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特表2022-535078単分散吸収性ポリエステルポリマー組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】単分散吸収性ポリエステルポリマー組成物
(51)【国際特許分類】
   A61L 27/18 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
A61L27/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571785
(86)(22)【出願日】2020-06-01
(85)【翻訳文提出日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 EP2020065128
(87)【国際公開番号】W WO2020245074
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】62/856,000
(32)【優先日】2019-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】521525929
【氏名又は名称】ナノミ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フランセン オッケ
(72)【発明者】
【氏名】ブラジウィスキー エミリー
(72)【発明者】
【氏名】クークック イヴリン
(72)【発明者】
【氏名】リップ ヤープ
【テーマコード(参考)】
4C081
【Fターム(参考)】
4C081AB36
4C081BB08
4C081BB09
4C081CA171
4C081DA12
(57)【要約】
本明細書に記載されるのは、ポリ-L-乳酸粒子などの吸収性ポリエステルポリマーを含む新規組成物であり、新コラーゲン形成性皮膚移植として機能し、当技術分野で以前に知られている、および/または使用される同様の組成物と比較して独特の物理的特性を有する新規組成物を含む。さらに本明細書において提供されるのは、これらの組成物および関連する組成物を含む新規のシステム、並びに美容的治療などにおいて、当該組成物およびシステムを使用する方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚体積を増加させるための注射に適している組成物であって、前記組成物は、有効量の新コラーゲン形成性(neocollagenic)の粒子を含み、前記粒子は、少なくとも主に、ポリ乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、PLA、またはそれらの2つ以上の混合物を含む群から選択される一つ以上の吸収性ポリエステルポリマーから構成されてなり、前記粒子の少なくとも約70%は、平均粒子直径の約30%以内である最大粒子直径を有するサイズ分布を有する、、組成物。
【請求項2】
前記粒子の少なくとも約80%は、前記平均粒子直径の25%以内である最大粒子直径を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記粒子の少なくとも約90%は、ミクロスフェアであり、および前記ミクロスフェアの少なくとも約50%は、30μm+/-12.5μmの範囲内の最大直径を有する、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の前記粒子の少なくとも約70%は、約27.5μmから約62.5μmの間の最大直径を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
3つの注射可能な前記粒子の凝集体における平均最大サイズは、200μm未満である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記粒子の少なくとも50%は、本質的にPLAからなる、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記PLAは、ポリ-L-乳酸(PLLA)(結晶性)、ポリ-D-乳酸(PDLA)(結晶性)、ポリ-D,L-乳酸(PDLLA)(非晶質)、またはそれらの混合物である、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物における前記ポリエステルポリマー内容物の少なくとも50%は、PLLAから構成される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
注射可能な前記粒子の存在、効果、または存在と効果との両方は、投与後、平均少なくとも1年間、ヒトにおいて検出可能である、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
有効量の前記組成物の皮膚注射および移植は、少なくとも約2年間の平均期間にわたって皮膚体積において測定可能な増加をもたらす、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物は、1つ以上の生理学的に許容可能な界面活性剤、および1つ以上の生理学的に許容可能なゲル化剤、を含む生理学的に適切な担体をさらに含む水性液体またはゲルの形態であり、前記粒子は10mg/mL~30mg/mLの濃度を有する、請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物は、約0.1mm~約0.4mmの内径の針を介した注射によって送達されることができ、失敗率は40%未満である、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
針を介して前記組成物の用量を送達するのに必要な平均最小力、最大力、またはその両方は、前記針を介して対応する用量のスカルプトラ(Sculptra)(登録商標)を送達するのに必要な対応する力の約50%以下だけである、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
平均粒子サイズは6ヶ月の加速安定性試験中に10%を超えて減少しない、ここで、前記組成物は38℃~42℃および約70%~80%の相対湿度で保存される請求項1~請求項8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記粒子の多分散性指数は、前記組成物が38℃~42℃および70%~80%の相対湿度で6ヶ月間保存された場合に5%を超えて変化しない、請求項14に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2019年6月1日に出願された優先米国仮特許出願第62/856,000号の利益を主張し、優先権の基礎となるこの特許出願は、当該全体が参照により本願に援用される。
【技術分野】
【0002】
[発明の分野]
本発明は、ポリL-乳酸粒子などの吸収性ポリエステルポリマーを含む新規な組成物に関し、新コラーゲン形成性(neocollagenic)皮膚注射および移植として機能する組成物;当該組成物を含むシステム;および美容的治療などにおいて、当該組成物およびシステムを使用する方法、を含む。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
様々な製品が、修復手術または形成手術において、および美容皮膚科においてヒト使用のために、例えばしわ、小じわ、皮膚のひび割れ、にきび痕、および他の傷痕の充填などのために、開発されている。当該用途向けに開発されている製品は、「皮膚充填剤」と呼ばれることがよくある。多くの異なる材料は、過去に皮膚充填剤として使用され、それらの適用において様々な程度で成功してきた。
【0004】
残念ながら、多くの皮膚充填剤は安全ではない。例えば、シリコーンゲル(またはシリコーンオイル)は、注射部位の外側の組織へのシリコーンの液滴の移動を含む多くの懸念する特性に関連し;およびシリコーンは生分解性ではないので、肝臓など、注射部位から遠く離れた部位で発見されることができる。シリコーンは多くの場合に耐えることができるが、肉芽腫の形成およびアレルギー反応を含む慢性炎症を含む副作用は、しばしば極端であり、および/または永続的である。シリコーン充填材の副作用は不可逆的であることが知られているので、シリコーン充填材は、欧州連合および米国において化粧品用途での使用が禁止される。伝えられるところによると、ある程度の適応外使用が、副作用を回避する確立された方法の主張とともに未だに起こる。テフロンペーストは、関連する特性を有する皮膚充填剤の他の例である。この製品は、一般的に、グリセリン中に、直径約10~100マイクロメートル(μm)の範囲のポリテトラフルオロエチレン粒子を有する懸濁液であり、多くの場合、重度および慢性の重篤な感染症と、および注射部位からの移動と関連しており、多くの患者にとって真皮組織および皮下組織から数ヶ月後に除去されていなければならい。直径約70~140μmの重合シリコーン粒子で構成され、一般的に、ポリビニルピロリドンに分散されるバイオプラスチックは、同様に提案されているが、臨床経験として、慢性炎症および拒絶反応が、当該製品の使用と一般的に関連していることが示され、現在、製品/製品候補物として広く撤回される。アルギネート由来の充填剤も安全性に対する懸念と関連している(例えば、製品ノバベル(Novabel)(登録商標)は肉芽腫の形成により発売直後に市場から撤退された)。
【0005】
より良い安全性プロファイルを有している他の製品は、準最適な結果を提供することが未だに証明されている。例えば、コラーゲン懸濁液は過去に非常に広く使用されており;しかしながら、他の製品よりも安全であるが、外因性コラーゲンは、1~4か月以内に一般的に吸収されるため、コラーゲン充填材を用いた結果は期待外れであった。このような短期間の有効性は、問題のあるユーザー満足度およびコスト障壁を提示する。コラーゲン懸濁液を使用している患者の約2%でアレルギー反応も認められている。ほとんどのコラーゲン製品は牛由来であり、更なる安全上の懸念を生み出す。より安全で一般的に長持ちすると信じられるが、ヒト由来または自家コラーゲン製品でさえ、今まで強力な代替製品であることが証明されていない。例えば、自家脂肪注射は、高い失敗率および重大な費用と関連付けられている。化粧品充填材レディエッセ(Radiesse)(登録商標)において使用されるカルシウムヒドロキシアパタイト、およびアクリルヒドロゲル;ポリアクリルアミドゲル;ポリアルキルイミドゲル;シリコーンエラストマー粒子;並びに鉱油、パラフィン、および他の脂質誘導体ベースの製品も使用されているが、これらの製品は、同様に、美容医療用途における有効性が限られており、場合によっては安全性の懸念にも関連している。
【0006】
ヒアルロン酸ゲルは、ヒアルロン酸ゲルの生体適合性およびヒアルロン酸ゲルの毒性の欠如によって、多くのこれらの他の方法に対して効果的な代替物であることが証明されている。ヒアルロン酸(HA)は、全ての動物種に存在し、ヒアルロン酸ゲルは、外来タンパク質がほとんど含まれていないことが示されており、従って、アレルギー反応の危険性が低くなる。ヒアルロン酸調製剤は一般的であり;現在、数百が市販されている。しかしながら、2~6か月の平均最大有効期間を有する(分子サイズ、架橋方法、および注入位置に依存する)HA製品の急速な生体吸収性は、多くの利用者が、特に美容的適用において、HA製品の性能に不満を抱いている。
【0007】
より最近では、皮膚充填剤としてポリメチルメタクリレート(PMMA)ミクロスフェアを開発することに関心が集まっている。これらの製品は、一般的にゼラチンまたはコラーゲン、の懸濁液に含有されている非生分解性ミクロスフェアから構成されてなり、非生分解性ミクロスフェアの直径は約20μm~40μmの範囲を有する。これらの製品の安全性および有効性を確実に理解するために、十分な時間が経過している。さらに、これらの製品のための送達システムは、依然として、一般的に、ウシ由来のコラーゲンの溶液のままであり、前述のように、患者のアレルギーに関連する公知の危険性をもたらす。例えば、アルテコール(Artecoll)(登録商標)(最近ではアルテフィル(Artefill)(登録商標)およびアルテセンス(Artesense)(登録商標))というブランド名で販売されるウシコラーゲンに懸濁されたPMMAビーズは、アレルゲン反応の懸念に関連していると報告されている。
【0008】
上述の皮膚充填剤組成物に対する代替的なアプローチは、ポリ-L-乳酸(PLLA)微粒子組成物を投与することである。PLLAは、数十年間、医学および外科学において使用されているが、これらの製品は、美容医学に比較的新しく追加されたものである。真の皮膚充填剤とは対照的に、これらの製品は、新しい内因性コラーゲンの生成につながる(すなわち、それらは「新コラーゲン形成性」である)。したがって、PLLA製品の美容効果は、2年を超えて続くことが実証されている。スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)は、ガルダーマ ラボラトリーズ社(Galderma Laboratories)によって美容用途(例えば、鼻唇溝、マリオネットライン、およびあごのしわの治療など)向けに現在販売され、12年を超える前にFDAによって承認された製品であり、主要な機能成分としてPLLA微粒子を含む。スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)は、針を介して投与する前に注射用の水中で再構成するための凍結乾燥粉末の2つのバイアルとして提供される。再水和されたスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)を適切に注射すると、皮膚においてコラーゲン形成がおこり、長期的な充填効果を生じる。米国特許第6,716,251号は、皮下注射または皮内注射のための当該PLLA注射を開示する。スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)は、ヘルスケア製品の研究開発で世界をリードする企業の1つであるアベンティス社(Aventis)によって開発されたけれども、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)に関連するいくつかの問題および制限は、当該採用および使用を制限しており、市場へのスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)の最初の導入以来、20年間で製品に対して改善するための取り組みはほとんどされておらず、このことは、同様の製品の改善は、独創的な新しいアプローチおよびブレークスルーなしには期待されないようであることを示す。
【発明の概要】
【0009】
本明細書に記述の本発明は、(例えば、当該粒子のサイズおよび形状、並びにこれらの要因のいずれか、または両方に関する当該粒子の一貫性に関して)新しい性質(properties)および特性(characteristics)を有するポリ-L-乳酸のような一つ以上の吸収性ポリエステルポリマー(この明細書の他の部分で「RPP」と略される)の型の粒子を含む新規な組成物を提供する。一般的に、本発明の組成物は、当該粒子の単分散収集物を有するとして特徴付けられることができる。いくつかの態様において、これらの粒子は、新コラーゲン形成剤として機能することができ、したがって、皮膚注射および/または皮膚移植としての使用に適した組成物の活性部分を形成する。これらの組成物を含む新規のシステム(例えば、ヒト患者などの哺乳動物受容者に当該組成物を注射するための針およびカニューレ送達システムなど)も提供される。さらに提供されるのは、例えば美容修正(aesthetic modification)/医学という観点などから、当該組成物およびシステムを作製および使用する方法である。
【0010】
具体的な例示的態様において、本発明は、皮膚注射/移植組成物を提供し、(a)少なくとも主に1つ以上の吸収性ポリエステルポリマー(吸収性ポリエステルポリマーは、一般的に、単分散組成を有する)から構成されている有効量のポリエステルポリマー粒子から構成されている粒子成分、および(b)皮膚投与のために構成された(すなわち、皮膚投与に適した)担体成分、を含み、ここでポリエステルポリマー粒子の少なくとも約70%は、組成物中のポリエステルポリマー粒子における平均粒子直径のサイズの(+/-)約30%以内である最大粒子直径を有する。一態様において、RPP粒子の約65%、約75%、または約80%は、平均粒子サイズの約20%以内、または平均粒子サイズの約35%以内である最大粒子直径を有する。好ましい実施形態において、粒子は、さらに、または代替的にコラーゲン性であり、すなわち、粒子は、例えばヒトの美容治療患者などの適切な哺乳動物受容者への移植後に、検出可能な量の新コラーゲン形成(neocollagenesis)を誘発することができる。
【0011】
態様において、粒子は、本質的にミクロスフェアからなるものではないとしても、一般的にミクロスフェアと主に特徴づけ可能である。本発明のミクロスフェア組成物は、一般的に、互いに単分散であるので(粒子の少なくとも約87.5%、少なくとも約92.5%、少なくとも約95%、または少なくとも約97.5%は、約20μm、約15μm未満、約12μm未満、または約10μm未満の範囲内である最大直径を有する)、当該RPP粒子は「モノスフェア」と呼ばれることもできる。本明細書において粒子またはミクロスフェアに関して記述される本開示の任意の態様は、本質的に、モノスフェアに対する支持および開示を提供することも理解されるべきである。
【0012】
モノスフェアなどのRPP粒子を構成するために使用されることができる例示的な材料は、ポリグリコリド(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、およびポリヒドロキシブチレート(PHB)粒子を含み;それらの2つ以上のコポリマー;およびそれらの任意の2つ以上の混合物を含む。当該組成物は、機能性製剤、担体、またはベクターとみなすことができる他の賦形剤または成分をしばしば含み、界面活性剤、防腐剤、および/または緩衝剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、組成物は、ゲル形成剤を含む。製剤を、例えば凍結乾燥(lyophilization)(代替的に、凍結乾燥(freeze-drying)または凍結乾燥(cryodessication)として知られている)などによって乾燥させることができ、当該製品の乾燥形態は、針およびカニューレシステムによる投与を容易にするために再構成されることができる。組成物はしばしば、アレルゲン性が低く、非発熱性であることが有利である。例示的な実施形態において、RPP粒子、および製剤における全ての機能的成分、ベクター成分、または担体成分は、再構成のための希釈剤として使用される注射用の水のみを用いて凍結乾燥され得る。代替的な実施形態において、RPP粒子のみを凍結乾燥してもよく、再構成のための注射用の水と組み合わせて希釈剤の成分である製剤における全ての機能的成分、ベクター成分、または担体成分と共に凍結乾燥され得る。
【0013】
他の態様において、本発明は、(a)特に、組成物におけるポリエステルポリマー粒子の形状、サイズ、またはその両方、およびそれらの一貫性に関して、一つ以上の上記の特性を有する新コラーゲン性皮膚移植/注射組成物を有効量含む貯蔵成分、および(b)送達力の適用時に組成物を哺乳動物に送達するために構成された針またはカニューレ、を含む新コラーゲン形成性皮膚用製品注射/移植を提供する。本発明のシステムは、以前に知られている同様のシステムよりも比較的少ない注入力で使用されることができ、当該従来技術のシステムよりも注射失敗が少ないことと関連している。当該態様のシステムはさらに、または代替的に、本発明におけるポリエステルポリマー粒子のサイズ、形状、および一貫性を欠く現在の市販製品を送達するために使用されるものよりも比較的小さい針サイズと関連している(例えば、システムは、27G針、28G針、または29G針を含むことができる)。貯蔵構成要素は、移植/注射組成物を貯蔵および送達することができる任意の適切な貯蔵構成要素であり得る。貯蔵構成要素は、一般的に、注射器または注射器構成要素を含む装置であり得る。注射器という用語は、通常、3つの主要な構成要素/サブ(sub-)構成要素:(1)注射用の材料を保持することが可能なバレル(barrel)または貯蔵構成要素、例えばバレルなど;(2)例えばプランジャーまたはピストンなどのような、当該機構に力を適用すると、注射用の材料をバレルから押し出すことができる機構;および(3)針またはカニューレなどの移植/注射送達装置を材料貯蔵ユニットに取り付けることができる接続装置、を含む装置または構成要素に関する。当該貯蔵構成要素は、医学において一般的に利用される典型的な手動操作の注射器であり得る。注射器という用語は、針を介して移植/注射組成物を送達することができる代替システムを説明するために使用されることもでき、当該システムは、材料貯蔵部分などの注射器の構成要素、貯蔵部分から材料を放出するための方法、および針などの送達装置を貯蔵部分に取り付けるための方法、を有する。当該システムは、例えば、電子制御システム、モーター制御システム、またはコンピューター制御システム;空気圧によって作動される装置;マルチシリンジ(multi-syringe)またはマルチニードル(multi-needle)注射を含む装置、ここで装置内に複数の材料ハウジング構成要素がシステム内に存在する;人間工学的に設計された手動操作の装置;可聴式注入量測定器を備えた装置;単回注射用量体積移植/注射組成物貯蔵構成要素を含むシステム;正確な量の複数回の注射を投与し得るような注射量を選択的に設定することができるシステム(調整可能な注射用注射器システム);ペン様装置;または調整可能な注射用流速装置;完全に自動化され自律的なコンピューター駆動システム、を有するものと特徴付けられ得るが、これらに限定されない。本発明はさらに、当該送達システムおよび組成物の構成要素(例えば、針またはカニューレアセンブリ、当該粒子および製剤、または粒子のみ、並びに注射用の十分な量の水、または再構成のための製剤における他の機能的成分、ベクター成分、または担体成分と共に注射用の水を含む希釈剤、を含む凍結乾燥製品)、を含む「キット」を提供する。
