(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】内部寄生虫を治療するための二環式誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 265/36 20060101AFI20220728BHJP
C07D 413/12 20060101ALI20220728BHJP
A61K 31/538 20060101ALI20220728BHJP
C07D 471/04 20060101ALI20220728BHJP
A61P 33/10 20060101ALI20220728BHJP
A61P 33/00 20060101ALI20220728BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20220728BHJP
A61K 31/541 20060101ALI20220728BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20220728BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20220728BHJP
C07D 413/14 20060101ALI20220728BHJP
C07D 491/107 20060101ALI20220728BHJP
A01P 5/00 20060101ALI20220728BHJP
A01N 43/90 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
C07D265/36
C07D413/12
A61K31/538
C07D471/04 113
A61P33/10
A61P33/00 171
A61K31/4709
A61K31/541
A61K31/5377
C07D401/12
C07D413/14
C07D491/107
C07D471/04 118Z
A01P5/00
A01N43/90 103
A01N43/90 102
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571965
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(85)【翻訳文提出日】2022-01-31
(86)【国際出願番号】 US2020036322
(87)【国際公開番号】W WO2020247747
(87)【国際公開日】2020-12-10
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521263308
【氏名又は名称】エランコ・ティアゲゾンタイト・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】デュクレイ,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】ポートラット,フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】ラゲオット,デニス
(72)【発明者】
【氏名】タータウィ,シュエブ
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C065
4C086
4H011
【Fターム(参考)】
4C050AA04
4C050BB02
4C050CC15
4C050EE01
4C050FF01
4C050GG01
4C050HH04
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB09
4C063CC12
4C063CC54
4C063CC78
4C063DD06
4C063DD12
4C063DD14
4C063EE01
4C065AA04
4C065AA05
4C065BB09
4C065BB11
4C065CC01
4C065DD02
4C065EE02
4C065HH03
4C065HH08
4C065JJ01
4C065JJ07
4C065KK03
4C065KK10
4C065LL01
4C065LL10
4C065PP03
4C065PP12
4C065PP16
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC73
4C086BC74
4C086CB09
4C086CB22
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA09
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB37
4H011AC01
4H011BB09
4H011BB10
(57)【要約】
本発明は、式(I)で表される化合物を提供し、ここで、該化合物は、温血動物における内部寄生虫(例えば、イヌ糸状虫)の防除において有用である。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
〔式中、
nは、0又は1であり;
X
1は、N及びCR
1からなる群から選択され;
X
2は、N及びCR
2からなる群から選択され;
X
3は、N及びCR
3からなる群から選択され;
X
4は、N及びCR
4からなる群から選択され;
X
5は、N及びCR
5からなる群から選択され;
X
6は、N及びCR
6からなる群から選択され;
Gは、
【化2】
からなる群から選択され;
Mは、N-R
13、O及びSからなる群から選択され;
Y
1は、CR
8R
9、O、S及びNR
10からなる群から選択され;
Y
2は、CR
8R
9、O、S及びNR
10からなる群から選択され;
ここで、基Y
1又はY
2のうちの少なくとも1はCR
8R
9であり;
Z
1は、N、O、S及びCR
11からなる群から選択され;
Z
2は、nil、N及びCR
11からなる群から選択され;
Z
3は、nil、N及びCR
11からなる群から選択され;
Z
4は、N、O、S及びCR
11からなる群から選択され;
ここで、Z
1、Z
2、Z
3及びZ
4のうちの2以下がNであり、並びに、ここで、Z
1及びZ
4のうちの1つのみがO又はSであり、Z
2はZ
1がO又はSであるときに限りnilであり、並びに、Z
3はZ
4がO又はSであるときに限りnilであり;
R
1は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-SH、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)(C
1-C
4アルキル)、-S(O)
2(C
1-C
4アルキル)、シアノ、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4-アルコキシ、-B(OR
15)(OR
16)からなる群から選択され、ここで、R
15は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、R
16は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R
15とR
16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC
1-C
4アルキル;-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2で置換されていてもよい)を形成し;
R
2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-SH、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)(C
1-C
4アルキル)、-S(O)
2(C
1-C
4アルキル)、シアノ、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4-アルコキシ、-B(OR
15)(OR
16)からなる群から選択され、ここで、R
15は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、R
16は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R
15とR
16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC
1-C
4アルキル;-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2で置換されていてもよい)を形成し;
R
3は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-SH、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)(C
1-C
4アルキル)、-S(O)
2(C
1-C
4アルキル)、シアノ、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4-アルコキシ、-B(OR
15)(OR
16)からなる群から選択され、ここで、R
15は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、R
16は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R
15とR
16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC
1-C
4アルキル;-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2で置換されていてもよい)を形成し;
R
4は、ハロゲン、シアノ、-CHO、ヒドロキシル、C
1-C
4アルキル、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4-アルコキシで置換されている-C
1-C
4アルキル、1~5個のハロゲン原子で置換されていてもよいベンジル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(4~7員のヘテロシクロアルキル)、-NH(4~7員のヘテロシクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
1-C
4アルコキシ)、-C(O)NH(C
1-C
4アルキル)、-C(O)N(C
1-C
4アルキル)
2、-C(O)N(C
1-C
4アルキル)(4~7員のヘテロシクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-B(OR
15)(OR
16)からなる群から選択され、ここで、R
15は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、R
16は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R
15とR
16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC
1-C
4アルキルで置換されていてもよい);6~10員のアリール;単環式ヘテロ環[ここで、該単環式ヘテロ環は、4~7員のヘテロシクロアルキル、少なくとも1個の窒素原子を有している5員ヘテロアリール(ここで、該5員ヘテロアリール環は、その窒素原子を介して当該分子の残部に結合している)及び少なくとも1個の窒素原子を有している6員ヘテロアリールの群から選択される]を形成し;ここで、R
4におけるアリール環、ヘテロシクロアルキル環及びヘテロアリール環は、それぞれ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;ここで、R
4におけるC
3-C
6シクロアルキル環及びヘテロシクロアルキル環は、スピロ基で置換されていてもよく、その際、該スピロ基は、3~6員のシクロアルキルであるか、又は、N、S若しくはOから独立して選択される1個、2個若しくは3個のヘテロ原子を含んでいる4~6員のヘテロシクロアルキルであり、ここで、該スピロ基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;並びに、ここで、R
4における各C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル及びC
1-C
4アルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C
1-C
4アルコキシカルボニル、-C(O)NH(C
1-C
4アルキル)、-C(O)N(C
1-C
4アルキル)
2及びC
1-C
4アルコキシからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;
R
5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-SH、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)(C
1-C
4アルキル)、-S(O)
2(C
1-C
4アルキル)、シアノ、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4-アルコキシ、-B(OR
15)(OR
16)からなる群から選択され、ここで、R
15は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、R
16は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R
15とR
16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC
1-C
4アルキル;-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2で置換されていてもよい)を形成し;
R
6は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-SH、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)(C
1-C
4アルキル)、-S(O)
2(C
1-C
4アルキル)、シアノ、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4-アルコキシ、-B(OR
15)(OR
16)からなる群から選択され、ここで、R
15は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、R
16は、その都度、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R
15とR
16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC
1-C
4アルキル;-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2で置換されていてもよい)を形成し;
R
7は、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキル(ここで、これらは、1~5個のハロゲン原子、-C(H)O、C
2-C
4アルケニル、C
2-C
4アルキニル、C
1-C
4ハロゲノアルキル及びC
1-C
4-アルコキシで置換されていてもよい)からなる群から選択され;
R
8は、その都度、水素、フルオロ及びC
1-C
4アルキルからなる群から独立して選択され;
R
9は、その都度、水素、フルオロ及びC
1-C
4アルキルからなる群から独立して選択され;
R
10は、水素及びC
1-C
4アルキルからなる群から選択され;
R
11は、その都度、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4-アルコキシ、C
3-C
6シクロアルキル、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2からなる群から独立して選択され;
Qは、
(i)6又は10員のアリール[ここで、該6又は10員のアリールは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、C
3-C
6シクロアルキル、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5の置換基で置換されていてもよく、ここで、該6又は10員のアリールは、O、S及びNの群から選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している4~7員のヘテロシクロアルキルと縮合していてもよく、並びに、ここで、該ヘテロシクロアルキルの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2の群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロシクロアルキル内の任意のNは、その価数によって可能であれば、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されている];
(ii)O、S及びNの群から独立して選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有している5~10員のヘテロアリール[ここで、該5~10員のヘテロアリールの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、ベンジルオキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロアリール内の任意のNは、その価数によって可能であれば、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい];
(iii)O、S、Nの群から独立して選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有している4~7員のヘテロシクロアルキル[ここで、該ヘテロシクロアルキルは、ベンゾ縮合していてもよく、ここで、該4~7員のヘテロシクロアルキル又はベンゾ縮合していてもよい4~7員のヘテロシクロアルキルの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2からなる群から独立して選択される1、2、3又は4の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロシクロアルキル内の任意のNは、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい];
(iv)6又は10員のアリールオキシ[ここで、該6又は10員のアリールオキシは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(v)6又は10員のアリールチオ-オキシ[ここで、該6又は10員のアリールチオ-オキシは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい];及び、
(vi)5~10員のヘテロアリールオキシ[ここで、該5~10員のヘテロアリールオキシは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい];
からなる群から選択され;
R
13は、ヒドロキシ、C
1-C
4アルコキシ及び-NH
2からなる群から選択され;及び、
R
14は、その都度、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、C
1-C
4ハロゲンアルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2からなる群から独立して選択される〕
で表される化合物又はその塩。
【請求項2】
X
1がCR
1であり;X
2がCR
2であり;X
3がCR
3であり;X
4がCR
4であり;X
5がCR
5であり;及び、X
6がNである、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
X
1がCR
1であり;X
2がCR
2であり;X
3がCR
3であり;X
4がCR
4であり;X
5がNであり;及び、X
6がNである、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
X
1がCR
1であり;X
2がCR
2であり;X
3がCR
3であり;X
4がCR
4であり;X
5がNであり;及び、X
6がCR
6である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
Qが、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、C
3-C
6シクロアルキル、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい6又は10員のアリールである、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項6】
Qが、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、C
3-C
6シクロアルキル、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい6員アリールであり、ここで、該6員アリールはO、S及びNの群から選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している4~7員のヘテロシクロアルキルと縮合しており、並びに、ここで、該ヘテロシクロアルキルの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2からなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロシクロアルキル内の任意のNは、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項7】
Qが、O、S及びNの群から選択される1個又2個のヘテロ原子を有している5~10員のヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロアリールの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-OH、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2からなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロアリール内の任意のNは、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項8】
Qが、O、S、Nの群から選択される1個又2個のヘテロ原子を有している4~7員のヘテロシクロアルキルであり、ここで、該ヘテロシクロアルキルは、ベンゾ縮合していてもよく、ここで、該ヘテロシクロアルキル又は場合によりベンゾ縮合しているヘテロシクロアルキルの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2からなる群から独立して選択される1、2、3又は4の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロシクロアルキル内の任意のNは、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい、請求項1~4のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項9】
nが1である、請求項1~8のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項10】
Y
1がCR
8R
9であり、及び、Y
2がOである、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項11】
R
4が、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、-N(C
1-C
4アルキル)
2及び4~7員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される、請求項1~10のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項12】
Gが、
【化3】
であり;及び、Mが、Oである、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項13】
Gが、
【化4】
であり;及び、Mが、Oである、請求項1~11のいずれか1項に記載の化合物又はその塩。
【請求項14】
式(Ia-5)
【化5】
〔式中、R
1、R
4及びQは、請求項1で定義されているとおりである〕
で表される、請求項1に記載の式(I)で表される化合物又はその塩。
【請求項15】
R
1が、水素、ハロゲン又はシアノである、請求項14に記載の式(Ia-5)で表される化合物又はその塩。
【請求項16】
R
1が、水素又はフルオロである、請求項14又は請求項15に記載の式(Ia-5)で表される化合物又はその塩。
【請求項17】
R
4が、4-モルホリノ又はジメチルアミノである、請求項14~16のいずれか1項に記載の式(Ia-5)で表される化合物又はその塩。
【請求項18】
Qが、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、C
3-C
6シクロアルキル、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5の置換基で置換されていてもよい6員アリールであり、ここで、該6又は10員のアリールは、O、S及びNの群から選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している4~7員のヘテロシクロアルキルと縮合していてもよく、並びに、ここで、該ヘテロシクロアルキルの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2の群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロシクロアルキル内の任意のNは、その価数によって可能であれば、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されている、請求項14~17のいずれか1項に記載の式(Ia-5)で表される化合物又はその塩。
【請求項19】
Qが、
【化6】
から選択される、請求項14~18のいずれか1項に記載の式(Ia-5)で表される化合物又はその塩。
【請求項20】
N-[8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)-3-キノリル]-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-カルボキサミド;(実施例1.1)
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(ジメチルアミノ)-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.1)
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(3,4-ジヒドロ-2H-キノリン-1-イル)-4-(ジメチルアミノ)-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.2)
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.3)
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(ジメチルアミノ)-1,5-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例3.1)
5-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-1-(ジメチルアミノ)ナフタレン-2-カルボキサミド;(実施例4.1)、及び、
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4-イル)-4-(ジメチルアミノ)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.1)
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又は前記化合物のいずれかの塩。
【請求項21】
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.4)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-[メトキシ(メチル)アミノ]-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.5)
8-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.6)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-(2,3-ジクロロフェニル)-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.7)
8-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.8)
