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特表2022-535107組換え4-1BB結合タンパク質及びそれらの使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】組換え4-1BB結合タンパク質及びそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/12 20060101AFI20220728BHJP
   C07K 14/435 20060101ALI20220728BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20220728BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20220728BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220728BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
C12N15/12
C07K14/435 ZNA
C07K19/00
C12N15/62 Z
A61K48/00
A61K31/7088
A61P35/00
A61P43/00 105
A61K38/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571940
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(85)【翻訳文提出日】2022-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2020065319
(87)【国際公開番号】W WO2020245175
(87)【国際公開日】2020-12-10
(31)【優先権主張番号】19178280.4
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】515146556
【氏名又は名称】モレキュラー パートナーズ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ライヒェン, クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】リンク, アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ヘップ, ジュリア
(72)【発明者】
【氏名】レヴィツキー, ヴィクトル
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA13
4C084BA02
4C084BA21
4C084BA44
4C084NA14
4C084ZB21
4C084ZB26
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086NA14
4C086ZB21
4C086ZB26
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、4-1BB(CD137)に対して結合特異性を有する設計アンキリン反復ドメインを含む、組換え結合タンパク質に関する。加えて、本発明は、そのような結合タンパク質をコードする核酸、そのような結合タンパク質又は核酸を含む医薬組成物、及び4-1BBを発現する細胞において4-1BBを活性化する方法での、そのような結合タンパク質、核酸、又は医薬組成物の使用、例えば、腫瘍局在性Tリンパ球、及びヒトを含む哺乳動物におけるがんといった疾患の治療又は診断のための使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンキリン反復ドメインを含む組換え結合タンパク質であって、前記アンキリン反復ドメインは、4-1BBに対して結合特異性を有し、前記アンキリン反復ドメインが、(1)配列番号58~71と、
(2)配列番号58~71のいずれかにおける最大9個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むアンキリン反復モジュールを含む、組換え結合タンパク質。
【請求項2】
前記アンキリン反復モジュールが、(1)配列番号58、59、67、68、69と、
(2)配列番号58、59、67、68、69のいずれかにおける最大9個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の結合タンパク質。
【請求項3】
前記アンキリン反復モジュールが、第1のアンキリン反復モジュールであり、かつ(1)配列番号58と、
(2)配列番号58における最大9個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに前記アンキリン反復ドメインが、(1)配列番号59と、
(2)配列番号59の最大9個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、第2のアンキリン反復モジュールを更に含む、請求項1に記載の結合タンパク質。
【請求項4】
前記第1のアンキリン反復モジュールが、前記アンキリン反復ドメイン内の前記第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する、請求項3に記載の結合タンパク質。
【請求項5】
アンキリン反復ドメインを含む組換え結合タンパク質であって、前記アンキリン反復ドメインは、4-1BBに対して結合特異性を有し、前記アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも80%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、
配列番号1~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSが、任意選択的に欠損しており、
並びに配列番号2~4、6~19、25~27、33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNが、
Aにより任意選択的に置換されている、組換え結合タンパク質。
【請求項6】
前記アンキリン反復ドメインが、配列番号1のアミノ酸配列を含み、
前記アンキリン反復ドメインの位置1に置けるG及び/又は位置2におけるSが、任意選択的に欠損している、請求項5に記載の結合タンパク質。
【請求項7】
前記アンキリン反復ドメインが、10-7M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する、請求項1~6のいずれか一項に記載の結合タンパク質。
【請求項8】
前記組換え結合タンパク質が、4-1BBに対する結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の結合タンパク質。
【請求項9】
前記結合タンパク質が、ローカライザ分子を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の結合タンパク質。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の結合タンパク質をコードする核酸。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか一項に記載の結合タンパク質又は請求項10に記載の核酸、並びに薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項12】
ヒトを含む哺乳動物における4-1BB発現細胞中の4-1BBの局所的活性化の方法であって、請求項9に記載の結合タンパク質を前記哺乳動物に投与する工程を含む、方法。
【請求項13】
医学的状態を治療する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量である請求項9に記載の結合タンパク質を投与する工程を含む、方法。
【請求項14】
前記4-1BB発現細胞が、腫瘍中に位置する、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記医学的状態が、がんである、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、欧州特許庁に2019年6月04日出願の欧州特許出願公開第EP19178280号の利益及び優先権を主張する。欧州特許出願公開第EP19178280の内容は、全ての表、図、及び特許請求の範囲を含め、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(開示の分野)
本発明は、4-1BB(CD137)に対して結合特異性を有する設計アンキリン反復ドメインを含む、組換え結合タンパク質に関する。加えて、本発明は、そのような結合タンパク質をコードする核酸、そのような結合タンパク質又は核酸を含む医薬組成物、及び4-1BBを発現する細胞において4-1BBを活性化する方法での、そのような結合タンパク質、核酸、又は医薬組成物の使用、例えば、腫瘍局在性Tリンパ球、及びヒトを含む哺乳動物におけるがんといった疾患の治療又は診断のための使用に関する。
【背景技術】
【0003】
免疫チェックポイント阻害剤は多くのがん治療に革命をもたらしたが、その有用性を広げるために有意な改善が必要である。チェックポイント阻害(例えば、CTLA-4、PD-1、又はPD-L1を標的化)は、一部の患者において持続的な臨床的利益を有し非常に効果的であるが、ほとんどの患者(70~80%)は、全く利益が得られないか、又は最小限の利益しか得られないようである。T細胞共刺激は、応答者の割合、及び長期的な利益を有する患者の数を増加させるための有望なアプローチと考えられている(Morrisseyら、「Clin Transl Sci」(2016年)、第9巻第89~104頁;Alsaabら、「Front.Pharmacol.」(2017年)第8巻第561頁)。
【0004】
TNF受容体(TNF receptor:TNFR)ファミリーメンバー4-1BB(CD137;TNFRSF9)は、重要な共刺激受容体であり、そのリガンドによって、又はアゴニスト抗体によって連結される場合、特定のリンパ球応答の制御に関与する。例えば、4-1BBのライゲーションは、CD8陽性T細胞及びナチュラルキラー細胞において活性化シグナルを誘導し、増殖の増加、炎症性サイトカイン分泌、細胞溶解機能、及び抗体依存性細胞媒介性細胞傷害をもたらす。加えて、4-1BBは、T細胞メモリプールの確立及び維持を促進し、制御性T細胞(regulatory T-cell:Treg)の機能的活性に対して阻害効果を有することが示唆されている(Wangら、「Immunol Rev.」(2009年)第229巻第1号第192~215頁;Croftら、「Nat Rev Immunol」(2009年)第9巻第271~285頁)。また、活性化された正常B細胞では、B細胞受容体の連結時に4-1BBとそのリガンドとの相互作用が増殖を刺激し、生存を増強する(Zhang Xら、「J Immunol.」(2010年)第184巻第2号第787~795頁)。
【0005】
これらの共刺激特性と一致して、4-1BBは、抗ウイルス性T細胞応答(Linら、「J Immunol.」(2009年)第182巻第2号第934~47頁)、及び抗腫瘍性T細胞応答(Lynchら、「Immunol Rev.」(2008年)第22巻第277~286頁;Curranら、「PLoS One.」(2011年)第6巻第4号第e19499頁)の両方を促進する。
【0006】
4-1BB(すなわち、4-1BBL)を刺激するリガンドは、活性化した抗原提示細胞(antigen-presenting cell:APC)、骨髄系前駆細胞、及び造血幹細胞上で発現される。4-1BBは、細胞応答を刺激するためにその三量体リガンド(4-1BBL)に結合すると、受容体三量形成をされると考えられている(Bitra Aら、「J.Biol.Chem.」(2018年)第293巻第4号第1317~1329頁;Chinら、「Nature Communications」(2018年)第9巻第4679頁)。
【0007】
前臨床モデルでのアゴニスト分子による4-1BB活性化は、腫瘍増殖の制御を促進する。例えば、リツキシマブを有するBリンパ腫細胞及びNK細胞のインビトロ培養物に4-1BBアゴニストを添加すると、リンパ腫の死滅が増加した(Kohrtら、「Blood」(2011年)第117巻第8号第2423~2432頁)。更に、4-1BBアゴニストmAbは共刺激分子発現を増加させ、細胞溶解性Tリンパ球応答を著しく増強し、様々なモデルにおける抗腫瘍効果をもたらすことが示されている。これにより、4-1BBアゴニストmAbは、予防及び治療の設定で有効性を実証し、単独療法に関連する腫瘍モデルにおいて、他の免疫調節分子(IL-2、IL-15、OX40、PD-1/PDL-1、CTLA-4、TIM-3)、放射線療法、化学療法、又は腫瘍特異的ワクチン接種と組み合わせて適用した場合に、耐久性のある抗腫瘍保護T細胞メモリ応答を確立した(Chesterら、「Cancer Immunol Immunother」(2016年)第65巻第1243~1248頁、Lynchら、「Immunol Rev.」(2008年)第222号第277~286頁)。4-1BBアゴニストはまた、様々な自己免疫モデルにおいて自己免疫反応を阻害する。例えば、4-1BBは、一連の動物モデルにおける自己免疫を改良することが見出されている(Vinayら、「J Mol Med.」(2006年)第84巻第9号第726~736頁)(コラーゲン誘発関節炎(Seoら、(2004年)「Nat Med.」第10巻第10号第1088~94頁)、及び全身性エリテマトーデス(Sunら、(2002年)「Nat Med.」第8巻第12号第1405~13頁)を含む)。
【0008】
マウス腫瘍モデルにおけるそれらの強力な活性のために、4-1BBを標的とするアゴニスト抗体は、とりわけメラノーマ及びリンパ腫の臨床試験に入っている。しかしながら、前臨床的な有望性を患者への臨床的利益に変換することは未だ達成されておらず、実際に、進歩は期待外れなものである。臨床学への最近の参入は、二重特異性HER2-CD137標的化分子(抗体-アンチカリン(anticalin)コンジュゲート)であるPRS-343であり、その潜在的活性は、HER2陽性がんに限定される。2つの4-1BB抗体であるウトミルマブ(Utomilumab)及びウレルマブ(Urelumab)は、臨床的に最も進歩した4-1BB活性化治療候補である。これら2つの4-1BBアゴニスト抗体は、いくつかの臨床試験で調査されており、ウレルマブによる肝毒性の産生、及び両方に対する不充分な治療有効性データは期待外れであった。ウレルマブによって引き起こされる肝毒性は全身の4-1BB活性化に起因し得、この低い治療有効性は、腫瘍における4-1BBの活性化の効力が低いことに起因する可能性が高い。ウレルマブが第1相単独療法研究の初期で用量制限肝毒性を引き起こしたことで、その後の研究では、安全であるが潜在的に最適ではない用量を使用した(Segalら、(2016年)「Clin.Cancer Res.」第23巻第8号第1929~36頁)。効力の低い(約10倍)ウトミルマブは、副作用が少なく肝毒性は無かったが、第1相単独療法研究では説得力のある抗腫瘍活性も有しなかった(Chesterら、(2018年)「Blood」第131巻第1号第49~57頁;Segalら、(2018年)「Clin.Cancer Res.」第24巻第8号第1816~1823頁)。
【0009】
したがって、がんを含む疾患の治療及び特徴付けのための治療的及び診断的アプローチが依然として必要であり、4-1BB特異的結合及び活性化に有益である。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、4-1BBに対して結合特異性を有する設計アンキリン反復ドメインを含む、組換え結合タンパク質を提供する。更に、結合タンパク質による4-1BBのクラスタリング媒介活性化を促進する、1つ以上のローカライザ分子に結合したそのような結合タンパク質が提供される。加えて、本発明は、そのような結合タンパク質をコードする核酸、及びそのような結合タンパク質又は核酸を含む医薬組成物を提供する。本発明はまた、4-1BB発現細胞又は腫瘍組織などの組織における4-1BBの局所的活性化、及びヒトを含む哺乳動物におけるがんなどの疾患を治療及び診断するための方法における、そのような結合タンパク質、核酸、又は医薬組成物の使用を提供する。
【0011】
一態様では、本発明は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含むそのような組換え結合タンパク質を提供し、ここで、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のアンキリン反復ドメインのいずれか1つと少なくとも75%~最大100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、当該アンキリン反復ドメインの位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~19、25~27、33~38の当該アンキリン反復ドメインの最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。一例として、特定の一実施形態では、本発明の4-1BB特異的組換え結合タンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列を含む。
【0012】
一態様では、本発明は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含むそのような組換え結合タンパク質を提供し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号58~71のアンキリン反復モジュールのいずれか1つと少なくとも80%~最大100%のアミノ酸配列同一性を有するアンキリン反復モジュールを含む。一例として、特定の一実施形態では、本発明の4-1BB特異的組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号58及び59から選択されるアミノ酸配列を有するアンキリン反復モジュールを含む。特定の一実施形態では、本発明の4-1BB特異的組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号58のアミノ酸配列を有するアンキリン反復モジュール及び配列番号59のアミノ酸配列を有するアンキリン反復モジュールを含む。
【0013】
別の態様では、本発明は、そのような4-1BB特異的組換え結合タンパク質を提供し、結合タンパク質は、ローカライザ分子を更に含む。ローカライザ分子は、異なる構造的及び機能的クラスの分子から選択されてもよい。例えば、ローカライザは、ポリペプチド結合ドメイン、細胞表面受容体リガンド、又はそのフラグメント若しくはバリアント、抗体若しくはそのフラグメント若しくはバリアント、又は足場に基づく抗体様タンパク質であってもよい。本発明の一態様では、ローカライザ分子は、4-1BB特異的組換え結合タンパク質に共有結合している。共有結合は、融合タンパク質をもたらす、4-1BB特異的結合タンパク質とローカライザペプチド又はポリペプチドとの間のペプチド結合であってもよい。あるいは、ローカライザ分子は、4-1BB特異的結合タンパク質に共有結合してもよい。
【0014】
特定の一実施形態では、本発明の4-1BB特異的組換え結合タンパク質は、例えば腫瘍関連抗原などのがん生物学に関連するローカライザ標的タンパク質に対して結合特異性を有する、ローカライザに融合した4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む。例として、特定の一実施形態では、本発明の4-1BB特異的組換え結合タンパク質は、フィブロネクチン・エキストラ・ドメインB(extra domain B:ED-B)、腫瘍抗原A(Tumor Antigen A:TAA)、上皮増殖因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)、又はヒト上皮増殖因子受容体2(human epidermal growth factor receptor 2:HER2)に対して結合特異性を有する、別のアンキリン反復ドメインに融合した4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む。
【0015】
別の態様では、本発明は、本発明の4-1BB特異的結合タンパク質をコードする核酸と、本発明の4-1BB特異的結合タンパク質又は核酸、並びに薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤を含む医薬組成物と、を提供する。
【0016】
別の態様では、本発明は、哺乳動物における4-1BB発現細胞又は組織中の4-1BBの局所的活性化の方法を提供し、この方法は、ローカライザ分子を含む本発明の4-1BB特異的結合タンパク質を当該哺乳動物に投与することを含む。特定の一実施形態では、そのような方法は、4-1BB発現細胞又は腫瘍組織中で4-1BBの局所的活性化をもたらす、4-1BB発現細胞又は組織を含む腫瘍を有するヒト患者を含む哺乳動物に、4-1BB特異的結合タンパク質を投与することを含む。特定の実施形態では、そのような4-1BB特異的結合タンパク質は、配列番号1若しくは配列番号5のアミノ酸配列、又は同等の4-1BB結合特異性を有する配列番号1若しくは配列番号5の配列変異体のアミノ酸配列を含む。
【0017】
別の態様では、本発明は、ヒト患者における医学的状態を治療するための方法を提供し、この方法は、ローカライザ分子に共有結合しているか又はローカライザ分子を含む本発明の4-1BB特異的結合タンパク質を当該患者に投与することを含み、このローカライザ分子は、4-1BB特異的結合タンパク質によって4-1BBの局所活性化を媒介する。特定の一実施形態では、医学的状態は、がんであり、ここで、がん又は腫瘍組織は4-1BBを発現する細胞を含み、ローカライザ分子は当該がん又は腫瘍組織において過剰発現された標的に結合する。特定の一実施形態では、当該標的は、当該がん又は腫瘍組織において発現又は過剰発現される細胞表面タンパク質の細胞外ドメインである。一実施形態では、当該がんは、結腸直腸がん、胃がん、非小細胞肺がん、乳がん、頭頸部がん、卵巣がん、肺がん、浸潤性膀胱がん、膵がん、脳頭頸部扁平上皮細胞がんの転移性がん、食道扁平上皮細胞がん、肺扁平上皮細胞がん、皮膚扁平上皮細胞がん、メラノーマ、乳腺がん、肺腺がん、子宮頸部扁平上皮細胞がん、膵臓扁平上皮細胞がん、結腸扁平上皮細胞がん、若しくは胃扁平上皮細胞がん、前立腺がん、骨肉腫、又は軟部組織肉腫及び良性腫瘍から選択される。一実施形態では、そのようながんは、肺がん、結腸直腸がん、胃がん、膀胱がん、卵巣がん、及び乳がん、並びに骨及び軟部組織肉腫を含む、上皮悪性腫瘍(原発性及び転移性)から選択される。
【0018】
本発明は更に、本発明の組換え結合タンパク質、本発明の核酸、又は本発明の医薬組成物を含む、キットを提供する。本発明は更に、本発明の組換え結合タンパク質を生成するための方法を提供し、この方法は、(i)細菌中の当該組換え結合タンパク質を発現する工程、及び(ii)クロマトグラフィを用いて当該組換え結合タンパク質を精製する工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ヒト4-1BB、DARPin(登録商標)タンパク質第1番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第5番に対して結合特異性を有する、2つの選択されたアンキリン反復タンパク質の精製物のSDS-PAGEゲル分析。Mはタンパク質サイズマーカに対応する。マーカタンパク質の分子量(kDa)を示す。レーン1:14.4kDaの分子量を有する対照アンキリン反復タンパク質;レーン2:精製されたDARPin(登録商標)タンパク質第1番;レーン3:精製されたDARPin(登録商標)タンパク質第5番。
図2A】DARPin(登録商標)タンパク質第1番(図2A)に例証される、ヒト4-1BBに結合するアンキリン反復タンパク質の表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)分析。様々な濃度(0.6、1.9、5.6、及び16.7nM)の精製されたアンキリン反復タンパク質を、オンレート及びオフレート測定のために不動化したヒト4-1BBを有するGLCチップに適用した。得られたSPRトレース分析を使用して、アンキリン反復タンパク質-4-1BB相互作用を決定した。RU:共鳴単位(Resonance Unit);s、秒数での時間。
図2B】DARPin(登録商標)タンパク質第5番(図2B)に例証される、ヒト4-1BBに結合するアンキリン反復タンパク質の表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance:SPR)分析。様々な濃度(0.6、1.9、5.6、及び16.7nM)の精製されたアンキリン反復タンパク質を、オンレート及びオフレート測定のために不動化したヒト4-1BBを有するGLCチップに適用した。得られたSPRトレース分析を使用して、アンキリン反復タンパク質-4-1BB相互作用を決定した。RU:共鳴単位(Resonance Unit);s、秒数での時間。
図3】4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復タンパク質が細胞内で4-1BBシグナル伝達を活性化する能力を試験するためのアッセイの概略図。
図4A図3に示すような細胞レポータアッセイで示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。抗4-1BBモノクローナル抗体(20H4.9-IgG4)を、比較として試験した。図4Aは、DARPin(登録商標)タンパク質第9番、DARPin(登録商標)タンパク質第13番、DARPin(登録商標)タンパク質第17番、及び抗4-1BBモノクローナル抗体の曲線を示す。
図4B図3に示すような細胞レポータアッセイで示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。抗4-1BBモノクローナル抗体(20H4.9-IgG4)を、比較として試験した。図4Bは、DARPin(登録商標)タンパク質第1番、DARPin(登録商標)タンパク質第2番、DARPin(登録商標)タンパク質第3番、DARPin(登録商標)タンパク質第10番、DARPin(登録商標)タンパク質第11番、DARPin(登録商標)タンパク質第14番、及び抗4-1BBモノクローナル抗体の曲線を示す。
図4C図3に示すような細胞レポータアッセイで示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。抗4-1BBモノクローナル抗体(20H4.9-IgG4)を、比較として試験した。図4Cは、DARPin(登録商標)タンパク質第5番、DARPin(登録商標)タンパク質第6番、DARPin(登録商標)タンパク質第12番、DARPin(登録商標)タンパク質第15番、DARPin(登録商標)タンパク質第18番、及び抗4-1BBモノクローナル抗体の曲線を示す。
図4D図3に示すような細胞レポータアッセイで示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。抗4-1BBモノクローナル抗体(20H4.9-IgG4)を、比較として試験した。図4Dは、DARPin(登録商標)タンパク質第4番、DARPin(登録商標)タンパク質第7番、DARPin(登録商標)タンパク質第8番、DARPin(登録商標)タンパク質第16番、DARPin(登録商標)タンパク質第19番、及び抗4-1BBモノクローナル抗体の曲線を示す。
図5】DARPin(登録商標)タンパク質第44番、DARPin(登録商標)タンパク質第45番、DARPin(登録商標)タンパク質第46番、DARPin(登録商標)タンパク質第47番、DARPin(登録商標)タンパク質第48番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第49番に例証されるような、4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質の活性化Tリンパ芽球細胞(イオノマイシン/PMA刺激CEM細胞)との結合。これらのDARPin(登録商標)タンパク質の濃度依存性結合曲線は、バックグラウンドに対する蛍光強度の中央値(median fluorescence intensity:MFI)シグナルの決定された比に関連して示される。