【0014】
さらに他の態様において、本発明は、ポリエステルポリマー粒子をヒト被験者などの哺乳動物受容者に送達するための方法を提供し、ポリエステルポリマー粒子は、好ましくは生体吸収性であり、安全であり、新コラーゲン形成性である。特定の例示的な態様において、方法は、ヒト被験者における状態の美容増強または美容治療の実施において使用される。例示的で好ましい実施形態において、当該方法の実施は、永続的ではない場合、被験者において、粒子の注射または移植に応答した患者では検出可能な量の新しい内因性コラーゲンの刺激のために、かなりの期間(少なくとも約12ヶ月、少なくとも約18ヶ月、少なくとも約24ヶ月、少なくとも約30ヶ月、少なくとも約36ヶ月、少なくとも約40ヶ月、またはそれ以上)にわたって持続する美容的改変をもたらす。
【0015】
例示的な態様において、本発明は、鼻唇溝の美容治療(一般的に「スマイルライン」と呼ばれる)並びにマリオネットラインを含むが限定されない顎および下顎の輪郭の領域における美容治療、を含むがこれらに限定されなくてもよい皮膚の美容的改変に使用されてもよい。本発明は、頬およびこめかみにおけるコラーゲン生成を促進するために使用されてもよく、しわに対処し、骨の領域を柔らかくし、または顔の浅い領域をふっくらさせて、より若々しい外観を促進するために役立つ。
【0016】
これらの、およびいくつかの他の態様を以下に説明する。本発明におけるこの要約の任意の適切な態様を、以下に説明される任意の態様と組み合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、26G5/8’’針を使用したスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)試料の注射可能性試験結果のグラフである。
図2図2は、26G5/8’’針を使用した単分散PLLAミクロスフェア試験製剤の注射可能性試験結果のグラフである。
図3図3は、26G5/8’’針を使用したスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)対単分散PLLAミクロスフェア試験製剤の注射可能性測定値のグラフィカルオーバーレイ(すなわち、図2および図3のオーバーレイ)である。
図4図4は、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)粒子と単分散PLLAミクロスフェアとの間の粒子サイズの比較である。
図5図5は、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)粒子の走査型電子顕微鏡写真画像の正確な描写である。
図6図6は、本発明の単分散PLLAミクロスフェアの走査電子顕微鏡写真画像の正確な描写である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[発明の詳細な説明]
本明細書に記述される本発明は、とりわけ、(a)少なくとも主に1つ以上の吸収性ポリエステルポリマーから構成されている有効量のポリエステルポリマー粒子から構成されている粒子成分、および(b)皮膚投与のために適切である担体、を含む新コラーゲン形成性皮膚注射/移植を提供し、ここで組成物の粒子は、サイズおよび形状が実質的に均一である(例えば、組成物中のポリエステルポリマー粒子の少なくとも約65%、例えば、少なくとも約70%または少なくとも約75%は、組成物中のポリエステルポリマー粒子の平均粒子径のサイズの(+/-)約35%以内、例えば約30%、約25%、約25%、または約20%など、である最大粒子直径を有する。)。
【0019】
我々は、前述のポリエステルポリマー微粒子製品、例えば、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)を含む既知の微粒子製品は、著しく一貫性のないサイズおよび形状の多分散粒子を含み、しばしば約20%を超えるサイズ変動係数(CV)を有することを決定している。例えば、本明細書において記述される実験において、我々は、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)の試料が42%のCVで単一ロット(#1A6112)のミクロスフェア粒子サイズを測定していることを示している。スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)の大きく不規則な形状の粒子(本明細書に提供される走査型電子顕微鏡写真(SEM)に示されるスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)内の当該サイズおよび形状の不均一)、および同様の組成物は、針などの送達システムの詰まりにつながる可能性があり、他の不利な特性と関連することができる。我々は、吸収性ポリエステルポリマー粒子に対して代替の生成方法を適用することにより、これらの欠点を克服する組成物を作成することが可能である、と同時に、当該組成物を用いて、美容医学治療を受けているヒトなどの哺乳動物受容者において、当該組成物の有利な特性を保持および改善すること、例えば、新コラーゲン形成を促進すること(内因性コラーゲン生産における検出可能な刺激)を発見している。
【0020】
当該粒子、当該粒子を含む組成物、当該粒子を含むシステム、並びに当該粒子、組成物、およびシステムを作製および使用する方法は、読者が本明細書において提供される開示を読む際に考慮すべき構成の原理の記述にしたがって、下記に更に記述される。
【0021】
[構成の原理]
次の原理は、この開示を理解するための指針を提供する。
【0022】
本明細書において引用された出版物、特許出願、および特許を含む全ての参照は、各参照が個別に、および具体的に参照によって援用され、並びに本明細書の当該全体において説明された場合と同程度に、参照により本明細書に援用される。したがって、読者は、本開示の全内容を理解することにおいて、当該参照を再検討および考慮すべきである。例えば、文脈または明確な意見によって明らかに矛盾しない限り、製剤、生産方法、並びに組成物および装置の使用方法に関連する当該文書の開示を、追加の有用な組成物および用途を提供するために本明細書で提供される教示と組み合わせることができる。しかしながら、読者は、本明細書において特許文書の引用および援用が、当該特許文書の技術的開示に限定され、それらの有効性、特許性、または執行可能性における任意の見解を反映していないことを理解すべきである。
【0023】
すべての見出しおよび小見出しは、本明細書において利便性のためにのみ使用され、いかなる方法において本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明を記述する文脈において「a」および「an」および「the」という用語、並びに同様の指示語の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、単数形および複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。
【0024】
本明細書における値の範囲の列挙は、端点(例えば、1~2の範囲は、1.0、1.1、1.2、1.3、...1.9、および2.0を支持することを提供すると解釈されるべきであり;10~20の範囲は、10、11、12、13、...19、および20を支持することを提供すると解釈されるべきである)を含む、範囲の順序における大きさの順序内の範囲内に入る各別々の値を個別に参照する簡潔な方法として役立つことを単に意図し、本明細書に別段の記載がない限り、各別々の値は、本明細書に個別に記載されているように明細書に援用される。本明細書において提供される全ての範囲は、当該端点の除外が明確に述べられるか明確に示される場合を除き、提供された範囲の端点を含む。特に明記しない限り、本明細書において提供される全ての正確な値は、対応する近似値を表す(例えば、具体的な因子または測定に関して提供される全ての正確な例示的な値は、適切な場合、「約」によって修正される対応する近似測定も提供すると考えられることができ、例えば、「約10」の開示は、正確に10を支持することを提供するものとして理解されるべきでる)。近似、「約」などの用語は、測定の問題、または臨床研究の結果など、母集団の変動性のために測定値が変化すると理解される場合に本明細書において使用される。当該用語の範囲は、問題となっている要素に照らして、および当業者の理解に依存するだろう。関連する教示または例によって当技術分野での当該ガイダンスがない場合、「約」は、示された値の+/-10%を意味すると理解されるべきである。
【0025】
本明細書に使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、他に明確に示されない限り、複数形の参照を含む。
【0026】
本明細書における「または」という用語の使用は、代替物が明確に述べられる、または文脈によって明確に矛盾しない限り、相互排他的ではないことを暗に意味するものではない。したがって、本出願において、「または」の使用は、当業者によって明示的に述べられ、または理解されない限り、「および/または」を意味し、両方の当該態様を支持することを提供する。
【0027】
本明細書に記述される全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行されることができる。文脈によって明確に示される、または矛盾しない限り、本明細書に開示される組成物の要素(例えば、医薬製剤)は、任意の適切な方法および任意の適切な方法によって製剤化されることができる。別段の明示がない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、本明細書に記載の本発明の態様における様々な要素、ステップ、成分、および/または特徴の任意の組み合わせ、並びにそれらの全ての可能な変形は、本発明に含まれるとみなされるべきである。
【0028】
本明細書に提供されるありとあらゆる例、または例示的な言語(例えば、「など(such as)」)の使用は、別段の指示がない限り、本発明を単によりよく照らすことを意図しており、本発明の範囲における制限をもたらさない。明細書の文言は、明らかに述べられていない限り、本発明の実施に不可欠な任意要素を示すものと解釈されるべきではない。本発明の幅広さ(breadth)および範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによって制限されるべきではない。
【0029】
要素、組成物、または組成物もしくは要素のセットに関して「含む(comprising)」、「有する」、「含む(including)」、または「含む(containing)」などの用語を使用する本発明の任意の態様または実施形態における本明細書の説明は、明示的に述べられるどうかに関わりなく、本発明における同様の態様、または実施形態に対する支持を同時に提供するものとして解釈されるべきであり、別段の記載がない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、具体的な要素「からなる」、具体的な要素を「実質的に含む」、具体的な要素を「主に含む」、具体的な要素「大部分はからなる」、および具体的な要素「実質的にからなる」(すなわち、具体的な要素を含むとして本明細書に記載される組成物は、別段の記載がない限り、または文脈によって明確に矛盾しない限り、その要素からなる、その要素を実質的に含む、その要素を主に含む、大部分は、その要素からなる、および実質的にその要素からなる、組成物も記載するものとして理解されるべきである)。そうでなければ、「含む((including))」、「含む(containing)」、および「有する」などの用語は、例えば「含むが、限定されない」、「含み、限定されない」、または「含む(comprising)」を意味するものと、当該意味が明確に矛盾しない限り、本明細書において、公然と解釈されるべきである。要素を含む(including)または含む(comprising)と記載される任意の態様は、本開示の他の要素と共に当該要素を「さらに、または代替的に」含むと解釈されるべきである。
【0030】
「実質的に含む」は、組成物、集団、または同様の収集物の少なくとも約1%が、参照される特徴、種、または要素である、または参照される特徴、種、または要素で/によって構成されることを意味し、組成物の全量または集団の全数の少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、および少なくとも約20%を構成する、または表す関連する特徴を、一般的に意味する(および支持を提供するとして理解されるべきである)。
【0031】
「主に含む」は、特徴(例えば、組成物または物の集団)の半分より多く(すなわち、50%よい多く)構成することを意味する。本明細書で提供される定義された用語に関して使用されるこの量および同様の量は、重量パーセント(重量/重量)ベース、分子/分子ベース、または関連する開示の文脈において使用される他の関連するベースであることができる。例えば、組成物が「主に含む」要素/種Aとして記載される場合、分子および/または重量ベースでの50%を超える組成物は、元素/種A)で構成されるだろう。この用語が使用される場合はいつでも、問題の特徴、種、または要素で構成されている60%を超える、70%を超える、および80%を超える成分、組成物または収集物を支持することを同時に提供するとして理解されるべきである。用語「ほとんど」も、本明細書において同様に解釈されるべきである。
【0032】
「大部分はからなる」は、組成物、集団、または同類のものの少なくとも約75%は、目下の参照される特徴、種、または要素である、または構成されていることを意味し、組成物、集団、または同類のものの少なくとも82.5%、少なくとも87.5%、少なくとも92.5%、および少なくとも97.5%は、参照される特徴、種、または要素で構成される/参照される特徴、種、または要素によって構成される。明らかに、関連する組成物、収集物、および同類の物の残りの少数部分は、他の化合物、材料、または他の関連する要素から構成されることができる。語句「大部分が全て」および「大部分がほとんど」は、同様に解釈されるべきである。
【0033】
「実質的にからなる」は、組成物、集団、または同類のもの少なくとも約90%が、参照される特徴、種、または要素で構成されることを意味し、組成物、収集物などの少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%は、関連する要素、機能、または物で構成されるという開示を提供することとしても理解されるべきである。語句「ほぼ全て」および「ほぼ完全に」は、同様に解釈されるべきである。
【0034】
本明細書に定義される語句の時制または表現の変更(例えば、「主に含む(predominately comprises)」の代わりに「主に含む(comprises predominately)」を使用すること)は、別段の明確な指示がない限り、定義された語句の意味を修正しないだろう。
【0035】
本明細書における節の表題の使用は、読者を導き、開示を分割するのに便宜のためであり、関連する節または任意の他の節の開示を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0036】
本明細書に提供される具体的な実施形態の説明は、他人が当業者の技術の範囲内で知識を適用することにより、過度の実験なく、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、当該具体的な実施形態の様々な適用に対して容易に修正することができ、および/または適合させることができるように、本発明の一般的な性質を明らかにするだろう。したがって、当該適合および修正は、本明細書に提示される教示およびガイダンスに基づいて、開示された実施形態の同等物の意味および範囲内にあることが意図される。本明細書における表現(phraseology)または用語(terminology)は、説明を目的とするものであり、限定を目的とするものではなく、本明細書における用語(terminology)または表現(phraseology)は、教示およびガイダンスに照らして当業者によって解釈されるべきであると理解されるべきである。
[RPP粒子組成物]
【0037】
一態様において、本明細書に記載の本発明は、吸収性ポリエステルポリマー(「RPP」)の粒子を含む(すなわち、実質的に含む、主に含む、実質的にからなる、またはからなる)新規組成物に関する。
【0038】
本発明の組成物における粒子を構成するRPPは、PLLAなどの公知のRPP材料から構成されることができる。当該組成物の新規の態様は、一般的に、とりわけ、RPP粒子のサイズ、RPP粒子の形状、およびこれらの態様の一方または両方に関する粒子組成の一貫性、において見られる。
【0039】
本発明のRPP粒子は、様々な組成物を調製するために使用されることができ(したがって、様々な組成物の成分であることができ)、本発明のRPP粒子は、次に、多くの用途に使用されることができる。PLLA微粒子組成物などのRPP組成物のいくつかの用途は、当技術分野ですでに知られており、本明細書において提供されるRPP粒子は、一般に、当該使用のために使用されることができる(例えば、医薬品の送達システムとして作用し、3Dプリンター用途に使用され、PET(ポリエチレンテレフタレート)粒子、および同類のもの代替物として作用する)。例えば、本発明のRPP粒子組成物は、皮膚注射または移植として使用されることができ、これは、本明細書における主要な焦点の適用である。一態様において、当該皮膚注射/移植は、新コラーゲン形成性であり、すなわち、注射後、または移植もしくは注射における他の投与後に新しい内因性コラーゲンの検出可能な形成をもたらすとして特徴付けられることができる(場合によって、当該新しいコラーゲン形成は2か月後、3か月後、4か月以上後に検出される)。
【0040】
本発明によって提供され、本明細書に提供される組成物において使用される粒子は、1つ以上のRPP成分に加えて他の成分も含むことができる。例えば、粒子は、新コラーゲン形成性でもある1つ以上の追加の組成物を含むことができ;エラスチンなどの他の内因性生体分子の刺激につながり(すなわち、エラスチン形成性である)、受容者の皮膚の健康、体積、または他の態様を増加させるのに役立ち、またはそれ以外では、粒子の機能を促進するのに役立つ。
【0041】
ある点において、本発明の組成物は、粒子成分を含むことで特徴づけられることができ、粒子成分は、本質的に1つ以上のRPP材料からなる粒子、を実質的に含み、を主に含み、または実質的に当該粒子からなり、当該粒子は、(a)サイズが実質的に均一であり(例えば、最大直径または平均最大寸法、平均寸法、および/または平均最小寸法において、サイズが約20%以下、例えば、少なくとも主に、約15%以下、または約10%以下でさえ変化する粒子から構成される)、(b)形状が実質的に均一であり(例えば、ここで粒子の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%以上は、球形であり-距離において約10%以下、約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下で変化するあらゆる方向の直径を有する)、または(c)サイズおよび形状の両方に関して実質的な均一性を示す、ということをさらに、または代替的に特徴づけられることができる。粒子がRPP粒子における求められる機能、例えば、RPP粒子に関連する安定した空間充填、内因性コラーゲン産生の促進、および/または1つ以上の他の求められる構造的および/または機能的態様に関する機能、を提供する、または保持することで、組成物は、「本質的に」1つ以上のRPP材料「からなる」とみなすことができる。したがって、当該粒子が、例えば、安定剤、皮膚充填剤、または他の内因性生体分子の生成につながる生成物などの追加の材料を含む場合、当該粒子は、さらに、RPP粒子の当該基本的な特徴を保持しているため、組成物において含まれる1つ以上のRPPと「本質的に一貫している」だろう。当該組成物におけるこの態様は、当業者に認識できるだろう。
【0042】
RPP粒子は、ポリエステル化合物から少なくとも主に構成され、より一般的には、(検出および/または単離はないにしても、合理的な生成および/または精製レベル内で)実質的にポリエステル化合物からなる、または完全にポリエステル化合物からなる。
【0043】
RPP粒子は、一般的に、および通常、好ましくは生体吸収性(または「吸収性」)であり、RPP粒子が、ある期間にわたって分解され、体内に吸収されることができることを意味する。RPP粒子の場合、吸収は、数週間にわたって、より一般的には数ヶ月の期間(例えば、約2~6ヶ月)にわたって起こり得るが、いくつかの実施形態において、数年(例えば、約1~3年)でさえあり得る。
【0044】
具体的な実施形態によると、RPPはホモポリマーである。いくつかの態様によると、RPPは脂肪族吸収性ポリエステルホモポリマーである。他の成分と混合されたポリエステルモノマー成分を含み、本発明の粒子に関連する他の特性(例えば、実質的に均一なサイズ、形状、および/またはその両方)を有する他の吸収性ポリマーは、さらに、または代替的に、本発明の組成物およびシステムに組み込まれる、並びに/または本発明の方法において使用される、ということを想定することができる。本発明におけるRPP粒子は、さらに、または代替的に、当該用語が当技術分野で理解されるように、生分解性、生体適合性、および/または生物学的に不活性であると特徴付けられることができる。
【0045】
