(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】最適化されたピンジョイントの幾何学的形状
(51)【国際特許分類】
F16G 13/06 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
F16G13/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571888
(86)(22)【出願日】2020-06-04
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2020065474
(87)【国際公開番号】W WO2020245265
(87)【国際公開日】2020-12-10
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507253635
【氏名又は名称】イーヴィス モートールジステメ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ウルバネク アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】リッツ アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】カーニ バーラム
(57)【要約】
本発明は、それぞれのチェーンジョイントによって間接連結的な仕方で互いに連結されている交互に配置された内側チェーンリンクおよび外側チェーンリンクを含むチェーンドライブのためのチェーンに関する。各外側リンクチェーンは、各々が2つの開口部および2つのピンを有する2つの外側リンクプレートを有し、開口部およびピンの各々は、ピンが外側リンクプレートを互いに一定距離に保持するように、圧縮連結部によって互いに連結されている。本発明の目的は、チェーンドライブのためのチェーンであって、チェーンは、従来技術から知られている欠点を防止し、特に、より高い疲労強度をもたらすチェーンドライブのためのチェーンを提供することである。本発明によれば、これは、前記ピンと前記外側リンクプレートの前記開口部の間の圧縮連結部の領域にベベル付きジョイントが形成されていることにおいて達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がチェーンジョイント(10)によって互いに関節連結された、交互に配置された内側チェーンリンク(3)および外側リンクチェーン(2)を含むチであって、各外側リンクチェーン(2)は、各々が2つの開口部(5)および2つのピン(6)を有する2つの外側プレート(4)を含み、前記ピン(6)および前記開口部(5)は、前記ピン(6)が、互いに間隔を隔てて配置された前記外側リンクプレート(4)を保持するように、圧縮連結部(11)によって各々互いに連結されている、チェーンドライブのためのチェーン(1)において、接合用面取り(12)が、前記ピン(6)と前記外側リンクプレート(4)の前記開口部(5)の間の前記圧縮連結部(11)の領域に形成されている、ことを特徴とするチェーンドライブのためのチェーン(1)。
【請求項2】
前記接合用面取り(12)は、前記ピン(6)と前記外側リンクプレート(4)の前記開口部(5)の間の前記圧縮連結部(11)の一部である、ことを特徴とする請求項1に記載のチェーンドライブのためのチェーン(1)。
【請求項3】
前記接合用面取り(12)は、前記ピン(6)上に形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のチェーンドライブのためのチェーン(1)。
【請求項4】
前記接合用面取り(12)の長さ(L
F)は、約0.4~2.5mm、好ましくは0.6~1.5mmである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項5】
前記接合用面取り(12)の長さ(L
F)は、前記外側リンクプレート(4)の厚さにほぼ対応している、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項6】
前記ピン(6)は、両端(13、14)に接合用面取り(12)を有する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項7】
前記接合用面取り(12)の面取り角度(α)は、0.3°~2°、好ましくは0.5°~1°である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項8】
前記接合用面取り(12)は、線形的に延びている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項9】
前記接合用面取り(12)は、漸増的に延びている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項10】