図6A】TAA被覆ビーズの存在下において培養された4-1BB発現細胞に示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。図6Aは、DARPin(登録商標)タンパク質第44番、DARPin(登録商標)タンパク質第45番、DARPin(登録商標)タンパク質第46番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第50番の曲線を示す。図6Aはまた、TAA被覆ビーズの不在下における、DARPin(登録商標)タンパク質の結果も示す。
図6B】TAA被覆ビーズの存在下において培養された4-1BB発現細胞に示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。図6Bは、DARPin(登録商標)タンパク質第1番、DARPin(登録商標)タンパク質第2番、DARPin(登録商標)タンパク質第47番、DARPin(登録商標)タンパク質第48番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第49番及びDARPin(登録商標)タンパク質第44番、DARPin(登録商標)タンパク質第45番、DARPin(登録商標)タンパク質第46番、DARPin(登録商標)タンパク質第47番、DARPin(登録商標)タンパク質第48番、DARPin(登録商標)タンパク質第49番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第50番(ただし、DARPin(登録商標)タンパク質第1番又はDARPin(登録商標)タンパク質第2番は除く)の曲線を示し、TAA特異的ローカライザ分子を含む。
図7A】TAA発現CHO細胞と共培養された4-1BB発現細胞で示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。図7Aは、TAA発現CHO細胞(集団1)の存在下における、DARPin(登録商標)タンパク質第44番、DARPin(登録商標)タンパク質第45番、DARPin(登録商標)タンパク質第46番、DARPin(登録商標)タンパク質第47番、DARPin(登録商標)タンパク質第48番、DARPin(登録商標)タンパク質第49番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第50番の曲線を示す。図6Aはまた、いかなるDARPin(登録商標)タンパク質も存在しない場合の細胞の発光値も示す。
図7B】TAA発現CHO細胞と共培養された4-1BB発現細胞で示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。図7Bは、TAA発現CHO細胞の別の集団(集団2)の存在下における、DARPin(登録商標)タンパク質第44番、DARPin(登録商標)タンパク質第45番、DARPin(登録商標)タンパク質第46番、DARPin(登録商標)タンパク質第47番、DARPin(登録商標)タンパク質第48番、DARPin(登録商標)タンパク質第49番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第50番の曲線を示す。図6Bはまた、いかなるDARPin(登録商標)タンパク質も存在しない場合の細胞の発光値も示す。
図8A】活性化Tリンパ芽球細胞(イオノマイシン/PMA刺激CEM細胞)との、様々なアンキリン反復タンパク質の結合。アンキリン反復タンパク質の濃度依存性結合曲線は、バックグラウンドに対する蛍光強度の中央値シグナルの決定された比に関連して示される。図8Aは、DARPin(登録商標)タンパク質第1番、DARPin(登録商標)タンパク質第44番、DARPin(登録商標)タンパク質第51番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第54番の曲線を示す。
図8B】活性化Tリンパ芽球細胞(イオノマイシン/PMA刺激CEM細胞)との、様々なアンキリン反復タンパク質の結合。アンキリン反復タンパク質の濃度依存性結合曲線は、バックグラウンドに対する蛍光強度の中央値シグナルの決定された比に関連して示される。図8Bは、DARPin(登録商標)タンパク質第2番、DARPin(登録商標)タンパク質第45番、DARPin(登録商標)タンパク質第52番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第55番の曲線を示す。
図8C】活性化Tリンパ芽球細胞(イオノマイシン/PMA刺激CEM細胞)との、様々なアンキリン反復タンパク質の結合。アンキリン反復タンパク質の濃度依存性結合曲線は、バックグラウンドに対する蛍光強度の中央値シグナルの決定された比に関連して示される。図8Cは、DARPin(登録商標)タンパク質第50番、DARPin(登録商標)タンパク質第53番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第56番の曲線を示す。
図9A】TAA発現CHO細胞又は野生型CHO細胞と共培養された4-1BB発現細胞で示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、NF-κB制御レポータ遺伝子活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。図9Aは、DARPin(登録商標)タンパク質第44番、DARPin(登録商標)タンパク質第51番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第54番の曲線を示す。
図9B】TAA発現CHO細胞又は野生型CHO細胞と共培養された4-1BB発現細胞で示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、NF-κB制御レポータ遺伝子活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。図9Bは、DARPin(登録商標)タンパク質第45番、DARPin(登録商標)タンパク質第52番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第55番の曲線を示す。
図10A】腫瘍間質におけるED-B発現は、免疫組織化学(図10A)によって示され、技術分野で既知の標準的な方法を用いてフローサイトメトリによって示される。
図10B】腫瘍間質におけるED-B発現は、A431細胞におけるEGFR発現(図10B)は、技術分野で既知の標準的な方法を用いてフローサイトメトリによって示される。
図10C】腫瘍間質におけるED-B発現は、BT474細胞におけるHER2発現(図10C)は、技術分野で既知の標準的な方法を用いてフローサイトメトリによって示される。
図11A】EGFR若しくはHER2発現細胞と共培養された4-1BB発現細胞、又は組換えED-Bの存在下において示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子の活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。図11Aは、組換えED-Bの存在下における、DARPin(登録商標)タンパク質第51番、DARPin(登録商標)タンパク質第57番、DARPin(登録商標)タンパク質第58番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第59番の曲線を示す。
図11B】EGFR若しくはHER2発現細胞と共培養された4-1BB発現細胞、又は組換えED-Bの存在下において示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子の活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。図11Bは、EGFR発現A431細胞の存在下における、DARPin(登録商標)タンパク質第51番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第58番の曲線を示す。
図11C】EGFR若しくはHER2発現細胞と共培養された4-1BB発現細胞、又は組換えED-Bの存在下において示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、レポータ遺伝子の活性を反映する、決定された発光(AU)に関連して示される。図11Cは、HER2発現BT474細胞の存在下における、DARPin(登録商標)タンパク質第58番、及びDARPin(登録商標)タンパク質第59番の曲線を示す。
図12A】EGFR被覆プレート(図12A)の存在下における4-1BB発現初代CD8+T細胞中に示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、4-1BBシグナル伝達によって誘導される、インターフェロン-γ(IFNγ)の決定された分泌に関連して示されている。曲線は、DARPin(登録商標)タンパク質第58番及びDARPin(登録商標)タンパク質第59番を表す。
図12B】HER2被覆プレート(図12B)の存在下における4-1BB発現初代CD8+T細胞中に示される、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による4-1BBシグナル伝達の活性化。濃度依存性曲線は、4-1BBシグナル伝達によって誘導される、インターフェロン-γ(IFNγ)の決定された分泌に関連して示されている。曲線は、DARPin(登録商標)タンパク質第58番及びDARPin(登録商標)タンパク質第59番を表す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書に開示及び例証されるように、本開示は、4-1BBを特異的に標的化するアンキリン反復タンパク質を提供する。設計されたアンキリン反復タンパク質ライブラリ(国際公開第WO2002/020565号、Binzら、「Nat.Biotechnol.」第22巻第575~582頁(2004年);Stumppら、「Drug Discov.Today」第13巻第695~701頁(2008年))は、高い親和性でそれらの標的に結合する標的特異的設計アンキリン反復ドメインの選択に使用することができる。次に、そのような標的特異的設計アンキリン反復ドメインを、疾患を治療するための組換え結合タンパク質の価値ある成分として使用することができる。設計されたアンキリン反復タンパク質とは、モノクローナル抗体の制限を克服する可能性を有する結合分子のクラスであり、したがって新規の治療アプローチを可能にする。そのようなアンキリン反復タンパク質は、単一の設計アンキリン反復ドメインを含んでもよく、又は同じ若しくは異なる標的特異性を有する2つ以上の設計アンキリン反復ドメインの組合せを含んでもよい(Stumppら、「Drug Discov.Today」第13巻第695~701頁(2008);米国特許第9,458,211号)。単一の設計アンキリン反復ドメインのみを含むアンキリン反復タンパク質は、高い親和性及び特異性で所与の標的タンパク質に結合するように選択され得る、小さなタンパク質(14kDa)である。これらの特徴、及び1つのタンパク質中の2つ以上の設計アンキリン反復ドメインを組み合わせる可能性は、設計アンキリン反復タンパク質を、理想的なアゴニスト、拮抗薬及び/又は阻害薬候補にする。更に、そのようなアンキリン反復タンパク質は、様々なエフェクタ機能、例えば細胞傷害性薬剤又は半減期延長剤を運ぶように操作することができ、完全に新しい薬物形式を可能にする。まとめると、設計アンキリン反復タンパク質とは、既存の抗体薬物を超える可能性を有するタンパク質治療薬の次の世代の例である。
【0021】
DARPin(登録商標)とは、Molecular Partners AG(Switzerland)が所有する商標である。
【0022】
一態様では、本発明は、アンキリン反復ドメインを含む組換え結合タンパク質に関し、当該アンキリン反復ドメインは、4-1BBに対して結合特異性を有し、当該アンキリン反復ドメインは、(1)配列番号58~71と、(2)配列番号58~71のいずれかにおける最大9個、又は最大8個、又は最大7個、又は最大6個、又は最大5個、又は最大4個、又は最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含むアンキリン反復モジュールを含む。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58~71と、(2)配列番号58~71のいずれかにおける最大3個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58~71と、(2)配列番号58~71のいずれかにおける最大2個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58~71と、(2)配列番号58~71のいずれかにおける最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸置換の全てが、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置(framework positions)に生じる。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号58~71からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0023】
一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、59、67、68、及び69と、(2)配列番号58、59、67、68、及び69のいずれかにおける最大9個、又は最大8個、又は最大7個、又は最大6個、又は最大5個、又は最大4個、又は最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、59、67、68、及び69と、(2)配列番号58、59、67、68、及び69のいずれかにおける最大3個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、59、67、68、及び69と、(2)配列番号58、59、67、68、及び69のいずれかにおける最大2個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、59、67、68、及び69と、(2)配列番号58、59、67、68、及び69のいずれかにおける最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該9、8、7、6、5、4、3、2、又は1個のアミノ酸置換の全てが、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置に生じる。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号58、59、67、68、及び69からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。
【0024】
一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号58のアミノ酸配列、又は配列番号58中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列、を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号59のアミノ酸配列、又は配列番号59中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列、を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号67のアミノ酸配列、又は配列番号67中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列、を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号68のアミノ酸配列、又は配列番号68中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列、を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号69のアミノ酸配列、又は配列番号69中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列、を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号58のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号59のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号67のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号68のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、配列番号69のアミノ酸配列を含む。
【0025】
一実施形態では、本明細書で説明され、参照される当該アンキリン反復モジュール(複数可)の当該アミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置で生じ、典型的には、このモジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。フレームワーク位置におけるそのような置換の実施形態は、そのような置換が明示的に記載されているかどうかに関係なく、全ての実施形態に適用されるものとする。
【0026】
一実施形態では、本明細書で説明され、参照される当該アンキリン反復モジュール(複数可)の当該アミノ酸置換の全てが、配列番号58~66及び68~71の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15、又は配列番号67の当該アンキリン反復モジュールのランダム化位置3、5、7、15、及び16以外の位置で生じる。
【0027】
一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、第1のアンキリン反復モジュール及び第2のアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
【0028】
一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、第1のアンキリン反復モジュール、及び第2のアンキリン反復モジュール、及び第3のアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
【0029】
一実施形態では、当該第1、当該第2、及び存在する場合、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58~71と、(2)配列番号58~71のいずれかにおける最大9個、又は最大8個、又は最大7個、又は最大6個、又は最大5個、又は最大4個、又は最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該第1、当該第2、及び存在する場合、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、59、67、68、及び69と、(2)配列番号58、59、67、68、及び69のいずれかにおける最大9個、又は最大8個、又は最大7個、又は最大6個、又は最大5個、又は最大4個、又は最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。
【0030】
一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、第1のアンキリン反復モジュール及び第2のアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58と、(2)配列番号58における最大9個、又は最大8個、又は最大7個、又は最大6個、又は最大5個、又は最大4個、又は最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号59と、(2)配列番号59における最大9個、又は最大8個、又は最大7個、又は最大6個、又は最大5個、又は最大4個、又は最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、又は1個のアミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置で生じ、典型的には、このモジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。一実施形態では、当該9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、又は1個のアミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15以外の位置に生じる。
【0031】
一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58と、(2)配列番号58における最大6個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号59と、(2)配列番号59の最大6個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58と、(2)配列番号58における最大5個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号59と、(2)配列番号59の最大5個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58と、(2)配列番号58における最大4個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号59と、(2)配列番号59の最大4個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58と、(2)配列番号58における最大3個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号59と、(2)配列番号59の最大3個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58と、(2)配列番号58における最大2個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号59と、(2)配列番号59の最大2個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58と、(2)配列番号58における1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号59と、(2)配列番号59の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置で生じ、典型的には、このモジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15以外の位置に生じる。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、配列番号58のアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、配列番号59のアミノ酸配列を含む。
【0032】
一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。したがって、一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58と、(2)配列番号58における最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号59と、(2)配列番号59の最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置で生じ、典型的には、このモジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15以外の位置に生じる。更に、一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、配列番号58のアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、配列番号59のアミノ酸配列を含み、ここで、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
【0033】
一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、第1のアンキリン反復モジュール、及び第2のアンキリン反復モジュール、及び第3のアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号67と、(2)配列番号67における最大6個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号68と、(2)配列番号68の最大6個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号69と、(2)配列番号69の最大6個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号67と、(2)配列番号67における最大5個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号68と、(2)配列番号68の最大5個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号69と、(2)配列番号69の最大5個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号67と、(2)配列番号67における最大4個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号68と、(2)配列番号68の最大4個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号69と、(2)配列番号69の最大4個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号67と、(2)配列番号67における最大3個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号68と、(2)配列番号68の最大3個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号69と、(2)配列番号69の最大3個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号67と、(2)配列番号67における最大2個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号68と、(2)配列番号68の最大2個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号69と、(2)配列番号69の最大2個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号67と、(2)配列番号67における1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号68と、(2)配列番号68の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号69と、(2)配列番号69の1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置で生じ、典型的には、このモジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、配列番号68及び69の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15、又は配列番号67の当該アンキリン反復モジュールのランダム化位置3、5、7、15、及び16以外の位置で生じる。一実施形態では、そのようなアンキリン反復ドメインにおいて、当該第1のアンキリン反復モジュールは、配列番号67のアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、配列番号68のアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、配列番号69のアミノ酸配列を含む。