一態様において、本発明は、1つ以上の型のRPP粒子を含む、を実質的に含む、またはからなる「有効量」の粒子を含む組成物を提供する。用語「有効量」は、参照される組成物、装置、物質、または物の意図された適用に有効である量、および/または関連する試験において(例えば、生成物における規制承認に適した、適切に設計され、実施され、適切に管理された臨床試験において)当該適用が有効であることが実証されている量を意味する。したがって、例えば、皮膚移植/注射組成物の有効量は、皮膚の状態および/または外観を検出可能に修正することにおいて、または新コラーゲン形成性のような生物学的結果を引き起こすことにおいて有効である、または有効であることが実証されている量を意味する。語句「有効量」は、存在している当該粒子のいくつかの非実質的な量であるだけ、または代替的に量が多すぎて適切でないというよりはむしろ、当該修正または結果につながるように当該粒子が存在する量である、ということを示すために当該文脈において使用される。
【0046】
本明細書に記載される多数の組成物は、「注射」、「移植」、または「注射/移植」組成物として特徴付けられる。本発明の多くの態様において、本明細書で提供される組成物は、例えば、美容的改変を受けているヒト被験者の皮膚などの、哺乳動物受容者の体の一部への投与に適している。本発明の粒子を、任意の適切な手段によって当該受容者/被験者に送達することができる。ほとんどの場合において、組成物の送達/投与は、注射または他の手段による移植のいずれかによって行われるだろうと予測される。粒子は、任意の適切な方法で注射されることができ、皮膚などの体内に粒子を注入するための多くの技術は当技術分野で知られている。一般的に、粒子は、適切な針を介して懸濁液として水性組成物に注入され、その例は、本明細書の他の箇所に記載される。代替的に、粒子は、カニューレを介した送達、外科的移植、または他の送達方法によって移植されることができる。どちらかに具体的な特徴が記載されている場合を除いて、「移植」または「注射」のための組成物は、ほとんどの場合において、粒子はどちらか一方の技術による送達に適しているので、非限定的であり、互いに支持を提供するとさえ、みなされるべきである。
【0047】
RPP粒子は、一般的に、組成物中に存在する。組成物は、組成物中に含まれる粒子の貯蔵、輸送、および/または使用(注射/移植)のための任意の適した組成物であることができる。一態様において、組成物における他の主要な成分は、担体である(担体は、「担体システム」または「ベクター」としても説明され得る)。ほとんどの態様において、担体は、皮膚投与(例えば、移植、針による注射、またはその両方など)に適した担体であるだろう。例示的な担体システムの付加的な態様は、本明細書の他の箇所で記述される。
【0048】
本明細書の他の箇所でさらに記述されるように、本発明は、粒子組成物を提供し、ここで粒子は、本質的に1つ以上の吸収性ポリエステルポリマーからなる。すなわち、たとえ粒子が、粒子のいくらか、ほとんど、またはほぼ全てを構成するRPPよりも他の特徴、化合物、または部分を含む場合でも、皮膚または当該外観の永続的な改変ではないにしても、例えば、受容者の皮膚に送達された場合に新コラーゲン形成を引き起こすような、当該粒子の基本的な特性は維持される。
【0049】
RPPポリマーは、中性電荷されており、すなわち、正または負の電荷はほとんどないと特徴付けられるだろう。
【0050】
本発明における組成物の多くは、新コラーゲン形成性であると予想される。当該結果を提供するために、一般的には、本発明におけるRPP粒子は、それら自体が新コラーゲン形成性である粒子を実質的に含むだろうと予測される(例えば、臨床試験、インビトロ(in vitro)分析、および同類のものなどにおいて実質的に同一の粒子を試験すること、並びに実質的に類似、または実質的に同一のプロトコルの下で実質的に類似、または実質的に同一の仕様に本発明の粒子を生成すること、などによって決定されるように)。
【0051】
RPP材料は、一般的には合成物である(合成物もしくは天然材料のいずれか、またはその両方を用いて開始する化学合成によって生成される)。したがって、当該材料は、ウシおよび他の動物由来の材料の包含を回避する。しかしながら、多くのRPP製品は植物材料に由来する(例えば、PLLAは植物材料源に由来されることができる)。ある文脈において、RPP粒子は当該天然資源から誘導されることができる。他の文脈において、RPP粒子は、合成出発材料を使用して化学合成によって、さらに、または代替的に生成されることができる。
【0052】
他の箇所で示されるように、いくつかのRPP組成物が知られており、いくつかは、ヒトの美容的改変のために様々な程度で使用されている。当該RPP材料は、本明細書において提供される任意の組成物の粒子の全てではないにしても、RPP成分の全てではないとしてもほとんどを構成することができる。一態様において、RPP材料は、ポリグリコリド(「PGAブロック」)を含む、実質的にポリグリコリドからなる、本質的にポリグリコリドからなる、またはポリグリコリドからなる(少なくとも検出レベル内で)。ポリグリコリドは当技術分野で知られており、本明細書の他の箇所で記述される。他の態様において、粒子におけるRPP材料は、同様に、ポリカプロラクトン(「PCLブロック」)である、または、ポリカプロラクトン(「PCLブロック」)を含む。当該材料は当技術分野でも知られている。さらに他の態様において、RPP組成物は、同様に、ポリヒドロキシブチレート(「PHBブロック」)である、またはポリヒドロキシブチレート(「PHBブロック」)を含み、ポリヒドロキシブチレート(「PHBブロック」)は当技術分野で理解されている材料である。さらに他の態様において、RPPは、ポリ乳酸(または「PLA」)である、または同様にポリ乳酸(または「PLA」)を含む。PLAは、本明細書の他の箇所で記述され、および実例を挙げられており、当技術分野でも知られている。RPP粒子は、2つ、3つ、またはそれ以上の当該材料の混合物を含むことができ、および/または2つ以上の当該材料から形成されるコポリマーを含むことができる。いくつかの態様において、RPP粒子は、実質的に1つの型のRPP材料からなるだろう、または1つの型のRPP材料のみからなるだろう。いくつかの態様において、RPP粒子は、実質的に1つの型のRPP材料からなるだろう、または1つの型のRPP材料のみからなるだろう。いくつかの態様において、RPP粒子は、実質的に1つの型のRPPのみからなるRPP材料からなるだろう、または1つの型のRPPのみからなるRPP材料からなるだろう(例えば、粒子は、完全に、PLLAなどのPLAからなるだろう)。
【0053】
RPP材料の適切で時に有利な例は、ポリ乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)材料、ポリ乳酸(PLA)材料、および当該材料の混合物から構成される材料、を含む。特定の態様において、組成物のポリエステルポリマー含有量の少なくとも50%は、ポリ乳酸(PLA)から構成される(または、本質的にポリ乳酸からなる)(例えば、粒子含有量の少なくとも約65%は、PLAから構成されており、含有量の少なくとも約80%は、PLAから構成されており、含有量の少なくとも約90%は、PLAから構成されており、または含有量の少なくとも約99%は、PLAから構成されている)。
【0054】
多くの文脈において好ましいRPP材料は、ポリ乳酸(PLA)である。ポリ乳酸は、不斉a-炭素を含み、不斉a-炭素は、D型またはL型として一般的に記述される。R型およびS型としても記述されてもよい。PLAのエナンチオマー型は、光学的に純粋なポリD-乳酸(PDLA)およびポリL-乳酸(PLLA)である。PLAは、高度に結晶性の形態(PLLAおよびPDLA)で作成されることができ、アタクチック規則性ポリマー鎖のために非晶質(ポリD,L-乳酸、PDLLA)であってもよい。一態様において、RPP粒子は、ポリL-乳酸(PLLA)(結晶性)またはポリ-D-乳酸(PDLA)(結晶性)、またはそれらの混合物(PLLAおよびPDLA(ホモポリマー、結晶性)またはPDLLA(コポリマー、非晶質))、から選択されるPLA、を含む、を実質的に含む、本質的に当該PLAからなる、実質的にPLAからなる、または完全にPLAからなる。一態様において、RPP粒子は、当該量のPLLA、を含む、またはからなる。
【0055】
PLAポリマーは、非晶質ガラス状ポリマーから半結晶性および高結晶性ポリマーまでの範囲であってもよい。PLAの機械的特性を修正または強化するために、様々な技術を利用することは公知の技術である。非限定的な例として、アニーリング、核形成剤の添加、繊維またはナノ粒子を用いた複合材料の形成、鎖延長、および架橋構造の導入は、全て、PLAの機械的特性を修正する方法である。当該アニーリング技術の例は、Pramono et al,ポリマー分解および安定性(Polymer Degradation and Stability).72(2):337-343(2001);Horioshi et al.(2003),ポリマー(Polymer).44(19):5635-5641;Tsuji,H.ポリマー(Polymer).36(14):2709-2716(1995);Hiroshi et al.,高分子材料および工学(Macromolecular Materials and Engineering).288(7):562-568 doi:10562-568(2003);Trimaille et al(2003)コロイドおよび高分子科学(Colloid and Polymer Science).281(12):1184-1190;およびHu et al.,高分子材料および工学(Macromolecule Materials and Engineering).292(5):646-654(2007)、に明らかにされてもよい。繊維またはナノ粒子と共に複合材料の形成の例は、Hiroshi et al,高分子材料および工学(Macromolecule Materials andEngineering).288(7):562-568(2003);Trimaille et al,コロイドおよび高分子科学(Colloid and Polymer Science).281(12):1184-1190(2003);およびHu et al,高分子材料および工学(Macromolecule Materials and Engineering).292(5):646-654(2007)に明らかにされてもよい。鎖延長技術の例は、Li et al.先端技術のためのポリマー(Polymers for Advanced Technologies).17(6):439-443(2006);Di et al.高分子材料および工学(Macromolecule Materials and Engineering).290(11):1083-1090(2005)に明らかにされてもよい。
【0056】
代替の実施形態において、RPP粒子は、さらに、または代替的に、PLGAを含む、実質的にPLGAからなる、本質的にPLGAからなる、または単にPLGAからなる。PLGAは、ポリ乳酸(PLA)およびポリグリコール酸(PGA)のコポリマーである。PLGAは、一般的に、ポリD,L-乳酸-コ-グリコール酸の頭字語であり、ここでD-乳酸型およびL-乳酸型は、同じ比率である。PLGAは、さまざまな分解時間を示すことができる生分解性および生体適合性ポリマーである。
【0057】
当技術分野で理解され、本明細書の他の箇所で議論されるように、RPPコポリマーの構成要素は、RPP材料の特性を変更するために修正されることができる。例えば、PGAは、メチル側基を有さず、PLAより高度な結晶構造を有し;一方、PLAのメチル側基は、PGAよりもPLAをより疎水性にする。したがって、PLAがより豊富なPLGAコポリマーは、親水性がより低く、水分の吸収がより少なく、結果的に、体内での分解がより遅くなる。例えば、PLGAにおける親水性、加水分解基相互作用、結晶化度、および体積対表面比などの「調整(Tuning)」は、使用者が1(1)か月未満から6(6)か月を超える範囲の分解時間に合わせる(dial)ことを可能にする。例えば、Makadia and Siegel,ポリマーズ(Polymers)(バーゼル(Basel)).2011年9月1日;3(3):1377-1397.doi:10.3390/polym3031377、などを参照。
【0058】
実施形態によると、本発明の様々な実施形態におけるサイズおよび/または形状の特徴を有するRPP粒子の集合物が提供され、ここで、RPP粒子は、少なくとも主にPLLAから構成される粒子を主に含む。より具体的な態様において、本発明は、組成物を提供し、組成物の大部分は粒子からなり、該粒子は、少なくとも大部分がPLLAからなる(例えば、組成物の粒子の少なくとも75%は、少なくとも75%がPLLAである含有物を有する)。さらに他の態様において、組成物中の粒子の少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%以上は、本質的にPLLAからなる、または実質的にPLLAからなる、またはPLLAからなる。PLLA RPP粒子は、任意の適切な型のPLLAから構成されることができ、当業者は、公知の原理を適用して、求められる特性を有するPLLA材料を選択および調製することができる。例えば、Lasprilla et al.,バイオテクノロジー 進歩(Biotechnology Advances)30(2012)321-328(doi:10.1016)を参照。
【0059】
実施形態によると、RPP粒子は、ポリL-乳酸(結晶性)、ポリ-D-乳酸(非晶質)、またはそれらの混合物から構成される、PLLA粒子を含む、大部分がPLLA粒子からなる、または実質的にPLLA粒子からなる、および/または本質的にPLLA粒子からなる、または完全にPLLA粒子からなる。PDLAは、一般的に、体内でより短い持続時間の材料が望まれる状況において使用される。
【0060】
本発明の組成物における粒子の実質的にほとんど全て、実質的に全て、または全てではないにしてもほとんどを構成するRPPポリマー、例えばPLAポリマー、またはより具体的にはPLLAポリマーなどの分子量は、粘度計によって計算されると、一般的に、約10,000~約650,000ダルトンである。より具体的な実施形態によると、ポリマーの分子量は、約50,000~約250,000ダルトンである。さらにより詳細な態様において、ポリマーは、約90,000~約110,000ダルトンの分子量を有する。
【0061】
実施形態によると、本発明の組成物における粒子の実質的にほとんど全て、実質的に全て、または全てではないにしてもほとんどを構成するRPPポリマー、例えばPLAポリマー、またはより具体的にはPLLAポリマーなどの固有粘度は、さらに、または代替的に約0.1dL/g~約4.0dL/gの間である。より具体的な実施形態では、RPPポリマーは、約0.4~約2.0dL/gの固有粘度を有する。さらにより詳細な態様において、RPPポリマーは約0.90~約1.10dL/gの固有粘度を有する。
【0062】
更なる態様において、本発明の粒子のRPPポリマーは、PLAによって例示されるように、キラルポリマーであってもよい。より具体的な態様において、ポリマーは、光学活性な左旋性ポリマーであってもよい。例示的な態様において、ポリマーは、約-150~-160cm/gの間の比旋光度、一般的に、単に度(゜)と略される、を有するPLLAであってもよい。
【0063】
さらに他の態様において、粒子のほとんど、実質的に全て、または全てにおいて使用される、本発明における粒子のRPPポリマー、例えばPLLAなどは、約100℃~約300℃の間、例えば、約150℃~約200℃、例えば、175℃~195℃の間など、より具体的な実施形態において、177℃~192℃(例えば、178.0~190.1℃)の融点を有するだろう。さらに、または代替的に、ここで、100%結晶性PLLAの融解熱(融解エンタルピーとも呼ばれる)が約90J/gである場合、本発明の粒子におけるRPPポリマー、例えば、ほとんどの場合PLAなどは、結晶性(PLLAおよび/またはPDLA)および非晶質(PDLLA)ポリマーの混合物を有し、その融解熱は、約25J/g~約150J/gの間、例えば50J/g~125J/g間など、例えば、約60J/g~約95J/gの間、例えば、より具体的には、65J/gから90J/gの間の範囲を有してもよい。
【0064】
当業者は、生成工程の通常の態様のために、粒子組成物が完全に純粋ではないことが多いことを認識するだろう。したがって、例えば、RPP粒子組成物は、ある量の残留溶媒、残留モノマー、またはそれらの両方を含むことができる。残留溶媒は、製造工程から除去されないで残った溶媒であるが、許容できるレベルで存在するとみなされる。残留モノマー(例えば、PLAの場合において乳酸)は、ポリマー生成工程中に重合されなかったRPPポリマーのモノマーであり、一般的に、適切であると考えられるレベルで存在する。粒子において使用されるRPPポリマーは、いくつかの実施形態によると、1%未満、0.1%未満、0.05%未満、または0.01%未満の残留溶媒(例えば、0.005%未満、又は0.001%未満の残留溶媒)と関連しているだろう。粒子において使用されるRPPポリマーは、さらに、または実質的に、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満の残留モノマー(例えば、乳酸)(例えば、約0.05%未満、約0.025%未満、または約0.01%未満の残留モノマー)と関連するだろう。このような百分率は、本明細書において「比率」と時に記述されることもある。
【0065】
様々な上述の特徴を満たす製品は公知である、または当技術分野で公知の方法を使用して生成されることができる。例えば、上記に提供される態様における低残留モノマー、低残留溶媒、高融解温度、および高熱融合特性を有するPLLA製品は、コルビオン社(Corbion)(ゴリンケム(Gorinchem)、オランダ)およびエボニック ニュートリション&ケア社(Evonik Nutrition&Care GmbH)(エッセン(Essen)、ドイツ)から、現在市販される。
【0066】
RPPポリマーは、一般的に、非特異的加水分解を介してインビボ(in vivo)で生分解し、哺乳動物被験者において、自然に内因性である、および/または容易に代謝されるモノマー成分、例えば、乳酸、グリコール酸、またはそれらの両方の化合物など、を一般的に放出する。
【0067】
[RPP粒子のサイズ特性]
本発明のRPP粒子は、サイズ、形状、またはそれらの両方が実質的に均一であると一般的に特徴付けられることができる。したがって、例えば、本発明のRPP粒子は、例えば、吸収性ポリエステルポリマー粒子の例えば少なくとも約65%など、例えば、少なくとも約70%、または少なくとも約75%が、粒子集団、または当該粒子が含まれる関連する組成物に存在するポリエステルポリマー粒子の平均粒子径サイズの(+/-)約35%以内、例えば+/-(または「以内」)約30%、約25%以内、約20%以内である最大粒子径を有すると、特徴づけられることができる。
【0068】
RPP粒子は、さらに、または代替的に、実質的に均一である形状を有するとして特徴付けられることができる。本発明のこの組成物および他の組成物の粒子は、任意の適切な形状を有することができる。粒子の形状は、円盤形状、ダイアモンド形状、角丸四角(squire)形状、および同類のものを含んでもよい。しかしながら、ほとんどの場合において、粒子は、球形または球形様(球に近い、またはほとんど厳密に球に似ている)または回転楕円体であるだろう。したがって、例えば、粒子は、粒子の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%が、任意の方向において、約35%以下、約30%以下、約25%以下、約20%以下、約15%以下、約10%以下、または約5以下に変化する直径を有すると、さらに一般的に特徴づけられることができる。実施形態によると、当該粒子は、粒子が実質的に球形であるとして、さらに、または代替的に特徴付けられるように、当該粒子は、大部分がミクロスフェアからなる、実質的にミクロスフェアからなる、またはミクロスフェアからなるかもしれない。したがって、例えば、粒子の集団は、粒子の少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約75%が、例えば、全ての他の寸法の約2%以内、約1%以内、約0.5%以内、または約0.1%以内でさえの寸法を有する、ことを特徴付けられることができる。一態様において、RPP粒子は、主に「ミクロスフェアの」粒子または「ミクロスフェア」(この文脈において用語「ミクロ」は、議論されている粒子のサイズが1mm未満、および一般的に、200μm未満、150μm未満、または100μm未満であり、または関係のある組成物または粒子集団は、実質的に、当該示された大きさより小さい粒子からなることを示す)を主に含むとして特徴付けられることができるように、RPP粒子は実質的に球形である。当該粒子における当該実質的に類似、または実質的に同一の直径は、粒子が球形であることの指標である(口語で「円形(round)」または「円形の(rounded)」と呼ばれることもある)。しかしながら、他の態様において、粒子は、本明細書において提供される図に示される本発明の例示的な粒子に関して示されるように、顕微鏡下での目視検査を含む、当技術分野で公知の他の形状決定方法、を介して球形であると、さらに、または実質的に決定されることができる。ミクロスフェアは、本発明の好ましい態様を表す。したがって、用語「粒子」が本明細書で使用される全ての場合において、当該理解が、開示、文脈、または適合性によって矛盾されない限り、当該粒子はミクロスフェアである本発明の同様の態様のための支持を提供するものとしても理解されるべきである。
【0069】