8-(5-クロロ-3-ピリジル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.9)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-チオモルホリノ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.10)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(1,1-ジオキソ-1,4-チアジナン-4-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.11)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例2.12)
8-(2,3-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(ジメチルアミノ)-1,5-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例3.2)
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-1,5-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例3.3)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-1,5-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例3.4)
8-(2,3-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.2)
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.3)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-モルホリノ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.4)
8-(5-クロロ-3-ピリジル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.5)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.6)
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.7)
8-(3,5-ジフルオロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.8)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-ピリミジン-5-イル-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.9)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-チオモルホリノ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.10)
8-[2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-4-ピリジル]-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.11)
8-(2,6-ジクロロ-4-ピリジル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.12)
8-(3,5-ジクロロ-2-フルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.13)
8-(5-クロロ-2-フルオロ-3-ピリジル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.14)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(1,1-ジオキソ-1,4-チアジナン-4-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.15)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-(2,4,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.16)
8-(6-クロロピラジン-2-イル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.17)
8-(4,5-ジクロロ-3-ピリジル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.18)
8-(5-クロロ-2,3-ジフルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.19)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-(2,3,4,5-テトラフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.20)
8-(4-クロロ-5-フルオロ-3-ピリジル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.21)
8-[4-クロロ-6-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.22)
8-(3,5-ジクロロ-2,4-ジフルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.23)
N-インドリン-1-イル-4-モルホリノ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.24)
8-(4,6-ジクロロ-2-ピリジル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.25)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-8-(6-フルオロピラジン-2-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.26)
8-[2-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.27)
8-(6-クロロ-5-フルオロ-2-ピリジル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.28)
8-(6-クロロ-3-フルオロ-2-ピリジル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.29)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-8-(6-エトキシピラジン-2-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.30)
4-(アゼチジン-1-イル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.31)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-ピロリジン-1-イル-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.32)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-[2-メトキシエチル(メチル)アミノ]-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.33)
4-[ビス(2-メトキシエチル)アミノ]-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.34)
7-シアノ-8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.35)
4-シクロプロピル-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.36)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(3-フルオロアゼチジン-1-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.37)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.38)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-オキサゾリジン-3-イル-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.39)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.40)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-モルホリノ-8-(3,4,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.41)
4-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-8-モルホリノ-ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド;(実施例6.1)、及び、
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-1,6-ナフチリジン-3-カルボキサミド;(実施例7.1)
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又は前記化合物のいずれかの塩。
【請求項22】
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-イソオキサゾリジン-2-イル-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.42)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-[1-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピラゾール-4-イル]キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.43)
8-(2,6-ジクロロピリミジン-4-イル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.44)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-テトラヒドロピラン-4-イル-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.45)
4-[アセチル(メチル)アミノ]-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.46)
8-(3,5-ジクロロ-2-フルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.47)
8-(3,5-ジクロロ-2,4-ジフルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.48)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-(2,3,6-トリフルオロ-4-ピリジル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.49)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-8-(4-フルオロ-2,6-ジメチル-フェニル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.50)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-8-[4-エチルスルファニル-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.51)
8-[4-ベンジルオキシ-6-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.52)
[3-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イルカルバモイル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)-4-キノリル]ボロン酸;(実施例5.53)
8-(3,5-ジクロロ-2,4-ジフルオロ-フェニル)-7-フルオロ-N-インドリン-1-イル-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.54)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(1-メトキシエチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.55)
8-(3,5-ジクロロ-2,4-ジフルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(ジメチルアミノ)-7-フルオロ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.56)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.57)
4-シクロプロピル-8-(3,5-ジクロロ-2,4-ジフルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.58)
8-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.59)
8-(5-クロロ-2,3-ジフルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.60)
8-[3-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.61)
8-(3,5-ジクロロ-2,4-ジフルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-[メトキシ(メチル)アミノ]キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.62)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-8-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.63)
8-[3,5-ジクロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.64)
8-(3-クロロ-2,5,6-トリフルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-7-フルオロ-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.65)
8-(3-クロロ-5-シアノ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.66)
8-(3-シアノ-2,5-ジフルオロ-フェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.67)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(2,2,2-トリフルオロ-1-メチル-エチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例5.68)
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-2-メチル-4-モルホリノ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例8.1)、及び、
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-2-(トリフルオロメチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド;(実施例8.2)
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又は前記化合物のいずれかの塩。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物又はその塩及び少なくとも1種類の許容される担体を含んでいる、組成物。
【請求項24】
請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物又はその塩の、薬剤としての使用。
【請求項25】
請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物又はその塩の、内部寄生虫を治療するための薬剤の製造における使用。
【請求項26】
請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物又はその塩の、イヌ糸状虫を治療するための薬剤の製造における使用。
【請求項27】
請求項1~22のいずれか1項に記載の化合物又はその塩の、イヌ糸状虫を防除するための薬剤の製造における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2019年6月7日に出願された米国仮特許出願第62/858,465号及び2019年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/947,852号の優先権を主張するものであり、それらのそれぞれの内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、医薬品化学、薬理学並びに獣医学及びヒト医学に関する。より詳細には、本発明は、式(I)で表される化合物及び温血動物における内部寄生虫(例えば、イヌ糸状虫)の防除におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
イヌ糸状虫(Dirofilaria immitis)は、蚊に刺されることで宿主から宿主へと広がる寄生性回虫である。そのライフサイクルは、雌の蚊が感染した宿主から血の餌を摂取したときに始まる。蚊は、未成熟なイヌ糸状虫を摂取し、その後、そのイヌ糸状虫は感染性の幼虫の段階に脱皮し、蚊の口の部分に移動する。その後、蚊は、イヌ又はネコなどの感受性の高い宿主の体表面において餌を摂取し、感染性の幼虫を産み付ける。その後、幼虫は新しい宿主の体内で脱皮して次の幼虫の段階になり、その後、体内を移動して、最終的に血管に行き着く。幼虫は、組織を通って移動するにつれて、脱皮して幼成虫(juvenile adult)になる。幼成虫は、最終的に、肺の血管に移動し、そこで成熟して性的に活動的な成虫になる。その後、成体イヌ糸状虫は、繁殖して未成熟のイヌ糸状虫を放出し、サイクルを完了する。イヌ糸状虫感染は、宿主に深刻な病気を引き起こし得る。
【0004】
成体イヌ糸状虫感染症は、ヒ素系の化合物で治療することが可能である;その治療は、時間がかかり、面倒で、多くの場合、部分的にしか成功しない。従って、治療は、イヌ糸状虫感染の防除に焦点があわされている。イヌ糸状虫の防除は、現在、一年中定期的に薬剤を投与することによってのみ行われている。典型的な治療法は、イベルメクチン、モキシデクチン及びミルベマイシンオキシムなどの大環状ラクトン類を含んでいる。残念なことに、大環状ラクトン類に対するイヌ糸状虫の抵抗性の発達が観察されている。従って、予防によって、又は、イヌ糸状虫を直接殺すことによって、イヌ糸状虫感染症を効果的に防除する新しい化合物が必要である。内部寄生虫の特定の治療法は、WO2017/178416、WO2018/087036、WO2018/197401、WO2019/025341及びWO2019/002132に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】WO2017/178416
【特許文献2】WO2018/087036
【特許文献3】WO2018/197401
【特許文献4】WO2019/025341
【特許文献5】WO2019/002132
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、温血動物における内部寄生虫(例えば、イヌ糸状虫)を効果的に治療及び/又は防除する式(I)で表される化合物を提供する。
【0007】
【0008】
〔式中、
nは、0又は1であり;
X
1は、N及びCR
1からなる群から選択され;
X
2は、N及びCR
2からなる群から選択され;
X
3は、N及びCR
3からなる群から選択され;
X
4は、N及びCR
4からなる群から選択され;
X
5は、N及びCR
5からなる群から選択され;
X
6は、N及びCR
6からなる群から選択され;
Gは、
【化2】
【0009】
からなる群から選択され;
Mは、N-R13、O及びSからなる群から選択され;
Y1は、CR8R9、O、S及びNR10からなる群から選択され;
Y2は、CR8R9、O、S及びNR10からなる群から選択され;
ここで、基Y1又はY2のうちの少なくとも1はCR8R9であり;
Z1は、N、O、S及びCR11からなる群から選択され;
Z2は、nil、N及びCR11からなる群から選択され;
Z3は、nil、N及びCR11からなる群から選択され;
Z4は、N、O、S及びCR11からなる群から選択され;
ここで、Z1、Z2、Z3及びZ4のうちの2以下がNであり、並びに、ここで、Z1及びZ4のうちの1つのみがO又はSであり、Z2はZ1がO又はSであるときに限りnilであり、並びに、Z3はZ4がO又はSであるときに限りnilであり;
R1は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-SH、-SC1-C4アルキル、-S(O)(C1-C4アルキル)、-S(O)2(C1-C4アルキル)、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4-アルコキシ、-B(OR15)(OR16)からなる群から選択され、ここで、R15は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、R16は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R15とR16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC1-C4アルキル;-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2で置換されていてもよい)を形成し;
R2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-SH、-SC1-C4アルキル、-S(O)(C1-C4アルキル)、-S(O)2(C1-C4アルキル)、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4-アルコキシ、-B(OR15)(OR16)からなる群から選択され、ここで、R15は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、R16は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R15とR16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC1-C4アルキル;-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2で置換されていてもよい)を形成し;
R3は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-SH、-SC1-C4アルキル、-S(O)(C1-C4アルキル)、-S(O)2(C1-C4アルキル)、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4-アルコキシ、-B(OR15)(OR16)からなる群から選択され、ここで、R15は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、R16は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R15とR16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC1-C4アルキル;-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2で置換されていてもよい)を形成し;
R4は、ハロゲン、シアノ、-CHO、ヒドロキシル、C1-C4アルキル、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4-アルコキシで置換されている-C1-C4アルキル、1~5個のハロゲン原子で置換されていてもよいベンジル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(4~7員のヘテロシクロアルキル)、-NH(4~7員のヘテロシクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C1-C4アルコキシ)、-C(O)NH(C1-C4アルキル)、-C(O)N(C1-C4アルキル)2、-C(O)N(C1-C4アルキル)(4~7員のヘテロシクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-B(OR15)(OR16)からなる群から選択され、ここで、R15は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、R16は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R15とR16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC1-C4アルキルで置換されていてもよい);6~10員のアリール;単環式ヘテロ環[ここで、該単環式ヘテロ環は、4~7員のヘテロシクロアルキル、少なくとも1個の窒素原子を有している5員ヘテロアリール(ここで、該5員ヘテロアリール環は、その窒素原子を介して当該分子の残部に結合している)及び少なくとも1個の窒素原子を有している6員ヘテロアリールの群から選択される]を形成し;ここで、R4におけるアリール環、ヘテロシクロアルキル環及びヘテロアリール環は、それぞれ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;ここで、R4におけるC3-C6シクロアルキル環及びヘテロシクロアルキル環は、スピロ基で置換されていてもよく、その際、該スピロ基は、3~6員のシクロアルキルであるか、又は、N、S若しくはOから独立して選択される1個、2個若しくは3個のヘテロ原子を含んでいる4~6員のヘテロシクロアルキルであり、ここで、該スピロ基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、オキソ、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;並びに、ここで、R4における各C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル及びC1-C4アルコキシは、ハロゲン、ヒドロキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、シアノ、カルボキシ、カルバモイル、C1-C4アルコキシカルボニル、-C(O)NH(C1-C4アルキル)、-C(O)N(C1-C4アルキル)2及びC1-C4アルコキシからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく;
R5は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-SH、-SC1-C4アルキル、-S(O)(C1-C4アルキル)、-S(O)2(C1-C4アルキル)、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4-アルコキシ、-B(OR15)(OR16)からなる群から選択され、ここで、R15は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、R16は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R15とR16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC1-C4アルキル;-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2で置換されていてもよい)を形成し;
R6は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、-SH、-SC1-C4アルキル、-S(O)(C1-C4アルキル)、-S(O)2(C1-C4アルキル)、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4-アルコキシ、-B(OR15)(OR16)からなる群から選択され、ここで、R15は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、R16は、その都度、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択され、又は、R15とR16は、それらが結合している酸素原子と一緒になって、5~7員の環(ここで、該環は、1~4のC1-C4アルキル;-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2で置換されていてもよい)を形成し;
