(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】自転車のためのCVT自動バリエータ変速機
(51)【国際特許分類】
B62M 9/08 20060101AFI20220728BHJP
F16H 9/18 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
B62M9/08 A
F16H9/18 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570809
(86)(22)【出願日】2019-05-27
(85)【翻訳文提出日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 TR2019050383
(87)【国際公開番号】W WO2020153915
(87)【国際公開日】2020-07-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521518345
【氏名又は名称】イェシル コンプレサー クリマ タサリム イマラト サナイ ヴェ ティジャーレット リミテッド シルケティ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】アサディ,ペイマン
【テーマコード(参考)】
3J050
【Fターム(参考)】
3J050AA01
3J050BA03
3J050CA02
3J050CA08
3J050CC02
3J050CC03
3J050DA04
(57)【要約】
本発明は、ペダルまたは運動伝達の形態が設けられている場合には手からの回転速度を増加または減少させることができる自転車で使用するためのCVTバリエータ変速機ボックス(1)であり、自転車の前輪、後輪またはフレームのあらゆる部分に位置決めされる、ペダルまたは運動伝達の形態が設けられている場合には手からの速度を増加または減少させることにより前輪または後輪に伝達することができるCVTバリエータ変速機機構(20)を備えた新しいバリエータギアボックスを紹介する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペダルから(運動伝達方法が設けられている場合には手から)の回転運動の速度を増加または減少させることができる自転車に使用するためのCVTバリエータ変速機ボックス(1)であって、
-前記ペダルから(前記運動伝達方法が設けられている場合には手から)の前記回転運動を、中心軸からそこに接続されているチェーンまたは好適な運動伝達要素を介して入力大型ギア(32)に伝達する変速機駆動ギア(33)と、
-前記ギアボックス駆動ギア(33)から前記回転運動を受け取り、かつ前記速度を増加させるためにそれを前方小型ギア(30)に伝達する前記入力大型ギア(32)と、
-速度が増加するにつれて前記入力大型ギア(32)から受け取った前記回転運動を前記中心軸からそれに関連づけられている前方半分シャフトプーリー(28)に伝達する前記前方小型ギア(30)と、
-前記前方小型ギア(30)から前記回転運動を受け取ることによりその上に位置決めされている前方半分傾斜プーリー(26)を回転させる前記前方半分シャフトプーリー(28)と、
-前記前方半分シャフトプーリー(28)(これはシャフトを有していなくてもシャフトに関連づけられていてもよい)と共に回転し、かつベルト(29)を介してそれに関連づけられている後方半分プーリー(23)を回転させることができるその後面に楕円形の(湾曲した)形状を有する前記前方半分傾斜プーリー(26)と、
-前記前方半分傾斜プーリー(26)内の傾斜したスロット(261)内に位置決めされており、かつ前記前方半分傾斜プーリー(26)が回転する際の遠心力の作用により前記前方半分傾斜プーリー(26)の側面に向かって移動する滑り重り(25)と、
-前記前方半分傾斜プーリー(26)上に配置されており、かつバネ(22)の方向に内向きに前記後面に位置しているバリエータ傾斜プレート(24)と、
-前記前方半分傾斜プーリー(26)上に前記バネ(22)の方向に湾曲した状態で(内向きに)前記後面に位置している前記バリエータ傾斜プレート(24)と、
-前記ベルト(29)を介し、前記前方半分傾斜プーリー(26)によって回転され、かつ後面が凸状に湾曲した前記後方半分プーリー(23)と、
-前記後方半分プーリー(23)と前記前方半分傾斜プーリー(26)との間で運動を伝達する前記ベルト(29)と、
-当該システムの速度が低下した場合にそれを押し下げることにより前記後方半分プーリー(23)をその元の位置に戻す前記バネ(22)と、
-前記後方半分プーリー(23)の底に位置しており、かつそれと一緒に回転する後方半分シャフトプーリー(27)と、