【0034】
一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、ここで、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。したがって、一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号67と、(2)配列番号67における最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号68と、(2)配列番号68の最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、並びに当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号69と、(2)配列番号69の最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、ここで、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置で生じ、典型的には、このモジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、配列番号68及び69の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15、又は配列番号67の当該アンキリン反復モジュールのランダム化位置3、5、7、15、及び16以外の位置で生じる。更に、一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、配列番号67のアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、配列番号68のアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、配列番号69のアミノ酸配列を含む。当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
【0035】
一実施形態では、上記の当該アンキリン反復モジュール(複数可)の当該アミノ酸置換の全てが、フレームワーク位置で、並びに配列番号58~66及び68~71の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15、又は配列番号67の当該アンキリン反復モジュールのランダム化位置3、5、7、15、及び16以外の位置で生じる。典型的には、モジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。
【0036】
別の態様では、本発明は、アンキリン反復ドメインを含む組換え結合タンパク質に関し、当該アンキリン反復ドメインは、4-1BBに対して結合特異性を有し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~19、25~27、33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。
【0037】
一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38から選択されるアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0038】
一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。
【0039】
一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。
【0040】
一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号28~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号28~38と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号28~38のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号28~38のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号28~38のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号28~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号28~38から選択されるアミノ酸配列を含み、配列番号28~38のいずれか1つの位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0041】
一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号31の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号31のアミノ酸配列を含み、配列番号31の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。
【0042】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインの潜在的な相互作用残基は、配列番号1~27のアンキリン反復ドメインのいずれか1つにおける対応する位置と同一である。
【0043】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満、又は10-8M未満、又は5×10-9M未満、又は3×10-9M未満、又は10-9M未満の解離定数(K)で、PBS中のヒト4-1BBに結合する。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、10-8M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、5×10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、3×10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。
【0044】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~19、25~27、33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、配列番号1~38のいずれか1つの位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~19、25~27、33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0045】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~27のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1~27の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~19、及び25~27の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~27のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~27のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~27のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~27のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~27のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-7M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~27のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、配列番号1~27のいずれか1つの位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~19、及び25~27の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、5×10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~27のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1~14及び16~27の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~14、16~19、及び25~27の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~27のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~27のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~27のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~27のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~27のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、5×10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~27のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、配列番号1~14及び16~27のいずれか1つの位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~14、16~19、及び25~27の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0046】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、3×10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~26のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1~14及び16~26の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~14、16~19、及び25~26の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~26のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~27のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~26のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~26のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~26のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、3×10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~14及び16~26のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、配列番号1~14及び16~26のいずれか1つの位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~14、16~19、及び25~26の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0047】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、2、5、7~14、17、20~24、及び26のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、2、5、7~14、17、20~24、及び26の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2、7~14、17、及び26の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、2、5、7~14、17、20~24、及び26のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、2、5、7~14、17、20~24、及び26のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、2、5、7~14、17、20~24、及び26のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、2、5、7~14、17、20~24、及び26のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、2、5、7~14、17、20~24、及び26のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、2、5、7~14、17、20~24、及び26のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、配列番号1、2、5、7~14、17、20~24、及び26のいずれか1つの位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2、7~14、17、及び26の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0048】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、7~11、14、17、20~22、及び24のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、7~11、14、17、20~22、及び24の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号7~11、14、及び17の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、7~11、14、17、20~22、及び24のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、7~11、14、17、20~22、及び24のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、7~11、14、17、20~22、及び24のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、7~11、14、17、20~22、及び24のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、7~11、14、17、20~22、及び24のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、7~11、14、17、20~22、及び24のいずれか1つのアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、7~11、14、17、20~22、及び24のいずれか1つの位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号7~11、14、及び17の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0049】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。
【0050】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、当該アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。
【0051】
表面プラズモン共鳴(SPR)分析による4-1BBに対して結合特異性を有する本発明の組換え結合タンパク質の解離定数(K)の典型的かつ好ましい決定は、実施例2に説明されている。したがって、一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質の4-1BBに対する当該結合特異性は、表面プラズモン共鳴(SPR)によってPBS中で決定される。一実施形態では、本発明の組換え結合タンパク質の4-1BBに対する当該結合特異性は、実施例2に記載のように、表面プラズモン共鳴(SPR)によってPBS中で決定される。
【0052】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対する結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインを含む。一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、(1)配列番号58~71と、(2)配列番号58~71のいずれかにおける最大9個、又は最大8個、又は最大7個、又は最大6個、又は最大5個、又は最大4個、又は最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むアンキリン反復モジュールを含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、(1)配列番号58~71と、(2)配列番号58~71のいずれかにおける最大3個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58~71と、(2)配列番号58~71のいずれかにおける最大2個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58~71と、(2)配列番号58~71のいずれかにおける最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、又は1個のアミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置で生じ、典型的には、このモジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、配列番号58~66及び68~71の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15、又は配列番号67の当該アンキリン反復モジュールのランダム化位置3、5、7、15、及び16以外の位置で生じる。一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号58~71からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。
【0053】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、(1)配列番号58、59、67、68、及び69と、(2)配列番号58、59、67、68、及び69のいずれかにおける最大9個、又は最大8個、又は最大7個、又は最大6個、又は最大5個、又は最大4個、又は最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含むアンキリン反復モジュールを含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、(1)配列番号58、59、67、68、及び69と、(2)配列番号58、59、67、68、及び69のいずれかにおける最大3個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含むアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、59、67、68、及び69と、(2)配列番号58、59、67、68、及び69のいずれかにおける最大2個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58、59、67、68、及び69と、(2)配列番号58、59、67、68、及び69のいずれかにおける最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択される、アミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、又は1個のアミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置で生じ、典型的には、このモジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、配列番号58、59、68及び69の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15、又は配列番号67の当該アンキリン反復モジュールのランダム化位置3、5、7、15、及び16以外の位置で生じる。一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号58、59、67、68、及び69からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。
【0054】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、(1)配列番号58のアミノ酸配列、又は(2)配列番号58中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列、を含むアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、(1)配列番号59のアミノ酸配列、又は(2)配列番号59中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列、を含むアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、(1)配列番号67のアミノ酸配列、又は(2)配列番号67中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列、を含むアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、(1)配列番号68のアミノ酸配列、又は(2)配列番号68中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列、を含むアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、(1)配列番号69のアミノ酸配列、又は(2)配列番号69中の1つ若しくは2つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列、を含むアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全てはフレームワーク位置で生じ、典型的には、このモジュール(複数可)の全体的な構造は、置換の影響を受けない。一実施形態では、当該アミノ酸置換の全ては、配列番号58、59、68及び69の当該アンキリン反復モジュール(複数可)のランダム化位置3、4、6、14、及び15、又は配列番号67の当該アンキリン反復モジュールのランダム化位置3、5、7、15、及び16以外の位置で生じる。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。
【0055】
一実施形態では、本明細書で説明され、参照される当該アンキリン反復モジュール(複数可)の当該アミノ酸置換の全ては、当該アンキリン反復モジュール(複数可)のフレームワーク位置で生じる。フレームワーク位置におけるそのような置換の実施形態は、そのような置換が明示的に記載されているかどうかに関係なく、全ての実施形態に適用されるものとする。
【0056】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号58のアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号59のアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号67のアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号68のアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号69のアミノ酸配列を含む、アンキリン反復モジュールを含む。
【0057】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、第1のアンキリン反復モジュール及び第2のアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
【0058】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ここで、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、第1のアンキリン反復モジュール及び第2のアンキリン反復モジュールを含み、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号58と、(2)配列番号58における最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号59と、(2)配列番号59の最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを含む当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。
【0059】
更に、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、第1のアンキリン反復モジュール及び第2のアンキリン反復モジュールを含み、当該第1のアンキリン反復モジュールは、配列番号58のアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、配列番号59のアミノ酸配列を含み、そして、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。一実施形態では、2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを含む当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。
【0060】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、第1のアンキリン反復モジュール、第2のアンキリン反復モジュール、及び第3のアンキリン反復モジュールを含む。一実施形態では、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。