すでに実証されたように、RPP粒子における実質的に類似、または実質的に均一なサイズは、本発明の組成物を特徴づけるための1つの重要な方法である。1つの例示的な態様において、本発明は、組成物を提供し、組成物において、組成物におけるポリエステルポリマー粒子の少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%は、関連する収集物/集団、または組成物におけるポリエステルポリマー粒子の平均粒子直径の約30%以内、約25%以内、または約20%以内(例えば、約5%以内、約2%以内、または約1%以内)の最大粒子直径を有する。したがって、本発明の例示的な態様は、有効量のRPP粒子を含む新コラーゲン形成性皮膚移植/注射で具体化され、ここで、組成物のポリエステルポリマー粒子の少なくとも約80%、または少なくとも約85%は、組成物におけるポリエステルポリマー粒子の平均粒子直径の20%以内(例えば、約25%以内)である最大粒子直径を有する。他の類似の例示的な態様において、組成物におけるポリエステルポリマー粒子の少なくとも約90%は、組成物におけるポリエステルポリマー粒子の平均粒子直径の19%以内、18%以内、17%以内、16%以内、または15%以内である最大粒子直径を有する。更に他の態様において、本発明の組成物におけるポリエステルポリマー粒子の少なくとも約75%は、組成物におけるポリエステルポリマー粒子の平均粒子直径の15%以内である最大粒子直径を、さらに、または代替的に有する。他の態様において、RPP粒子の少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも92.5%、または少なくとも約95%において、任意の方向の直径は、約25%以下、約20%以下、または約15%以下で変化する。
【0070】
いくつかの場合において、本発明の粒子は、所望の測定範囲内に入る測定されたサイズ特性を有することによって特徴付けられることができる。一態様において、本発明の粒子は、10μmから200μmの範囲内の平均直径および/または最大直径を有すると特徴付けられることができ、より一般的には、本発明の粒子は、平均直径および/または最大直径が共に、約20μmから約140μm、約20μmから約150μm、または約20μmから約100μmの範囲内に入る平均直径および/または最大直径によって特徴づけられるサイズを有するだろう。さらに他の態様において、粒子は、約25μmから約75μmの範囲内の最大直径および/または平均直径を有すると特徴付けられることができる。したがって、例えば、本発明は、組成物を提供し、組成物における粒子は、大部分は、これらのサイズ特徴を満たす粒子からなる、または実質的に粒子からなる。本発明の一態様において、組成物の粒子のほとんどは、平均直径および/または最大直径によって定義されるサイズを有し、平均直径および/または最大直径は、約60μm未満、約55μm未満、または50μm未満でさえあり、例えば、約40μm未満など、例えば30μm未満などである。
【0071】
他の態様によると、組成物におけるRPP粒子は、限定された/少数の粒子を(例えば、約10%未満、7.5%未満、約5%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満)含むと特徴付けられることができ、任意の方向における最大直径は、20μm未満のサイズである。一態様において、組成物におけるRPP粒子は、粒子の5%未満、例えば、粒子の5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、または1%未満を含むとして特徴付けられてもよく、10μmより小さいサイズ、たとえば9μmより小さいサイズ、8μmより小さいサイズ、7μmより小さいサイズ、または例えば6μmより小さいサイズなどである。更なる態様において、粒子の約10%未満、7.5%未満、約5%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1未満は、任意の方向における最大直径が5μm未満、例えば4μm未満のサイズ、または例えば3μm未満のサイズである組成物を提供する。
【0072】
態様において、粒子の少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約97.5%は、ミクロスフェアであり、ミクロスフェアの少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約70%は、30+/-17.5μm、30+/-15μm、30μm+/-12.5μm、30+/-10μm、または30+/-7.5μmの範囲内の最大直径を有する。
【0073】
具体的な態様において、組成物中のRPP粒子の少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97.5%、または、少なくとも約99%は、約10μmから約62.5μmのサイズである平均直径および/または最大直径を有する。より具体的な態様において、RPP粒子の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約97.5%、または少なくとも約99%は、約15μmから約60μmのサイズである最大直径および/または平均直径を有する。より具体的な態様において、組成物中のRPP粒子の少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%は、約20μmから約57μmのサイズである最大粒子径および/または平均粒子径を有する。一態様によると、当該粒子は、PLA粒子を更に主に含む。一態様によると、当該粒子は、PLLA粒子をさらに主に含む、大部分はPLLA粒子からなる、実質的にPLLA粒子からなる、または完全にPLLA粒子からなる。
【0074】
別の態様において、本発明の組成物は、組成物中のポリエステルポリマー粒子の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%に関して、任意のポリエステルポリマー粒子の最大直径は、検出された任意の他のRPP粒子の最小直径サイズの(または例えば粒子の少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、または少なくとも1%などの粒子における設定量で検出された最小サイズの)300%以下である、という事実によって、さらに、または代替的に特徴付けられることができる。さらに他の態様において、本発明の組成物の粒子は、組成物中のポリエステルポリマー粒子の少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%に関して、または少なくとも約80%でさえ、任意のポリエステルポリマー粒子の最大直径は、組成物中のRPP粒子について検出された最小直径サイズ(例えば、組成物中の粒子の少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、または少なくとも1%を構成すると推定される粒子量で検出された最小直径)の200%以下である。
【0075】
本発明の更に他の側面において、組成物は、組成物の全てのRPP粒子における平均最大直径の約30%以内、約25%以内、または約20%以内の最大直径を有する粒子数が、平均直径と150%以上、200%以上、または250%以上異なる最大直径を有する粒子数の少なくとも2倍大きい(少なくとも2×、または200%である)(例えば、少なくとも2.25×大きい、少なくとも2.5×大きい、または少なくとも2.75×大きい)と特徴付けられることができる。具体的な実施形態において、この均一なサイズ分布内の粒子数(全ての粒子の平均最大直径の約25%以内、約20%以内、または約15%以内でさえ)は、組成物における多分散粒子数(例えば、平均粒子直径から1.75×、2×、2.25×、または2.5×変化する最大直径を有する粒子数)の少なくとも3倍大きい。具体的な態様において、平均最大直径の15%以内である最大直径を有する組成物における粒子の数は、平均最大直径と250%以上異なる最大直径を有する粒子数の少なくとも2.5倍(例えば、少なくとも2.75×、少なくとも3.25×、または少なくとも3.5x)大きい。
【0076】
本発明の組成物は、凝集粒子における潜在的な収集物の最大サイズでさらに特徴付けることができる。組成物中の粒子、例えば、注射用組成物などの凝集は、例えば、針または他の送達システムの閉塞につながる可能性がある、または他の望ましくない効果につながる可能性があるということにおいて、当該製品の使用に関して重要である可能性がある。本発明の粒子における比較的小さく、および比較的均一または均一なサイズのために、本発明のRPP粒子の凝集体の最大サイズは、一般的に、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)などの既知の製品の粒子から形成される凝集体よりも著しく小さいだろう。
【0077】
例示的な実施形態によると、本発明の組成物における3つの凝集されたRPP粒子の最大平均寸法は、250μm未満である。別の態様において、粒子は、3つの粒子が凝集される場合に、大部分は、200μm未満の最大サイズを有する(例えば、粒子の少なくとも95%、少なくとも97.5%、または少なくとも99%はこの制限を満たす)粒子からなる、または実質的に当該粒子からなる。当該場合において、粒子の形状は、例えば、3つの全ての粒子の最大寸法をそろえる方法で凝集された場合でさえも、形成された凝集体のサイズは、200μm以下、250μm以下、または同様の測定値(例えば、180μm以下、170μm以下、さらに160μmまたは150μm以下)であるだろう。
【0078】
他の側面において、組成物におけるRPP粒子の約5%未満、約3%未満、約2%未満、または約1%未満(例えば、約0.5%未満または約0.2%未満)は、同じ最大直径を有する3つの粒子の凝集体が最大直径で250μmと等しい、または超えることを可能にする最大直径を有するだろう。さらに他の態様において、組成物中のRPP粒子の約10%未満、約5%未満、または約2%未満は、同じ最大直径を有する3つの粒子の凝集体が、直径200μmまたは180μmと等しい、または超えることを可能にする最大直径を有するだろう。さらに他の実施形態において、組成物におけるRPP粒子の約5%未満、例えば約2.5%未満、または約1%未満は、さらに、または代替的に、最大直径を有し、例えば、大径粒子が平均最大直径を有する2つの追加のRPP粒子と凝集する場合などは、250μm、200μm、180μm、または150μmと等しい、または超える最大直径を有する凝集体になるだろう。
【0079】
本発明の組成物は、凝集に関して以前に知られている組成物とは測定可能なほど異なる特性を有すると予想される。本明細書の他の箇所に記載されているような低濃度懸濁液において、懸濁液に含まれる本発明の粒子は、比較的小さい、および著しくより均一なサイズが与えられるスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)と比較して著しく低い、凝集の頻度および/または凝集の強度/程度を示すだろうと予想され、多くの実施形態において、球形または実質的に球形であるだろう。したがって、例えば、本発明は、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)に匹敵する粒子濃度を有する溶液中の凝集体形成の頻度が、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約35%、またはそれ以上減少する組成物を提供する。。同じ理由で、本発明の粒子は、異なる状況下で、多分散粒子組成物のスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)よりも密でより効率的な充填に適している。
【0080】
本発明のRPP粒子は、任意の適切な手段、技術、または任意の適切な方法の組み合わせによって形成されることができる。ミクロスフェアを含み、均一で比較的小さいサイズ、および比較的均一な形状を有する形成粒子を生成するための装置および方法は、RPP微粒子などの本発明のRPP粒子を生成するために使用されることができ、国際特許出願WO2005/115599(PCT/NL2005/000385)に記載される。
【0081】
本発明の特定の側面において、組成物の平均RPP粒子サイズは、約10μmから約60μmであり(当該粒子の最大直径に一般的に反映され)、例えば、約20μmから約40μm、例えば、約25μm~約35μmである。
【0082】
実施形態によると、RPP粒子組成物または収集物は、一般的に単分散であり、RPP粒子の少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、またはそれ以上(例えば、少なくとも約97.5%または少なくとも約99%)は、互いに約15μm以内、約12.5μm以内、約10μm以内、または約5μm以内である平均最大直径を有する。組成物は、組成物における粒子の少なくとも90%、例えば、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または時には少なくとも99.5%(例えば、約100%)は、約50%未満、例えば、45%未満、約40%未満、35%未満、約30%未満、25%未満、約20%未満、15%未満、約12.5%未満、約10%未満、または約7.5%未満、例えば、7%未満、6%未満、または約5%未満の粒子サイズ変動係数(CV)を有することによって、さらに、または代替的に特徴づけられることができる。一態様において、注射/移植組成物は、5μmから250μmの範囲の平均粒子サイズを有する粒子を含んでもよく、ここで任意の当該組成物のそれぞれの中の粒子サイズのCVは、50%以下であり、例えば、45%未満、40%未満、35%未満、約30%以下、25%未満、約20%以下、約15%以下、約15%以下、または約5%以下である。
【0083】
実施形態によると、組成物の粒子中のRPP材料は、さらに、または代替的に、主に半結晶性である、または本質的に全てもしくは全て半結晶性である。態様によると、組成物は、約2~6%、約3~5%、または約4%の結晶化度によって特徴付けられる。側面によると、粒子中のRPP材料の分子量は、約70~200kDa、例えば、約80~160kDa、または約90~120kDa、例えば、約110kDaである。RPP粒子は、さらに、または代替的に、RPP粒子が約3%未満、約2%未満、または約1%未満の含水量(例えば、約0.5%未満の含水量)を有すると特徴付けられることができる。組成物は、約700ppm未満、約650ppm未満、約600ppm未満、約550ppm未満、または約500ppm未満のDCM残留レベルを有すると更に特徴付けられることができる。
【0084】
特定の側面によると、上記の特徴の1つ以上を有する組成物における粒子の平均粒子サイズは、さらに、または代替的に、約10%を超えて、例えば、約8%を超えて、約6%を超えて、約4%を超えて、約2%を超えて、またはいくつかの態様において、約1%を超えて、またはいくつかの態様において、約0.5%をさらに超えて、かなりの期間(例えば、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも6か月、またはそれ以上)の経過にわたって、例えば、薬剤/装置試験において使用される一般的な長期/通常または加速安定性条件下で減少しない。一態様において、組成物の粒子は、(a)約40℃(例えば、38~42度)で、約75%(例えば、70%~80%)相対湿度(RH)で、6カ月間(一般的な装置/薬物加速安定性研究の典型)維持された場合;(b)一般的な長期/通常の安定条件(例えば、約25℃(例えば、±2℃)で約60%RH(例えば、±5%)、約30℃(例えば、±2℃)で約65%RH(例えば、±5%)、またはその両方で、12か月以上(例えば、18か月または24か月)維持された場合、または(c)長期/通常および加速安定性試験条件の両方で、約10%を超える(例えば、約8%、6%、4%、2%、または1%を超える)サイズの減少を示さない。加速安定性試験条件に関する本明細書の任意の開示は、通常/長期の安定性試験条件下でも同じ結果をさらに、または代替的に達成するための支持を暗に提供する。
【0085】
[安定性]
いくつかの態様において、本明細書に記載されるRPP粒子製剤は、かなりの期間、例えば、少なくとも約3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、24ヶ月、またはそれ以上にわたって、(a)一般的な貯蔵または安定性試験条件下で、(b)加速安定性試験条件下で(長期貯蔵能力を示すとみなされる)、または(c)両方の当該条件下で(上記に記載され、当技術分野で知られている具体的な態様)、安定的に持続することができる。例示的な態様において、例えば、約℃および相対湿度75%の加速安定性条件下で維持される粒子は、使用のための適合性の喪失なしにまたは粒子のサイズ特性の有意な変化なしに、3ヶ月、4ヶ月、または6ヶ月間維持されることができる。特定の側面において、粒子の平均分子量(Mw、kDa)は、例えば3ヶ月~12カ月(たとえば4ヶ月~8ヶ月)の加速貯蔵条件下、または12ヶ月~36ヶ月(例えば、18~30ヶ月)の実時間(real time)貯蔵下、またはその両方の下で、当該条件で保持された場合、最初の時点(t=0)から6ヶ月まで約5%未満変化する。態様において、当該期間、当該条件下で保持された粒子の平均分子量は、約4.5%未満、約4%未満、約3.5%未満、約3%未満、約2.5%未満、約2%未満、約1.7%未満、約1.5%未満、約1.3%未満、または約1%未満、例えば、具体的な態様において、約0.5%未満、または約0.1%未満でさえ、変化する。
【0086】
具体的な態様において、RPP粒子製剤は、加速安定条件(例えば、40℃および75%相対湿度)下で保持された場合、長期の通常の貯蔵条件下(室温および一般的な湿度で12ヶ月~36ヶ月、例えば18ヶ月~30ヶ月)で保持された場合、またはその両方で保持された場合、少なくとも3ヶ月、4ヶ月、または6ヶ月の間、約105kDaから115kDaの間、例えば、約106kDaから約114kDaの間など、の平均分子量を保持することができる。
【0087】
いくつかの態様において、粒子組成における多分散性指数(PDI)(分子量分布の幅の尺度)は、上記のもの(例えば、40℃および75%相対湿度で6ヶ月間)と同様の期間および条件にわたって、貯蔵/安定性試験の過程にわたって、約5%未満、例えば、約4.5%未満、約4%未満、約3.5%未満、約3%未満、約2.5%未満、または約2%未満、例えば、約1.5%未満、または場合によっては約1%未満でさえ変化する。いくつかの側面において、本明細書に記載のRPP製剤は、40℃および75%の相対湿度で保持された場合、少なくとも6ヶ月間、約1.30から1.40の間、例えば、約1.20から約1.38の間など、の平均PDIを保持することができる。
【0088】
いくつかの側面によると、本明細書に記載のRPP粒子製剤は、上記に例示されたように(例えば、40℃および75%相対湿度で6ヶ月)、加速貯蔵条件下または長期通常貯蔵条件下に保持された場合、ある程度の結晶化度を維持することができ、結晶化度は、約20%以下、例えば、約18%以下、約16%以下、約14%以下など、または例えば、約12%以下、または約10%以下変化する。具体的な態様において、本明細書に記載のRPP粒子製剤は、40℃および75%の相対湿度で保持された場合、少なくとも6ヶ月間、約3から約12の間、例えば、約4から約11の間などの平均結晶化度を維持することができる。
【0089】
具体的な態様において、本明細書に記載のRPP粒子製剤は、加速安定性条件下(40℃および75%の相対湿度で6ヶ月間)、通常/長期貯蔵条件下、またはその両方で保持された場合、d10(すなわち、粒子集団の10%の粒子は、与えられた値より小さい直径を有する)を維持することができ、d10は、5%未満、約4.5%未満、約4%未満、約3.5%未満、約3%未満、約2.5%未満、約2%未満、約1.5%未満、約1%未満、または具体的な態様において、約0.5%未満でさえ、変化する。
【0090】
いくつかの側面において、本明細書に記載のRPP粒子製剤は、40℃および75%の相対湿度で6ヶ月間(または、少なくとも12ヶ月間、通常/長期貯蔵条件下、またはその両方)保持された場合、d50(すなわち、粒子集団の50%の粒子は、与えられた値より小さい直径を有する)を維持することができ、d50は、5%未満、約4.5%未満、約4%未満、約3.5%未満、約3%未満、約2.5%未満、約2%未満、約1.5%未満、約1%未満、または具体的な態様において、約0.5%未満でさえ、変化する。
【0091】
いくつかの態様において、本明細書に記載のRPP粒子製剤は、40℃および75%の相対湿度で6ヶ月間(または、少なくとも12ヶ月間、通常/長期貯蔵条件下、またはその両方)保持された場合、d90(すなわち、粒子集団の90%の粒子は、与えられた値より小さい直径を有する)を維持することができ、d90は、60%未満、例えば、約50%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、または約20%未満、例えば、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4%未満、約3.5%未満、約3%未満、約2.5%未満、約2%未満、約1.5%未満、または具体的な態様において、約1%未満、変化する。
【0092】
具体的な側面において、本明細書に記載のRPP粒子製剤は、当該長期定期試験条件下、または加速安定性条件下(例えば、40℃および75%の相対湿度で6ヶ月間保持された場合)、通常/長期貯蔵条件下、またはその両方で保持された場合、平均直径を維持することができ、平均直径は、約50%未満、例えば、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、または約20%未満、例えば、約15%未満、約10%未満、約5%未満、約4.5%未満、約4%未満、約3.5%未満、約3%未満、約2.5%未満、約2%未満、約1.5%未満、または具体的な態様において、約1%未満、または約0.5%未満変化する。
【0093】
