(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】フレグランス組成物において有用な12-オキサスピロ[5,5]ウンデカ-8-エン
(51)【国際特許分類】
C07D 311/00 20060101AFI20220728BHJP
C11B 9/00 20060101ALI20220728BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20220728BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20220728BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20220728BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
C07D311/00
C11B9/00 G
C11D3/50
A61Q13/00 101
A61K8/49
A61L9/01 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571883
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 EP2020065267
(87)【国際公開番号】W WO2020245142
(87)【国際公開日】2020-12-10
(32)【優先日】2019-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501105842
【氏名又は名称】ジボダン エス エー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】グラニエ,ティエリー
(72)【発明者】
【氏名】ビエリ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブルナー,ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】ドッセンバッハ,サンドロ
(72)【発明者】
【氏名】コッホ,ハインツ
【テーマコード(参考)】
4C083
4C180
4H003
4H059
【Fターム(参考)】
4C083AC841
4C083KK02
4C180AA03
4C180EA13Y
4C180EA26Y
4C180EB03Y
4C180EB04Y
4C180EB06Y
4C180EB08X
4C180EC01
4C180FF05
4H003DA01
4H003DA02
4H003DA05
4H003DA17
4H003FA26
4H059BA17
4H059BC23
4H059DA09
4H059EA32
4H059EA35
(57)【要約】
式(-)-(Id*)に従う化合物(ここで、化合物は負の比旋光度値を示す)、
およびそのフレグランスとしての使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(-)-(Id
*)に従う化合物
【化1】
ここで化合物は負の比旋光度値を示す、前記化合物。
【請求項2】
請求項1において定義されたおよび式(+)-(Id
*)に従う化合物
【化2】
を含む異性体混合物。
【請求項3】
式(-)-(Id
*)に従う化合物および式(+)-(Id
*)に従う化合物の重量比が1:1である請求項2に記載の異性体混合物であって、異性体混合物は、ラセミ混合物(±)-(Id
*)
【化3】
である、前記異性体混合物。
【請求項4】
請求項1に定義された式(-)-(Id
*)で表される化合物または請求項2または3において定義された異性体混合物の、フレグランスとしての使用。
【請求項5】
嗅覚的に許容し得る量の、請求項1に定義された式(-)-(Id
*)で表される化合物または請求項2または3において定義された異性体混合物の添加を用いる、消費者製品ベースを改善、増強、または改変する方法。
【請求項6】
匂い物質としての請求項1に定義された式(-)-(Id
*)で表される化合物または請求項2または3において定義された異性体混合物、および消費者製品ベースを含む、フレグランス適用品。
【請求項7】
消費者製品ベースが、ファインフレグランス、ハウスホールド製品、ランドリー製品、ボディケア製品、化粧品製品およびエアケア製品から選択される、請求項6に記載のフレグランス適用品。
【請求項8】
請求項1に定義された式(-)-(Id
*)で表される化合物または請求項2または3において定義された異性体混合物、および基材を含む、フレグランス組成物。
【請求項9】
組成物にカシスノートを提供する、請求項1に定義された式(-)-(Id
*)で表される化合物または請求項2または3において定義された異性体混合物を含むフレグランス組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規有機化合物、該化合物を調製する方法およびフレグランス成分としてのその使用に関連する。本発明は、香料組成物に、および当該化合物によって香りが付されたファインフレグランスまたは消費者製品に、または該化合物を含有する香料組成物などの物品にも関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
従来、グレープフルーツおよびカシス特徴を有する化合物は、含硫有機化合物、たとえばCorps Cassis
