero E6細胞におけるベネズエラウマ脳脊髄炎ウイルス(図13A)および西部ウマ脳脊髄炎ウイルス(図13B)に対する様々な組成物(オレアンドリン、ジゴキシン、およびPBI-05204)のインビトロ用量応答抗ウイルス活性を要約する図表を示す。Vero E6細胞に、示された化合物の存在下または非存在下で18時間、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(図13A、MOI=0.01)または西部ウマ脳炎ウイルス(図13B、MOI=0.1)を感染させた。感染した細胞を、以前のように検出し、Operettaで数えた。本発明の抗ウイルス組成物は、有効であることが見出された。
【0040】
したがって、本発明は、対象または宿主細胞において、フィロウイルス科ウイルス、フラビウイルス科ウイルス(フラビウイルス属)、デルタレトロウイルス属ウイルス、またはトガウイルス科ウイルスによって引き起こされるウイルス感染を治療する方法であって、有効量の抗ウイルス組成物を投与し、それにより、ウイルスを抗ウイルス組成物に曝露させること、および前記ウイルス感染を治療することを含む方法を提供する。
本発明者らは、HTLV-1(ヒトT-細胞白血病ウイルス1型;エンベロープを有するレトロウイルス;デルタレトロウイルス属)感染の治療のための、オレアンドリンおよび本明細書に記載される抽出物の使用を評価した。精製したオレアンドリン化合物、またはN.oleanderの抽出物が、HTLV-1プロウイルス複製、ならびに/または、p19Gag含有ウイルス粒子の生成および放出を阻害できるかどうかを判定するために、ウイルス生成HTLV-1-形質転換SLB1リンパ腫T-細胞株を、上昇濃度のオレアンドリンもしくはN.oleander抽出物、または減菌ビヒクル対照(MilliQで処理したddH2O中の20%DMSO)で処理し、次いで、10%CO2下で37℃にて72時間インキュベートした。細胞をその後遠心分離によりペレット化し、抗HTLV-1 p19GagのELISA(Zeptometrix)を行うことにより、培養物の上清に放出される細胞外p19Gag含有ウイルス粒子の相対レベルを定量した。
【0041】
図14は、ビヒクル対照(1.5μl、7.5μl、または15μl)、または上昇濃度(10μg/ml、50μg/ml、および100μg/ml)のオレアンドリン化合物もしくはN.oleanderの抽出物で72時間処理したHTLV-1+SLB1リンパ腫T-細胞株によって発現されるHTLV-1 p19Gagの定量(実施例19および20)についてのデータを示す。ウイルス複製および細胞外粒子の培養物の上清への放出は、抗HTLV-1 p19Gag ELISA(Zeptometrix)を行うことにより定量した。オレアンドリンは、HTLV-1複製または新たに合成されたウイルス粒子の放出を有意に阻害しなかった。本発明者らは、抽出物またはオレアンドリンのみが、ウイルスの複製またはp19Gag含有粒子の培養物上清への放出を有意に阻害しないことを判定した。本発明者らは、したがって、さらなる抗ウイルス活性を予想しなかった;しかしながら、本発明者らは、処理した細胞から収集したウイルス粒子が、初代ヒト末梢血単核細胞(huPBMC)で感染性の低減を示したことを想定外に見出した。HIV-1とは異なり、細胞外HTLV-1粒子は感染性が乏しく、ウイルス伝播は、典型的にはウイルス学的シナプスを経た直接の細胞内相互反応を経由して発生する。
本発明は、したがって、感染性が低減したHTLV-1ウイルス粒子を生成する方法であって、本発明の抗ウイルス組成物によりHTLV-1ウイルス粒子を治療して、感染性が低減した前記HTLV-1ウイルス粒子を得ることを含む方法を提供する。
【0042】
観察された抗ウイルス活性が、抗ウイルス組成物の、HTLV-1+SLB1リンパ芽球に対する潜在的な細胞毒性によるアーチファクトではなかったことを確実にするために、本発明者らは、次いで、処理したHTLV-1+SLB1リンパ芽球培養物中で、精製したオレアンドリン化合物およびN.oleander抽出物の様々な希釈物の細胞毒性を評価した(実施例21)。SLB1 T-細胞を、本明細書に記載されるオレアンドリンまたはN.oleander抽出物の上昇濃度(10、50および100μg/ml)で72時間処理した。陰性対照として、細胞はまた、薬物処理した培養物に使用される体積に一致した上昇量(1.5、7.5、および15μl)のビヒクル溶液で処理した。シクロホスファミド(50μM;Sigma-Aldrich)で処理した細胞は、アポトーシスの陽性対照として含まれた。次いで、試料を洗浄し、Annexin V-FITCおよびヨウ化プロピジウム(PI)で染色し、共焦点蛍光顕微鏡検査により分析した。Annexin V-FITC および/またはPI-陽性細胞の相対的割合は、蛍光顕微鏡検査により定量し、20×対物レンズを使用して視野を3回カウントした。
【0043】
結果(図15および図16A~16F)は、最低濃度(10μg/ml)のオレアンドリンおよびN.oleander抽出物は、有意な細胞毒性/アポトーシスを誘導しなかったことを指示する。しかしながら、より高い濃度(約50および約100μg/ml)の粗植物抽出物は、注目すべきことには、オレアンドリン化合物が誘導するよりもアポトーシスをさらに誘導した。これは、オレアンドリンが、N.oleander抽出物の約1.23%を占めることと一致する。オレアンドリンによって引き起こされる細胞毒性は、処理したHTLV-1+SLB1細胞において、ビヒクル対照よりも有意に高くなかった。
本発明者らは、次いで、オレアンドリンまたはN.oleander抽出物が、共培養アッセイにおいて、緑色蛍光タンパク質(GFP)-発現HTLV-1+リンパ腫T-細胞株から、huPBMCへのウイルス伝播を阻害できたかどうかを調査した(実施例20)。これらの研究では、HTLV-1+SLB1リンパ腫T-細胞を、96ウェルマイクロタイタープレート中において、上昇濃度のオレアンドリン化合物もしくはN.oleander抽出物、またはビヒクル対照で72時間処理し、次いでウイルス含有上清を収集し、インビトロで初代培養ヒト末梢血単核細胞(huPBMC)を直接感染させるために使用した。72時間後、直接感染の結果として、培養物の上清に放出された細胞外p19Gag含有ウイルス粒子の相対的レベルは、抗HTLV-1 p19GagELISAを行うことにより定量した。
【0044】
HTLV-1+SLB1リンパ腫T-細胞株を、ビヒクル対照、または上昇濃度(10μg/ml、50μg/ml、および100μg/ml)のN.oleander抽出物もしくはオレアンドリン化合物で72時間処理し、次いで、ウイルス含有上清を収集し、初代huPBMCを直接感染させるために使用した。ビヒクル対照、N.oleander抽出物、またはオレアンドリンはまた、huPBMCに対する培養基に含まれていた。72時間後、培養物の上清を収集し、抗HTLV-1 p19Gag ELISAを行うことにより、生成された相当量の細胞外ウイルス粒子を定量した。
データ(図17)は、いずれも最低濃度(10μg/ml)のオレアンドリンおよびN.oleander抽出物さえ、同じ量のビヒクル対照と比較して、処理した細胞の培養物の上清に放出された、新たに合成されたp19Gag含有ウイルス粒子の感染性を阻害したことを指示する。オレアンドリンおよび粗植物抽出物のいずれも、ウイルス学的シナプスの形成、およびHTLV-1インビトロの伝播を阻害した。オレアンドリンで処理したHTLV-1+リンパ腫T-細胞により生成した細胞外ウイルス粒子は、初代huPBMCに対する感染性の低下を示す。重要なことには、オレアンドリンは、レトロウイルス感染サイクルの特有の段階を表す成熟粒子へのエンベロープ糖タンパク質の組み込みを低減させることにより、エンベロープを有するウイルスに対して抗ウイルス活性を示す。
【0045】
観察された抗ウイルス活性が、抗ウイルス組成物の、処理したhuPBMCに対する潜在的な細胞毒性によるアーチファクトではなかったことを確実にするために、本発明者らはまた、処理したhuPBMCで、精製したオレアンドリンおよびN.oleander抽出物の細胞毒性を、ビヒクル陰性対照と比較して調査した(実施例21)。バフィーコートの初代huPBMCを単離し、フィトヘマグルチニン(PHA)で刺激し、組換えヒトインターロイキン-2(hIL-2)の存在下で培養した。細胞を、次いで、上昇濃度のオレアンドリンもしくはN.oleander抽出物で、または上昇体積のビヒクルで72時間処理した。試料を、続いてAnnexin V-FITCおよびPIで染色し、視界あたりのアポトーシス(すなわち、Annexin V-FITCおよび/またはPI-陽性)細胞の相対的割合は、共焦点蛍光顕微鏡検査および3回のカウントにより定量した。
ビヒクル対照、N.oleander抽出物、およびオレアンドリン化合物の細胞毒性効果は、初代huPBMCを72時間処理することにより評価し、次いで培養物を、Annexin V-FITCおよびPIで染色した。アポトーシス(すなわち、Annexin V-FITCおよび/またはPI-陽性)細胞の相対的割合は、蛍光顕微鏡検査および20×対物レンズを使用した視野の3回のカウントにより定量した。細胞の合計数は、DIC位相差顕微鏡検査を使用して判定した。シクロホスファミド(50μM)で処理した細胞は、アポトーシスに対する陽性対照として含まれていた。この試料における細胞の数を指示するNAは、高い毒性のため、正確な評価をするには少なすぎた。
【0046】
データ(図18)は、huPBMCにおいて、ビヒクル対照と比較して中等度の細胞毒性(例えば、最低濃度で35~37%)を示したオレアンドリンを指示する。対照的に、N.oleander抽出物は、有意に細胞毒性であり、最低濃度でさえも高いレベルのプログラム細胞死を誘導した。huPBMCは、精製したオレアンドリンに、HTLV-1+SLB1リンパ芽球よりやや感受性であった;しかしながら、huPBMCは、本明細書に記載されるトリテルペンなどの他の細胞毒性化合物も含む粗N.oleander抽出物にいっそう大幅に感受性であった。
本発明者らはまた、オレアンドリンまたはN.oleander抽出物が、共培養実験において、HTLV-1粒子の標的huPBMCへの伝播を阻害できるかどうかを調査した(実施例22)。これらの研究では、ウイルス生成HTLV-1+SLB1 T-細胞株を、マイトマイシンCで、次いで増加量のオレアンドリン、N.oleander抽出物、またはビヒクル対照で15分または3時間処理した。SLB1細胞は、無血清培地で2×洗浄し、同数のhuPBMCを、次いで各ウェルに添加し、試料を、10%CO2下、37℃にて、加湿インキュベーター中で、完全培地中において72時間共培養した。HTLV-1の相対的な細胞内伝播は、抗HTLV-1 p19Gag ELISAを行って、培養物の上清に放出された細胞外ウイルスのレベルを測定することにより評価した。
【0047】
初代huPBMCを、マイトマイシンCで処理したHTLV-1+SLB1リンパ腫T-細胞と共培養し、これらは、ビヒクル対照または上昇濃度(10μg/ml、50μg/ml、および100μg/ml)のN.oleander抽出物もしくはオレアンドリン化合物で15分または3時間前処理した。ビヒクル対照、抽出物、および化合物はまた、共培養基に存在していた。72時間後、上清を収集し、放出された細胞外ウイルス粒子の量を、抗HTLV-1 p19Gag ELISAを行うことにより定量した。
図19で示されている結果は、オレアンドリンおよびN.oleander抽出物のいずれも、ビヒクル対照と比較してHTLV-1の伝播を阻害したことを示すが;HTLV-1+SLB1細胞の前処理の15分と3時間との間で観察される差はなかった。
本発明者らはまた、オレアンドリンが、共培養アッセイにおいて、ウイルス学的シナプスの形成、およびHTLV-1の伝播を阻害するかどうかを調査した(実施例22)。GFP-発現HTLV-1+SLB1 T-細胞株は、SLB1リンパ腫T-細胞をpLenti-6.2/V5-DEST-GFPベクターで形質導入することにより生成し、ブラストサイジン(5μg/ml;Life Technologies)で2週間にわたり選択した。GFP-陽性クローンを、蛍光顕微鏡検査(図20の上のパネル)および免疫ブロッティング(図20の下のパネル)によりスクリーニングし、膨張させ、繰り返し継代した。DIC位相差の画像を比較のために示す。
【0048】
ビヒクル対照または上昇量(10μg/ml、50μg/ml、および100μg/ml)のN.oleander抽出物もしくはオレアンドリン化合物で3時間前処理した、huPBMCと、マイトマイシンCで処理したHTLV-1+SLB1/pLenti-GFPリンパ芽球(緑色細胞)との間のウイルス学的シナプスの形成を、蛍光顕微鏡検査により視覚化した(図21)。ウイルス伝播は、感染した(すなわち、HTLV-1 gp21-陽性、赤色)huPBMC(GFP-陰性)の相対的割合は、20×対物レンズを使用した蛍光顕微鏡検査により20視野(n=20)で定量化することにより評価した(ビヒクル対照パネルにおける矢印を参照されたい)。蛍光顕微鏡検査のデータを定量した(図22)。データから、抗ウイルス組成物が、共培養アッセイにおいて、ウイルス学的シナプスの形成、およびHTLV-1の伝播を阻害することが確認される。
【0049】
したがって、本発明はまた、処理した細胞の培養物の上清に放出されたHTLV-1粒子の感染性を阻害する(低減させる)方法、また、ウイルス学的シナプスのEnv-依存性形成を阻害することによりHTLV-1の細胞内伝播を低減させる方法であって、有効量の抗ウイルス組成物でウイルス感染細胞(インビトロまたはインビボ)を治療することを含む方法を提供する。
本明細書の組成物の抗ウイルス活性は、ライノウイルス感染に対して評価された。ライノウイルスは、ピコルナウイルス科およびエンテロウイルス属である。それは、エンベロープを有さず、(+)極性のss-RNAウイルスである。オレアンドリンは、ウイルスの複製を阻害しなかったため、本明細書で用いられる濃度およびアッセイで、ライノウイルスに対して不活性であることが見出された。
【0050】
PBI-05204(本明細書、およびその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2012年5月29日発行のAddingtonのUS8187644B2、2008年7月22日発行のAddingtonのUS7402325B2、2013年3月12日発行のAddingtonらのUS8394434B2に記載される)は、主要な薬理学的に活性な構成成分として強心配糖体(オレアンドリン、OL)およびトリテルペン(オレアノール酸(OA)、ウルソール酸(UA)、およびベツリン酸(BA))を含む。OL対総トリテルペンのモル比は、約1:(10~96)である。OA:UA:BAのモル比は、約7.8:7.4:1である。PBI-05204のOA、UA、およびBAの組み合わせは、OL等モル基準で比較した場合、オレアンドリンの抗ウイルス活性を増加させる。PBI-04711は、PBI-05204の画分であるが、それは強心配糖体(OL)を含まない。PBI-04711のOA:UA:BAのモル比は、約3:2.2:1である。PBI-04711はまた、抗ウイルス活性も保有する。したがって、OL、OA、UA、およびBAを含む抗ウイルス組成物は、OLの等モル含有量に基づいて、唯一の活性成分としてOLを含む組成物よりも有効である。いくつかの実施形態では、個々のトリテルペン対オレアンドリンのモル比は、以下の範囲である:約2~8(OA):約2~8(UA):約0.1~1(BA):約0.5~1.5(OL);または約3~6(OA):約3~6(UA):約0.3~8(BA):約0.7~1.2(OL);または約4~5(OA):約4~5(UA):約0.4~0.7(BA):約0.9~1.1(OL);または約4.6(OA):約4.4(UA):約0.6(BA):約1(OL)。
【0051】
唯一の抗ウイルス剤としてオレアンドリンを含む抗ウイルス組成物は、本発明の範囲内にある。
抗ウイルス剤としてオレアンドリンおよび複数のトリテルペンを含む抗ウイルス組成物は、本発明の範囲内にある。いくつかの実施形態では、抗ウイルス組成物は、オレアンドリン、オレアノール酸(その遊離酸、塩、誘導体、またはプロドラッグ)、ウルソール酸(その遊離酸、塩、誘導体、またはプロドラッグ)、およびベツリン酸(その遊離酸、塩、誘導体、またはプロドラッグ)を含む。化合物のモル比は、本明細書に記載される通りである。
主要な活性成分として複数のトリテルペンを含む(ステロイド、強心配糖体、および薬理学的に活性な成分を除くことを意味する)抗ウイルス組成物はまた、本発明の範囲内にある。上記のように、PBI-04711は。OA、UA、およびBAを主要な活性成分として含み、それは抗ウイルス活性を示す。いくつかの実施形態では、トリテルペンベースの抗ウイルス組成物は、OA、UA、およびBAを含み、それらの各々は独立して、その遊離酸形態、塩形態、重水素化形態、および誘導体形態から各発生時に選択される。
【0052】
PBI-01011は、OA、UA、およびBAを含む改善されたトリテルペンベースの抗ウイルス組成物であり、OA:UA:BAのモル比は、約9~12:最大約2:最大約2、または約10:約1:約1、または約9~12:約0.1~2:約0.1~2、または約9~11:約0.5~1.5:約0.5~1.5、または約9.5~10.5:約0.75~1.25:約0.75~1.25、または約9.5~10.5:約0.8~1.2:約0.8~1.2、または約9.75~10.5:約0.9~1.1:約0.9~1.1である。
いくつかの実施形態では、抗ウイルス組成物は、本明細書に記載されるように、OA対UAのモル比で存在する少なくともオレアノール酸(その遊離酸、塩、誘導体、またはプロドラッグ)およびウルソール酸(その遊離酸、塩、誘導体、またはプロドラッグ)を含む。OAは、UAを超える大モル過剰で存在する。
いくつかの実施形態では、抗ウイルス組成物は、本明細書に記載されるように、OA対BAのモル比で存在する少なくともオレアノール酸(その遊離酸、塩、誘導体、またはプロドラッグ)およびベツリン酸(その遊離酸、塩、誘導体、またはプロドラッグ)を含む。OAは、BAを超える大モル過剰で存在する。
いくつかの実施形態では、抗ウイルス組成物は、本明細書に記載されるように、OA対UA対BAのモル比で存在する少なくともオレアノール酸(その遊離酸、塩、誘導体、またはプロドラッグ)、ウルソール酸(その遊離酸、塩、誘導体、またはプロドラッグ)、およびベツリン酸(その遊離酸、塩、誘導体、またはプロドラッグ)を含む。OAは、UAおよびBAの両方を超える大モル過剰で存在する。
いくつかの実施形態では、トリテルペンベースの抗ウイルス組成物は、強心配糖体を除外する。
【0053】
一般に、フィロウイルス感染、フラビウイルス感染(フラビウイルス属)、デルタレトロウイルス属、またはトガウイルス感染を有する対象は、以下のように治療される。対象は、当該対象が当該ウイルスに感染しているかどうかを判定するために評価される。抗ウイルス組成物の投与が指示される。抗ウイルス組成物の初期用量は、一定期間(治療期間)、処方された投与計画に従って対象に投与される。対象の臨床応答および治療応答のレベルは、定期的に判定される。ある用量で治療応答のレベルが低すぎる場合、対象における治療応答の所望のレベルが達成されるまで、所定の用量漸増スケジュールに従って用量が漸増される。抗ウイルス組成物による対象の治療は、必要に応じて継続される。患者が感染自体の停止、感染に関連する症状の低減、および/または感染の進行の低減などの所望の臨床的エンドポイント(複数可)に達するまで、用量または投与計画が必要に応じて調節され得る。
【0054】
臨床医が、抗ウイルス組成物および1つ以上の他の治療薬の組み合わせによりウイルス感染を有する対象を治療する意図があり、対象が有するウイルス感染が、当該1つ以上の他の治療薬による治療に少なくとも部分的に治療的に応答することが知られている場合、本発明の方法は、治療関連用量の抗ウイルス組成物および治療関連用量の当該1つ以上の他の治療薬を、それを必要とする対象に投与することを含み、抗ウイルス組成物は、第1の投与計画に従って投与され、1つ以上の他の治療薬は、第2の投与計画に従って投与される。いくつかの実施形態では、第1および第2の投与計画は同じである。いくつかの実施形態では、第1および第2の投与計画は異なる。
本発明の抗ウイルス組成物(複数可)は、一次抗ウイルス療法、補助抗ウイルス療法、または併用抗ウイルス療法として投与することができる。本発明の方法は、抗ウイルス組成物の少なくとも1つの他の既知の抗ウイルス組成物との別々の投与または同時投与を含み、本発明の抗ウイルス組成物は、既知の抗ウイルス組成物(化合物(複数可))またはウイルス感染に関連する症状を治療するための組成物の投与の前、その間、またはその後に投与され得ることを意味する。例えば、炎症、嘔吐、悪心、頭痛、発熱、下痢、悪心、蕁麻疹、結膜炎、倦怠感、筋肉痛、関節痛、発作、または麻痺を治療するために使用される薬剤は、本発明の抗ウイルス組成物とともに、またはそれとは別々に投与することができる。
【0055】
1つ以上の他の治療薬は、治療上有効であると臨床医が認識している用量および投与計画に従って、または治療有効以下であると臨床医が認識している用量で投与することができる。抗ウイルス組成物および1つ以上の他の治療薬の組み合わせの投与により提供される臨床的利益および/または治療効果は、相加的または相乗的であり得、そのようなレベルの利益または効果は、組み合わせの投与と個々の抗ウイルス組成物構成成分(複数可)および1つ以上の他の治療薬の投与との比較により決定されている。食品医薬品局、世界保健機関、欧州医薬品庁(E.M.E.A.)、薬品・医薬品行政局(TGA、オーストラリア)、全米保健機関(PAHO)、医薬品・医療機器安全局(Medsafe、ニュージーランド)、または世界中の様々な保健省によって提案または説明されているような用量および投与計画に従って、1つ以上の他の治療薬を投与することができる。
HTLV-1ウイルス感染を治療するための本発明の抗ウイルス組成物に含まれ得る例示的な他の治療薬は、抗レトロウイルス剤、インターフェロンα(IFN-a)、ジドブジン、ラミブジン、シクロスポリンA、三酸化ヒ素を用いたCHOP、バルプロ酸ナトリウム、メトトレキサート、アザチオプリン、1つ以上の症状を軽減する薬物(複数可)、ステロイドスペアリング薬、副腎皮質ステロイド、シクロホスファミド、およびそれらの組み合わせを含む。研究された治療法は、血漿分離および放射線照射を含む。
【0056】
実施例5は、哺乳動物におけるジカウイルス感染の治療のための例示的な手順を提供する。実施例12は、哺乳動物におけるフィロウイルス感染(エボラウイルス、マールブルグウイルス)の治療のための例示的な手順を提供する。実施例13は、哺乳動物におけるフラビウイルス感染、黄熱病、デング熱、日本脳炎、西ナイルウイルス、ジカウイルス、ダニ媒介性脳炎、キャサヌール森林病、アルフルマ(Alkhurma)病、オムスク出血熱、ポワッサンウイルス感染の治療のための例示的な手順を提供する。実施例25は、デルタレトロウイルス属(HTLV-1)感染症を治療するための例示的な手順を示す。
薬学的組成物中に存在する抗ウイルス化合物(複数可)(トリテルペン(複数可)、強心配糖体(複数可)など)は、それらの非修飾形態、塩形態、誘導体形態、またはそれらの組み合わせで存在し得る。本明細書で使用される場合、「誘導体」という用語は、a)第1の化学物質に構造的に関連し、それから理論的に誘導可能な化学物質;b)同様の第1の化合物から形成される化合物、もしくは第1の化合物の1つの原子が別の原子または原子の群で置き換えられた場合、別の第1の化合物から生じると考えられ得る化合物;c)親化合物から誘導もしくは取得され、親化合物の必須要素を含む化合物;またはd)1つ以上のステップで同様の構造の第1の化合物から生成され得る化学化合物を意味すると解釈される。例えば、誘導体は、その重水素化形態、酸化形態、脱水、不飽和、ポリマー複合体化、またはグリコシル化形態を含み得るか、あるいはエステル、アミド、ラクトン、同族体、エーテル、チオエーテル、シアノ、アミノ、アルキルアミノ、スルフヒドリル、複素環式、複素式環縮合、重合、ペグ化、ベンジリデニル、トリアゾリル、ピペラジニル、またはそれらの重水素化形態を含み得る。
【0057】
本明細書で使用される場合、「オレアンドリン」という用語は、特に明記しない限り、オレアンドリンの全ての既知の形態を意味すると解釈される。オレアンドリンは、ラセミ体、光学的に純粋な形態、または光学的に濃縮された形態で存在し得る。Nerium oleander植物材料は、例えば、テキサス州アタスコサのアルドリッジ・ナーサリーなどの商業的な植物供給業者から入手することができる。
超臨界流体(SCF)抽出物は、US7,402,325、US8394434、US8187644、またはPCT国際公開第WP2007/016176A2に詳述されるように調製することができ、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。抽出は、エタノールなどの改質剤(有機溶媒)の存在下または不在下で、超臨界二酸化炭素を使用して行うことができる。
【0058】
強心配糖体、特にオレアンドリンを含む他の抽出物は、様々な異なるプロセスによって調製することができる。抽出物は、熱水抽出物の調製のための手順を説明するDr.Huseyin Ziya Ozel(米国特許第5,135,745号)によって開発されたプロセスに従って抽出物を調製することができる。水性抽出物には、分子量が2KD~30KDで変化するいくつかの多糖類、オレアンドリン、オレアンドリゲニン、オドロシドおよびネリタロシドが含まれると報告されている。多糖類には、酸性ホモポリガラクツロナンまたはアラビノガラツロナンが含まれると報告されている。Selvarajらの米国特許第5,869,060号は、Nerium種の熱水抽出物およびその生成方法、例えば、実施例2を開示している。次いで、得られた抽出物は、凍結乾燥され、粉末を生成することができる。米国特許第6,565,897号(米国登録前第20020114852号およびSelvarajらのPCT国際公開第WO2000/016793号)は、実質的に減菌の抽出物の調製のための熱水抽出プロセスを開示している。Erdemogluら(J.Ethnopharmacol.(2003)Nov.89(1),123-129)は、抗侵害受容作用および抗炎症作用に基づいて、Nerium oleanderを含む植物の水性抽出物およびエタノール抽出物の比較結果を開示している。Nerium oleanderの有機溶媒抽出物もまた、Adomeら(Afr.Health Sci.(2003)Aug.3(2),77-86;ethanolic extract)、el-Shazlyら(J.Egypt Soc.Parasitol.(1996),Aug.26(2),461-473;ethanolic extract)、Begum ら(Phytochemistry(1999)Feb.50(3),435-438;methanolic extract)、Ziaら(J.Ethnolpharmacol.(1995)Nov.49(1),33-39;methanolic extract)、およびVlasenkoら(Farmatsiia.(1972)Sept.-Oct.21(5),46-47;alcoholic extract)によって開示される。Singhらの米国登録前特許出願公開第20040247660号は、癌の治療における使用のためのオレアンドリンのタンパク質安定化リポソーム製剤の調製を開示している。Singhらの米国登録前特許出願公開第20050026849号は、シクロデキストリンを含むオレアンドリンの水溶性製剤を開示している。Singhらの米国登録前特許出願公開第20040082521号は、熱水抽出物からのオレアンドリンのタンパク質安定化ナノ粒子製剤の調製を開示している。
【0059】
抽出物はまた、それらの多糖類および炭水化物の含有量が異なる。熱水抽出物は、グルコースで調製された標準曲線に対して407.3グルコース当量単位の炭水化物を含むが、一方で、SCF CO2抽出物の分析は、定量限界を下回る非常に低いレベルで見出された炭水化物レベルを見出した。しかしながら、Nerium oleanderの熱水抽出物中の炭水化物の量は、SCF CO2抽出物のそれよりも少なくとも100倍多かった。SCF抽出物の多糖類含有量は、0%、<0.5%、<0.1%、<0.05%、または<0.01%重量であり得る。いくつかの実施形態では、SCF抽出物は、植物塊の抽出中に得られた多糖類を除外する。
【0060】
【表1】