-その中心軸において前記後方半分シャフトプーリー(27)(これはシャフトを有していなくてもシャフトに関連づけられていてもよい)に関連づけられており、かつ前記後方半分プーリー(27)と共に回転する後方小型ギア(36)と
を特徴とし、かつ
-前記後方小型ギア(36)から前記回転運動を受け取り、かつ直接にあるいは前記前輪または後輪への任意の接続要素を介してそれを伝達する出力大型ギア(31)
を特徴とするCVTバリエータ変速機ボックス(1)。
【請求項2】
本体(10)上に位置する前記CVTバリエータは変速機機構(20)の周囲を保護するカバー(11)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバリエータ変速機ボックス(1)。
【請求項3】
前記後方半分プーリー(23)上に前記バネ(22)を保持している固定座金(21)を特徴とする、請求項1に記載のバリエータ変速機ボックス(1)。
【請求項4】
前記後方半分プーリー(23)上に前記バネ(22)を保持している固定座金(21)を有することを特徴とする、請求項1に記載のバリエータ変速機ボックス(1)。
【請求項5】
その中の滑り重り(25)が前記前方半分傾斜プーリー(26)内に位置決めされており、かつ遠心力の作用により移動可能である前記傾斜スロット(261)を特徴とする、請求項1に記載のバリエータ変速機ボックス(1)。
【請求項6】
ギアおよびプーリーを回転させることができる軸受(34)を特徴とする、請求項1に記載のバリエータ変速機ボックス(1)。
【請求項7】
ペダルからの回転速度を増加または減少させることができる自転車に使用するための自動バリエータ変速機であって、
-回転運動の速度を増加させるために、作動された場合に前記ペダルから(または運動伝達方法が設けられている場合には手から)の回転運動をペダル駆動ギア(33)、入力大型ギア(32)、前方小型ギア(30)および前方半分プーリー(28)を介して前方半分傾斜プーリー(26)に伝達し、
・バリエータプレート(24)の曲線および前記前方半分傾斜プーリー(26)の内面の楕円形により、遠心力の作用により前記前方半分傾斜プーリー(26)の下方に傾斜している溝(261)の中で移動する滑り重り(25)は前記前方半分傾斜プーリー(26)を変速機駆動ギア(33)の方向に押し、
・前記押した結果として、前記前方半分傾斜プーリー(26)の後面に取り付けられたベルト(29)はそれを最大の直径で把持して、下方に押された前記前方半分傾斜プーリー(26)により高速での走行を保証し、
・前記前方半分傾斜プーリー(26)を最大の直径で把持することによりより短くなる前記ベルト(29)は、前記後方楕円形湾曲面上の前記後方半分プーリー(23)を押し、それにより前記バネを上方に押してバネ(22)を締め、かつ前記後方半分プーリー(23)を最小の直径で把持し、
-前記ペダルまたは(前記運動伝達方法が設けられている場合には)手によって加えられる駆動を解放することにより減速される前記前方半分傾斜プーリー(26)の速度を減少させるために、
・前記傾斜スロット(261)内の前記前方半分傾斜プーリー(26)の中心方向への前記滑り重り(25)の運動、
・前記滑り重り(25)の前記運動の結果としての前記前方半分傾斜プーリー(26)の運動、
・前記速度を減少させるために、前記ベルト(29)は前記前方半分傾斜プーリー(26)の上方への移動の結果として前記前方半分傾斜プーリー(26)を最小の直径で把持すること、
・バネ(22)が前記後方半分プーリー(23)を下方に押すこと、
・下方に押される前記下側半分プーリー(23)の底面に位置する湾曲表面を外向き方向に把持する前記ベルト(29)は前記下側半分プーリー(23)を最大の直径で把持すること、
・前記前方半分傾斜プーリー(26)が最小の直径であり、前記下側半分プーリー(23)が最大の直径である状態で前記ベルト(29)の減少した速度を後方半分シャフトプーリー(27)および後方小型ギア(36)を介して出力大型ギア(31)に伝達すること
を特徴とする自動バリエータ変速機。
【請求項8】
前記自転車は、前記前輪、前記後輪または前記フレームのあらゆる部分に位置決めされるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のバリエータ変速機ボックス(1)。
【請求項9】
使用される前記滑り重り(25)の数および質量は、目的に従って増加または減少させることができることを特徴とする、請求項1に記載のバリエータ変速機ボックス(1)。
【請求項10】
加熱から保護するためにファンまたは冷媒によって提供することができる冷媒を特徴とする、請求項1に記載のバリエータ変速機ボックス(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車で使用するための自動バリエータ変速機に関し、ペダルからの回転速度を増加または減少させることができる。
【背景技術】
【0002】