(R)、Corps Pamplemousse
(R)および1-p-メンテン-8-チオール(グレープフルーツメルカプタン)、および非含硫有機化合物、たとえばBuccoxime
(R)、TheaspiranおよびEtaspiren
(R)から選択されている。しかしながら、既知の非硫黄化合物の使用は高価であり、および含硫化合物は様々な用途において不安定になる傾向があり、不快な異臭を引き起こすことがある。
【化1】
【0003】
WO2010125100A1において、一群の1-アルコキシ-2-オキサスピロ[5.5]ウンデカ-8-エンが、新しいグレープフルーツおよびカシス匂い物質を構成し、よってフレーバーおよびフレグランス産業のために貴重な一群の新しい成分であると記載されている。一例は、数ある中でも、グリーン、フルーティ、フローラル、カシス、グレープフルーツの匂いを有する1-メトキシ-7,9-ジメチル-2-オキサスピロ[5.5]ウンデカ-8-エンである。
【発明の概要】
【0004】
本発明の説明
1-メトキシ-7,9-ジメチル-2-オキサスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン(式(I)で表される化合物)は、3つの立体中心を有する化合物であり、したがって、該化合物の8つの立体異性体が全部で存在する。
【化2】
【0005】
それらは4つの異なるジアステレオ異性体を形成し、各々は、2つの鏡像異性体のペアである。
【化3】
【0006】
驚くべきことに、式(I)で表される化合物の香気的な利益が、立体化学に依存することが今や見いだされた:4つのうち1つのジアステレオ異性体(±)-(Id*)のみが、強い香気成分であり、他は、あったとしても、極めて弱い香気特性のみを示す。
【0007】
式(±)-(Id*)に従う化合物は、ラセミ体、2つの鏡像異性体の1:1混合物である。さらに深い分析が、これらの2つの鏡像異性体の一方のみが、嗅覚的に活性であることを明らかにした。2つの鏡像異性体は、キラルカラムによって分離され、嗅覚的に活性である方は、負の比旋光度値を示す。
【0008】
よって、本発明の第1の側面において、式(-)-(Id
*)に従う化合物であって、化合物が負の比旋光度値を示す式(-)-(Id
*)に従う化合物((-)-(1R
*,6R
*,7R
*)-1-メトキシ-7,9-ジメチル-2-オキサスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン)が提供される。該化合物の絶対配置は解明されていない。該化合物は、強いカシス、グレープフルーツ、フルーティ、ジューシーな匂いを有する。
【化4】
【0009】
本発明のさらなる側面において、式(-)-(Id
*)に従う化合物および式(+)-(Id
*)に従う化合物を含む異性体混合物が提供される。
【化5】
【0010】
ある態様において、異性体混合物は、式(-)-(Id
*)に従う化合物および式(+)-(Id
*)に従う化合物を1:1重量比率で含んでおり、これは2つの鏡像異性体のラセミ混合物(±)-(Id
*)である。
【化6】
【0011】
別の態様において、異性体混合物は、2つの鏡像異性体の一方に富み、好ましくは鏡像異性体(-)-(Id*)に富むことができる。組成物における、式(-)-(Id*)に従う化合物と式(+)-(Id*)に従う化合物との重量比は、約99.99:0.01:~約1:99、例えば約99.9:0.1~約5:95の範囲であってよい。
【0012】
一般に、式(±)-(Id*)および他の立体異性体の式は、「*」によって示されるように、環系における相対的な配置を示しているが、絶対的な配置を示しているわけではない。本発明のジアステレオ異性体は、接頭辞「(±)-」または「rac-」によって示されるように、鏡像異性体の混合物として理解される。純粋な鏡像異性体は、接頭辞「(+)-」または「(-)-」によって示される。
【0013】
化合物が異なる立体異性体の形態で存在する場合、混合物として使用されることがある。代替的に、ジアステレオ異性体のグループにおいて、または純粋な立体異性体として分離してもよい。立体異性体への分離は、化合物の製造および精製に複雑性を加え、よって、単に経済的理由のために、その立体異性体の混合物として化合物を使用することが好ましい。しかしながら、個々の立体異性体を調製することが所望される場合、当該技術分野において知られている方法、例として立体選択的な合成、分取HPLCおよびGCに従って、達成してもよい。
【0014】
本発明の一側面において、式(±)-(Id*)で表される化合物は、高度に富んだまたは本質的に純粋な形態で、対応するジアステレオ異性体(±)-(Ia*)、(±)-(Ib*)および/または(±)-(Ic*)を低量でまたは本質的に含まずに、提供される。これは、好ましいジアステレオ異性体(±)-(Id*)が、少なくとも90重量%、具体的に少なくとも95重量%、より具体的に少なくとも98重量%、さらにより具体的に99重量%以上で存在することを意味する。
【0015】
本発明の別の側面において、相相対的に高い量の式(±)-(Id*)に従う好ましいジアステレオ異性体を、他のジアステレオ異性体(±)-(Ia*)、(±)-(Ib*)および/または(±)-(Ic*)を低量で一緒に含むジアステレオ異性体混合物が提供される。これは、好ましいジアステレオ異性体(±)-(Id*)が、少なくとも50重量%、具体的に少なくとも60重量%、より具体的に少なくとも70重量%、さらにより具体的に80重量%以上で存在することを意味する。