具体的な側面によると、本明細書に記載のRPP粒子製剤は、当該長期通常または加速安定性試験条件下(例えば、少なくとも6ヶ月間保持され、40℃および75%の相対湿度で保持された場合)、通常/長期貯蔵条件下、またはその両方で保持された場合、25μm~30μmの間のd10値を維持することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載のRPP粒子製剤は、40℃および75%の相対湿度で(または他の安定性試験条件下で、例えばRT2年間)保持された場合、少なくとも6ヶ月間25μm~35μmの間のd50値を維持することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載されるRPP製剤は、40℃および75%の相対湿度で保持された場合、少なくとも6ヶ月間、70μmから75μmの間のd90値を維持することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載されるRPP粒子製剤は、40℃および75%の相対湿度で保持された場合、少なくとも6ヶ月間、30μmから35μmの間のd90値を維持することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載されるRPP粒子製剤は、40℃および75%の相対湿度で保持された場合、少なくとも6ヶ月間、38μmから40μmの間の平均(average mean)直径を維持することができる。いくつかの態様において、本明細書に記載されるRPP製剤は、40℃および75%の相対湿度で少なくとも6ヶ月間、28μmから32μmの間の平均(average mean)直径を維持することができる。
【0094】
[担体および組成物]
本明細書の他の箇所に記載されるように、本発明のRPP粒子組成物を、所望の特性を有する組成物を形成するために、他の化合物と組み合わせることができる。例えば、本発明における粒子組成物を、粒子、適切な塩基担体または希釈剤(一般的に水、注射用水(WFI)など)、および任意に、懸濁液/製剤の性能を高める1つ以上の追加の機能的/構造的化合物(「賦形剤」または「添加剤」)、を含む懸濁液(または「製剤」)を生成するために、担体システム(「担体」または「ベクター」)と組み合わせることができる。
【0095】
皮膚充填剤などの注射可能および移植可能な生成物のための賦形剤および添加剤の例は、当技術分野でよく知られており、一般的に、任意の安全および適切な賦形剤、または賦形剤のセットを、当該意図された使用の文脈において結果的に生じる組成物の性能を高めるために、本発明のRPP粒子と組み合わせることができる。
【0096】
1つの例示的な実施形態において、本発明は、(a)有効量の1つ以上の生理学的に許容可能な界面活性剤、および(b)有効量の1つ以上の生理学的に許容可能な粘度上昇剤および/またはゲル化剤、と組み合わせて、本明細書に記載される任意の様々な態様にしたがって、有効量のRPP粒子を含む組成物を提供し、例えば、賦形剤および粒子の組み合わせは、粘性のある溶液および/またはゲルを形成することができる。本明細書に記載される任意の製剤は、粒子の分散液、ゲル、または製剤における任意の他の適切な形態、を含む粘性溶液であることができ、一般的に、液体であり、例えば、ゲルであり得ることが理解されるだろう。さらに、粘度を増加させる薬剤および/またはゲル化剤を、本発明の組成物または方法に組み込まれてもよい。場合によっては、粘度上昇剤は、当技術分野では「ゲル化剤」と呼ばれることもあり、本明細書において「ゲル化剤」と呼ばれる化合物の部類内にあると理解されることもある。
【0097】
製剤の賦形剤成分は、一般的に約6ヶ月以内、約4ヶ月以内、約3ヶ月以内、2.5ヶ月以内、または2ヶ月以内(例えば、6~12週以内、例えば、7~10週以内)で吸収され得る(例えば、当技術分野で知られている医療機器/医薬品の品質管理手順で使用され、および/または1つ以上の十分に管理され、十分に動力源とされ、および他の適切な研究において臨床試験を通じて使用されるなど、繰り返し条件下で試験される場合に、当該液体またはゲルの少なくとも約95%、当該ゲルの少なくとも約99%、または当該液体またはゲルの少なくとも約99.9%において事実であると決定され得るように吸収され得る)。しかしながら、粒子は、一般的に、より長い期間、例えば、少なくとも約6ヶ月、一般的に少なくとも約12ヶ月、少なくとも約18ヶ月、または約2年でさえ(例えば、十分に管理された適切な臨床試験における対象の集団への投与によって決定される平均で)保持されるだろう。
【0098】
一般的な態様によると液体製剤組成物は、主に注射用水(逆浸透によって一般的に生成され、当技術分野で公知の他の特性を有する滅菌水)から構成される。当該組成物は、液体中の粒子の分散液または懸濁液とみなされことができ、それらは、時に、粘性のある液体であり、他の場合ではゲルである。一般に、任意の型の製剤の開示は、本明細書において交換されることができる。液体およびゲルという用語は、本発明の製剤組成物が、例えば、水性液体組成物中の粒子の分散液などの非ゲル液体製剤であることができることを強調するために、時に別々に使用される。具体的な態様において、製剤組成物は、1つ以上のゲル化剤からも構成されてなり、ゲル化剤は、一般的に、関連する規制機関によって注射製剤で認可される。一側面において、本発明は、1つ以上のセルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)など、の有効量を含むRPP粒子ゲルまたは液体を提供する。当該材料の量は、組成物に所望の特性を提供するのに有効である量(すなわち、「有効量」)であることができる。ある範囲の量は、例えば、ゲルの形成をもたらしてもよく、一方、より狭い範囲の量は、特定の粘度および/または他のレオロジー特性を有するゲルを提供するだろうが、他の態様において、製剤は非ゲル液体のままであるだろう。1つの例示的な態様において、本発明は、約0.1%から約7.5%、例えば、約0.1%から約5.0%など、の質量濃度でCMCを含む液体またはゲル製剤を提供する。他の態様において、ゲルはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を、さらに、または代替的に含む。他の製剤成分は、例えば、ヒアルロン酸;キトサン;コラーゲン;例えば、固体コロイド懸濁液を形成、支持、および/または維持することができる他のゲル化剤;などを、さらに、または代替的に含むことができる。実施形態によると、本発明の組成物は、ヒアルロン酸(一般的に合成HA)および/またはエステル、例えば、乳酸エステルまたはカプロン酸エステルなどを、さらに、または代替的に含むこともできる。
【0099】
他の実施形態において、本発明におけるRPP粒子/ミクロスフェアの分散、および/または液体もしくはゲルの均一性は、有効量の1つ以上の界面活性剤の使用によって提供または増強されるだろう。当該組成物において使用される界面活性剤は、一般的に、無害性に基づいて選択され、通常、米国FDAなどの規制機関によって皮下および皮内での使用が許可されている薬剤であるだろう。一般的に、界面活性剤は、さらに非イオン性界面活性剤であり、または代替的に非イオン性界面活性剤であるだろう。ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート組成物は、当該適切な界面活性剤の例である。当該界面活性剤は当技術分野で公知であり、例えば、トゥイーン(Tween)(登録商標)、例えば、トゥイーン(Tween)(登録商標)80など、の名前で販売される。他の公知の界面活性剤は、プルロニック/ポロキサマー界面活性剤を含む(例えば、H.H.BearatおよびBLVernon、In jectable Biomaterials,2011を参照)。他の可能な界面活性剤は、トゥイーン(Tween)80と同様の特性を有するもの、例えば、同様の粘度(25℃で約300~500センチストーク)、同様のモル質量(約1310g/モル)、同様の密度(1.06~1.10)、および/または同様のpH(pH6~8の間の5%水溶液)を有する他の非イオン性界面活性剤など、を含むが限定されなくてもよく、それらは、ミクロスフェアの十分な分散を提供し、液体またはゲルにおける均一性を維持するために相当する能力を与えることができる。さらに他の態様において、ポリソルベート20(例えば、トゥイーン(Tween)(登録商標)20)または当該同等物をさらに、または代替的に含む組成物が提供される。
【0100】
具体的な実施形態において、界面活性剤は、製剤組成物中の分散粒子/ミクロスフェアの均一性を提供するのに有用である様々な界面活性剤から選択され得る。当該界面活性剤は、トゥイーン(Tween)80以外の非イオン性界面活性剤、例えば、他のソルビタン界面活性剤など、例えば、スパン(SPAN)(商標)80、スパン(SPAN)(商標)85、スパン(SPAN)(商標)65、スパン(SPAN)(商標)60、スパン(SPAN)(商標)40、スパン(SPAN)(商標)20、トゥイーン(TWEEN)(登録商標)40、トゥイーン(TWEEN)(登録商標)20、トゥイーン(TWEEN)(登録商標)21、トゥイーン(TWEEN)(登録商標)60、トリトン(Triton)-X(登録商標)100など、またはそれらの任意の混合物であってもよい。他の実施形態において、非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド、またはPEG-400であってもよい。
【0101】
更なる実施形態において、製剤における界面活性剤成分は、約100ダルトンから約2000ダルトンの分子量を有する非イオン性界面活性剤であってもよい。1つ以上の実施形態において、本発明の非イオン性界面活性剤は、約100ダルトン、約200ダルトン、または約300ダルトンの低分子量および/または約2500ダルトン、約2000ダルトン、約1500ダルトン、約1300ダルトン、約1200ダルトン、または約1,000ダルトンの高級分子量を有してもよい。
【0102】
他の態様において、本発明はRPP粒子の組成物を提供し、ここで、組成物は、水性液体またはゲルの形態である。当該態様において、製剤組成物は、一般的に、1つ以上の生理学的に許容可能な緩衝液、1つ以上の生理学的に許容可能な塩、1つ以上の生理学的に許容可能な防腐剤、またはそれらの2つ以上の組み合わせを含む。一連の例示的な態様において、組成物が提供され、組成物は、少なくとも約90%水、約0.05%~2%のクエン酸などの防腐剤、約0.05~0.75%、例えば、約0.05~0.25%などの塩、および/または緩衝剤(例えば、リン酸水素二ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、および/または水酸化ナトリウム)、および約1%~5%、例えば、約1.5%~約4.5%など、例えば、約1.75%~約3.5%など、例えば、約2%~3%のゲル化剤、例えば、CMCまたはHPMCなど、を含む。生理学的に許容可能な緩衝剤、生理学的に許容可能な塩、および生理学的に許容可能な防腐剤は、当技術分野で公知の賦形剤の種類である。任意の製剤組成物において使用され得る例示的な緩衝剤成分、塩および防腐剤は、本明細書の他の箇所で例示される。
【0103】
任意の製剤組成物における賦形剤および粒子は、(例えば、大抵は、1つ以上の十分に管理された適切な研究において臨床試験で決定されるように)、粒子の移植/注射の効果が、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約18ヶ月、少なくとも約24ヶ月、またはそれ以上(例えば、少なくとも約27ヶ月、少なくとも約30ヶ月、または少なくとも約36ヶ月)ヒト受容者において検出可能であるように一般的に選択および構成される。
【0104】
本発明の製剤組成物は、望ましくは、ヒト受容者への投与に対して安全であるだろう。一側面において、本発明は、(例えば、臨床研究を通じて決定されるように)、検出可能なアレルゲン反応が、ヒト受容者の約1%未満、例えば、約0.5%未満、または約0.1%未満など、で起こる製剤組成物を提供する。他の態様において、本発明は、「非発熱性」として、さらに、または代替的に分類されることができる製剤組成物を提供し、(例えば、1つ以上の臨床試験を通じて決定されるように)、ヒト受容者の約1%未満、例えば、約0.5%未満、または約0.1%未満で検出可能な炎症性参照をもたらす。
【0105】
本発明における製剤組成物および本明細書で提供されるRPP粒子の他の組成物は、任意の適切な容量で存在することができ、組成物の意図された用途に有効であるだろう任意の量のRPP粒子を含むことができる。
【0106】
一態様において、本発明は、100mgから約300mgの1つ以上のRPP粒子を含む組成物を提供する。別の側面において、本発明は、125mgから約175mgのRPP粒子を含む組成物を提供する。さらにより具体的な態様において、本発明は、約140mgから約160mgのRPP粒子を含む組成物を提供する。さらにより具体的な側面において、本発明は、約145mgから約155mgの1つ以上のRPP粒子、例えば、PLLA粒子などを含む組成物を提供する。当該組成物は、他の賦形剤を含んでもよく、または含まなくてもよい。
【0107】
一態様において、賦形剤およびRPP粒子を含むが、水または他の希釈剤を含まない組成物が提供される。当該乾燥された組成物は、例えば、粒子組成物の輸送および貯蔵に有用であることができる。当該場合において、賦形剤/粒子製剤は、注射または移植の前に、注射用水(WFI)などの希釈剤を用いて再構成されることができる。いくつかの態様において、マンニトールなどの糖アルコールは、希釈剤として、および/または凍結乾燥助剤として使用されることができる。例えば、本発明における再構成/湿潤組成物は、いくつかの態様において、約0.5%~約2.5%のマンニトール(w/w)を含むことができる。当該組成物は、賦形剤およびRPP粒子を含む約200mgから約500mgの乾燥製剤、例えば、賦形剤および粒子の約225mg~450mgの乾燥製剤、例えば、約250mg~425mgの乾燥製剤、例えば、約275mgから約400mgの乾燥製剤、または約300mg~約400mgまたは約350mg~約400mgの乾燥製剤を含むことができ、および一般的に含むだろう。
【0108】
本発明の水性懸濁液/製剤組成物において、粒子は、任意の適切な濃度で存在することができる。一態様において、本発明は、懸濁液中のRPP粒子の濃度が約10mg/mL~約30mg/mLである懸濁液を提供する。より具体的な態様において、当該懸濁液中のRPP粒子の濃度は、約15mg/mL~25mg/mLである。例示的な側面において、組成物中のRPP粒子の濃度は約20mg/mLである。
【0109】
粒子の濃度は、重量パーセントに基づいても特徴付けられることができ、このことは、乾燥製剤中のRPP粒子の濃度を考慮する場合に特に有用であることができる。1つの例示的な態様において、組成物(水または希釈剤を含まない)中のポリエステルポリマー粒子の濃度は、約25%から約50%(w/w)である。より具体的な態様において、当該乾燥製剤組成物中のRPP粒子の濃度は、約30%~約42.5%、例えば、約35%~約40%である。
【0110】
乾燥粒子製剤は、任意の適切な手段によって生成されることができる。一態様において、乾燥製剤は、賦形剤および粒子を含む製剤に適用される凍結乾燥(freeze-drying)(凍結乾燥(lyophilization))によって調製される。
【0111】
再構成された製剤は、任意の適切な量のWFIまたは他の希釈剤を含むことができる。一態様において、約3.5mL~約10.5mLの注射用水または他の適切な希釈剤を含む組成物を提供する。より具体的な態様において、当該組成物は、約4mL~約9mLの注射用水または他の適切な希釈剤を含む。さらに具体的な態様において、組成物は、約4.5mLから約8.5mLの注射用水または適切な代替希釈剤を含む。
【0112】
再構成された組成物中の製剤は、任意の適切な濃度を有することができる。一態様において、液体またはゲル製剤組成物中の製剤(粒子および賦形剤の両方を含む)の濃度は、約45mg/mL~約65mg/mLである。より具体的な側面において、この濃度は約50mg/mL~約60mg/mL、例えば約51mg/mL~約55mg/mLである。一側面において、水性ゲルまたは液体組成物(最終的な再構成された製剤)中の製剤(非水成分、すなわち、RPP粒子と賦形剤)の濃度は、約3.5wt.%~約7.0wt.%、例えば、約4.5wt.%~約6.0wt.%、例えば、約5.0wt.%~約5.5wt.%である。再懸濁/希釈製剤中のRPP粒子の濃度は、一般的に、約0.5wt.%~約5wt.%、例えば、約1wt.%~約4wt.%、例えば、約1.5wt.%~約2.5wt.%(例えば、約1.8wt.%、約2wt.%、または約2.2wt.%)であるだろう。
【0113】
本発明の組成物は、組成物中の粒子の濃度に基づいて特徴付けられることもできる。一般的に、完全に再水和された、ゲルまたは液体組成物中のRPP粒子の濃度は、約1.5wt.%から約2.5wt.%の範囲、例えば、約2%などであるだろう。より具体的な態様において、RPP粒子の濃度は、約1.9wt.%から約2.1wt.%である。しかしながら、製剤中のRPP粒子の濃度(乾燥/未希釈の場合;すなわち、全ての非水成分のパーセントRPP)は、いくつかの態様において、約20%から約60%、例えば、約35%~約70%、約35%~約50%、または約40%などの範囲であってもよい。存在するRPP粒子の総量は、例えば、約100mgから約300mg、例えば、約125mgから約250mg、例えば、約150mgであってもよい。
【0114】
粒子の注射を目的とした本発明の再構成された液体製剤組成物、または他の液体製剤組成物は、望ましくは「注射器使用可能」である。「注射器使用可能性」は、使用者受容研究、および同類のものによって決定され得るように、製品の注射器を介した投与の容易さを指す。一態様において、本発明の組成物における注射器使用可能性は、使用者研究または使用者フィードバックによって、SCULPTRA(登録商標)のレベルより、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、または少なくとも約35%大きい。
【0115】
特定の実施形態によると、組成物中の製剤(賦形剤およびRPP粒子)の量は、約100mgから約600mg、例えば、約250mgから約500mg、例えば、約350mgから約450mgの範囲であるだろう。態様によると、組成物中の粒子および賦形剤の製剤は、約30mg/mL~約90mg/mL、例えば、約35mg/mL~85mg/mLなどであるだろう。
【0116】
存在する場合のゲル化剤は、賦形剤の約30%から約90%、例えば、約35%から約80%、または約40%から約75%を一般的に構成するだろう。混合乾燥製剤(RPP粒子を有する)中のこのゲル化剤の濃度は、約15%~約75%(w/w)、例えば約35%~約55%(w/w)、例えば約40%~約50%(w/w)に一般的に減少するだろう。当該ゲル化剤の重量/体積%は、一般的に、最終的な湿潤製剤において約1%から約3%の間であるだろう。再構成された製剤中のゲル化剤の重量/重量パーセントは、同じ範囲(約1%~約2.5%)になるだろう。一般的な湿潤製剤において、約75mgから約275mgのゲル化剤(例えば、CMCなど)、例えば、約100mgから約250mgのゲル化剤、例えば、約150mgから約200mgのゲル化剤、例えば、約170mg~約180mgのゲル化剤が存在する。
【0117】
界面活性剤は、存在する場合、賦形剤組成物の約1.0%~約5%(w/w)、例えば、賦形剤組成物の約2.0%~約4.0%(w/w)、例えば、約2.5%~約3.5%(w/w)を一般的に構成するだろう。界面活性剤は、存在する場合、最終乾燥製剤(賦形剤とRPP粒子)の約0.5%~約3.5%、例えば、最終乾燥製剤(RPP粒子と賦形剤)の約1.5%~約2.5%、または約1.75%~約2.0%(例えば、約1.9%)、および最終的な湿潤製剤の濃度(w/v%、および/またはw/w%)の約0.05%から約0.2%、例えば、約0.1%などを一般的に構成するだろう。本発明の組成物は、約5mg~約10mgの非イオン性界面活性剤、例えば、ポリソルベートまたはプルロニック界面活性剤を含むことができる。より具体的な実施形態において、組成物は、約6mg~約9mg、例えば、約7.5mgの界面活性剤を含むだろう。
【0118】
本発明の組成物中の粒子は、皮膚などのヒト組織に注入された場合、約1年から約3年の間の吸収時間を一般的に示すだろう。より具体的な態様において、製剤中のRPP粒子における吸収時間は、約1.5~約2.5年の間である。
[送達システムおよびキット]
【0119】
上記の組成物に加えて、本発明は、当該組成物を1つ以上含む送達システムおよびキットも提供する。
【0120】
一例示的な実施形態において、本発明は、貯蔵成分を含む装置を含む移植/注射送達システムを提供し、移植/注射送達システムは、一般的に、有効量の上記の新コラーゲン形成性RPP粒子組成物、および針、カニューレ、または他の送達成分を含み、移植/注射送達システムを介して、組成物を、哺乳動物受容者の体内に、例えば、ヒトの美容医学患者の皮膚などに送達されることができる。注射装置の場合、装置は、送達力の適用時に組成物を送達するように構成される。
【0121】
一般的に、送達システムに含まれるRPP粒子の量は、約100~約600mg、例えば、約125mg~約500mg、例えば、約135mg~約400mgの量であるだろう。具体的な態様において、RPP粒子材料の量は、約100mg~約200mg、例えば、約125mg~約175mg、例えば、約150mgである。通常、当該RPP粒子は、約3.5mL~約10.5mL、例えば約4mL~約9mLの希釈剤(例えば、WFIなど)および賦形剤を含む水性ゲルまたは液体に含まれる。
【0122】
