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特表2022-535167積層造形されたレドームを有するキャビティ付きノッチアンテナ
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  • 特表-積層造形されたレドームを有するキャビティ付きノッチアンテナ 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】積層造形されたレドームを有するキャビティ付きノッチアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/42 20060101AFI20220728BHJP
   H01Q 13/10 20060101ALI20220728BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20220728BHJP
   H01Q 11/08 20060101ALI20220728BHJP
【FI】
H01Q1/42
H01Q13/10
H01Q21/24
H01Q11/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022511113
(86)(22)【出願日】2020-08-14
(85)【翻訳文提出日】2022-04-14
(86)【国際出願番号】 US2020046367
(87)【国際公開番号】W WO2021034662
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】16/545,031
(32)【優先日】2019-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519100985
【氏名又は名称】ビーエイイー・システムズ・インフォメーション・アンド・エレクトロニック・システムズ・インテグレイション・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ハワース、ディーン・ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】ショー、マイケル・ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA02
5J021AB05
5J021JA05
5J045AA02
5J045CA02
5J045CA03
5J045DA06
5J045HA03
5J045MA07
5J046AA07
5J046AA14
5J046AA15
5J046AA19
5J046AB08
5J046AB12
5J046RA03
5J046RA12
(57)【要約】
少なくとも1つの格子構造を備えるキャビティ付きノッチ用の積層造形されたレドームのためのシステム及び方法であって、ここにおいて、アンテナは、VHFからmmWまでの任意の4:1帯域幅にわたって機能する。いくつかのケースでは、レドーム格子は、アンテナからの距離とともに変化する密度を有する。いくつかのケースでは、複数のアンテナが方向探知のために使用される。レドームは、低誘電率を有するガラス充填ポリマー又は他の材料から積層造形され得る。いくつかのケースでは、レドームは、空気の誘電率に近似した誘電率を有する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティ付きの指数関数的テーパ状になった容量性給電される多層PCBノッチアンテナと、
少なくとも1つの格子構造を備える積層造形されたレドーム、ここにおいて、前記内部格子構造は、多面体形状、オープントラス構造、又はこれら2つの任意の組合せの、繰り返し周期的単位セルのボリューム充填によって定義される、と、
を備えるアンテナパッケージ。
【請求項2】
前記キャビティ付きノッチアンテナは、VHFからmmWまでの任意の4:1帯域幅にわたって機能するようにスケーリングされ得る、請求項1に記載のレドーム。
【請求項3】
前記アンテナは、受信用途及び/又は送信用途のために使用される、請求項1に記載のレドーム。
【請求項4】
第1のアンテナが、二重偏波アンテナを形成するために、第2のアンテナと共に使用される、請求項1に記載のレドーム。
【請求項5】
複数のアンテナが方向探知システムの一部である、請求項3に記載のレドーム。