【0016】
本発明のさらなる側面において、式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物のフレグランスとしての使用が提供される。
本発明のさらに別の側面において、式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物を含む香料組成物が提供される。
【0017】
本発明の化合物は、単独で、または精油、アルコール、アルデヒドおよびケトン、エーテルおよびアセタール、エステルおよびラクトン、大環状化合物およびヘテロ環などの、現在入手可能な広範囲の天然産物、および合成分子から選択される既知の匂い物質分子と組み合わせて、および/または、従来から香料組成物において匂い物質と併せて使用されている1つ以上の成分または賦形剤、例えば、当技術分野で一般的に使用されるキャリア材料、および他の助剤と混和して使用してもよい。
【0018】
本明細書に使用されるとき、「キャリア材料」は、匂い物質の観点から実質的に中性である材料、すなわち匂い物質の官能特性を著しく変化させない材料を意味する。
【0019】
用語「助剤」は、香料組成物の嗅覚性能とは特に関係のない理由で、香料組成物において用いられる可能性のある成分を指す。例えば、助剤は、フレグランス成分(単数)または成分(複数)、または該成分(単数または複数)を含む組成物のプロセシングの補助剤として働く成分であってもよく、または、フレグランス成分またはそれを含む組成物の取り扱いまたは保管を改善する成分であってもよい。また、これは、色または触感を付与するなどの、追加の利益を提供する成分であってもよい。これは、香料組成物に含有される1以上の成分に耐光性または化学安定性を与える成分であってもよい。アジュバント含有する香水組成物に一般的に使用されるアジュバントの性質およびタイプの詳細な説明は、網羅的に行うことはできないが、該成分が当業者に周知であることを述べておかなければならない。
【0020】
本明細書に使用されるとき、「香料組成物」は、式(I)で表される化合物および基材、例として匂い物質と併せて従来から使用される希釈剤、たとえばフタル酸ジエチル(DEP)、ジプロピレングリコール(DPG)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ペンタン-1,2-ジオール、トリエチルシトラート(TEC)およびアルコール(例としてエタノール)、を含むあらゆる組成物を意味する。任意に、組成物は、抗酸化剤アジュバントを含んでもよい。該抗酸化剤は以下から選択してよい:Tinogard(R) TT (BASF)、Tinogard(R) Q (BASF)、Tocopherol(その異性体を含む、CAS 59-02-9; 364-49-8; 18920-62-2; 121854-78-2)、2,6-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-メチルフェノール(BHT, CAS 128-37-0)および関連するフェノール、ヒドロキノン(CAS 121-31-9)。
【0021】
以下のリストは、式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物と組み合わせることができる既知の匂い物質分子を含む:
- 精油および抽出物、例として海狸香、コスタスルート油、オークモスアブソリュート、ゼラニウム油、ツリーモスアブソリュート、バジル油、果実油、たとえばベルガモット油およびマンダリン油、ミルテ油、パルマローザ油、パッチュリ油、プチグレン油、ジャスミン油、バラ油、白檀油、アブサン油、ラベンダー油および/またはイランイラン油;
【0022】
- アルコール、例として桂皮アルコール((E)-3-フェニルプロパ-2-エン-1-オール);cis-3-ヘキセノール((Z)-ヘキサ-3-エン-1-オール);シトロネロール(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチルオクタ-7-エン-2-オール);EbanolTM((E)-3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタ-4-エン-2-オール);オイゲノール(4-アリル-2-メトキシフェノール);エチルリナロール((E)-3,7-ジメチルノナ-1,6-ジエン-3-オール);ファルネソール((2E,6Z)-3,7,11-トリメチルドデカ-2,6,10-トリエン-1-オール);ゲラニオール((E)-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール);Super MuguetTM((E)-6-エチル-3-メチルオクタ-6-エン-1-オール);リナロール(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール);メントール(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール);Nerol(3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール);フェニルエチルアルコール(2-フェニルエタノール);RhodinolTM(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール);SandaloreTM(3-メチル-5-(2,2,3-トリメチルシクロペンタ-3-エン-1-イル)ペンタン-2-オール);テルピネオール(2-(4-メチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)プロパン-2-オール);またはTimberolTM(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール);2,4,7-トリメチルオクタ-2,6-ジエン-1-オール,および/または[1-メチル-2(5-メチルヘキサ-4-エン-2-イル)シクロプロピル]-メタノール;