針送達装置は、本発明の重要な態様である。一態様において、本発明は、針送達システムを提供し、ここで、針の内径は、約0.1mmから約0.4mmのサイズである。他の態様において、針送達システムの内径は、約0.125mmから約0.285mmである。さらにより具体的な態様において、針の内径は、約0.11mmから約0.35mmである。本発明は、針の外径が、さらにまたは代替的に約0.1mm~約0.7mm、例えば約0.2mm~約0.6mm、またはより具体的には約0.23mm~約0.59mmである針送達システムを提供する。特定の態様によると、本明細書に記載のRPP粒子組成物をうまく送達することができる針送達システムは、同様の目的のための市販の製品、例えば、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)などにおける送達するために必要とされる針送達システムの内径よりも小さな内径、例えば、少なくとも約1%小さい内径、少なくとも約3%小さい、少なくとも約5%小さい、少なくとも約10%小さい、またはそれ以上、例えば、少なくとも約12%小さい、約14%小さい、約16%小さい、約18%小さい、またはさらに約20%以上小さい内径を含むものである。具体的な態様において、より小さい内径を有する針送達システムを使用するための能力は、外径の針寸法において対応する縮小を可能にし、したがって、いくつかの態様において、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)などの市販製品と比較して、投与中に皮膚を突き刺すために縮小された針直径寸法を利用する能力に起因して、改善された患者経験を提供する。態様において、送達に使用される一般的な使用者によって必要とされる最大力、最小力、または最大力および最小力の両方(例えば、製品使用試験によって決定される)は、同じサイズの針を通して対応する量のスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)を送達するために必要とされる力の約75%未満、例えば、約66.6%未満、例えば、約50%未満、例えば、約33%未満、または約25%未満である。
【0123】
当該組成物の注射に適した多くの針が当技術分野で公知である。当技術分野で理解されるように、針の外径は、測定機器(gauge)によって一般的に測定され、内径は、サイズに対応して一般的に増減する。本発明の一態様において、送達システムは、24Gから31Gの範囲の全ての針および/またはカニューレを含む。より具体的な態様において、針システムは、26G針、27G針、または28G針を含む。一態様において、針は、内径および/または外径において平均26G針より小さい、例えば、本明細書に記載されるより小さな直径の針である、または、そうでなければ、内径および/または外径において少なくとも約10%、少なくとも約15%、または内径および/または外径において少なくとも約20%小さい。
【0124】
送達システムは、針送達システムの代替としてカニューレを含むことができる。皮膚充填剤などの材料の送達に適したカニューレシステムは、当技術分野で公知である。したがって、例えば、本明細書に記載の製剤組成物は、丸い先端の皮膚充填剤マイクロカニューレを用いて注射すされてもよい。当該マイクロカニューレは、皮膚充填製品を注射するための針の代替物であり、特定の状況において好ましくなり得る。例として、マイクロカニューレは、血管系への損傷の危険性が少ない状態で皮膚の下をあちこちに動くことができるので、マイクロカニューレは単一の注射点から広い治療領域へのアクセスを提供し得る。さらに、針は複数の注射点が必要である。例として、マイクロカニューレを使用して頬への注射は、頬から顔の外縁への治療領域に到達してもよく;皮膚科医は、口角の2点から、上唇、下唇、および鼻唇溝、並びにマリオネット線を治療できてもよい。注射用の針を使用すると、追加の注射点が必要であっただろう。針に対してマイクロカニューレを介した注射が有利であり得る他の状況は、薄い皮膚の領域、例えば、目の周りの皮膚など、針を注射するのがより難しいだろう領域の治療を含む。当該状況(scenario)において、カニューレは、頬の近くに挿入され、薄くなった目の領域まで皮膚の下に入り込まれてもよい。カニューレの使用は、必要とされ得る針刺しが少なくなるので、治療中の痛みがより少なくなり得、並びにとがっていない針は注射および/または整復(repositioning)中に血管系を壊す可能性がより低くなるため、出血やあざの危険性が減少するので、回復時間がより速くなる可能性がある。カニューレの平滑末端は、遭遇した血管に穴を開ける可能性のある針の尖った端とは異なり、遭遇した血管を単に押しのけ得るので、針に対してマイクロカニューレの使用は、血管に充填剤を注入する危険性を減らす。他方、針の使用が本明細書に記載の製剤の投与のためにカニューレと比較して好ましい(および、当該方法は一般的により手頃な価格である)多くの状況がある。にきび痕の治療などの当該美容的治療の場合、特に表面的に、または浅く充填される線の治療の場合になるので、針の使用は、医学的におよび/または受容者/患者の視点から好ましくなり得る。
【0125】
送達システムに加えて、本発明は、本明細書に記載の送達システムにおける別個の成分を含むキットおよびパッケージ化された組成物も提供する。したがって、一態様において、本発明は、(a)一般的に密封された小包(package)または容器中のRPP粒子の乾燥された固体組成物(一般的に、賦形剤、例えば、ゲル形成剤、および任意に、界面活性剤、緩衝液、および同類のものなどと組み合わせて)、(b)容量を維持し、汚染を防ぐ、容器内の希釈剤、例えば、WFIなど、および(c)貯蔵容器および針または他の送達要素を含む送達システムの1つ以上の部分、を含むキットを提供する。キットまたは小包は、再構成のためのおよび再構成された製品の適用のための、材料および/または指示、ならびに患者情報、指示、または同類のものを含んでもよい。
【0126】
キットおよび送達システムは、上記の組成物の任意の特徴を組み込むことができる。1つの例示的な態様において、本発明は、a)凍結乾燥PLLA(任意に、CMCなどの1つ以上の他の賦形剤および/またはポリソルベート界面活性剤などの界面活性剤が存在する)を含むバイアル、b)希釈剤、例えば、WFIなどを含むプレフィルド(prefilled)シリンジ、を含むキットを提供する。いくつかの実施形態において、凍結乾燥されたPLLAを含むバイアルは、密閉され得る。具体的な実施形態において、バイアルは、針によって貫通可能なシールを使用して密封されてもよい。いくつかの実施形態において、シリンジ内に含まれる希釈剤は、ポリソルベートまたは他の非イオン性界面活性剤、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはHPMC、更に任意にリン酸水素二ナトリウム二水和物、無水クエン酸、塩化ナトリウム、および/または水酸化ナトリウムを一つ以上含んでもよい。いくつかの実施形態において、注射用の水を、体積を100%までにするために使用されてもよい。いくつかの実施形態において、プレフィルド(prefilled)シリンジは、針も含んでもよい。いくつかの実施形態において、キットは、注射針を誘導(guidance)として使用する当技術分野で公知のように、挿入用の注射針およびカニューレを、さらに、または代替的に含んでもよい。具体的な実施形態において、キットは、医師、特許、またはそれら2つの任意の組み合わせのために、そこに含まれる製品を使用するための説明書も含んでもよい。
【0127】
好ましい実施形態において、本発明は、約50mg~約250mgのPLLA、例えば、約50mg、60mg、70mgまたは80mgのPLLA、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、または約250mgのPLLAを有する凍結乾燥粉末を含む少なくとも1つのバイアルを含むキットである。より好ましい実施形態において、バイアルは、約100mgから約200mgのPLLAを含んでもよい。好ましくは、バイアルは、約150mgのPLLAを含んでもよい。
【0128】
好ましい実施形態において、本発明のキットは、約0.01%から約0.30%w/vの範囲の量のポリソルベート80および/またはポリソルベート20、例えば、約0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、約0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.10%、0.11%、0.12%、0.13%、0.14%、0.15%、0.16%、0.17%、0.18%、0.19%、または約0.20%、約0.21%、0.22%、0.23%、0.24%、0.25%、0.26%、0.27%、0.28%、0.29%、または約0.30%w/vのポリソルベート20、を含む希釈剤を含むプレフィルド(prefilled)シリンジを含む。より好ましい実施形態において、プレフィルド(prefilled)シリンジは、0.05%から約0.15%の範囲の量のポリソルベート20を有する希釈剤を含む。好ましくは、バイアルは、約0.1%w/vのポリソルベート20を含んでもよい。
【0129】
好ましい実施形態において、本発明のキットは、約1%~約4%w/v、例えば、約1%、約1.1%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、または約1.7%など、例えば、約1.8%、約1.9%、約2.0%、約2.1%、約2.2%または約2.3%w/vなどのカルボキシメチルセルロースナトリウム、例えば、約2.4%、約2.5%、約2.6%、約2.7%、約2.8%、約2.9%、約3.0%または約3.1%など、例えば、約3.2%、約3.3%、約3.4%、約3.5%、約3.6%、約3.7%、約3.8%、約3.9%または約4.0%などのカルボキシメチルセルロースナトリウムw/vを有する希釈剤を含むプレフィルド(prefilled)シリンジを含む。一実施形態において、プレフィルド(prefilled)シリンジは、約1.5%から3.5%の範囲の量のカルボキシメチルセルロースナトリウムを有する希釈剤を含む。好ましくは、バイアルは、約2.3%w/vのカルボキシメチルセルロースナトリウムを含んでもよい。
【0130】
具体的な実施形態において、本発明のキットは、リン酸水素二ナトリウム二水和物(例えば、約0.1%~0.15%、例えば約0.13%w/vなど);無水クエン酸(例えば、約0.05%~0.15%、例えば約0.1%w/vなど);塩化ナトリウム(例えば、約0.25%~約0.75%、例えば約0.6%w/vなど);および/または水酸化ナトリウム(例えば、約0.02%~0.08%、例えば、約0.05%w/vなど)、を含んでもよい。
【0131】
いくつかの側面によると、本発明のキットは、2つ以上のバイアルを含んでもよく、それぞれが本明細書に記載の組成物の単回投与を含む。具体的な側面において、本明細書に記載される1つ以上の組成物における2つ以上の適用物または投与物が処方されてもよく、したがって、キット内の複数のバイアルが当該目的のために利用されてもよい。
【0132】
[使用方法]
本発明は、上記および本明細書の他の箇所に記載されるように、RPP粒子、関連する組成物、および関連する送達システムを使用するいくつかの新規な方法も提供する。
【0133】
一例示的な態様において、本発明は、本発明の組成物、例えば、新コラーゲン形成性皮膚移植/注射組成物を、哺乳動物受容者、例えば、ヒト美容患者などに、送達する方法を提供し、上述されるような針送達システムを用いて受容者と接触させること、および受容者の体に有効量の組成物を送達するために針システムに送達力を適用すること、を含む。ほとんどの態様において、受容者は、ヒトの美容患者であり、組成物は、免許を受けた医療提供者、例えば、免許を受けた医師など、の指示および/または監視によって、または指示および/または監視下で投与されるだろう。
【0134】
本明細書で提供される送達システムと組み合わされた場合、RPP粒子組成物は、特にスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)と比較した場合に、高レベルの送達効率を提供する。「注射失敗」は、RPP粒子組成物を注射する工程において針の閉塞の発生を意味する。本明細書において提供される本発明のシステム(例えば、粒子の少なくとも約90%において35μm~55μmの平均最大サイズを有するPLLAミクロスフェアと組み合わせた26G針または27G針を含む針システム)は、40%以下の送達失敗に関連する。いくつかの態様において、本発明における当該送達システムおよびRPP組成物は、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、または約5%未満の注射失敗率に関連している。
【0135】
当該システムにおけるRPP粒子の実質的により小さく、およびより均一な性質のために、標準的な針システム(例えば、従来の26G針システムなど)を介して再構成されたRPP粒子組成物、またはそうでなければ液体のRPP粒子組成物を送達するために必要とされる力は、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)におけるシステムよりも、本発明のシステムにおいて著しく少なくなるだろう。
【0136】
当該力は、針送達システムを介して組成物を送達するために必要とされる最小力、組成物を送達するために必要とされる最大力、および組成物を送達するために使用される平均力によって評価されることができる。一態様において、システムにおける針を介して組成物を送達するために使用される最小の力は、約40gから約80gである。他の側面において、最小力は、約40g~50g、例えば、約50gである。
【0137】
他の態様において、組成物を送達するために使用される最大力は、さらに、または代替的に、約100g~約2500g、例えば、約175g~約1750gである。さらにより具体的な態様において、最大力は、約200g~約1200gであり、例えば、約200g~約700gである。
【0138】
さらに他の実施形態において、針システムを介して組成物を送達するために使用される平均力は、約100g~約1000gである。より具体的な態様において、組成物を送達するために使用される平均力は、約150g~750g、例えば、約175g~約400g、またはより正確にさらに、約200g~約350gである。具体的な態様によると、与えられた針送達システムを介して本明細書に記載の組成物を送達するために使用される平均力は、同じサイズ(例えば、同じ針内径)の針送達システムを介してスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)などの同等の市販製品の組成物を送達するために必要とされる力よりも著しく小さく、例えば、当該平均力は、比較製品に必要とされる平均力よりも、少なくとも1%、少なくとも3%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、または少なくとも20%以上でさえ少ない。
【0139】
当該力の測定は、任意の適切な方法によって実行されることができ、多くのシステムまたは個々のシステムに適用することができる。一態様において、当該力は、ISO11040-4セクションE(注射器潤滑を評価するための滑走力試験方法)に従って測定される。当該測定を実行するために使用されることができる装置は、米国のテクスチャ テクノロジーズ社(Texture Technologies)から入手可能である(例えば、http://texturetechnologies.com/application-studies/syringability、を参照)。
【0140】
一般的に、本発明の送達システムは、生理学的効果、例えば、受容者の皮膚体積を検出可能に、および一般的に有意に測定可能に増加させるなど、を(例えば、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)を用いての治療において観察されたレベルと少なくとも同等のレベルに)誘導するために、本発明の組成物を哺乳動物受容者の体内に送達する。したがって、本発明は、本発明のRPP粒子組成物の皮下または皮内の注射または移植を含む、ヒト患者の皮膚または皮膚の外観を改変する方法を提供する。当該方法は、修復手術または形成外科手術を促進する、または実行するため、またはしわ、小じわ、皮膚のひび割れ、にきび痕および他の痕を埋めるために、並びに歯茎を埋めるための歯科において、およびスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)に関連する他の適用のために、使用されることができる。
【0141】
加齢に関連した皮膚のたるみ、および加齢に伴うしわは、皮膚の重要な構造的完全性を提供するコラーゲンおよびエラスチンの生成、密度の低下を示す身体の結果である。当該たるみ、またはしわの美容的治療において、皮膚充填剤および/またはRPP組成物を使用することができる。本発明のRPP粒子、例えば、本明細書において提供される本発明の製剤のPLLAモノスフェアなどは、製剤が注入される領域において、新コラーゲン形成の工程、または身体自体の新しいコラーゲンの生産を刺激する、生体適合性及び生分解性ポリマーである。当該新生は、皮膚充填剤と比較してより永続的な美容的解決策をもたらし、分解すると、それらの存在によって提供される美容的改善を排除する。場合によって、しかしながら、本発明のRPP粒子組成物を用いて治療の効果が見られるために、または少なくともほぼ最大の効果に達するために、約2ヶ月~8ヶ月、例えば、約3ヶ月~6ヶ月かかり得る。
【0142】
本発明におけるシステムおよび生成物の使用は、治療過程の一部として当該組成物の反復投与を含むことができる。したがって、例えば、治療過程は、製品の2回、3回、4回、またはそれ以上の投与を含むことができ、これは、1週間、2週間、3週間、または4週間、または約10日、約20日、約25日、または約30日(例えば、約2~7週間、たとえば約3~6週間ごと)で区切られてもよい。各治療セッションは、複数の部位への生成物の投与を含んでもよく、体の単一の領域、例えば、皮膚の単一の領域(例えば、ほうれい線)など、に関連してもよく、または関連しなくてもよい。単回注射において送達される再構成/液体生成物の量は、一般的に、約1.5mLから約5mL、例えば、約2mLから約4mL、例えば、約2.5mL、または約3mLであるだろう。場合によっては、注射は標的部位の周りに格子状(grid)で実行される。いくつかの態様において、注射は、真皮に主にまたは完全に送達される。このことは、単一のセッションにおいて使用される量を反映することができる場合もあり得、単一のセッションにおいて使用される量は、その治療セッションにおいて1つ以上の部位に注入されてもよい。
【0143】
いくつかの態様において、本発明の組成物における送達は、有効量の麻酔薬の投与に関連して行われる。一態様において、麻酔薬は製剤の成分である(例えば、再構成時に希釈剤とともに添加される)。他の態様において、麻酔薬は、RPP粒子投与の注射/移植に関連して併用投与または投与される(例えば、注射前に投与される)。
【0144】
さらに他の態様において、方法は、1つ以上の美容的修正方法と組み合わせて美容的治療として適用され、美容的修正方法は、他の外科技術、他の皮膚充填剤の適用、および/または1つ以上の医薬品の適用、または医療装置を含むことができる。新コラーゲン形成を介する以外の方法を介して皮膚の美容を修正する美容製品は相乗的であってもよい。当該治療は、皮膚充填剤(例えば:レスチレン(Restylane)(登録商標)、ジュビダーム(Juvederm)(登録商標)、レスチレン(Restylane)(登録商標)リフト(Lyft)(以前はパーレーン(Perlane)(登録商標))、または標的皮膚領域にバルク(bulk)を提供する他の同様の皮膚充填剤)、および神経調節剤(例えば:アボボツリヌストキシンA(ディスポート(Dysport)(登録商標)、オナボツリヌストキシンA(ボトックス(Botox(登録商標)、または神経入力(inputs)の修正を通じて皮膚の美容を修正するのに役立つ他の同様の美容治療)、を含んでもよいが、制限されなくてもよい。相乗的に使用され得る他の治療は、コラーゲン成長を刺激するために、ラジオ周波数または光周波数またはパルス光を使用する新コラーゲン形成治療である(例えば:リファーム(ReFirme)(商標)、フォトフェイシャル(FotoFacial)(登録商標)、または同様の当該製品)。本明細書に記載の新コラーゲン形成性皮膚移植は、コラーゲン生成を刺激することによって作用するので、目に見える結果が表れるまでに時間がかかり得る。したがって、本発明の皮膚移植がコラーゲン生成を刺激し始める間に、短期間に結果を提供するために、例えば、レディエッセ(Radiesse)(登録商標)またはヒアルロン酸充填剤(例えば、ジュビダーム(Juvederm)またはレスチレン(Restylane)など)によって例示されるようなカルシウムベースのミクロスフェア技術に限定されない、ボリューム化(volumizing)皮膚充填剤を利用することが有益であり得る。当該皮膚充填剤は、本発明の移植が有効である間、即時の美容改善を提供してもよく、および当該皮膚充填剤は、より短い寿命を有するので、本発明の新コラーゲン形成性皮膚移植の効果が現れ始めると消失する。
【0145】
具体的な態様において、適用方法は、比較的薄い皮膚を有する患者への生成物の投与を含む。対象は、標的領域において例えば、集団の平均よりも少なくとも約15%、少なくとも約25%、または少なくとも約30%薄い皮膚を有してもよい。例えば、対象は、皮膚萎縮状態(例えば、コルチコステロイド皮膚萎縮など)を有する、もしくは受けている患者、または異常に薄い皮膚に関連する他の状態(例えば、皮膚萎縮症、虫食い状皮膚萎縮症(vermiculate atrophoderma)、または関節リウマチ関連皮膚菲薄化など)を有する患者であり得る。
【0146】
他の態様において、方法は、脂肪消失に関連する領域、例えば、顔面皮下脂肪萎縮症に関連する領域など、で実行される。したがって、方法は、顔の脂肪消失における兆候の回復および/または補正を含むことができる。
【0147】
本発明の組成物および方法は、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)よりも低い結節形成速度と、さらに、または代替的に関連している。実施形態によれば、本発明の方法および組成物に関連する結節製剤の量は、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)と比較すると、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、またはそれ以上減少する。(例えば、製品における臨床データの比較または製品の直接的な直接(head-to-head)研究によって決定されてもよい)。