【0061】
SCF CO2抽出物および熱水抽出物の部分的な組成物は、JEOL AccuTOF-DART質量分析計(JEOL USA、Peabody,MA,USA)で、DART TOF-MS(飛行質量分析のリアルタイム時間の直接分析)によって決定した。
Nerium種またはThevetia種のSCF抽出物は、オレアンドリンおよびトリテルペンなどの薬理学的に活性な化合物の混合物である。SCFプロセスによって得られる抽出物は、周囲温度で実質的に水不溶性の、粘性の半固体である(溶媒を除去した後)。SCF抽出物は、様々な異なる範囲の水溶性を有する多くの異なる構成成分を含む。超臨界流体プロセスからの抽出物は、重量で0.9重量%~2.5重量%のオレアンドリンまたは1.7重量%~2.1重量%のオレアンドリンまたは1.7重量%~2.0重量%のオレアンドリンの理論的範囲を含む。異なる量のオレアンドリンを含むSCF抽出物が得られている。一実施形態では、SCF抽出物は、約2重量%のオレアンドリンを含む。SCF抽出物は、熱水抽出物よりも3~10倍高い濃度のオレアンドリンを含む。これは、HPLCならびにLC/MS/MS(タンデム質量分析)分析の両方によって確認された。
【0062】
SCF抽出物は、オレアンドリンおよびトリテルペンオレアノール酸、ベツリン酸およびウルソール酸、ならびに任意に本明細書に記載される他の構成成分を含む。オレアンドリンおよびトリテルペンの含有量は、バッチにより異なり得るが、しかしながら、変動の程度は過度ではない。例えば、SCF抽出物(PBI-05204)のバッチは、これら4つの構成成分について分析され、以下の各々のおおよその量を含むことが見出された。
【表2】