【0061】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、第1のアンキリン反復モジュール、第2のアンキリン反復モジュール、及び第3のアンキリン反復モジュールを含み、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第1のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号67と、(2)配列番号67における最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号68と、(2)配列番号68の最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、(1)配列番号69と、(2)配列番号69の最大3個、又は最大2個、又は最大1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている配列と、からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを含む当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。
【0062】
更に、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、第1のアンキリン反復モジュール、第2のアンキリン反復モジュール、及び第3のアンキリン反復モジュールを含み、当該第1のアンキリン反復モジュールは、配列番号67のアミノ酸配列を含み、当該第2のアンキリン反復モジュールは、配列番号68のアミノ酸配列を含み、当該第3のアンキリン反復モジュールは、配列番号69のアミノ酸配列を含み、そして、当該第1のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第2のアンキリン反復モジュールのN末端に位置し、当該第2のアンキリン反復モジュールは、当該アンキリン反復ドメイン内の当該第3のアンキリン反復モジュールのN末端に位置する。一実施形態では、2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを含む当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。
【0063】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~19、25~27、33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つ又は3つのアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。
【0064】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号1のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号1のアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを含む当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。
【0065】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを正確に含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号1のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号1のアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを正確に含む当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。
【0066】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号5と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号5と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号5と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号5と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号5と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号5のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、当該2つのアンキリン反復ドメインの各々は、配列番号5のアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つのアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを正確に含む。一実施形態では、2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを含む当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。
【0067】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、ペプチドリンカにより結合した4-1BBに対して結合特異性を有する2つ又は3つのアンキリン反復ドメインからなるポリペプチドを含み、当該ポリペプチドは、配列番号51、52、54、及び55のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号51、52、54、及び55の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号51、52、54、及び55の当該アンキリン反復ドメインの各々の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51、52、54、及び55のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51、52、54、及び55のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51、52、54、及び55のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51、52、54、及び55のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51、52、54、及び55のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。一実施形態では、2つ又は3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを含む当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。
【0068】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、ペプチドリンカにより結合した4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインからなるポリペプチドを含み、ここで、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号51の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号51の当該アンキリン反復ドメインの各々の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51のアミノ酸配列を含む。
【0069】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、ペプチドリンカにより結合した4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインからなるポリペプチドを含み、当該ポリペプチドは、10-9M未満、又は10-10M未満、又は5×10-11M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。したがって、一実施形態では、当該ポリペプチドは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。更なる一実施形態では、当該ポリペプチドは、10-10M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。別の実施形態では、当該ポリペプチドは、5×10-11M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合する。
【0070】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、ペプチドリンカにより結合した4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインからなるポリペプチドを含み、当該ポリペプチドは、10-10M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号51の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号51の当該アンキリン反復ドメインの各々の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0071】
したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、ペプチドリンカにより結合した4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインからなるポリペプチドを含み、当該ポリペプチドは、10-10M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ポリペプチドは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、配列番号51の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号51の当該アンキリン反復ドメインの各々の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0072】
したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、ペプチドリンカにより結合した4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインからなるポリペプチドを含み、当該ポリペプチドは、5×10-11M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ポリペプチドは、配列番号51のアミノ酸配列を含み、配列番号51の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号51の当該アンキリン反復ドメインの各々の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0073】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、ローカライザ分子を更に含む。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン又は当該2つ若しくは3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインに、結合、コンジュゲート、融合、又は別様に物理的結合される。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン又は当該2つ若しくは3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインに共有結合される。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、ペプチドリンカにより、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン又は当該2つ若しくは3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインに共有結合される。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン又は当該2つ若しくは3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインに共有結合される。
【0074】
実施例4~6に示すように、本発明の1つ、2つ、又は3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、例えばローカライザ媒介クラスタリングを介して、組換え結合タンパク質によって4-1BBの局所的活性化を促進することができるローカライザに結合され得る。例えば腫瘍組織を標的とするこのような局所的活性化は、4-1BBの全身活性化、及び結果として生じる肝毒性の回避又は低減に、非常に有益であり得る。そのような実施形態は、例えば、標的組織の細胞において選択的に発現される分子の細胞外ドメインに特異的に結合し、それによって4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン又はドメイン(複数)をクラスタリングして近傍の4-1BB発現細胞において4-1BB活性化を達成する、当該ローカライザ分子を介して、4-1BBの活性化を特定の組織に局在化又は送達することを可能にする。更なる例として、多数の膜貫通タンパク質は、様々な種類のがんにおける腫瘍組織中で特異的に発現又は過剰発現されることが知られている。このような腫瘍特異的タンパク質として、非制限的に、アンカタンパク質、受容体、酵素、及び輸送タンパク質、例えばNDC1(TMEM48)、TMEM45A、TMEM97、アノクタミン-1(anoctamin-1)(TMEM16A)、TMEM140、TMEM45B、αvβ3、インテグリン、ボンベシンR、CAIX、CEA、CD13、CD44 v6、CXCR4、EGFR、ErbB-2、HER2、Emmprin、エンドグリン、EpCAM、EphA2、フィブロネクチン・エキストラ・ドメインB(ED-B)、FAP-α、葉酸R、GRP78、IGF-1R、マトリプターゼ、メソセリン、cMET/HGFR、MT1-MMP、MT6-MMP、Muc-1、PSCA、PSMA、Tn抗原、uPARが挙げられる(Schmit K及びMichiels C、「Front.Pharmacol.」(2018年)第9巻第1345頁;Boonstra CMら、「Biomarkers in Cancer」(2016年)第8巻第119~133頁)。
【0075】
一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現されるタンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質である。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍特異的タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質である。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質である。
【0076】
一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現されるタンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍特異的タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、フィブロネクチン・エキストラ・ドメインB(ED-B)、腫瘍抗原A(TAA)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、又はヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)に対する結合特異性を有する、アンキリン反復ドメインである。
【0077】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質であり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号2~4、6~19、25~27、33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つと少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質であり、当該アンキリン反復ドメインは、配列番号1~38のいずれか1つのアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、アンキリン反復ドメインである。
【0078】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現されるタンパク質に対して結合特異性を有する結合タンパク質であり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、アンキリン反復ドメインである。
【0079】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍特異的タンパク質に対して結合特異性を有する結合タンパク質であり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、アンキリン反復ドメインである。
【0080】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質であり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、アンキリン反復ドメインである。
【0081】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質であり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、アンキリン反復ドメインである。
【0082】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質であり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、アンキリン反復ドメインである。
【0083】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。
【0084】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。
【0085】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するタンパク質であり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、アンキリン反復ドメインである。
【0086】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号1のアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。
【0087】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。したがって、一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含む。したがって、一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、配列番号5のアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。
【0088】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現されるタンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0089】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍特異的タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0090】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0091】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1、5、及び28~38のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び28~38の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号33~38の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。
【0092】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現されるタンパク質に対して、好ましくは腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。一実施形態では、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカで互いに結合されている。一実施形態では、当該ローカライザ特異的アンキリン反復ドメインは、当該組換え結合タンパク質内の当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインのN末端に位置する。
【0093】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該組換え結合タンパク質は、10-10M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。一実施形態では、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカで互いに結合されている。一実施形態では、当該ローカライザ特異的アンキリン反復ドメインは、当該組換え結合タンパク質内の当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインのN末端に位置する。
【0094】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該組換え結合タンパク質は、10-9M未満又は10-10M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号5と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号5の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。一実施形態では、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカで互いに結合されている。一実施形態では、当該ローカライザ特異的アンキリン反復ドメインは、当該組換え結合タンパク質内の当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインのN末端に位置する。
【0095】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、ペプチドリンカにより結合した4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインからなるポリペプチドを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現されるタンパク質に対して、好ましくは腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該ポリペプチドは、10-9M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号51の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号51の当該アンキリン反復ドメインの各々の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該ポリペプチド及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ポリペプチド及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、当該組換え結合タンパク質内の当該ポリペプチドのN末端に位置する。
【0096】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、ペプチドリンカにより結合した4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインからなるポリペプチドを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインであり、当該ポリペプチドは、10-10M未満の解離定数(K)でPBS中のヒト4-1BBに結合し、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号51の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損しており、並びに配列番号51の当該アンキリン反復ドメインの各々の最後から第2番目の位置におけるL及び/又は最後の位置におけるNは、Aにより任意選択的に置換されている。したがって、一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。別の実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも95%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51と少なくとも98%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。そして、更なる一実施形態では、当該ポリペプチドは、配列番号51のアミノ酸配列を含む。一実施形態では、当該ポリペプチド及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ポリペプチド及び当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ローカライザアンキリン反復ドメインは、当該組換え結合タンパク質内の当該ポリペプチドのN末端に位置する。
【0097】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1、5、及び31のいずれか1つと少なくとも80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び31の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。
【0098】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1、5、及び31のいずれか1つと少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1、5、及び31の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。当該ローカライザ分子は、腫瘍組織中に発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインである。一実施形態では、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、腫瘍組織中に発現された細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有する当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン及び当該アンキリン反復ドメインは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカにより互いに結合される。一実施形態では、腫瘍組織中に発現された細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有する当該アンキリン反復ドメインは、当該組換え結合タンパク質内の当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインのN末端に位置する。