【0148】
さらに、または代替的に、製品は、一般的な集団においてさえ、より薄い皮膚に関連する領域に送達されることができる。一態様において、方法は、平均表皮厚が40μm未満、平均真皮厚が1200μm未満、またはその両方を有するヒトの顔の領域に組成物を投与することを含む。他の態様において、方法は、平均表皮厚が40.75μm未満、平均真皮厚が1230μm未満、またはその両方を有する皮膚の領域で実行される。さらに他の態様において、治療領域における平均表皮厚が40.5μm未満である、平均真皮厚が約1200μm未満である、またはその両方が真である。
【0149】
他の態様において、方法は、平均表皮厚が40μm未満、平均真皮厚が1175μm未満、またはその両方を有するヒトの顔の領域に組成物を投与することを含む。
【0150】
さらに他の例示的な側面において、方法は、1.5未満の平均相対厚さスコアを有するヒト皮膚の領域に組成物を投与することを含む。より具体的な態様において、領域は、1.35未満の平均相対厚さスコアを有する。相対的な厚さは、Chopra et al.,Aesthetic Surgery Journal 2015,Vol35(8)1007-1013に記載される。薄い皮膚を評価する当該方法が本明細書において例示されるけれども、本発明の範囲は、Chopraの論文に記載される患者型に限定されず、むしろ、異なる年齢、人種、状態などの対象に適用されることができる。より一般的な意味において、本発明の一態様は、皮膚に関連する対象の領域に本発明の組成物を投与することを含み、皮膚は、同じ年齢または年齢層、性別、人種、および/または状態における対象の平均的な皮膚より少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約12.5%、少なくとも約15%、少なくとも約17.5%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、または少なくとも約30%薄い。
【0151】
さらに他の例示的な態様において、方法は、顔および首などの身体の一部におけるヒト皮膚の標的領域に組成物を投与することを含み、ここで、標的領域(人または人グループの)における平均皮膚厚は、(a)人(または、例えば、年齢、性別(gender)、性別(sex)、および/または状態の平均的な人)の平均皮膚厚、または(b)人(または集団)において最も厚い皮膚に関連する人(または同様の人のグループの平均)の体の部分のいずれかよりも少なくとも約10%少ない、少なくとも約15%少ない、少なくとも約20%少ない、または少なくとも約30%少ない。これは、方法が患者の比較的薄い皮膚の領域で実施されることができることを反映する他の態様である。
【0152】
[実験データ(実施例)]
以下の実験データ(実施例)は、本発明の様々な態様を支持および例示する。本開示は、本発明の原理を更に説明するために提供されており、いかなる方法においても当該範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0153】
[材料]
PLLA粒子は、単分散方法での粒子の生成を可能にするWO200511559A1に記載された粒子生成方法に従って生成された。方法は、平均サイズが約35μmを有する粒子であり、粒子の95%が25μm~45μmのサイズを有する粒子を生成する目的で実行された。スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)(バッチ番号A7123)を、ウォルタークレブス社(WalterKrebs)から購入した。
【0154】
[実施例1]
RPP組成物、特にPLLAの単分散ミクロスフェア、またはモノスフェアが、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)における主要な市販の従来の多分散PLLA組成物よりも針の閉塞が少なく、生成物注射可能性の改善につながることを実証するために、以下の実験を実施した。
【0155】
[試料調製]
再構成を、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)ブラジル製品ラベルに従って実施した(2時間、WFIを用いて水和による再構成)。これは、室温(RT)で18.75mg/mLのPLLA懸濁液密度をもたらした。スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)の注射可能性を7倍で分析するために、結果的に得られた均質化された懸濁液から、1mLを用いて7個のシリンジ(ベクトン ディッキンソン社(Becton Dickinson)、ルアーロックを有する1mL使い捨て、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)パッケージ(package)に含まれない)を充填した。ベクトン ディッキンソン社(Becton Dickinson)からの針26G、5/8’’(マイクロランス(Microlance)3、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)パッケージ(package)に含まれない)を使用した。
【0156】
単分散PLLAミクロスフェアを、ジクロロメタン(DCM)中にPLLAを、10~15重量%溶解することによって調製した。有機相を、独自のマイクロシーブ(ナノミ社(Nanomi))に通して水相に運び、得られた懸濁液を3~24時間抽出させた。ミクロスフェアを収集し、75μmおよび10μmのふるいを使用してふるいにかけた。ミクロスフェアの乾燥は、凍結乾燥または窒素流のいずれかを介して行った。
【0157】
単分散PLLAモノスフェア(ナノミ社(nanomi)、試験材料、2087-EKK-04Oct2018-A)を、150mgの試験PLLAモノスフェア材料に7.5mLの希釈剤を添加することによって再構成し、結果的に室温で20mg/mLの懸濁液密度を得た。得られた懸濁液を、RTで2時間維持した。ナノミ(Nanomi)モノスフェアを6倍で分析するために、懸濁液から1mLを用いて、6個のシリンジを充填した。ミクロスフェアに追加される希釈剤の逸脱する量は、主要製品において現在生成されるプレフィルドシリンジを含むというナノミ(Nanomi)の意図によって指示される。これらのプレフィルドシリンジには、それぞれ2.5mLの希釈液を含む。
【0158】
[注射試験分析]
テクスチャ分析装置TA.XTプラス(plus)(ステイブル マイクロ システムズ社(Stable Micro Systems)-サリー,UK(https://www.stablemicrosystems.com/TAXTplus.htmlを参照))をこの実験に使用した。注射を、ISO11040-4セクションE(シリンジの潤滑を評価するための滑り力試験方法)に従って実行した。要するに、シリンジは、垂直位置でテクスチャー分析装置に置かれ、100mm/分の速度を使用して排出した。測定距離は45mmであった。
【0159】
[結果]
図1は、26G 5/8’’針を使用してスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)試料の注射可能性グラフである。図1のグラフの最初の間隔(垂直線3から1の間の間隔)は、針を懸濁液で満たすために必要とされる力を示す。2番目の間隔(1から2)の間に、注入可能性を試験する。この間隔の結果を、以下の表2に報告する。図1のグラフの各曲線は、個々の注射を表す。
【0160】
スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)の分析のために得られたデータを、以下の表1にも示す。
【表1】
【0161】
繰り返し番号1、3、4および5について表1に示されるアスタリスク、および図1に示される繰り返し番号1、3、4、および5のそれぞれについての対応する注射可能性グラフは、針が注射中に詰まった繰り返しを示す。
【0162】
図2は、26G5/8’’の針を用いて注射されたナノミ(Nanomi)単分散PLLAミクロスフェア試験製剤についての注射可能性の結果を示す。 グラフの図2の最初の間隔(3から1)は、針を懸濁液で満たすのに必要とされる力を示す。2番目の間隔(1から2)の間に、注射可能性が試験される。この間隔の結果を、以下の表2に報告する。各曲線は、個々の注射を表す。このデータは、当該針を介したスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)の送達に関して4/7の失敗率(約57%)を反映する。
【0163】
ナノミ(Nanomi)単分散PLLAミクロスフェア試験製剤の分析のために得られたデータを、以下の表2にも示し、および図2にグラフで示される。
【表2】
【0164】
上記の図1および2に説明され、表1および2に示されるデータは、本発明の例示的な単分散PLLAミクロスフェアが、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)と比較して、注射力必要条件に関して著しく異なる特性を有することを示す。例えば、テストされた単分散PLLAミクロスフェア組成物はいずれも、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)を用いて観察された平均力2000を必要とせず、実際、全てがスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)に必要とされる~2000よりも約25%以下の力を必要とし、いくつかはさらに少ない力を必要とした。本発明の微粒子組成物に関連するこれらの型のより低い力の必要条件は、本発明の他の態様を表す。
【0165】
図3は、26G5/8’’の針を用いて試験された、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)対単分散ミクロスフェアの注射可能性測定値のオーバーレイである。
【0166】
図1図3、並びに表1および表2に示される結果から、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)のブラジルラベルの指示に従った再構成は、特に7回の注射のうち4回が詰まったので、製品が問題を有さないで26G針を通過しなかった製剤条件につながった。スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)のヨーロッパのラベルは、再構成量をより少なくして、より濃縮された最終生成物を生成することを推奨することに留意され得る。当該濃度の上昇は、針が詰まる可能性がさらに高くし得る可能性がある。より大きな針サイズの使用を介してこの詰まりを克服できる可能性があり得るが、より大きな直径(diameter)を有する、より大きな直径(diameters)を有する針は、患者の不快感を増大し得るので、美容医学において好まれないだろう。
【0167】
単分散ミクロスフェアの注射可能性について得られた結果は、これらのRPP粒子が、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)と比較して、はるかに低い平均力(24%)最大力(17%)、およびはるかに少ない変動性で、選択された26G針を通過したことを証明する(例えば、図3参照)。単分散ミクロスフェアの注射可能性を示す図2における繰り返し3(長い破線)は、約15mmの過程で吐出し(dispensing)に必要とされる最大力(842g)の小さなスパイク(spike)を示し、これはスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)を用いて観察された平均最大力の約1/3だけを示す。このことは、針の閉塞をもたらさず、測定は、操作者の干渉なしに続けた。単分散ミクロスフェアと比較して、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)を注射する場合、はるかに多くの力が適用される必要があることは明らかである。
【0168】
[実施例2]
この実施例は、本発明のこの例示的な態様におけるスカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)およびPLLAモノスフェアの両方の粒子サイズおよび分布の分析について報告する。この測定に関して、ベックマン社(Beckman)から購入したマルチサイザー(Multisizer)(商標)3コールターカウンター(Coulter Counter)を使用した。PLLA粒子を、水に再懸濁し、コールター(Coulter)(登録商標)イソトンIsoton(登録商標)II希釈剤を使用して測定した。
【0169】
上記で報告されたように、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)PLLA粒子は、ある範囲の粒子サイズを含む多分散性である。しかしながら、本発明における単分散ミクロスフェアは、狭いサイズ分布を有する(例えば、粒子の少なくとも約90%は、互いに約10μm以内の最大直径および/または平均直径を有する)、一般的に単分散性である。図4は、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)粒子(「2087-sculptra…」と標識付けされた試料)と本発明の単分散性PLLAミクロスフェア製剤のミクロスフェア(「2087-EKK…」と標識付けされた試料)との間の比較を示す。
【0170】
図4で明らかなように、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)の粒子は、サイズが変化し、0μmから150μmの間の検出されたサイズを有する。一方、単分散性モノスフェア製剤は、25μm~70μmの狭い範囲内に入るポリマー粒子を含み、ほとんどの粒子は35μm~45μmの範囲内に入る。
【0171】
一般的に、26G針は、260μmの内径を有する。単分散性モノスフェアの場合、70μmの凝集体の3つの粒子でさえも、約210μmの凝集体が生成されるため、26G針の内径が260μmよりまだ少なくなり、26G針は詰まらないだろう(最大直径が約50μmの4つの粒子について、同じことになるだろう)。しかしながら、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)の3つの粒子の150μmの凝集体の場合、26G針の260μm内径サイズをはるかに超える約450μmの凝集体が生成されるので、針が詰まる危険性は非常に高い。
【0172】
したがって、この実施例において利用される26G針よりもさらに小さいサイズの針を、本明細書において試験された本発明のPLLAモノスフェアを利用して皮膚充填剤を注射するために利用することができ、患者の快適さの向上、患者コンプライアンスの向上、および生成物の廃棄を少なくすること、につながる。
【0173】
[実施例3]
SCULPTRA(登録商標)粒子、および上記の本発明のPLLAモノスフェアを、JEOLから購入した走査電子顕微鏡(SEM)を使用して試験した。例となるスキャンを、図5(スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標))および図6(PLLAモノスフェア)に示す。
【0174】
図5および6から明らかなように、SEMを使用する両方の生成物の評価は、スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)のミクロスフェアと本発明のPLLAモノスフィアとの間の非常に明確な違いを示す。スカルプトラ(SCULPTRA)(登録商標)におけるRPP粒子は、粗く鋭い縁の材料を含む。当該粗く、一貫性のない成形は、凝集を促進する。一方、本発明のPLLAモノスフェアは、丸く、滑らかで、および一貫性があり、本発明のPLLAモノスフェアが円滑な方法で26G針を通過することを可能にする。
【0175】
[実施例4]
3つの別々に製造されたRPP粒子は、業界標準の加速安定性条件安定性試験プロトコルを受けた。「初期値」として報告される初期結果を、各バッチの生成後に得た。「t=0か月」および「t=6か月@40℃/75%RH」として報告される安定性データを、安定性研究の開始時(時点0)および40℃および75%の相対湿度の加速安定性条件下での6か月の貯蔵後、に収集した。
【0176】
安定性プロトコルは、初期生成後、安定性研究の開始時、および6ヶ月の時点で、各製造バッチからの2つの試料における分子量分布(分子量および多分散性指数(PDI))および結晶化度を測定した。
【0177】
粒子サイズ分布データを、安定性研究の開始時および6ヶ月の時点で、各バッチの単一平均として収集した。3つのバッチのそれぞれのデータを、表3~表5にそれぞれ示す:
【表3-1】
【表3-2】
【表4-1】
【表4-2】
【表5-1】
【表5-2】
【0178】
最初のバッチ、2087-DBE-13MAR19-A04(表3)のためのデータは、粒子におけるkDaでの平均分子量が、初期値から6ヶ月の安定性研究の時点で測定された値まで約0.7%変化したことを示す。多分散度指数(PDI)、粒子における分子量分布の幅を示す値は、約0.7%変化した。粒子サイズ分布は、d10、d50、d90について報告され、示されたd数よりも小さい粒子の割合を示す値を用いてのμmでの平均粒子サイズ(例えば、30のd10値は、粒子の30%が10μmよりも小さく、70%が10μmよりも大きい)は、安定性研究の時点0から安定性研究の6か月の時点までの変化が、d10で約1.3%、d50で3.4%、d90で58.8%、平均で29.5%であることを示した。当該データは、製剤の粒子が体積において経時的に大幅に減少していないことを示すということは注目に値する。
【0179】
第2のバッチ、2087-DBE-03APR19-A02(表4)のためのデータは、粒子の平均分子量が、最初の測定から6ヶ月の安定時点まで、0.1%未満変化したことを示す。PDIは、約0.7%変化した。結晶化度が測定され、このバッチについても示される。結晶化度は、同期間に約11.3%変化した。粒子サイズ分布分散を、d10で約0.5%、d50で0.2%、d90で0.8%、安定性研究のゼロ時点と6か月の安定性時点との間の平均で0.1%未満と報告した。
【0180】
第3のバッチ、2087-DBE-06MAR19-A01(表5)のためのデータは、粒子の平均分子量が、初期測定から6か月の安定性時点まで約1.1%変化し、PDIが約2.26%変化し、および結晶化度が約8.7%変化したことを示す。粒子サイズ分布分散を、d10で約0.2%、d50で0.2%、d90で0.7%、および安定性研究のゼロ時点と6か月の安定性時点との間の平均で2.5%と報告した。
【0181】
これらのデータは、本発明の粒子が持続的な期間にわたって好ましい安定性特性を示すことを実証する。例えば、平均粒子サイズは、実施された加速安定性試験研究の過程で大幅に減少せず、ほとんどの場合、サイズの変動は10%以内、例えば5%以内、または3%以内であった。これらのデータ、および他のデータは、本発明の微粒子製剤に関連する安定性、および他の有益な特性を反映する。
【0182】
[本発明の例示的な態様]
以下は、本発明の例示的な態様の非限定的なリストであり、本発明の様々な実施形態のいくつかを強調することを意図される。
1.少なくとも主に1つ以上の吸収可能なポリエステルポリマーから構成されてなり、および粒子の少なくとも約70%が、組成物中の粒子における平均粒子直径の約30%以内である最大粒子直径を有するサイズ分布を有する、有効量の粒子を含む移植/注射組成物。
2.態様1における移植/注射組成物であって、ここで、粒子は本質的に1つ以上の吸収可能なポリエステルポリマーからなる;
3.態様1または態様2における移植/注射組成物であって、ここで、粒子の少なくとも約80%は、組成物中の粒子の平均粒子直径の25%以内である最大粒子直径を有する;
4.態様3における移植/注射組成物であって、ここで、組成物の粒子の少なくとも約85%は、組成物中の粒子の平均粒子直径の20%以内である最大粒子直径を有する;
5.態様4における移植/注射組成物であって、ここで、組成物の粒子の少なくとも約90%は、組成物中の粒子の平均粒子直径の18%以内である最大粒子直径を有する;
6.態様1~態様5のいずれか一つにおける移植/注射組成物であって、ここで、組成物の粒子の少なくとも約75%は、組成物中の粒子の平均粒子直径の15%以内である最大粒子直径を有する;
7.態様1~態様6のいずれか一つにおける移植/注射組成物であって、ここで、1つ以上のポリエステルポリマーの少なくとも大部分は、新コラーゲン形成性であり、したがって、組成物はヒト患者の皮膚に投与された場合に検出可能に新コラーゲン形成性である;
8.態様1~態様7のいずれか一つにおける移植/注射組成物であって、ここで、1つ以上のポリエステルポリマーは、植物から得られた出発材料に主に由来する;
9.態様1~態様7のいずれか一つにおける移植/注射組成物であって、ここで、1つ以上のポリエステルポリマーは化学合成によって生成される;
10.態様8または態様9の移植/注射組成物であって、ここで、少なくとも主に、1つ以上のポリエステルポリマーは、ポリグリコリド(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリヒドロキシブチレート(PHB)、またはそれらの2つ以上の混合物からなる;
11.態様10の注射/移植組成物であって、ここで、本質的に、1つ以上のポリエステルポリマーは、PGA、PLA、PCL、PHB、それらの2つ以上のコポリマー、またはそれらの任意の2つ以上の混合物からなる;
12.態様11の注射/移植組成物であって、ここで、1つ以上のポリエステルポリマーは、PGA、PLA、PCL、PHB、それらの2つ以上のコポリマー、またはそれらの任意の2つ以上の混合物からなる;
13.態様12の注射/移植組成物であって、ここで、本質的に、1つ以上のポリエステルポリマーは、ポリ乳酸-コ-グリコール酸(PLGA)、PLA、またはそれらの混合物からなる;