【0063】
個々の構成成分の含有量は、示された値に対して±25%、±20%、±15%、±10%、または±5%異なり得る。したがって、SCF抽出物中のオレアンドリンの含有量は、SCF抽出物の1mgあたり20mg±5mg(20mgの±25%である)の範囲になる。
オレアンドリン、オレアノール酸、ウルソール酸、ベツリン酸、およびそれらの誘導体はまた、Sigma-Aldrich(www.sigmaaldrich.com;St.Louis,MO,USA)からも購入することができる。
【0064】
本明細書で使用される場合、個々に命名されたトリテルペンは、それらの天然(非修飾、遊離酸)形態、それらの塩形態、誘導体形態、プロドラッグ形態、またはそれらの組み合わせで、各発生時に選択される。トリテルペンの重水素化形態を含む組成物およびそれを用いる使用方法もまた、本発明の範囲内にある。
オレアノール酸の誘導体、プロドラッグ、および塩は、2015年1月8日に公開されたGribbleらのUS2015/0011627A1、2014年11月20日に公開されたRongらのUS2014/0343108A1、2014年11月20日に公開されたXuらのUS2014/0343064A1、2014年6月26日に公開されたAndersonらのUS2014/0179928A1、2014年4月10日に公開されたBenderらのUS2014/0100227A1、2014年3月27日に公開されたJiangらのUS2014/0088188A1、2014年3月27日に公開されたJiangらのUS2014/0088163A1、2014年3月6日に公開されたJiangらのUS2014/0066408A1、2013年11月28日に公開されたAndersonらのUS2013/0317007A1、2013年11月14日に公開されたGribbleらのUS2013/0303607A1、2012年9月27日に公開されたAndersonらのUS2012/0245374、2012年9月20日に公開されたJiangらのUS2012/0238767A1、2012年9月20日に公開されたShodeらのUS2012/0237629A1、2012年8月23日に公開されたAndersonらのUS2012/0214814A1、2012年6月28日に公開されたLeeらのUS2012/0165279A1、2011年12月1日に公開されたArntzenらのUS2011/0294752A1、2011年4月21日に公開されたMajeedらのUS2011/0091398A1、2010年7月29日に公開されたArntzenらのUS2010/0189824A1、2010年2月25日に公開されたJiangらのUS2010/0048911A1、および2006年4月6日に公開されたArntzenらのUS2006/0073222A1に開示されており、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0065】
ウルソール酸の誘導体、プロドラッグ、および塩は、2015年1月8日に公開されたGribbleらのUS2015/0011627A1、2013年11月14日に公開されたGribbleらのUS2013/0303607A1、2015年8月6日に公開されたYoonらのUS2015/0218206A1、2004年11月30日に発行されたFritscheらのUS6824811、2010年5月8日に発行されたOchiaiらのUS7718635、2014年5月20日に発行されたLinらのUS8729055、および2015年9月1日に発行されたYoonらのUS9120839に開示されており、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
ベツリン酸の誘導体、プロドラッグ、および塩は、2015年1月8日に公開されたGribbleらのUS2015/0011627A1、2013年11月14日に公開されたGribbleらのUS2013/0303607A1、2012年9月20日に公開されたShodeらのUS2012/0237629A1、2017年7月20日に公開されたRegueiro-RenらのUS2017/0204133A1、2017年4月6日に公開されたNitzらのUS2017/0096446A1、2015年11月26日に公開されたParthasaradhi ReddyらのUS2015/0337004A1、2015年4月30日に公開されたReddyらのUS2015/0119373A1、2014年10月2日に公開されたYanらのUS2014/0296546A1、2014年8月28日に公開されたSwidorskiらのUS2014/0243298A1、2014年8月7日に公開されたReddyらのUS2014/0221328A1、2014年3月6日に公開されたLeunisらのUS2014/0066416A1、2013年3月14日に公開されたDurstらのUS2013/0065868A1、2013年1月31日に公開されたRegueiro-RenらのUS2013/0029954A1、2012年11月29日に公開されたZhangらのUS2012/0302530A1、2012年8月23日に公開されたPowerらのUS2012/0214775A1、2012年4月26日に公開されたHondaらのUS2012/0101149A1、2011年9月15日に公開されたBullockらのUS2011/0224182、2011年12月22日に公開されたHempらのUS2011/0313191A1、2011年9月15日に公開されたPichetteらのUS2011/0224159A1、2011年9月8日に公開されたParthasaradhi ReddyらのUS2011/0218204、2009年8月13日に公開されたSafeらのUS2009/0203661A1、2009年5月21日に公開されたKrasutskyらのUS2009/0131714A1、2009年3月19日に公開されたKrasutskyらのUS2009/0076290、2009年3月12日に公開されたLeunisらのUS2009/0068257A1、2008年11月27日に公開されたMukherjeeらのUS2008/0293682、2007年3月29日に公開されたPezzutoらのUS2007/0072835A1、2006年11月9日に公開されたJansenらのUS2006/0252733A1、および2006年11月9日に公開されたO’NeillらのUS2006/025274A1に開示されており、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0067】
抗ウイルス組成物は、任意の好適な薬学的に許容される剤形に製剤化することができる。非経口、耳、眼、鼻、吸入、頬側、舌下、経腸、局所、口腔、経口、および注射可能な剤形が特に有用である。特定の剤形には、固体または液体の剤形が含まれる。例示的な好適な剤形には、錠剤、カプセル、丸剤、カプレット、トローチ、サシェ、溶液、懸濁液、分散液、バイアル、バッグ、ボトル、注射液、i.v.(静脈内)、i.m.(筋肉内)またはi.p.(腹腔内)投与可能な液体および薬科学の当業者に既知である他のそのような剤形が含まれる。
【0068】
抗ウイルス組成物を含む好適な剤形は、抗ウイルス組成物を本明細書に記載またはPiら(Curr.Drug Deliv.(Mar 2016),13(8),1358-1366の“Ursolic acid nanocrystals for dissolution rate and bioavailability enhancement:influence of different particle size”)、Yangら(Int.J.Nanomed.(2013),8(1),2917-2926の“Self-microemulsifying drug delivery system for improved oral bioavailability of oleanolic acid:design and evaluation”)、Liら(Biol.Pharm.Bull.(2014),37(6),926-937のDevelopment and evaluation of optimized sucrose ester stabilized oleanolic acid nanosuspensions prepared by wet ball milling with design of experiments”)、Zhangら(J.Pharm.Sci.(June 2014),103(6),1711-1719の“Enhancement of oral bioavailability of triterpene through lipid nanospheres:preparation,characterization,and absorption evaluation”)、Goduguら(PLoS One(Mar 2014),9(3):e89919の“Approaches to improve the oral bioavailability and effects of novel anticancer drugs berberine and betulinic acid”)、Zhaoら(Drug Deliv.(Sep 2014),21(6),467-479の“Preparation and characterization of betulin nanoparticles for oral hypoglycemic drug by antisolvent precipitation”)、Yangら(FoodChem.(May 2012),132(1),319-325の“Physicochemical properties and oral bioavailability of ursolic acid nanoparticles using supercritical anti-solvent(SAS)process”)、Caoら(Mol.Pharm.(Aug.2012),9(8),2127-2135の“Ethylene glycol-linked amino acid diester prodrugs of oleanolic acid for PEPT1-mediated transport:synthesis,intestinal permeability and pharmacokinetics”)、Liら(Pharm.Res.(Aug 2011),28(8),2020-2033の“Formulation,biological and pharmacokinetic studies of sucrose ester-stabilized nanosuspensions of oleanolic acid”)、Tongら(Int.J.Pharm.(Feb 2011),404(1-2),148-158の“Spray freeze drying with polyvinylpyrrolidone and sodium caprate for improved dissolution and oral bioavailablity of oleanolic acid,a BCS Class IV compound”)、Xiら(AAPS PharmSciTech(2009),10(1),172-182のFormulation development and bioavailability evaluation of a self-nanoemulsified drug delivery system of oleanolic acid”)、Chenら(J.Pharm.Pharmacol.(Feb 2005),57(2),259-264の“Oleanolic acid nanosuspensions:preparation,in-vitro characterization and enhanced hepatoprotective effect”)に記載される薬学的に許容される賦形剤と混合することによって調製することができ、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
好適な剤形はまた、2012年5月29日に発行されたAddingtonのUS8187644B2、2008年7月22日に発行されたAddingtonのUS7402325B2、2013年3月12日に発行されたAddingtonらのUS8394434B2に従って作製することができ、それらの開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。好適な剤形はまた、実施例13~15に記載されるように作製することができる。
【0070】
有効量のまたは治療関連量の抗ウイルス化合物(強心配糖体、トリテルペン、またはそれらの組み合わせ)が特に企図される。「有効量」という用語により、薬学的有効量が企図されることが理解される。薬学的有効量は、必要なまたは所望の治療応答に十分な活性成分の量または分量、言い換えれば、患者に投与されたときにかなりの生物学的応答を誘発するのに十分な量である。かなりの生物学的応答は、活性物質の単回または複数回用量の結果として発生し得る。用量は、1つ以上の剤形を含んでもよい。任意の患者の特定の用量レベルは、治療される適応症、適応症の重症度、患者の健康、年齢、性別、体重、食事、薬理学的応答、用いられる特定の剤形、および他のそのような要因を含む様々な要因に依存することが理解されよう。
【0071】
経口投与に所望の用量は最大5剤形であるが、単回用量としてわずか1および最大10剤形を投与してもよい。例示的な投与形態は、用量あたり合計0.1~500mg(1~10の用量レベル)で、投与形態あたり約0.01~100mgまたは0.01~100microgの抗ウイルス組成物を含み得る。用量は、対象において特定の治療応答または臨床的利益を達成するために、事前に決定および/または調整され得る投与計画に従って投与される。
強心配糖体は、約20~約100microg、約12microg~約300microg、または約12microg~約120microgのオレアンドリンの初期用量を対象に提供するのに十分な量で剤形に存在し得る。剤形は、オレアンドリン約20~約100microg、約0.01microg~約100microgまたは約0.01microg~約100microgのオレアンドリン、オレアンドリン抽出物またはオレアンドリンを含むNerium oleanderの抽出物を含み得る。
【0072】
抗ウイルス剤は、経口剤形に含まれ売る。剤形のいくつかの実施形態は、腸溶コーティングされておらず、0.5~1時間以下の期間内に抗ウイルス組成物のそれらの電荷を放出する。剤形のいくつかの実施形態は、腸溶コーティングされており、空腸、回腸、小腸、および/または大腸(結腸)からなどの胃の下流に抗ウイルス組成物のそれらの電荷を放出する。腸溶コーティングされた剤形は、経口投与後1~10時間以内に抗ウイルス組成物を全身循環に放出する。
抗ウイルス組成物は、急速放出、即時放出、制御放出、持続放出、持効性放出、長期放出、バースト放出、連続放出、遅延放出、もしくはパルス放出剤形、またはそれらの種類の放出のうちの2つ以上を示す剤形に含まれ得る。剤形からの抗ウイルス組成物の放出プロファイルは、ゼロ次、疑似ゼロ、一次、疑似一次、またはS字状放出プロファイルであり得る。抗ウイルス組成物が投与される対象におけるトリテルペンの血漿濃度プロファイルは、1つ以上の最大値を示し得る。
【0073】
ヒトの臨床データに基づいて、オレアンドリンの投与される用量の50%~75%が、経口的に生物学的に利用可能になると予想され、それ故に、剤形あたり約10~約20microg、約20~約40microg、約30~約50microg、約40~約60microg、約50~約75microg、約75~約100microgのオレアンドリンを提供する。5リットルの成人の平均血液量を考慮すると、予想されるオレアンドリン血漿濃度は、約0.05~約2ng/ml、約0.005~約10ng/mL、約0.005~約8ng/mL、約0.01~約7ng/mL、約0.02~約7ng/mL、約0.03~約6ng/mL、約0.04~約5ng/mL、または約0.05~約2.5ng/mLの範囲にあるであろう。SCF抽出物中に存在するオレアンドリンの推奨される1日用量は、一般に1日2回約0.2microg~約4.5microg/kg体重である。オレアンドリンの用量は、約0.2~約1microg/kg体重/日、約0.5~約1.0microg/kg体重/日、約0.75~約1.5microg/kg体重/日、約1.5~約2.52microg/kg体重/日、約2.5~約3.0microg/kg体重/日、約3.0~4.0microg/kg体重/日、または約3.5~4.5microgオレアンドリン/kg体重/日であり得る。オレアンドリンの最大耐容用量は、約3.5microg/kg体重/日~約4.0microg/kg体重/日であり得る。最小有効用量は、約0.5microg/日、約1microg/日、約1.5microg/日、約1.8microg/日、約2microg/日、または約5microg/日であり得る。
【0074】
抗ウイルス組成物は、存在するトリテルペンおよびそれらが存在するモル比の組み合わせにより、低用量から高用量で投与することができる。ヒトへの治療有効用量は、体重1kgあたり約100~1000mgまたは約100~1000microgの抗ウイルス組成物である。そのような用量は、24時間の期間で最大10回投与することができる。他の好適な投与範囲を以下に指定する。
【表3】