前記接合用面取り(15)は、漸減的に延びている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項11】
前記ピン(6)は、それらの端面(15)からそれらの円周面(16)への移行部で両端(13、14)が丸められている、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項12】
接合用面取り(12)は、両端(13、14)に形成されている、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各々がチェーンジョイントによって互いに関節連結された、交互に配置された内側チェーンリンクおよび外側リンクチェーンを含むチェーンドライブのためのチェーンであって、各外側リンクチェーンは、各々が2つの開口部および2つのピンを有する2つの外側リンクプレートを含み、前記ピンおよび前記開口部は、前記ピンが、互いに間隔を隔てて配置された前記外側リンクプレートを保持するように、圧縮連結部によって各々互いに連結されている、チェーンドライブのためのチェーンに関する。
【背景技術】
【0002】
かかるチェーンは、低および中速でドライブ、輸送、または、コンベアチェーンとして、および、平行軸を備えたシャフトの間のパワートランスミッションのために、静止および揺れ荷重を支持するために使用される。これらのチェーンは、機械エンジニアリング産業に亘って使用され、なかんずく、機械ツール構築で、印刷機械で、繊維および包装産業で、輸送およびコンベア技術で、農業機械および建築技術で、油圧エンジニアリングで、鉱業および冶金作業で、並びに、モータ車両およびエンジン製造で使用されている。
【0003】
好ましくは、かかるチェーンは、スリーブまたはローラチェーンとして構成されることができる。かかるチェーンは、内側リンクプレートおよび外側リンクプレートから構成され、ローラチェーンの各内側チェーンリンクは、各々2つの開口部を備えた2つの内側リンクプレート、内側リンクプレートの開口部に圧入される2つのスリーブ、および、スリーブ上に回転可能に配置された2つのローラを有する。スリーブチェーンの場合には、2つのローラは、対応するより大きな径のスリーブがスプロケットと直接係合するように、なしで済まされる。外側チェーンリンクは、各々がこれまた2つの開口部を備えた2つの外側リンクプレート、および、外側リンクプレートの開口部に圧入される2つのピンを含む。ピンと外側リンクプレートの開口部の間の圧入または締まり嵌めは、機械エンジニアリング部門において通常であるよりも著しく高い。外側チェーンリンクは、内側チェーンリンクからオフセットされ、外側リンクチェーンのピンは、外側リンクチェーンのピンおよび内側リンクチェーンのスリーブがチェーンジョイントを形成するように、内側チェーンリンクのスリーブを貫通する。
【0004】
ほとんどすべてのチェーン適用例では、各チェーンリンクは、荷重ストランドおよび戻りストランドを通過し、かくして、変化する応力または張力状態を受ける。これは、したがって、動的な、または、周期的な荷重である。チェーンの設計のための本質的な値は、したがって、疲労強度である。疲労強度よりも低い荷重範囲では、使用中に、すなわち、好ましくはモータの使用耐用年数中に、チェーンは、破断による部品損傷によって引き起こされる欠陥なしに作動されることができる。
【0005】
ピンと外側リンクプレートの開口部の間の高い締まり嵌めにもかかわらず、チェーンの疲労強度は、必ずしも十分ではないことが示されてきた。期待に反して、締まり嵌めの低い過剰におけるよりも、ピンと外側リンクプレートの開口部の間の締まり嵌めのより高い過剰においてより低い。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の目的は、従来技術から知られた欠点を回避しながら、特に、より高い疲労強度をもたらすチェーンドライブのためのチェーンを提供することである。
【0007】
本発明によれば、この目的は、ピンと外側リンクプレートの開口部の間の圧縮転結部の領域に接合用面取りを形成することによって解決される。
【0008】
すでに説明されているように、チェーンの場合には、ピンと外側リンクプレートの開口部の間に形成される締まり嵌めは、非常に高く、また、機械エンジニアリング部門において通常であるよりも著しく高い。径と呼ばれるピンと外側リンクプレートの開口部の間の最小締まり嵌めは、一般的な機械エンジニアリングにおける締まり嵌めの最小関連過剰のすでに1.5倍に対応する。締まり嵌めの最大関連締まり嵌めの比較は、4倍以上となる。外側リンクとピンを接合させるときに、かけらが、外側リンクプレートの組立体に生じ得ることが示されてきた。接合プロセスのシュミレーションは、外側リンクプレートの開口部の領域における著しい塑性変形を示す。塑性変形により、ピンと外側リンクプレートの開口部の間に生じる圧縮は、目標とされる理想的な状態とは著しく異なる。締まり嵌めのいくつかの領域では、大変小さい圧縮しか達成されない。ピンと外側リンクプレートの開口部の間の接合用面取りは、ピンと外側リンクプレートの開口部の間の中心決めを容易にし、外側リンクプレートの開口部における塑性変形を減少させるか、或いは回避する。その結果、ピンとプレートの間でより均一で高い圧力、および、かくして、所望の疲労強度をもたらす締まり嵌めが、達成される。