大都市に住んでいる人々の人口は日々増加している。従って都市で使用される車両の数もかなり増加している。これらの増加の結果として、都市の交通密度も増加している。従って、交通手段による移動にそれほど多くの時間を費やさず、かつ運動することもできるように、人々は自転車を使用する傾向がある。最先端技術では自転車を使用することがより好ましい。しかし既存の自転車のギアシフト機構は手動であり、従って多くの問題を引き起こす。本発明は新しい自動バリエータ変速機について記載しており、チェーンが外れることやギアシフト部品の頻繁な故障などの問題を克服しており、そのような状況における好適なギアシフトは知られておらず同様の問題となっている。
【0003】
現状では、バリエータ変速機システムは車両およびオートバイにおいて頻繁に使用されている自動変速機の一種である。最先端技術では自転車へのバリエータ変速機の使用は見つかっていない。これは乗り手によって提供される速度が低いからである。本発明はこの問題を克服し、かつバリエータ変速機を自転車で使用することを可能にした。
【0004】
本発明者らが行った調査で見つかったトルコ公報番号第2015/03566号の特許文献には、「当該発明の前記製品は改良された輸送自転車であり、貨物および人の輸送に使用することができる」という記載がある。
【0005】
上記発明に係るこの製品は12個の部品からなる。これらは後輪スプロケット(1)、運動分配入力ギア(2)、運動分配シャフト(3)、運動分配シャフト軸受(4)、変速入力スプロケット(5)、変速シャフト(6)、変速軸受(7)、ステアリングシステム(8)、ペダルシャフト軸受(9)、ペダルスプロケット(10)、ギアボックス出力スプロケット(11)、運動分配シャフト出力スプロケット(12)である。
【0006】
参考文献のトルコ公報番号第2015/03566号は貨物および人の輸送で使用される四輪自転車に関する。当該構造には多くのギアが存在する。しかし本発明のギアおよびCVTバリエータ変速機機構はその発明に含められていない。参考文献のトルコ特許第2015/03566号では速度の変化は変速ボックスにより行われるため、雑な方法で言及されている。
【0007】
従って、先行技術よりも優れ、かつ全ての欠点が排除されている新しいバリエータ変速機ボックスが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、先行技術よりも優れ、かつ全ての欠点が排除されているさらなる利点を有する自転車で使用するための新しいバリエータ自動変速機システムである。
【0009】
本発明の目的は、自転車で使用するためのペダルに対する運転手の回転速度を自動的に増加または減少させることができる、CVTバリエータ変速機機構を備えた新しいバリエータギアボックスを紹介することにある。
【0010】
本発明の別の目的は、CVTバリエータ変速機機構を自転車に実装するためにCVTバリエータギアボックスへの伝達前にペダルの速度を増加させる新しいバリエータギアボックスを提供することにある。
【0011】
本発明のさらなる目的は、ペダルの回転速度が非常に高い速度で達せられる自動速度制御を備えた自転車を提供することにある。
【0012】
本発明は、ペダルから(運動伝達方法が設けられている場合には手から)の回転速度を増加または減少させることができる、自転車で使用するための上記および以下の詳細な説明に係るCVTバリエータ変速機ボックスであり、ギアボックス駆動ギアはペダルから(運動伝達方法が設けられている場合には手から)の回転運動を好適な運動伝達要素によって、中心軸に関連づけられている入力大型ギアに伝達し、ギアボックス駆動ギアから回転運動を受け取る前記ギアは入力大型ギアを含み、前記入力は前記大型ギアから得られたギア車輪の運動により、中心軸に関連づけられている前方半分シャフトプーリーに伝達する小型ギアを含み、前記前方半分シャフトプーリー(これはシャフトを有していなくてもシャフトに関連づけられていてもよい)は、ベルトに関連づけられている後方半分プーリーを回転させることができ、後面楕円形の(湾曲した)前方半分傾斜プーリーは前方半分傾斜プーリーを含み、その後面にはバネ方向の(内側に向けられた)曲線を含むバリエータ傾斜プレートを含み、後方半分は、本システムの速度が低下した際にプーリーを下方に回転させるバネを含み、かつ後方半分シャフトプーリーを含み、後方半分シャフトプーリー(これはシャフトを有していなくてもシャフトに関連づけられていてもよい)と共に、前記後方小型ギアは中心軸に接続されており、かつ前記小型ギアを備えた後方ギアを含むと言われている後方半分プーリーに関連づけられており、かつ直接にあるいは前輪または後輪へのあらゆる締付け要素を介して移動する出力大型ギアを含む。
【0013】