【0023】
- アルデヒドおよびケトン、例としてアニスアルデヒド(4-メトキシベンズアルデヒド);アルファアミル桂皮アルデヒド(2-ベンジリデンヘプタナール);GeorgywoodTM(1-(1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);Hydroxycitronellal(7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール);Iso E Super(R)(1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン);Isoraldeine(R)((E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン);Hedione(R)(メチル3-オキソ-2-ペンチルシクロペンタンアセタート);3-(4-イソブチル-2-メチルフェニル)プロパナール;マルトール;メチルセドリルケトン;メチルイオノン;ベルベノン;および/またはバニリン;
【0024】
- エーテルおよびアセタール、例としてAmbrox(R)(3a,6,6,9a-テトラメチル-2,4,5,5a,7,8,9,9b-オクタヒドロ-1H-ベンゾ[e][1]ベンゾフラン);ゲラニルメチルエーテル((2E)-1-メトキシ-3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン);ローズオキシド(4-メチル-2-(2-メチルプロパ-1-エン-1-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン);および/またはSpirambrene(R)(2’,2’,3,7,7-ペンタメチルスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-2,5’-[1,3]ジオキサン]);
【0025】
- エステルおよびラクトン、例としてベンジルアセタート;セドリルアセタート((1S,6R,8aR)-1,4,4,6-テトラメチルオクタヒドロ-1H-5,8a-メタノアズレン-6-イルアセタート);γ-デカラクトン(6-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-2-オン);Helvetolide(R)(2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピルプロピオナート);γ-ウンデカラクトン(5-へプチルオキソラン-2-オン);および/またはベチベリルアセタート((4,8-ジメチル-2-プロパン-2-イリデン-3,3a,4,5,6,8a-ヘキサヒドロ-1H-アズレン-6-イル)アセタート);
【0026】
- 大員環、例としてAmbrettolide((Z)-オキサシクロへプタデカ-10-エン-2-オン);ブラシル酸エチレン(1,4-ジオキサシクロへプタデカン-5,17-ジオン);および/またはExaltolide(R)(16-オキサシクロヘキサデカン-1-オン);および
- ヘテロ環、例としてイソブチルキノリン(2-イソブチルキノリン)。
【0027】
本発明のさらなる別の側面において、式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物で香りが付された物品、たとえばファインフレグランスまたはパーソナルまたはハウスホールドケア製品が提供される。
【0028】
式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物は、広範囲の香りが付された物品、例として高級および機能的香水類のあらゆる分野において、例えばパヒューム、エアケア製品、ハウスホールド製品、ランドリー製品、ボディケア製品および化粧品において使用することができる。化合物は、特定の物品に、および他の匂い物質成分の性質および分量に依存して、幅広く様々な量において用いることができる。割合は、典型的には物品の0.0001~3重量パーセントである。一態様において、本発明の化合物は、ファブリックソフトナーにおいて、0.001~0.3重量パーセント(例として0.01~0.1重量%、0.05重量%を包含する)の量で用いることができる。別の態様において、式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物は、高級香水類において、0.001~30重量パーセント(例として約10重量パーセントまで、または20重量パーセントまで)、より好ましくは0.01および5重量パーセントの間の量で用いることができる。しかしながら、これらの値は、一例として与えられるものにすぎず、熟達したパヒューマーは、より低いまたはより高い濃度で、効果を達成するか、または新規なアコードを生み出すことができるからである。