【0075】
本明細書の化合物は、本発明の組成物または製剤において1つ以上の機能を有し得ることに留意すべきである。例えば、化合物は、界面活性剤および水混和性溶媒の両方として、または界面活性剤および水不混和性溶媒の両方として役立ち得る。
液体組成物は、1つ以上の薬学的に許容される液体担体を含み得る。液体担体は、水性、非水性、極性、非極性、および/または有機担体であり得る。液体担体には、例として、限定されることなく、水混和性溶媒、水不混和性溶媒、水、緩衝液、およびそれらの混合物が含まれる。
【0076】
本明細書で使用される場合、交換可能に使用される「水溶性溶媒」または「水混和性溶媒」という用語は、水との二相混合物を形成しないか、または水中で十分に可溶性であり、液相を分離せずに少なくとも5パーセントの溶媒を含む水性溶媒混合物を提供する有機液体を指す。溶媒は、ヒトまたは動物への投与に好適である。例示的な水溶性溶媒には、例としておよび限定することなく、PEG(ポリ(エチレングリコール))、PEG400(約400の近似分子量を有するポリ(エチレングリコール)、エタノール、アセトン、アルカノール、アルコール、エーテル、プロピレングリコール、グリセリン、トリアセチン、ポリ(プロピレングリコール)、PVP(ポリ(ビニルピロリドン))、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ピリジン、プロパノール、N-メチルアセトアミド、ブタノール、ソルフォール(soluphor)(2-ピロリドン)、ファルマソルブ(pharmasolve)(N-メチル-2-ピロリドン)が含まれる。
【0077】
本明細書で使用される場合、その用語が交換可能に使用される「水不溶性溶媒」または「水不混和性溶媒」という用語は、水との二相混合物を形成するか、または水中の溶媒の濃度が5パーセントを超える場合に相分離を提供する有機液体を指す。溶媒は、ヒトまたは動物への投与に好適である。例示的な水不溶性溶媒には、例としておよび限定することなく、中/長鎖トリグリセリド、油、ヒマシ油、トウモロコシ油、ビタミンE、ビタミンE誘導体、オレイン酸、脂肪酸、オリーブ油、ソフチザン645(ジグリセリルカプリレート/カプレート/ステアレート/ヒドロキシイステアレートアジペート)、ミグリオール、キャプテックス(captex)(Captex350:グリセリルトリカプリレート/カプレート/ラウレートトリグリセリド;Captex355:グリセリルトリカプリレート/カプレートトリグリセリド;Captex355 EP/NF:グリセリルトリカプリレート/カプレート中鎖トリグリセリド)が含まれる。
【0078】
好適な溶媒は、“International Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(ICH)guidance for industry Q3C Impurities:Residual Solvents”(1997)に列挙されており、それはどの量の残留溶媒が、医薬品において安全であるとみなされるかを推奨している。例示的な溶媒は、クラス2またはクラス3の溶媒として列挙されている。クラス3の溶媒には、例えば、酢酸、アセトン、アニソール、1-ブタノール、2-ブタノール、酢酸ブチル、tert-ブチルメチルエーテル、クメン、エタノール、エチルエーテル、酢酸エチル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、メチル-1-ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2-メチル-1-プロパノール、ペンタン、1-ペンタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、または酢酸プロピルが含まれる。
【0079】
本発明において水不混和性溶媒として使用され得る他の材料には、Captex100:プロピレングリコールジカプレート;Captex200:プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート;Captex200P:プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート;プロピレングリコールジカプリロカプレート;Captex300:グリセリルトリカプリレート/カプレート;Captex300EP/NF:グリセリルトリカプリレート/カプレート中鎖トリグリセリド;Captex350:グリセリルトリカプリレート/カプレート/ラウレート;Captex355:グリセリルトリカプリレート/カプレート;Captex355EP/NF:グリセリルトリカプリレート/カプレート中鎖トリグリセリド;Captex500:トリアセチン;Captex500P:トリアセチン(医薬品グレード);Captex800:プロピレングリコールジ(2-エチテキサノエート);Captex810D:グリセリルトリカプリレート/カプレート/リノレエート;Captex1000:グリセリルトリカプレート;CaptexCA:中鎖トリグリセリド;Captex MCT-170:中鎖トリグリセリド;Capmul GMO:グリセリルモノオレエート;Capmul GMO-50 EP/NF:グリセリルモノオレエート;Capmul MCM:中鎖モノおよびジグリセリド;Capmul MCM C8:グリセリルモノオレエート;Capmul MCM C10:グリセリルモノカプレート;Capmul PG-8:プロピレングリコールモノカプリレート;Capmul PG-12:プロピレングリコールモノラウレート;Caprol 10G10O:デカグリセロールデカオレエート;Caprol 3GO:トリグリセロールモノオレエート;Caprol ET:混合脂肪酸のポリグリセロールエステル;Caprol MPGO:ヘキサグリセロールジオレエート;Caprol PGE 860:デカグリセロールモノ-、ジオレートが挙げられる。
【0080】
本明細書で使用される場合、「界面活性剤」とは、極性または荷電親水性部分ならびに非極性疎水性(親油性)部分を含む化合物を指し、すなわち、界面活性剤は、両親媒性である。界面活性剤という用語は、化合物のうちの1つまたは混合物を指し得る。界面活性剤は、可溶化剤、乳化剤、または分散剤であり得る。界面活性剤は、親水性であるか、または疎水性であり得る。
親水性界面活性剤は、薬学的組成物での使用に好適な任意の親水性界面活性剤であり得る。そのような界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、双性イオン性または非イオン性であり得るが、非イオン性親水性界面活性剤が、現在好ましい。上に議論されるように、これらの非イオン性親水性界面活性剤は、一般に約10を超えるHLB値を有する。親水性界面活性剤の混合物もまた、本発明の範囲内にある。
同様に、疎水性界面活性剤は、薬学的組成物での使用に好適な任意の疎水性界面活性剤であり得る。一般に、好適な疎水性界面活性剤は、約10未満のHLB値を有する。疎水性界面活性剤の混合物もまた、本発明の範囲内にある。
【0081】
追加の好適な可溶化剤の例には、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよびその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体などのアルコールおよびポリオール;テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(BASFから商品名Tetraglycolで市販されている、グリコフロール)またはメトキシPEG(Union Carbide)などの約200~約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル;2-ピロリドン、2-ピペリドン、カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、およびポリビニピロリドンなどのアミド;プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、カプロラクトンおよびその異性体、バレロラクトンおよびその異性体、ブチロラクトンおよび異性体などのエステル;ならびにジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド(Arlasolve DMI(ICI))、N-メチルピロリドン(Pharmasolve(ISP))、モノオクタノイン、ジエチレングリコールノノエチルエーテル(Gattefosseから商品名Transcutolで入手可能)、および水などの当該技術分野で知られている他の可溶化剤が挙げられる。可溶化剤の混合物もまた、本発明の範囲内にある。
【0082】
示されている場合を除いて、本明細書で言及される化合物は、標準的な商業的供給源から容易に入手可能である。
必要ではないが、組成物または製剤は、1つ以上のキレート剤、1つ以上の防腐剤、1つ以上の抗酸化剤、1つ以上の吸着剤、1つ以上の酸性化剤、1つ以上のアルカリ化剤、1つ以上の消泡剤、1つ以上の緩衝剤、1つ以上の着色剤、1つ以上の電解質、1つ以上の塩、1つ以上の安定化剤、1つ以上の張性改質剤、1つ以上の希釈剤、またはそれらの組み合わせをさらに含み得る。
本発明の組成物はまた、固定油、落花生油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、およびオリーブ油などの油;オレイン酸、ステアリン酸、およびイソステアリン酸などの脂肪酸;ならびにオレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、脂肪酸グリセリド、およびアセチル化脂肪酸グリセリドなどの脂肪酸エステルを含み得る。組成物は、エタノール、イソプロパノール、ヘキサデシルアルコール、グリセロール、およびプロピレングリコールなどのアルコール;2,2-ジメチル-1,3-ジオキソラン-4-メタノールなどのグリセロールケタール;ポリ(エチレングリコール)450などのエーテル;鉱油およびワセリンなどの石油系炭化水素;水;薬学的に好適な界面活性剤、懸濁化剤、もしくは乳化剤;またはそれらの混合物を含み得る。
【0083】
薬学的製剤の技術分野で使用される化合物は、一般に、様々な機能または目的に役立つことを理解されたい。したがって、本明細書で名付けられた化合物が一度だけ言及されるか、または本明細書で2つ以上の用語を定義するために使用される場合、その目的または機能は、その名付けられた目的(複数可)または機能(複数可)のみに限定されると解釈されるべきではない。
製剤の1つ以上の構成成分は、その遊離塩基、遊離酸、または薬学的もしくは分析的に許容される塩形態で存在し得る。本明細書で使用される場合、「薬学的または分析的に許容される塩」は、イオン結合対を形成するために必要に応じて酸と化合物を反応させることにより修飾された化合物を指す。許容される塩の例には、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成される従来の非毒性の塩が含まれる。好適な非毒性の塩には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルホン酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸、および当業者に知られている他のものなどの無機酸に由来するものが含まれる。アミノ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、および当業者に知られている他のものなどの有機酸から調製された塩。一方で、薬理学的に活性な成分が酸官能基を有する場合、薬学的に許容される塩基が添加され、薬学的に許容される塩を形成する。他の好適な塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th.ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA,1985,p.1418に見出され、その関連する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0084】
「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、人間および動物の組織との接触での使用に好適であり、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、または任意の他の問題もしくは合併症なく、合理的な利益/リスク比に相応する、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。
剤形は、製薬業界で知られている任意の従来の手段によって作製することができる。液体剤形は、少なくとも1つの液体担体および抗ウイルス組成物を容器に提供することによって調製することができる。1つ以上の他の賦形剤を、液体剤形に含めることができる。固体剤形は、少なくとも1つの固体担体および抗ウイルス組成物を提供することによって調製することができる。1つ以上の他の賦形剤を、固体剤形に含めることができる。
剤形は、従来のパッケージング機器および材料を使用してパッケージすることができる。それは、パック、ボトル、ビア、バッグ、シリンジ、封筒、パケット、ブリスターパック、箱、アンプル、またはその他のそのような容器に入れることができる。
【0085】
本発明の組成物は、任意の剤形に含まれ売る。特定の剤形には、固体または液体の剤形が含まれる。例示的な好適な剤形には、錠剤、カプセル、丸剤、カプレット、トローチ、サシェ、および薬科学の当業者に知られている他のそのような剤形が含まれる。
上記の説明および以下の実施例を考慮して、当業者は、過度の実験をすることなく、請求された本発明を実施することができるであろう。上記は、本発明の実施形態の調製のためのある特定の手順を詳述する以下の実施例を参照してより理解されるであろう。これらの例になされる全ての参照は、説明を目的のためである。以下の実施例は、網羅的なものとみなされるべきではないが、本発明によって企図される多くの実施形態のうちのほんのいくつかのみの単なる例示とみなされるべきである。
【実施例
【0086】
(実施例1)
粉末化したキョウチクトウの葉の超臨界流体抽出
方法A.二酸化炭素を使用。
キョウチクトウの葉の材料を、収穫、洗浄、および乾燥し、その後、キョウチクトウの葉の材料を、米国特許第5,236,132号、第5,598,979号、第6,517,015号、および第6,715,705号に記載されているものなどの粉砕および脱水装置に通すことにより、粉末化したキョウチクトウの葉を調製した。使用した出発材料の重量は、3.94kgであった。
出発材料を、抽出装置で300bar(30MPa、4351psi)の圧力および50℃(122°F)の温度で純CO2と混合した。合計197kgのCO2を使用して、50:1の溶媒対原料の比率を得た。次いで、CO2および原料の混合物を分離装置に通し、分離装置で混合物の圧力および温度を変化させ、抽出物を二酸化炭素から分離した。
抽出物(65g)を、良い香りを有する茶色がかった、粘着性の、粘性物質として得た。色は、クロロフィルおよび他の残留発色性化合物によって引き起こされた可能性が高い。正確な収率決定のために、チューブおよび分離器をアセトンですすぎ、アセトンを蒸発させて追加の抽出物9gを得た。総抽出量は、74gであった。出発物質の重量に基づいて、抽出物の収率は、1.88%であった。抽出物中のオレアンドリンの含有量を、高圧液体クロマトグラフィーおよび質量分析法を使用して、560.1mg、または0.76%の収率であると計算した。
【0087】
方法B.二酸化炭素およびエタノールの混合物を使用
キョウチクトウの葉の材料を、収穫、洗浄、および乾燥し、その後、キョウチクトウの葉の材料を、米国特許第5,236,132号、第5,598,979号、第6,517,015号、および第6,715,705号に記載されているものなどの粉砕および脱水装置に通すことにより、粉末化したキョウチクトウの葉を調製した。使用した出発材料の重量は、3.85kgであった。
出発物質を、抽出装置で280bar(28MPa、4061psi)の圧力および50℃(122°F)の温度で、改質剤として純CO2および5%エタノールと混合した。合計160kgのCO2および8kgのエタノールを使用して、43.6対1の溶媒対原料の比率を得た。次いで、CO2、エタノール、および原料の混合物を分離装置に通し、分離装置で混合物の圧力および温度を変化させ、抽出物を二酸化炭素から分離した。
エタノールの除去後、抽出物(207g)を、明らかにいくらかのクロロフィルを含む暗緑色の、粘着性の、粘性のある塊として得た。出発物質の重量に基づいて、抽出物の収率は、5.38%であった。抽出物中のオレアンドリンの含有量を、高圧液体クロマトグラフィーおよび質量分析法を使用して、1.89g、または0.91%の収率であると計算した。
【0088】
(実施例2)
粉末化したキョウチクトウの葉の熱水抽出
(比較例)
温水抽出は、典型的には、キョウチクトウの葉からオレアンドリンおよび他の活性成分を抽出するために使用される。熱水抽出プロセスの例は、米国特許第5,135,745号および第5,869,060号に見出され得る。
5gの粉末化したキョウチクトウの葉を使用して、熱水抽出を実施した。10容量の沸騰水(キョウチクトウ出発原料の重量)を、粉末化したキョウチクトウの葉に添加し、混合物を6時間一定に撹拌した。次いで、混合物を濾過し、葉の残留物を収集し、同じ条件下で再度抽出した。濾液を混合して凍結乾燥した。抽出物の外観は、茶色であった。乾燥した抽出物の重量は、約1.44gであった。34.21mgの抽出物材料を、水に溶解し、高圧液体クロマトグラフィーおよび質量分析を使用してオレアンドリン含有量分析を行った。オレアンドリンの量を、3.68mgであると判定した。抽出物の量に基づいて、オレアンドリンの収率を、0.26%であると計算した。
【0089】
(実施例3)
薬学的組成物の調製。
方法A.クレモフォールベースの薬物送達システム
以下の成分を、示される量で提供した。
【表4】