R7は、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキル(ここで、これらは、1~5個のハロゲン原子、-C(H)O、C2-C4アルケニル、C2-C4アルキニル、C1-C4ハロゲノアルキル及びC1-C4-アルコキシで置換されていてもよい)からなる群から選択され;
R8は、その都度、水素、フルオロ及びC1-C4アルキルからなる群から独立して選択され;
R9は、その都度、水素、フルオロ及びC1-C4アルキルからなる群から独立して選択され;
R10は、水素及びC1-C4アルキルからなる群から選択され;
R11は、その都度、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4-アルコキシ、C3-C6シクロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2からなる群から独立して選択され;及び、
Qは、
(i)6~10員のアリール[ここで、該6~10員のアリールは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、C3-C6シクロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5の置換基で置換されていてもよく、ここで、該6~10員のアリールは、O、S及びNの群から選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している4~7員のヘテロシクロアルキルと縮合していてもよく、並びに、ここで、該ヘテロシクロアルキルの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2の群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロシクロアルキル内の任意のNは、その価数によって可能であれば、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されている];
(ii)O、S及びNの群から独立して選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有している5~10員のヘテロアリール[ここで、該5~10員のヘテロアリールの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、ベンジルオキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロアリール内の任意のNは、その価数によって可能であれば、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい];
(iii)O、S、Nの群から独立して選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有している4~7員のヘテロシクロアルキル[ここで、該ヘテロシクロアルキルは、ベンゾ縮合していてもよく、ここで、該4~7員のヘテロシクロアルキル又はベンゾ縮合していてもよい4~7員のヘテロシクロアルキルの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2からなる群から独立して選択される1、2、3又は4の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロシクロアルキル内の任意のNは、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい];
(iv)6~10員のアリールオキシ[ここで、該6~10員のアリールオキシは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい];
(v)6~10員のアリールチオ-オキシ[ここで、該6~10員のアリールチオ-オキシは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい];及び、
(vi)5~10員のヘテロアリールオキシ[ここで、該5~10員のヘテロアリールオキシは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい];
からなる群から選択され;
R13は、ヒドロキシ、C1-C4アルコキシ及び-NH2からなる群から選択され;及び、
R14は、その都度、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、C1-C4ハロゲンアルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2からなる群から独立して選択される〕
で表される化合物又はその塩を提供する。
【0010】
一実施形態では、本発明は、さらに、式(I)で表される化合物又はその塩及び許容される賦形剤を含んでいる組成物も提供し、ここで、該組成物は、場合により少なくとも1種類の追加の活性化合物をさらに含んでいる。
【0011】
一実施形態では、本発明は、さらに、寄生虫を治療する方法も提供し、ここで、該方法は、そのような治療を必要とする対象者に有効量の式(I)で表される化合物又はその塩を投与することを含み、ここで、該方法は、場合により、有効量の少なくとも1種類の追加の活性化合物をさらに含んでいる。
【0012】
一実施形態では、本発明は、さらに、寄生虫を防除する方法も提供し、ここで、該方法は、そのような防除を必要とする対象者に有効量の式(I)で表される化合物又はその塩を投与することを含み、ここで、該方法は、場合により、有効量の少なくとも1種類の追加の活性化合物をさらに含んでいる。
【0013】
一実施形態では、本発明は、さらに、寄生虫を治療又は防除する方法も提供し、ここで、該方法は、対象者の環境を有効量の式(I)で表される化合物又はその塩と接触させることを含み、ここで、該方法は、場合により、有効量の少なくとも1種類の追加の活性化合物をさらに含んでいる。
【0014】
従って、本発明は、本発明の化合物の薬剤としての使用も提供し、ここで、これは、薬剤を製造するための使用を包含している。一実施形態では、本発明は、寄生虫を治療するための式(I)で表される化合物又はその塩を含んでいる薬剤の製造を提供する。一実施形態では、本発明は、寄生虫を防除するための式(I)で表される化合物又はその塩を含んでいる薬剤の製造を提供する。
【0015】
本発明は、さらに、本発明の化合物及びその中間体を製造するプロセスも提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
用語「C1-C4アルキル」は、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖のアルキル鎖を示しており、そして、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどを包含する。
【0017】
用語「C1-C4ハロゲノアルキル」は、1~4個の炭素原子及び1~5個のハロゲンを有する直鎖又は分枝鎖のアルキル鎖を示しており、そして、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピルなどを包含する。
【0018】
用語「C2-C4アルケニル」は、2~4個の炭素原子及び1つの炭素-炭素二重結合を有する直鎖又は分枝鎖のアルケニル鎖を示しており、そして、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec-ブチレンなどを包含する。
【0019】
用語「C2-C4アルキニル」は、2~4個の炭素原子及び1つの炭素-炭素三重結合を有する直鎖又は分枝鎖のアルキニル鎖を示しており、そして、アセチレン、プロパルギルなどを包含する。
【0020】
用語「C1-C4アルコキシ」は、酸素原子を介して結合しているC1-C4アルキルを示しており、そして、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシなどを包含する。
【0021】
用語「C3-C6シクロアルキル」は、3~6個の炭素原子のアルキル環を示しており、そして、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを包含する。
【0022】
用語「ハロゲン」及び「ハロゲノ」は、クロロ原子、フルオロ原子、ブロモ原子又はヨード原子を示している。
【0023】
用語「C6員又はC10員のアリール」は、フェニル又はナフチルを示している。
【0024】
用語「C6員又はC10員のアリールオキシ」は、酸素原子を介して結合しているフェニル又はナフチルを示しおり、そして、フェノキシ及びナフチルオキシを包含する。
【0025】
用語「C6員又はC10員のアリールチオ-オキシ」は、硫黄原子を介して結合しているフェニル又はナフチルを示しおり、そして、フェンチオ-オキシ及びナフチルチオ-オキシを包含する。さらに、用語「C6員又はC10員のアリールチオ-オキシ」が前記硫黄が-SO2-及び-S(O)-であるものも包含することは理解される。
【0026】
用語「4~7員のヘテロシクロアルキル」は、窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1個以上のヘテロ原子(好ましくは、1個、2個又は3個のヘテロ原子)を有する4~7員の単環式の飽和又は部分的(しかし、完全ではない)不飽和の環を示しており、そして、該環は、場合により、カルボニルを含んでいてラクタム又はラクトンを形成する。硫黄が含まれている場合、該硫黄は、-S-、-SO-又は-SO2-のいずれかであることができることは理解される。例えば、限定するものではないが、該用語は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、オキセタニル、ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフリル、ヘキサヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロイミダゾリルなどを包含する。
【0027】
用語「5員ヘテロアリール」は、1~4個の炭素原子と窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を有する5員単環式完全不飽和環を示している。例えば、限定でするものではないが、該用語は、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルなどを包含する。5員ヘテロアリールが環炭素原子又は環窒素原子を介して置換基として結合する(そのような結合様式が、例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリルなどに対して利用可能である場合)ことができることは理解される。
【0028】
用語「6員ヘテロアリール」は、1~5個の炭素原子と窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1個以上(典型的には、1~4個)のヘテロ原子を有する6員単環式完全不飽和環を示している。例えば、限定でするものではないが、該用語は、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジルなどを包含する。6員ヘテロアリールが環炭素原子又は環窒素原子を介して置換基として結合する(そのような結合様式が利用可能である場合)ことができることは理解される。
【0029】
用語「5~10員のヘテロアリール」は、1~9個の炭素原子と窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1個以上のヘテロ原子(好ましくは、1個、2個又は3個のヘテロ原子)を有する5~10員の単環式又は多環式の完全不飽和の環又は環系を示している。例えば、限定でするものではないが、該用語は、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、アゼピニル、ジアゼピニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾピラジニル、ベンゾピラゾリル、キナゾリル、チエノピリジル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチアゾリルなどを包含する。O、S及びNの群から選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有する5~10員のヘテロアリールが環炭素原子又は環窒素原子を介して置換基として結合する(そのような結合様式が利用可能である場合)ことができることは理解される。
【0030】
用語「5~10員のヘテロアリールオキシ」は、酸素原子を介して結合している5~10員のヘテロアリール(ここで、該5~10員のヘテロアリールは、O、S及びNの群から選択される1個以上のヘテロ原子、好ましくは、1個、2個又は3個のヘテロ原子を有している)を示しており、そして、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどを包含する。
【0031】
用語「オキソ」は、それが結合している炭素に二重に結合して、ケトン又はアルデヒドのカルボニルを形成している酸素原子を示している。例えば、ピリドンラジカルは、オキソ置換された6員ヘテロアリールとして意図されている。
【0032】
【0033】
を示している。
【0034】
【0035】
を示している。
【0036】
用語「C
1-C
4アルコキシカルボニル」は、下記基:
【化5】
【0037】
〔ここで、Rは、C1-C4アルキルである〕
を示している。
【0038】
基、置換基又は部分などに関して本明細書中で使用されている用語「nil」は、その基、置換基又は部分が存在していないことを示している。基、置換基又は部分が通常2つ以上の他の基、置換基又は部分に結合している場合、その他のものは、基、置換基又は部分の代わりに一緒に結合しており、これが、nilである。例えば、構造A-B-C(ここで、Bはnilである)を有する化合物の場合、AはCに直接結合しており、そして、該化合物はA-Cである。別の例として、構造A-B-C(ここで、Cはnilである)を有する化合物の場合、該化合物はA-Bである。
【0039】
用語「塩」は、獣医学的に若しくは薬学的に許容される有機酸及び有機塩基の塩、又は、獣医学的に若しくは薬学的に許容される無機酸及び無機塩基の塩を示している。そのような塩は、当技術分野でよく知られており、そして、「Journal of Pharmaceutical Science, 66, 2-19(1977)」に記載されている塩を包含する。その一例は、塩酸塩である。
【0040】
「置換されていてもよい(optionally substituted)」において使用されている場合を包含する用語「置換されている(substituted)」は、基の1つ以上の水素ラジカルにおいて、非水素ラジカル(置換基)で置き換えられている水素ラジカルを示している。該置換基は、置換位置ごとに同じであっても又は異なっていてもよいことは、理解される。本発明によって想定される基及び置換基の組み合わせは、安定であるか又は化学的に実現可能なものである。本明細書中に記載されている化合物の場合、その基及び置換基は、当該原子及び当該置換基の許容される原子価に従って選択されることができ、その結果、その選択及び置換は、安定な化合物(例えば、変換(例えば、転位、環化、脱離などによる変換)を自発的には受けない安定な化合物)をもたらす。
【0041】
シクロアルキル環又はヘテロシクロアルキル環がスピロ基で置換されている場合、そのスピロ基は、その価数によって可能であれば、該スピロ基が共通の原子を介してシクロアルキル環又はヘテロシクロアルキル環に結合するように、シクロアルキル又はヘテロシクロアルキルの任意の位置に結合して追加の環を形成することができることは、理解される。そのようなスピロで置換された環の例としては、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-アザスピロ[3.3]ヘプタン、2-アザスピロ[3.4]オクタン、6-オキサ-2-アザスピロ[3.4]オクタンなどをあげることができる。
【0042】
用語「安定な」は、それらの製造を可能にするための条件に付されたときに実質的に変化しない化合物を示している。非限定的な例において、安定な化合物又は化学的に実現可能な化合物は、水分又は他の化学的に反応性の条件の非存在下で、40℃以下の温度に約1週間保たれたときに実質的に変化しない化合物である。
【0043】
本明細書中で定義されている用語が多数の炭素原子について言及している場合、その言及された数は言及された基を指しており、そして、その基における場合による置換基内に存在し得る炭素又はベンゾ縮合環を包含する縮合環の一部として存在し得る炭素は含まない、ことは理解される。
【0044】
当業者は、本発明の化合物の一部が異性体として存在することを理解するであろう。本発明の化合物の任意の比率における全ての立体異性体(これは、幾何異性体、エナンチオマー及びジアステレオマーを包含する)は、本発明の範囲内にあることが意図されている。
【0045】
当業者は、さらに、本発明の化合物の一部が互変異性体として存在することも理解するであろう。本発明の化合物の全ての互変異性体形態は、本発明の範囲内にあることが意図されている。
【0046】
本発明の化合物は、さらに、主要な原子質量を有する少なくとも1の原子が、同じ原子番号を有するが主要な原子質量とは異なる原子質量を有する原子で置き換えられている、全ての同位体変異体も包含する。同位体変異体(例えば、重水素、2H)を使用することで、代謝の安定性が向上する可能性がある。さらに、本発明の化合物の特定の同位体変異体は、放射性同位体(例えば、トリチウム、3H、又は、14C)を組み込むことが可能であり、これは、薬物及び/又は基質の組織分布研究において有用であり得る。陽電子を放射する同位体(例えば、11C、18F、15O及び13N)による置換は、陽電子放射断層撮影(PET)研究において有用であり得る。
【0047】
用語「本発明の化合物(compounds of the invention)」及び「本発明の化合物(a compound of the invention)」及び「本発明の化合物(compounds of the present invention)」などには、式(I)の実施形態及び本明細書中に記載されている式(I)に包含される別のより特定的な実施形態及び本明細書中に記載されている例示的な化合物及びこれらの実施形態のそれぞれの塩が包含されている。
【0048】
定義されているGを有する式(I)で表される化合物は、式:
【化6】
【0049】
で表される。
【0050】
本発明の化合物のさらなる実施形態について、以下に記載する。
【0051】
(a)一実施形態は、式(Ia)で表される化合物に関する。
【0052】
(b)一実施形態は、式(Ib)で表される化合物に関する。
【0053】
(1)一実施形態は、式(Ic)で表される化合物に関する。
【0054】
(2)一実施形態は、式(I)、実施形態(a)、実施形態(b)及び(1)〔ここで、X1、X2、X3及びX5のうちの少なくとも1は、Nである〕の化合物に関する。
【0055】
(c)一実施形態は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)又は式(Ic)〔式中、X1はCR1であり;X2はCR2であり;X3はCR3であり;X4はCR4であり;X5はCR5であり;及び、X6はNである〕で表される化合物又はその塩に関する。
【0056】
(d)一実施形態は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)又は式(Ic)〔式中、X1はCR1であり;X2はCR2であり;X3はCR3であり;X4はCR4であり;X5はNであり;及び、X6はNである〕で表される化合物又はその塩に関する。
【0057】
(e)一実施形態は、式(I)、式(Ia)又は式(Ib)〔式中、X1はCR1であり;X2はCR2であり;X3はCR3であり;X4はCR4であり;X5はNであり;及び、X6はCR6である〕で表される化合物又はその塩に関する。
【0058】
(f)一実施形態は、式(I)、式(Ia)、式(Ib)又は式(Ic)〔式中、X1はCR1であり;X2はCR2であり;X3はCR3であり;X4はNであり;X5はNであり;及び、X6はNである〕で表される化合物又はその塩に関する。
【0059】
(g)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)及び(f)〔ここで、Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、C3-C6シクロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい6~10員のアリールである〕の化合物又はその塩に関する。
【0060】
(h)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)及び(f)〔ここで、Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1-C4アルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、C3-C6シクロアルキル、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい6員アリールであり、ここで、該6員アリールは、O、S及びNの群から選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している4~7員のヘテロシクロアルキルと縮合しており、並びに、ここで、該ヘテロシクロアルキルの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2からなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロシクロアルキル内の任意のNは、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されている〕の化合物又はその塩に関する。
【0061】
(i)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)及び(f)〔ここで、Qは、O、S及びNの群から選択される1個又2個のヘテロ原子を有している5~10員のヘテロアリールであり、ここで、該ヘテロアリールの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、-OH、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2からなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロアリール内の任意のNは、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい〕の化合物又はその塩に関する。
【0062】
(j)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)及び(f)〔ここで、Qは、O、S、Nの群から選択される1個又2個のヘテロ原子を有している4~7員のヘテロシクロアルキルであり、ここで、該ヘテロシクロアルキルは、ベンゾ縮合していてもよく、ここで、該ヘテロシクロアルキル又は場合によりベンゾ縮合しているヘテロシクロアルキルの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)及び-N(C1-C4アルキル)2からなる群から独立して選択される1、2、3又は4の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロシクロアルキル内の任意のNは、水素、C1-C4アルキル及びC3-C6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されていてもよい〕の化合物又はその塩に関する。
【0063】
(k)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)及び(f)〔ここで、Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい6~10員のアリールオキシである〕の化合物又はその塩に関する。
【0064】
(l)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(1)、(2)、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)及び(f)〔ここで、Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、C1-C4ハロゲノアルキル、C1-C4アルコキシ、-NH2、-NH(C1-C4アルキル)、-N(C1-C4アルキル)2、-NH(C3-C6シクロアルキル)、-N(C1-C4アルキル)(C3-C6-シクロアルキル)、-NHSO2(C1-C4アルキル)、-SC1-C4アルキル、-S(O)C1-C4アルキル、-SO2C1-C4アルキル、-S(O)C1-C4-ハロゲノアルキル及び-SO2C1-C4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよい5~10員のヘテロアリールオキシである〕の化合物又はその塩に関する。
【0065】
(m)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)及び(l)〔ここで、nは1である〕の化合物又はその塩に関する。
【0066】
(n)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)及び(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)及び(m)〔ここで、Y1はCR8R9であり、及び、Y2はOである〕の化合物又はその塩に関する。
【0067】
(o)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)及び(n)〔ここで、R4は、C1-C4アルキル、C3-C6シクロアルキル、-N(C1-C4アルキル)2及び4~7員のヘテロシクロアルキルからなる群から選択される〕の化合物又はその塩に関する。
【0068】
(p)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)、(f)、(1)、(2)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)及び(n)〔ここで、R4は、-N(C1-C4アルキル)2である〕の化合物又はその塩に関する。
【0069】
(q)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)及び(p)〔ここで、MはOである〕の化合物又はその塩に関する。
【0070】
(r)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)及び(p)〔ここで、MはNR13である〕の化合物又はその塩に関する。
【0071】
(s)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)及び(p)〔ここで、MはSである〕の化合物又はその塩に関する。
【0072】
(t)一実施形態は、式(I)並びに実施形態(a)、(b)、(1)、(2)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p)、(q)、(r)及び(s)〔ここで、Z1はCR11であり、Z2はCR11であり、Z3はnilであり、及び、Z4はSである〕の化合物又はその塩に関する。
【0073】
(u)別の実施形態は、該例示されている化合物のそれぞれの塩に関する。
【0074】
【0075】
〔式中、X1、X2、X3、X4、X5、X6、R1、R4、R5、R7及びQは、「発明の概要」において定義されているとおりである〕
で表される化合物又は前記化合物のいずれかの塩を提供する。
【0076】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)[即ち、式(Ia-1)、式(Ia-2)、式(Ia-3)、式(Ia-4)、式(Ia-5)、式(Ia-6)、式(Ia-7)、式(Ia-8)、式(Ia-1a)、式(Ia-2a)、式(Ia-3a)、式(Ia-4a)、式(Ia-5a)、式(Ia-6a)、式(Ia-7a)及び式(Ia-8a)]に関する別の実施形態では、R1は、存在する場合[即ち、当該式中に具体的にしめされている場合]には、水素、ハロゲン及びシアノから選択される。式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R1は、存在する場合には、水素、フルオロ及びシアノから選択される。式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R1は、存在する場合には、水素又はフルオロである。式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R1は、存在する場合には、水素である。式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R1は、存在する場合には、フルオロである。
【0077】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R
4は、存在する場合には、
【化8】
【0078】
から選択される。
【0079】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R
4は、存在する場合には、
【化9】
【0080】
から選択される。