【請求項6】
90°ハイブリッドアンテナが、円偏波アンテナを作り出すために追加される、請求項3に記載のレドーム。
【請求項7】
前記アンテナは、誘電体円錐アンテナである、請求項1に記載のレドーム。
【請求項8】
前記アンテナは、スパイラルアンテナである、請求項1に記載のレドーム。
【請求項9】
前記レドームを積層造形するために使用される前記材料は、ガラス充填ポリマーである、請求項1に記載のレドーム。
【請求項10】
少なくとも1つの格子構造が、ビーム形成及び/又はビームステアリングを提供するために、前記アンテナからの距離とともに変化する、空間的に変化する密度を有する、請求項1に記載のレドーム。
【請求項11】
前記内部格子構造は、環境からの保護を目的として、薄いソリッドスキン層によって1つ又は複数の表面を囲まれている、請求項1に記載のレドーム。
【請求項12】
前記多層PCBノッチアンテナは、3層PCBノッチアンテナである、請求項1に記載のレドーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、アンテナ用レドームに関し、より詳細には、積層造形されたレドーム(additively manufactured radomes)に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]アンテナレドームは、環境要因(例えば、風、砂、水、熱、取り扱い等)から内部アンテナ構成要素を保護するために必要とされることが多い。しかしながら、アンテナの所望の性能に悪影響を与えないように、レドームについての慎重な設計上の選択及び材料選択が行われなければならない。従来のシステムでは、アンテナレドームは、特定の用途に役立つ特定の材料特性を持つ非常に限られた市販の材料のセットから作製されることが多い。それでもなお、これらの材料の使用は、アンテナ自体にある程度の性能劣化を与えることが多い。従来のレドーム材料に関連付けられた製造プロセスは、多数の工程を必要とし、非常に労働集約的であり、専用の工具及び設備を必要とすることが多い。スモールフォームファクタ及び特定の用途は、従来技法の適用を更に制限する。
【0003】
[0003]故に、本開示の目的は、従来のキャビティ付きノッチアンテナに関連付けられた上述の短所及び欠点を克服することである。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本開示の一態様は、キャビティ付きの(a cavity backed)指数関数的テーパ状になった容量性給電される多層PCBノッチアンテナと、少なくとも1つの格子構造を備える積層造形されたレドーム、ここにおいて、内部格子構造が、多面体形状、オープントラス構造(open truss structures)、又はこれら2つの任意の組合せの、繰り返し周期的単位セル(repeating periodic unit cells)のボリューム充填(volume packing)によって定義される、と、を備えるアンテナパッケージである。
【0005】
[0005]ある特定の実施形態では、アンテナは、VHFからmmWまでの任意の4:1帯域幅にわたって機能するようにスケーリングされ得る。
【0006】
[0006]レドームのシステムの一実施形態は、アンテナが受信用途及び/又は送信用途のいずれかのために使用されるものである。
【0007】
[0007]レドームの別の実施形態は、アンテナがキャビティ付きノッチアンテナであるものである。いくつかのケースでは、アンテナは、誘電体円錐アンテナである。ある特定の実施形態では、アンテナは、スパイラルアンテナである。
【0008】
[0008]レドームの更に別の実施形態は、第1のアンテナが、二重偏波アンテナ(dual polarization antenna)を形成するために、第2のアンテナと共に使用されるものである。いくつかのケースでは、複数のアンテナは、方向探知システムの一部である。
【0009】
[0009]レドームの更に別の実施形態は、90°ハイブリッドアンテナが円偏波アンテナを作り出すために追加されるものである。いくつかのケースでは、レドームを積層造形するために使用される材料は、ガラス充填ポリマーである。
【0010】
[0010]レドームの一実施形態は、少なくとも1つの傾斜格子構造(gradient lattice structure)が、ビーム形成及び/又はビームステアリングを提供するために、アンテナからの距離とともに変化する、空間的に変化する密度を有するものである。