本発明は以下の図面を参照して説明されているため、本発明の詳細はより理解可能になるであろう。但しこれは本発明を特定の構成に限定するものではない。それどころか全ての代替形態、修正形態および均等物も包含することが意図されており、それらは添付の特許請求の範囲によって定められている本発明の範囲に含めることができる。当然のことながら、示されている詳細は本発明の好ましい実施形態を例示し、かつ本方法の成形ならびに本発明の規定および概念的特徴の最も有用かつ理解しやすい説明の両方を提供するためにのみ示されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係るバリエータ変速機ボックスの斜視図である。
【
図2】本発明に係るバリエータ変速機ボックスの分解図である。
【
図3】本発明におけるCVTバリエータ変速機機構の分解図である。
【
図4】本発明におけるCVTバリエータ変速機機構の分解図である。
【0015】
本発明の理解を助けるために図には添付の図面において示されているように番号が付されており、それらの名称と共に以下に示す。
1.バリエータ変速機ボックス
10.本体
11.カバー
12.ボルト
20.CVTバリエータ変速機機構
21.バネ保持座金
22.バネ
23.後方半分プーリー
24.バリエータ傾斜プレート
25.滑り重り
26.前方半分傾斜プーリー
261.傾斜ソケット
27.後方半分シャフトプーリー
28.前方半分シャフトプーリー
29.ベルト
30.前方小型ギア
31.出力大型ギア
32.入力大型ギア
33.変速機駆動ギア
34.軸受
35.ナット
36.後方小型ギア
【発明を実施するための形態】
【0016】
この詳細な説明では、前記CVTバリエータ変速機ボックス(1)は単に本主題のさらなる理解を目的としたものであり例として示されているため、本主題を限定するものではない。この説明には、ペダルからの回転運動の速度を増加または減少させることができる、自転車のために使用されるCVTバリエータ変速機ボックス(1)について記載されている。
【0017】
図1は、本発明に係るバリエータ変速機ボックス(1)の代表的な図である。バリエータ変速機ボックス(1)は、自転車用ペダルの回転を前輪または後輪に伝達するか減少させるための機構を備える。当該機構の動作原理について以下に詳細に説明する。バリエータ変速機ボックス(1)は自転車の前輪または後輪に位置決めすることができる。さらにそれは自転車のフレームに取り付けられ、ペダルからの回転運動をチェーンおよび同様の伝達要素によって前輪または後輪に伝える。それは自転車のあらゆる部品上に位置決めすることができる。ここで重要なことは、どのようにそれを位置決めするかではなく、どのようにそれがペダルの回転運動を増加または減少させるかである。バリエータ変速機ボックス(1)は金属もしくはプラスチック部品を含んでいてもよい。バリエータ変速機ボックス(1)およびその中に含まれている要素は完全にプラスチック製であるか、完全に金属製あるか、あるいはいくかの部品が金属製でありそれ以外のいくつの部品がプラスチック製であるように製造することができる。バリエータ変速機ボックス(1)はそれが加熱されるのを防ぐために冷却器を備えていてもよい。前記冷却装置はファンによって供給される冷媒または様々な流体であってもよい。
【0018】
図2では、本発明のバリエータ変速機ボックス(1)は分解取付図により示されている。従ってバリエータ変速機ボックス(1)は、本体(10)と、本体(10)上に位置するCVTバリエータ変速機機構(20)と、変速機機構(20)を取り囲むことによりCVTバリエータを保護するカバー(11)とを備える。ここではCVTバリエータ変速機機構(20)を本体(10)上の取付溝に嵌めて、カバー(11)を閉じ、本体(10)およびカバー(11)をボルト(12)で締め付けることにより固定する。CVTバリエータ変速機機構(20)はバリエータシステムと同様の動作原理を有する。本発明では、ペダルからの回転運動の速度における自動の増加または減少はCVTバリエータ変速機機構(20)によって提供される。
【0019】
図3および
図4は、本発明におけるCVTバリエータ変速機機構(20)の分解取付図を示す。バリエータシステムは、ベルトおよびプーリーによって可変速度間隔で運動を伝達する機械要素である。CVTバリエータ変速機機構バリエータシステムに加えて、それはペダルからの回転運動の速度を増加させるギア機構も備える。これについての最も重要な理由は、バリエータシステムは低い速度で動作することができないということである。CVTバリエータ変速機機構(20)では、変速機駆動ギア(33)はチェーンまたは異なる接続要素により自転車のペダルに関連づけられている。ペダルからの駆動により回転する変速機駆動ギア(33)は、そこに接続されている入力大型ギア(32)を回転させる。入力大型ギア(32)は、そこに接続されている前方小型ギア(30)を回転させ、ペダルからの速度を僅かに増加させる。このようにして、ペダルからの運動の速度をバリエータによって使用することができる。前方小型ギア(30)は軸部分から前方半分シャフトプーリー(28)に接続されている。同時に、前方半分シャフトプーリー(28)も前方小型ギア(30)の回転により回転する。前方半分シャフトプーリー(28)上に位置決めされている前方半分傾斜プーリー(26)も回転する。前方半分傾斜プーリー(26)には傾斜スロット(261)が設けられている。これらの傾斜(261)内に滑り重り(25)が設けられている。滑り重り(25)を前方半分傾斜プーリー(26)内の傾斜したスロット(261)内に配置した後に、バリエータ傾斜プレート(24)を挿入してナット(35)で締め付ける(