【0081】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R
4は、存在する場合には、
【化10】
【0082】
から選択される。
【0083】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R5は、存在する場合には、水素、ハロゲン、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲノアルキルである。式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R5は、存在する場合には、水素、C1-C4アルキル又はC1-C4ハロゲノアルキルである。式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R5は、存在する場合には、水素、メチル又はトリフルオロメチルである。
【0084】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、R7は、存在する場合には、水素である。
【0085】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、Qは、6員アリール及び5員又は6員のヘテロアリール(ここで、該ヘテロアリールは、N、O及びSから独立して選択される1個、2個又は3個のヘテロ原子を有している)から選択され、ここで、該アリール及びヘテロアリールは、ハロゲン、C1-C4ハロゲノアルキル及びC1-C4アルコキシから独立して選択される1、2、3、4又は5の置換基で置換されていてもよい。式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、Qは、ハロゲンから独立して選択される1、2、3、4又は5の置換基で置換されていてもよい6員アリールから選択される。
【0086】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、Qは、
【化11】
【0087】
から選択される。
【0088】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、Qは、
【化12】
【0089】
から選択される。
【0090】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、
X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6は、存在する場合には、「発明の概要」において定義されているとおりであり;
R
1は、存在する場合には、水素、ハロゲン及びシアノから選択され;
R
4は、存在する場合には、
【化13】
【0091】
から選択され;
R
5は、存在する場合には、水素、メチル及びトリフルオロメチルから選択され;
R
7は、存在する場合には、水素であり;及び、
Qは、
【化14】
【0092】
から選択される;
又は、その塩。
【0093】
式(Ia-1)~式(Ia-8a)に関する別の実施形態では、
X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6は、存在する場合には、は、「発明の概要」において定義されているとおりであり;
R
1は、存在する場合には、水素、ハロゲン及びシアノから選択され;
R
4は、存在する場合には、
【化15】
【0094】
から選択され;
R
5は、存在する場合には、水素から選択され;
R
7は、存在する場合には、水素であり;及び、
Qは、
【化16】
【0095】
から選択される;
又は、その塩。
【0096】
別の実施形態では、式(I)で表される化合物又はその塩は、式(Ia-5)
【化17】
【0097】
〔式中、R
1、R
4及びQは、「発明の概要」において定義されているとおりである〕
で表される。好ましくは、R
1は、水素、ハロゲン又はシアノである。さらに好ましくは、R
1は、水素又はフルオロである。好ましくは、R
4は、4-モルホリノ又はジメチルアミノである。好ましくは、Qは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、C
3-C
6シクロアルキル、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)
2、-NH(C
3-C
6シクロアルキル)、-N(C
1-C
4アルキル)(C
3-C
6-シクロアルキル)、-NHSO
2(C
1-C
4アルキル)、-SC
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4アルキル、-SO
2C
1-C
4アルキル、-S(O)C
1-C
4-ハロゲノアルキル及び-SO
2C
1-C
4ハロゲノアルキルからなる群から独立して選択される1、2、3、4又は5の置換基で置換されていてもよい6員アリールであり、ここで、該6~10員のアリールは、O、S及びNの群から選択される1個又は2個のヘテロ原子を有している4~7員のヘテロシクロアルキルと縮合していてもよく、並びに、ここで、該ヘテロシクロアルキルの炭素は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシル、オキソ、C
1-C
4アルキル、C
3-C
6シクロアルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル、C
1-C
4アルコキシ、-NH
2、-NH(C
1-C
4アルキル)及び-N(C
1-C
4アルキル)
2の群から独立して選択される1、2又は3の置換基で置換されていてもよく、並びに、該ヘテロシクロアルキル内の任意のNは、その価数によって可能であれば、水素、C
1-C
4アルキル及びC
3-C
6シクロアルキルからなる群から選択される置換基で置換されている。好ましくは、Qは、ハロゲン、C
1-C
4アルキル、C
1-C
4ハロゲノアルキル及びシアノから独立して選択される1、2、3、4又は5の置換基で置換されている6員アリールである。好ましくは、Qは、
【化18】
【0098】
から選択される。
【0099】
本発明の化合物は、さまざまな方法によって調製することが可能であり、そのうちのいくつかについて以下で説明する。全ての置換基は、別途示されていない限り、以前に定義されたとおりである。
【0100】
各段階の生成物は、抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、摩砕、結晶化などを包含する従来の方法によって回収することができる。該方法では、望ましくない反応を最小限に抑えるために、特定の基(例えば、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基又はカルボキシル基)を保護することが必要であり得る。保護基の選択、使用及び除去については、標準的な技法(例えば、「T.W. Greene and P. G. M. Wuts in Protective Groups in Organic Chemistry (John Wiley and Sons, 1991)」)としてよく知られており、理解されている。
【0101】
本明細書中で使用されている場合:AcOHは酢酸を示しており;aqは水性を示しており、brは広幅を示しており、CH3CNはアセトニトリルを示しており、CH2Cl2は塩化メチレンを示しており、dは二重線を示しており、ddは二重線の二重線を示しており、DIPEAはN-ジイソプロピルエチルアミンを示しており、DMAはN,N-ジメチルアセトアミドを示しており、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを示しており、DMSOはジメチルスルホキシドを示しており、eeはエナンチオマー過剰率を示しており、eqは当量を示しており、ESはエレクトロスプレーイオン化を示しており、EtOAcはEtOAcを示しており、EtOHはEtOHを示しており、HATUは1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェートを示しており、HPLCは高性能液体クロマトグラフィーを示しており、iPrOHはイソプロパノールを示しており、Jはカップリング定数を示しており、KOAcは酢酸カリウムを示しており、K2CO3は炭酸カリウムを示しており、LCMSは液体クロマトグラフィー-質量分析を示しており、m/zは質量電荷比を示しており、Mはモル濃度を示しており、mは多重線を示しており、MeOHはmEtOHを示しており、min.は分を示しており、NaHCO3は重炭酸ナトリウムを示しており、Na2CO3は炭酸ナトリウムを示しており、NEt3はトリエチルアミンを示しており、NMRは核磁気共鳴を示しており、NMPはN-メチルピロリドンを示しており、PEGはポリエチレングリコールを示しており、qは四重線を示しており、quintは五重線を示しており、rtはrtを示しており、Rtは保持時間を示しており、sは一重線を示しており、sat.は飽和を示しており、Tは温度を示しており、tは三重線を示しており、tdは二重線の三重線を示しており、THFはTHFを示しており、wtは重量を示しており、及び、δは化学シフトを示している。
【0102】
【0103】
スキームAは、式(Ia)で表される化合物を生成させるための式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物の反応を表している。式(1)で表されている化合物は、基A1がヒドロキシル基又は以下で論じられている活性化基であり、並びに、Q、M、X1、X2、X3、X4、X5及びX6が式(Ia)で表される最終化合物において望ましいものであるか又は式(Ia)で表される最終化合物において望ましいQ、M、X1、X2、X3、X4、X5及びX6を生じさせる基である化合物である。例えば、式(1)で表される化合物は、示されている基「Q」がハロゲンである化合物であることができ、ここで、該化合物は、次の段階(示されていない)においてさらに精密化されてQが式(Ia)において定義されている化合物を生成する。さらにまた、例えば、MがOである化合物は、さらに精密化して、MがSである化合物又はMがNR13である化合物とすることができる。式(1)で表されるそのような化合物の調製は、当技術分野において容易に理解される。式(2)で表される化合物は、R7、n、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3及びZ4が式(Ia)で表される最終化合物において望ましいものであるか又は式(Ia)で表される最終化合物において望ましいR7、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3及びZ4を生じさせる基である化合物である。式(2)で表されるそのような化合物の調製は、当技術分野において容易に理解される。
【0104】
上記で記載されているように、スキームAは、式(2)で表される化合物を使用して式(1)で表される化合物を反応させて式(Ia)で表される化合物を生成させる反応を示している。典型的な基A1は、ヒドロキシル、又は、脱離基、例えば、クロロ、ブロモ若しくはイミダゾリル、活性化部分、別のカルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸)の混合無水物であるか、又は、式(1)で表される2つの化合物から形成された対称無水物の残りの部分を表す。例えば、標準的なアミド形成条件、例えば、カップリング剤(これは、ペプチドカップリングで使用されるものを包含する)、例えば、2-(1H-7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウム(HATU)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド・HClなどを使用するアミド形成条件を使用することができる。必要に応じて又は望ましい場合、4-(ジメチルアミノ)ピリジン、1-ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの添加剤を使用して当該反応を促進することができる。そのような反応は、一般に、多種多様な適切な溶媒(例えば、CH2Cl2、DMF、NMP、DMA及びTHFなど)の中で、塩基(例えば、N-メチルモルホリン又はNEt3)を使用して実施する。そのような反応は、当技術分野においてよく理解されている。
【0105】
式(Ia)で表される化合物をさまざまな方法で精密化して式(Ia)で表される別の化合物を生成させることができることは、当業者に理解されるであろう。そのような反応としては、加水分解、酸化、還元、アルキル化、アリール化(これは、ヘテロアリール基を包含する)、アミド化、スルホン化などがある。
【0106】
さらにまた、場合による段階(示されていない)において、式(Ia)で表される化合物を、当技術分野でよく知られ、よく理解されている方法によって、塩に変換させることができる。
【0107】
【0108】
スキームBは、式(Ib)で表される化合物を生成させるための式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物の反応を表している。式(3)で表されている化合物は、Q、R7、X1、X2、X3、X4、X5及びX6が式(I)で表される最終化合物において望ましいものであるか又は式(Ib)で表される最終化合物において望ましいQ、R7、X1、X2、X3、X4、X5及びX6を生じさせる基である化合物である。例えば、式(3)で表される化合物は、示されている基「Q」がハロゲンである化合物であることができ、ここで、該化合物は、次の段階(示されていない)においてさらに精密化されてQが式(Ib)において定義されている化合物を生成する。式(3)で表されるそのような化合物の調製は、当技術分野において容易に理解される。式(4)で表される化合物は、基A2がカルボキシ基又は以下で論じられている活性化基であり、並びに、n、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3及びZ4が式(Ib)で表される最終化合物において望ましいものであるか又は式(Ib)で表される最終化合物において望ましいY1、Y2、Z1、Z2、Z3及びZ4を生じさせる基である化合物である。式(4)で表されるそのような化合物の調製は、当技術分野において容易に理解される。
【0109】
上記で記載されているように、スキームBは、式(4)で表される化合物を使用して式(3)で表される化合物を反応させて式(Ib)で表される化合物を生成させる反応を示している。典型的な基A2は、カルボキシ若しくは酸塩化物若しくは酸臭化物、又は、イミダジド、活性化部分、別のカルボン酸(例えば、ギ酸、酢酸)の混合無水物であるか、又は、式(4)〔式中、A2は、カルボキ誘導体又は別の活性化部分である〕で表される2つの化合物から形成された対称無水物の残りの部分を表す。そのような反応は、一般に、多種多様な適切な溶媒(例えば、CH2Cl2、DMF、N-メチルピロリドン(NMP)、DMA及びTHFなど)の中で、塩基(例えば、N-メチルモルホリン又はトリエチルアミン)を使用して実施する。よく知られているように、MがOである(Ib)の化合物は、さらに精密化して、MがSである化合物又はMがNR13である化合物とすることができる。
【0110】
【0111】
スキームCは、式(Ib)で表される化合物を生成させるための式(5)で表される化合物と式(6)で表される化合物の反応を表している。式(5)で表されている化合物は、スキームBに記載されている式(3)で表される化合物と同一である。式(6)で表される化合物は、示されているR7並びにn、Y1、Y2、Z1、Z2、Z3及びZ4が式(Ib)で表される最終化合物において望ましいものであるか又は式(Ib)で表される最終化合物において望ましい示されているR7並びにY1、Y2、Z1、Z2、Z3及びZ4を生じさせる基である化合物である。式(6)で表されるそのような化合物の調製は、当技術分野において容易に理解される。ホスゲン、カルボニルジイミダゾール、イソプロペニルカルバメート及び置換されていてもよいフェノキシカルボニルハロゲン化物(例えば、p-ニトロフェノキシカルボニルクロリドなど)を使用する非対称尿素の形成は、よく知られている。
【0112】
そのような反応は、一般に、多種多様な適切な溶媒(例えば、CH2Cl2、DMF、N-メチルピロリドン(NMP)、DMA及びTHFなど)の中で、塩基(例えば、N-メチルモルホリン又はトリエチルアミン)を使用して、ホスゲン、カルボニルジイミダゾール、イソプロペニルカルバメート及び置換されていてもよいフェノキシカルボニルハロゲン化物を式(5)で表される化合物又は式(6)で表される化合物のいずれかに添加することによって、連続的に実施する。次いで、化合物(5)又は化合物(6)のうちのもう一方を加える。
【0113】
スキームB及びスキームCにおいて、式(Ib)で表される化合物をさまざまな方法で精密化して式(Ib)で表される別の化合物を生成させることができることは、当業者に理解されるであろう。そのような反応としては、加水分解、酸化、還元、アルキル化、アリール化(これは、ヘテロアリール基を包含する)、アミド化、スルホン化などがある。よく知られているように、MがOである(Ib)の化合物は、さらに精密化して、MがSである化合物又はMがNR13である化合物とすることができる。
【0114】
さらにまた、場合による段階(示されていない)において、式(Ib)で表される化合物を、当技術分野でよく知られ、よく理解されている方法によって、塩に変換させることができる。
【0115】
以下の実施例は、例示的且つ非限定的であることが意図されており、そして、本発明の特定の実施形態を表している。
【0116】
分析方法A及び分析方法Bは、1260 HiP 脱ガス装置(G4225A)、1260 Binary Pump(G1312B)、1290 オートサンプラー(G4226A)、1290 サーモスタットカラムコンパートメント(G1316C)及びAgilent 6150 シングル四重極質量分析(MS)検出器に連結した1260 Diode Array Detector(G4212B)で構成されているAgilent 1200 Infinity Series Liquid Chromatography(LC)システムを使用して実施した。注入量は、デフォルトによって1μLに設定されていた。UV(DAD)取得は、スキャン範囲190-400nm(5nmステップ)で40Hzで実施した。MS検出器の前に、1:1フロースプリットを使用した。MSは、陽イオンモードと陰イオンモードの両方で、エレクトロスプレーイオン化源(ESI)を使用して操作した。ネブライザー圧は50psiに設定し、乾燥ガスの温度及び流量は、それぞれ、350℃及び12L/分に設定した。使用したキャピラリー電圧は、ポジティブモードでは4000Vであり、ネガティブモードでは3500Vであった。MS取得範囲は、両方の極性モードで、100-800m/z(ステップサイズは0.2m/z)に設定した。フラグメンター電圧は、70(ESI+)又は120(ESI-)に設定し、Gainは、0.40(ESI+)又は1.00(ESI-)に設定し、及び、イオンカウント閾値は、4000(ESI+)又は1000(ESI-)に設定した。全体的なMSスキャンサイクル時間は、0.15秒/サイクルであった。データ取得は、Agilen tChemstation ソフトウェアを使用して実施した。
【0117】
方法A: 分析は、長さ50mm、内径2.1mm及び粒子サイズ3μmのPhenomenex Gemini-NX C18カラムで実施した。使用した移動相は、以下のとおりであった:A1=水(0.1%ギ酸含有)/B1=CH3CN(0.1%ギ酸含有)。分析は、温度50℃及び流量1.2mL/分で、1.5分間かけて5%から95%(B1)までの勾配溶離とその後0.5分間95%(B1)で保持によって、実施した。
【0118】
方法B: 分析は、長さ50mm、内径2.1mm及び粒子サイズ3.5μmのWaters XBridge C18カラムで実施した。使用した移動相は以下のとおりであった:A2=水(10mM重炭酸アンモニウム含有;水酸化アンモニウムを用いてpH9に調節)/B2=CH3CN。分析は、温度50℃及び流量1.2mL/分で、1.5分間かけて5%から95%(B2)までの勾配溶離とその後95%(B2)で0.5分間保持によって、実施した。
【0119】
分析方法C及び分析方法Dは、Waters SQ Detector 2 シングル四重極質量分析(MS)検出器に連結したWaters Acquity UPLC Liquid Chromatography(LC)システムを使用して実施した。UV(DAD)取得は、スキャン範囲200-400nm(1.2nmの分解能)で実施した。MSは、陽イオンモードと陰イオンモードの両方で、エレクトロスプレーイオン化源(ESI)を使用して操作した。キャピラリー電圧3.50(kV)、コーン電圧35(V)、及び、脱溶媒温度550℃。脱溶媒ガス流量1000(L/時間)、コーンガス流量50(L/時間)。MS取得範囲は、100-1500m/zに設定した。MSスキャンサイクル時間は、0.5秒であった。データ取得は、Waters Masslynx ソフトウェアを使用して実施した。
【0120】
方法C: 分析は、長さ50mm、内径2.1mm及び粒子サイズ1.7μmのAcquity UPLC BEH C18カラムで実施した。使用した移動相は、以下のとおりであった:A1=水(0.1%ギ酸含有)/B1=CH3CN(0.1%ギ酸含有)。注入量は、0.1μLであった。分析は、温度40℃及び流量0.6mL/分で、勾配溶離によって実施した。方法に関する情報(時間(分)及びB%):0-5;0.3-5;2.5-95;3.7-95;4-5;4.6-5。
【0121】
方法D: 分析は、長さ50mm、内径2.1mm及び粒子サイズ1.7μmのAcquity UPLC BEH C18カラムで実施した。使用した移動相は、以下のとおりであった:A1=水(10mM酢酸アンモニウム含有)/B1=CH3CN(0.1%ギ酸含有)。注入量は、0.1μLであった。分析は、温度45℃及び流量0.5mL/分で、勾配溶離によって実施した。方法に関する情報(時間(分)及びA%):0-98;0.3-98;3.2-2;4.4-2;4.7-98。
【実施例】
【0122】
実施例1.1
N-[8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)-3-キノリル]-2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-カルボキサミド
【化22】
【0123】
8-ブロモキノリン-4-オール(2g、8.82mmol)をプロピオン酸(20mL、265mmol)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、100℃で、硝酸(1mL、16mmol)をゆっくりと5分間かけて添加した。その反応物を125℃まで加熱し、45分間撹拌した。次いで、その反応物を室温まで冷却し、それによって生成物が沈澱した。その固体を濾過によって集め、水(3×10mL)、iPrOH(10mL)、イソヘキサン(10mL)で洗浄し、次いで、真空オーブン内で1時間乾燥させて、8-ブロモ-3-ニトロ-キノリン-4-オールが得られた。
【0124】
LCMS (方法 B): Rt= 0.54 分, m/z= 269 [M+H]+.
8-ブロモ-3-ニトロ-キノリン-4-オール(1.52g、5.37mmol)の溶液にPOCl3(10mL、107mmol)を添加した。その懸濁液を加熱環流し、2時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、一晩静置した。その反応混合物を減圧下で濃縮(トルエンとの共沸)して、8-ブロモ-4-クロロ-3-ニトロ-キノリンが得られた。これは、それ以上精製することなく、直接次の段階で使用した。
【0125】
8-ブロモ-4-クロロ-3-ニトロ-キノリン(2.32g、5.38mmol)をTHF(30mL)に溶解させた溶液に、ジメチルアミン(THF中2M、7mL、14mmol)をゆっくりと添加した。その反応物を室温で1.5時間撹拌した。その反応混合物をEtOAcと飽和水性NaHCO3(何れも50mL)の間で分配させた。ブライン(50mL)を添加した。層を分離し、その水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。その有機層を合して減圧下で濃縮して、8-ブロモ-N,N-ジメチル-3-ニトロ-キノリン-4-アミンが得られた。
【0126】
LCMS (方法 B): Rt= 1.13 分, m/z= 296 [M+H]+.
8-ブロモ-N,N-ジメチル-3-ニトロ-キノリン-4-アミン(505mg、1.62mmol)の溶液に、(3,5-ジクロロフェニル)ボロン酸(314mg、1.61mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(92mg、0.08mmol)及びNa2CO3(351mg、3.28mmol)を添加した。そのバイアルを密閉し、次いで、排気及びN2によるバックフィルを3回実施した。1,4-ジオキサン(9mL)を添加した後、水(3mL)を添加し、その反応物をマイクロ波オーブンの中で1時間100℃い加熱した。その反応混合物をEtOAcと飽和水性NaHCO3(何れも50mL)で分配させた。層を分離し、その水層をEtOAc(2×25mL)で抽出した。その有機層を合して減圧下で濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、8-(3,5-ジクロロフェニル)-N,N-ジメチル-3-ニトロ-キノリン-4-アミンが得られた。
【0127】
LCMS (方法 B): Rt= 1.57 分, m/z= 362 [M+H]+.
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N,N-ジメチル-3-ニトロ-キノリン-4-アミン(401mg、1.05mmol)をTHF(5mL)とEtOH(5mL)と水(2.5mL)に懸濁させた懸濁液を撹拌しながら、それに、鉄(184mg、3.23mmol)及びNH4Cl(168mg、3.13mmol)を添加した。その反応物を75℃まで加熱し、45分間撹拌した。その反応物を室温まで冷却し、次いで、飽和水性NaHCO3とEtOAc(何れも25mL)の間で分配させた。その混合物をCelite(登録商標)(EtOAcによる洗浄)で濾過し、その濾液の層を分離した。その水層をEtOAc(2×25mL)で抽出し、その有機層を合して減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、8-(3,5-ジクロロフェニル)-N4,N4-ジメチル-キノリン-3,4-ジアミンが得られた。
【0128】
LCMS (方法 B): Rt= 1.48 分, m/z= 363.2 [M+H]+.
4-ニトロフェニルクロロホルメート(88mg、0.42mmol)をTHF(2mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、N2雰囲気下、0℃で、8-(3,5-ジクロロフェニル)-N4,N4-ジメチル-キノリン-3,4-ジアミン(148mg、0.42mmol)をTHF(2.5mL)に溶解させた溶液を3分間かけて滴下して加えた。その反応物を0℃で30分間撹拌した。その反応物の溶液は、直接次の段階で使用した。
【0129】
その反応混合物に、THF(0.5mL)中の3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン(71mg、0.51mmol)とNEt3(132μL、0.94mmol)を添加した。その反応物を室温で一晩撹拌した。その反応混合物を飽和水性NaHCO3とCH2Cl2(何れも20mL)の間で分配させた。層を分離し、その水層をCH2Cl2(2×20mL)で抽出した。その有機層を合してCelite(登録商標)に通し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0130】
LCMS (方法 B): R
t= 1.62 分, m/z= 493.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [ppm]: 9.95 (s, 1 H), 9.13 (s, 1 H), 7.91 (quint, J= 4.8 Hz, 1 H), 7.55 (d, J= 2 Hz, 1 H), 7.53 (d, J= 5.2 Hz, 1 H), 7.43 (dd, J= 1.6, 8.4 Hz, 1 H), 7.38 (t, J= 2 Hz, 1 H), 7.17 (m, 1 H), 7.01 (m, 2 H), 4.36 (t, J= 4.4 Hz, 2 H), 4.02 (t, J= 4.8 Hz, 2 H), 2.9 (s, 6 H).
実施例2.1
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(ジメチルアミノ)-1,7-ナフチリジン-3-カルボキサミド
【化23】
【0131】
2-クロロ-3-フルオロ-ピリジン-4-カルボン酸(10.1g、56.3mmol)とSOCl2(40mL、547mmol)の混合物を80℃で2時間加熱した。その反応物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。それは直接次の段階で使用した:トルエン(145mL)及びNEt3(9.8mL、70mmol)を添加した後、3-(ジメチルアミノ)-プロパ-2-エン酸エチル(10.2g、69.6mmol)添加した。その反応物を、45分間、80℃で加熱し、撹拌した。その混合物を室温まで冷却し、Celite(登録商標)(EtOAcによる洗浄)で濾過した。その濾液を減圧下で濃縮し、その残渣をEtOAcと水性2M HCl(何れも150mL)の間で分配させた。層を分離し、その水層をEtOAc(150mL)で抽出した。その有機層を合して無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(2-クロロ-3-フルオロ-ピリジン-4-カルボニル)-3-(ジメチルアミノ)-プロパ-2-エン酸エチルが得られた。
【0132】
LCMS (方法 B): Rt= 0.86 分, m/z= 301.00 [M+H]+.