【0011】
[0011]別の実施形態では、内部格子構造は、環境からの保護を目的として、薄いソリッドスキン層によって1つ又は複数の表面を囲まれている。
【0012】
[0012]ある特定の実施形態では、多層PCBノッチアンテナは、3層PCBノッチアンテナである。
【0013】
[0013]本開示のこれらの態様は、排他的であることを意図するものではなく、本開示の他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面と併せて読むと、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0014】
[0014]本開示の上記及び他の目的、特徴、及び利点が、添付の図面に例示されるように、本開示の特定の実施形態の以下の説明から明らかになり、ここで、同様の参照符号が、異なる図全体にわたって同じ部分を指す。図面は必ずしも縮尺通りではなく、むしろ本開示の原理を例示することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1A】[0015]図1Aは、本開示の原理による積層造形されたレドームの一実施形態を有する、より広い視野を提供するために2つのアンテナを備えるキャビティ付きノッチアンテナパッケージの斜視図を示す。
図1B】[0016]図1Bは、左側に積層造形されたレドームの一実施形態と、右側に従来のレドームと、を有する、本開示の原理によるシングルキャビティ付きノッチアンテナパッケージの斜視図を示す。
図2】[0017]図2は、図1AのAAに沿った、本開示の原理による積層造形されたレドームの一実施形態を有するシングルキャビティ付きノッチアンテナの断面図を示す。
図3A】[0018]図3Aは、本開示の原理によるノッチPCBアンテナの一実施形態の詳細のコネクタ側面図を示す。
図3B】[0019]図3Bは、本開示の原理によるノッチPCBアンテナの一実施形態の詳細の背面図を示す。
図3C】[0020]図3Cは、本開示の原理によるノッチPCBアンテナの一実施形態の中心層の詳細を示す。
図4】[0021]図4は、本開示の原理による積層造形されたレドームあり、なしのキャビティ付きノッチアンテナについての電圧定在波比(VSWR)対周波数のプロットを示す。
図5A】[0022]図5Aは、本開示の原理による多面体の一実施形態を示す。
図5B】[0023]図5Bは、本開示の原理による切頂多面体の一実施形態を示す。
図6】[0024]図6は、キャビティ付きノッチアンテナパッケージ用の積層造形されたレドームのための、本開示の原理による任意のボリュームを充填する切頂八面体の空間充填テッセレーションの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0025]一実施形態では、従来とは異なるサイズ制約及び0dBiより大きい利得を有する象限視野(FOV)に対する要件に対処する必要がある。そこでは、従来のキャビティ付きノッチアンテナは、所要のサイズのエンベロープ内に収まらずに、依然として設計要件を満たすことになる。典型的な成形ポリマーレドームを使用することは、場合によっては、機械的には機能し得るが、材料の誘電率は、アンテナの全帯域幅を低減させ、それを所要の4:1帯域幅未満に縮小させるように、アンテナに負荷をかけることになる。したがって、構造的に正常(structurally sound)であり、かつ電気的に準拠するであろう解決策が必要であった。本開示の一態様は、受信用途及び/又は送信用途のいずれかのために使用される単一のアンテナを備えるシステムである。本開示のシステムの別の実施形態は、方向探知システムの一部として複数のアンテナを備える。
【0017】
[0026]本開示の一実施形態は、積層造形されたレドームを有するキャビティ付きノッチアンテナである。別の実施形態では、ノッチアンテナの代わりに、誘電体円錐アンテナが使用され得る。いくつかのケースでは、スパイラルアンテナが使用され得る。追加のオプションは、二重偏波アンテナを作り出すために、電流素子(the current element)と交差する第2のノッチ素子を追加することである。ある特定の実施形態では、90°ハイブリッドが、円偏波アンテナを作り出すために追加され得る。
【0018】