【0009】
1つの変形例では、接合用面取りは、ピンと外側リンクプレートの開口部の間の圧縮連結部の一部であるようにされることができる。かくして、接合用面取りは、締まり嵌めが実際に実現される領域に形成される。これは、外側チェーンプレートの開口部の全領域で望まない塑性変形を防止する。それにもかかわらず、接合用面取りは、締まり嵌めを超えて1つのまたは両方向に延びることができる。
【0010】
簡単な実施形態では、接合用面取りは、ピン上に形成されるようにされることができる。接合用面取りは、ピンの外径の減少部である。この接合用面取りは、ピン上に容易に作られることができる。しかしながら、外側リンクプレートの開口部が、接合用面取りを有するようにすることも考えられるであろう。
【0011】
接合用面取りの長さは、約0.4~2.5mm、好ましくは0.6~1.5mmであることができる。接合用面取りの長さは、外側リンクプレートの厚さにほぼ対応していることが示されてきたし、それにもかかわらず、十分に高い締まり嵌めが、ピンと外側リンクプレートの開口部の間に達成され、かくして、良好な疲労強度をもたらすことが確保される。また、産業チェーンの場合には、リンクプレートの開口部とピンの間の締まり嵌めの領域における接合用面取りの形成は、有利であることができる。ここで、リンクプレートの幅もまた、著しくより大きいので、接合用面取りの長さは、上記で特定されたよりも大きいことができる。
【0012】
さらに、接合用面取りの長さは、外側リンクプレートの厚さにほぼ対応するようにされることができる。この場合に、面取りは、締まり嵌め連結部が、ピンと外側リンクプレートの開口部の間の領域だけに実際に形成されるようにされることができる。ピンのその他の領域、特に、内側リンクチェーンのスリーブと共にチェーンリンクを形成する中央領域は、変更されない。
【0013】
特に好ましくは、各ピンは、両端に接合用面取りを有する。かくして、外側リンクプレートのすべての開口部において、ピンと外側リンクプレートの間に良好な締まり嵌めが達成され、かくして、必要な疲労強度が達成される。
【0014】
別の変形例によれば、接合用面取りの面取り角度、は、0.3°~2°、好ましくは0.5°~1°であるようにされることができる。この場合には、面取り角度は、ピンの円筒形中央部分の側面の延長と接合用面取りの側面の間の角度である。これらの範囲の面取り角度は、特に有利な効果、すなわち、ピンと外側リンクプレートの開口部の間の良好な保持と同時に外側リンクプレートの良好な疲労強度を生成することが示された。
【0015】
線形的に延びる接合用面取りを有することによって、接合用面取りの簡単な製造が達成されることができる。すなわち、そのとき、接合用面取りは、円錐形であり、かくして、真っ直ぐな截頭円形円錐を有する。これは、チェーンの容易な組み立てを可能にする。しかしながら、接合用面取りは、漸増的または漸減的に延びるようにされることもできる。これは、ピンと外側リンクプレートの間の締まり嵌めを改善することができる。
【0016】
ピンは、それらの端面からそれらの円周面への移行部で両端が丸められることができる。これは、ピンの組み立てまたは中心決め、および、プレートアイへのピンの挿入を簡単化する。好ましくは、この丸み半径は、約0.4mmである。
【0017】
さらに、本発明はまた、上記のチェーンのためのピンに関する。ここでも、本発明の目的は、上記のチェーンの簡単な組み立てを可能にし、チェーンの高い疲労強度をもたらすピンを提供することである。この目的は、接合用面取りが、ピンの両端に形成されることにおいて達成される。典型的には、ピンの両端の接合用面取りは互いに同一である場合に、有利であるが、異なるように、および、必要なら、ランダムに、すなわち、ランダム原則により、接合用面取りを形成することを考えることもできる。接合用面取りは、さらに、上記の特徴を有する。
【0018】
本発明は、添付の図面を参照して以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明のチェーン長さ制御方法により製造されたスプロケットチェーンの短い部分を通る断面図である。
【
図2】
図1のスプロケットチェーンの外側チェーンリンクのピンを示している。
【
図3】本発明のチェーン長さ制御方法により製造されたスプロケットチェーンの短い部分を通る断面図である。
【
図4】
図3のスプロケットチェーンの外側チェーンリンクのピンを示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、スリーブチェーンの内側リンクチェーン3の1つを示している。各内側リンクチェーン3は、各々が2つの開口部8を有する、2つの内側リンクプレート7を含む。各々の内側リンクチェーン3の2つのリンクプレート7は、チェーン1の長手方向Lに整合している。スリーブ9が、内側リンクチェーン3の開口部8に圧入される。内側リンクプレート7は各々、内側リンクプレート5が、チェーン1の長手方向Lに対して横断方向にスリーブ9によって互いに一定距離に保持されるように、スリーブ9の端上に配置されている。