図2)。前方半分傾斜プーリー(26)が回転すると、傾斜スロット(261)内の滑り重り(25)が遠心力の作用により前方半分傾斜プーリー26の外壁に向かって移動する。この間に、滑り重り(25)は前方半分傾斜プーリー(26)およびバリエータ傾斜プレート(24)の両方の楕円形形状の方向に移動する。この場合、滑り重り(25)が外面に向かって移動する間、前方半分は傾斜プーリー(26)を変速機駆動ギア(33)の方向に押し下げる。前方半分傾斜プーリー(26)は楕円形の底面を有する。この場合、前方半分傾斜プーリー(26)は下降するので、ベルト(29)が前方半分傾斜プーリー(26)を把持する直径は増加する。ここではベルト(29)の長さは直径が増加する際に同じままであるため、ベルト(29)はそれが関連づけられている後方半分プーリー(23)に圧力を加え、かつ後方半分プーリー(23)をバネ(22)の方向に移動させる。バネ(22)は締まり、かつベルト(29)は後方半分プーリー(23)を最小の直径で把持して回転させる。ベルト(29)は前方半分傾斜プーリー(26)を最大の直径で把持し、かつ後方半分プーリー(23)を最小の直径で把持する。これは最も高い速度を用いる場合である。ペダル駆動がそのままであるかその速度が低下した場合、前方半分傾斜プーリー(26)内の滑り重り(25)は中心に案内される。ペダル駆動が解放されるかその速度が減少した場合、前方半分傾斜プーリー(26)内の滑り重り(25)は中心に導かれる。この場合、前方半分傾斜プーリー(26)に対する圧力は増加し、かつ前方半分傾斜プーリー(26)はバネ(22)の方向に移動する。この場合、ベルト(29)は前方半分傾斜プーリー(26)を最小の直径で把持する。この場合、バネ(22)は後方半分プーリー(23)を変速機駆動ギア(33)の方向に移動させ、かつそれを下に移動させる。ベルト(29)は後方半分プーリー(23)を後方半分プーリー(23)の下面の楕円形の表面から最大の直径で把持して回転させる。ベルト(29)は前方半分傾斜プーリー(26)を最小の直径で把持し、かつ後方半分プーリー(23)を最大の直径で把持する。これは最も低い速度を用いる場合である。理解できるように、CVTバリエータ変速機システム(20)により速度を増加または減少させることができ、従って自転車に適合させることができる連続的に可変可能な比を有する新しい変速機、すなわちCVTバリエータ変速機が紹介されている。後方半分プーリー(23)が低速または高速で回転する場合、後方半分シャフトプーリー(27)も回転する。後方半分シャフトプーリー(27)はその中心軸から後方小型ギア(36)に関連づけられている。後方小型ギア(36)は出力大型ギア(31)に関連づけられている。
【0020】
出力大型ギア(31)は、運動伝達要素と前輪および後輪とを関連づけることにより自転車が移動するのを可能にする。従ってペダルからの回転運動の速度を前輪または後輪に対して増加および減少させる。本発明では、バネ(22)はバネ保持ボルト(21)およびナット(35)を介して後方半分プーリー(23)に取り付けられている。本発明では、ギアおよびプーリーは軸受(34)に連結されている。本発明では6つの滑り重り25が使用されていることが図面から分かる。滑り重り(25)の数は増減させることができる。同様に滑り重り(25)の重量寸法も異なってもよい。本発明におけるギアは異なる数のねじ山ピッチ、直径測定値、幾何学的形状を含んでいてもよい。運動伝達はギアシステムと同様であり、それにも運動伝達方法を設けることができる。速度を所望の量で増加または減少させるために、ギアおよびプーリーの直径を設計によって許容されるスケールで修正することができる。本発明では、ギアの代わりにあらゆるシステム、機構または運動伝達要素を使用することができる。本発明のベルト(29)は石油もしくは金属原料で作られていてもよい。バリエータ傾斜プレート(24)、前方半分傾斜プーリー(26)および後方半分プーリー(23)上の楕円形の表面の角度は所望のレベルで調整することができる。これはプーリー(26、27)の前後運動移動距離ならびに速度の最大および最小値に直接影響を与える。この理由のために要求に従って速度を変更することができる。
【国際調査報告】