[0027]一実施形態では、本開示の原理によるレドームは、大量の帯域幅を犠牲にすることなく、アンテナのローエンド周波数応答を改善する。ボリュームの制約が与えられているので、アンテナをより大きくすることができず、したがって、新しいレドームアプローチが必要であった。この解決策はまた、所要の強度及び剛性を提供するが、隣接する材料における熱膨張係数(CTE:coefficient of thermal expansion)ミスマッチに対応する(accommodate)ある程度のコンプライアンスを可能にする内部格子状レドーム構造を作り出すために積層造形を使用することによって、CTEミスマッチ問題並びに他の環境課題を考慮する。ソリッドポリマーインサートが使用された場合、アンテナのQは、増大しすぎることになり、したがって、アンテナの全帯域幅を用途に対する要件未満に縮小させ、特徴的に高いCTEを有するソリッド剛性構造(solid rigid structure)は、機械工学的課題であった。
【0019】
[0028]現在の解決策は、従来製造されたレドームを使用し、これは、レドームが高すぎる実効単一離散誘電率(effective single discrete dielectric constant)を有するバルク材料から作製されているので、帯域幅を犠牲にするか、又は材料が高価すぎるかのいずれかである。加えて、困難なボリューム制約(即ち、小型であること)は、追加の考慮を必要とする。本開示の一実施形態では、効率的な広帯域小型SWAP-Cアンテナが説明される。
【0020】
[0029]図1Aを参照すると、より広い視野を提供するように位置合わせされた2つのアンテナ12、12’を備えるキャビティ付きノッチアンテナパッケージ10の斜視図である。パッケージは、本開示の原理による積層造形されたレドーム14の一実施形態を有する。より具体的には、一対のアンテナのうちの一方は、コネクタ16を有するノッチプリント回路基板(PCB)アンテナ12として説明され、積層造形されたレドーム14と共に、アンテナを覆うハウジング18内に示されている。一実施形態では、レドームは、他の環境条件の中でも特に、極端な温度、(材料が膨張及び収縮し得る)高度、及び振動に耐えなければならない。いくつかのケースでは、アンテナのフォームファクタは、非常に小さい。
【0021】
[0030]ある特定の実施形態では、アンテナ設計は、周波数に依存しない。それは、VHFからmmWまでの任意の4:1帯域幅にわたって機能するようにスケーリングされ得る。これは、全ての寸法比が維持される限り、それは、任意の4:1帯域幅を満たすようにスケーリングされ得ることを意味する。
【0022】
[0031]図1Bを参照すると、左側に積層造形されたレドーム14の一実施形態と、右側に従来のレドーム15と、を有する、本開示の原理によるシングルキャビティ付きノッチアンテナパッケージの斜視図が示されている。この図では、本開示の原理によるノッチPCBアンテナ12の一実施形態が、ハウジング18内に示されている。
【0023】
[0032]図1Bの左側には、格子スタイルの積層造形されたレドーム14の一実施形態が示されている。右側には、従来のレドーム15が示されている。そこでは、レドームは、ロハセル(Rohacell)低誘電発泡体で作製されている。従来のシステムは、アンテナの機械的特性に悪影響を及ぼし得るロハセル等のソリッド発泡体を使用する。いくつかの従来のシステムでは、高温ポリマーが使用されるが、それは2:1帯域幅しか提供しない。従来のシステムに関する別の問題が、必要とされる過剰ボリュームである。
【0024】
[0033]図2を参照すると、図1AのAAに沿った、本開示の原理による積層造形されたレドームを有するキャビティ付きノッチアンテナの一実施形態の断面図が示されている。より具体的には、ノッチプリント回路基板(PCB)アンテナ12が、格子スタイルの積層造形されたレドーム14と共に、ハウジング18内に示されている。本開示のノッチプリント回路基板(PCB)アンテナの一実施形態の詳細を図3A図3Cに示す。積層造形されたレドームは、構造的補強を提供するのみならず、アンテナ素子が環境に露出されないようにアンテナ素子を保護するために使用される。追加として、本開示のレドームは、アンテナの最適な動作に干渉しないように、空気に近似した誘電率を有する必要がある。一実施形態では、レドーム14は、工学的に作製された疎な格子状のガラス充填ポリマー構造を備える。ここで、正の空間及び負の空間が、複数の層1、2を有する格子構造を作り出す。いくつかのケースでは、積層造形されたレドームは、様々な異なる単位セルを有する格子型構造を有し得る。