【0099】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含み、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの各々は、独立して、配列番号1と少なくとも90%のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、配列番号1の位置1におけるG及び/又は位置2におけるSは、任意選択的に欠損している。一実施形態では、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインは、ペプチドリンカにより結合されている。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、プロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該ペプチドリンカは、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカである。一実施形態では、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン及び当該ローカライザ分子は、配列番号57のプロリン-スレオニンリッチペプチドリンカで互いに結合されている。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、当該組換え結合タンパク質内の当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインのN末端に位置する。
【0100】
一実施形態では、本発明の当該4-1BB特異的組換え結合タンパク質は、血清アルブミンに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを更に含む。一実施形態では、本発明の当該4-1BB特異的組換え結合タンパク質は、血清アルブミンに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを更に含む。一実施形態では、本発明の当該4-1BB特異的組換え結合タンパク質は、血清アルブミンに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを更に含み、血清アルブミンに対して結合特異性を有する当該2つのアンキリン反復ドメインのうち一方は、4-1BB特異的アンキリン反復ドメインのN末端に位置し、血清アルブミンに対して結合特異性を有する当該2つのアンキリン反復ドメインのうち他方は、4-1BB特異的アンキリン反復ドメインのC末端に位置する。一実施形態では、本発明の当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを含み、血清アルブミンに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを更に含み、血清アルブミンに対して結合特異性を有する当該2つのアンキリン反復ドメインのうち一方は、当該4-1BB特異的アンキリン反復ドメインのN末端に位置し、血清アルブミンに対して結合特異性を有する当該2つのアンキリン反復ドメインのうち他方は、当該2つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインのC末端に位置する。血清アルブミンに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインは、本発明の組換えタンパク質のインビボ半減期を増加させることができる。
【0101】
一実施形態では、本発明の当該4-1BB特異的組換え結合タンパク質は、ポリペプチドタグを更に含む。ポリペプチドタグとは、ポリペプチド/タンパク質に結合されたアミノ酸配列を指し、当該アミノ酸配列は、当該ポリペプチド/タンパク質の精製、検出、若しくは標的化に有用であるか、又は当該アミノ酸配列は、ポリペプチド/タンパク質の物理化学的挙動を改善するか、又は当該アミノ酸配列はエフェクタ機能を保有する。結合タンパク質の個々のポリペプチドタグは、結合タンパク質の他の部位に、直接又はペプチドリンカを介して接続してもよい。ポリペプチドタグは当該技術分野で周知であり、当業者には充分に利用可能である。ポリペプチドタグの例は、例えば、His、HA、myc、FLAG、若しくはStrepタグといった小さなポリペプチド配列、又は当該ポリペプチド/タンパク質の検出を可能にする酵素(例えば、アルカリホスファターゼ)などのポリペプチド、又は標的分子(免疫グロブリン又はそのフラグメントなど)及び/若しくはエフェクタ分子として使用できるポリペプチドである。
【0102】
一実施形態では、本発明の当該4-1BB特異的組換え結合タンパク質は、ペプチドリンカを更に含む。ペプチドリンカは、例えば、2つのタンパク質ドメインを、ポリペプチドタグとタンパク質ドメインとを、タンパク質ドメインとポリエチレングリコールなどの非タンパク質性化合物又はポリマーとを、タンパク質ドメインと生物学的に活性な分子とを、タンパク質ドメインとローカライザとを、又は2つの配列タグを結合することができる、アミノ酸配列である。ペプチドリンカは当業者に既知である。例の一覧は、特許出願公開第WO2002/020565号の明細書に提供されている。そのようなリンカの特定の例は、可変長のグリシン-セリンリンカ及びプロリン-スレオニンリンカである。グリシン-セリンリンカの例は、アミノ酸配列GS及び配列番号40のアミノ酸配列であり、プロリン-スレオニンリンカの例は、配列番号39及び配列番号57のアミノ酸配列である。
【0103】
別の態様では、本発明は、本発明のアンキリン反復ドメイン又は組換え結合タンパク質のアミノ酸配列をコードする、核酸に関する。一実施形態において、本発明は、本発明の組換え結合タンパク質のアミノ酸配列をコードする、核酸に関する。一実施形態では、本発明は、配列番号1~38からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする、核酸に関する。一実施形態では、本発明は、配列番号1~27からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする、核酸に関する。一実施形態では、本発明は、配列番号1、配列番号5、配列番号31、配列番号51、及び配列番号54からなる群から選択されるアミノ酸配列をコードする、核酸に関する。一実施形態では、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列をコードする、核酸に関する。一実施形態では、本発明は、配列番号5のアミノ酸配列をコードする、核酸に関する。一実施形態では、本発明は、配列番号31のアミノ酸配列をコードする、核酸に関する。一実施形態では、本発明は、配列番号51のアミノ酸配列をコードする、核酸に関する。一実施形態では、本発明は、配列番号54のアミノ酸配列をコードする、核酸に関する。更に、本発明は、本発明のいずれかの核酸を含むベクタに関する。核酸は当業者に周知である。実施例において、核酸は、本発明の設計アンキリン反復ドメイン又は組換え結合タンパク質を、大腸菌(E.coli)で産生するために使用した。本発明の核酸の例は、配列番号41により提供され、これは、配列番号1のアミノ酸配列をコードする。
【0104】
一態様では、本発明は、本発明の組換え結合タンパク質及び/若しくは設計アンキリン反復ドメインを含む医薬組成物、並びに/又は本発明の組換え結合タンパク質及び/若しくは設計アンキリン反復ドメインをコードする核酸、並びに任意選択的に、薬学的に許容される担体及び/若しくは希釈剤に関する。
【0105】
一実施形態では、本発明は、組換え結合タンパク質を含む医薬組成物、又は本発明の組換え結合タンパク質をコードする核酸、並びに任意選択的に、薬学的に許容される担体及び/若しくは希釈剤に関する。
【0106】
薬学的に許容される担体及び/又は希釈剤は当業者に既知であり、以下でより詳細に説明する。また更に、上述の組換え結合タンパク質及び/若しくは設計アンキリン反復ドメイン並びに/又は核酸、特に本発明の組換え結合タンパク質及び/又は核酸のうち1つ以上を含む、診断用組成物が提供される。
【0107】
医薬組成物は、本明細書に記載のような、組換え結合タンパク質、及び/又は設計アンキリン反復ドメイン、及び/又は核酸、好ましくは組換え結合タンパク質及び/又は核酸、並びに例えば「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第16版、Osol,A.編(1980年)に記載のような、薬学的に許容される担体、賦形剤、又は安定剤を含む。
【0108】
当業者に既知の好適な担体、賦形剤、又は安定剤としては、例えば、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース溶液、ハンクス液、固定油、オレイン酸エチル、生理食塩水中5%デキストロース、等張性及び化学安定性を増強する物質、緩衝剤、並びに保存料が挙げられる。他の好適な担体としては、それ自体が、組成物を投与される個体にとって有害な抗体の産生を誘発しない任意の担体、例えば、タンパク質、ポリサッカライド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマーアミノ酸及びアミノ酸コポリマーが挙げられる。医薬組成物はまた、抗がん剤若しくは抗血管新生剤、又は更なる生理活性化合物などの、追加の有効成分を含む、合剤であってもよい。
【0109】
インビボ投与に使用される製剤は、無菌でなくてはならない、又は、滅菌されていなくてはならない。これは、滅菌濾過膜で濾過することにより、容易に実施される。
【0110】
本発明の一実施形態は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、医薬組成物を製造するための血清アルブミンに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを更に含む、本発明の組換え結合タンパク質の使用に関し、当該組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有する当該アンキリン反復ドメインを含むが、血清アルブミンに対して結合特異性を有する当該アンキリン反復ドメインは含まない対応する組換え結合タンパク質と比較して、増加した終末相半減期、好ましくは少なくとも5%、好ましくは10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、又は250%の増加した終末相半減期を呈する。本発明の一実施形態では、組換え結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、血清アルブミンに対して結合特異性を有する2つのアンキリン反復ドメインを更に含む。
【0111】
一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に記載のような少なくとも1つの組換え結合タンパク質、並びに非イオン性界面活性剤などの界面活性剤、リン酸緩衝液などの緩衝液、及びスクロースなどの糖を含む。一実施形態では、このような組成物は、上記のような組換え結合タンパク質及びPBSを含む。
【0112】
別の態様では、本発明は、哺乳動物における4-1BB発現細胞又は組織中の4-1BBの局所的活性化の方法を提供し、この方法は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含み、ローカライザ分子を更に含む、本発明の組換え結合タンパク質を当該哺乳動物に投与する工程を含む。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、4-1BBとは異なる標的に対して結合特異性を有する結合タンパク質である。一実施形態では、当該哺乳動物は、ヒトであり、当該4-1BB発現細胞又は組織は、原発腫瘍、転移、及び/又は腫瘍間質を含む、腫瘍中に位置する。
【0113】
別の態様では、本発明は、医学的状態の治療方法を提供し、この方法は、このような治療を必要とする患者に、ローカライザ分子を含む本発明の組換え結合タンパク質の治療有効量を投与する工程を含む。別の態様では、本発明は。医学的状態の治療方法を提供し、この方法は、このような治療を必要とする患者に、ローカライザ分子を含む本発明の組換え結合タンパク質の治療有効量を投与する工程を含み、当該ローカライザ分子は当該結合タンパク質を標的組織に局在化させるのに有効であり、当該結合タンパク質の当該局在化は標的組織中の4-1BB発現細胞における4-1BBの活性化をもたらす。一実施形態では、当該ローカライザ分子は、腫瘍中で発現される細胞表面タンパク質に対して結合特異性を有する結合タンパク質であり、当該細胞表面タンパク質は、4-1BBとは異なる。一実施形態では、当該4-1BB発現細胞又は組織は、原発腫瘍、転移、及び/又は腫瘍間質を含む、腫瘍中に位置する。これらの実施形態は、したがって、腫瘍への本発明の組換え結合タンパク質により4-1BBの活性化を局在化することによって、腫瘍中のローカライザの限定発現の利用を可能にする。
【0114】
別の態様では、本発明は、患者の医学的状態を診断する方法を提供し、この方法は、ヒト4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む本発明の組換え結合タンパク質を、当該診断を必要とする患者へ、又は当該診断を必要とする患者の体液若しくは組織試料へ投与する工程を含む。一実施形態では、当該体液は、血漿又はその誘導体である。一実施形態では、当該体液は、血清である。一実施形態では、当該組織は、腫瘍組織である。一実施形態では、当該医学的状態は、がんである。別の実施形態では、当該医学的状態は、自己免疫疾患である。
【0115】
一実施形態では、本発明は、本発明による医薬組成物又は組換え結合タンパク質の、疾患の治療のための使用に関する。そのため、本発明による医薬組成物又は組換え結合タンパク質は、これらを必要とする患者に、治療有効量で投与される。投与としては、局所投与、経口投与、及び非経口投与を挙げることができる。典型的な投与経路は非経口投与である。親的(parental)投与において、本発明の医薬組成物は、上で定義したような薬学的に許容される賦形剤と共に、溶液、懸濁液、又はエマルションなどの単位用量の注射可能な形態で処方される。用量及び投与方法は、治療される個体及び特定の疾患によって異なる。
【0116】
更に、上述の医薬組成物又は組換え結合タンパク質のいずれかは、障害の治療について考慮される。
【0117】
一実施形態では、当該組換え結合タンパク質又は本明細書に記載のこのような他の医薬組成物は、静脈内投与される。非経口適用のため、組換え結合タンパク質又は当該医薬組成物は、ボーラス注入として又は緩徐な点滴注入により、治療有効量で注入することができる。
【0118】
一実施形態では、本発明は、医学的状態の治療方法に関し、方法は、このような治療を必要とする患者に、本発明の組換え結合タンパク質の治療有効量を投与する工程を含む。一実施形態では、本発明は、医学的状態の治療方法に関し、方法は、このような治療を必要とする患者に、本発明の医薬組成物の治療有効量を投与する工程を含む。一実施形態では、本発明は、本発明による医薬組成物の、疾患の治療のための使用に関する。一実施形態では、本発明は、疾患の治療において使用するための医薬組成物に関する。一実施形態では、本発明は、医学的状態の治療において使用するための医薬組成物に関する。一実施形態では、本発明は、疾患の治療において使用するための核酸に関する。一実施形態では、本発明は、疾患を治療するための薬剤としての、当該医薬組成物、組換え結合タンパク質、又は核酸分子の使用に関する。一実施形態では、本発明は、薬剤を製造するための、当該医薬組成物、組換え結合タンパク質、又は核酸分子の使用に関する。一実施形態では、本発明は、疾患を治療するための薬剤の製造のための、当該医薬組成物、組換え結合タンパク質、又は核酸分子の使用に関する。一実施形態では、本発明は、疾患を治療するための薬剤を製造するためのプロセスに関し、当該医薬組成物、組換え結合タンパク質、又は核酸分子は、薬剤の有効成分である。一実施形態では、本発明は、当該医薬組成物、組換え結合タンパク質、又は核酸分子を用いる疾患の治療のプロセスに関する。
【0119】
特に、本発明は、本発明の医薬組成物を用いた医学的状態の治療に関し、当該医学的状態は、がんである。
【0120】
本発明の組換え結合タンパク質、又はがん疾患を治療するための当該医薬組成物の使用はまた、当該技術分野において既知の1つ以上の他の療法と組み合わせることができる。用語「と組み合わせた使用」とは、本明細書で使用する場合、所与のレジメンの下で実施される共投与を指すものとする。これには、異なる化合物の同時投与及び異なる化合物の時間を変えた投与が含まれる(例えば、化合物Aを1回投与し、かつ化合物Bをその後に数回投与する、若しくは逆もまた同様、又は、両化合物を同時に投与し、かつ2つのうちの1つを後の段階でまた投与する)。
【0121】
更なる一実施形態では、本発明は、本発明の組換え結合タンパク質の、医学的状態、好ましくは腫瘍性疾患、より好ましくはがんの治療に使用される薬剤の製造のための使用に関する。
【0122】
一実施形態では、本発明は、本発明の医薬組成物の、腫瘍性疾患、特にがんであり得る、医学的状態の治療に使用される薬剤の製造のための使用に関する。
【0123】
一実施形態では、本発明は、上述のアンキリン反復ドメインのいずれかを含む組換え結合タンパク質に関する。
【0124】
一実施形態では、本発明は、当該組換え結合タンパク質を含むキットに関する。一実施形態では、本発明は、当該組換え結合タンパク質をコードする核酸を含むキットに関する。一実施形態では、本発明は、当該医薬組成物を含むキットに関する。一実施形態では、本発明は、当該組換え結合タンパク質、及び/又は当該組換え結合タンパク質をコードする核酸、及び/又は当該医薬組成物を含むキットに関する。一実施形態では、本発明は、4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン、例えば、配列番号1又は配列番号5を含む組換え結合タンパク質、及び/又は4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン、例えば、配列番号1又は配列番号5を含む組換え結合タンパク質をコードする核酸、及び/又は4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン、例えば、配列番号1又は配列番号5を含む組換え結合タンパク質を含む医薬組成物及び/又は4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン、例えば、配列番号1又は配列番号5を含む組換え結合タンパク質をコードする核酸を含むキットに関する。
【0125】
一実施形態では、本発明は、本発明の組換え結合タンパク質を産生する方法に関する。一実施形態では、本発明は、組換え結合タンパク質、例えば配列番号1又は配列番号5のアミノ酸配列を含む組換え結合タンパク質を産生するための方法であって、(i)細菌中の当該組換え結合タンパク質を発現する工程と、(ii)クロマトグラフィを用いて当該組換え結合タンパク質を精製する工程と、を含む方法に関する。当該方法は、追加の工程を含んでもよい。本発明の組換え結合タンパク質を産生するこのような方法は、実施例1に記載されている。
【0126】
本発明は、実施例に記載の特定の実施形態に限定されない。
【0127】
本明細書は、「P5725_Sequence_Listing.txt」と名付けられた本明細書のアミノ酸配列リストのいくつかのアミノ酸配列を参照し、配列リストのアミノ酸配列は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0128】
定義
本明細書で別段定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味を有するものとする。
【0129】
本発明の文脈において、用語「タンパク質」とは、ポリペプチドを含む分子を指し、ポリペプチドの少なくとも一部は、単一のポリペプチド鎖内及び/又は複数のポリペプチド鎖間において二次、三次、又は四次構造を形成することによって、定義された三次元配列を有する、又は獲得することができる。タンパク質が2つ以上のポリペプチド鎖を含む場合、個々のポリペプチド鎖は、非共有結合又は共有結合により、例えば、2つのポリペプチド間のジスルフィド結合により、結合され得る。二次及び/又は三次構造を形成することによって定義された三次元配列を個別に有する、又は獲得することができるタンパク質の一部は、「タンパク質ドメイン」と呼ばれる。このようなタンパク質ドメインは、当業者に周知である。
【0130】
組換えタンパク質及び組換えポリペプチドなどで使用される用語「組換え」とは、当該タンパク質又はポリペプチドが、当業者に周知の組換えDNA技術の使用によって産生されることを意味する。例えば、ポリペプチドをコードする組換えDNA分子(例えば、遺伝子合成によって作製)を細菌発現プラスミド(例えば、pQE30、QIAgen)、酵母発現プラスミド、哺乳動物発現プラスミド、若しくは植物発現プラスミド、又はインビトロ発現を可能にするDNAにクローニングすることができる。例えば、このような組換え細菌発現プラスミドを適切な細菌(例えば、大腸菌(Escherichia coli))へ挿入した場合、これらの細菌は、この組換えDNAによってコードされたポリペプチド(複数可)を産生することができる。対応して産生されるポリペプチド又はタンパク質は、組換えポリペプチド又は組換えタンパク質と呼ばれる。
【0131】
本発明の文脈において、用語「結合タンパク質」とは、結合ドメインを含むタンパク質を指す。結合タンパク質はまた、2つ、3つ、4つ、又は5つ以上の結合ドメインを含んでもよい。好ましくは、当該結合タンパク質は、組換え結合タンパク質である。本発明の結合タンパク質は、4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む。
【0132】
更に、任意のそのような結合タンパク質は、当業者に周知である、追加のポリペプチド(例えば、ポリペプチドタグ、ペプチドリンカ、結合特異性を用いた他のタンパク質性ドメインへの融合、サイトカイン、ホルモン、若しくはアンタゴニストなど)、又は化学修飾(ポリエチレングリコール、毒素(例えば、免疫原からのDM1)、小分子、及び抗生物質などとのカップリングなど)を含んでもよい。本発明の結合タンパク質は、ローカライザ分子を含んでもよい。
【0133】
用語「結合ドメイン」とは、標的に対して結合特異性を呈するタンパク質ドメインを意味する。好ましくは、当該結合ドメインは、組換え結合ドメインである。
【0134】
用語「標的」とは、核酸分子、ポリペプチド若しくはタンパク質、炭水化物、若しくは任意の他の天然由来の分子(そのような個々の分子の任意の一部を含む)などの個々の分子、又はそのような分子の2つ以上の複合体、又は細胞全体若しくは組織試料、又は任意の非天然化合物を指す。好ましくは、標的は、天然由来若しくは非天然のポリペプチド若しくはタンパク質、又は化学修飾、例えば、天然由来若しくは非天然のリン酸化反応、アセチル化反応、若しくはメチル化反応を含有するポリペプチド若しくはタンパク質である。本発明の文脈において、4-1BB並びに4-1BB発現細胞及び組織は、4-1BB特異的結合タンパク質及びローカライザ標的タンパク質の標的であり、細胞及び組織は、ローカライザの標的である。
【0135】
本発明の文脈において、用語「ポリペプチド」とは、ペプチド結合によって結合された、複数、すなわち2つ以上のアミノ酸の鎖からなる分子に関する。好ましくは、ポリペプチドは、ペプチド結合によって結合された8個超のアミノ酸からなる。用語「ポリペプチド」とはまた、システインのS-S架橋によって一緒に結合されたアミノ酸の複数の鎖も包む。ポリペプチドは、当業者に周知である。
【0136】
特許出願公開第WO2002/020565号、及びForrerら(2003)(Forrer,P.、Stumpp,M.T.、Binz,H.K.、Pluckthun,A.(2003)「FEBS Letters」第539巻第2~6頁)には、反復タンパク質の特徴及び反復ドメインの特徴、技術、及び用途の一般的な説明が含まれる。用語「反復タンパク質」とは、1つ以上の反復ドメインドメインを含むタンパク質を指す。好ましくは、反復タンパク質は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの反復ドメインを含む。更に、当該反復タンパク質は、追加の非反復タンパク質ドメイン、ポリペプチドタグ、及び/又はポリペプチドリンカを含んでもよい。反復ドメインは、結合ドメインであり得る。
【0137】
用語「反復ドメイン」とは、構造単位として2つ以上の連続した反復モジュールを含むタンパク質ドメインを指し、当該反復モジュールは、構造相同性及び配列相同性を有する。好ましくは、反復ドメインは、N末端及び/又はC末端キャッピングモジュールを更に含む。明確に説明すると、キャッピングモジュールは、反復モジュールであり得る。このような反復ドメイン、反復モジュール、及びキャッピングモジュール、配列モチーフ、並びに構造相同性及び配列相同性は、アンキリン反復ドメイン(国際公開第WO2002/020565号)、ロイシンリッチ反復ドメイン(国際公開第WO2002/020565号)、テトラトリコペプチド反復ドメイン(Main,E.R.、Xiong,Y.、Cocco,M.J.、D’Andrea,L.、Regan,L.、「Structure」第11巻第5号第497~508頁(2003年))、及びアルマジロ反復ドメイン(国際公開第WO2009/040338号)の例から、当業者に周知である。そのような反復ドメインは反復されるアミノ酸配列を含むタンパク質とは異なり、反復されるアミノ酸配列ごとに、個々のドメイン(例えば、フィブロネクチンのFN3ドメイン)を形成することができることは、当業者には更に周知である。
【0138】
設計反復タンパク質及び設計反復ドメインなどで使用される用語「設計」とは、そのような反復タンパク質及び反復ドメインは、それぞれ、人工であり、自然界には発生しないという性質を指す。本発明の結合タンパク質は、設計反復タンパク質であり、これらは少なくとも1つの設計アンキリン反復ドメインを含む。
【0139】
用語「標的相互作用残基」とは、標的との直接相互作用に寄与する反復モジュールのアミノ酸残基を指す。
【0140】
用語「フレームワーク残基」とは、折畳みトポロジ(folding topology)に寄与する、すなわち当該反復モジュールの折畳みに寄与するか、又は隣接モジュールとの相互作用に寄与する、反復モジュールのアミノ酸残基を指す。そのような寄与は、反復モジュール内の他の残基との相互作用、又はαヘリックス若しくはβシートで見られるようなポリペプチド骨格コンフォメーションへの影響、又は線状ポリペプチド若しくはループを形成するアミノ酸ストレッチへの関与であってもよい。
【0141】
そのようなフレームワーク及び標的相互作用残基は、X線結晶解析、NMR、及び/若しくはCDスペクトル測定などの物理化学的方法によって得られた構造データの分析によって、又は構造生物学及び/若しくは生物情報学における従事者に周知である既知及び関連する構造情報との比較によって、特定されてもよい。
【0142】
用語「反復モジュール」とは、天然由来の反復タンパク質の反復単位から元々由来する、設計反復ドメインの反復アミノ酸配列及び構造単位を指す。反復ドメインに含まれる各反復モジュールは、天然由来の反復タンパク質のファミリー又はサブファミリー、例えばアンキリン反復タンパク質のファミリーの1つ以上の反復単位に由来する。更に、反復ドメインに含まれる各反復モジュールは、例えば実施例1に記載されるような標的上で選択された反復ドメインから得られた相同反復モジュールから推定され、同じ標的特異性を有する、「反復配列モチーフ」を含んでもよい。
【0143】
したがって、用語「アンキリン反復モジュール」とは、天然由来のアンキリン反復タンパク質の反復単位から元々由来する、反復モジュールを指す。アンキリン反復タンパク質は当業者に周知である。
【0144】