【0029】
一態様において、許容し得る量の式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物を含む香りが付された物品が提供される。例えば、フレグランスが付された物品は、物品の総量に基づいて、0.000001重量%~90重量%(0.00001重量%;0.0001重量%、0.001重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、5重量%、8重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、50重量%、60重量%、65重量%を包含する)含んでもよい。
【0030】
式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物は、消費者製品ベースにおいて、本発明の化合物を、または式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物またはそれらの混合物を含む香料組成物を、消費者製品ベースと単に混合することによって用いてもよく、またはこれを、前のステップにおいて、封入材料、例えば、ポリマー、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、フィルム形成剤、吸収剤たとえば炭素またはゼオライト、環状オリゴ糖類およびそれらの混合物で封入し、次いで消費者製品ベースと混合してもよい。
【0031】
よって、本発明加えては、式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物を、従来の技法および方法を使用して当該化合物を消費者製品ベースに直接混和することによって、または式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物を含む香料組成物を混和し次いで消費者製品ベースと混合するによって、フレグランス成分として組み込むことを含む、香りが付された物品の製造方法を提供する。本明細書に記載されているように、嗅覚的に許容し得る量の本発明の化合物の添加を通して、消費者製品ベースの匂いノートを改善、増強、または改変する。
【0032】
よって、本発明さらにまたは、香料組成物または消費者製品のヘドニック特性を付与、増強、改善または改変する方法を提供し、この方法は、該香料組成物または消費者製品に式(-)-(Id*)に従うまたは式(±)-(Id*)に従う化合物を添加することを含む。
【0033】
本明細書に使用されるとき、「消費者製品ベース」は、クリーニング、柔軟、およびケアなどの特定の作用を果たすために消費者製品として使用するための組成物を意味する。かかる製品の例は、以下を包含する:高級香水類、たとえばパヒューム、オードトワレ;ファブリックケア、家庭用製品、パーソナルケア製品、たとえば化粧品、ランドリーケア洗浄剤、リンスコンディショナー、パーソナルクレンジング組成物、食器洗い機用洗浄剤、表面クリーナー;ランドリー製品、例えば柔軟剤、漂白剤、洗浄剤;ボディケア製品、例としてシャンプー、シャワージェル;エアケア製品(好ましくは揮発性で大抵は心地よい匂いの化合物を含み、有利にはごく少量でも不快な臭いをマスキングすることができる製品を含む)。リビングエリア用のエアフレッシュナーは、とりわけ、パインニードル油、シトラス油、ユーカリ油、ラベンダー油などの天然および合成の精油を、例えば50重量%までの量で含む。エアロゾルとしては、より小量のかかる精油を含有する傾向があり、一例として5重量%未満または2重量%未満であるが、アセトアルデヒド(とりわけ、<0.5重量%)、イソプロピルアルコール(とりわけ、<5重量%)、鉱油(とりわけ、<5重量%)、および推進剤などの化合物を追加で含む。
【0034】
化粧品製品は以下を包含する:
(a)化粧品のスキンケア製品、とくにバス製品、皮膚洗浄およびクレンジング製品、スキンケア製品、アイメイクアップ、リップケア製品、ネイルケア製品、インティメートケア製品、フットケア製品;
(b)特定の効果を有する化粧品製品、とくにサンスクリーン、日焼け製品、色素沈着防止製品、デオドラント、制汗剤、除毛剤、シェービング製品;
(c)化粧品のデンタルケア製品、とくにデンタルおよびオーラルケア製品、歯のケア製品、歯科用補綴物用の洗浄剤、歯科用補綴物用の接着剤;および
(d)化粧品のヘアケア製品、とくに毛髪シャンプー、ヘアケア製品、毛髪-セット製品、毛髪-シェイピング製品、およびヘアカラーリング製品。
【0035】
以下のスキーム1に示されるとおり、式(I)で表される化合物は、触媒量の酸触媒の存在下、当業者に既知の条件下で、式(II)の対応するヘミアセターの対応するアルコールR1OHとの反応によって調製することができる。式(II)のヘミアセタールの調製は、例としてYue Zou et al. (Chem. Eur. J. 2008, 14, 5335 - 5345)によって記載されている。
【0036】
【0037】
式(II)のヘミアセタールの式(I)で表される化合物へのアセタール化の条件を変えることによって(第2ステップ)、ジアステレオ異性体の比率を制御することができる。相対的に高い量の酸およびより長い反応時間が、ジアステレオ異性体(±)-(Id*)が豊富な(75%まで)混合物へ繋がる。他方、より短い反応時間が、ジアステレオ異性体(±)-(Ic*)のより高い割合へ繋がる。
【0038】