【0025】
[0034]図3Aを参照すると、本開示の原理によるノッチPCBアンテナの一実施形態の詳細のコネクタ側面図が示されている。より具体的には、これは、基板6と、エッチングされたアートワーク21と、コネクタ8と、を含む。これは、図2において側面図から見たPCB6である。ある特定の実施形態では、ノッチのエッチングされた銅アートワーク21は、RFチョークである。低周波数では、電流はノッチをラップアラウンド(wrap around)し、キャビティ7から跳ね返り、破壊的干渉を引き起こす。このアートワークは、これらの電流を摂動させ、干渉を防止するための手段であった。ある特定の実施形態では、キャビティ内部に基板を取り付けるために使用される穴22が示されている。コネクタ8は、図2(16)に示されたものと同じコネクタである。いくつかのケースでは、コネクタの中心導体が、パッド23にはんだ付けされる。
【0026】
[0035]図3Bを参照すると、本開示の原理によるノッチPCBアンテナの一実施形態の詳細の背面図が示されている。より具体的には、PCBの背面の画像は、PCBアンテナ6と、エッチングされたアートワーク25と、基板を完全に貫通するビア26と、を含む。前述したように、24は、RFチョークである。この図では、ビア26は見えている。これらのビアは、3つの層全てを貫通し(図3A図3C)、3つの層全てを電気的に接続する。
【0027】
[0036]図3Cを参照すると、本開示の原理によるノッチPCBアンテナの一実施形態の中心層の詳細が示されている。より具体的には、PCBの中心層の画像は、PCBアンテナ6と、エッチングされたアートワーク27と、並びに完全に貫通するビアと、を含む。この図では、27は、エッチングされた接地層であり、給電トレース28、即ち、センターフィードは、4分の1波長スタブで終端される。この実施形態では、それは、他の2つの層の接地に物理的に接続されていない。図3Aに見られるように、コネクタ8は、29と印された位置において給電トレース28に接続するビアを有する。
【0028】
[0037]図4を参照すると、本開示の原理による積層造形されたレドームあり、なしのキャビティ付きノッチアンテナについての電圧定在波比(VSWR)対周波数のプロットが示されている。より具体的には、プロットは、4:1周波数帯域幅にわたるシステムについての4より小さい(less than 4)VSWRに対する特定の要件を印す第1の線30を示す。周波数にわたるVSWRが、本開示の一実施形態の積層造形されたレドームあり32のキャビティ付きノッチアンテナと、レドームなし34のキャビティ付きノッチアンテナとについてプロットされている。本開示の積層造形されたレドーム32は、実際に空気よりも良好に機能することがわかり得る。それは、これらの周波数において、むきだしのアンテナの3倍(3x)の帯域幅と比較して、4倍(4x)の帯域幅を有する。
【0029】
[0038]キャビティの深さ及びノッチの最大長は、システムの割り振られたボリュームによって設定された。整合バラン上のノッチのフレアは、所要のFOV及び50オームへのインピーダンス整合のためにアンテナパターンを成形するように設計された。ノッチの形状が正確なFOVアンテナパターンを提供するので、テーパ状になった密度格子構造は、この特定の用途には必要とされなかった。しかしながら、広げられたビーム又は狭められたビームが所望される場合、ノッチに関連して格子の密度を変更することが行われ得る。可能な限り最大の帯域幅を達成する必要性と、機械的構造要件を満たす必要性との両方を満たす、ポリマー対空気の最低の全体ボリューム比が選択された。所要の最低周波数で性能を達成するために、より重いローディング(heavier loading)は必要とされなかった。
【0030】
[0039]図5Aを参照すると、本開示の原理による多面体の一実施形態が示されている。図5Bを参照すると、本開示の原理による切頂多面体の一実施形態が示されている。
【0031】