2-(2-クロロ-3-フルオロ-ピリジン-4-カルボニル)-3-(ジメチルアミノ)-プロパ-2-エン酸エチル(188mg、0.59mmol)をジエチルエーテル(2.4mL)とEtOH(0.6mL)に溶解させた溶液に、4-メトキシベンジルアミン(94μL、0.71mmol)を添加した。その反応混合物を室温で15分間撹拌して、沈澱物が形成された。その反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣が得られた。その残渣をシクロヘキサンを用いて摩砕して、2-(2-クロロ-3-フルオロ-ピリジン-4-カルボニル)-3-[(4-メトキシフェニル)メチル-アミノ]-プロパ-2-エン酸エチルが得られた。
【0133】
LCMS (方法 B): Rt= 1.21 分, m/z= 393 [M+H]+.
2-(2-クロロ-3-フルオロ-ピリジン-4-カルボニル)-3-[(4-メトキシフェニル)メチル-アミノ]-プロパ-2-エン酸エチル(214mg、518μmol)をDMF(2.6mL)に溶解させた溶液に、K2CO3(230mg、1.66mmol)を室温で添加した。その反応混合物を、2時間、40℃で加熱し、撹拌した。室温まで冷却後、その反応混合物氷水(20mL)の中に注ぎ入れて、微細な沈澱物が形成された。その沈澱物をEtOAc(20mL)に溶解させ、その層を分離した。その水層をEtOAc(2×10mL)で抽出し、その有機層を合して水(20mL)で洗浄し、無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、8-クロロ-1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-オキソ-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0134】
LCMS (方法 B): Rt= 1.01 分, m/z= 373 [M+H]+.
(3,5-ジクロロフェニル)ボロン酸(110mg、0.56mmol)を1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-Pd(II)・CH2Cl2錯体及びNa2CO3(100mg、0.93mmol)と混合させた。そのバイアルを密閉し、次いで、排気し、N2でバックフィルした。次いで、1,4-ジオキサン(2.4mL、28mmol)中の8-クロロ-1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-オキソ-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(186mg、0.47mmol)を添加し、次いで、水(0.8mL)を添加し、その反応混合物をマイクロ波オーブンの中で100℃で1時間加熱した。その反応混合物をCelite(登録商標)(EtOAcによる洗浄)で濾過した。その濾液を水(20mL)で洗浄し、無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮し、次いで、カラムクロマトグラフィーで精製して、8-(3,5-ジクロロフェニル)-1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-オキソ-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0135】
LCMS (方法 B): Rt= 1.30 分, m/z= 483 [M+H]+.
8-(3,5-ジクロロフェニル)-1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-オキソ-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(877mg、1.72mmol)をCH2Cl2(9mL)に溶解させた溶液に、アニソール(1mL、1.74mmol)を添加し、次いで、TFA(2.5mL、33mmol)を添加した。得られた反応混合物を室温で1時間撹拌した後、減圧下で濃縮した。その粗製生成物に飽和水性NaHCO3とEtOAc(何れも25mL)の混合物を添加し、得られた懸濁液を15分間強く撹拌した。その沈澱物を濾過(水による洗浄、次いで、EtOAcによる洗浄)によって分離し、減圧下で乾燥させて、8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0136】
LCMS (方法 B): Rt= 0.9 分, m/z= 363 [M+H]+.
8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-ヒドロキシ-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(61mg、0.13mmol)をCH2Cl2(2mL)に懸濁させた懸濁液を撹拌しながら、それに、塩化オキサリル(17μL、192μmol)を添加し、次いで、DMF(1μL、13μmol)を添加し、得られた混合物を室温で45分間撹拌した。その反応物を飽和NaHCO3水溶液(5mL)を添加することによってクエンチし、その混合物を水とCH2Cl2(何れも10mL)の間で分配させた。層を分離し、その水層をCH2Cl2で抽出した。その有機層を合して無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、4-クロロ-8-(3,5-ジクロロフェニル)-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0137】
LCMS (方法 B): Rt= 1.6 分, m/z= 381 [M+H]+.
マイクロ波バイアルに、1,4-ジオキサン(0.5mL)中の4-クロロ-8-(3,5-ジクロロフェニル)-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(59mg、0.12mmol)及びジメチルアミン・HCl(17mg、0.2mmol)を加えた。そのバイアルを密閉し、DIPEA(73μL、0.41mmol)を添加し、その反応混合物をマイクロ波オーブンの中で100℃で30分間加熱した。その混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄し、無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、が得られた。8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0138】
LCMS (方法 B): Rt= 1.5 分, m/z= 390 [M+H]+.
8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(556mg、1.35mmol)をTHF(14mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、水酸化リチウム(99mg、4.05mmol)を水(4.5mL)とMeOH(4.5mL)に溶解させた溶液を添加した。その反応混合物を40℃で2時間加熱し、室温で一晩撹拌した。次いで、その混合物を減圧下で濃縮し、その残渣を取って水(25mL)の中に入れた。その水層をEtOAc(25mL)で洗浄し、次いで、水性2M HClを添加することによってpH4に調節し、それによって懸濁液が形成された。その沈澱物を濾過によって分離し、真空オーブン内で一晩乾燥させて、8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸が固体として得られた。
【0139】
LCMS (方法 B): Rt= 0.78 分, m/z= 362 [M+H]+.
室温で、N2雰囲気下、3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン(504mg、3.73mmol)をEtOH(4mL)に溶解させた溶液に、水(1.6mL)中の亜硝酸ナトリウム(309mg、4.48mmol)を添加した。次いで、その混合物を0℃まで冷却した。その反応物に、0℃で、濃HCl(0.39mL、4.7mmol)を滴下して加えた。次いで、その反応物を0℃で15分間撹拌した。
【0140】
水酸化ナトリウム(1.43g、35.87mmol)を水(3.7mL)に溶解させた溶液を0℃で添加し、次いで、ヒドロ亜硫酸ナトリウム(2.40g、11.75mmol)を添加した。得られた懸濁液を2時間90℃に加熱し、次いで、室温まで冷却した。
【0141】
その反応物を水(30mL)で希釈し、次いで、トルエン(30mL)及びEtOAc(15mL)で抽出した。その有機層を合して分離させ、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-アミンが淡黄色の油状物(354mg)として得られた。
【0142】
LCMS (方法 B) Rt=0.63 分, m/z= 151 [M+H]+.
8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)-1,7-ナフチリジン-3-カルボン酸(158mg、0.41mmol)をDMF(5mL)に懸濁させた懸濁液を撹拌しながら、それに、NEt3(0.25mL、1.8mmol)を添加し、次いで、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-アミン(79mg、0.501mmol)及びPyBOP(341mg、0.64mmol)を添加した。その反応物を、窒素下、室温で、48時間撹拌した。その反応物をブライン(25mL)で洗浄し、CH2Cl2(3×15mL)で抽出した。その有機層を合して分離させ、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0143】
LCMS (方法 B) R
t= 1.35 分, m/z= 494 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ [ppm]: 10.7 (s, 1 H), 8.90 (s, 1 H), 8.67 (d, J= 4.4 Hz, 1 H), 8.1 (m, 2 H), 7.75 (t, J= 2 Hz, 1 H), 7.03 (dd, J= 8, 1.2 Hz, 1 H), 6.85 (td, J= 2, 8 Hz, 1 H), 6.69-6.78 (m, 2 H), 4.38 (t, J= 4.4 Hz, 2 H), 3.68 (s, 2 H), 3.13 (s, 6 H).
以下の化合物は、実施例2.1の方法によって同様に調製した。
【表1】
【0144】
実施例3.1
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-(ジメチルアミノ)-1,5-ナフチリジン-3-カルボキサミド
【化24】
【0145】
塩化チオニル(15mL、205mmol)を3,4-ジクロロピリジン-2-カルボン酸(3.96g、20.6mmol)に添加し、その反応混合物を1時間80℃に加熱した。その反応物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮して、3,4-ジクロロピリジン-2-カルボニルクロリドが得られた。これは、それ以上精製することなく次の段階で使用した。
【0146】
3,4-ジクロロピリジン-2-カルボニルクロリド(20.6mmol、4.76g)をトルエン(50mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、NEt3(3.5mL、25mmol)を添加し、次いで、3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エン酸エチル(3.6mL、25mmol)を添加した。その反応物を室温で一晩撹拌した。その反応物をCelite(登録商標)(EtOAcによる洗浄)で濾過した。その濾液を減圧下で濃縮し、その残渣をEtOAcと水性1M HCl(何れも100mL)の間で分配させた。その層を分離し、その水層をEtOAcで抽出した(50mL)。その有機層を合して減圧下で濃縮して、2-(3,4-ジクロロピリジン-2-カルボニル)-3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エン酸エチルが得られた。
【0147】
LCMS (方法 B) Rt= 0.88 分, m/z= 317.0 [M+H]+.
2-(3,4-ジクロロピリジン-2-カルボニル)-3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エン酸エチル(5.58g、12.7mmol)をジエチルエーテル(50mL)とEtOH(12mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、4-メトキシベンジルアミン(1.9mL、14mmol)を添加した。その反応物を室温で2時間撹拌した。その反応混合物を水(100mL)で希釈した。層を分離し、その水層をCH2Cl2(3×50mL)で抽出した。その有機層を合して無水Na2SO4で脱すいし、濾過し、減圧下で濃縮して、2-(3,4-ジクロロピリジン-2-カルボニル)-3-[(4-メトキシフェニル)メチルアミノ]プロパ-2-エン酸エチルが得られた。
【0148】
2-(3,4-ジクロロピリジン-2-カルボニル)-3-[(4-メトキシフェニル)メチルアミノ]プロパ-2-エン酸エチル(5.92g、9.40mmol)をDMF(24mL)に溶解させた。K2CO3(4.0g、28.9mmol)を添加し、その混合物を90℃で6時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、水(250mL)を添加することによってクエンチし、CH2Cl2(100mL)で希釈した。層を分離し、その水層をCH2Cl2(2×50mL)で抽出した。その有機層を合してCelite(登録商標)で濾過し、次いで、ブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮(reduced)乾固させた。その粗製物質をクロマトグラフィー(CH2Cl2中の0-6%MeOH)で精製して、8-ヒドロキシ-1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-オキソ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0149】
8-ヒドロキシ-1-[(4-メトキシフェニル)メチル]-4-オキソ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(840mg、1.09mmol)をCH2Cl2(11mL)とDMF(0.05mL)に溶解させた。この混合物に、塩化オキサリル(0.48mL、5.5mmol)を添加し、その混合物を3時間加熱環流した。その反応混合物を冷却し、飽和NaHCO3水溶液(50mL)を添加することによってクエンチした。層を分離し、その水層をCH2Cl2(2×25mL)で抽出した。その有機層を合して減圧下で濃縮して(reduced)、4,8-ジクロロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0150】
4,8-ジクロロ-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(950mg、2.21mmol)をTHF(5mL)に溶解させた。この溶液に、THF中のジメチルアミン(2mol/L)(1.1mL、2.2mmol、2M)を滴下して加え、その混合物を室温で30分間撹拌した。その粗製反応混合物を濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の20-50%EtOAc)で精製して、8-クロロ-4-(ジメチルアミノ)-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0151】
LCMS (方法 B) Rt= 1.07 分, m/z= 280.0 [M+H]+.
8-クロロ-4-(ジメチルアミノ)-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(315mg、0.93mmol)を1,4-ジオキサン(3mL)と水(1mL)に溶解させた。この混合物に、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(40mg、0.048mmol)を添加し、(3,5-ジクロロフェニル)ボロン酸(215mg、1.13mmol)及びNa2CO3(300mg、2.83mmol)を添加した。その混合物を100℃でマイクロ波照射に1時間付した。その粗製反応混合物を濃縮し、その残渣をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の5-40%EtOAc)で精製して、8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0152】
LCMS (方法 B) Rt= 1.56 分, m/z= 390.0 [M+H]+.
8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(272mg、0.65mmol)を1,4-ジオキサン(2mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、水(2mL)中の水酸化リチウム(32mg、1.34mmol)を添加した。その反応物を一晩100℃に加熱した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却した。その反応混合物を水(50mL)及びEtOAc(50mL)を添加することによってクエンチした。2M HClを用いてpHをpH=4に調節した。層を分離し、その水層をEtOAcで抽出した(2×50mL)。その有機層を合してブラインで洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して(reduced)、8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸が得られた。
【0153】
LCMS (方法 B) Rt= 0.82 分, m/z= 362.0 [M+H]+.
2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-アミン(0.115g、0.73mmol)とPyBOP(0.63g、1.21mmol)の混合物をN2雰囲気下に置き、8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸(0.24g、0.67mmol)をTHF(3mL)に溶解させた溶液で処理し、次いで、NEt3(0.42mL、3mmol)で処理した。得られた反応混合物を室温で48時間撹拌した。その反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(100mL)を添加することによってクエンチし、CH2Cl2(50mL)で希釈した。層を分離し、その水層をCH2Cl2(2×25mL)で抽出した。その有機層を合して無水Na2SO4で脱水し、濾過し、次いで、減圧下で濃縮した(reduced)。その粗製生成物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の10-50%)で精製して、標題化合物が得られた。
【0154】
LCMS (方法 B) R
t= 1.39 分, m/z= 494.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ [ppm]: 9.62 (s, 1 H), 9.24 (s, 1 H), 8.96 (d, J= 4.4 Hz, 1 H), 7.59 (m, 3 H), 7.47 (t, J= 2 Hz, 1 H), 6.79-6.95 (m, 4 H), 4.50 (t, J= 4.4 Hz, 2 H), 3.74 (t, J= 4.8 Hz, 2 H), 3.35 (s, 6 H).
以下の化合物は、実施例3.1の方法によって同様に調製した。
【表2】
【0155】
実施例4.1
5-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-1-(ジメチルアミノ)ナフタレン-2-カルボキサミド
【化25】
【0156】
1-ブロモ-5-ニトロ-ナフタレン(1.04g、4.13mmol)と(3,5-ジクロロフェニル)ボロン酸(0.7g、3.6mmol)とNa2CO3(0.86g、8.10mmol)と[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(156mg、0.20mmol)の混合物を含んでいる丸底フラスコを排気及びN2の再充填に3回付した。その反応混合物を1,4-ジオキサン(20mL)と脱ガスした水(6mL)で処理し、80℃まで加熱し、45分間撹拌した。次いで、その混合物を室温まで冷却した後、水(40mL)で希釈し、CH2Cl2(3×30mL)で抽出した。その有機層を合して無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し、その適切なフラクションを合し、減圧下で濃縮して、1-(3,5-ジクロロフェニル)-5-ニトロ-ナフタレンが得られた。
【0157】
1-(3,5-ジクロロフェニル)-5-ニトロ-ナフタレン(928mg、2.77mmol)とNH4Cl(0.47g、8.72mmol)と鉄(0.47g、8.28mmol)の混合物をN2雰囲気下に置き、その後、THF(14mL)、EtOH(14mL)及び水(7mL)で処理した。得られた混合物を75℃まで加熱し、45分間撹拌した。次いで、その混合物を室温まで冷却した後、Celite(登録商標)(CH2Cl2で洗浄)で濾過した。その濾液を減圧下で濃縮し、飽和水性NaHCO3(50mL)で処理し、CH2Cl2(3×25mL)で抽出した。その有機層を合して無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、が得られた。5-(3,5-ジクロロフェニル)ナフタレン-1-アミンが得られた。
【0158】
LCMS (方法 B) Rt= 1.49 分, m/z= 288.0 [M+H]+.
5-(3,5-ジクロロフェニル)ナフタレン-1-アミン(881mg、2.60mmol)をDMF(10mL)に溶解させた溶液をN2雰囲気下に置き、氷/塩浴の上で約-5℃まで冷却し、N-ブロモスクシンイミド(474mg、2.58mmol)で処理した。次いで、得られた反応混合物を飽和水性NaHCO3溶液(50mL)で処理して、薄茶色の沈澱物が形成された。その混合物をCH2Cl2(3×30mL)で抽出し、その有機層を合して減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、2-ブロモ-5-(3,5-ジクロロフェニル)ナフタレン-1-アミンが得られた。
【0159】
LCMS (方法 B) Rt= 1.64 分, m/z= 365.8 [M+H]+.
2-ブロモ-5-(3,5-ジクロロフェニル)ナフタレン-1-アミン(0.73g、1.79mmol)をギ酸(6mL、160mmol)に懸濁させた懸濁液をN2雰囲気下に置き、ホルムアルデヒド溶液(水中の37重量%;110mmol、8mL)で処理した。得られた懸濁液を100℃まで昇温させ、1時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却した後、飽和NaHCO3水溶液(60mL)を慎重に添加することによってクエンチした。次いで、その混合物をCH2Cl2(3×20mL)で抽出し、その有機層を合して無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、2-ブロモ-5-(3,5-ジクロロフェニル)-N,N-ジメチル-ナフタレン-1-アミンが得られた。
【0160】
LCMS (方法 B) Rt= 1.93 分, m/z= 393.8 [M+H]+.
2-ブロモ-5-(3,5-ジクロロフェニル)-N,N-ジメチル-ナフタレン-1-アミン(532mg、1.28mmol)を圧力容器内の1,4-ジオキサン(10mL)に溶解させた溶液を、MeOH(10mL)、NEt3(0.54mL、3.9mmol)及び[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(103mg、134μmol)で処理した後、CO雰囲気下(50psi)、100℃で、16時間撹拌した。次いで、その反応混合物を室温まで冷却し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、5-(3,5-ジクロロフェニル)-1-(ジメチルアミノ)ナフタレン-2-カルボン酸メチルが得られた。
【0161】
LCMS (方法 B) Rt= 1.75 分, m/z= 374.0 [M+H]+.