反復モジュールは、標的特異的反復ドメインを選択する目的でライブラリ内にてランダム化されていないアミノ酸残基を有する位置(「非ランダム化位置」)、及び標的特異的反復ドメインを選択する目的でライブラリ内にてランダム化されているアミノ酸残基を有する位置(「ランダム化位置」)を含んでもよい。非ランダム化位置は、フレームワーク残基を含む。ランダム化位置は、標的相互作用残基を含む。「ランダム化された」とは、反復モジュールのアミノ酸位置が許容された2つ以上のアミノ酸を意味し、例えば、通常の20個の天然由来アミノ酸のいずれかが許容されるか、又はシステイン以外のアミノ酸若しくはグリシン、システイン、及びプロリン以外のアミノ酸といった、20個の天然由来アミノ酸のほとんどが許容される。この特許出願の目的のために、配列番号58~66及び68~71のアミノ酸残基3、4、6、14、及び15、並びに配列番号67のアミノ酸残基3、5、7、15、及び16は、本発明のアンキリン反復モジュールのランダム化位置である。
【0145】
用語「反復配列モチーフ」とは、1つ以上の反復モジュールから推定されるアミノ酸配列を指す。好ましくは、当該反復モジュールは、同じ標的に対して結合特異性を有する反復ドメインに由来する。そのような反復配列モチーフは、フレームワーク残基位置及び標的相互作用残基位置を含む。当該フレームワーク残基位置は、反復モジュールのフレームワーク残基の位置に対応する。同様に、当該標的相互作用残基位置は、反復モジュールの標的相互作用残基の位置に対応する。反復配列モチーフは、非ランダム化位置及びランダム化位置を含む。
【0146】
用語「反復単位」とは、1つ以上の天然由来タンパク質の配列モチーフを含むアミノ酸配列を指し、当該「反復単位」は複数のコピーにおいて見出され、タンパク質の倍率を決定する全ての当該モチーフに一般的な定義された折畳みトポロジを呈する。そのような反復単位の例としては、ロイシンリッチ反復単位、アンキリン反復単位、アルマジロ反復単位、テトラトリコペプチド反復単位、HEAT反復単位、及びロイシンリッチバリアント反復単位が挙げられる。
【0147】
用語「標的に対して結合特異性を有する」、「標的に特異的に結合する」、「高い特異性で標的に結合する」、「標的に対して特異的」、又は「標的特異性」などは、結合タンパク質又は結合ドメインが、大腸菌(E.coli)マルトース結合タンパク質(maltose binding protein:MBP)などの非関連タンパク質に結合するよりも、より低い解離定数で標的にPBS中において結合する(すなわち、より高い親和性で結合する)ことを意味する。好ましくは、標的に対するPBS中での解離定数(「K」)は、MBPに対する対応する解離定数よりも、少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも10倍、又はより好ましくは少なくとも10倍低い。タンパク質-タンパク質間の相互作用の解離定数を測定するための方法、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)に基づく技術(例えば、SPR平衡解析)又は等温滴定熱量測定(isothermal titration calorimetry:ITC)は、当業者に周知である。特定のタンパク質-タンパク質相互作用の測定されたK値は、異なる条件下(例えば、塩濃度、pH)において測定された場合、変動し得る。したがって、K値の測定は、好ましくは、タンパク質の標準液、及びPBS等の標準化緩衝液を使用して実施される。表面プラズモン共鳴(SPR)分析による4-1BBに対して結合特異性を有する本発明の組換え結合タンパク質の解離定数(K)の典型的かつ好ましい決定は、実施例2に説明されている。
【0148】
用語「約」とは、言及された値+/-20%を意味し、例えば「約50」とは、40~60を意味するものとする。
【0149】
用語「PBS」とは、137mM NaCl、10mMリン酸塩、及び2.7mM KClを含有し、pH7.4である、リン酸緩衝水溶液を意味する。
【0150】
用語「マウス血清アルブミン」とは、UniProt受入番号P07724を指し、用語「カニクイザル血清アルブミン」(すなわち、カニクイザル(macaca fascicularis))とは、UniProt受入番号A2V9Z4を指し、用語「ヒト血清アルブミン」とは、UniProt受入番号P02768を指す。
【0151】
好ましくは、クリアランス、及び/又は曝露、及び/又は終末相半減期は、哺乳動物、より好ましくはマウス及び/又はカニクイザル、より好ましくはカニクイザルで評価する。好ましくは、クリアランス、及び/又は曝露、及び/又は終末相半減期をマウスで測定する場合、評価は、注入後最大48時間までのデータを考慮して実施する。より好ましくは、マウスにおける終末相半減期の評価は、24時間~48時間で計算される。好ましくは、クリアランス、及び/又は曝露、及び/又は終末相半減期をカニクイザルで測定する場合、評価は、注射後最大7日目までのデータを考慮して実施する。より好ましくは、カニクイザルにおける終末相半減期の評価は、1日目~5日目で計算する。当業者は、標的媒介クリアランスなどの効果を更に特定し、終末相半減期を計算する場合、それらを考慮することができる。本発明の組換え結合タンパク質などの薬物の用語「終末相半減期」とは、偽平衡に達した後、哺乳動物に適用した薬物の血漿中濃度の半分に達するのに必要な時間を指す(例えば、マウスでは24時間~48時間で計算し、又はカニクイザルでは1日目~5日目で計算する)。終末相半減期は、哺乳動物に投与された薬物の用量の半分を排泄するのに必要な時間とは定義されない。終末相半減期という用語は、当業者に周知である。好ましくは、薬物動態の比較は、任意の用量、より好ましくは同等の用量(すなわち、同一のmg/kg用量)又は等モル用量(すなわち、同一のmol/kg用量)、より好ましくは等モル投与量(すなわち、同一のmol/kg用量)、で行う。動物での同等及び/又は等モルの投与は、少なくとも20%、より好ましくは30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%の実験的な投与量のばらつきを伴うことが、当業者には理解される。好ましくは、薬物動態の測定に使用される用量は、0.001~1000mg/kg、より好ましくは0.01~100mg/kg、より好ましくは0.1~50mg/kg、より好ましくは0.5~10mg/kgから選択される。
【0152】
用語「4-1BB」及び「4-1BB受容体」とは、本出願で互換的に使用され、4-1BB受容体の任意の形態、並びに4-1BB受容体の活性の少なくとも一部を保持するバリアント、アイソフォーム、及び種相同体(species homolog)を指す。したがって、本明細書に定義及び開示される結合タンパク質はまた、ヒト以外の種から4-1BBに結合してもよい。他の場合では、結合タンパク質は、ヒト4-1BBに完全に特異的であってもよく、種又は他のタイプの交差反応性を呈しなくともよい。ヒト4-1BBに対する特定の参照によってなど異なる指示が無い限り、4-1BBは、天然配列4-1BB、例えば、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、及びウシの全ての哺乳動物種を含む。ヒト4-1BBのアミノ酸配列は、NCBI(www.ncbi.nlm.nih.gov/)参照配列NP_001552、及び配列番号76に示されている。カニクイザル及びマウス4-1BBのアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号77及び78に提供される。4-1BBは、シグナル配列、続いて細胞外ドメイン、膜貫通領域、及び細胞内ドメインを含む(Cheuk ATCら(2004年)「Cancer Gene Therapy」第11巻第215~226頁)。受容体は、免疫応答を刺激するためにその三量体リガンド(4-1BBL)に結合すると、受容体三量形成をされると考えられている(Bitra Aら、「J.Biol.Chem.」(2018年)第293巻第4号第1317~1329頁;Chinら、「Nature Communications」(2018年)第9巻第4679頁)。4-1BBの代替名又は同義語は、CD137及びTNFRSF9を含む。ヒト、カニクイザル、及びマウス4-1BBの細胞外ドメインのアミノ酸配列は、それぞれ、配列番号79、80、及び81に示されている。ヒト4-1BBLのアミノ酸配列は、NCBI参照配列NP_003802.1に示されている。
【0153】
本明細書で使用する場合の「4-1BBアゴニスト」とは、4-1BBに結合した際、(1)4-1BBを刺激若しくは活性化する、(2)4-1BBの活性、機能、若しくは存在を増強、増加、促進、誘導、若しくは延長する、又は(3)4-1BBの発現を増強、増加、促進、若しくは誘導する、任意の化学化合物又は生体分子を意味する。ヒト個体が治療されている本発明の治療方法、薬剤、医薬組成物、及び使用のいずれにおいても、4-1BBアゴニストは、4-1BB媒介応答を増加させる。本発明の治療方法、薬剤、医薬組成物、及び使用のいくつかの実施形態では、4-1BBアゴニストは、細胞傷害性T細胞応答を著しく増強することで、様々なモデルにおける抗腫瘍活性をもたらす。
【0154】
本発明の4-1BB特異的結合タンパク質に含まれる「ローカライザ分子」又は「ローカライザ」の文脈において、本明細書で互換的に使用される用語「局在化」又は「送達」とは、哺乳動物のローカライザ標的細胞又は組織に対し、結合タンパク質がローカライザを含まない場合と比較して、ローカライザを含むそのような4-1BB特異的結合タンパク質の局在化の増加を指す。この用語はまた、4-1BB特異的結合タンパク質を、哺乳動物におけるローカライザ標的細胞又は組織の部位に標的化することを指し、4-1BB特異的結合タンパク質は、ローカライザを含む。この用語は、好ましくは、哺乳動物におけるローカライザ標的細胞又は組織の部位での、ローカライザを含む4-1BB特異的結合タンパク質の蓄積及び/又は保持を更に包含する。この用語はまた、好ましくは、哺乳動物におけるローカライザ標的細胞又は組織の部位に、又はその近くにあるローカライザを含む、本発明の4-1BB特異的結合タンパク質によって誘導された4-1BB発現細胞における4-1BBの局所的活性化を包含する。そのような局所的活性化は、例えば、ローカライザを含む4-1BB特異的結合タンパク質の結合時に4-1BBのクラスタリングを介して起こってもよく、クラスタリングは、その標的細胞又は組織へのローカライザの結合によって媒介される。この段落で使用される場合、「哺乳動物」は、ヒトを包含する。「局在化」の結果は、当業者に周知の様々な手段によって測定されてもよい。一例として、「局在化」は、技術分野で周知の方法に従って、ローカライザに結合された本発明の結合タンパク質の臓器対血中比を決定することによって測定されてもよい。本発明の一実施形態では、ローカライザを含む4-1BB特異的結合タンパク質の「局在化」に対するローカライザの効果は、ローカライザを含まない対応する4-1BB特異的結合タンパク質と比較して、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、又は300%の増加した臓器対血中比によって提示される。
【0155】
用語「ローカライザ分子」及び「ローカライザ」とは、本明細書で互換的に使用され、本発明の4-1BB特異的結合タンパク質に含まれ得、それを含む本発明のそのような4-1BB特異的結合タンパク質を、例えばヒトを含む哺乳動物における標的細胞又は組織に局在化又は送達することができる、任意の分子を包含することが意図され、ローカライザは、標的細胞又は組織に結合する。ローカライザは、本発明の4-1BB特異的アンキリン反復ドメインに、結合、コンジュゲート、融合、又は別様に物理的に結合することができる。用語「ローカライザ分子」及び「ローカライザ」とは、ポリヌクレオチド、ペプチド/ポリペプチド、及び/又はこれらの特性を有する化学的若しくは生化学的薬剤を包含する。用語「ポリヌクレオチド」とは、一般に、DNA又はRNAを指し、DNA又はRNAの修飾された人工形態を含む。用語「ペプチド」とは、4~200アミノ酸長などの、4~600アミノ酸長のペプチド鎖を指し、したがって、ポリペプチド及びタンパク質を包含する。この用語は、足場、免疫調節タンパク質等に基づく、任意の天然由来若しくは人工の結合タンパク質、結合ドメイン、増殖因子受容体、又はそのフラグメント若しくはリガンド、サイトカイン、ポリペプチドホルモン、抗体、抗体様タンパク質を包含する。更に、用語「ペプチド」とはまた、例えばグリコシル化によって修飾されたペプチドと、2つ以上のポリペプチド鎖を含むタンパク質、4~600アミノ酸長の長さの各々、例えばインスリン及び免疫グロブリンなどのジスルフィド結合によって架橋されたタンパク質と、を包含する。用語「化学的又は生化学的薬剤」とは、レシピエントに投与され得る任意の天然由来又は合成の化合物を含むことが意図される。好ましい実施形態では、ローカライザは、標的特異的アンキリン反復ドメインである。
【0156】
用語「4-1BB発現細胞」とは、本明細書で使用される場合、T細胞、例えばCD8T細胞、制御性T細胞(Treg)及びNK T細胞(NK T cell:NKT)、好中球、顆粒球、単球、マスト細胞、好酸球、樹状細胞(dendritic cell:DC)、ナチュラルキラー(natural killer:NK)細胞、Bリンパ球及び白血球、並びに内皮細胞及び平滑筋細胞などの非造血系起源の細胞を含むが、これらに限定されない、細胞表面上に4-1BBを発現する任意の細胞を指す。
【0157】
用語「医学的状態」(又は、障害若しくは疾患)としては、自己免疫障害、炎症性障害、網膜症(特に、増殖性網膜症)、神経変性障害、感染症、代謝性疾患、及び腫瘍性疾患が挙げられる。本明細書に記載の組換え結合タンパク質のいずれかは、このような障害、特に、自己免疫障害、炎症性障害、免疫不全、及び腫瘍性疾患からなる群から選択される障害の治療のための薬剤の調製に使用してもよい。「医学的状態」とは、不適切な細胞増殖を特徴とする状態であってもよい。医学的状態は、過剰増殖状態であってもよい。本発明は、特に、医学的状態の治療方法に関し、方法は、このような治療を必要とする患者に、本発明の組換え結合タンパク質又は上記の医薬組成物の治療有効量を投与する工程を含む。好ましい実施形態では、当該医学的状態は、腫瘍性疾患である。用語「腫瘍性疾患」とは、本明細書で使用する場合、急速に増殖する細胞増殖又は新生物を特徴とする、細胞又は組織の異常な状況又は状態(state or condition)を指す。一実施形態では、当該医学的状態は、悪性腫瘍性疾患である。一実施形態では、当該医学的状態は、がんである。用語「治療有効量」とは、患者に対して所望の効果をもたらすのに充分な量を意味する。
【0158】
用語「抗体」とは、インタクトな抗体分子だけでなく、免疫原結合能力を保持する抗体分子の任意のフラグメント及びバリアントも意味する。そのようなフラグメント及びバリアントもまた技術分野で周知であり、インビトロ及びインビボの両方で定期的に使用されている。したがって、用語「抗体」とは、インタクトな免疫グロブリン分子、例えばFab、Fab’、F(ab’)などの抗体フラグメント、単鎖V領域フラグメント(scFv)、二重特異性抗体、キメラ抗体、抗体融合ポリペプチド、及び非慣例抗体(unconventional antibody)を包含する。
【0159】
用語「がん」及び「がん性」とは、本明細書では、典型的には未制御の細胞増殖を特徴とする、哺乳動物における生理学的状態を指すか、又はこれを説明するために使用される。がんは、固形腫瘍及び液体腫瘍、並びに原発腫瘍及び腫瘍転移を包含する。「腫瘍」は、1つ以上のがん性細胞を含む。固形腫瘍はまた、典型的には、腫瘍間質も含む。がんの例としては、原発性及び転移性がん腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、及び白血病、並びに任意の他の上皮及びリンパ性悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。そのようながんのより具体的な例としては、脳がん、膀胱がん、乳がん、卵巣がん、明細胞腎臓がん、頭頸部扁平上皮細胞がん、肺腺がん、肺扁平上皮細胞がん、悪性メラノーマ、非小細胞肺がん(non-small-cell lung cancer:NSCLC)、卵巣がん、膵がん、前立腺がん、腎細胞がん、小細胞肺がん(small-cell lung cancer:SCLC)、トリプルネガティブ乳がん、急性リンパ芽球性白血病(acute lymphoblastic leukemia:ALL)、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)、慢性リンパ球性白血病(chronic lymphocytic leukemia:CLL)、慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia:CML)、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)、濾胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫(Hodgkin's lymphoma:HL)、マントル細胞リンパ腫(mantle cell lymphoma:MCL)、多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)、骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)、非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin's lymphoma:NHL)、頭頸部扁平上皮細胞がん(Squamous Cell Carcinoma of the Head and Neck:SCCHN)、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia:CML)、小リンパ球性リンパ腫(small lymphocytic lymphoma:SLL)、悪性中皮腫結腸直腸がん、又は胃がんが挙げられる。
【実施例
【0160】
以下に開示の出発物質及び試薬は、当業者に既知であり、市販されている、及び/又は周知の技術を用いて調製することができる。
【0161】
材料
化学物質はSigma-Aldrich(USA)より購入した。オリゴヌクレオチドはMicrosynth(Switzerland)より購入した。特に明記しない限り、DNAポリメラーゼ、制限酵素、及び緩衝液は、New England Biolabs(USA)又はFermentas/Thermo Fisher Scientific(USA)より購入した。誘導性大腸菌(E.coli)発現株は、クローニング及びタンパク質産生に使用した。例えば、E.coli XL1-blue(Stratagene、USA)又はBL21(Novagen、USA)。ヒト4-1BB(ビオチン化又は非ビオチン化)の細胞外ドメインの組換えFc融合タンパク質は、BPS Bioscienceから購入した。カニクイザル4-1BBの細胞外ドメインの組換えFc融合タンパク質は、Evitria AGから購入した。
【0162】
分子生物学
特に明記しない限り、方法は、既知のプロトコルに従って実施される(例えば、Sambrook J.、Fritsch E.F.、及びManiatis T.、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory(1989年)、New York参照)。
【0163】
設計アンキリン反復タンパク質ライブラリ
設計アンキリン反復タンパク質ライブラリを生成する方法は、例えば、米国特許第7,417,130号;Binzら、(2003年)上記引用;Binzら、(2004年)上記引用に記載されている。このような方法により、ランダム化アンキリン反復モジュール及び/又はランダム化キャッピングモジュールを有する、設計アンキリン反復タンパク質ライブラリを構築することができる。例えば、そのようなライブラリはしたがって、固定化N末端キャッピングモジュール(例えば、配列番号44、45、又は46のN末端キャッピングモジュール)、又は配列番号47によるランダム化N末端キャッピングモジュール、配列番号48、49、又は50の配列モチーフによる1つ以上のランダム化反復モジュール、及び固定化C末端キャッピングモジュール(例えば、配列番号72、73、又は74のC末端キャッピングモジュール)、又は配列番号75によるランダム化C末端キャッピングモジュールに基づいて組み立てることができた。好ましくは、そのようなライブラリは、アミノ酸C、G、M、N(G残基の前)、及び反復又はキャッピングモジュールのランダム化位置におけるPのいずれかを有しないように組み立てられる。加えて、配列番号48、49、又は50の配列モチーフによるランダム化反復モジュールは、位置10及び/又は位置17で更にランダム化することができた。配列番号47の配列モチーフによるランダム化N末端キャッピングモジュールは、位置7及び/又は位置9で更にランダム化することができた。そして、配列番号75の配列モチーフによるランダム化C末端キャッピングモジュールは、位置10、11、及び/又は17において更にランダム化することができた。
【0164】
更に、そのようなライブラリのそのようなランダム化モジュールは、ランダム化アミノ酸位置を有する追加のポリペプチドループ挿入を含んでもよい。そのようなポリペプチドループ挿入の例は、抗体又はデノボ生成ペプチドライブラリの補体決定領域(complement determining region:CDR)ループライブラリである。例えば、そのようなループ挿入は、ガイダンスとして、ヒトリボヌクレアーゼLのN末端アンキリン反復ドメインの構造を用いて設計することができた(Tanaka,N.、Nakanishi,M、Kusakabe,Y、Goto,Y.、Kitade,Y、Nakamura,K.T.、「EMBO J.」第23巻第30号第3929~3938頁(2004年))。2つのアンキリン反復の境界近くに存在するβターンに10個のアミノ酸が挿入される、このアンキリン反復ドメインと同様に、アンキリン反復タンパク質ライブラリは、アンキリン反復ドメインの1つ以上のβターンに挿入された可変長(例えば、1~20個のアミノ酸)のランダム化ループ(固定化及びランダム化位置を有する)を含有してもよい。
【0165】
アンキリン反復タンパク質ライブラリの任意のそのようなN末端キャッピングモジュールは、好ましくは、RILLAA、RILLKA、又はRELLKAモチーフ(例えば、配列番号1の位置21から26に存在)を持ち、アンキリン反復タンパク質ライブラリの任意のそのようなC末端キャッピングモジュールは、好ましくは、KLN、KLA、又はKAAモチーフ(例えば、配列番号1の最後の3個のアミノ酸に存在)を持つ。
【0166】
そのようなアンキリン反復タンパク質ライブラリの設計は、標的と相互作用するアンキリン反復ドメインの既知の構造によって誘導されてもよい。そのような構造の例は、それらのタンパク質構造データバンク(Protein Data Bank:PDB)固有の受託コード又は識別コード(PDB-ID)によって特定され、1WDY、3V31、3V30、3V2X、3V2O、3UXG、3TWQ-3TWX、1N11、1S70、及び2ZGDである。
【0167】
N2C及びN3Cの設計アンキリン反復タンパク質ライブラリといった設計アンキリン反復タンパク質ライブラリの例が記載されている(米国特許第7,417,130号;Binzら、(2003年)上記引用;Binzら、(2004年)上記引用)。N2C及びN3Cの数字は、N末端及びC末端のキャッピングモジュール間に存在するランダム化反復モジュールの数を説明している。
【0168】
反復単位及びモジュール内の位置を定義するために使用される命名法は、Binzら(2004年)の上記引用に基づき、アンキリン反復モジュールとアンキリン反復単位との境界が、1アミノ酸位置シフトするという修飾を伴う。例えば、Binzら(2004年)の上記引用のアンキリン反復モジュールの位置1は、本開示のアンキリン反復モジュールの位置2に対応し、結果として、Binzら(2004年)の上記引用のアンキリン反復モジュールの位置33は、は、本開示の以下のアンキリン反復モジュールの位置1に対応する。
【0169】
全てのDNA配列をシーケンシングによって確認し、選択されたタンパク質の計算された分子量を、質量分析によって確認した。
【0170】
実施例1:4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む結合タンパク質の選択
リボソームディスプレイ(Hanes,J.及びPluckthun,A.、「PNAS」第94巻第4937~42頁(1997年))を用いて、ヒト4-1BB(h4-1BB)に対して結合特異性を有する多くのアンキリン反復タンパク質を、Binzら(2004年)の上記引用による記載と同様のDARPin(登録商標)ライブラリから選択した。組換えヒト4-1BB標的に対する選択されたクローンの結合は、粗抽出物の均一時間分解蛍光測定(Homogeneous Time Resolved Fluorescence:HTRF)によって評価され、何百ものh4-1BB特異的結合タンパク質が首尾よく選択されたことを示した。例えば、配列番号1~27のアンキリン反復ドメインは、h4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復ドメインを含む、選択された結合タンパク質のアミノ酸配列を構成する。h4-1BBに結合特異性を有するそのようなアンキリン反復ドメインからの個々のアンキリン反復モジュールは、例えば、配列番号58~71に提供される。
【0171】
リボソームディスプレイによる4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質の選択
h4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質の選択は、ヒト4-1BBの細胞外ドメイン(配列番号79)(単独、又はh4-1BBLとの複合体)を、標的タンパク質、上記のアンキリン反復タンパク質のライブラリ、及び確立されたプロトコルとして用いる、リボソームディスプレイ(Hanes及びPluckthun(上記引用))によって実施した(例えば、Zahnd,C.、Amstutz,P.、及びPluckthun,A.、「Nat.Methods」第4巻第69~79頁(2007年)参照)。各選択ラウンド後の逆転写(reverse transcription:RT)-PCRサイクルの数は、バインダの富化による収量に合わせて、連続して45から28に減少した。選択の最初の4ラウンドでは、標準的なリボソームディスプレイ選択を採用し、標的濃度を低減させ、洗浄ストリンジェンシを増加させて、選択圧をラウンド1からラウンド4まで増加させた(Binzら(2004年)上記引用)。いくつかのプールについては、全てのリボソームディスプレイ選択ラウンドの洗浄工程中で、低塩濃度を使用した。高親和性4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質を富化するために、標準リボソームディスプレイ選択(上記)の第4ラウンドからの出力を、選択ストリンジェンシの増加を伴うオフレート選択ラウンドに供した(Zahnd(2007年)上記引用)。最後の標準選択ラウンドを、オフレート選択ラウンドの後に実施して、オフレート選択された結合タンパク質を増幅及び回収した。これら最後の2つの選択ラウンドでは、RT-PCRサイクルの数は、30で一定に保たれた。
【0172】
選択されたクローンは粗抽出物HTRFにより示されるように4-1BBへ特異的に結合する
溶液中の4-1BBに特異的に結合する個々の選択されたアンキリン反復タンパク質は、標準プロトコルを用いたアンキリン反復タンパク質発現大腸菌(Escherichia coli)細胞の粗抽出物を用いた、均一時間分解蛍光測定(HTRF)アッセイによって特定された。リボソームディスプレイによって選択されたアンキリン反復タンパク質クローンを、pQE30(Qiagen)発現ベクタの誘導体(pMPAG06、pMPAS242、又はpMPAS245のいずれか)にクローニングし、E.coli XL1-Blue(Stratagene)中に形質転換し、LB寒天(1%グルコース及びアンピシリン50μg/mL含有)上にプレーティングし、次いで37℃で一晩インキュベートした。ベクタpMPAS242又はpMPAS245を使用して、N末端及びC末端キャッピング反復を交換した。単一のコロニーを、160μLの増殖培地(1%グルコース及びアンピシリン50μg/mLを含有するTB)を含有する96ウェルプレート(単一ウェル内の各クローン)中に拾い上げ、37℃で一晩インキュベートし、800rpmで振盪した。アンピシリン50μg/mLを含有する150μLの新鮮なTB培地に、新しい96ディープウェルプレート中8.5μLの一晩培養物を播種した。37℃及び850rpmで120分間インキュベートした後、発現をIPTG(最終濃度0.5mM)で誘導し、4時間続けた。細胞を収集し、ペレットを、8.5μLのB-PERII(Thermo Scientific)中に再懸濁する前に-20℃で一晩凍結し、振盪(600rpm)しながら室温で1時間インキュベートした。次いで、160μLのPBSを添加し、細胞片を遠心分離によって除去した(3220gで15分間)。