【0021】
図2には、スリーブチェーンの外側リンクチェーン2の1つが、示されている。各外側リンクチェーン2は、各々が2つの開口部5を有する、互いに平行に配置された2つの外側リンクプレート4を含む。
【0022】
外側リンクプレート4は、厚さdを有する。ピン6が、ピン6が開口部5に配置される領域で、開口部5とピン6の間に圧縮連結部11が配置されるように、外側チェーンプレートの開口部5に圧入される。外側リンクプレート4は各々、チェーン1の長手方向Lに対して横断方向に互いに一定距離に外側リンクプレート4を保持するように、ピン6の端に配置されている。
【0023】
図3には、チェーン1が、その長手方向Lと垂直な断面において示されている。チェーン1は、チェーンスリーブであり、交互に配置された外側チェーンリンク2および内側リンクチェーン3を含む。
図1に示されている内側リンクチェーン3および
図2に示されている外側リンクチェーン2は、内側リンクチェーン2のスリーブ9を通して延びる外側リンクチェーン2のピン6によって互いに連結されている。ピン6およびスリーブ9は、したがって、チェーンジョイント10を形成する。
【0024】
接合用面取り12が、ピン6と外側リンクプレート4の開口部5の間の各圧縮連結部11の領域に形成されている。この接合用面取り12は、
図4を参照して以下で詳細に説明される。
【0025】
図4は、
図3からのチェーン1のピン6の例の拡大図である。ピン6は、一定の縮尺で記載されていない。ピン6は、端13、14の各々に接合用面取り12を有する。ピン6の両端13、14の接合用面取り12は、互いに同一に形成されている。既に説明されているように、異なるように、および、必要なら、ランダムに、すなわち、ランダム原則により、接合用面取りを形成することを考えることもできる。接合用面取り12は、チェーン1の十分に組み立てられた状態で、外側リンクプレート4の開口部5に配置されたピン6の領域に形成される。接合用面取りはまた、両側で外側リンクプレート4を超えて延びることができる。本文脈では、接合用面取りは、ピン6の外側リンクプレートのそれぞれの開口部5への組み立てが容易にされるようにピンの径が減少するピンの領域として理解されるべきである。
図4に示されている場合には、2つの接合用面取り12は、円錐形テーバによって形成されている。各接合用面取り12は、長さL
Fを有する。この長さL
Fは、ほぼ0.4~2.5mm、好ましくは0.6~1.5mmである。接合用面取り12の長さL
Fは、外側リンクプレート4の厚さdにほぼ対応する。接合用面取り12の面取り角度αは、ほぼ0.3°~2°、好ましくは0.5°~1°の範囲にある。この場合には、面取り角度αは、ピンの円筒形中央部分の側面の延長と接合用面取り12の側面の間の角度である。上述されているように、接合用面取り12の外側面A
Fは、円錐形であり、したがって、真っ直ぐな截頭円形円錐に実質的に対応している。しかしながら、接合用面取りの外側面は、正確な円錐面である必要はない。上記の面取り角度の範囲が維持されていれば、十分である。そのとき、漸増的または漸減的面取りも可能である。
【0026】
ピン6は、その円周面16からその2つの端面15までの移行部に丸み17を有する。この丸み17は、ほぼ0.4mmの半径を有する。
【0027】
本発明の本質的要素は、接合用面取りが、外側リンクプレート4の開口部5と開口部5に配置されたピン6の領域の間の圧縮連結部11の領域に形成されていることである。したがって、接合用面取りは、外側リンクプレートのそれぞれの開口部中に形成されることを考えることもできるであろう。この場合には、接合用面取りは、ピン(長さ、面取り角度、形状等)に関して上述されているのと同じ仕方で延びている。
【0028】
上述の接合用面取りの形成は、スリーブチェーンに制限されない。ピンおよび/または外側リンクプレートの開口部の対応する構成が、ローラが上記のチェーンのスリーブの各々上に追加的に配置されているローラチェーンにおいても考えることができる。また、内側チェーンリンクがピン上に直接封止されているチェーン、例えば、歯付きチェーンまたはクレードルタイプリンクチェーンの場合には、ピンと外側リンクプレートの間の接合部の対応する構成が有利である。
【0029】
特に
図4に関して上述されている、本発明によるチェーンのピンの構成は、外側リンクプレートにおけるピンのよりよい中心決めを可能にする。従来技術から知られ、外側リンク上での材料のピンチアウトに至る外側リンクプレートの過酷な変形をもたらし得る、組み立て中の外側リンクプレート上のピンの好ましくない配置が回避される。これはまた、チェーンの疲労強度の改善をもたらす。
【符号の説明】
【0030】
1 チェーン