立体異性体の分離は、キラルおよび/またはアキラル固定相を使用した、種々のクロマトグラフィー技法によって達成することができる。
本発明を、以下の非限定例によってさらに説明する。
【0039】
例
例1:式(I)で表される化合物の立体異性体の調製
ヘミアセタール7,9-ジメチル-2-オキサスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン-1-オールを、Yue Zou et al. (Chem. Eur. J. 2008, 14, 5335 - 5345)に従って得た。粗産物7,9-ジメチル-2-オキサスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン-1-オール(233g、≦0.969mol、81.8%純度)を、メタノール(156g、4.865mol、5eq.、Fluka)、トルエン(30ml、Honeywell)およびaq.硫酸(11.81g、0.117mol、97%、0.12 eq.)と組み合わせた。その結果得られる混合物を、85℃に予熱した油浴に浸し、1時間還流し(65℃)、RTに冷却し、分離漏斗に移し、MTBE(100ml、technical)で希釈し、aq.飽和炭酸ナトリウム溶液(200ml、pH8をもたらす)で処理した。分離された水相を、MTBE(100ml)で3回抽出した。合わせた有機相を、aq.飽和NaCl(100ml)で洗浄して中和し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濾過物を、rotavapor(55℃、80mbar)でおよびHV(20℃、0.08mbar)下で濃縮し、195.6gの茶色油(GC-純度:99%)を得た。
【0040】
得られた生成物(I)は、4つのジアステレオマー((±)-(Ia*)、(±)-(Ib*)、(±)-(Ic*)、(±)-(Id*))のラセミ混合物であり、各ジアステレオマーは、鏡像異性体の50:50混合物(例として(±)-(Ia*)について: (-)-(Ia*)/(+)-(Ia*))として存在する。ジアステレオ異性体の比率(±)-(Ia*):(±)-(Ib*):(±)-(Ic*):(±)-(Id*)は、3:8:15:74である(C1でのアノマーシグナルの比率について、1H-NMRによって判断)。
【0041】
例2:式(I)で表される化合物の立体異性体の分離
得られた生成物(I)のGC-sniffは、ジアステレオマーの1つのみが、嗅覚的に活性であることを示した。より特別に、最良の分離がキラルGCカラムを使用して得られたことから、8つの光学活性ジアステレオマーのうち1つのみが、嗅覚的に活性であることが見いだされた。
【0042】
マイナー異性体(±)-(Ia*)および(±)-(Ib*)は、キラルカラム(ZB-wax)を使用してメジャー異性体(±)-(Ic*)および(±)-(Id*)から、良好に分離され、および(±)-(Ia*)および(±)-(Ib*)の共融混合物は、無臭であることが見いだされた。
良好な分離は、キラルGC column Hydrodex-beta-3-Pを使用して得られた: (±)-(Ia*)の1つのエナチオマーおよび(±)-(Ic*)の1つの鏡像異性体のみが、共溶出した。溶離順番は以下の通りである:((Ia*)(Ic*))、(Ib*)、(Ic*)’、(Ib*)’、(Ia*)’、(Id*)、(Id*)’、および最も遅く溶出した(Id*)の鏡像異性体は、嗅覚的に活性である。
【0043】
分離の詳細:
キラルGC方法(Thermo Scientific Trace 1310 GC & TriPlus 100LS Autosampler):FID(FrontDetector)&スニフィングポート(A2D)の間のスプリット比率1:1、1μl(10000ng/μl、MtBE中)、スプリット20:1、ホットニードルインジェクション技法、インジェクター210℃、キャリアガスH2、コンスタントフロー1.5ml/min、カラム25mx0.25mm Hydrodex-beta-3P (Macherey-Nagel, P/N 723358.25, S/N 20114/61)、温度プログラム2min@50℃-2℃/min-2min@190℃、FIDベース230℃、空気350ml/min、H2 35ml/min、N2メイクアップ 40ml/min、Chromeleon 7.2。
【0044】
分取規模で、主な立体異性体(+)-(Id*)および(-)-(Id*)の分離を超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)によって達成した:
ほぼ19gの(I)を190mLメタノール(Merck, HPLC grade)に溶解し、210nmのUV検出器を有し、35℃に保持したPhenomenex Lux A1(30×250mm、5μm)カラムを備えたPIC10-150を使用して、3ml/minの流速を適用して、SFCに供した(230注入、1mlの注入体積)。溶出(移動相:A:90%SFCグレード二酸化炭素、B:メタノール(Merck HPLC grade);定組成の、流速100ml/min)および室温にて画分の収集により、2つ画分を得た:F1(~2.0l)およびF2(~2.2l)を濃縮し(35℃、560mbar)、ほぼ4.0gの分離された画分を得た。F2は(+)-(Id*)、(I)の主なジアステレオマーのペアの嗅覚的に不活性な鏡像異性体からなり、一方で、F1は、(+)-(Id*)を除く残りの立体異性体の混合物からなった。