賦形剤を瓶に分注し、New Brunswick Scientific C24KC冷蔵インキュベーターシェーカーで、60℃で24時間振盪して、均一性を確実にした。次に、試料を引き抜き、可溶化について視覚的に検査した。24時間後、全ての製剤について、賦形剤および抗ウイルス組成物の両方が完全に溶解した。
【0090】
方法B.GMO/クレモフォールベースの薬物送達システム
以下の成分を、示される量で提供した。
【表5】


方法Aの手順に従った。
【0091】
方法C.ラブラゾルベースの薬物送達システム
以下の成分を、示される量で提供した。
【表6】


方法Aの手順に従った。
【0092】
方法D.ビタミンE-TPGSベースのミセル形成システム
以下の成分を、示される量で提供した。
【表7】


方法Aの手順に従った。
【0093】
方法E.多構成成分薬物送達システム
以下の成分を、示される量で提供した。
【表8】


方法Aの手順に従った。
【0094】
方法F.多構成成分薬物送達システム
以下の成分を、カプセルに含まれることが示されている量で提供した。
【表9】


方法Aの手順に従った。
【0095】
(実施例4)
腸溶コーティングされたカプセルの調製
ステップI:液体充填カプセルの調製
硬ゼラチンカプセル(50カウント、00サイズ)に、実施例3の液体組成物を充填した。これらのカプセルに、800mgの製剤を手で充填し、次いで、50%エタノール/50%水溶液で、手で密封した。次いで、カプセルを、以下の成分を示される量で含む22%ゼラチン溶液で、手でバンディングした。
【表10】

【0096】
ゼラチン溶液を完全に混合し、1~2時間膨潤させた。膨潤後、溶液をしっかりと覆い、55℃のオーブンに入れて液化させた。ゼラチン溶液全体が液体になると、バンディングを行った。
先の尖った丸い3/0アーティストブラシを使用して、ゼラチン溶液をカプセルに塗布した。シオノギ社から提供されているバンディングキットを使用した。バンディング後、カプセルを、周囲条件に12時間保持し、バンドを硬化させた。
【0097】
ステップII:液体充填カプセルのコーティング
以下の表に列挙される成分からコーティング分散液を調製した。
【表11】

【0098】
ステップIのバンディングしたカプセルを使用した場合、分散液を、20.0mg/cm2のコーティングレベルまでカプセルに塗布した。以下の条件を使用して、カプセルをコーティングした。
【表12】

【0099】
(実施例5)
対象におけるジカウイルス感染の治療
方法A.抗ウイルス組成物療法
ジカウイルス感染を呈している対象に、抗ウイルス組成物を処方し、治療関連用量を、処方された投与計画に従って一定期間対象に投与する。対象の治療応答のレベルを、定期的に判定する。治療応答のレベルは、血液または血漿中の対象のジカウイルス力価を判定することによって測定することができる。ある用量で治療応答のレベルが低すぎる場合、対象における治療応答の所望のレベルが達成されるまで、所定の用量漸増スケジュールに従って用量が漸増される。抗ウイルス組成物による対象の治療は、必要に応じて継続され、患者が所望の臨床的エンドポイントに達するまで、用量または投与計画が必要に応じて調節され得る。
方法B.併用療法:別の薬剤との抗ウイルス組成物
ジカウイルス感染またはその症状の治療のために対象が1つ以上の他の治療薬を処方および投与されることを除いて、上記の方法Aに従う。次いで、抗ウイルス組成物の前、後、またはそれとともに1つ以上の他の治療薬を投与することができる。1つ以上の他の治療薬の用量漸増(または漸減)もまた行うことができる。
【0100】
(実施例6)
ジカウイルス感染に対する抗ウイルス活性のインビトロ評価
方法A.純粋な化合物
Vero E6細胞(Vero C1008細胞としても既知である、ATTC番号CRL-1586;https://www.atcc.org/Products/All/CRL-1586.aspx)に、強心配糖体の存在下で、0.2のMOI(感染多重度)でZIKV(ジカウイルス株PRVABC59;ATCC VR-1843;https://www.atcc.org/Products/All/VR-1843.aspx)を感染させた。細胞を、ウイルスおよび化合物とともに1時間インキュベートした後、接種物および化合物を廃棄した。細胞に、新鮮な培地を与え、48時間インキュベートした後、それらをホルマリンで固定し、ZIKV感染を染色した。シンチグラフィーにより判定されたオレアンドリン(図1A)およびジゴキシン(図1B)の代表的な感染率を示す。他の化合物は、同じ条件下で評価され、ジカウイルスに対して非常に異なるレベルの抗ウイルス活性を示した。
【0101】
方法B.抽出物形態の化合物
試験されている標的化合物を含む抽出物を、抽出物の量が抽出物中の標的化合物の量に正規化されることを除いて、方法Aで詳述されるように評価する。例えば、2重量%のオレアンドリンを含む抽出物は、抽出物1mgあたり20microgのオレアンドリンが含む。したがって、評価のためのオレアンドリンの意図された量が20microgである場合、1mgの抽出物をアッセイで使用する。
【0102】
(実施例7)
抗ウイルス組成物を含む錠剤の調製
3%サイロイド244FPおよび97%微結晶セルロース(MCC)の初期錠剤化混合物を混合した。次いで、実施例3に従って調製された組成物の既存のバッチを、湿式造粒を介してサイロイド/MCC混合物に組み込んだ。この混合物は、以下の表で「初期錠剤化混合物」と標識される。圧縮性を高めるために、追加のMCCをさらに顆粒状で添加した。初期錠剤化混合物へのこの添加を、「さらなる顆粒状添加」と標識した。さらなる顆粒状添加から得られた混合物は、「最終錠剤化混合物」と同じ組成物であった。
【0103】
【表13】