2 外側チェーンリンク
3 内側チェーンリンク
4 外側リンクプレート
5 外側リンクプレートの開口部
6 ピン
7 内側リンクプレート
8 内側リンクプレートの開口部
9 スリーブ
10 チェーンジョイント
11 プレス連結部
12 接合用面取り
13 ピンの端
14 ピンの端
15 ピンの端面
16 ピンの円周面
17 丸み
L チェーンの長手方向
LF 接合用面取りの長さ
α 面取り角度
d 外側リンクプレートの厚さ
AF 面取りの外側面
【誤訳訂正書】
【提出日】2022-02-08
【誤訳訂正1】
【訂正対象書類名】特許請求の範囲
【訂正対象項目名】全文
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々がチェーンジョイント(10)によって互いに関節連結された、交互に配置された内側チェーンリンク(3)および外側リンクチェーン(2)を含む
、チェーンドライブのためのチェーン(1)であって、各外側リンクチェーン(2)は、各々が2つの開口部(5)および2つのピン(6)を有する2つの外側プレート(4)を含み、前記ピン(6)および前記開口部(5)は、前記ピン(6)が、互いに間隔を隔てて配置された前記外側リンクプレート(4)を保持するように、圧縮連結部(11)によって各々互いに連結されている、チェーンドライブのためのチェーン(1)において、接合用面取り(12)が、前記ピン(6)と前記外側リンクプレート(4)の前記開口部(5)の間の前記圧縮連結部(11)の領域に形成されている、ことを特徴とするチェーンドライブのためのチェーン(1)。
【請求項2】
前記接合用面取り(12)は、前記ピン(6)と前記外側リンクプレート(4)の前記開口部(5)の間の前記圧縮連結部(11)の一部である、ことを特徴とする請求項1に記載のチェーンドライブのためのチェーン(1)。
【請求項3】
前記接合用面取り(12)は、前記ピン(6)上に形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のチェーンドライブのためのチェーン(1)。
【請求項4】
前記接合用面取り(12)の長さ(L
F)は、約0.4~2.5mm、好ましくは0.6~1.5mmである、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項5】
前記接合用面取り(12)の長さ(L
F)は、前記外側リンクプレート(4)の厚さにほぼ対応している、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項6】
前記ピン(6)は、両端(13、14)に接合用面取り(12)を有する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項7】
前記接合用面取り(12)の面取り角度(α)は、0.3°~2°、好ましくは0.5°~1°である、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項8】
前記接合用面取り(12)は、線形的に延びている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項9】
前記接合用面取り(12)は、漸増的に延びている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項10】
前記接合用面取り(15)は、漸減的に延びている、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項11】
前記ピン(6)は、それらの端面(15)からそれらの円周面(16)への移行部で両端(13、14)が丸められている、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【請求項12】
接合用面取り(12)は、両端(13、14)に形成されている、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか1項に記載のチェーン(1)。
【誤訳訂正2】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0007
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0007】
本発明によれば、この目的は、ピンと外側リンクプレートの開口部の間の圧縮連結部の領域に接合用面取りを形成することによって解決される。
【誤訳訂正3】
【訂正対象書類名】明細書
【訂正対象項目名】0019
【訂正方法】変更
【訂正の内容】
【0019】
【
図1】スリーブチェーンの内側リンクチェーンを通る断面を示している。
【
図2】スリーブチェーンの外側リンクチェーンを通る断面を示している。
【
図3】
図1および
図2の内側チェーンリンクおよび外側チェーンリンクを含むスリーブチェーンを通る断面を示している。
【
図4】
図3に示されているスリーブチェーンのピンの拡大図である。
【国際調査報告】