[0040]図6を参照すると、キャビティ付きノッチアンテナパッケージ用の積層造形されたレドームのための、本開示の原理による任意のボリュームを充填する切頂八面体の空間充填テッセレーションの一実施形態が示されている。より具体的には、一実施形態では、内部ボリュームの疎な格子構造(internal volumetric sparse lattice structure)は、特定の所要のRF特性を達成するように適合させることが可能な物理的寸法を有する切頂八面体の形状の単位セルの単純立方充填に基づく。切頂八面体は、4つのソリッドのみが各頂点で交わる(meet)ように、任意のボリュームを充填する。それはまた、半正(semi-regular)であり、その面が等角及び等辺の多角形であることを意味する。特性のこの一意の組合せを有する他のソリッドは存在せず、したがって、それは、合同部分における最も単純な空間分解をもたらす。
【0032】
[0041]様々な異なる格子構造が可能であり、限定はしないが、他の複雑な多面体ベースの単位セル並びに周期的なオープントラス構造単位セルを含む特定の用途に好適であり得ることが理解される。ある特定の実施形態では、格子密度は、ノッチPC基板から離れるように移動するにつれて、低密度から高密度へ、又は高密度から低密度へと変化して、レンズとして機能し、所望に応じてビーム形状を変化させる。いくつかのケースでは、より高い実効誘電率が必要とされる場合、総合密度が増大され得る。
【0033】
[0042]本発明の様々な実施形態を詳細に説明してきたが、当業者には、それらの実施形態の様々な修正及び変更が想起され、容易に明らかになるであろうことが明らかである。しかしながら、そのような修正及び変更は、添付の特許請求の範囲に記載されているように、本発明の範囲及び趣旨の範囲内にあることを明確に理解されたい。更に、本明細書で説明される(1つ又は複数の)発明は、他の実施形態が可能であり、様々な他の関連する方法で実施又は実行されることが可能である。加えて、本明細書で使用された表現及び専門用語は、説明を目的としており、限定的なものと見なされるべきではないことを理解されたい。本明細書における「~を含む(including)」、「~を備える(comprising)」、又は「~を有する(having)」及びそれらの変形の使用は、その後に列挙されるアイテム及びその等価物並びに追加のアイテムを包含するように意図され、一方、「~で構成される(consisting of)」及び「~のみで構成される(consisting only of)」という用語のみが、限定的な意味で解釈されるべきである。
【0034】
[0043]本開示の実施形態の前述の説明は、例示及び説明を目的として提示されてきた。それは、網羅的であること、又は開示された厳密な形態に本開示を限定することを意図したものではない。本開示を踏まえて、多くの修正及び変形が可能である。本開示の範囲は、この発明を実施するための形態によってではなく、本明細書に添付された特許請求の範囲によって限定されることが意図される。
【0035】
[0044]いくつかの実装形態が説明された。しかしながら、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正が行われ得ることが理解されるであろう。動作は特定の順序で図面に図示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、若しくはシーケンシャル順に行われること、又は全ての例示された動作が実行されること、を必要とすると理解されるべきではない。
【0036】
[0045]本開示の原理を本明細書で説明してきたが、この説明は、本開示の範囲に関する限定としてではなく、例としてのみ行われていることを当業者は理解されたい。本明細書に示され、説明された例示的な実施形態に加えて、他の実施形態が、本開示の範囲内で企図される。当業者による修正及び置換は、本開示の範囲内にあると見なされる。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティ付きの指数関数的テーパ状になった容量性給電される多層プリント回路基板(PCBノッチアンテナと、
少なくとも1つの格子構造を備える積層造形されたレドーム、ここにおいて、内部格子構造、多面体形状、オープントラス構造、又はこれら2つの任意の組合せの、繰り返し周期的単位セルのボリューム充填によって定義される、と、
を備え
ここにおいて、前記少なくとも1つの格子構造は、ビーム形成及び/又はビームステアリングを提供するために、前記アンテナからの距離とともに変化する、空間的に変化する密度を有する、アンテナパッケージ。