【0173】
各溶解したクローンの抽出物を、PBSTB(0.1%Tween20(登録商標)及び0.2%(w/v)BSA、pH7.4を補充したPBS)中で、2nM(最終濃度)ビオチン化ヒト4-1BB、1:400(最終濃度)の抗-6His-D2 HTRF抗体-FRET受容体コンジュゲート(Cisbio)、及び1:400(最終濃度)の抗strep-Tb抗体FRETドナーコンジュゲート(Cisbio)と一緒に、1:2000希釈(最終濃度)として384ウェルプレートのウェルへ適用し、室温で75分間インキュベートした。HTRFは、340nmの励起波長及び665±10nmの発光フィルタを用いて、Tecan M1000上で読み取った。そのような粗細胞抽出物HTRFによる数百のクローンのスクリーニングは、ヒト4-1BBに特異的な数百の異なるアンキリン反復ドメインを明らかにした。ヒト4-1BBに特異的に結合する選択されたアンキリン反復ドメインのアミノ酸配列の例は、配列番号1~27で提供されている。
【0174】
ヒト4-1BBに対して結合特異性を有するこれらのアンキリン反復ドメイン、及びヒト4-1BBに対して結合特異性を有しない陰性対照アンキリン反復ドメイン(配列番号42)を、N末端Hisタグ(配列番号43)を提供するpQE(QIAgen、Germany)ベースの発現ベクタにクローニングして、以下に記載されるような単純なタンパク質精製を容易にする。例えば、以下のアンキリン反復タンパク質をコードする発現ベクタを構築した:
DARPin(登録商標)タンパク質第1番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号1);
DARPin(登録商標)タンパク質第2番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号2);
DARPin(登録商標)タンパク質第3番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号3);
DARPin(登録商標)タンパク質第4番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号4);
DARPin(登録商標)タンパク質第5番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号5);
DARPin(登録商標)タンパク質第6番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号6);
DARPin(登録商標)タンパク質第7番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号7);
DARPin(登録商標)タンパク質第8番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号8);
DARPin(登録商標)タンパク質第9番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号9);
DARPin(登録商標)タンパク質第10番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号10);
DARPin(登録商標)タンパク質第11番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号11);
DARPin(登録商標)タンパク質第12番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号12);
DARPin(登録商標)タンパク質第13番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号13);
DARPin(登録商標)タンパク質第14番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号14);
DARPin(登録商標)タンパク質第15番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号15);
DARPin(登録商標)タンパク質第16番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号16);
DARPin(登録商標)タンパク質第17番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号17);
DARPin(登録商標)タンパク質第18番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号18);
DARPin(登録商標)タンパク質第19番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号19);
DARPin(登録商標)タンパク質第20番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号20);
DARPin(登録商標)タンパク質第21番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号21);
DARPin(登録商標)タンパク質第22番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号22);
DARPin(登録商標)タンパク質第23番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号23);
DARPin(登録商標)タンパク質第24番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号24);
DARPin(登録商標)タンパク質第25番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号25);
DARPin(登録商標)タンパク質第26番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号26);
DARPin(登録商標)タンパク質第27番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号27)。
【0175】
h4-1BBに対して結合特異性を有する追加のアンキリン反復タンパク質の操作
更に、pQEベースの発現ベクタは、ヒト4-1BBに特異的に結合する以下のアンキリン反復タンパク質をコードして構築される:
DARPin(登録商標)タンパク質第28番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号28);
DARPin(登録商標)タンパク質第29番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号29);
DARPin(登録商標)タンパク質第30番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号30);
DARPin(登録商標)タンパク質第31番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号31);
DARPin(登録商標)タンパク質第32番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号32)。
DARPin(登録商標)タンパク質第33番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号33);
DARPin(登録商標)タンパク質第34番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号34);
DARPin(登録商標)タンパク質第35番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号35)。
DARPin(登録商標)タンパク質第36番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号36);
DARPin(登録商標)タンパク質第37番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号37);
DARPin(登録商標)タンパク質第38番(そのN末端に融合された、Hisタグ(配列番号43)を有する配列番号38)。
【0176】
配列番号28~38は、配列番号1の配列に基づいて操作される。配列番号28~38において、配列番号1の配列は、N末端キャッピングモジュールにおけるRELLKAモチーフ(位置21~26)をRILLKA又はRILLAAで置き換えることによって、C末端キャッピングモジュールにおけるバリン(位置116)をグルタミン酸で置き換えることによって、及び/又はC末端キャッピングモジュールにおけるKAAモチーフ(位置124~126)をKLNで置き換えることによって、修飾される。これらの修飾は、単独又は組合せで、配列番号1と比較して、配列番号28~38の有意に変化した構造又は機能的特性をもたらさない。
【0177】
4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質の高レベルで可溶性の発現
更なる分析のために、上記のように粗細胞抽出物HTRFで特異的な4-1BB結合を示す選択されたクローンを、大腸菌(E.coli)細胞で発現させ、標準プロトコルに従ってそれらのHisタグを用いて精製した。25mLの静置した一晩培養物(TB、1%グルコース、アンピシリン50mg/L、37℃)を使用して、500mLの培養物(TB、アンピシリン50mg/L、37℃)を播種した。600nmで1.0~1.5の吸光度において、培養物を0.5mM IPTGで誘導し、振盪しながら37℃で4~5時間インキュベートした。培養物を遠心分離し、得られたペレットを、25mLのTBS500(50mM Tris-HCl、500mM NaCl、pH8)中に再懸濁し、溶解した(超音波処理又はフレンチプレス)。溶解後、試料を50KU DNase/mLと混合し、62.5℃で30分間の熱処理工程の前に15分間インキュベートし、遠心分離し、上清を回収し、濾過した。Triton X100(最終濃度1%(v/v))及びイミダゾール(最終濃度20mM)を、ホモジネートに添加した。タンパク質をNi-ニトリロ三酢酸(Ni-NTA)カラムで精製し、続いて、当業者に知られている標準的なプロトコル及び樹脂による、AKTAxpress(商標)システムで分子ふるいクロマトグラフィを行った。あるいは、Hisタグを欠く選択されたアンキリン反復ドメインは、大腸菌(E.coli)における高細胞密度発酵によって産生され、当業者に知られている標準的な樹脂及びプロトコルに従って、一連のクロマトグラフィ及び限外/ダイアフィルトレーション工程によって精製される。4-1BBに対して結合特異性を有する高可溶性アンキリン反復タンパク質は、4~12%のSDS-PAGEから推定される95%超の純度で、大腸菌(E.coli)培養物から精製した(培養物1リットル当たり最大200mgのアンキリン反復タンパク質)。そのようなSDS-PAGE分析の代表的な例を、図1に示す。
【0178】
実施例2:表面プラズモン共鳴(SPR)分析による4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復タンパク質の解離定数(K)の決定
ヒト4-1BB標的上の精製されたアンキリン反復タンパク質の結合親和性を、ProteOn装置(BioRad)を用いて分析し、当業者に既知の標準的な手順に従って測定を行った。
【0179】
簡単に説明すると、ビオチン化ヒト4-1BBを、PBST(PBS、pH7.4、0.005%Tween20(登録商標)含有)で希釈し、NLCチップ(BioRad)上に、約320共鳴単位(RU)(シングルトレースSPR測定については600RU)のレベルまで被覆した。次いで、アンキリン反復タンパク質とh4-1BBとの相互作用を、マルチトレースSPR測定で50nM~0.5nMの範囲濃度又はシングルトレース測定について50nMの濃度をカバーする、アンキリン反復タンパク質の連続希釈液を含有する200μLの泳動用緩衝液(PBS、0.005% Tween20(登録商標)を含有するpH7.4)を注入し(オンレート測定)、続いて100μL/分の一定流量で少なくとも30分間にわたり泳動用緩衝液流を注入することによって(オフレート測定)、測定した。再生は、30μLの10mMグリシンpH2、続いて30μLの124mM HP0を用いて実施した。スポット間(interspots)のシグナル(すなわち、共鳴単位(RU)値)及び参照注入(すなわち、泳動用緩衝液のみ注入)を、アンキリン反復タンパク質(二重参照)の注入後に得られたRUトレースから差し引いた。オンレート及びオフレート測定から得られたSPRトレースに基づいて、対応するアンキリン反復タンパク質-4-1BB相互作用のオンレート及びオフレートを決定した。
【0180】
代表的な例として、図2A及び図2Bは、DARPin(登録商標)タンパク質第1番及びDARPin(登録商標)タンパク質第5番について得られたSPRトレースを示す。解離定数(K)は、当業者に既知の標準的な手順を用いて、推定されたオンレート及びオフレートから計算された。ヒト4-1BBによる選択されたアンキリン反復タンパク質の結合相互作用のK値を、20pM~5nMの範囲にあると決定した。表1は、例として、いくつかの選択されたアンキリン反復タンパク質のK値を提供する。本発明の4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質もまた、カニクイザル4-1BBに特異的に結合した。
【0181】
【表1】
【0182】
実施例3:4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質による細胞における4-1BBシグナル伝達の活性化
4-1BBに対して結合特異性を有するアンキリン反復タンパク質が細胞内で4-1BBシグナル伝達を活性化する能力を、h4-1BB-HT1080レポータアッセイで試験した。
【0183】
ヒト4-1BB及びNF-κβ制御ルシフェラーゼレポータ遺伝子を発現するHT1080細胞の生成。線維肉腫細胞株HT1080(ATCC(登録商標)CCL-121(商標))を、OriGene Technologies(#RC200664)から入手したヒト4-1BB(Myc-DDKタグ付き)のcDNAを含むプラスミドで形質導入した。これは、ヒト4-1BBの配列(Uniprot受入Q07011又はNCBI参照配列NM_001561)を、CMV-プロモータ及びネオマイシン耐性遺伝子の制御下において含有する。細胞は、10%(v/v)FBS及びG418(Geneticin(登録商標))を補充した、最小必須培地(Minimum Essential Medium:MEM)α培地+Glutamaxで培養した。4-1BB形質導入HT1080細胞を、マウス抗ヒト4-1BB抗体クローン4B4-1(BD Pharmingen(商標)、カタログ番号550890)を用いたフローサイトメトリによって、ヒト4-1BB発現について評価した。HT1080細胞を発現するh4-1BBの集団を濃縮するために、トランスフェクトされた細胞を、同じ抗体を用いてフローサイトメトリによって選別した。h4-1BB HT1080細胞を、NF-κB制御マウスインターフェロンβ最小プロモータ及びリポフェクタミンを用いたZeocin(商標)耐性遺伝子の制御下において、分泌されたルシフェラーゼレポータ遺伝子を含有する、NF-κΒ-ルシフェラーゼレポータプラスミドpNiFty3-N-Lucia(Invivogen、カタログコードpnf3-lc2)で更にトランスフェクトした。トランスフェクト細胞は、10%(v/v)FBS、G418(Geneticin(登録商標))、Zeocin(商標)(Invivogen、カタログ番号ant-zn-1)、及びNormocin(商標)(Invivogen、カタログ番号ant-nr-1)を補充した、最小必須培地(MEM)α培地+Glutamaxで培養した。アッセイには、h4-1BB-HT1080-Lucia細胞の集団を使用した。
【0184】
アッセイ設定:NF-κΒ-ルシフェラーゼヒト4-1BB HT1080細胞を収集し、10%(v/v)FBS、1%PenStrep、1mg/mL G418、100μg/mL Normocin、及び100μg/mL Zeocinを補充した、MEMα培地+Glutamax中に再懸濁した。96ウェル平底プレートを、30nM抗ペンタ-His抗体(Qiagen、カタログ番号34660)により、PBS中において4℃で一晩被覆した。PBSで3回洗浄した後、プレートを、1%FBSを含有するPBSで1時間ブロックした後、プレート上でそれらを架橋するために、アンキリン反復タンパク質の濃度を上げながら室温で2時間インキュベートした。次に、h4-1BB-HT1080ルシフェラーゼ細胞を添加し、プレートを、37℃、5%COで一晩インキュベートした。上清を回収し、新しい96ウェルプレートで遠心分離した。これらの細胞における4-1BBシグナル伝達のトリガは、発光性の基質を用いて活性を監視することができるルシフェラーゼのNFκB媒介分泌をもたらす。QUANTI-Lucルシフェラーゼ基質(Invivogen、カタログ番号rep-qlc1)を上清と混合し、Tecan M1000発光プレートリーダ上で発光を読み取った。アッセイ設定を図3に模式的に示す。可溶性(非架橋)抗4-1BBモノクローナル抗体(クローン20H4.9-IgG4)が対照として含まれた。
【0185】
結果:4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質は、濃度依存的な様式で、h4-1BB発現HT1080ルシフェラーゼ細胞において4-1BB媒介NF-κBシグナル伝達を活性化した(図4A図4D)。結果は、4-1BBに対して結合特異性を有する開示されたアンキリン反復タンパク質が、細胞における4-1BBシグナル伝達を活性化できることを実証した。完全活性のFc架橋を必要とすると考えられている抗4-1BBモノクローナル抗体(クローン20H4.9)は、可溶性形態で4-1BBシグナル伝達をある程度活性化することができた。
【0186】
実施例4:ローカライザ分子に結合された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質は細胞に結合し、ローカライザ媒介クラスタリングを介して4-1BBシグナル伝達を活性化する
細胞表面上の4-1BBのアゴニスト媒介性クラスタリングは、4-1BBシグナル伝達の効果的な活性化に必要であるか、又は少なくとも非常に有益であると考えられている。4-1BBのそのようなクラスタリング及び活性化は、実施例3に示すように、抗体によって架橋された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質によって媒介され得る。4-1BBのこのようなクラスタリング及び活性化はまた、ローカライザ分子に結合された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質によっても媒介され得るかどうかを試験するために、選択された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質は、ローカライザ分子、腫瘍抗原A(以下、「TAA」と称する)を標的とするローカライザ、すなわちTAA特異的アンキリン反復ドメインの一例に、遺伝的に結合された。得られた構築物は、(1)N末端Hisタグ(配列番号43)と、(2)TAA特異的ローカライザ分子と、(3)ペプチドリンカを介してTAA特異的ローカライザ分子に接続され、構築物内のTAA特異的ローカライザ分子のC末端に位置した4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質と、を含んだ(「TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物」)。TAAの分子的同一性は、2019年6月4日に米国特許商標庁に出願され、Molecular Partners AGに譲渡された「Multispecific Proteins」と題する米国仮特許出願第62/857,037号、及び米国特許第62/857,037号から優先権を主張し、本PCT出願の出願日に出願されたPCT国際特許出願において開示されている。
【0187】
TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物は、一価の4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを、BamHI及びHindIIIを介して、発現ベクタ(TAA特異的アンキリン反復ドメイン及びペプチドリンカ(配列番号NO:39)をコードする配列、並びにタンパク質精製を容易にするためのN末端Hisタグ(配列番号43)を提供する、pMPCME298)中にクローニングすることによって生成され、BsaI及びHindIIIを介して切断された。TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物を含有する、正しくシーケンシングされたベクタを、誘導性大腸菌(E.coli)細菌に形質転換し、TB培地150mL(アンピシリン50μg/ml含有、0.5mM IPTGでOD600~1にて誘導し、37℃で6時間インキュベートした)で発現させた。超音波処理を用いて細胞を溶解し、2つのtriton洗浄工程を備えたIMACベンチトップ精製を用いてタンパク質を精製した。
【0188】
以下のTAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物を、更なる機能的試験のために生成した:
DARPin(登録商標)タンパク質第44番(配列番号1を4-1BB DARPin(登録商標)タンパク質として含む);
DARPin(登録商標)タンパク質第45番(配列番号2を4-1BB DARPin(登録商標)タンパク質として含む);
DARPin(登録商標)タンパク質第46番(配列番号3を4-1BB DARPin(登録商標)タンパク質として含む);
DARPin(登録商標)タンパク質第47番(配列番号4を4-1BB DARPin(登録商標)タンパク質として含む);
DARPin(登録商標)タンパク質第48番(配列番号5を4-1BB DARPin(登録商標)タンパク質として含む);
DARPin(登録商標)タンパク質第49番(配列番号6を4-1BB DARPin(登録商標)タンパク質として含む)。
【0189】
陰性対照として、ヒト4-1BBに対して結合特異性を有しないアンキリン反復ドメイン(配列番号42)を、ベクタにクローニングして、DARPin(登録商標)タンパク質第50番:
DARPin(登録商標)タンパク質第50番(4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの代わりに配列番号42を含む)を得た。
【0190】
TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物は、4-1BB及びTAAに高親和性で結合する
TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物をSPRで調査して、ヒト4-1BB、カニクイザル4-1BB、及びヒトTAA標的について、正確な親和性データを得た。
【0191】
アッセイ設定:簡単に説明すると、SPR測定は、上記のようにProteOn XPR36装置(BioRad)を用いて行った。ビオチン化したヒト及びカニクイザル4-1BB、並びにヒトTAAを、それぞれ、600RU、700RU、及び2000RUに達するように、GLCチップ上で、NeutrAvidin(約6000RUのプレコート)を介して直接的又は間接的のいずれかで不動化した。TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物の被覆された標的への相互作用は、30μL/分の一定流量を用いて、120秒の会合及び1800秒の解離による、50、16.7、5.6、1.9、及び0.6nMの連続希釈でDARPin(登録商標)分子を注入することによって測定された。標的は、10mMグリシンpH2と124mM HP0を用いて、個々の測定の間に再生された。シグナルは、泳動用緩衝液(PBST)処理対照レーンに対して、二重に参照された。
【0192】
スクリーニング:TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物のSPR測定の結果を、表2に概説する。TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物は、ヒト4-1BBについて0.4~1.5nM、カニクイザル4-1BBについて1.1~2.9nM、及びヒトTAAについて0.1~0.4nMの結合親和性を示した。TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物は、h4-1BBよりも高い親和性でhTAAに結合した。カニクイザル4-1BBへの交差反応性結合を、試験したTAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物の全てについて、ヒト4-1BBと比較して、結合親和性において最大で約4倍の差で確認した。
【0193】
【表2】
【0194】
TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物は、4-1BB発現細胞に結合する
次いで、TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物を、イオノマイシン/PMA刺激CEM細胞への結合について試験した。図5に示すように、全ての構築物はCEM細胞に結合する。
【0195】
アッセイ設定:細胞上における細胞膜結合ヒト4-1BBへのアンキリン反復タンパク質結合は、4-1BBを発現するためにイオノマイシン(ionomcycin)/PMA(ホルボール12-ミリスタート13-アセタート)で刺激された、Tリンパ芽球細胞株CCRF-CEM(ATCC(登録商標)CCL-119(商標))を用いて、フローサイトメトリによって測定した。10%(v/v)FBS+1%PenStrepを補充したRPMI培地で培養したCEM細胞を収集し、同じ培地+PMA(10ng/ml)及びイオノマイシン(500ng/ml)を用いて96ウェルU底プレートにおいて一晩刺激した。刺激した後、4-1BBの発現を、マウス抗ヒト4-1BB抗体クローン4B4-1(BD Pharmingen(商標)、カタログ番号550890)を用いたフローサイトメトリによって確認した。刺激されたCEM細胞を収集し、次いで、30,000個の細胞を、FACS緩衝液(PBS+2%(v/v)FBS+0.1%アジ化ナトリウム)中のHisタグ付きアンキリン反復タンパク質の濃度を増加させながら、氷上で30分間インキュベートした。細胞をFACS緩衝液で洗浄し、抗ペンタ-His Alexa Fluor-488検出抗体(Qiagen、カタログ番号35310)により、氷上で30分間インキュベートした。PBSで洗浄した後、細胞をLive/Dead Aqua dye(ThermoFisher、第L34957番)で染色し、BD FACS Canto II又はAttuneNxT cytometerを用いて分析した。
【0196】
結果:図5に示すように、組換え4-1BBへの結合を示す全てのTAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物はまた、活性化CEM細胞上の細胞膜発現ヒト4-1BBにも結合する。
【0197】
TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物は、ローカライザ誘導クラスタリングによって媒介された4-1BB発現細胞中の4-1BBシグナル伝達を活性化する
次いで、TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物を、ローカライザを介したクラスタリングによって媒介される4-1BB発現細胞中の4-1BBシグナル伝達を活性化する能力について、更に試験した。TAA被覆ビーズの存在下において共培養されたヒト4-1BBを発現する、HT1080細胞におけるNF-κBレポータ遺伝子活性化を測定するアッセイを使用した。
【0198】