5-(3,5-ジクロロフェニル)-1-(ジメチルアミノ)ナフタレン-2-カルボン酸メチル(421mg、1.01mmol)を1,4-ジオキサン(15mL)と水(5mL)と水酸化リチウム(512mg、20.3mmol)に溶解させた溶液を80℃で48時間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却した後、2M HCl(17.5mL - 当該混合物を弱塩基性にする)で処理した。その水層をCH2Cl2(3×25mL)で抽出した。その有機層を合して無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、5-(3,5-ジクロロフェニル)-1-(ジメチルアミノ)ナフタレン-2-カルボン酸が得られた。
【0162】
LCMS (方法 B) Rt= 1.10 分, m/z= 358.0 [M-H]-.
2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-アミン(0.082g、519μmol)とPyBOP(452mg、869μmol)の混合物をN2雰囲気下に置き、5-(3,5-ジクロロフェニル)-1-(ジメチルアミノ)ナフタレン-2-カルボン酸(192mg、426μmol)をTHF(3mL)に溶解させた溶液で処理し、次いで、NEt3(0.30mL、2.2mmol)で処理した。得られた反応混合物を室温で一晩撹拌した。その反応混合物を水(15mL)で希釈し、CH2Cl2(3×15mL)で抽出した。その有機層を合して無水MgSO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物をカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0163】
LCMS (方法 B) R
t= 1.61 分, m/z= 492.2 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ [ppm]: 10.5 (s, 1 H), 8.36 (d, J= 8.6 Hz, 1 H), 7.75 (t, J= 2 Hz, 1 H), 7.64-7.68 (m, 1 H), 7.60-7.48 (m, 5 H), 6.98 (dd, J= 8, 1.4 Hz, 1 H), 6.86-6.80 (m, 1 H), 6.77 (dd, J= 8, 1.6 Hz, 1 H), 6.73-6.67 (m, 1 H), 4.38 (t, J= 4.3 Hz, 2 H), 3.70-3.63 (m, 2 H), 2.99 (s, 6 H).
実施例5.1
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-4H-ベンゾ[b][1,4]オキサジン-4-イル)-4-(ジメチルアミノ)キノリン-3-カルボキサミド
【化26】
【0164】
2-ブロモアニリン(7.96g、44.9mmol)と2-(エトキシメチレン)プロパン二酸ジエチル(11mL、53.8mmol)の溶液を1時間125℃に加熱した。
【0165】
LCMS (方法 B) Rt= 1.28 分, m/z= 342.0 [M+H]+
ジフェニルエーテル(100mL)を添加し、その反応物を250℃まで加熱し、48時間撹拌した。その反応物を室温まで冷却して、沈澱物が形成された。ジエチルエーテル(100mL)を添加し、その沈澱物を濾過(ジエチルエーテルによる洗浄)によって分離し、減圧下で乾燥させて、8-ブロモ-4-ヒドロキシ-キノリン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0166】
LCMS (方法 B) Rt= 0.69, m/z= 296.0 [M+H] +.
8-ブロモ-4-ヒドロキシ-キノリン-3-カルボン酸エチル(2.0g、6.42mmol)をCH2Cl2(20mL)に懸濁させた懸濁液をN2雰囲気下に置き、塩化オキサリル(0.60mL、6.8mmol)及びDMF(0.02mL)で処理した。その反応混合物を50℃まで昇温させ、45分間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで、それを減圧下で濃縮して、8-ブロモ-4-クロロ-キノリン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0167】
LCMS (方法 B) Rt= 1.28 分, m/z= 314.0 [M+H] +.
THF(13mL)中のジメチルアミン(2M)を、N2雰囲気下、8-ブロモ-4-クロロ-キノリン-3-カルボン酸エチル(2.13g、6.42mmol)二点化した。得られた混合物を60℃まで昇温させ、15分間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮した後、飽和水性NaHCO3(40mL)で処理し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。その有機層を合して無水MgSO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の20-60%EtOAc)に付して、8-ブロモ-4-(ジメチルアミノ)キノリン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0168】
LCMS (方法 B) Rt= 1.23 分, m/z= 323.0 [M+H] +.
N2雰囲気下、1,4-ジオキサン(20mL)と水(10mL)の中の8-ブロモ-4-(ジメチルアミノ)キノリン-3-カルボン酸エチル(2.22g、6.54mmol)と(3,5-ジクロロフェニル)ボロン酸(1.26g、6.61mmol)とビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-Pd(II)・CH2Cl2錯体(0.27g、0.33mmol)とNa2CO3(1.43g、13.5mmol)の反応混合物を80℃まで加熱し、30分間撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却した後、水(70mL)で希釈し、CH2Cl2(3×50mL)で抽出した。その有機層を合して濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0-30%EtOAc)で精製して、8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)キノリン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0169】
LCMS (方法 B) Rt= 1.67 分, m/z= 389.0 [M+H]+.
8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)キノリン-3-カルボン酸エチル(2.82g、6.17mmol)を1,4-ジオキサン(20mL)に溶解させた溶液を水(10mL)及び水酸化リチウム(0.44g、18.5mmol)で処理した。得られた反応混合物を100℃まで昇温させ、一晩撹拌した。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで、それを2M HClで酸性化してpH2とし、EtOAc(3×30mL)で抽出した。その水相を塩基性化してpH6とし、CH2Cl2中の10%MeOH(3×30mL)で抽出した。その有機相を合し、減圧下で濃縮して、8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)キノリン-3-カルボン酸が得られた。
【0170】
LCMS (方法 B) Rt= 0.94 分, m/z= 361.0 [M+H]+.
8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-(ジメチルアミノ)キノリン-3-カルボン酸(160mg、0.35mmol)をDMF(3.5mL)に懸濁させた懸濁液を撹拌しながら、それに、NEt3(200μL、1.42mmol)を添加し、次いで、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-アミン(67mg、0.42mmol)及びPyBOP(282mg、0.53mmol)を添加した。その反応物を、N2雰囲気下、室温で一晩撹拌した。その反応物をブラインで希釈し、CH2Cl2で2回抽出した。その粗製生成物をシクロヘキサン:EtOAc(0-40%EtOAc)で溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0171】
LCMS (方法 B) R
t= 1.47 分, m/z= 493.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ [ppm]: 9.04 (s, 1 H), 8.4 (s, 1 H), 8.20 (dd, J= 1.6 Hz, J= 8.8 Hz, 1 H), 7.69-7.71 (m, 1 H), 7.58-7.62 (m, 1 H), 7.52 (d, J= 2 Hz, 2 H), 7.4 (t, J= 1.6 Hz, 1 H), 6.79-6.97 (m, 4 H), 4.49 (t, J= 4.4 Hz, 2 H), 3.74 (t, J= 4.4 Hz, 2 H), 3.19 (s, 6 H).
以下の化合物は、実施例5.1の方法によって同様に調製した。
【表3】
【0172】
実施例6.1
4-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-8-モルホリノ-ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルボキサミド
【化27】
【0173】
6-ヒドロキシピリミジン-4-カルボン酸エチル(5.03g、28.74mmol)をDMF(25mL)に懸濁させた懸濁液に、N2雰囲気下、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(3.48g、17.3mmol)を添加した。その混合物を室温で一晩撹拌した。その反応物を水(200mL)とEtOAc(100mL)の間で分配させ、次いで、それを、EtOAc(2×75mL)で抽出した。その有機層を合して無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、5-クロロ-6-ヒドロキシ-ピリミジン-4-カルボン酸エチルが得られた。
【0174】
LCMS (方法 A) Rt= 0.54 分, m/z=203.0 [M+H]+.
5-クロロ-6-ヒドロキシ-ピリミジン-4-カルボン酸エチル(8.74g、28.1mmol)をCH3CN(100mL)に懸濁させた懸濁液に、N2雰囲気下、室温で、DIPEA(6.4mL、36mmol)を添加し、次いで、オキシ臭化リン(9.44g、31.28mmol)を添加した。得られた混合物を室温で撹拌した。その反応物をCH2Cl2(100mL)で希釈し、水(100mL)の中にゆっくりと注ぎ入れた。次いで、その混合物をCH2Cl2(3×100mL)で抽出した。その有機層を合して無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その油状物をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0-10%EtOAc)で精製して、6-ブロモ-5-クロロ-ピリミジン-4-カルボン酸エチルが得られた。
【0175】
LCMS (方法 A) Rt= 0.98 分, m/z= 265.0 [M+H]+.
6-ブロモ-5-クロロ-ピリミジン-4-カルボン酸エチル(4.31g、14.9mmol)と(3,5-ジクロロフェニル)ボロン酸(2.71g、14.20mmol)を1,4-ジオキサン(55mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、N2雰囲気下、K2CO3(8.69g、62.9mmol)を添加し、次いで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(732mg、0.63mmol)を添加した。その反応物を脱ガスし、N2雰囲気下に置き、次いで、16時間90℃に加熱した。その混合物をEtOAc(50mL)で希釈し、Celite(登録商標)に通した。その有機濾液を合して減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の0-20%EtOAc)で精製して、5-クロロ-6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-4-カルボン酸エチルが得られた。
【0176】
LCMS (方法 B) Rt= 1.43 分, m/z= 331.0 [M+H]+.
THF(85mL)と水(30mL)の中の5-クロロ-6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-4-カルボン酸エチル(2.90g、8.75mmol)の混合物に、N2雰囲気下、室温で、水酸化リチウム(624mg、25.6mmol)を添加した。得られた混合物を1時間50℃に加熱した。その反応物を室温まで冷却し、次いで、減圧下で濃縮してTHFを除去した。得られた溶液を水(50mL)で希釈し、次いで、2M HClを用いてpH=1になるまで酸性化して、固体を沈澱させた。その沈澱物を濾去し、水(25mL)で洗浄した。次いで、その沈澱物を減圧下50℃で乾燥させて、5-クロロ-6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-4-カルボン酸が得られた。
【0177】
LCMS (方法 B) Rt= 0.72 分, m/z= 303.0 [M+H]+.
5-クロロ-6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-4-カルボン酸(2.49g、7.82mmol)を塩化チオニル(30mL、411mmol)に懸濁させた懸濁液を、N2雰囲気下、80℃に加熱した。DMF(0.5mL、6mmol)を添加し、その反応物を完全に溶解させた。次いで、その反応物を減圧下で濃縮し、トルエン(20mL)の中に入れ、共沸(3回)させて、5-クロロ-6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-4-カルボニルクロリドが得られた。これは、それ以上精製することなく使用した。
【0178】
5-クロロ-6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-4-カルボニルクロリド(2.65g、7.82mmol)をトルエン(20mL)に溶解させた溶液に、N2雰囲気下、室温で、NEt3(2mL、14mmol)を添加し、次いで、3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エン酸エチル(1.4mL、9.7mmol)を添加した。その反応物を、N2雰囲気下、室温で撹拌した。その反応物をEtOAc(125mL)で希釈し、Celite(登録商標)で濾過した。そのCelite(登録商標)をEtOAc(125mL)で洗浄した。その有機濾液を合して減圧下で濃縮した。その残渣を取ってEtOAc(250mL)と2M HCl(水性、100mL)の中に入れた。その水層をEtOAcで抽出した(125mL)。その有機層を合して無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、2-[5-クロロ-6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-4-カルボニル]-3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エン酸エチルが得られた。
【0179】
LCMS (方法 B) Rt= 1.24 分, m/z= 428.0 [M+H]+.
2-[5-クロロ-6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-4-カルボニル]-3-(ジメチルアミノ)プロパ-2-エン酸エチル(3.59g、6.29mmol)をジエチルエーテル(25mL)とEtOH(6mL)に溶解させた溶液に、N2雰囲気下、室温で、4-メトキシベンジルアミン(1.20mL、9.09mmol)を1時間添加した。その反応物を水(150mL)で希釈し、CH2Cl2(4×75mL)で抽出した。その有機層を合してブラインで洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮して、2-[5-クロロ-6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-4-カルボニル]-3-[(4-メトキシフェニル)メチルアミノ]プロパ-2-エン酸エチルが得られた。この物質は、それ以上精製することなく使用した。
【0180】
LCMS (方法 B) Rt= 1.49 分, m/z= 520.0 [M+H]+.
2-[5-クロロ-6-(3,5-ジクロロフェニル)ピリミジン-4-カルボニル]-3-[(4-メトキシフェニル)メチルアミノ]プロパ-2-エン酸エチル(4.4g、5.66mmol)をDMF(15mL)に溶解させた溶液に、N2雰囲気下、室温で、K2CO3(2.37g、17.1mmol)を添加した。得られた混合物を24時間90℃に加熱した。その反応物を室温まで冷却し、次いで、水(300mL)の中に注ぎ入れ、CH2Cl2(3×100mL)で抽出した。その有機層を合してブライン(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2中の0-5%MeOH)で精製して、4-(3、5-ジクロロフェニル)-5-[(4-メトキシフェニル)メチル]-8-オキソ-ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸エチルが得られた。
【0181】
LCMS (方法 B) Rt= 1.17 分, m/z= 484.0 [M+H]+.
4-(3,5-ジクロロフェニル)-5-[(4-メトキシフェニル)メチル]-8-オキソ-ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸エチル(1.89g、3.70mmol)をCH2Cl2(75mL)とDMF(0.5mL)に溶解させた溶液に、N2雰囲気下、室温で、塩化オキサリル(2mL、23.1mmol)をゆっくりと添加した。その反応物を60℃で1時間加熱環流した。その混合物を室温まで冷却し、次いで、飽和NaHCO3水溶液(200mL)を添加することによってクエンチし、CH2Cl2(3×100mL)で抽出した。その有機層を合し、次いで、減圧下で濃縮して、8-クロロ-4-(3,5-ジクロロフェニル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸エチルが得られた。
【0182】
LCMS (方法 B) Rt= 1.52 分, m/z= 382.0 [M+H]+.
8-クロロ-4-(3,5-ジクロロフェニル)ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸エチル(502mg、0.93mmol)をTHF(10mL、123mmol)に溶解させた溶液に、N2雰囲気下、室温で、モルホリン(0.17mL、1.9mmol)を滴下して加えた。その反応物を室温で3時間撹拌した。次いで、その反応物を飽和NaHCO3水溶液(50mL)でクエンチし、CH2Cl2(3×25mL)で抽出した。その有機層を合して無水Na2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の10-25%EtOAc)で精製して、4-(3,5-ジクロロフェニル)-8-モルホリノ-ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸エチルが得られた。
【0183】
LCMS (方法 B) Rt= 1.56 分, m/z= 433.0 [M+H]+.
1,4-ジオキサン(15mL)と水(5mL)の中の4-(3,5-ジクロロフェニル)-8-モルホリノ-ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸エチル(337.5mg、0.717mmol)の混合物に、N2雰囲気下、室温で、水酸化リチウム(61.6mg、2.52mmol)を添加した。得られた混合物を80℃に加熱した。その反応物を減圧下で濃縮し、その残渣を取って水(20mL)の中に入れ、2M HClで酸性化した。生じた沈澱物を濾去し、水(20mL)で洗浄し、次いで、減圧下に45℃で一晩乾燥させて、4-(3,5-ジクロロフェニル)-8-モルホリノ-ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸が得られた。
【0184】
LCMS (方法 B) Rt= 0.80 分, m/z= 405.0 [M+H]+.
4-(3,5-ジクロロフェニル)-8-モルホリノ-ピリド[3,2-d]ピリミジン-7-カルボン酸(125.1mg、0.31mmol)をTHF(3mL)に懸濁させた懸濁液に、NEt3(0.18mL、1.3mmol)を添加し、次いで、PyBOP(259mg、0.49mmol)を添加した。その反応物を、N2雰囲気下、室温で撹拌した。次いで、その反応物に、THF(1mL)中の2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-アミン(60.5mg、0.40mmol)を添加した。その混合物を室温で22時間撹拌した。その混合物をブライン(25mL)で希釈し、CH2Cl2(3×15mL)で抽出した。その有機層を合してNa2SO4で脱水し、濾過し、減圧下で濃縮した。その残渣をカラムクロマトグラフィー(シクロヘキサン中の5-40%EtOAc)で精製して、標題化合物が得られた。
【0185】
LCMS (方法 B) R
t= 1.38 分, m/z= 537.0 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ [ppm]: 10.75 (s, 1 H), 9.38 (s, 1 H), 8.92 (s, 1 H), 8.31 (d, J= 2 Hz, 2 H), 7.87 (t, J= 2 Hz, 1 H), 7.01 (dd, J= 1.2, 8 Hz, 1 H), 6.85 (td, J= 1.6, 8.4 Hz, 1 H), 6.69-6.78 (m, 2 H), 4.38 (t, J= 4.4 Hz, 2 H), 3.86 (t, J= 4 Hz, 4 H), 3.63-3.73 (m, 6 H).
実施例7.1
8-(3,5-ジクロロフェニル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-1,6-ナフチリジン-3-カルボキサミド
【化28】
【0186】
3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジンをEtOH(8mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、水(3.2mL)の中の亜硝酸ナトリウム(612mg、8.87mmol)を0℃で滴下して加えた。5分間経過した後、HCl(0.8mL)を滴下して加え、その反応混合物を0℃で2時間撹拌した。その反応混合物に、水(7.5mL)の中のNaOH(2.96g、74mmol)を滴下して加え、次いで、ジチオン酸ナトリウム(4.4g、22.2mmol)を0℃で添加した。得られた反応混合物を4時間90℃に加熱した。その反応混合物をEtOAc(20mL)に溶解させ、水(10mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その粗製化合物を、石油エーテル中の0-50%EtOAcで溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0187】
LCMS (方法 C) Rt= 0.89 分, m/z= 152.36 [M+H]+.