【0045】
Semi-prep. HPLC分離:
SFCによって得られ、MeOH(Fisher Scientific, M/4000/15)中で200mg/mlに希釈した画分F1を、Chromeleon 7.2 CDSソフトウェアおよびDAD検出器(210nmでのUV検出、1.6μlの注射体積で、110回の注射)を備えたThermo Scientific Ultimate 3000 HPLCに供し、6℃に冷却したMerck LichroCART-ChiraDexカラム(4×250mm、5μm)を配置し、0.6ml/minの流速の精製水/MeOH、25:75%v/v、定組成溶離を適用した。
【0046】
固体相抽出(SPE):
カートリッジ(Waters Oasis HLB 6 cc cartridge, 186000115)を、5mLのMtBE(VWR, 2.2105.320)、5mLのMeOHおよび5mlの精製水:MeOH 90:10%v/vでコンディショニングし、LC prep.によって得られた、プールした画分を、900mL精製水で希釈し、およそ5.5h/lの流速で、カートリッジに適用した。50ml精製水で洗浄した後、カートリッジを、シリンジピストンでフラッシュし、真空下で15min乾燥した。溶離を、4回2mlのMtBEで実施した。溶出液をプールし、相を分離した。MtBE相の2つのNa2SO4シリンジカートリッジ(Chromafix Dry /Na2SO4, 250 mg, 731852)上で乾燥し、2度0.5mlのMtBEでフラッシュし、N2流下、室温にて溶媒を蒸発させた後、13mgの(-)-(Id*)(GC:94%純度)をもたらした。
【0047】
(±)-(Ia*): (±)-(1S*,6R*,7S*)-1-メトキシ-7,9-ジメチル-2-オキサスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン
1H-NMR (600 MHz, C6D6): δ (selected signals) 5.33-5.30 (m, 1 H), 4.55 (s, 1 H), 3.72-3.67 (m, 1 H), 3.48-3.43 (m, 1 H), 3.25 (s, 3 H), 2.72-2.66 (m, 1 H), 1.59 (s, 3 H), 0.86 (dd, J = 7.2, 3 H). 13C-NMR (150 MHz, C6D6): δ 132.4 (s), 126.9 (d), 101.5 (d), 59.4 (t), 54.9 (q), 37.2 (s), 32.3 (d), 27.5 (t), 27.1 (t), 26.9 (t), 23.5 (q), 21.6 (t), 15.8 (q).
【0048】
(±)-(Ib*): (±)-(1R*,6R*,7S*)-1-メトキシ-7,9-ジメチル-2-オキサスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン
1H-NMR (600 MHz, C6D6): δ (selected signals) 5.33-5.30 (m, 1 H), 4.49 (s, 1 H), 3.71-3.66 (m, 1 H), 3.50-3.46 (m, 1 H), 3.23 (s, 3 H), 2.50-2.44 (m, 1 H), 1.57 (s, 3 H), 0.93 (dd, J = 7.2, 3 H). 13C-NMR (150 MHz, C6D6): δ 131.3 (s), 127.2 (d), 101.9 (d), 58.4 (t), 54.7 (q), 36.9 (s), 34.7 (d), 27.0 (t), 25.9 (t), 24.4 (t), 23.4 (q), 21.4 (t), 16.9 (q).
【0049】
(±)-(Ia*)および(±)-(Ib*):
GC-MS (EI): 210 (8), 195 (2), 179 (9), 178 (26), 163 (18), 150 (15), 135 (14), 122 (19), 121 (23), 108 (21), 107 (100), 105 (17), 97 (24), 94 (20), 93 (37), 91 (34), 79 (21), 77 (16), 61 (10), 67 (18), 41 (23), 39 (11).
【0050】
(±)-(Ic*):(±)-(1S*,6R*,7R*)-1-メトキシ-7,9-ジメチル-2-オキサスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン
1H-NMR (600 MHz, C6D6): δ selected signals 5.30-5.25 (m, 1 H), 4.38 (s, 1 H), 3.74-3.68 (m, 1 H), 3.47-3.41 (m, 1 H), 3.23 (s, 3 H), 2.54-2.48 (m, 1 H), 1.57 (s, 3 H), 1.07 (dd, J = 0.8, 7.2, 3 H). 13C-NMR (150 MHz, C6D6): δ 130.9 (s), 126.7 (d), 102.9 (d), 58.6 (t), 54.4 (q), 36.7 (s), 32.7 (d), 26.6 (t), 25.2 (t), 25.2 (t), 23.3 (q), 20.9 (t), 17.0 (q).