アッセイ設定:HT1080細胞発現ヒト4-1BB及びNF-κΒ-ルシフェラーゼレポータ遺伝子(実施例3を参照)を収集し、10%(v/v)FBS、1%PenStrep、1mg/mL G418、100μg/mL Normocin、及び100μg/mL Zeocinを補充した、MEMα培地+Glutamax中に再懸濁した。96ウェルプレートを用いて、10,000個のh4-1BB-HT1080ルシフェラーゼ細胞を、ヒトTAA被覆ビーズと一緒に、TAA-ビオチン被覆ストレプトアビジンビーズの存在下においてDARPin(登録商標)タンパク質の濃度を増加させながらプレーティングした。プレートを、37℃、5%COで、20時間でインキュベートした。次いで、上清を回収し、新しい96ウェルプレートで遠心分離した。QUANTI-Luc試薬(Invivogen、カタログ番号rep-qlc1)を上清と混合し、Tecan M1000発光プレートリーダ上で発光を読み取った。EC50値は、Graphpad Prismソフトウェア(バージョン7.02)を用いて、4パラメータロジスティック適合モデルにデータを適合させることによって、決定した。
【0199】
結果:このh4-1BB-HT1080ルシフェラーゼレポータアッセイは、4-1BB特異的アンキリン反復ドメインがTAA特異的ローカライザに結合している場合(TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物のように)、開示された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質が、TAA被覆ビーズの存在下において4-1BBアゴニズムを示すことを実証した(図6A及び図6Bを参照)。4-1BBアゴニズムは、TAA被覆ビーズの非存在下において又は4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質に結合されたローカライザの非存在下において、アゴニズムが観察されなかったため、ローカライザ媒介クラスタリングに依存した。表3は、例として、選択されたTAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物のEC50値を提供する:
【0200】
【表3】
【0201】
TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物を、TAA発現細胞の存在下において共培養された4-1BB発現HT1080細胞におけるNF-κBレポータ遺伝子活性化を測定するアッセイを用いて、ローカライザを介したクラスタリングによって媒介される4-1BB発現細胞において4-1BBシグナル伝達を活性化するこれらの能力について、更に試験した。
【0202】
ヒトTAAを発現するCHO細胞の作成
簡単に言えば、発現ベクタ(pMPMPA13)は、ヒトTAAをコードするcDNAを用いて、標準的な分子生物学技術によって生成された。チャイニーズハムスタ卵巣(Chinese hamster ovary:CHO)細胞(ATCC(登録商標)CCL-121(商標))を、Lipofectamineを用いて発現ベクタでトランスフェクトした。選択圧は、異なる濃度のGeneticin G-418(Promega、V8091)を用いて適用された。hTAAの発現を、抗TAA抗体を用いてフローサイトメトリによって分析した。CHO-TAAトランスフェクタントの2つの異なる集団(集団1及び集団2)を、更なる実験のために選択した。FACS分析は、野生型CHO細胞(CHO-wt)ではなくCHO-TAA細胞が、細胞表面上にhTAAを発現することを実証した(データ示さず)。
【0203】
アッセイ設定:h4-1BB-HT1080ルシフェラーゼ細胞及びCHO-TAA細胞を収集し、10%(v/v)FBS、1%PenStrep、1mg/mL G418、100μg/mL Normocin(商標)、及び100μg/mL Zeocin(商標)を補充した、MEMα培地+Glutamax中に再懸濁した。96ウェルプレートを用いて、40,000個のh4-1BB-HT1080-ルシフェラーゼ細胞及び40,000個のCHO-TAA細胞をプレーティングし、TAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物の濃度を上げながら細胞に添加し、37℃、5%COでインキュベートした。20時間後、上清を回収し、新しい96ウェルプレートで遠心分離した。QUANTI-Luc試薬(Invivogen、カタログ番号rep-qlc1)を上清と混合し、Tecan M1000発光プレートリーダ上で発光を読み取った。EC50値は、Graphpad Prismソフトウェア(バージョン7.02)を用いて、4パラメータロジスティック適合モデルにデータを適合させることによって、決定した。
【0204】
結果:図7Aは、TAA発現細胞(集団1)の存在下において、全てのTAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物が、ローカライザを介したクラスタリングによって媒介され、4-1BB発現細胞中で4-1BBシグナル伝達を同程度に誘導したことを示す。4-1BBに結合しないDARPinタンパク質第50番は、4-1BBシグナル伝達に影響を及ぼさなかった。表4は、例として、選択されたTAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物のEC50値を提供する:
【0205】
【表4】
【0206】
同様の結果が、TAA発現細胞の第2の集団(集団2)で得られた(図7B)。表5は、例として、選択されたTAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物のEC50値を提供する:
【0207】
【表5】
【0208】
結論として、全ての試験されたTAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物が、ローカライザを介したクラスタリングによって媒介される4-1BB発現細胞中の4-1BBシグナル伝達を活性化することができた。
【0209】
実施例5:タンパク質中の2つ又は3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの存在は、活性化4-1BBシグナル伝達におけるその効力を増強する。
(ただ1つの代わりに)タンパク質中の2つ又は3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインの存在が、活性化4-1BBシグナル伝達におけるタンパク質の効力に影響を及ぼすかどうかを試験するために、多価アンキリン反復タンパク質構築物を、Gibsonアセンブリベースのアプローチを用いてDNAレベルで組み立て、pMPAG06にクローニングした。次に、正しく組み立てられた構築物を誘導性大腸菌(E.coli)細胞に形質転換し、上記のように、2つのtriton洗浄工程を伴うIMACベンチトップ精製を用いて、発現及び精製した。
【0210】
以下の二価及び三価の4-1BBアンキリン反復タンパク質構築物(及び対応する陰性対照構築物)を生成した:
配列番号51(PTリッチリンカ(配列番号57)によって接続された、2つの4-1BBアンキリン反復ドメイン(各々配列番号1に由来)を含む));
配列番号52(PTリッチリンカ(配列番号57)によって接続された、2つの4-1BBアンキリン反復ドメイン(各々配列番号2に由来)を含む));
配列番号53(PTリッチリンカ(配列番号57)によって接続された、結合特異性を有しない2つの対照アンキリン反復ドメイン(各々配列番号42に由来)を含む));
配列番号54(PTリッチリンカ(配列番号57)によって接続された、3つの4-1BBアンキリン反復ドメイン(各々配列番号1に由来)を含む));
配列番号55(PTリッチリンカ(配列番号57)によって接続された、3つの4-1BBアンキリン反復ドメイン(各々配列番号2に由来)を含む));及び
配列番号56(PTリッチリンカ(配列番号57)によって接続された、結合特異性を有しない3つの対照アンキリン反復ドメイン(各々配列番号42に由来)を含む))。
【0211】
これらの二価及び三価の4-1BBアンキリン反復構築物(及び対応する陰性対照構築物)は、細胞における活性化4-1BBシグナル伝達のそれらの効力を試験するために、ローカライザ分子へ遺伝子接続された。以下の多価アンキリン反復タンパク質を生成し、試験した:
DARPin(登録商標)タンパク質第51番(ペプチドリンカ(配列番号57)によってそのC末端で配列番号51に接続された、TAA特異的アンキリン反復ドメインを含む);
DARPin(登録商標)タンパク質第52番(ペプチドリンカ(配列番号57)によってそのC末端で配列番号52に接続された、TAA特異的アンキリン反復ドメインを含む);
DARPin(登録商標)タンパク質第53番(ペプチドリンカ(配列番号57)によってそのC末端で配列番号53に接続された、TAA特異的アンキリン反復ドメインを含む);
DARPin(登録商標)タンパク質第54番(ペプチドリンカ(配列番号57)によってそのC末端で配列番号54に接続された、TAA特異的アンキリン反復ドメインを含む);
DARPin(登録商標)タンパク質第55番(ペプチドリンカ(配列番号57)によってそのC末端で配列番号55に接続された、TAA特異的アンキリン反復ドメインを含む);及び、
DARPin(登録商標)タンパク質第56番(ペプチドリンカ(配列番号57)によってそのC末端で配列番号56に接続された、TAA特異的アンキリン反復ドメインを含む)。
【0212】
DARPin(登録商標)タンパク質第51番~DARPin(登録商標)第56番はまた、単純なタンパク質精製を容易にするような、N末端Hisタグ(配列番号43)も含んだ。
【0213】
多価アンキリン反復タンパク質を、PMA/イオノマイシン刺激CEM細胞への結合のために、対応する4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを(結合されたローカライザあり又はなしで)1つのみ含む、結合タンパク質と一緒に試験した。アッセイは、実施例4に記載されているものと同様に実施した。図8A図8Cに示されるように、配列番号1に対応する1つ、2つ、又は3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを含むアンキリン反復タンパク質の全て、及び配列番号2に対応する1つ、2つ、又は3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを含むアンキリン反復タンパク質の全ては、CEM細胞に結合するが、一方で4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを欠く陰性対照タンパク質は、いずれも細胞に結合しない。
【0214】
細胞中で4-1BBシグナル伝達を活性化するこれらのアンキリン反復タンパク質の能力を、TAA発現CHO細胞の存在下におけるh4-1BB発現HT1080細胞中のNF-kBルシフェラーゼレポータアッセイによって、決定した。アッセイは、実施例4に記載されているものと同様に実施した。発光シグナルは、4-1BBシグナル伝達経路活性化の相対的な尺度を提供した。
【0215】
図9A及び図9Bに示されるように、2つ又は3つの4-1BB特異的アンキリン反復ドメインを含む結合タンパク質は、1つの対応する4-1BB特異的アンキリン反復ドメインのみを含む結合タンパク質よりも強い4-1BBシグナル伝達を活性化した。驚くべきことに、3つの4-1BBアンキリン反復ドメインを含む結合タンパク質は、2つの4-1BBアンキリン反復ドメインを含む結合タンパク質よりも強く4-1BBシグナル伝達を活性化しなかった。
【0216】
したがって、NF-kBルシフェラーゼレポータアッセイによって測定されるように、最大の4-1BBシグナル伝達活性を得るためには、少なくとも2つの4-1BBアンキリン反復ドメインが必要である。第3の4-1BBアンキリン反復ドメインの添加は、結合タンパク質に対してより高い効力を付与しない。
【0217】
配列番号1に対応する1つ、2つ、又は3つの4-1BBアンキリン反復ドメインを含む結合タンパク質は、TAA陽性細胞(CHO-TAA)及びTAA媒介クラスタリングの存在下でのみ、4-1BBシグナル伝達経路を活性化した。TAA陰性細胞(CHO-wt)の存在下において、したがってTAA媒介クラスタリングの非存在下において、これらの結合タンパク質は、4-1BB経路を活性化しなかった(図9A)。配列番号2に対応する2つ又は3つの4-1BBアンキリン反復ドメインを含む結合タンパク質は、は、TAA陰性細胞の存在下において、より高い濃度でいくらかの弱い活性化を示した。しかしながら、TAA陽性細胞の存在下における活性化は、はるかに高かった(図9B)。陰性対照タンパク質は、いかなる活性も示さなかった(データ示さず)。
【0218】
結論として、4-1BB発現細胞における4-1BBシグナル伝達を活性化するための4-1BBアンキリン反復タンパク質の効力は、タンパク質中の2つ又は更に3つの4-1BBアンキリン反復ドメインを含むことによって、増加させることができる。
【0219】
実施例6:ローカライザ分子に結合された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質は、腫瘍増殖を阻害し、腫瘍中のヒトCD8 T細胞の密度を選択的に増加させる
T細胞を刺激し、インビボで腫瘍増殖を阻害するためにローカライザ分子に結合された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質の能力を、ヒト末梢血単核細胞(peripheral blood mononuclear cell:PBMC)で再構成されたHT-29結腸がん異種移植モデルで試験した(MiXeno)。このヒト化マウスモデルは、免疫チェックポイント、及びアゴニスト抗4-1BB抗体などの共刺激薬の免疫刺激効果を試験するのに好適であると記載されている。このモデルにおける抗4-1BB mAbウレルマブによる治療は、腫瘍増殖を有意に遅くするのに充分である。しかしながら、未治療マウスと比較して早期死亡をもたらす、加速した移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)及び肝臓T細胞浸潤などの強い全身効果もまた誘導される。モデルを使用して、4-1BB特異的アンキリン反復ドメイン及びローカライザ分子を含む本発明の結合タンパク質が、腫瘍内T細胞浸潤を増加させ、非標的4-1BBアゴニストモノクローナル抗体である抗4-1BB mAbウレルマブによって生成された非腫瘍効果のいくつかを回避しながら、腫瘍の増殖を遅らせたかどうかを評価した。実験に使用される結合タンパク質(DARPin(登録商標)タンパク質第60番)は、配列番号51を含んだ。ここで、配列番号51に含まれた2つのアンキリン反復ドメインの各々の最後から第2番目の位置におけるL及び最後の位置におけるNは、Aにより置換され、そのN末端で、ペプチドリンカ(配列番号57)によって、ローカライザとしてTAA特異的アンキリン反復ドメインに接続される。
【0220】
材料及び方法:
腫瘍実験:免疫不全NOGマウスに、HT-29腫瘍細胞(3.5×10)を右脇腹領域に皮下接種した。次に、2人の健康なヒトドナー由来の末梢血単核細胞(PBMC)(3.5×10細胞/マウス)を注射することにより、マウスをヒト化した。試験物を、表6に示すように所定のレジメンに従って、担がんマウスへ投与した。
【0221】
【表6】
【0222】
腫瘍細胞及びPBMC接種の日付を0日目として示した。腫瘍増殖を3~4日ごとにモニタした。実験の18日目に、マウスを屠殺し、腫瘍を除去し、フローサイトメトリ及び定量的免疫蛍光法(quantitative immunofluorescence:QIF)によって研究した。腫瘍増殖分析は、マウスがこの時間後に移植片対宿主病(GVHD)の兆候を示し始めたため、18日に制限された。
【0223】
フローサイトメトリ:生のFCSファイルからのデータをFlowJoソフトウェア(TreeStar)で分析した。細胞を、ヒト表面マーカCD45、CD4、及びCD8を発現する生きたリンパ球でゲーティングした。死細胞は、生死標識色素(live-dead labelling dye)7-AADの組み込みを介して分析から除外された。血液中で検出された全ヒトCD45陽性細胞の割合としての、ヒトCD8 T細胞の割合が示されている。
【0224】
免疫組織化学:組織を剖検時にマウスから回収し、最適な切断温度化合物(Sakura)に埋め込み、事前に固定せずに凍結させた。OCT埋込み凍結保存標本を7μmの切片に切断し、スライドガラス上に取り付けた。スライドを冷アセトンで固定した。複数の蛍光免疫染色を、以下の抗体で行った:抗CD4(Goat Pab、R&D System、#AF-379-NA)、抗CD8(Rabbit PAb、Abcam、#ab40555)、及び抗CD45(クローンHI30、Biolegend、#304002)。これらの抗体は、それぞれ、抗Sheep-Alexa Fluor(登録商標)647(Thermofisher、#A21448)、抗ウサギRhodamine Red(商標)-X(Jackson ImmunoResearch、#711-296-152)、及び抗マウスIgG1-Alexa Fluor(登録商標)488(Jackson ImmunoResearch、#115-545-205)により検出された。画像はZeiss Axio Scan.Z1スライドスキャナで取得した。画像をZen blueソフトウェアで転送し、ImageJ 1.51nソフトウェアを用いて、FIJIパッケージにより分析して、ヒトCD45、CD8、及びCD4 T細胞の数を定量化した。
【0225】
統計分析:統計分析はPrism 7.0.2ソフトウェア(GraphPad Software)により行った。腫瘍増殖及び体重データを、反復測定二元配置分散分析及びテューキーの多重比較検定(GraphPad Prism、バージョン7.02)を用いて統計学的有意差について分析した。生存曲線はカプラン・マイヤー法で分析され、ログ・ランク検定で比較された。試験終了時のフローサイトメトリデータを、一元配置分散分析(GraphPad Prism、バージョン7.02)を用いて分析した。両側P<0.05は統計的に有意であると見なされた。
【0226】
結果
腫瘍増殖:腫瘍増殖は時間の経過と共に個別に追跡された。独立標本t検定を用いて腫瘍接種後18日目に得られたデータに対して行われる統計分析に加えて、反復測定二元配置分散分析、続いてテューキーの多重比較検定を用いることによって、腫瘍増殖データを統計学的有意差について分析した。腫瘍増殖阻害を表7に概説する。
【0227】
【表7】
【0228】
腫瘍増殖曲線全体の分析は、研究終了時の最終腫瘍体積のみの分析と比較して、分析により高い解析力を与える。2つの分析はよく相関する。腫瘍増殖は、DARPin(登録商標)タンパク質第60番治療群(p<0.001)で遅延した。投与されたビヒクルは、腫瘍増殖に有意な影響を及ぼさなかった。要約すると、試験物質、DARPin(登録商標)タンパク質第60番は、皮下HT-29ヒト結腸がんMiXenoモデルにおいて、有意な抗腫瘍活性を実証した。
【0229】
血液及び腫瘍の免疫表現型検査:フローサイトメトリによって得られた結果を確認するために、ヒトCD4及びCD8 Tリンパ球密度を、18日目に切除された腫瘍における組織学によって分析した。組織学的検査は、群当たり5匹のマウスの組織を用いて行った(データ示さず)。DARPin(登録商標)タンパク質第60番による治療は、ビヒクル群と比較して、ヒトCD8 Tリンパ球のより高密度の浸潤をもたらした。差は有意に達した(P<0.01)。一方で、CD4腫瘍浸潤リンパ球の数は、群全体で有意に異なってはいなかった。
【0230】
肝臓T細胞浸潤の組織学的分析:18日目に切除された肝臓の組織学検査を、群当たり5匹のマウスからの組織を用いて行った。小、中、及び大きな表面積に分類される浸潤物の定量化は、DARPin(登録商標)タンパク質第60番による処理が、肝臓T細胞浸潤の増加を誘発しなかったことを示した。これは、抗4-1BB mAbウレルマブの投与がNOGマウスにおけるヒトPBMCによる肝臓T細胞浸潤の増加を誘発したことを示す、公表された結果とは対照的である。
【0231】
結論
DARPin(登録商標)タンパク質第60番は、皮下HT-29ヒト結腸がんMiXenoモデルにおいて、抗腫瘍活性を実証した。DARPin(登録商標)タンパク質第60番による治療により、ビヒクル治療マウスと比較して、腫瘍中のヒトCD8 T細胞の密度が増加した。DARPin(登録商標)タンパク質第60番による治療は、忍容性が良好であり、体重減少又は生存の減少にはつながらず、ビヒクル群と比較して肝臓T細胞浸潤の増加は生じなかった。
【0232】
実施例7:様々なローカライザに結合された4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質は、4-1BB発現細胞中の4-1BBに結合し、これを活性化する
細胞内で4-1BBシグナル伝達を活性化する本発明の4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質の能力が、実施例4及び実施例5で例として使用されるTAA特異的ローカライザに依存しないことを実証するために、他のいくつかのローカライザ-4-1BBアンキリン反復タンパク質構築物が生成され、試験された。
【0233】
いくつかの異なるローカライザ分子は、Gibsonアセンブリアプローチを用いることによって、本発明の4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質に遺伝的に結合された。正しいベクタを誘導性大腸菌(E.coli)発現細胞に形質転換し、Ni-ニトリロ三酢酸(Ni-NTA)カラムで発現及び精製し、続いて、上記のようにAKTAxpress(商標)システムで分子ふるいクロマトグラフィを行った。これらの構築物は、フィブロネクチン・エキストラ・ドメインB(ED-B)、上皮増殖因子受容体(EGFR)、又はヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)に対して結合特異性を有するローカライザアンキリン反復ドメインを含み、それぞれ、PTリッチペプチドリンカにより配列番号51に接続された。以下の局所化-4-1BB DARPin(登録商標)構築物を、前の実施例に記載のTAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物に加えて生成した:
DARPin(登録商標)タンパク質第57番(PTリッチペプチドリンカによってそのC末端で配列番号51に接続された、ED-B特異的アンキリン反復タンパク質を含む);
DARPin(登録商標)タンパク質第58番(PTリッチペプチドリンカによってそのC末端で配列番号51に接続された、EGFR特異的アンキリン反復タンパク質を含む);及び
DARPin(登録商標)タンパク質第59番(PTリッチペプチドリンカによってそのC末端で配列番号51に接続された、HER2特異的アンキリン反復タンパク質を含む)。
【0234】
DARPin(登録商標)タンパク質第57番~第59番はまた、単純なタンパク質精製を容易にするような、N末端Hisタグ(配列番号43)も含んだ。
【0235】
実施例4及び実施例5で使用されるTAA特異的ローカライザと同様に、これらのローカライザアンキリン反復ドメインは、各々、標的(ED-B、EGFR、又はHER2)に結合し、これは、ある特定の腫瘍タイプで過剰発現し、したがって腫瘍局在化に使用することができる。それぞれのローカライザ標的へのローカライザ4-1BB DARPin(登録商標)構築物の特異的結合は、SPR測定(前の実施例で説明したように実行)によって実証され、各々が、そのそれぞれの組換え標的タンパク質に対して10-8M未満の結合親和性(K)を示した(データ示さず)。表8は、様々なローカライザ4-1BB DARPin(登録商標)構築物のヒト4-1BBへの結合親和性(K)提示する。
【0236】
【表8】
【0237】
ローカライザを介したクラスタリングによって媒介される4-1BB発現細胞中で4-1BBシグナル伝達を活性化するローカライザ4-1BB DARPin(登録商標)構築物の能力を、実施例4のTAA-4-1BB DARPin(登録商標)構築物について記載されたのと同様に又は組換えED-Bの存在下において、ローカライザ標的EGFR又はHER2を発現する細胞と共培養した4-1BB発現レポータ細胞を用いて、アッセイ中に試験した。
【0238】
腫瘍間質(ED-B)中のローカライザ標的ED-B、EGFR、及びHER2、又は共培養(A431細胞/EGFR及びBT474細胞/HER2)に使用されるそれぞれの腫瘍細胞の発現は、図10A図10Cに示される。様々なローカライザ4-1BB DARPin(登録商標)構築物による4-1BB発現レポータ細胞における4-1BBシグナル伝達のローカライザ標的特異的活性化を、図11A図11Cに示す。実験の各々において、ローカライザ4-1BB DARPin(登録商標)構築物は、共培養腫瘍細胞上の細胞表面タンパク質としてローカライザの特定の標的が存在した場合、4-1BB発現細胞において4-1BBシグナル伝達を活性化することができた(図11B(EGFR)及び図11C(HER2)、又は組換えタンパク質として(図11A(ED-B))。例えば、EGFR標的化ローカライザを含むDARPinタンパク質第58番は、EGFR発現A431細胞と共培養された場合には4-1BB発現細胞において4-1BBシグナル伝達を活性化することができたが、BT474細胞と共培養された場合又はED-Bの存在下における場合には活性化することができなかった。これらのデータは、開示された4-1BB特異的アンキリン反復ドメインが、異なるローカライザ分子に結合され、それらの表面上のローカライザ標的(EGFR及びHER2)を発現する細胞の存在に依存するか、又はローカライザ媒介クラスタリング(ED-B)を誘導することができる細胞外タンパク質としてのローカライザ標的の存在に依存する4-1BB発現細胞において、4-1BBシグナル伝達を活性化する機能的ローカライザ4-1BB DARPin(登録商標)構築物をもたらすことができることを実証する。
【0239】
ローカライザ4-1BB DARPin(登録商標)構築物が4-1BBシグナル伝達を活性化する能力もまた、4-1BB発現初代CD8+T細胞で試験された。
【0240】
材料及び方法:
EGFRクラスタリングを用いたインビトロヒトT細胞IFNγ放出アッセイ:バフィコートは、チューリッヒ献血センター(Zurich blood donation centre)から入手し、PBSで希釈した。次いで、PBMCを、Leucosepチューブを用いた密度遠心分離によって単離した。いくつかの洗浄工程後、製造者の推奨に従い陰性選択ヒトCD8 T細胞単離キットを用いて、CD8 T細胞をPBMCから精製した。CD8 T細胞(1×10/ウェル)を、0.5μg/mlの抗CD3クローンOKT-3及びNeutravidinで事前に被覆された96ウェルプレート上に播種し、続いて様々な濃度のローカライザ4-1BB DARPin(登録商標)構築物の存在下においてビオチン化EGFRを播種した。培養物を、37℃、5%COで96時間インキュベートした後、上清を新しい96ウェルプレートに取り出し、分析まで-20℃で保存した。上清のIFNγ濃度は、製造者の指示に従いヒトIFN-γ DuoSet ELISAを用いて検出した。
【0241】
HER2クラスタリングを用いたインビトロヒトT細胞IFNγ放出アッセイ:このアッセイは、ビオチン化EGFRの代わりにビオチン化HER2を使用したことを除いて、EGFRクラスタリングについて上記のように実施した。
【0242】
図12Aに示すように、EGFR標的ローカライザを含むDARPinタンパク質第58番は、EGFR被覆プレートの存在下においてインターフェロン-γ分泌を誘導したが、一方でHER2標的ローカライザを含むDARPinタンパク質第59番は、これらの状況では一切の影響を及ぼさなかった。図12Bは、DARPin第59番がHER2被覆プレートの存在下においてインターフェロン-γ分泌を誘導したのに対し、DARPinタンパク質第58番が、これらの状況では有意な影響を一切及ぼさなかったことを示す。
【0243】
結果は、ローカライザを含む本発明の4-1BB特異的結合タンパク質が、ローカライザを介したクラスタリングによって媒介される初代T細胞において、4-1BBシグナル伝達を活性化できることを実証する。結論として、本発明の4-1BB特異的アンキリン反復タンパク質は、多種多様なローカライザ分子に結合されて、ローカライザを介したクラスタリングによって媒介される4-1BB発現細胞において4-1BBシグナル伝達に結合し、これを活性化するタンパク質を生成することができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
【配列表】
2022535107000001.app
【国際調査報告】