3-ブロモピリジン-4-アミン(10.0g、57.8mmol)と2-(エトキシメチレン)プロパン二酸ジエチル(32.8mL、173mmol)の混合物を16時間120℃に加熱した。その反応混合物を室温とし、減圧下で濃縮(reduced)乾固させ、石油エーテル中の0-50%EtOAcで溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製して、2-[[(3-ブロモ-4-ピリジル)アミノ]メチレン]プロパン二酸ジエチルが得られた。
【0188】
LCMS (方法 C) Rt= 1.71 分, m/z= 343.19 [M+H]+.
2-[[(3-ブロモ-4-ピリジル)アミノ]メチレン]プロパンジオエート(2.8g、8.12mmol)をジフェニルエーテル(42mL)に溶解させた溶液を30分間250℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、石油エーテル(50mL)を添加した。得られた固体化合物を濾過し、石油エーテル(50mL)で洗浄し、減圧下で乾燥させて、8-ブロモ-4-ヒドロキシ-1,6-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0189】
LCMS (方法 C) Rt= 1.16 分, m/z= 297.11 [M+H]+.
8-ブロモ-4-ヒドロキシ-1,6-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(4.3g、14.5mmol)をPOCl3(43mL)に添加し、6時間90℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。その残渣をEtOAc(100mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(3×30mL)及びブライン(20mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物を石油エーテル中の0-20%EtOAcで溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0190】
LCMS (方法 C) Rt= 2.30 分, m/z= 315.09 [M+H]+.
8-ブロモ-4-クロロ-1,6-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(3g、9.5mmol)をTHF(60mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、モルホリン(4.1g、47.5mmol)を室温で添加し、30分間撹拌した。その反応混合物を減圧下で濃縮乾固させた。その粗製生成物を石油エーテル中の0-50%EtOAcで溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製して、8-ブロモ-4-モルホリノ-1,6-ナフチリジン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0191】
LCMS (方法 C) Rt= 1.65 分, m/z= 366.24 [M+H]+.
8-ブロモ-4-モルホリノ-1,6-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(0.8g、2.18mmol)と(3,5-ジクロロフェニル)ボロン酸(1.04g、5.46mmol)を1,4-ジオキサン/水(16/4mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、Cs2CO3(2.13g、6.55mmol)を添加し、次いで、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート(0.127g、0.43mmol)を添加し、N2下で10分間脱ガスした。反応混合物にPdCl2(dppf)(0.16g、0.21mmol)を添加し、16時間90℃に加熱した。その反応混合物をEtOAc(30mL)に溶解させ、水(15mL)及びブライン(10mL)で洗浄した。その有機層を無水Na2SO4で脱水し、濃縮乾固させた。その粗製生成物を石油エーテル中の0-50%EtOAcで溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製した。
【0192】
LCMS (方法 C) Rt= 2.33 分, m/z= 432.30 [M+H]+.
8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-モルホリノ-1,6-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(0.55g、1.27mmol)をEtOH:THF:水(1:1:1、9mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、LiOH.H2O(0.16g、3.81mmol)を室温で添加し、4時間70℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、次いで、濃縮して溶媒を除去した。冷却条件下(0℃)、0.5M HCl水溶液を用いてpHを6-7に調節し、EtOAc(3×30mL)で抽出した。その有機層を合して無水Na2SO4で脱水し、濃縮乾固させた。
【0193】
LCMS (方法 C) Rt= 2.15 分, m/z= 403.9 [M+H]+.
8-(3,5-ジクロロフェニル)-4-モルホリノ-1,6-ナフチリジン-3-カルボン酸(0.3g、0.74mmol)と2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-アミン(134mg、0.89mmol)をDMF(5mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、HATU(0.34g、0.89mmol)及びDIPEA(0.38g、2.2mmol)を室温で添加した。得られた反応混合物16時間60℃に加熱した。その反応混合物を、水(5mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(3x15mL)で抽出した。その有機層を合してブラインで洗浄し、無水Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その粗製生成物を石油エーテル中の0-100%EtOAcで溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物が得られた。
【0194】
LCMS (方法 D) R
t= 2.12 分, m/z= 536.24 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ [ppm]: 10.75 (s, 1 H), 9.03 (s, 1 H), 8.84 (s, 1 H), 7.77 (d, J= 2 Hz, 2 H), 7.72 (t, J= 2 Hz, 1 H), 7.03 (m, 1 H), 6.85 (td, J= 2, 7.2 Hz, 1 H), 6.72-6.78 (m, 2 H), 4.38 (t, J= 4.4 Hz, 2 H), 3.92 (t, J= 3.6 Hz, 4 H), 3.69 (br s, 2 H), 3.39 (t, J= 4 Hz, 4 H).
実施例8.1
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-2-メチル-4-モルホリノ-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化29】
【0195】
8-ブロモ-1H-3,1-ベンゾオキサジン-2,4-ジオン(0.8g、3.3mmol)と3-オキソブタン酸エチル(0.86g、6.61mmol)をDMA(5mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、NaOH(0.132g、3.3mmol)を添加した。得られた反応混合物を100℃で12時間撹拌した。その混合物を、水(200mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(3×50mL)で抽出した。その有機相を合してブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その粗製化合物をn-ペンタン(30mL)を用いて摩砕して、8-ブロモ-4-ヒドロキシ-2-メチル-キノリン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0196】
LCMS (方法 C) Rt= 1.54 分, m/z= 310.22 [M+H]+.
8-ブロモ-4-ヒドロキシ-2-メチル-キノリン-3-カルボン酸エチル(0.3g、0.96mmol)をEtOH(5mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、KOH(0.814g、14.5mmol)を室温で添加し、24時間80℃に加熱した。その反応混合物を室温とし、濃縮した。その残渣のpHを2N HCl水溶液を用いて1-2に調節し、沈澱した固体を濾過し、水(10mL)で洗浄し、乾燥させて、8-ブロモ-4-ヒドロキシ-2-メチル-キノリン-3-カルボン酸が得られた。
【0197】
LCMS (方法 C) Rt= 1.46 分, m/z= 280.05 [M-H]-.
8-ブロモ-4-ヒドロキシ-2-メチル-キノリン-3-カルボン酸(0.2g、0.7mmol)とPOCl3(10mL)の混合物を2時間90℃に加熱した。その反応混合物を室温まで冷却し、減圧下で濃縮して、8-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-キノリン-3-カルボニルクロリドが得られた。
【0198】
2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-アミン(0.188g、1.25mmol)をTHF(3mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、DIPEA(0.342g、2.5mmol)を添加し、0-5℃に冷却した。その反応混合物に、8-ブロモ-4-クロロ-2-メチル-キノリン-3-カルボニルクロリド(0.2g、0.62mmol)を2mLのTHFに溶解させた溶液を添加し、室温で撹拌した。その反応混合物を、水(100mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。その有機層を合してブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その粗製化合物をカラムクロマトグラフィーで精製して、8-ブロモ-4-クロロ-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-2-メチル-キノリン-3-カルボキサミドが得られた。
【0199】
LCMS (方法 C) Rt= 2.12 分, m/z= 432.06 [M+H]+.
8-ブロモ-4-クロロ-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-2-メチル-キノリン-3-カルボキサミド(0.25g、0.57mmol)とモルホリン(0.5g、5.77mmol)をTHF(5mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、Et3N(0.116g、1.15mmol)を添加した。その反応混合物を室温で16時間撹拌した。その反応混合物を、水(100mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(2×50mL)で抽出した。その有機層を合してブラインで洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その粗製化合物をジエチルエーテル(30mL)を用いて摩砕して、8-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-2-メチル-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミドが得られた。
【0200】
LCMS (方法 C) Rt= 2.25 分, m/z= 483.49 [M+H]+.
8-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-2-メチル-4-モルホリノ-キノリン-3-カルボキサミド(0.3g、0.62mmol)と(2,3,5-トリフルオロフェニル)ボロン酸(0.656g、3.72mmol)を1,4-ジオキサン(12mL):水(3mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、Cs2CO3を添加し、その反応混合物をN2ガスを用いて10分間脱ガスし、次いで、[(t-Bu)3PH]BF4(0.036g、0.12mmol)及びPdCl2(dppf)(0.045g、0.06mmol)を添加し、16時間90℃に加熱した。その反応混合物を、水(200mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(2×100mL)で抽出した。その有機層を合してブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その粗製化合物をカラムクロマトグラフィーで精製し、石油エーテル中の10%EtOAcで溶離させて、実施例8.1が得られた。
【0201】
LCMS (方法 C) Rt= 2.29 分, m/z= 535.22 [M+H]
+.
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ [ppm]: 10.57 (s, 1 H), 8.31 (d, J= 7.6 Hz, 2 H) 7.79 (d, J= 6.4 Hz, 2 H), 7.69 (t, J= 8.4 Hz, 1 H), 7.59-7.61 (m, 1 H), 7.20-7.21 (m, 1 H), 6.99 (d, J= 6.8 Hz, 1 H), 6.85 (td, J= 1.6, 6.8 Hz, 1 H), 6.74-6.79 (m, 2 H), 4.39 (t, J= 4 Hz, 2 H), 3.87 (t, J= 4 Hz, 4 H), 3.72 (br s, 2 H), 3.32 (br s, 4 H), 2.55 (s, 3 H).
実施例8.2
N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-2-(トリフルオロメチル)-8-(2,3,5-トリフルオロフェニル)キノリン-3-カルボキサミド
【化30】
【0202】
段階1: 7-ブロモインドリン-2,3-ジオン(2.5g、11.06mmol)と4,4,4-トリフルオロブタ-2-イン酸エチル(1.83g、11.06mmol)をDMF(15mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、Na2CO3(2.34g、22.12mmol)を添加し、次いで、tert-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP、0.99g、11.06mmol)を添加した。その反応混合物を室温で2時間撹拌した。その反応混合物を、水(20mL)を添加することによってクエンチし、ethy(2×30mL)で抽出した。その有機層を合してブライン(3×30mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その粗製化合物を石油エーテル中の0-50%EtOAcで溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製して、8-ブロモ-4-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)キノリン-3-カルボン酸エチルが得られた。
【0203】
LCMS (方法 C) Rt= 2.29 分, m/z= 364.14 [M+H]+.
段階2: 8-ブロモ-4-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)キノリン-3-カルボン酸エチル(1.75g、4.80mmol)をEtOH(10mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、KOH(5.39g、96.12mmol)を室温で添加し、24時間90℃に加熱した。その反応混合物を室温とし、濃縮した。その残渣のpHを2N HCl水溶液を用いて1-2に調節し、沈澱した固体を濾過し、水(10mL)で洗浄し、ジエチルエーテル(20mL)で洗浄し、乾燥させて、8-ブロモ-4-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)キノリン-3-カルボン酸が得られた。
【0204】
LCMS (方法 C) Rt= 1.79 分, m/z= 335.99 [M+H]+.
段階3: 8-ブロモ-4-ヒドロキシ-2-(トリフルオロメチル)キノリン-3-カルボン酸(1g、2.97mmol)とPOCl3(10mL)の混合物を2時間90℃に加熱した。その反応混合物を室温とし、減圧下で濃縮して、8-ブロモ-4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)キノリン-3-カルボニルクロリドが得られた。
【0205】
段階4: 2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-アミン(0.8g、5.36mmol)をTHF(5mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、DIPEAを添加し、0-5℃に冷却した。その反応混合物に、8-ブロモ-4-クロロ-2-(トリフルオロメチル)キノリン-3-カルボニルクロリド(1g、2.68mmol)を4mLのTHFに溶解させた溶液を添加し、室温で16時間撹拌した。その反応物を、水(20mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(2×30mL)で抽出した。その有機層を合してブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その粗製化合物を石油エーテル中の0-100%EtOAcで溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製して、8-ブロモ-4-クロロ-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)キノリン-3-カルボキサミドが得られた。
【0206】
LCMS (方法 C) Rt= 2.23 分, m/z= 486.04 [M+H]+.
段階5: 8-ブロモ-4-クロロ-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-2-(トリフルオロメチル)キノリン-3-カルボキサミド(0.844g、1.73mmol)をTHF(6mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、モルホリン(1.5mL、17.34mmol)を室温で添加し、16時間撹拌した。その反応混合物を濃縮乾固させた。その粗製物を石油エーテル中の0-50%EtOAcで溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製して、8-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-2-(トリフルオロメチル)キノリン-3-カルボキサミドが得られた。
【0207】
LCMS (方法 C) Rt= 2.18 分, m/z= 537.08 [M+H]+.
段階6: 8-ブロモ-N-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾオキサジン-4-イル)-4-モルホリノ-2-(トリフルオロメチル)キノリン-3-カルボキサミドと(2,3,5-トリフルオロフェニル)ボロン酸(0.687g、3.91mmol)を1,4-ジオキサン(15mL):水(5mL)に溶解させた溶液を撹拌しながら、それに、Cs2CO3(0.636g、1.95nmmol)を添加した。その反応混合物をN2ガスを用いて10分間脱ガスし、次いで、[(t-Bu)3PH]BF4(0.075g、0.26mmol)及びPdCl2(dppf)(0.095、0.13mmol)を添加した。その反応混合物を16時間90℃に加熱した。その反応混合物を、水(150mL)を添加することによってクエンチし、EtOAc(3×50mL)で抽出した。その有機層を合してブライン(30mL)で洗浄し、Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。その粗製化合物を石油エーテル中の0-14%EtOAcで溶離させるカラムクロマトグラフィーで精製して、実施例8.2が白色の固体として得られた。
【0208】
LCMS (方法 C) Rt= 2.27 分, m/z= 589.39 [M+H]
+. 1H NMR (400 MHz, DMSO) δ [ppm]: 10.62 (s, 1 H), 8.45 (d, J= 8.4 Hz, 2 H), 8.03 (d, J= 7.2Hz, 2 H), 7.94 (t, J= 8.4 Hz, 1 H), 7.65-7.67 (m, 1 H), 7.29-7.31 (m, 1 H), 7.03 (d, J= 7.6 Hz, 1 H), 6.83-6.87 (mz, 1 H), 6.76-6.80 (m, 2 H), 4.39 (t, J= 3.6 Hz, 2 H), 3.87 (br s, 4 H), 3.64 (br s, 2 H), 3.43 (br s, 4 H).