GC-MS (EI): 210 (2), 195 (1), 179 (10), 178 (34), 163 (10), 150 (7), 135 (15), 122 (19), 121 (23), 108 (19), 107 (100), 105 (14), 97 (26), 94 (23), 93 (35), 91 (29), 79 (21), 77 (15), 61 (8), 67 (17), 41 (23), 39 (10).
【0051】
(±)-(Id*): (±)-(1R*,6R*,7R*)-1-メトキシ-7,9-ジメチル-2-オキサスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン
1H-NMR (600 MHz, C6D6): δ (selected signals) 5.30-5.27 (m, 1 H), 4.16 (s, 1 H), 3.72-3.66 (m, 1 H), 3.53-3.47 (m, 1 H), 3.23 (s, 3 H), 2.09-2.01 (m, 2 H,), 1.57 (s, 3 H), 0.93 (dd, J = 7.2, 3 H). 13C-NMR (150 MHz, C6D6): δ 130.6 (s), 126.9 (d), 103.8 (d), 59.2 (t), 54.2 (q), 38.2 (d), 36.9 (s), 26.8 (t), 25.6 (t), 21.9 (t), 21.9 (t), 23.3 (q), 15.9 (q).
GC-MS (EI) : 210 (1), 195 (1), 179 (10), 178 (33), 163 (7), 150 (9), 135 (16), 122 (23), 121 (24), 108 (20), 107 (100), 105 (13), 97 (27), 94 (19), 93 (33), 91 (26), 79 (18), 77 (13), 61 (6), 67 (13), 41 (16), 39 (7).
【0052】
(+)-(Id*): 主なジアステレオマーのペア(±)-(Id*)の嗅覚的に不活性な鏡像異性体
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.27-5.23 (m, 1 H, H-C(8)=), 4.10 (s, 1 H, H-C(1)), 3.71 (ddd, 1 H, J = 2.9, 10.8, 13.2, H-C(3)), 3.55 (ddt, 1 H, J = 1.5, 5.4, 11.0, H-C(3)), 3.36 (s, 3 H, MeO), 1.97-1.71 (m, 5 H), 1.68-1.61 (dm, J = 14.2, 1 H), 1.61 (s, 3 H, MeC(9)=), 1.46-1.28 (m, 3 H), 0.85 (d, J = 7.1, 3 H, Me-C(7)). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 130.74 (s), 126.29 (d), 103.88 (d), 59.24 (t), 54.52 (q), 37.77 (d), 36.60 (s), 26.53 (t), 25.24 (t), 23.21 (q), 21.65 (t), 21.58 (t), 15.62 (q).
【0053】
ORD: (25°C, c = 1.010 in EtOH): [α]D: +180.3; [α]578: +213.6 (Hg); [α]405: +435 (Hg); [α]365: +570.5 (Hg).
GC-閾値推定: >250ng(本方法の技術的限界)
匂い記載: 無臭。
【0054】
(-)-(Id*): 主なジアステレオマーのペア(±)-(Id*)の嗅覚的に活性鏡像異性体
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.28-5.24 (br. m, 1 H, H-C(8)=), 4.11 (s, 1 H, H-C(1)), 3.72 (ddd, 1 H, J = 2.9, 10.8, 13.2, H-C(3)), 3.56 (ddt, 1 H, J = 1.4, 5.3, 10.9, H-C(3)), 3.37 (s, 3 H, MeO), 1.98-1.72 (m, 5 H), 1.69-1.62 (dm, J = 13.8, 1 H), 1.62 (s, 3 H, MeC(9)=), 1.47-1.29 (m, 3 H), 0.86 (d, J = 6.9, 3 H, Me-C(7)). 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ 130.79 (s), 126.29 (d), 103.90 (d), 59.26 (t), 54.56 (q), 37.78 (d), 36.62 (s), 26.55 (t), 25.25 (t), 23.24 (q), 21.67 (t), 21.59 (t), 15.64 (q).
GC-MS (EI) : 210 (1), 179 (12), 178 (38), 163 (9), 150 (10), 135 (18), 122 (24), 121 (25), 108 (19), 107 (100), 105 (13), 97 (29), 94 (18), 93 (32), 91 (27), 79 (17), 77 (13), 61 (9), 67 (14), 41 (21), 39 (10).
【0055】
ORD (25°C, c = 0.491 in EtOH): [α]D: -174; [α]546: -202 (Hg), [α]405: -409 (Hg), [α]365: -535 (Hg).
GC-閾値: 7.2ng
匂い記載: フルーティ、カシス、グレープフルーツ、ジューシー
【国際調査報告】