【0104】
【表14】

【0105】
サイロイド244FPは、Grace Davisonによって製造されたコロイド状二酸化ケイ素である。コロイド状二酸化ケイ素は、吸着剤、流動促進剤、および錠剤崩壊剤などのいくつかの機能を提供するために一般的に使用される。サイロイド244FPを、その重量の3倍の油を吸着するその能力およびその5.5ミクロンの粒子サイズのために選択した。
【0106】
(実施例8)
オレアンドリンを含む溶液のHPLC分析
試料(オレアンドリン標準、SCF抽出物、および熱水抽出物)を、以下の条件を用いてHPLC(Waters)で分析した:シンメトリーC18カラム(5.0μm、150×4.6mm内径;Waters);MeOH:水の移動相=54:46(v/v)および流量1.0ml/分。検出波長を、217nmに設定した。試料を、オレアンドリンのおおよその目標濃度を達成するために、化合物または抽出物を一定量のHPLC溶媒に溶解することによって調製した。オレアンドリンの保持時間は、内部標準を使用することによって判定することができる。オレアンドリンの濃度は、内部標準を使用してシグナル応答曲線を作成することによって判定/較正することができる。
【0107】
(実施例9)
薬学的組成物の調製
本発明の薬学的組成物は、以下の方法のうちのいずれかで調製することができる。混合を、湿潤または乾燥条件下で行うことができる。薬学的組成物は、調製中に圧縮、乾燥、またはその両方を行うことができる。薬学的組成物は、剤形に分割することができる。
方法A.
少なくとも1つの薬学的賦形剤を、本明細書に開示される少なくとも1つの抗ウイルス化合物と混合する。
方法B.
少なくとも1つの薬学的賦形剤を、本明細書に開示される少なくとも2つの抗ウイルス化合物と混合する。
【0108】
方法C.
少なくとも1つの薬学的賦形剤を、本明細書に開示される少なくとも1つの強心配糖体と混合する。
方法D.
少なくとも1つの薬学的賦形剤を、本明細書に開示される少なくとも2つのトリテルペンと混合する。
方法E.
少なくとも1つの薬学的賦形剤を、本明細書に開示される少なくとも1つの強心配糖体および本明細書に開示される少なくとも2つのトリテルペンと混合する。
方法D.
少なくとも1つの薬学的賦形剤を、本明細書に開示される少なくとも3つのトリテルペンと混合する。
【0109】
(実施例10)
トリテルペン混合物の調製
以下の組成物を、示されたおおよそのモル比で指定されたトリテルペンを混合することによって作製した。
【表15】


各組成物について、3つの異なるそれぞれの溶液を作製し、よって各溶液中のトリテルペンの総濃度は、約9μM、18μM、または36μMであった。
【0110】
【表16】