【表4】
【0209】
本発明の式(I)で表される化合物は、内部寄生性の線虫類及び吸虫類が哺乳動物及び家禽の重篤な疾患の原因となり得る、特に蠕虫類を、治療及び/又は防除するのに有用である。この適応症の典型的な線虫は、以下のとおりである:糸状虫科(Filariidae)、セタリア科(Setariidae)、ハエモンクス属(Haemonchus)、トリコストロンギルス属(Trichostrongylus)、オステルタギア属(Ostertagia)、ネマトジルス属(Nematodirus)、クーペリア属(Cooperia)、アスカリス属(Ascaris)、ブノストヌム属(Bunostonum)、オエソファゴストヌム属(Oesophagostonum)、カルベルチア属(Charbertia)、トリクリス属(Trichuris)、ストロンギルス属(Strongylus)、トリコネマ(Trichonema)、ジクチオカウルス属(Dictyocaulus)、カピラリア属(Capillaria)、ヘテラキス属(Heterakis)、トキソカラ属(Toxocara)、アスカリジア属(Ascaridia)、オキシウリス属(Oxyuris)、アンシロストマ属(Ancylostoma)、ウンシナリア属(Uncinaria)、トキサスカリス属(Toxascaris)、及び、パラスカリス属(Parascaris)。上記吸虫類としては、特に、ファスシオリデアエ科(Fasciolideae)、特に、肝蛭(Fasciola hepatica)などを挙げることができる。
【0210】
ネマトジルス属(Nematodirus)、クーペリア属(Cooperia)及びオエソファゴストヌム属(Oesophagostonum)の種の特定の寄生虫は、宿主動物の腸管に寄生し、ハエモンクス属(Haemonchus)及びオステルタギア属(Ostertagia)の種の他の寄生虫は、胃内に寄生し、並びに、ジクチオカウルス属(Dictyocaulus)の種の他の寄生中は、肺組織内に寄生する。当該科の寄生虫は、内部細胞組織の中で、及び、臓器(例えば、心臓、血管、リンパ管及び皮下組織)の中で、見いだされ得る。特に注目すべき寄生虫は、イヌのイヌ糸状虫、(Dirofilaria iminitis)である。
【0211】
式(I)で表される化合物によって治療及び/又は防除することができる寄生虫には、以下のものも包含される:条虫綱の寄生虫(条虫)、例えば、メソセストイダエ科(Mesocestoidae)の寄生虫、特に、メソセストイデス属(Mesocestoides)の寄生虫、特に、メソセストイデス・リネアツス(M. lineatus);ジピリジイダエ科(Dipylidiidae)、特に、ジピリジウム・カニヌム(Dipylidium caninum)、ジョイエウキシエラ属種(Joyeuxiella spp.)、特に、ジョイエウキシエラ・パスクアリ(Joyeuxiella pasquali)、及び、ジプロピリジウム属種(Diplopylidium spp.)、及び、タエニイダエ科(Taeniidae)、特に、タエニア・ピスホルミス(Taenia pisformis)、タエニア・セルビ(Taenia cervi)、タエニア・オビス(Taenia ovis)、タエネイア・ヒダチゲナ(Taeneia hydatigena)、タエニア・ムルチセプス(Taenia multiceps)、タエニア・タエニアエホルミス(Taenia taeniaeformis)、タエニア・セリアリス(Taenia serialis)、及び、エキノコックス属種(Echinococcus spp.)、最も特に、タネイア・ヒダチゲナ(Taneia hydatigena)、タエニア・オビス(Taenia ovis)、タエニア・ムルチセプス(Taenia multiceps)、タエニア・セリアリス(Taenia serialis);エキノコックス・グラヌロスス(Echinococcus granulosus)、及び、エキノコックス・ムルチロクラリス(Echinococcus multilocularis)。
【0212】
さらに、式(I)で表される化合物は、ヒト病原性寄生虫を治療及び/又は防除するのに適している。これらのうち、消化管内に現れる典型的な代表例は、以下の属の寄生虫である:アンシロストマ属(Ancylostoma)、ネカトル属(Necator)、アスカリス属(Ascaris)、ストロンギロイデス属(Strongyloides)、トリキネラ属(Trichinella)、カピラリア属(Capillaria)、トリクリス属(Trichuris)、及び、エンテロビウス属(Enterobius)。本発明の化合物は、以下の寄生虫にも対抗する:ウケレリア属(Wuchereria)、ブルギア属(Brugia)、オンコセルカ属(Onchocerca)、及び、ドラクンクルス科(Dracunculus)のロア(Loa)、並びに、ストロンギロイデス属(Strongyloides)及びトリキネラ属(Trichinella)の寄生虫(これらは、特に、消化管に感染する)。
【0213】
本発明の化合物によって治療及び/又は防除される特定の寄生虫は、イヌ糸状虫(Dirofilaria immitis)である。そのような治療の特定の対象者は、イヌ及びネコである。
【0214】
本発明の化合物は、単独で又は組成物の形態で投与することができる。実際には、本発明の化合物は、通常、組成物の形態で、即ち、少なくとも1種類の許容される賦形剤と混合された状態で、投与される。任意の許容される賦形剤の割合及び性質は、本発明の選択された化合物の特性、選択された投与経路並びに獣医学及び製薬の分野における標準的技法によって決定される。
【0215】
一実施形態では、本発明は、本発明の化合物及び少なくとも1種類の許容される賦形剤を含んでいる組成物を提供する。
【0216】
そのような治療及び/又は防除の実施において、本発明の化合物は、該化合物を生物学的に利用可能なものとする任意の形態及び経路で投与することができる。本発明の化合物は、経口経路を包含するなさまざまな経路によって、特に、錠剤及びカプセル剤によって、投与することができる。本発明の化合物は、非経口経路によって、より特定的には、吸入、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、経皮、鼻腔内、直腸内、膣内、眼内、局所、舌下及び頬側、腹腔内、脂肪内(intraadiposally)、髄腔内によって、並びに、局所送達(例えば、カテーテル又はステントによる)を介して、投与することができる。当業者は、選択された化合物の特定の特徴、治療対象の障害又は状態、その障害又は状態の段階及び他の関連する状況に応じて、適切な投与形態及び投与経路を容易に選択することができる。本発明の医薬組成物は、対象者に、例えば、錠剤、カプセル剤、カシェ剤、紙剤、トローチ剤、ウエハー剤、エリキシル剤、軟膏剤、経皮貼付剤、エアロゾル剤、吸入剤、坐剤、ドレンチ剤、溶液剤及び懸濁液剤の形態で、投与することができる。
【0217】
用語「許容される賦形剤」は、獣医学的組成物及び医薬組成物を調製する際に通常使用される賦形剤を示しており、そして、純粋でなければならず、及び、使用される量において無毒でなければならない。それらは、一般に、全体として活性成分のためのビヒクル又は媒体として機能し得る固体、半固体又は液体の物質である。許容される賦形剤の一部の例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences and the Handbook of Pharmaceutical Excipients」の中に見いだされ、そして、そのような賦形剤としては、希釈剤、ビヒクル、担体、軟膏基剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、流動促進剤、甘味剤、香味料、ゲル基剤、徐放性マトリックス、安定化剤、防腐剤、溶剤、懸濁化剤、緩衝剤、乳化剤、染料、噴射剤、コーティング剤などがある。
【0218】
一実施形態では、該組成物は、経口投与に適合している(例えば、、錠剤若しくはカプセル剤、又は、液体製剤、例えば、経口投与に適合させた溶液剤若しくは懸濁液剤)。一実施形態では、該組成物は、経口投与に適合している(例えば、経口投与に適合させたチュアブル製剤)。さらに別の実施形態では、該組成物は、液体又は半固体の製剤、例えば、非経口投与に適合させた溶液剤又は懸濁液剤又はペースト剤である。
【0219】
線虫類/蠕虫類の治療及び/又は防除において対象者に使用するための特定の組成物としては、以下のものなどがある:溶液剤;エマルション剤、例えば、古典的なエマルション剤、マイクロエマルション剤及び自己乳化組成物(これは、対象者の身体に添加されると体液と一緒にエマルションを形成する、水を含まない有機組成物、好ましくは、油性組成物);懸濁液剤(ドレンチ剤);ポアオン製剤;食品添加物;粉末剤;錠剤(これは、発泡錠を包含する);ボリ剤(boli);カプセル剤(これは、マイクロカプセル剤を包含する);及び、チュアブルトリート剤(chewable treat)。特に、組成物の形態は、錠剤、カプセル剤、食品添加物又はチュアブルトリートである。
【0220】
本発明の組成物は、獣医学及び製薬の技術分野においてよく知られている方法で調製され、そして、活性成分として本発明の化合物の少なくとも1種類を含んでいる。本発明の化合物の量は、その特定の形態に応じて変えることができ、そして、都合の良いことに、単位投与形態の1%重量~約50重量%であり得る。本発明の医薬組成物は、好ましくは、単位投与形態で製剤され、そして、各用量は、典型的には、約0.5mg~約100mgの本発明の化合物を含んでいる。治療用量に変化をもたらすために、1以上の単位投与形態をとることができる。
【0221】
一実施形態では、本発明は、さらに、寄生虫を治療する方法も提供し、ここで、該方法は、そのような治療を必要とする対象者に有効量の式(I)で表される化合物又はその塩を投与することを含み、ここで、該方法は、場合により、有効量の少なくとも1種類の追加の活性化合物をさらに含んでいる。
【0222】
一実施形態では、本発明は、さらに、寄生虫を防除する方法も提供し、ここで、該方法は、そのような防除を必要とする対象者に有効量の式(I)で表される化合物又はその塩を投与することを含み、ここで、該方法は、場合により、有効量の少なくとも1種類の追加の活性化合物をさらに含んでいる。
【0223】
一実施形態では、本発明は、さらに、寄生虫を治療又は防除する方法も提供し、ここで、該方法は、対象者の環境を有効量の式(I)で表される化合物又はその塩と接触させることを含み、ここで、該方法は、場合により、有効量の少なくとも1種類の追加の活性化合物をさらに含んでいる。
【0224】
従って、本発明は、本発明の化合物の薬剤としての使用も提供し、ここで、これは、薬剤を製造するための使用を包含している。一実施形態では、本発明は、寄生虫を治療するための式(I)で表される化合物又はその塩を含んでいる薬剤の製造を提供する。一実施形態では、本発明は、寄生虫を防除するための本発明の化合物又はその塩を含んでいる薬剤の製造を提供する。
【0225】
用語「治療する(treating)」、「治療する(to treat)」、「治療される(treated)」又は「治療(treatment)」は、限定するものではないが、既存の症状の進行若しくは重症度を抑制すること、遅らせること、停止させること、低減させること、改善すること、逆転させること、又は、障害、状態若しくは疾患を予防することを包含する。例えば、成体イヌ糸状虫感染症は、本発明の化合物を投与することによって治療されるであろう。治療は、治療的に適用又は投与され得る。
【0226】
用語「防除する(control)」、「防除する(controlling)」又は「防除される(controlled)」は、限定するものではないが、症状、障害、状態又は疾患のリスクを低下させること、低減させること又は改善すること、及び、症状、障害、状態又は疾患から動物を保護することを包含する。防除は、治療的投与、予防的投与又は防止的投与を示す場合がある。幼虫又は未熟なイヌ糸状虫の感染症は、無症候性であり得ること、並びに、成熟した寄生虫による感染症は症候性及び/又は衰弱性であることは、よく理解されている。従って、例えば、イヌ糸状虫感染症は、幼虫又は未熟な寄生虫に作用して、感染症が成熟した寄生虫による感染症に進行するのを防ぐことによって防除されるであろう。
【0227】
従って、寄生虫(特に、蠕虫類、特に、内部寄生性の線虫類及び吸虫類)の治療及び/又は防除における本発明の化合物の使用とは、対象者が罹患率又は死亡率を包含する症状を示しているかどうかに関係なく、また、寄生虫の攻撃の段階に関係なく、そのライフサイクル全体を通してさまざまな形態の寄生虫に作用するための本発明の化合物の使用のことである。
【0228】
本明細書中で使用されている場合、「対象者への投与」には、限定するものではないが、皮膚投与、皮下投与、筋肉内投与、粘膜投与、粘膜下投与、経皮投与、経口投与又は鼻腔内投与が包含される。投与は、注射又は局所投与を包含し得る。
【0229】
用語「対象者」及び「患者」には、ヒト、並びに、非ヒト哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、フェレット、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ及びブタなどが包含される。より特定的な対象者がヒトであることは、理解される。さらにまた、より特定的な対象者は、哺乳類のペット又は伴侶動物、例えば、イヌ及びネコ、並びに、さらに、マウス、モルモット、フェレット及びウサギなどである。
【0230】
用語「有効量」は、対象者に所望の利益を与える量を示しており、そして、治療及び防除の両方のための投与を包含する。該量は、個々の対象者ごとに異なり、そして、多くの要因(例えば、対象者の全体的な健康状態及び治療される状態の根本的な原因の重症度、併用治療、並びに、所望の応答を有益なレベルで維持するために使用される化合物の量)に依存する。
【0231】
有効量は、既知の技術を使用することによって、及び、類似の状況下で得られた結果を観察することによって、当業者としての担当の診断医が容易に決定することができる。該有効量、該投与量の決定においては、多くの要因が担当の診断医によって考慮され、ここで、そのような要因としては、限定するものではないが、以下のものがある:患者の種;そのサイズ、年齢及び一般的な健康状態;関連する特定の状態、障害、感染症又は疾患;状態、障害又は疾患の程度又は関与又は重症度;個々の患者の反応;投与される特定の化合物;投与方法;投与される調製物のバイオアベイラビリティ特性;選択された投与計画;併用薬の使用;及び、他の関連する状況。本発明の有効量、治療投与量は、0.5mg~100mgの範囲であると予期される。具体的な量は、当業者が決定することができる。これらの投与量は、体重が約1kg~約20kgの対象者に基づいているが、診断医は、体重がこの体重範囲の外にある対象者に関して適切な用量を決定することができる。本発明の有効量、治療用量は、対象者の体重1kgあたり、0.1mg~10mgの範囲であると予期される。投薬計画は、毎日、毎週又は毎月の投与であると予期される。
【0232】
本発明の化合物は、それが適応症である1以上の障害、疾患又は状態の治療(これは、寄生虫の治療を包含する)のための1以上の別の活性化合物又は治療法と組み合わせることができる。本発明の化合物は、寄生虫及び他の障害を治療するための1以上の化合物又は治療法と組み合わせて、同時に、順次に、又は、別々に投与することができる。
【0233】
例えば、イヌ糸状虫を包含する寄生虫を治療するために使用される場合、本発明の化合物は、大環状ラクトン(例えば、イベルメクチン、モキシデクチン又はミルベマイシンオキシム)又はイミダクロプリドと組み合わせることができる。寄生虫を治療するための特定の組み合わせには、本発明の化合物とイベルメクチンが含まれる。寄生虫を治療するための別の特定の組み合わせには、本発明の化合物とミルベマイシンオキシムが含まれる。
【0234】
従って、本発明の組成物及び方法は、場合により、有効量の少なくとも1種類の追加の活性化合物を含むことを包含することは理解される。
【0235】
殺寄生虫剤としての化合物の活性は、インビトロ法及びインビボ法を包含するさまざまな方法によって決定することができる。
【0236】
実施例A
イヌのイヌ糸状虫ミクロフィラリア
イヌ糸状虫(D.immitis)ミクロフィラリアを、感染したドナーのビーグル血液から濾過によって分離し、適切な培地内でインキュベートする。被験化合物をDMSO中で希釈し、寄生虫を含む96ウェルプレートに加える。プレートを所望の時間インキュベートし、運動性についてLCDカメライメージングシステムを使用して評価する。血清の効果は、最大20%のウシ胎児血清をアッセイに添加することによって試験する。運動阻害値(%)は、DMSOのみのウェルの平均と比較して生成される。
【0237】
この試験において、例えば、調製実施例からの以下の化合物は、EC50<0.1μg/mLを示した: 2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、3.1、3.2、3.3、3.4、4.1、5.1、5.2、5.3、5.4、5.6、5.7、5.8、5.10、5.11、5.12、5.13、5.14、5.15、5.16、5.17、5.18、5.19、5.20、5.21、5.22、5.23、5.23、5.24、6.1、及び、7.1。
【0238】
実施例B1
反芻動物の胃腸(捻転胃虫(H.contortus)幼虫発育アッセイ(Hc LDA)):
子ヒツジの糞便から分離されたH.c.の卵を、一晩孵化させる。被験化合物をDMSO内で希釈し、適切な培地を含んでいる96ウェルプレートに加える。H.c.の幼虫を各ウェルに加え、プレートを所望の時間インキュベートする。運動性についてLCDカメライメージングシステムを使用して評価する。運動阻害値(%)は、DMSOのみのウェルの平均と比較して生成される。
【0239】
この試験において、例えば、調製実施例からの以下の化合物は、EC50<1μg/mLを示した: 2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.8、3.1、3.2、3.3、3.4、4.1、5.1、5.2、5.3、5.4、5.6、5.7、5.8、5.11、5.12、5.13、5.14、5.15、5.16、5.17、5.18、5.19、5.20、5.21、5.22、5.23、5.23、5.24、6.1、及び、7.1。
【0240】
実施例B2
他の線虫類インビトロ
カエノラブディティス・エレガンス(Caenorhabditis elegans)(Ce): C・エレガンス(C.elegans)発育アッセイ(Ce DA)は、発育している線虫類に対する化合物の効果を測定する。C・エレガンスの卵を、食物(E.coli)及びDMSO中で製剤された処理と一緒に384ウェルプレートに入れる。プレートを25℃で48時間インキュベートして、線虫をL4段階まで発育させる。化合物の効果は、運動性の低下として測定する。有効性は、ネガティブコントロールと比較した運動性の低下(%)で表される。
【0241】
この試験において、例えば、調製実施例からの以下の化合物は、EC90<1μg/mLを示した: 5.23、5.35、5.36、5.41、5.45、5.47、5.48、5.49、5.54、5.55、5.56、5.57、5.58. 5.59、5.60、5.61、5.62、5.63。
【0242】
実施例C
胃腸線虫類
スナネズミ(Meriones unguiculatus)に、胃管栄養法によって、T・コルブリホルミス(T.colubriformis)と捻転胃虫(H.contortus)のそれぞれの3齢幼虫を人工的に感染させる。次いで、感染後6日目に、1×3mg/kg~1×32mg/kgの範囲内の用量の被験化合物(例えば、DMSO/PEG(2/1)内で製剤した被験化合物)で経口的に治療する。治療の3日後、スナネズミを安楽死させて解剖し、胃から捻転胃虫を回収し、小腸からT・コルブリホルミスを回収する。有効性は、アボットの式を使用して、プラセボ治療群と比較した蠕虫数の減少(%)として表される。
【0243】
実施例3.3、5.2、5.3、5.4、5.19、5.23及び5.47の化合物は、Hc及びTcに対して>80%有効であった。実施例3.1、2.3及び5.6の化合物は、Hcに対して>80%有効であった。
【0244】
実施例D
イヌ糸状虫線虫
Avモデル: 感染性A.ビテアエ(A.viteae)幼虫を皮下注射したスナネズミを、その後、経口胃管栄養法によって、1×3mg/kg~5×32mg/kg(5日間連続で1日1回投与)の範囲内の用量の被験物質(例えば、DMSO/PEG(2/1)内で製剤された被験物資)で治療した。感染から12週間後の検死において、有効性は、アボットの式を使用して、プラセボ治療群と比較した蠕虫数の減少(%)として表される。
【0245】
実施例2.6、3.4、5.4、5.6、5.7、5.8、5.19及び5.20の化合物は、Avに対して>80%有効であった。
【0246】
実施例E
L.s.モデル
マウス(BALB/c)を、皮下注射又は感染したダニへの曝露のいずれかによって、L.シグモドンチス(L.sigmodontis)の第3段階の幼虫に実験的に感染させた。治療は、経口胃管栄養法又は皮下注射によって、1×3mg/kg(単回投与)~5×32mg/kg(5日間連続で1日1回投与)の範囲内の用量のDMSO/PEG(2/1)内で製剤された被験物質を用いて行った。感染から35~37日後の検死において、腹膜内及び胸膜腔内で蠕虫数を数える。有効性は、アボットの式を使用して、プラセボ治療群と比較した蠕虫数の減少(%)として表される。実施例3.3、5.3、5.41、5.47、5.48及び5.56の化合物は、L.sに対して>80%有効であった。
【国際調査報告】