14.態様10~態様13のいずれか一つにおける注射/移植組成物であって、ここで、組成物におけるポリエステルポリマー含有量の少なくとも50%は、PLAからなる。
15.態様10~態様14のいずれか一つにおける注射/移植組成物であって、ここで、粒子の少なくとも50%は、本質的にPLAからなる;
16.態様15の注射/移植組成物であって、ここで、PLAは、ポリ-L-乳酸(PLLA)(結晶性)、ポリ-D-乳酸(PDLA)(結晶性)、ポリ-D,L-乳酸(PDLLA)(非晶質)、またはそれらの混合物である;
17.態様16の注射/移植組成物であって、ここで、組成物のポリエステルポリマー含有量の少なくとも50%は、PLLAからなる。
18.態様16または態様17の注射/移植組成物であって、ここで、粒子の少なくとも約70%は、本質的にPLLAからなる;
19.態様10~態様18のいずれか一つの注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーは、10,000ダルトンから650,000ダルトンの間の分子量を有する;
20.態様19の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーは、50,000ダルトンから250,000ダルトンの間の分子量を有する;
21.態様19の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーは、90,000ダルトンから110,000ダルトンの間の分子量を有する;
22.態様10~態様21のいずれか一つの注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーの固有粘度は、0.1dL/g~4.0dL/gである;
23.態様22の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーの固有粘度は、0.40dL/g~2.0dL/gの間である;
24.態様23の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーの固有粘度は、0.90dL/g~1.10dL/gの間である;
25.態様10~態様24のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーの比旋光度は、約-150度~約~160度の間である;
26.態様10~態様25のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーは、セ氏約100度から約300度の間の融点を有する;
27.態様26の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子は、セ氏約150度~約250度の間の融点を有する;
28.態様27の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子は、セ氏約175度~約195度の間の融点を有する;
29.態様10~態様28のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーは、約25J/gから約150J/gの間の融解熱を有する;
30.態様29のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーは、約75J/gから約125J/gの間の融解熱を有する;
31.態様29のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーは、約85J/gから約95J/gの間の融解熱を有する;
32.態様10~態様31のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーは、約0.01%未満の残留溶媒の量を有する;
33.態様10~態様32のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、充填剤粒子ポリマーは、約0.1%未満の残留モノマー(例えば、乳酸)の割合を有する;
34.態様1~態様33のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、組成物における3つの凝集粒子の任意の方向において最大平均直径または寸法は、250μm未満である;
35.態様1~態様34のいずれか1つの注射/移植組成物であって、ここで、粒子の少なくとも約80%において、任意の方向の直径は、約25%以下で変化する。
36.態様35の注射/移植組成物であって、ここで、粒子の少なくとも約90%において、任意の方向の直径は、約15%以下で変化する;
37.態様1~態様36のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、粒子はミクロスフェアであり、ミクロスフェアの少なくとも90%は、30μm(平均粒子直径から+/-12.5μm)の範囲内の最大直径を有する;
38.態様1~態様37のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、注射/移植は、移植/注射における有効量を移植することを含む1つ以上の治療を受ける対象において、少なくとも約2年間の平均期間にわたって皮膚体積の測定可能な増加をもたらす;
39.態様1~態様38のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、粒子の10%未満は、5μm未満の最大直径を有する;
40.態様39のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、5%未満の粒子は、6μm未満の最大直径を有する;
41.態様39に記載の注射/移植組成物であって、ここで、粒子の2%未満は、9μm未満の最大直径を有する;
42.態様1~態様41のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、組成物中の粒子の少なくとも約95%は、平均粒子サイズが5μm~250μmの場合、50%以下の変動係数を有する;
43.態様42に記載の注射/移植組成物であって、ここで、組成物中の粒子の少なくとも95%は、平均粒子サイズが5μm~250μmの場合、25%以下の変動係数を有する;
44.態様42に記載の注射/移植組成物であって、ここで、組成物中の粒子の95%より多くは、5μm~250μmの範囲で測定された最大15%の変動係数を含む;
45.態様42または態様43または態様44に記載の注射/移植組成物であって、ここで、平均最大直径の25%以内である最大直径を有する粒子の数は、平均最大直径と200%以上異なる粒子の数の少なくとも2倍多い;
46.態様45に記載の注射/移植組成物であって、ここで、平均最大直径の15%以内である最大直径を有する粒子の数は、平均最大直径と250%以上異なる粒子の数の少なくとも2.5倍多い;
47.態様1~態様46のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、組成物中の粒子の少なくとも95%について、3つの注射/移植粒子における凝集の最大サイズは250μm未満である;
48.態様1~態様47のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、組成物中の粒子の少なくとも97.5%について、3つの注射/移植粒子における凝集の最大サイズは200μm未満である;
49.(a)本質的にポリ-L-乳酸(PLLA)からなる有効量の粒子から構成される充填剤成分、および(b)生理学的に適切な担体を含み、ここで組成物における粒子の少なくとも約70%は、サイズが約22.5μmから約62.5μmである最大直径を有する、注射/移植組成物;
50.態様49の注射/移植組成物であって、ここで組成物における粒子の少なくとも約80%は、サイズが約27.5μmから約60μmである最大直径を有する;
51.態様50の注射/移植組成物であって、ここで、組成物における粒子の少なくとも約65%は、サイズが約30μmから約50μmである最大直径を有する;
52.態様49~態様51のいずれか一つの注射/移植組成物であって、ここで、粒子の少なくとも約80%において、任意の方向の直径は約25%以下で変化する;
53.態様52の注射/移植組成物であって、ここで、粒子の少なくとも約90%において、任意の方向の直径は約15%以下で変化する;
54.態様49~態様53のいずれか1つに記載の注射/移植組成物であって、ここで、粒子はミクロスフェアであり、ミクロスフェアの少なくとも約85%は、30μmから40μmの間の平均最大直径を有する;
55.態様49~態様54のいずれか1つの注射/移植組成物であって、ここで、組成物は、水性液体またはゲルの形態であり、担体は、(a)1つ以上の生理学的に許容可能な界面活性剤および(b)1つ以上の生理学的に許容可能なゲル化剤を含む;
56.態様55の注射/移植組成物であって、ここで、液体またはゲルの賦形剤および希釈剤成分は、ヒトにおいて約4ヶ月未満の平均吸収時間を有する;
57.態様56の注射/移植組成物であって、ここで、液体またはゲルの賦形剤および希釈剤成分は、ヒトにおいて約2ヶ月未満の平均吸収時間を有する;
58.態様56または態様57の注射/移植組成物であって、ここで、液体またはゲルは、1つ以上の生理学的に許容可能な緩衝液、1つ以上の生理学的に許容可能な塩、1つ以上の生理学的に許容可能な防腐剤、またはそれらの2つ以上の組み合わせをさらに含む;
59.態様49~態様58のいずれか一つの注射/移植組成物であって、ここで、組成物中の粒子の少なくとも97.5%について、3つの注射/移植粒子の凝集物の最大サイズは、200μm未満である;
60.態様49~態様59のいずれか1つの注射/移植組成物であって、ここで、注射/移植粒子の存在および/または効果は、投与後、平均少なくとも1年間、ヒトにおいて検出可能である;
61.態様60の注射/移植組成物であって、ここで、注射/移植粒子の存在および/または効果は、投与後、平均少なくとも約2年間、ヒトにおいて検出可能である;
62.態様49~態様61のいずれか1つの注射/移植組成物であって、ここで、注射/移植組成物は、ヒト受容者の約1%未満で検出可能なアレルギー反応をもたらす。
63.態様49~態様62のいずれか1つの注射/移植組成物であって、ここで、注射/移植組成物は、ヒト受容者の約1%未満で検出可能な炎症性参照をもたらす;
64.態様1~態様63のいずれか1つに記載の注射/移植組成物を含み、および1つ以上の賦形剤をさらに含む、注射/移植組成物の約200mgから約500mgの間の組成物。
65.態様64の組成物であって、ここで、組成物は、約250mgから約450mgの注射/移植組成物を含む;
66.態様65の組成物であって、ここで、組成物は、態様1~態様63のいずれか1つに記載の注射/移植組成物の約325mgから約425mgを含む;
67.態様66の組成物であって、ここで、組成物は、態様1~態様56のいずれか1つに記載の注射/移植組成物の約350mgから約410mgを含む;
68.態様64~態様67のいずれか1つの組成物であり、ここで、組成物中の粒子の濃度は、注射用の水を用いて再構成され、したがって注射用に調製された場合、約10mg/mL~約30mg/mLである;
69.態様68の組成物であって、ここで、組成物中の粒子の濃度は、約15mg/mL~25mg/mLである;
70.態様69の組成物であって、ここで、組成物中の粒子の濃度は、約20mg/mLである;
71.態様64~態様70のいずれか1つの組成物であって、ここで、組成物中の粒子の濃度(水または希釈剤を含まない)は、約25%から約100%である;
72.態様71の組成物であって、ここで、組成物中の粒子の濃度は、約50%~約100%である;
73.態様64~態様72のいずれか1つの組成物であって、ここで、組成物は乾燥した固体組成物である;
74.態様73の組成物であって、ここで、組成物は、凍結乾燥組成物である;
75.態様64~態様72のいずれか1つの組成物であって、ここで、組成物は水性液体またはゲル組成物である;
76.態様75の組成物であって、ここで、組成物は、注射用の約3.5mL~約10.5mLの水を含む;
77.態様76の組成物であって、ここで、組成物は、注射用の約4mL~約9mLの水を含む;
78.態様77の組成物であって、ここで、組成物は、注射用の約4.5mL~約8.5mLの水を含む;
79.態様75~態様78のいずれか1つの組成物であって、ここで、水性液体またはゲル組成物中の粒子および担体の組み合わせを含む製剤の濃度は、約35~mg/mL~65mg/mLである;
80.態様79の組成物であって、ここで、水性液体またはゲル組成物中の製剤の濃度は、約40mg/mL~60mg/mLである;
81.態様80の組成物であって、ここで、水性液体またはゲル組成物中の製剤の濃度は、約45mg/mL~55mg/mLである;
82.態様81の組成物であって、ここで、組成物中の粒子の濃度は、約1.5wt.%から約2.5wt.%である;
83.態様82の組成物であって、ここで、組成物中の粒子の濃度は、約1.9wt.%から約2.1wt.%である;
84.態様80の組成物であって、ここで、水性液体またはゲル組成物中の製剤の濃度は、約3.5wt.%~約6wt.%である;
85.態様80の組成物であって、ここで、水性液体またはゲル組成物中の製剤の濃度は、約4.5wt.%~約5.3wt.%である;
86.(a)態様1~態様78のいずれか1つに記載の有効量の注射/移植組成物を含む貯蔵成分、および(b)送達力の適用時に組成物を哺乳動物に送達するために構成された針またはカニューレ、を含む注射/移植送達システム;
87.態様86の注射/移植送達システムであって、ここで、システムは針を含む;
88.態様87の注射/移植送達システムであって、ここで、針の内径は、約0.1mmから約0.4mmである;
89.態様88の注射/移植送達システムであって、ここで、針の内径は、約0.125mmから約0.285mmである;
90.態様89の注射/移植送達システムであって、ここで、針の内径は、約0.11mmから約0.35mmである;
91.態様88~態様90のいずれか1つの注射/移植送達システムであって、ここで、針の外径は、約0.1mmから約0.7mmである;
92.態様91の注射/移植送達システムであって、ここで、針の外径は、約0.23mmから約0.59mmである;
93.態様92の注射/移植送達システムであって、ここで、針および/またはカニューレは、24ゲージ(24G)から31ゲージ(G)のサイズ範囲である;
94.態様93の注射/移植送達システムであって、ここで、針は、26G針、27G針、または28G針からなる群から選択される;
95.態様94の注射/移植送達システムであって、ここで、針は、針が26G針である;
96.態様86~態様95のいずれか1つの注射/移植送達システムであって、ここで送達システム中の注射/移植組成物の量は、約200mg~約500mgである;
97.態様96の新コラーゲン形成性皮膚移植送達システムであって、ここで、約200mgから約500mgの移植組成物は、約3.5mgから約10.5mLの量の注射用の水中に存在する;
98.(a)態様1~態様74のいずれか1つに記載の乾燥した固体組成物を含む容器、(b)水性液体またはゲル組成物を形成するために組成物を再構成することに適した水溶液、および(c)哺乳動物受容者への送達力の適用時に水性液体またはゲル組成物を送達するために構成された針またはカニューレを含む送達システム、を含むキット、またはパッケージ化された生成物;
99.態様98に記載のキットであって、ここで、送達システムは、針を含む;
100.態様86~態様97のいずれか1つに記載の送達システムにおける針を用いて哺乳動物受容者に注射すること、および、哺乳動物受容者に有効量の注射/移植組成物を送達するために送達システムに送達力を適用すること、を含む、水性液体またはゲル組成物の形態において注射/移植組成物を哺乳動物受容者に送達する方法;
101.態様100の方法であって、ここで、哺乳動物受容者はヒトである;
102.態様101の方法であって、ここで、ヒトは、免許を持つ医療提供者の監視下で美容治療を受ける患者である;
103.態様102の方法であって、ここで、送達システムの使用に関連する注射失敗の危険性は、約40%以下である;
104.態様103の方法であって、ここで、送達システムの使用に関連する注射失敗の危険性は、約30%未満である;
105.態様104の方法であって、ここで、送達システムの使用に関連する注射失敗の危険性は、約15%未満である;
106.態様100~態様105のいずれか1つの方法であって、ここで、注射/移植組成物を送達するために使用される最小力は、約40gから約80gである;
107.態様106の方法であって、ここで、組成物を送達するために使用される最小力は、約40g~55gである;
108.態様107の方法であって、ここで、組成物を送達するために使用される最小力は、約50g未満である;
109.態様100~態様108のいずれか1つの方法であって、ここで、組成物を送達するために使用される最大力は、約150g~約2500gである;
110.態様109の方法であって、ここで、組成物を送達するために使用される最大力は、約175g~約1750gである;
111.態様110の方法であって、ここで、組成物を送達するために使用される最大力は、約200g~約1200gである;
112.態様111の方法であって、ここで、組成物を送達するために使用される最大力は、約200g~約700gである;
113.態様99~態様112のいずれか1つの方法であって、ここで、組成物を送達するために使用される平均力は、約100g~1000gである;
114.態様113の方法であって、ここで、組成物を送達するために使用される平均力は、約150g~750gである;
115.態様114の方法であって、ここで、組成物を送達するために使用される平均力は、約175g~約400gである;
116.態様115の方法であって、ここで、組成物を送達するために使用される平均力は、約200g~約350gである;
117.態様1~態様85のいずれか1つに記載の組成物の有効量を哺乳動物受容者に投与すること、を含む哺乳動物受容者の皮膚の体積を増加させる方法;
118.態様110の方法であって、ここで、方法は、態様100~態様116のいずれか1つの方法のステップを実行することを含む;
119.態様117または態様118の方法であって、ここで、方法は、治療過程の一部として、異なる日に注射/移植組成物を繰り返し投与することを含む方法;
120.態様119の方法であって、ここで、治療の過程は、注射/移植組成物の3回~4回の投与を実行することを含む;
121.態様117~態様120のいずれか1つの方法であって、ここで、組成物は麻酔薬を含む、または方法は麻酔薬の投与に関連して実行される;
122.態様117~態様121のいずれか1つの方法であって、ここで、方法は、別の美容的方法の適用と組み合わせて実行される;
123.態様117~態様122のいずれか1つの方法であって、ここで、方法は、40.75μm未満の平均表皮厚さ、1230μm未満の平均真皮厚さ、またはその両方、を有するヒト皮膚の領域に組成物を投与することを含む;
124.態様123の方法であって、ここで、方法は、40.5μm未満の平均表皮厚さ、1200μm未満の平均真皮厚さ、またはその両方、を有するヒト皮膚の領域に組成物を投与することを含む;
125.態様123または態様124の方法であって、ここで、方法は、40μm未満の平均表皮厚さを有するヒト皮膚の領域に組成物を投与することを含む。
126.態様123~態様125のいずれか1つの方法であって、ここで、方法は、1175μm未満の平均皮膚厚さを有するヒト皮膚の領域に組成物を投与することを含む;
127.態様117~態様125のいずれか1つの方法であって、ここで、方法は、1.5未満の平均相対的厚さスコアを有するヒト皮膚の領域に組成物を投与することを含む;
128.態様127の方法であって、ここで、方法は、1.35未満の平均相対的厚さスコアを有するヒト皮膚の領域に組成物を投与することを含む;
129.態様117~態様128のいずれか1つの方法であって、ここで、方法は、平均的な最も厚い皮膚を有する体の部分におけるヒト皮膚の領域の厚さよりも少なくとも30%低い平均厚を有する、例えば顔および首などの身体の一部におけるヒト皮膚の領域に、組成物を投与することを含み;
130.態様1~態様80のいずれか1つに記載の組成物であって、ここで、平均粒子サイズは、6ヶ月の加速安定性試験(ここで、組成物は、約40℃および約75%相対湿度で貯蔵される)、長期の通常の状態の安定性研究(ここで、組成物は約25℃および約60%RHで12か月間貯蔵される)、またはそれらの両方、によって表される時間の経過、または実質的に同等の時間の経過にわたって10%を超えて減少しない;
131.態様131の組成物であって、ここで、粒子の多分散性指数は、6か月の加速安定性研究によって表される時間の経過、または実質的に同等の時間の経過にわたって安定であり、ここで、組成物は、約40℃および約75%の相対湿度で貯蔵され、例えば、粒子の多分散性指数は、約5%を超えて変化しない。
132.態様1~態様80、態様130、および態様131のいずれか1つの組成物であって、ここで、粒子の少なくとも約90%はミクロスフェアであり、ミクロスフェアの少なくとも約50%は、30μm+/-12.5μmの範囲内の最大直径を有する;
133.態様1~態様80および態様130~態様132のいずれか1つの組成物であって、ここで、3つの注射可能な粒子の凝集体の平均最大サイズは、200μm未満である。
134.態様1~態様80、および態様130~態様133のいずれか1つの組成物であって、ここで、針を介して組成物の用量を送達するために必要とされる平均最小力、平均最大力、またはそれらの両方は、針を介してスカルプトラ(Sculptra)(登録商標)の対応する用量を送達するために必要とされる対応する力の約50%以下だけである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】