【0111】
(実施例11)
抗ウイルス組成物の調製
抗ウイルス組成物は、その個々のトリテルペン成分を混合して混合物を形成することによって調製することができる。許容される抗ウイルス活性を提供した上記で調製したトリテルペン混合物を、抗ウイルス組成物に製剤化した。
【0112】
オレアノール酸およびウルソール酸を含む抗ウイルス組成物
既知量のオレアノール酸およびウルソール酸を、本明細書で定義される構成成分の所定のモル比に従って混合した。構成成分は、固体形態で混合するか、または溶媒(複数可)、例えば、メタノール、エタノール、クロロホルム、アセトン、プロパノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチルピロリドン(NMP)、水、もしくはそれらの混合物で混合した。得られた混合物は、本明細書に記載される相対モル比で構成成分を含んでいた。
薬学的に許容される抗ウイルス組成物の場合、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を、薬理学的に活性な薬剤と混合した。抗ウイルス組成物を、哺乳動物への投与のために製剤化する。
【0113】
オレアノール酸およびベツリン酸を含む抗ウイルス組成物
既知量のオレアノール酸およびベツリン酸を、本明細書で定義される構成成分の所定のモル比に従って混合した。構成成分は、固体形態で混合するか、または溶媒(複数可)、例えば、メタノール、エタノール、クロロホルム、アセトン、プロパノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチルピロリドン(NMP)、水、もしくはそれらの混合物で混合した。得られた混合物は、本明細書に記載される相対モル比で構成成分を含んでいた。
薬学的に許容される抗ウイルス組成物の場合、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を、薬理学的に活性な薬剤と混合した。抗ウイルス組成物を、哺乳動物への投与のために製剤化する。
【0114】
オレアノール酸、ウルソール酸、およびベツリン酸を含む抗ウイルス組成物
既知量のオレアノール酸、ウルソール酸、およびベツリン酸を、本明細書で定義される構成成分の所定のモル比に従って混合した。構成成分は、固体形態で混合するか、または溶媒(複数可)、例えば、メタノール、エタノール、クロロホルム、アセトン、プロパノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチルピロリドン(NMP)、水、もしくはそれらの混合物で混合した。得られた混合物は、本明細書に記載される相対モル比で構成成分を含んでいた。
薬学的に許容される抗ウイルス組成物の場合、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を、薬理学的に活性な薬剤と混合した。抗ウイルス組成物を、哺乳動物への投与のために製剤化する。
【0115】
オレアドリン、オレアノール酸、ウルソール酸、およびベツリン酸を含む抗ウイルス組成物
既知量のオレアンドリンオレアノール酸、ウルソール酸、およびベツリン酸を、本明細書で定義される構成成分の所定のモル比に従って混合した。構成成分は、固体形態で混合するか、または溶媒(複数可)、例えば、メタノール、エタノール、クロロホルム、アセトン、プロパノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、N-メチルピロリドン(NMP)、水、もしくはそれらの混合物で混合した。得られた混合物は、本明細書に記載される相対モル比で構成成分を含んでいた。
薬学的に許容される抗ウイルス組成物の場合、少なくとも1つの薬学的に許容される賦形剤を、薬理学的に活性な薬剤と混合した。抗ウイルス組成物を、哺乳動物への投与のために製剤化する。
【0116】
(実施例12)
対象におけるフィロウイルス感染の治療
例示的なフィロウイルス感染には、エボラウイルスおよびマールブルグウイルスが含まれる。
方法A.抗ウイルス組成物療法
フィロウイルス感染を呈している対象に、抗ウイルス組成物を処方し、治療関連用量を、処方された投与計画に従って一定期間対象に投与する。対象の治療応答のレベルを、定期的に判定する。治療応答のレベルは、血液または血漿中の対象のフィロウイルス力価を判定することによって測定することができる。ある用量で治療応答のレベルが低すぎる場合、対象における治療応答の所望のレベルが達成されるまで、所定の用量漸増スケジュールに従って用量が漸増される。抗ウイルス組成物による対象の治療は、必要に応じて継続され、患者が所望の臨床的エンドポイントに達するまで、用量または投与計画が必要に応じて調節され得る。
方法B.併用療法:別の薬剤との抗ウイルス組成物
フィロウイルス感染またはその症状の治療のために対象が1つ以上の他の治療薬を処方および投与されることを除いて、上記の方法Aに従う。次いで、抗ウイルス組成物の前、後、またはそれとともに1つ以上の他の治療薬を投与することができる。1つ以上の他の治療薬の用量漸増(または漸減)もまた行うことができる。
【0117】
(実施例13)
対象におけるフラビウイルス感染の治療
例示的なフラビウイルス感染には、黄熱病、デング熱、日本脳炎、西ナイルウイルス、ジカウイルス、ダニ媒介性脳炎、キャサヌール森林病、アルフルマ(Alkhurma)病、チクングニアウイルス、オムスク出血熱、ポワッサンウイルス感染が含まれる。
方法A.抗ウイルス組成物療法
フラビウイルス感染を呈している対象に、抗ウイルス組成物を処方し、治療関連用量を、処方された投与計画に従って一定期間対象に投与する。対象の治療応答のレベルを、定期的に判定する。治療応答のレベルは、血液または血漿中の対象のフラビウイルス力価を判定することによって測定することができる。ある用量で治療応答のレベルが低すぎる場合、対象における治療応答の所望のレベルが達成されるまで、所定の用量漸増スケジュールに従って用量が漸増される。抗ウイルス組成物による対象の治療は、必要に応じて継続され、患者が所望の臨床的エンドポイントに達するまで、用量または投与計画が必要に応じて調節され得る。
方法B.併用療法:別の薬剤との抗ウイルス組成物
フラビウイルス感染またはその症状の治療のために対象が1つ以上の他の治療薬を処方および投与されることを除いて、上記の方法Aに従う。次いで、抗ウイルス組成物の前、後、またはそれとともに1つ以上の他の治療薬を投与することができる。1つ以上の他の治療薬の用量漸増(または漸減)もまた行うことができる。
【0118】
(実施例14)
ジカウイルスおよびデングウイルスに対する抗ウイルス活性の評価
CPEベースの抗ウイルスアッセイを、ある範囲の濃度で、試験組成物の存在下または不在下で標的細胞を感染させることによって行った。標的細胞の感染は、細胞変性効果および細胞死をもたらす。この種類のアッセイでは、試験組成物の存在下でのCPEの低減、および対応する細胞生存率の増加を、抗ウイルス活性の指標として使用する。CPEベースのアッセイについて、細胞生存率をニュートラルレッドの読み取り値で判定した。生細胞を、ニュートラルレッドをそれらのリソソームに組み込む。ニュートラルレッドの取り込みは、細胞質よりもそれらのリソソーム内のより低いpHを維持する生細胞の能力に依存しており、この活性プロセスは、ATPを必要とする。リソソーム内に入ると、ニュートラルレッド色素は荷電し、細胞内に保持される。ニュートラルレッド(0.033%)とともに3時間インキュベートした後、細胞外色素を除去し、細胞をPBSで洗浄し、細胞内ニュートラルレッドを50%エタノール+1%酢酸の溶液で可溶化した。490nmでの各ウェルの吸光度(光学密度)を読み取ることによって、溶液中のニュートラルレッドの量を定量化した。
【0119】
付着細胞株を使用して、ウイルスのパネルに対する組成物の抗ウイルス活性を評価した。細部へのウイルスの添加前に、組成物を、標的細胞とともに30分間事前にインキュベートした。組成物は、感染インキュベーション期間中、細胞培養培地に存在した。各感染アッセイについて、ウイルスの不在下での組成物の細胞毒性効果を判定するために、同じ濃度の組成物(複製)を使用して、生存率アッセイを並行して設定した。
試験組成物の抗ウイルス活性を、試験条件下での細胞の感染レベル(免疫染色ベースのアッセイの場合)または生存率(CPEベースのアッセイの場合)を非感染細胞の感染レベルまたは生存率と比較することによって判定した。細胞毒性効果を、阻害剤の存在下での生存率を模擬処理細胞の生存率と比較することによって、非感染細胞で評価した。細胞毒性を、XTT生存率アッセイによって判定し、これは、対応する感染アッセイの読み出しと同じ時点で実施した。
試験組成物を、100%メタノールに溶解した。試験される最高濃度として50μMで開始して、8倍希釈を行うことによって、8つの濃度の組成物を生成した(複製で)。組成物の最高試験濃度(50μM)は、培養培地中のメタノールの最終濃度0.25%(v/v%)をもたらした。メタノールビヒクルの一連の8倍希釈は、各アッセイのプレートに含まれ、濃度は各組成物の試験条件におけるメタノールの最終濃度を反映している。可能な場合、GraphPad Prismソフトウェアを使用して、各アッセイについて組成物のEC50およびCC50を判定した。
【0120】
抗ウイルス活性は、ウイルス誘発性細胞変性効果(CPE)に対する保護の程度によって評価した。異なる濃度の対照または組成物の存在下で、細胞をウイルスで攻撃した。CPEに対する保護の程度を、感染後6日(ZIKV、ジカウイルス)または7日(DENV、デングウイルス)後に、異なる試験条件で細胞生存率を定量化し、値を未処理の細胞およびビヒクルのみ(感染培地)で処理した細胞の値と比較することによって監視した。
中和アッセイの品質管理を全てのプレートで行い、i)バックグラウンドに対するシグナル(S/B)値、ii)既知の阻害剤による阻害、およびiii)全てのデータポイントの変動係数(CV)により測定されるアッセイの変動を判定した。感染アッセイの全体的な変動は、3.4%~9.5%の範囲であり、生存率アッセイの全体的な変動は、1.4%~3.2%の範囲であり、全てのCV値の平均として計算した。感染アッセイのシグナル対バックグラウンド(S/B)は、2.9~11.0の範囲であったが、一方で、生存率アッセイのシグナル対バックグラウンド(S/B)は、6.5~29.9の範囲であった。
【0121】
ニュートラルレッド読み取りによるDENV2誘発細胞変性効果(CPE)の保護:DENV2抗ウイルスアッセイでは、08-10381 Montserrat株を使用した。ウイルスストックを、C6/36昆虫細胞で生成した。Vero細胞(Cercopithecus aethiopsに由来する上皮腎細胞)を、5%FBSを含むMEM(MEM5)で維持した。感染および生存率の両方のアッセイのために、細胞を、96ウェル透明平底プレートに1ウェルあたり10,000個の細胞で播種し、24時間37℃で、MEM5で維持した。感染の日に、1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むMEMを使用して、試料をU底プレートに8倍に希釈した。試験物質の希釈液を、1.25倍の最終濃度で調製し、40μlを標的細胞とともに37℃で30分間インキュベートした。試験材料の事前インキュベーション後、1%BSAを含むMEMで調製した10μlのウイルス希釈液を各ウェルに添加し(1ウェルあたり50μlの最終体積)、プレートを、5%CO2の加湿インキュベーターで、37℃で3時間インキュベートした。アッセイで使用されるウイルスの体積を、リバビリンおよびDENV2の既知の阻害剤である化合物A3によって阻害される線形範囲のシグナルを生成するように以前に決定した。感染インキュベーションの後、細胞を、PBS、次いで2%FBSを含むMEM(MEM2)で洗浄し、未結合ウイルスを除去した。続いて、MEM2で1倍の濃度で調製した阻害剤希釈液を含む50μlの培地を、各ウェルに添加した。プレートを、インキュベーター(5%CO2)で、37℃で7日間インキュベートした。ウイルスを含まない対照(「模擬感染」)、培地のみでインキュベートした感染細胞、ビヒクルのみ(メタノール)でインキュベートした感染細胞、および細胞を含まないウェル(バックグラウンドを判定するため)を、アッセイプレートに含めた。50μMリバビリンおよび0.5μM化合物A3を含む対照ウェルもまた、アッセイプレートに含めた。感染の7日後、細胞を、ニュートラルレッドで染色し、細胞生存率を監視した。試験材料を、感染培地で連続8倍希釈を使用して複製で評価した。対照は、ウイルスなしでインキュベートした細胞(「模擬感染」)、培地のみでインキュベートした感染細胞、またはリバビリン(0.5μM)もしくはA3(0.5μM)の存在下での感染細胞を含んだ。メタノールビヒクルのみを使用した完全な複製阻害曲線は、同じアッセイプレートに含まれた。
【0122】
ニュートラルレッド読み取りによるZIKV誘導細胞変性効果(CPE)の保護:ZIKV抗ウイルスアッセイでは、PLCal_ZV株を使用した。Vero細胞(Cercopithecus aethiopsに由来する上皮腎細胞)を、5%FBSを含むMEM(MEM5)で維持した。感染および生存率の両方のアッセイのために、細胞を、96ウェル透明平底プレートに1ウェルあたり10,000個の細胞で播種し、24時間37℃で、MEM5で維持した。感染の日に、1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むMEMを使用して、試料をU底プレートに8倍に希釈した。試験物質の希釈液を、1.25倍の最終濃度で調製し、40μlを標的細胞とともに37℃で30分間インキュベートした。試験材料の事前インキュベーション後、1%BSAを含むMEMで調製した10μlのウイルス希釈液を各ウェルに添加し(1ウェルあたり50μlの最終体積)、プレートを、5%CO2の加湿インキュベーターで、37℃で3時間インキュベートした。感染インキュベーションの後、細胞を、PBS、次いで2%FBSを含むMEM(MEM2)で洗浄し、未結合ウイルスを除去した。続いて、MEM2で1倍の濃度で調製した阻害剤希釈液を含む50μlの培地を、各ウェルに添加した。プレートを、インキュベーター(5%CO2)で、37℃で6日間インキュベートした。ウイルスを含まない対照(「模擬感染」)、培地のみでインキュベートした感染細胞、ビヒクルのみ(メタノール)でインキュベートした感染細胞、および細胞を含まないウェル(バックグラウンドを判定するため)を、アッセイプレートに含めた。感染の6日後、細胞を、ニュートラルレッドで染色し、細胞生存率を監視した。試験材料を、感染培地で連続8倍希釈を使用して複製で評価した。対照は、ウイルスなしでインキュベートした細胞(「模擬感染」)、培地のみでインキュベートした感染細胞、またはA3(0.5μM)の存在下での感染細胞を含んだ。メタノールビヒクルのみを使用した完全な複製阻害曲線は、同じアッセイプレートに含まれた。
【0123】
CPEベースの生存率データの分析:ニュートラルレッドアッセイでは、490nmでの吸光度を監視することによって、細胞生存率を判定した。細胞を含まないウェルで得られた平均シグナルを、全ての試料から差し引いた。次いで、全てのデータポイントを、同じアッセイプレート上の模擬(非感染)細胞の8つのウェルで観察された平均シグナルの割合として計算した。培地のみで処理された感染細胞は、非感染細胞で観察されたシグナルの平均4.2%(HRVの場合)、26.9%(DENVの場合)、および5.1%(ZIKVの場合)の平均にシグナルを低減した。このアッセイのシグナル対バックグラウンド(S/B)は、2.9(DENVの場合)、および7.2(ZIKVの場合)であり、ビヒクルのみで処理した感染細胞の生存率と比較した「模擬感染」細胞の生存率として判定した。
【0124】
化合物誘発細胞毒性を評価するための生存率アッセイ(XTT):模擬感染細胞を、対応する感染アッセイで使用したものと同じ実験設定および阻害剤濃度を使用して、阻害剤希釈液(または培地のみ)とともにインキュベートした。インキュベーション温度およびインキュベーション期間の長さは、対応する感染アッセイの条件を反映した。細胞生存率を、XTT法で評価した。XTTアッセイは、ミトコンドリアの活性を測定し、橙色のホルマザン色素を形成する黄色のテトラゾリウム塩(XTT)の切断に基づく。反応は、活性なミトコンドリアを有する生細胞でのみ生じる。ホルマザン色素は、走査型マルチウェル分光光度計を使用して直接定量化される。細胞を含まないウェルから得られたバックグラウンドレベルを、全てのデータポイントから差し引いた。メタノールビヒクルのみの対照(各オレアンドリン試験ウェルの最終メタノールパーセントを反映する7つの濃度で)を、生存率アッセイプレートに含めた。生存率の程度は、490nmでの吸光度を測定することによって監視した。
細胞毒性データの分析:XTTアッセイでは、490nmでの吸光度を監視することによって、細胞生存率を判定した。細胞を含まないウェルで得られた平均シグナルを、全ての試料から差し引いた。次いで、全てのデータポイントを、同じアッセイプレート上の模擬(非感染)細胞の8つのウェルで観察された平均シグナルの割合として計算した。このアッセイのシグナル対バックグラウンド(S/B)は、29.9(IVAの場合)、8.7(HRVの場合)、6.5(DENVの場合)、および6.7(ZIKVの場合)であり、細胞を含まないウェルで観察されたシグナルと比較した「模擬感染」細胞の生存率として判定した。
【0125】
(実施例15)
フィロウイルス(エボラウイルスおよびマールブルグウイルス)に対する抗ウイルス活性の評価
方法A.
Vero E6細胞に、オレアンドリン、ジゴキシン、またはオレアンドリン含有植物抽出物であるPBI-05204の存在下でEBOV/Kik(A、MOI=1)またはMARV/Ci67(B、MOI=1)を感染させた。1時間後、接種物および化合物を除去し、新鮮な培地を細胞に添加した。48時間後、細胞を固定して免疫染色し、EBOVまたはMARVに感染した細胞を検出した。感染した細胞を、Operettaを使用して数えた。C)Vero E6細胞を、上記の化合物で処理した。ATPレベルは、細胞生存率の測定としてCellTiter-Gloによって測定された。
方法B.
Vero E6細胞に、EBOV(A、B)またはMARV(C、D)を感染させた。感染後2時間(A、C)または感染後24時間(B、D)で、オレアンドリンまたはPBI-05204を1時間細胞に添加し、次いで廃棄し、細胞を培養培地に戻した。感染後48時間で、感染した細胞を図1のように分析した。
方法C.
Vero E6細胞に、オレアンドリンまたはPBI-05204の存在下でEBOVまたはMARVを感染させ、48時間インキュベートした。感染した細胞培養物の上清を、新鮮なVero E6細胞に継代し、1時間インキュベートし、次いで廃棄した(Aに示されるように)。継代した上清を含む細胞を、48時間インキュベートした。EBOV(B)またはMARV(C)に感染した細胞を、以前に記載されるように検出した。対照感染率は、EBOVについては66%、MARVについては67%であった。