【請求項2】
前記キャビティ付きノッチアンテナは、超短波(VHFからミリ波(mmWまでの任意の4:1帯域幅にわたって機能するようにスケーリングされる、請求項1に記載のアンテナパッケージ
【請求項3】
前記アンテナは、受信用途及び/又は送信用途のために使用される、請求項1に記載のアンテナパッケージ
【請求項4】
第1のアンテナが、二重偏波アンテナを形成するために、第2のアンテナと共に使用される、請求項1に記載のアンテナパッケージ
【請求項5】
複数のアンテナが方向探知システムの一部である、請求項3に記載のアンテナパッケージ
【請求項6】
90°ハイブリッドアンテナが、円偏波アンテナを作り出すために追加される、請求項3に記載のアンテナパッケージ
【請求項7】
前記アンテナは、誘電体円錐アンテナである、請求項1に記載のアンテナパッケージ
【請求項8】
前記アンテナは、スパイラルアンテナである、請求項1に記載のアンテナパッケージ
【請求項9】
前記レドームを積層造形するために使用される材、ガラス充填ポリマーである、請求項1に記載のアンテナパッケージ
【請求項10】
前記多層PCBノッチアンテナは、3層PCBノッチアンテナである、請求項1に記載のアンテナパッケージ。
【請求項11】
前記内部格子構造は、環境からの保護を目的として、薄いソリッドスキン層によって1つ又は複数の表面を囲まれている、請求項1に記載のアンテナパッケージ
【請求項12】
キャビティ付きの指数関数的テーパ状になった容量性給電される多層プリント回路基板(PCB)ノッチアンテナと、
少なくとも1つの格子構造を備える積層造形されたレドーム、ここにおいて、内部格子構造が、多面体形状、オープントラス構造、又はこれら2つの任意の組合せの、繰り返し周期的単位セルのボリューム充填によって定義される、と、
を備え、
ここにおいて、前記内部格子構造は、環境からの保護を目的として、薄いソリッドスキン層によって1つ又は複数の表面を囲まれている、アンテナパッケージ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
[0045]本開示の原理を本明細書で説明してきたが、この説明は、本開示の範囲に関する限定としてではなく、例としてのみ行われていることを当業者は理解されたい。本明細書に示され、説明された例示的な実施形態に加えて、他の実施形態が、本開示の範囲内で企図される。当業者による修正及び置換は、本開示の範囲内にあると見なされる。
以下に本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] キャビティ付きの指数関数的テーパ状になった容量性給電される多層PCBノッチアンテナと、
少なくとも1つの格子構造を備える積層造形されたレドーム、ここにおいて、前記内部格子構造は、多面体形状、オープントラス構造、又はこれら2つの任意の組合せの、繰り返し周期的単位セルのボリューム充填によって定義される、と、
を備えるアンテナパッケージ。
[C2] 前記キャビティ付きノッチアンテナは、VHFからmmWまでの任意の4:1帯域幅にわたって機能するようにスケーリングされ得る、C1に記載のレドーム。
[C3] 前記アンテナは、受信用途及び/又は送信用途のために使用される、C1に記載のレドーム。
[C4] 第1のアンテナが、二重偏波アンテナを形成するために、第2のアンテナと共に使用される、C1に記載のレドーム。
[C5] 複数のアンテナが方向探知システムの一部である、C3に記載のレドーム。
[C6] 90°ハイブリッドアンテナが、円偏波アンテナを作り出すために追加される、C3に記載のレドーム。
[C7] 前記アンテナは、誘電体円錐アンテナである、C1に記載のレドーム。
[C8] 前記アンテナは、スパイラルアンテナである、C1に記載のレドーム。
[C9] 前記レドームを積層造形するために使用される前記材料は、ガラス充填ポリマーである、C1に記載のレドーム。
[C10] 少なくとも1つの格子構造が、ビーム形成及び/又はビームステアリングを提供するために、前記アンテナからの距離とともに変化する、空間的に変化する密度を有する、C1に記載のレドーム。
[C11] 前記内部格子構造は、環境からの保護を目的として、薄いソリッドスキン層によって1つ又は複数の表面を囲まれている、C1に記載のレドーム。
[C12] 前記多層PCBノッチアンテナは、3層PCBノッチアンテナである、C1に記載のレドーム。
【国際調査報告】