【0126】
(実施例16)
トガウイルス科ウイルスに対する抗ウイルス活性の評価
(アルファウイルス:VEEVおよびWEEV)
Vero E6細胞に、示された化合物の存在下または非存在下で18時間、ベネズエラウマ脳炎ウイルス(A、MOI=0.01)または西部ウマ脳炎ウイルス(B、MOI=0.1)を感染させた。感染した細胞を、本明細書に記載されるように検出し、Operettaで数えた。
【0127】
(実施例17)
対象におけるパラミクソウイルス感染の治療
例示的なパラミクソウイルス科ウイルス感染には、ヘニパウイルス属感染、ニパウイルス感染、またはヘンドラウイルス感染が含まれる。
方法A.抗ウイルス組成物療法
パラミクソウイルス科感染を呈している対象に、抗ウイルス組成物を処方し、治療関連用量を、処方された投与計画に従って一定期間対象に投与する。対象の治療応答のレベルを、定期的に判定する。治療応答のレベルは、血液または血漿中の対象のウイルス力価を判定することによって測定することができる。ある用量で治療応答のレベルが低すぎる場合、対象における治療応答の所望のレベルが達成されるまで、所定の用量漸増スケジュールに従って用量が漸増される。抗ウイルス組成物による対象の治療は、必要に応じて継続され、患者が所望の臨床的エンドポイントに達するまで、用量または投与計画が必要に応じて調節され得る。
方法B.併用療法:別の薬剤との抗ウイルス組成物
パラミクソウイルス科感染またはその症状の治療のために対象が1つ以上の他の治療薬を処方および投与されることを除いて、上記の方法Aに従う。次いで、抗ウイルス組成物の前、後、またはそれとともに1つ以上の他の治療薬を投与することができる。1つ以上の他の治療薬の用量漸増(または漸減)もまた行うことができる。
【0128】
(実施例18)
初代huPBMCの細胞株および単離
ウイルス生成HTLV-1-形質転換(HTLV-1+)SLB1リンパ腫T-細胞株(Arnoldら,2008;P.Green,The Ohio State University-Comprehensive Cancer Centerに好意で提供された)を、10%CO2下、37℃にて加湿インキュベーター中で、10%加熱不活化ウシ胎仔血清(FBS;Biowest)、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン硫酸塩、および20μg/mlゲンタマイシン硫酸塩(Life Technologies)を補充したIscoveの改質Dulbecco培地(IMDM;ATCC No.30-2005)において培養した。
【0129】
初代ヒト末梢血単核細胞(huPBMC)は、SMU試験審査委員会の承認を受けたプロトコールの下で、またHelsinki宣言の原理に沿って、SMU Memorial Health Centerに鑑定者なしで提供された全血試料から単離した。簡潔には、2mlの全血を、ポリプロピレンコニカルチューブ(Corning)中で、等しい体積の減菌リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、pH7.4と混合し、次いで試料を、3mlのリンパ球分離培地(MP Biomedicals)の上に静かに積層した。試料を、室温にて、スイングバケットローター中で、400×gで30分遠心分離した。バフィーコートのhuPBMCを続いて吸引し、RPMI-1640培地(ATCC No.30-2001)中で2×洗浄し、260×gで7分にわたる遠心分離によりペレット化した。細胞は、20%FBS、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン硫酸塩、20μg/mlゲンタマイシン硫酸塩、および50U/ml組換えヒトインターロイキン-2(hu-IL-2;Roche Applied Science)を補充したRPMI-1640培地中で再懸濁し、10ng/mlフィトヘマグルチニン(PHA;Sigma-Aldrich)で24時間刺激し、10%CO2下、37℃にて加湿インキュベーター中で成長させた。翌日、細胞を260×gで7分にわたる遠心分離によりペレット化し、RPMI-1640培地で2×洗浄して、PHAを除去し、次いで再懸濁し、抗生物質および50U/ml hu-IL-2を補充した完全培地中で培養した。
【0130】
(実施例19)
GFP発現HTLV-1+SLB1/pLenti-GFP T-細胞クローンの生成
GFP発現HTLV-1+SLB1 T-細胞クローンを生成するために、2×106個のSLB1細胞を60mm2組織培養皿(Corning)、10%加熱不活化FBSおよび抗生物質を補充したIMDM中に蒔き、次いで、ブラストサイジン耐性遺伝子も持つpLenti-6.2/V5-DEST-緑色蛍光タンパク質発現ベクターを含むレンチウイルス粒子を形質導入した。6時間後、形質導入された細胞を、室温にて、260×gで7分にわたる遠心分離によりペレット化した、無血清IMDMで2×洗浄し、5μg/mlブラストサイジン(Life Technologies)を補充した完全培地中で再懸濁し、96ウェルマイクロタイタープレート(Corning)に等分した。培養物を、37℃および10%CO2の加湿インキュベーター中で、ブラストサイジンにより2週間選択して維持した。GFP発現リンパ芽球を、蛍光顕微鏡検査によりスクリーニングし、次いで、96ウェルマイクロタイタープレート中での限定希釈により蒔いて、均質なGFP発現細胞クローンを得た。生じたHTLV-1+SLB1/pLenti-GFP T-リンパ球クローンを膨張させ、繰り返し継代し;GFPの発現を、硫酸ドデシルナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)、およびウサギポリクローナル抗GFP(FL)抗体(Santa Cruz Biotechnology)を使用した免疫ブロッティングにより確認した。
【0131】
(実施例20)
抗HTLV-1 p19Gag ELISAによるウイルス生成および粒子の感染性の定量
HTLV-1プロウイルス複製、および新たに合成された細胞外ウイルス粒子放出の際に、オレアンドリンまたはN.oleanderの抽出物の効果を判定するために、HTLV-1+SLB1リンパ腫T-細胞株を、96ウェルマイクロタイタープレート中の、抗生物質を補充した300μlの完全培地に、ウェルあたり2×104個の細胞を蒔き、10%CO2下で37℃にてインキュベートした。精製したオレアンドリン化合物およびN.oleanderの抽出物(Phoenix Biotechnology;Singhら、2013を参照されたい)を、2mg/mlのストック濃度でビヒクル溶液(MilliQ蒸留/脱イオンH2O中20% v/vジメチルスルホキシド、DMSO)中で再懸濁し、次いで、ルアーロック0.2μm注射器フィルター(Millipore)を使用して滅菌した。HTLV-1+SLB1細胞を、10、50、および100μg/mlの濃度でのオレアンドリンもしくはN.oleander抽出物、または上昇量(1.5、7.5、および15μl)のビヒクル対照で72時間処理した。96ウェルマイクロタイタープレートを、次いで、Eppendorf A-2-DWPスイングプレートローターを使用して、室温にて260×gで7分遠心分離して、細胞をペレット化し、培養物の上清に放出された細胞外p19Gag含有HTLV-1粒子のレベルは、比色抗p19Gag 酵素結合免疫吸着測定アッセイ(ELISA;Zeptometrix)を行うことにより、p19Gagタンパク質標準と比較して定量した。試料は、Berthold Tristar LB 941マルチモードマイクロプレートリーダーで、吸光度モード450nmにて、3つの複製を用いて分析した。
【0132】
オレアンドリンで処理した細胞から収集された、新たに合成された細胞外HTLV-1粒子の感染性を評価するために、2×104個のHTLV-1+SLB1 T-リンパ芽球は、抗生物質を補充した300μlの完全培地中に蒔き、培養物を、上昇濃度(10、50、および100μg/ml)のオレアンドリンまたはN.oleander抽出物、またはビヒクル対照(1.5、7.5、および15μl)で72時間処理した。次いで、50μlのウイルス含有上清を使用して、huPBMCを直接感染させ、これを96ウェルマイクロタイタープレートのウェルあたり2×104個の細胞の密度で、抗生物質およびhu-IL-2を補充した完全培地中に蒔いた。オレアンドリン化合物、N.oleander抽出物、またはビヒクル対照は、新たに生成された粒子により考えられる再感染事象をコントロールするために、huPBMC培地中で維持した。72時間後、感染したhuPBMCにより培養物の上清に放出された、細胞外p19Gag含有HTLV-1ビリオンの相対的レベルは、抗HTLV-1 p19Gag ELISAを介して定量した。
【0133】
(実施例21)
細胞アポトーシスの測定
処理した細胞培養物におけるオレアンドリン化合物、N.oleanderの抽出物、またはビヒクル対照の相対的な細胞毒性を評価するために、2×104個のHTLV-1+SLB1リンパ腫T-細胞、または活性化した/培養したhuPBMCを、抗生物質を補充した300μlの完全培地に蒔き、10%CO2下、37℃にて加湿インキュベーター中で維持した。培養物を上昇濃度(10、50、および100μg/ml)のオレアンドリンもしくはN.oleander抽出物、またはビヒクル対照(1.5、7.5、15ml)で処理し、72時間インキュベートした。シクロホスファミド(50μM;Sigma-Aldrich)で処理した細胞は、アポトーシスの陽性対照として含まれた。細胞を、次いで吸引し、ポリ-L-リジンおよびコンカナバリンA(1mg/ml;Sigma-Aldrich)の減菌0.01%溶液で前処理したPermanox 8-チャンバ組織培養スライド(Nalge)に蒔いた。試料は、続いて、フルオレセインイソチオシアネートおよびヨウ化プロピジウム(PI;BD-Pharmingen)とコンジュゲートしたAnnexin V(Annexin V-FITC)を用いる、顕微鏡検査のアポトーシス検出キットを使用して染色し、視界あたりのアポトーシスの相対的割合(すなわち、Annexin V-FITC および/またはPI-陽性)細胞を、20×対物レンズを使用して共焦点蛍光顕微鏡検査により3回定量した。視界あたりの細胞の総数は、DIC位相差フィルターを使用した顕微鏡検査により定量した。
【0134】
(実施例22)
共培養アッセイにおけるHTLV-1伝播およびウイルス学的シナプス形成
HTLV-1の伝播は、典型的には、ウイルス学的シナプスを経た、感染細胞と未感染の標的細胞との間の直接接触を介して発生する(Igakuraら、2003;Pais-Correiaら、2010;Grossら、2016;Omslandら、2018;Majorovitsら、2008)ので、本発明者らは、オレアンドリン、N.oleander抽出物、またはビヒクル対照が、ウイルス学的シナプスの形成、および/またはインビトロでの細胞内相互反応を経由した感染性のHTLV-1粒子の伝播に影響し得るかどうかを試験した。これらの実験では、2×104個のウイルス生成HTLV-1+SLB1 T-細胞を、96ウェルマイクロタイタープレートに蒔き、300μlの完全培地において、マイトマイシンC(100μg/ml)で、10%CO2下、37℃にて2時間処理した(Bryjaら、2006)。培養基を、次いで除去し、細胞を無血清IMDMで2×洗浄し、細胞を、上昇量(10、50、および100μg/ml)のオレアンドリン、またはN.oleander抽出物、またはビヒクル対照(1.5、7.5、および15μl)で15分または3時間処理した。あるいは、2×104個のGFP発現HTLV-1+SLB1/pLenti-GFP T-細胞を、8-チャンバ組織培養スライドにおいて、300μlの完全培地中に蒔き、マイトマイシンCで処理し、無血清IMDMで2×洗浄し、次いで、共焦点顕微鏡検査の実験で説明されているように、オレアンドリン、N.oleander抽出物、またはビヒクル対照で処理した。本発明者らは、次に培地を吸引し、HTLV-1+SLB1細胞を無血清培地で2×洗浄し、2×104個のhuPBMCを各ウェルの、20%FBS、抗生物質および50U/ml hu-IL-2を補充した300μlのRPMI-1640培地中に添加し、次いで細胞を、10%CO2下、37℃にて加湿インキュベーター中で、さらに72時間共培養した(細胞を6時間共培養して、SLB1/pLenti-GFPリンパ芽球を使用した共焦点顕微鏡検査により、ウイルス学的シナプス形成およびウイルスの伝播を視覚化した)。陰性対照として、huPBMCを、ウイルス生成細胞なしでそれのみ培養した。オレアンドリン、N.oleander抽出物、およびビヒクルを、共培地中で維持した。共培養物の上清に放出された細胞外p19Gag含有HTLV-1粒子の相対的レベルは、細胞内ウイルス伝播の結果として、抗HTLV-1 p19Gag ELISAを行うことにより定量した。GFP-陽性HTLV-1+SLB/pLenti-GFP細胞と、huPBMCとの間に形成されたウイルス学的シナプスは、固定試料を、抗HTLV-1 gp21Env一次抗体およびローダミン赤色コンジュゲート二次抗体で染色することにより、免疫蛍光共顕微鏡検査を使用して視覚化した。ジアミジノ-2-フェニル-インドール二塩酸塩(DAPI;Molecular Probes)核染色が未感染(すなわち、HTLV-1-陰性)細胞の比較のため、およびそれを視覚化するために含まれた。共培養アッセイにおけるHTLV-1のhuPBMCへの細胞内伝播は、20×対物レンズを使用して、20視野でHTLV-1 gp21Env-陽性(およびGFP-陰性)huPBMCの相対的割合をカウントすることにより定量した。
【0135】
(実施例23)
顕微鏡検査
細胞アポトーシスおよび細胞毒性を定量化するために、Annexin V-FITC/PI-染色試料は、Plan-Apochromat 20×/0.8対物レンズおよびZeiss ZENシステムソフトウェア(Carl Zeiss Microscopy)を使用して、Airyscan検出器およびステージCO2インキュベーターを備えたZeiss LSM800機器での共焦点蛍光顕微鏡検査により視覚化した。マイトマイシンCで処理したHTLV-1+SLB1/pLenti-GFPリンパ芽球と、培養したhuPBMCとの間のウイルス学的シナプスの形成およびウイルス伝播(すなわち、抗HTLV-1 gp21Env-陽性huPBMCの相対的割合を定量化することにより判定される)を、Plan-Apochromat 20x/0.8 対物レンズを使用した免疫蛍光-共焦点顕微鏡検査により視覚化した。DAPIの相対的蛍光強度、抗HTLV-1 gp21Env-特異性(ローダミン赤色 - 陽性)およびGFPシグナルは、Zen 2.5D分析ツール(Carl Zeiss Microscopy)を使用してグラフとして定量した。GFP発現HTLV-1+SLB1/pLenti-GFP T-細胞クローンを、Nikon Eclipse TE2000-U倒立顕微鏡と、633nmおよび543nm He/Ne、ならびに488nm Arレーザーを備えたD-Eclipse共焦点イメージングシステムで、Plan Fluor 10×/0.30対物レンズおよびDIC位相差フィルター(Nikon Instruments)を使用して、共焦点蛍光顕微鏡検査によりスクリーニングした。
【0136】
(実施例24)
統計解析
実験データセットの統計学的有意性は、不対両側Studentのt検定(アルファ=0.05)を使用して判定しShapiro-Wilk正常性試験およびGraphpad Prism 7.03ソフトウェアを使用してP-値を計算した。P-値を:0.1234(ns)、0.0332(*)、0.0021(**)、0.0002(***)、<0.0001(****)と定義した。特に注記がなければ、エラーバーは、少なくとも3つの独立した実験からのSEMを表す。
【0137】
(実施例25)
対象におけるデルタレトロウイルス感染の治療
例示的なデルタレトロウイルス感染は、HTLV-1を含む。
方法A.抗ウイルス組成物療法
HTLV-1感染を呈している対象に、抗ウイルス組成物を処方し、治療関連用量を、処方された投与計画に従って一定期間対象に投与する。対象の治療応答のレベルを、定期的に判定する。治療応答のレベルは、血液または血漿中の対象のHTLV-1ウイルス力価を判定することによって測定することができる。ある用量で治療応答のレベルが低すぎる場合、対象における治療応答の所望のレベルが達成されるまで、所定の用量漸増スケジュールに従って用量が漸増される。抗ウイルス組成物による対象の治療は、必要に応じて継続され、患者が所望の臨床的エンドポイントに達するまで、用量または投与計画が必要に応じて調節され得る。
【0138】
方法B.併用療法:別の薬剤との抗ウイルス組成物
HTLV-1感染またはその症状の治療のために対象が1つ以上の他の治療薬を処方および投与されることを除いて、上記の方法Aに従う。次いで、抗ウイルス組成物の前、後、またはそれとともに1つ以上の他の治療薬を投与することができる。1つ以上の他の治療薬の用量漸増(または漸減)もまた行うことができる。例示的な他の治療薬は、本明細書に記載される。
本明細書で使用される場合、「約」または「おおよそ」という用語は、指定された値の±10%、±5%、±2.5%、または±1%を意味すると解釈される。本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、「大部分」または「少なくとも大部分」または「50%超」を意味すると解釈される。
【0139】
上記は、本発明の特定の実施形態の詳細な説明である。本発明の特定の実施形態を例示の目的で本明細書に説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができることを理解されたい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲による場合を除いて限定されない。本明細書で開示および特許請求される実施形態の全ては、本開示に照らして過度の実験なしで作成および実行することができる。
図1
図2
図3
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図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
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図16A
図16B
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【国際調査報告】